学校 がっこう 制度 せいど がない時代 じだい は、一生 いっしょう 就学 しゅうがく しないままの例 れい が大 だい 多数 たすう だった。貴族 きぞく や富裕 ふゆう 層 そう など一部 いちぶ の人 ひと しか学校 がっこう に通 かよ えなかった。日本 にっぽん の寺子屋 てらこや や欧米 おうべい の日曜 にちよう 学校 がっこう など類似 るいじ 機関 きかん はあったが、現代 げんだい の学校 がっこう のような施設 しせつ ではなかった。
日本 にっぽん では明治 めいじ 初期 しょき に学制 がくせい が施行 しこう され、全 まった く学校 がっこう に通 かよ わないこどもは徐々 じょじょ に少数 しょうすう 派 は となった。その後 ご の義務 ぎむ 教育 きょういく 制度 せいど 実施 じっし もあって就学 しゅうがく 率 りつ は少 すこ しずつ上昇 じょうしょう したが、貧困 ひんこん で就学 しゅうがく できなかったり、途中 とちゅう で学校 がっこう に通 かよ わなくなる子 こ もいた。義務 ぎむ 教育 きょういく 期間 きかん が前期 ぜんき 中等 ちゅうとう 教育 きょういく まで延長 えんちょう された終戦 しゅうせん 直後 ちょくご も、戦後 せんご の混乱 こんらん から就学 しゅうがく が難 むずか しく、学籍 がくせき があっても登校 とうこう できない場合 ばあい が多 おお かった。これに前後 ぜんご して、A.M.ジョンソンが1941年 ねん に論文 ろんぶん にて「学校 がっこう 恐怖症 きょうふしょう 」というい方 いかた をした。
高度 こうど 経済 けいざい 成長 せいちょう 期 き 以降 いこう は貧困 ひんこん 家庭 かてい の減少 げんしょう 、就学 しゅうがく 援助 えんじょ の拡充 かくじゅう [注 ちゅう 1] 、教員 きょういん や関係 かんけい 機関 きかん の活動 かつどう により「家庭 かてい の貧困 ひんこん 」や「家庭 かてい の無 む 理解 りかい 」による不 ふ 就学 しゅうがく や長欠 ちょうけつ は減少 げんしょう していった[3] ものの、「疾病 しっぺい 異常 いじょう 」や「学校 がっこう ぎらい」による長欠 ちょうけつ は減 へ らず、中学校 ちゅうがっこう では「学校 がっこう ぎらい」による長欠 ちょうけつ がむしろ増 ふ えていった[4] 。この増加 ぞうか は教育 きょういく 熱 ねつ によって学校 がっこう が面白 おもしろ くなくなったことが原因 げんいん であるという説 せつ がある[4] 。
1974年 ねん には高等 こうとう 学校 がっこう など後期 こうき 中等 ちゅうとう 教育 きょういく 課程 かてい への進学 しんがく 率 りつ も90%以上 いじょう に達 たっ するようになった。以後 いご 、日本 にっぽん では6歳 さい ごろ(幼稚園 ようちえん まで含 ふく めると3歳 さい から4歳 さい ごろ)に就学 しゅうがく して15歳 さい から25歳 さい ごろに学校 がっこう 生活 せいかつ を終 お える例 れい が多 おお い。多 おお くの人 ひと は、就職 しゅうしょく するまで長 なが い期間 きかん 登校 とうこう し、就職 しゅうしょく と共 とも に非 ひ 就学 しゅうがく になる(大学 だいがく 進学 しんがく 経験 けいけん 者 しゃ の場合 ばあい 、高校 こうこう 卒業 そつぎょう から大学 だいがく 入学 にゅうがく までに1年 ねん 以上 いじょう の非 ひ 在学 ざいがく 期間 きかん (浪人 ろうにん 時代 じだい )があることも珍 めずら しくない)。しかし1990年代 ねんだい に入 はい ると、就学 しゅうがく 率 りつ は高 たか いままで欠席 けっせき 率 りつ が高 たか くなった。
この現象 げんしょう は日本 にっぽん では1950年代 ねんだい から報告 ほうこく され、「学校 がっこう 嫌 ぎら い」や、1960年 ねん 頃 ごろ からは「登校 とうこう 拒否 きょひ 」とも呼 よ ばれ、その後 ご 「不 ふ 登校 とうこう 」と呼 よ ばれるようになった。また非 ひ 就学 しゅうがく 者 しゃ が学校 がっこう 教育 きょういく を受 う けられない問題 もんだい も並行 へいこう した。
障害 しょうがい を持 も つ人 ひと の就学 しゅうがく については、時代 じだい とともに改善 かいぜん されつつあり、現代 げんだい では重度 じゅうど の障害 しょうがい があっても就学 しゅうがく できるようになっている。1979年 ねん の養護 ようご 学校 がっこう の就学 しゅうがく 義務 ぎむ 化 か を境 さかい に、就学 しゅうがく 猶予 ゆうよ ・免除 めんじょ される障害 しょうがい 児 じ は激減 げきげん し、就学 しゅうがく 率 りつ は大幅 おおはば に向上 こうじょう した。また、一般 いっぱん 学校 がっこう での特別 とくべつ 支援 しえん 教育 きょういく の力 ちから も高 たか まっており、以前 いぜん なら養護 ようご 学校 がっこう (現在 げんざい の特別 とくべつ 支援 しえん 学校 がっこう の一部 いちぶ に相当 そうとう )に通 かよ っていたレベルの障害 しょうがい でも、小学校 しょうがっこう ・中学校 ちゅうがっこう に通 かよ うケースが多 おお くなっている。院内 いんない 学級 がっきゅう の制度 せいど により、入院 にゅういん 中 ちゅう でも教育 きょういく を受 う けられたり、病院 びょういん 内 ない に設置 せっち された学校 がっこう で教育 きょういく を受 う けられるようにもなってきている。発達 はったつ 障害 しょうがい がある生徒 せいと の場合 ばあい 、通常 つうじょう より長 なが い教育 きょういく 期間 きかん のニーズがあるが、高等 こうとう 学校 がっこう や特別 とくべつ 支援 しえん 学校 がっこう の高等 こうとう 部 ぶ などの後期 こうき 中等 ちゅうとう 教育 きょういく の課程 かてい への進学 しんがく 率 りつ も高 たか い。
欧米 おうべい では19世紀 せいき ごろに義務 ぎむ 教育 きょういく 制度 せいど が作 つく られ、就学 しゅうがく 率 りつ が上昇 じょうしょう していった。しかし日本 にっぽん と違 ちが って、家庭 かてい 教育 きょういく (ホームスクーリング )のみで育 そだ つ例 れい もあった(トーマス・エジソン など)。そのため、就学 しゅうがく 義務 ぎむ ではなく教育 きょういく 義務 ぎむ を履行 りこう する選択肢 せんたくし が市民 しみん 権 けん をある程度 ていど 得 え ていた。日本 にっぽん ほどではないが、現在 げんざい は欧米 おうべい でも大 だい 多数 たすう の人 ひと が学齢 がくれい 期 き に学校 がっこう に通 かよ っている。
世界 せかい 的 てき に生涯 しょうがい 学習 がくしゅう の時代 じだい に入 はい り、就職 しゅうしょく と非 ひ 就学 しゅうがく が同一 どういつ ではなくなり、また成年 せいねん 到達 とうたつ と非 ひ 就学 しゅうがく も同一 どういつ ではなくなった。このため、就職 しゅうしょく 中 ちゅう や高 こう 年齢 ねんれい でも学校 がっこう 在籍 ざいせき の選択肢 せんたくし が選 えら びやすくなっている。
1947年 ねん 、児童 じどう 福祉 ふくし 法 ほう が公布 こうふ されて児童 じどう 相談 そうだん 所 しょ が設置 せっち され、児童 じどう 相談 そうだん 所 しょ では厚生省 こうせいしょう 発 はつ 統 すべ 第 だい 28号 ごう により「学校 がっこう 内 ない での問題 もんだい 行為 こうい 、登校 とうこう 拒否 きょひ 、学校 がっこう ぎらい、学業 がくぎょう 遅滞 ちたい 、長期 ちょうき 欠席 けっせき 等 とう 」を「健全 けんぜん 育成 いくせい 相談 そうだん I」として扱 あつか うようになった[5] 。
1949年 ねん 、日本 にっぽん 學校 がっこう 衛生 えいせい 會 かい (現 げん 日本 にっぽん 学校 がっこう 保健 ほけん 会 かい )は「文部省 もんぶしょう 諮問 しもん 事項 じこう に対 たい する答申 とうしん 」において各 かく 学校 がっこう への保健 ほけん 主事 しゅじ の設置 せっち などを提言 ていげん し[6] 、1951年 ねん 、文部省 もんぶしょう は「小学校 しょうがっこう 保健 ほけん 計画 けいかく 実施 じっし 要領 ようりょう (試案 しあん )」において「健康 けんこう に関 かん して児童 じどう の出席 しゅっせき ,欠席 けっせき ,および拒否 きょひ の事項 じこう をつかさどる」ことなどを職務 しょくむ とした保健 ほけん 主事 しゅじ を置 お くこととし[7] 、1958年 ねん には学校 がっこう 保健 ほけん 法 ほう が成立 せいりつ して学校 がっこう 教育 きょういく 法 ほう 施行 しこう 規則 きそく が改正 かいせい され、特別 とくべつ の事情 じじょう がない限 かぎ り小学校 しょうがっこう に前述 ぜんじゅつ の保健 ほけん 主事 しゅじ が設置 せっち されることとなった[8] 。
1961年 ねん 、児童 じどう 相談 そうだん 所 しょ の「健全 けんぜん 育成 いくせい 相談 そうだん 」が厚生省 こうせいしょう の「児童 じどう 相談 そうだん 所 しょ における児童 じどう 記録 きろく 票 ひょう の記載 きさい 方 かた について」によって「長欠 ちょうけつ 不 ふ 就学 しゅうがく 」他 た へと分割 ぶんかつ される[9] 。
日本 にっぽん では義務 ぎむ 教育 きょういく 制度 せいど が発達 はったつ しており、住民 じゅうみん 票 ひょう がある学齢 がくれい 期 き の子女 しじょ は、自動的 じどうてき に小中学校 しょうちゅうがっこう などの学籍 がくせき を得 え られ、就学 しゅうがく できる。しかし、その場合 ばあい でも長期 ちょうき 欠席 けっせき が急増 きゅうぞう するなど「不 ふ 登校 とうこう 問題 もんだい 」が拡大 かくだい し、大 おお きな課題 かだい となっている。
直接的 ちょくせつてき な原因 げんいん のない長期 ちょうき 欠席 けっせき について、文部 もんぶ 科学 かがく 省 しょう は狭義 きょうぎ の「不 ふ 登校 とうこう 」という用語 ようご を付与 ふよ し、それ以外 いがい のものと区別 くべつ している。
不 ふ 登校 とうこう は病気 びょうき や精神 せいしん 的 てき な問題 もんだい だけでなく、「家庭 かてい の貧困 ひんこん 」にも相関 そうかん することが明 あき らかになっている。東京 とうきょう 都 と 板橋 いたばし 区 く が2009年 ねん に公表 こうひょう した調査 ちょうさ によると、区立 くりつ 中学校 ちゅうがっこう の2006年 ねん 度 ど の全 ぜん 生徒 せいと のうち、不 ふ 登校 とうこう の生徒 せいと は127人 にん で、発生 はっせい 率 りつ は2.41%であった。しかし、生活 せいかつ 保護 ほご を受 う ける中学生 ちゅうがくせい は、不 ふ 登校 とうこう の生徒 せいと が52人 にん 、発生 はっせい 率 りつ は11.58%であり、これは生活 せいかつ 保護 ほご および就学 しゅうがく 援助 えんじょ を受 う けない子 こ の4.8倍 ばい の発生 はっせい 率 りつ である。また、東京 とうきょう 都 と 杉並 すぎなみ 区 く が2008年 ねん に行 い った調査 ちょうさ では、生活 せいかつ 保護 ほご を受 う ける中学生 ちゅうがくせい 70人 にん を調査 ちょうさ して、不 ふ 登校 とうこう の発生 はっせい 率 りつ は8.6%であり、前年 ぜんねん 同期 どうき の区 く 全体 ぜんたい の不 ふ 登校 とうこう 発生 はっせい 率 りつ 2.19%の約 やく 4倍 ばい だった[10] 。これらの結果 けっか は、「中流 ちゅうりゅう 以上 いじょう の豊 ゆた かな家庭 かてい の子 こ どもに起 お こる精神 せいしん 的 てき な問題 もんだい 」という、不 ふ 登校 とうこう のステレオタイプ に対 たい して見直 みなお しを迫 せま るものである。
一方 いっぽう 、日本 にっぽん 国籍 こくせき を持 も たない子女 しじょ の場合 ばあい 、自動的 じどうてき には学籍 がくせき を得 え られないので、そのまま就学 しゅうがく せず、学校 がっこう に行 い かないケースが見 み られる。古 ふる くから定住 ていじゅう している在日 ざいにち 韓国 かんこく ・朝鮮 ちょうせん 人 じん などの場合 ばあい は、一条 いちじょう 校 こう や民族 みんぞく 学校 がっこう に通 かよ う場合 ばあい も多 おお いが、日本 にっぽん に出稼 でかせ ぎ に来 く る外国 がいこく 人 じん の場合 ばあい 、子女 しじょ を学校 がっこう に入 い れようとしないケースも多 おお く、また地方 ちほう 公共 こうきょう 団体 だんたい によっては就学 しゅうがく に積極 せっきょく 的 てき でない場合 ばあい もある。こちらは、学齢 がくれい 期 き の外国 がいこく 人 じん の非 ひ 就学 しゅうがく 問題 もんだい といわれるが、あまりマスメディア で取 と り上 あ げられることはない。
また、日本 にっぽん の初 はつ 中等 ちゅうとう 教育 きょういく の課程 かてい では年齢 ねんれい 主義 しゅぎ の影響 えいきょう が強 つよ いため、学齢 がくれい を超過 ちょうか すると小学校 しょうがっこう ・中学校 ちゅうがっこう に通 かよ うことが難 むずか しくなり(特 とく に小学校 しょうがっこう )、高等 こうとう 学校 がっこう も「全 ぜん 日 にち 制 せい の課程 かてい 」の場合 ばあい は、年齢 ねんれい によっては入学 にゅうがく しにくくなる。
そのため、長期 ちょうき 欠席 けっせき をした人 ひと が学校 がっこう を卒業 そつぎょう してからは、復学 ふくがく サポートの対象 たいしょう にならない上 じょう 、統計 とうけい にも表 あらわ れず(就学 しゅうがく 率 りつ は学齢 がくれい 期 き のみであり、それ以降 いこう は計算 けいさん されない)、問題 もんだい の把握 はあく がしにくくなっている。
これは学齢 がくれい 超過 ちょうか 者 しゃ の入学 にゅうがく 拒否 きょひ 問題 もんだい といわれるが、学齢 がくれい 期 き の外国 がいこく 人 じん の非 ひ 就学 しゅうがく 問題 もんだい と同様 どうよう に、あまりマスメディアには注目 ちゅうもく されない。
不 ふ 登校 とうこう の子 こ どもの受 う け入 い れ先 さき として、教育 きょういく 委員 いいん 会 かい の運営 うんえい する教育 きょういく 支援 しえん センター (公営 こうえい のフリースクール)が知 し られている。その他 た には、一部 いちぶ 地域 ちいき にある夜間 やかん 中学 ちゅうがく や、民間 みんかん のフリースクール 、フリースペース が、補助 ほじょ 的 てき な形 かたち で受 う け皿 ざら となっているが、民間 みんかん のフリースクールやフリースペースは利用 りよう 料 りょう が毎月 まいつき 数 すう 万 まん 円 えん から数 すう 十 じゅう 万 まん 円 えん と費用 ひよう が高額 こうがく であり、毎月 まいつき の利用 りよう 料 りょう とは別 べつ に冷暖房 れいだんぼう 費 ひ と光熱 こうねつ 費 ひ (施設 しせつ によっては食事 しょくじ 代 だい や寄付 きふ 金 きん も徴収 ちょうしゅう されるところもある)を徴収 ちょうしゅう されることから、生活 せいかつ 困窮 こんきゅう 家庭 かてい である低 てい 所得 しょとく 世帯 せたい 、ひとり親 おや 世帯 せたい 、生活 せいかつ 保護 ほご 世帯 せたい 、DV被害 ひがい 者 しゃ 世帯 せたい は利用 りよう することが難 むずか しいと言 い われている。
また高等 こうとう 学校 がっこう の場合 ばあい 、義務 ぎむ 教育 きょういく でないため不 ふ 登校 とうこう が問題 もんだい にされにくい。たとえば、中途 ちゅうと 退学 たいがく という形 かたち で、学校 がっこう からドロップアウトする例 れい があるが、その後 ご の生活 せいかつ にプラスになっていない例 れい もある[要 よう 出典 しゅってん ] 。不 ふ 登校 とうこう の末 すえ に退学 たいがく した後 のち 、そのまま引 び きこもり に移行 いこう するような事例 じれい もある。
また、欠席 けっせき が多 おお くてもあまり復学 ふくがく 支援 しえん はないし、小中学校 しょうちゅうがっこう ほどではないが同様 どうよう に年齢 ねんれい が高 たか くなると入学 にゅうがく が難 むずか しくなる例 れい もあり、そういった理由 りゆう での不 ふ 登校 とうこう も問題 もんだい にされにくい。
それらの理由 りゆう もあって、休学 きゅうがく ・退学 たいがく 後 ご に復学 ふくがく ・再 さい 入学 にゅうがく しない例 れい が多 おお い。これらの現象 げんしょう は、外国 がいこく で「教育 きょういく のウェステージ(損耗 そんこう )」と呼 よ ばれるものに当 あ たる。
上記 じょうき のように、就学 しゅうがく 者 しゃ の不 ふ 登校 とうこう は大 おお きな問題 もんだい になっているのに対 たい し、非 ひ 就学 しゅうがく 者 しゃ の不 ふ 登校 とうこう はほとんど問題 もんだい 視 し されない傾向 けいこう がある。学籍 がくせき がないと、学校 がっこう 側 がわ の目 め が届 とど かないため、行政 ぎょうせい の対応 たいおう が難 むずか しくなるのである。
派生 はせい 的 てき な意味 いみ であるが、「教師 きょうし の不 ふ 登校 とうこう 」も存在 そんざい する。
文部 もんぶ 科学 かがく 省 しょう の調査 ちょうさ では、2012年 ねん 度 ど において、日本 にっぽん 国内 こくない における不 ふ 登校 とうこう の発生 はっせい 率 りつ は、中学校 ちゅうがっこう で2.56%、小学校 しょうがっこう で0.31%となっている[11] [注 ちゅう 2] 。
2022年 ねん 10月 がつ 27日 にち 、文部 もんぶ 科学 かがく 省 しょう が2021年 ねん (令 れい 和 わ 3年 ねん )度 ど の調査 ちょうさ 結果 けっか を発表 はっぴょう し、小中学生 しょうちゅうがくせい の不 ふ 登校 とうこう が24万 まん 人 にん 余 あまり となり、20万 まん 人 にん を突破 とっぱ したことを発表 はっぴょう した。前年度 ぜんねんど より4万 まん 9000人 にん 近 ちか くも増加 ぞうか したことになる。中学生 ちゅうがくせい では20人 にん に1人 ひとり が不 ふ 登校 とうこう となっている[12] 。
文部 もんぶ 科学 かがく 省 しょう による小・中学校 しょうちゅうがっこう を対象 たいしょう とした調査 ちょうさ では、それぞれの生徒 せいと が「不 ふ 登校 とうこう になったきっかけと考 かんが えられる状況 じょうきょう 」が集計 しゅうけい されている(複数 ふくすう 回答 かいとう 可 か )。中学校 ちゅうがっこう で最 もっと も多 おお いのは「無気力 むきりょく 」で26.4%[注 ちゅう 3] である。次 つぎ がほぼ並 なら んで「不安 ふあん など情緒 じょうちょ 的 てき 混乱 こんらん 」の25.1%であり、以下 いか 、「いじめを除 のぞ く友人 ゆうじん 関係 かんけい をめぐる問題 もんだい 」が15.7%、「あそび・非行 ひこう 」が11.4%、「学業 がくぎょう の不振 ふしん 」が9.5%などとなっている(以下 いか 省略 しょうりゃく )。小学校 しょうがっこう では、「不安 ふあん など情緒 じょうちょ 的 てき 混乱 こんらん 」が最多 さいた で33.2%、次 つ いで「無気力 むきりょく 」が23.8%、「親子 おやこ 関係 かんけい をめぐる問題 もんだい 」が20.2%、「いじめを除 のぞ く友人 ゆうじん 関係 かんけい をめぐる問題 もんだい 」が11.0%、「家庭 かてい の生活 せいかつ 環境 かんきょう の急激 きゅうげき な変化 へんか 」が9.6%、「病気 びょうき による欠席 けっせき 」が9.3%などであった(以下 いか 省略 しょうりゃく )[13] 。
「無気力 むきりょく 」には、「怠 だる 学 がく 」から「うつ状態 じょうたい 」までもが含 ふく まれ得 え る。「無気力 むきりょく 」が必 かなら ずしも「なまけ」を意味 いみ するものではないことに注意 ちゅうい しなければならない。うつ状態 じょうたい はもちろん、怠 だる 学 がく についても、その背後 はいご に家庭 かてい 環境 かんきょう や学歴 がくれき 社会 しゃかい 、校内 こうない 暴力 ぼうりょく の影響 えいきょう が無 な いとは言 い い切 き れないためである[14] 。また、「不安 ふあん など情緒 じょうちょ 的 てき 混乱 こんらん 」は中学校 ちゅうがっこう で2位 い 、小学校 しょうがっこう で1位 い となっており、メンタルヘルス の問題 もんだい が不 ふ 登校 とうこう の契機 けいき として最 もっと も大 おお きなものの一 ひと つとなっている。
前掲 ぜんけい の「不 ふ 登校 とうこう になったきっかけと考 かんが えられる状況 じょうきょう 」のうち、「いじめ 」は中学校 ちゅうがっこう で2.1%、小学校 しょうがっこう で1.9%に留 とど まっている[注 ちゅう 4] 。いじめが不 ふ 登校 とうこう の主 おも な契機 けいき の一 ひと つとなっている事実 じじつ は確認 かくにん されなかった。また、不 ふ 登校 とうこう を自 みずか ら選択 せんたく する「意図 いと 的 てき な拒否 きょひ 」も、中学校 ちゅうがっこう で4.7%、小学校 しょうがっこう で4.6%であり、上位 じょうい には入 はい っていない[13] 。
給食 きゅうしょく の完 かん 食 しょく 指導 しどう を契機 けいき に不 ふ 登校 とうこう に陥 おちい る場合 ばあい もある。支援 しえん 団体 だんたい には、小中学校 しょうちゅうがっこう で教員 きょういん に給食 きゅうしょく の完 かん 食 しょく を指導 しどう されたせいで不 ふ 登校 とうこう や体調 たいちょう 不良 ふりょう になったとの相談 そうだん が延 の べ1000人 にん 以上 いじょう から寄 よ せられ、訴訟 そしょう に至 いた ったケースも出 で てきている[15] 。
その他 た 、先輩 せんぱい ・後輩 こうはい といった厳 きび しい上下 じょうげ 関係 かんけい (特 とく に運動 うんどう 系 けい 部 ぶ 活動 かつどう において)などといった人間 にんげん 関係 かんけい の変化 へんか になじめず、それをきっかけに不 ふ 登校 とうこう に陥 おちい るケースもある。
不 ふ 登校 とうこう の児童 じどう 生徒 せいと への援助 えんじょ を行 おこな う際 さい には、児童 じどう 生徒 せいと の気持 きも ちに丁寧 ていねい に耳 みみ を傾 かたむ けて温 あたた かく受 う け止 と め、不 ふ 登校 とうこう に至 いた った要因 よういん (発生 はっせい 要因 よういん )や不 ふ 登校 とうこう を継続 けいぞく させている要因 よういん (継続 けいぞく 要因 よういん )を、心理 しんり 面 めん ・学校 がっこう 環境 かんきょう ・家庭 かてい 環境 かんきょう 等 とう の視点 してん から多角 たかく 的 てき に理解 りかい することが大切 たいせつ である。その上 うえ で、支援 しえん 者 しゃ は児童 じどう 生徒 せいと と信頼 しんらい 関係 かんけい を構築 こうちく しながら、それらの要因 よういん を念頭 ねんとう に多面 ためん 的 てき な支援 しえん を行 おこな っていく[20] [21] 。
たとえば心理 しんり 面 めん については、不 ふ 登校 とうこう の要因 よういん として特定 とくてい の事柄 ことがら に対 たい する不安 ふあん 感 かん がある場合 ばあい 、エクスポージャーや認知 にんち 再 さい 構成 こうせい 法 ほう などの認知 にんち 行動 こうどう 療法 りょうほう 的 てき アプローチが効果 こうか 的 てき なケースもある。また、学校 がっこう 環境 かんきょう ・家庭 かてい 環境 かんきょう については、児童 じどう 生徒 せいと が安心 あんしん できる環境 かんきょう を整 ととの える環境 かんきょう 調整 ちょうせい が有効 ゆうこう な支援 しえん 方法 ほうほう となり得 え る[20] [21] 。
学校 がっこう 現場 げんば では早期 そうき 対応 たいおう 、家庭 かてい 訪問 ほうもん 、個別 こべつ 指導 しどう などの対応 たいおう が行 おこな われる。
不 ふ 登校 とうこう 問題 もんだい が深刻 しんこく 化 か して以降 いこう 、学校 がっこう 毎 ごと にスクールカウンセラー が配置 はいち されるなど専門 せんもん 家 か による対応 たいおう が実施 じっし されている。
また教室 きょうしつ に入 い れない児童 じどう 生徒 せいと は保健 ほけん 室 しつ 登校 とうこう や、教育 きょういく 支援 しえん センター (適応 てきおう 指導 しどう 教室 きょうしつ )など学校 がっこう 以外 いがい (一部 いちぶ は学校 がっこう 内 ない に設置 せっち されるものもある)の教育 きょういく 環境 かんきょう が提供 ていきょう され学習 がくしゅう 指導 しどう などが行 おこな われる。
ただし、いじめなどで不 ふ 登校 とうこう になった場合 ばあい 、その原因 げんいん となった人間 にんげん 関係 かんけい があるために保健 ほけん 室 しつ 等 とう であっても登校 とうこう することができないケースやそもそも自宅 じたく から外 そと へ出 で ることができないケースがある。これらの場合 ばあい は家庭 かてい 訪問 ほうもん などで対応 たいおう がなされるが、保健 ほけん 室 しつ や教育 きょういく 支援 しえん センターでの指導 しどう に比 くら べ十分 じゅうぶん な時間 じかん や内容 ないよう が確保 かくほ しにくい。
保護 ほご 者 しゃ の対応 たいおう としては、不 ふ 登校 とうこう に詳 くわ しい臨床 りんしょう 心理 しんり 士 し 、精神 せいしん 科 か 医 い 、学校 がっこう や行政 ぎょうせい の担当 たんとう 者 しゃ などと相談 そうだん しつつ、専門 せんもん 的 てき に解決 かいけつ していくことになる。
保護 ほご 者 しゃ が登校 とうこう 刺激 しげき を与 あた えれば、早期 そうき の再 さい 登校 とうこう につながる場合 ばあい もあるが、不適切 ふてきせつ な登校 とうこう 刺激 しげき が事態 じたい の深刻 しんこく 化 か を招 まね く場合 ばあい も多 おお い。保護 ほご 者 しゃ などによる暴力 ぼうりょく 的 てき な登校 とうこう 圧力 あつりょく は、教育 きょういく 行政 ぎょうせい の進歩 しんぽ や、世論 せろん の理解 りかい において死者 ししゃ が出 で たことなどにより、現在 げんざい では更生 こうせい 施設 しせつ 共 ども に推奨 すいしょう されていない。
登校 とうこう 刺激 しげき への反応 はんのう は、生徒 せいと によってケース・バイ・ケースであり、複雑 ふくざつ である。場合 ばあい によっては、必 かなら ずしも再 さい 登校 とうこう を目標 もくひょう としない選択 せんたく も考 かんが えられる。
学校 がっこう による登校 とうこう 刺激 しげき については、「『指導 しどう の結果 けっか 登校 とうこう する又 また はできるようになった児童 じどう 生徒 せいと 』に特 とく に効果 こうか があった学校 がっこう の措置 そち 」(複数 ふくすう 回答 かいとう 可 か )などが統計 とうけい として書 か かれているが、不 ふ 登校 とうこう に至 いた った本人 ほんにん にとって学校 がっこう の登校 とうこう 刺激 しげき が最善 さいぜん の利益 りえき となるかどうかは全 まった く別 べつ である。
中学校 ちゅうがっこう では、「家庭 かてい 訪問 ほうもん を行 おこな い、学業 がくぎょう や生活 せいかつ 面 めん での相談 そうだん に乗 の るなど様々 さまざま な指導 しどう ・援助 えんじょ を行 おこな った」が63.1%[注 ちゅう 5] で最 もっと も高 たか く、以下 いか 、「登校 とうこう を促 うなが すため、電話 でんわ をかけたり迎 むか えに行 い くなどした」が60.9%、「スクールカウンセラー等 とう が専門 せんもん 的 てき に指導 しどう にあたった」が57.1%、「保健 ほけん 室 しつ 等 とう 特別 とくべつ の場所 ばしょ に登校 とうこう させて指導 しどう にあたった」が48.7%、「保護 ほご 者 しゃ の協力 きょうりょく を求 もと めて、家族 かぞく 関係 かんけい や家庭 かてい 生活 せいかつ の改善 かいぜん を図 はか った」が45.4%、「不 ふ 登校 とうこう の問題 もんだい について、研修 けんしゅう 会 かい や事例 じれい 研究 けんきゅう 会 かい を通 つう じて全 ぜん 教師 きょうし の共通 きょうつう 理解 りかい を図 はか った」が41.6%、「全 すべ ての教師 きょうし が当該 とうがい 児童 じどう 生徒 せいと に触 ふ れ合 あ いを多 おお くするなどして学校 がっこう 全体 ぜんたい で指導 しどう にあたった」が39.9%などとなっている(以下 いか 省略 しょうりゃく )[13] 。
また、小学校 しょうがっこう では、「登校 とうこう を促 うなが すため、電話 でんわ をかけたり迎 むか えに行 い くなどした」が35.6%、「家庭 かてい 訪問 ほうもん を行 おこな い、学業 がくぎょう や生活 せいかつ 面 めん での相談 そうだん に乗 の るなど様々 さまざま な指導 しどう ・援助 えんじょ を行 おこな った」が32.3%、「保護 ほご 者 しゃ の協力 きょうりょく を求 もと めて、家族 かぞく 関係 かんけい や家庭 かてい 生活 せいかつ の改善 かいぜん を図 はか った」が27.8%、「不 ふ 登校 とうこう の問題 もんだい について、研修 けんしゅう 会 かい や事例 じれい 研究 けんきゅう 会 かい を通 つう じて全 ぜん 教師 きょうし の共通 きょうつう 理解 りかい を図 はか った」が26.2%などであり(以下 いか 省略 しょうりゃく )、中学校 ちゅうがっこう と比 くら べて全体 ぜんたい 的 てき に低 ひく い数値 すうち となっている[13] 。
栃木 とちぎ 県 けん 宇都宮 うつのみや 市 し は2007年度 ねんど から、「1日 にち 休 やす んだら電話 でんわ 、2日 にち 続 つづ けて休 やす んだら家庭 かてい 訪問 ほうもん 」の実施 じっし など、不 ふ 登校 とうこう に組織 そしき 的 てき な対応 たいおう を行 おこな った。同 どう 市内 しない の中学校 ちゅうがっこう の不 ふ 登校 とうこう 率 りつ は、2008年度 ねんど をピークに減少 げんしょう に向 む かい、2012年度 ねんど には不 ふ 登校 とうこう 率 りつ が3.21%と過去 かこ 13年間 ねんかん で最少 さいしょう となった。また、小・中学校 しょうちゅうがっこう とも連続 れんぞく 的 てき な欠席 けっせき 者 しゃ が減 へ り、日数 にっすう も89日 にち までの短期間 たんきかん 欠席 けっせき の割合 わりあい が増 ふ えた[22] 。
監禁 かんきん など犯罪 はんざい に巻 ま き込 こ まれたことが原因 げんいん で不 ふ 登校 とうこう となった児童 じどう ・生徒 せいと に対 たい しては、保護 ほご 者 しゃ や当人 とうにん が在籍 ざいせき している・いた・する筈 はず だった学校 がっこう 等 とう が不 ふ 登校 とうこう 期間 きかん 中 ちゅう の学習 がくしゅう をサポートするケースが多 おお い。
学校 がっこう 側 がわ はステップルームとよばれる一時 いちじ 的 てき な適応 てきおう 指導 しどう 教室 きょうしつ を開設 かいせつ する[23] [24] 。
うつ病 びょう 、パニック障害 しょうがい 、広場 ひろば 恐怖症 きょうふしょう 、統合 とうごう 失調 しっちょう 症 しょう などの精神 せいしん 疾患 しっかん が不 ふ 登校 とうこう の原因 げんいん となっているか、または不 ふ 登校 とうこう の過程 かてい で精神 せいしん 疾患 しっかん を併発 へいはつ している場合 ばあい がある。著 いちじる しい苦痛 くつう または日常 にちじょう 生活 せいかつ に障害 しょうがい を引 ひ き起 お こしている症状 しょうじょう がある場合 ばあい [注 ちゅう 6] には、精神 せいしん 疾患 しっかん の疑 うたが いで、心療内科 しんりょうないか 、精神 せいしん 科 か 、神経 しんけい 科 か など[注 ちゅう 7] を、出来 でき る限 かぎ り速 すみ やかに受診 じゅしん しなければならない[25] 。何 なん らかの身体 しんたい 症状 しょうじょう で他 た の診療 しんりょう 科 か に通院 つういん している場合 ばあい にも、精神 せいしん 疾患 しっかん の可能 かのう 性 せい を疑 うたが う必要 ひつよう がある(治療 ちりょう 法 ほう については、「うつ病 びょう #治療 ちりょう 」「パニック障害 しょうがい #治療 ちりょう 」「広場 ひろば 恐怖症 きょうふしょう #治療 ちりょう 」「統合 とうごう 失調 しっちょう 症 しょう #治療 ちりょう 」を参照 さんしょう されたい)。
とくに、うつ状態 じょうたい は自殺 じさつ につながるリスクがあり、軽症 けいしょう であっても、医療 いりょう 機関 きかん での治療 ちりょう をせずに放置 ほうち することは危険 きけん である。しかし、10代のうつ病 びょう 患者 かんじゃ の行動 こうどう は、反抗 はんこう 的 てき 、怠惰 たいだ と評価 ひょうか されることが多 おお く、受診 じゅしん につながりにくい[26] 。児童 じどう ・思春期 ししゅんき うつ病 びょう は、基本 きほん 的 てき には成人 せいじん と同 おな じ症状 しょうじょう が出現 しゅつげん するが、成人 せいじん と比 くら べて多 おお い症状 しょうじょう に、イライラ感 かん 、身体 しんたい 的 てき 愁訴 しゅうそ (頭痛 ずつう 、腹痛 はらいた など) [注 ちゅう 8] 、社交 しゃこう からの退避 たいひ (不 ふ 登校 とうこう など) [27] がある。また、他 た の精神 せいしん 障害 しょうがい (発達 はったつ 障害 しょうがい 含 ふく む)、精神 せいしん 疾患 しっかん と併存 へいそん して出現 しゅつげん することが多 おお い。いずれにせよ、1年 ねん 以内 いない に軽快 けいかい する症例 しょうれい が多 おお いが、数 すう 年 ねん 後 ご あるいは成人 せいじん になって再発 さいはつ する可能 かのう 性 せい は高 たか い[28] [29] 。なお、児童 じどう ・思春期 ししゅんき うつ病 びょう の6ヶ月 かげつ 有 ゆう 病 びょう 率 りつ は、児童 じどう 期 き で0.5-2.5%、思春期 ししゅんき で2.0-8.0%[30] [31] とされており、思春期 ししゅんき では成人 せいじん とほぼ変 か わりが無 な い。また、後述 こうじゅつ するように、子 こ どものうつ病 びょう は成人 せいじん と比較 ひかく して、より深刻 しんこく な精神 せいしん 疾患 しっかん である双極 そうきょく 性 せい 障害 しょうがい 、いわゆる躁(そう) うつ病 びょう の割合 わりあい が高 たか い(治療 ちりょう 法 ほう については、「不定 ふてい 愁訴 しゅうそ #管理 かんり 」「双極 そうきょく 性 せい 障害 しょうがい #治療 ちりょう 」を参照 さんしょう されたい)。
他者 たしゃ と関 かか わることに強 つよ い恐怖 きょうふ を感 かん じる社交 しゃこう 不安 ふあん 障害 しょうがい 、予期 よき しないパニック発作 ほっさ が繰 く り返 かえ し起 お こるパニック障害 しょうがい 、無意味 むいみ な強迫 きょうはく 観念 かんねん や強迫 きょうはく 行為 こうい にとらわれる強迫 きょうはく 性 せい 障害 しょうがい など[注 ちゅう 9] もまた、不 ふ 登校 とうこう との関連 かんれん 性 せい が高 たか い(後述 こうじゅつ )。朝 あさ 起 お きられない、夜 よる 眠 ねむ れないなどといった睡眠 すいみん 障害 しょうがい も不 ふ 登校 とうこう と関係 かんけい する[32] 。これらの患者 かんじゃ がうつ病 びょう など他 た の精神 せいしん 疾患 しっかん を併発 へいはつ している場合 ばあい もある(治療 ちりょう 法 ほう については、「社交 しゃこう 不安 ふあん 障害 しょうがい #治療 ちりょう 」「パニック障害 しょうがい #治療 ちりょう 」「強迫 きょうはく 性 せい 障害 しょうがい #治療 ちりょう 」「睡眠 すいみん 障害 しょうがい #診断 しんだん と治療 ちりょう の原則 げんそく 」を参照 さんしょう されたい)。
自閉症 じへいしょう スペクトラム障害 しょうがい [注 ちゅう 10] や注意 ちゅうい 欠陥 けっかん ・多 た 動 どう 性 せい 障害 しょうがい (AD/HD)などの発達 はったつ 障害 しょうがい 、さらには軽度 けいど の精神 せいしん 遅滞 ちたい (知的 ちてき 障害 しょうがい )も不 ふ 登校 とうこう に関係 かんけい している場合 ばあい がある。これらの疑 うたが われる場合 ばあい もまた、医療 いりょう 機関 きかん 、専門 せんもん 機関 きかん と相談 そうだん することが望 のぞ ましい[注 ちゅう 11] 。また、発達 はったつ 障害 しょうがい の併存 へいそん 症 しょう (二 に 次 じ 障害 しょうがい )として他 ほか の精神 せいしん 疾患 しっかん が現 あらわ れることもある。同様 どうよう に、精神 せいしん 遅滞 ちたい 者 しゃ の約 やく 10-40%には他 た の精神 せいしん 疾患 しっかん も見 み られる[33] (治療 ちりょう 法 ほう については、「自閉症 じへいしょう スペクトラム障害 しょうがい #管理 かんり 」「注意 ちゅうい 欠陥 けっかん ・多 た 動 どう 性 せい 障害 しょうがい #治療 ちりょう 」を参照 さんしょう されたい)。
医療 いりょう 機関 きかん での対応 たいおう は、薬物 やくぶつ 療法 りょうほう や認知 にんち 行動 こうどう 療法 りょうほう 、デイケア などが中心 ちゅうしん となる[注 ちゅう 12] 。認知 にんち 行動 こうどう 療法 りょうほう の一環 いっかん として、ソーシャルスキルトレーニング (社会 しゃかい 性 せい 訓練 くんれん )を取 と り入 い れている医療 いりょう 機関 きかん もある。これは、不 ふ 登校 とうこう 児童 じどう にしばしば不足 ふそく しがちな、コミュニケーション技術 ぎじゅつ の向上 こうじょう を図 はか るものである。虐待 ぎゃくたい や事故 じこ 、災害 さいがい 、犯罪 はんざい 被害 ひがい など、深刻 しんこく なトラウマ 体験 たいけん によりPTSD (心 しん 的 てき 外傷 がいしょう 後 ご ストレス障害 しょうがい )を発症 はっしょう している場合 ばあい 、薬物 やくぶつ 療法 りょうほう の他 ほか 、EMDR (眼球 がんきゅう 運動 うんどう による脱 だっ 感 かん 作 さく と再 さい 処理 しょり 法 ほう )が有効 ゆうこう とされている。日本 にっぽん EMDR学会 がっかい は全国 ぜんこく のEMDR治療 ちりょう 者 しゃ リストを公式 こうしき サイトで公開 こうかい している。
かつて精神 せいしん 疾患 しっかん は入院 にゅういん 医療 いりょう が主体 しゅたい であったが、現在 げんざい では多 おお くが外来 がいらい 治療 ちりょう で対処 たいしょ できる。入院 にゅういん 治療 ちりょう を必要 ひつよう とする場合 ばあい でも、半数 はんすう は3カ月 かげつ 以内 いない に、8割 わり 強 きょう は1年 ねん で退院 たいいん 可能 かのう である[34] 。
本人 ほんにん に病 やまい 識 が無 な く、医療 いりょう 機関 きかん の受診 じゅしん を拒否 きょひ することもある。本人 ほんにん の意思 いし を無視 むし した強制 きょうせい 的 てき な通院 つういん ・入院 にゅういん は、新 あら たなトラブルとなる可能 かのう 性 せい がある。しかし一方 いっぽう で、本人 ほんにん の状態 じょうたい によっては、医療 いりょう 保護 ほご 入院 にゅういん や措置 そち 入院 にゅういん が必要 ひつよう となるかもしれない。いずれにせよ、まずは医師 いし や臨床 りんしょう 心理 しんり 士 し など、専門 せんもん 家 か による助言 じょげん を求 もと めることが不可欠 ふかけつ である。
不 ふ 登校 とうこう 児童 じどう のほとんどは医療 いりょう 機関 きかん での診察 しんさつ を受 う けていない。文部 もんぶ 科学 かがく 省 しょう による「学校 がっこう 内外 ないがい の機関 きかん 等 とう での相談 そうだん ・指導 しどう などを受 う けた(不 ふ 登校 とうこう 児童 じどう の)人数 にんずう 」(複数 ふくすう 回答 かいとう 可 か )の調査 ちょうさ で、相談 そうだん ・指導 しどう 先 さき が「病院 びょういん , 診療 しんりょう 所 しょ 」であった小・中学校 しょうちゅうがっこう の不 ふ 登校 とうこう 児童 じどう は7.6%でしかない[注 ちゅう 13] 。対 たい して、スクールカウンセラー 、相談 そうだん 員 いん 、養護 ようご 教諭 きょうゆ など、学校 がっこう 内 ない の専門 せんもん 家 か による相談 そうだん ・指導 しどう などは49.0%であり、著 いちじる しい差 さ がある[13] 。だが、発達 はったつ 障害 しょうがい を含 ふく む精神 せいしん 障害 しょうがい 、精神 せいしん 疾患 しっかん の有無 うむ を鑑別 かんべつ できるのは、専門 せんもん 的 てき に訓練 くんれん された精神 せいしん 科 か 医 い のみである。
精神 せいしん 疾患 しっかん は人生 じんせい の早期 そうき に発症 はっしょう する。50パーセンタイル (50パーセンタイルは中央 ちゅうおう 値 ち を表 あらわ す) が14歳 さい までに発症 はっしょう 、75パーセンタイルが24歳 さい までに発症 はっしょう している[35] 。また、26歳 さい 時点 じてん でいずれかの精神 せいしん 障害 しょうがい を持 も つ者 もの の1/2が15歳 さい までに、3/4が18歳 さい までに、何 なん らかの精神 せいしん 障害 しょうがい の診断 しんだん を受 う けていた[36] 。
子 こ どもの精神 せいしん 疾患 しっかん は必 かなら ずしも成人 せいじん と同様 どうよう の症状 しょうじょう が現 あらわ れる訳 わけ ではなく、その診断 しんだん は成人 せいじん よりも困難 こんなん である。ことに、双極 そうきょく 性 せい 障害 しょうがい (躁 そう うつ病 びょう )はうつ病 びょう と非常 ひじょう に誤診 ごしん されやすい。25歳 さい 未満 みまん の若年 じゃくねん 発症 はっしょう のうつ病 びょう は双極 そうきょく 性 せい 障害 しょうがい であるリスクが高 たか い(若年 じゃくねん 発症 はっしょう の大 だい うつ病 びょう は40%以上 いじょう が後 のち に躁転(そうてん) する[37] )。軽度 けいど 、短期 たんき であっても過去 かこ に躁(そう) 状態 じょうたい のあった場合 ばあい 、過 か 眠 ねむり 、過食 かしょく などの双極 そうきょく 性 せい 障害 しょうがい に特徴 とくちょう 的 てき な症状 しょうじょう がある場合 ばあい 、または双極 そうきょく 性 せい 障害 しょうがい の家族 かぞく 歴 れき がある場合 ばあい には、必 かなら ず医師 いし に申告 しんこく しなければならない。うつ病 びょう と双極 そうきょく 性 せい 障害 しょうがい では治療 ちりょう 法 ほう が全 まった く異 こと なるためである。双極 そうきょく 性 せい 障害 しょうがい はうつ病 びょう よりも自殺 じさつ 率 りつ が高 たか く、アルコール依存 いぞん 症 しょう や薬物 やくぶつ 乱用 らんよう など無軌道 むきどう な行動 こうどう とも結 むす びつきやすい。うつ病 びょう との鑑別 かんべつ は極 きわ めて重要 じゅうよう である[38] 。双極 そうきょく スペクトラム障害 しょうがい の生涯 しょうがい 有 ゆう 病 びょう 率 りつ は2.7-7.8%[39] であり、軽視 けいし できる数値 すうち ではない。
重 おも い疲労 ひろう 感 かん が長期 ちょうき にわたって続 つづ いているにもかかわらず、精神 せいしん 疾患 しっかん を含 ふく め、他 た の疾病 しっぺい の可能 かのう 性 せい がすべて否定 ひてい された場合 ばあい 、慢性 まんせい 疲労 ひろう 症候群 しょうこうぐん (筋 すじ 痛 つう 性 せい 脳 のう 脊髄 せきずい 炎 えん )と診断 しんだん される可能 かのう 性 せい がある。
2009年 ねん の1年間 ねんかん に国立 こくりつ 国際 こくさい 医療 いりょう 研究 けんきゅう センター国府台 こうのだい 病院 びょういん 児童 じどう 精神 せいしん 科 か を受診 じゅしん した初診 しょしん 患児756名 めい のうち、不 ふ 登校 とうこう を主 おも 訴の一 ひと つとしている患児227名 めい の診断 しんだん 名 めい (主 しゅ 診断 しんだん のみ)は、不安 ふあん 障害 しょうがい 23%、気分 きぶん 障害 しょうがい 19%、広汎 こうはん 性 せい 発達 はったつ 障害 しょうがい (PDD)[注 ちゅう 14] 19%、適応 てきおう 障害 しょうがい 11%、身体 しんたい 表現 ひょうげん 性 せい 障害 しょうがい 8%、ADHD(注意 ちゅうい 欠如 けつじょ ・多 た 動 どう 性 せい 障害 しょうがい )5%、破壊 はかい 性 せい 行動 こうどう 障害 しょうがい 4%、その他 た の障害 しょうがい 11%であった[40] 。不安 ふあん 障害 しょうがい (パニック障害 しょうがい 、社交 しゃこう 不安 ふあん 障害 しょうがい 等 ひとし ) と気分 きぶん 障害 しょうがい (うつ病 びょう 、双極 そうきょく 性 せい 障害 しょうがい 等 とう ) という典型 てんけい 的 てき な精神 せいしん 疾患 しっかん が全体 ぜんたい の4割 わり 以上 いじょう を占 し める。また、発達 はったつ 障害 しょうがい (PDD, AD/HD等 とう ) も約 やく 1/4に見 み られる。ただし、この統計 とうけい の対象 たいしょう は児童 じどう 精神 せいしん 科 か を受診 じゅしん した児童 じどう のみである点 てん に注意 ちゅうい する必要 ひつよう がある。また、児童 じどう が複数 ふくすう の精神 せいしん 疾患 しっかん を発症 はっしょう している場合 ばあい の重複 じゅうふく 診断 しんだん は集計 しゅうけい されていない。
進学 しんがく 面 めん での対応 たいおう としては、とくに小・中学校 しょうちゅうがっこう において、不 ふ 登校 とうこう となった生徒 せいと を、出席 しゅっせき 日数 にっすう と関係 かんけい なく、学校 がっこう 側 がわ が進級 しんきゅう および卒業 そつぎょう させることが一般 いっぱん 化 か している。
ただし、学校 がっこう 側 がわ の対応 たいおう によっては、不 ふ 登校 とうこう により、進級 しんきゅう または卒業 そつぎょう が認 みと められない事例 じれい も、ごく稀 まれ ではあるが、起 お こり得 え る。この場合 ばあい 、転校 てんこう するか、留年 りゅうねん して通学 つうがく するか、中学校 ちゅうがっこう 卒業 そつぎょう 程度 ていど 認定 にんてい 試験 しけん (中卒 ちゅうそつ 認定 にんてい )や夜間 やかん 中学校 ちゅうがっこう などを経 へ て、高校 こうこう 進学 しんがく または就職 しゅうしょく することになる。また、現在 げんざい では、高 こう 認 みとめ (後述 こうじゅつ )に合格 ごうかく すれば、中学校 ちゅうがっこう を卒業 そつぎょう していなくても大学 だいがく 受験 じゅけん は可能 かのう である。
不 ふ 登校 とうこう の生徒 せいと の高等 こうとう 学校 がっこう 進学 しんがく では、中学校 ちゅうがっこう への出席 しゅっせき 日数 にっすう の不足 ふそく を理由 りゆう に不 ふ 合格 ごうかく とする高校 こうこう は、公立 こうりつ 、私立 しりつ ともに(とくに公立 こうりつ 高校 こうこう では)、少 すく なくなってきている[要 よう 出典 しゅってん ] 。
加 くわ えて、文部 もんぶ 科学 かがく 省 しょう の通知 つうち により、現在 げんざい では、調査 ちょうさ 書 しょ (内申 ないしん 書 しょ )の代 か わりに、自己 じこ 申告 しんこく 書 しょ を用 もち いることが可能 かのう となっている。また、教育 きょういく 支援 しえん センター (適応 てきおう 指導 しどう 教室 きょうしつ )やフリースクール など学校 がっこう 外 がい の施設 しせつ への通所 つうしょ ・入所 にゅうしょ や、自宅 じたく においてIT などを活用 かつよう した学習 がくしゅう 活動 かつどう を、要件 ようけん 付 つ きで「出席 しゅっせき 」扱 あつか いとすることが、やはり文科 ぶんか 省 しょう の通知 つうち で認 みと められている。このような措置 そち により、不 ふ 登校 とうこう 児 じ の入学 にゅうがく できる高校 こうこう の選択肢 せんたくし は、それ以前 いぜん より広 ひろ がっている[要 よう 出典 しゅってん ] 。
さらに、調査 ちょうさ 書 しょ (内申 ないしん 書 しょ )を必要 ひつよう としないか、調査 ちょうさ 書 しょ を重視 じゅうし しない高校 こうこう も存在 そんざい する。昼間 ひるま 定時 ていじ 制 せい や通信 つうしん 制 せい などの「単位 たんい 制 せい 高等 こうとう 学校 がっこう [注 ちゅう 15] 」、その他 た 支援 しえん 教育 きょういく を行 おこな う普通 ふつう 学校 がっこう などがそれである(ただし全 ぜん 日 にち 制 せい の単位 たんい 制 せい 高校 こうこう も一般 いっぱん 的 てき である)。単位 たんい 制 せい 高校 こうこう は基本 きほん 的 てき に、無 む 学年 がくねん 、無 む 学級 がっきゅう (クラス が無 な い)であり、登校 とうこう 日時 にちじ も柔軟 じゅうなん である。また、編入 へんにゅう 学 がく や高 こう 認 みとめ (後述 こうじゅつ )の単位 たんい 認定 にんてい も容易 ようい である(編入 へんにゅう 学 がく は学校 がっこう によって制度 せいど が異 こと なるため問 と い合 あ わせが必要 ひつよう である)。もちろん、定時 ていじ 制 せい や通信 つうしん 制 せい ではない全 ぜん 日 にち 制 せい の単位 たんい 制 せい 高校 こうこう で、入学 にゅうがく や編入 へんにゅう を柔軟 じゅうなん に認 みと めている学校 がっこう もある。
昼間 ひるま 定時 ていじ 制 せい は、1991年 ねん に新宿 しんじゅく 山吹 やまぶき 高校 こうこう が開校 かいこう して以降 いこう 、普及 ふきゅう している課程 かてい である。昼間 ひるま 定時 ていじ 制 せい は単位 たんい 制 せい であり、決 き められた時間割 じかんわり は無 な く、生徒 せいと 自 みずか らが教科 きょうか ・課目 かもく を選択 せんたく する。定時 ていじ 制 せい ではあるが、昼間 ひるま に授業 じゅぎょう があり、また単位 たんい 制 せい のため、必要 ひつよう な単位 たんい を修得 しゅうとく するなどすれば、3年間 ねんかん で卒業 そつぎょう することが可能 かのう である。無 む 学年 がくねん 制 せい で、原級 げんきゅう 留置 りゅうち (留年 りゅうねん )は無 な く、一度 いちど 認 みと められた単位 たんい は卒業 そつぎょう に必要 ひつよう な単位 たんい に積 つ み重 かさ ねられる。また、無 む 学級 がっきゅう であり、授業 じゅぎょう はクラス単位 たんい では行 おこな われない[41] [42] [43] 。昼間 ひるま 定時 ていじ 制 せい の高校 こうこう は、全 ぜん 日 にち 制 せい 高校 こうこう にはなじみにくい不 ふ 登校 とうこう 経験 けいけん 者 しゃ らも積極 せっきょく 的 てき に受 う け入 い れている[44] 。
ただし、昼間 ひるま 定時 ていじ 制 せい に代表 だいひょう される単位 たんい 制 せい 高校 こうこう は、時間 じかん の制約 せいやく や集団 しゅうだん 生活 せいかつ の煩 わずら わしさからは解放 かいほう されるものの、主体 しゅたい 的 てき に学 まな ぶ姿勢 しせい が無 な ければ、未成年 みせいねん の重要 じゅうよう な時期 じき に孤立 こりつ した状況 じょうきょう にも陥 おちい りかねない[42] 。一般 いっぱん 的 てき な全 ぜん 日 にち 制 せい の学年 がくねん 制 せい 高校 こうこう と比較 ひかく した場合 ばあい のリスク も考慮 こうりょ しなければならない。定時 ていじ 制 せい の単位 たんい 制 せい 高校 こうこう は、中途 ちゅうと 退学 たいがく 率 りつ および不 ふ 登校 とうこう 率 りつ が、全 ぜん 日 にち 制 せい 高校 こうこう より高 たか い。中途 ちゅうと 退学 たいがく 率 りつ は、全 ぜん 日 にち 制 せい 高校 こうこう が1.2%に留 と まるのに対 たい して、定時 ていじ 制 せい の単位 たんい 制 せい 高校 こうこう の中退 ちゅうたい 率 りつ は10.7%である。かつ、不 ふ 登校 とうこう 率 りつ は、全 ぜん 日 にち 制 せい 高校 こうこう で1.2%だが、定時 ていじ 制 せい の単位 たんい 制 せい 高校 こうこう では18.3%に達 たっ している[45] [注 ちゅう 16] 。もっとも、定時 ていじ 制 せい には夜 よる 間 あいだ 部 ぶ が含 ふく まれており、そのことが中退 ちゅうたい 率 りつ と不 ふ 登校 とうこう 率 りつ を押 お し上 あ げている可能 かのう 性 せい に注意 ちゅうい する必要 ひつよう がある。「昼間 ひるま 」定時 ていじ 制 せい の単位 たんい 制 せい 高校 こうこう (定時 ていじ 制 せい の昼間 ひるま 部 ぶ )は、全 ぜん 日 にち 制 せい の単位 たんい 制 せい 高校 こうこう とほぼ同 おな じものである[注 ちゅう 17] 。
このようなリスクがあることは、通信 つうしん 制 せい 高校 こうこう (通信 つうしん 制 せい の単位 たんい 制 せい 高校 こうこう )でも同様 どうよう である。通信 つうしん 制 せい 高校 こうこう の卒業 そつぎょう 率 りつ は全国 ぜんこく 平均 へいきん で45%に留 とど まっている[46] 。また、2004年 ねん 度 ど に構造 こうぞう 改革 かいかく 特区 とっく 法 ほう で株式会社 かぶしきがいしゃ の運営 うんえい する通信 つうしん 制 せい 高校 こうこう が認 みと められてから、それらは高 たか い卒業 そつぎょう 率 りつ を宣伝 せんでん することで生徒 せいと を集 あつ めている。しかし、卒業 そつぎょう した後 のち の進路 しんろ に注目 ちゅうもく しなければならない。全 ぜん 日 にち 制 せい の高校 こうこう 卒業 そつぎょう 者 しゃ の進路 しんろ は、大学 だいがく 等 とう が54.4%で最多 さいた 、専修 せんしゅう 学校 がっこう (一般 いっぱん , 専門 せんもん )等 とう が23%、就職 しゅうしょく 者 しゃ が16.4%、無職 むしょく などそれら以外 いがい の者 もの が4.6%となっている。一方 いっぽう で、通信 つうしん 制 せい 高校 こうこう の卒業 そつぎょう 者 しゃ の進路 しんろ は、大学 だいがく 等 とう が16.7%、専修 せんしゅう 学校 がっこう (一般 いっぱん , 専門 せんもん )等 とう が23.8%、就職 しゅうしょく 者 しゃ が14.3%で、無職 むしょく などそれら以外 いがい の者 もの は43.1%で最 もっと も多 おお く、全 ぜん 日 にち 制 せい 高校 こうこう とは極端 きょくたん にかけ離 はな れている[47] [48] [注 ちゅう 18] 。なお、大 おお きく増加 ぞうか している広域 こういき 通信 つうしん 制 せい は、その添削 てんさく 指導 しどう のレベルにも改善 かいぜん が求 もと められている[49] 。
学力 がくりょく 面 めん での対応 たいおう では、保健 ほけん 室 しつ 登校 とうこう や、教育 きょういく 支援 しえん センター以外 いがい には、学習 がくしゅう 塾 じゅく ・予備校 よびこう や、家庭 かてい 教師 きょうし 、学習 がくしゅう 参考 さんこう 書 しょ ・問題 もんだい 集 しゅう などを活用 かつよう し、心身 しんしん に無理 むり のない範囲 はんい で、出来 でき るだけ基礎 きそ 学力 がくりょく の遅 おく れを取 と り戻 もど す、または遅 おく れを生 しょう じさせないことが望 のぞ ましい。
ただし、検定 けんてい 教科書 きょうかしょ は、教師 きょうし による授業 じゅぎょう での使用 しよう を前提 ぜんてい としているため、独学 どくがく に用 もち いる場合 ばあい 、教科書 きょうかしょ ガイド などで解説 かいせつ を補 おぎな う必要 ひつよう がある。また、サポート校 こう が中等 ちゅうとう 部 ぶ などを設 もう けていることもあるが、これは、同 おな じサポート校 こう の高等 こうとう 部 ぶ への進学 しんがく を前提 ぜんてい としている場合 ばあい もある。
自宅 じたく を拠点 きょてん とした学習 がくしゅう は、ホームスクーリング (在宅 ざいたく 学習 がくしゅう )と呼 よ ばれ、近年 きんねん 、アメリカ を中心 ちゅうしん に、世界 せかい 的 てき に増加 ぞうか の傾向 けいこう にある。日本 にっぽん でも、ホームスクーリングを支援 しえん する団体 だんたい などが設立 せつりつ されている。
中学 ちゅうがく 卒業 そつぎょう 後 ご に、通信 つうしん 制 せい 高校 こうこう への進学 しんがく や高 こう 認 みとめ 受験 じゅけん を選択 せんたく した場合 ばあい 、広 ひろ い範囲 はんい の自学自習 じがくじしゅう を求 もと められる。このため、卒業 そつぎょう または合格 ごうかく の前 まえ に、学習 がくしゅう を放棄 ほうき または先 さき 延 の ばししてしまう危険 きけん も比較的 ひかくてき 大 おお きい[要 よう 出典 しゅってん ] 。
したがって、その場合 ばあい には、昼間 ひるま 定時 ていじ 制 せい に代表 だいひょう される単位 たんい 制 せい 高校 こうこう などへ入学 にゅうがく ・編入 へんにゅう 学 がく するか、学習 がくしゅう 塾 じゅく ・予備校 よびこう や家庭 かてい 教師 きょうし を利用 りよう することで、そうした危険 きけん をより少 すく ないものに出来 でき る。
学業 がくぎょう や進学 しんがく についての問題 もんだい (親 おや の期待 きたい , 学業 がくぎょう 不振 ふしん など)が不 ふ 登校 とうこう の契機 けいき となっている場合 ばあい もあり、そのような事例 じれい では、焦 あせ って勉学 べんがく を促 うなが すことが逆 ぎゃく 効果 こうか ともなり得 え る。保護 ほご 者 しゃ は、子 こ どもの成人 せいじん 後 ご の自立 じりつ にとって必要 ひつよう 最低限 さいていげん の提案 ていあん をしながらも、最終 さいしゅう 的 てき には子 こ ども本人 ほんにん の意思 いし で決 き めさせることが望 のぞ ましい。
不 ふ 登校 とうこう 児 じ の学業 がくぎょう 結果 けっか は、保護 ほご 者 しゃ にとって、必 かなら ずしも満足 まんぞく できるものではないかもしれない。しかし、他 た の子 こ どもとの比較 ひかく で本人 ほんにん を評価 ひょうか するよりも、たとえ些細 ささい なことであれ、本人 ほんにん の努力 どりょく を評価 ひょうか することが、本人 ほんにん のモチベーション (やる気 き )を保 たも つためには必要 ひつよう である。
この
節 ふし の
加筆 かひつ が
望 のぞ まれています。
(2022年 ねん 1月 がつ )
全 すべ ての不 ふ 登校 とうこう が、心身 しんしん の障害 しょうがい や学校 がっこう での人間 にんげん 関係 かんけい 、家庭 かてい の貧困 ひんこん を原因 げんいん とするわけではない。
子 こ どもへの虐待 ぎゃくたい など、不 ふ 登校 とうこう が明 あき らかに家庭 かてい に起因 きいん する場合 ばあい には、原因 げんいん となっている家庭 かてい 環境 かんきょう を改善 かいぜん することが、解決 かいけつ の前提 ぜんてい となる。その過程 かてい で、行政 ぎょうせい により、子 こ どもを家庭 かてい から引 ひ き離 はな す措置 そち が採 と られることもある。
外国 がいこく 人 じん の子弟 してい で、日本語 にほんご 能力 のうりょく の不足 ふそく が不 ふ 登校 とうこう の原因 げんいん となっている場合 ばあい もある。例 たと えば、日系 にっけい 人 じん 労働 ろうどう 者 しゃ の多 おお い自治体 じちたい では、日系 にっけい 人 じん 児童 じどう の不 ふ 登校 とうこう が問題 もんだい 化 か している。学校 がっこう による日本語 にほんご や基礎 きそ 学力 がくりょく のケア、いじめ対策 たいさく などが十分 じゅうぶん に期待 きたい できない事例 じれい では、ブラジル学校 がっこう など、外国 がいこく 人 じん 学校 がっこう への入学 にゅうがく ・編入 へんにゅう 学 がく も検討 けんとう される。
一部 いちぶ 自治体 じちたい では、学習 がくしゅう や読書 どくしょ の機会 きかい を得 え たいが通学 つうがく が困難 こんなん に至 いた って自 じ 死 し を考 かんが える程 ほど に精神 せいしん 的 てき 負担 ふたん を抱 かか える生徒 せいと に対 たい して図書館 としょかん の利用 りよう を促 うなが している。館 かん 側 がわ は声 こえ 掛 か けや説得 せっとく 、相談 そうだん は積極 せっきょく 的 てき に行 おこな わずに「ただ単 たん に見守 みまも る」という方針 ほうしん で行 おこな っている。
支援 しえん 教育 きょういく を行 おこな う普通 ふつう 学校 がっこう [注 ちゅう 19] は、主 おも に不 ふ 登校 とうこう の児童 じどう を対象 たいしょう とした高等 こうとう 学校 がっこう のことである[注 ちゅう 20] 。東京 とうきょう 都 と 立 だて のチャレンジスクールやエンカレッジスクール、トライネットスクールなどがあり、このうちチャレンジスクールは昼夜 ちゅうや 間 あいだ 定時 ていじ 制 せい 、エンカレッジスクールは全日 ぜんじつ 制 せい 、トライネットスクールは通信 つうしん 制 せい である。また、発達 はったつ 障害 しょうがい など各種 かくしゅ の障害 しょうがい を持 も つ不 ふ 登校 とうこう の児童 じどう を受 う け入 い れている私立 しりつ の高校 こうこう がある(「支援 しえん 教育 きょういく を行 おこな う普通 ふつう 学校 がっこう 」の項目 こうもく を参照 さんしょう のこと)。
高等 こうとう 学校 がっこう 卒業 そつぎょう 程度 ていど 認定 にんてい 試験 しけん (高 こう 認 みとめ )は、その取得 しゅとく により、高等 こうとう 学校 がっこう を卒業 そつぎょう しないまま、大学 だいがく (短期大学 たんきだいがく を含 ふく む)、専門 せんもん 学校 がっこう (専修 せんしゅう 学校 がっこう 専門 せんもん 課程 かてい ) 、公務員 こうむいん 採用 さいよう 試験 しけん の受験 じゅけん が可能 かのう になる。しかし高 こう 認 みとめ は、あくまでも「高等 こうとう 学校 がっこう を卒業 そつぎょう した者 もの と同等 どうとう 以上 いじょう の学力 がくりょく があるかどうかを認定 にんてい する ための試験 しけん 」であり、「高等 こうとう 学校 がっこう 卒業 そつぎょう の資格 しかく 」を与 あた えるものではない 。このため、必 かなら ずしも高卒 こうそつ と同等 どうとう の扱 あつか いを受 う けられるとは限 かぎ らず、就職 しゅうしょく の際 さい に不利 ふり になるケースもある[50] [51] 。また、因果 いんが 関係 かんけい は不明 ふめい であるものの、高 こう 認 みとめ から大学 だいがく を受験 じゅけん し、面接 めんせつ で不 ふ 合格 ごうかく となった例 れい が確認 かくにん されている[52] 。
また、高校 こうこう に在学 ざいがく しながらの高 こう 認 みとめ 取得 しゅとく も可能 かのう である。高校 こうこう で必要 ひつよう 単位 たんい を修得 しゅうとく した科目 かもく は免除 めんじょ されるため、高 こう 認 みとめ を受験 じゅけん する場合 ばあい でも、何 なん らかの高校 こうこう に在籍 ざいせき したほうが有利 ゆうり である。高校 こうこう の全 ぜん 課程 かてい を修了 しゅうりょう すれば、大学 だいがく への推薦 すいせん 入学 にゅうがく も可能 かのう になる。これは高 こう 認 みとめ のみでも不可能 ふかのう ではないが、容易 たやす さが異 こと なる。
さらに、大学 だいがく 受験 じゅけん を希望 きぼう する場合 ばあい 、高 こう 認 みとめ や通信 つうしん 制 せい 高校 こうこう の内容 ないよう と、平均 へいきん 的 てき な大学 だいがく 受験 じゅけん で必要 ひつよう とされる内容 ないよう の格差 かくさ が大 おお きいことに、注意 ちゅうい する必要 ひつよう がある。また、高 こう 認 みとめ に限 かぎ らず、通信 つうしん 制 せい 高校 こうこう (一部 いちぶ [注 ちゅう 21] を除 のぞ く)では、数学 すうがく III・数学 すうがく C など、理系 りけい 学部 がくぶ の受験 じゅけん で求 もと められることの多 おお い科目 かもく が受講 じゅこう できない。
なお近年 きんねん 、広域 こういき 通信 つうしん 制 せい 高校 こうこう などが「サポート校 こう 」と呼 よ ばれる無認可 むにんか の教育 きょういく 施設 しせつ を展開 てんかい している。それらは、通信 つうしん 制 せい 高校 こうこう の卒業 そつぎょう や高 こう 認 みとめ の合格 ごうかく を目指 めざ す子 こ どもへの学習 がくしゅう 支援 しえん を行 おこな う一方 いっぽう で、その脱法 だつほう 行為 こうい や教育 きょういく の質 しつ が問題 もんだい となっている。構造 こうぞう 改革 かいかく 特区 とっく 法 ほう に基 もと づく株式会社 かぶしきがいしゃ 立 りつ の通信 つうしん 制 せい 高校 こうこう の7割 わり が、同 どう 法 ほう の禁 きん ずる特区 とっく 外 がい での教育 きょういく 活動 かつどう をしていた。文部 もんぶ 科学 かがく 省 しょう の担当 たんとう 者 しゃ は、「脱法 だつほう 行為 こうい であるうえに教育 きょういく の質 しつ も低 ひく く、高卒 こうそつ 資格 しかく を売 う り物 もの にしたビジネスになっている」 と述 の べている[53] 。
新 あたら しい環境 かんきょう を求 もと めて転校 てんこう を希望 きぼう する児童 じどう 生徒 せいと もいる。公立 こうりつ 学校 がっこう の場合 ばあい 、正当 せいとう な事由 じゆう があれば、教育 きょういく 委員 いいん 会 かい の裁量 さいりょう により、学区 がっく 外 そと または区域 くいき 外 がい の越境 えっきょう 通学 つうがく が認 みと められている。他 た の自治体 じちたい の小・中学校 しょうちゅうがっこう へ転校 てんこう する区域 くいき 外 がい 就学 しゅうがく は、居住 きょじゅう する自治体 じちたい と受 う け入 い れ先 さき 自治体 じちたい の、それぞれの教育 きょういく 委員 いいん 会 かい の協議 きょうぎ と合意 ごうい が必要 ひつよう であるが、受 う け入 い れ先 さき の教育 きょういく 委員 いいん 会 かい が承諾 しょうだく すれば可能 かのう である。
私立 しりつ 学校 がっこう の場合 ばあい は、特別 とくべつ の事由 じゆう が無 む くとも転校 てんこう が可能 かのう だが、全 すべ ての学校 がっこう が不 ふ 登校 とうこう 理由 りゆう の転校 てんこう を理解 りかい してくれるわけではない。このため、不 ふ 登校 とうこう への十分 じゅうぶん なサポートの有無 うむ も含 ふく めて、学校 がっこう の選定 せんてい が重要 じゅうよう になる。
八王子 はちおうじ 市立 しりつ 高 だか 尾山 おやま 学園 がくえん 小学 しょうがく 部 ぶ ・中学 ちゅうがく 部 ぶ 、京都 きょうと 市立 しりつ 洛 らく 風 ふう 中学校 ちゅうがっこう 、星 ほし 槎中学校 がっこう 、東京 とうきょう シューレ葛飾 かつしか 中学校 ちゅうがっこう などは、不 ふ 登校 とうこう の児童 じどう 生徒 せいと を対象 たいしょう としており、その実態 じったい に配慮 はいりょ した特別 とくべつ の教育 きょういく 課程 かてい を編成 へんせい している[54] 。
自然 しぜん に囲 かこ まれた環境 かんきょう や少 しょう 人数 にんずう 学級 がっきゅう での指導 しどう に期待 きたい し、山村 さんそん 留学 りゅうがく の制度 せいど を活用 かつよう して転校 てんこう する児童 じどう 生徒 せいと もいる[要 よう 出典 しゅってん ] 。また、不 ふ 登校 とうこう の子 こ どもを積極 せっきょく 的 てき に受 う け入 い れる山村 さんそん 留学 りゅうがく 施設 しせつ もある[要 よう 出典 しゅってん ] 。
より開放 かいほう 的 てき な教育 きょういく 環境 かんきょう を求 もと めて、中学 ちゅうがく ・高校 こうこう 段階 だんかい から、主 おも に英語 えいご 圏 けん への海外 かいがい 留学 りゅうがく を選択 せんたく する不 ふ 登校 とうこう 児童 じどう もいる[要 よう 出典 しゅってん ] 。
その他 た 、夜間 やかん 中学校 ちゅうがっこう や通信 つうしん 制 せい 中学校 ちゅうがっこう の利用 りよう も考 かんが えられる。