千葉ちば昌胤まさたね

凡例はんれい 千葉ちば昌胤まさたね
時代じだい	戦国せんごく時代じだい
生誕せいたん	明あかり応おう4年ねん5月がつ10日とおか（1495年ねん6月2日にち）
死没しぼつ	天文てんもん15年ねん1月がつ7日にち（1546年ねん2月がつ7日にち）
幕府ばくふ	室町むろまち幕府ばくふ
氏族しぞく	千葉ちば氏し
父母ちちはは	父ちち：千葉ちば勝かち胤たね
子こ	利り胤たね、胤たね富とみ、親しん胤たね（異説いせつあり）

千葉ちば 昌胤まさたね（ちば まさたね）は、戦国せんごく時代じだいの下総しもうさ国こくの大名だいみょう。千葉ちば氏し第だい24代だい当主とうしゅ。千葉ちば勝かち胤たねの嫡男ちゃくなん。法ほう阿弥あみ。

生涯しょうがい

明あかり応おう4年ねん（1495年ねん）5月がつ10日とおか、下総しもうさ国こくの戦国せんごく大名だいみょう・千葉ちば勝かち胤たねの嫡男ちゃくなんとして誕生たんじょう。

永えい正ただし2年ねん（1505年ねん）11月15日にち、10歳さいで千葉ちば妙見みょうけん宮みやで元服げんぷくする。この年としには祖父そふにあたる千葉ちば孝たかし胤たねが病死びょうししており、自身じしんが祖父そふ・千葉ちば輔胤の死しの直後ちょくごに孝こう胤たねから家督かとくを譲ゆずられている父ちちの勝かち胤たねが昌胤まさたねへの将来しょうらいの家督かとく譲渡じょうとを意識いしきして行おこなわせたものであるともいわれている。永えい正ただし6年ねん（1509年ねん）、父ちちが隠居いんきょ・出家しゅっけしたことに伴ともなって家督かとくを継承けいしょう。ただし、実権じっけんは依然いぜんとして勝かち胤たねが保有ほゆうしていた。

この頃ころ、千葉ちば氏しとは盟友めいゆう関係かんけいにあった古河ふるかわ公方くぼう家いえでは内紛ないふんが生しょうじて、足利あしかが高基たかもとが父ちち・政氏まさうじや弟おとうと・義明よしあきを追放ついほうして古河ふるかわ公方くぼうに就任しゅうにんした。昌胤まさたねは高こう基もとを支持しじした一方いっぽうで、隣国りんごく上総かずさを治おさめる真ま里谷さとや信清のぶきよが義明よしあきを迎むかえ入いれて千葉ちば家か中ちゅうにもこれに呼応こおうする動うごきがあった。さらに義明よしあき軍ぐんは永えい正ただし17年ねん（1520年ねん）に千葉ちば氏しの筆頭ひっとう重臣じゅうしん・原はら氏しの居城きょじょうである小しょう弓ゆみ城じょうを奪うばい、小しょう弓ゆみ公方くぼうを名乗なのった（ただし年代ねんだいには異説いせつがある）。このため、千葉ちば氏しゆかりの亥鼻いのはなの地ちにまで小しょう弓ゆみ公方くぼう勢力せいりょくが浸透しんとうすることとなり、嫡男ちゃくなん・利とぎ胤たねの元服げんぷくも居城きょじょうのある佐倉さくらで行おこなわざるを得えなくなった。

そこで昌胤まさたねは、当時とうじ急速きゅうそくに勢力せいりょくを広ひろげつつあった相模さがみ北条ほうじょう氏しと連携れんけいして小しょう弓ゆみ公方くぼう派はと対抗たいこうしようとした。また、千葉ちば氏しの庶流とはいえ本来ほんらいは陪臣ばいしん（原はら氏しの家臣かしん）にあたる高城たかぎ胤たね吉きちを側近そっきんとして用もちいて自分じぶんの妹いもうと婿むことしている。ただし、大だい永なが7年ねん（1527年ねん）に北条ほうじょう氏綱うじつなと足利あしかが義明よしあきが和睦わぼくすると、千葉ちば氏し・真里谷まりやつ氏し・里見さとみ氏しもこれに加くわわり、この時期じきは義明よしあき傘下さんかにあったと考かんがえられている。

享とおる禄ろく5年ねん（天文てんもん元年がんねん・1532年ねん）、父ちち・勝しょう胤たねの死しによって家中いえじゅうの実権じっけんを完全かんぜんに掌握しょうあくすると、利り胤たねの正室せいしつに北条ほうじょう氏綱うじつなの娘むすめを迎むかえている。

天文てんもん3年ねん（1534年ねん）11月に真里谷まりやつ氏しで内紛ないふんが起おきたのに乗じょうじて足利あしかが義明よしあきから離反りはんしたが、義明よしあきに攻せめられて翌年よくねん4月がつには降伏ごうぶくしている。

天文てんもん6年ねん（1537年ねん）には高城たかぎ胤たね吉きちの居城きょじょう小しょう金城きんじょうの落成らくせいを祝賀しゅくがするとして自みずから小しょう金城きんじょうを訪問ほうもんして、茶会ちゃかいを名目めいもくに胤たね吉きちとともに国府台こうのだい城じょうを見回みまわっている。

ところが、足利あしかが義明よしあきと北条ほうじょう氏綱うじつなの関係かんけいが悪化あっかすると、天文てんもん6年ねん12月に古河ふるかわ公方くぼう・足利あしかが晴氏はるうじに内応ないおうして再ふたたび義明よしあきから離反りはんする。天文てんもん7年ねん（1538年ねん）小しょう弓ゆみ公方くぼう・足利あしかが義明よしあきが北条ほうじょう氏し討伐とうばつに向むかうと、昌胤まさたねは古河ふるかわ公方くぼう足利あしかが晴はる氏しの命いのちを奉ほうじる形かたちで高城たかぎ胤たね吉きちとともに第だい1次じ国府台こうのだい合戦かっせんに参戦さんせん、義明よしあきの戦死せんしを知しると兵へいを小しょう弓ゆみ城じょうに進すすめて18年ねんぶりに同どう城しろを千葉ちば氏しの支配しはい下かに取とり戻もどした。だが、この戦たたかいによって北条ほうじょう氏しの勢力せいりょくは房総半島ぼうそうはんとうにも進出しんしゅつするようになり、千葉ちば氏しも次第しだいにその影響えいきょうを強つよく受うけるようになる。

天文てんもん15年ねん（1546年ねん）1月がつ7日にち、死去しきょ。家督かとくは利り胤たねが継ついだ。なお、子こには利り胤たね、胤たね富とみのほかに、臼井うすい氏しを継ついだ臼井うすい胤たね寿ことぶきや原はら胤たね吉きちの養子ようしとなった原はら胤たね家かや、海上かいじょう山城やましろ守まもるの養子ようしになった海上かいじょう胤たね盛もりらがいる。

千葉ちば県けん佐倉さくら市しの海隣寺かいりんじにある海隣寺かいりんじ中世ちゅうせい石塔せきとう群ぐんの石塔せきとうには、刻きざまれた銘文めいぶんから昌胤まさたねの菩提ぼだいを弔とむらったものも含ふくまれる。