アラビア語

アラビア語ご
اللغة العربية
「アラビア語ご」と書かいたアラビア語ご（ナスフ体たい）
発音はつおん	IPA: [alːuɣatu‿lʕarabiːja]
話はなされる国くに	アラブ首長しゅちょう国こく連邦れんぽう、アルジェリア、イエメン、イスラエル、イラク、イラン、エジプト、エリトリア、オマーン、カタール、ガンビア、クウェート、コモロ、サウジアラビア、西にしサハラ、シリア、スーダン、ソマリア（ソマリランド含ふくむ）、チャド、チュニジア、パレスチナ（ガザ地区ちく・ヨルダン川よるだんがわ西岸せいがん地区ちく）、バーレーン、マリ、モーリタニア、モロッコ、ヨルダン、リビア、レバノン
地域ちいき	西にしアジア、アフリカ
話者わしゃ数すう	約やく2億おく3500万まん人にん
言語げんご系統けいとう	アフロ・アジア語族ごぞく セム語ご派は 西方せいほうセム語ご 中央ちゅうおうセム語ご アラビア語ご
表記ひょうき体系たいけい	アラビア文字もじ ギリシャ文字もじ（キプロス） シリア文字もじ（シリア） ラテン文字もじ（キプロス）
公的こうてき地位ちい
公用こうよう語ご	アラブ首長しゅちょう国こく連邦れんぽう アルジェリア イエメン イラク エジプト エリトリア オマーン カタール クウェート コモロ サウジアラビア 西にしサハラ シリア スーダン、ソマリア ソマリランド チャド チュニジア パレスチナ国こく バーレーン モーリタニア モロッコ ヨルダン リビア レバノン 国際こくさい連合れんごう アラブ連盟れんめい イスラム協力きょうりょく機構きこう アフリカ連合れんごう
少数しょうすう言語げんごとして 承認しょうにん	イスラエル キプロス セネガル ニジェール フィリピン マリ 南みなみアフリカ共和きょうわ国こく
統制とうせい機関きかん	アラビア語ごアカデミー
言語げんごコード
ISO 639-1	ar
ISO 639-2	ara
ISO 639-3	ara – マクロランゲージ 個別こべつコード: aao — アラビア語ごアルジェリア・サハラ方言ほうげん abh — アラビア語ごタジク方言ほうげん abv — アラビア語ごバーレーン方言ほうげん acm — アラビア語ごメソポタミア方言ほうげん acq — アラビア語ごタイズ＝アデン方言ほうげん acw — アラビア語ごヒジャーズ方言ほうげん acx — アラビア語ごオマーン方言ほうげん acy — アラビア語ごキプロス方言ほうげん adf — アラビア語ごドファール方言ほうげん aeb — アラビア語ごチュニジア方言ほうげん aec — アラビア語ごサイード方言ほうげん afb — アラビア語ご湾岸わんがん方言ほうげん apc — アラビア語ごレバント方言ほうげん apd — アラビア語ごスーダン方言ほうげん arb — 標準ひょうじゅんアラビア語ご（フスハー） arq — アラビア語ごアルジェリア方言ほうげん ars — アラビア語ごナジュド方言ほうげん ary — アラビア語ごモロッコ方言ほうげん arz — アラビア語ごエジプト方言ほうげん auz — アラビア語ごウズベク方言ほうげん avl — アラビア語ご東ひがしエジプト・ベドウィン方言ほうげん ayh — アラビア語ごハドラマウト方言ほうげん ayl — アラビア語ごリビア方言ほうげん ayn — アラビア語ごサナア方言ほうげん ayp — アラビア語ご北きたメソポタミア方言ほうげん pga — スーダン・クレオールアラビア語ご shu — アラビア語ごチャド方言ほうげん ssh — アラビア語ごシフフ方言ほうげん
アラビア語ごが公用こうよう語ごの国くに・地域ちいき 緑みどり：アラビア語ごが唯一ゆいいつの公用こうよう語ご 青あお：アラビア語ごがいくつかの公用こうよう語ごの一ひとつ 水色みずいろ：アラビア語ごが地域ちいき/マイノリティ言語げんご

アラビア語ご（アラビアご、亜あ剌比亜あ語ご、اللغة العربية, al-lughah al-ʿarabīyah, アッ＝ルガ・アル＝アラビーヤ, 実際じっさいの発音はつおん：アッ=ルガトゥ・ル=アラビーヤ、略称りゃくしょう：العَرَبِيَّة, al-al-lughah al-ʿarabīyah [ʔalʕaraˈbij.ja] ( 音声おんせいファイル)）は、アフロ・アジア語族ごぞくのセム語ご派はに属ぞくする言語げんごの一ひとつ。

もともとアラビア半島はんとうで話はなされていたが、現在げんざいでは主おもに西にしアジアや北きたアフリカのアラブ世界せかいで広ひろく話はなされている。世界せかいで3番目ばんめに多おおくの国くにと地域ちいきで使用しようされている言語げんごであり、27か国こくで公用こうよう語ごとされている。また、国連こくれんの公用こうよう語ごであり、国連こくれん発足ほっそく後ごに追加ついかされた唯一ゆいいつの言語げんごである。

フスハーとアーンミーヤ

現代げんだいのアラビア語ごは、次つぎの2つに大おおきく分類ぶんるいされている。

• フスハー（正則せいそくアラビア語ご・現代げんだい標準ひょうじゅんアラビア語ご・MSA) ：文章ぶんしょうや公的こうてきな場面ばめんで用もちいられる。
• アーンミーヤ：各地かくちの方言ほうげん。日常にちじょう会話かいわで用もちいられる。

言語げんご学がくにおいてアラビア語ごは二に言語げんご使つかい分わけの典型てんけいとされる。同様どうようの二に言語げんご使つかい分わけには中世ちゅうせいのカトリック教会きょうかい地域ちいきにおけるラテン語らてんごとロマンス諸語しょごがある。

フスハー

フスハー（正則せいそくアラビア語ご）はアラブ諸国しょこくの共通きょうつう語ごであり、アラビア文字もじで書かかれる。起源きげんは西暦せいれき4世紀せいきごろのアラビア半島はんとうにさかのぼるといわれ、イスラーム文明ぶんめいの出現しゅつげんと拡大かくだいにともなって北きたアフリカにまで使用しよう地域ちいきが広ひろがり、現在げんざいまで言語げんごとして大おおきく変かわらずに使つかわれている。

イスラームの聖典せいてんであるクルアーンは古典こてんアラビア語ごで書かかれているが、これはムハンマドがいたヒジャーズ地方ちほうのアラビア語ごをかなり反映はんえいしていると考かんがえられる。クルアーンの記述きじゅつによれば、イスラームを伝つたえるために神かみが選えらんだのがアラビア語ごだったことから、ムスリムはこれを「アッラーの言葉ことば」としてとらえている。クルアーン(コーラン)はアラビア語ごで詠唱えいしょうして音韻おんいんをふむように書かかれ、またアラビア語ご原典げんてんがアッラーが人類じんるいに与あたえたオリジナル版ばんとされるため、翻訳ほんやくは教義きょうぎ上じょう原則げんそく禁きんじられる。クルアーンの勉強べんきょうや暗誦あんしょうは敬虔けいけんなイスラム教徒きょうとの必須ひっすの義務ぎむとされるが、クルアーンを学まなぶためには必然ひつぜん的てきにアラビア語ごを読よめなくてはならず、アフリカからトルコ、インド、東南とうなんアジアにかけてのイスラム圏けんでは、アラビア語ごがイスラム知識ちしき人じん層そうの共通きょうつう語ごとして通用つうようしている。

オスマン帝国ていこく時代じだいまでに書かき言葉ことばとしてのフスハーは衰退すいたいしたが、話はなし言葉ことばとしては続つづけて用もちいられていた。近代きんだいになると書かき言葉ことばは簡単かんたんなものとして練ねり直なおされ、近代きんだい以降いこうの新あたらしい概念がいねんに対応たいおうする新語しんごが大量たいりょうに追加ついかされることで、現代げんだいにおいて使用しようされている現代げんだいのフスハーが成立せいりつした。

フスハーはアラビア語ごにおいて公的こうてきな面めんを代表だいひょうする言語げんごであり、宗教しゅうきょう関係かんけいのほかに、学術がくじゅつ関係かんけいや書籍しょせき・雑誌ざっし・新聞しんぶんなどの文章ぶんしょうはもちろん、公的こうてきな場ばでの会話かいわやテレビニュースなどの改あらたまった場ばにおいても使用しようされる。また、非ひネイティブ向むけのアラビア語ご教育きょういくもフスハーで行おこなわれる。

一方いっぽうで、日常にちじょう会話かいわにおいてはフスハーが使用しようされることは少すくない。

アーンミーヤ

アーンミーヤないし方言ほうげんは日常にちじょう会話かいわで用もちいられる話はなし言葉ことばであり、国くに・地域ちいきごとに異ことなる。正字せいじ法ほうは無ないが、私信ししんや、大衆たいしゅう向むけの小説しょうせつや演劇えんげき、詩歌しかはアーンミーヤで書かかれる。　

湾岸わんがん方言ほうげん、ヒジャーズ方言ほうげん、イラク方言ほうげん、シリア方言ほうげん、レバノン方言ほうげん、パレスチナ方言ほうげん、エジプト方言ほうげん、スーダン方言ほうげん、マグリブ方言ほうげん、ハッサニヤ方言ほうげんなどに大別たいべつされ、それぞれの地域ちいきのなかでも違ちがいがある。地域ちいきによっては、宗派しゅうはごとに話はなされる差異さいがあるとされる。また、遊牧民ゆうぼくみん・農村のうそん・都市としといった生活せいかつ形態けいたいによって、地域ちいきを越こえた共通きょうつうの特徴とくちょうがあるとされる。

エジプト方言ほうげん、シリア方言ほうげん、レバノン方言ほうげんなどはマスメディアで多用たようされるためアラブ世界せかい各地かくちで理解りかいされる一方いっぽう、異ことなる地域ちいきの住民じゅうみん同士どうしでは会話かいわに支障ししょうが出でることもある。

また、非ひネイティブ向むけのアラビア語ご教育きょういくは主おもにフスハーで行おこなわれるが、日常にちじょう会話かいわをスムーズに行おこなうには現地げんちのアーンミーヤを習得しゅうとくする必要ひつようがある。

アラビア語ごの特徴とくちょう

多おおくの単語たんごは、三みっつの子音しいんを語根ごこんとして分析ぶんせきすることができる。そこに、母音ぼいんや接頭せっとう辞じ、接尾せつび辞じ、接せっ中ちゅう辞じを付つけて、語彙ごいを派生はせいしたり、活用かつようしたりする。形態けいたい論ろん的まとには屈折くっせつ語ごである。

文字もじ

詳細しょうさいは「アラビア文字もじ」を参照さんしょう

アラビア語ごの表記ひょうきには、通常つうじょうはアラビア文字もじが用もちいられる。フスハーはアラビア文字もじによる正書法せいしょほうを持もち、アーンミーヤも文字もじ化かする際さいは一般いっぱんにアラビア文字もじが用もちいられる。ただし、マルタ語ごはラテン文字もじによる正書法せいしょほうを持もつ。以下いかは、アラビア文字もじの主おもな特徴とくちょうである。

• 文字もじ一覧いちらんはアラビア文字もじの項こうを参照さんしょう。それぞれの独立どくりつ形がたが左右さゆうの文字もじと繋つながっていく（ただし例外れいがいが6文字もじある）。
• 右みぎから左ひだりへと読よむ。数字すうじは左ひだりから右みぎに綴つづられる。
• 多おおくの書体しょたいが存在そんざいする。「イスラームの書法しょほう」を参照さんしょう。
• 文語ぶんご（フスハー）はもっぱらアラビア文字もじで表あらわされる。アラビア文字もじのアブジャド（慣用かんよう名称めいしょう：アルファベット）は従来じゅうらいのアブジャドにおける第だい1番目ばんめの子音しいんであった声門せいもん閉鎖へいさ音おん（声門せいもん破裂はれつ音おん）としてのアリフ（後世こうせいにハムザ（ء）として分離ぶんりされたもの）と弱じゃく文字もじアリフ（ا）を同時どうじに1番目ばんめに置おくか、弱じゃく文字もじアリフをلا（ラーム・アリフ）として終盤しゅうばんに置おくかで28文字もじと数かぞえるか・29文字もじと数かぞえるかの学説がくせつに分わかれる。
• 大文字おおもじと小文字こもんじの区別くべつはない。ラテン文字もじ転写てんしゃでは人名じんめいなどの語頭ごとうが大文字おおもじで書かかれるが、転写てんしゃの都合つごう上じょうによるもので、もとのアラビア語ごでは固有名詞こゆうめいしの語頭ごとうを何なんらかの違ちがう形かたちで書かくということはされない。
• 口語こうご（アーンミーヤ）には正書法せいしょほうがない。
• アラビア文字もじには母音ぼいんを示しめす文字もじは存在そんざいせず、アブジャドに含ふくまれる子音しいん字じのみでつづられる。長ちょう母音ぼいんの一部いちぶは弱じゃく文字もじを表あらわすためのアリフ（ا）や弱じゃく文字もじと呼よばれる半母音はんぼいんのワーウ（و）ならびにヤー（ي）を用もちいるがこれらは母音ぼいんではなく無む母音ぼいんの子音しいんという扱あつかいとなる。母音ぼいんの情報じょうほうは読よむ側がわが補おぎなって読よまなければならないが、不便ふべんが生しょうじることからウマイヤ朝あさ期きに発音はつおん記号きごうが開発かいはつされた。クルアーン（コーラン）や低てい年齢ねんれい向むけ児童じどう書籍しょせきには正確せいかくな発音はつおんを示しめすために母音ぼいん符号ふごうなどの符号ふごう（シャクル）が付記ふきされる。書道しょどう作品さくひんにおいても、母音ぼいん符号ふごうは装飾そうしょくを兼かねて付記ふきされることが多おおい。まれに、成人せいじん対象たいしょうの詩しや小説しょうせつであっても誤読ごどくを避さけるため自著じちょに母音ぼいん符号ふごうを付記ふきする作家さっかもいる。

発音はつおん

詳細しょうさいは「アラビア語ごの音韻おんいん」を参照さんしょう

• 子音しいんには喉のどの奥おくのほうで [k] や [ɡ] などを発音はつおんするような独特どくとくの発音はつおんがある。
• 母音ぼいんは音韻おんいん論ろん的まとには /a/、/i/、/u/ の3つの短たん母音ぼいんとその長ちょう母音ぼいん、二に重母音じゅうぼいん (/ai/、/au/) を弁別べんべつする。
• 発音はつおん例れい　- アラビア語ご 曜日ようび

文法ぶんぽう

詳細しょうさいは「アラビア語ごの文法ぶんぽう」を参照さんしょう

• 定冠詞ていかんし、前置詞ぜんちしが存在そんざいし、名詞めいしと形容詞けいようし（アラビア語ごでは名詞めいしに分類ぶんるいされる）は格かく（主格しゅかく・属ぞく格かく・対格たいかく）・性せい（男性だんせい・女性じょせい）・数かず（単数たんすう・双そう数すう・複数ふくすう）によって変化へんかする。
• 女性じょせい形がた、男性だんせい・女性じょせい複数ふくすう形がたには基本きほんとなる規則きそく形がたがあるもののそれ以外いがいにもとりうる形かたちが無数むすうに存在そんざいするため、個別こべつに記憶きおくしなければならないものが多おおい。例たとえば、مُدَرِّسٌ (mudarrisun, 先生せんせい) の複数ふくすう形がたは規則きそく形がたであり、語尾ごびに -ūna を付つけて、مُدَرِّسُونَ (mudarrisūna) になるが、صَدِيقٌ（ṣadīqun, 友人ゆうじん）の複数ふくすうは不規則ふきそく形がたであるため、صَدِيقُونَ (ṣadīqūna) とはならず、أَصْدِقَاءُ ('aṣdiqā'u) になる。
• 動詞どうしは3人称にんしょう男性だんせい単数たんすう完了かんりょう形がたを原形げんけいとし、語根ごこん順じゅん配列はいれつの辞典じてんでは、その形かたちで引ひくことになる。原型げんけいを基本きほん型がた、第だい一いち型がたともいう。これに加くわえて、第だい二に型がたから第だい十じゅう五ご型がたまでの派生はせい型がたが存在そんざいするが、現代げんだいアラビア語ごは原則げんそくとして第だい十じゅう型がたまで用もちい、第だい十じゅう一いち型がた以降いこうは色いろの変化へんかなどといった限かぎられた場合ばあいにしか用もちいられず、第だい九きゅう型がたは原則げんそくとして色彩しきさいや人体じんたいの障害しょうがいに関かんする意味いみを持もつ単語たんごである（ただし、派生はせい型がたは西欧せいおうの学者がくしゃが考案こうあんした学習がくしゅう概念がいねんであり、アラビア語ごを母語ぼごとする者ものは用もちいない）。ハンス・ヴェーアによる『現代げんだい文語ぶんごアラビア語ご辞典じてん』をはじめとして、多おおくの辞書じしょは語根ごこん順じゅんに語かたりが配列はいれつされているため、派生はせい型がたの動詞どうしを辞書じしょで参照さんしょうするには、動詞どうしからその語根ごこんすなわち原形げんけいを抽出ちゅうしゅつしなければならず、これが、アラビア語ごを母語ぼごとしない初はつ学者がくしゃにとっての辞書じしょ引びきを困難こんなんにしている。

方言ほうげん

「en:Varieties of Arabic」も参照さんしょう

アラビア語ご諸しょ方言ほうげんの分布ぶんぷ図ず

• Arabic, Ancient North†【xna】—古代こだい北きたアラビア語ご†
• Arabic, Andalusian†【xaa】—アル・アンダルス＝アラビア語ご
• Arabic, Algerian Saharan【aao】—アラビア語ごサハラ方言ほうげん
• Arabic,Central Asian 【[1]】 －アラビア語ご中央ちゅうおうアジア方言ほうげん
• Arabic, Tajiki【abh】—アラビア語ごタジク方言ほうげん
• Arabic, Baharna【abv】—アラビア語ごバーレーン方言ほうげん
• Arabic, Mesopotamian【acm】—アラビア語ごイラク方言ほうげん
• Arabic, Ta'izzi-Adeni【acq】—アラビア語ご南みなみイエメン方言ほうげん
• Arabic, Hijazi【acw】—アラビア語ごヒジャーズ方言ほうげん
• Arabic, Omani【acx】—アラビア語ごオマーン方言ほうげん
• Arabic, Dhofari【adf】—アラビア語ごドファール方言ほうげん
• Arabic, Tunisian【aeb】—アラビア語ごチュニジア方言ほうげん
• Arabic, Saidi【aec】—アラビア語ごサイード方言ほうげん
• Arabic, Gulf【afb】—アラビア語ご湾岸わんがん方言ほうげん
• アラビア語ごレヴァント方言ほうげん
  • Arabic, South Levantine【ajp】—アラビア語ご南みなみレヴァント方言ほうげん
    • アラビア語ごレバノン方言ほうげん
    • アラビア語ごヨルダン方言ほうげん
    • アラビア語ごパレスチナ方言ほうげん
    • アラビア語ごシリア方言ほうげん
  • Arabic, North Levantine【apc】—アラビア語ご北きたレヴァント方言ほうげん
    • アラビア語ご北きたシリア方言ほうげん
  • Arabic, Cypriot【acy】—アラビア語ごキプロス方言ほうげん
  • Arabic, Eastern Egyptian Bedawi【avl】—アラビア語ご東部とうぶエジプト・ベダウィ方言ほうげん
• Arabic, Sudanese【apd】—アラビア語ごスーダン方言ほうげん
• Arabic, Standard【arb】—標準ひょうじゅんアラビア語ご
• Arabic, Algerian【arq】—アラビア語ごアルジェリア方言ほうげん
• Arabic, Najdi【ars】—アラビア語ごナジュド方言ほうげん
• Arabic, Moroccan【ary】—アラビア語ごモロッコ方言ほうげん
• Arabic, Egyptian【arz】—アラビア語ごエジプト方言ほうげん
• Arabic, Uzbeki【auz】—アラビア語ごウズベク方言ほうげん
• Arabic, Hadrami【ayh】—アラビア語ごハドラマウト方言ほうげん
• Arabic, Libyan【ayl】—アラビア語ごリビア方言ほうげん
• Arabic, Sanaani【ayn】—アラビア語ご北きたイエメン方言ほうげん
• Arabic, North Mesopotamian【ayp】—アラビア語ご北きたメソポタミア方言ほうげん
• Hassaniyya【mey】—アラビア語ごハッサニア方言ほうげん
• Maltese【mlt】—マルタ語ご
• Arabic, Chadian【shu】—アラビア語ごチャド方言ほうげん〔Shuwa Arabic：シュワー・アラビア語ご〕
• Arabic, Shihhi【ssh】—アラビア語ごシフフ方言ほうげん
• Arabic, Siculo†【sqr】—アラビア語ごシチリア方言ほうげん†
• Judeo-Arabic【jrb】—ユダヤ＝アラビア語ご
  • Arabic, Judeo-Iraqi【yhd】—ユダヤ＝イラク・アラビア語ご
  • Arabic, Judeo-Moroccan【aju】—ユダヤ＝モロッコ・アラビア語ご
  • Arabic, Judeo-Tripolitanian【yud】—ユダヤ＝トリポリタニア・アラビア語ご
  • Arabic, Judeo-Tunisian【ajt】—ユダヤ＝チュニジア・アラビア語ご
  • Arabic, Judeo-Yemeni【jye】—ユダヤ＝イエメン・アラビア語ご

言語げんご分布ぶんぷ

アラビア語ご話者わしゃの分布ぶんぷ。濃こい緑みどりはアラビア語ご話者わしゃが多数たすうを占しめる地域ちいき、薄うすい緑みどりは少数しょうすうのアラビア語ご話者わしゃが居住きょじゅうする地域ちいきを指さす

現代げんだい標準ひょうじゅんアラビア語ごを公用こうよう語ごとする国家こっか

アジア

アラブ首長しゅちょう国こく連邦れんぽう - イエメン共和きょうわ国こく - イラク共和きょうわ国こく - オマーン国こく -
カタール国こく - クウェート国こく - サウジアラビア王国おうこく - シリア・アラブ共和きょうわ国こく -
バーレーン王国おうこく - パレスチナ国こく - ヨルダン・ハシミテ王国おうこく - レバノン共和きょうわ国こく

アフリカ

アルジェリア民主みんしゅ人民じんみん共和きょうわ国こく - エジプト・アラブ共和きょうわ国こく - エリトリア国こく - コモロ連合れんごう -
西にしサハラ - ジブチ共和きょうわ国こく - スーダン共和きょうわ国こく - ソマリア - ソマリランド - チャド共和きょうわ国こく - チュニジア共和きょうわ国こく -
モーリタニア・イスラム共和きょうわ国こく - モロッコ王国おうこく - リビア国こく

アラビア語ごを公用こうよう語ごとしている国家こっかのうち、アラブ首長しゅちょう国こく連邦れんぽう、イエメン、オマーン、カタール、クウェート、サウジアラビア、シリア、バーレーン、パレスチナ、ヨルダン、レバノン、エジプト、リビア、チュニジアにおいては国民こくみんのほとんどがアラブ人じんで構成こうせいされており、公用こうよう語ごとしてのフスハーと日常にちじょう語ごとしてのアーンミーヤのみを使用しようしている。これはイスラム教徒きょうと以外いがいのアラブ人じんも同様どうようで、たとえばレバノンにはマロン派はなどのキリスト教徒きりすときょうとも多数たすう存在そんざいするが、民族みんぞく的てきにはアラブ人じんであるためそのほとんどはフスハーとアラビア語ごレバノン方言ほうげんを話はなす。アルジェリアにおいては国民こくみんの大半たいはんがアラビア語ごを話はなすものの、カビール語ごなどのベルベル語ご諸語しょご話者わしゃも存在そんざいする。レバノン、アルジェリアでは旧きゅう宗主そうしゅ国語こくごのフランス語ふらんすごも通つうじる。ただし同国どうこくの公用こうよう語ごはアラビア語ごのみとなっている。アラブ人じん多数たすうの上うえでベルベル人じんがかなりの数すう存在そんざいするのは隣国りんごくのモロッコにおいても同様どうようであるが、モロッコでは公用こうよう語ごはアラビア語ごとベルベル語ごの2言語げんご体制たいせいとなっている。モロッコと領有りょうゆう権けんを争あらそっている西にしサハラではアラビア語ごと共ともにスペイン語ごも使つかわれる。イラクにおいては北部ほくぶにクルド人じんが居住きょじゅうしているためにクルド語ごも公用こうよう語ごとなっているが、アラビア語ご話者わしゃは多数たすう派はを占しめている。モーリタニアはアラビア語ごを使用しようするムーア人じんが多数たすうを占しめ、アラビア語ごが公用こうよう語ごとなっているが、南部なんぶを中心ちゅうしんにアラビア語ごを使用しようしない黒人こくじんも多おおく、また旧きゅうフランス領りょうだったためフランス語ふらんすごの影響えいきょう力りょくも強つよい。スーダンもアラブ系けいが多数たすうを占しめるものの、西部せいぶのフール人じんなどのようにアラビア語ごを使用しようしない民族みんぞくも多おおく存在そんざいし、紛争ふんそうが絶たえない。公用こうよう語ごはアラビア語ごと英語えいごの二に言語げんご使用しようとなっている。

こうしたアラブ人じんが多数たすうを占しめる国家こっかに対たいし、住民じゅうみんのほとんどがソマリ語ごを話はなすソマリ人じんであるソマリアや、同おなじくアファル人じんとイッサ人じんが多数たすうを占しめるジブチ、スワヒリ語ごに近ちかいコモロ語ごを主おもに使用しようするコモロなどのような、日常にちじょう語ごとしてアラビア語ごをほとんど使用しようしない地域ちいきにおいてもアラビア語ごが公用こうよう語ごとされることがある。これはこれら諸国しょこくがアラブ諸国しょこくとの経済けいざい的てき・文化ぶんか的てき結むすびつきが強つよく、またイスラム教徒きょうとがほとんどであるため典礼てんれい用よう言語げんごであるフスハーを理解りかいできるものが多おおく存在そんざいするためである。

アラビア語ごを公用こうよう語ごとしている国家こっかは増加ぞうか傾向けいこうにある。これは、かつてイギリスやフランスの植民しょくみん地ちだったアラブ人じん国家こっかが独立どくりつ後ご、公用こうよう語ごを英語えいごやフランス語ふらんすごからアラビア語ごに変更へんこうする傾向けいこうが強つよいためである。特とくにアフリカにおいては、アラビア語ご圏けん以外いがいのほとんどの新しん独立どくりつ国こくが旧きゅう宗主そうしゅ国こくの公用こうよう語ごの使用しようを継続けいぞくしていることと明確めいかくな対比たいひをなしている。こうした公用こうよう語ごの切きり替かえはアラブ人じん国家こっかすべてで行おこなわれたものの、その深度しんどや速度そくどには国くにによって違ちがいがみられた。旧きゅう英えい領りょう諸国しょこくではほとんどの国くにで公用こうよう語ごのアラビア語ご切きり替かえが実施じっしされたものの、旧きゅうフランス領りょう諸国しょこくではモロッコやモーリタニアのように公用こうよう語ごをフランス語ふらんすごとアラビア語ごの2言語げんごとする国家こっかがいくつか存在そんざいし、アルジェリアのように積極せっきょく的てきに言語げんご切きり替かえが行おこなわれた国くにとの差異さいが目立めだった。またアルジェリアにおいても、教育きょういく課程かていのアラビア語ご化かは進すすんだものの官僚かんりょうなど政府せいふの指導しどう層そうがフランス語ふらんすご話者わしゃによって占有せんゆうされている状況じょうきょうを打破だはすることはできなかった。アラビア語ご教育きょういくによって大衆たいしゅうのアラビア語ご化かは進すすんだものの、エリート層そうはフランス語ふらんすご話者わしゃのままだったため、この二に言語げんごの話者わしゃ間あいだに階層かいそう的てきな対立たいりつが生しょうじた。さらにアルジェリアにおけるアラビア語ご化かはイスラム主義しゅぎと結むすびついていたために、イスラム主義しゅぎの台頭たいとうを招まねき、1990年代ねんだいのアルジェリア内戦ないせんへとつながっていくこととなった。

現代げんだい口語こうごアラビア語ごを公用こうよう語ごとする国くに

マルタ共和きょうわ国こくのマルタ語ごは、現代げんだいアラビア語口かたりくち語ごの一いち変種へんしゅである。語彙ごいなどの面めんでヨーロッパ諸語しょご、特とくにイタリア語ごからの借用しゃくようが多おおく、またラテン文字もじで綴つづられる。現代げんだいアラビア語口かたりくち語ご諸語しょごの中なかで国家こっかの公用こうよう語ごとなっているのはマルタ・アラビア語ごのみである。

イスラエルにおけるアラビア語ごの状況じょうきょう

イスラエルにおけるアラビア語ご自治体じちたいの分布ぶんぷ

英国えいこく委任いにん統治とうち領りょう時代じだいのパレスチナにおいては、英語えいご、アラビア語ご、ならびにヘブライ語ごの3か国こく語ごが公用こうよう語ごとされた。そして、1948年ねんのイスラエル建国けんこく後ごは、アラビア語ごとヘブライ語ごのみがイスラエルの公用こうよう語ごとされ、英語えいごは公用こうよう語ごではなくなった。しかしながら、ユダヤ系けいイスラエル人じんの児童じどうや生徒せいとを対象たいしょうとした初等しょとう教育きょういくならびに中等ちゅうとう教育きょういく機関きかんにおいては、公用こうよう語ごであるアラビア語ごよりも公用こうよう語ごではない英語えいごの教育きょういくを重視じゅうししている。アラブ系けいイスラエル人じんの児童じどうや生徒せいとを対象たいしょうとした初等しょとう教育きょういくならびに中等ちゅうとう教育きょういく機関きかんにおいては、ユダヤ系けいイスラエル人じんよりもアラビア語ごやアラブ文学ぶんがくなどに割わり当あてられる時とき間あいだ数すうが多おおい。また、イスラエルにおける雇用こよう条件じょうけんにおいて、多おおくの場合ばあいは「ヘブライ語ごと英語えいごが話はなせること」が語学ごがく的てきな条件じょうけんとして課かされており、公用こうよう語ごであるアラビア語ごは全まったく理解りかいできなくても、イスラエル社会しゃかいにおいては特とくに問題もんだい視しされない。それ故こ、イスラエルにおけるアラビア語ごは、公式こうしきには公用こうよう語ごであるにもかかわらず、事実じじつ上じょうはアラブ系けいイスラエル人じんというマイノリティのみが用もちいる言語げんごになっている。イスラエルのアラブ人じんのかなりが、アラビア語ごのほかにヘブライ語ごも使用しようすることができる。また、現在げんざいのイスラエルにおける通貨つうかや切手きってなどは、ヘブライ語ご、アラビア語ご、ならびに、英語えいごの3か国こく語ごで記載きさいされる。このような状況じょうきょうは建国けんこく以来いらい70年ねん近ちかく続つづいてきたが、ベンヤミン・ネタニヤフ政権せいけんは2017年ねん5月7日にちにアラビア語ごを公用こうよう語ごから外はずして国語こくごへと格下かくさげし、ヘブライ語ごのみを公用こうよう語ごとする閣議かくぎ決定けっていを行おこなった。この閣議かくぎ決定けっていに対たいし、同国どうこくのアラブ人じん政党せいとうからは強つよい反発はんぱつが起おこった。

その他た諸国しょこくにおけるアラビア語ご

トルコ各かく県けんにおけるアラビア語ごを母語ぼごとする住民じゅうみんの割合わりあい（1965年ねん統計とうけい）

イラン各州かくしゅうにおけるアラビア語ごを母語ぼごとする住民じゅうみんの割合わりあい（2010年ねん統計とうけい）

イスラム教いすらむきょうにおいてアラビア語ごは典礼てんれい用よう言語げんごとなっており、アラビア語ごのもの以外いがいはクルアーンとして扱あつかわれないため、礼拝れいはいにおいては必かならずアラビア語ごによってクルアーンを唱となえることとなる。ただしクルアーンが翻訳ほんやくされたものが注釈ちゅうしゃく書しょとして多おおくの言語げんご圏けんにおいて出版しゅっぱんされているため、イスラム教徒きょうとにとってアラビア語ごは礼拝れいはいにおいて必要ひつようであっても、内容ないようの理解りかいまでは必かならずしも必要ひつようではない。このためアラビア語ごができないイスラム教徒きょうとも非常ひじょうに多おおく存在そんざいする。ただしクルアーンの内容ないようを詳くわしく知しるためにはアラビア語ごの知識ちしきは不可欠ふかけつであり、このためイスラム教いすらむきょう諸国しょこくにおいては熱心ねっしんな信徒しんとを中心ちゅうしんに薄うすく広ひろくアラビア語ご話者わしゃが存在そんざいする。

このほか、少数しょうすう民族みんぞくとしてアラブ人じんが居住きょじゅうしている地域ちいきにおいてもアラビア語ごは使用しようされている。トルコ南東なんとう部ぶのハタイ県けん、マルディン県けん、スィイルト県けん、シャンルウルファ県けん、イランの南西なんせい部ぶにあるフーゼスターン州しゅうにはアラブ人じんが多おおく住すみ、アラビア語ごが多おおく話はなされている。

アラビア語ごを公用こうよう語ごとする国際こくさい機関きかん

アラビア語ごは世界せかいで4番目ばんめの話者わしゃ人口じんこうを持もち、さらにその話者わしゃが一いち地方ちほうに集しゅう住じゅうしているため、言語げんごとして大おおきな影響えいきょう力りょくを持もつ。このため、アラビア語ごは多おおくの国際こくさい機関きかんにおいて公用こうよう語ごとされている。なかでもアラブ連盟れんめいはアラブ人じん国家こっかの地域ちいき協力きょうりょく機構きこうであるため、アラビア語ごは唯一ゆいいつの公用こうよう語ごとなっている。イスラム協力きょうりょく機構きこうも、イスラム教いすらむきょうの典礼てんれい用よう言語げんごがアラビア語ごでありイスラム教いすらむきょう圏けんのほとんどにアラビア語ごが広ひろまっているためにアラビア語ごの影響えいきょう力りょくは大おおきく、英語えいご、フランス語ふらんすごとともに公用こうよう語ごの一ひとつとなっている。アフリカ連合れんごうにおいても、大陸たいりく北部ほくぶを中心ちゅうしんにアラビア語ご諸国しょこくは一大いちだい勢力せいりょくを保たもっているため、英語えいご、フランス語ふらんすご、ポルトガル語ご、スワヒリ語ごとともに公用こうよう語ごとされている。アラビア語ご使用しよう諸国しょこくは数かずも多おおくひとつの文明ぶんめい圏けんを形成けいせいしているため、国際こくさい連合れんごうにおいても1973年ねんにアラビア語ごは公用こうよう語ごに追加ついかされ、英語えいご、フランス語ふらんすご、ロシア語ご、中国ちゅうごく語ご、スペイン語ごとともに6つの公用こうよう語ごのひとつとされている。

他た言語げんごへの影響えいきょう

アラビア語ごを起源きげんとする語彙ごい

「Category:アラビア語ごの語句ごく」も参照さんしょう

• トタン、じょうろ、コーヒー、ラケット、シロップ、アルコール、アルカリ、ソーダ、シャーベット、チェス、チェック（小切手こぎって）、ソファー、モンスーン、アベレージ（平均へいきん値ち）、ジャケット、ゼロ（零れい）、タリフ（関税かんぜい率りつ） 、リスク、アルゴリズム、アドベ、タマリンド、コットン、サフラン、アドミラル、センナ、シュガー（砂糖さとう）、キャメル（ラクダ）、カラット、ガーゼ、カンフル（樟脳しょうのう）、ギプスなど。
• 科学かがく用語ようごにはアラビア語ご起源きげんの用語ようごが多おおく、とりわけ化学かがくに多おおい。これは中世ちゅうせいから近世きんせいにかけてのアラビア語ご圏けんが科学かがく分野ぶんやにおいて発展はってんしており、当時とうじの欧州おうしゅうが積極せっきょく的てきにその知識ちしきと語彙ごいを取とり入いれたためである。
• 星ほしの名前なまえ
  • アルタイル（「飛とぶ鷲わし」という熟語じゅくごの「飛とぶ」という部分ぶぶん。単独たんどくでは「鳥とり」という意味いみ）
  • アルデバラン（従したがうもの、後のちに続つづくもの。プレアデス星団せいだんに続つづいて地平線ちへいせんより昇のぼることから）
  • アルゴル（「グールの頭あたま」という熟語じゅくごの「グールの」という部分ぶぶん）
  • アルビレオ（「雌鳥めんどりのくちばし」の意味いみの語かたりが西洋せいよう人じんの誤訳ごやくと誤解ごかいを経へて）
  • ヴェガ（「降おり立たつ鷲わし」という熟語じゅくごの「降おり立たつ」という部分ぶぶん）
  • デネブ（「鶏にわとりの尾お」という熟語じゅくごの「尾お」という部分ぶぶん）
  • フォーマルハウト（大だい魚さかなの口くち）
  • ベテルギウス（巨人きょじんの腋わきの下した）
  • リゲル（脚あし）
• その他た
  • ゼロ
  • アシッド
  • グール

「アル」で始はじまる言葉ことばが多おおいのは、al- が定冠詞ていかんしだからである。

「アラビア語ごの冠詞かんし」も参照さんしょう

影響えいきょうを受うけた諸しょ言語げんご

アラビア語ごから大おおきな影響えいきょうを受うけた言語げんごは多おおく存在そんざいする。

特とくに北きたアフリカや西にしアフリカ、東ひがしアフリカの海岸かいがん部ぶにおいては、それまで文字もじを持もっていなかった言語げんごがイスラム教いすらむきょうおよびその典礼てんれい用よう言語げんごであるアラビア語ごの影響えいきょうを受うけて語法ごほうを整備せいびし、文字もじを導入どうにゅうしたケースが多おおく存在そんざいする。ハウサ語ご、ソマリ語ごなどはこうした言語げんごであり、現代げんだいでは表記ひょうき法ほうはラテン文字もじに改あらためられたものの、アラビア語ごからの借用しゃくよう語ごは非常ひじょうに多おおく存在そんざいしている。インド洋いんどようの季節風きせつふう交易こうえきによってアラブ人じん商人しょうにんが多おおく訪おとずれた東ひがしアフリカの海岸かいがん部ぶにおいては、バントゥー諸語しょごの語幹ごかんに語彙ごいの35%から40%にものぼる大量たいりょうのアラビア語ごからの借用しゃくよう語ごを取とり入いれたスワヒリ語ごが16世紀せいきごろまでには成立せいりつし、地域ちいきの商業しょうぎょう言語げんごとして広ひろく使用しようされるようになった。

このほか、ペルシア語ご、トルコ語ごを含ふくむテュルク諸語しょご、スペイン語ご、ヒンドゥスターニー語ご、マレー語ごなどの言語げんごは古ふるくから独自どくじの文字もじを持もっていたが、イスラム教いすらむきょうの伝播でんぱによってアラビア文字もじを使用しようするようになり、同時どうじに大量たいりょうの語彙ごいがアラビア語ごから流入りゅうにゅうした。これらの言語げんごは現代げんだいでもアラビア語ごからの借用しゃくよう語ごが多おおい。ただしペルシア語ごを除のぞき、現在げんざいはそれぞれ別べつの文字もじで表記ひょうきされている。

統制とうせい機関きかん

アラビア語ごの統制とうせい機関きかんとしては、最もっとも古ふるいダマスカス・アラビア語ごアカデミー（1919年ねん創立そうりつ）や、カイロにあるアラブ語ご学院がくいん（1932年ねん創立そうりつ）をはじめ、いくつかの国家こっかに設もうけられたアラビア語ごアカデミーがその役割やくわりを担になっている。こうした統制とうせい機関きかんは科学かがく分野ぶんやを除のぞいて外国がいこく語ごからの借用しゃくよう語ごをできるだけ制限せいげんし、新あらたな概念がいねんに対たいしては単語たんごの意味いみの拡張かくちょうなどアラビア語ご内ないの対応たいおうによって処理しょりする傾向けいこうが強つよい。

参考さんこう文献ぶんけん

• 『現代げんだいアラビア語ご入門にゅうもん』黒柳くろやなぎ恒男つねお、飯森いいもり嘉助かすけ（大学だいがく書林しょりん）
• 『アラビア語ご入門にゅうもん』池田いけだ修おさむ（岩波書店いわなみしょてん、絶版ぜっぱん）

関連かんれん項目こうもく

• ネイティブスピーカーの数かずが多おおい言語げんごの一覧いちらん
• 国際こくさい連合れんごう安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かい決議けつぎ528

外部がいぶリンク

• 東京外国語大学とうきょうがいこくごだいがくアラビア語ご専攻せんこう公式こうしきホームページ
• NPO法人ほうじん 日本にっぽんアラビア語ご検定けんてい協会きょうかい
• アラビア語ごちゃんねる
• 外国がいこく語ご広場ひろば：アラビア語ご
• 了解りょうかい：日本語にほんご-アラビア語ご／アラビア語ご-日本語にほんご辞典じてん （アラビア語ご）
• Glottolog - Arabic （英語えいご）（マックス・プランク進化しんか人類じんるい学がく研究所けんきゅうじょによるデーターベース）
• Learn Arabic (with audio) （英語えいご）
• 『アラビア語ご』 - コトバンク