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てのひら小説しょうせつ

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ほねじつから転送てんそう
てのひら小説しょうせつ
わけだい Palm-of-the-Hand Stories
作者さくしゃ 川端かわばた康成やすなり
くに 日本の旗 日本にっぽん
言語げんご 日本語にほんご
ジャンル 掌編しょうへん小説しょうせつ
発表はっぴょう形態けいたい 掌編しょうへん作品さくひんしゅう
刊本かんぽん情報じょうほう
出版しゅっぱんもと 新潮社しんちょうしゃ
出版しゅっぱん年月日ねんがっぴ 1971ねん3月15にち
装画そうが 平山ひらやま郁夫いくお
そうページすう 644
ウィキポータル 文学ぶんがく ポータル 書物しょもつ
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てのひら小説しょうせつ』(たなごころのしょうせつ)は、川端かわばた康成やすなり掌編しょうへん小説しょうせつしゅう。「てのひらのしょうせつ」とルビがされている場合ばあいもあるが[1]川端かわばた本人ほんにんは「たなごころのしょうせつ」としているため、雅馴がじゅんとうとぶそのかた尊重そんちょうされている[2][3][注釈ちゅうしゃく 1]

川端かわばたが20だいころからやく40年間ねんかんにわたってつづけてきた掌編しょうへん小説しょうせつは「てのひら小説しょうせつ」と総称そうしょうされるようになり、もっとみじかいもので原稿げんこう用紙ようし1まい程度ていどもっとながいものでも16まいほどで、7まいくらいのながさの作品さくひんおおく、2まいから14まいたないものが大半たいはんめている[5][6]

執筆しっぴつしたてのひら小説しょうせつ総数そうすうは、1981ねん昭和しょうわ56ねん)10がつ刊行かんこう全集ぜんしゅうでは122へんであるが[7]、「あぶら」「明月めいげつ」などもてのひら小説しょうせつとする126へん[5]、「かみながく」などもくわえた128へん[6][8]、「たけこえももはな」などをくわえた130へん[9]、さらにその130へんに、分類ぶんるいはばひろげ「雪国ゆきぐにしょう」や発掘はっくつ作品さくひんなどをくわえた場合ばあいには148へんほどになる[9][10][注釈ちゅうしゃく 2]

てのひら小説しょうせつ名称めいしょうほん[編集へんしゅう]

川端かわばた康成やすなり掌編しょうへん小説しょうせつ収録しゅうろくした単行本たんこうぼんはいくつか出版しゅっぱんされたが、「てのひら小説しょうせつ」という題名だいめい単行たんこうほん作品さくひんしゅうは、1952ねん昭和しょうわ27ねん)8がつ新潮社しんちょうしゃより新潮しんちょう文庫ぶんこはん刊行かんこうされた『てのひら小説しょうせつひゃくへん』(うえ下巻げかん)で、そこには上下じょうげまきわせて100へん収録しゅうろくされた[11]

その1971ねん昭和しょうわ46ねん)3がつ15にちおな新潮社しんちょうしゃより文庫ぶんこばんで『てのひら小説しょうせつ』が刊行かんこうされ、100へんえる111へん収録しゅうろくされた[10]。そして川端かわばた死後しご1989ねん平成へいせい元年がんねん)5がつ改版かいはんからは、1981ねん昭和しょうわ56ねん)10がつ刊行かんこう最新さいしん全集ぜんしゅうじゅんじて、11へん追加ついかされた122へん収録しゅうろくされた[12]

翻訳ほんやくばんは、レーン・ダンロップとJ・マーティン・ホルマンわけ英語えいごえいだい:Palm-of-the-Hand Stories)や、ロシアだい:Рассказы на ладони)、フランス語ふらんすご仏語ふつご:Récits de la paume de la main)などで出版しゅっぱんされている[13][14][15]

執筆しっぴつ発表はっぴょう推移すいい[編集へんしゅう]

川端かわばた康成やすなり作品さくひん随筆ずいひつないからの文章ぶんしょう引用いんようは〈 〉にしています(論者ろんしゃ評者ひょうしゃ論文ろんぶんからの引用いんようとの区別くべつのため)。

大正たいしょう末期まっきには掌編しょうへん小説しょうせつ流行りゅうこうし、川端かわばたのほかに岡田おかだ三郎さぶろう武野むの藤介とうすけなども掌編しょうへんいていたが永続えいぞくせず、ひとり川端かわばたのみがつづけて、「洗練せんれんされた技法ぎほう必要ひつようとするこの形式けいしきによって、奇術きじゅつとよばれるほどの才能さいのうはな」をひらかせたとされる[1]。また、『文藝ぶんげい時代じだい』の同人どうじんなかでも川端かわばたもっとおおくの掌編しょうへん小説しょうせついていた[2]掌編しょうへん小説しょうせつ流行りゅうこうしていた当時とうじ川端かわばた以下いかのように〈掌篇しょうへん〉の由来ゆらいについてかたっていた[16]

掌篇しょうへん小説しょうせつとは、「文藝ぶんげい時代じだい」が集録しゅうろくした新人しんじん諸氏しょしきわめてみじか小説しょうせつに、中河なかがわ与一よいちかんした名称めいしょうである。中河なかがわ多分たぶんかつて「文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう」に掲載けいさいされたぼうわすれた)の「てのひらてのひらいた小説しょうせつ[注釈ちゅうしゃく 3]からきょうへられてこの名称めいしょうたのであらう。
この掌篇しょうへん小説しょうせつは、そとにもさん別名べつめいつてゐる。いわく、岡田おかだ三郎さぶろうの「じゅうぎょう小説しょうせつ」。いわく、中河なかがわ与一よいちの「じゅうぎょう小説しょうせつ」。いわく、武野むの藤介とうすけの「いちまい小説しょうせつ」。そして一般いっぱんには「コント」とうんふフランスめい通用つうようしてゐる。 — 川端かわばた康成やすなり掌篇しょうへん小説しょうせつ流行りゅうこう[16]

川端かわばた日本にっぽん掌編しょうへんを「コント」とぶのは〈多少たしょう不満ふまんかんじる〉として〈自分じぶんきわめてみじか小説しょうせついた場合ばあいにも、自分じぶんではコントとばないことにしてゐる〉と[16]、〈きわめてみじか小説しょうせつ日本にっぽん特殊とくしゅ発達はったつげるであらう〉から、日本にっぽん名称めいしょうとして〈掌篇しょうへん小説しょうせつ〉とぶのがよいとした[16]

きわめてみじか小説しょうせつ日本にっぽん特殊とくしゅ発達はったつげるであらうと予想よそうされるから、なにとか日本にっぽんたせてやりたい。(中略ちゅうりゃく)フランスりゅうのコントには主題しゅだいちどころ、材料ざいりょう取扱とりあつかいかた手法しゅほうなどに少々しょうしょう条件じょうけんがある。げん文壇ぶんだんきわめてみじか小説しょうせつかならずしもみなみな、その条件じょうけんたしたものとはげんへない。これらのてんからもわたしは、ごくみじか小説しょうせつをコントとぶことにも不満ふまん窮屈きゅうくつとをかんじる。
掌篇しょうへん小説しょうせつほうらくである。そしてきわめてみじか小説しょうせつであり長篇ちょうへん小説しょうせつ一部分いちぶぶんてきでなく、また小品文しょうひんぶんではない短篇たんぺん小説しょうせつである、とうんふことのそとは、何等なんら条件じょうけんもうけないほうがいい。 — 川端かわばた康成やすなり掌篇しょうへん小説しょうせつ流行りゅうこう[16]

川端かわばた掌編しょうへん小説しょうせつ初期しょきころの35へんは、1926ねん大正たいしょう15ねん)6がつ15にち金星かなぼしどうより刊行かんこう処女しょじょ作品さくひんしゅう感情かんじょう装飾そうしょく』にはつ収録しゅうろくされた[17][5][18]。この『感情かんじょう装飾そうしょく』の目次もくじには〈てのひら小説しょうせつさんじゅうろくへん〉(実際じっさいには35へんのため36へんあやまり)とすでに銘打めいうっていた[3]。その4ねん1930ねん昭和しょうわ5ねん)4がつ7にち新潮社しんちょうしゃより刊行かんこうの『ぼく標本ひょうほんしつ』には、新作しんさくくわえた47へん収録しゅうろくされた[17][19]

それから8ねん1938ねん昭和しょうわ13ねん)7がつ19にちには、改造かいぞうしゃより刊行かんこうの『川端かわばた康成やすなり選集せんしゅうだい1かん てのひら小説しょうせつ』に77へん収録しゅうろくされ、表題ひょうだいちゅうでははじめて「てのひら小説しょうせつ」というかたりされた[17][6][3]。その、この選集せんしゅうから34へんえらんで収録しゅうろくした『短篇たんぺんしゅう』が砂子屋書房いさごやしょぼうよりよく1939ねん昭和しょうわ14ねん)11月に刊行かんこうされ、30へんえらんで収録しゅうろくした『いちくさいちはな』もあおりゅうしゃより戦後せんご1948ねん昭和しょうわ23ねん)1がつ刊行かんこうされた[17]

そのあらたに執筆しっぴつされてかずえたてのひら小説しょうせつは、1952ねん昭和しょうわ27ねん)8がつには新潮社しんちょうしゃより新潮しんちょう文庫ぶんこはん刊行かんこうの『てのひら小説しょうせつひゃくへん』(うえ下巻げかん)に100へん収録しゅうろくされ、伊藤いとうせい解説かいせつされた[11][20]川端かわばた存命ぞんめいちゅうもっとおおくの111へんをまとめて同時どうじ収録しゅうろくした作品さくひんしゅうは、晩年ばんねん1971ねん昭和しょうわ46ねん)3がつ15にち新潮しんちょう文庫ぶんこ刊行かんこうされた『てのひら小説しょうせつ』である[10]。この『てのひら小説しょうせつ』は、川端かわばた死後しご1989ねん平成へいせい元年がんねん)5がつ改版かいはんさい1981ねん昭和しょうわ56ねん)10がつ刊行かんこう全集ぜんしゅうじゅんじるかたちで11へん追加ついかされて122へん収録しゅうろくとなった[12]

川端かわばた自身じしんてのひら小説しょうせつぐんかんして、1938ねん昭和しょうわ13ねん時点じてん改造かいぞうしゃ選集せんしゅうの「あとがき」では、〈もっともなつかしく、もっとあいし、いまなおもっとおおくのひとおくりたいとおもふ〉として以下いかのようにかたっていた[21][17][22]

わたし著作ちょさくのうちで、もっともなつかしく、もっとあいし、いまなおもっとおおくのひとおくりたいとおもふのは、じつにこれらのてのひら小説しょうせつである。
このまき作品さくひん大半たいはんじゅうだいいた。おおくの文学ぶんがくしゃわかころくが、わたしかわりにてのひら小説しょうせついたのであつたらう。無理むりにこしらへたさくもあるけれども、またおのづからながたよいさくすくなくない。今日きょうからると、このまきを「ぼく標本ひょうほんしつ」とするには不満ふまんはあつても、わか精神せいしんはかなりきてゐるとおもふ。これは読者どくしゃにも、海山みやまたびに、また乗物のりもの寝室しんしつに携へてくだりつて、ほんのわずかな時間じかんに、いちへんづつでもたのしんでもらいひたい。 — 川端かわばた康成やすなり「あとがき」(『川端かわばた康成やすなり選集せんしゅうだい1かん てのひら小説しょうせつ』)[21]

しかし12ねん1950ねん昭和しょうわ25ねん)に刊行かんこうされた新潮社しんちょうしゃだいいち全集ぜんしゅうにおいてはこの評価ひょうかくつがえし、〈それらの標本ひょうほんおおくをわたしいまこのまないのである〉、〈わたしあゆみは間違まちがえつてゐたやうにおもはれる〉と自己じこ嫌悪けんおべているが、〈もつとも自作じさくにたいする愛憎あいぞううごきやすいものである〉、〈さんこそはむしろ読者どくしゃにたいする忠実ちゅうじつかもしれない〉ともかたっていた[17][22][1]

このてんかんして吉村よしむらさだは、作家さっか過去かこ自作じさくたいし、しょうさんそむいて自己じこ嫌悪けんお過去かこおさなさをじることもあるだろうが、このてのひら小説しょうせつなかには川端かわばたのあらゆる要素ようそふくまれるとし[1]、「複雑ふくざつ反射はんしゃつくもあやなひかりシンファオニイ」にたとえられるような、「作者さくしゃとしてのよろこびも、かなしみも、なやみも、嫌悪けんお反射はんしゃする」多彩たさいさがあるとしている[1]

川端かわばた死後しごに、てのひら小説しょうせつぐん前述ぜんじゅつのように最多さいたで122へんとして同時どうじ収録しゅうろくされたが、川端かわばた研究けんきゅうしゃ松坂まつさか俊夫としお見立みたてにより、「あぶら」などの4へんふくめた126へんてのひら小説しょうせつとする見解けんかい存在そんざいしていた[5]。そしてその見解けんかいとともに、執筆しっぴつ時期じきにより126へん以下いかのようにおおまかに3区分くぶんされた[5][23]

  • だいいち」 - 1921ねん大正たいしょう10ねん)から1935ねん昭和しょうわ10ねん)までつづけられた時期じき。21さいから36さいころの98へん川端かわばたが17さいとき1916ねん大正たいしょう5ねん)に執筆しっぴつ1949ねん昭和しょうわ24ねん)に発表はっぴょうした「ほねじつひ」も、例外れいがいとしてここにふくまれている[5]
  • だい」 - 「だいいち一時いちじ中断ちゅうだん1944ねん昭和しょうわ19ねん)から1952ねん昭和しょうわ27ねん)にかけてかれた時期じき。44さいから53さいころの17へん
  • だいさん」 - 1962ねん昭和しょうわ37ねん)から1964ねん昭和しょうわ39ねん)にかけてかれた時期じき。62さいから65さいころの11へん

てのひら小説しょうせつぐん総数そうすうについては、そのどう研究けんきゅうしゃにより、128へん[24]、130へん修正しゅうせいされている[9]

評価ひょうか研究けんきゅう[編集へんしゅう]

川端かわばた康成やすなり作品さくひん随筆ずいひつないからの文章ぶんしょう引用いんようは〈 〉にしています(論者ろんしゃ評者ひょうしゃ論文ろんぶんからの引用いんようとの区別くべつのため)。

てのひら小説しょうせつぐんは、初期しょきの「だいいち」のころから評判ひょうばんく、政治せいじてき思想しそう資質ししつちがいのわくえておおくの作家さっかからこう評価ひょうかされ、「だい以降いこう川端かわばた康成やすなりろんなかでその位置いちづけが考察こうさつされながらかたられる傾向けいこう出始ではじめる[5][23][25]。それらの評価ひょうかなかにはてい評価ひょうかもあるが総体そうたいてきにはたか評価ひょうかするものほう圧倒的あっとうてきおお[25]川端かわばた文学ぶんがく方法ほうほうろん主題しゅだいの「要約ようやく」や「エッセンス」がられるものとして位置いちづけられている[6][26][27]

戦前せんぜん[編集へんしゅう]

川端かわばたおなしん感覚かんかくで「じゅうぎょう小説しょうせつ」(掌編しょうへん別名べつめい)をいていた中河なかがわ与一よいちは、川端かわばた同人どうじん文藝ぶんげい時代じだい』に「短篇たんぺんしゅう」として最初さいしょ発表はっぴょうした7へん(「かみ」「金糸きんしすずめ」「みなと」「写真しゃしん」「つき」「しろはな」「てき」)を絶賛ぜっさん[28][23]おなじく「いちまい小説しょうせつ」(掌編しょうへん別名べつめい)をいていた武野むの藤介とうすけも「短篇たんぺんしゅう」にみられる「理智的りちてき人生じんせいかん」をしょうさんしている[29][23]

当時とうじ無名むめいだった梶井かじい基次郎もとじろうも、『文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう』に発表はっぴょうされた川端かわばたの「だいよん短篇たんぺんしゅうちゅうの「心中しんちゅうの」をこう評価ひょうかし、みずからも「川端かわばた康成やすなりだいよん短篇たんぺんしゅう心中しんちゅうの』を主題しゅだいとせるヴアリエイシヨン」という「解釈かいしゃく創作そうさく」とを同時どうじ目指めざした実験じっけんてき作品さくひん自身じしん同人どうじん青空あおぞら』に発表はっぴょうするほどの傾倒けいとうぶりをしめしている[30][23]。この梶井かじい作品さくひんは、川端かわばたてのひら小説しょうせつへの最初さいしょのまとまった言及げんきゅうとして意義いぎのあるものとされている[6][24][31][32]

おなしん感覚かんかく活躍かつやくしていた横光よこみつ利一としかずは、1926ねん大正たいしょう15ねん)の川端かわばた最初さいしょ作品さくひんしゅう感情かんじょう装飾そうしょく』が刊行かんこうされた直後ちょくごに、「時々ときどきふかさのためにあさくなつたとうんさくもちらちらしてゐる」としつつも、「なに不思議ふしぎ感情かんじょう装飾そうしょくであらう。剃刀かみそりつくられたはなのやうだ」とこう評価ひょうかしている[33][22][5][23][注釈ちゅうしゃく 4]

なかれられた短篇たんぺんはたいてい雑誌ざっしたときんだものだがいちさつにまとまると、ふかさが、一層いっそうはつてらいてさぐりをれるのにあじがある。ふかさのてんにいたつてはかくストリンドベルヒにまでいたつてゐる。これは川端かわばたにとつてめたことでもなにんでもない。ただストリンドベルヒよりも、あまりにかれ詩人しじんぎる。ふかさをあいぎる。時々ときどきふかさのためにあさくなつたとうんさくもちらちらしてゐる。かれものときれいる。もしかれあささがあるとすればそこにある。れいふかさとものふかさ、主観しゅかんふかさと客観きゃっかんふかさ、此の交流こうりゅうかれにあつてはとなつてとまりはしないか。かれ批評ひひょうにときどき自分じぶんはさううんうつくしさを発見はっけんすると同様どうように、かれさっからも屡々しばしば自分じぶんはさううんうつくしさをぎつける。これはかれ芸術げいじゅつじょうけるひとつの道楽どうらくだ。なん不思議ふしぎ感情かんじょう装飾そうしょくであらう。剃刀かみそりつくられたはなのやうだ。実際じっさいかれさくんでゐると、古今ここん無双むそうすぐれた欠点けってんかんじる。これがだんじて詭弁きべんでないところが、またかれしょうさんしたいひとつの確実かくじつ理由りゆうである。れまたなん不思議ふしぎ理由りゆうではないか。 — 横光よこみつ利一としかず近頃ちかごろ雑筆ざっぴつ――『感情かんじょう装飾そうしょく』」[33]

しん感覚かんかくとは対立たいりつてきであったプロレタリア中野なかの重治しげはるは、未決監みけつかん検挙けんきょされていた友人ゆうじんはやし房雄ふさおに『感情かんじょう装飾そうしょく』をれてすすめ、はやし出所しゅっしょしてくるとはやしに「あれはいいほんだなすくなくともうつくしい」とはなしたという[35][22][5][23]

そのはやし房雄ふさおは、中野なかのかられられて未決監みけつかんなかなんかいんだ『感情かんじょう装飾そうしょく』について、「非常ひじょうおおくの庶民しょみん生活せいかつかれてゐる」として、「川端かわばたくんうつくしさは、庶民しょみん生活せいかつ庶民しょみん見地けんちからえがときうまれ、そしてきる」と評価ひょうかしている[35][23]。また、平野ひらのけんかわもりこうぞうもその当時とうじ感情かんじょう装飾そうしょく』を愛読あいどくしていたという[36][37][23]

中野なかの重治しげはる同様どうよう川端かわばたとは作家さっか傾向けいこうことなる島木しまき健作けんさくも、1938ねん昭和しょうわ13ねん)の『川端かわばた康成やすなり選集せんしゅうだい1かん』の刊行かんこうさいして、「人間にんげんへのあたたかな気持きもちあらいはれるやうな清々すがすがしさのなかに、うつくしくなつかしくよろこばしくかなしい人生じんせいのあたりにかんじる」とたか評価ひょうかし、「かういふ『てのひら小説しょうせつ』はなんかはきたいと、これはわたしのたのしいゆめなのだ」とかたっている[38][25]

これは世間せけんげんふコントなどとはたがえふ。人間にんげんへのあたたかな気持きもちあらいはれるやうな清々すがすがしさのなかに、うつくしくなつかしくよろこばしくかなしい人生じんせいのあたりにかんじる。なにといふ詩情しじょうであらう。わたし川端かわばたさんの文学ぶんがくほかなによりもこれらの小篇しょうへんこのむものだ。おそらくもっとなが文学ぶんがく生命せいめいつものであらう。むごとにそれらは新鮮しんせんである。作家さっかとしてはわたしはこれらの小篇しょうへんむごとに創作そうさくよく刺戟しげきされる。わたしにもわたし自身じしんのかうしたちいさくてふかいものがけぬものかとおもふ。 — 島木しまき健作けんさく川端かわばたさん」[38]

この島木しまき評価ひょうかについて川端かわばたは12ねんかえり、〈島木しまきくんのやうなひと一時いちじでもわたしの「てのひら小説しょうせつ」をあいしてくれたといふことはおもひがけなかつた〉として、島木しまき文章ぶんしょうを〈わたしわすれてゐたのでなつかしかつた〉とかたっている[17]

日本にっぽんなみ曼派保田やすだ與重郎よじゅうろうは、てのひら小説しょうせつぐんの「なにかなつかしくしかも気味悪きみわるちかしさ」を解説かいせつして、『感情かんじょう装飾そうしょく』の作品さくひん以下いかのようにしょうさんをしている[39][25]

こゝで初期しょき短篇たんぺんしゅう感情かんじょう装飾そうしょく』をおもせば、そのひとひとつの掌篇しょうへんひとひとつの生活せいかつイデーえがいたかんがある。ありふれたもののわかりにくい世界せかいだが、それだけが頭脳ずのう刺戟しげきするやうにえがかれてゐるこの掌篇しょうへんにさへ、ぼくはもはや寓意ぐうい興味きょうみなど見出みいだしやうもなく、もつと切迫せっぱくしてりつけられた精神せいしんがうかびる。あわいとかほのかだとかひともいひ、みずからもすすんで作者さくしゃいふ、あわいとはなにか、そんな言葉ことばひとつさへもべつなる掌篇しょうへんつくり、ゆくさきさきのめあてもあずかへぬ。一体いったいこれはなにげんはすか。たゞそれは観念かんねんでも思想しそうでもない。もやはそれを了知りょうちし、その精神せいしんがとりつかれる世界せかいはゐる。思想しそう了知りょうちし、思想しそうあらわして安心あんしんせぬ、そんな世界せかいをかりにいへば、せつない心情しんじょうとよりのことばはこんさしあた見出みだぬ。 — 保田やすだ與重郎よじゅうろう川端かわばた康成やすなりろん[39]

三田みた文学ぶんがく同人どうじん矢崎やさきだんは、川端かわばたの「脆弱ぜいじゃく意志いしりょく」「集約しゅうやくせい欠如けつじょ無謀むぼう意識いしきてき飛躍ひやくせい」に言及げんきゅうし、はやし房雄ふさお評価ひょうかとは対照たいしょうてきに、てのひら小説しょうせつぐんの「現実げんじつせいへの迫力はくりょく」のさを「反省はんせいを請ふ」として、批判ひはんてきてい評価ひょうかをしている[40][25]

感情かんじょう装飾そうしょく』の掌篇しょうへんはもつとも才能さいのう方向ほうこう具象ぐしょうてきしめすものであり、本体ほんたい居心地いごこちよささうにリスかるさでまわりつてゐるのである。人々ひとびとはこゝで朝陽あさひをうけた水沫すいまつにじ、そのそこに漂ふ無気味ぶきみしろさによいふであらう。(これが作品さくひんひとつの媚態びたいである。)しかし、つねにから現実げんじつせいへの迫力はくりょくだつふものはまた飛躍ひやくする描写びょうしゃ暗示あんじつよふるストオリーの構成こうせいである。始終しじゅう浮気うわき変貌へんぼうをつゞけうつりゆく文学ぶんがくなみ敏感びんかんさおさすことをわすれない。だが、作品さくひんせいらい色彩しきさいかくせぬ。それは最近さいきん創作そうさくしゅうはなある写真しゃしん』などにおさめられたものにまでそのそこながれる呼吸こきゅうかわらぬ。 — 矢崎やさきだん川端かわばた康成やすなりろん[40]

戦後せんご[編集へんしゅう]

終戦しゅうせん川端かわばた後援こうえん文壇ぶんだん登場とうじょうした三島みしま由紀夫ゆきおは、川端かわばたが〈あらゆる芸術げいじゅつおいて、処女しょじょうたはれるものであつて、みずかへぬものである[41]〉、〈少女しょうじょわかむすめみずからに、すぐるれた作家さっかほとん絶無ぜつむである[41]〉、〈少女しょうじょの「純粋じゅんすいこえ」のうた少女しょうじょの「純粋じゅんすい肉体にくたい」のおどり、このやうなうつくしさは、文学ぶんがくではさきられない[41][注釈ちゅうしゃく 5]〉とべていたなか川端かわばたの「こたえ」があって、「完璧かんぺき誤謬ごびゅうとおることなしには真理しんり対峙たいじしえぬという芸術げいじゅつ」もそこでかたられているとし[26][注釈ちゅうしゃく 6]川端かわばた作品さくひんの「人工じんこうをこえた異様いよう複雑ふくざつさ、その複雑ふくざつさに自然しぜん風景ふうけい秩序ちつじょがあること、この秩序ちつじょこそもっと人為じんいからとおいものであること」などを指摘してきしたのちてのひら小説しょうせつぐんについては「試作しさく」でも「こころみ」でもなく、川端かわばたの「一番いちばんおそろしいものが平気へいき野放のばなしにされてゐる」とし、そこで駆使くしされている「才能さいのう非常識ひじょうしき無駄むだ使ひ」をいた川端かわばたの「才能さいのう特質とくしつ」に言及げんきゅうしながら、「才能さいのうのサーカスのためにはてのひら小説しょうせつまさ恰好かっこう舞台ぶたいだつた」としている[26]

注意ちゅういすべきはこのおびただしいてのひら小説しょうせつは、いはゆる「試作しさく」でも「こころみ」でもないといふことだ。ここに駆使くしされた才能さいのう非常識ひじょうしき無駄むだ使ひに見張みはまえに、さういふ駆使くし仕方しかたつよひた才能さいのう特質とくしつを識るべきではなからうか。言葉ことばのつましいほど的確てきかくさ、修辞しゅうじ極端きょくたん節約せつやく破綻はたん飛躍ひやくのしなやかな回避かいひにもかかはらず、てのひら小説しょうせつでは作者さくしゃ一番いちばんおそろしいものが平気へいき野放のばなしにされてゐる。自己じこ形成けいせい陶冶とうや訓育くんいく修身しゅうしんたいするあきれるほど無能むのう無策むさく暴露ばくろされてゐる。作者さくしゃ大事だいじ主人しゅじん子供こどもあぶない街路がいろうえあそばせてぽかんとてゐるおろかな乳母うばのやうだ。(中略ちゅうりゃくてのひら小説しょうせつのなかで川端かわばた康成やすなりがとつた手段しゅだんは、自己じこ一部いちぶ水泳すいえいぎがしたいといふ才能さいのうがあれば、さあおよいでおいで、わたしめはしない、しかしおぼれたつてわたしらないぞ。とげんつてやることだつた。(中略ちゅうりゃく飛行機ひこうきりたいといへばそれもゆるした。このやうな才能さいのうのサーカスのためにはてのひら小説しょうせつまさ恰好かっこう舞台ぶたいだつた。いはゞかれとりつばさゆゑにとりなのではなく、つばさがなくてもなおとりであることを立証りっしょうしまたたしかめるために、われとわがつばさてるとりのやうであつた。 — 三島みしま由紀夫ゆきお川端かわばた康成やすなりろん一方いっぽうほう――『作品さくひん』について」[26]

そして、たかながんだとって満足まんぞくし「飛翔ひしょうによつてとりであることを誇示こじ」するほかぐんとりつばさという「属性ぞくせい」のなかにのみきるとり)をていた川端かわばたは「つばさうしなふことによつてさらとりらしいとりでありたい」とねんじた作家さっかであり、属性ぞくせい才能さいのう)をのりこえ「とりであらうとした」ため、あたかも「とりであることを断念だんねんしたやうな方法ほうほうよりどころつた」と、作家さっかとしての川端かわばた方法ほうほうろんとりたとえながらさんとう解説かいせつし、てのひら小説しょうせつには川端かわばた文学ぶんがく全般ぜんぱん方法ほうほうろん主題しゅだい要約ようやくされているとしている[26][6]

おおくのひと作家さっか評価ひょうかするのにその作家さっかてき属性ぞくせいばかりをるのであらう。すくなくとも川端かわばた康成やすなり場合ばあいしん意味いみかれ才能さいのうぶべきは、かれらすりへらさうとたたかえつてたそのおびただしい華麗かれい属性ぞくせいではなく、たえずいてくる属性ぞくせいうしなひつくさうとする非情ひじょう意慾いよくであつただらうに。(中略ちゅうりゃく作家さっか自己じこ属性ぞくせい発掘はっくつしこれを自我じが確立かくりつによつて定着ていちゃくするのが彼等かれら方法ほうほうであるとすれば、作品さくひんとしてうまれたものがその作家さっかてき属性ぞくせいをふりすてることによつて作品さくひん完成かんせいし、それと引換ひきかえへに芸術げいじゅつといふ形象けいしょうをうけとらうとするのは川端かわばた康成やすなり方法ほうほうだ。(中略ちゅうりゃく
それにしてもてのひら小説しょうせついちかんは、かれ文学ぶんがく全般ぜんぱんへの敷衍ふえん容易よういにする。かれ思想しそう(この言葉ことばかれかんするかぎ特別とくべつ吟味ぎんみされなければならないが)、かれ方法ほうほうかれこのんでもちいひる主題しゅだいは、たいていここに要約ようやくされてゐる。 — 三島みしま由紀夫ゆきお川端かわばた康成やすなりろん一方いっぽうほう――『作品さくひん』について」[26]

伊藤いとうせいは、てのひら小説しょうせつぐんについて川端かわばた独特どくとくのものだと評価ひょうかし、以下いかのようにまとめている[42][22][25]

それはこの作者さくしゃ独特どくとくのものであって、散文詩さんぶんしふう描写びょうしゃや、一種いっしゅ神秘しんぴ思想しそうったものなどがある。こういう作品さくひん相当そうとうすうかれたこともまた、この作者さくしゃ自己じこ資質ししつかすために、小説しょうせつというものの通念つうねんによるかたちながさや物語ものがたりせい拒否きょひするしんはたらいたことによったのだろう。 — 伊藤いとうせい解説かいせつ」(『現代げんだい日本にっぽん小説しょうせつ大系たいけい』)[42]

また伊藤いとうは、てのひら小説しょうせつ作品さくひん数々かずかず川端かわばたの「熟成じゅくせい」をじゅんって反映はんえいしているため、川端かわばたのどの小説しょうせつよりも「もっともよく川端かわばた康成やすなり芸術げいじゅつ成立せいりつ説明せつめいしてゐる」と解説かいせつしている[20]

杉浦すぎうらあきらたいらは、てい評価ひょうかしており、「才気さいきかれたものであって、モーパッサン短篇たんぺんのようにちがついているけれども、残念ざんねんながらモーパッサンのように人生じんせいへのふか関心かんしんからはっしておらず、浅薄せんばくかんをまぬがれず、んでしまえばたちまちわすれてしまう」ものとしている[43][5][25]。そして、「人間にんげん社会しゃかいでたたかってきてゆこうとする意志いしなどまったく関係かんけいなく、そのその気分きぶんしながされてゆくてん」が、横光よこみつ利一としかず作品さくひんおなじ「人間にんげん喪失そうしつ文学ぶんがく」であると手厳てきびしい批判ひはんをし、「その根本こんぽんてき性格せいかくは、今日きょういたるまで川端かわばた文学ぶんがくにつきまとっている」としている[43][5][25]

渋川しぶかわは、川端かわばたの「美的びてき観念かんねん分解ぶんかいすることは実際じっさいじょうでは不可能ふかのうかもしれない」が、川端かわばたの「美的びてき観念かんねん実体じったい理解りかい」には「分析ぶんせき総合そうごうしか理解りかい方法ほうほうがない」として、川端かわばたてのひら小説しょうせつぐん代表だいひょうさく傾向けいこうを6種類しゅるい分類ぶんるいしている[44][45]。この渋川しぶかわ見解けんかいてのひら小説しょうせつぐん本格ほんかくてき分類ぶんるい分析ぶんせき嚆矢こうしとなったが[25]個々ここ掌篇しょうへん内容ないよう難解なんかいさについては以下いかのように解説かいせつしている[25][44]

文章ぶんしょう明晰めいせきさにもかかわらず、その作品さくひん内容ないようかならずしもわかやすいとはかぎらない。ものによってはかなり難解なんかいのものさえ存在そんざいしている。それはその内容ないようおおくの省略しょうりゃくがほどこされているからである。それは必要ひつようなものを極度きょくどてようとするかれ特有とくゆう美学びがくからているであろう。ときには必要ひつようなものさえてる冒険ぼうけんをおかしている。そのようなはげしい処置しょちによって、かれちいさな結晶けっしょうたい角度かくどかずやそうとこころみる。そこからうまれるおおくのめんはなひかりがたがいに反射はんしゃうことによって、そこに複雑ふくざつかがやきをおこさせるのだ。その複雑ふくざつさがとく難解なんかい相貌そうぼうていしてもくるのだ。 — 渋川しぶかわ驍「川端かわばた康成やすなり――作家さっかろん作品さくひんろん資料しりょう てのひら小説しょうせつ[44]

河上かわかみ徹太郎てつたろうは、川端かわばた文学ぶんがくの「エッセンス」がもっているてのひら小説しょうせつぐんは、「川端かわばた文学ぶんがく故郷こきょう」だとひょうして、川端かわばた文学ぶんがく愛読あいどくしゃならてのひら小説しょうせつなかに「後年こうねん開花かいかしたイメージの純粋じゅんすい原型げんけい」を看取かんしゅできるとべている[27][6]

著者ちょしゃ自身じしんかくも愛着あいちゃくつということは、たしかにこのなか川端かわばた文学ぶんがくのエッセンスがもっていることをしめすのである。これはいわば川端かわばた文学ぶんがく故郷こきょうである。丁度ちょうどこのなかの「母国ぼこく祈祷きとう」の加代子かよこ生命せいめいのように、それが他郷たきょうそとおとこなかえているときも、じつはそれは「自分じぶん」のなかってしばりつけられているのとおなじだ。愛読あいどくしゃなら、このなか後年こうねん開花かいかしたイメージの純粋じゅんすい原型げんけいるであろう。 — 河上かわかみ徹太郎てつたろう川端かわばた文学ぶんがく故郷こきょう[27]

長谷川はせがわいずみは、最初さいしょ作品さくひんしゅう感情かんじょう装飾そうしょく』について「前人ぜんじん未踏みとう業績ぎょうせき」とし[46][6][25]、「掌篇しょうへん小説しょうせつ川端かわばたざいはな万華鏡まんげきょうである」と表現ひょうげんしてこう評価ひょうかしている[47][6][25]。そして川端かわばたてのひら小説しょうせつぐんは「川端かわばた文学ぶんがくひらきとびらかぎ」だと位置いちづけて以下いかのようにひょうしている[47][6]

てのひら小説しょうせつは、川端かわばた文学ぶんがく貴重きちょう道標どうひょうであるとおもう。「雪国ゆきぐに」「名人めいじん」「やまおと」「千羽鶴せんばづる」など川端かわばた文学ぶんがくひらきとびらかぎは、「伊豆いず踊子おどりこ」などではない。てのひら小説しょうせつぐんである。そしててのひら小説しょうせつぐんから川端かわばた文学ぶんがく入門にゅうもんのすべてを把握はあくしようとおもったら、ひとおそれさせる川端かわばたのあのぎょろりとした眼光がんこうのような洞察どうさつ必要ひつようである。 — 長谷川はせがわいずみ川端かわばた康成やすなり入門にゅうもん[47]

和田わだ芳恵よしえは、川端かわばた作品さくひんなか作品さくひんしゅう感情かんじょう装飾そうしょく』がもっときなものだとべ、その理由りゆうを「かわらない清新せいしんさがあり、このなかに、すべて川端かわばた文学ぶんがく原型げんけいがふくまれている」からとしている[48][25]。また、和田わだはそのてのひら小説しょうせつについて「川端かわばた康成やすなりという、すぐれた資質ししつりあてた純度じゅんどたか鉱脈こうみゃく」だとし[49]川端かわばたにとっててのひら小説しょうせつっている「役割やくわり」にかんし、「作者さくしゃ異常いじょうで、病的びょうてきともおもわれる、うまれながらの鋭敏えいびん感性かんせいを、てのひら小説しょうせつという砥石といしが、えず、とぎすましてきたということができよう」と考察こうさつしている[49][25]

松坂まつさか俊夫としおは、渋川しぶかわ驍による作品さくひん分類ぶんるいよりもさらに詳細しょうさい分類ぶんるいし、それぞれの作品さくひん系譜けいふなどのてのひら小説しょうせつぐん体系たいけい本格ほんかくてき解説かいせつしている[5][24][45][25]羽鳥はとり徹哉てつやは、てのひら小説しょうせつのほとんどが「輪廻りんね転生てんせい思想しそう不滅ふめつせいへの信仰しんこう背景はいけいにしている」として[50][51]川端かわばたの「万物ばんぶつ一如いちにょ輪廻りんね転生てんせい」、「心霊しんれいがく」、「かわりのはは」といった主題しゅだいめんからてのひら小説しょうせつぐんにもひろ言及げんきゅうしている[50][52][53][25]

エドワード・G・サイデンステッカーは、てのひら小説しょうせつという「きわめて特異とくい形式けいしき」を「川端かわばたほどみごとにかした作家さっかは、わたしかぎかれ以外いがい一人ひとりもいない」とひょうして[54][25]川端かわばたてのひら小説しょうせつぐんを「散文さんぶん俳句はいく相当そうとうするといえまいか」、あるいは「俳句はいくというよりむしろ連歌れんがおもこさせる」と考察こうさつしている[54][25]

ドナルド・キーンは、川端かわばたてのひら小説しょうせつには、モダニズムシュールレアリスムしん感覚かんかくてきなもの、私小説ししょうせつてき断片だんぺん寓話ぐうわたび印象いんしょう市井しせいのスケッチ、ゆめ回想かいそうてきなものなど多彩たさい内容ないようあふれ、ごくみじかかたち数々かずかずではあるものの、それらには「川端かわばた文学ぶんがく全体ぜんたい性格せいかく代表だいひょうする」ものがあり[55]、「川端かわばたミニチュアこのみ、プロットなかばに作品さくひんくせをよく反映はんえいしている」とも考察こうさつ[55]、それとはぎゃくに、そのようにはじめはみじか作品さくひんだったものが、「作者さくしゃ意図いとはんするかのように」その発展はってんし、なが年月としつきをかけてがれ、「最初さいしょ短編たんぺん主題しゅだい完全かんぜん使つかたされるまで」つづいて長編ちょうへんになることもある川端かわばた文学ぶんがく特徴とくちょうにも言及げんきゅうしている[55]。またキーンは、川端かわばたてのひら小説しょうせつ自身じしんの「芸術げいじゅつ真骨頂しんこっちょう」とおもっていたような時期じきがあったことにれながら、川端かわばた自殺じさつ直前ちょくぜんに『雪国ゆきぐに』をてのひら小説しょうせつして「雪国ゆきぐにしょう」になおこころみをしたことに着目ちゃくもくしている[55]

作品さくひん系譜けいふによる分類ぶんるい[編集へんしゅう]

てのひら小説しょうせつぐん作品さくひん傾向けいこう系譜けいふからの分類ぶんるいは、評論ひょうろんにより微妙びみょうことなるものが、いくつか提示ていじされているが、先駆せんくてきなものは、伊藤いとうせいが4つの視点してんのカテゴリーをべたもので[20][45][25]、その渋川しぶかわが、川端かわばた本人ほんにんの1950ねん昭和しょうわ25ねん)のだいいち全集ぜんしゅうでの自作じさく解説かいせつちゅう各々おのおの作品さくひん傾向けいこう言及げんきゅう踏襲とうしゅうしながら6つのカテゴリーにけている[44][22][25][56]

松坂まつさか俊夫としおも、川端かわばた自作じさく解説かいせつ基本きほんに、伊藤いとう渋川しぶかわ分類ぶんるい参考さんこうにしながら体系たいけいてき分類ぶんるいこころみている[22][45][57][58]吉村よしむらさだは、新潮しんちょう文庫ぶんこの『てのひら小説しょうせつ解説かいせつちゅうおおまかに5つのカテゴリーに分類ぶんるい[1]長谷川はせがわいずみは146へんてのひら小説しょうせつとしたうえで、松坂まつさか分類ぶんるいほうまえつつ、さらにかなりこまかく区分くわけして21のカテゴリーに分類ぶんるいしている[57]羽鳥はとり徹哉てつやは、あらたな分類ぶんるい事項じこうとして2つをくわえることも可能かのうとしている[50][51]

こうしたそれぞれの分類ぶんるいほうこころみは、ひとつの作品さくひん複数ふくすう分類ぶんるい項目こうもく重複じゅうふくすることもあるため、整理せいり複雑ふくざつになり分類ぶんるいむずかしいめんもある[22][57]

川端かわばた康成やすなり本人ほんにん自作じさく解説かいせつちゅう言及げんきゅう[17][22][56]
  1. 日向ひなた」のむすめにつながるもの
    • よわ」「彼女かのじょ」「のこ出産しゅっさん」「写真しゃしん」「雨傘あまがさ」「生命せいめい保険ほけん
  2. 自伝じでんてきなもの・自己じこ閲歴えつれきによるもの
    • ほねじつひ」「日向ひなた」「つき」「はは」「あぶら」「合掌がっしょう」「わらいはぬおとこ
  3. まち散歩さんぽたものから発想はっそうしたもの
    • 帽子ぼうし事件じけん」「バッタと鈴虫すずむし」「おとこおんな荷車にぐるま」「夜店よみせ微笑びしょう
  4. 伊豆いずとう取材しゅざいしたもの
    • みなと」「かみ」「おしん地蔵じぞう」「ふゆちかし」「胡頽子ぐみ盗人ぬすっと」「処女しょじょいのり」「しんいます」「うま美人びじん」「踊子おどりこたび風俗ふうぞく」「すべがん」「たまだい」「有難ありがとう」「うみ」「なつくつ
  5. 牧歌ぼっかてき傾向けいこうのもの
    • 胡頽子ぐみ盗人ぬすっと」「有難ありがとう」「万歳ばんざい
  6. 神秘しんぴてきなものをふくんだもの
    • 処女しょじょいのり」「龍宮りゅうぐう乙姫おとひめ」「心中しんちゅうの」「霊柩車れいきゅうしゃ」「屋上おくじょう金魚きんぎょ」「おんな」「盲目もうもく少女しょうじょ」「金糸きんしすずめ」「写真しゃしん」「死顔しにがお出来事できごと
  7. 野性やせいへのあこがれをふくんだもの
    • なつくつ」「おしん地蔵じぞう」「処女しょじょいのり」「じゅうねん
  8. おんな貞操ていそうえがいたもの
    • あさつめ」「かみほね」「貧者ひんじゃ恋人こいびと」「めん」「みなと」「じゅうねん」「おしん地蔵じぞう」「うま美人びじん
  9. 家庭かていからの解放かいほうえがいたもの
    • 故郷こきょう」「家庭かてい」「離婚りこん」「なつくつ」「うみ」「屋上おくじょう金魚きんぎょ」「うま美人びじん
  10. 浅草あさくさもの
    • 日本人にっぽんじんアンナ」「にわとり踊子おどりこ」「白粉おしろいとガソリン」「しばられたおっと
伊藤いとうせい分類ぶんるいてき視点してん[20][45][25][56]
  1. 大正たいしょう中期ちゅうき菊池きくちひろし久米くめ正雄まさおなどがよくいたテーマ小説しょうせつというものの圧縮あっしゅくがた
  2. ある生活せいかついち場面ばめんの、よくまとまった写生しゃせいぶんとしてこのみじか散文さんぶん形式けいしきかされているもの
  3. 散文詩さんぶんしふう幻想げんそうゆめえがいたもの
  4. 以上いじょうの3しゅのどれかとむすびつきながら、内容ないようてきなま認識にんしきみじかするどくまとめたもの
渋川しぶかわ驍の分類ぶんるい[44][56]
  1. 神秘しんぴてき傾向けいこうったもの
    • 死顔しにがお出来事できごと」「金糸きんしすずめ」「写真しゃしん」「人間にんげん足音あしおと」「すずめ媒酌ばいしゃく」「心中しんちゅうの」「龍宮りゅうぐう乙姫おとひめ」「処女しょじょいのり」
  2. ゆめあつかって神秘しんぴせいにつながるもの
    • よわ」「彼女かのじょ」「のこ出産しゅっさん
  3. 家庭かていからの解放かいほうえがいたもの
    • なつくつ」「うみ
  4. 野性やせいへのあこがれを主題しゅだいとしたもの
    • 「おしん地蔵じぞう」「なつくつ」「じゅうねん」「処女しょじょいのり」
  5. 貞操ていそう主題しゅだいとしたもの
    • 「おしん地蔵じぞう」「屋根やねした貞操ていそう」「みなと」「しろはな」「じゅうねん
  6. 自伝じでんてき色彩しきさいびたもの
    • 日向ひなた」「はは」「じゅうねん」「つき
松坂まつさか俊夫としお分類ぶんるい[22][45][58]
題材だいざい取材しゅざいめんから
  1. 日向ひなた」のむすめにつながる作品さくひん
    • 日向ひなた」「写真しゃしん」「よわ」「彼女かのじょ」「のこ出産しゅっさん」「雨傘あまがさ
  2. とう取材しゅざいした作品さくひん
    • 「おしん地蔵じぞう」「かみ」「胡頽子ぐみ盗人ぬすっと」「ふゆちかし」「処女しょじょいのり」「有難ありがとう」
内容ないようめんから
  1. 神秘しんぴてき傾向けいこう作品さくひん
    1. 神秘しんぴてきなものをふくむもの
      • 死顔しにがお出来事できごと」「金糸きんしすずめ」「写真しゃしん」「人間にんげん足音あしおと」「すずめ媒酌ばいしゃく」「心中しんちゅうの」「龍宮りゅうぐう乙姫おとひめ」「処女しょじょいのり」
    2. ゆめあつかって神秘しんぴせいにつながるもの
      • よわ」「彼女かのじょ」「のこ出産しゅっさん」「不死ふし
  2. 牧歌ぼっかてき傾向けいこう作品さくひん
    • すべがん」「有難ありがとう」「万歳ばんざい」「胡頽子ぐみ盗人ぬすっと」「ふゆちかし」
  3. 野性やせいへのあこがれをおもとした作品さくひん
    • 「おしん地蔵じぞう」「なつくつ」「じゅうねん」「処女しょじょいのり」
  4. 貞操ていそうえがいた作品さくひん
    • 「おしん地蔵じぞう」「屋根やねした貞操ていそう」「みなと」「しろはな」「じゅうねん
  5. 家庭かていからの解放かいほうえがいた作品さくひん
    • なつくつ」「うみ
  6. 自伝じでんてき色彩しきさいびた作品さくひん
    • ほねじつひ」「あぶら」「日向ひなた」「はは」「じゅうねん」「つき」「合掌がっしょう」「わらいはぬおとこ」、その題材だいざい取材しゅざいめんからの1.「日向ひなた」のむすめにつながる作品さくひんのほとんどがこの項目こうもくふくまれる。
  7. 女性じょせい生活せいかつりょくえがいた作品さくひん
    • かみ」「なつくつ
  8. 女性じょせい虚栄きょえいえがいた作品さくひん
    • 指輪ゆびわ」「時計とけい」「てき
  9. テーマ小説しょうせつ圧縮あっしゅくがた
    • 立場たちば」「硝子がらす
  10. 生活せいかついち場面ばめん写生しゃせいぶん
    • 落日らくじつ」「たまだい
吉村よしむらさだ分類ぶんるい[1]
  1. 自伝じでんてき作品さくひん
    • ほねじつひ」「じゅうねん」「はは」「日向ひなた」「よわ」「彼女かのじょ」「のこ出産しゅっさん」「写真しゃしん」「雨傘あまがさ」「処女しょじょさくたたり」
  2. 伊豆いず取材しゅざいした作品さくひん
    • かみ」「指輪ゆびわ」「おしん地蔵じぞう」「ふゆちかし」「胡頽子ぐみ盗人ぬすっと」「処女しょじょいのり」「しんいます」「はは」「うま美人びじん」「踊子おどりこたび風俗ふうぞく」「すべがん」「たまだい」「有難ありがとう」「うみ」「なつくつ」「みなと」「駿河するが令嬢れいじょう
  3. 浅草あさくさ舞台ぶたいにした作品さくひん
    • 日本人にっぽんじんアンナ」「にわとり踊子おどりこ」「白粉おしろいとガソリン」「しばられたおっと
  4. リラダンふう作品さくひん
    • 落日らくじつ」「人間にんげん足音あしおと」「化粧けしょう」「質屋しちやにて」「貧者ひんじゃ恋人こいびと」「硝子がらす」「金糸きんしすずめ」「時計とけい」「つき」「すずめ媒酌ばいしゃく」「しんいます」「あさつめ」「かみほね」「金銭きんせんみち
  5. 写生しゃせいふう・スケッチふう作品さくひん
    • わらいはぬおとこ」「愛犬あいけん安産あんざん」「おとこおんな荷車にぐるま」「夜店よみせ微笑びしょう」「さざんはな」「笹舟ささぶね」「紅梅こうばい」「たまご
  6. 物語ものがたりせいつよくはたらいている作品さくひん
    • かみ」「みなと」「ひゃくごう」「おんな」「雪隠せっちん成仏じょうぶつ」「盲目もうもく少女しょうじょ」「たた」「くろ牡丹ぼたん」「離婚りこん」「いもうと着物きもの」「ねむへき
  7. ゆめ王国おうこく神秘しんぴてき幻想げんそうてき作品さくひん
    • よわ」「彼女かのじょ」「のこ出産しゅっさん」「霊柩車れいきゅうしゃ」「屋上おくじょう金魚きんぎょ」「心中しんちゅうの」「龍宮りゅうぐう乙姫おとひめ」「へび」「不死ふし」「」「白馬はくば」「ゆき」「あきあめ
長谷川はせがわいずみ分類ぶんるい[57]
  1. ちょう現実げんじつてき神秘しんぴてき作品さくひん
    • 死顔しにがお出来事できごと」「心中しんちゅうの」「龍宮りゅうぐう乙姫おとひめ」「処女しょじょいのり」「霊柩車れいきゅうしゃ」「屋上おくじょう金魚きんぎょ」「おんな」「処女しょじょさくたたり」「盲目もうもく少女しょうじょ
  2. 怪奇かいき霊感れいかん輪廻りんね思想しそうてき作品さくひん
    • 金糸きんしすずめ」「すべがん」「たまだい」「すずめ媒酌ばいしゃく」「合掌がっしょう」「あか喪服もふく」「門松かどまつく」「夫人ふじん探偵たんてい」「顕微鏡けんびきょう怪談かいだん」「足袋たび
  3. 空想くうそうゆめ幻想げんそうてき作品さくひん
    • 帽子ぼうし事件じけん」「母国ぼこく祈祷きとう」「あきかみなり」「ねむへき」「かお」「たまご」「へび」「あきあめ」「手紙てがみ」「乗馬じょうばふく」「白馬はくば」「ゆき」「たけこえももはな
  4. 夫婦ふうふあいだ情愛じょうあい男女だんじょ心理しんり機微きび作品さくひん
    • かみ」「金糸きんしすずめ」「てき」「硝子がらす」「立場たちば」「一人ひとり幸福こうふく」「しんいます」「はは」「あさつめ」「ひゃくごう」「門松かどまつく」「散文さんぶん」「彼女かのじょとうに就て」「化粧けしょう天使てんしたち」「舞踊ぶようくつ」「てつ梯子はしご」「騎士きし」「くつ白菜はくさい」「喧嘩けんか」「いもうと着物きもの」「ざくろ」「しょうきり」「紅梅こうばい」「なつふゆ」「たき」「あまだれ」「隣人りんじん」「月下美人げっかびじん」「かみながく」「雪国ゆきぐにしょう
  5. 人間にんげん心理しんり機微きび対決たいけつ作品さくひん
    • 歴史れきし」「舞踊ぶようかいよる」「ちちとなるはなし」「楽屋がくや乳房ちぶさ」「じゅうななさい」「かけす」
  6. 少年しょうねん少女しょうじょあい官能かんのう感傷かんしょう作品さくひん
    • おとこおんな荷車にぐるま」「バッタと鈴虫すずむし」「指輪ゆびわ」「駿河するが令嬢れいじょう」「日本人にっぽんじんアンナ」「てつ梯子はしご」「雨傘あまがさ」「うえ
  7. 女性じょせい生活せいかつりょく本質ほんしつてきりょくあつかった作品さくひん
    • うま美人びじん」「スリのはなし」「はは」「さんとう待合室まちあいしつ」「金銭きんせんみち」「おんなおんな」「化粧けしょう」「ちちとなるはなし」「令嬢れいじょう日記にっき」「まゆから」
  8. 女性じょせい貞操ていそう魅惑みわくあつかった作品さくひん
    • みなと」「しろはな」「屋根やねした貞操ていそう」「かみほね」「空家あきや」「貧者ひんじゃ恋人こいびと」「めん
  9. 野性やせいへのあこがれをえがいた作品さくひん
    • じゅうねん」「おしん地蔵じぞう」「なつくつ」「たた
  10. 家庭かていからの解放かいほうえがいた作品さくひん
    • うみ」「故郷こきょう」「家庭かてい」「離婚りこん」「望遠鏡ぼうえんきょう電話でんわ
  11. 女性じょせい虚栄きょえいしんえがいた作品さくひん
    • 指輪ゆびわ」「時計とけい」「てき
  12. 生活せいかつ断面だんめんえがいた作品さくひん
    • 質屋しちやにて」「雪隠せっちん成仏じょうぶつ」「わかめ」「さと」「みず」「五拾ごじっぜに銀貨ぎんか」「さざんはな」「明月めいげつ
  13. 風俗ふうぞくてき作品さくひん
    • はやしきんはな憂鬱ゆううつ」「夜店よみせ微笑びしょう」「御会式おえしきしょうけい」「時雨しぐれえき」「逗子ずし鎌倉かまくら―ロマンス以前いぜん―」「都会とかい手帳てちょう」「にわとり踊子おどりこ」「あるよる浅草あさくさ」「白粉おしろいとガソリン」「しばられたおっと」「秋風あきかぜ女房にょうぼう
  14. 鳥獣ちょうじゅうあつかった作品さくひん
    • くろ牡丹ぼたん」「舞踊ぶようくつ」「貞操ていそう番犬ばんけん」「愛犬あいけん安産あんざん」「さざんはな」「かけす」「たき」「たけこえももはな
  15. 牧歌ぼっかてき作品さくひん
    • 有難ありがとう」「万歳ばんざい」「胡頽子ぐみ盗人ぬすっと
  16. 肉親にくしんかんする作品さくひん
    • あぶら」「日向ひなた」「合掌がっしょう」「ほねじつひ」
  17. 伊藤いとう初代はつよかんする作品さくひん
    • 日向ひなた」「生命せいめい保険ほけん」「よわ」「彼女かのじょ」「のこ出産しゅっさん」「写真しゃしん」「処女しょじょさくたたり」「雨傘あまがさ」「浅草あさくささんにちゐたおんな
  18. 浅草あさくさかんする作品さくひん
    • はやしきんはな憂鬱ゆううつ」「日本人にっぽんじんアンナ」「にわとり踊子おどりこ」「あるよる浅草あさくさ」「白粉おしろいとガソリン」「しばられたおっと」「浅草あさくささんにちゐたおんな
  19. 伊豆いずかんする作品さくひん
    • かみ」「みなと」「うみ」「おしん地蔵じぞう」「すべがん」「有難ありがとう」「たまだい」「なつくつ」「ふゆちかし」「しんいます」「踊子おどりこたび風俗ふうぞく
  20. 抽象ちゅうしょうてき思想しそうてき作品さくひん
    • 落日らくじつ」「ふゆちかし」「わらいはぬおとこ」「士族しぞく」「
  21. 病的びょうてき感覚かんかくあつかった作品さくひん
    • 人間にんげん足音あしおと」「屋上おくじょう金魚きんぎょ」「おそれしいあい
羽鳥はとり徹哉てつや追加ついか分類ぶんるい[50][51]
  1. 土地とちからの解放かいほう
    • うみ」「万歳ばんざい」「故郷こきょう
  2. コスモポリタニズム
    • うみ」「じゅうねん

おもな代表だいひょうてき作品さくひん概説がいせつ[編集へんしゅう]

川端かわばた康成やすなり作品さくひん随筆ずいひつないからの文章ぶんしょう引用いんようは〈 〉にしています(論者ろんしゃ評者ひょうしゃ論文ろんぶんからの引用いんようとの区別くべつのため)。

ほねじつ[編集へんしゅう]

自伝じでんてき作品さくひんで、短編たんぺんじゅうろくさい日記にっき』でえがかれた祖父そふさんはちろう看病かんびょうつらなる内容ないようとなり、くなった祖父そふ火葬かそうあつかっている[17][59]執筆しっぴつ祖父そふの2ねんの1916ねん大正たいしょう5ねん)で、〈すこ文章ぶんしょうせいへながらうつつて[60]〉、1949ねん昭和しょうわ24ねん)に〈だいたい原文げんぶんのまま発表はっぴょう〉したものである[17][59][61]

伊藤いとうせいは、『じゅうろくさい日記にっき同様どうように、川端かわばたの「老成ろうせいしゃじみた諦念ていねん自己じこ放棄ほうきてき淡泊たんぱくさ」という「作家さっかとしての資格しかく」の「かく」がすでに少年しょうねん時代じだいからあったことが看取かんしゅできる作品さくひんだとひょうしている[20]祖父そふ題材だいざいにした作品さくひんには、『じゅうろくさい日記にっき以外いがいにも、短編たんぺん葬式そうしき名人めいじん』がある[59]

はは[編集へんしゅう]

自伝じでんてき色彩しきさいびた作品さくひんで、わかくして結核けっかくくなった両親りょうしん題材だいざいにしている[17]。3さいときはは結核けっかくくした経験けいけんつゆえに、罹患りかんした結核けっかくをうつすまいとはたつまってくることを拒絶きょぜつするおっときびしさと、いっそのこと病気びょうきをうつしてほしいとすがりつくつま愛情あいじょうじくに、結核けっかくがうつってしまったつま病室びょうしつれず子供こどもむすめ)をおもい、その自分じぶんのように将来しょうらいたのしく結婚けっこんさせてやってくれるよう遺言ゆいごんつまからたくされたおっとが、わが将来しょうらいははになることをねがははこいえがかれている。川端かわばた文学ぶんがくの「あい」と「非情ひじょう」の原型げんけいが、この作品さくひんつまの「じょう」と、おっとの「非情ひじょう」のあい看取かんしゅされると指摘してきされている[62]

川端かわばたは〈少年しょうねんのころのわたしには自分じぶん結核けっかくにかかつて若死わかじにするといふおそれがあつた〉としている[17]作中さくちゅう子供こども父母ちちははのいる病室びょうしつはいりたがってふすまにぶつかるところは、〈わたしちちははから病室びょうしつれてもらへなかつたといふことをだれかからいた〉ことからきているという[17]

この「はは」の構想こうそう一部いちぶ発展はってん、あるいは凝縮ぎょうしゅくされて、おなじくてのひら小説しょうせつ代表だいひょうてき作品さくひん心中しんちゅうの」が成立せいりつしたという研究けんきゅうもみられる[63]

自伝じでんてき色彩しきさいびたものにはに、ながいこと童貞どうていであった自身じしんえがいた「つき」などがある[17][64][65]

日向ひなた[編集へんしゅう]

川端かわばた自身じしんおぼしき人物じんぶつが、祖父そふとのおも初恋はつこい少女しょうじょ挿話そうわまじえて、自身じしんの「無言むごんのままひと凝視ぎょうしするくせ」についてかたった作品さくひんである。この少女しょうじょとの挿話そうわは、伊藤いとう初代はつよとの婚約こんやく成立せいりつした題材だいざいとなって創作そうさくされたものである[17][66][67]

伊藤いとう初代はつよとの幸福こうふくだったひとときの挿話そうわと、つね日向ひなた方角ほうがくかおけていた盲目もうもく祖父そふになってそのかおをじっとつめていた少年しょうねん時代じだい自分じぶん記憶きおくぜた「日向ひなた」について森本もりもとは、「自分じぶんあわれなちによる祖父そふへの愛情あいじょうと、これからむすめはじまるしん生活せいかつへの希望きぼう――。康成やすなりは、初代しょだいとのこい無惨むざん結果けっかわったのちも、あのときのうつくしい情景じょうけいわすれることができなかった」として、それゆえに処女しょじょ作品さくひんしゅう感情かんじょう装飾そうしょく』の巻頭かんとうに、その記念きねんとしてこの作品さくひんいたのだろうと解説かいせつ[67]長谷川はせがわいずみは、「むすめへのいとしさと、盲目もうもく祖父そふへの哀憐あいれん」が、主人公しゅじんこう川端かわばた)の「しん奥底おくそこうつくしく結合けつごうしている」作品さくひんだとひょうしている[68]

伊藤いとう初代はつよとの挿話そうわ題材だいざいにした作品さくひんは、「日向ひなた」のむすめにつながる作品さくひんともいいかえられており、ほかに、「よわ」「彼女かのじょ」「のこ出産しゅっさん」「写真しゃしん」「雨傘あまがさ」「処女しょじょさくたた」などがある[17][69][22][70][65]

じゅうねん[編集へんしゅう]

水平すいへいしゃ部落ぶらく少女しょうじょ澄子すみこ野蛮やばん魅力みりょくめぐ少年しょうねんたちの物語ものがたり。「じゅうねん」がかれる3ねんまえ1922ねん大正たいしょう11ねん)には、京都きょうと岡崎おかざき公会堂こうかいどうにて全国ぜんこく水平すいへいしゃ結成けっせいされて、部落ぶらくみん自由じゆうさけぶ「水平すいへいしゃ宣言せんげん」が採択さいたくされていたが[71]、この作品さくひんえがかれている〈自由じゆう〉は、「道徳どうとく規範きはん」からの自由じゆうであって、野性やせいてき澄子すみこのような本能ほんのうてききる〈自由じゆう〉の意味いみめられている[71]

川端かわばたは、〈中学生ちゅうがくせいたちが出身しゅっしん小学校しょうがっこうくだりつて、美少女びしょうじょつくえのものをぬすんだりするところだけは、誇張こちょうへて、わたしおもである〉とかたっており[17]自伝じでんてき色彩しきさいをおびた作品さくひん範疇はんちゅうはいることもあるが[1][65]川端かわばた本人ほんにんは、〈野性やせいへのあこがれ〉をえがいた作品さくひんだとべていることから[17]野性やせいへのあこがれをえがいた作品さくひんにも分類ぶんるいされている[45][57]

有難ありがと[編集へんしゅう]

牧歌ぼっかてき傾向けいこう作品さくひん分類ぶんるいされている作品さくひん[17][22][57]題材だいざいてきには伊豆いず題材だいざいにした作品さくひんふくまれ、舞台ぶたいは〈下田しもだ大仁おおひとあいだ下田しもだ街道かいどう、または天城あまぎ街道かいどう〉である[17][1]1936ねん昭和しょうわ11ねん)2がつ清水しみずひろしにより映画えいが(『りがたうさん』)され[72][73][74]2010ねん平成へいせい22ねん)には4オムニバス『てのひら小説しょうせつ』のだい2として、「あさつめ」と映画えいがされている[75][76]

あらすじとしては、バスってまちられていくむすめを、母親ははおやがせめてものなさけで、むすめきになったバス運転うんてんしゅとはじめての一夜いちやごさせるが、そのためにははむすめりにけなくなるという物語ものがたりで、「運転うんてんしゅあかるいひとがらと、人生じんせい底辺ていへんきるむすめのよろこびとかなしみが、ギリギリと簡潔かんけつ表現ひょうげんえがかれている」とひょうされている[1]

伊藤いとうせいは、「有難ありがとう」には「日本にっぽんそのもののかなしさ」といったものが「作品さくひんいちはい」にただよっているようながするとし[20]、この作品さくひんのような「現実げんじつ」はいまはないだろうが、こういう「現実げんじつ」があることにしてると、「日本にっぽん」がそこにうかがってくるようだとひょうしている[20]

三島みしま由紀夫ゆきおは、この作品さくひんてのひら小説しょうせつなかでもすぐれたもののひとつだとし、「ははれられてられにゆく少女しょうじょが、その途中とちゅうで、自分じぶんたちがつてぎょうつたバスの運転うんてんしゅはからずもむすばれる」というおもいがけない結末けつまつを、「作中さくちゅう人物じんぶつ作者さくしゃみながやさしくゆるしてゐる」と指摘してきしながら、むすめりにゆく母親ははおやも、られにゆくむすめも、やがてそのおっととなる運転うんてんしゅも、「運命うんめいたいして極度きょくど純潔じゅんけつ人々ひとびと」であると解説かいせつしている[26]。そしてかれらについて、「到底とうてい運命うんめい抗争こうそうするといふやうな人柄ひとがらではない。しかも彼等かれら運命うんめい盲従もうじゅうする怠惰たいだにしてさとし無力むりょく存在そんざいともげんれぬ。むしろかうげんふべきだ。かれらは運命うんめいたいしてうつくしい礼節れいせつ心得こころえてゐるひとたちだと」とひょうしている[26]

また、南伊豆みなみいずあかるいあき風光ふうこうがたぐいまれなうつくしさで再現さいげんされている作品さくひんとして、『伊豆いず踊子おどりこ』と併読へいどくすることを三島みしま推奨すいしょう[77]、さらに、世界せかい掌編しょうへん小説しょうせつ傑作けっさくぐんとして、メリメの『トレドの真珠しんじゅ』、ポオの『楕円だえんがた肖像しょうぞう』『妖精ようせいしま』、リラダンの『白鳥しらとり扼殺やくさつしゃ』『ヴィルジニイとポール』、ラディゲの『はなうりむすめ』、ラフカディオ・ハーンのいくつかの小品しょうひん里見さとみの『椿つばき』『伊予いよすだれ』、ほり辰雄たつおの『ねむりつてゐるおとこ』『素描そびょう』『風景ふうけい』、ヤコブセンの『ここに薔薇ばらあらば』、アポリネールおおくの小品しょうひんともに、川端かわばたの「有難ありがと」「雨傘あまがさ」「なつくつ」をげて、これらを網羅もうらすれば、宝石ほうせきはこのようなうつくしい「世界せかい掌編しょうへん小説しょうせつ全集ぜんしゅう」が出来上できあがるとべるほどたか評価ひょうかをしている[78]

とうなどの伊豆いず取材しゅざいした作品さくひんに、「かみ」「指輪ゆびわ」「しん地蔵じぞう」「ふゆちか」「胡頽子ぐみ盗人ぬすっと」「処女しょじょいの」「しんいます」「はは」「うま美人びじん」「踊子おどりこたび風俗ふうぞく」「たまだい」「なつくつ」「うみ」「すべがん」「みなと」などがある[1][17]

有難ありがとう」のオマージュ作品さくひんとしては、石田いしだころもりょうの「ありがとう」(2005ねん)がある[79]

日本人にっぽんじんアンナ[編集へんしゅう]

浅草あさくさ舞台ぶたいにした作品さくひんで、スリ天才てんさいであるしろけいロシアじん少女しょうじょを、そのインスピレーションそのままのさわやかさでえがいている[1]。ルボウルスキイあねおとうとロシア革命かくめいから日本にっぽんのがれてきていた実在じつざい人物じんぶつで、浅草あさくさ日本にっぽんかん出演しゅつえんしていた[17][80]

川端かわばたが『浅草あさくさべにだん』をいたころ作品さくひん[20][80]、『浅草あさくさべにだん』や、関東大震災かんとうだいしんさいについての随筆ずいひつ大火たいか見物けんぶつ』のなかにもアンナにかんする挿話そうわかたられ[80]、「はやしきんはな憂鬱ゆううつ」の末尾まつびにもアンナのてくる[81]いちだかせいころ川端かわばたはアンナ・ルボウルスキイにかれていたという[17][80]。「日本人にっぽんじんアンナ」はすべて空想くうそうであるが、日本人にっぽんじん不良ふりょう少年しょうねん変装へんそうしているアンナに財布さいふをすられる末尾まつびは、〈アンナにたいする親愛しんあいてんじてゐる〉として、〈浅草あさくさてのひら小説しょうせつではましなものであらう〉と川端かわばたかたっている[17]。2010ねん平成へいせい22ねん)には4オムニバス『てのひら小説しょうせつ』のだい3として映画えいがされている[75][76]

浅草あさくさ舞台ぶたいにしたものはに、「にわとり踊子おどりこ」「白粉おしろいとガソリン」「しばられたおっと」がある[17][20]

化粧けしょう[編集へんしゅう]

女性じょせい生活せいかつりょく本質ほんしつてきりょくあつかった作品さくひん[57]、あるいは人間にんげんせいするどえがいたリラダンふう作品さくひん分類ぶんるいされているものである[1][82]

あらすじてきには、いえまどからえる、斎場さいじょうのトイレで化粧けしょうなおしをする喪服もふくおんなたちに不信ふしんいている「わたし」が、トイレに化粧けしょうではなく、ハンカチを純粋じゅんすいきにやって少女しょうじょて、おんなへのそれまでの悪感情あくかんじょうぬぐられた気持きもちになるが、突然とつぜんその少女しょうじょ手鏡てかがみむかってニイっとわらってからったのをおどろはなしで、川端かわばた下谷しもたに上野桜木うえのさくらぎまち36番地ばんちげん台東たいとう上野桜木うえのさくらぎ)にんでいたときにトイレのまどからえたものを題材だいざいにしている[17][83]川端かわばたは、〈「化粧けしょう」は上野桜木うえのさくらぎまちわたしいえかわやまど谷中たになか斎場さいじょうかわやまどこうあいつてゐて、ここにいたやうなことをわたした〉とかたっている[17][83]

わらいはぬおとこ[編集へんしゅう]

自己じこ閲歴えつれきによるもの[17][22]写生しゃせいふう作品さくひん分類ぶんるいされているもので[1]川端かわばた自身じしんが1926ねん大正たいしょう15ねん)に原作げんさく脚本きゃくほん手掛てがけたサイレント映画えいがくるったいちぺーじ』の撮影さつえい体験たいけん題材だいざいにしてつくられた作品さくひんで、〈よごれためんかいつてかえるくだりまで〉は、ほぼ事実じじつれた作品さくひんである[17][84]。2010ねん平成へいせい22ねん)には4オムニバス『てのひら小説しょうせつ』のだい1として、「めん」と映画えいがされている[75][76]

写生しゃせいふう、あるいは作者さくしゃ生活せいかつ断片だんぺんやスケッチにちかいものはに、「愛犬あいけん安産あんざん」「くろ牡丹ぼたん」「おとこおんな荷車にぐるま」「夜店よみせ微笑びしょう」「さざんはな」「笹舟ささぶね」「紅梅こうばい」「たまご」「家庭かてい」「化粧けしょう」などがある[1][17]

心中しんちゅうの[編集へんしゅう]

初期しょきかれたもので、神秘しんぴてき傾向けいこう分類ぶんるいされている作品さくひんである[11]

あらすじてきには、2ねんまえげたおっとから、9さいむすめ物音ものおとてさせないようにゴムかさくつ茶碗ちゃわん使つかわせるなと次々つぎつぎ手紙てがみとどき、それにしたがつまだったが、むすめ御飯ごはん茶碗ぢゃわんしてきたのをきっかけに反動はんどうのようにおおきな物音ものおとはじめ、そのおとおっととどくかをうようにたしかめる。おっと手紙てがみはついに、「おまえたちはいっさいの物音ものおとてるな」と命令めいれいし、そしてつまむすめに、おっともそのよこならんでんでいたというはなし

川端かわばた自身じしんが、〈あいのかなしさをいたつもり〉とかいするこの「心中しんちゅうの」は[17]どう時代じだいひょうでは梶井かじい基次郎もとじろう注目ちゅうもくし、後記こうき感想かんそうふくめたオマージュ作品さくひん川端かわばた康成やすなりだいよん短篇たんぺんしゅう心中しんちゅうの」を主題しゅだいとせるヴアリエイシヨン』を3かげつ発表はっぴょう[30]伊藤いとうせいは「心中しんちゅうの」を「一群いちぐんてのひら小説しょうせつ頂点ちょうてん」とべるなどこう評価ひょうかした[20]。そのも、「愛情あいじょう束縛そくばくせい奪取だっしゅせい[44]、「あいとそのもろさ、はかなさ」[85]遠隔えんかく透視とうし物体ぶったいへだたどうなどの心霊しんれい現象げんしょう効果こうかてき使つかい「イロニカルあいかたちとその悲痛ひつうさをえぐった秀作しゅうさく」としてたか評価ひょうかがなされている[86][87]

ほし新一しんいちは、この作品さくひん魅入みいられて、自分じぶんなんうまかわっても「とてもけない」作品さくひんだと絶賛ぜっさんしている[88]

幻想げんそうてき神秘しんぴてき作品さくひんはほかに、「霊柩車れいきゅうしゃ」「屋上おくじょう金魚きんぎょ」「龍宮りゅうぐう乙姫おとひめ」「おんな」「盲目もうもく少女しょうじょ」「へび」「不死ふし」などがある[1][17]

不死ふし[編集へんしゅう]

これも神秘しんぴてき傾向けいこうのものとして分類ぶんるいされている作品さくひんで、ゆめあつかって神秘しんぴせいにつながる作品さくひん[89]、あるいは、ゆめ王国おうこく作品さくひんとして分類ぶんるいされている[1]

あらすじてきには、50ねん以上いじょうまえうみ身投みなげしてんだままとしをとらないおんなと、その原因げんいんでかつての恋人こいびとだった老人ろうじんって対話たいわし、最後さいご大樹たいじゅなかえてゆく物語ものがたり川端かわばた睡眠薬すいみんやく中毒ちゅうどくこうじていたころ執筆しっぴつされた作品さくひんである[90]。2010ねん平成へいせい22ねん)には4オムニバス『てのひら小説しょうせつ』のだい4として映画えいがもされている[75][76]

現世げんせいでもはなされてむすばれず、〈世界せかい〉でもえなかった2人ふたりはいってえていった〈大樹だいき〉は、「永遠えいえん」(生死せいし超越ちょうえつした〈不死ふし〉の世界せかい)を象徴しょうちょうするものという解釈かいしゃくもある[91]

てのひら小説しょうせつ130へん目録もくろく[編集へんしゅう]

順番じゅんばん発表はっぴょうじゅん初出しょしゅつ掲載けいさい掲載けいさい年月としつき川端かわばた康成やすなり#主要しゅよう作品さくひん参照さんしょうのこと。

新潮しんちょう文庫ぶんこてのひら小説しょうせつ改版かいはん122へん収録しゅうろくされていない作品さくひんは●しるし

  1. あぶら
  2. おとこおんな荷車にぐるま
  3. 日向ひなた
  4. 生命せいめい保険ほけん
  5. よわ
  6. 彼女かのじょ
  7. のこ出産しゅっさん
  8. バッタと鈴虫すずむし
  9. ゆびたまき
  10. 時計とけい
  11. かみ
  12. 金糸きんしすずめ
  13. みなと
  14. 写真しゃしん
  15. しろはな
  16. てき
  17. つき
  18. 落日らくじつ
  19. 屋根やねした貞操ていそう
  20. 死顔しにがお出来事できごと
  21. 人間にんげん足音あしおと
  22. うみ
  23. じゅうねん
  24. 硝子がらす
  25. しん地蔵じぞう
  26. すべがん
  27. 有難ありがと
  28. 万歳ばんざい
  29. 胡頽子ぐみ盗人ぬすっと
  30. たまだい
  31. なつくつ
  32. 立場たちば
  33. 心中しんちゅうの
  34. 竜宮りゅうぐう乙姫おとひめ
  35. 処女しょじょいの
  36. ふゆちか
  37. すずめ媒酌ばいしゃく
  38. 霊柩車れいきゅうしゃ
  39. 帽子ぼうし事件じけん
  40. 一人ひとり幸福こうふく
  41. しんいます
  42. 合掌がっしょう
  43. 屋上おくじょう金魚きんぎょ
  44. はは
  45. あさつめ
  46. おんな
  47. こわしいあい
  48. 歴史れきし
  49. 駿河するが令嬢れいじょう
  50. うま美人びじん
  51. ひゃくごう
  52. あか喪服もふく
  53. 処女しょじょさくたた
  54. かみほね
  55. スリのはなし
  56. 夜店よみせ微笑びしょう
  57. 門松かどまつ
  58. 盲目もうもく少女しょうじょ
  59. 母国ぼこく祈祷きとう
  60. 夫人ふじん探偵たんてい
  61. 故郷こきょう
  62. はは
  63. さんとう待合室まちあいしつ
  64. たた
  65. あきかみなり
  66. 家庭かてい
  67. 御会式おえしきしょうけい
  68. 時雨しぐれえき
  69. 質屋しちやにて
  70. くろ牡丹ぼたん
  71. 日本人にっぽんじんアンナ
  72. 雪隠せっちん成仏じょうぶつ
  73. 貧者ひんじゃ恋人こいびと
  74. わらいはぬおとこ
  75. 士族しぞく
  76. 離婚りこん
  77. 踊子おどりこたび風俗ふうぞく
  78. 顕微鏡けんびきょう怪談かいだん
  79. 望遠鏡ぼうえんきょう電話でんわ
  80. 金銭きんせんみち
  81. にわとり踊子おどりこ
  82. 化粧けしょう天使てんしたち
  83. 白粉おしろいとガソリン
  84. しばられたおっと
  85. 舞踊ぶようくつ
  86. ねむへき
  87. 雨傘あまがさ
  88. 喧嘩けんか
  89. めん
  90. かお
  91. 化粧けしょう
  92. いもうと着物きもの
  93. 舞踊ぶようかいよる
  94. 秋風あきかぜ女房にょうぼう
  95. 愛犬あいけん安産あんざん
  96. 楽屋がくや乳房ちぶさ
  97. まゆから
  98. ふじはないちご
  99. ざくろ
  100. わかめ
  101. じゅうななさい
  102. しょうきり
  103. さと
  104. みず
  105. 五拾ごじっぜに銀貨ぎんか
  106. さざんはな
  107. 紅梅こうばい
  108. 足袋たび
  109. かけす
  110. なつふゆ
  111. ほねじつ
  112. 笹舟ささぶね
  113. たまご
  114. たき
  115. へび
  116. 明月めいげつ
  117. あきあめ
  118. 手紙てがみ
  119. 隣人りんじん
  120. じょう
  121. 乗馬じょうばふく
  122. かささぎ
  123. 不死ふし
  124. 月下美人げっかびじん
  125. 白馬はくば
  126. ゆき
  127. めづらしいじん
  128. かみながく ●
  129. たけこえももこえ

※なお、長谷川はせがわいずみは、「はやしきんはな憂鬱ゆううつ」「しずかなあめ」「散文さんぶん」「空家あきや」「逗子ずし鎌倉かまくら―ロマンス以前いぜん―」「都会とかい手帳てちょう」「彼女かのじょとうに就て」「あるよる浅草あさくさ」(「浅草あさくさ日記にっき」)「おんなおんな」「てつ梯子はしご」「騎士きし」「くつ白菜はくさい」「貞操ていそう番犬ばんけん」「浅草あさくささんにちゐたおんな」「ちちとなるはなし」「令嬢れいじょう日記にっき」「あまだれ」「雪国ゆきぐにしょう」をくわえて、「ふじはないちご」「めづらしいじん」の2へんのぞいた146へんてのひら小説しょうせつとしている[10]

映画えいが[編集へんしゅう]

おもな収録しゅうろく刊行かんこうほん[編集へんしゅう]

単行本たんこうぼん選集せんしゅう[編集へんしゅう]

  • 感情かんじょう装飾そうしょく』(金星かなぼしどう、1926ねん6がつ15にち
    • 装幀そうてい吉田よしだ謙吉けんきち。B6ばんはこいれ
    • 収録しゅうろく作品さくひん:「日向ひなた」「死顔しにがお出来事できごと」「おしん地蔵じぞう」「すべがん」「屋根やねした貞操ていそう」「バッタと鈴虫すずむし」「かみ」「金糸きんしすずめカナリヤ」「みなと」「写真しゃしん」「しろはな」「はは」「立場たちば」「指輪ゆびわ」「時計とけい」「落日らくじつ」「人間にんげん足音あしおと」「よわ」「彼女かのじょ」「のこ出産しゅっさん」「てき」「有難ありがとう」「万歳ばんざい」「胡頽子ぐみぐみ盗人ぬすっと」「たまだい」「なつくつ」「すずめ媒酌ばいしゃく」「朝鮮ちょうせんじん」「じゅうねん」「硝子がらす」「ふゆちかし」「心中しんちゅうの」「龍宮りゅうぐう乙姫おとひめ」「処女しょじょいのり」「つき
    • 初期しょきてのひら小説しょうせつ35へん収録しゅうろく
  • ぼく標本ひょうほんしつ』〈新興しんこう芸術げいじゅつ叢書そうしょ〉(新潮社しんちょうしゃ、1930ねん4がつ7にち
    • B6ばんそうほん
    • 収録しゅうろく作品さくひん:「はは」「かみほね」「日本人にっぽんじんアンナ」「あさつめ」「望遠鏡ぼうえんきょう電話でんわ」「故郷こきょう」「踊子おどりこたび風俗ふうぞく」「死顔しにがお出来事できごと」「なつくつ」「時雨しぐれえき」「しんいます」「夫人ふじん探偵たんてい」「たた」「帽子ぼうし事件じけん」「くろ牡丹ぼたん」「心中しんちゅうの」「朝鮮ちょうせんじん」「おとこおんな荷車にぐるま」「おそれしいあい」「硝子がらす」「あぶら」「おんな」「金銭きんせんみち」「日向ひなた」「盲目もうもく少女しょうじょ」「つき」「一人ひとり幸福こうふく」「さんとう待合室まちあいしつ」「屋上おくじょう金魚きんぎょ」「金糸きんしすずめ」「士族しぞく」「しん地蔵じぞう」「バッタと鈴虫すずむし」「家庭かてい」「母国ぼこく祈祷きとう」「じゅうねん」「うま美人びじん」「わらいはぬおとこ」「はは」「人間にんげん足音あしおと」「霊柩車れいきゅうしゃ」「貧者ひんじゃ恋人こいびと」「有難ありがと」「かみ」「合掌がっしょう」「離婚りこん」「顕微鏡けんびきょう怪談かいだん
    • ※ 『感情かんじょう装飾そうしょくちゅうの15へん太字ふとじ)に、新作しんさく32へんくわえたてのひら小説しょうせつ47へん収録しゅうろく
  • 川端かわばた康成やすなり選集せんしゅうだい1かん てのひら小説しょうせつ』(改造かいぞうしゃ、1938ねん7がつ19にち) - ぜん9かん本選ほんせんしゅう
    • 装幀そうてい芹沢せりざわ銈介愛蔵あいぞう限定げんていばん)、はやし芙美子ふみこ並製なみせいばん)。
    • よんろくばんはこいれ愛蔵あいぞう限定げんていばん)、よんろくばん厚紙あつがみそう並製なみせいばん)。口絵くちえ写真しゃしんいちよう
    • 月報げっぽうだい4かい):島木しまき健作けんさく川端かわばたさん」。付録ふろく川端かわばた康成やすなりだい1かんあとがき」・「掌篇しょうへん小説しょうせつ流行りゅうこう
    • 収録しゅうろく作品さくひん:「はは」「なつくつ」「心中しんちゅうの」「時雨しぐれえき」「日向ひなた」「雪隠せっちんせっちん成仏じょうぶつ」「有難ありがとう」「かお」「かみ」「日本人にっぽんじんアンナ」「死顔しにがお出来事できごと」「金銭きんせんみち」「金糸きんしすずめ」「母国ぼこく祈祷きとう」「貧者ひんじゃ恋人こいびと」「帽子ぼうし事件じけん」「しばられたおっと」「かみほね」「朝鮮ちょうせんじん」「おとこおんな荷車にぐるま」「おんな」「いもうと着物きもの」「胡頽子ぐみ盗人ぬすっと」「白粉おしろいとガソリン」「雨傘あまがさ」「たた」「うま美人びじん」「あぶら」「家庭かてい」「夫人ふじん探偵たんてい」「処女しょじょいのり」「離婚りこん」「化粧けしょう」「はは」「くろ牡丹ぼたん」「屋上おくじょう金魚きんぎょ」「しんいます」「みなと」「バッタと鈴虫すずむし」「おしん地蔵じぞう」「望遠鏡ぼうえんきょう電話でんわ」「故郷こきょう」「わらいはぬおとこ」「あさつめ」「盲目もうもく少女しょうじょ」「めん」「踊子おどりこたび風俗ふうぞく」「ねむへき」「士族しぞく」「化粧けしょう天使てんしたち」「のこ出産しゅっさん」「にわとりにわとり踊子おどりこ」「秋風あきかぜ女房にょうぼう」「写真しゃしん」「門松かどまつく」「つき」「硝子がらす」「楽屋がくや乳房ちぶさ」「おそれしいあい」「万歳ばんざい」「あきかみなり」「じゅうねん」「指輪ゆびわ」「顕微鏡けんびきょう怪談かいだん」「よわ」「質屋しちやにて」「まゆから」「舞踊ぶようくつ」「一人ひとり幸福こうふく」「霊柩車れいきゅうしゃ」「すべがん」「人間にんげん足音あしおと」「さんとう待合室まちあいしつ」「龍宮りゅうぐう乙姫おとひめ」「ふじはないちご」「ひゃくごう」「舞踊ぶようかいよる
    • ※ 『ぼく標本ひょうほんしつ新作しんさくくわえたてのひら小説しょうせつ77へん収録しゅうろく
  • 短篇たんぺんしゅう』〈黒白くろしろ叢書そうしょ〉(砂子屋書房いさごやしょぼう、1939ねん11月20にち
    • よんろくばんはこいれ上製じょうせい)、四六判しろくばんそうほん並製なみせい
    • 収録しゅうろく作品さくひん:「なつくつ」「有難ありがとう」「かみ」「朝鮮ちょうせんじん」「うま美人びじん」「しんいます」「おしん地蔵じぞう」「すべがん」「時雨しぐれえき」「雪隠せっちん成仏じょうぶつ」「帽子ぼうし事件じけん」「めん」「にわとり踊子おどりこ」「はは」「心中しんちゅうの」「日向ひなた」「死顔しにがお出来事できごと」「貧者ひんじゃ恋人こいびと」「いもうと着物きもの」「雨傘あまがさ」「あぶら」「家庭かてい」「盲目もうもく少女しょうじょ」「舞踊ぶようかいよる
    • ※ 『選集せんしゅうだい1かん』からえらんだ34へん収録しゅうろく
  • いちくさいちはな』(あおりゅうしゃ、1948ねん1がつ20日はつか
    • B6ばんそうほん付録ふろく川端かわばた康成やすなり「あとがき」
    • 収録しゅうろく作品さくひん:「はは」「日向ひなた」「心中しんちゅうの」「母国ぼこく祈祷きとう」「うま美人びじん」「死顔しにがお出来事できごと」「雨傘あまがさ」「盲目もうもく少女しょうじょ」「処女しょじょいのり」「日本人にっぽんじんアンナ」「ひゃくごう」「踊子おどりこたび風俗ふうぞく」「めん」「舞踊ぶようかいよる」「有難ありがとう」「かお」「しばられたおっと」「しんいます」「わらいはぬおとこ」「つき」「離婚りこん」「屋上おくじょう金魚きんぎょ」「あきかみなり」「バッタと鈴虫すずむし」「かみ」「化粧けしょう」「にわとり踊子おどりこ」「貧者ひんじゃ恋人こいびと」「いもうと着物きもの」「なつくつ
    • ※ 『選集せんしゅうだい1かん』からえらんだ30へん収録しゅうろく
  • 文庫ぶんこばんてのひら小説しょうせつひゃくへん』〈うえした〉(新潮しんちょう文庫ぶんこ、1952ねん8がつ30にち・31にち
    • 解説かいせつ伊藤いとうせい下巻げかん
    • 収録しゅうろく作品さくひん
      • 上巻じょうかん〕「ほねこつひろえひ」「帽子ぼうし事件じけん」「バッタと鈴虫すずむし」「おとこおんな荷車にぐるま」「日向ひなた」「よわ」「彼女かのじょ」「のこ出産しゅっさん」「かみ」「金糸きんしすずめ」「みなと」「指輪ゆびわ」「時計とけい」「写真しゃしん」「つき」「しろはな」「落日らくじつ」「なつくつ」「死顔しにがお出来事できごと」「人間にんげん足音あしおと」「うみ」「じゅうねん」「おしん地蔵じぞう」「すべがん」「たまだい」「硝子がらす」「ふゆちかし」「万歳ばんざい」「有難ありがとう」「胡頽子ぐみ盜人ぬすっと」「はは」「立場たちば」「心中しんちゅうの」「龍宮りゅうぐう乙女おとめ」「処女しょじょいのり」「霊柩車れいきゅうしゃ」「すずめ媒酌ばいしゃく」「しんいます」「一人ひとり幸福こうふく」「合掌がっしょう」「屋上おくじょう金魚きんぎょ」「あさつめ」「駿河するが令嬢れいじょう」「処女しょじょさくたたり」「おんな」「歴史れきし」「かみほね」「わらいはぬおとこ」「夜店よみせ微笑びしょう」「金銭きんせんみち
      • 下巻げかん〕「盲目もうもく少女しょうじょ」「はは」「母国ぼこく祈祷きとう」「士族しぞく」「さんとう待合室まちあいしつ」「故郷こきょう」「たた」「夫人ふじん探偵たんてい」「貧者ひんじゃ恋人こいびと」「あきかみなり」「家庭かてい」「時雨しぐれえき」「うま美人びじん」「くろ牡丹ぼたん」「質屋しちやにて」「日本人にっぽんじんアンナ」「離婚りこん」「踊子おどりこたび風俗ふうぞく」「顕微鏡けんびきょう怪談かいだん」「望遠鏡ぼうえんきょう電話でんわ」「にわとり踊子おどりこ」「白粉おしろいとガソリン」「しばられたおっと」「ひゃくごう」「雪隠せっちん成仏じょうぶつ」「雨傘あまがさ」「めん」「かお」「化粧けしょう」「いもうと着物きもの」「ねむへき」「舞踊ぶようかいよる」「秋風あきかぜ女房にょうぼう」「愛犬あいけん安産あんざん」「さと」「みず」「わかめ」「じゅうななさい」「しょうきり」「ざくろ」「さざんはな」「五拾ごじっぜに銀貨ぎんか」「紅梅こうばい」「足袋たび」「かけす」「なつふゆ」「笹舟ささぶね」「へび」「たまご」「たき
    • うえ下巻げかん50へんずつ収録しゅうろく
  • 文庫ぶんこばんてのひら小説しょうせつ』(新潮しんちょう文庫ぶんこ、1971ねん3がつ15にち改版かいはん1989ねん、2011ねん、2022ねん
    • カバー装幀そうてい平山ひらやま郁夫いくお解説かいせつ吉村よしむらさだ
    • 収録しゅうろく作品さくひん:『てのひら小説しょうせつひゃくへん』〈うえした〉に、「あきあめ」「手紙てがみ」「隣人りんじん」「うえ」「乗馬じょうばふく」「かささぎ」「不死ふし」「月下美人げっかびじん」「」「白馬はくば」「ゆき」の11へんくわえた111へん
    • ※ 1989ねん改版かいはんは、「てき」「屋根やねした貞操ていそう」「おそれしいあい」「門松かどまつく」「化粧けしょう天使てんしたち」「舞踏ぶとうくつ」「楽屋がくや乳房ちぶさ」「喧嘩けんか」「まゆから」「ふじはないちご」「めづらしいじん」の11へん追加ついかした122へん収録しゅうろく
    • ※ 2022ねん1がつ改版かいはんは、小川おがわ洋子ようこかえせない迷路めいろ」を付記ふき
  • 川端かわばた康成やすなり 1899-1973』〈ちくま日本にっぽん文学ぶんがく全集ぜんしゅう047〉(ちくま文庫ぶんこ、1993ねん1がつ20日はつか
  • 英文えいぶんばん『Palm-of-the-Hand Stories』(わけ:レーン・ダンロップ・J・マーティン・ホルマン)(Tuttle、1988ねん、2006ねん
    • 付録ふろく:「Editorial Note」「Translators’ Notes」
    • 収録しゅうろく作品さくひん日向ひなた(A Sunny Place)、よわ(The Weaker Vessel)、彼女かのじょ(The Girl Who Approached the Fire)、のこ出産しゅっさん(A Saw and Childbirth)、バッタと鈴虫すずむし(The Grasshopper and the Bell Cricket)、指輪ゆびわ(The Ring)、かみ(Hair)、金糸きんしすずめ(Canaries)、みなと(Harbor Town)、写真しゃしん(Photograph)、しろはな(The White Flower)、死顔しにがお出来事できごと(The Incident of the Dead Face)、硝子がらす(Glass)、おしん地蔵じぞう(The O-Shin Jizo)、すべがん(The Sliding Rock)、有難ありがとう(Thank You)、胡頽子ぐみ盗人ぬすっと(The Silverberry Thief)、なつくつ(Summer Shoes)、立場たちば(A Child's Viewpoint)、心中しんちゅうの(Love Suicides)、処女しょじょいのり(The Maidens' Prayers)、ふゆちかし(Toward Winter)、すずめ媒酌ばいしゃく(The Sparrow's Matchmaking)、帽子ぼうし事件じけん(The Hat Incident)、一人ひとり幸福こうふく(One Person's Happiness)、しんいます(There Is a God)、屋上おくじょう金魚きんぎょ(Goldfish on the Roof)、はは(Mother)、あさつめ(Morning Nails)、駿河するが令嬢れいじょう(The Young Lady of Suruga)、ひゃくごう(Yuriko)、かみほね(God's Bones)、夜店よみせ微笑びしょう(A Smile Outside the Night Stall)、盲目もうもく少女しょうじょ(The Blind Man and the Girl)、夫人ふじん探偵たんてい(The Wife's Search)、はは(Her Mother's Eye)、あきかみなり(Thunder in Autumn)、家庭かてい(Household)、時雨しぐれえき(The Rainy Station)、質屋しちやにて(At the Pawnshop)、雪隠せっちん成仏じょうぶつ(Lavatory Buddhahood)、わらいはぬおとこ(The Man Who Did Not Smile)、士族しぞく(Samurai Descendant)、にわとり踊子おどりこ(The Rooster and the Dancing Girl)、化粧けしょう(Makeup)、しばられたおっと(The Bound Husband)、ねむへき(Sleeping Habit)、雨傘あまがさ(Umbrella)、めん(Death Mask)、かお(Faces)、いもうと着物きもの(The Younger Sister's Clothes)、秋風あきかぜ女房にょうぼう(The Wife of the Autumn Wind)、愛犬あいけん安産あんざん(A Pet Dog's Safe Birthing)、さと(Hometown)、みず(Water)、五拾ごじっぜに銀貨ぎんか(The Silver Fifty-Sen Pieces)、足袋たび(Tabi)、かけす(The Jay)、笹舟ささぶね(Bamboo-Leaf Boats)、たまご(Eggs)、へび(The Snakes)、あきあめ(Autumn Rain)、隣人りんじん(The Neighbors)、うえ(Up in the Tree)、乗馬じょうばふく(Riding Clothes)、不死ふし(Immortality)、(Earth)、白馬しろうま(The White Horse)、ゆき(Snow)、雪国ゆきぐにしょう(Gleanings from Snow Country)

全集ぜんしゅう[編集へんしゅう]

  • 川端かわばた康成やすなり全集ぜんしゅうだい11かん てのひら小説しょうせつ』(新潮社しんちょうしゃ、1950ねん8がつ20日はつか) - ぜん16かんほん全集ぜんしゅう
    • 装幀そうてい題簽だいせん安田やすだうつぼよんろくばん厚紙あつがみそうカバー口絵くちえ写真しゃしん1よう
    • 付録ふろく川端かわばた康成やすなり「あとがき」
    • 収録しゅうろく作品さくひん:「ほねじつひ」から「へび」までの78へん
    • ※ 『感情かんじょう装飾そうしょく』『ぼく標本ひょうほんしつ』『選集せんしゅうだい1かん』かられたものや、戦後せんご新作しんさく紅梅こうばい」「足袋たび」「笹舟ささぶね」「へび」の4へんくわえた78へん収録しゅうろく
  • 川端かわばた康成やすなり全集ぜんしゅうだい6かん てのひら小説しょうせつ』(新潮社しんちょうしゃ、1960ねん9がつ30にち) - ぜん12かんほん全集ぜんしゅう
  • 川端かわばた康成やすなり短篇たんぺん全集ぜんしゅう』(講談社こうだんしゃ、1964ねん2がつ10日とおか
  • 川端かわばた康成やすなり全集ぜんしゅうだい6かん てのひら小説しょうせつ』(新潮社しんちょうしゃ、1969ねん10がつ25にち) - ぜん19かんほん全集ぜんしゅう
    • カバー題字だいじ松井まつい如流菊判きくばん変形へんけいはこいれ口絵くちえ写真しゃしん2よう著者ちょしゃしょうかげこころうた一休いっきゅう
    • 月報げっぽうだい7かい):もり茉莉まり「わからないひと」。ほし新一しんいち「『心中しんちゅうの』に魅入みいられて」。〔川端かわばた文学ぶんがくへの視点してん(7)〕長谷川はせがわいずみみっつの『南方なんぽう』」
    • 収録しゅうろく作品さくひん:「ほねじつひ」から「たき」までの100へん
  • 川端かわばた康成やすなり全集ぜんしゅうだい12かん 古都こと片腕かたうで落花らっか流水りゅうすい』(新潮社しんちょうしゃ、1970ねん5がつ10日とおか
    • カバー題字だいじ松井まつい如流。菊判きくばん変形へんけいはこいれ口絵くちえ写真しゃしん2よう著者ちょしゃしょうかげ木米もくべい急須きゅうす
    • 月報げっぽうだい13かい):かわもりこうぞう「フランスじん川端かわばた文学ぶんがく」。柏原かしわばら兵三ひょうぞう「『伊豆いず踊子おどりこ』のことなど」。〔川端かわばた文学ぶんがくへの視点してん(13)〕長谷川はせがわいずみ新潮社しんちょうしゃばん全集ぜんしゅう後記こうき
    • 収録しゅうろく作品さくひん:「古都こと」「片腕かたうで」「てのひら小説しょうせつあきあめ手紙てがみ隣人りんじんうえ乗馬じょうばふく、かささぎ、不死ふし月下美人げっかびじん白馬しろうまゆき)」「落花らっか流水りゅうすい行燈あんどん伊豆いずこうまくら草子そうし秋風あきかぜ高原こうげん)」「美智子みちこ殿下でんか」「きし惠子けいこさんの婚礼こんれい」「自慢じまんじゅう」「『浅草あさくさべにだん』について」「『雪国ゆきぐに』のたび」「週刊しゅうかん日記にっき」「宿駅しゅくえき」「パリ郷愁きょうしゅう」「パリ安息あんそく」「ブラジルペン大会たいかい」「のことなど」「うつくしい地図ちず
  • 川端かわばた康成やすなり全集ぜんしゅうだい1かん 小説しょうせつ1』(新潮社しんちょうしゃ、1981ねん10がつ20日はつか) - ぜん35かんほんまき2全集ぜんしゅう
    • カバー題字だいじ東山ひがしやまいさおえびす四六判しろくばんはこいれ
    • 月報げっぽうだい22かい):ほし新一しんいち「『心中しんちゅうの』に魅入みいられて」(さいろく)。石浜いしはま恒夫つねお自由じゆうじん」。川端かわばた秀子ひでこ川端かわばた康成やすなりおも(21)」
    • 収録しゅうろく作品さくひん:「ほねじつひ」から「めづらしいじん」までの122へん

派生はせい作品さくひん・オマージュ作品さくひん[編集へんしゅう]

出典しゅってん[79]

  • 田中たなかまきわたるてのひら劇場げきじょう田中たなかまきわたる、2008ねん10がつ
  • ほのお苗木なえぎ 田中たなかまきわたるてのひら劇場げきじょう田中たなかまきわたる、2012ねん2がつ

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 新潮しんちょう文庫ぶんこてのひら小説しょうせつ』では、「てのひらのしょうせつ」としているが、川端かわばた康成やすなり本人ほんにんや『新潮しんちょう日本にっぽん文学ぶんがくアルバム16 川端かわばた康成やすなり』では、「たなごころのしょうせつ」とんでいる[4][2]瀬沼せぬま茂樹しげき文学ぶんがく用語ようごとしては「てのひらの小説しょうせつ」であったといている[2]
  2. ^ 長谷川はせがわいずみは、146へんとしているが、全集ぜんしゅう収録しゅうろくの「ふじはないちご」「めづらしいじん」の2へんれていないために、2へんすくなくなっている[10]
  3. ^ おく良伸よしのぶが1924ねん大正たいしょう13ねん)4がつに『文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう発表はっぴょうした「てのひらいた小説しょうせつよんへん―」、8がつ発表はっぴょうした2へんからる「てのひらいた小説しょうせつ」のことを[2]
  4. ^ この「なに不思議ふしぎ感情かんじょう装飾そうしょくであらう。剃刀かみそりつくられたはなのやうだ」という横光よこみつ利一としかず評言ひょうげんは、川端かわばたの『感情かんじょう装飾そうしょく』の特徴とくちょう的確てきかくとらえている名文めいぶんとして評価ひょうかされている[22][5][23][34]
  5. ^ 川端かわばたは、少女しょうじょ歌声うたごえまいうつくしさをかたっている随筆ずいひつ純粋じゅんすいこえ』のなかで、〈「純粋じゅんすいこえ」があり、「純粋じゅんすい肉体にくたい」があるなら、「純粋じゅんすい精神せいしん」といふものもあるはずである〉が〈少女しょうじょわかむすめみずからに、すぐるれた作家さっかほとん絶無ぜつむである〉、〈女学生じょがくせい詩人しじんとしても、散文さんぶんとしても、小学しょうがく女児じょじおとるのはなぜであるか〉として、文学ぶんがく領域りょういきにおいては、少女しょうじょ処女しょじょ)は〈うたはれるもの〉(かれる対象たいしょう)であって、〈みずかへぬもの〉(三島みしまうところの「ものごとはぬもの」「作品さくひん素材そざい」)であるとべたものである[41][26]
  6. ^ 完璧かんぺき誤謬ごびゅう」とは、「芸術げいじゅつ作品さくひん」という「危険きけんぶつ存在そんざい」のことをしている[26]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 吉村よしむらさだ解説かいせつ」(てのひら小説しょうせつ 2011, pp. 637–645)
  2. ^ a b c d e 長谷川はせがわいずみ総論そうろんてのひら小説しょうせつろんてのひら小説しょうせつ意味いみ〕」(研究けんきゅう叢書そうしょ2 1977, pp. 7–10)
  3. ^ a b c だいしょう しん感覚かんかく誕生たんじょう――文壇ぶんだんへのみち だいせつてのひら小説しょうせつ」と『感情かんじょう装飾そうしょく』――掌篇しょうへん小説しょうせつ流行りゅうこう」(森本もりもとうえ 2014, pp. 171–178)
  4. ^ しん感覚かんかく――『文芸ぶんげい時代じだい』の出発しゅっぱつ」(保昌やすまさ 1984, pp. 18–31)
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m 松坂まつさか俊夫としおてのひら小説しょうせつ――研究けんきゅうへの序章じょしょう――」(作品さくひん研究けんきゅう 1969, pp. 28–51)。1・2しょう松坂まつさか 1983, pp. 2–17にさい掲載けいさい
  6. ^ a b c d e f g h i j 松坂まつさか俊夫としお総論そうろん 川端かわばた文学ぶんがくてのひら小説しょうせつ――『ぼく標本ひょうほんしつ』を視点してんに――〔1 てのひら小説しょうせつ位置いち〕」(研究けんきゅう叢書そうしょ2 1977, pp. 34–38)。のち「てのひら小説しょうせつ――『ぼく標本ひょうほんしつろん――〔1 てのひら小説しょうせつ位置いち〕」として松坂まつさか 1983, pp. 67–71に所収しょしゅう
  7. ^ 小説しょうせつ1 1981
  8. ^ 小松こまつ 1991
  9. ^ a b c 松坂まつさか俊夫としお「『生命せいめい保険ほけん』『あか喪服もふく――川端かわばた康成やすなりてのひら小説しょうせつ”ノート」(山形大学やまがただいがく国語こくご研究けんきゅう23しゅう 1973ねん3がつ)。のち「『生命せいめい保険ほけん』『あか喪服もふく』『めづらしいじん』」として松坂まつさか 1983, pp. 164–176に所収しょしゅう
  10. ^ a b c d e 長谷川はせがわいずみ総論そうろんてのひら小説しょうせつろん川端かわばた康成やすなりてのひら小説しょうせつぐん〕」(研究けんきゅう叢書そうしょ2 1977, pp. 10–22)
  11. ^ a b c はやし武志たけし作品さくひん研究けんきゅう)――『てのひら小説しょうせつ研究けんきゅうげん段階だんかい――〔II 各論かくろん金糸きんしすずめ」「写真しゃしん」「死顔しにがお出来事できごと」「人間にんげん足音あしおと」「心中しんちゅうの」「龍宮りゅうぐう乙姫おとひめ」「処女しょじょいのり」「霊柩車れいきゅうしゃ」「すずめ媒酌ばいしゃく」「屋上おくじょう金魚きんぎょ」「おんな」「盲目もうもく少女しょうじょ」〕」(研究けんきゅう叢書そうしょ2 1977, pp. 263–266)
  12. ^ a b 編集へんしゅうちゅう」(てのひら小説しょうせつ 2011, pp. 644–645)
  13. ^ Palm 1988, pp. 53–54
  14. ^ Рассказы на ладони(CiNii)
  15. ^ Récits de la paume de la main(CiNii)
  16. ^ a b c d e 掌篇しょうへん小説しょうせつ流行りゅうこう」(文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう 1926ねん1がつごう)。評論ひょうろん2 1982, pp. 230–234に所収しょしゅうどくかげいのち 1970, pp. 213–214、松坂まつさか 1983, pp. 48–49、森本もりもとうえ 2014, pp. 187–188に抜粋ばっすい掲載けいさい
  17. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af 「あとがき」(『川端かわばた康成やすなり全集ぜんしゅうだい11かん てのひら小説しょうせつ新潮社しんちょうしゃ、1950ねん8がつ)。どくかげいのち 1970, pp. 196–217に所収しょしゅう
  18. ^ 著書ちょしょ目録もくろく いち 単行たんこうほん――1」(雑纂ざっさん2 1983, p. 593)
  19. ^ 著書ちょしょ目録もくろく いち 単行たんこうほん――4」(雑纂ざっさん2 1983, p. 593)
  20. ^ a b c d e f g h i j 伊藤いとうせい解説かいせつ」(てのひらひゃくへんした 1952, pp. 262–268)
  21. ^ a b だい1かんあとがき」(『川端かわばた康成やすなり選集せんしゅうだい1かん てのひら小説しょうせつ改造かいぞうしゃ、1938ねん7がつ19にち)。評論ひょうろん5 1982, pp. 567–568に所収しょしゅうどくかげいのち 1970, p. 198、松坂まつさか 1983, pp. 36–37、てのひら小説しょうせつ 2011, p. 638に抜粋ばっすい掲載けいさい
  22. ^ a b c d e f g h i j k l m n 松坂まつさか俊夫としお川端かわばた康成やすなり感情かんじょう装飾そうしょくおぼがき――その基礎きそてき研究けんきゅう」(山形やまがた県立けんりつ米沢よねざわ高等こうとう学校がっこう研究けんきゅう紀要きよう4ごう 1967ねん1がつ)。のち「てのひら小説しょうせつ――『感情かんじょう装飾そうしょくろん」として松坂まつさか 1983, pp. 18–45に所収しょしゅう
  23. ^ a b c d e f g h i j はやし武志たけし作品さくひん研究けんきゅう)――『てのひら小説しょうせつ研究けんきゅうげん段階だんかい――〔I 総論そうろん 戦前せんぜん〕」(研究けんきゅう叢書そうしょ2 1977, pp. 237–242)
  24. ^ a b c 松坂まつさか俊夫としお「『てのひら小説しょうせつしょうろん――川端かわばた文学ぶんがく源流げんりゅう」(人間にんげん芸術げいじゅつ 1971, pp. 45–61)。松坂まつさか 1983, pp. 46–66にさい掲載けいさい
  25. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u はやし武志たけし作品さくひん研究けんきゅう)――『てのひら小説しょうせつ研究けんきゅうげん段階だんかい――〔I 総論そうろん 戦中せんちゅう戦後せんご〕」(研究けんきゅう叢書そうしょ2 1977, pp. 242–252)
  26. ^ a b c d e f g h i j 三島みしま由紀夫ゆきお川端かわばた康成やすなりろん一方いっぽうほう――『作品さくひん』について」(近代きんだい文学ぶんがく 1949ねん1がつごう)。『かり獲物えもの』(よう書房しょぼう、1951ねん6がつ)、三島みしま27かん 2003, pp. 134–146に所収しょしゅう研究けんきゅう叢書そうしょ2 1977, pp. 36–37、松坂まつさか 1983, pp. 69–70に抜粋ばっすい掲載けいさい
  27. ^ a b c 河上かわかみ徹太郎てつたろう解説かいせつ――川端かわばた康成やすなり故郷こきょう」(『川端かわばた康成やすなり全集ぜんしゅうだい6かん新潮社しんちょうしゃ、1960ねん9がつだい8かい月報げっぽう研究けんきゅう叢書そうしょ2 1977, pp. 37、松坂まつさか 1983, p. 70に抜粋ばっすい掲載けいさい
  28. ^ 中河なかがわ与一よいち「これからのために――しばられた世界せかい」(文藝ぶんげい時代じだい 1925ねん1がつごう)。研究けんきゅう叢書そうしょ2 1977, p. 238に抜粋ばっすい掲載けいさい
  29. ^ 武野むの藤介とうすけ創作そうさく批評ひひょう〈12月〉」(文藝ぶんげい年鑑ねんかん編纂へんさんへん文藝ぶんげい年鑑ねんかん』〈1925年版ねんばん二松ふたまつどう、1925ねん)。研究けんきゅう叢書そうしょ2 1977, p. 239に抜粋ばっすい掲載けいさい
  30. ^ a b 梶井かじい基次郎もとじろう川端かわばた康成やすなりだいよん短篇たんぺんしゅう心中しんちゅうの」を主題しゅだいとせるヴアリエイシヨン」(青空あおぞら 1926ねん7がつごう通巻つうかん17ごう)pp.63-67。梶井かじいきゅう2かん 1966, pp. 59–62、梶井かじいしん1かん 1999, pp. 328–332に所収しょしゅう
  31. ^ 古閑こがあきら梶井かじい基次郎もとじろう――“文学ぶんがくてき共振きょうしん関係かんけい”を視座しざとして――」(世界せかい4 1999, pp. 118–130)
  32. ^ はらよし 2020。「オマージュのらしだすちから――総論そうろんにかえて」として転生てんせい 2022, pp. 18–31に所収しょしゅう
  33. ^ a b 横光よこみつ利一としかず近頃ちかごろ雑筆ざっぴつ――『感情かんじょう装飾そうしょく』」(文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう 1926ねん8がつごう)。横光よこみつ評論ひょうろん13 1982, pp. 36–37、群像ぐんぞう13 1991, p. 69に所収しょしゅう作品さくひん研究けんきゅう 1969, p. 31、研究けんきゅう叢書そうしょ2 1977, pp. 240–241、松坂まつさか 1983, pp. 5, 39、森本もりもとうえ 2014, pp. 190–191に抜粋ばっすい掲載けいさい
  34. ^ だいしょう しん感覚かんかく誕生たんじょう――文壇ぶんだんへのみち だいせつてのひら小説しょうせつ」と『感情かんじょう装飾そうしょく』――処女しょじょ創作そうさくしゅう感情かんじょう装飾そうしょく』の刊行かんこう」(森本もりもとうえ 2014, pp. 190–191)
  35. ^ a b はやし房雄ふさお川端かわばた康成やすなりうつくしさ」(文學ぶんがく時代じだい 1929ねん8がつごう)。研究けんきゅう叢書そうしょ2 1977, pp. 241–242に抜粋ばっすい掲載けいさい
  36. ^ 平野ひらのけん昭和しょうわ文学ぶんがく私論しろん」(毎日新聞まいにちしんぶん 1969ねん5がつ16にちごう)。研究けんきゅう叢書そうしょ2 1977, p. 242、松坂まつさか 1983, p. 49に抜粋ばっすい掲載けいさい
  37. ^ かわもりこうぞう座談ざだんかい――川端かわばた康成やすなり文学ぶんがく」(新潮しんちょう 1972ねん6がつ臨時りんじ増刊ぞうかんごう)。研究けんきゅう叢書そうしょ2 1977, p. 242に抜粋ばっすい掲載けいさい
  38. ^ a b 島木しまき健作けんさく川端かわばたさん」(『川端かわばた康成やすなり選集せんしゅうだい1かん てのひら小説しょうせつだい4かい月報げっぽう 改造かいぞうしゃ、1938ねん7がつ19にち)。どくかげいのち 1970, pp. 215–216、研究けんきゅう叢書そうしょ2 1977, pp. 245–246、松坂まつさか 1983, p. 6,40に抜粋ばっすい掲載けいさい
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参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

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関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]