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Quan Tang Shi : 卷三百五十六 - Chinese Text Project
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《卷まき三さん百ひゃく五ご十じゅう六ろく》

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《更衣ころもがえ曲きょく》

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1 更衣ころもがえ曲きょく:
博ひろし山やま炯炯けいけい吐香霧きり，紅べに燭しょく引至更衣ころもがえ處しょ。夜よる如何いか其夜漫漫まんまん，
鄰雞未み鳴な寒さむ雁かり度ど。庭前ていぜん雪ゆき壓あつ松まつ桂かつら叢くさむら，廊下ろうか點點ちょぼちょぼ懸かか紗しゃ籠かご。

2 更衣ころもがえ曲きょく:
滿堂まんどう醉客すいきゃく爭そう笑わらい語ご，嘈囋琵琶びわ青あお幕まく中ちゅう。

《桃源とうげん行ぎょう》

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1 桃源とうげん行ぎょう:
漁舟ぎょしゅう何なん招招，浮在武たけ陵りょう水すい。拖綸擲餌信しんじ流ながれ去ざ，
誤あやま入にゅう桃源とうげん行ぎょう數すう裏うら。清しん源げん尋ひろ盡つき花はな綿綿めんめん，踏花覓徑至いたり洞ほら前まえ。

2 桃源とうげん行ぎょう:
洞門どうもん蒼あお黑くろ煙霧えんむ生せい，暗くら行ぎょう數すう步ほ逢虛明あかり。俗人ぞくじん毛げ骨こつ驚おどろき仙子せんこ，
爭そう來らい致詞何なん至いたり此。須臾しゅゆ皆みな破やぶ冰雪顏がお，笑わらい言げん委曲いきょく問とい人間にんげん。

3 桃源とうげん行ぎょう:
因いん嗟隱身み來らい種たね玉だま，不知ふち人世じんせい如風燭しょく。筵むしろ羞石髓ずい勸すすむ客きゃく餐，
燈ひ爇松脂あぶら留とめ客きゃく宿やど。雞聲犬いぬ聲ごえ遙はるか相聞そうもん，曉あかつき色しょく蔥籠開ひらけ五ご雲くも。

4 桃源とうげん行ぎょう:
漁りょう人じん振ふ衣ころも起おこり出戶でと，滿まん庭にわ無む路みち花はな紛紛ふんぷん。翻然ほんぜん恐おそれ失しつ鄉ごう縣けん處しょ，
一息ひといき不ふ肯桃源げん住じゅう。桃もも花はな滿まん溪けい水すい似に鏡きょう，塵ちり心こころ如垢洗あらい不ふ去さ。

5 桃源とうげん行ぎょう:
仙せん家か一出尋無蹤，至いたり今こん流水りゅうすい山やま重重じゅうじゅう。

《洞ほら庭にわ秋月あきづき行こう》

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1 洞ほら庭にわ秋月しゅうげつ... :
洞ほら庭にわ秋月しゅうげつ生せい湖心こしん，層そう波は萬頃ばんけい如熔金きん。孤こ輪わ徐じょ轉てん光こう不定ふてい，
遊ゆう氣き濛濛もうもう隔へだた寒かん鏡きょう。是ぜ時じ白露しらつゆ三さん秋あき中ちゅう，湖みずうみ平たいら月がつ上じょう天地てんち空そら。

2 洞ほら庭にわ秋月しゅうげつ... :
岳たけ陽ひ樓ろう頭あたま暮くれ角かく絕ぜっ，蕩とろけ漾已過か君くん山東さんとう。山城やましろ蒼蒼そうそう夜よる寂寂せきせき，
水月すいげつ逶迤繞にょう城じょう白しろ。蕩とろけ槳巴童歌わらべうた竹ちく枝えだ，連れん檣估客きゃく吹羌笛ふえ。

3 洞ほら庭にわ秋月しゅうげつ... :
勢いきおい高だか夜よる久ひさ陰かげ力りょく全ぜん，金氣かなけ肅肅しゅくしゅく開ひらき星ほし躔。浮雲うきぐも野の馬ば歸き四よん裔，
遙はるか望のぞむ星ほし斗と當とう中天ちゅうてん。天てん雞相呼よび曙あけぼの霞かすみ出で，斂影含光讓ゆずる朝日あさひ。

4 洞ほら庭にわ秋月しゅうげつ... :
日出ひので喧喧けんけん人じん不ふ閑，夜來やらい清きよし景けい非ひ人間にんげん。

《九きゅう華山げさん歌か》

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1 九きゅう華山げさん歌か:
奇峰きほう一見いっけん驚おどろき魂魄こんぱく，意想いそう洪ひろし爐ろ始はじめ開闢かいびゃく。疑うたぐ是ぜ九龍夭矯欲攀天，
忽ゆるがせ逢霹靂へきれき一聲いっせい化か為石ためし，不ふ然しか何なに至いたり今いま，悠悠ゆうゆう億おく萬まん年ねん，
氣勢きせい不死ふし如騰屳。雲くも含幽兮月添冷，月がつ凝しこり暉あきら兮江漾影。

2 九きゅう華山げさん歌か:
結ゆい根ね不ふ得とく要路ようろ津つ，迥秀長ちょう在ざい無人むじん境さかい。軒のき皇すめらぎ封ふう禪ぜん登とう雲くも亭てい，
大だい禹會計けい臨東溟。乘じょう樏不來き廣こう樂らく絕ぜっ，獨どく與あずか猿さる鳥とり愁青熒。

3 九きゅう華山げさん歌か:
君きみ不ふ見み敬けい亭てい之の山やま黃き索漠さくばく，兀如斷だん岸がん無む棱角。

4 九きゅう華山げさん歌か:
宣せん城じょう謝しゃ守もり一いち首しゅ詩し，遂とげ使し聲名せいめい齊ひとし五ご嶽だけ。九華きゅうか山さん，九華きゅうか山さん，
自じ是ぜ造化ぞうか一いち尤物ゆうぶつ，焉能籍せき甚乎人間にんげん。

《泰たい娘むすめ歌か》

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1 泰たい娘むすめ歌か:
泰たい娘むすめ家か本ほん閶門西にし，門前もんぜん綠みどり水すい環たまき金きん堤つつみ。有ゆう時じ妝成好こう天氣てんき，
走はし上うわ皋橋折おり花はな戲おどけ。風流ふうりゅう太守たいしゅ韋尚書しょ，路傍ろぼう忽ゆるがせ見み停とま隼はやぶさ旟。

2 泰たい娘むすめ歌か:
鬥量明あかり珠たま鳥とり傳でん意い，紺こん幰迎入にゅう專せん城じょう居きょ。長ちょう鬟如雲くも衣ころも似に霧きり，
錦にしき茵しとね羅ら薦こも承うけたまわ輕けい步ふ。舞まい學がく驚おどろき鴻おおとり水すい榭春，歌うた傳でん上客じょうきゃく蘭らん堂どう暮くれ。

3 泰たい娘むすめ歌か:
從したがえ郎ろう西入にしいり帝みかど城じょう中ちゅう，貴き遊ゆう簪かんざし組ぐみ香が簾すだれ櫳。低てい鬟緩視し抱かかえ明月めいげつ，
纖指破やぶ撥ばち生せい胡えびす風ふう。繁華はんか一旦有消歇，題だい劍けん無む光ひかり履くつ聲ごえ絕ぜっ。

4 泰たい娘むすめ歌か:
洛陽らくよう舊宅きゅうたく生せい草くさ萊，杜もり陵りょう蕭しょう蕭しょう松柏しょうはく哀あい。妝奩蟲むし網もう厚あつ如繭，
博ひろし山やま爐ろ側がわ傾かたぶけ寒かん灰はい。蘄州刺史しし張ちょう公子きみこ，白馬しろうま新しん到いた銅どう駝裏。

5 泰たい娘むすめ歌か:
自じ言げん買かい笑わらい擲黃金きん，月がつ墮雲中ちゅう從したがえ此始。安あん知とも鵩鳥座ざ隅すみ飛とべ，
寂寞せきばく旅たび魂たましい招不歸き。秦はた嘉よしみ鏡きょう有ゆう前まえ時じ結ゆい，韓かん壽ひさし香が銷故篋衣。

6 泰たい娘むすめ歌か:
山城やましろ少しょう人ひと江こう水みず碧あお，斷だん雁かり哀あい猿ざる風雨ふうう夕ゆう。朱しゅ弦つる已やめ絕ぜっ為ため知音ちいん，
雲くも鬢びん未み秋あき私わたし自じ惜。舉目風ふう煙けむり非ひ舊時きゅうじ，夢ゆめ尋ひろ歸路きろ多た參差しんし。

7 泰たい娘むすめ歌か:
如何いか將はた此千せん行ぎょう淚なみだ，更さら灑湘江こう斑まだら竹ちく枝えだ。

《龍りゅう陽よう縣けん歌か》

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1 龍りゅう陽よう縣けん歌か:
縣けん門もん白日はくじつ無む塵土じんど，百姓縣前挽魚罟。主人しゅじん引客登とう大堤おおつつみ，
小兒しょうに縱たて觀かん黃き犬けん怒いか。鷓鴣驚おどろき鳴な繞にょう籬ませ落，橘たちばな柚ゆず垂たれ芳照よしてる窗まど戶ど。

2 龍りゅう陽よう縣けん歌か:
沙すな平ひらた草くさ綠みどり見み吏稀，寂さび曆れき斜陽しゃよう照あきら縣けん鼓こ。

《牆陰歌か》

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1 牆陰歌か:
白日はくじつ左右さゆう浮天潢，朝あさ晡影入にゅう東西とうざい牆。昔むかし為ため兒童じどう在ざい陰かげ戲おどけ，
當時とうじ意い小しょう覺さとし日長ひなが。東ひがし鄰侯家か吹笙簧，隨ずい陰かげ促促移うつり象ぞう床ゆか。

2 牆陰歌か:
西にし鄰田舍いなか乏とぼし糟糠そうこう，就影汲汲きゅうきゅう舂うす黃き粱。因よし思おもえ九州きゅうしゅう四よん海外かいがい，
家家いえいえ只ただ占うらない牆陰內。莫言牆陰數すう尺しゃく間あいだ，老ろう卻主人じん如等閒あいだ。

3 牆陰歌か:
君きみ看み眼前がんぜん光陰こういん促，中心ちゅうしん莫學太ふとし行あるき山さん。

《踏潮歌か》

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1 踏潮歌か:
屯たむろ門もん積せき日び無む回かい飆，滄波不歸ふき成なり踏潮。轟とどろき如鞭石せき矻且搖ゆら，
亙わた空むなし欲ほし駕かご黿鼉橋きょう。驚おどろき湍蹙縮ちぢみ悍而驕，大だい陵りょう高岸たかぎし失しつ岧嶢。

2 踏潮歌か:
四邊しへん無む阻音響おんきょう調ちょう，背負せおい元氣げんき掀重霄。介かい鯨くじら得とく性せい方かた逍遙しょうよう，
仰おおせ鼻はな噓吸揚あげ朱しゅ翹。海人あま狂きょう顧迭相しょう招，罽衣髽首聲ごえ嘵嘵。

3 踏潮歌か:
征せい南みなみ將軍しょうぐん登のぼり麗うらら譙，赤旗あかはた指ゆび麾不敢囂。翌日よくじつ風ふう回かい沴氣消きえ，
歸かえり濤納納おさめ景けい昭あきら昭あきら。烏がらす泥どろ白しろ沙すな複ふく滿まん海うみ，海うみ色しょく不動ふどう如青瑤よう。

《白鷺しらさぎ兒じ》

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1 白鷺しらさぎ兒じ:
白鷺しらさぎ兒じ，最高さいこう格かく。毛もう衣ころも新成しんせい雪ゆき不敵ふてき，眾禽喧やかまし呼よび獨どく凝しこり寂さび。

2 白鷺しらさぎ兒じ:
孤こ眠ねむり芊芊草そう，久ひさ立りつ潺潺石せき。前山まえやま正ただし無む雲くも，飛とべ去ざ入にゅう遙はるか碧あおい。

《平たいら齊ひとし行ぎょう二に首しゅ》

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1 平たいら齊ひとし行ぎょう二に... :
胡えびす塵ちり昔むかし起おこり薊あざみ北門きたもん，河南かなん地ち屬ぞく平ひらた盧の軍ぐん。貂てん裘代馬ば繞にょう東嶽あずまだけ，
嶧陽孤こ桐きり削そぎ為ため角かく。地形ちけい十じゅう二に虜とりこ意い驕おご，恩澤おんたく含容曆れき四よん朝あさ。

2 平たいら齊ひとし行ぎょう二に... :
魯人皆みな解かい帶たい弓箭きゅうせん，齊ひとし人じん不ふ復ふく聞簫韶。今朝けさ天子てんし聖せい神武じんむ，
手て握にぎ玄げん符ふ平ひらめ九きゅう土ど。初はつ哀あい狂きょう童わらわ襲かさね故事こじ，文ぶん告つげ不ふ來き方かた振ふ怒いか。

3 平たいら齊ひとし行ぎょう二に... :
去秋きょしゅう詔みことのり下か誅東平ひらめ，官軍かんぐん四よん合ごう猶なお嬰城。春來はるき群ぐん烏がらす噪且驚おどろき，
氣き如壞山やま墮其庭にわ。牙きば門もん大將たいしょう有ゆう劉生りゅうせい，夜半やはん射しゃ落欃槍やり星ぼし。

4 平たいら齊ひとし行ぎょう二に... :
帳とばり中ちゅう虜とりこ血ち流りゅう滿まん地ち，門外もんがい三軍さんぐん舞まい連れん臂ひじ。驛えき騎き函はこ首くび過か黃河こうが，
城中じょうちゅう無む賊ぞく天氣てんき和わ。朝廷ちょうてい侍さむらい郎ろう來らい慰撫いぶ，耕こう夫おっと滿まん野の行人こうじん歌か。

5 平たいら齊ひとし行ぎょう二に... :
泰山たいざん沉寇六ろく十じゅう年ねん，旅たび祭さい不ふ享とおる生なま愁煙。今こん逢聖君くん欲よく封ふう禪ぜん，
神かみ使し陰かげ兵へい來らい助すけ戰せん。妖氣ようき掃盡河水こうすい清きよし，日にち觀かん杲杲卿きょう雲見くもみ。

6 平たいら齊ひとし行ぎょう二に... :
開ひらけ元もと皇帝こうてい東ひがし封ふう時じ，百神受職爭賓士。千鈞せんきん猛もう簴順流下りゅうか，
洪ひろし波なみ涵淡浮熊羆ひぐま。侍臣じしん燕つばめ公こう秉文筆ひつ，玉たま檢けん告つげ天てん無む愧詞。

7 平たいら齊ひとし行ぎょう二に... :
當今とうこん睿孫承うけたまわ聖せい祖そ，嶽たけ神しん望もち幸こう河かわ宗むね舞まい。青あお門もん大道だいどう屬ぞく車しゃ塵ちり，
共きょう待まち葳蕤翠みどり華はな舉。

《送おく裴處士し應おう制せい舉詩》

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1 送おく裴處士し... :
裴生久ひさし在ざい風塵ふうじん裏うら，氣き勁言高だか少しょう知己ちき。注ちゅう書しょ曾學鄭てい司つかさ農みのり，
曆こよみ國こく多た於孔夫子ふうし。往年おうねん訪おとずれ我わが到いた連れん州しゅう，無窮むきゅう絕境ぜっきょう終日しゅうじつ遊ゆう。

2 送おく裴處士し... :
登山とざん雨中うちゅう試ためし蠟屐，入にゅう洞ほら夏なつ裏うら披貂裘。白しろ帝みかど城邊ぐすくべ又また相あい遇ぐう，
斂翼三さん年ねん不ふ飛とべ去ざ。忽ゆるがせ然しか結束けっそく如秋蓬ほおけ，自稱じしょう對策たいさく明光めいこう宮みや。

3 送おく裴處士し... :
人ひと言げん策さく中ちゅう說せつ何事なにごと，掉頭不ふ答こたえ看み飛ひ鴻おおとり。彤庭翠みどり松まつ迎むかい曉あきら日び，
鳳おおとり銜金榜雲間あいだ出で。中ちゅう貴き腰こし鞭むち立りつ傾かたぶけ酒しゅ，宰おさむ臣しん委い佩觀搖ゆら筆ひつ。

4 送おく裴處士し... :
古稱こしょう射しゃ策さく如彎弧こ，一發いっぱつ偶中何なん時じ無む。由來ゆらい草そう澤さわ無む忌諱きき，
努力どりょく滿まん挽當亨とおる衢。憶得當年とうねん識君處しょ，嘉よしみ禾驛後ご聯れん牆住。

5 送おく裴處士し... :
垂たれ鉤かぎ釣つり得とく王おう餘あまり魚ぎょ，踏芳共ども登とう蘇そ小しょう墓はか。此事今こん同どう夢想むそう間あいだ，
相あい看み一笑いっしょう且開顏がお。老ろう大だい希まれ逢舊鄰里，為ため君くん扶病到いた方かた山やま。

《三鄉驛樓伏睹玄宗望女幾山詩，小しょう臣しん斐然有ゆう感かん》

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1 三鄉みさと驛えき樓ろう... :
開ひらけ元もと天子てんし萬事ばんじ足あし，唯ただ惜當時とうじ光景こうけい促。三鄉みさと陌上望もち仙山せんのやま，
歸き作さく霓裳羽衣はごろも曲きょく。仙せん心こころ從したがえ此在瑤よう池いけ，三清さんきょう八景はっけい相しょう追隨ついずい。

2 三鄉みさと驛えき樓ろう... :
天上てんじょう忽ゆるがせ乘じょう白雲しらくも去さ，世間せけん空むなし有ゆう秋風あきかぜ詞し。

《城西じょうせい行こう》

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1 城西じょうせい行こう:
城西じょうせい簇むらが簇むらが三さん叛族，叛者為ため誰だれ蔡吳蜀しょく。中ちゅう使つかい提つつみ刀出かたなで禁きん來らい，
九衢車馬轟如雷。臨刑與あずか酒杯しゅはい未み覆くつがえ，讎家白しろ官かん先さき請肉。

2 城西じょうせい行こう:
守まもり吏能然しか董ただし卓たく臍ほぞ，饑ひだる烏がらす來らい覘桓玄げん目め。城西じょうさい人じん散ち泰たい階かい平ひらめ，
雨あめ洗あらい血痕けっこん春草しゅんそう生せい。

《武たけ昌あきら老人ろうじん說せつ笛ふえ歌か》

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1 武たけ昌あきら老人ろうじん... :
武たけ昌あきら老人ろうじん七なな十じゅう餘あまり，手て把わ庾令相しょう問とい書しょ。自じ言げん少しょう小學しょうがく吹笛，
早はや事こと曹王曾賞激げき。往年おうねん鎮戍到蘄州，楚すわえ山やま蕭しょう蕭しょう笛竹ふえたけ秋あき。

2 武たけ昌あきら老人ろうじん... :
當時とうじ買かい材ざい恣ほしいまま搜索そうさく，典てん卻身上じょう烏がらす貂てん裘。古こ苔こけ蒼蒼あおあお封ふうじ老ろう節ふし，
石上いしがみ孤こ生せい飽風雪ゆき。商しょう聲ごえ五音ごいん隨ずい指ゆび發はつ，水中すいちゅう龍りゅう應おう行ぎょう雲くも絕ぜっ。

3 武たけ昌あきら老人ろうじん... :
曾將黃き鶴づる樓ろう上じょう吹，一聲占盡秋江月。如今老おい去ざ語かたり尤ゆう遲おそ，
音韻おんいん高低こうてい耳みみ不知ふち。氣力きりょく已やめ微ほろ心しん尚ひさし在ざい，時じ時じ一いち曲きょく夢中むちゅう吹。

《西山にしやま蘭らん若わか試ためし茶ちゃ歌か》

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1 西山にしやま蘭らん若わか... :
山僧さんそう後ご簷茶數すう叢くさむら，春來はるき映うつ竹たけ抽新茸だけ。宛然えんぜん為ため客きゃく振ふ衣ころも起おこり，
自じ傍はた芳よし叢くさむら摘鷹觜たかのはし。斯須炒成なり滿室まんしつ香が，便びん酌しゃく砌みぎり下した金きん沙すな水すい。

2 西山にしやま蘭らん若わか... :
驟雨しゅうう松まつ聲ごえ入にゅう鼎かなえ來らい，白雲しらくも滿まん碗わん花はな徘徊はいかい。悠揚ゆうよう噴鼻宿やど酲散，
清きよし峭徹骨こつ煩はん襟えり開ひらき。陽ひ崖がけ陰かげ嶺みね各かく殊こと氣き，未み若竹わかたけ下か莓いちご苔こけ地ち。

3 西山にしやま蘭らん若わか... :
炎ほのお帝みかど雖嘗未み解かい煎せんじ，桐きり君くん有ゆう籙那知なち味あじ。新芽しんめ連れん拳けん半はん未み舒，
自じ摘至煎せんじ俄にわか頃ごろ餘あまり。木蘭もくれん沾露香が微ほろ似に，瑤よう草くさ臨波色しょく不ふ如。

4 西山にしやま蘭らん若わか... :
僧そう言靈ことだま味あじ宜むべ幽寂ゆうじゃく，采さい采さい翹英為ため嘉よしみ客きゃく。不ふ辭じ緘封寄やどりき郡ぐん齋とき，
磚井銅どう爐ろ損そん標しめぎ格かく。何なに況きょう蒙こうむ山やま顧渚春はる，白しろ泥どろ赤あか印しるし走はし風塵ふうじん。

5 西山にしやま蘭らん若わか... :
欲よく知花ちばな乳ちち清きよし泠味，須是眠ねむり雲くも跂石人じん。

《聚蚊謠うたい》

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1 聚蚊謠うたい:
沉沉夏なつ夜よる蘭らん堂どう開ひらけ，飛ひ蚊か伺暗聲ごえ如雷。嘈然欻起初はつ駭聽，
殷殷いんいん若わか自じ南山來みなみやまく。喧やかまし騰あが鼓舞こぶ喜き昏黑，昧者不ふ分ぶん聽者ちょうしゃ惑。

2 聚蚊謠うたい:
露ろ花はな滴しずく瀝月上天じょうてん，利り觜迎人じん著ちょ不ふ得とく。我わが軀七なな尺しゃく爾しか如芒，
我わが孤こ爾なんじ眾能我わが傷きず。天生あもう有ゆう時じ不可ふか遏，為ため爾しか設しつらえ幄潛匡ただし床ゆか。

3 聚蚊謠うたい:
清きよし商しょう一いち來秋らいしゅう日び曉あかつき，羞爾微ほろ形かたち飼丹鳥とり。

《百舌もず吟ぎん》

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1 百舌もず吟ぎん:
曉星ぎょうせい寥落春雲しゅんうん低てい，初はつ聞百ひゃく舌した間あいだ關せき啼。花はな樹じゅ滿まん空そら迷處所しょ，
搖ゆら動どう繁しげる英えい墜紅雨う。笙しょう簧百囀さえず音韻おんいん多た，黃き鸝吞聲ごえ燕つばめ無む語ご。

2 百舌もず吟ぎん:
東方とうほう朝日あさひ遲遲ちち升ます，迎むかい風ふう弄ろう景けい如自矜。數かず聲ごえ不盡ふじん又また飛とべ去ざ，
何なに許もと相しょう逢綠楊路。綿めん蠻宛轉うたて似に娛人，一心いっしん百ひゃく舌した何なん紛紛ふんぷん。

3 百舌もず吟ぎん:
酡顏俠少停とま歌うた聽，墜珥妖姬ようき和わ睡ねむ聞。可憐かれん光景こうけい何なん時じ盡つき，
誰だれ能のう低回ていかい避鷹隼はやぶさ。廷尉張ちょう羅ら自じ不ふ關せき，潘はん郎ろう挾はさみ彈だん無情むじょう損そん。

4 百舌もず吟ぎん:
天生あもう羽はね族ぞく爾しか何なに微ほろ，舌端ぜったん萬變乘春暉。南方みなかた朱鳥あすか一朝いっちょう見み，
索漠さくばく無言むごん蒿下飛ひ。

《飛ひ鳶とんび操みさお》

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1 飛ひ鳶とんび操みさお:
鳶とんび飛ひ杳杳青雲せいうん裏うら，鳶とんび鳴な蕭しょう蕭しょう風ふう四よん起おこり。旗はた尾お飄揚勢ぜい漸やや高こう，
箭や頭あたま砉劃聲ごえ相似そうじ。長ちょう空そら悠悠ゆうゆう霽日懸かか，六翮不動凝風煙。

2 飛ひ鳶とんび操みさお:
遊ゆう鶤翔雁かり出で其下，慶けい雲くも清きよし景けい相しょう迴旋。忽ゆるがせ聞饑烏がらす一いち噪聚，
瞥下雲くも中ちゅう爭そう腐くさ鼠ねずみ。騰あが音おと礪吻相しょう喧やかまし呼よび，仰天ぎょうてん大だい嚇疑鵷雛。

3 飛ひ鳶とんび操みさお:
畏かしこ人じん避犬投とう高だか處しょ，俯啄無聲むせい猶なお屢顧。青あお鳥とり自愛じあい玉山たまやま禾，
仙せん禽徒貴き華はな亭てい露あらわ。朴ほお樕危巢す向こう暮くれ時じ，毰毸飽腹蹲つくばい枯枝かれえだ。

4 飛ひ鳶とんび操みさお:
游ゆう童わらわ挾はさみ彈だん一いち麾肘，臆おく碎羽分ぶん人じん不ふ悲。天生あもう眾禽各かく有ゆう類るい，
威い鳳おおとり文章ふみあき在ざい仁義じんぎ。鷹たか隼はやぶさ儀ぎ形がた螻蟻心しん，雖能戾もど天てん何なん足そく貴たか。

《秋あき螢ぼたる引》

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1 秋あき螢ぼたる引:
漢かん陵りょう秦しん苑えん遙はるか蒼蒼そうそう，陳ちん根ね腐くさ葉は秋あき螢光けいこう。夜空よぞら寥寂金氣かなけ淨きよし，
千せん門もん九きゅう陌飛悠揚ゆうよう。紛まがえ綸暉映うつ互明滅めいめつ，金かね爐ろ星ほし噴鐙花はな發はつ。

2 秋あき螢ぼたる引:
露ろ華はな洗濯せんたく清きよし風吹ふぶき，低てい昂のぼる不定ふてい招搖垂たれ。高麗こうらい罘罳照あきら珠たま網もう，
斜はす曆れき璿題舞まい羅ら幌ほろ。曝衣樓ろう上じょう拂はらい香が裙，承うけたまわ露臺ろだい前ぜん轉てん仙せん掌てのひら。

3 秋あき螢ぼたる引:
槐さいかち市し諸もろ生せい夜よる讀書どくしょ，北きた窗まど分明ぶんめい辨べん魯魚ろぎょ。行子いくこ東山ひがしやま起おこり征せい思おもえ，
中ちゅう郎ろう騎き省しょう悲秋氣き。銅どう雀すずめ人じん歸き自じ入いれ簾すだれ，長門ながと帳ちょう開ひらけ來らい照あきら淚なみだ。

4 秋あき螢ぼたる引:
誰だれ言げん向こう晦みそ常つね自明じめい，兒童じどう走はし步ふ嬌女爭そう。天生あもう有光ありみつ非ひ自じ衒，
遠近えんきん低てい昂のぼる暗中あんちゅう見み。撮つまみ蚊か妖鳥亦また夜よる起おこり，翅如車輪しゃりん而已矣。

《傷きず秦しん姝行》

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1 傷きず秦しん姝行:
長安ながやす二に月がつ花はな滿まん城しろ，插花そうか女兒じょじ彈だん銀ぎん箏そう。南宮なんぐう仙せん郎ろう下か朝晚あさばん，
曲きょく頭あたま駐ちゅう馬うま聞新聲ごえ。馬蹄ばてい逶遲心こころ蕩とろけ漾，高樓こうろう已やめ遠とお猶なお頻しき望もち。

2 傷きず秦しん姝行:
此時意い重じゅう千金せんきん輕けい，鳥とり傳でん消息しょうそく紺こん輪わ迎むかえ。芳よし筵むしろ銀燭ぎんしょく一いち相そう見み，
淺あさ笑えみ低てい鬟初目め成なり。蜀しょく弦つる錚摐指ゆび如玉，皇帝こうてい弟子でし韋家曲きょく。

3 傷きず秦しん姝行:
青あお牛文うしふみ梓あずさ赤金あかがね簧，玫瑰寶たから柱ばしら秋あき雁行がんこう。斂蛾收おさむ袂たもと凝しこり清光せいこう，
抽弦緩なる調ちょう怨且長ちょう。八鸞鏘鏘渡銀漢，九雛威鳳鳴朝陽。

4 傷きず秦しん姝行:
曲きょく終おわり韻いん盡つき意い不足ふそく，餘よ思おもえ悄絕愁空堂どう。從したがえ郎ろう鎮南別べつ城じょう闕，
樓ろう船せん理り曲きょく瀟湘月がつ。馮夷蹁躚舞まい淥波，鮫さめ人出ひとで聽停綃梭。

5 傷きず秦しん姝行:
北池きたいけ含煙瑤よう草くさ短たん。萬松亭下清風滿。秦しん聲ごえ一いち曲きょく此時聞，
嶺みね泉いずみ嗚咽おえつ南雲なぐも斷だん。來らい自じ長ちょう陵りょう小市こいち東ひがし，蕣華零落れいらく瘴江風ふう。

6 傷きず秦しん姝行:
侍さむらい兒じ掩泣收おさむ銀ぎん甲かぶと，鸚鵡おうむ不言ふげん愁玉籠かご。博ひろし山やま爐ろ中ちゅう香こう自滅じめつ，
鏡かがみ奩塵暗くら同どう心しん結ゆい。從したがえ此東山ひがしやま非ひ昔むかし遊ゆう，長ちょう嗟人與あずか弦つる俱絕。

《競きおい渡わたり曲きょく》

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1 競きおい渡わたり曲きょく:
沅江五ご月がつ平ひらめ堤つつみ流りゅう，邑人相しょう將はた浮彩舟ぶね。靈れい均ひとし何なん年ねん歌か已やめ矣，
哀あい謠うたい振ふ楫かじ從したがえ此起。楊桴擊げき節ぶし雷かみなり闐闐，亂らん流りゅう齊ひとし進すすむ聲ごえ轟然ごうぜん。

2 競きおい渡わたり曲きょく:
蛟龍こうりょう得とく雨う鬐鬣動どう，螮蝀飲いん河かわ形影けいえい聯れん。刺史しし臨流褰翠幃，
揭竿命いのち爵分雄ゆう雌めす。先さき鳴な餘よ勇いさむ爭そう鼓舞こぶ，未み至いたり銜枚顏色かおいろ沮。

3 競きおい渡わたり曲きょく:
百勝本自有前期，一いち飛ひ由來ゆらい無む定じょう所しょ。風俗ふうぞく如狂重じゅう此時，
縱たて觀かん雲くも委い江え之の湄。彩いろどり旗はた夾岸照あきら蛟みずち室しつ，羅ら襪淩波は呈てい水すい嬉うれし。

4 競きおい渡わたり曲きょく:
曲きょく終おわり人じん散ち空むなし愁暮，招屈亭てい前ぜん水みず東ひがし注ちゅう。

《翰林かんりん白しろ二に十じゅう二に學士がくし見寄みより詩し一いち百ひゃく篇へん，因いん以答貺》

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1 翰林かんりん白しろ二に... :
吟ぎん君くん遺のこ我わが百ひゃく篇へん詩し，使つかい我わが獨坐どくざ形がた神しん馳はせ。玉たま琴きん清きよ夜よる人じん不ふ語かたり，
琪樹春はる朝風あさかぜ正ただし吹。郢人斤きん斫無痕跡こんせき，仙人せんにん衣裳いしょう棄刀尺じゃく。

2 翰林かんりん白しろ二に... :
世人せじん方かた內欲相しょう尋ひろ，行ぎょう盡つき四よん維無處しょ覓。

《憶春草そう》

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1 憶春草そう:
憶春草そう，處處しょしょ多情たじょう洛陽らくよう道どう。金谷かなや園えん中ちゅう見日けんにち遲おそ，
銅どう駝陌上じょう迎むかえ風早かざはや。河南かなん大君おおきみ頻出ひんしゅつ難なん，只ただ得とく池塘ちとう十じゅう步ほ看み。

2 憶春草そう:
府ふ門もん閉後滿まん街まち月がつ，幾いく處しょ遊ゆう人じん草くさ頭あたま歇。館かん娃宮外がい姑しゅうと蘇そ台だい，
鬱うつ鬱うつ芊芊撥ばち不ふ開ひらき。無風むふう自じ偃君知ち否いな，西にし子こ裙裾曾拂來らい。

《樂天らくてん寄よせ憶舊遊ゆう，因いん作さく報ほう白しろ君くん以答》

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1 樂天らくてん寄よせ憶... :
報むくい白しろ君くん，別べつ來らい已やめ渡江とのえ南みなみ春はる。江南こうなん春色しゅんしょく何處どこ好こう，
燕つばめ子こ雙そう飛ひ故こ官かん道どう。春城しゅんじょう三さん百ひゃく七なな十じゅう橋きょう，夾岸朱しゅ樓ろう隔へだた柳やなぎ條じょう。

2 樂天らくてん寄よせ憶... :
丫頭小兒しょうに蕩とろけ畫が槳，長ちょう袂たもと女郎じょろう簪かんざし翠みどり翹。郡こおり齋ひとし北きた軒のき卷まき羅ら幕まく，
碧あお池ち逶迤繞にょう畫が閣かく。池邊いけべ綠みどり竹ちく桃李とうり花はな，花はな下か舞まい筵むしろ鋪しき彩あや霞かすみ。

3 樂天らくてん寄よせ憶... :
吳ご娃足情じょう言語げんご黠，越えつ客きゃく有ゆう酒しゅ巾はば冠かんむり斜はす。坐すわ中ちゅう皆みな言げん白しろ太守たいしゅ，
不ふ負まけ風光ふうこう向むこう杯はい酒しゅ。酒さけ酣たけなわ襞ひだ箋飛逸いっ韻いん，至いたり今こん傳つて在ざい人ひと人口じんこう。

4 樂天らくてん寄よせ憶... :
報むくい白しろ君くん，相思そうし空そら望もち嵩かさみ丘たかし雲くも。其奈錢ぜに塘蘇小しょう小しょう，
憶君淚なみだ點てん石せき榴裙。

《兩りょう如何いか詩し謝しゃ裴令公こう贈おく別べつ二に首しゅ》

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1 兩りょう如何いか詩し... :
一言ひとこと一いち顧重，重じゅう何なん如。今日きょう陪游清きよし洛らく苑えん，昔年せきねん別べつ入いれ承うけたまわ明あきら廬いおり。

2 兩りょう如何いか詩し... :
一いち東ひがし一いち西にし別べつ，別べつ何なん如。終期しゅうき大だい冶再熔煉，願ねがい托たく扶搖翔しょう碧あお虛むなし。

《唐から侍さむらい禦寄游ゆう道林どうりん嶽だけ麓ふもと二寺詩並沈中丞姚員外所和見征繼作》

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1 唐から侍さむらい禦寄... :
湘西古刹こさつ雙そう蹲つくばい蹲つくばい，群峰ぐんぽう朝あさ拱如駿しゅん奔。青あお松まつ步あゆみ障さわ深ふか五ご裏うら，
龍宮りゅうぐう黯黯神しん為ため閽。高殿たかどの呀然壓あつ蒼あお巘，俯瞰ふかん長江ながえ疑うたぐ欲ほし吞。

2 唐から侍さむらい禦寄... :
橘洲きっしゅう泛浮金きん實じつ動どう，水みず郭かく繚繞朱しゅ樓ろう鶱。語かたり餘あまり百ひゃく響ひびき入にゅう天籟てんらい，
眾奇引步輕けい翩翻へんぽん。泉いずみ清きよし石せき布ぬの博はく棋子，蘿密鳥とり韻いん如簧言ごと。

3 唐から侍さむらい禦寄... :
回廊かいろう架か險けん高だか且曲，新しん徑みち穿ほじ林はやし明あきら複ふく昏。淺あさ流りゅう忽ゆるがせ濁山にごりやま獸じゅう過か，
古木ふるき半はん空そら天火てんか痕こん。星ほし使し雙そう飛出とびで禁きん垣かき，元げん侯こう餞はなむけ之の游ゆう石門せきもん。

4 唐から侍さむらい禦寄... :
紫むらさき髯ひげ翼つばさ從したがえ紅べに袖そで舞まい，竹たけ風ふう松雪まつゆき香かおり溫ゆたか黁。遠とお持もち清きよし瑣照巫みこ峽かい，
一いち戛驚斷だん三さん聲こえ猿ざる。靈山れいざん會かい中身なかみ不ふ預あずか，吟ぎん想そう峭絕愁精魂たましい。

5 唐から侍さむらい禦寄... :
恨無黃金おうごん千せん萬まん餅もち，布地ぬのじ買取かいとり為ため丘おか園えん。

《將はた赴汝州しゅう，途と出で浚下，留とめ辭じ李り相しょう公おおやけ》

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1 將はた赴汝州しゅう... :
長安ながやす舊きゅう遊ゆう四よん十じゅう載の，鄂渚一いち別べつ十じゅう四よん年ねん。後來こうらい富貴ふうき已やめ零落れいらく，
歲とし寒かん松柏しょうはく猶なお依然いぜん。初はつ逢貞元もと尚文なおふみ主ぬし，雲くも闕天池ち共ども翔しょう舞まい。

2 將はた赴汝州しゅう... :
相あい看み卻數六ろく朝臣あそん，屈指くっし如今無む四よん五ご。夷えびす門もん天下でんか之の咽喉いんこう，
昔時せきじ往往おうおう生なま瘡かさ疣いぼ。聯れん翩舊相しょう來らい鎮壓ちんあつ，四海しかい吐納皆みな通どおり流りゅう。

3 將はた赴汝州しゅう... :
久ひさ別べつ凡經幾いく多事たじ，何なに由よし說得せっとく平生へいぜい意い。千思萬慮盡如空，
一笑いっしょう一言いちげん真ま可か貴とうと。世間せけん何事なにごと最さい殷いん勤つとむ，白頭はくとう將しょう相しょう逢故人じん。

4 將はた赴汝州しゅう... :
功こう成なり名めい遂とげ會かい歸き老おい，請向東山ひがしやま為ため近きん鄰。

《平ひら蔡州三さん首しゅ》

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1 平ひら蔡州三さん... :
蔡州城中じょうちゅう眾心死し，妖星ようせい夜よる落照壕ごう水すい。漢かん家か飛ひ將しょう下か天來てんらい，
馬うま棰一揮門洞ほら開ひらき。賊徒ぞくと崩くずれ騰あが望もち旗はた拜はい，有ゆう若わか群ぐん蟄驚春雷しゅんらい。

2 平ひら蔡州三さん... :
狂きょう童わらわ面めん縛ばく登とう檻おり車しゃ，太白たいはく夭矯垂たれ捷とし書しょ。相あい公おおやけ從容しょうよう來らい鎮撫ちんぶ，
常つね侍さむらい郊迎負ふ文ぶん弩いしゆみ。四よん人にん歸き業ぎょう閭里間あいだ，小兒しょうに跳とべ浪なみ健兒けんじ舞まい。

3 平ひら蔡州三さん... :
汝なんじ南みなみ晨雞喔喔鳴，城頭じょうとう鼓こ角かく音おん和平わへい。路傍ろぼう老人ろうじん憶舊事ごと，
相あい與あずか感激かんげき皆みな涕零。老人ろうじん收おさむ泣前致辭，官軍かんぐん入城にゅうじょう人じん不知ふち。

4 平ひら蔡州三さん... :
忽ゆるがせ驚おどろき元和がんわ十じゅう二に載の，重見しげみ天たかし寶たから承うけたまわ平時へいじ。

5 平ひら蔡州三さん... :
九衢車馬渾渾流，使臣ししん來らい獻けんじ淮西囚しゅう。四夷聞風失匕箸，
天子てんし受賀登高とうこう樓ろう。妖童擢發不足ふそく數すう，血ち污城西にし一いち抔土。

6 平ひら蔡州三さん... :
南峰みなみみね無火むか楚すわえ澤さわ間あいだ，夜行やこう不ふ鎖くさり穆きよし陵りょう關せき。策さく勳くん禮れい畢天下か泰たい，
猛もう士し按劍看み恒つね山やま。

《送おく僧そう仲なか剬東遊ゆう兼けん寄よせ呈てい靈れい澈上人じん》

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1 送おく僧そう仲なか剬... :
釋子しゃくし道成みちなり神氣しんき閑，住持じゅうじ曾上清涼せいりょう山やま。晴はれ空そら禮れい拜見はいけん真しん像ぞう，
金きむ毛け五ご髻たぶさ卿きょう雲間くもま。西にし游ゆう長安ながやす隸僧籍せき，本寺ほんじ門前もんぜん曲きょく江こう碧あおい。

2 送おく僧そう仲なか剬... :
松まつ間あいだ白しろ月がつ照あきら寶たから書しょ，竹下たけした香かおり泉いずみ灑瑤席せき。前まえ時じ學がく得とく經論きょうろん成なり，
賓まろうど士し象ぞう馬うま開ひらく禪ぜん扃。高こう筵むしろ談だん柄え一いち麾拂，講こう下か門徒もんと如醉醒。

3 送おく僧そう仲なか剬... :
舊聞きゅうぶん南方なんぽう多た長老ちょうろう，次第しだい來き入にゅう荊門道どう。荊州本ほん自重じちょう彌わたる天てん，
南朝なんちょう塔とう廟びょう猶なお依然いぜん。宴うたげ坐すわ東陽とうよう枯樹下か，經けい行ぎょう居きょ止とめ故こ台たい邊べ。

4 送おく僧そう仲なか剬... :
忽ゆるがせ憶遺民社みんしゃ中ちゅう客きゃく，為ため我わが衡陽駐ちゅう飛ひ錫すず。講こう罷やめ同どう尋ひろ相しょう鶴づる經けい，
閑來共ども蠟登山とざん屐。一旦揚眉望沃州，自じ言げん王おう謝しゃ許もと同どう遊ゆう。

5 送おく僧そう仲なか剬... :
憑將雜ざつ擬なずらえ三さん十じゅう首しゅ，寄與きよ江南こうなん湯ゆ慧とし休きゅう。

《觀かん棋歌送おく儇師西にし游ゆう》

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1 觀かん棋歌送おく... :
長ちょう沙すな男子だんし東ひがし林りん師し，閑讀藝げい經けい工こう弈棋。有ゆう時じ凝しこり思おもえ如入定にゅうじょう，
暗くら覆くつがえ一いち局きょく誰だれ能のう知ち。今年ことし訪おとずれ予よ來き小しょう桂かつら，方ぽう袍ほう袖そで中ちゅう貯新勢ぜい。

2 觀かん棋歌送おく... :
山人さんじん無事ぶじ秋日しゅうじつ長ちょう，白晝はくちゅう懵懵眠ねむり匡ただし床ゆか。因よし君臨くんりん局きょく看み鬥智，
不覺ふかく遲おそ景けい沉西牆。自じ從したがえ仙人せんにん遇ぐう樵きこり子こ，直ちょく到いた開ひらく元もと王おう長ちょう史し。

3 觀かん棋歌送おく... :
前身ぜんしん後身こうしん付づけ餘あまり習，百ひゃく變へん千せん化か無窮むきゅう已やめ。初はつ疑うたぐ磊落らいらく曙あけぼの天てん星ぼし，
次つぎ見み搏擊三秋みあき兵へい。雁行がんこう布ぬの陳ひね眾未曉あかつき，虎穴こけつ得子とくこ人じん皆みな驚おどろき。

4 觀かん棋歌送おく... :
行くだり盡つき三さん湘不逢敵，終日しゅうじつ饒にょう人じん損そん機き格かく。自じ言げん台閣たいかく有ゆう知音ちいん，
悠然ゆうぜん遠どお起おこり西遊せいゆう心しん。商しょう山やま夏なつ木陰こかげ寂寂せきせき，好こう處しょ徘徊はいかい駐ちゅう飛ひ錫すず。

5 觀かん棋歌送おく... :
忽ゆるがせ思おもえ爭そう道どう畫が平ひら沙すな，獨どく笑わらい無言むごん心こころ有ゆう適てき。藹藹あいあい京きょう城じょう在ざい九天きゅうてん，
貴き遊ゆう豪ごう士し足あし華はな筵むしろ。此時一いち行ぎょう出で人じん意い，賭と取と聲名せいめい不要ふよう錢ぜに。

《吐綬鳥とり詞し》

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1 吐綬鳥とり詞し:
越山こしやま有ゆう鳥とり翔しょう寥廓，嗉中天ちゅうてん綬光若わか若わか。越人えつじん偶見而奇之の，
因いん名めい吐綬江南こうなん知とも。四明しめい天てん姥うば神仙しんせん地ち，朱鳥あすか星ほし精きよし鐘かね異い氣き。

2 吐綬鳥とり詞し:
赤玉あかだま雕成彪あや炳毛，紅べに綃翦出で玲瓏れいろう翅。湖みずうみ煙けむり始はじめ開山かいさん日び高だか，
迎むかい風ふう吐綬盤ばん花はな絛。臨波似に染しみ琅琊草そう，映うつ葉は疑うたぐ開ひらけ阿おもね母はは桃もも。

3 吐綬鳥とり詞し:
花はな紅べに草くさ綠みどり人間にんげん事ごと，未み若わか靈れい禽自然しぜん貴とうと。鶴づる吐明珠たま暫報恩ほうおん，
鵲かささぎ銜金印しるし空むなし為ため瑞みず。春はる和秋かずあき霽野花はな開ひらけ，玩景尋ひろ芳よし處處しょしょ來らい。

4 吐綬鳥とり詞し:
翠みどり幕まく雕籠非ひ所しょ慕，珠たま丸まる柘彈莫相猜。棲月啼煙淩縹緲ひょうびょう，
高林たかばやし先見せんけん金きん霞かすみ曉あかつき。三山仙路寄遙情，刷さつ羽わ揚あげ翹欲上じょう征せい。

5 吐綬鳥とり詞し:
不學ふがく碧あお雞依井い絡からま，願ねがい隨ずい青あお鳥とり向こう層そう城じょう。太たい液えき池ち中有ちゅうう黃き鵠くぐい，
憐君長ちょう向高むこうたか枝えだ宿やど。如何いか一借羊角風，來聽らいちょう簫しょう韶九成なり曲きょく。

《八はち月がつ十じゅう五ご日にち夜よる桃源とうげん玩月》

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1 八はち月がつ十じゅう五ご... :
塵ちり中ちゅう見み月つき心こころ亦また閑，況きょう是清これきよ秋あき仙せん府ふ間あいだ。凝しこり光こう悠悠ゆうゆう寒露かんろ墜，
此時立りつ在ざい最高さいこう山やま。碧あお虛無きょむ雲くも風ふう不ふ起おこり，山上さんじょう長松山ちょうしょうざん下水げすい。

2 八はち月がつ十じゅう五ご... :
群ぐん動どう翛然一顧いっこ中ちゅう，天てん高だか地平ちへい千せん萬まん里さと。少しょう君きみ引我升ます玉だま壇だん，
禮れい空そら遙はるか請真仙せん官かん。雲くも輧欲下か星ほし斗と動どう，天てん樂らく一聲いっせい肌はだ骨こつ寒かん。

3 八はち月がつ十じゅう五ご... :
金きむ霞かすみ昕昕漸やや東上とうじょう，輪りん欹影促猶頻しき望もち。絕景ぜっけい良よ時とき難むずかし再さい並なみ，
他年たねん此日應おう惆悵。

《送おく鴻おおとり舉游江西えにし》

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1 送おく鴻おおとり舉游... :
禪ぜん客きゃく學がく禪ぜん兼學けんがく文ぶん，出山でやま初はつ似に無心むしん雲くも。從したがえ風卷かざまき舒來何處どこ，
繚繞巴ともえ山さん不ふ得え去ざ。山やま州しゅう古寺ふるでら好こう閒あいだ居い，讀盡龍りゅう王宮おうきゅう裏書うらがき。

2 送おく鴻おおとり舉游... :
使つかい君くん灘なだ頭あたま揀石硯すずり，白しろ帝みかど城邊ぐすくべ尋ひろ野の蔬。忽ゆるがせ然しか登高とうこう心こころ瞥起，
又また欲よく浮杯信しん流水りゅうすい。煙波えんぱ浩ひろし淼魚鳥とり情じょう，東ひがし去さ三さん千せん三さん百ひゃく里さと。

3 送おく鴻おおとり舉游... :
荊門峽かい斷だん無む盤ばん渦うず，湘平漢かん闊清光こう多た。廬いおり山やま霧きり開ひらけ見み瀑布ばくふ，
江西えにし月がつ淨きよし聞漁歌か。鐘かね陵りょう八はち郡ぐん多おお名めい守もり，半はん是ぜ西方せいほう社中しゃちゅう友とも。

4 送おく鴻おおとり舉游... :
與あずか師し相しょう見み便びん談だん空そら，想そう得とく高だか齋とき獅子吼ししく。

《采さい菱ひし行ゆき》

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1 采さい菱ひし行ゆき:
白馬はくば湖こ平たいら秋日しゅうじつ光こう，紫むらさき菱ひし如錦彩いろどり鴛おしどり翔しょう。蕩とろけ舟ぶね游ゆう女おんな滿まん中央ちゅうおう，
采さい菱ひし不ふ顧馬上じょう郎ろう。爭そう多た逐勝紛まがえ相しょう向こう，時じ轉てん蘭らん橈破輕けい浪なみ。

2 采さい菱ひし行ゆき:
長ちょう鬟弱袂たもと動どう參差しんし，釵影釧文浮蕩漾。笑わらい語ご哇咬顧晚暉あきら，
蓼たで花はな緣えん岸がん扣舷歸き。歸來きらい共ども到いた市橋いちはし步あゆみ，野の蔓づる系けい船せん萍滿衣ころも。

3 采さい菱ひし行ゆき:
家家いえいえ竹ちく樓ろう臨廣陌，下しも有ゆう連れん檣多估客。攜觴薦こも芰夜經過けいか，
醉よい踏大堤つつみ相應そうおう歌か。屈こごめ平ひら祠ほこら下か沅江水すい，月がつ照あきら寒波かんぱ白しろ煙けむり起おこり。

4 采さい菱ひし行ゆき:
一曲南音此地聞，長安ながやす北きた望もち三さん千里せんり。

《和牛わぎゅう相しょう公おおやけ南みなみ溪けい醉よい歌か見寄みより》

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1 和牛わぎゅう相しょう公こう... :
脫だつ屣將相しょう守もり沖おき謙けん，唯ただ於山水すい獨どく不ふ廉かど。枕まくら伊い背せ洛らく得とく勝地しょうち，
鳴な皋少室しつ來らい軒のき簷。相あい形かたち面めん勢いきおい默だま指ゆび畫が，言下ごんか變化へんか隨ずい顧瞻。

2 和牛わぎゅう相しょう公こう... :
清池しょうげ曲きょく榭人所しょ致，野趣やしゅ幽芳ゆうほう天與てんよ添。有ゆう時じ轉入てんにゅう潭島間あいだ，
珍ちん木き如幄藤ふじ為ため簾すだれ。忽ゆるがせ然しか便びん有ゆう江湖こうこ思おもえ，沙すな礫つぶて平たいら淺草あさくさ纖纖。

3 和牛わぎゅう相しょう公こう... :
怪かい石せき釣つり出で太ふとし湖底こてい，珠樹たまき移うつり自じ天臺てんだい尖とんが。崇たかし蘭あららぎ迎むかえ風ふう綠みどり泛豔，
坼蓮含露紅べにdM襜。修おさむ廊ろう架空かくう遠どお岫入，弱じゃく柳やなぎ覆くつがえ檻おり流りゅう波なみ沾。

4 和牛わぎゅう相しょう公こう... :
渚なぎさ蒲がま抽芽劍けん脊動，岸きし荻おぎ迸ほとばし筍たけのこ錐きり頭あたま銛。攜觴命いのち侶極永日えいじつ。

5 和牛わぎゅう相しょう公こう... :
此會雖數心無こころな厭いや。人ひと皆みな置おけ莊そう身み不ふ到いた，富貴ふうき難なん與あずか逍遙しょうよう兼けん。

6 和牛わぎゅう相しょう公こう... :
唯ただ公おおやけ出處しゅっしょ得どく自在じざい，決けつ就放曠辭炎えん炎えん。座ざ賓まろうど盡つき歡恣談だん謔，
愧我掉頭還かえ奮髯。能のう令れい商しょう於多病びょう客きゃく，亦また覺さとし自適じてき非ひ沉潛。

《和かず浙西李り大夫たいふ霜夜しもよ對たい月がつ，聽小童こわっぱ吹觱篥歌，依よ本ほん韻いん》

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1 和かず浙西李り... :
海門かいもん雙そう青あお暮くれ煙けむり歇，萬頃ばんけい金波かねなみ湧ゆう明月めいげつ。侯ほう家か小兒しょうに能のう觱篥，
對たい此清光こう天性てんせい發はつ。長江ちょうこう凝しこり練ねり樹じゅ無風むふう，瀏りゅう栗ぐり一聲いっせい霄漢中ちゅう。

2 和かず浙西李り... :
涵胡畫が角かく怨邊草そう，蕭しょう瑟清蟬吟野の叢くさむら。沖おき融とおる頓挫とんざ心しん使し指ゆび，
雄お吼ほえ如風轉てん如水にょすい。思おもえ婦ふ多情たじょう珠たま淚なみだ垂たれ，仙せん禽欲舞まい雙そう翅起。

3 和かず浙西李り... :
郡ぐん人じん寂聽じゃくちょう衣ころも滿みつる霜しも，江こう城しろ月がつ斜はす樓ろう影かげ長ちょう。才ざい驚おどろき指ゆび下か繁しげる韻いん息いき，
已やめ見み樹じゅ杪明星みょうじょう光こう。謝しゃ公こう高だか齋とき吟ぎん激げき楚すわえ，戀こい闕心同どう在ざい羈旅。

4 和かず浙西李り... :
一奏荊人白雪歌，如聞雒客扶風鄔。吳くれ門もん水みず驛えき按山陰さんいん，
文字もじ殷いん勤つとむ寄よせ意い深ふか。欲よく識陽陶すえ能のう絕ぜっ處しょ，少年しょうねん榮さかえ貴き道みち傷心しょうしん。

《歎水別べつ白しろ二に十じゅう二に》

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1 歎水別べつ白しろ... :
水みず。至いたり清きよし，盡つき美び。從したがえ一いち勺しゃく，至いたり千里せんり。利り人じん利り物ぶつ，
時どき行ぎょう時じ止とめ。道みち性せい淨きよし皆みな然しか，交情こうじょう淡あわ如此。君きみ游ゆう金きむ穀こく堤上つつみのうえ，
我わが在ざい石いし渠みぞ署しょ裏うら。兩りょう心しん相しょう憶似流りゅう波は，潺湲せんかん日夜にちや無窮むきゅう已やめ。

《同どう留守るす王おう僕ぼく射い各かく賦ふ春はる中ちゅう一物いちもつ，從したがえ一いち韻いん至いたり七なな》

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1 同どう留守るす王おう... :
鶯うぐいす。能のう語ご，多情たじょう。春はる將はた半はん，天てん欲よく明あきら。始はじめ逢南陌，
複ふく集しゅう東城とうじょう。林はやし疏時見み影かげ，花はな密みつ但ただし聞聲。營中緣えん催短笛ふえ，
樓ろう上じょう來き定てい哀あい箏そう。千門萬戶垂楊裏，百轉如簧煙景晴。

《傷きず我わが馬うま詞し》

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1 傷きず我わが馬うま詞し:
生なま於磧礪善馳走ちそう，萬里南來困丘阜。青あお菰こも寒かん菽まめ非ひ適てき口こう，
病やまい聞北風ふう猶なお舉首。金かね台だい已やめ平ひら骨ほね空そら朽くち，投とう之の龍りゅう淵ふかし從したがえ爾なんじ友とも。

《清きよし湘詞二に首しゅ》

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1 清きよし湘詞二に... :
湘水流りゅう，湘水流りゅう，九疑雲物至今愁。君きみ問もん二に妃ひ何處どこ所しょ，
零れい陵りょう香が草くさ雨中うちゅう收おさむ。

2 清きよし湘詞二に... :
斑むら竹ちく枝えだ，斑むら竹ちく枝えだ，淚痕るいこん點點てんてん寄よせ相思そうし。楚すわえ客きゃく欲よく聞瑤瑟怨，
瀟湘深夜しんや月明げつめい時じ。

《和かず樂天らくてん春はる詞し，依よ憶江南みなみ曲きょく拍はく為ため句く》

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1 和かず樂天らくてん春はる... :
春はる去さ也，多謝たしゃ洛らく城じょう人じん。弱じゃく柳やなぎ從したがえ風ふう疑うたぐ舉袂，
叢くさむら蘭らん裛露似に沾巾。獨坐どくざ亦また含嚬。

2 和かず樂天らくてん春はる... :
春はる過か也，笑わらい惜豔陽ひ年ねん。猶なお有ゆう桃もも花はな流水りゅうすい上じょう，
無む辭じ竹ちく葉は醉よい樽前たるまえ。惟おもんみ待まち見み青天せいてん。

《澤さわ宮みや詩し》

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1 澤さわ宮みや詩し:
秩秩澤さわ宮みや，有ゆう的てき維鵠。祁祁庶士，於以幹みき祿ろく。

2 澤さわ宮みや詩し:
彼かれ鵠くぐい斯微，若わか止とめ若わか翔しょう。千里せんり之これ差さ，起おこり於毫芒すすき。

3 澤さわ宮みや詩し:
我わが矢や既すんで直じき，我わが弓ゆみ既すんで良りょう，依よ于高墉，因いん我わが不ふ臧。

4 澤さわ宮みや詩し:
高こう墉伊何なに，維器與あずか時とき。視し之の以心，誰だれ謂いい鵠くぐい微ほろ。

《酬むくい令れい狐きつね相しょう公おおやけ六ろく言こと見寄みより》

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1 酬むくい令れい狐きつね相しょう... :
已やめ嗟別離べつり太ふと遠とお，更さら被ひ光陰こういん苦く催。吳ご苑えん燕つばめ辭じ人じん去さ，
汾川雁かり帶たい書しょ來らい。愁吟月がつ落猶望もち，憶夢天明てんめい未み回かい。

2 酬むくい令れい狐きつね相しょう... :
今日きょう便びん令れい歌うた者しゃ，唱兄詩し送おく一いち杯はい。

《答こたえ樂天らくてん臨都驛えき見み贈おく》

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1 答こたえ樂天らくてん臨... :
北きた固山こやま邊あたり波浪はろう，東ひがし都城みやこのじょう裏うら風塵ふうじん。

2 答こたえ樂天らくてん臨... :
世事せじ不同ふどう心事しんじ，新人しんじん何なに似に故人こじん。

《再さい贈おく樂天らくてん》

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1 再さい贈おく樂天らくてん:
一政政官軋軋，一いち年ねん年ねん老ろう駸駸しんしん。

2 再さい贈おく樂天らくてん:
身み外がい名めい何なん足算たしざん，別べつ來らい詩し且同吟ぎん。

《酬むくい楊侍郎ろう憑見寄よせ》

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1 酬むくい楊侍郎ろう... :
十じゅう年ねん毛羽けば摧頹，一旦いったん天てん書しょ召回。

2 酬むくい楊侍郎ろう... :
看み看み瓜ふり時じ欲ほし到いた，故こ侯ほう也好歸來きらい。

URN: ctp:quantangshi/356