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Quan Tang Shi : 卷五百五十四 - Chinese Text Project
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Chinese Text Project
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《卷まき五ご百ひゃく五ご十じゅう四よん》

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《寄よせ石橋いしばし僧そう》

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1 寄よせ石橋いしばし僧そう:
逢師入山にゅうざん日び，道みち在ざい石橋いしばし邊べ。別後べつご何人なんにん見み，秋あき來らい幾いく處しょ禪ぜん。

2 寄よせ石橋いしばし僧そう:
溪けい中ちゅう雲くも隔へだた寺てら，夜半やはん雪ゆき添泉。生なま有ゆう天臺てんだい約やく，知ち無む卻出緣えん。

《送おく歐おう陽ひ袞歸閩中》

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1 送おく歐おう陽ひ袞... :
秦はた城しろ幾いく年ねん住じゅう，猶なお著しる故鄉こきょう衣ころも。失意しつい時じ相識そうしき，成なり名めい後ご獨どく歸き。

2 送おく歐おう陽ひ袞... :
海うみ秋あき蠻樹黑くろ，嶺みね夜よる瘴禽飛ひ。為ため學がく心こころ難なん滿まん，知とも君くん更さら掩扉。

《古いにしえ觀かん》

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1 古いにしえ觀かん:
置おけ觀かん碑ひ已やめ折おり，看み松年しょうねん不ふ分ぶん。洞ほら中ちゅう誰だれ識藥，門外もんがい日び添墳。

2 古いにしえ觀かん:
放ひ去ざ龜かめ隨ずい水すい，呼よび來らい鹿しか怕熏。壇だん邊見へんみ灰はい火ひ，幾いく燒やき祭さい星ほし文ぶん。

《題だい令れい狐きつね處士しょし溪けい居きょ》

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1 題だい令れい狐きつね處しょ... :
白髮はくはつ已やめ過半かはん，無む心しん離はなれ此溪。病やまい嘗山藥やく遍へん，貧ひん起草きそう堂どう低てい。

2 題だい令れい狐きつね處しょ... :
為ため月がつ窗まど從したがえ破やぶ，因いん詩し壁かべ重じゅう泥どろ。近來きんらい常つね夜よる坐すわ，寂さび寞與僧そう齊ひとし。

《送おく僧そう歸き南嶽みなみだけ》

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1 送おく僧そう歸き南みなみ... :
心こころ知ち衡岳路ろ，不ふ怕去人じん稀まれ。船ふね裏うら誰だれ鳴な磬かおる，沙すな頭あたま自じ曝衣。

2 送おく僧そう歸き南みなみ... :
有家ありや從したがえ小別しょうべつ，是ぜ寺てら即そく言げん歸き。料りょう得とく逢春住じゅう，當とう禪ぜん雲くも滿まん扉とびら。

《寧やすし州しゅう春はる思おもえ》

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1 寧やすし州しゅう春はる思おもえ:
失意しつい離はなれ城じょう早はや，邊へん城じょう任つとむ見み花はな。初はつ為ため斷だん酒客しゅかく，舊識きゅうしき賣うり書家しょか。

2 寧やすし州しゅう春はる思おもえ:
寒かん寺てら稀まれ無む雪ゆき，春風しゅんぷう亦また有ゆう沙すな。思おもえ歸き頻しき入にゅう夢ゆめ，即そく路ろ不言ふげん賒。

《山やま友とも贈おく蘚花冠かかん》

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1 山やま友とも贈おく蘚... :
塵ちり汙出華はな髮かみ，慚君青あお蘚冠。此身閑未得え，終日しゅうじつ戴應難なん。

2 山やま友とも贈おく蘚... :
好こう就松陰かげ掛かけ，宜むべ當とう枕まくら石せき看み。會かい須尋道士どうし，簪かんざし去さ繞にょう霜しも壇だん。

《蠻家》

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1 蠻家:
領りょう得とく賣うり珠たま錢ぜに，還かえ歸き銅どう柱ばしら邊あたり。看み兒じ調ちょう小しょう象ぞう，打だ鼓こ試ためし新船しんふね。

2 蠻家:
醉よい後ご眠ねむり神かみ樹いつき，耕こう時じ語ご瘴煙。不ふ逢寒便びん老ろう，相そう問とい莫知年ねん。

《早春そうしゅん題だい湖上こじょう顧氏新居しんきょ二に首しゅ》

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1 早春そうしゅん題だい湖みずうみ... :
近きん得とく水雲もずく看み，門もん長ちょう侵おかせ早はや開ひらき。到いた時とき微ほろ有ゆう雪ゆき，行ぎょう處しょ又また無む苔こけ。

2 早春そうしゅん題だい湖みずうみ... :
勸すすむ酒客しゅかく初はつ醉よい，留とめ茶ちゃ僧そう未來みらい。每まい逢晴暖だん日び，唯ただ見み乞花栽。

3 早春そうしゅん題だい湖みずうみ... :
門もん不當ふとう官かん道どう，行人こうじん到いた亦また稀まれ。故こ從したがえ餐後出で，方ぽう至いたり夜よる深ふか歸き。

4 早春そうしゅん題だい湖みずうみ... :
開ひらき篋揀書卷しょかん，掃床移うつり褐衣。幾いく時じ同どう買かい宅たく，相近すけちか有ゆう柴しば扉とびら。

《蒼梧そうご雲氣うんき》

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1 蒼梧そうご雲氣うんき:
何なん年ねん化か作さく愁，漠漠ばくばく便びん難なん收おさむ。數すう點てん山やま能のう遠とお，平ひら鋪しき水すい不流ふりゅう。

2 蒼梧そうご雲氣うんき:
濕しめ連れん湘竹暮くれ，濃こ蓋ぶた舜しゅん墳ふん秋あき。亦また有ゆう思おもえ歸き客きゃく，看み來らい盡つき白頭はくとう。

《晚春ばんしゅん花はな》

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1 晚春ばんしゅん花はな:
陰かげ洞ほら日光にっこう薄うす，花はな開ひらけ不ふ及時。當とう春はる無む半はん樹じゅ，經けい燒しょう足あし空そら枝えだ。

2 晚春ばんしゅん花はな:
疏與香が風ふう會かい，細ほそ將はた泉いずみ影かげ移うつり。此中人じん到いた少しょう，開ひらけ盡つき幾いく人知じんち。

《宿やど胡えびす氏し溪けい亭てい》

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1 宿やど胡えびす氏し溪けい... :
獨どく住じゅう水聲すいせい裏うら，有ゆう亭ちん無熱むねつ時じ。客來きゃくらい因いん月がつ宿やど，床ゆか勢ぜい向こう山移やまうつり。

2 宿やど胡えびす氏し溪けい... :
鶴づる睡ねむ松枝まつえだ定じょう，螢ぼたる歸かえり葛葉くずは垂たれ。寂寥せきりょう猶なお欠かけ伴ともなえ，誰だれ為ため報ほう僧そう知ち。

《送おく華はな陰かげ隱者いんじゃ》

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1 送おく華はな陰かげ隱かくれ... :
往往おうおう到いた城市じょうし，得とく非ひ征せい藥やく錢ぜに。世人せじん空そら識面，弟子でし莫知年ねん。

2 送おく華はな陰かげ隱かくれ... :
自說じせつ能のう醫い死し，相そう期き更さら學がく仙せん。近來きんらい移住いじゅう處しょ，毛もう女おんな舊きゅう峰前みねまえ。

《落第らくだい後ご寄よせ江南えな親友しんゆう》

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1 落第らくだい後ご寄よせ... :
古こ巷ちまた槐えんじゅ陰かげ合あい，愁多晝ひる掩扉。獨どく存そん過か江馬えま，強つよ拂ばらい看み花衣はない。

2 落第らくだい後ご寄よせ... :
送おく客きゃく心しん先さき醉よい，尋ひろ僧そう夜よる不歸ふき。龍りゅう鍾易惆悵，莫遣寄書きしょ稀まれ。

《欲よく別べつ》

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1 欲よく別べつ:
花時はなどき人じん欲よく別べつ，每日まいにち醉よい櫻桃おうとう。買かい酒しゅ金錢きんせん盡つき，彈だん箏そう玉だま指ゆび勞ろう。

2 欲よく別べつ:
歸き期き無む歲月さいげつ，客きゃく路ろ有風ゆうふう濤。錦にしき緞裁衣ころも贈おく，麒麟きりん落剪刀がたな。

《留別るべつ張ちょう水みず部ぶ籍せき》

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1 留別るべつ張ちょう水みず... :
省しょう中重なかしげ拜はい別べつ，兼けん領りょう寄人よりうど書しょ。已やめ念ねん此行遠とお，不ふ應おう相しょう問とい疏。

2 留別るべつ張ちょう水みず... :
子こ城西じょうさい並なみ宅たく，禦水北きた同どう渠みぞ。要よう取と春はる前まえ到いた，乘じょう閑候起居ききょ。

《小しょう古いにしえ鏡きょう》

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1 小しょう古いにしえ鏡きょう:
字じ已やめ無人むじん識，唯ただ應おう記き鑄い年ねん。見み來らい深ふか似に水すい，攜去重じゅう于錢。

2 小しょう古いにしえ鏡きょう:
鸞翅巢す空そら月がつ，菱ひし花はな遍あまね小天おあま。宮中きゅうちゅう照あきら黃き帝みかど，曾得化か為ため仙せん。

《題だい太白山たいはくさん隱者いんじゃ》

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1 題だい太白山たいはくさん... :
高居たかい在ざい幽かそけ嶺みね，人にん得とく見み時じ稀まれ。寫うつし籙扃虛きょ白しろ，尋ひろ僧そう到いた翠みどり微ほろ。

2 題だい太白山たいはくさん... :
掃壇星ぼし下宿げしゅく，收おさむ藥やく雨中うちゅう歸き。從したがえ服ふく小しょう還かえ後のち，自じ疑うたぐ身み解かい飛ひ。

《病やまい中ちゅう懷ふところ王おう展てん先輩せんぱい在天ざいてん臺だい》

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1 病やまい中ちゅう懷ふところ王おう... :
枕上まくらがみ用心ようじん靜せい，唯ただ應おう改あらため舊きゅう詩し。強行きょうこう休きゅう去さ早はや，暫臥起おこり還かえ遲おそ。

2 病やまい中ちゅう懷ふところ王おう... :
因いん說せつ來らい歸き處しょ，卻愁初はつ病びょう時じ。赤城山あかぎやま下寺したでら，無む計けい得とく相しょう隨ずい。

《鯉こい魚ぎょ》

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1 鯉こい魚ぎょ:
似に龍りゅう鱗うろこ又また足あし，只ただ是ぜ欠かけ登とう門もん。月つき裏うら腮猶濕しめ，泥中でいちゅう目め未み昏。

2 鯉こい魚ぎょ:
乞鋤防ぼう蟻あり穴あな，望もち水すい寫うつし金きん盆ぼん。他日たじつ能のう為ため雨う，公田くでん報ほう此恩。

《子規しき》

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1 子規しき:
遊ゆう魂たましい自じ相あい叫さけべ，寧やすし複ふく記き前身ぜんしん。飛ひ過か人家じんか月がつ，聲こえ連れん客きゃく路ろ春はる。

2 子規しき:
夢ゆめ邊べ催曉急きゅう，愁外送風そうふう頻しき。自じ有ゆう沾花血ち，相そう和わ淚なみだ滴しずく新しん。

《邊あたり州しゅう客舍かくしゃ》

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1 邊あたり州しゅう客舍かくしゃ:
開門かいもん不ふ成出なるで，麥むぎ色しょく遍あまね前ぜん坡。自じ小しょう詩し名めい在ざい，如今白髮はくはつ多た。

2 邊あたり州しゅう客舍かくしゃ:
經年けいねん無む越こし信しん，終日しゅうじつ厭いや蕃しげる歌か。近きん寺てら居きょ僧そう少しょう，春來はるき亦また懶ものぐさ過か。

《贈おく道者どうしゃ》

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1 贈おく道者どうしゃ:
晏來知ち養やしなえ氣き，度ど日び語ご時じ稀まれ。到いた處しょ留とめ丹に井い，終おわり寒さむ不ふ絮衣。

2 贈おく道者どうしゃ:
病やまい鄉ごう多惠たえ藥やく，鬼おに俗ぞく有ゆう符ふ威い。自說じせつ身輕みがる健けん，今年ことし數すう夢ゆめ飛ひ。

《邊あたり游ゆう》

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1 邊あたり游ゆう:
古こ鎮門前まえ去さ，長安ながやす路ろ在ざい東ひがし。天てん寒明かんあけ堠火，日にち晚ばん裂きれ旗はた風ふう。

2 邊あたり游ゆう:
塞ふさが館かん皆みな無事ぶじ，儒裝亦また有ゆう弓ゆみ。防ぼう秋あき故鄉こきょう卒そつ，暫喜語ご音おん同どう。

《夜よる泊はく淮陰》

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1 夜よる泊はく淮陰:
夜よる入にゅう楚すわえ家か煙けむり，煙けむり中ちゅう人じん未み眠ねむり。望來もうらい淮岸盡つき，坐すわ到いた酒樓しゅろう前まえ。

2 夜よる泊はく淮陰:
燈影とうえい半はん臨水，箏そう聲ごえ多た在ざい船ふね。乘じょう流りゅう向東むかいひがし去さ，別べつ此易經年けいねん。

《遠とお水すい》

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1 遠とお水すい:
渺渺びょうびょう浸ひた天てん色しょく，一邊いっぺん生せい晚ばん光こう。闊浮萍思遠とお，寒さむ入にゅう雁かり愁長。

2 遠とお水すい:
北極ほっきょく連れん平地ひらち，東ひがし流りゅう即そく故鄉こきょう。扁舟へんしゅう來らい宿やど處しょ，仿佛似に瀟湘。

《黃き州しゅう暮くれ愁》

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1 黃き州しゅう暮くれ愁:
淩澌沖おき淚なみだ眼め，重疊ちょうじょう自じ西にし來らい。即そく夜寒よさむ應おう合あい，非ひ春暖しゅんだん不ふ開ひらき。

2 黃き州しゅう暮くれ愁:
豈あに無む登とう陸りく計けい，宜むべ棄濟川かわ材ざい。願ねがい寄よせ浮天外がい，高風こうふう萬まん里さと回かい。

《曉あかつき發はつ昭あきら應おう》

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1 曉あかつき發はつ昭あきら應おう:
行人こうじん見み雪ゆき愁，初はつ作さく帝みかど鄉きょう遊ゆう。旅たび店てん開ひらき偏へん早はや，鄉ごう帆かい去さ未收みしゅう。

2 曉あかつき發はつ昭あきら應おう:
燈ひ殘ざん催卷席せき，手て冷ひや怕梳頭あたま。是ぜ物ぶつ寒かん無色むしょく，湯ゆ泉いずみ正ただし自流じりゅう。

《贈おく金かね州しゅう姚合使し君くん》

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1 贈おく金かね州しゅう姚... :
為ため郎ろう名めい更さら重おも，領りょう郡ぐん是ぜ蹉跎。官かん壁かべ題詩だいし盡つき，衙庭看み鶴多つるた。

2 贈おく金かね州しゅう姚... :
城しろ池ち連れん草くさ塹，籬ませ落帶椒はじかみ坡。未み覺さとし旗はた幡はた貴たか，閑行觸さわ處しょ過か。

《送おく殷いん中ちゅう丞すすむ游ゆう邊あたり》

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1 送おく殷いん中ちゅう丞すすむ... :
話はなし別べつ無む長夜ちょうや，燈とう前まえ聞曙鴉からす。已やめ行くだり難なん避雪，何處どこ合ごう逢花。

2 送おく殷いん中ちゅう丞すすむ... :
野寺のでら門もん多た閉，羌樓酒しゅ不ふ賒。還かえ須見すみ邊べ將はた，誰だれ擬なずらえ靜しずか塵ちり沙すな。

《寄よせ坐すわ夏なつ僧そう》

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1 寄よせ坐すわ夏なつ僧そう:
坐すわ夏なつ日偏ひへん長ちょう，知ち師し在ざい律りつ堂どう。多た因いん束帶そくたい熱ねつ，更さら憶剃頭あたま涼すずし。

2 寄よせ坐すわ夏なつ僧そう:
苔こけ色しょく侵おかせ經けい架か，松陰しょういん到いた簟床。還かえ應おう煉ねり詩句しく，借か臥が石せき池ち傍はた。

《寄よせ盧の式しき》

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1 寄よせ盧の式しき:
到いた處しょ久ひさ南みなみ望もち，未知みち何なん日にち回かい。寄書きしょ頻しき到いた海うみ，得とく夢ゆめ忽ゆるがせ聞雷。

2 寄よせ盧の式しき:
嶺みね日當にっとう秋あき暗くら，蠻花近きん臘開。白身しろみ居きょ瘴癘しょうれい，誰だれ不ふ惜君才ざい。

《日東にっとう病びょう僧そう》

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1 日東にっとう病びょう僧そう:
雲水うんすい絕ぜっ歸路きろ，來き時とき風ふう送おく船ふね。不言ふげん身み後事こうじ，猶なお坐すわ病びょう中ちゅう禪ぜん。

2 日東にっとう病びょう僧そう:
深ふか壁かべ藏ぞう燈影とうえい，空そら窗まど出で艾もぐさ煙けむり。已やめ無む鄉土きょうど信しんじ，起おこり塔寺とうでら門前もんぜん。

《泛溪》

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1 泛溪:
溪けい船せん泛渺彌わたる，漸やや覺さとし滅めつ炎えん輝てる。動どう水すい花はな連れん影かげ，逢人鳥とり背せ飛ひ。

2 泛溪:
深ふか猶なお見み白石しらいし，涼すずし好こう換かわ生なま衣ころも。未得みとく多た詩句しく，終おわり須隔宿やど歸き。

《送おく顧少府ふ》

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1 送おく顧少府ふ:
作さく尉じょう年ねん猶なお少しょう，無む辭去じきょ路ろ賒。漁舟ぎょしゅう縣けん前泊まえどまり，山やま吏日高だか衙。

2 送おく顧少府ふ:
幽かそけ景けい臨溪寺てら，秋あき蟬織杼ひ家か。行程こうてい須過越えつ，先さき醉よい鏡きょう湖みずうみ花はな。

《咸陽別べつ李り處士しょし》

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1 咸陽別べつ李り... :
古道ふるみち自じ迢迢，咸陽離別りべつ橋きょう。越人えつじん聞水處しょ，秦はた樹いつき帶たい霜しも朝あさ。

2 咸陽別べつ李り... :
駐ちゅう馬うま言げん難なん盡つき，分ふん程ほど望もち易えき遙はるか。秋あき前ぜん未み相あい見み，此意轉てん蕭條しょうじょう。

《寄よせ流人るにん》

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1 寄よせ流人るにん:
毒草どくそう不ふ曾枯，長ちょう添客健けん無む。霧きり開ひらき蠻市合あい，船ふね散ち海うみ城じょう孤こ。

2 寄よせ流人るにん:
象ぞう跡あと頻しき藏ぞう齒ぱ，龍りゅう涎よだれ遠どお蔽珠。家人かじん秦しん地ち老おい，泣對日南にちなん圖ず。

《華はな頂いただき道者どうしゃ》

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1 華はな頂いただき道者どうしゃ:
仙人掌さぼてん中ちゅう住じゅう，生なま有ゆう上天じょうてん期き。已やめ廢はい燒しょう丹に處しょ，猶なお多種たしゅ杏あんず時じ。

2 華はな頂いただき道者どうしゃ:
養やしなえ龍りゅう於淺水すい，寄よせ鶴づる在高ありだか枝えだ。得道とくどう複ふく無事ぶじ，相そう逢盡日び棋。

《酬むくい從したがえ叔聽夜よる泉いずみ見寄みより》

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1 酬むくい從したがえ叔聽... :
夢ゆめ罷やめ更さら開ひらけ戶ど，寒泉かんせん聲ごえ隔へだた雲くも。共きょう誰だれ尋ひろ最さい遠とお，獨自どくじ坐すわ偏へん聞。

2 酬むくい從したがえ叔聽... :
岩いわ際ぎわ和風わふう滴しずく，溪けい中ちゅう泛月分ぶん。豈あに知し當とう此夜，流りゅう念ねん到いた江こう濆。

《和かず李り用よう夫おっと栽小松こまつ》

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1 和かず李り用よう夫おっと... :
移うつり來らい未み換かわ葉は，已やめ勝かち在ざい空山そらやま。靜せい對たい心こころ標しめぎ直ただし，遙はるか吟ぎん境さかい助じょ閑。

2 和かず李り用よう夫おっと... :
影かげ侵おかせ殘雪ざんせつ際ぎわ，聲こえ透とおる小しょう窗まど間あいだ。即そく聳そびえ淩空幹みき，翛翛豈あに易えき攀よじ。

《哭南流人るにん》

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1 哭南流人るにん:
遙はるか見み南みなみ來らい使つかい，江頭えがしら哭問君くん。臨終りんじゅう時じ有ゆう雪ゆき，旅たび葬そう處しょ無む雲くも。

2 哭南流人るにん:
官かん庫こ空そら收おさむ劍けん，蠻僧共起きょうき墳ふん。知名ちめい人じん尚なお少しょう，誰だれ為ため錄ろく遺文いぶん。

《經けい李白りはく墓ぼ》

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1 經けい李白りはく墓ぼ:
夜よる郎ろう歸き未み老おい，醉よい死し此江邊べ。葬そう闕官家か禮れい，詩し殘ざん樂らく府ふ篇へん。

2 經けい李白りはく墓ぼ:
游ゆう魂たましい應おう到いた蜀しょく，小しょう碣豈旌賢。身み沒ぼつ猶なお何なに罪ざい，遺のこ墳ふん野火のび燃もえ。

《春はる夜よる樊川竹ちく亭てい陪諸同年どうねん宴えん》

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1 春はる夜よる樊川... :
相知おうち皆みな是ぜ舊きゅう，每まい恨獨遊ゆう頻しき。幸こう此同芳よし夕ゆう，寧やすし辭じ倒たおせ醉よい身み。

2 春はる夜よる樊川... :
燈光とうこう遙はるか映うつ燭しょく，萼がく粉こな暗くら飄茵。明月めいげつ分ぶん歸き騎き，重じゅう來らい更さら幾いく春はる。

《送おく僧そう》

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1 送おく僧そう:
靈山れいざん巡めぐ未み遍あまね，不作ふさく住持じゅうじ心しん。逢寺暫投宿とうしゅく，是ぜ山やま皆みな獨どく尋ひろ。

2 送おく僧そう:
有ゆう時じ過か靜せい界かい，在處ありか想そう空そら林りん。從したがえ小しょう即行そっこう腳，出家しゅっけ來らい至いたり今いま。

《送おく蘇そ處士しょし歸かえり西山にしやま》

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1 送おく蘇そ處士しょし... :
南みなみ游ゆう何なに所為しょい，一いち篋又空そら歸き。守道もち安清やすきよ世よ，無心むしん換かわ白衣はくい。

2 送おく蘇そ處士しょし... :
深林しんりん蟬噪暮くれ，絕頂ぜっちょう客來きゃくらい稀まれ。早晚そうばん重おも相あい見み，論ろん詩し更さら及微。

《游ゆう爛ただれ柯山》

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1 游ゆう爛ただれ柯山:
步步ほほ出で塵ちり氛，溪山けいざん別べつ是ぜ春はる。壇だん邊べ時じ過か鶴づる，棋處寂さび無人むじん。

2 游ゆう爛ただれ柯山:
訪おとずれ古こ碑いしぶみ多た缺かけ，探さがせ幽かそけ路ろ不ふ真しん。翻こぼし疑うたぐ歸き去さ晚ばん，清きよし世よ累るい移うつり晨。

《送おく友人ゆうじん之の永えい嘉よしみ》

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1 送おく友人ゆうじん之の... :
長ちょう貧ひん知ち不易ふえき，去さ計けい擬なずらえ何なん逃。相對そうたい人じん愁別，經過けいか幾いく處しょ勞ろう。

2 送おく友人ゆうじん之の... :
城しろ連れん沙すな岫遠，山やま斷だん夏なつ雲くも高だか。猶なお想そう成なり詩し處しょ，秋あき燈とう半はん照あきら濤。

《巴ともえ中ちゅう逢故人じん》

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1 巴ともえ中ちゅう逢故... :
勞ろう思おもえ空そら積せき歲とし，偶會更さら無む由よし。以分難なん相しょう舍しゃ，將行まさゆき且暫留とめ。

2 巴ともえ中ちゅう逢故... :
路みち岐何處どこ極ごく，江こう峽かい半はん猿さる愁。到いた此分南北なんぼく，離はなれ懷ふところ豈あに易えき收おさむ。

《送おく歸かえり江え州しゅう友人ゆうじん初はつ下か第だい》

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1 送おく歸かえり江え州しゅう... :
名高なだか不ふ俟召，收おさむ采さい獻けんじ君きみ門もん。偶屈應おう緣えん數すう，他人たにん盡つき為ため冤。

2 送おく歸かえり江え州しゅう... :
新春しんしゅん城じょう外がい路ろ，舊きゅう隱かくれ水邊みずべ村むら。歸き去さ無む勞ろう久ひさし，知とも君くん更さら待まち論ろん。

《舜しゅん城じょう懷古かいこ》

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1 舜しゅん城じょう懷古かいこ:
禪ぜん禹遜堯聰，巍巍ぎぎ盛もり此中。四隅よすみ咸啟聖きよし，萬古ばんこ賴よりゆき成功せいこう。

2 舜しゅん城じょう懷古かいこ:
道德どうとく去さ彌わたる遠とお，山河さんが勢ぜい不ふ窮きゅう。停車ていしゃ一いち再拜さいはい，帝みかど業ぎょう即今そっこん同どう。

《送おく劉りゅう道士どうし之の成都せいと嚴いわお真しん觀かん》

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1 送おく劉りゅう道士どうし... :
嚴いむ君くん名めい不朽ふきゅう，道みち出で二に經けい中ちゅう。歸き去さ精せい誠まこと懇こん，還かえ應おう夢寐むび通どおり。

2 送おく劉りゅう道士どうし... :
池いけ台たい鏡きょう定じょう月がつ，松まつ檜ひのき雨う餘あまり風ふう。想そう對たい靈れい玄げん憶，人間にんげん戀こい若わか空そら。

《漢かん南みなみ遇ぐう友人ゆうじん》

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1 漢かん南みなみ遇ぐう友とも... :
此身西にし複ふく東ひがし，何なに計けい此相逢。夢ゆめ盡つき吳ご越水こしみず，恨深襄じょう漢かん鐘がね。

2 漢かん南みなみ遇ぐう友とも... :
積雲せきうん開ひらけ去ざ路みち，曙あけぼの雪ゆき疊たたみ前ぜん峰みね。誰だれ即そく知し非ひ舊きゅう，憐君忽ゆるがせ見み容よう。

《遊ゆう頭陀寺ずだじ上方かみがた》

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1 遊ゆう頭陀寺ずだじ... :
高こう步あゆみ陟のぼる崔ちぇ嵬，吟ぎん閑路惜回。寺てら知ち何なん代だい有ゆう，僧そう見み梵天ぼんてん來らい。

2 遊ゆう頭陀寺ずだじ... :
暮靄ぼあい連れん沙すな積せき，餘あまり霞かすみ遍へん檻おり開ひらき。更さら期き招靜者しゃ，長嘯ちょうしょう上じょう南台みなみだい。

《送おく友人ゆうじん游ゆう河東かわとう》

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1 送おく友人ゆうじん游ゆう... :
停車ていしゃ曉あかつき燭しょく前まえ，一語いちご幾いく潸然さんぜん。路みち去さ干戈かんか日び，鄉ごう遙はるか饑饉ききん年ねん。

2 送おく友人ゆうじん游ゆう... :
湖みずうみ波は晴見はるみ雁かり，槐さいかち驛えき晚ばん無む蟬。莫縱經時きょうじ住じゅう，東南とうなん書信しょしん偏へん。

《中秋ちゅうしゅう夜よる懷ふところ》

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1 中秋ちゅうしゅう夜よる懷ふところ:
趨馳早晚そうばん休きゅう，一いち歲さい又また殘ざん秋あき。若わか只ただ如今日び，何なに難なん至いたり白頭はくとう。

2 中秋ちゅうしゅう夜よる懷ふところ:
滄波歸き處しょ遠とお，旅たび食しょく尚なお邊あたり愁。賴よりゆき見み前賢ぜんけん說せつ，窮きゅう通どおり不自由ふじゆう。

《寄よせ富とみ春はる孫まご路ろ處士しょし》

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1 寄よせ富とみ春はる孫まご... :
平生ひらお醉よい與あずか吟ぎん，誰だれ是これ見み君きみ心こころ。上うえ國こく一いち歸き去さ，滄江閑至今いま。

2 寄よせ富とみ春はる孫まご... :
鐘しょう繁しげる秋あき寺てら近ちか，峰みね闊晚濤深。疏放長ちょう如此，何人なんにん長ちょう得とく尋ひろ。

《送おく客きゃく歸き新しん羅ら》

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1 送おく客きゃく歸き新しん... :
君きみ家か滄海そうかい外がい，一いち別べつ見み何なん因いん。風土ふうど雖知教きょう，程ほど途と自じ致貧。

2 送おく客きゃく歸き新しん... :
浸ひた天てん波なみ色しょく晚ばん，橫笛よこぶえ鳥とり行ぎょう春はる。明あかり發はつ千せん檣下，應おう無む更さら遠とお人じん。

《杭州こうしゅう江え亭てい留とめ題だい登とう眺ながめ》

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1 杭州こうしゅう江え亭てい... :
處處しょしょ日び馳はせ銷，憑軒夕ゆう似に朝あさ。漁りょう翁おう閑鼓棹ざお，沙すな鳥とり戲おどけ迎むかい潮うしお。

2 杭州こうしゅう江え亭てい... :
樹き間あいだ津つ亭てい密みつ，城しろ連れん塢寺遙はるか。因いん誰だれ報ほう隱者いんじゃ，向こう此得耕こう樵きこり。

《荊州夜よる與あずか友とも親おや相しょう遇ぐう》

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1 荊州夜よる與あずか... :
山海さんかい兩りょう分岐ぶんき，停とま舟ふね偶似期き。別べつ來らい何なん限げん意い，相そう見み卻無辭じ。

2 荊州夜よる與あずか... :
坐すわ永なが神しん凝しこり夢ゆめ，愁繁鬢びん欲ほっ絲いと。趨名易えき遲おそ晚ばん，此去莫經時じ。

《送おく友人ゆうじん游ゆう邊あたり》

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1 送おく友人ゆうじん游ゆう... :
方ほう春はる到いた帝京ていきょう，有ゆう戀こい有ゆう愁並。萬里ばんり江こう海うみ思おもえ，半年はんとし沙すな塞ふさが程ほど。

2 送おく友人ゆうじん游ゆう... :
綠陰りょくいん斜はす向むこう驛えき，殘照ざんしょう遠どお侵おかせ城じょう。自じ可か資し新しん課か，還かえ期き振ふ盛名せいめい。

《題だい贈おく宣せん州しゅう亢拾遺しゅうい》

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1 題だい贈おく宣せん州しゅう... :
傳つて騎き一いち何なん催，山門さんもん晝ひる未開みかい。高こう人じん終おわり避世，聖きよし主しゅ不ふ遺のこ才ざい。

2 題だい贈おく宣せん州しゅう... :
坐すわ次じ欹臨水すい，門かど中ちゅう獨どく舉杯。誰だれ為ため旦夕たんせき侶，深ふか寺てら數すう僧そう來らい。

《姚氏池亭ちてい》

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1 姚氏池亭ちてい:
池いけ館かん饒にょう嘉よしみ致，幽かそけ人じん愜所閑。筱風能動のうどう浪なみ，岸きし樹いつき不ふ遮さえぎ山やま。

2 姚氏池亭ちてい:
嘯檻魚ぎょ驚おどろき後ご，眠ねむり窗まど鶴づる語ご間あいだ。何なに須說廬いおり阜，深ふか處しょ更さら躋攀。

《送おく友人ゆうじん之の江南こうなん》

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1 送おく友人ゆうじん之の... :
東南とうなん路ろ苦く辛からし，去さ路みち見み無む因いん。萬里ばんり此相送おく，故こ交誰更さら親おや。

2 送おく友人ゆうじん之の... :
日にち浮汀草くさ綠みどり，煙けむり霽海山うみやま春はる。握手あくしゅ無む別べつ贈おく，為ため予よ書しょ劄頻。

《彭蠡湖こ春はる望もち》

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1 彭蠡湖みずうみ春はる... :
湖みずうみ亭てい東ひがし極ごく望もち，遠とお棹ざお不ふ須回。遍あまね草くさ新しん湖みずうみ落，連れん天てん眾雁來らい。

2 彭蠡湖みずうみ春はる... :
蘆あし洲しゅう殘照ざんしょう盡つき，雲くも障さわ積せき煙けむり開ひらき。更さら想そう鴟みみずく夷子えびす，扁舟へんしゅう安在あんざい哉。

《聞友人じん會かい裴明府縣ふけん樓ろう》

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1 聞友人じん會かい... :
閑閣雨う吹塵，陶すえ家か揖上賓まろうど。湖山こやま萬まん疊じょう翠みどり，門もん樹じゅ一いち行ぎょう春はる。

2 聞友人じん會かい... :
景けい遍あまね歸き簷燕，歌うた喧やかまし已やめ醉よい身み。登とう臨興不足ふそく，喜き有數ゆうすう來らい因いん。

《歸き家か山行さんこう》

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1 歸き家か山行さんこう:
獻けんじ賦ふ才ざい何なん拙つたな，經時きょうじ不ふ恥はじ歸き。能のう知ち此意是ぜ，甘あま取と眾人非ひ。

2 歸き家か山行さんこう:
遍あまね隴耕無む圃，緣えん溪けい釣つり有磯ありいそ。此懷難なん自じ遣や，期き在ざい振ふ儒衣。

《長安ながやす書しょ懷ふところ呈てい知己ちき》

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1 長安ながやす書しょ懷ふところ... :
江湖こうこ歸き不易ふえき，京きょう邑計長ちょう貧ひん。獨どく夜よる有ゆう知己ちき，論ろん心こころ無む故人こじん。

2 長安ながやす書しょ懷ふところ... :
一いち燈とう愁裏夢ゆめ，九きゅう陌病中ちゅう春はる。為ため問とい清きよ平日へいじつ，無む門もん致出身しゅっしん。

《聞蟬》

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1 聞蟬:
動どう葉は複ふく驚おどろき神しん，聲聲こえごえ斷續だんぞく勻。坐來ざらい同どう聽者ちょうしゃ，俱是未み歸き人じん。

2 聞蟬:
一いち棹さお三さん湘浪，單車たんしゃ二に蜀しょく塵ちり。傷きず秋あき各かく有ゆう日び，千可ちか念ねん因循いんじゅん。

《李り處士しょし道どう院いん南みなみ樓ろう》

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1 李り處士しょし道どう... :
霜しも晚ばん複ふく秋あき殘ざん，樓ろう明あきら近きん遠山とおやま。滿まん壺つぼ邀我醉よい，一いち榻為僧そう閑。

2 李り處士しょし道どう... :
樹き簇むらが孤こ汀なぎさ眇すがめ，帆ほ欹積浪なみ間あいだ。從容しょうよう更南こうなん望もち，殊こと欲よく外人がいじん寰。

《送おく顧非熊ぐま及第きゅうだい歸かえり茅かや山さん》

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1 送おく顧非熊ぐま... :
吟ぎん詩し三さん十じゅう載の，成なり此一いち名めい難なん。自じ有ゆう恩おん門もん入いれ，全ぜん無む帝みかど裏うら歡。

2 送おく顧非熊ぐま... :
湖光こうこう愁裏碧あお，岩いわ景けい夢中むちゅう寒かん。到いた後のち松まつ杉すぎ月がつ，何人なんにん共ども曉あかつき看み。

《春日しゅんじつ題だい李り中なか丞すすむ樊川別墅べっしょ》

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1 春日しゅんじつ題だい李り... :
心こころ知ち受恩地ち，到いた此亦裴回。上路あげろ移うつり時じ立りつ，中ちゅう軒のき隔へだた宿やど來らい。

2 春日しゅんじつ題だい李り... :
川かわ光こう通どおり沼ぬま沚，寺てら影かげ帶たい樓臺ろうだい。無限むげん成なり蹊樹，花はな多た向こう客きゃく開ひらき。

《龍りゅう州しゅう與あずか韓かん將軍しょうぐん夜會やかい》

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1 龍りゅう州しゅう與あずか韓かん... :
庭にわ綠みどり草くさ纖纖，邊へん州しゅう白露しらつゆ沾。別べつ歌か緣えん劍けん起おこり，客きゃく淚なみだ是ぜ愁添。

2 龍りゅう州しゅう與あずか韓かん... :
見み月つき鵲かささぎ啼樹，避風雲くも滿まん簾すだれ。將軍しょうぐん盡つき尊みこと酒しゅ，樓ろう上じょう賦ふ星ぼし占うらない。

《途中とちゅう逢友人じん》

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1 途中とちゅう逢友... :
長大ちょうだい有ゆう南北なんぼく，山川やまかわ各所かくしょ之の。相あい逢孤館かん夜よる，共きょう憶少年しょうねん時じ。

2 途中とちゅう逢友... :
爛ただれ醉よい百ひゃく花はな酒しゅ，狂きょう題だい幾いく首しゅ詩し。來朝らいちょう又また分ぶん袂たもと，後會こうかい鬢びん應おう絲いと。

《送おく友人ゆうじん下か第だい歸かえり襄じょう陽ひ》

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1 送おく友人ゆうじん下か... :
失意しつい已やめ春はる殘ざん，歸かえり愁與別べつ難なん。山分やまわけ關せき路ろ細ほそ，江こう繞にょう夜よる城しろ寒かん。

2 送おく友人ゆうじん下か... :
草色くさいろ連れん晴はれ阪ばん，鼉聲離はなれ曉あかつき灘なだ。差さ池いけ是ただし秋あき賦ふ，何なに以暫懷ふところ安やす。

《宿やど山寺やまでら》

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1 宿やど山寺やまでら:
栗ぐり葉は重じゅう重複じゅうふく翠みどり微ほろ，黃昏たそがれ溪けい上うえ語ご人じん稀まれ。月明げつめい古寺ふるでら客きゃく初はつ到いた，
風ふう度ど閑門僧そう未み歸き。山やま果はて經けい霜しも多た自じ落，水みず螢ぼたる穿ほじ竹たけ不ふ停とま飛ひ。

2 宿やど山寺やまでら:
中ちゅう宵よい能のう得とく幾いく時じ睡ねむ，又また被ひ鐘聲しょうせい催著衣ころも。

《病やまい鶴づる》

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1 病やまい鶴づる:
青雲せいうん有意ゆうい力りょく猶なお微ほろ，豈あに料りょう低回ていかい得とく所しょ依よ。幸こう念ねん翅因風雨ふうう困こま，
豈あに教きょう身み陷おちい稻いね粱肥。曾游碧落へきらく寧やすし無む侶，見み有清ありきよ池ち不ふ忍にん飛ひ。

2 病やまい鶴づる:
縱たて使し他年たねん引仙駕が，主人しゅじん恩おん在ざい亦また應おう歸き。

《夢ゆめ仙せん》

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1 夢ゆめ仙せん:
昨さく宵よい魂たましい夢ゆめ到いた仙せん津つ，得とく見み蓬よもぎ山やま不死ふし人じん。雲くも葉は許もと裁さい成なり野の服ふく，
玉たま漿教吃ども潤じゅん愁身。紅べに樓ろう近きん月がつ宜むべ寒水かんすい，綠みどり杏あんず搖ゆら風ふう占うらない古こ春はる。

2 夢ゆめ仙せん:
次第しだい引看行ぎょう未み遍あまね，浮光牽入世間せけん塵ちり。

《古こ扇おうぎ》

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1 古こ扇おうぎ:
昨日きのう裁たっ成なり奪だつ夏なつ威たけし，忽ゆるがせ逢秋節ぶし便びん相違そうい。寒かん塵ちり妒盡秦しん王女おうじょ，
涼すずか殿どの恩おん隨ずい漢かん主おも妃ひ。似に月つき舊きゅう臨紅粉こうふん面めん，有風ゆうふう休きゅう動どう麝香じゃこう衣ころも。

2 古こ扇おうぎ:
千せん年ねん蕭しょう瑟關人事じんじ，莫語當時とうじ掩淚歸き。

《涇州聽張處士しょし彈琴だんきん》

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1 涇州聽張... :
邊あたり州しゅう獨どく夜や正せい思鄉しきょう，君きみ又また彈琴だんきん在ざい客きゃく堂どう。

2 涇州聽張... :
仿佛不離ふり燈影とうえい外がい，似に聞流水すい到いた瀟湘。

《贈おく別べつ》

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1 贈おく別べつ:
魚さかな在ざい深ふか泉いずみ鳥とり在ざい雲くも，從來じゅうらい只ただ得とく影かげ相しょう親おや。

2 贈おく別べつ:
他た時じ縱たて有ゆう逢君處しょ，應おう作さく人間にんげん白髮はくはつ身み。

《對たい鱠なます》

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1 對たい鱠なます:
行くだり到いた鱸すずき魚ぎょ鄉里きょうり時じ，鱠なます盤ばん如雪怕風吹ふぶき。

2 對たい鱠なます:
猶なお憐醉裏うら江南えな路ろ，馬上もうえ垂たれ鞭むち學がく釣つり時じ。

《憶朝陽ひ峰前みねまえ居きょ》

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1 憶朝陽ひ峰ほう... :
每まい憶閑眠ねむり處しょ，朝陽あさひ最上さいじょう峰ほう。溪けい僧そう來き自じ遠とお，林はやし路ろ出で無む蹤。

2 憶朝陽ひ峰ほう... :
敗はい褐黏苔こけ遍へん，新しん題だい出石いずし重じゅう。霞かすみ光こう侵おかせ曙あけぼの發はつ，嵐あらし翠みどり近きん秋あき濃こ。

3 憶朝陽ひ峰ほう... :
健けん羨とも機能きのう破やぶ，安危あんき道どう不ふ逢。雪ゆき殘ざん猿ざる到いた閣かく，庭にわ午うま鶴づる離はなれ松まつ。

4 憶朝陽ひ峰ほう... :
此地虛きょ為ため別べつ，人間にんげん久ひさし未み容よう。何時いつ無む一事いちじ，卻去養やしなえ疏慵。

《暮くれ上じょう瞿唐峽かい》

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1 暮くれ上じょう瞿唐... :
自じ古こ艱難かんなん地ち，孤舟こしゅう旦暮たんぼ程ほど。獨どく愁空托たく命いのち，省しょう已やめ是ぜ輕けい生せい。

2 暮くれ上じょう瞿唐... :
有ゆう樹じゅ皆みな相しょう倚，無む岩いわ不倒ふとう傾かたぶけ。蛟みずち螭波數すう怒いか，鬼おに怪火かいか潛せん明あかり。

3 暮くれ上じょう瞿唐... :
履くつ道どう知ち無む負まけ，離はなれ心こころ自じ要よう驚おどろき。何なん年ねん面めん骨肉こつにく，細ほそ話はなし苦く辛からし行ぎょう。

《和かず李り中なか丞すすむ醉よい中期ちゅうき王おう征ただし君くん月夜づきよ同どう游ゆう滻水舊居きゅうきょ》

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1 和かず李り中なか丞すすむ... :
醉よい後ご情じょう俱遠，難なん忘素滻間。照あきら花はな深ふか處しょ月がつ，當とう戶と舊きゅう時山ときやま。

2 和かず李り中なか丞すすむ... :
事こと想おもえ同どう清きよし話ばなし，歡期一いち破顏はがん。風流ふうりゅう還かえ愛あい竹ちく，此夜尚なお思おもえ閑。

《濁水だくすい求もとめ珠たま》

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1 濁水だくすい求もとめ珠たま:
靈れい魄たま自じ沉浮，從したがえ來任らいにん濁流だくりゅう。願ねがい從したがえ深ふか處しょ得え，不ふ向こう暗中あんちゅう投とう。

2 濁水だくすい求もとめ珠たま:
圓えん月がつ時じ堪こらえ惜，滄波路ろ可か求もとめ。沙すな尋ひろ龍りゅう窟くつ遠とお，泥どろ訪おとずれ蚌津幽かそけ。

3 濁水だくすい求もとめ珠たま:
是ぜ寶たから終おわり知ち貴とうと，唯ただ恩おん且用酬むくい。如能在ざい公おおやけ掌てのひら，的てき不ふ負まけ明眸めいぼう。

《江村えむら夜よる泊はく》

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1 江村えむら夜よる泊はく:
日にち落江路ろ黑くろ，前ぜん村人むらびと語ご稀まれ。幾いく家いえ深ふか樹じゅ裏うら，一いち火ひ夜よる漁りょう歸き。

《落第らくだい後ご歸き覲喜逢僧再さい陽ひ》

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1 落第らくだい後ご歸き... :
相あい逢須強きょう笑わらい，人世じんせい別離べつり頻しき。去さ曉あかつき長ちょう侵おかせ月つき，歸鄉ききょう動どう隔へだた春はる。

2 落第らくだい後ご歸き... :
見み僧そう心こころ暫靜，從したがえ俗事ぞくじ多た屯たむろ。宇宙うちゅう詩し名めい小しょう，山河さんが客きゃく路ろ新しん。

3 落第らくだい後ご歸き... :
翠みどり桐きり猶なお入にゅう爨，青あお鏡きょう未み辭じ塵ちり。逸足いっそく常つね思おもえ驥，隨ずい群ぐん且退鱗うろこ。

4 落第らくだい後ご歸き... :
宴うたげ乖紅杏あんず寺てら，愁在綠みどり楊津。羞病難なん為ため藥やく，開ひらき眉まゆ懶ものぐさ顧人。

《送おく越えつ僧そう元もと瑞みず》

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1 送おく越えつ僧そう元もと... :
靜せい中ちゅう無む伴侶はんりょ，今いま亦また獨どく隨ずい緣えん。昨夜さくや離はなれ空室くうしつ，焚香淨きよし去さ船ふね。

《舊きゅう宮人みやびと》

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1 舊きゅう宮人みやびと:
自じ出先でさき皇すめらぎ玉だま殿中でんちゅう，衣裳いしょう不ふ更さら染しみ深紅しんく。宮みや釵折盡つき垂たれ空そら鬢びん，
內扇穿ほじ多た減げん半はん風ふう。桃もも熟じゅく亦また曾君手しゅ賜たまもの，酒さけ闌たけなわ猶なお候こう妾わらわ歌か終おわり。

2 舊きゅう宮人みやびと:
如今還かえ向こう城邊ぐすくべ住じゅう，禦水東ひがし流りゅう意い不通ふつう。

《夢ゆめ游ゆう仙せん》

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1 夢ゆめ游ゆう仙せん:
夢ゆめ遊ゆう飛ひ上天じょうてん家か樓ろう，珠たま箔はく當とう風ふう掛かけ玉だま鉤かぎ。鸚鵡おうむ隔へだた簾すだれ呼よび再拜さいはい，
水仙すいせん移うつり鏡きょう懶ものぐさ梳くしけず頭あたま。丹たん霞かすみ不ふ是ぜ人間にんげん曉あかつき，碧あお樹じゅ仍逢岫外秋あき。

2 夢ゆめ游ゆう仙せん:
將はた謂いい便びん長ちょう於此地ち，雞聲入にゅう耳みみ所しょ堪こらえ愁。

《送おく宮人みやびと入道にゅうどう》

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1 送おく宮人みやびと入いれ... :
願ねがい隨ずい仙女せんにょ董ただし雙そう成なり，王おう母はは前頭まえがしら作さく伴ばん行こう。初はつ戴玉冠かんむり多た誤あやま拜はい，
欲よく辭じ金きん殿どの別べつ稱名しょうみょう。將はた敲碧落へきらく新しん齋とき磬かおる，卻進昭あきら陽ひ舊きゅう賜たまもの箏そう。

2 送おく宮人みやびと入いれ... :
旦暮たんぼ焚香繞にょう壇上だんじょう，步ふ虛むなし猶なお作さく按歌聲ごえ。

《長安ながやす退すさ將はた》

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1 長安ながやす退すさ將はた:
塞ふさが晚ばん沖おき沙すな損そん眼め明あきら，歸來きらい養やしなえ病びょう住じゅう秦はた京きょう。上高かみたか樓閣ろうかく看み星ほし坐すわ，
著ちょ白しろ衣裳いしょう把わ劍けん行ぎょう。常つね說せつ老身ろうしん思おもえ鬥將，最さい悲無力むりょく制せい蕃しげる營。

2 長安ながやす退すさ將はた:
翠みどり眉まゆ紅べに臉和回かい鶻，惆悵中原なかはら不ふ用兵ようへい。

《遙はるか裝そう夜よる》

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1 遙はるか裝そう夜よる:
卷まき席せき貧ひん拋壁下か床ゆか，且鋪他た處しょ對たい燈光とうこう。欲よく行ぎょう千里せんり從したがえ今夜こんや，
猶なお惜殘春はる發はつ故鄉こきょう。蚊か蚋ぶゆ已やめ生なま團扇うちわ急きゅう，衣裳いしょう未了みりょう剪刀忙せわし。

2 遙はるか裝そう夜よる:
誰だれ知ち更さら有ゆう芙蓉ふよう浦うら，南みなみ去さ令れい人ひと愁思しゅうし長ちょう。

《送おく苗なえ七なな求職きゅうしょく》

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1 送おく苗なえ七なな求もとめ... :
相あい逢未得とく三さん回かい笑わらい，風ふう送おく離はなれ情じょう入にゅう剪刀。客きゃく路ろ最さい能のう銷日月がつ，
夢ゆめ魂たましい空自くうじ畏かしこ波なみ濤。獨どく眠ねむり秋あき夜よる琴きん聲ごえ急きゅう，未み拜はい軍ぐん城じょう劍けん色しょく高だか。

2 送おく苗なえ七なな求もとめ... :
去さ去ざ緣えん多おお山さん與あずか海うみ，鶴つる身み寧やすし肯為飛ひ勞ろう。

《山行さんこう》

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1 山行さんこう:
青あお櫪くぬぎ林りん深ふか亦また有人ゆうじん，一いち渠みぞ流水りゅうすい數すう家いえ分ぶん。山やま當日とうじつ午うま回かい峰ほう影かげ，
草くさ帶たい泥どろ痕こん過か鹿しか群ぐん。蒸ふけ茗氣從したがえ茅舍ぼうしゃ出で，繰絲そうし聲ごえ隔へだた竹たけ籬ませ聞。

2 山行さんこう:
行くだり逢賣藥やく歸來きらい客きゃく，不ふ惜相隨ずい入島にゅうじま雲くも。

《題だい永なが忻寺影かげ堂どう》

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1 題だい永なが忻寺... :
不遇ふぐう修おさむ寺てら日び，無む錢ぜに入にゅう影かげ堂どう。故こ來らい空そら禮拜れいはい，臨去重じゅう添香。

2 題だい永なが忻寺... :
僧そう得とく名めい難なん近きん，燈とう傳でん火ひ已やめ長ちょう。發心ほっしん依よ止とめ後ご，借か住じゅう有ゆう鄰房。

《獻けんじ令れい狐きつね相しょう公おおやけ，時じ相しょう公おおやけ郊壇行事ぎょうじ回かい》

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1 獻けんじ令れい狐きつね相しょう... :
鶚みさご在ざい卿きょう雲くも冰在壺つぼ，代だい天才てんさい業ぎょう本ほん籲謨。榮さかえ同どう伊い陟のぼる傳でん朱しゅ戶ど，
秀しゅう比ひ王おう商しょう入いれ畫圖えず。昨夜さくや星辰せいしん回かい劍けん履くつ，前年ぜんねん風月ふうげつ滿まん江湖こうこ。

2 獻けんじ令れい狐きつね相しょう... :
不知ふち機き務つとむ時じ多た暇ひま，還かえ許もと詩家しか屬ぞく和わ無む。

《句く》

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1 句く:
佳人かじん背せ江え坐すわ，眉まゆ際ぎわ列れつ煙けむり樹じゅ。。

2 句く:
馬蹄ばてい沒ぼつ青あお莎，船ふね跡あと成なり空そら波は。

3 句く:
春風しゅんぷう吹兩意い，何なに意い更さら相しょう值。（《古こ意い》。

4 句く:
以上いじょう並なみ見張みはり為ため《主客しゅかく圖ず》）

5 句く:
更さら望もち會かい稽何處しょ是ぜ，沙すな連れん竹ちく箭や白しろ鷳群。。

URN: ctp:quantangshi/554