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不登校 - Wikipedia

登校とうこう

学校がっこう登校とうこうしていない状態じょうたい

登校とうこう(ふとうこう)は、学校がっこう登校とうこうしていない状態じょうたいす。登校とうこう拒否きょひ(とうこうきょひ)ともう。日本にっぽんにおける「登校とうこう」のかたりについては、研究けんきゅうしゃ専門せんもん教育きょういく関係かんけいしゃらのあいだ全国ぜんこくてき統一とういつした定義ていぎがなく多義たぎてきである。

登校とうこうかたり範囲はんいは、狭義きょうぎから広義こうぎまでおおくのせつがある

精神せいしん医学いがくしゃ清水しみず将之まさゆきが1968ねん学会がっかい日本にっぽん児童じどう青年せいねん精神せいしん学会がっかい)ではじめて使つかった言葉ことばであり、当初とうしょは、病気びょうき貧困ひんこん非行ひこうなどを原因げんいんとするものは「登校とうこう」の定義ていぎからは除外じょがいされていた[1]。このような「ありふれた」理由りゆう以外いがいでのあたらしい欠席けっせき現象げんしょうたいしてづけられたものであるが、現在げんざい幅広はばひろ意味いみ使つかわれることがおおい。

概要がいよう

編集へんしゅう

登校とうこうとは登校とうこうしていない状態じょうたいすが、「欠席けっせき」が1にち単位たんいもちいられるのにたいし、「登校とうこう」は任意にんい特定とくていはばがある時期じき使つかわれることがおおい。

ただしこれらは学校がっこう通学つうがく課程かていぜんにちせい課程かてい定時ていじせい課程かていなど)の場合ばあいで、通信つうしんせい課程かていでは、いちカ月かげつからいち週間しゅうかんいちにち程度ていど面接めんせつ指導しどう出席しゅっせき)が設定せっていされているれいおおく、日常にちじょうてき登校とうこうする課程かていではないため、上記じょうき類型るいけいには、てはめにくい。

かつて登校とうこう義務ぎむ教育きょういくしょ学校がっこうである小中学校しょうちゅうがっこう対象たいしょう使つかわれていたが、現在げんざいでは高等こうとう学校がっこう大学だいがくなども対象たいしょうになってきているほか、幼稚園ようちえんにおけるとうえん拒否きょひ広義こうぎ登校とうこうとしてあつかわれるようになってきている。

登校とうこう学習がくしゅう機会きかい確保かくほのため、まなびの多様たよう学校がっこう(いわゆる登校とうこう特例とくれいこう)の全国ぜんこくへの設置せっち計画けいかくされており、それは、2023ねんから5ねんまでにすべての都道府県とどうふけん政令せいれい指定してい都市とし設置せっちし、将来しょうらいてき全国ぜんこくで300こう設置せっちする計画けいかくである[2]

用語ようご定義ていぎ

編集へんしゅう

登校とうこう児童じどう生徒せいととはなんらかの 心理しんりてき情緒じょうちょてき身体しんたいてきあるいは社会しゃかいてき要因よういん背景はいけいにより、 登校とうこうしないあるいはしたくともできない状況じょうきょうにあるために年間ねんかん 30にち以上いじょう欠席けっせきしたもののうち、病気びょうき経済けいざいてき理由りゆうによるもののぞいたもの』と定義ていぎされるが、以下いかのように分類ぶんるいされる。

  1. 学籍がくせきがなく、登校とうこうしない状態じょうたいのこと。就学しゅうがくしゃ参照さんしょう過年度かねんどせい受験じゅけん浪人ろうにん)や就学しゅうがく義務ぎむ猶予ゆうよ免除めんじょ対象たいしょうしゃなどもふくまれる。
  2. 学籍がくせきがあるひとが、登校とうこうしない状態じょうたいのこと。欠席けっせき長期ちょうき欠席けっせき参照さんしょう休学きゅうがく停学ていがく出席しゅっせき停止ていしなどもふくまれる。

就学しゅうがく」とは学校がっこう在籍ざいせきしていることをし、登校とうこうであっても就学しゅうがくぶ。なお「就学しゅうがく」のうち、小学校しょうがっこう就学しゅうがく始期しきたっしていないために就学しゅうがくしていない場合ばあいは「就学しゅうがく」とぶ。

登校とうこう分類ぶんるい
状態じょうたい 学籍がくせき 処理しょり 出欠しゅっけつ
登校とうこう 就学しゅうがく
学籍がくせきなし)
学籍がくせきるまで正規せいき出席しゅっせきはできない。
就学しゅうがく
学籍がくせきあり)
出席しゅっせき停止ていし 欠席けっせきとも出席しゅっせきともみなされない。
欠席けっせき 連続れんぞくてき長期ちょうき欠席けっせき
登校とうこう気味ぎみ 断続だんぞくてき長期ちょうき欠席けっせき
登校とうこう 一過いっかせい欠席けっせき短期たんき欠席けっせき
出席しゅっせき -

学校がっこう制度せいど就学しゅうがく

編集へんしゅう

学校がっこう制度せいどがない時代じだいは、一生いっしょう就学しゅうがくしないままのれいだい多数たすうだった。貴族きぞく富裕ふゆうそうなど一部いちぶひとしか学校がっこうかよえなかった。日本にっぽん寺子屋てらこや欧米おうべい日曜にちよう学校がっこうなど類似るいじ機関きかんはあったが、現代げんだい学校がっこうのような施設しせつではなかった。

日本にっぽんでは明治めいじ初期しょき学制がくせい施行しこうされ、まった学校がっこうかよわないこどもは徐々じょじょ少数しょうすうとなった。その義務ぎむ教育きょういく制度せいど実施じっしもあって就学しゅうがくりつすこしずつ上昇じょうしょうしたが、貧困ひんこん就学しゅうがくできなかったり、途中とちゅう学校がっこうかよわなくなるもいた。義務ぎむ教育きょういく期間きかん前期ぜんき中等ちゅうとう教育きょういくまで延長えんちょうされた終戦しゅうせん直後ちょくごも、戦後せんご混乱こんらんから就学しゅうがくむずかしく、学籍がくせきがあっても登校とうこうできない場合ばあいおおかった。これに前後ぜんごして、A.M.ジョンソンが1941ねん論文ろんぶんにて「学校がっこう恐怖症きょうふしょう」といういいかたをした。

高度こうど経済けいざい成長せいちょう以降いこう貧困ひんこん家庭かてい減少げんしょう就学しゅうがく援助えんじょ拡充かくじゅう[ちゅう 1]教員きょういん関係かんけい機関きかん活動かつどうにより「家庭かてい貧困ひんこん」や「家庭かてい理解りかい」による就学しゅうがく長欠ちょうけつ減少げんしょうしていった[3]ものの、「疾病しっぺい異常いじょう」や「学校がっこうぎらい」による長欠ちょうけつらず、中学校ちゅうがっこうでは「学校がっこうぎらい」による長欠ちょうけつがむしろえていった[4]。この増加ぞうか教育きょういくねつによって学校がっこう面白おもしろくなくなったことが原因げんいんであるというせつがある[4]

1974ねんには高等こうとう学校がっこうなど後期こうき中等ちゅうとう教育きょういく課程かていへの進学しんがくりつも90%以上いじょうたっするようになった。以後いご日本にっぽんでは6さいごろ(幼稚園ようちえんまでふくめると3さいから4さいごろ)に就学しゅうがくして15さいから25さいごろに学校がっこう生活せいかつえるれいおおい。おおくのひとは、就職しゅうしょくするまでなが期間きかん登校とうこうし、就職しゅうしょくとも就学しゅうがくになる(大学だいがく進学しんがく経験けいけんしゃ場合ばあい高校こうこう卒業そつぎょうから大学だいがく入学にゅうがくまでに1ねん以上いじょう在学ざいがく期間きかん浪人ろうにん時代じだい)があることもめずらしくない)。しかし1990年代ねんだいはいると、就学しゅうがくりつたかいままで欠席けっせきりつたかくなった。

この現象げんしょう日本にっぽんでは1950年代ねんだいから報告ほうこくされ、「学校がっこうぎらい」や、1960ねんごろからは「登校とうこう拒否きょひ」ともばれ、その登校とうこう」とばれるようになった。また就学しゅうがくしゃ学校がっこう教育きょういくけられない問題もんだい並行へいこうした。

障害しょうがいひと就学しゅうがくについては、時代じだいとともに改善かいぜんされつつあり、現代げんだいでは重度じゅうど障害しょうがいがあっても就学しゅうがくできるようになっている。1979ねん養護ようご学校がっこう就学しゅうがく義務ぎむさかいに、就学しゅうがく猶予ゆうよ免除めんじょされる障害しょうがい激減げきげんし、就学しゅうがくりつ大幅おおはば向上こうじょうした。また、一般いっぱん学校がっこうでの特別とくべつ支援しえん教育きょういくちからたかまっており、以前いぜんなら養護ようご学校がっこう現在げんざい特別とくべつ支援しえん学校がっこう一部いちぶ相当そうとう)にかよっていたレベルの障害しょうがいでも、小学校しょうがっこう中学校ちゅうがっこうかようケースがおおくなっている。院内いんない学級がっきゅう制度せいどにより、入院にゅういんちゅうでも教育きょういくけられたり、病院びょういんない設置せっちされた学校がっこう教育きょういくけられるようにもなってきている。発達はったつ障害しょうがいがある生徒せいと場合ばあい通常つうじょうよりなが教育きょういく期間きかんのニーズがあるが、高等こうとう学校がっこう特別とくべつ支援しえん学校がっこう高等こうとうなどの後期こうき中等ちゅうとう教育きょういく課程かていへの進学しんがくりつたかい。

欧米おうべいでは19世紀せいきごろに義務ぎむ教育きょういく制度せいどつくられ、就学しゅうがくりつ上昇じょうしょうしていった。しかし日本にっぽんちがって、家庭かてい教育きょういくホームスクーリング)のみでそだれいもあった(トーマス・エジソンなど)。そのため、就学しゅうがく義務ぎむではなく教育きょういく義務ぎむ履行りこうする選択肢せんたくし市民しみんけんをある程度ていどていた。日本にっぽんほどではないが、現在げんざい欧米おうべいでもだい多数たすうひと学齢がくれい学校がっこうかよっている。

世界せかいてき生涯しょうがい学習がくしゅう時代じだいはいり、就職しゅうしょく就学しゅうがく同一どういつではなくなり、また成年せいねん到達とうたつ就学しゅうがく同一どういつではなくなった。このため、就職しゅうしょくちゅうこう年齢ねんれいでも学校がっこう在籍ざいせき選択肢せんたくしえらびやすくなっている。

保健ほけん制度せいど

編集へんしゅう

1947ねん児童じどう福祉ふくしほう公布こうふされて児童じどう相談そうだんしょ設置せっちされ、児童じどう相談そうだんしょでは厚生省こうせいしょうはつすべだい28ごうにより「学校がっこうないでの問題もんだい行為こうい登校とうこう拒否きょひ学校がっこうぎらい、学業がくぎょう遅滞ちたい長期ちょうき欠席けっせきとう」を「健全けんぜん育成いくせい相談そうだん I」としてあつかうようになった[5]

1949ねん日本にっぽん學校がっこう衛生えいせいかいげん日本にっぽん学校がっこう保健ほけんかい)は「文部省もんぶしょう諮問しもん事項じこうたいする答申とうしん」においてかく学校がっこうへの保健ほけん主事しゅじ設置せっちなどを提言ていげん[6]、1951ねん文部省もんぶしょうは「小学校しょうがっこう保健ほけん計画けいかく実施じっし要領ようりょう試案しあん)」において「健康けんこうかんして児童じどう出席しゅっせき欠席けっせき,および拒否きょひ事項じこうをつかさどる」ことなどを職務しょくむとした保健ほけん主事しゅじくこととし[7]、1958ねんには学校がっこう保健ほけんほう成立せいりつして学校がっこう教育きょういくほう施行しこう規則きそく改正かいせいされ、特別とくべつ事情じじょうがないかぎ小学校しょうがっこう前述ぜんじゅつ保健ほけん主事しゅじ設置せっちされることとなった[8]

1961ねん児童じどう相談そうだんしょの「健全けんぜん育成いくせい相談そうだん」が厚生省こうせいしょうの「児童じどう相談そうだんしょにおける児童じどう記録きろくひょう記載きさいかたについて」によって「長欠ちょうけつ就学しゅうがくへと分割ぶんかつされる[9]

登校とうこう問題もんだい

編集へんしゅう

日本にっぽんでは義務ぎむ教育きょういく制度せいど発達はったつしており、住民じゅうみんひょうがある学齢がくれい子女しじょは、自動的じどうてき小中学校しょうちゅうがっこうなどの学籍がくせきられ、就学しゅうがくできる。しかし、その場合ばあいでも長期ちょうき欠席けっせき急増きゅうぞうするなど「登校とうこう問題もんだい」が拡大かくだいし、おおきな課題かだいとなっている。

直接的ちょくせつてき原因げんいんのない長期ちょうき欠席けっせきについて、文部もんぶ科学かがくしょう狭義きょうぎの「登校とうこう」という用語ようご付与ふよし、それ以外いがいのものと区別くべつしている。

登校とうこう病気びょうき精神せいしんてき問題もんだいだけでなく、「家庭かてい貧困ひんこん」にも相関そうかんすることがあきらかになっている。東京とうきょう板橋いたばし2009ねん公表こうひょうした調査ちょうさによると、区立くりつ中学校ちゅうがっこう2006ねんぜん生徒せいとのうち、登校とうこう生徒せいとは127にんで、発生はっせいりつは2.41%であった。しかし、生活せいかつ保護ほごける中学生ちゅうがくせいは、登校とうこう生徒せいとが52にん発生はっせいりつは11.58%であり、これは生活せいかつ保護ほごおよび就学しゅうがく援助えんじょけないの4.8ばい発生はっせいりつである。また、東京とうきょう杉並すぎなみ2008ねんった調査ちょうさでは、生活せいかつ保護ほごける中学生ちゅうがくせい70にん調査ちょうさして、登校とうこう発生はっせいりつは8.6%であり、前年ぜんねん同期どうき全体ぜんたい登校とうこう発生はっせいりつ2.19%のやく4ばいだった[10]。これらの結果けっかは、「中流ちゅうりゅう以上いじょうゆたかな家庭かていどもにこる精神せいしんてき問題もんだい」という、登校とうこうステレオタイプたいして見直みなおしをせまるものである。

一方いっぽう日本にっぽん国籍こくせきたない子女しじょ場合ばあい自動的じどうてきには学籍がくせきられないので、そのまま就学しゅうがくせず、学校がっこうかないケースがられる。ふるくから定住ていじゅうしている在日ざいにち韓国かんこく朝鮮ちょうせんじんなどの場合ばあいは、一条いちじょうこう民族みんぞく学校がっこうかよ場合ばあいおおいが、日本にっぽん出稼でかせ外国がいこくじん場合ばあい子女しじょ学校がっこうれようとしないケースもおおく、また地方ちほう公共こうきょう団体だんたいによっては就学しゅうがく積極せっきょくてきでない場合ばあいもある。こちらは、学齢がくれい外国がいこくじん就学しゅうがく問題もんだいといわれるが、あまりマスメディアげられることはない。

また、日本にっぽんはつ中等ちゅうとう教育きょういく課程かていでは年齢ねんれい主義しゅぎ影響えいきょうつよいため、学齢がくれい超過ちょうかすると小学校しょうがっこう中学校ちゅうがっこうかようことがむずかしくなり(とく小学校しょうがっこう)、高等こうとう学校がっこうも「ぜんにちせい課程かてい」の場合ばあいは、年齢ねんれいによっては入学にゅうがくしにくくなる。

そのため、長期ちょうき欠席けっせきをしたひと学校がっこう卒業そつぎょうしてからは、復学ふくがくサポートの対象たいしょうにならないじょう統計とうけいにもあらわれず(就学しゅうがくりつ学齢がくれいのみであり、それ以降いこう計算けいさんされない)、問題もんだい把握はあくがしにくくなっている。

これは学齢がくれい超過ちょうかしゃ入学にゅうがく拒否きょひ問題もんだいといわれるが、学齢がくれい外国がいこくじん就学しゅうがく問題もんだい同様どうように、あまりマスメディアには注目ちゅうもくされない。

登校とうこうどものさきとして、教育きょういく委員いいんかい運営うんえいする教育きょういく支援しえんセンター(公営こうえいのフリースクール)がられている。そのには、一部いちぶ地域ちいきにある夜間やかん中学ちゅうがくや、民間みんかんフリースクールフリースペースが、補助ほじょてきかたちざらとなっているが、民間みんかんのフリースクールやフリースペースは利用りようりょう毎月まいつきすうまんえんからすうじゅうまんえん費用ひよう高額こうがくであり、毎月まいつき利用りようりょうとはべつ冷暖房れいだんぼう光熱こうねつ施設しせつによっては食事しょくじだい寄付きふきん徴収ちょうしゅうされるところもある)を徴収ちょうしゅうされることから、生活せいかつ困窮こんきゅう家庭かていであるてい所得しょとく世帯せたいひとりおや世帯せたい生活せいかつ保護ほご世帯せたいDV被害ひがいしゃ世帯せたい利用りようすることがむずかしいとわれている。

また高等こうとう学校がっこう場合ばあい義務ぎむ教育きょういくでないため登校とうこう問題もんだいにされにくい。たとえば、中途ちゅうと退学たいがくというかたちで、学校がっこうからドロップアウトするれいがあるが、その生活せいかつにプラスになっていないれいもある[よう出典しゅってん]登校とうこうすえ退学たいがくしたのち、そのままきこもり移行いこうするような事例じれいもある。

また、欠席けっせきおおくてもあまり復学ふくがく支援しえんはないし、小中学校しょうちゅうがっこうほどではないが同様どうよう年齢ねんれいたかくなると入学にゅうがくむずかしくなるれいもあり、そういった理由りゆうでの登校とうこう問題もんだいにされにくい。

それらの理由りゆうもあって、休学きゅうがく退学たいがく復学ふくがくさい入学にゅうがくしないれいおおい。これらの現象げんしょうは、外国がいこくで「教育きょういくのウェステージ(損耗そんこう)」とばれるものにたる。

上記じょうきのように、就学しゅうがくしゃ登校とうこうおおきな問題もんだいになっているのにたいし、就学しゅうがくしゃ登校とうこうはほとんど問題もんだいされない傾向けいこうがある。学籍がくせきがないと、学校がっこうがわとどかないため、行政ぎょうせい対応たいおうむずかしくなるのである。

派生はせいてき意味いみであるが、「教師きょうし登校とうこう」も存在そんざいする。

文部もんぶ科学かがくしょう調査ちょうさでは、2012ねんにおいて、日本にっぽん国内こくないにおける登校とうこう発生はっせいりつは、中学校ちゅうがっこうで2.56%、小学校しょうがっこうで0.31%となっている[11][ちゅう 2]

2022ねん10がつ27にち文部もんぶ科学かがくしょうが2021ねんれい3ねん調査ちょうさ結果けっか発表はっぴょうし、小中学生しょうちゅうがくせい登校とうこうが24まんにんあまりとなり、20まんにん突破とっぱしたことを発表はっぴょうした。前年度ぜんねんどより4まん9000にんちかくも増加ぞうかしたことになる。中学生ちゅうがくせいでは20にん1人ひとり登校とうこうとなっている[12]

登校とうこう契機けいき

編集へんしゅう

文部もんぶ科学かがくしょうによる小・中学校しょうちゅうがっこう対象たいしょうとした調査ちょうさでは、それぞれの生徒せいとが「登校とうこうになったきっかけとかんがえられる状況じょうきょう」が集計しゅうけいされている(複数ふくすう回答かいとう)。中学校ちゅうがっこうもっとおおいのは「無気力むきりょく」で26.4%[ちゅう 3]である。つぎがほぼならんで「不安ふあんなど情緒じょうちょてき混乱こんらん」の25.1%であり、以下いか、「いじめをのぞ友人ゆうじん関係かんけいをめぐる問題もんだい」が15.7%、「あそび・非行ひこう」が11.4%、「学業がくぎょう不振ふしん」が9.5%などとなっている(以下いか省略しょうりゃく)。小学校しょうがっこうでは、「不安ふあんなど情緒じょうちょてき混乱こんらん」が最多さいたで33.2%、いで「無気力むきりょく」が23.8%、「親子おやこ関係かんけいをめぐる問題もんだい」が20.2%、「いじめをのぞ友人ゆうじん関係かんけいをめぐる問題もんだい」が11.0%、「家庭かてい生活せいかつ環境かんきょう急激きゅうげき変化へんか」が9.6%、「病気びょうきによる欠席けっせき」が9.3%などであった(以下いか省略しょうりゃく)[13]

無気力むきりょく」には、「だるがく」から「うつ状態じょうたい」までもがふくまれる。「無気力むきりょく」がかならずしも「なまけ」を意味いみするものではないことに注意ちゅういしなければならない。うつ状態じょうたいはもちろん、だるがくについても、その背後はいご家庭かてい環境かんきょう学歴がくれき社会しゃかい校内こうない暴力ぼうりょく影響えいきょういとはれないためである[14]。また、「不安ふあんなど情緒じょうちょてき混乱こんらん」は中学校ちゅうがっこうで2小学校しょうがっこうで1となっており、メンタルヘルス問題もんだい登校とうこう契機けいきとしてもっとおおきなもののひとつとなっている。

前掲ぜんけいの「登校とうこうになったきっかけとかんがえられる状況じょうきょう」のうち、「いじめ」は中学校ちゅうがっこうで2.1%、小学校しょうがっこうで1.9%にとどまっている[ちゅう 4]。いじめが登校とうこうおも契機けいきひとつとなっている事実じじつ確認かくにんされなかった。また、登校とうこうみずか選択せんたくする「意図いとてき拒否きょひ」も、中学校ちゅうがっこうで4.7%、小学校しょうがっこうで4.6%であり、上位じょういにははいっていない[13]

給食きゅうしょくかんしょく指導しどう契機けいき登校とうこうおちい場合ばあいもある。支援しえん団体だんたいには、小中学校しょうちゅうがっこう教員きょういん給食きゅうしょくかんしょく指導しどうされたせいで登校とうこう体調たいちょう不良ふりょうになったとの相談そうだんべ1000にん以上いじょうからせられ、訴訟そしょういたったケースもてきている[15]

その先輩せんぱい後輩こうはいといったきびしい上下じょうげ関係かんけいとく運動うんどうけい活動かつどうにおいて)などといった人間にんげん関係かんけい変化へんかになじめず、それをきっかけに登校とうこうおちいるケースもある。

登校とうこう予防よぼう

編集へんしゅう

いち予防よぼう

編集へんしゅう

児童じどう生徒せいといちにん一人ひとりにとって居心地いごこち学校がっこう環境かんきょうつくることが重要じゅうようとなる。たとえばそのひとつとして、学校がっこうトランスジェンダー児童じどう生徒せいとにとっても居心地いごこち環境かんきょうとなるよう、必要ひつよう性別せいべつ区分くわけをなくし、尊重そんちょうされる環境かんきょうつくることなどがかんがえられる[16]。また、学級がっきゅうないいじめ人間にんげん関係かんけいのトラブルを予防よぼうし、児童じどう生徒せいと安心あんしんしていられる空間くうかんたもつことは、登校とうこう予防よぼうにも寄与きよしうる[17]

予防よぼう

編集へんしゅう

心理しんりてきストレスと登校とうこう感情かんじょうかんする質問しつもん調査ちょうさ(チェックリスト)を実施じっしし、そのデータをもと登校とうこうになる可能かのうせいたか生徒せいとたちを抽出ちゅうしゅつし、その生徒せいとたちにたいして担任たんにん教師きょうしスクールカウンセラーきょうはたらけで、心理しんり状態じょうたい理解りかい様々さまざまはたらきかけ(学業がくぎょうストレッサー、友人ゆうじん関係かんけいストレッサー、教師きょうし関係かんけいストレッサーの得点とくてんおうじたはたらきかけ)をおこなうことが、登校とうこう予防よぼう効果こうかてきであることをしめした実践じっせん研究けんきゅうがある[18]

また、小学校しょうがっこうがわ登校とうこうリスクのある児童じどういちにん一人ひとりかんする具体ぐたいてき情報じょうほうせたひょう作成さくせいし、それをもとに3がつおこなわれる小中しょうちゅう連絡れんらくかい情報じょうほう共有きょうゆうおこなうことが、中学校ちゅうがっこうにおける登校とうこう予防よぼう一助いちじょになることをしめした実践じっせん研究けんきゅうもある[19]

登校とうこうへの対応たいおう

編集へんしゅう

登校とうこう児童じどう生徒せいとへの援助えんじょおこなさいには、児童じどう生徒せいと気持きもちに丁寧ていねいみみかたむけてあたたかくめ、登校とうこういたった要因よういん発生はっせい要因よういん)や登校とうこう継続けいぞくさせている要因よういん継続けいぞく要因よういん)を、心理しんりめん学校がっこう環境かんきょう家庭かてい環境かんきょうとう視点してんから多角たかくてき理解りかいすることが大切たいせつである。そのうえで、支援しえんしゃ児童じどう生徒せいと信頼しんらい関係かんけい構築こうちくしながら、それらの要因よういん念頭ねんとう多面ためんてき支援しえんおこなっていく[20][21]

たとえば心理しんりめんについては、登校とうこう要因よういんとして特定とくてい事柄ことがらたいする不安ふあんかんがある場合ばあい、エクスポージャーや認知にんちさい構成こうせいほうなどの認知にんち行動こうどう療法りょうほうてきアプローチが効果こうかてきなケースもある。また、学校がっこう環境かんきょう家庭かてい環境かんきょうについては、児童じどう生徒せいと安心あんしんできる環境かんきょうととのえる環境かんきょう調整ちょうせい有効ゆうこう支援しえん方法ほうほうとなり[20][21]

一般いっぱんてき対応たいおう

編集へんしゅう

学校がっこう現場げんばでは早期そうき対応たいおう家庭かてい訪問ほうもん個別こべつ指導しどうなどの対応たいおうおこなわれる。

登校とうこう問題もんだい深刻しんこくして以降いこう学校がっこうごとスクールカウンセラー配置はいちされるなど専門せんもんによる対応たいおう実施じっしされている。

また教室きょうしつれない児童じどう生徒せいと保健ほけんしつ登校とうこうや、教育きょういく支援しえんセンター(適応てきおう指導しどう教室きょうしつ)など学校がっこう以外いがい一部いちぶ学校がっこうない設置せっちされるものもある)の教育きょういく環境かんきょう提供ていきょうされ学習がくしゅう指導しどうなどがおこなわれる。

ただし、いじめなどで登校とうこうになった場合ばあい、その原因げんいんとなった人間にんげん関係かんけいがあるために保健ほけんしつとうであっても登校とうこうすることができないケースやそもそも自宅じたくからそとることができないケースがある。これらの場合ばあい家庭かてい訪問ほうもんなどで対応たいおうがなされるが、保健ほけんしつ教育きょういく支援しえんセンターでの指導しどうくら十分じゅうぶん時間じかん内容ないよう確保かくほしにくい。

保護ほごしゃ対応たいおうとしては、登校とうこうくわしい臨床りんしょう心理しんり精神せいしん学校がっこう行政ぎょうせい担当たんとうしゃなどと相談そうだんしつつ、専門せんもんてき解決かいけつしていくことになる。

保護ほごしゃ登校とうこう刺激しげきあたえれば、早期そうきさい登校とうこうにつながる場合ばあいもあるが、不適切ふてきせつ登校とうこう刺激しげき事態じたい深刻しんこくまね場合ばあいおおい。保護ほごしゃなどによる暴力ぼうりょくてき登校とうこう圧力あつりょくは、教育きょういく行政ぎょうせい進歩しんぽや、世論せろん理解りかいにおいて死者ししゃたことなどにより、現在げんざいでは更生こうせい施設しせつども推奨すいしょうされていない。

登校とうこう刺激しげきへの反応はんのうは、生徒せいとによってケース・バイ・ケースであり、複雑ふくざつである。場合ばあいによっては、かならずしもさい登校とうこう目標もくひょうとしない選択せんたくかんがえられる。

学校がっこうによる登校とうこう刺激しげきについては、「『指導しどう結果けっか登校とうこうするまたはできるようになった児童じどう生徒せいと』にとく効果こうかがあった学校がっこう措置そち」(複数ふくすう回答かいとう)などが統計とうけいとしてかれているが、登校とうこういたった本人ほんにんにとって学校がっこう登校とうこう刺激しげき最善さいぜん利益りえきとなるかどうかはまったべつである。

中学校ちゅうがっこうでは、「家庭かてい訪問ほうもんおこない、学業がくぎょう生活せいかつめんでの相談そうだんるなど様々さまざま指導しどう援助えんじょおこなった」が63.1%[ちゅう 5]もっとたかく、以下いか、「登校とうこううながすため、電話でんわをかけたりむかえにくなどした」が60.9%、「スクールカウンセラーとう専門せんもんてき指導しどうにあたった」が57.1%、「保健ほけんしつとう特別とくべつ場所ばしょ登校とうこうさせて指導しどうにあたった」が48.7%、「保護ほごしゃ協力きょうりょくもとめて、家族かぞく関係かんけい家庭かてい生活せいかつ改善かいぜんはかった」が45.4%、「登校とうこう問題もんだいについて、研修けんしゅうかい事例じれい研究けんきゅうかいつうじてぜん教師きょうし共通きょうつう理解りかいはかった」が41.6%、「すべての教師きょうし当該とうがい児童じどう生徒せいといをおおくするなどして学校がっこう全体ぜんたい指導しどうにあたった」が39.9%などとなっている(以下いか省略しょうりゃく)[13]

また、小学校しょうがっこうでは、「登校とうこううながすため、電話でんわをかけたりむかえにくなどした」が35.6%、「家庭かてい訪問ほうもんおこない、学業がくぎょう生活せいかつめんでの相談そうだんるなど様々さまざま指導しどう援助えんじょおこなった」が32.3%、「保護ほごしゃ協力きょうりょくもとめて、家族かぞく関係かんけい家庭かてい生活せいかつ改善かいぜんはかった」が27.8%、「登校とうこう問題もんだいについて、研修けんしゅうかい事例じれい研究けんきゅうかいつうじてぜん教師きょうし共通きょうつう理解りかいはかった」が26.2%などであり(以下いか省略しょうりゃく)、中学校ちゅうがっこうくらべて全体ぜんたいてきひく数値すうちとなっている[13]

栃木とちぎけん宇都宮うつのみやは2007年度ねんどから、「1にちやすんだら電話でんわ、2にちつづけてやすんだら家庭かてい訪問ほうもん」の実施じっしなど、登校とうこう組織そしきてき対応たいおうおこなった。どう市内しない中学校ちゅうがっこう登校とうこうりつは、2008年度ねんどをピークに減少げんしょうかい、2012年度ねんどには登校とうこうりつが3.21%と過去かこ13年間ねんかん最少さいしょうとなった。また、小・中学校しょうちゅうがっこうとも連続れんぞくてき欠席けっせきしゃり、日数にっすうも89にちまでの短期間たんきかん欠席けっせき割合わりあいえた[22]

監禁かんきんなど犯罪はんざいまれたことが原因げんいん登校とうこうとなった児童じどう生徒せいとたいしては、保護ほごしゃ当人とうにん在籍ざいせきしている・いた・するはずだった学校がっこうとう登校とうこう期間きかんちゅう学習がくしゅうをサポートするケースがおおい。

学校がっこうがわはステップルームとよばれる一時いちじてき適応てきおう指導しどう教室きょうしつ開設かいせつする[23][24]

医療いりょうめん対応たいおう

編集へんしゅう

うつびょうパニック障害しょうがい広場ひろば恐怖症きょうふしょう統合とうごう失調しっちょうしょうなどの精神せいしん疾患しっかん登校とうこう原因げんいんとなっているか、または登校とうこう過程かてい精神せいしん疾患しっかん併発へいはつしている場合ばあいがある。いちじるしい苦痛くつうまたは日常にちじょう生活せいかつ障害しょうがいこしている症状しょうじょうがある場合ばあい[ちゅう 6]には、精神せいしん疾患しっかんうたがいで、心療内科しんりょうないか精神せいしん神経しんけいなど[ちゅう 7]を、出来できかぎすみやかに受診じゅしんしなければならない[25]なんらかの身体しんたい症状しょうじょう診療しんりょう通院つういんしている場合ばあいにも、精神せいしん疾患しっかん可能かのうせいうたが必要ひつようがある(治療ちりょうほうについては、「うつびょう#治療ちりょう」「パニック障害しょうがい#治療ちりょう」「広場ひろば恐怖症きょうふしょう#治療ちりょう」「統合とうごう失調しっちょうしょう#治療ちりょう」を参照さんしょうされたい)。

とくに、うつ状態じょうたい自殺じさつにつながるリスクがあり、軽症けいしょうであっても、医療いりょう機関きかんでの治療ちりょうをせずに放置ほうちすることは危険きけんである。しかし、10代のうつびょう患者かんじゃ行動こうどうは、反抗はんこうてき怠惰たいだ評価ひょうかされることがおおく、受診じゅしんにつながりにくい[26]児童じどう思春期ししゅんきうつびょうは、基本きほんてきには成人せいじんおな症状しょうじょう出現しゅつげんするが、成人せいじんくらべておお症状しょうじょうに、イライラかん身体しんたいてき愁訴しゅうそ(頭痛ずつう腹痛はらいたなど)[ちゅう 8]社交しゃこうからの退避たいひ登校とうこうなど)[27]がある。また、精神せいしん障害しょうがい(発達はったつ障害しょうがいふくむ)、精神せいしん疾患しっかん併存へいそんして出現しゅつげんすることがおおい。いずれにせよ、1ねん以内いない軽快けいかいする症例しょうれいおおいが、すうねんあるいは成人せいじんになって再発さいはつする可能かのうせいたか[28][29]。なお、児童じどう思春期ししゅんきうつびょうの6ヶ月かげつゆうびょうりつは、児童じどうで0.5-2.5%、思春期ししゅんきで2.0-8.0%[30][31]とされており、思春期ししゅんきでは成人せいじんとほぼわりがい。また、後述こうじゅつするように、どものうつびょう成人せいじん比較ひかくして、より深刻しんこく精神せいしん疾患しっかんである双極そうきょくせい障害しょうがい、いわゆる躁(そう)うつびょう割合わりあいたかい(治療ちりょうほうについては、「不定ふてい愁訴しゅうそ#管理かんり」「双極そうきょくせい障害しょうがい#治療ちりょう」を参照さんしょうされたい)。

他者たしゃかかわることにつよ恐怖きょうふかんじる社交しゃこう不安ふあん障害しょうがい予期よきしないパニック発作ほっさかえこるパニック障害しょうがい無意味むいみ強迫きょうはく観念かんねん強迫きょうはく行為こういにとらわれる強迫きょうはくせい障害しょうがいなど[ちゅう 9]もまた、登校とうこうとの関連かんれんせいたかい(後述こうじゅつ)。あさきられない、よるねむれないなどといった睡眠すいみん障害しょうがい登校とうこう関係かんけいする[32]。これらの患者かんじゃがうつびょうなど精神せいしん疾患しっかん併発へいはつしている場合ばあいもある(治療ちりょうほうについては、「社交しゃこう不安ふあん障害しょうがい#治療ちりょう」「パニック障害しょうがい#治療ちりょう」「強迫きょうはくせい障害しょうがい#治療ちりょう」「睡眠すいみん障害しょうがい#診断しんだん治療ちりょう原則げんそく」を参照さんしょうされたい)。

自閉症じへいしょうスペクトラム障害しょうがい[ちゅう 10]注意ちゅうい欠陥けっかんどうせい障害しょうがい(AD/HD)などの発達はったつ障害しょうがい、さらには軽度けいど精神せいしん遅滞ちたい(知的ちてき障害しょうがい)も登校とうこう関係かんけいしている場合ばあいがある。これらのうたがわれる場合ばあいもまた、医療いりょう機関きかん専門せんもん機関きかん相談そうだんすることがのぞましい[ちゅう 11]。また、発達はったつ障害しょうがい併存へいそんしょう(障害しょうがい)としてほか精神せいしん疾患しっかんあらわれることもある。同様どうように、精神せいしん遅滞ちたいしゃやく10-40%には精神せいしん疾患しっかんられる[33]治療ちりょうほうについては、「自閉症じへいしょうスペクトラム障害しょうがい#管理かんり」「注意ちゅうい欠陥けっかんどうせい障害しょうがい#治療ちりょう」を参照さんしょうされたい)。

医療いりょう機関きかんでの対応たいおう

編集へんしゅう

医療いりょう機関きかんでの対応たいおうは、薬物やくぶつ療法りょうほう認知にんち行動こうどう療法りょうほうデイケアなどが中心ちゅうしんとなる[ちゅう 12]認知にんち行動こうどう療法りょうほう一環いっかんとして、ソーシャルスキルトレーニング(社会しゃかいせい訓練くんれん)をれている医療いりょう機関きかんもある。これは、登校とうこう児童じどうにしばしば不足ふそくしがちな、コミュニケーション技術ぎじゅつ向上こうじょうはかるものである。虐待ぎゃくたい事故じこ災害さいがい犯罪はんざい被害ひがいなど、深刻しんこくトラウマ体験たいけんによりPTSDしんてき外傷がいしょうストレス障害しょうがい)を発症はっしょうしている場合ばあい薬物やくぶつ療法りょうほうほかEMDR(眼球がんきゅう運動うんどうによるだっかんさくさい処理しょりほう)が有効ゆうこうとされている。日本にっぽんEMDR学会がっかい全国ぜんこくのEMDR治療ちりょうしゃリストを公式こうしきサイトで公開こうかいしている。

かつて精神せいしん疾患しっかん入院にゅういん医療いりょう主体しゅたいであったが、現在げんざいではおおくが外来がいらい治療ちりょう対処たいしょできる。入院にゅういん治療ちりょう必要ひつようとする場合ばあいでも、半数はんすうは3カ月かげつ以内いないに、8わりきょうは1ねん退院たいいん可能かのうである[34]

本人ほんにんやまいく、医療いりょう機関きかん受診じゅしん拒否きょひすることもある。本人ほんにん意思いし無視むしした強制きょうせいてき通院つういん入院にゅういんは、あらたなトラブルとなる可能かのうせいがある。しかし一方いっぽうで、本人ほんにん状態じょうたいによっては、医療いりょう保護ほご入院にゅういん措置そち入院にゅういん必要ひつようとなるかもしれない。いずれにせよ、まずは医師いし臨床りんしょう心理しんりなど、専門せんもんによる助言じょげんもとめることが不可欠ふかけつである。

登校とうこう児童じどうのほとんどは医療いりょう機関きかんでの診察しんさつけていない。文部もんぶ科学かがくしょうによる「学校がっこう内外ないがい機関きかんとうでの相談そうだん指導しどうなどをけた(登校とうこう児童じどうの)人数にんずう」(複数ふくすう回答かいとう)の調査ちょうさで、相談そうだん指導しどうさきが「病院びょういん, 診療しんりょうしょ」であった小・中学校しょうちゅうがっこう登校とうこう児童じどうは7.6%でしかない[ちゅう 13]たいして、スクールカウンセラー相談そうだんいん養護ようご教諭きょうゆなど、学校がっこうない専門せんもんによる相談そうだん指導しどうなどは49.0%であり、いちじるしいがある[13]。だが、発達はったつ障害しょうがいふく精神せいしん障害しょうがい精神せいしん疾患しっかん有無うむ鑑別かんべつできるのは、専門せんもんてき訓練くんれんされた精神せいしんのみである。

どもの精神せいしん疾患しっかん

編集へんしゅう

精神せいしん疾患しっかん人生じんせい早期そうき発症はっしょうする。50パーセンタイル(50パーセンタイルは中央ちゅうおうあらわす)が14さいまでに発症はっしょう、75パーセンタイルが24さいまでに発症はっしょうしている[35]。また、26さい時点じてんでいずれかの精神せいしん障害しょうがいものの1/2が15さいまでに、3/4が18さいまでに、なんらかの精神せいしん障害しょうがい診断しんだんけていた[36]

どもの精神せいしん疾患しっかんかならずしも成人せいじん同様どうよう症状しょうじょうあらわれるわけではなく、その診断しんだん成人せいじんよりも困難こんなんである。ことに、双極そうきょくせい障害しょうがいそううつびょう)はうつびょう非常ひじょう誤診ごしんされやすい。25さい未満みまん若年じゃくねん発症はっしょうのうつびょう双極そうきょくせい障害しょうがいであるリスクがたかい(若年じゃくねん発症はっしょうだいうつびょうは40%以上いじょうのちに躁転(そうてん)する[37])。軽度けいど短期たんきであっても過去かこに躁(そう)状態じょうたいのあった場合ばあいねむり過食かしょくなどの双極そうきょくせい障害しょうがい特徴とくちょうてき症状しょうじょうがある場合ばあい、または双極そうきょくせい障害しょうがい家族かぞくれきがある場合ばあいには、かなら医師いし申告しんこくしなければならない。うつびょう双極そうきょくせい障害しょうがいでは治療ちりょうほうまったことなるためである。双極そうきょくせい障害しょうがいはうつびょうよりも自殺じさつりつたかく、アルコール依存いぞんしょう薬物やくぶつ乱用らんようなど無軌道むきどう行動こうどうともむすびつきやすい。うつびょうとの鑑別かんべつきわめて重要じゅうようである[38]双極そうきょくスペクトラム障害しょうがい生涯しょうがいゆうびょうりつは2.7-7.8%[39]であり、軽視けいしできる数値すうちではない。

おも疲労ひろうかん長期ちょうきにわたってつづいているにもかかわらず、精神せいしん疾患しっかんふくめ、疾病しっぺい可能かのうせいがすべて否定ひていされた場合ばあい慢性まんせい疲労ひろう症候群しょうこうぐん(すじつうせいのう脊髄せきずいえん)と診断しんだんされる可能かのうせいがある。

2009ねんの1年間ねんかん国立こくりつ国際こくさい医療いりょう研究けんきゅうセンター国府台こうのだい病院びょういん児童じどう精神せいしん受診じゅしんした初診しょしん患児756めいのうち、登校とうこうおも訴のひとつとしている患児227めい診断しんだんめい(しゅ診断しんだんのみ)は、不安ふあん障害しょうがい23%、気分きぶん障害しょうがい19%、広汎こうはんせい発達はったつ障害しょうがい(PDD)[ちゅう 14]19%、適応てきおう障害しょうがい11%、身体しんたい表現ひょうげんせい障害しょうがい8%、ADHD(注意ちゅうい欠如けつじょどうせい障害しょうがい)5%、破壊はかいせい行動こうどう障害しょうがい4%、その障害しょうがい11%であった[40]不安ふあん障害しょうがい(パニック障害しょうがい社交しゃこう不安ふあん障害しょうがいひとし)気分きぶん障害しょうがい(うつびょう双極そうきょくせい障害しょうがいとう)という典型てんけいてき精神せいしん疾患しっかん全体ぜんたいの4わり以上いじょうめる。また、発達はったつ障害しょうがい(PDD, AD/HDとう)やく1/4にられる。ただし、この統計とうけい対象たいしょう児童じどう精神せいしん受診じゅしんした児童じどうのみであるてん注意ちゅういする必要ひつようがある。また、児童じどう複数ふくすう精神せいしん疾患しっかん発症はっしょうしている場合ばあい重複じゅうふく診断しんだん集計しゅうけいされていない。

進学しんがくめん対応たいおう

編集へんしゅう

進学しんがくめんでの対応たいおうとしては、とくに小・中学校しょうちゅうがっこうにおいて、登校とうこうとなった生徒せいとを、出席しゅっせき日数にっすう関係かんけいなく、学校がっこうがわ進級しんきゅうおよび卒業そつぎょうさせることが一般いっぱんしている。

ただし、学校がっこうがわ対応たいおうによっては、登校とうこうにより、進級しんきゅうまたは卒業そつぎょうみとめられない事例じれいも、ごくまれではあるが、こりる。この場合ばあい転校てんこうするか、留年りゅうねんして通学つうがくするか、中学校ちゅうがっこう卒業そつぎょう程度ていど認定にんてい試験しけん(中卒ちゅうそつ認定にんてい)や夜間やかん中学校ちゅうがっこうなどをて、高校こうこう進学しんがくまたは就職しゅうしょくすることになる。また、現在げんざいでは、こうみとめ(後述こうじゅつ)に合格ごうかくすれば、中学校ちゅうがっこう卒業そつぎょうしていなくても大学だいがく受験じゅけん可能かのうである。

登校とうこう生徒せいと高等こうとう学校がっこう進学しんがくでは、中学校ちゅうがっこうへの出席しゅっせき日数にっすう不足ふそく理由りゆう合格ごうかくとする高校こうこうは、公立こうりつ私立しりつともに(とくに公立こうりつ高校こうこうでは)、すくなくなってきている[よう出典しゅってん]

くわえて、文部もんぶ科学かがくしょう通知つうちにより、現在げんざいでは、調査ちょうさしょ(内申ないしんしょ)のわりに、自己じこ申告しんこくしょもちいることが可能かのうとなっている。また、教育きょういく支援しえんセンター(適応てきおう指導しどう教室きょうしつ)やフリースクールなど学校がっこうがい施設しせつへの通所つうしょ入所にゅうしょや、自宅じたくにおいてITなどを活用かつようした学習がくしゅう活動かつどうを、要件ようけんきで「出席しゅっせきあつかいとすることが、やはり文科ぶんかしょう通知つうちみとめられている。このような措置そちにより、登校とうこう入学にゅうがくできる高校こうこう選択肢せんたくしは、それ以前いぜんよりひろがっている[よう出典しゅってん]

さらに、調査ちょうさしょ内申ないしんしょ)を必要ひつようとしないか、調査ちょうさしょ重視じゅうししない高校こうこう存在そんざいする。昼間ひるま定時ていじせい通信つうしんせいなどの「単位たんいせい高等こうとう学校がっこう[ちゅう 15]」、その支援しえん教育きょういくおこな普通ふつう学校がっこうなどがそれである(ただしぜんにちせい単位たんいせい高校こうこう一般いっぱんてきである)。単位たんいせい高校こうこう基本きほんてきに、学年がくねん学級がっきゅう(クラスい)であり、登校とうこう日時にちじ柔軟じゅうなんである。また、編入へんにゅうがくこうみとめ(後述こうじゅつ)の単位たんい認定にんてい容易よういである(編入へんにゅうがく学校がっこうによって制度せいどことなるためわせが必要ひつようである)。もちろん、定時ていじせい通信つうしんせいではないぜんにちせい単位たんいせい高校こうこうで、入学にゅうがく編入へんにゅう柔軟じゅうなんみとめている学校がっこうもある。

昼間ひるま定時ていじせいは、1991ねん新宿しんじゅく山吹やまぶき高校こうこう開校かいこうして以降いこう普及ふきゅうしている課程かていである。昼間ひるま定時ていじせい単位たんいせいであり、められた時間割じかんわりく、生徒せいとみずからが教科きょうか課目かもく選択せんたくする。定時ていじせいではあるが、昼間ひるま授業じゅぎょうがあり、また単位たんいせいのため、必要ひつよう単位たんい修得しゅうとくするなどすれば、3年間ねんかん卒業そつぎょうすることが可能かのうである。学年がくねんせいで、原級げんきゅう留置りゅうち(留年りゅうねん)はく、一度いちどみとめられた単位たんい卒業そつぎょう必要ひつよう単位たんいかさねられる。また、学級がっきゅうであり、授業じゅぎょうはクラス単位たんいではおこなわれない[41][42][43]昼間ひるま定時ていじせい高校こうこうは、ぜんにちせい高校こうこうにはなじみにくい登校とうこう経験けいけんしゃらも積極せっきょくてきれている[44]

ただし、昼間ひるま定時ていじせい代表だいひょうされる単位たんいせい高校こうこうは、時間じかん制約せいやく集団しゅうだん生活せいかつわずらわしさからは解放かいほうされるものの、主体しゅたいてきまな姿勢しせいければ、未成年みせいねん重要じゅうよう時期じき孤立こりつした状況じょうきょうにもおちいりかねない[42]一般いっぱんてきぜんにちせい学年がくねんせい高校こうこう比較ひかくした場合ばあいリスク考慮こうりょしなければならない。定時ていじせい単位たんいせい高校こうこうは、中途ちゅうと退学たいがくりつおよび登校とうこうりつが、ぜんにちせい高校こうこうよりたかい。中途ちゅうと退学たいがくりつは、ぜんにちせい高校こうこうが1.2%にまるのにたいして、定時ていじせい単位たんいせい高校こうこう中退ちゅうたいりつは10.7%である。かつ、登校とうこうりつは、ぜんにちせい高校こうこうで1.2%だが、定時ていじせい単位たんいせい高校こうこうでは18.3%にたっしている[45][ちゅう 16]。もっとも、定時ていじせいにはよるあいだふくまれており、そのことが中退ちゅうたいりつ登校とうこうりつげている可能かのうせい注意ちゅういする必要ひつようがある。「昼間ひるま定時ていじせい単位たんいせい高校こうこう(定時ていじせい昼間ひるま)は、ぜんにちせい単位たんいせい高校こうこうとほぼおなじものである[ちゅう 17]

このようなリスクがあることは、通信つうしんせい高校こうこう(通信つうしんせい単位たんいせい高校こうこう)でも同様どうようである。通信つうしんせい高校こうこう卒業そつぎょうりつ全国ぜんこく平均へいきんで45%にとどまっている[46]。また、2004ねん構造こうぞう改革かいかく特区とっくほう株式会社かぶしきがいしゃ運営うんえいする通信つうしんせい高校こうこうみとめられてから、それらはたか卒業そつぎょうりつ宣伝せんでんすることで生徒せいとあつめている。しかし、卒業そつぎょうしたのち進路しんろ注目ちゅうもくしなければならない。ぜんにちせい高校こうこう卒業そつぎょうしゃ進路しんろは、大学だいがくとうが54.4%で最多さいた専修せんしゅう学校がっこう(一般いっぱん, 専門せんもん)とうが23%、就職しゅうしょくしゃが16.4%、無職むしょくなどそれら以外いがいものが4.6%となっている。一方いっぽうで、通信つうしんせい高校こうこう卒業そつぎょうしゃ進路しんろは、大学だいがくとうが16.7%、専修せんしゅう学校がっこう(一般いっぱん, 専門せんもん)とうが23.8%、就職しゅうしょくしゃが14.3%で、無職むしょくなどそれら以外いがいものは43.1%でもっとおおく、ぜんにちせい高校こうこうとは極端きょくたんにかけはなれている[47][48][ちゅう 18]。なお、おおきく増加ぞうかしている広域こういき通信つうしんせいは、その添削てんさく指導しどうのレベルにも改善かいぜんもとめられている[49]

学力がくりょくめん対応たいおう

編集へんしゅう

学力がくりょくめんでの対応たいおうでは、保健ほけんしつ登校とうこうや、教育きょういく支援しえんセンター以外いがいには、学習がくしゅうじゅく予備校よびこうや、家庭かてい教師きょうし学習がくしゅう参考さんこうしょ問題もんだいしゅうなどを活用かつようし、心身しんしん無理むりのない範囲はんいで、出来できるだけ基礎きそ学力がくりょくおくれをもどす、またはおくれをしょうじさせないことがのぞましい。

ただし、検定けんてい教科書きょうかしょは、教師きょうしによる授業じゅぎょうでの使用しよう前提ぜんていとしているため、独学どくがくもちいる場合ばあい教科書きょうかしょガイドなどで解説かいせつおぎな必要ひつようがある。また、サポートこう中等ちゅうとうなどをもうけていることもあるが、これは、おなじサポートこう高等こうとうへの進学しんがく前提ぜんていとしている場合ばあいもある。

自宅じたく拠点きょてんとした学習がくしゅうは、ホームスクーリング(在宅ざいたく学習がくしゅう)とばれ、近年きんねんアメリカ中心ちゅうしんに、世界せかいてき増加ぞうか傾向けいこうにある。日本にっぽんでも、ホームスクーリングを支援しえんする団体だんたいなどが設立せつりつされている。

中学ちゅうがく卒業そつぎょうに、通信つうしんせい高校こうこうへの進学しんがくこうみとめ受験じゅけん選択せんたくした場合ばあいひろ範囲はんい自学自習じがくじしゅうもとめられる。このため、卒業そつぎょうまたは合格ごうかくまえに、学習がくしゅう放棄ほうきまたはさきばししてしまう危険きけん比較的ひかくてきおおきい[よう出典しゅってん]

したがって、その場合ばあいには、昼間ひるま定時ていじせい代表だいひょうされる単位たんいせい高校こうこうなどへ入学にゅうがく編入へんにゅうがくするか、学習がくしゅうじゅく予備校よびこう家庭かてい教師きょうし利用りようすることで、そうした危険きけんをよりすくないものに出来できる。

学業がくぎょう進学しんがくについての問題もんだい(おや期待きたい, 学業がくぎょう不振ふしんなど)が登校とうこう契機けいきとなっている場合ばあいもあり、そのような事例じれいでは、あせって勉学べんがくうながすことがぎゃく効果こうかともなりる。保護ほごしゃは、どもの成人せいじん自立じりつにとって必要ひつよう最低限さいていげん提案ていあんをしながらも、最終さいしゅうてきにはども本人ほんにん意思いしめさせることがのぞましい。

登校とうこう学業がくぎょう結果けっかは、保護ほごしゃにとって、かならずしも満足まんぞくできるものではないかもしれない。しかし、どもとの比較ひかく本人ほんにん評価ひょうかするよりも、たとえ些細ささいなことであれ、本人ほんにん努力どりょく評価ひょうかすることが、本人ほんにんモチベーション(やる)をたもつためには必要ひつようである。

経済けいざいめん対応たいおう

編集へんしゅう

特殊とくしゅ登校とうこうへの対応たいおう

編集へんしゅう

すべての登校とうこうが、心身しんしん障害しょうがい学校がっこうでの人間にんげん関係かんけい家庭かてい貧困ひんこん原因げんいんとするわけではない。

どもへの虐待ぎゃくたいなど、登校とうこうあきらかに家庭かてい起因きいんする場合ばあいには、原因げんいんとなっている家庭かてい環境かんきょう改善かいぜんすることが、解決かいけつ前提ぜんていとなる。その過程かていで、行政ぎょうせいにより、どもを家庭かていからはな措置そちられることもある。

外国がいこくじん子弟していで、日本語にほんご能力のうりょく不足ふそく登校とうこう原因げんいんとなっている場合ばあいもある。たとえば、日系にっけいじん労働ろうどうしゃおお自治体じちたいでは、日系にっけいじん児童じどう登校とうこう問題もんだいしている。学校がっこうによる日本語にほんご基礎きそ学力がくりょくのケア、いじめ対策たいさくなどが十分じゅうぶん期待きたいできない事例じれいでは、ブラジル学校がっこうなど、外国がいこくじん学校がっこうへの入学にゅうがく編入へんにゅうがく検討けんとうされる。

避難ひなん施設しせつ

編集へんしゅう

一部いちぶ自治体じちたいでは、学習がくしゅう読書どくしょ機会きかいたいが通学つうがく困難こんなんいたってかんがえるほど精神せいしんてき負担ふたんかかえる生徒せいとたいして図書館としょかん利用りよううながしている。かんがわこえけや説得せっとく相談そうだん積極せっきょくてきおこなわずに「ただたん見守みまもる」という方針ほうしんおこなっている。

その進路しんろ

編集へんしゅう

支援しえん教育きょういくおこな普通ふつう学校がっこう[ちゅう 19]は、おも登校とうこう児童じどう対象たいしょうとした高等こうとう学校がっこうのことである[ちゅう 20]東京とうきょうだてのチャレンジスクールやエンカレッジスクール、トライネットスクールなどがあり、このうちチャレンジスクールは昼夜ちゅうやあいだ定時ていじせい、エンカレッジスクールは全日ぜんじつせい、トライネットスクールは通信つうしんせいである。また、発達はったつ障害しょうがいなど各種かくしゅ障害しょうがい登校とうこう児童じどうれている私立しりつ高校こうこうがある(「支援しえん教育きょういくおこな普通ふつう学校がっこう」の項目こうもく参照さんしょうのこと)。

高等こうとう学校がっこう卒業そつぎょう程度ていど認定にんてい試験しけん(こうみとめ)は、その取得しゅとくにより、高等こうとう学校がっこう卒業そつぎょうしないまま、大学だいがく短期大学たんきだいがくふくむ)、専門せんもん学校がっこう専修せんしゅう学校がっこう専門せんもん課程かてい公務員こうむいん採用さいよう試験しけん受験じゅけん可能かのうになる。しかしこうみとめは、あくまでも「高等こうとう学校がっこう卒業そつぎょうしたもの同等どうとう以上いじょう学力がくりょくがあるかどうかを認定にんていするための試験しけん」であり、高等こうとう学校がっこう卒業そつぎょう資格しかく」をあたえるものではない。このため、かならずしも高卒こうそつ同等どうとうあつかいをけられるとはかぎらず、就職しゅうしょくさい不利ふりになるケースもある[50][51]。また、因果いんが関係かんけい不明ふめいであるものの、こうみとめから大学だいがく受験じゅけんし、面接めんせつ合格ごうかくとなったれい確認かくにんされている[52]

また、高校こうこう在学ざいがくしながらのこうみとめ取得しゅとく可能かのうである。高校こうこう必要ひつよう単位たんい修得しゅうとくした科目かもく免除めんじょされるため、こうみとめ受験じゅけんする場合ばあいでも、なんらかの高校こうこう在籍ざいせきしたほうが有利ゆうりである。高校こうこうぜん課程かてい修了しゅうりょうすれば、大学だいがくへの推薦すいせん入学にゅうがく可能かのうになる。これはこうみとめのみでも不可能ふかのうではないが、容易たやすさがことなる。

さらに、大学だいがく受験じゅけん希望きぼうする場合ばあいこうみとめ通信つうしんせい高校こうこう内容ないようと、平均へいきんてき大学だいがく受験じゅけん必要ひつようとされる内容ないよう格差かくさおおきいことに、注意ちゅういする必要ひつようがある。また、こうみとめかぎらず、通信つうしんせい高校こうこう(一部いちぶ[ちゅう 21]のぞく)では、数学すうがくIII・数学すうがくCなど、理系りけい学部がくぶ受験じゅけんもとめられることのおお科目かもく受講じゅこうできない。

なお近年きんねん広域こういき通信つうしんせい高校こうこうなどが「サポートこう」とばれる無認可むにんか教育きょういく施設しせつ展開てんかいしている。それらは、通信つうしんせい高校こうこう卒業そつぎょうこうみとめ合格ごうかく目指めざどもへの学習がくしゅう支援しえんおこな一方いっぽうで、その脱法だつほう行為こうい教育きょういくしつ問題もんだいとなっている。構造こうぞう改革かいかく特区とっくほうもとづく株式会社かぶしきがいしゃりつ通信つうしんせい高校こうこうの7わりが、どうほうきんずる特区とっくがいでの教育きょういく活動かつどうをしていた。文部もんぶ科学かがくしょう担当たんとうしゃは、脱法だつほう行為こういであるうえに教育きょういくしつひくく、高卒こうそつ資格しかくものにしたビジネスになっている」べている[53]

転校てんこうについて

編集へんしゅう

あたらしい環境かんきょうもとめて転校てんこう希望きぼうする児童じどう生徒せいともいる。公立こうりつ学校がっこう場合ばあい正当せいとう事由じゆうがあれば、教育きょういく委員いいんかい裁量さいりょうにより、学区がっくそとまたは区域くいきがい越境えっきょう通学つうがくみとめられている。自治体じちたい小・中学校しょうちゅうがっこう転校てんこうする区域くいきがい就学しゅうがくは、居住きょじゅうする自治体じちたいさき自治体じちたいの、それぞれの教育きょういく委員いいんかい協議きょうぎ合意ごうい必要ひつようであるが、さき教育きょういく委員いいんかい承諾しょうだくすれば可能かのうである。

私立しりつ学校がっこう場合ばあいは、特別とくべつ事由じゆうくとも転校てんこう可能かのうだが、すべての学校がっこう登校とうこう理由りゆう転校てんこう理解りかいしてくれるわけではない。このため、登校とうこうへの十分じゅうぶんなサポートの有無うむふくめて、学校がっこう選定せんてい重要じゅうようになる。

八王子はちおうじ市立しりつだか尾山おやま学園がくえん小学しょうがく中学ちゅうがく京都きょうと市立しりつらくふう中学校ちゅうがっこうほし槎中学校がっこう東京とうきょうシューレ葛飾かつしか中学校ちゅうがっこうなどは、登校とうこう児童じどう生徒せいと対象たいしょうとしており、その実態じったい配慮はいりょした特別とくべつ教育きょういく課程かてい編成へんせいしている[54]

自然しぜんかこまれた環境かんきょうしょう人数にんずう学級がっきゅうでの指導しどう期待きたいし、山村さんそん留学りゅうがく制度せいど活用かつようして転校てんこうする児童じどう生徒せいともいる[よう出典しゅってん]。また、登校とうこうどもを積極せっきょくてきれる山村さんそん留学りゅうがく施設しせつもある[よう出典しゅってん]

より開放かいほうてき教育きょういく環境かんきょうもとめて、中学ちゅうがく高校こうこう段階だんかいから、おも英語えいごけんへの海外かいがい留学りゅうがく選択せんたくする登校とうこう児童じどうもいる[よう出典しゅってん]

その夜間やかん中学校ちゅうがっこう通信つうしんせい中学校ちゅうがっこう利用りようかんがえられる。

相談そうだん窓口まどぐち

編集へんしゅう

登校とうこうたいする見解けんかい

編集へんしゅう

肯定こうていてき見解けんかい

編集へんしゅう
  • のう科学かがくしゃ茂木もき健一郎けんいちろうは「学校がっこうかなくても、まなぶことは無限むげんにできる。社会しゃかいせいも、学校がっこうにつく社会しゃかいせいがすべてじゃない」と自身じしんのTwitterでべた[55][56]。 また、茂木もき中学ちゅうがく登校とうこうについても「日本にっぽんは(教育きょういく)レベルがひくすぎる」としたうえで、「日本にっぽん学校がっこう教育きょういくって全然ぜんぜんよくないですよ。もう断言だんげんしますけど、だから日本にっぽんはこんな惨状さんじょうになっているわけでしょ。自分じぶんあたまでものをかんがえるとか批判ひはんてき思考しこうするということがまった学校がっこうつちかわれていないからこういうことになる。東大とうだいってもせいぜい“クイズおう選手権せんしゅけん”にるだけってことでしょ」と擁護ようごした[57]
  • 実業じつぎょう堀江ほりえ貴文たかふみ自身じしんのTwitterで「勉強べんきょうきらいならしなくていい」、「かけざん計算けいさんがあるんだからできるようになる必要ひつようがない」とべた[55][58]
  • 女優じょゆう須藤すとう理彩りさは、彼女かのじょ家族かぞく経験けいけんだんもとに「登校とうこう理由りゆうがあれば、それはいいとおもう。それぞれの選択せんたく」と理解りかいしめしつつも、「登校とうこうどもがいま自由じゆうでいられるのはだれかいろんなひとが、やりたくないこともやってくれてるからとおしえることがおやつとめ」とべている[55][59]
  • 夜回よまわ先生せんせい」こと水谷みずたにおさむは、かつて高校こうこう教師きょうしであった感覚かんかくからすればおや登校とうこうさせないことは犯罪はんざいであるとしたうえで、登校とうこうたいする観点かんてんにおいてこれまでの「かせない」「けない」ではない「(みずからの意思いしで)かない」の選択肢せんたくしがあることですくわれる児童じどうがいることにくわえ、登校とうこう批判ひはんするそうたいしてそっとなにかたらずそっとしておいてあげたほうがいとべている[60]

否定ひていてき見解けんかい

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  • 高須たかすクリニック院長いんちょう高須たかすかつわたる自身じしんのTwitterで「試験しけんもなんにもないおけの世界せかいあそんでいると常識じょうしきらずになります。学校がっこう発展はってん途上とじょうこく子供こども馬鹿ばかにされます。成人せいじんしたら困窮こんきゅうします」とべた[55][61]
  • タレントたのしんご自身じしんのInstagramで「馬鹿ばかじゃない!登校とうこう不幸ふこうだよー!」とべ、ハッシュタグでは「登校とうこう」、「馬鹿ばかげぎる」、「天才てんさい」、「天災てんさいだわ」ともしるしていた[62]
  • 2ちゃんねる創設そうせつしゃ実業じつぎょう西村にしむら博之ひろゆきはTwitterで「登校とうこういやなら通信つうしんせい中学校ちゅうがっこう教育きょういくけることは可能かのう子供こども教育きょういくけさせる義務ぎむ放棄ほうきしてるおやには罰則ばっそく必要ひつようだとおもいます。教育きょういく機会きかいてるのをとするかんがえをひろめるのは社会しゃかいてきくないしアホのさい生産せいさんになります」としつつも「子供こども被害ひがいしゃなのでめるべきではないです」と、登校とうこうどもを擁護ようごし、おや教育きょういく苦言くげんていした[63]。さらに「子供こども学校がっこうかよわせないで、まわりの出来事できごとまなぶことできるちから云々うんぬんというあたまわるおやがいますが、まわ生活せいかつからどうやって虚数きょすう概念がいねんまなべるのかいてみたいです」とし、「『虚数きょすうなんて必要ひつようがない』とかんがえるひと知識ちしきりないし、子供こども成長せいちょう制限せいげんをかけてることにづかないならアホでしょ」とにつづった[63]

中立ちゅうりつてき見解けんかい

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  • わら芸人げいにん兼近かねちか大樹たいじゅは「(自分じぶんは)定時ていじせい高校こうこうで2にちしかおこなっていない」と告白こくはくしたうえで「かなかったがわ人間にんげんなので、(登校とうこうどもに)けとはえない」「みんなとおな日々ひびごさなかったからこそ、ちが自分じぶんになれたっていうのもあります」「絶対ぜったいてき上手うまくいかずに、もちろん収入しゅうにゅうひくいですよ。ぼくおなじようにきてきたひとは」「基本きほんてきっている人達ひとたち日本にっぽんはできているとおもう。そのひとたちに感性かんせいわせてあげる能力のうりょくがあることで、よりちがった自分じぶん演出えんしゅつできるんですよ」「(学校がっこうに)けってわれていったひとたちの人生じんせい理解りかいしてあげる能力のうりょく絶対ぜったい必要ひつよう社会しゃかいせいっていうんですかね、このひとたちでうごいているので、日本にっぽんが」とべた[64]

登校とうこう発達はったつ障害しょうがい

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トーマス・エジソン

発達はったつ障害しょうがい注意ちゅうい欠陥けっかんどうせい障害しょうがい(ADHD)・アスペルガー症候群しょうこうぐんなど)や学習がくしゅう障害しょうがいかかえる児童じどうは、学校がっこうきらいだったり登校とうこうになりやすい。ホームスクーリングさかんなアメリカでは、それらをかかえる児童じどうホームスクーリング選択せんたくすることがおお[65]歴史れきしじょう人物じんぶつでは、発明はつめいおうトーマス・エジソンはADHDをかかえていたとられているが[66]幼少ようしょう学校がっこうになじむことが出来できホームスクーリングそだった[65]

それらの症状しょうじょうかかえる児童じどう対人たいじん関係かんけい苦手にがてとしていたり、学校がっこうをつまらないとかんじたりしていて学校がっこう教育きょういくでは就学しゅうがく意欲いよく低下ていかられるが、ホームスクーリング対人たいじん関係かんけいめぐるトラブルが解消かいしょうされ、また興味きょうみ関心かんしんのある分野ぶんや重点的じゅうてんてきおしえることで学習がくしゅう意欲いよくたかめることが出来でき[65]ホームスクーリング問題もんだいとしては、両親りょうしん共働ともばたらきの場合ばあいどもの教育きょういく時間じかんかなければならないので世帯せたい収入しゅうにゅう減少げんしょうすることである。またどもの社会しゃかいせいそだたないとの批判ひはんがある。アメリカではホームスクーリング児童じどうにクラブ活動かつどうなどに参加さんかさせることで交流こうりゅうもうけている。対人たいじん関係かんけい苦手にがてとする児童じどう学校がっこうでいじめをけて登校とうこうになりホームスクーリングになった場合ばあいでも、こうしたクラブ活動かつどうなどであらたな交友こうゆう関係かんけいつくれるようになるという[65]

日本にっぽんでは、オンライン授業じゅぎょう普及ふきゅう促進そくしんまなびの多様たよう学校がっこう(いわゆる登校とうこう特例とくれいこう)の設置せっちなどがすすめられているが、うえのようなハンデをかかえた児童じどうのための教育きょういく機会きかい十分じゅうぶん確保かくほされているとはがたい。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 1956ねん制定せいていの『就学しゅうがく困難こんなん児童じどうのための教科きょうかよう図書としょ給与きゅうよたいするくに補助ほじょかんする法律ほうりつ』や『学校がっこう給食きゅうしょくほう一部いちぶ改正かいせいする法律ほうりつ』、1958ねん制定せいていの『学校がっこう保健ほけんほう』、1959ねん制定せいていの『日本にっぽん学校がっこう安全あんぜんかいほう』など
  2. ^ 年度ねんどあいだ連続れんぞくまたは断続だんぞくして30にち以上いじょう欠席けっせきした児童じどう生徒せいとのうち登校とうこう理由りゆうとするものについて調査ちょうさ。ここで「登校とうこう」とは、なんらかの心理しんりてき情緒じょうちょてき身体しんたいてき、あるいは社会しゃかいてき要因よういん背景はいけいにより、児童じどう生徒せいと登校とうこうしない、あるいは、したくともできない状況じょうきょうにあること(ただし、病気びょうき経済けいざいてき理由りゆうによるものをのぞく)とされている。
  3. ^ パーセンテージは登校とうこう児童じどう生徒せいとすうたいする割合わりあい
  4. ^ ただし、学校がっこうがわがいじめを十分じゅうぶん把握はあくしていない可能かのうせいのこる。
  5. ^ パーセンテージは登校とうこう児童じどう生徒せいと在籍ざいせき学校がっこうすうたいする割合わりあい
  6. ^ DSM-IV-TR症状しょうじょうは、臨床りんしょうてきいちじるしい苦痛くつう、または、社会しゃかいてき職業しょくぎょうてき、または重要じゅうよう領域りょういきにおける機能きのう障害しょうがいこしている。」
  7. ^ これら3つの診療しんりょうおおむおなじものである。「精神せいしん」および「神経しんけい」は、精神せいしん疾患しっかん対象たいしょうとする診療しんりょうである。また、個人こじん開業かいぎょう医院いいん(クリニック)で「心療内科しんりょうないか」としょうしているものは、「精神せいしん」とほぼおなじである。に、「精神せいしん」の別称べっしょうとして「精神せいしん神経しんけい」などがある。なお、「神経しんけい内科ないか」は「精神せいしん」とはべつ診療しんりょうである。
  8. ^ 身体しんたい病気びょうきいのに身体しんたい不調ふちょううったえること。
  9. ^ これらはDSM-IV-TRで「不安ふあん障害しょうがい」のカテゴリにふくまれているもの。
  10. ^ DSM-5から登場とうじょうした診断しんだん基準きじゅん。DSM-IVで「広汎こうはんせい発達はったつ障害しょうがい」とされていたものとほぼ重複じゅうふくする。
  11. ^ 発達はったつ障害しょうがい精神せいしん遅滞ちたいICD, DSMなど現在げんざい診断しんだん基準きじゅんでは精神せいしん疾患しっかんふくまれる。
  12. ^ 軽症けいしょううつびょうにおいてはかならずしもこのかぎりではない。「日本にっぽんうつびょう学会がっかい治療ちりょうガイドライン Ⅱ.だいうつびょうせい障害しょうがい 2012 Ver.1」 p. 25. 参照さんしょう
  13. ^ ただし、私立しりつ小・中学校しょうちゅうがっこう登校とうこう児童じどう医療いりょう機関きかん受診じゅしんりつは22.0%であり、公立こうりつの7.2%、国立こくりつの12.3%と比較ひかくして際立きわだってたかい。
  14. ^ DSM-5から登場とうじょうした「自閉症じへいしょうスペクトラム障害しょうがい」とほぼ重複じゅうふくする。
  15. ^ 学年がくねんもうけず、められた単位たんい修得しゅうとくすれば卒業そつぎょうできる高等こうとう学校がっこう定時ていじせいぜんにちせいわず増加ぞうかしている。通信つうしんせい高校こうこう基本きほんてき単位たんいせいである。「学年がくねんせい単位たんいせい」の項目こうもく参照さんしょうのこと。
  16. ^ ぜんにちせい高校こうこうであっても、定時ていじせい単位たんいせい高校こうこうおな程度ていどかそれ以上いじょう中退ちゅうたいりつたか学校がっこうがあることに注意ちゅういたとえば、東京とうきょうでは、中退ちゅうたいりつが10%以上いじょうぜんにちせい普通ふつう都立とりつ高校こうこうが15こうある。 出典しゅってん:「都立とりつ高校こうこう生徒せいと未来みらいかんがえるために-都立とりつ高校こうこう白書はくしょ(平成へいせい23年度ねんどばん)」
  17. ^ 前掲ぜんけい文科ぶんかしょう調査ちょうさでは、ぜんにちせい単位たんいせい高校こうこう中退ちゅうたいりつは1.2%であり、ぜんにちせい全体ぜんたい平均へいきん1.2%とどう程度ていどである。また、ぜんにちせい単位たんいせい高校こうこう登校とうこうりつは1.7%であり、ぜんにちせい全体ぜんたい平均へいきん1.2%よりわずかにたか程度ていどである。
  18. ^ おな統計とうけいには、定時ていじせい高校こうこう卒業そつぎょうしゃ進路しんろについても記載きさいされているが、定時ていじせい単位たんいせい限定げんていしたデータではいため省略しょうりゃくする。
  19. ^ これはあくまでもWikipediaじょう分類ぶんるいであり、公式こうしき名称めいしょうではない。
  20. ^ 特別とくべつ支援しえん学校がっこう」のことではない。
  21. ^ たとえば、科学技術学園かがくぎじゅつがくえん高等こうとう学校がっこうのインターネット学習がくしゅうでは数学すうがくIIIが開講かいこうされている。

出典しゅってん

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参考さんこう文献ぶんけん

編集へんしゅう
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  • デイヴィッド・ナイランド(ちょ)『ADHDへのナラティヴ・アプローチどもと家族かぞく支援しえんしゃあらたな出発しゅっぱつ宮田みやた敬一けいいち窪田くぼた文子ふみこわけ)、金剛こんごう出版しゅっぱん、2006ねんISBN 978-4772408981

関連かんれん項目こうもく

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補助ほじょ制度せいどオルタナティブ教育きょういく

外部がいぶリンク

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