日本にっぽんとリビアの関係かんけい

日本にっぽんとリビアの関係かんけい

日本にっぽん	リビア

日本にっぽんとリビアの関係かんけい（にほんとリビアのかんけい、アラビア語ご: العلاقات اليابانية الليبية‎、英語えいご: Japan–Libya relations） では、日本にっぽんとリビアの関係かんけいについて概説がいせつする。

両国りょうこくの比較ひかく

	リビア	日本にっぽん	両国りょうこくの差さ
人口じんこう	677万まん7452人にん（2019年ねん）	1億おく2626万まん人にん（2019年ねん）	日本にっぽんはリビアの約やく18.6倍ばい
国土こくど面積めんせき	176万まん km²	37万まん7972 km²	リビアは日本にっぽんの約やく4.7倍ばい
人口じんこう密度みつど	4 人にん/km²（2018年ねん）	347 人にん/km²（2018年ねん）	日本にっぽんはリビアの約やく86.8倍ばい
首都しゅと	トリポリ	東京とうきょう都と
最大さいだい都市とし	トリポリ	東京とうきょう都区とく部ぶ
政体せいたい	民主みんしゅ制せい	（民主みんしゅ制せい）議院ぎいん内ない閣かく制せい
公用こうよう語ご	アラビア語ご	日本語にほんご（事実じじつ上じょう）
通貨つうか	リビア・ディナール	日本円にほんえん
国教こっきょう	イスラム教いすらむきょう	なし
人間にんげん開発かいはつ指数しすう	0.706	0.919
民主みんしゅ主義しゅぎ指数しすう	2.02	7.99
GDP（名目めいもく）	520億おく9115万まん米あめりかドル（2019年ねん）	5兆ちょう819億おく6954万まん米あめりかドル（2019年ねん）	日本にっぽんはリビアの約やく97.6倍ばい
一人ひとり当あたりGDP	7685.9米あめりかドル（2019年ねん）	40246.9米あめりかドル（2019年ねん）	日本にっぽんはリビアの約やく5.2倍ばい
経済けいざい成長せいちょう率りつ	2.5%（2019年ねん）	0.7%（2019年ねん）
軍事ぐんじ費ひ	37億おく5566万まん米あめりかドル（2014年ねん）	476億おく902万まん米あめりかドル（2019年ねん）	日本にっぽんはリビアの約やく12.7倍ばい
地図ちず

歴史れきし

駐ちゅう日にちリビア大使館たいしかん全景ぜんけい（東京とうきょう）

外交がいこう史し

1957年ねん、日本にっぽんはリビア王国おうこくと外交がいこう関係かんけいを樹立じゅりつ。1969年ねんにはクーデターによってムアンマル・アル＝カッザーフィー（カダフィ大佐たいさ）が独裁どくさい政権せいけんを築きずき「大だいリビア・アラブ社会しゃかい主義しゅぎ人民じんみんジャマーヒリーヤ国こく」となって社会しゃかい主義しゅぎへ転てんじるも、両国りょうこくは外交がいこう関係かんけいを維持いじした。1973年ねんにはトリポリに在ざいリビア日本国にっぽんこく大使館たいしかんが開設かいせつ。2011年ねんリビア内戦ないせんの影響えいきょうで在ざいリビア日本国にっぽんこく大使館たいしかんは一時いちじ閉鎖へいさに追おい込こまれるが、リビア国民こくみん評議ひょうぎ会かいの政権せいけん掌握しょうあく後ごに業務ぎょうむ再開さいかい。しかし2014年ねんには再ふたたび内戦ないせんが勃発ぼっぱつし（2014年ねんリビア内戦ないせん）、同年どうねん7月がつには大使館たいしかんはカイロへ退避たいひ。2018年ねん3月がつには、カイロからチュニスへと移転いてんして大使館たいしかん業務ぎょうむを継続けいぞく。2024年ねん1月がつ15日にち、トリポリの在ざいリビア日本国にっぽんこく大使館たいしかんが再開さいかいした。

一方いっぽう、リビア側がわは1971年ねん8月がつに駐ちゅう日にちリビア大使館たいしかんを開設かいせつ。1980年ねん1月がつにはジャマーヒリーヤ体制たいせい（社会しゃかい主義しゅぎ的てきな要素ようそを含ふくむ直接ちょくせつ民主みんしゅ制せい）へと転てんじたため人民じんみん事務所じむしょへと改称かいしょうされるが、カダフィ政権せいけん終焉しゅうえん後ごの2011年ねん9月がつにはリビア大使館たいしかんへと名称めいしょうが戻もどっている。

リビア内戦ないせん

東京とうきょう都と渋谷しぶや区くで反はんカダフィのデモを行おこなう在日ざいにちリビア人じんと親しん民主みんしゅ派はの日本人にっぽんじん。王政おうせい期きの国旗こっきを掲かかげている。2011年ねん2月がつ26日にち撮影さつえい

2011年ねん、アラブの春はるを受うけて反はんカダフィ勢力せいりょくによって結成けっせいされたリビア国民こくみん評議ひょうぎ会かいは反乱はんらんを起おこし、2011年ねんリビア内戦ないせんが勃発ぼっぱつ。民主みんしゅ化かの弾圧だんあつを試こころみたムアンマル・アル＝カッザーフィー（カダフィ大佐たいさ）は国際こくさい的てきな批判ひはんに晒さらされ、日本にっぽんは安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かいにおいて採択さいたくされたリビアへの即時そくじ停戦ていせんを訴うったえる国際こくさい連合れんごう安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かい決議けつぎ1970に従したがって、カダフィ及およびその関係かんけい者しゃに対たいし資産しさん凍結とうけつならびに武器ぶきの輸入ゆにゅうの禁止きんしといった経済けいざい制裁せいさいを実施じっし、2度どにわたってその対象たいしょう者しゃを拡大かくだいした。また、日本にっぽん政府せいふは幾度いくどとなく即時そくじ停戦ていせんを訴うったえてきた。駐ちゅう日にちリビア大使館たいしかん周辺しゅうへんでは、カダフィ体制たいせいに反対はんたいする在日ざいにちリビア人じんによるデモ行進こうしんも展開てんかいされた。その後ご、リビア国民こくみん評議ひょうぎ会かいの拠点きょてんとなっているベンガジに外務省がいむしょう職員しょくいん四よん名めいを調査ちょうさ員いんとして派遣はけんしリビア国民こくみん評議ひょうぎ会かいへの支持しじの立場たちばを明確めいかくにすると、リビア国民こくみん評議ひょうぎ会かいがトリポリを掌握しょうあくして事実じじつ上じょうカダフィ政権せいけん崩壊ほうかい後ご、日本にっぽん政府せいふはこのリビアの再さい出発しゅっぱつを歓迎かんげいしている。

リビア国民こくみん評議ひょうぎ会かいが正式せいしき政府せいふとして承認しょうにんされた後のち、日本にっぽん政府せいふはリビア・フレンズ会合かいごうに出席しゅっせきしてリビア国民こくみん評議ひょうぎ会かいのリビア代表だいひょう権けん承認しょうにんを後押あとおしした。その後ご、経済けいざい制裁せいさいを段階だんかい的てきに解除かいじょし、人道じんどうに基もとづいた支援しえんも実施じっし。

しかし2014年ねんには、リビア国民こくみん評議ひょうぎ会かいから権限けんげんを委譲いじょうされた世俗せぞく的てきなリビア国民こくみん代議だいぎ院いんに対抗たいこうして、イスラーム過激かげき派はが勢力せいりょくを増まし内戦ないせんが勃発ぼっぱつ（2014年ねんリビア内戦ないせん）。首都しゅとトリポリでも戦闘せんとうが行おこなわれ、イスラム系けい勢力せいりょくによって結成けっせいされた新しん国民こくみん議会ぎかいが首都しゅとを制圧せいあつ。リビア国民こくみん代議だいぎ院いんは東部とうぶの港湾こうわん都市としトブルクに退去たいきょして、二ふたつの政府せいふが並立へいりつする状態じょうたいになった。また、ISILもリビアに進出しんしゅつし限定げんてい的てきな支配しはいを固かため、日本にっぽんはこれを強つよく非難ひなんし、領土りょうどが解放かいほうされた際さいには祝意しゅくいを表明ひょうめいしている。

2015年ねん、リビア国民こくみん代議だいぎ院いんと新しん国民こくみん議会ぎかいの協議きょうぎにより、ファイズ・サラージを新しん首相しゅしょうとした統一とういつ政権せいけんを樹立じゅりつする事ことで合意ごうい。しかしそれに反対はんたいしてエジプトが支援しえんするリビア国民こくみん軍ぐんやトルコが支援しえんする国民こくみん救済きゅうさい政府せいふが独立どくりつした勢力せいりょくを築きずき、内戦ないせんが継続けいぞく。日本にっぽん政府せいふは上記じょうき二に勢力せいりょくの武力ぶりょく行使こうしを非難ひなんしている。また、日本にっぽんおよそ7年ねんぶりに資産しさん凍結とうけつなどの経済けいざい制裁せいさいの対象たいしょうを追加ついかした。

このように日本にっぽんはリビア情勢じょうせいを注視ちゅうししており、また一貫いっかんして民主みんしゅ的てき勢力せいりょく（リビア国民こくみん評議ひょうぎ会かい、リビア国民こくみん代議だいぎ院いん、国民こくみん統一とういつ政府せいふ）を支持しじし続つづけている。

外交がいこう

リビアは現在げんざいまで紛争ふんそうが続つづいているため政局せいきょくも安定あんていせず、要人ようじん往来おうらいも活発かっぱつではないのが実情じつじょうである。日本にっぽん要人ようじんとしては、2012年ねんの外務がいむ副ふく大臣だいじんである山根やまね隆治りゅうじのリビア訪問ほうもんが最後さいご。

一方いっぽう、リビア側がわの要人ようじんはアフリカ開発かいはつ会議かいぎ出席しゅっせきなどのために訪日ほうにちを続つづけており、2019年ねん8月がつにはリビア国民こくみん統一とういつ政府せいふの外相がいしょうを務つとめるモハンマド・アル＝ターヘル・シヤーラが訪日ほうにちを実施じっしし、アフリカ開発かいはつ会議かいぎに出席しゅっせきするとともに河野こうの太郎たろうと外相がいしょう会談かいだんを実施じっしした。またそれ以前いぜんにも、両者りょうしゃはエジプトで外相がいしょう会談かいだんを実施じっしし、日本にっぽん側がわは中東ちゅうとうの安定あんてい構築こうちくにはリビアは欠かかせない存在そんざいである旨むねを述のべている。

経済けいざい交流こうりゅう

アフリカ有数ゆうすうの豊ゆたかさを誇ほこっていたが、2005年ねん12月のDACリスト改訂かいていに伴ともない、ODA対象たいしょう国こくリストに追加ついかされ、2014年ねんリビア内戦ないせんの勃発ぼっぱつまでは技術ぎじゅつ協力きょうりょくを実施じっし。それ以降いこうは経済けいざい援助えんじょを停止ていしした状態じょうたいにあったが、2018年度ねんどからABEイニシアティブによる留学生りゅうがくせい受うけ入いれを決定けってい。また2011年ねんの内戦ないせん以降いこう、国際こくさい機関きかんを経由けいゆした支援しえんは、2014～15年度ねんどを除のぞいて継続けいぞく的てきに実施じっし。2018年度ねんどは、国連こくれん開発かいはつ計画けいかく（241万まん米あめりかドル）及および国際こくさい連合れんごう世界せかい食糧しょくりょう計画けいかく（80万まん米あめりかドル）を通つうじた経済けいざい復興ふっこう及および食料しょくりょう支援しえんを実施じっし。

2018年ねんのリビアの対たい日にち貿易ぼうえきは、輸出ゆしゅつ15.09億おく円えんに対たいし輸入ゆにゅう35.37億おく円えんとなっており、日本にっぽんの黒字くろじである。内戦ないせんによる経済けいざい制裁せいさいの影響えいきょうもあり、両国りょうこくの経済けいざい規模きぼに比くらべて貿易ぼうえき規模きぼは小ちいさい。

内戦ないせん前まえ、石油せきゆ天然てんねんガス・金属きんぞく鉱物こうぶつ資源しげん機構きこう（JOGMEC）とリビア国営こくえい石油せきゆ会社かいしゃNOCは、石油せきゆ･天然てんねんガス分野ぶんやでの技術ぎじゅつ協力きょうりょくを実施じっししていたが、現在げんざいでは凍結とうけつ状態じょうたい。新しん日本石油にほんせきゆ、国際こくさい石油せきゆ開発かいはつ帝みかど石せきホールディングス、石油せきゆ資源しげん開発かいはつといった日本にっぽん企業きぎょう五ご社しゃがリビアに製油せいゆ所しょ建設けんせつの交渉こうしょうを進すすめていたが、これも内戦ないせんにより停止ていしされた。

文化ぶんか交流こうりゅう

2011年ねんの内戦ないせん以来いらい、政府せいふレベルでの文化ぶんか交流こうりゅう・文化ぶんか事業じぎょうは行おこなわれていない。日本にっぽんでは「日本にっぽんリビア友好ゆうこう協会きょうかい」が設立せつりつされ、国連こくれん制裁せいさい中ちゅうでも両国りょうこくの文化ぶんか的てき交流こうりゅう促進そくしんに向むけ活動かつどうを続つづけていた。会長かいちょうは小池こいけ百合子ゆりこが務つとめている。

2007年ねん、トリポリで第だい36回かいトリポリ国際こくさい見本市みほんいちが開催かいさい。日本にっぽん館かんも開設かいせつされ、日本にっぽん企業きぎょう12社しゃが参加さんか。来場らいじょう者しゃは28万まん人にんと盛況せいきょうに終おわった。

外交がいこう使節しせつ

駐ちゅう日にちリビア大使たいし・書記しょき

駐ちゅう日にちリビア大使たいし

1. ハサン・エルハーディー・ブクレス（ハサン・ブクレス、1972年ねん～、信任しんにん状じょう捧呈ほうていは2月がつ18日にち）
   • （臨時りんじ代理だいり大使たいし）ベッテルマル某ぼう（1978～1980年ねん）

駐ちゅう日にちリビア人民じんみん事務所じむしょ書記しょき

• （代理だいり書記しょき）ベッテルマル某ぼう（留任りゅうにん、1980年ねん～）
• （代理だいり書記しょき）ターヒル・アリー・マルワーン（マルワン）
• （代理だいり書記しょき）アリー・アシュタウィー・ムフタール（アリ・アシュタウィ・ムフタール）
• （代理だいり書記しょき）アリー・S・ハメルビタン（～2002年ねん）
• 空席くうせき（2002～2004年ねん）
• ムフターフ・ムハンマド・H・フェトゥーリー（ムフター・M・H・フェトゥーリー、2004～2007年ねん、信任しんにん状じょう捧呈ほうていは4月がつ9日にち）
• （代理だいり書記しょき）アンナージャ・A・B・アンナージャ（2007～2010年ねん）
• （代理だいり書記しょき）ジュマア・S・G・オウン（2010～2011年ねん）

駐ちゅう日にちリビア大使たいし

• （臨時りんじ代理だいり大使たいし）ジュマア・S・G・オウン（留任りゅうにん、2011～2012年ねん）
• （臨時りんじ代理だいり大使たいし）アフマド・アブドルカリーム・サーレム・オウン（2012～2014年ねん）
• アフマド・アブドルカリーム・サーレム・オウン（臨時りんじ代理だいり大使たいしと同どう一人物いちじんぶつ、2014～2017年ねん、信任しんにん状じょう捧呈ほうていは3月がつ12日にち）
• （臨時りんじ代理だいり大使たいし）アメッド・ムフター・ルフマ・ナイリ（2017～2021年ねん）
• （臨時りんじ代理だいり大使たいし）セラージ・S・A・アルシュテウィ（2021～2022年ねん）
• （臨時りんじ代理だいり大使たいし）アハメッド・S・A・アルナァース（2022年ねん～）

参考さんこう文献ぶんけん

• リビア（Libya）基礎きそデータ　外務省がいむしょう
• 塩尻しおじり和子かずこ著ちょ『リビアを知しるための60章しょう エリア・スタディーズ』 2006/8/9

関連かんれん項目こうもく

• 日本にっぽんの国際こくさい関係かんけい
• リビアの国際こくさい関係かんけい
• 在ざいリビア日本国にっぽんこく大使館たいしかん
• 在日ざいにちリビア人じん
• 駐ちゅう日にちリビア大使館たいしかん
• ドバイ日航にっこう機きハイジャック事件じけん - リビアのベニナ空港くうこうで人質ひとじちの解放かいほうがおこなわれた。

外部がいぶリンク

• 在ざいリビア日本国にっぽんこく大使館たいしかん
• 駐ちゅう日にちリビア大使館たいしかん