須菩提ぼだい

須菩提ぼだい Subhūti（梵） Subhūti（巴ともえ）
尊称そんしょう	解かい空むなし第だい一いち、無む諍いさかい第だい一いち、被ひ供養くよう第だい一いち
生地きじ	コーサラ国こく舎しゃ衛まもる城じょう
宗派しゅうは	声聞しょうもん（初期しょき仏教ぶっきょう）
師し	釈迦しゃか

須菩提ぼだい（しゅぼだい、スブーティ、梵: सुभूति, Subhūti）は、古代こだいインドにおける釈迦しゃか十じゅう大だい弟子でしの一人ひとりであり、解かい空むなし第だい一いち、被ひ供養くよう第だい一いちまたは無む諍いさかい第だい一いちと称しょうされる。

経歴けいれき

漢かん訳やく史料しりょうによる経歴けいれき

彼かれの身辺しんぺんや出身しゅっしんには諸説しょせつあるが、一説いっせつにはコーサラ国こくの首都しゅとシュラーヴァスティー（舎しゃ衛まもる城じょう）の須達多おお長者ちょうじゃの弟おとうとである須摩那な（シュマナ、鳩ばと留とめと漢かん訳やく）の子こで商人しょうにんといわれる。幼名ようみょうまた別名べつめいは舜しゅん若わか多た（シューニャタ、空そら性せいと漢かん訳やく）というが、彼かれが誕生たんじょうした時ときに家中いえじゅうの倉庫そうこや箱はこ、器うつわ皿さらなどが悉ことごとく虚無きょむとなったからであるという。

須菩提ぼだいはもとは粗暴そぼうで短気たんきな性格せいかくだったともいわれるが、後のちに外道げどうから非難ひなんや中傷ちゅうしょう・迫害はくがいを受うけても決けっしてい争いあらそうことなく円満えんまん柔和にゅうわを心こころがけたといわれ、このため弟子でし中ちゅうで無む諍いさかい第だい一いちといわれ、また多おおくの人々ひとびとから尊敬そんけいせられ限かぎりなく供養くようを受うけたので被ひ供養くよう第だい一いちともいわれている。

ある時とき、須菩提ぼだいがマガダ国こくの王おう舎しゃ城じょう(ラージャグリハ)に遊行ゆぎょうし、国王こくおうのビンビサーラ(頻しき婆ばば娑しゃば羅ら)は彼かれのために小屋こやをつくって寄進きしんした。しかし手違てちがいで小屋こやには屋根やねが葺ふかれていなかったのだが、須菩提ぼだいは文句もんくも言いわずにそこに在所ざいしょした。しかし天てんが須菩提ぼだいの有徳うとくを尊敬そんけいして長ながきにわたり雨あめを降ふらせなかった事ことから、王おう舎しゃ城じょうの農民のうみんたちが困こまり、須菩提ぼだいの小屋こやに屋根やねがないのが原因げんいんだとわかるや否いなや、農民のうみんの訴うったえによりビンビサーラ王おうはその小屋こやに屋根やねを葺ふいた所ところ、すぐに雨あめが降ふり始はじめたという。

大乗だいじょう経典きょうてんにおける扱あつかい

彼かれは空そらの思想しそうを良よく理解りかいした人物じんぶつとして解かい空むなし第だい一いちとも称しょうされ、教化きょうか活動かつどう中ちゅうにも他人たにんと争あらそわず円満えんまんな関係かんけいを築きずくことに関かんしても第だい一いちであった。 初期しょき般若はんにゃ経典きょうてんにおいて、経典きょうてんの進行しんこうを導みちびく重大じゅうだいな役割やくわりを果はたしている。

関連かんれん項目こうもく

• 十じゅう大だい弟子でし（シャーリプトラ／モッガラーナ／大だいカッサパ／スブーティ／プンナ／大だいカッチャーナ／アヌルッダ／ウパーリ／ラーフラ／アーナンダ）
• 西遊せいゆう記き - 孫まご悟空ごくうの仙術せんじゅつの師匠ししょうが須菩提ぼだいという名前なまえである。ただし釈迦しゃか十じゅう大だい弟子でしの須菩提ぼだいと同どう一人物いちじんぶつであると特定とくていできるような描えがかれ方かたはされていない。