現代 げんだい で使用 しよう されているハーフフレームのメガネ
眼鏡 めがね (めがね、メガネ、がんきょう[1] )とは、ヒトの眼 め (目 め )に装着 そうちゃく して、レンズ により、屈折 くっせつ 異常 いじょう や視力 しりょく の補正 ほせい 、目 め の保護 ほご あるいは装身具 そうしんぐ として使 つか う器具 きぐ 。コンタクトレンズ と違 ちが い、角膜 かくまく など眼球 がんきゅう には直接 ちょくせつ 触 ふ れさせずかける。
拡大鏡 かくだいきょう などのレンズを使 つか って物 もの を拡大 かくだい して見 み ることに関 かん しては、紀元前 きげんぜん 8世紀 せいき の古代 こだい エジプト のヒエログリフ に「単純 たんじゅん なガラス 製 せい レンズ」を表 あらわ す絵文字 えもじ がある[要 よう 出典 しゅってん ] 。文字 もじ をレンズで拡大 かくだい して見 み ることについての具体 ぐたい 的 てき な記録 きろく としては、紀元 きげん 1世紀 せいき 、ローマ皇帝 こうてい ネロ の家庭 かてい 教師 きょうし だった小 しょう セネカ が「文字 もじ がどんなに小 ちい さくて不明瞭 ふめいりょう でも、水 みず を満 み たした球形 きゅうけい のガラス器 き やグラスを通 とお せば、拡大 かくだい してはっきり見 み ることができる」と書 か いている[2] 。ネロ自身 じしん もエメラルド を使用 しよう して剣 けん 闘士 とうし の戦 たたか いを観戦 かんせん したと言 い われている[3] 。
矯正 きょうせい レンズは9世紀 せいき のアッバース・イブン・フィルナス が使 つか っていたと言 い われており[4] 、彼 かれ は非常 ひじょう に透明 とうめい なガラスの製造 せいぞう 方法 ほうほう を考案 こうあん した。そのようなガラスを半球 はんきゅう 形 がた にして磨 みが き、文字 もじ を拡大 かくだい して見 み るのに用 もち いたものをリーディングストーン (reading stone )といった[5] [6] 。凸 とつ レンズ を使 つか った拡大鏡 かくだいきょう が初 はじ めて記録 きろく されたのは、1021年 ねん にイブン・アル・ハイサム が出版 しゅっぱん した『Kitab al-Manazir』(光学 こうがく の書 しょ 、en )である。これが12世紀 せいき にラテン語 らてんご に翻訳 ほんやく され、それに基 もと づいて13世紀 せいき のイタリア で眼鏡 めがね が発明 はつめい されることになった[2] 。
ロバート・グロステスト が1235年 ねん より前 まえ に書 か いたとされる論文 ろんぶん De iride ("On the Rainbow")には「遠距離 えんきょり から小 ちい さな文字 もじ を読 よ む」ために光学 こうがく を用 もち いることへの言及 げんきゅう がある。1262年 ねん 、ロジャー・ベーコン もレンズが物 もの を拡大 かくだい して見 み せる特性 とくせい があることを記述 きじゅつ している[7] 。
なおサングラス としては、12世紀 せいき かそれ以前 いぜん の中国 ちゅうごく 大陸 たいりく で裁判官 さいばんかん が視線 しせん を隠 かく すために煙 けむり 水晶 すいしょう の平 たい らな板 いた を使 つか ったものがある。ただし、レンズにして矯正 きょうせい する機能 きのう はなかった[8] 。
Hugues de Saint-Cherの肖像 しょうぞう 画 が の部分 ぶぶん 。Tomaso da Modena 作 さく (1352年 ねん [9] :19 )
コンラート・フォン・ゼスト 作 さく の 'Brillenapostel'(1403年 ねん )
一対 いっつい のレンズを連結 れんけつ した構造 こうぞう の、眼前 がんぜん で使 つか うタイプの眼鏡 めがね (英 えい : pair of eyglasses [10] :p30fn75 / 英 えい : pair of spectacles [9] :4 , 伊 い : occhiali [11] :207 )の発明 はつめい 者 しゃ が誰 だれ なのかは諸説 しょせつ あり、精力 せいりょく 的 てき に研究 けんきゅう されてきたが未 み 解明 かいめい である[9] 。
発明 はつめい の時期 じき については、1286年 ねん 頃 ころ であると推定 すいてい されている。これは1306年 ねん 2月 がつ 23日 にち 水曜日 すいようび 朝 あさ [10] :29 にドミニコ会 かい の修道 しゅうどう 士 し フラ・ジョルダーノ・ダ・リヴァルトがフィレンツェ のサンタ・マリア・ノヴェーラ教会 きょうかい において行 おこ なった説教 せっきょう で、眼鏡 めがね について「この20年 ねん 以内 いない の発明 はつめい である」「発明 はつめい 者 しゃ と話 はなし をしたことがある」[10] :34 と述 の べたという記録 きろく からの逆算 ぎゃくさん である[10] :29 。しかし肝心 かんじん の発明 はつめい 者 しゃ の名前 なまえ は言及 げんきゅう されていない。
いっぽう、ジョルダーノと同 おな じ修道院 しゅうどういん の同僚 どうりょう であったドミニコ会 かい 修道 しゅうどう 士 し のフラ・アレッサンドロ・デッラ・スピナ(伊 い : Alessandro della Spina 、没年 ぼつねん は推定 すいてい 1313年 ねん 頃 ごろ [10] :42 )に関 かん して、「スピナは一度 いちど 見 み たものはなんでも複製 ふくせい して作 つく る技能 ぎのう を持 も っていた。眼鏡 めがね は別 べつ の誰 だれ かの発明 はつめい したものだが、その人物 じんぶつ はそれを秘密 ひみつ にした。いっぽうスピナは眼鏡 めがね を製造 せいぞう して皆 みな に分 わ け与 あた えた」という記録 きろく がある[10] :36 。このスピナ本人 ほんにん が眼鏡 めがね の発明 はつめい 者 しゃ であるとする説 せつ をピサ大学 だいがく の医学 いがく の教授 きょうじゅ だったフランチェスコ・レディ が1678年 ねん に提唱 ていしょう した[10] :25 が、後 のち にレディによる捏造 ねつぞう である[10] :37 として否定 ひてい された[10] 。
フィレンツェのSalvino degli Armati (英語 えいご 版 ばん ) が眼鏡 めがね の発明 はつめい 者 しゃ だとする説 せつ が1684年 ねん から現 あらわ れた[11] 。18世紀 せいき には異論 いろん も出 で たが、Salvinoの実在 じつざい を信 しん じる者 もの も多 おお く、19世紀 せいき になって「Salvinoの墓地 ぼち 跡地 あとち 」に碑文 ひぶん や胸像 きょうぞう が据 す えられた[11] :195 。20世紀 せいき になって本 ほん 説 せつ は捏造 ねつぞう であり、発明 はつめい 者 しゃ とされる人物 じんぶつ は実在 じつざい しないとして否定 ひてい された[11] :192 。
スピナに眼鏡 めがね を見 み せた者 もの は、ヘンリーというロジャーベーコンの友人 ゆうじん であったという説 せつ も出 で たが、これも否定 ひてい されている[11] :198 。
マルコポーロ の『東方 とうほう 見聞 けんぶん 録 ろく 』に、中国 ちゅうごく で老人 ろうじん が書物 しょもつ を読 よ むのにレンズを使用 しよう することが一般 いっぱん 化 か していると書 か かれていると主張 しゅちょう されることがあるが、そのような記述 きじゅつ は実際 じっさい の『東方 とうほう 見聞 けんぶん 録 ろく 』には存在 そんざい しない。
初期 しょき の眼鏡 めがね は凸 とつ レンズ を使 つか っており、遠視 えんし と老 ろう 視 し を矯正 きょうせい できたが、もっぱら老眼 ろうがん に使 つか われた。近視 きんし を凹 おう レンズ で矯正 きょうせい できることを発見 はっけん したのは、ニコラウス・クザーヌス (1401年 ねん - 1464年 ねん )とされている[要 よう 出典 しゅってん ] 。理論 りろん 的 てき に凸 とつ レンズや凹 おう レンズによる視力 しりょく 矯正 きょうせい を説明 せつめい したのはヨハネス・ケプラー の光学 こうがく や天文学 てんもんがく の論文 ろんぶん であり、1604年 ねん のことである。
ちなみに絵 え に眼鏡 めがね が描 えが かれたのは、1352年 ねん にTomaso da Modena の作品 さくひん が最初 さいしょ で、枢機卿 すうききょう Hugues de Saint-Cherが写字 しゃじ 室 しつ で書物 しょもつ を読 よ んでいる姿 すがた の肖像 しょうぞう 画 が である[11] :205 。また、1403年 ねん にドイツ でつくられたバート・ヴィルドゥンゲン の教会 きょうかい の祭壇 さいだん 飾 かざ りに眼鏡 めがね が描 えが かれている。中世 ちゅうせい ヨーロッパ において、眼鏡 めがね は知識 ちしき と教養 きょうよう の象徴 しょうちょう であり、聖人 せいじん の肖像 しょうぞう には、たとえ眼鏡 めがね 発明 はつめい 以前 いぜん の人物 じんぶつ であっても、眼鏡 めがね がしばしば描 えが き入 い れられた(アウグスティヌス など)。
東洋 とうよう への伝来 でんらい [ 編集 へんしゅう ]
江戸 えど 時代 じだい の眼鏡 めがね (寛政 かんせい 十 じゅう 三 さん 年 ねん [要 よう 出典 しゅってん ] 『算法 さんぽう 大全 たいぜん 指南車 しなんしゃ 』の挿絵 さしえ )
明 あきら では張 ちょう 寧 やすし 『方 ほう 洲 しま 雑録 ざつろく 』に「僾逮」と記 しる され、また別 べつ の書 しょ では「眼鏡 めがね 」とも書 か かれる[12] 、田 た 藝 げい 蘅『留 とめ 青 あお 日 び 札 さつ 』では『方 ほう 洲 しま 雑録 ざつろく 』を引用 いんよう して「靉靆」(あいたい)の名 な で言及 げんきゅう されている[13] 。アラビア語 ご : عوينات (ʿuwaynāt)あるいはペルシア語 ご : عینک (eynak)の借用 しゃくよう といわれる[12] [14] 。
日本 にっぽん に眼鏡 めがね を伝 つた えたのは、宣教師 せんきょうし フランシスコ・ザビエル で、周防 すおう 国 こく の守護 しゅご 大名 だいみょう ・大内 おおうち 義隆 よしたか に謁見 えっけん した際 さい に献上 けんじょう したのが最初 さいしょ といわれている。ただし、これは現存 げんそん しておらず、現物 げんぶつ で残 のこ っている日本 にっぽん 最古 さいこ の眼鏡 めがね は、室町 むろまち 幕府 ばくふ 第 だい 12代 だい 将軍 しょうぐん の足利 あしかが 義晴 よしはる が所持 しょじ していたと伝 つた わるものがある。一説 いっせつ には、義隆 よしたか の物 もの より、義晴 よしはる が所持 しょじ していたものの方 ほう が古 ふる いとも言 い われる。また徳川 とくがわ 家康 いえやす が使用 しよう したと伝 つた わる眼鏡 めがね も久能山 くのうざん 東照宮 とうしょうぐう に現存 げんそん している。日本 にっぽん でも、眼鏡 めがね はやがて国内 こくない で作 つく られるようになり、江戸 えど 時代 じだい の半 なか ばほどにもなると、江戸 えど や大坂 おおさか の大都市 だいとし では、眼鏡 めがね を販売 はんばい する店 みせ が出 で るようになった[15] 。
同時 どうじ に日本 にっぽん 独自 どくじ の改良 かいりょう も施 ほどこ されるようになり、中 なか でもメガネの鼻 はな パッドは日本 にっぽん 独自 どくじ の発明 はつめい であるとされる[16] 。
耳 みみ にフレームをかける方式 ほうしき の眼鏡 めがね を着用 ちゃくよう した男性 だんせい
アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく の科学 かがく 者 しゃ ベンジャミン・フランクリン は近視 きんし と老 ろう 視 し に悩 なや まされ、1784年 ねん に眼鏡 めがね をいちいち交換 こうかん しなくて済 す むように多重 たじゅう 焦点 しょうてん レンズ を発明 はつめい した[17] 。1825年 ねん 、イギリス の天文学 てんもんがく 者 しゃ ジョージ・ビドル・エアリー が世界 せかい 初 はつ の乱視 らんし 用 よう レンズを製作 せいさく した[17] 。
眼鏡 めがね のフレームも進化 しんか してきた。初期 しょき の眼鏡 めがね は、手 て で押 お さえるか、現代 げんだい の鼻梁 びりょう を挟 はさ む鼻眼鏡 はなめがね とは異 こと なり鼻翼 びよく の部分 ぶぶん に乗 の せて使 つか う形状 けいじょう だった。ジロラモ・サヴォナローラ が、眼鏡 めがね にリボン をつけて頭 あたま に巻 ま いて縛 しば り帽子 ぼうし をかぶれば外 はず れないという提案 ていあん をした。現在 げんざい のようにつるを耳 みみ にかける形 かたち のフレームは、1727年 ねん にイギリス の眼鏡 めがね 屋 や エドワード・スカーレットが開発 かいはつ した。そのデザインはすぐに広 ひろ まったわけではなく、18世紀 せいき から19世紀 せいき 初期 しょき にかけて柄 え 付 づけ 眼鏡 めがね などもファッション として使 つか われ続 つづ けた。
20世紀 せいき に入 はい ると、カール・ツァイス の Moritz von Rohr (および H. Boegehold と A. Sonnefeld)が Zeiss Punktal という球面 きゅうめん レンズを開発 かいはつ し、その後 ご これが眼鏡 めがね 用 よう レンズとして広 ひろ く使 つか われるようになった[18] 。
眼鏡 めがね の各部 かくぶ の名称 めいしょう
眼鏡 めがね は、ほとんど全 すべ てのものにおいて、右目 みぎめ ・左目 ひだりめ の計 けい 2枚 まい のレンズで構成 こうせい されている。視力 しりょく 矯正 きょうせい が目的 もくてき の場合 ばあい 、多 おお くは両目 りょうめ ともに視力 しりょく 低下 ていか をきたしているため、両目 りょうめ ともレンズが必要 ひつよう となるためである。また、保護 ほご メガネやサングラスなどにおいても、ほぼ全 すべ ての製品 せいひん が両目 りょうめ を守 まも ることを目的 もくてき としている。片目 かため だけの使用 しよう を想定 そうてい した片 かた 眼鏡 めがね も存在 そんざい するが、視力 しりょく 矯正 きょうせい よりも装飾 そうしょく の意味合 いみあ いの大 おお きいものである。
今日 きょう の眼鏡 めがね は以下 いか のような部品 ぶひん から構成 こうせい される。眼鏡 めがね の種類 しゅるい によっては一部 いちぶ の部品 ぶひん を欠 か いたものもある。
レンズ
眼鏡 めがね の機能 きのう として働 はたら く部分 ぶぶん である。レンズ以外 いがい の眼鏡 めがね 部品 ぶひん は、今日 きょう では装飾 そうしょく 目的 もくてき もあるが、もともとはレンズを目 め の前 まえ に固定 こてい するためにあるものである。
フレーム (縁 えん 、枠 わく )
レンズを眼前 がんぜん に固定 こてい するための構造 こうぞう 全体 ぜんたい を称 しょう してフレームという。英語 えいご で枠 わく または縁 えん という意味 いみ である。フチなし眼鏡 めがね のレンズ以外 いがい の部分 ぶぶん を指 さ してフレームというのは、枠 わく のないものを枠 わく と呼 よ んでいるわけで矛盾 むじゅん した語法 ごほう である。一部 いちぶ の文献 ぶんけん や日本 にっぽん の商標 しょうひょう 法 ほう では、フチなし眼鏡 めがね のいわゆるフレームをマウントまたはマウンティングと呼 よ ぶ。フレームは、さらに下記 かき のような部品 ぶひん に分 わ けられる。
テンプル (腕 うで 、ツル、アーム)
テンプルとは英語 えいご でこめかみ という意味 いみ である。古 ふる くはその名 な のとおり、こめかみに当 あ てて固定 こてい するものだったが、今日 きょう では蝶番 ちょうつがい とイヤーピースを繋 つな ぐ棒状 ぼうじょう の部分 ぶぶん を称 しょう してこう呼 よ ぶ。鼻眼鏡 はなめがね には存在 そんざい しない。伸縮 しんしゅく 性 せい のあるスライドテンプル があり老眼鏡 ろうがんきょう に用 もち いられることもある。
テンプルエンド(バチ先 さき )
テンプルの先端 せんたん 。
先 さき セル(モダン)
テンプルの末端 まったん の部品 ぶひん 。プラスチック製 せい が多 おお く、かつてはセルロイド製 せい だった。メタルフレームの一部 いちぶ は先端 せんたん を丸 まる くし、プラスチックを被 かぶ せない物 もの は先 さき セルレス やモダンレス と呼 よ ばれる。
ブリッジ(山 やま )
両 りょう のレンズを繋 つな ぐ部品 ぶひん である。英語 えいご で鼻梁 びりょう を意味 いみ する。テンプルやブリッジのように眼鏡 めがね 部品 ぶひん の名前 なまえ は顔 かお の部位 ぶい に由来 ゆらい するものが多 おお い。古 ふる くはレンズのことをアイ、すなわち目 め とも呼 よ んだ。二 に 本 ほん あるブリッジはダブルブリッジ やツーブリッジ という。
リム
レンズの周 まわ りを囲 かこ う縁 えん 。リムのないフレームはリムレス 、縁 えん 無 な し と呼 よ ばれる。
智 さとし (ち)、乳 ちち [19] [20]
リムから丁 ひのと 番 ばん に繋 つな がる部分 ぶぶん の総称 そうしょう 。女性 じょせい の乳 ちち に形状 けいじょう が似 に ていることからいう[20] 。
リムロック
智 さとし のうち、レンズを締 し め付 つ けるためのネジのついた部分 ぶぶん 。
ヨロイ(鎧 よろい 、エンドピース)
智 さとし のうち、リムロックを外側 そとがわ から覆 おお う部分 ぶぶん 。
丁 ひのと 番 ばん (蝶番 ちょうつがい 、ヒンジ)
智 さとし とテンプルを繋 つな ぐ部分 ぶぶん 。これによって収納 しゅうのう に便利 べんり なように眼鏡 めがね を折 お りたたむことができる。一部 いちぶ には軽量 けいりょう 化 か のために丁 ひのと 番 ばん を廃 はい した眼鏡 めがね もある(ヒンジレス )。
鼻 はな パッド
鼻 はな に当 あ たる部分 ぶぶん 。鼻 はな 当 あ てとも。一山 ひとやま には鼻 はな パッドはない。パッドは主 おも にプラスチック、シリコン、金属 きんぞく (チタン)がある。
クリングス
リムと鼻 はな パッドを繋 つな ぐ針金 はりがね 状 じょう の部品 ぶひん 。箱 はこ 足 あし とも。一山 ひとやま にはクリングスはない。
眼科 がんか での度数 どすう 検査 けんさ に用 もち いる物 もの などを除 のぞ き、通常 つうじょう の眼鏡 めがね には凸 とつ レンズでも凹 おう レンズでもメニスカス レンズが用 もち いられる。これはレンズの外面 がいめん (眼球 がんきゅう から遠 とお い面 めん )が凸面 とつめん に、内面 ないめん (眼球 がんきゅう に近 ちか い面 めん )が凹面になっているもので、概念的 がいねんてき には外面 がいめん の弱 よわ い凸 とつ レンズと内面 ないめん の強 つよ い凹 おう レンズを差 さ し引 ひ きして目的 もくてき の度数 どすう の凹 おう レンズを形成 けいせい したり、外面 がいめん の強 つよ い凸 とつ レンズと内面 ないめん の弱 よわ い凹 おう レンズを差 さ し引 ひ きして目的 もくてき の凸 とつ レンズを形成 けいせい したりするものである。反対 はんたい 面 めん の度数 どすう を打 う ち消 け すために面 めん の曲 きょく 率 りつ を余計 よけい に強 つよ くしなくてはならず、両 りょう 凸 とつ レンズ や平 ひら 凸 とつ レンズ 、両 りょう 凹 おう レンズ、平 ひら 凹 おう レンズより薄 うす さの点 てん では不利 ふり だが、メスニカスレンズでないと、回旋 かいせん する眼球 がんきゅう に対 たい してレンズ周辺 しゅうへん 部 ぶ を通 とお して見 み たときの光学 こうがく 性能 せいのう が極端 きょくたん に落 お ちてしまう。
製造 せいぞう 技術 ぎじゅつ はカメラ 用 よう と同 おな じであるため、ニコン 、ペンタックス 、コダック 、ローデンシュトック 、カール・ツァイス などのカメラメーカーが製造 せいぞう している。他 ほか にもHOYA やオハラ などのガラスメーカー、セイコー などのガラス加工 かこう 技術 ぎじゅつ を有 ゆう する時計 とけい メーカー、東海光学 とうかいこうがく やエシロール のような眼鏡 めがね 用 よう レンズの専業 せんぎょう メーカーが供給 きょうきゅう している。
屈折 くっせつ 作用 さよう による分類 ぶんるい [ 編集 へんしゅう ]
眼 め の屈折 くっせつ 異常 いじょう によって異 こと なる種類 しゅるい のレンズが使 つか われる。
近視 きんし は遠方 えんぽう から眼 め に入 はい った光線 こうせん が網膜 もうまく ではなくもっと手前 てまえ で焦点 しょうてん を結 むす んでしまうものであるから、光線 こうせん が眼 め に入 はい る前 まえ に予 あらかじ め凹 おう レンズによって分散 ぶんさん させてしまえば網膜 もうまく 上 じょう で焦点 しょうてん を結 むす ぶようになり、近視 きんし が矯正 きょうせい される。これが近視 きんし の眼鏡 めがね の原理 げんり である。
近視 きんし の眼鏡 めがね によって物 もの が小 ちい さく見 み えるとよく言 い われるが、近視 きんし の多 おお くを占 し める軸 じく 性 せい 近視 きんし の場合 ばあい 、これはある意味 いみ では正 まさ しく、ある意味 いみ では間違 まちが いである。凹 おう レンズには眼 め から離 はな れれば離 はな れるほど物 もの を小 ちい さく見 み せる効果 こうか がある。眼鏡 めがね レンズは眼 め から多少 たしょう なりとも離 はな れた位置 いち に掛 か けられるので、その人 ひと の現在 げんざい の裸眼 らがん での見 み え方 かた に比 くら べれば、なるほど近視 きんし の眼鏡 めがね をかけると物 もの が小 ちい さく見 み える。しかし、その人 ひと が正視 せいし だった頃 ころ の見 み え方 かた に比 くら べれば、ほぼ同 おな じ大 おお きさか、むしろやや大 おお きく見 み えているのである。
軸 じく 性 せい 近視 きんし では凸 とつ レンズである角膜 かくまく や水晶 すいしょう 体 たい が正視 せいし の場合 ばあい より網膜 もうまく から離 はな れてしまっている。凸 とつ レンズには目 め から離 はな れるほど物 もの を大 おお きく見 み せる効果 こうか があるので、軸 じく 性 せい 近視 きんし の者 もの が裸眼 らがん で物 もの を見 み た場合 ばあい 、凸 とつ レンズである角膜 かくまく や水晶 すいしょう 体 たい が網膜 もうまく から離 はな れてしまっている分 ぶん 、正視 せいし より網膜 もうまく に物 もの が大 おお きく映 うつ っている。凸 とつ レンズが網膜 もうまく から離 はな れると網膜 もうまく 像 ぞう が大 おお きくなることは、凸 とつ レンズの老眼鏡 ろうがんきょう を通常 つうじょう の位置 いち に掛 か けた場合 ばあい と離 はな して掛 か けた場合 ばあい とを比 くら べれば容易 ようい に理解 りかい されよう。
近視 きんし の眼鏡 めがね によって網膜 もうまく 像 ぞう が縮小 しゅくしょう されるといっても、それは現在 げんざい の裸眼 らがん での見 み え方 かた と比 くら べての話 はなし である。近視 きんし になる前 まえ の見 み え方 かた と比較 ひかく するならば、裸眼 らがん の時点 じてん で正視 せいし よりも網膜 もうまく 像 ぞう が拡大 かくだい されてしまっていることを考慮 こうりょ する必要 ひつよう がある。角膜 かくまく 頂点 ちょうてん からおよそ15mm離 はな れたところへ凹 おう レンズの眼鏡 めがね をかけると、正視 せいし と同 おな じ大 おお きさの網膜 もうまく 像 ぞう になる。軸 じく 性 せい 近視 きんし により網膜 もうまく 像 ぞう が拡大 かくだい される効果 こうか と凹 おう レンズにより縮小 しゅくしょう される効果 こうか がちょうど打 う ち消 け しあうのである。しかし現実 げんじつ には眼鏡 めがね レンズは角膜 かくまく 頂点 ちょうてん から10mmから12mmまで近 ちか づけるように調整 ちょうせい されるので、軸 じく 性 せい 近視 きんし によって網膜 もうまく 像 ぞう が拡大 かくだい される効果 こうか が完全 かんぜん には打 う ち消 け されず、眼鏡 めがね をかけても正視 せいし だった頃 ころ より網膜 もうまく 像 ぞう はやや拡大 かくだい されたままである[21] 。
近視 きんし を眼鏡 めがね で矯正 きょうせい する際 さい は度 ど を弱 よわ めにすることがある。弱 よわ めに矯正 きょうせい することを低 てい 矯正 きょうせい という。これに対 たい して一番 いちばん よく見 み えるように矯正 きょうせい することを完全 かんぜん 矯正 きょうせい という。
近視 きんし を低 てい 矯正 きょうせい することについては、近年 きんねん の実験 じっけん 結果 けっか から、近視 きんし を低 てい 矯正 きょうせい していると完全 かんぜん 矯正 きょうせい しているより近視 きんし の進行 しんこう が激 はげ しくなる恐 おそ れがあるとの批判 ひはん もある[22] [23] [24] 。日本 にっぽん 眼科 がんか 医 い 会 かい の2010年度 ねんど 調査 ちょうさ 報告 ほうこく 書 しょ では、近視 きんし を完全 かんぜん 矯正 きょうせい するか低 てい 矯正 きょうせい するかについて臨床 りんしょう 現場 げんば では判断 はんだん が分 わ かれていると報告 ほうこく している[25] 。
遠視 えんし は遠方 えんぽう から眼 め に入 はい った光線 こうせん が無 む 調節 ちょうせつ 状態 じょうたい で網膜 もうまく ではなくもっと奥 おく で焦点 しょうてん を結 むす ぶものであるから、光線 こうせん が眼 め に入 はい る前 まえ に予 あらかじ め凸 とつ レンズ で屈折 くっせつ させれば無 む 調節 ちょうせつ で網膜 もうまく 上 じょう に焦点 しょうてん を結 むす ぶようになる。これが遠視 えんし の眼鏡 めがね の原理 げんり である。
しかし、眼 め には調節 ちょうせつ 力 りょく があるので、遠視 えんし の程度 ていど の軽 かる い場合 ばあい や、年齢 ねんれい が若 わか く調節 ちょうせつ 力 りょく の強 つよ い場合 ばあい は眼鏡 めがね をかけなくても差 さ し支 つか えないことも多 おお い。理論 りろん 上 じょう は遠視 えんし は眼精疲労 がんせいひろう を招 まね きやすいものではあるが、だからといって本人 ほんにん が眼精疲労 がんせいひろう を訴 うった えているわけでもないのに徒 いたずら に遠視 えんし の眼鏡 めがね をかけさせても良 よ い結果 けっか を招 まね かない。本人 ほんにん が苦痛 くつう を訴 うった えているわけでもない遠視 えんし をむやみに矯正 きょうせい すると、なるほど調節 ちょうせつ は休 やす まるかもしれないが、調節 ちょうせつ が休 やす まったことに釣 つ られて両目 りょうめ が離 はな れようとする、つまり開 ひらけ 散 さん しようとする。これを離 はな れないようにする、つまり輻湊 ふくそう することに余分 よぶん な輻湊 ふくそう 力 りょく を使 つか うことになって苦痛 くつう は一向 いっこう に軽 かる くならないのである[26] 。
遠視 えんし を眼鏡 めがね で矯正 きょうせい する際 さい は完全 かんぜん 矯正 きょうせい されるのが通例 つうれい である。
トロイダルレンズ (近視 きんし や遠視 えんし を全 まった く含 ふく まない乱視 らんし の場合 ばあい は円柱 えんちゅう レンズ となる)
近視 きんし や遠視 えんし の有 あ る無 む しに関 かか わらず、ほとんどの人 ひと は乱視 らんし をもっている。近視 きんし や遠視 えんし で眼鏡 めがね を作成 さくせい する場合 ばあい は、軽 かる い乱視 らんし でもついでに矯正 きょうせい する場合 ばあい が多 おお い一方 いっぽう で、軽 かる い乱視 らんし ならば矯正 きょうせい しないほうが眼鏡 めがね に慣 な れやすくてよいとする意見 いけん もある。
単 たん 焦点 しょうてん レンズ[ 編集 へんしゅう ]
眼 め には元来 がんらい 近距離 きんきょり に焦点 しょうてん を合 あ わせる機能 きのう があり、これを調節 ちょうせつ 力 りょく という。老 ろう 視 し とは、調節 ちょうせつ 力 りょく が加 か 齢 よわい とともに弱 よわ くなり、遠距離 えんきょり (一般 いっぱん に5m以上 いじょう )が明視 めいし (焦点 しょうてん が合 あ ってはっきり見 み える状態 じょうたい )できる状態 じょうたい のままでは、より近 ちか くの目的 もくてき 距離 きょり (はっきり見 み たい距離 きょり )に焦点 しょうてん を合 あ わせることが困難 こんなん となった状態 じょうたい を言 い う。補正 ほせい は遠距離 えんきょり 用度 ようど 数 すう に目的 もくてき 距離 きょり の物 もの を楽 らく に長時間 ちょうじかん 明視 めいし できる凸 とつ レンズ度数 どすう を加 くわ えたレンズを使用 しよう する。加 か 齢 よわい によって狭 せま くなった明視 めいし 域 いき (焦点 しょうてん を合 あ わせ明視 めいし することができる奥行 おくゆ き幅 はば )を凸 とつ レンズ度数 どすう の加入 かにゅう によって移動 いどう し、より近 ちか くの目的 もくてき 距離 きょり に合 あ わせている状態 じょうたい にする為 ため 、老 ろう 視 し の眼鏡 めがね レンズを装用 そうよう した状態 じょうたい で、近 ちか くの目的 もくてき 距離 きょり は明視 めいし できるが遠方 えんぽう は明視 めいし できなくなる。
老 ろう 視 し の近距離 きんきょり 用 よう レンズは凸 とつ レンズとは限 かぎ らない。ある程度 ていど 以上 いじょう の度数 どすう の近視眼 きんしがん の場合 ばあい は遠距離 えんきょり 用度 ようど 数 すう が強 つよ い凹 おう レンズの為 ため 、近距離 きんきょり 用 よう に凸 とつ レンズ度数 どすう を加 くわ えても凹 おう レンズ度数 どすう が残 のこ り、近距離 きんきょり 用 よう レンズが凹 おう レンズになることもある。近視 きんし の目 め でも一般 いっぱん に40歳 さい 程度 ていど の年齢 ねんれい を過 よ ぎれば調節 ちょうせつ 力 りょく が落 お ち、遠距離 えんきょり が明視 めいし できる眼鏡 めがね やコンタクトレンズを装用 そうよう したままでは、徐々 じょじょ に近距離 きんきょり の細 こま かい字 じ や小物 こもの などの細部 さいぶ が見 み づらくなってくる。老 ろう 視 し は屈折 くっせつ 異常 いじょう ではなく老化 ろうか 現象 げんしょう のため、老 ろう 視 し にならない人 ひと はいない。
ただし、次 つぎ の理由 りゆう により近視 きんし を眼鏡 めがね で矯正 きょうせい している者 もの は老眼 ろうがん を自覚 じかく する時期 じき が正視 せいし や遠視 えんし の者 もの より遅 おそ くなる。近視 きんし の目 め は老眼 ろうがん にならないなどと言 い われることがあるがそれは誤 あやま りで、近視 きんし でも老眼 ろうがん にはなるが、近視 きんし を眼鏡 めがね で矯正 きょうせい していると老眼 ろうがん になっても自覚 じかく しにくいというのが正確 せいかく なところである。コンタクトレンズ やレーシック で矯正 きょうせい している場合 ばあい は、正視 せいし と同 おな じ時期 じき に老眼 ろうがん を自覚 じかく する。
近視 きんし の眼鏡 めがね を外 はず せば裸眼 らがん で近 ちか くを明視 めいし できる。軽度 けいど の近視 きんし でも老眼 ろうがん の軽 かる いうちは裸眼 らがん になれば読書 どくしょ できるし、-4Dより強 つよ い近視 きんし ならば終生 しゅうせい 読書 どくしょ に凸 とつ レンズを要 よう しない。
近視 きんし の眼鏡 めがね を外 はず さなくても、近視 きんし の眼鏡 めがね には見 み かけの調節 ちょうせつ があるので老眼 ろうがん を自覚 じかく するのが遅 おそ くなる。近視 きんし の眼球 がんきゅう とそれから12mm離 はな れた近視眼 きんしがん 鏡 きょう とで構成 こうせい された光学 こうがく 系 けい は、正視 せいし の眼球 がんきゅう だけの光学 こうがく 系 けい や遠視 えんし の眼球 がんきゅう と遠視 えんし 眼鏡 めがね とで構成 こうせい された光学 こうがく 系 けい より少 すく ない調節 ちょうせつ で近 ちか くにピントを合 あ わせることができる[27] ので、その分 ぶん 高齢 こうれい になるまで単 たん 焦点 しょうてん の近視 きんし の眼鏡 めがね をかけたままで近 ちか くを明視 めいし することができる。強度 きょうど の近視眼 きんしがん 鏡 きょう であるほど見 み かけの調節 ちょうせつ が強 つよ い。
中 ちゅう 程度 ていど 以上 いじょう の近視 きんし の眼鏡 めがね は弱 よわ めに作 つく るのが通例 つうれい なのでその分 ぶん 調節 ちょうせつ 力 りょく への負担 ふたん が軽 かる く、正視 せいし の人 ひと よりは高齢 こうれい になるまで近視 きんし の眼鏡 めがね をかけたままで近 ちか くを明視 めいし することができる。正視 せいし のつもりでいる者 もの の中 なか には軽 かる い遠視 えんし の者 もの が多 おお く含 ふく まれるので、そうした遠視 えんし の者 もの に比 くら べればさらに高齢 こうれい になるまで近視 きんし の眼鏡 めがね をかけたままで近 ちか くを明視 めいし することができる。
強度 きょうど 近視 きんし の者 もの が近視 きんし を弱 よわ めに矯正 きょうせい した眼鏡 めがね をかけていれば、2.と3.の効果 こうか が相 あい まって正視 せいし や遠視 えんし の者 もの よりかなり高齢 こうれい になるまで近視 きんし の眼鏡 めがね をかけたままで済 す ませられ、老眼 ろうがん を自覚 じかく しにくい。
-10Dを超 こ えるような最 さい 強度 きょうど 近視 きんし の場合 ばあい 、眼 め 自体 じたい は老眼 ろうがん になっていても、マイナスレンズの見 み かけの調節 ちょうせつ により遠 とお 用 よう 眼鏡 めがね をかけたまま近 ちか くを明視 めいし できる場合 ばあい があるので、そもそも遠近 えんきん 両用 りょうよう 眼鏡 めがね が必要 ひつよう であるか否 ひ かから考 かんが える必要 ひつよう がある[28] 。
老 ろう 視 し の人 ひと が一 ひと つの目的 もくてき 距離 きょり のみを見 み たい場合 ばあい であれば、適正 てきせい に調整 ちょうせい された単 たん 一 いち 度 ど 数 すう のレンズ(単 たん 焦点 しょうてん レンズ)の近距離 きんきょり 用 よう 眼鏡 めがね のみで問題 もんだい はない。ただ、眼鏡 めがね によって明視 めいし 域 いき が広 ひろ がったわけではないので、複数 ふくすう の目的 もくてき 距離 きょり (書類 しょるい とプロジェクター画面 がめん 等 とう )を切 き り替 か えて見 み たい場合 ばあい は単 たん 焦点 しょうてん レンズだと眼鏡 めがね の掛 か け外 はず しや複数 ふくすう の眼鏡 めがね の掛 か け換 か えが必要 ひつよう で、実用 じつよう 上 じょう 煩雑 はんざつ になる。また、老 ろう 視 し の程度 ていど が進 すす むと、書類 しょるい とPC画面 がめん の距離 きょり の差 さ でさえ自然 しぜん な作業 さぎょう 姿勢 しせい のままではひとつの近距離 きんきょり 用 よう 単 たん 焦点 しょうてん レンズの眼鏡 めがね で両方 りょうほう を楽 らく にはっきり見 み ることが難 むずか しくなる。
このような不自由 ふじゆう を解消 かいしょう するため、一 ひと つのレンズに異 こと なる度数 どすう の部分 ぶぶん を作 つく ったレンズが多 た 種類 しゅるい 作 つく られており、総称 そうしょう して両用 りょうよう レンズと呼 よ ばれる。通常 つうじょう はレンズ上部 じょうぶ が下部 かぶ より遠 とお い距離 きょり 用 よう で、レンズ下部 かぶ が上部 じょうぶ より近 ちか い距離 きょり にピントが合 あ うように作 つく られている。
両用 りょうよう レンズには大 おお きく分 わ けると下記 かき の累進 るいしん レンズと多重 たじゅう 焦点 しょうてん レンズがある。
1枚 まい のレンズ上 じょう で、異 こと なる目的 もくてき 距離 きょり にあわせた異 こと なる度数 どすう を持 も った部分 ぶぶん を作 つく り、その間 あいだ を徐々 じょじょ に度数 どすう が変化 へんか する面 めん (累進 るいしん 帯 たい )で結 むす んだレンズの総称 そうしょう 。度数 どすう の変化 へんか が下記 かき の多重 たじゅう 焦点 しょうてん のような段階 だんかい 的 てき ではなく累進 るいしん 的 てき に変化 へんか するので累進 るいしん レンズと呼 よ ばれる。一般 いっぱん には「境目 さかいめ のない両用 りょうよう レンズ」などと呼 よ ばれることが多 おお い。
累進 るいしん レンズの種類 しゅるい はいくつかあり、使用 しよう 目的 もくてき に合 あ わせて遠近 えんきん レンズ、中 ちゅう 近 きん レンズ、近々 ちかぢか レンズと呼 よ ばれる事 こと が一般 いっぱん 的 てき で、各 かく 個人 こじん のニーズや目 め の使 つか い方 かた 、年齢 ねんれい に合 あ わせて種類 しゅるい ・度数 どすう を選択 せんたく する。またレンズのグレードも一般 いっぱん 的 てき なものから上級 じょうきゅう グレードまで存在 そんざい する。一般 いっぱん 向 む けではレンズの表側 おもてがわ で度数 どすう 変化 へんか の曲面 きょくめん を付 つ けた外面 がいめん 累進 るいしん が多 おお いが、上級 じょうきゅう グレードは累進 るいしん レンズの特性 とくせい 上 じょう の問題 もんだい を軽減 けいげん するため、レンズの裏側 うらがわ で度数 どすう を変化 へんか させる曲面 きょくめん を付 つ けた内面 ないめん 累進 るいしん や非 ひ 球面 きゅうめん 累進 るいしん が多 おお く、高 こう 加入 かにゅう 度数 どすう の場合 ばあい は上級 じょうきゅう グレードの選択 せんたく が強 つよ く推奨 すいしょう される。
遠近 えんきん レンズは遠 とお くを見 み ている時間 じかん が長 なが い目 め の使 つか い方 かた に適 てき したレンズで、近距離 きんきょり 用 よう (通常 つうじょう 30cm~50cm前後 ぜんこう )・中間 なかま 距離 きょり 用 よう (通常 つうじょう 50cm~1m前後 ぜんご )の視野 しや が比較的 ひかくてき 狭 せま い代 か わりに、常用 じょうよう して屋外 おくがい の歩行 ほこう や運転 うんてん 等 とう でも使用 しよう できるよう、レンズ上部 じょうぶ の遠距離 えんきょり 用度 ようど 数 すう の視野 しや が広 ひろ く作 つく られている。
中 ちゅう 近 きん レンズは室内 しつない でのデスクワークや読書 どくしょ 、手作業 てさぎょう 等 とう の近距離 きんきょり 作業 さぎょう の時間 じかん が長 なが い目 め の使 つか い方 かた に適 てき したレンズで、遠距離 えんきょり 用 よう の視野 しや はレンズ最 さい 上部 じょうぶ の狭 せま い範囲 はんい に限定 げんてい される代 か わり、手元 てもと やパソコン等 とう の近距離 きんきょり 用 よう から中間 ちゅうかん 距離 きょり 用 よう の視野 しや が遠近 えんきん レンズよりも広 ひろ く作 つく られている。一般 いっぱん 的 てき な中 なか 近 きん レンズは、会議 かいぎ ・打 う ち合 あ わせなどに必要 ひつよう な最低限 さいていげん の遠距離 えんきょり 用 よう 視野 しや はあるが、レンズの上下 じょうげ の真 ま ん中 なか 付近 ふきん は中間 ちゅうかん 距離 きょり にピントが合 あ う様 よう に作 つく られているため、屋外 おくがい での使用 しよう には適 てき さない。ただ、装用 そうよう に慣 な れれば掛 か けたままで階段 かいだん 以外 いがい での屋内 おくない での歩行 ほこう もある程度 ていど は可能 かのう である。
近年 きんねん 、中 ちゅう 近 きん レンズに分類 ぶんるい される物 もの の中 なか でも、装用 そうよう に慣 な れれば運転 うんてん を除 のぞ いた屋外 おくがい 使用 しよう が可能 かのう とされたレンズがあり、いわば遠近 えんきん レンズと中 ちゅう 近 きん レンズの中 なか 間 あいだ 的 てき な性格 せいかく のレンズもある。
近々 ちかぢか レンズは近距離 きんきょり 作業 さぎょう を主 おも 目的 もくてき としたレンズで、レンズ下部 かぶ が大 おお きく近距離 きんきょり 用度 ようど 数 すう になっており、レンズ上部 じょうぶ が中間 ちゅうかん 距離 きょり 用 よう の度数 どすう になっている。中 ちゅう 近 きん レンズと違 ちが い遠距離 えんきょり 用度 ようど 数 すう の部分 ぶぶん はない。特 とく に近距離 きんきょり 用 よう の視野 しや が中 ちゅう 近 きん レンズよりもさらに広 ひろ く、座 すわ った状態 じょうたい での遠距離 えんきょり を見 み ない長時間 ちょうじかん のデスクワーク・読書 どくしょ ・手作業 てさぎょう 等 とう に適 てき している。近距離 きんきょり 用 よう 単 たん 焦点 しょうてん レンズ、すなわち一般 いっぱん に言 い う老眼鏡 ろうがんきょう の奥行 おくゆ き方向 ほうこう の明視 めいし 域 いき の狭 せま さを、ある程度 ていど 改善 かいぜん したものと言 い える。歩行 ほこう には適 てき さない。
累進 るいしん レンズはその特性 とくせい 上 じょう 、レンズの中央 ちゅうおう でない周辺 しゅうへん 部 ぶ では像 ぞう の歪 ゆが み、ぼやけを伴 ともな い、明視 めいし できる視野 しや が普通 ふつう のレンズに比 くら べて狭 せま く、また下部 かぶ が累進 るいしん 的 てき かつ段階 だんかい 的 てき に老 ろう 視 し 用 よう の度数 どすう になっているため、視野 しや が揺 ゆ れて感 かん じたり、遠近 えんきん 感 かん などが狂 くる いやすい、足下 あしもと がぼやけるなどの現象 げんしょう もある。加入 かにゅう 度数 どすう が強 つよ いほどこの特性 とくせい はより顕著 けんちょ になる。そのため、自然体 しぜんたい の姿勢 しせい でいると、階段 かいだん や段差 だんさ のある場所 ばしょ では踏 ふ み外 はず しやよろめきなどで転倒 てんとう ・転落 てんらく などのおそれや、人通 ひとどお りの多 おお い箇所 かしょ では歩行 ほこう 中 ちゅう 、他 た の歩行 ほこう 者 しゃ との接触 せっしょく ・衝突 しょうとつ なども起 お きやすいなど、特有 とくゆう のリスクもあるため、使用 しよう 時 じ にはレンズの周辺 しゅうへん 部 ぶ に視線 しせん が入 はい らないようにする、視線 しせん の使 つか い分 わ けを十分 じゅうぶん に行 おこな えるようにするなどの注意 ちゅうい が必要 ひつよう である。
また遠 とお 部 ぶ と近 こん 部 ぶ はあごの上下 じょうげ などで最適 さいてき な明視 めいし 域 いき を調整 ちょうせい する必要 ひつよう があるため、不自然 ふしぜん な姿勢 しせい になりやすく身体 しんたい 的 てき 負担 ふたん も増大 ぞうだい する、食事 しょくじ などのように俯 うつむ き加減 かげん の姿勢 しせい で近 きん 用 よう 部 ぶ がほしい場合 ばあい などには視線 しせん が合 あ わないなど、姿勢 しせい や角度 かくど によっては非常 ひじょう に見 み づらくなるなどの問題 もんだい 点 てん もあるので、状況 じょうきょう によっては遠 とお 用 よう 時 じ には普通 ふつう レンズの眼鏡 めがね に掛 か け替 か える、あるいは近 きん 用 よう の頻度 ひんど が多 おお い、または近 きん 用 よう 時 じ の時間 じかん が比較的 ひかくてき 長 なが い場合 ばあい は一時 いちじ 的 てき に眼鏡 めがね を外 はず すか、より近距離 きんきょり に特 とく 化 か した累進 るいしん レンズや単 たん 焦点 しょうてん の老眼鏡 ろうがんきょう に掛 か け替 か えるなどの必要 ひつよう がある場合 ばあい もある。
さらに自動車 じどうしゃ などの運転 うんてん 時 じ には直接 ちょくせつ 目視 もくし の時 とき などに肝心 かんじん な方向 ほうこう がぼやけやすく、そのため顎 あご を大 おお きく引 ひ く、あるいは眼鏡 めがね をやや下向 したむ きに掛 か けて近 きん 用 よう 部 ぶ に視線 しせん が入 はい らないようにするなどの工夫 くふう が必要 ひつよう な場合 ばあい もあり、特 とく に夜間 やかん はミラーや後退 こうたい 時 じ の安全 あんぜん 確認 かくにん で見 み づらい場合 ばあい もあるので注意 ちゅうい が必要 ひつよう であり、このため軽自動車 けいじどうしゃ や普通 ふつう 乗用車 じょうようしゃ など、普通 ふつう 免許 めんきょ で運転 うんてん 可能 かのう な範囲 はんい のものであればそう大 おお きな問題 もんだい はないが、中型 ちゅうがた ・大型 おおがた 免許 めんきょ の適用 てきよう 範囲 はんい である大型 おおがた の四 よん 輪 りん 車 しゃ の運転 うんてん や、重 じゅう 被 ひ 牽引 けんいん 車 しゃ を牽引 けんいん して運転 うんてん する場合 ばあい では遠近 えんきん 両用 りょうよう などの累進 るいしん レンズの使用 しよう はなるべく避 さ け、普通 ふつう レンズの近視 きんし 用 よう などに処方 しょほう された眼鏡 めがね の装用 そうよう が望 のぞ ましい。
そうした事 こと からそれらの特性 とくせい への「慣 な れ」が必要 ひつよう である。遠 とお 用度 ようど 数 すう に加 くわ えられる老眼 ろうがん 用 よう の度数 どすう を加入 かにゅう 度数 どすう といい、正視 せいし の老眼鏡 ろうがんきょう でいう適正 てきせい な度数 どすう に相当 そうとう するが、遠近 えんきん 両用 りょうよう の累進 るいしん レンズの場合 ばあい は老眼 ろうがん の初期 しょき 症状 しょうじょう が出 で る40歳 さい 代 だい 前半 ぜんはん のうちから掛 か け始 はじ めると、加入 かにゅう 度数 どすう が概 おおむ ね1.5D以下 いか 程度 ていど とそれほど大 おお きくない場合 ばあい が多 おお いので累進 るいしん レンズの特性 とくせい に比較的 ひかくてき 慣 な れやすいが、ある程度 ていど 老眼 ろうがん が進行 しんこう する40歳 さい 代 だい 終 お わりから50歳 さい 代 だい 以降 いこう から掛 か け始 はじ めると、加入 かにゅう 度数 どすう が概 おおむ ね2.0D以上 いじょう と大 おお きくなる場合 ばあい が多 おお いので累進 るいしん レンズの特性 とくせい に慣 な れにくくなり、むしろ使 つか いづらい場合 ばあい も出 で てくる。レンズを処方 しょほう される場合 ばあい は生活 せいかつ 様式 ようしき などを配慮 はいりょ して慎重 しんちょう に度数 どすう などを決 き める、中 ちゅう 近 ちか もしくは近々 ちかぢか などのレンズを場面 ばめん に応 おう じて使 つか い分 わ けるなどの必要 ひつよう が出 で てくる場合 ばあい もある。また加入 かにゅう 度数 どすう が2.0Dを超 こ える場合 ばあい は内面 ないめん 累進 るいしん などの上級 じょうきゅう グレードのレンズの選択 せんたく が推奨 すいしょう され、小 ちい さめのフレームは避 さ けた方 ほう がよい。どうしても累進 るいしん レンズの特性 とくせい に慣 な れない場合 ばあい は累進 るいしん レンズの使用 しよう を断念 だんねん し、後述 こうじゅつ の多重 たじゅう 焦点 しょうてん レンズの使用 しよう を考 かんが えるか、単 たん 焦点 しょうてん の遠 とお 用 よう と近 きん 用 もちい 、中距離 ちゅうきょり 用 よう などの眼鏡 めがね を作 つく り、面倒 めんどう ではあるが掛 か け替 か える方法 ほうほう 以外 いがい 選択肢 せんたくし はない。元 もと の近視 きんし ・遠視 えんし ・乱視 らんし などの度数 どすう が相当 そうとう 強 つよ い場合 ばあい や、左右 さゆう の度数 どすう 差 さ が概 おおむ ね2.0D以上 いじょう ある不 ふ 同視 どうし の場合 ばあい も同様 どうよう である。
ただし、元 もと の近視 きんし や遠視 えんし が強 つよ いほうがむしろ遠近 えんきん 両用 りょうよう レンズに慣 な れやすいとする見解 けんかい もある。理由 りゆう としては、元 もと の近視 きんし が強 つよ い場合 ばあい にはレンズを通 とお した像 ぞう の大 おお きさの違 ちが いや歪 ゆが みに慣 な れていることが挙 あ げられる[29] 。元 もと の遠視 えんし が強 つよ い場合 ばあい には、遠近 えんきん 両用 りょうよう 眼鏡 めがね によって得 え られる利便 りべん 性 せい が高 たか いことが挙 あ げられる。つまり、遠視 えんし が弱 よわ ければ遠 とお くは裸眼 らがん で見 み ることにして必要 ひつよう 時 じ のみ単 たん 焦点 しょうてん の老眼鏡 ろうがんきょう をかけることでも老眼 ろうがん に対処 たいしょ できるが、遠視 えんし が強 つよ い人 ひと が単 たん 焦点 しょうてん の眼鏡 めがね だけで老眼 ろうがん に対処 たいしょ するとしたら2本 ほん の 眼鏡 めがね を持 も ち歩 ある いてかけ替 か える必要 ひつよう がある。遠視 えんし の強 つよ い人 ひと は単 たん 焦点 しょうてん から遠近 えんきん 両用 りょうよう レンズにすることで持 も ち歩 ある く眼鏡 めがね を1本 ほん にできるので遠近 えんきん 両用 りょうよう レンズの利点 りてん が大 おお きいというわけである[30] 。
多重 たじゅう 焦点 しょうてん レンズ[ 編集 へんしゅう ]
遠距離 えんきょり 用 よう 補正 ほせい レンズ(台 たい 玉 だま )の中 なか に、小玉 こだま と呼 よ ばれるより近距離 きんきょり 用 よう の度数 どすう の窓 まど を作 つく ったレンズ。上下 じょうげ で半分 はんぶん に分 わ かれている物 もの もある。一般 いっぱん には「窓 まど のある両用 りょうよう レンズ」などと呼 よ ばれる事 こと が多 おお い。
このタイプのレンズでは、遠距離 えんきょり と近距離 きんきょり の二 ふた つの目的 もくてき 距離 きょり にそれぞれの度 たび をあわせた二 に 重 じゅう 焦点 しょうてん (バイフォーカル)がよく使 つか われる。老 ろう 視 し の程度 ていど が進 すす むと、パソコンや囲碁 いご ・将棋 しょうぎ などの時 とき に必要 ひつよう な中 なか 間 あいだ 距離 きょり が、遠距離 えんきょり 用度 ようど 数 すう 部分 ぶぶん と近距離 きんきょり 用度 ようど 数 すう 部分 ぶぶん のどちらから見 み てもはっきり見 み えない状態 じょうたい になるため、使用 しよう する人 ひと のニーズによっては、遠距離 えんきょり 用 よう 部分 ぶぶん と近距離 きんきょり 用 よう 部分 ぶぶん の間 あいだ に中間 ちゅうかん 距離 きょり 用 よう 部分 ぶぶん を挟 はさ んだ三重 みえ 焦点 しょうてん レンズ(トライフォーカル)を選択 せんたく する場合 ばあい もある。
慣 な れれば、常用 じょうよう して屋外 おくがい での歩行 ほこう ・運転 うんてん は不可能 ふかのう ではない。累進 るいしん 遠近 えんきん レンズに比 くら べて近距離 きんきょり 用 よう 視野 しや が広 ひろ い、視野 しや の揺 ゆ れ、歪 ゆが みも少 すく ないなどの長所 ちょうしょ もあるが、遠 とお 用 よう 部 ぶ から近 こん 用 よう 部 ぶ の境目 さかいめ で急 きゅう に遠近 えんきん 感 かん などが狂 くる ったり、像 ぞう の大 おお きさなどが異 こと なって見 み える場合 ばあい もあるので、累進 るいしん レンズの場合 ばあい ほどではないが、ある程度 ていど 慣 な れが必要 ひつよう である。また近年 きんねん は外観 がいかん 上 じょう の理由 りゆう から使用 しよう する人 ひと が少 すく なくなっているが、加入 かにゅう 度数 どすう がかなり強 つよ めの場合 ばあい は累進 るいしん レンズに比 くら べて使 つか いやすい面 めん もあることから、一部 いちぶ では需要 じゅよう もある。
面 めん 形状 けいじょう による分類 ぶんるい [ 編集 へんしゅう ]
表面 ひょうめん ・裏面 りめん とも球体 きゅうたい の一部 いちぶ を切 き り取 と った曲面 きょくめん に研磨 けんま されたレンズを球面 きゅうめん レンズ という。レンズの性能 せいのう からいえば球面 きゅうめん が最良 さいりょう であるとはいえないが、レンズ曲面 きょくめん を球面 きゅうめん とすることで研磨 けんま が非常 ひじょう に容易 ようい になり、それほど精密 せいみつ でない研磨 けんま 機 き でも高 こう 精度 せいど な研摩 けんま ができる利点 りてん がある[31] 。
縦 たて 方向 ほうこう と横 よこ 方向 ほうこう とで度数 どすう を変 か えて乱視 らんし 矯正 きょうせい を含 ふく めたものは面 めん 形状 けいじょう が球面 きゅうめん ではなく、正確 せいかく な光学 こうがく 上 うえ の分類 ぶんるい では球面 きゅうめん レンズではない。しかし、眼鏡 めがね レンズでは慣習 かんしゅう として、球面 きゅうめん レンズと同 おな じラインアップ上 じょう の製品 せいひん であれば「球面 きゅうめん レンズ」と呼 よ んでいる。
非 ひ 球面 きゅうめん レンズ は片面 かためん または両面 りょうめん を平面 へいめん でも球面 きゅうめん でもない曲面 きょくめん としたレンズである。そのため断面 だんめん を見 み ると外周 がいしゅう と内 うち 周 しゅう とでカーブの曲 きょく 率 りつ がなだらかに変化 へんか している。
球面 きゅうめん でなくする意図 いと には次 つぎ のようなものがある。
レンズを薄 うす くする。
度数 どすう 誤差 ごさ の低減 ていげん 。すなわち、球面 きゅうめん レンズではレンズの周辺 しゅうへん 部 ぶ で度数 どすう が強 つよ くなっていたのを、周辺 しゅうへん 部 ぶ まで一定 いってい の度数 どすう にする。
非 ひ 点 てん 収差 しゅうさ の低減 ていげん 。球面 きゅうめん レンズではレンズの周辺 しゅうへん 部 ぶ で物 もの がぼやけて見 み えていたのを、はっきりさせる。
歪曲 わいきょく 収差 しゅうさ の低減 ていげん 。レンズ周辺 しゅうへん 部 ぶ で物 もの が歪 いが んで見 み えるのを緩和 かんわ する。
第三者 だいさんしゃ から見 み てメガネのレンズによる装用 そうよう 者 しゃ の顔 かお の輪郭 りんかく の途 と 切 き れを最小限 さいしょうげん にする。
遠視 えんし 用 よう レンズは球面 きゅうめん 設計 せっけい では十分 じゅうぶん な光学 こうがく 性能 せいのう の実現 じつげん が難 むずか しく、大 おお きな光学 こうがく 的 てき 歪 ゆが みを生 しょう じるが、非 ひ 球面 きゅうめん 設計 せっけい によって改善 かいぜん される。昭和 しょうわ 7年 ねん (1932年 ねん )の書籍 しょせき にも非 ひ 球面 きゅうめん レンズへの言及 げんきゅう があるが、当時 とうじ の非 ひ 球面 きゅうめん レンズはもっぱら高度 こうど 遠視 えんし に用 もち いるものとされていた[32] 。
今日 きょう では近視 きんし 用 よう の非 ひ 球面 きゅうめん レンズも販売 はんばい されているが、近視 きんし 用 よう レンズでは球面 きゅうめん 設計 せっけい でもそこそこ良好 りょうこう な光学 こうがく 性能 せいのう が達成 たっせい 可能 かのう なので、非 ひ 球面 きゅうめん 設計 せっけい にする目的 もくてき は1の薄型 うすがた 化 か が主 おも である。眼鏡 めがね に用 もち いられるメスニカスレンズは、外面 がいめん を凸 とつ レンズ、内面 ないめん を凹 おう レンズにし、打 う ち消 け し合 あ った後 のち に残 のこ った差分 さぶん で視力 しりょく を矯正 きょうせい するものである。外面 がいめん と内面 ないめん を打 う ち消 け し合 あ わせているのは薄 うす さの面 めん では無駄 むだ であり、薄 うす くするだけならば平 ひら 凹 おう レンズに近 ちか い形状 けいじょう にすれば薄 うす くなるが、球面 きゅうめん 設計 せっけい のままでは光学 こうがく 性能 せいのう が大 おお きく低下 ていか して見 み え方 かた が悪 わる くなる問題 もんだい 点 てん があった。そこで非 ひ 球面 きゅうめん 形状 けいじょう を採用 さいよう することにより、球面 きゅうめん レンズと比較 ひかく して緩 ゆる い外面 がいめん カーブでも必要 ひつよう な光学 こうがく 性能 せいのう を満 み たすことができ、薄 うす く仕上 しあ げることができる。
4の点 てん は、近視 きんし 用 よう では球面 きゅうめん でも非 ひ 球面 きゅうめん でもほとんど差 さ がない。眼鏡 めがね 店 てん では近視 きんし の客 きゃく にも非 ひ 球面 きゅうめん レンズのほうが歪 ゆが みが少 すく ないと言 い って勧 すす めることがあるが、その際 さい の歪 ゆが みとは、2や3にある度数 どすう 誤差 ごさ や非 ひ 点 てん 収差 しゅうさ といった光学 こうがく 上 じょう の歪 ゆが みを指 さ す。また、4と5は相反 あいはん する性能 せいのう であり、両方 りょうほう を同時 どうじ に改善 かいぜん することはできない。歪曲 わいきょく の補正 ほせい を重視 じゅうし して設計 せっけい すると輪郭 りんかく の途 と 切 き れが大 おお きくなり、輪郭 りんかく の途 と 切 き れを小 ちい さくしようとすると歪曲 わいきょく が大 おお きくなる。どちらを重視 じゅうし してどちらを犠牲 ぎせい にするかを選 えら べるレンズ銘柄 めいがら もある。
歪曲 わいきょく 収差 しゅうさ は慣 な れの要素 ようそ も大 おお きい。光学 こうがく 技術 ぎじゅつ 者 しゃ は、光学 こうがく 機器 きき の設計 せっけい に当 あ たって複数 ふくすう の硝材を使 つか い分 わ けて収差 しゅうさ を補正 ほせい した経験 けいけん から、人間 にんげん の眼球 がんきゅう においても同様 どうよう の補正 ほせい が行 おこな われていると思 おも いがちだが、実際 じっさい にはなんら補正 ほせい されていないというのが結論 けつろん である。網膜 もうまく に映 うつ っている像 ぞう は裸眼 らがん でももともと歪曲 わいきょく しており、外界 がいかい の直線 ちょくせん は網膜 もうまく には直線 ちょくせん として映 うつ っていない。それが本人 ほんにん に直線 ちょくせん に見 み えるのは、歪曲 わいきょく 込 こ みの像 ぞう を中枢 ちゅうすう レベルで直線 ちょくせん として学習 がくしゅう した結果 けっか である。歪曲 わいきょく 収差 しゅうさ のある眼鏡 めがね をかけると当初 とうしょ は見 み え方 かた の歪 ゆが みを感 かん じるが、3日 にち もすれば順応 じゅんのう しまい、むしろその眼鏡 めがね を外 はず して裸眼 らがん になったときに裸眼 らがん での見 み え方 かた が歪 いが んでいるように感 かん じるものである[33] 。
度数 どすう 誤差 ごさ が小 ちい さく周辺 しゅうへん 部 ぶ まで度数 どすう が一定 いってい であることも、近視 きんし 用 よう レンズではクレームに繋 つな がることがある。近視 きんし は弱 よわ めに矯正 きょうせい されることが多 おお いので、球面 きゅうめん レンズでレンズ周辺 しゅうへん 部 ぶ の度 たび が中心 ちゅうしん 部 ぶ より強 つよ いことで結果 けっか 的 てき によく見 み える度 たび になることがある。そのような状態 じょうたい に慣 な れた人 ひと が同 どう 度数 どすう の非 ひ 球面 きゅうめん レンズに変更 へんこう すると、球面 きゅうめん レンズより周辺 しゅうへん 部 ぶ の見 み え方 かた が悪 わる いと感 かん じることがある。
さらに細 こま かく分類 ぶんるい すればレンズの外面 がいめん のみを非 ひ 球面 きゅうめん にした外面 がいめん 非 ひ 球面 きゅうめん と、内面 ないめん を非 ひ 球面 きゅうめん にした内面 ないめん 非 ひ 球面 きゅうめん 、両面 りょうめん を非 ひ 球面 きゅうめん にした両面 りょうめん 非 ひ 球面 きゅうめん とがある。それぞれの性能 せいのう は、理論 りろん 的 てき にはどれでも大差 たいさ ないが、現実 げんじつ には製造 せいぞう 工程 こうてい の都合 つごう で外面 がいめん 非 ひ 球面 きゅうめん の性能 せいのう が劣 おと る。
外面 がいめん 非 ひ 球面 きゅうめん は、ある度数 どすう 範囲 はんい を同 おな じ非 ひ 球面 きゅうめん 形状 けいじょう で兼用 けんよう し、内面 ないめん を目的 もくてき の度数 どすう に合 あ わせて球面 きゅうめん 研磨 けんま することでそれぞれの度数 どすう のレンズとして仕上 しあ げられる。用意 ようい すべき非 ひ 球面 きゅうめん 形状 けいじょう が少 すく なくて済 す むので安価 あんか に量産 りょうさん できる。使用 しよう する人 ひと の度数 どすう がたまたま兼用 けんよう する度数 どすう 範囲 はんい の中央 ちゅうおう に当 あ たればよいが、範囲 はんい の境界 きょうかい に当 あ たれば性能 せいのう が劣 おと るかもしれない。それに対 たい して内面 ないめん および両面 りょうめん 非 ひ 球 たま は度数 どすう 一 いち 段階 だんかい ごとに別 べつ の非 ひ 球面 きゅうめん 形状 けいじょう を用意 ようい するので、どの度数 どすう でも理想 りそう 的 てき な非 ひ 球面 きゅうめん 形状 けいじょう が使用 しよう される。その代 か わり生産 せいさん コストが嵩 かさ む。
材質 ざいしつ による分類 ぶんるい [ 編集 へんしゅう ]
主 おも なレンズの材質 ざいしつ はプラスチック とガラス である。また、極 きわ めて高価 こうか なため使用 しよう する人 ひと は稀 まれ だが、人工 じんこう 水晶 すいしょう や人工 じんこう サファイア を使用 しよう したレンズ[注 ちゅう 1] もある。現在 げんざい では販売 はんばい 量 りょう の9割 わり 近 ちか くがプラスチックレンズである。
利点 りてん としては、「割 わ れにくい」「軽 かる い」「染色 せんしょく によってカラーの選択 せんたく が自由 じゆう 」がある。欠点 けってん としては、傷 きず が付 つ きやすい。
通常 つうじょう はハードコート(後述 こうじゅつ )がなされているものの、ガラスレンズには及 およ ばない。ただし、耐 たい 擦傷 すりきず 性 せい 向上 こうじょう によるガラスレンズ並 な みの傷 きず つきにくさを謳 うた う製品 せいひん もある。また、プラスチックレンズは同 どう 度数 どすう のガラスレンズに比較 ひかく して厚 あつ い。屈折 くっせつ 率 りつ の高 たか いプラスチックが開発 かいはつ され薄 うす くなってきているが、同時 どうじ に屈折 くっせつ 率 りつ の高 たか いガラスも開発 かいはつ されており、レンズの薄 うす さについては依然 いぜん としてガラスの方 ほう が優位 ゆうい である。また、日常 にちじょう 生活 せいかつ では特 とく に問題 もんだい にはならないことが多 おお いが、ガラスレンズに比較 ひかく して熱 ねつ に弱 よわ い。
アクリル樹脂 じゅし やポリカーボネート の様 よう な有機 ゆうき ガラス が使用 しよう される。光学 こうがく 面 めん では素材 そざい そのものの性能 せいのう はガラスより劣 おと るが、設計 せっけい と製造 せいぞう の自由 じゆう 度 ど が高 たか いため、ガラスでは難 むずか しいハイカープレンズや累進 るいしん 焦点 しょうてん レンズでは、光学 こうがく 面 めん においてもプラスチックに優位 ゆうい 性 せい がある。
プラスチックに比 くら べ、光学 こうがく 的 てき 性能 せいのう が高 たか く、傷 きず が付 つ きにくく、熱 ねつ に強 つよ い。また、レンズはプラスチックより薄 うす くすることが可能 かのう で外観 がいかん に優 すぐ れる。一方 いっぽう で、衝撃 しょうげき に弱 よわ く(ヒビが入 はい ったり割 わ れたりすることがある)、薄 うす いにもかかわらず重 おも い。
プラスチックレンズが主流 しゅりゅう になり、ガラスレンズは少 すく なくなっているが、調理場 ちょうりば や工場 こうじょう ・焼却 しょうきゃく 施設 しせつ など、化学 かがく 薬品 やくひん や油分 ゆぶん ・火気 かき の使用 しよう が多 おお い場面 ばめん での使用 しよう では、ガラスレンズに優位 ゆうい 性 せい があり、一部 いちぶ では根強 ねづよ い需要 じゅよう もある。
通常 つうじょう の眼鏡 めがね レンズより屈折 くっせつ 率 りつ の高 たか い材質 ざいしつ を用 もち いたものを高 こう 屈折 くっせつ レンズという。ガラス・プラスチックともに商品 しょうひん がある。高 こう 屈折 くっせつ 率 りつ プラスチックレンズの素材 そざい としては、三井化学 みついかがく のMRシリーズ[34] に代表 だいひょう されるチオウレタン系 けい の樹脂 じゅし が広 ひろ く採用 さいよう されている。
利点 りてん
薄 うす い。
通常 つうじょう は軽 かる くなる。
屈折 くっせつ 率 りつ の高 たか さによるキラキラした外観 がいかん が人 ひと によっては高級 こうきゅう に感 かん じられる。
欠点 けってん
高価 こうか である。
アッベ数 すう が低 ひく いため、レンズ周辺 しゅうへん 部 ぶ で色収差 いろしゅうさ が感 かん じられる。
割 わ れやすい場合 ばあい や、コーティングが剥 は がれやすい場合 ばあい がある。
比重 ひじゅう が高 たか く、体積 たいせき の割 わり に重 おも い。この欠点 けってん は通常 つうじょう は薄 うす くなることによって打 う ち消 け されるが、弱 じゃく 度 ど では打 う ち消 け されないこともある。
屈折 くっせつ 率 りつ の高 たか さによるキラキラした外観 がいかん が人 ひと によっては品 しな なく感 かん じられる。
高 こう 屈折 くっせつ レンズの極端 きょくたん な例 れい としてはサファイアレンズがある。このレンズの利点 りてん は、
強度 きょうど に優 すぐ れ、ガラスよりも傷 きず がつきにくく、割 わ れにくい。
屈折 くっせつ 率 りつ は1.77アッベ数 すう が共 とも に高 たか い。特 とく にアッベ数 すう は72と極 きわ めて高 たか い(通常 つうじょう のレンズは32~58)。
強度 きょうど が高 たか いため非常 ひじょう に薄 うす くできる。
といったものであり、特性 とくせい は極 きわ めて優 すぐ れている。ただし1枚 まい 100万 まん 円 えん 以上 いじょう と極 きわ めて高価 こうか である。
ローマ皇帝 こうてい ネロ は、サファイア のサングラス を愛用 あいよう していた(サファイアの反射 はんしゃ 鏡 きょう とする説 せつ もある)。
レンズ表面 ひょうめん に施 ほどこ されるコーティングや素材 そざい により機能 きのう を持 も たせたレンズも存在 そんざい する。カタログ等 とう に表記 ひょうき される名称 めいしょう はメーカーによって異 こと なる。現代 げんだい ではコーティングや機能 きのう をオプションとすることで標準 ひょうじゅん 価格 かかく を抑 おさ える販売 はんばい 手法 しゅほう が主流 しゅりゅう となっている。
紫外線 しがいせん カットコート
プラスチックはそれ自体 じたい に紫外線 しがいせん を通 とお しにくい性質 せいしつ を有 ゆう するが、よりカット率 りつ を高 たか めるためコーティングが施 ほどこ される。
紫外線 しがいせん カットの眼鏡 めがね レンズは、バイオレットライト(波長 はちょう が360〜400nm)もカットするが、バイオレットライトに近視 きんし の進行 しんこう を抑制 よくせい する効果 こうか があるとして、メガネによる紫外線 しがいせん カットが近視 きんし を増加 ぞうか させているという報告 ほうこく もある[35] 。これに対応 たいおう してバイオレットライトを選択 せんたく 的 てき に透過 とうか するレンズも登場 とうじょう している[36] 。さらには、紫外線 しがいせん そのものに近視 きんし 抑制 よくせい 効果 こうか があるとする説 せつ もある[37] 。
ハードコート
レンズに傷 きず がつくのを防止 ぼうし する。ハードコートの技術 ぎじゅつ が開発 かいはつ される前 まえ のプラスチックレンズは極 きわ めて傷 きず つきやすいため販売 はんばい 量 りょう が伸 の びなかったが、ハードコートが施 ほどこ されるようになってからは実用 じつよう 上 じょう 問題 もんだい ない傷 きず つきにくさを得 え 、販売 はんばい 量 りょう でガラスレンズを凌駕 りょうが するに至 いた った。現在 げんざい ではハードコートの施 ほどこ されていないプラスチックレンズは生産 せいさん されていない。
汚 よご れ防止 ぼうし
水 みず や皮脂 ひし を弾 ひ きやすくすることで、汚 よご れにくく拭 ふ き取 と りやすくなる撥 ばち 水 すい コート、湯気 ゆげ で曇 くも らない防 ぼう 曇 くもり コート、埃 ほこり が付 つ きにくい帯電 たいでん 防止 ぼうし コートなど。防 ぼう 曇 くもり コートは付属 ふぞく の液体 えきたい (界面 かいめん 活性 かっせい 剤 ざい )を定期 ていき 的 てき につけるタイプが主流 しゅりゅう だったが、不要 ふよう なコーティングも登場 とうじょう している。
反射 はんしゃ 防止 ぼうし コート
光 ひかり の反射 はんしゃ を防止 ぼうし する。これが施 ほどこ されていないと、装用 そうよう 者 しゃ 自身 じしん にとってはレンズ裏面 りめん に自分 じぶん の目 め が映 うつ って見 み えたり、背後 はいご から来 く る光 ひかり が反射 はんしゃ したりする。写真 しゃしん 撮影 さつえい の際 さい 、カメラのフラッシュ光 こう が反射 はんしゃ して目 め が透 す けず真 ま っ白 しろ に写 うつ り、運転 うんてん 免許 めんきょ 証 しょう やパスポート や個人 こじん 番号 ばんごう カード の申請 しんせい では、差 さ し替 か えや撮 と り直 なお しを指示 しじ される。
現代 げんだい ではキズ防止 ぼうし 、紫外線 しがいせん カット、撥 ばち 水 すい 、反射 はんしゃ 防止 ぼうし は標準 ひょうじゅん コートであるため、より性能 せいのう を高 たか めたコーティングをオプションとして設定 せってい しているレンズが多 おお い。
耐 たい 熱 ねつ レンズ
レンズの各 かく コーティングは、膨張 ぼうちょう 率 りつ が異 こと なるため、熱 ねつ が加 くわ わるとコート層 そう の境目 さかいめ から剥 は がれやすい。対策 たいさく として、各 かく コーティングの膨張 ぼうちょう 率 りつ を揃 そろ えることで剥 は がれを抑 おさ えたレンズ。熱 ねつ に弱 よわ いプラスチックレンズの耐 たい 熱性 ねっせい を高 たか めるものではない。
衝撃 しょうげき 吸収 きゅうしゅう (プライマー)
強度 きょうど を高 たか めるコーティング。レンズに衝撃 しょうげき がかかった際 さい に割 わ れにくくなる。縁 えん なしやナイロールフレームに有用 ゆうよう である。
偏 へん 光 こう
水面 すいめん や雪 ゆき 面 めん からの表面 ひょうめん 反射 はんしゃ 光 こう をカットする偏 へん 光 こう 板 いた を使用 しよう する。
ミラー加工 かこう
レンズ前面 ぜんめん に光 ひかり を反射 はんしゃ するコートを施 ほどこ す。
カラーレンズ
プラスチックが着色 ちゃくしょく しやすいことを利用 りよう し、素材 そざい 自体 じたい が着色 ちゃくしょく されたプラスチックレンズ。ファッション用 よう の他 ほか 、眩 まぶ しさの軽減 けいげん や視力 しりょく 矯正 きょうせい 機能 きのう のあるサングラスとしても利用 りよう できる。
調 しらべ 光 こう レンズ
紫外線 しがいせん 量 りょう や温度 おんど により、透過 とうか 率 りつ が変 か わるレンズ。眼鏡 めがね 兼 けん サングラスとて利用 りよう 出来 でき る。
ブルーライトカット
高 こう エネルギー可視 かし 光線 こうせん (波長 はちょう が380〜500nm)を軽減 けいげん するレンズ。ガラスではコーティングとなるが、プラスチックでは添加 てんか 剤 ざい や薄茶 うすちゃ 色 しょく の着色 ちゃくしょく により、レンズ自体 じたい でカットするものがある。カット率 りつ が高 たか いレンズは、視界 しかい が黄色 きいろ がかって見 み えるものもある。デジタル機器 きき による睡眠 すいみん 障害 しょうがい や眼精疲労 がんせいひろう 、眼 め の障害 しょうがい の防止 ぼうし を謳 うた って販売 はんばい されている。日本 にっぽん 眼科 がんか 医 い 会 かい は2021年 ねん 4月 がつ 、睡眠 すいみん 障害 しょうがい の防止 ぼうし については効果 こうか を期待 きたい できる可能 かのう 性 せい があるとしながらも、それ以外 いがい の効果 こうか は期待 きたい できないとし、さらに小児 しょうに にブルーライトカット眼鏡 めがね を装用 そうよう させては自然 しぜん のままの太陽光 たいようこう を浴 あ びる機会 きかい を奪 うば い近視 きんし 進行 しんこう のリスクを高 たか めるとして、小児 しょうに の装用 そうよう に対 たい して慎重 しんちょう 意見 いけん を表明 ひょうめい した[38] 。米国 べいこく 眼科 がんか 学会 がっかい も、ブルーライトが眼 め に悪 わる いとする科学 かがく 的 てき 根拠 こんきょ はなく、ブルーライトカット眼鏡 めがね の使用 しよう を推奨 すいしょう しないとしている[39] 。
視力 しりょく 矯正 きょうせい 以外 いがい [ 編集 へんしゅう ]
サングラス、色覚 しきかく 補正 ほせい 眼鏡 めがね 、防塵 ぼうじん 眼鏡 めがね 、3D眼鏡 めがね 、伊達 だて 眼鏡 めがね 、PCグラス(ブルーライトカット)などがある。
眼鏡 めがね のレンズを眼前 がんぜん に固定 こてい するための構造 こうぞう をフレーム または枠 わく という。眼鏡 めがね フレームの世界 せかい 三 さん 大 だい 産地 さんち はイタリア 、日本 にっぽん 、中華人民共和国 ちゅうかじんみんきょうわこく 。日本 にっぽん での生産 せいさん 地 ち は福井 ふくい 県 けん 鯖江 さばえ 市 し や福井 ふくい 市 し であるが、低 てい 価格 かかく 品 ひん は割安 わりやす な中国 ちゅうごく 製 せい に代替 だいたい されつつある。
眼 め の前 まえ に固定 こてい する方法 ほうほう による分類 ぶんるい [ 編集 へんしゅう ]
フレームの第 だい 一 いち の目的 もくてき は、眼 め の前 まえ の適切 てきせつ な位置 いち にレンズを固定 こてい することである。固定 こてい する方法 ほうほう は、以下 いか のように様々 さまざま なものが試 こころ みられてきた。
鼻眼鏡 はなめがね の例 れい (人物 じんぶつ はヴァルター・ネルンスト )
一山 ひとやま の例 れい (人物 じんぶつ はジャン・レノ )
柄 え 付 づけ 眼鏡 めがね
眼鏡 めがね に持 も ち手 しゅ がついていて、それを持 も って使用 しよう する。最初 さいしょ 期 き の眼鏡 めがね はこの形態 けいたい だったが、現在 げんざい では日常 にちじょう 的 てき に使 つか われることは少 すく ない。現在 げんざい では、役所 やくしょ などで貸 か し出 だ し用 よう の老眼鏡 ろうがんきょう として、また、眼鏡 めがね 店 てん などで試用 しよう や検査 けんさ のために使 つか われる。虫眼鏡 むしめがね とは、(1)虫眼鏡 むしめがね が一 いち 枚 まい のレンズから成 な るのに対 たい して、柄 え 付 づけ 眼鏡 めがね は二 に 枚 まい のレンズから成 な る(2) 虫眼鏡 むしめがね は見 み たいものに近 ちか づけて使 つか われるのに対 たい して、柄 え 付 づけ 眼鏡 めがね は目 め に近 ちか づけて使 つか われるという違 ちが いがある。
紐 ひも つき眼鏡 めがね
紐 ひも で眼鏡 めがね を顔 かお に押 お し当 あ てて安定 あんてい させるもの。今日 きょう では視力 しりょく 矯正 きょうせい 用 よう 眼鏡 めがね よりも保護 ほご 眼鏡 めがね や水中 すいちゅう 眼鏡 めがね で多 おお く使 つか われる方式 ほうしき である。視力 しりょく 矯正 きょうせい 用 よう としても江戸 えど 時代 じだい の日本 にっぽん で使 つか われ、大戦 たいせん 中 ちゅう にはガスマスクの下 した にかける眼鏡 めがね としてドイツの兵士 へいし に支給 しきゅう された。現代 げんだい の日本 にっぽん でも剣道 けんどう の面 めん の下 した にかける眼鏡 めがね として市販 しはん されている。
片 かた 眼鏡 めがね
片方 かたがた の眼窩 がんか にレンズをはめ込 こ むようにして使 つか う。過去 かこ に何 なん 度 ど か流行 りゅうこう したが、現代 げんだい では一般 いっぱん 的 てき でない。モノクルとも。落下 らっか に対 たい する備 そな えとして紐 ひも や鎖 くさり が付 つ けられることがあった。
鼻眼鏡 はなめがね
テンプルがなく、鼻 はな をばね で挟 はさ むような形 かたち で装用 そうよう する。19世紀 せいき 末 まつ から20世紀 せいき 初頭 しょとう にかけて流行 りゅうこう したが、現代 げんだい では一般 いっぱん 的 てき でない。目立 めだ たず、審美 しんび 上 じょう の利点 りてん があるが、顔 かお の形 かたち によっては掛 か けるのがほとんど不可能 ふかのう である[40] 。落下 らっか に対 たい する備 そな えとして紐 ひも や鎖 くさり が付 つ けられることがあった。レンズの位置 いち 角度 かくど が狂 くる いやすく、光学 こうがく 的 てき にも好 この ましくない。フィンチ、パンスネ、鼻 はな 掛 かけ 眼鏡 めがね とも。英語 えいご の eyeglasses はかつてはこの形式 けいしき のものをのみ指 さ した[41] 。詳細 しょうさい は別項 べっこう を参照 さんしょう 。
一山 ひとやま (いちやま)
テンプルはあるが鼻 はな 当 あ てがなくブリッジが直接 ちょくせつ 鼻 はな に当 あ たって眼鏡 めがね を支 ささ えるもの。現代 げんだい では少数 しょうすう 派 は である。今日 きょう では両者 りょうしゃ は眼鏡 めがね を指 さ す同義語 どうぎご となっているが、英語 えいご の spectacles はかつてはこの形式 けいしき のものをのみ指 さ し、鼻眼鏡 はなめがね を指 さ す eyeglasses と区別 くべつ された[41] 。鼻 はな 当 あ てつきのものと違 ちが って鼻 はな の高 たか さに合 あ わせて調整 ちょうせい することができないので、同 どう 一 いち デザインでブリッジ高 たか さを変 か えたフレームが多数 たすう 用意 ようい された中 なか から、鼻 はな の高 たか さだけでなく出目 でめ 奥 おく 目 め の具合 ぐあい をも考慮 こうりょ して適切 てきせつ なブリッジ高 たか さのものを選 えら ばなければ正 ただ しくかけられない。鼻 はな が高 たか さが同 おな じでも、出目 でめ であれば張 は り出 だ したブリッジを選択 せんたく すべきではないし、奥 おく 目 め であれば張 は り出 だ したブリッジが必要 ひつよう になる。一山 ひとやま フレームが一般 いっぱん 的 てき だった時代 じだい の眼鏡 めがね 処方箋 しょほうせん には、ブリッジの高 たか さ、幅 はば 、深 ふか さの記入 きにゅう 欄 らん があった[42] 。落下 らっか 防止 ぼうし のため、縄手 なわて や長手 ながて が持 も ちられることが多 おお い。1912年 ねん のアメリカン・オプティカル・カンパニーの一山 ひとやま フレームには、瞳孔 どうこう 間 あいだ 距離 きょり 、ブリッジの鼻 はな に接 せっ する部分 ぶぶん の幅 はば 、同 おな じく高 たか さ、そしてレンズに対 たい してブリッジが張 は り出 だ しているか同 どう 一 いち 平面 へいめん 上 じょう か引 ひ っ込 こ んでいるかの順列 じゅんれつ 組 く み合 あ わせで180種 しゅ のブリッジが用意 ようい されていた[43] 。店頭 てんとう に一山 ひとやま フレームが一 ひと つあるいは数 すう 個 こ しか在庫 ざいこ されていないようでは、そのフレームがたまたま自分 じぶん の顔 かお に合 あ っているのは幸運 こううん な場合 ばあい のみである。
つる付 つ き眼鏡 めがね
鼻 はな 当 あ てとテンプルによって支 ささ える形式 けいしき 。英語 えいご では当初 とうしょ 、eyeglasses に spectacles のテンプルを取 と り付 つ けたものであることから spectaclettes スペクタクレッツと呼 よ ばれた[44] 。1913年 ねん の書籍 しょせき では鼻 はな の斜面 しゃめん が垂直 すいちょく に近 ちか かったり肌 はだ が敏感 びんかん だったりで一山 ひとやま をかけられない人 ひと に勧 すす められるフレームとして位置 いち づけられていた[44] が、現代 げんだい では最 もっと も一般 いっぱん 的 てき な形式 けいしき である。鼻眼鏡 はなめがね と対比 たいひ しては耳 みみ 掛 かけ 眼鏡 めがね とも。
素材 そざい による分類 ぶんるい [ 編集 へんしゅう ]
メタルフレーム
金属 きんぞく 製 せい のフレーム。古 ふる くから存在 そんざい し、鉄 てつ や真鍮 しんちゅう が用 もち いられてきた。近代 きんだい ではステンレス の導入 どうにゅう 例 れい が見 み られるが、強度 きょうど が高 たか い一方 いっぽう で可塑 かそ 性 せい に難 なん がある。また材質 ざいしつ の性質 せいしつ から重量 じゅうりょう がかさむため、レンズ周囲 しゅうい は細 ほそ いワイヤー状 じょう 、テンプルもワイヤー状 じょう かテーパー 状 じょう の薄板 うすいた で極力 きょくりょく 軽量 けいりょう に形成 けいせい することが一般 いっぱん 的 てき である。金属 きんぞく アレルギー の者 もの には不適 ふてき な場合 ばあい がある。
金無垢 きんむく
メタルフレームのうち、材質 ざいしつ に金 きむ を使 つか ったものをいう。実際 じっさい には純金 じゅんきん (24金 きん )は軟 やわ らかすぎるので適 てき さず、実用 じつよう 的 てき な硬度 こうど が得 え られる合金 ごうきん の18金 きん や14金 きん の合金 ごうきん が使 つか われる。表記 ひょうき は18K、14K。柔軟 じゅうなん 性 せい がある、腐食 ふしょく しにくい、金属 きんぞく アレルギー を起 お こしにくい、などの長所 ちょうしょ がある一方 いっぽう 、貴金属 ききんぞく だけあって高価 こうか である。
チタンフレーム
チタン で作 つく られたフレーム。加工 かこう が難 むずか しいため、鉄 てつ やステンレスよりも高価 こうか であるが、腐食 ふしょく が起 お こりにくく丈夫 じょうぶ で軽 かる いことから、シニア向 む けフレームに用 もち いられることが多 おお くなった。表記 ひょうき はTi-PまたはTi-C。なお、-Pは純 じゅん チタン、-Cはクラットチタン。後者 こうしゃ はチタンを芯 しん 材 ざい (ベースメタル)とし、その周囲 しゅうい をニッケル合金 ごうきん 等 とう で覆 おお ったもので、ニッケル めっき の表面 ひょうめん 処理 しょり を、通常 つうじょう 合金 ごうきん と同様 どうよう に行 おこな うことができる。
フレームカラーの種類 しゅるい を限定 げんてい されないことから、多様 たよう なニーズに合 あ わせることができる。また、パッド足 あし 等 とう のパーツがろう離 ばな れした際 さい にも、店頭 てんとう で修理 しゅうり を行 おこな えるので、β べーた チタンはチタン合金 ごうきん の中 なか でも通常 つうじょう 合金 ごうきん に近 ちか い扱 あつか いが可能 かのう である。チタンフレームは「タイタニウムフレーム」「チタニウムフレーム」とも称 しょう される。
チタンは、素材 そざい の軽 かる さや丈夫 じょうぶ さにより数 すう 多 おお くのスポーツブランドも製造 せいぞう している。
銀縁 ぎんぶち
メタルフレームのうち、銀 ぎん で作 つく られたもの。銀 ぎん は眼鏡 めがね フレームには適 てき さないので、商品 しょうひん としてはあまり流通 りゅうつう していない。銀 ぎん 色 いろ をした、銀 ぎん でないめっき加工 かこう されたフレームをいうこともあるが、眼鏡 めがね 店 てん の店頭 てんとう では誤解 ごかい を避 さ けるため、この意味 いみ では使 つか われず、俗称 ぞくしょう である。
形状 けいじょう 記憶 きおく 合金 ごうきん 製 せい フレーム
メタルフレームのうち、現代 げんだい におけるスポーツフレームに多 おお く用 もち いられるもので、激 はげ しい運動 うんどう でずれにくく、運動 うんどう での衝撃 しょうげき で曲 ま がったり折 お れたりする事 こと が殆 ほとん ど無 な い合金 ごうきん 素材 そざい を用 もち いた物 もの 。反面 はんめん 、衝撃 しょうげき で曲 ま がらないとは裏 うら を返 かえ せばフィッティングのために意図 いと 的 てき に曲 ま げようとしても曲 ま げられないことでもあるので、レンズの位置 いち 角度 かくど が正 まさ しく合 あ っておらず頭痛 ずつう や眼精疲労 がんせいひろう を起 お こしかねない状態 じょうたい でも、フレームをフッティングで修正 しゅうせい することができない。この種 たね のフレームを選 えら ぶ際 さい は、鏡 かがみ の前 まえ で色々 いろいろ 掛 か け比 くら べて、フッティングするまでもなく初 はじ めからレンズが瞳 ひとみ に対 たい して正 ただ しい位置 いち 角度 かくど に来 き ているものを選 えら ぶ必要 ひつよう がある。
軽量 けいりょう チタン合金 ごうきん 製 せい フレーム
チタンフレームを極限 きょくげん まで軽量 けいりょう 化 か した物 もの 。フレームの重 おも さでずり落 お ちにくいと宣伝 せんでん されているが、その一方 いっぽう でフレームが軽 かる すぎるとレンズの重 おも さにより眼鏡 めがね 全体 ぜんたい の重心 じゅうしん が前 まえ に偏 かたよ りかえって重 おも さが気 き になるとする主張 しゅちょう もある。変 か わり種 だね としてリムからブリッジ部分 ぶぶん を軽量 けいりょう 樹脂 じゅし 製 せい にした物 もの もある。
但 ただ し、フレームを極限 きょくげん まで細 ほそ くした為 ため に、金属 きんぞく 疲労 ひろう を起 お こしやすく、通常 つうじょう のフレームに比 くら べて耐久 たいきゅう 性 せい や寿命 じゅみょう は劣 おと る。
セルフレーム
ある程度 ていど の厚 あつ みないし太 ふと さを持 も った、合成 ごうせい 樹脂 じゅし で成形 せいけい されたフレーム。20世紀 せいき に入 はい って出現 しゅつげん した。かつて初期 しょき の合成 ごうせい 樹脂 じゅし であるセルロイド で作 つく られたことからこのように呼 よ ばれるが、実際 じっさい の材質 ざいしつ は素材 そざい の進化 しんか によりアセテート が殆 ほとん どである。安価 あんか な眼鏡 めがね 量販 りょうはん 店 てん で売 う られるフレームはプラスチック製 せい である。プラスチックは金 かね 型 がた を用 もち いた射出 しゃしゅつ 製造 せいぞう が可能 かのう で生産 せいさん 性 せい が良 よ く、着用 ちゃくよう 者 しゃ のニーズにおいても軽量 けいりょう 性 せい を保 たも ちつつ多様 たよう なデザイン・色彩 しきさい に対応 たいおう できる特長 とくちょう がある。一方 いっぽう 、少量 しょうりょう 多 た 品種 ひんしゅ 生産 せいさん の高 こう 価格 かかく 品 ひん は、射出 しゃしゅつ 成形 せいけい では高価 こうか な金 かね 型 がた のコストが回収 かいしゅう できずかえって高 たか く付 つ くので、アセテートの厚 あつ 板 ばん からの削 けず り出 だ しで作 つく られる。
顔 かお の印象 いんしょう を大 おお きく変 か えるファッション性 せい が魅力 みりょく だが、掛 か け心地 ごこち の調整 ちょうせい に余地 よち が少 すく ないのが欠点 けってん である。テンプルの先 さき は、熱 ねつ で柔 やわ らかくして調整 ちょうせい できる。しかし、鼻 はな 当 あ て部分 ぶぶん をこの方法 ほうほう で調整 ちょうせい しようとすればリムまで変形 へんけい してしまう。メタルフレームには智 さとし の部分 ぶぶん を曲 ま げることでレンズをやや下向 したむ きの光学 こうがく 的 てき に望 のぞ ましい向 む きに調整 ちょうせい できるものが少 すく なからずあるのに対 たい して、セルフレームは通常 つうじょう そのような調整 ちょうせい ができない。ただし、メタルフレームでも智 さとし に装飾 そうしょく のあるものはレンズの向 む きが調整 ちょうせい できないし、セルフレームでも鼻 はな 当 あ てをメタルフレーム同様 どうよう としたり合 あ い口 くち に初 はじ めから大 おお きな隙間 すきま のあるデザインとしたりしてそれぞれの部分 ぶぶん を調整 ちょうせい 可能 かのう としたものもあるので、あくまでも典型 てんけい 的 てき なセルフレームと典型 てんけい 的 てき なメタルフレームとを比 くら べた場合 ばあい の話 はなし である。
鼈甲 べっこう 縁 えん
鼈甲 べっこう で作 つく られたフレーム。英語 えいご 圏 けん ではホーンリム (英 えい : horn-rimmed glasses )と呼称 こしょう される。現在 げんざい ではワシントン条約 じょうやく により輸出入 ゆしゅつにゅう が禁止 きんし されているため、非常 ひじょう に高価 こうか である(象牙 ぞうげ の印章 いんしょう 同様 どうよう 、規制 きせい 施行 しこう 前 まえ に輸入 ゆにゅう された材料 ざいりょう で作 つく った製品 せいひん しかない)。化学 かがく 合成 ごうせい で作 つく られた鼈甲 べっこう 風 ふう のセルフレームをいうこともあるが、眼鏡 めがね 店 てん の店頭 てんとう でこの意味 いみ で使 つか われないのは「銀縁 ぎんぶち 」と同 おな じである。
黒縁 くろぶち ・赤 あか 縁 えん など
メタルフレームやセルフレームにおいて黒 くろ や赤 あか などに着色 ちゃくしょく されたもの。主 おも にセルフレームで用 もち いられる。メタルフレームの黒縁 くろぶち では、特 とく に丸 まる 眼鏡 めがね ではハリー・ポッター のような印象 いんしょう になり若干 じゃっかん の人気 にんき がある。
メタルフレームではフレーム素材 そざい に焼 や き付 つ け塗装 とそう 、セルフレームでは型 かた 入 い れ・型 がた 抜 ぬ き段階 だんかい でアセテート原料 げんりょう に着色 ちゃくしょく を行 おこな われる。
特殊 とくしゅ 樹脂 じゅし 製 せい フレーム
弾力 だんりょく 性 せい があり軽量 けいりょう な特殊 とくしゅ 樹脂 じゅし が使 つか われ、スポーツフレームに多用 たよう されている。弾力 だんりょく 性 せい があり、しなるのでフィット感 かん が高 たか い。また、スポーツや遊戯 ゆうぎ 中 ちゅう の事故 じこ でボールなどが当 あ たった場合 ばあい に、衝撃 しょうげき 吸収 きゅうしゅう もしくはフレームが一定 いってい の衝撃 しょうげき 強度 きょうど で割 わ れるようになっており、衝撃 しょうげき が集中 しゅうちゅう しない構造 こうぞう になっている。
反面 はんめん 、弾力 だんりょく があるとは裏 うら を返 かえ せば調整 ちょうせい が効 き かないことでもあるので、レンズの位置 いち 角度 かくど が正 まさ しく合 あ っておらず、頭痛 ずつう や眼精疲労 がんせいひろう を起 お こしかねない状態 じょうたい でも、フレームをフッティングで修正 しゅうせい することができない。この種 たね のフレームを選 えら ぶ際 さい は、鏡 かがみ の前 まえ で色々 いろいろ 掛 か け比 くら べて、フッティングするまでもなく初 はじ めからレンズが瞳 ひとみ に対 たい して正 ただ しい位置 いち 角度 かくど に来 き ているものを選 えら ぶ必要 ひつよう がある。
リムの有無 うむ による分類 ぶんるい [ 編集 へんしゅう ]
縁 えん 無 な しメガネの例 れい (ドナルド・ラムズフェルド )
サーモントメガネの例 れい (マルコムX )
フルリム
金属 きんぞく 製 せい やアセテート繊維 せんい 製 せい の縁 えん で、眼鏡 めがね レンズの全 ぜん 周 しゅう を覆 おお ったもの。
縁 えん 無 な し
レンズの外周 がいしゅう を覆 おお う縁 えん のないもの。リムレス (英 えい : rimless eyeglasses )、フレームレス (英 えい : frameless eyeglasses )、レンズが二 に 点 てん で留 と められていることからツーポイント (和製 わせい 英語 えいご )、金属 きんぞく 部分 ぶぶん が三 みっ つあることからスリーピース (英 えい : three piece eyeglasses )とも。セイコー によれば、眼鏡 めがね のフレームとは絵画 かいが の額縁 がくぶち のようにレンズを囲 かこ っていることから来 き た呼 よ び名 な である。その語源 ごげん から考 かんが えれば、レンズを囲 かこ っていない縁 えん 無 な し眼鏡 めがね の金属 きんぞく 部分 ぶぶん をフレームと呼 よ ぶのは誤 あやま りであり、マウンティング mounting と呼 よ ぶべきだとセイコーでは主張 しゅちょう している[45] 。古 ふる い書籍 しょせき にも、縁 えん のある眼鏡 めがね の金属 きんぞく 部分 ぶぶん をフレーム、縁 えん 無 な し眼鏡 めがね の金属 きんぞく 部分 ぶぶん をマウンティング mounting[41] またはクラスプ clasp[46] と呼 よ び分 わ けているものがある。
レンズに直接 ちょくせつ ねじ止 と めを施 ほどこ し、強度 きょうど のあるフレームを持 も たないことから、破損 はそん したりレンズのガタつきを生 しょう じたりしやすく、実用 じつよう 上 じょう の利点 りてん はない。フレームがないため眼鏡 めがね の存在 そんざい が目立 めだ たず、顔 かお に明 あか るい雰囲気 ふんいき を与 あた え、聡明 そうめい そうに見 み える装飾 そうしょく 上 じょう の利点 りてん がある[47] 。一見 いっけん すると縁 えん が無 な く視界 しかい の邪魔 じゃま にならないように思 おも われるが、実際 じっさい にはレンズを固定 こてい するネジが縁 えん よりよほど視界 しかい の中心 ちゅうしん に近 ちか いところに入 はい る上 うえ にレンズの端 はし がフレームで覆 おお われていないためそこに光 ひかり が反射 はんしゃ して視界 しかい の邪魔 じゃま になる。
明治 めいじ 期 き より2000年代 ねんだい 初期 しょき に至 いた るまで何 なん 度 ど か流行 りゅうこう しており、眼鏡 めがね を強調 きょうちょう させたくない人 ひと が好 この んで使用 しよう する。昭和 しょうわ 3年 ねん の書籍 しょせき にも、社交 しゃこう 界 かい の婦人 ふじん の間 あいだ にひどく流行 りゅうこう して、中 なか には度 ど のない素通 すどお しの縁 えん 無 な し眼鏡 めがね をかける者 もの もいたとの記述 きじゅつ が見 み える[47] 。
現存 げんそん する世界 せかい 最古 さいこ のふちなしメガネは、1825年 ねん にオーストリア帝国 ていこく ウイーン のフォークレンダー・アンド・サン社 しゃ で作 つく られた製品 せいひん で、左右 さゆう のレンズがつながった一 いち 枚 まい のガラスで出来 でき ており、つるだけが金属 きんぞく で出来 でき ている。
サーモント(sirmon glasses、別称 べっしょう ブロー・グラス、コンビネーションフレームB)
リムの上部 じょうぶ はナイロン 、下部 かぶ は金属 きんぞく のフレームで構成 こうせい されている。1940年代 ねんだい 以降 いこう 普及 ふきゅう 。著名 ちょめい な装着 そうちゃく 者 しゃ は、カーネル・サンダース やマルコムX 。日本 にっぽん では俗 ぞく に「眉毛 まゆげ めがね」等 とう の通称 つうしょう がある。
ナイロール(Nyroll)
ハーフリム、セミ・リムレスとも。レンズの上 うえ 半分 はんぶん のみを金属 きんぞく やアセテート製 せい などの縁 えん で覆 おお い、下 した 半分 はんぶん はナイロン糸 いと で固定 こてい したものである。ナイロン糸 いと の調整 ちょうせい が必要 ひつよう で、ナイロン糸 いと が経年 けいねん 劣化 れっか で緩 ゆる んだり切 き れたりするとレンズが抜 ぬ け落 お ちてしまう欠点 けってん がある。眼鏡 めがね 店 てん では半年 はんとし ごとの確認 かくにん ・張 は り直 なお しを勧 すす めている。1990年代 ねんだい 後半 こうはん より流行 りゅうこう し、現在 げんざい でもかなりの需要 じゅよう がある。
逆 ぎゃく ナイロール
アンダーリムとも。ナイロールとは逆 ぎゃく に、レンズの下 した 半分 はんぶん のみを金属 きんぞく やアセテート製 せい などの枠 わく で覆 おお ったもの。眉毛 まゆげ 周 まわ りやまつげ周 まわ りが強調 きょうちょう される。2000年代 ねんだい にやや流行 りゅうこう し、現在 げんざい でも若干 じゃっかん 需要 じゅよう はある。
横 よこ ナイロール(サイドナイロール)[要 よう 出典 しゅってん ]
センターリムとも[要 よう 出典 しゅってん ] 。レンズに対 たい して、フレームの中央 ちゅうおう 側 がわ を金属 きんぞく やアセテート製 せい などの枠 わく で覆 おお い、フレームの両 りょう 端 はし 側 がわ をナイロン糸 いと などで固定 こてい したもの。フレーム両端 りょうたん 側 がわ の固定 こてい に余裕 よゆう が生 う まれているため、曲面 きょくめん 的 てき なデザインなど、フレームデザインの自由 じゆう 度 ど が高 たか い。最近 さいきん [いつ? ] 出回 でまわ ったばかりの新 あたら しいカテゴリー。
フルナイロール
レンズの大 だい 部分 ぶぶん を糸 いと (ナイロール)で固定 こてい する。
従来 じゅうらい のナイロールはレンズの半周 はんしゅう 近 ちか くにフレームが必要 ひつよう だが、「フレーム」に3点 てん で接 せっ する以外 いがい は、全 すべ てテグスでレンズを囲 かこ ったものを、考案 こうあん 者 しゃ がフルナイロールと名 な づけた。
試験 しけん 枠 わく
検査 けんさ のときに仮 かり の眼鏡 めがね を組 く み立 た てるのに使 つか うフレーム。仮 かり 枠 わく とも。定形 ていけい のレンズを簡単 かんたん に抜 ぬ き差 さ しできるようになっている。オートレフトラクトメーター およびフォロプター によって導 みちび いた度数 どすう を試験 しけん 枠 わく によって実際 じっさい の使用 しよう に近 ちか い状態 じょうたい で体験 たいけん し、最終 さいしゅう 的 てき な度数 どすう を決定 けってい する。眼鏡 めがね レンズには近視 きんし ・遠視 えんし 度数 どすう 、乱視 らんし 度数 どすう 、乱視 らんし 軸 じく などによって非常 ひじょう に多 おお くの種類 しゅるい があり、全 すべ てについて試験 しけん 用 よう のレンズを用意 ようい するのは不可能 ふかのう に近 ちか い。そこで仮 かり 枠 わく では近視 きんし ・遠視 えんし 用 よう レンズ、乱視 らんし 用 よう レンズ、さらに必要 ひつよう ならば遠近 えんきん 両用 りょうよう レンズを重 かさ ね合 あ わせて装着 そうちゃく し、乱視 らんし 用 よう レンズを乱視 らんし 軸 じく に合 あ わせて回転 かいてん させることで体験 たいけん すべき矯正 きょうせい 状態 じょうたい を再現 さいげん する。レンズの形 かたち は真 ま 円 えん かつ小径 しょうけい である。真 ま 円 えん でないと乱視 らんし 用 よう レンズを回転 かいてん させることができないし、小径 しょうけい でないと厚 あつ みが増 ま し複 ふく 数 すう 枚 まい 重 かさ ねることが困難 こんなん になるためである。
レンズの形状 けいじょう による分類 ぶんるい [ 編集 へんしゅう ]
一般 いっぱん 的 てき な丸 まる 眼鏡 めがね の例 れい ティアドロップの例 れい (人物 じんぶつ はダグラス・マッカーサー )
ラウンド
円形 えんけい を模 も したもの。いわゆる「丸 まる 眼鏡 めがね 」。ただし真 ま 円 えん では眼 め の錯覚 さっかく により、縦長 たてなが の楕円 だえん に見 み えるため、若干 じゃっかん 横長 よこなが になっているものが多 おお い。
オーバル
楕円 だえん 。
ボストン
逆 ぎゃく 三角形 さんかっけい 。
ウェリントン
逆 ぎゃく 台形 だいけい 。
フォックス
つり目 め 。「教育 きょういく ママ 」のカリカチュア に描 えが かれるような型 かた 。1950年代 ねんだい のアメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく で女性 じょせい 用 よう として流行 りゅうこう 。
日本 にっぽん では、1950年代 ねんだい に一世 いっせい を風靡 ふうび した男性 だんせい コメディアン のトニー谷 たに がステージや映画 えいが で着用 ちゃくよう していたことで知 し られる。トニー谷 たに がフォックス眼鏡 めがね を使 つか ったのも「アメリカかぶれの毒舌 どくぜつ 芸人 げいにん 」というカリカチュア的 てき イメージの強調 きょうちょう が目的 もくてき であった。
スクエア
長方形 ちょうほうけい や正方形 せいほうけい
カニ目 め
天地 あまち (上下 じょうげ の高 たか さ)の極端 きょくたん に浅 あさ いもの。
オクタゴン
八角 はっかく 形 がた 。
ティアドロップ
茄子 なすび 型 がた とも。tear drop は和製 わせい 英語 えいご であり、英語 えいご 圏 けん ではアビエイター (英 えい : aviator sunglasses )といい、1930年代 ねんだい に開発 かいはつ されたレイバン のアビエイター型 がた がその由来 ゆらい 。ダグラス・マッカーサー が使 つか っていたサングラスとして有名 ゆうめい である。
著名 ちょめい 人 じん にちなむ分類 ぶんるい [ 編集 へんしゅう ]
ロイド眼鏡 ろいどめがね の例 れい (ハロルド・ロイド )
ロイド眼鏡 ろいどめがね
セルフレーム、フルリムで、ラウンドタイプのもの[48] [49] [50] 。黒縁 くろぶち のものが多 おお い。
テンプルの形状 けいじょう による分類 ぶんるい [ 編集 へんしゅう ]
縄手 なわて の眼鏡 めがね
半 はん 掛 か け
一般 いっぱん 的 てき な形状 けいじょう 。平仮名 ひらがな のへ の字 じ 状 じょう になっている。
縄手 なわて
巻 ま きつる、ケーブルテンプル、スポーツフレーム[注 ちゅう 2] とも。別名 べつめい のとおり、テンプルが耳 みみ たぶのまわりをぐるりと巻 まき きつくように作 つく られたもの。元々 もともと は眼鏡 めがね の必要 ひつよう な人 ひと が乗馬 じょうば 中 ちゅう に眼鏡 めがね を落 お とすことがないよう開発 かいはつ されたものだが、最近 さいきん は眼鏡 めがね の常用 じょうよう が必要 ひつよう な子 こ どもが激 はげ しい遊戯 ゆうぎ の最中 さいちゅう に落 お とすことがないよう使用 しよう される場合 ばあい が多 おお い。中 ちゅう 度 ど 以下 いか の近視 きんし は見 まみ えれば掛 か けなくてもいいが、遠視 えんし の子 こ どもは正常 せいじょう な視力 しりょく の発育 はついく のために眼鏡 めがね を常用 じょうよう することが多 おお く、縄手 なわて フレームが使用 しよう されるのが普通 ふつう である。眼鏡 めがね は衝撃 しょうげき が加 くわ わったとき外 はず れることによりショックを吸収 きゅうしゅう できるとする考 かんが えから、遊戯 ゆうぎ 中 ちゅう の事故 じこ などの際 さい に外 はず れないと衝撃 しょうげき が耳 みみ や鼻 はな に直接 ちょくせつ 加 くわ わり怪我 けが を負 お いやすくなるとして縄手 なわて フレームの使用 しよう に否定 ひてい 的 てき な見解 けんかい もある。ボールなどが当 あ たった場合 ばあい 広 ひろ い面積 めんせき に圧力 あつりょく が加 くわ わることになるが、逆 ぎゃく に繩手 なわて の蔓 づる のメガネを掛 か けていた場合 ばあい 、狭 せま い面積 めんせき に力 ちから が集中 しゅうちゅう し、特 とく に蝶 ちょう 形 がた 骨 こつ を傷 いた めた場合 ばあい これが視神経 ししんけい にまで及 およ び、最悪 さいあく の場合 ばあい は失明 しつめい に到 いた る恐 おそ れがあると報告 ほうこく されている。落下 らっか 防止 ぼうし のために一山 ひとやま に多 おお く用 もち いられた。半 はん 掛 か けと比 くら べると細身 ほそみ に作 つく られている。
長手 ながて (ストレートテンプル)
落下 らっか 防止 ぼうし のために一山 ひとやま に多 おお く用 もち いられた。
眼鏡 めがね フレームを使用 しよう 者 しゃ に合 あ わせて調整 ちょうせい することを、日本 にっぽん では「フィッティング」という。英語 えいご 圏 けん で眼鏡 めがね の「フィッティング(fitting )」といえばフレーム調整 ちょうせい よりも顔 かお に合 あ った眼鏡 めがね フレームを選択 せんたく することに主眼 しゅがん があり、日本語 にほんご でいうフィッティングはむしろ「アジャストメント(adjustment )」というが、ここでは日本語 にほんご でいうフィッティング、つまり英語 えいご の「アジャストメント」について述 の べる。
フィッティングは、次 つぎ の三 みっ つの要素 ようそ を満 み たすべく行 おこな われる。
光学 こうがく 的 てき 要素 ようそ
光学 こうがく 的 てき 要素 ようそ とは、レンズを正 ただ しい位置 いち に、適切 てきせつ な頂 いただき 間 あいだ 距離 きょり 、前 ぜん 傾 かたぶけ 角 かく で固定 こてい することである。これを満 み たしていないと、検査 けんさ 結果 けっか のとおりの見 み え方 かた にならなかったり、不要 ふよう なプリズムにより頭痛 ずつう や眼精疲労 がんせいひろう を生 しょう じたりする。
力学 りきがく 的 てき 要素 ようそ
力学 りきがく 的 てき 要素 ようそ とは、眼鏡 めがね がずり落 お ちたり側 がわ 頭部 とうぶ が痛 いた くなったりせず、快適 かいてき にかけ続 つづ けられることである。
美的 びてき 要素 ようそ
美的 びてき 要素 ようそ とは、見 み た目 め に美 うつく しく、顔 かお に調和 ちょうわ していることである。
フィッティングは、三 さん 要素 ようそ をバランスよく満 み たすことを念頭 ねんとう に置 お いて行 おこな うべきである。いずれかの要素 ようそ ばかり気 き にして、他 た の要素 ようそ を無視 むし するようでは良 よ くない。
眼鏡 めがね 店 てん にあるどのフレームを選 えら んでもフィッティングさえすれば三 さん 要素 ようそ を満 み たすことができるわけではない。使用 しよう 者 しゃ の顔 かお に合 あ わないフレームを選 えら んでは、どうフィッティングをしても三 さん 要素 ようそ を満 み たすことができない。フレーム選択 せんたく の段階 だんかい からフィッティングが始 はじ まっているとも言 い われ、先 さき にも述 の べたが、英語 えいご で眼鏡 めがね のフィッティングといえばむしろフレーム選択 せんたく のことである。前述 ぜんじゅつ の鼻眼鏡 はなめがね は、少 すく なくとも流行 りゅうこう していた当時 とうじ には美的 びてき に優 すぐ れたものと見 み なされていた[51] が、光学 こうがく 的 てき にはレンズが斜 なな めになりやすい問題 もんだい 点 てん があり、力学 りきがく 的 てき にも顔 かお つきによっては掛 か けることが不可能 ふかのう で、光学 こうがく 的 てき ・力学 りきがく 的 てき には必 かなら ずしも好 この ましくないことが当時 とうじ から知 し られていた[51] [52] 。弾力 だんりょく ある素材 そざい で作 つく られたフレームは、なるほど力学 りきがく 的 てき 要素 ようそ を満 み たしやすいが、光学 こうがく 的 てき 要素 ようそ には疑問 ぎもん が残 のこ る。弾力 だんりょく があり曲 ま げても元 もと に戻 もど るとは、逆 ぎゃく にいえば意図 いと 的 てき に曲 ま げようとしても曲 ま げられないことでもあるので、レンズが正 ただ しい位置 いち に来 き ていなくてもフレームを曲 ま げて修正 しゅうせい することができないからである。
フレームの種類 しゅるい によっては、フィッティングに制限 せいげん のあるものや、ほとんどフィッティングのできないものもある。そのようなフレームでは、眼鏡 めがね デザインではなくフレーム選択 せんたく が特 とく に重要 じゅうよう であり、フィッティングするまでもなく、初 はじ めから三 さん 要素 ようそ を満 み たすものを選 えら ばなくてはならない。
眼鏡 めがね の装飾 そうしょく 品 ひん としての側面 そくめん とフィッティングとのバランスも問題 もんだい になる。例 たと えば、セルフレームの調整 ちょうせい しにくい鼻 はな 当 あ てを嫌 きら ってこれを交換 こうかん すると、かけ心地 ごこち やレンズ位置 いち の適切 てきせつ さは向上 こうじょう したとしても、フレームの見 み た目 め が元々 もともと と異 こと なってしまう。ブランド名 めい の頭文字 かしらもじ をモチーフにした装飾 そうしょく がテンプルの根元 ねもと から側面 そくめん に施 ほどこ されているとして、フィッティングのためにテンプルを曲 ま げると装飾 そうしょく が歪 いが んでしまう。これらを許容 きょよう するか否 ひ かという問題 もんだい である。
なお、オーダーメイドやセミオーダーメイドのフレームもあり、オーダーメイドは顔 かお の輪郭 りんかく のデータを測定 そくてい して、その人 ひと にフィットするように納品 のうひん され、セミオーダーメイドはパーツの組 く み合 あ わせで見 み た目 め が顔 かお に調和 ちょうわ するように最適 さいてき なパーツを組 く み合 あ わせて納品 のうひん される(その為 ため のサンプルフレームも展示 てんじ されている)。いずれにせよ少数 しょうすう 生産 せいさん になる為 ため コスト高 だか になる。また、オーダーメイドフレームの場合 ばあい は第三者 だいさんしゃ に譲渡 じょうと した場合 ばあい は顔 かお の輪郭 りんかく が合 あ わずにフィットしない事 こと もある。
眼鏡 めがね の大 おお きさは「46□18-135」のような形 かたち で表記 ひょうき されることが多 おお い。この場合 ばあい 、レンズ横 よこ 幅 はば 46mm、鼻 はな 幅 はば (山 やま 幅 はば )18mm、つる長 なが さ(テンプルをまっすぐ伸 の ばした長 なが さ)135mmを表記 ひょうき している。この表記 ひょうき 法 ほう は□マークからボクシング・システム と呼 よ ばれる。
この三 みっ つの数字 すうじ のうち前 まえ 二 に 者 しゃ を足 た し合 あ わせたものをFPDと呼 よ ぶ。Fはフレーム、PDは pupil distance つまり瞳孔 どうこう 間 あいだ 距離 きょり 、装用 そうよう 者 しゃ の両目 りょうめ の瞳 ひとみ の間隔 かんかく であり、FPDは元々 もともと の意味 いみ ではそのフレームが対象 たいしょう とするPDを意味 いみ する。つまり、FPD64mmとは、元々 もともと の意味 いみ ではPD64mmの人 ひと のためのフレームサイズという意味 いみ であった。
かつて第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 前 まえ から終戦 しゅうせん 後 ご しばらくまでは工場 こうじょう で予 あらかじ め定型 ていけい に仕上 しあ げられたレンズで眼鏡 めがね を作 つく る場合 ばあい があり、その場合 ばあい フレームの選択 せんたく によってレンズ中心 ちゅうしん の間隔 かんかく を瞳 ひとみ の間隔 かんかく に合 あ わせていた[53] 。
当時 とうじ の眼鏡 めがね レンズは、レンズの見 み た目 め の中心 ちゅうしん がそのまま光学 こうがく 上 じょう の中心 ちゅうしん であることが原則 げんそく だったので、光学 こうがく 中心 ちゅうしん の間隔 かんかく =右 みぎ レンズの幅 はば /2+鼻 はな 幅 はば +左 ひだり レンズの幅 はば /2である。当時 とうじ も現在 げんざい も右 みぎ レンズと左 ひだり レンズの幅 はば はよほど奇 き をてらったフレームでないかぎり同一 どういつ なので、右 みぎ レンズの幅 はば /2+左 ひだり レンズの幅 はば /2=レンズ幅 はば である。つまり、光学 こうがく 中心 ちゅうしん の間隔 かんかく =レンズ幅 はば +鼻 はな 幅 はば =FPDとなり、PDと同 おな じFPDのフレームを選 えら べば定型 ていけい のレンズをフレームにはめるだけで左右 さゆう の光学 こうがく 中心 ちゅうしん の間隔 かんかく が瞳 ひとみ の間隔 かんかく に合 あ う仕組 しく みであった。今日 きょう でも眼科 がんか や眼鏡 めがね 店 てん で検査 けんさ の際 さい に仮 かり に組 く み立 た てる眼鏡 めがね は同 おな じ仕組 しく みである。その意味 いみ で、当時 とうじ はこの表記 ひょうき にはフレームを選択 せんたく する上 じょう で重要 じゅうよう な意味 いみ があった。あえてPDと異 こと なるFPDのフレームを選 えら ぶならば、PDのズレにより頭痛 ずつう や眼精疲労 がんせいひろう を起 お こさぬように見 み た目 め の中心 ちゅうしん と光学 こうがく 中心 ちゅうしん とをずらしたレンズを作 つく る必要 ひつよう があった。
今日 きょう では、工場 こうじょう で大 おお きく作 つく られたレンズを、店頭 てんとう でフレームに合 あ わせて小 ちい さく削 けず りなおして眼鏡 めがね を組 く み立 た てており、眼鏡 めがね として完成 かんせい した時点 じてん ではレンズの光学 こうがく 中心 ちゅうしん と見 み た目 め の中心 ちゅうしん とは異 こと なるのが普通 ふつう である。光学 こうがく 中心 ちゅうしん とPDとはレンズの削 けず り方 かた で合 あ わせるので、FPDとPDとが合 あ っていなくても光学 こうがく 上 じょう の問題 もんだい は出 で ない。そうすることで多様 たよう なレンズの形 かたち を実現 じつげん でき、また装用 そうよう 者 しゃ のPDに合 あ わせて複数 ふくすう のFPDのフレームを生産 せいさん ・在庫 ざいこ する必要 ひつよう もなくなった。その意味 いみ で、この表記 ひょうき には今日 きょう かつてほどの重要 じゅうよう 性 せい はなく、中 なか にはこの表記 ひょうき のないフレームもある。とはいえ、FPD<PDでは他人 たにん から斜視 しゃし のように見 み えて違和感 いわかん が生 しょう じる。FPD>PDならば見 み た目 め はおかしくないが、極端 きょくたん にFPD>>PDでは厚 あつ く重 おも い眼鏡 めがね になってしまう。今日 きょう でも、FPDがPDと同 おな じか大 おお きいフレームを選択 せんたく したほうが良 よ く、強度 きょうど 数 すう ならばFPD<PDにならない範囲 はんい でできるだけFPD=PDに近 ちか いものが良 よ いとは言 い える。
フレームサイズが大 おお きいほうが、レンズを通 とお して見 み られる視野 しや が広 ひろ くなるという利点 りてん がある。ただし、それは上述 じょうじゅつ のフィッティングを理想 りそう 的 てき に行 おこな うことができた場合 ばあい である。現実 げんじつ には、大 おお きなフレームの眼鏡 めがね はフィッティングが難 むずか しくなるので、顔 かお との適合 てきごう を考 かんが えずにむやみに大 おお きなフレームを選 えら ぶと、次 つぎ のような理由 りゆう によりレンズ面積 めんせき のわりにはレンズを通 とお して見 み られる視野 しや が広 ひろ くならないことがある。以下 いか 、レンズを通 とお して見 み られる視野 しや を単 たん に視野 しや という。
大 おお きなフレームで作成 さくせい した眼鏡 めがね は重量 じゅうりょう が増 ま す。レンズが大 おお きくなるにつれて厚 あつ みも増 ま すので、フレームのサイズを少 すこ し大 おお きくしただけでも、重量 じゅうりょう は大 おお きく増 ま す。重 おも い眼鏡 めがね を無理 むり にずり落 お ちないようにフィッティングすると耳 みみ や鼻 はな が痛 いた くなりやすいので、完全 かんぜん にはずり落 お ちを防止 ぼうし できないことがある。眼鏡 めがね がずり落 お ちると、上 うえ 方向 ほうこう の視野 しや が狭 せま くなる。
眼鏡 めがね より小 ちい さなコンタクトレンズのほうが視野 しや が広 ひろ いことからも分 わ かるように、同 おな じ大 おお きさのレンズでも眼 め に近 ちか いところに固定 こてい されれば視野 しや が広 ひろ くなり、眼 め から遠 とおざ ければ視野 しや が狭 せま くなる。眼鏡 めがね がずり落 お ちると、鼻 はな の斜面 しゃめん に沿 そ って移動 いどう し眼 め から離 はな れてしまうので、横 よこ 方向 ほうこう の視野 しや もずり落 お ちない場合 ばあい より狭 せま くなる。
フレームが大 おお きいと、顔立 かおだ ちによってはレンズ上部 じょうぶ が眉 まゆ に当 あ たったりレンズ下部 かぶ が頬 ほお に当 あ たったりしてしまい、このことによってもずり落 お ちやすくなることがある。この問題 もんだい を鼻 はな パッドを高 たか く調整 ちょうせい することで解決 かいけつ したとしても、眉 まゆ や頬 ほお に当 あ たらないところまでレンズを遠 とお ざけていることに他 た ならないので、眼 め とレンズとの距離 きょり が離 はな れてしまい、レンズ面積 めんせき の割 わり には広 ひろ い視野 しや が得 え られない。
大 おお きなフレームでも、鼻 はな 方向 ほうこう には鼻 はな が邪魔 じゃま をしてほとんどレンズを大 おお きくできないので、理想 りそう 的 てき なフィッティングができたとしても鼻 はな 方向 ほうこう の視野 しや はほとんど広 ひろ くならない。眼 め からレンズが離 はな れてしまえば、眼 め に近 ちか づけてフィッティングされた小 ちい さなフレームよりも、鼻 はな 方向 ほうこう の視野 しや はむしろ狭 せま くなる。
眼鏡 めがね がずり落 お ちてレンズが眼 め から離 はな れてしまうことには、他 ほか にも次 じ のような不利益 ふりえき がある。
外見 がいけん 上 じょう みっともない。
近視 きんし 用 よう では意図 いと したより矯正 きょうせい 効果 こうか が弱 よわ くなり、遠視 えんし 用 よう では強 つよ くなってしまう。
自分 じぶん からの見 み え方 かた の歪 ゆが みが大 おお きくなる。
他人 たにん から見 み ても、レンズを通 とお して見 み える顔 かお の輪郭 りんかく とレンズを通 とお さない輪郭 りんかく とのズレが大 おお きくなる。
1833年 ねん に、イギリスロンドン の眼鏡 めがね 商 しょう が著 あらわ した本 ほん では、レンズの大 おお きさは直径 ちょっけい にして、3/4インチ から1インチ(メ め ートル法 とるほう 換算 かんさん で、19ミリから25.4ミリメートル )もあれば実用 じつよう 上 じょう 十分 じゅうぶん であり、フレームが視界 しかい に入 はい って気 き になるという例 れい の十 じゅう 中 ちゅう 九 きゅう までは、眼鏡 めがね が顔 かお に適切 てきせつ にかかっていないか眼 め から離 はな れすぎているのが原因 げんいん であるとしている[54] 。昭和 しょうわ 3年 ねん に日本 にっぽん の眼科 がんか 医 い が著 あらわ した本 ほん では、眼鏡 めがね レンズが大 おお きくても小 ちい さくても結局 けっきょく その中心 ちゅうしん しか鮮明 せんめい に見 み えないのだからレンズの大小 だいしょう は光学 こうがく 的 てき には問題 もんだい にならないとし、もっぱら顔 かお に似合 にあ うかどうかでレンズの大 おお きさを決 き めるように勧 すす めている[55] 。
また、表記 ひょうき には総 そう 寸法 すんぽう の提示 ていじ が無 な く、丁 ちょう 番 ばん 部 ぶ などがレンズから横 よこ に張 は り出 だ したデザインやテンプルの曲 ま げられてからのサイズは分 わ からないため、同 どう 表記 ひょうき であっても横 よこ 幅 はば 寸法 すんぽう はデザインによって違 ちが うため、実際 じっさい に試 こころみ 着 ぎ 装用 そうよう してみたり専門 せんもん 家 か による調整 ちょうせい が必要 ひつよう である。
眼鏡 めがね は、横 よこ 幅 はば は眉毛 まゆげ の長 なが さに合 あ わせ、縦 たて 幅 はば は鼻 はな の上部 じょうぶ にかかる程度 ていど が丁度 ちょうど 良 よ いサイズだが、あくまで目安 めやす とし、店員 てんいん と相談 そうだん をして合 あ わせるのが望 のぞ ましい。
装身具 そうしんぐ としての眼鏡 めがね [ 編集 へんしゅう ]
眼鏡 めがね は装身具 そうしんぐ としての側面 そくめん も持 も っている。視力 しりょく の改善 かいぜん でなく見 み た目 め の改善 かいぜん を目的 もくてき として眼鏡 めがね が使 つか われることは古 ふる くからあり、失明 しつめい により見苦 みぐる しくなった眼 め を隠 かく すためにサングラスを使 つか うことは19世紀 せいき から一般 いっぱん 的 てき であった[56] [57] し、適切 てきせつ に調整 ちょうせい された大 おお きなレンズの眼鏡 めがね には顔 かお を陽気 ようき に見 み せる効果 こうか がある[56] 。顔面 がんめん の中 なか でも目立 めだ つ場所 ばしょ である目 め の周 まわ りに装着 そうちゃく する眼鏡 めがね の装身具 そうしんぐ としての可能 かのう 性 せい は高 たか い。
上記 じょうき のように眼鏡 めがね のフレームには多種 たしゅ 多様 たよう なものがあるが、実用 じつよう 品 ひん としてみればサイズ違 ちが いだけで十分 じゅうぶん である。壊 こわ れやすい縁 えん 無 な しなどは実用 じつよう 品 ひん としての性能 せいのう は劣 おと っているともいえる。多種 たしゅ 多様 たよう なフレームが開発 かいはつ されてきたのは眼鏡 めがね が昔 むかし から装身具 そうしんぐ としての側面 そくめん をもっていたことの証左 しょうさ である。
レンズの改良 かいりょう においても外観 がいかん の改善 かいぜん つまり厚 あつ みの低減 ていげん には大 おお きな努力 どりょく が払 はら われてきた。高価 こうか な高 こう 屈折 くっせつ レンズも、利点 りてん は外観 がいかん の良 よ さが主 おも であり、光学 こうがく 性能 せいのう ではむしろ劣 おと ってさえいる。
視力 しりょく に問題 もんだい がなくても装 そう 身 み 目的 もくてき で眼鏡 めがね を装用 そうよう する者 もの もいる。このような視力 しりょく 矯正 きょうせい 作用 さよう を持 も たない眼鏡 めがね を伊達 だて 眼鏡 めがね という。昭和 しょうわ 16年 ねん に著 あらわ された本 ほん にも、伊達 だて 眼鏡 めがね をかける者 もの は案外 あんがい 少 すく なくないものだとの指摘 してき が見 み られ、伊達 だて 眼鏡 めがね をかけることによって眼 め に病気 びょうき が起 お こるわけでもないのでかけても差 さ し支 つか えないとして、伊達 だて 眼鏡 めがね が眼 め に悪 わる いのではないかとの懸念 けねん を否定 ひてい している[58] 。
特 とく にまぶしいわけでもないのにサングラスを用 もち いるのも装 そう 身 み 目的 もくてき といえる。サングラスを掛 か けると眼球 がんきゅう に入 はい る光量 ひかりりょう が減 へ って瞳孔 どうこう が開 ひら くが、紫外線 しがいせん (UV)カット性能 せいのう が適切 てきせつ なレベルでない製品 せいひん は、紫外線 しがいせん を余計 よけい に眼球 がんきゅう に浴 あ び、却 かえ って目 め を傷 いた めることになるので注意 ちゅうい が必要 ひつよう だとされる。また、レンズの小 ちい さなサングラスをかけていると、瞳孔 どうこう が開 ひら いたところへ顔 かお とレンズとの隙間 すきま から紫外線 しがいせん が射 さ し込 こ むので良 よ くないともされる。
このような言説 げんせつ に対 たい しては、
日本 にっぽん では、サングラスでない普通 ふつう の眼鏡 めがね レンズでも紫外線 しがいせん カットが常識 じょうしき になっている程 ほど で、紫外線 しがいせん カットされていないサングラスはほとんど流通 りゅうつう していない。
紫外線 しがいせん カット機能 きのう のないレンズでも、太陽光 たいようあきら を素通 すどお しする訳 わけ ではなく、7割 わり 以上 いじょう の紫外線 しがいせん がレンズで吸収 きゅうしゅう され減衰 げんすい する。
日 にち 中 ちゅう の屋外 おくがい は屋内 おくない の何 なん 百 ひゃく 倍 ばい も明 あか るく、それだけ明 あか るければ、濃 こ いサングラスによって可視 かし 光線 こうせん の9割 わり が遮断 しゃだん されたとしても、依然 いぜん として瞳孔 どうこう を閉 と じさせるに十分 じゅうぶん な可視 かし 光線 こうせん が残 のこ る。
顔 かお とレンズとの隙間 すきま から紫外線 しがいせん が入 はい るならば、同 おな じ隙間 すきま から可視 かし 光線 こうせん も入 はい って瞳孔 どうこう が閉 と じる。
とする反論 はんろん があり、テレビや雑誌 ざっし で大 おお げさに誇張 こちょう されて広 ひろ まっている言説 げんせつ であり、理屈 りくつ としてはそうでも、現実 げんじつ には殆 ほとん ど心配 しんぱい する必要 ひつよう がない[59] 。
文化 ぶんか ・芸術 げいじゅつ と眼鏡 めがね [ 編集 へんしゅう ]
絵画 かいが や映画 えいが 、漫画 まんが の中 なか に描 えが かれる眼鏡 めがね は描 えが かれる人物 じんぶつ の性格 せいかく を表 あらわ す象徴 しょうちょう であることがあるが、その表 あらわ す性格 せいかく は、時代 じだい や場所 ばしょ によって異 こと なる。
眼鏡 めがね が描 えが かれた最 もっと も古 ふる い絵画 かいが は、トマッソ・デ・モデナが1352年 ねん に描 えが いたヒュー・オブ・サン・シェールの肖像 しょうぞう 画 が である。ヒューの死後 しご 一 いち 世紀 せいき も経 た ってから描 えが かれた絵画 かいが である(「歴史 れきし 」を参照 さんしょう )。ヒューの生前 せいぜん には眼鏡 めがね は発明 はつめい されていないが、尊敬 そんけい のしるしとして描 えが かれたものである。眼鏡 めがね が発明 はつめい される以前 いぜん に没 ぼっ した人物 じんぶつ の肖像 しょうぞう 画 が に当時 とうじ 存在 そんざい していなかったはずの眼鏡 めがね を描 えが き入 い れる慣行 かんこう はその後 ご 、数 かず 世紀 せいき にわたって続 つづ く。学識 がくしき とか識字 しきじ 能力 のうりょく の持 も ち主 ぬし 、あるいは当代 とうだい の実力 じつりょく 者 しゃ であることの証 あかし と考 かんが えられていたのであろう[60] 。眼鏡 めがね が日本 にっぽん 国内 こくない で一般 いっぱん 化 か したのは江戸 えど 時代 じだい 、元禄 げんろく ・享 とおる 保 ほ 期 き 頃 ごろ である[61] 。日本 にっぽん の江戸 えど 時代 じだい の浮世絵 うきよえ や黄表紙 きびょうし 本 ほん の挿絵 さしえ に描 えが かれる眼鏡 めがね は、知性 ちせい よりもむしろ職人 しょくにん 的 てき な細 こま かい手仕事 てしごと の象徴 しょうちょう であり、年配 ねんぱい の職人 しょくにん が眼鏡 めがね をかける姿 すがた が多 おお く描 えが かれた[62] 。
近 きん 現代 げんだい の創作 そうさく を含 ふく めた、眼鏡 めがね をかけた登場 とうじょう 人物 じんぶつ の描写 びょうしゃ については「眼鏡 めがね キャラクター 」を参照 さんしょう 。また装用 そうよう 者 しゃ を「メガネ」(片仮名 かたかな 表記 ひょうき が多 おお い)と渾名 あだな で呼 よ ぶこともある。2023年 ねん には、内閣 ないかく 総理 そうり 大臣 だいじん である岸田 きしだ 文雄 ふみお に「増税 ぞうぜい メガネ」という渾名 あだな がつけられた[63] [64] [65] 。ジャーナリストの鮫島 さめしま 浩 ひろし は、以前 いぜん から眼鏡 めがね 好 す きとして知 し られ男前 おとこまえ とも評 ひょう されてきた岸田 きしだ にとって眼鏡 めがね はお洒落 しゃれ のキーアイテムであり、それを不名誉 ふめいよ な渾名 あだな に転化 てんか したことにこの渾名 あだな の秀逸 しゅういつ さがあると分析 ぶんせき した[66] 。
片 かた 眼鏡 めがね は、今日 きょう の映画 えいが や漫画 まんが では悪人 あくにん や盗人 ぬすっと の象徴 しょうちょう として描 えが かれる。ドイツ では、第 だい 一 いち 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 時 どき の軍 ぐん 作戦 さくせん 本部 ほんぶ で地図 ちず を見 み るときに目 め が悪 わる い者 もの は片 かた 眼鏡 めがね を用 もち いるという習慣 しゅうかん があった。他国 たこく で片 かた 眼鏡 めがね が廃 すた れた後 のち も、ドイツでは第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん までその習慣 しゅうかん を続 つづ けた者 もの が多 おお く居 い たため、ナチス の軍人 ぐんじん と片 かた 眼鏡 めがね のイメージとが重 かさ ね合 あ わされたのかもしれない。今日 きょう では悪人 あくにん の象徴 しょうちょう として描 えが かれる片 かた 眼鏡 めがね だが、かつては事情 じじょう が異 こと なった。P・G・ウッドハウス が1930年 ねん に示 しめ した小説 しょうせつ 家 か 向 む けの眼鏡 めがね 装用 そうよう 基準 きじゅん では、眼鏡 めがね の種類 しゅるい ごとにそれを掛 か ける人物 じんぶつ を列挙 れっきょ しており、当時 とうじ で言 い うスペクタルズ、現在 げんざい でいう一山 ひとやま を掛 か ける者 もの の筆頭 ひっとう に善良 ぜんりょう なおじさん(good uncle)、鼻眼鏡 はなめがね を掛 か ける筆頭 ひっとう に善良 ぜんりょう な教師 きょうし 、片 かた 眼鏡 めがね を掛 か ける筆頭 ひっとう に善良 ぜんりょう な公爵 こうしゃく と、多 おお くの種類 しゅるい で善良 ぜんりょう な人物 じんぶつ を筆頭 ひっとう に挙 あ げていた。鼻眼鏡 はなめがね と片 かた 眼鏡 めがね については悪人 あくにん はこれを掛 か けないとも述 の べている[67] 。手塚 てづか 治虫 おさむ のスター・システム の最 さい 古参 こさん である花 はな 丸 まる 博士 はかせ も多 おお くの役柄 やくがら で片 かた 眼鏡 めがね をかけているが、もっぱら善人 ぜんにん を演 えん じた「スター」である[68] 。
近年 きんねん の漫画 まんが ・アニメでは、逆 ぎゃく ナイロール形式 けいしき [注 ちゅう 3] の眼鏡 めがね が、キャラクターの外観 がいかん を大 おお きく変 か えることなく、眼鏡 めがね キャラクター としての個性 こせい も表現 ひょうげん するための漫画 まんが 的 てき デフォルメ描写 びょうしゃ に好 この んで使 つか われる。キャラクターの瞳 ひとみ の印象 いんしょう が見 み た者 もの に素直 すなお に伝 つた わるため、瞳 ひとみ を大 おお きく描 えが く萌 も え絵 え においてはこの表現 ひょうげん が用 もち いられることがある。また、キャラクターの造形 ぞうけい もしくは絵柄 えがら によってはフルリムの眼鏡 めがね を掛 か けさせる事 こと が困難 こんなん な(あるいは、掛 か けさせると不恰好 ぶかっこう となる)ため、それを回避 かいひ するためにこの表現 ひょうげん を用 もち いることもある。現代 げんだい のアニメは眉 まゆ の形状 けいじょう によって表情 ひょうじょう を表現 ひょうげん することが多 おお く、上 うえ 半分 はんぶん のないフレームとすることで表情 ひょうじょう を容易 ようい に表現 ひょうげん できるというメリットもある。一方 いっぽう 、『涼 りょう 宮 みや ハルヒシリーズ 』に登場 とうじょう する長門 ながと 有希 ゆき が使用 しよう しているのは、逆 ぎゃく ナイロールでない、普通 ふつう のナイロールフレームの眼鏡 めがね である。また、漫画 まんが イラストにおいて眼鏡 めがね のテンプルの描写 びょうしゃ は、鼻 はな と同様 どうよう [注 ちゅう 4] 、往々 おうおう にして省略 しょうりゃく される。このため登場 とうじょう 人物 じんぶつ が鼻眼鏡 はなめがね を掛 か けているのかテンプル付 つ きの通常 つうじょう の眼鏡 めがね なのかは一見 いっけん して分 わ からない。
日本 にっぽん では、10月1日 にち が「メガネの日 ひ 」とされている(1001すなわち一 いち 〇〇一 いち が、眼鏡 めがね のツルとレンズの並 なら びに似 に ているため)。徳島 とくしま 県 けん 鳴門 なると 市 し の葛城 かつらぎ 神社 じんじゃ は眼 め 病 びょう の治癒 ちゆ にご利益 りえき があるとされ、眼鏡 めがね を供養 くよう する「めがね塚 づか 」が1998年 ねん に建立 こんりゅう されている[73] 。
2019年 ねん 12月3日 にち 、#KuToo 運動 うんどう を進 すす める女性 じょせい グループが、外見 がいけん ・服装 ふくそう について不要 ふよう なルール強制 きょうせい はパワーハラスメント にあたると明記 めいき するよう緊急 きんきゅう 要望 ようぼう 書 しょ を出 だ した。美容 びよう 部員 ぶいん や企業 きぎょう 受付 うけつけ の女性 じょせい だけに課 か せられているメガネ禁止 きんし などがこれに当 あ たる[74] [75] 。
治療 ちりょう 用 よう 眼鏡 めがね 等 とう の保険 ほけん 適用 てきよう [ 編集 へんしゅう ]
日本 にっぽん では2006年 ねん 4月 がつ より乳幼児 にゅうようじ の弱視 じゃくし や先天 せんてん 性 せい 白内障 はくないしょう 手術 しゅじゅつ 後 ご の治療 ちりょう 用 よう 眼鏡 めがね (コンタクトレンズ も含 ふく む)に対 たい して、健康 けんこう 保険 ほけん の療養 りょうよう 費 ひ が支給 しきゅう (保険 ほけん 適用 てきよう )されるようになった。詳 くわ しくは「弱視 じゃくし 」の項目 こうもく を参照 さんしょう のこと。
眼鏡 めがね を調製 ちょうせい するに当 あ たって適切 てきせつ な度数 どすう を調 しら べるための検査 けんさ を検眼 けんがん という。日本 にっぽん 国外 こくがい では検眼 けんがん に国家 こっか 資格 しかく を要 よう する国 くに が多 おお く、それらの国 くに では眼科 がんか 医 い (Ophthalmologist)の他 ほか に、眼鏡 めがね やコンタクトレンズの処方 しょほう を主 しゅ たる診療 しんりょう 範囲 はんい とするオプトメトリスト(Optometrist)のような医療 いりょう 職 しょく を設 もう けている。
日本 にっぽん では、眼鏡 めがね 店 てん の店頭 てんとう で客 きゃく がレンズを選 えら ぶのを店員 てんいん が補助 ほじょ しているが、これは実質 じっしつ 的 てき には眼鏡 めがね 店員 てんいん による検眼 けんがん である。2022年 ねん 4月 がつ より職業 しょくぎょう 能力 のうりょく 開発 かいはつ 促進 そくしん 法 ほう 第 だい 47条 じょう 第 だい 1項 こう の規定 きてい に基 もと づき眼鏡 めがね 作製 さくせい 職種 しょくしゅ が設 もう けられ、眼鏡 めがね 作製 さくせい 技能 ぎのう 士 し (1・2級 きゅう )という国家 こっか 資格 しかく が成立 せいりつ したが、他 た の技能 ぎのう 士 し と同 おな じく名称 めいしょう 独占 どくせん 資格 しかく であり、眼鏡 めがね 作製 さくせい 技能 ぎのう 士 し でない者 もの による検眼 けんがん を禁止 きんし するものではない。検定 けんてい 合格 ごうかく 者 しゃ は眼鏡 めがね 作製 さくせい 技能 ぎのう 士 し を名乗 なの ることができ、合格 ごうかく せず名乗 なの った者 もの は法律 ほうりつ で罰 ばっ せられる(職業 しょくぎょう 能力 のうりょく 開発 かいはつ 促進 そくしん 法 ほう 第 だい 五 ご 十 じゅう 条 じょう 4→第 だい 百 ひゃく 二 に 条 じょう 八 はち )。
メガネ小売 こうり チェーンの一覧 いちらん [ 編集 へんしゅう ]
スマートグラスなど眼鏡 めがね 型 がた デバイス [ 編集 へんしゅう ]
微細 びさい な加工 かこう 技術 ぎじゅつ の発達 はったつ により、眼鏡 めがね にディスプレイ やカメラ、マイクなどの機能 きのう を兼 か ね備 そな え、インターネット に接続 せつぞく することが可能 かのう になっている。こうした眼鏡 めがね 型 がた ウェアラブル端末 たんまつ を「スマートグラス」と呼 よ ぶ[76] 。
^ 高級 こうきゅう 腕時計 うでどけい の風防 ふうぼう に用 もち いられるものと同 おな じ。
^ 現在 げんざい ではスポーツフレームと呼 よ ぶのは稀 まれ であり、スポーツフレームと呼 よ ばれない傾向 けいこう であり、「スポーツフレーム」で調 しら べると、一般 いっぱん 的 てき な半 はん 掛 か けの形状 けいじょう 記憶 きおく 合金 ごうきん 又 また は特殊 とくしゅ 樹脂 じゅし 製 せい フレームの事 こと を示 しめ す。
^ ハーフリム眼鏡 めがね の一種 いっしゅ で眼鏡 めがね フレームの上 うえ 半分 はんぶん が無 な い構造 こうぞう の眼鏡 めがね [69] 。名称 めいしょう は眼鏡 めがね フレームの下 した 半分 はんぶん が無 な く、レンズをナイロン糸 いと で留 と める仕組 しく みのナイロールフレームに由来 ゆらい する[70] 。
^ 特 とく に美少女 びしょうじょ を描 えが くイラストにおいて鼻 はな は詳細 しょうさい な描写 びょうしゃ を避 さ ける傾向 けいこう にある[71] [72] 。
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