日本にっぽんとパラオの関係かんけい

日本にっぽんとパラオの関係かんけい

日本にっぽん	パラオ

日本にっぽんとパラオの関係かんけい（英語えいご: Japan–Palau relations）とは、日本にっぽんとパラオの二に国こく間あいだ関係かんけいを指さす。日本にっぽんはコロールに大使館たいしかんを、パラオは東京とうきょうに大使館たいしかんをそれぞれ置おいている。日本にっぽんとパラオは1994年ねん11月2日にちに正式せいしきに国交こっこうを樹立じゅりつした。

歴史れきし

日本にっぽん統治とうち時代じだいのコロール

日本にっぽんとパラオの関係かんけいは、江戸えど時代じだいの1820年ねん（文政ぶんせい3年ねん）に、陸奥みちのく国こく閉伊へい郡ぐん船越ふなこし浦うら（現げん：岩手いわて県けん山田やまだ町まち船越ふなこし）の神社じんじゃ丸まるがパラオに漂着ひょうちゃくしたことから始はじまる。神社じんじゃ丸まるは江戸えどに向むかう途中とちゅうに九十九里浜くじゅうくりはま沖おきで遭難そうなんし、38日にち後ごパラオに漂着ひょうちゃくした。生いき残のこった長吉ちょうきちら6名めいはパラオに3年ねん半はんあまり滞在たいざいした後のち、フィリピンのマニラ、マカオ、浙江せっこう省しょう乍浦を経へて日本にっぽんに帰国きこくし、パラオに関かんする記録きろくを残のこしている。

1914年ねん（大正たいしょう3年ねん）、第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせんに連合れんごう国こくとして参戦さんせんした日本にっぽんは、パリ講和こうわ会議かいぎに措おいて当時とうじドイツ領りょうニューギニア（Deutsch-Neuguinea）であったパラオ諸島しょとう、カロリン諸島しょとう、北きたマリアナ諸島しょとうの委任いにん統治とうちを認みとめられた後のち、臨時りんじ南洋なんよう群島ぐんとう防備ぼうび隊たいと軍政ぐんせい庁ちょうを設置せっちし、パラオを含ふくむ南洋なんよう諸島しょとう統治とうちを開始かいしした。1920年ねん（大正たいしょう9年ねん）、ヴェルサイユ条約じょうやくによってパラオは国際こくさい連盟れんめいの委任いにん統治とうち領りょうとして認みとめられたため、1922年ねん（大正たいしょう11年ねん）に日本にっぽんはパラオのコロールに南洋なんよう庁ちょうを置おき、委任いにん統治とうち領りょうの行政ぎょうせいの中心ちゅうしん地ちとした。日本にっぽん統治とうち下かにおいて、パラオは漁業ぎょぎょう、農業のうぎょう、鉱業こうぎょうの分野ぶんやで目覚めざましい発展はってんを遂とげた。パラオは日本にっぽん統治とうち期間きかん中ちゅう、ある程度ていどの自給じきゅう率りつを達成たっせいしていた。パラオは第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん中なか、大日本帝国だいにっぽんていこく軍ぐんの前線ぜんせん基地きちとして機能きのうし、1944年ねん（昭和しょうわ19年ねん）にはパラオ諸島しょとう南部なんぶのペリリュー島とうとアンガウル島とうでペリリューの戦たたかいとアンガウルの戦たたかいが行おこなわれた。1945年ねん（昭和しょうわ20年ねん）、南洋なんよう諸島しょとうの日本にっぽん統治とうちは第だい二に次じ世界せかい大戦たいせんにおける日本にっぽんの降伏ごうぶくとともに終おわりを告つげた。旧きゅう南洋なんよう諸島しょとうは太平洋たいへいよう諸島しょとう信託しんたく統治とうち領りょうとしてアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにより信託しんたく統治とうちされることとなった。

日本にっぽんは1994年ねん（平成へいせい6年ねん）10月がつ1日にちにパラオのアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくからの独立どくりつを承認しょうにん、同年どうねん11月がつ2日にちにパラオと国交こっこうを樹立じゅりつした。コロールにある日本にっぽん大使館たいしかんは1999年ねん（平成へいせい11年ねん）に開館かいかんした。

文化ぶんか

かつて日本にっぽん統治とうち下かにあったこともあり、パラオには日本にっぽん文化ぶんかの影響えいきょうが見みられる。現代げんだいパラオ語ごには「daijobu（大丈夫だいじょうぶ）」、「okyaku（お客きゃく）」、「denki（電気でんき）」、「senkyo（選挙せんきょ）」など日本語にほんごからの借用しゃくよう語ごが多数たすう含ふくまれている。また、パラオ料理りょうりは日本にっぽん料理りょうりの影響えいきょうを受うけている。

パラオのアンガウル州しゅうでは，パラオ共和国ぱらおきょうわこくの公用こうよう語ごであるパラオ語ごと英語えいごの他ほか、日本語にほんごがアンガウル州しゅう憲法けんぽう第だい12条じょう第だい1項こうで公用こうよう語ごとして定さだめられている。

経済けいざい

2002年ねんに建設けんせつされた日本にっぽん・パラオ友好ゆうこうの橋はし

パラオに拠点きょてんを置おくマグロ漁業ぎょぎょうの企業きぎょうは主おもに日本にっぽんに刺さし身みとなるマグロを輸出ゆしゅつしている。日本にっぽん漁船ぎょせんへのライセンス付与ふよはパラオの外貨がいか獲得かくとく源げんとなっている。

パラオは過去かこに日本にっぽんの捕鯨ほげい権けんを支持しじしていたが、2010年ねん6月がつ以降いこうは国際こくさい捕鯨ほげい委員いいん会かいにより考案こうあんされた捕鯨ほげい捕獲ほかく枠わく案あんを支持しじ、日本にっぽんの支持しじを取とりやめている。ジョンソン・トリビオンは「パラオの国家こっか政策せいさく転換てんかんは日本にっぽんとパラオの関係かんけいに影響えいきょうするものではない」と断言だんげんし、日本にっぽんは捕鯨ほげいにおけるパラオの立たち位置いちを容認ようにんする「十分じゅうぶんに成熟せいじゅくした国家こっか」であると主張しゅちょうした。

経済けいざい協力きょうりょく

日本にっぽんはパラオに対たいし、2016年ねんまでに約やく233億おく円えんの無償むしょう資金しきん協力きょうりょく、約やく70億おく円えんの技術ぎじゅつ協力きょうりょくを行おこなった。パラオ国際こくさい空港くうこうのターミナル、日本にっぽん・パラオ友好ゆうこうの橋はし、パラオ国際こくさいサンゴ礁さんごしょうセンターなどのインフラ整備せいびに協力きょうりょくしてきたほか、電力でんりょく供給きょうきゅうに関かんする継続けいぞく的てきな支援しえんも行おこなっている。また、青年せいねん海外かいがい協力きょうりょく隊員たいいん、ボランティアなどを通つうじて人材じんざい育成いくせいにも協力きょうりょくしている。

安全あんぜん保障ほしょう

日本にっぽんはパラオ海底かいていに眠ねむる第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん中ちゅうの爆ばく弾だんを処理しょりするため、パラオに日本にっぽん地雷じらい処理しょりを支援しえんする会かいを派遣はけんした。爆ばく弾だん処理しょりは2013年ねん5月がつに開始かいしされ、約やく1年ねん半はんに渡わたり活動かつどうが行おこなわれる予定よていである。

観光かんこう

観光かんこうはパラオの主要しゅよう産業さんぎょうの一ひとつである。日本にっぽんや台湾たいわんからの観光かんこう客きゃくが多おおくを占しめており、2011年ねん時点じてんにおいて年間ねんかん109,000人にんの観光かんこう客きゃくの内うち37,800人にんが日本人にっぽんじんである。

外交がいこう使節しせつ

駐ちゅう日にちパラオ大使たいし

1. マサオ・サルバドール（1999年ねん～2002年ねん、信任しんにん状じょう捧呈ほうていは3月がつ10日とおか）
   • （臨時りんじ代理だいり大使たいし）ピーター・アデルバイ（2002～2003年ねん）
2. サントス・オリコン（2003～2006年ねん、信任しんにん状じょう捧呈ほうていは5月22日にち）
   • （臨時りんじ代理だいり大使たいし）ピーター・アデルバイ（2006年ねん）
3. ダイジロウ・ナカムラ（2006～2009年ねん、信任しんにん状じょう捧呈ほうていは6月がつ28日にち）
4. ミノル・フランシスコ・ゼイヴィエル・ウエキ（2009～2013年ねん、信任しんにん状じょう捧呈ほうていは6月がつ10日とおか）
   • （臨時りんじ代理だいり大使たいし）ンゲディケス・アンナ・ヒデオ（ネディケス・アナ・ヒデオ、2013年ねん）
5. フランシス・マツタロウ（2013～2021年ねん、信任しんにん状じょう捧呈ほうていは9月26日にち）
   • （臨時りんじ代理だいり大使たいし）ピーター・アデルバイ（2021～2022年ねん）
6. ピーター・アデルバイ（臨時りんじ代理だいり大使たいしと同どう一人物いちじんぶつ、2022年ねん～、信任しんにん状じょう捧呈ほうていは6月がつ7日にち）

関連かんれん項目こうもく

• 日系にっけいパラオ人じん
• 在ざいパラオ日本国にっぽんこく大使館たいしかん
• 駐ちゅう日にちパラオ大使館たいしかん
• 日本にっぽんの国際こくさい関係かんけい
• パラオの国際こくさい関係かんけい
• 蔵王ざおう町まち - 第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん後ごにパラオからの引揚者しゃが入植にゅうしょくした地区ちくは「北原きたはら尾お」（きたはらお、「北きたのパラオ」の意い）と命名めいめいされる。

外部がいぶリンク

• 在ざいパラオ日本国にっぽんこく大使館たいしかん
• 駐ちゅう日にちパラオ共和国ぱらおきょうわこく大使館たいしかん
• パラオ政府せいふ観光かんこう局きょく