STS-93 は、1999年 ねん 7月 がつ 23日 にち に打 う ち上 あ げられたスペースシャトル のミッションである。スペースシャトルとして95回 かい 目 め 、コロンビア として26回 かい 目 め 、また21回 かい 目 め の夜間 やかん のスペースシャトルの打上 うちあげ げを記録 きろく した。アイリーン・コリンズ は、女性 じょせい として初 はつ のスペースシャトル船長 せんちょう を務 つと めた。主 おも なペイロードは、チャンドラ である。コロンビアの次 つぎ の打上 うちあ げは2002年 ねん 3月 がつ のSTS-109 になり、この間 あいだ にアップグレードされた。打上 うちあ げはもともと7月 がつ 20日 はつか に予定 よてい されていたが、7秒 びょう 前 まえ に中断 ちゅうだん され、その3日 にち 後 ご に成功裏 せいこうり に打 う ち上 あ げられた。ペイロードは22.7トンを超 こ え、これまでスペースシャトルが運 はこ んだ最 もっと も重 おも いペイロードとなった[4] [5] 。
上昇 じょうしょう 時 じ のトラブル[ 編集 へんしゅう ]
上昇 じょうしょう 時 じ にメインエンジンの水素 すいそ ノズルに漏 も れが発生 はっせい した
メインエンジン の点火 てんか シーケンス中 ちゅう に、スペースシャトルの第 だい 3(右 みぎ )エンジンへの酸化 さんか 剤 ざい の注入 ちゅうにゅう 口 こう を塞 ふさ ぐために使用 しよう された金 かね のピンが緩 ゆる んで激 はげ しく排出 はいしゅつ され、エンジンノズルの内面 ないめん に衝突 しょうとつ し、水素 すいそ を含 ふく む3つの冷却 れいきゃく チューブを破裂 はれつ させた。これにより、主 しゅ 燃焼 ねんしょう 室 しつ に向 む かう漏 も れが生 しょう じた。この異常 いじょう 事 ごと と、右 みぎ エンジンの制御 せいぎょ 装置 そうち によるリークに対 たい する自動 じどう 応答 おうとう は、打上 うちあ げ実施 じっし 基準 きじゅん を下回 したまわ ることはなく、正常 せいじょう に打 う ち上 あ げられた。しかし、打上 うちあげ げから約 やく 5秒 びょう 後 ご 、電気 でんき 系統 けいとう のショートにより、中央 ちゅうおう エンジンの一 いち 次 じ デジタル制御 せいぎょ ユニットDCU-Aと右 みぎ エンジンのバックアップユニットDCU-Bが無効 むこう になった。中央 ちゅうおう と右 みぎ のエンジンは残 のこ りのDCUで軌道 きどう への飛行 ひこう を続 つづ けた。各 かく エンジン制御 せいぎょ 装置 そうち に供 そな えられた予備 よび のDCUがコロンビアとその乗組 のりくみ 員 いん を潜在 せんざい 的 てき な災難 さいなん から救 すく った。もし飛行 ひこう 中 ちゅう に2つのエンジンが停止 ていし すれば非常 ひじょう に危険 きけん な緊急 きんきゅう 事態 じたい を招 まね き[6] 、成功 せいこう は保証 ほしょう されなかった[7] 。電気 でんき 系統 けいとう のショートは、脆弱 ぜいじゃく な配線 はいせん が露出 ろしゅつ したねじの頭 あたま で擦 こす られたのが原因 げんいん であったと後 のち に明 あき らかになった。この出来事 できごと により、全 すべ てのオービタで配線 はいせん の再 さい 点検 てんけん が行 おこな われた。
右 みぎ エンジンの漏 も れによりSSMEの2つのプレバーナや主 しゅ 燃焼 ねんしょう 室 しつ で漏 も れた水素 すいそ が燃焼 ねんしょう していないため、制御 せいぎょ 装置 そうち は主 しゅ 燃焼 ねんしょう 室 しつ 圧力 あつりょく として間接 かんせつ 的 てき に測定 そくてい された出力 しゅつりょく や推力 すいりょく の低下 ていか を検知 けんち した[8] 。エンジンの出力 しゅつりょく を指示 しじ されたレベルまで戻 もど すために、制御 せいぎょ 装置 そうち は酸化 さんか 剤 ざい バルブを通常 つうじょう 以上 いじょう に開 ひら いた。水素 すいそ 漏 も れに加 くわ え酸化 さんか 剤 ざい 消費 しょうひ 量 りょう が増加 ぞうか し、エンジンにとって適切 てきせつ な酸素 さんそ /水素 すいそ 混合 こんごう 比 ひ 6.03から逸脱 いつだつ し、正常 せいじょう よりも熱 あつ くなった。上昇 じょうしょう 中 ちゅう に増加 ぞうか した酸化 さんか 剤 ざい 消費 しょうひ 量 りょう により外部 がいぶ 燃料 ねんりょう タンク が液体 えきたい 酸素 さんそ レベルの低 ひく さ検知 けんち し、予定 よてい された燃焼 ねんしょう 期間 きかん の直前 ちょくぜん に3つのエンジン全 すべ てが早期 そうき 停止 ていし した。エンジン停止 ていし 時 じ の速度 そくど は、予定 よてい 速度 そくど (7.77 km/s) に対 たい して 4.6 m/s 不足 ふそく していたが[9] 、機体 きたい は安全 あんぜん に目的 もくてき の軌道 きどう に達 たっ し、ミッションは計画 けいかく 通 どお り完了 かんりょう した。この事故 じこ により、これまで行 おこな われていたように、損傷 そんしょう した酸化 さんか 剤 ざい 注入 ちゅうにゅう 口 こう に栓 せん をするのではなく、除去 じょきょ して交換 こうかん するように、メンテナンス手順 てじゅん が変更 へんこう された。
この3日 にち 前 まえ 、最初 さいしょ の打上 うちあげ げが試 こころ みられた際 さい には、点火 てんか シーケンスに入 はい る直前 ちょくぜん の打上 うちあ げ7秒 びょう 前 まえ に打上 うちあ げが中断 ちゅうだん された。3つのメインエンジンが位置 いち するスペースシャトル船尾 せんび の水素 すいそ ガス濃度 のうど を監視 かんし していたオペレータが、危険 きけん なほど高 たか い値 ね を誤 あやま って表示 ひょうじ する検出 けんしゅつ 器 き に騙 だま されて、カウントダウンを手動 しゅどう で中止 ちゅうし したためであることが後 のち に判明 はんめい した[10] 。
コロンビアのペイロードベイに収 おさ められるチャンドラ
窒素 ちっそ 冷却 れいきゃく 器 き で作業 さぎょう するミシェル・トニーニ
STS-93の主 しゅ 目的 もくてき は、慣性 かんせい 上段 じょうだん ロケット によるチャンドラの展開 てんかい である。打上 うちあ げ時点 じてん で、チャンドラは最 もっと も洗練 せんれん されたX線 せん 天文台 てんもんだい で、爆発 ばくはつ した恒星 こうせい の残骸 ざんがい 等 とう の熱 あつ いガス等 とう 、宇宙 うちゅう の高 こう エネルギー領域 りょういき からのX線 せん を観測 かんそく するように設計 せっけい されていた。
STS-93のその他 た のペイロードには、Midcourse Space Experiment (MSX)、Shuttle Ionospheric Modification with Pulsed Local Exhaust (SIMPLEX)、Southwest Ultraviolet Imaging System (SWUIS)、Gelation of Sols: Applied Microgravity Research (GOSAMR)、Space Tissue Loss - B (STL-B)、Light mass Flexible Solar Array Hinge (LFSAH)、Cell Culture Module (CCM)、Shuttle Amateur Radio Experiment - II (SAREX-II)、EarthKAM、Plant Growth Investigations in Microgravity (PGIM)、Commercial Generic Bioprocessing Apparatus (CGBA)、Micro-Electrical Mechanical System (MEMS)、Biological Research in Canisters (BRIC)等 とう があった。
SIMPLEXは、オービタとそのエンジンの点火 てんか による超 ちょう 高周波 こうしゅうは レーダーエコーを観測 かんそく した。 Principal Investigator(PI)は収集 しゅうしゅう したデータを使用 しよう して軌道 きどう 運動 うんどう エネルギーが電離層 でんりそう の不規則 ふきそく 性 せい に及 およ ぼす影響 えいきょう や排気 はいき 物質 ぶっしつ の排出 はいしゅつ に伴 ともな って起 お こるプロセスを調査 ちょうさ した。
SWUISは、マクストフカセグレン式 しき の紫外線 しがいせん 望遠鏡 ぼうえんきょう と紫外線 しがいせん 暗 くら 視 し CCDイメージセンサ である。これらにより天体 てんたい の高 こう 感度 かんど の測光 そっこう を可能 かのう とした。
GOSAMRは、ゲル 化 か したゾル の形成 けいせい に与 あた える微小 びしょう 重力 じゅうりょく の影響 えいきょう を調査 ちょうさ する実験 じっけん である。特 とく に、大 おお きな粒子 りゅうし と小 ちい さなコロイド 状 じょう ゾルからなる均質 きんしつ な複 ふく 合 あい セラミック 前駆 ぜんく 体 たい を空間 くうかん 中 ちゅう で製造 せいぞう することができることを実証 じっしょう するを目的 もくてき とした。
STL-Bは、細胞 さいぼう 反応 はんのう を検出 けんしゅつ し、誘導 ゆうどう するためのほぼリアルタイムでインタラクティブな運用 うんよう を実証 じっしょう するために、顕微鏡 けんびきょう ビデオ撮像 さつぞう システムを用 もち いて培養 ばいよう 中 ちゅう の細胞 さいぼう を直接 ちょくせつ 動画 どうが 観測 かんそく する実験 じっけん である。
LFSAHは、形状 けいじょう 記憶 きおく 合金 ごうきん から製造 せいぞう されたいくつかの蝶番 ちょうつがい で構成 こうせい されている。形状 けいじょう 記憶 きおく の蝶番 ちょうつがい の採用 さいよう で、太陽 たいよう 電池 でんち やその他 た の宇宙船 うちゅうせん 附属 ふぞく 品 ひん を衝撃 しょうげき 無 な しに制御 せいぎょ しながら展開 てんかい することができる。LFSAHは、多数 たすう の蝶番 ちょうつがい の配置 はいち によるこのような展開 てんかい 方式 ほうしき の可能 かのう 性 せい を実証 じっしょう した。
CCMは、微小 びしょう 重力 じゅうりょく ストレスによって誘導 ゆうどう される筋肉 きんにく 、骨 ほね 及 およ び血管 けっかん 内皮 ないひ の生化学 せいかがく 的 てき 及 およ び機能 きのう 的 てき 損失 そんしつ のモデルを検証 けんしょう すること、標的 ひょうてき 細胞 さいぼう における細胞 さいぼう 骨格 こっかく 、代謝 たいしゃ 、膜 まく 完全 かんぜん 性 せい 及 およ びプロテアーゼ 活性 かっせい を評価 ひょうか すること、また組織 そしき 損失 そんしつ の治療 ちりょう 薬 やく を試験 しけん することを目的 もくてき とした。
SAREX-IIは、スペースシャトルと地上 ちじょう のアマチュア無線 むせん 運用 うんよう 者 しゃ 間 あいだ のアマチュア短波 たんぱ 無線 むせん 通信 つうしん の実現 じつげん 可能 かのう 性 せい を実証 じっしょう した。また SAREXは、アマチュア無線 むせん を介 かい してスペースシャトルに乗 の った宇宙 うちゅう 飛行 ひこう 士 し に直接 ちょくせつ 話 はな すことによって、世界中 せかいじゅう の学校 がっこう に宇宙 うちゅう について学 まな ぶ教育 きょういく 機会 きかい を提供 ていきょう した。
EarthKAMは、船尾 せんび フライトデッキの右舷 うげん に取 と り付 つ けられたElectronic Still Camera (ESC)を用 もち いて地球 ちきゅう 観測 かんそく を行 おこな った。
PGIMは、宇宙 うちゅう 飛行 ひこう の環境 かんきょう のストレスが植物 しょくぶつ の生長 せいちょう に与 あた える影響 えいきょう を調査 ちょうさ する実験 じっけん である。植物 しょくぶつ はストレスのある環境 かんきょう から移動 いどう することができないため、環境 かんきょう を検知 けんち し、有害 ゆうがい な環境 かんきょう に対 たい して直接 ちょくせつ 的 てき な生理学 せいりがく 的 てき 応答 おうとう を行 おこな うメカニズムを発展 はってん させた。
CGBAは、サンプルの形成 けいせい と貯蔵 ちょぞう の機能 きのう を持 も つ。Generic Bioprocessing Apparatus - Isothermal Containment Module (GBA-ICM)は制御 せいぎょ された温度 おんど 下 か でサンプルの活性 かっせい 化 か や廃棄 はいき を制御 せいぎょ し、乗務 じょうむ 員 いん による操作 そうさ 、制御 せいぎょ 、データ伝送 でんそう に供 きょう した。
MEMSは、加速度 かそくど 計 けい 、ジャイロスコープ 、環境 かんきょう および化学 かがく センサーにより、打 う ち上 あ げ中 ちゅう 、微小 びしょう 重力 じゅうりょく 、および再 さい 突入 とつにゅう の際 さい の環境 かんきょう を調 しら べた。MEMSは自己 じこ 完結 かんけつ 型 がた であり、起動 きどう と停止 ていし だけを必要 ひつよう とした。
BRICは、小型 こがた 節足動物 せっそくどうぶつ 及 およ び植物 しょくぶつ に対 たい する宇宙 うちゅう 飛行 ひこう の影響 えいきょう を調査 ちょうさ するために設計 せっけい された。
コロンビアは、ケネディ宇宙 うちゅう センターに夜間 やかん に着陸 ちゃくりく した。これは12回 かい 目 め のスペースシャトルの夜間 やかん 着陸 ちゃくりく となったが、そのうち5回 かい がエドワーズ空軍 くうぐん 基地 きち 、残 のこ りがケネディ宇宙 うちゅう センターであった。
2001年 ねん 、コインワールド 誌 し は、1999年 ねん 6月 がつ にアメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく 造幣局 ぞうへいきょく がウェストポイント造幣局 ぞうへいきょく で39枚 まい の1ドル金貨 きんか を鋳造 ちゅうぞう したと暴露 ばくろ した。硬貨 こうか 地金 じがね は、1/2トロイオンス の25ドルイーグル金貨 きんか から特別 とくべつ に用意 ようい されたものだった。なぜこれらが鋳造 ちゅうぞう されたのかは謎 なぞ だったが、2000年 ねん に新 あたら しく流通 りゅうつう したサカガヴィア・ダラーと関連 かんれん した「プレミアム」なコレクションを提供 ていきょう しようとしたと考 かんが えられた。
27枚 まい はすぐに融解 ゆうかい され、残 のこ りの12枚 まい はSTS-93ミッションでコロンビアに搭載 とうさい された。その後 ご 2枚 まい は、1999年 ねん 8月 がつ の議会 ぎかい の私的 してき な夕食 ゆうしょく 会 かい と11月の公式 こうしき なサカガウィア・ダラー (英語 えいご 版 ばん ) 打 だ 刻 こく セレモニーという2つのイベントに現 あらわ れた。残 のこ りは、2001年 ねん にフォートノックス金 きん 地金 じがね 保管 ほかん 所 しょ (英語 えいご 版 ばん ) に移 うつ されるまで、造幣局 ぞうへいきょく の金庫 きんこ に保管 ほかん された。
2007年 ねん 、造幣局 ぞうへいきょく は、ウィスコンシン州 しゅう ミルウォーキー で開催 かいさい されたアメリカ貨幣 かへい 協会 きょうかい のWorld's Fair of Moneyで、宇宙 うちゅう 飛行 ひこう をした12枚 まい の金貨 きんか を初 はじ めて公開 こうかい すると発表 はっぴょう した[11] 。
NASAは、ジェミニ計画 けいかく の頃 ころ から宇宙 うちゅう 飛行 ひこう 士 し のために音楽 おんがく をかけてきた。アポロ15号 ごう では、宇宙 うちゅう 飛行 ひこう 士 し の起床 きしょう のために初 はじ めて用 もち いられた[12] Each track was specially chosen, sometimes by their families, and usually had a special meaning to an individual member of the crew or was applicable to their daily activities.[12] [13] 。
飛行 ひこう 日 び
曲 きょく
歌手 かしゅ /作曲 さっきょく 家 か
2日 にち 目 め
"Beep Beep"
ルイ・プリマ
3日 にち 目 め
"Brave New Girls"
Teresa
4日 にち 目 め
"Someday Soon"
Suzy Bogguss
5日 にち 目 め
"サウンド・オブ・サイレンス "
サイモン&ガーファンクル
6日 にち 目 め
"A Little Traveling Music"
バリー・マニロウ
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アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく のスペースシャトルミッション
終了 しゅうりょう 中止 ちゅうし オービタ