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標準時ひょうじゅんじ」のはんあいだ差分さぶん

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標準時ひょうじゅんじもちいる[[子午線しごせん]]としてはどのような子午線しごせんることも可能かのうではあるけれども、相互そうご便宜べんぎのため[[協定きょうてい世界せかい]]('''UTC'''){{efn|かつては[[グリニッジ標準時ひょうじゅんじ|グリニッジ平均へいきん]]や[[世界せかい]]}}とのが1あいだもしくは30ぶん整数せいすうばいとなる経度けいど子午線しごせんもちいることがおおい。その経度けいど選定せんていは、くに地域ちいきひろがる経度けいど範囲はんい中心ちゅうしんや、人口じんこう密度みつど都市とし位置いち、その標準時ひょうじゅんじ使つかわれる地域ちいきあいだ時差じさなどが考慮こうりょされる。
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このように時差じさが1あいだ整数せいすうばいとなる標準時ひょうじゅんじのことをとくに'''けいたい'''(けいたいじ、{{lang-en-short|zone time}})という。[[公海こうかい]]じょう航行こうこうする艦船かんせんとうではその子午線しごせん両側りょうがわ7.5範囲はんいにこれを適用てきようする<ref name="上田じょうでん1949" >{{Cite book |和書わしょ |author=上田うえだみのる |authorlink=上田うえだみのる |coauthors= |editor= |editor-link= |others= |translator= |title=天体てんたい観測かんそくほう |edition= |date=1949 |year=1949 |publisher=恒星こうせいしゃ厚生こうせいかく |location=東京とうきょう |series= |volume= |language= |origdate= |origyear= |isbn= |ncid= |naid= |oclc= |doi=10.11501/1063797 |url= |archive-url= |archive-date= |url-status= |format= |access-date= |asin= |lccn= |id={{NDLBibID|000000676979}}、{{NDLDC|1063797/12|format=NDLJP}} |page=15 |chapter=けいたい |chapterurl= |quote=……英國えいこく海軍かいぐんおいては、グリニツチ整數せいすうだけことなるけいたい (Zone Time)をもちいひる。その範圍はんいは、相當そうとう子午線しごせん兩側りょうがわへ7.5づゝひろがる水域すいいき適用てきようするもので、日本にっぽん海軍かいぐんおいても…… |ref=}}</ref><ref>{{Cite book |和書わしょ |author=関口せきぐちただしはじめ |authorlink=関口せきぐちただしはじめ |coauthors= |editor= |editor-link= |others= |translator= |title=時刻じこくはかかた : 日時計ひどけいつくかた |edition= |date=1955 |year=1955 |publisher=恒星こうせいしゃ厚生こうせいかく |location=東京とうきょう |series=たのしい理科りか教室きょうしつ ; 6 |volume= |language= |origdate= |origyear= |isbn= |ncid= |naid= |oclc= |doi=10.11501/1629856 |url= |archive-url= |archive-date= |url-status= |format= |access-date= |asin= |lccn= |id={{NDLBibID|000000817429}}、{{NDLDC|1629856/25|format=NDLJP}} |page=43 |chapter=だいしょう 時刻じこく天文学てんもんがく 15 けいたいにち変更へんこうせん |chapterurl= |quote=だい多数たすうくに標準時ひょうじゅんじとして世界せかいとちょうどなに時間じかんかずつのあるような時間じかん採用さいようしています。これをけいたいといいます。 |ref=}}</ref><ref>{{Cite book |和書わしょ |editor=海上保安庁かいじょうほあんちょう水路すいろ |editor-link=海洋かいよう情報じょうほう |title=天体てんたい位置いちひょう |date=1958-03-30 |year=1958 |publisher=海上保安庁かいじょうほあんちょう |location=東京とうきょう |series= |volume=昭和しょうわ34ねん |language= |doi=10.11501/12607973 |access-date=2024-06-11 |id={{NDLJP|12607973/246}} |pages=473-474 |chapter=天文てんもん略説りゃくせつ 6.標準時ひょうじゅんじ |chapterurl= |quote= |ref=}}</ref><ref>{{Cite journal |和書わしょ |author=進士しんしあきら |authorlink=進士しんしあきら |date=1975-03-25 |year=1975 |title=しんUTCと無線むせんほう信号しんごう |journal=航海こうかい |volume=40 |issue= |pages=41-50 |publisher=日本にっぽん航海こうかい学会がっかい |location=東京とうきょう |issn= 2433-1198 |crid= |doi= |hdl= |pmid= |id= |isbn= |url= |format= |accessdate= |quote=}}</ref><ref>{{Cite web |和書わしょ |url=https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000088193 |title=レファレンス事例じれい 日本にっぽん降伏ごうぶく文書ぶんしょに「せんきゅうひゃくよんじゅうねんきゅうがつにち『アイ、タイム』午前ごぜんきゅうよんふん日本国にっぽんこく東京とうきょうわんじょうニ於テ署名しょめいス」として、とき外務がいむ大臣だいじん重光しげみつまもる署名しょめいがある。 この『アイ、タイム』とはなにのことか。 |trans-title= |accessdate=2024-06-11 |author=国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん |authorlink=国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん |coauthors= |date=2011-06-29 |year=2011 |format=html |website=[[レファレンス協同きょうどうデータベース]] |work= |publisher=国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん |page= |pages= |quote= |language= |archiveurl= |archivedate= |deadlinkdate= |url-status= |doi= |hdl= |ref=}}</ref>。
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共通きょうつう標準時ひょうじゅんじ使つか地域ちいき全体ぜんたいを'''[[とうたい]]'''('''時刻じこくたい'''、'''標準時ひょうじゅんじあいだたい'''、'''時間じかんたい'''、'''タイムゾーン'''とも)といいその地域ちいき標準時ひょうじゅんじしめさいには[[協定きょうてい世界せかいとの|UTCとの]]でしめすことがある。また、くにによっては[[夏時間なつじかん]]({{lang-en-short|summer time|links=no}}、サマータイム)が使つかわれる。
共通きょうつう標準時ひょうじゅんじ使つか地域ちいき全体ぜんたいを'''[[とうたい]]'''('''時刻じこくたい'''、'''標準時ひょうじゅんじあいだたい'''、'''時間じかんたい'''、'''タイムゾーン'''とも)といいその地域ちいき標準時ひょうじゅんじしめさいには[[協定きょうてい世界せかいとの|UTCとの]]でしめすことがある。また、くにによっては[[夏時間なつじかん]]({{lang-en-short|summer time|links=no}}、サマータイム)が使つかわれる。

2024ねん6がつ15にち (土) 01:57時点じてんにおける最新さいしんばん

標準時ひょうじゅんじ(ひょうじゅんじ、えい: standard time略語りゃくごSTDT)は、ある国家こっかまたはひろ地域ちいき共通きょうつう使つか地方ちほうをいう[注釈ちゅうしゃく 1]

概要がいよう[編集へんしゅう]

地方ちほうとはある地域ちいきまたは地点ちてん時刻じこくし、元来がんらい平均へいきん太陽たいようもちいた。これは観測かんそく地点ちてん依存いぞんする時刻じこくであり、経度けいど1ちがいで4ぶん時差じさじさが、経度けいど15ちがいで1あいだ時差じさ発生はっせいする。したがってはなれた都市としはそれぞれの時刻じこくもちいることとなり、共通きょうつう時刻じこくわせることはなかった。これにたいして標準時ひょうじゅんじでは、ひろ地域ちいき共通きょうつう時刻じこくもちいる。

標準時ひょうじゅんじもちいる子午線しごせんとしてはどのような子午線しごせんることも可能かのうではあるけれども、相互そうご便宜べんぎのため協定きょうてい世界せかいUTC[注釈ちゅうしゃく 2]とのが1あいだもしくは30ぶん整数せいすうばいとなる経度けいど子午線しごせんもちいることがおおい。その経度けいど選定せんていは、くに地域ちいきひろがる経度けいど範囲はんい中心ちゅうしんや、人口じんこう密度みつど都市とし位置いち、その標準時ひょうじゅんじ使つかわれる地域ちいきあいだ時差じさなどが考慮こうりょされる。 このように時差じさが1あいだ整数せいすうばいとなる標準時ひょうじゅんじのことをとくけいたい(けいたいじ、えい: zone time; ZT[1])といい、公海こうかいうえ航行こうこうする艦船かんせんとうではその子午線しごせん両側りょうがわ7.5範囲はんいにこれを適用てきようする[2][3][4][5][6]

共通きょうつう標準時ひょうじゅんじ使つか地域ちいき全体ぜんたいひとしときおび時刻じこくたい標準時ひょうじゅんじあいだたい時間じかんたいタイムゾーンとも)といいその地域ちいき標準時ひょうじゅんじしめさいにはUTCとのしめすことがある。また、くにによっては夏時間なつじかんえい: summer time、サマータイム)が使つかわれる。

ひとしときおび地図ちず

標準時ひょうじゅんじ歴史れきし[編集へんしゅう]

標準時ひょうじゅんじ導入どうにゅうされる以前いぜんは、各々おのおの自治体じちたいごとに(もしそのまち時計とけいがあれば)そのまちでの太陽たいよう位置いちわせて時計とけいわせていた。すなわち都市とし観測かんそく地点ちてんごとにさだめた平均へいきん太陽たいようであった(地方ちほう平均へいきん)。移動いどうしゃ移動いどうたび時計とけいわせなお必要ひつようがあった。

鉄道てつどう敷設ふせつされる以前いぜんはこれで十分じゅうぶんっていたが、鉄道てつどうによってそれまでよりも格段かくだんはや広範囲こうはんい移動いどうできるようになると、頻繁ひんぱん時計とけいわせなお必要ひつようしょうじた。また鉄道てつどう運行うんこう自体じたいあたえる影響えいきょう無視むしできなくなった。

この問題もんだい解決かいけつするために、ある地域ちいきない鉄道てつどう運行うんこうかかわるすべての時計とけい共通きょうつう時刻じこくもちいるという「鉄道てつどう時間じかん」、のちに「標準時ひょうじゅんじ」、の仕組しくみがイギリスでまれた。この共通きょうつう時刻じこくとしては、基準きじゅんとなる地点ちてん平均へいきん太陽たいようもちいた。イギリスではロンドンの時間じかん、すなわちグリニッジ平均へいきんをこれにもちいた。時刻じこくわせるには、当初とうしょ時計とけいはこんだが、のちグリニッジ天文台てんもんだいから電信でんしんつたえる仕組しくみとなった。

標準時ひょうじゅんじかんがかた世界せかい全体ぜんたい適用てきようすると、世界せかいはいくつかのひとしときおび (time zone) に分割ぶんかつされる。それぞれのひとしときおびは(すくなくとも理論りろんてきには)15経度けいど範囲はんいをカバーする。これら各々おのおのひとしときおびないぞくする時計とけいすべ共通きょうつう時刻じこく標準時ひょうじゅんじ)にわせられ、となひとしときおびあいだは1あいだずつ時刻じこくがずれている。

1884ねん国際こくさい子午線しごせん会議かいぎにおいて、グリニッジ子午線しごせん本初ほんしょ子午線しごせんとして国際こくさいてき採用さいようされ、したがってグリニッジ平均へいきん世界せかいかく地域ちいき標準時ひょうじゅんじ基準きじゅん地位ちい獲得かくとくした。

この会議かいぎではサンドフォード・フレミングきょう(en)がひとしときおび仕組しくみを提案ていあんしたが、本初ほんしょ子午線しごせん決定けっていするという会議かいぎ目的もくてきからはずれるという理由りゆう採用さいよう見送みおくられた。しかし実際じっさいには1929ねんまでには主要しゅようくにのほとんどがひとしときおび採用さいようした。

また、1918ねんには、世界せかい大洋たいよう航行こうこうする艦船かんせんにおいては(経度けいど測定そくていようクロノメーターとはべつに)日常にちじょう使用しようする時刻じこく毎日まいにち正午しょうごふね位置いちする(とかんがえられる)子午線しごせん地方ちほうわせていたが、イギリスの通商つうしょうにおいて、この慣習かんしゅうあらためて海上かいじょうにおいても、陸上りくじょうにおいて当時とうじおおくのくに採用さいようしている標準時ひょうじゅんじ同様どうよう時刻じこくけい採用さいようすることの可否かひについて関係かんけいしゃ詳細しょうさい意見いけんあつめた[7]。 その結果けっかイギリス海軍かいぐんにおいてはグリニッジ平均へいきん整数せいすうだけことなるけいたいもちいることになり[2]日本にっぽん海軍かいぐんにおいても同様どうよう海軍かいぐん艦船かんせん使用しよう規則きそく大正たいしょう10ねん海軍かいぐん省令しょうれいだい18ごう)を1922ねん大正たいしょう11ねん)4がつ1にちから施行しこうして、艦船かんせん公海こうかいじょうにあるときはその所在しょざいする時刻じこくたいとき使用しようすることになった[8][9]

北米ほくべい・ニュージーランド[編集へんしゅう]

アメリカカナダでは、1883ねん11月18にち両国りょうこく鉄道てつどう会社かいしゃによって標準時ひょうじゅんじこくたいによる鉄道てつどう時間じかん導入どうにゅうされた。当時とうじ新聞しんぶんはこのを「2つの正午しょうごをもつ」といた。このとき、政府せいふ時刻じこくについての立法りっぽう措置そち決定けっていとくおこなわなかった。鉄道てつどう会社かいしゃは5つの時刻じこくたい単純たんじゅん採用さいようし、市民しみんもこれにしたがうものとかんがえた。鉄道てつどう経営けいえいしゃ組織そしきであるアメリカ鉄道てつどう協会きょうかい (American Railway Association, ARA) は、時刻じこく標準ひょうじゅんすることにたいして一般いっぱん科学かがくてき関心かんしんたかまりつつあることにづいていた。そこでARAは、当時とうじ存在そんざいしていたそれぞれの鉄道てつどう路線ろせん境界きょうかいわせて不規則ふきそく境界きょうかいせんをもつ独自どくじ時刻じこくたい考案こうあんした。これは一部いちぶには、政府せいふによって鉄道てつどう経営けいえい不便ふべん時刻じこくたい採用さいようされてしまうのをまえもってけるためであったとかんがえられる。

おおくの人々ひとびとはこのあたらしい時刻じこく鉄道てつどう時間じかん」を単純たんじゅんれたが、これには法的ほうてき裏付うらづけがまったくないとして拒否きょひするぐんすくなくなかった。法律ほうりつ規定きていがないと、たとえば契約けいやくしょ満了まんりょう期限きげんとして深夜しんや (midnight) とかれていた場合ばあい、この深夜しんやはいつを意味いみするのかといったことが問題もんだいになる。アイオワしゅう最高さいこう裁判所さいばんしょ審理しんりされたある裁判さいばんでは、閉店へいてん時間じかん違反いはんわれたある酒場さかば経営けいえいしゃ自分じぶんは「鉄道てつどう時間じかん」ではなく地方ちほう太陽たいようもとづいて営業えいぎょうしていると主張しゅちょうして無罪むざいとなったれいがあった。その標準時ひょうじゅんじ地域ちいき問題もんだいとなっていたが、1918ねんにサマータイムの導入どうにゅう一部いちぶとして標準時ひょうじゅんじ法律ほうりつ制定せいていされた。

1868ねん11月2にちにはニュージーランド全国ぜんこく使つかわれる標準時ひょうじゅんじ公式こうしき採用さいようした。名称めいしょうはニュージーランド平均へいきん (New Zealand Mean Time) 。おそらくこれが国内こくない単一たんいつ標準時ひょうじゅんじ採用さいようした最初さいしょくにであったとかんがえられる。ニュージーランドの標準時ひょうじゅんじ東経とうけい17230ぶん経度けいどもとづくもので、グリニッジ平均へいきんより11あいだ30ふんすすんだ時刻じこくとなっている。

協定きょうてい世界せかい[編集へんしゅう]

かく地域ちいき標準時ひょうじゅんじは、グリニッジ平均へいきん基準きじゅんとして採用さいようし、を1あいだもしくは30ふん単位たんい設定せっていすることが歴史れきしてきおおかった。

その現行げんこう協定きょうてい世界せかい (UTC) が実施じっしされた翌年よくねんの、1973ねんシドニー開催かいさいされた国際こくさい天文学てんもんがく連合れんごう (IAU) だい15かい総会そうかいにおいて、すべてのくに標準時ひょうじゅんじ通報つうほうのための基礎きそとして、グリニッジ平均へいきんわってUTC を採用さいようすることが勧告かんこくされた[10]以降いこう協定きょうてい世界せかい (UTC) が、おおくのくに法定ほうてい常用じょうよう基準きじゅんとなった。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 日本にっぽんでは本来ほんらい標準時ひょうじゅんじのことを「地方ちほう標準時ひょうじゅんじ」とぶことがある。これは日本にっぽんではグリニッジ平均へいきんを「グリニッジ標準時ひょうじゅんじ」とやくすことがおおいので、「標準時ひょうじゅんじ」という言葉ことば概念がいねん混乱こんらんきやすいためとおもわれる。
  2. ^ かつてはグリニッジ平均へいきん世界せかい

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ 日本にっぽん海洋かいようデータセンター (1998ねん6がつ). “海洋かいよう略語りゃくご辞典じてん” (PDF). 日本にっぽん海洋かいようデータセンター. 海洋かいよう略語りゃくご辞典じてん. 日本にっぽん海洋かいようデータセンター. p. 120. 2014ねん9がつ1にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2024ねん6がつ15にち閲覧えつらん
  2. ^ a b 上田うえだみのるけいたい」『天体てんたい観測かんそくほう恒星こうせいしゃ厚生こうせいかく東京とうきょう、1949ねん、15ぺーじdoi:10.11501/1063797国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん書誌しょしID:000000676979NDLJP:1063797/12。"……英國えいこく海軍かいぐんおいては、グリニツチ整數せいすうだけことなるけいたい (Zone Time)をもちいひる。その範圍はんいは、相當そうとう子午線しごせん兩側りょうがわへ7.5づゝひろがる水域すいいき適用てきようするもので、日本にっぽん海軍かいぐんおいても……"。 
  3. ^ 関口せきぐちただしはじめだいしょう 時刻じこく天文学てんもんがく 15 けいたいにち変更へんこうせん」『時刻じこくはかかた : 日時計ひどけいつくかた恒星こうせいしゃ厚生こうせいかく東京とうきょうたのしい理科りか教室きょうしつ ; 6〉、1955ねん、43ぺーじdoi:10.11501/1629856国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん書誌しょしID:000000817429NDLJP:1629856/25。"だい多数たすうくに標準時ひょうじゅんじとして世界せかいとちょうどなに時間じかんかずつのあるような時間じかん採用さいようしています。これをけいたいといいます。"。 
  4. ^ 海上保安庁かいじょうほあんちょう水路すいろ へん天文てんもん略説りゃくせつ 6.標準時ひょうじゅんじ」『天体てんたい位置いちひょう昭和しょうわ34ねん海上保安庁かいじょうほあんちょう東京とうきょう、1958ねん3がつ30にち、473-474ぺーじdoi:10.11501/12607973NDLJP:12607973/246 
  5. ^ 進士しんしあきらしんUTCと無線むせんほう信号しんごう」『航海こうかいだい40かん日本にっぽん航海こうかい学会がっかい東京とうきょう、1975ねん3がつ25にち、41-50ぺーじISSN 2433-1198 
  6. ^ 国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん (2011ねん6がつ29にち). “レファレンス事例じれい 日本にっぽん降伏ごうぶく文書ぶんしょに「せんきゅうひゃくよんじゅうねんきゅうがつにち『アイ、タイム』午前ごぜんきゅうよんふん日本国にっぽんこく東京とうきょうわんじょうニ於テ署名しょめいス」として、とき外務がいむ大臣だいじん重光しげみつまもる署名しょめいがある。 この『アイ、タイム』とはなにのことか。” (html). レファレンス協同きょうどうデータベース. 国立こくりつ国会こっかい図書館としょかん. 2024ねん6がつ11にち閲覧えつらん
  7. ^ 日本にっぽん天文てんもん学会がっかいへん)「雑報ざっぽう 海上かいじょうにて万国ばんこく共通きょうつう標準時ひょうじゅんじ採用さいよう」(PDF)『天文てんもん月報げっぽうだい11かんだい8ごう日本にっぽん天文てんもん学会がっかい東京とうきょう、1918ねん11月、131ぺーじISSN 0374-2466NCID AN00154555NDLJP:3303979/102014ねん1がつ12にち閲覧えつらん 
  8. ^ 水路すいろ へん海軍かいぐん艦船かんせん使用しよう規則きそく」『東洋とうよう灯台とうだいひょう大正たいしょう11ねん上巻じょうかん水路すいろ東京とうきょう、1922ねん5がつ17にち、213-215ぺーじdoi:10.11501/933816NDLJP:933816/135 
  9. ^ 水路すいろ へん天文てんもん略説りゃくせつ 7.時刻じこくたい船舶せんぱく使用しよう」『天體てんたい位置いちひょう昭和しょうわ18ねん水路すいろ東京とうきょう書誌しょし ; だい684ごう〉、1942ねん12月30にち、475ぺーじdoi:10.11501/10304773NDLJP:10304773/244 
  10. ^ IAU (1973ねん8がつ). ⅩⅤth General Assembly, Sydney, Australia, 1973 / ⅩⅤe Assemblee Generale, Sydney, Australie, 1973 (pdf). IAU General Assembly (英語えいご/フランス語ふらんすご). Paris: The International Astronomical Union. p. 20. 2014ねん1がつ17にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]