餓鬼がき

仏教ぶっきょう用語ようご 餓鬼がき
パーリ語ご	peta
サンスクリット語ご	preta
日本語にほんご	餓鬼がき

旧きゅう河本かわもと家か本ほん『紙かみ本ほん著ちょ色しょく餓鬼がき草紙ぞうし』第だい3段だん「食しょく糞くそ餓鬼がき図ず」／平安京へいあんきょう域内いきない（洛中らくちゅう）の小路こうじで排便はいべんする人間にんげん達たち（庶民しょみん）と、人間にんげんの糞便ふんべんを食くいたくてたむろしている食しょく糞くそ餓鬼がきが描えがかれている。「餓鬼がき草紙ぞうし」項こうに詳説しょうせつあり。

餓鬼がき（がき、梵: preta、巴ともえ: peta、音おと写うつし: 薜茘多おお）は、仏教ぶっきょうの世界せかい観かんである六道ろくどうにおいて餓鬼がき道どう（餓鬼がきの世界せかい）に生うまれた者もの。原語げんごの preta （プレータ）はかつては死者ししゃの霊れいを指さしたが、仏教ぶっきょうにおいて輪廻りんね転生てんせいの生存せいぞん形態けいたいである六道ろくどうに組くみ込こまれた。 preta は鬼おにとも訳やくされる。鬼おには中国ちゅうごく語ごで死者ししゃの霊れい・亡霊ぼうれいを意味いみしている。

餓鬼がきは、三さん途と・五ご趣おもむき（五ご道みち）・六趣ろくしゅ（六道ろくどう）の一ひとつ。餓鬼がきは常つねに飢うえと乾かわきに苦くるしみ、食物しょくもつ、また飲物のみものでさえも手てに取とると火ひに変かわってしまうので、決けっして満みたされることがないとされる。ただし、天てん部ぶと同おなじように福ぶく楽らくを受うける種類しゅるいもいるとされる。

餓鬼がきの住処すみか

餓鬼がきの本ほん住所じゅうしょは、閻魔えんま王おうが主おもである閻魔えんま王おう界かいである。

正法しょうぼう念ねん処しょ経けい

1. 人中ひとなかの餓鬼がき。この餓鬼がきはその業ごう因いんによって行いくべき道みちの故ゆえに、これを餓鬼がき道どう（界さかい）という。夜よるに起おきて昼ひるに寝ねるといった、人間にんげんと正せい反対はんたいの行動こうどうをとる。
2. 薜茘多た（餓鬼がき）世界せかいの餓鬼がき。閻浮提ひさげの下した、500由旬ゆじゅんにあり、長ながさ広ひろさは36000由旬ゆじゅんといわれる。しかして人間にんげんで最初さいしょに死しんだとされる閻魔えんま王おう（えんまおう）は、劫初ごうしょに冥土めいどの道みちを開ひらき、その世界せかいを閻魔えんま王おう界かいといい、餓鬼がきの本ほん住所じゅうしょとし、あるいは餓鬼がき所しょ住じゅうの世界せかいの意いで、薜茘多た世界せかいといい、閻魔えんまをその主おもとする。余よの餓鬼がき、悪道あくどう眷属けんぞくとして、その数かずは無量むりょうで悪業あくごうは甚はなはだ多おおい。

餓鬼がきの種類しゅるい

無む威徳いとく鬼おにと有ゆう威徳いとく鬼おにの2種類しゅるいがあり、無む威徳いとく鬼おには飢渇きかつに苦くるしめられるが、有ゆう威徳いとく鬼おには天てん部ぶと同おなじく多おおくの福ぶく楽らくを受うける。

阿おもね毘達磨だるま順じゅん正せい理論りろん

少しょう財ざい餓鬼がきと多た財ざい餓鬼がきの2つを有ゆう財ざい餓鬼がきともいう。

1. 無む財ざい餓鬼がき - 食たべることが全まったくできないもの。飲食いんしょくしようとするも炎ほのおなどになり、常つねに貪欲どんよくに飢うえている。唯一ゆいいつ、施餓鬼せがき供養くようされたものだけは食しょくすることができるといわれる。
2. 少しょう財ざい餓鬼がき - 膿うみ、血ちなどを食たべるもの。ごく僅わずかな飲食いんしょくだけができる餓鬼がき。人間にんげんの糞尿ふんにょうや嘔吐おうと物ぶつ、屍かばねなど、不浄ふじょうなものを飲食いんしょくすることができるといわれる。
3. 多た財ざい餓鬼がき - 人ひとの残のこした物ものや、人ひとから施ほどこされたものを食たべることができるもの。天てんのような享楽きょうらくを受うける者ものもこれに含ふくむ。多おおくの飲食いんしょくができる餓鬼がき。天てん部ぶにも行いくことが出来できるものは富裕ふゆう餓鬼がきともいう。ただし、どんなに贅沢ぜいたくできても満みち足たりることはないといわれる。

正法しょうぼう念ねん処しょ経けい

1. 鑊身（かくしん）、私利しり私欲しよくで動物どうぶつを殺ころし、少すこしも悔くいなかった者ものがなる。眼めと口くちがなく、身体しんたいは人間にんげんの二に倍ばいほども大おおきい。手足てあしが非常ひじょうに細ほそく、常つねに火ひの中なかで焼やかれている。
2. 針はり口こう（しんこう）、貪欲どんよくや物惜ものおしみの心しんから、布施ふせをすることもなく、困こまっている人ひとに衣食いしょくを施ほどこすこともなく、仏法ぶっぽうを信しんじることもなかった者ものがなる。口くちは針はり穴あなの如ごとくであるが腹はらは大山おおやまのように膨ふくれている。食たべたものが炎ほのおになって吹ふき出だす。蚊かや蜂はちなどの毒虫どくむしにたかられ、常つねに火ひで焼やかれている。
3. 食しょく吐（じきと）、自みずからは美食びしょくを楽たのしみながら、子こや配偶はいぐう者しゃなどには与あたえなかった者ものがなる。荒野あらのに住すみ、食たべても必かならず吐はいてしまう、または獄卒ごくそつなどに無理矢理むりやり吐ぬかされる。身長しんちょうが半はん由旬ゆじゅん(約やく五ごキロメートル)もある。
4. 食しょく糞くそ（じきふん）、僧そうに対たいして不浄ふじょうの食たべ物ものを与あたえたものがなる。糞尿ふんにょうの池いけで蛆虫うじむしや糞尿ふんにょうを飲食いんしょくするが、それすら満足まんぞくに手てに入はいらず苦くるしむ。次つぎに転生てんせいしてもほとんど人間にんげんには転生てんせいできない。
5. 無む食しょく（むじき）、自分じぶんの権力けんりょくを笠かさに着きて、善人ぜんにんを牢ろうにつないで餓死がしさせ、少すこしも悔くいなかった者ものがなる。全身ぜんしんが飢渇きかつの火ひに包つつまれて、どんなものも飲食いんしょくできない。池いけや川かわに近ちかづくと一瞬いっしゅんで干上ひあがる、または鬼おにたちが見張みはっていて近ちかづけない。
6. 食気くいけ（じっけ）、自分じぶんだけご馳走ちそうを食たべ、妻子さいしには匂においしか嗅かがせなかった者ものがなる。供物くもつの香気こうきだけを食しょくすことができる。
7. 食しょく法ほう（じきほう）、名声めいせいや金儲かねもうけのために、人々ひとびとを悪あくに走はしらせるような間あいだ違ちがった説法せっぽうを行おこなった者ものがなる。飲食いんしょくの代かわりに説法せっぽうを食たべる。身体しんたいは大おおきく、体からだ色しょくは黒くろく、長ながい爪つめを持もつ。人ひとの入はいらぬ険けわしい土地とちで、悪あく虫むしにたかられ、いつも泣ないている。
8. 食しょく水すい（じきすい）、水みずで薄うすめた酒さけを売うった者もの、酒さけに蛾がやミミズを混まぜて無知むちな人ひとを惑まどわした者ものがなる。水みずを求もとめても飲のめない。水みずに入はいって上あがってきた人ひとから滴したたり落おちるしずく、または亡なき父母ちちははに子こが供そなえた水みずのわずかな部分ぶぶんだけを飲のめる。
9. 悕望（きもう）、貪欲どんよくや嫉妬しっとから善人ぜんにんをねたみ、彼かれらが苦労くろうして手てに入いれた物ものを詐術さじゅつ的てきな手段しゅだんで奪うばい取とった者ものがなる。亡なき父母ちちははのために供養くようされたものしか食くえせない。顔かおはしわだらけで黒くろく、手足てあしはぼろぼろ、頭髪とうはつが顔かおを覆おおっている。苦くるしみながら前世ぜんせいを悔くいて泣なき、「施ほどこすことがなければ報むくいもない」と叫さけびながら走はしり回まわる。
10. 食しょく唾つば（じきた）、僧侶そうりょや出家しゅっけ者しゃに、不浄ふじょうな食物しょくもつを清浄せいじょうだと偽いつわって施ほどこした者ものがなる。人ひとが吐はいた唾つばしか食たべられない。
11. 食しょく鬘かずら（じきばん）、仏ふつや族長ぞくちょうなどの華鬘けまん（花はなで作つくった装身具そうしんぐ）を盗ぬすみ出だして自みずからを飾かざった者ものがなる。華鬘けまんのみを食たべる。
12. 食しょく血ち（じきけつ）、肉食にくしょくを好このんで殺生せっしょうし、妻子さいしには分わけ与あたえなかった者ものがなる。生物せいぶつから出でた血ちだけを食たべられる。
13. 食肉しょくにく（じきにく）、重おもさをごまかして肉にくを売うった者ものがなる。肉にくだけを食たべられる。四辻よつつじや繁華はんか街がいに出現しゅつげんする。
14. 食しょく香烟こうえん（じきかえん）、質しつの悪わるい香こうを販売はんばいした者ものがなる。供そなえられた香こうの香かおりだけを食たべられる。
15. 疾やまし行ぎょう（しっこう）、僧そうの身みで遊興ゆうきょうに浸ひたり、病者びょうしゃに与あたえるべき飲食いんしょく物ぶつを自分じぶんで喰くってしまった者ものがなる。墓地ぼちを荒あらし屍かばねを食たべる。疫病えきびょうなどで大量たいりょうの死者ししゃが出でた場所ばしょに、一瞬いっしゅんで駆かけつける。
16. 伺便（しべん）、人々ひとびとを騙だまして財産ざいさんを奪うばったり、村むらや町まちを襲撃しゅうげき、略奪りゃくだつした者ものがなる。人ひとが排便はいべんしたものを食しょくし、その人ひとの気力きりょくを奪うばう。体からだ中ちゅうの毛穴けあなから発はっする炎ほのおで焼やかれている。
17. 地下ちか（じげ）、悪事あくじで他人たにんの財産ざいさんを手てに入いれた上うえ、人ひとを縛しばって暗黒あんこくの牢獄ろうごくに閉とじ込こめた者ものがなる。暗黒あんこくの闇やみである地下ちかに住すみ、鬼おにたちから責せめ苦くを受うける。
18. 神通じんずう（じんつう）、他人たにんから騙だまし取とった財産ざいさんを、悪わるい友人ゆうじんに分わけ与あたえたものがなる。涸渇こかつした他ほかの餓鬼がきに嫉妬しっとされ囲かこまれる。神通力じんずうりきを持もち、苦痛くつうを受うけることがないが、他たの餓鬼がきの苦痛くつうの表情ひょうじょうをいつまでも見みていなければならない。
19. 熾おき燃もえ（しねん）、城郭じょうかくを破壊はかい、人民じんみんを殺害さつがい、財産ざいさんを奪うばい、権力けんりょく者しゃに取とり入いって勢力せいりょくを得えた者ものがなる。身体しんたいから燃もえる火ひに苦くるしみ、人里ひとざとや山林さんりんを走はしり回まわる。
20. 伺嬰児えいじ便びん（しえいじべん）、自分じぶんの幼子おさなごを殺ころされ、来世らいせで夜叉やしゃとなって他人たにんの子こを殺ころして復讐ふくしゅうしようと考かんがえた女おんながなる。生うまれたばかりの赤あかん坊ぼうの命いのちを奪うばう。
21. 欲よく食しょく（よくじき）、美うつくしく着飾きかざって売買春ばいばいしゅんした者ものがなる。人間にんげんの遊あそび場ばに行いき惑まどわし食物しょくもつを盗ぬすむ。身体しんたいが小ちいさく、さらに何なににでも化ばけられる。
22. 住じゅう海うみ渚なぎさ（じゅうかいしょ）、荒野あらのを旅たびして病苦びょうくに苦くるしむ行商ぎょうしょう人じんを騙だまし、品物しなものを僅わずかの値段ねだんで買かい取とった者ものがなる。人間にんげん界かいの1000倍ばいも暑あつい海うみ（ただし水みずは枯かれ果はてている）の中洲なかすに住すむ。朝露あさつゆを飲のんで飢うえをしのぐ。
23. 執と杖つえ（しつじょう）、権力けんりょく者しゃに取とり入いって、その権力けんりょくを笠かさに着きて悪行あくぎょうを行おこなった者ものがなる。閻魔えんま王おうの使つかい走はしりで、ただ風ふうだけを食たべる。頭髪とうはつは乱みだれ、上唇うわくちびると耳みみは垂しだれ、声こえが大おおきい。
24. 食しょく小児しょうに（じきしょうに）、邪悪じゃあくな呪術じゅじゅつで病人びょうにんをたぶらかした者ものが、等とう活かつ地獄じごくの苦くるしみを得えた後のちで転生てんせいする。生うまれたばかりの赤あかん坊ぼうを食たべる。
25. 食しょく人じん精気せいき（じきにんしょうき）、戦場せんじょうなどで、必かならず味方みかたになると友人ゆうじんを騙だまして見殺みごろしにした者ものがなる。人ひとの精気せいきを食たべる。常つねに刀かたなの雨あめに襲おそわれている。10年ねん～20年ねんに一いち度ど、釈迦しゃか、説法せっぽう、修法しゅほう者しゃ（仏ふつ・法ほう・僧そう）の三宝さんぼうを敬うやまわない人間にんげんの精気せいきを奪うばうことができる。
26. 羅刹らせつ（らせつ）、生いき物ものを殺ころして大だい宴会えんかいを催もよおし、少すこしの飲食いんしょくを高価こうかで販売はんばいした者ものがなる。四よつ辻つじで人ひとを襲おそい、狂気きょうきに落おとしいれ殺害さつがいして食たべる。
27. 火ひ爐ろ焼しょう食しょく（かろしょうじき）、善人ぜんにんの友ともを遠とおざけ、僧そうの食事しょくじを勝手かってに食くった者ものがなる。燃もえ盛さかる炉心ろしんの中なかで残飯ざんぱんを食たべる。
28. 住じゅう不浄ふじょう巷ちまた陌（じゅうふじょうこうはく）、修行しゅぎょう者しゃに不浄ふじょうの食事しょくじを与あたえた者ものがなる。不浄ふじょうな場所ばしょに住すみ、嘔吐おうと物ぶつなどを喰くう。
29. 食しょく風ふう（じきふう）、僧そうや貧まずしい人々ひとびとに施ほどこしをすると言いっておきながら、実際じっさいに彼かれらがやってくると何なにもせず、寒風かんぷうの中なかで震ふるえるままにしておいた者ものがなる。風ふうだけを食たべる。
30. 食しょく火ひ炭すみ（じきかたん）、監獄かんごくの監視かんし人じんで、人々ひとびとに責せめ苦くを与あたえ、食たべ物ものを奪うばい、空腹くうふくのため泥土でいどを喰くうような境遇きょうぐうに追おいやった者ものがなる。死体したいを火葬かそうする火ひを食たべる。一度いちどこの餓鬼がきになった者ものは、次つぎに人間にんげんに転生てんせいしても必かならず辺境へんきょうに生うまれ、味あじのある物ものは喰くうことができない。
31. 食しょく毒どく（じきどく）、毒殺どくさつして財産ざいさんを奪うばったものがなる。険けわしい山脈さんみゃくや氷山ひょうざんに住すみ、毒どくに囲かこまれ、夏なつは毒どく漬づけと天てんから火ひが降ふり注そそぎ、冬ふゆには氷こおり漬づけと刀かたなの雨あめが降ふる。
32. 曠野あらの（こうや）、旅行りょこう者しゃの水飲みずのみ場じょうであった湖みずうみや池いけを壊こわし、旅行りょこう者しゃを苦くるしめた上うえに財物ざいぶつを奪うばった者ものがなる。猛暑もうしょの中なか、水みずを求もとめて野原のはらを走はしり回まわる。
33. 住じゅう塚づか間食かんしょく熱ねつ灰はい土ど（じゅうちょうかんじきねつかいど）、仏ふつに供そなえられた花はなを盗ぬすんで売うった者ものがなる。屍かばねを焼やいた熱あつい灰はいや土どを食たべる。月つきに一いち度どぐらいしか食たべられない。飢うえと渇かわき・重おもい鉄てつの首くびかせ・獄卒ごくそつに刀かたなや杖つえで打うたれる三みっつの罰ばちを受うける。
34. 樹き中ちゅう住じゅう（じゅちゅうじゅう）、他人たにんが育そだてた樹木じゅもくを勝手かってに伐採ばっさいして財産ざいさんを得えたものがなる。樹木じゅもくの中なかに閉とじ込こめられ、蟻ありや虫むしにかじられる。木きの根元ねもとに捨すてられた食物しょくもつしか喰くえない。
35. 四よん交道（しきょうどう）、旅人たびびとの食料しょくりょうを奪うばい、荒野あらので飢うえ渇かわかせた者ものがなる。四よつ角かどに住すみ、そこに祀まつられる食たべ物ものだけを食たべられる。鋸のこで縦横じゅうおうに切きられ、平たいらに引ひき延のばされて苦くるしむ。
36. 殺ころせ身み（さつしん）、人ひとに媚こびへつらって悪事あくじを働はたらいたり、邪法じゃほうを正法しょうぼうのごとく説といたり、僧そうの修行しゅぎょうを妨害ぼうがいした者ものがなる。熱あつい鉄てつを飲のまされて大おおきな苦痛くつうを受うける。餓鬼がき道どうの業ごうが尽つきると地獄じごく道どうに転生てんせいする。

餓鬼がきへの供養くよう

餓鬼がきへの供養くようとして施餓鬼せがき会かいがある。食物しょくもつに『救すくい抜焔口こう陀羅尼だらに経けい』に説とかれる陀羅尼だらにによって加持かじすると餓鬼がきの苦くを取とり除のぞくとされる。一般いっぱん的てきには盂蘭盆うらぼん供養くようの一ひとつとして行おこなわれところから盆ぼん行事ぎょうじと混同こんどうされているが、施餓鬼せがき会かい自体じたいは本来ほんらいは特定とくていの月日つきひの行事ぎょうじではなく、僧院そういん等とうでは毎夜まいよ行おこなわれることもある。

民間みんかん信仰しんこうにおける餓鬼がき

仏教ぶっきょうの布教ふきょうとともに餓鬼がきが市井しせいに広ひろまると、餓鬼がきは餓鬼がき道どうへ落おちた亡者もうじゃを指さす仏教ぶっきょう上じょうの言葉ことばとしてではなく、飢うえや行いき倒だおれで死亡しぼうした人間にんげんの死霊しりょう、怨念おんねんを指さす民間みんかん信仰しんこう上うえの言葉ことばとして用もちいられることが多おおくなった。こうした霊れいは憑つき物ものとなり、人間にんげんに取とり憑ひょういて飢餓きがをもたらすといい、これを餓鬼がき憑きという。

参考さんこう文献ぶんけん

• 総合そうごう仏教ぶっきょう大だい辞典じてん編集へんしゅう委員いいん会かい（編へん）『総合そうごう仏教ぶっきょう大だい辞典じてん』法蔵館ほうぞうかん、1988年ねん1月がつ。 

関連かんれん項目こうもく

• 業ごう
• 因果いんが
• 供養くよう
• 飢餓きが
• 施餓鬼せがき - 施餓鬼せがき会かい、施餓鬼せがき供養くよう
• 八はち部ぶ鬼おに衆しゅ
• 狐きつね者しゃ異こと
• 狸たぬき憑き