日本にっぽんとベルギーの関係かんけい

日本にっぽんとベルギーの関係かんけい

ベルギー	日本にっぽん

日本にっぽん国こくとベルギーの関係かんけい（英語えいご: Belgium–Japan relations）について述のべる。ベルギーの漢字かんじ表記ひょうき「白しろ耳みみ義よし」から日白ひじら関係かんけいとも。

関係かんけい史し

江戸えど〜明治めいじ

日本にっぽんとベルギーの国交こっこうが開始かいしされたのは1866年ねん（慶応けいおう2年ねん）の日白ひじら修好しゅうこう通商つうしょう航海こうかい条約じょうやく締結ていけつ以降いこうである。1873年ねん（明治めいじ6年ねん）には岩倉いわくら使節しせつ団だんがベルギーを公式こうしき訪問ほうもんし、国王こくおうのレオポルド2世せいに謁見えっけんしたが、滞在たいざい期間きかんはわずか8日間にちかんにすぎなかった。1877年ねん（明治めいじ10年ねん）には周布すふ公平こうへいが本格ほんかく的てきなベルギー紹介しょうかい書しょである「白しろ耳みみ義国よしくに志こころざし」を著しるわした。また久米くめ邦武くにたけ、井上いのうえ毅あつし、矢野やの龍渓りゅうけい、依光よりみつ方ほう成しげる等ひとしもベルギーを、小国しょうこくながら大国たいこくに伍ごしていると評価ひょうかし、模範もはん国こくの一ひとつとするべきであると紹介しょうかいしている。さらに陸軍りくぐんは大国たいこくの間あいだにあって中立ちゅうりつを堅持けんじしているベルギーの軍事ぐんじ力りょくに注目ちゅうもくし、山縣やまがた有朋ありとも、有栖川宮熾仁親王ありすがわのみやたるひとしんのう、野津のつ道貫みちつららが視察しさつに訪おとずれ、また多おおくの士官しかんを留学生りゅうがくせいとして派遣はけんした。しかし日にち露ろ戦争せんそうの勝利しょうり以降いこう、日本にっぽん国内こくないでベルギーに言及げんきゅうする書籍しょせきは減少げんしょうしていった。

日にち清しん戦争せんそうから

1896年ねん6月がつ22日にち、日本にっぽんとベルギーは日白ひじら航海こうかい通商つうしょう条約じょうやくを締結ていけつした。

議定ぎてい書しょ　第だい一いち
本日ほんじつ調印ちょういんしたる通称つうしょう航海こうかい条約じょうやく批准ひじゅん交換こうかん後ご1ヶ月かげつの後のちは、ベルギー国こく皇帝こうてい陛下へいかの臣民しんみんが日本にっぽん国こくに輸入ゆにゅうする貨物かもつ及および商品しょうひんに関かんし現今げんこん日本にっぽん国こくにおいて実施じっしするところの輸入ゆにゅう税目ぜいもくは無効むこうに帰きすべきものたることに同意どういす。しかして右みぎ税目ぜいもくの無効むこうに帰かえしたる後のちは、日本にっぽん国こくに輸入ゆにゅうするベルギー国こくの領地りょうち及および所属しょぞく地ちの生産せいさんもしくは製造せいぞうに係かかる貨物かもつまたは商品しょうひんに対たいしては、その時とき現げんに行おこなわるる所ところの日本国にっぽんこく普通ふつう関税かんぜい則そくを摘要てきようすべし。ただし目下もっか両りょう締盟ていめい国こく間あいだに現存げんそんする1866年ねん条約じょうやくの有効ゆうこうなるあいだはその第だい19条じょうの規定きていに準拠じゅんきょし、また、右みぎ1866年ねん条約じょうやくの無効むこうに帰かえしたる後のちは本日ほんじつ調印ちょういんしたる条約じょうやく第だい4条じょうおよび第だい14条じょうの規程きていに準拠じゅんきょすべきものとす。
しかれども日本にっぽん政府せいふにおいて純良じゅんりょうならざる薬くすり材ざい、製薬せいやく、食物しょくもつもしくは飲料いんりょうおよびその他た全すべて猥褻わいせつ印刷物いんさつぶつ、図画ずが、書籍しょせき、紙かみ牌ぱい、石板せきばんもしくはその他たの彫刻ちょうこく画が、写真しゃしんおよびその他た全すべて猥褻わいせつの物品ぶっぴん、日本にっぽん帝国ていこくの専売せんばい特許とっきょ、商標しょうひょうおよび版権はんけんに関かんする法律ほうりつに違背いはいする物品ぶっぴんの輸入ゆにゅうを制限せいげんし若もしくは禁止きんしするの権利けんりは、本ほん議定ぎてい書しょのため制限せいげんせらるることなかるべきものとす。

- 外務がいむ大臣だいじん大隈おおくま重信しげのぶ

1912年ねんにフランドル伯はくであったベルギー皇帝こうていアルベール1世せいの祖母そぼが崩御ほうぎょした際さい、宮みや内省ないせいは8日間にちかん、喪もに服ふくした。

第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせん〜戦せん間あいだ期き

しかし1914年ねん（大正たいしょう3年ねん）に勃発ぼっぱつした第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせんでベルギーがドイツ帝国ていこくの侵攻しんこうを受うけ、大国たいこくドイツに対たいする「白国しらくにの義戦ぎせん」が報ほうじられると、日本にっぽんにおけるベルギーへの関心かんしんは急速きゅうそくに高たかまった。東京とうきょう朝日新聞社あさひしんぶんしゃと大阪おおさか朝日新聞社あさひしんぶんしゃはベルギー国王こくおうアルベール1世せいに日本にっぽん刀がたなを献上けんじょうする計画けいかくを立たてた。ベルギー亡命ぼうめい政府せいふはこれを了承りょうしょうし、11月15日にちの国王こくおう誕生たんじょう日び、特派とくは員いんが国王こくおうに日本にっぽん刀がたなを献上けんじょうした。その後ご朝日新聞社あさひしんぶんしゃはベルギーの抵抗ていこうを紹介しょうかいする記事きじを連載れんさいし、義援金ぎえんきんを募つのった。

日本にっぽん参戦さんせん後ごは同おなじ連合れんごう国こくの一員いちいんとなり、多おおくの交渉こうしょうを持もった。1921年ねん5月がつ31日にちには在ざいベルギー日本にっぽん公使館こうしかんが大使館たいしかんに格上かくあげされ、アルベール・ド・バッソンピエールが初代しょだい駐ちゅう日にちベルギー大使たいしとして就任しゅうにんし、6月がつには皇太子こうたいし裕仁ひろひと親王しんのうがベルギーを公式こうしき訪問ほうもんした。9月には在ざい日本にっぽんベルギー公使館こうしかんが大使館たいしかんに昇格しょうかくしている。

第だい二に次じ世界せかい大戦たいせんまで

1922年ねん（大正たいしょう11年ねん）には両国りょうこくが参加さんかしたワシントン会議かいぎにおいて九きゅうカ国かこく条約じょうやくを締結ていけつし、いわゆるワシントン体制たいせいを構築こうちくした。しかし日本にっぽんが1937年ねん（昭和しょうわ12年ねん）11月のブリュッセル会議かいぎへの参加さんかを拒絶きょぜつしたことでワシントン体制たいせいは崩壊ほうかいし、第だい二に次じ世界せかい大戦たいせんの勃発ぼっぱつ後ご、両国りょうこく関係かんけいは断絶だんぜつした。だがこれ以降いこうも何なん度ども貿易ぼうえきをしている。

戦後せんご

1951年ねん（昭和しょうわ26年ねん）、講和こうわ条約じょうやくの締結ていけつにより、日本にっぽんとベルギーの外交がいこう関係かんけいは復活ふっかつした。以降いこう両国りょうこく関係かんけいはおおむね良好りょうこうである。また1971年ねん（昭和しょうわ46年ねん）、戦後せんご初はつとなる昭和しょうわ天皇てんのうの欧州おうしゅう訪問ほうもんが行おこなわれたが、きっかけとなったのはボードゥアン1世せいからの招待しょうたいであるなど、皇室こうしつと王室おうしつの関係かんけいもきわめて親密しんみつである。

現在げんざいの交流こうりゅう

交流こうりゅう団体だんたい

日本にっぽんとベルギーとの間あいだの交流こうりゅう団体だんたいとして、1969年ねん7月がつ、帝人ていじん株式会社かぶしきがいしゃ社長しゃちょうの大屋おおや晋すすむ三さんを会長かいちょうに日本にっぽん・ベルギー協会きょうかいが発足ほっそくした。この団体だんたいは明治めいじ期きにあった白しろ耳みみ義ぎ会かいや大正たいしょう期きから戦前せんぜんまで活動かつどうした白しろ耳みみ義ぎ協会きょうかい（1939年ねん活動かつどう休止きゅうし）の系譜けいふを組くむ団体だんたいで、日本にっぽんとベルギーの両国りょうこく間あいだの文化ぶんか交流こうりゅうや通商つうしょうの発展はってんなどを目的もくてきとしている。現在げんざいの会長かいちょうは日本郵船にっぽんゆうせん株式会社かぶしきがいしゃの取締役とりしまりやく・相談役そうだんやくを務つとめている草刈くさかり隆郎たかお。初代しょだい名誉めいよ総裁そうさいは高松宮たかまつのみや宣仁のぶひと親王しんのうで、1983年ねん9月から現在げんざいにかけて常陸宮ひたちのみや正ただし仁じん親王しんのうが務つとめられている。

外交がいこう使節しせつ

在日ざいにちベルギー大使たいし

詳細しょうさいは「駐ちゅう日にちベルギー大使たいし」を参照さんしょう

参考さんこう文献ぶんけん

• 宮永みやなが孝たかし「<論説ろんせつ>ベルギーにおける岩倉いわくら使節しせつ団だん」『社会しゃかい志こころざし林りん』第だい47巻かん第だい1号ごう、法政大学ほうせいだいがく、2000年ねん9月がつ、170-230頁ぺーじ、NAID 110000037300。 
• 黒沢くろさわ文ぶん貴とうと「明治めいじ・大正たいしょう時代じだいにおける日本にっぽんのベルギー認識にんしき」『東京女子大学とうきょうじょしだいがく紀要きよう論集ろんしゅう』第だい58巻かん第だい1号ごう、東京女子大学とうきょうじょしだいがく、2007年ねん9月がつ、85-114頁ぺーじ、NAID 110007172163。 
• 『ベルギー公使こうし夫人ふじんの明治めいじ日記にっき』エリアノーラ・メアリー ダヌタン、長岡ながおか祥三しょうぞう訳やく、中央公論社ちゅうおうこうろんしゃ、1992年ねん
• 『日本にっぽん・ベルギー関係かんけい史し』磯いそ見み辰たつ典てん・黒沢くろさわ文ぶん貴とうと・桜井さくらい良樹よしき、白水しろみず社しゃ、1989年ねん

外部がいぶリンク

• 外務省がいむしょう: ベルギー王国おうこく
• Fourteen years of diplomatic life in Japan; leaves from the diary of Baroness Albert d'Anethan Eleanora Mary (Haggard)d'Anethan