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Quan Tang Shi : 卷七百六十六 - Chinese Text Project
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《卷まき七なな百ひゃく六ろく十じゅう六ろく》

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《貴き游ゆう》

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1 貴き游ゆう:
繡衣公子こうし宴えん池塘ちとう，淑よし景けい融とおる融とおる萬まん卉芳。珠たま翠みどり照あきら天てん春はる未み老おい，
管弦かんげん臨水日び初はつ長ちょう。風ふう飄柳線せん金成かねなり穗ほ，雨あめ洗あらい梨花りか玉だま有香ゆか。

2 貴き游ゆう:
醉よい後ご不能ふのう離はなれ綺あやぎぬ席せき，擬なずらえ憑青帝みかど系けい斜陽しゃよう。

《夢ゆめ歸き故こ園えん》

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1 夢ゆめ歸き故こ園えん:
桐きり葉は飛ひ霜しも落井おちい欄らん，菱ひし花はな藏ぞう雪ゆき助じょ衰おとろえ顏がお。夜よる窗まど颯颯さっさつ搖ゆら寒竹かんちく，
秋あき枕まくら迢迢夢ゆめ故山こざん。臨水釣つり舟ぶね橫よこ荻おぎ岸がん，隔へだた溪けい禪ぜん侶啟柴しば關せき。

2 夢ゆめ歸き故こ園えん:
覺さとし來らい依よ舊きゅう三更さんこう月がつ，離はなれ緒いとぐち鄉きょう心こころ起おこり萬まん端はし。

3 夢ゆめ歸き故こ園えん:
舊館きゅうかん秋あき寒さむ夜よる夢ゆめ長ちょう，水みず簾すだれ疏影入いれ回かい塘。宦情率爾そつじ拖魚艇てい，
客きゃく恨依然しか在ざい燕つばめ梁はり。白鷺しらさぎ獨どく飄山面めん雪ゆき，紅べに蕖全謝しゃ鏡きょう心しん香が。

4 夢ゆめ歸き故こ園えん:
起おこり來き不ふ語かたり無人むじん會かい，醉よい倚東軒のき半はん夕陽ゆうひ。

《蜀しょく都と春はる晚ばん感懷かんかい》

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1 蜀しょく都と春はる晚ばん... :
蜀しょく都と春色しゅんしょく漸やや離はなれ披，夢ゆめ斷雲だんうん空事そらごと莫追。宮みや闕一城じょう荒あら作さく草くさ，
王おう孫まご猶なお自じ醉よい如泥。誰だれ家か玉だま笛吹ふえふき殘照ざんしょう，柳やなぎ市し金絲きんし拂はらい舊きゅう堤つつみ。

2 蜀しょく都と春はる晚ばん... :
可か惜錦江こう無む錦にしき濯，海棠かいどう花はな下か杜鵑とけん啼。

《對たい雨あめ》

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1 對たい雨あめ:
幽かそけ庭にわ凝しこり碧あお亦また漣さざなみ漪，簷溜聲ごえ繁しげる聒夢歸き。半はん岫金烏がらす才ざい委い照あきら，
一川いちかわ石燕せきえん又また交飛。濯枝霢霂榴花吐，吹渚飄颻暑氣しょき微ほろ。

2 對たい雨あめ:
因いん憶故園えん閑釣處しょ，蒼あおい苔こけ斑むら駁滿漁りょう磯いそ。

《春はる霽》

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1 春はる霽:
春はる霽江山やま似に畫圖えず，醉よい垂たれ鞭むち袂たもと出で康やすし衢。倡狂亂打らんだ貔貅鼓こ，
懶ものぐさ慢遲修おさむ鴛おしどり鷺さぎ書しょ。老ろう色しょく漸やや來らい欺鬢髮かみ，閒あいだ情じょう將はた欲よく傲簪裾すそ。

2 春はる霽:
苔こけ錢ぜに遍へん地ち知ち多少たしょう，買得かいどく花枝はなえ不ふ落無。

《秋あき夕ゆう書しょ懷ふところ》

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1 秋あき夕ゆう書しょ懷ふところ:
荒あら僻へき淹留歲さい已やめ深ふか，解かい龜かめ無む計けい恨難任にん。守まもり方かた半はん會かい蠻夷ばんい語ご，
賀が廈全忘燕雀えんじゃく心しん。夜よる靜せい倚樓悲月笛ふえ，秋あき寒かん欹枕泣霜砧きぬた。

2 秋あき夕ゆう書しょ懷ふところ:
宦情總そう逐愁腸ちょう斷だん，一いち箸はし鱸すずき魚ぎょ直ちょく萬金まんきん。

3 秋あき夕ゆう書しょ懷ふところ:
直ちょく氣き從來じゅうらい不入ふにゅう時じ，掩關慵更釣つり磻溪。斯文しぶん未み喪も宣せん尼あま歎，
吾われ道どう將はた窮きゅう阮籍悲。輕けい粉こな覆くつがえ霜しも凝しこり夜よる砌みぎり，亂らん金きん鋪しき菊きく織お秋あき籬ませ。

4 秋あき夕ゆう書しょ懷ふところ:
南陽なんよう臥が久ひさし無人ぶにん問とえ，薄命はくめい非才ひさい有可ゆか疑うたぐ。

《春宵しゅんしょう》

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1 春宵しゅんしょう:
春雲しゅんうん春日かすが共ども朦朧もうろう，滿まん院いん梨花りか半夜はんや風ふう。宿やど酒しゅ未み醒珠箔はく卷まき，
豔歌初はつ闋玉樓ろう空そら。五湖範蠡才堪重，六印蘇秦道不同。

2 春宵しゅんしょう:
再さい取と素琴そきん聊假寐，南みなみ柯靈夢ゆめ莫相通どおり。

《秋あき夕ゆう書しょ懷ふところ呈てい戎えびす州しゅう郎ろう中ちゅう》

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1 秋あき夕ゆう書しょ懷ふところ... :
素す律りつ初回しょかい枕まくら簟涼，松風まつかぜ飄泊入にゅう華はな堂どう。譚たん雞寂默だま紗しゃ窗まど靜せい，
夢ゆめ蝶ちょう蕭條しょうじょう玉だま漏も長ちょう。歸き去さ水雲もずく多た阻隔そかく，別べつ來らい情緒じょうちょ足あし悲傷ひしょう。

2 秋あき夕ゆう書しょ懷ふところ... :
霜しも砧きぬた月がつ笛ふえ休きゅう相しょう引，只ただ有ゆう離はなれ襟えり淚なみだ兩行りょうこう。

3 秋あき夕ゆう書しょ懷ふところ... :
風ふう送おく秋あき荷に滿まん鼻はな香が，竹たけ聲ごえ敲玉近きん虛きょ廊ろう。夢ゆめ回かい故こ國情こくじょう方かた黯，
月つき過か疏簾夜よる正ただし涼すずし。菱ひし鏡きょう也知移うつり豔態，錦にしき書しょ其奈來年らいねん光こう。

4 秋あき夕ゆう書しょ懷ふところ... :
鸞膠處處しょしょ難なん尋ひろ覓，斷だん盡つき相思そうし寸寸すんずん腸ちょう。

《晚ばん樓ろう寓ぐう懷ふところ》

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1 晚ばん樓ろう寓ぐう懷ふところ:
薄暮はくぼ疏林宿やど鳥とり還かえ，倚樓垂たれ袂たもと複ふく憑欄。月つき沈江底そこ珠たま輪はなわ淨きよし，
雲くも鎖くさり峰ほう頭あたま玉だま葉は寒かん。劉りゅう毅あつし暫貧雖壯志こころざし，馮唐將はた老ろう自じ低てい顏かお。

2 晚ばん樓ろう寓ぐう懷ふところ:
無言むごん獨どく對たい秋風あきかぜ立りつ，擬なずらえ把わ朝あさ簪かんざし換かわ釣竿つりざお。

《征せい婦ふ怨》

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1 征せい婦ふ怨:
金きむ閨ねや寂寞せきばく罷やめ妝台，玉たま箸ばし闌たけなわ幹みき界かい粉こな腮。花落はなおち掩關春はる欲ほし暮くれ，
月つき圓えん欹枕夢ゆめ初回しょかい。鸞膠豈あに續ぞく愁腸斷だん，龍りゅう劍難けんなん揮別緒いとぐち開ひらき。

2 征せい婦ふ怨:
曾寄錦にしき書しょ無限むげん意い，塞ふさが鴻おおとり何事なにごと不ふ歸來きらい。

《對たい鏡きょう》

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1 對たい鏡きょう:
青あお鏡きょう重じゅう磨すり照あきら白須しらす，白しろ須撚閑意何なん如。故こ園えん迢遞千せん山やま外がい，
荒あら郡ぐん淹留四よん載の餘あまり。風ふう送おく竹たけ聲ごえ侵おかせ枕まくら簟，月がつ移うつり花影はなかげ過か庭にわ除じょ。

2 對たい鏡きょう:
秋霜しゅうそう滿まん領りょう難なん消けし釋しゃく，莫讀離はなれ騷失意しつい書しょ。

《春はる燕つばめ》

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1 春はる燕つばめ:
多おお時とき窗まど外語がいご呢喃，只ただ要よう佳人かじん卷まき繡簾。大廈たいか已やめ成なり須慶賀けいが，
高こう門もん頻しき入にゅう莫憎嫌いや。花はな間あいだ舞まい蝶ちょう和香わか趁，江畔こうはん春泥しゅんでい帶たい雨う銜。

2 春はる燕つばめ:
棲息せいそく數すう年ねん情じょう已やめ厚あつし，營巢えいそう爭そう肯傍他た簷。

《春はる晚ばん寓ぐう懷ふところ》

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1 春はる晚ばん寓ぐう懷ふところ:
一承兌澤蒞方州，八はち度ど春光しゅんこう照あきら郡ぐん樓ろう。好こう景けい幾いく將官しょうかん吏醉，
名山めいざん時じ領りょう管弦かんげん遊ゆう。空そら花はな任にん爾しか頻しき侵おかせ眼め，老ろう雪ゆき從したがえ他た漸やや滿まん頭あたま。

2 春はる晚ばん寓ぐう懷ふところ:
歸き去さ杜もり陵りょう池ち閣かく在ざい，只ただ能のう歡笑不能ふのう愁。

《中ちゅう春はる宴えん游ゆう》

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1 中ちゅう春はる宴えん游ゆう:
二に月がつ風光ふうこう似に洞ほら天てん，紅べに英えい翠みどり萼がく簇むらが芳よし筵むしろ。楚すわえ王おう雲くも雨う迷巫峽かい，
江こう令れい文章ぶんしょう媚こび蜀しょく箋。歌うた黛まゆずみ入にゅう顰ひそみ春はる袖そで斂，舞まい衣ころも新しん繡曉霞かすみ鮮。

2 中ちゅう春はる宴えん游ゆう:
酒さけ闌たけなわ香が袂たもと初はつ分散ぶんさん，笑わらい指ゆび漁りょう翁おう釣ひとし暮くれ煙けむり。

《春はる晚ばん閑望》

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1 春はる晚ばん閑望:
東風こち滿まん地ち是ぜ梨花りか，只ただ把わ琴きん心こころ殢酒家か。立たて處しょ晚ばん樓ろう橫よこ短たん笛ふえ，
望もち中ちゅう春草しゅんそう接せっ平ひら沙すな。雁行がんこう斷續だんぞく晴天せいてん遠とお，燕つばめ翼つばさ參差しんし翠みどり幕まく斜はす。

2 春はる晚ばん閑望:
歸き計けい未成みせい頭あたま欲よく白しろ，釣つり舟ぶね煙けむり浪なみ思おもえ無涯むがい。

《秋あき夕ゆう書しょ事ごと》

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1 秋あき夕ゆう書しょ事ごと:
搖ゆら落江天てん萬木まんぎ空そら，雁行がんこう斜はす戛塞垣かき風ふう。征せい閨ねや搗月離愁りしゅう遠とお，
舊館きゅうかん眠ねむり雲くも旅たび夢ゆめ通どおり。郢客豈あに能のう陪下裏うら，皋禽爭そう肯戀樊籠。

2 秋あき夕ゆう書しょ事ごと:
此心曠蕩誰だれ相しょう會かい，盡つき在ざい南みなみ華はな十じゅう卷かん中ちゅう。

《蓮はちす塘霽望もち》

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1 蓮はちす塘霽望もち:
新秋しんしゅう菡萏發はつ紅べに英えい，向こう晚ばん風ふう飄滿郡こおり馨かおる。萬疊水紋羅乍展，
一雙鸂鶒繡初成。採と蓮はちす女おんな散ち吳くれ歌か闋，拾じつ翠みどり人じん歸き楚すわえ雨う晴はれ。

2 蓮はちす塘霽望もち:
遠とお岸きし牧童ぼくどう吹短笛ふえ，蓼たで花はな深ふか處しょ信しん牛うし行ぎょう。

《送おく從弟じゅうてい舍人とねり入いれ蜀しょく》

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1 送おく從弟じゅうてい舍しゃ... :
嘉よしみ陵りょう江畔こうはん餞はなむけ行ぎょう車しゃ，離はなれ袂たもと難なん分ぶん十じゅう裏うら餘あまり。慷慨こうがい莫誇心こころ似に鐵てつ，
留とめ連れん不覺ふかく淚なみだ成なり珠たま。風光ふうこう川谷かわたに梅うめ將すすむ發はつ，音信いんしん雲くも天てん雁かり未み疏。

2 送おく從弟じゅうてい舍しゃ... :
立たて馬うま舉鞭無限むげん意い，會かい稀まれ別べつ遠どお擬なずらえ何なん如。

《新しん回かい車しゃ院いん筵むしろ上作じょうさく》

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1 新しん回かい車しゃ院いん... :
回かい車しゃ院いん子こ未み回かい車しゃ，三載疲民詠袴襦。借か寇已承うけたまわ英主えいしゅ詔みことのり，
乞骸須上老臣ろうしん書しょ。黃金おうごん蜀しょく柳やなぎ籠かご朱しゅ戶ど，碧玉へきぎょく湘筠映綺あやぎぬ疏。

2 新しん回かい車しゃ院いん... :
因いん問とい滿まん筵むしろ詩し酒客しゅかく，錦江きんこう何處どこ有ゆう鱸すずき魚ぎょ。

《寄よせ長安ながやす鄭てい員外いんがい》

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1 寄よせ長安ながやす鄭てい... :
屈指くっし良りょう交十じゅう四よん人にん，隙すき駒こま風ふう燭しょく漸やや為ため塵ちり。當初とうしょ花はな下か三さん秦はた客きゃく，
只ただ有ゆう天涯てんがい二に老身ろうしん。乘じょう醉よい幾いく同どう遊ゆう北きた內，尋ひろ芳よし多た共きょう謁東鄰。

2 寄よせ長安ながやす鄭てい... :
此時阻隔そかく關山せきさん遠とお，月がつ滿江みつえ樓ろう淚なみだ滿まん巾はば。

《咸陽懷古かいこ》

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1 咸陽懷古かいこ:
高こう秋あき咸鎬起おこり霜しも風ふう，秦はた漢かん荒あら陵りょう樹じゅ葉は紅べに。七國鬥雞方賈勇，
中原なかはら逐鹿ちくろく更さら爭そう雄ゆう。南山なんざん漠漠ばくばく雲くも常つね在ざい，渭水悠悠ゆうゆう事ごと旋空。

2 咸陽懷古かいこ:
立たて馬うま舉鞭遙はるか望のぞむ處しょ，阿房あほう遺のこ址し夕陽ゆうひ東ひがし。

《春はる怨》

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1 春はる怨:
繡林紅べに岸がん落花らっか鈿，故こ去さ新來しんらい感かん自然しぜん。絕ぜっ塞ふさが杪春悲漢月がつ，
長ちょう林はやし深ふかし夜泣よなき緗弦。錦にしき書しょ雁かり斷だん應おう難なん寄よせ，菱ひし鏡きょう鸞孤貌可憐かれん。

2 春はる怨:
獨どく倚畫屏へい人じん不ふ會かい，夢ゆめ魂たましい才ざい別べつ戍樓邊べ。

《登樓とうろう寓ぐう望もち》

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1 登樓とうろう寓ぐう望もち:
憑高多た是ぜ偶汍瀾，紅葉こうよう何なに堪こらえ照あきら病びょう顏がお。萬疊雲山供遠恨，
一軒風物送秋寒。背せ琴きん鶴づる客きゃく歸き松まつ徑みち，橫笛よこぶえ牛うし童わらわ臥が蓼たで灘なだ。

2 登樓とうろう寓ぐう望もち:
獨どく倚郡樓ろう無限むげん意い，夕陽ゆうひ西にし去さ水みず東ひがし還かえ。

《江こう岸きし獨步どっぽ》

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1 江こう岸きし獨步どっぽ:
醉よい卓たく寒かん筇傍水すい行ぎょう，漁りょう翁おう不ふ會かい獨吟どくぎん情じょう。龜かめ能のう顧印誰だれ相しょう重じゅう，
鶴つる偶乘軒のき自じ可か輕けい。簪かんざし組ぐみ百ひゃく年ねん終おわり長物ちょうぶつ，文章ぶんしょう千古せんこ亦また虛名きょめい。

2 江こう岸きし獨步どっぽ:
是非ぜひ得喪とくそう皆みな閒あいだ事ごと，休きゅう向こう南みなみ柯與夢ゆめ爭そう。

《江こう樓ろう望鄉ぼうきょう寄よせ內》

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1 江こう樓ろう望鄉ぼうきょう... :
獨どく上江うわえ樓ろう望もち故鄉こきょう，淚なみだ襟えり霜しも笛ふえ共ども淒涼。雲くも生せい隴首秋あき雖早，
月つき在天ざいてん心こころ夜よる已やめ長ちょう。魂たましい夢ゆめ只ただ能のう隨ずい蛺蝶，煙波えんぱ無む計けい學がく鴛鴦えんおう。

2 江こう樓ろう望鄉ぼうきょう... :
蜀しょく箋都有ゆう三さん千せん幅ぶく，總そう寫うつし離はなれ情じょう寄よせ孟はじめ光こう。

《命いのち妓ぎ不ふ至いたり》

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1 命いのち妓ぎ不ふ至いたり:
琴きん中ちゅう難なん挑孰憐才，獨どく對たい良よ宵よい酒さけ數すう杯はい。蘇そ子こ黑貂くろてん將はた已やめ盡つき，
宋そう弘ひろし青あお鳥とり又また空そら回かい。月つき穿ほじ淨きよし牖霜成なり隙すき，風卷かざまき殘花ざんか錦にしき作さく堆うずたか。

2 命いのち妓ぎ不ふ至いたり:
欹枕夢ゆめ魂たましい何處どこ去さ，醉よい和わ春色しゅんしょく入いれ天臺てんだい。

《宣せん賜たまもの錦にしき袍ほう設しつらえ上じょう贈おく諸しょ郡ぐん客きゃく》

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1 宣せん賜たまもの錦にしき袍ほう... :
十じゅう月がつ芙蓉ふよう花はな滿枝みつえ，天てん庭にわ驛えき騎き賜たまもの寒かん衣ころも。將はた同どう玉たま蝶ちょう侵おかせ肌はだ冷ひえ，
也遣金きむ鵬ほう遍へん體たい飛ひ。夜よる臥が始はじめ知多ちた忝かたじけな竊，晝ひる行方なみかた覺さとし轉てん光輝こうき。

2 宣せん賜たまもの錦にしき袍ほう... :
深ふか冬ふゆ若わか得え朝あさ丹に闕，太華たいか峰前みねまえ衣ころも錦にしき歸き。

《晨雞》

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1 晨雞:
朱しゅ冠かんむり金きん距彩毛げ身み，昧爽まいそう高だか聲ごえ已やめ報ほう晨。作さく瑞みず莫慚先さき貢みつぎ楚すわえ，
擅場須信獨どく推秦。淮南ワイナン也伴升ます仙せん犬いぬ，函はこ谷たに曾容借か曉あかつき人じん。

2 晨雞:
此日卑棲隨ずい飲いん啄ついばめ，宰おさむ君くん驅か我わが亦また相あい馴。

《芳春よしはる》

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1 芳春よしはる:
微雨びう微風びふう隔へだた畫が簾すだれ，金かね爐ろ檀まゆみ炷冷慵添。桃もも花はな滿まん地ち春はる牢ろう落，
柳絮りゅうじょ成なり堆うずたか雪ゆき棄嫌。寶たから瑟不能ふのう邀卓氏し，彩あや毫何必夢江こう淹。

2 芳春よしはる:
宦情歸き興きょう休きゅう相しょう撓たわわ，隼はやぶさ旆漁舟ぶね總そう未み厭いや。

《春はる遊ゆう》

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1 春はる遊ゆう:
柳やなぎ成しげる金きむ穗草すいそう如茵，載の酒さけ尋ひろ花はな共ども賞しょう春はる。

2 春はる遊ゆう:
先入せんにゅう醉よい鄉きょう君くん莫問，十じゅう年ねん風景ふうけい在ざい三さん秦はた。

3 春はる遊ゆう:
搖ゆら搖ゆら離はなれ緒いとぐち不能ふのう持じ，滿まん郡ぐん花はな開ひらき酒しゅ熟じゅく時じ。羞聽黃き鶯うぐいす求もとめ善ぜん友とも，
強つよ隨ずい綠みどり柳やなぎ展てん愁眉しゅうび。隔へだた雲くも故國ここく山やま千せん疊じょう，傍はた水すい芳よし林りん錦にしき萬まん枝えだ。

4 春はる遊ゆう:
聖きよし主しゅ未み容よう歸き北きた闕，且將勤儉きんけん撫なで南夷みなみえびす。

《重陽ちょうよう感懷かんかい》

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1 重陽ちょうよう感懷かんかい:
重陽ちょうよう不ふ忍にん上じょう高樓こうろう，寒菊かんぎく年年ねんねん照あきら暮秋ぼしゅう。萬疊故山雲總隔，
兩行りょうこう鄉きょう淚なみだ血ち和わ流りゅう。黃き茅ちがや莽莽連れん邊べ郡ぐん，紅葉こうよう紛紛ふんぷん落釣舟ぶね。

2 重陽ちょうよう感懷かんかい:
歸き計けい未成年みせいねん漸やや老おい，茱萸ぐみ羞戴雪ゆき霜しも頭あたま。

3 重陽ちょうよう感懷かんかい:
載の花はな乘じょう酒しゅ上じょう高山こうざん，四よん望もち秋空あきぞら八はち極きょく寬ひろし。蜀しょく國こく江山えやま存そん不ふ得え，
劉りゅう家か豚ぶた犬けん取と何なに難なん。張ちょう儀ただし舊きゅう壁かべ蒼あお苔こけ厚あつ，葛かずら亮あきら荒あら祠ほこら古木ふるき寒かん。

4 重陽ちょうよう感懷かんかい:
獨どく對たい斜陽しゃよう更さら惆悵，錦にしき江東こうとう注ちゅう似に波瀾はらん。

《宴うたげ游ゆう池いけ館かん》

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1 宴うたげ游ゆう池いけ館かん:
綺あやぎぬ筵むしろ金きむ碧あおい照あきら芳よし菲，酒さけ滿みつる瑤よう卮水滿まん池いけ。去歲きょさい南みなみ岐離郡ぐん日び，
今春こんしゅん東ひがし蜀しょく看み花時はなどき。儉蓮發はつ臉當籌著，緒いとぐち柳生やぎゅう腰こし按柘枝えだ。

2 宴うたげ游ゆう池いけ館かん:
座ざ客きゃく半はん酣たけなわ言笑げんしょう狎，孔あな融とおる懷抱かいほう正せい怡怡。

《寄よせ高だか書記しょき》

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1 寄よせ高だか書記しょき:
齊朝なりとも慶けい裔祖敖曹，麟角無雙むそう鳳おおとり九きゅう毛もう。聲價せいか五ご侯こう爭そう辟命，
文章ぶんしょう一代振風騷。醉よい琴きん自じ寄よせ陶すえ家か意い，夢枕ゆめまくら誰だれ聽益郡ぐん刀がたな。

2 寄よせ高だか書記しょき:
補ほ袞應星ぼし曾奏舉，北山きたやま南海なみ孰為高だか。

《再さい見み從弟じゅうてい舍人とねり》

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1 再さい見み從弟じゅうてい... :
屈指くっし依よ稀まれ十じゅう五ご年ねん，鸞台秘ひ閣かく位相いそう懸かか。分ぶん飛ひ淮甸雁行がんこう斷だん，
重見しげみ江こう樓ろう蟾影圓えん，滯とどこお跡あと未み偕朝北きた闕，高こう才ざい方かた命いのち入いれ西川にしかわ。

2 再さい見み從弟じゅうてい... :
願ねがい君くん通どおり理り須還早はや，拜はい慶けい慈親几杖前まえ。

《春はる晝ひる醉よい眠ねむ》

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1 春はる晝ひる醉よい眠ねむり:
朱欄しゅらん芳よし草くさ綠みどり纖纖，欹枕高堂こうどう卷まき畫が簾すだれ。處處しょしょ落花らっか春はる寂寂せきせき，
時時ときどき中ちゅう酒さけ病びょう懨懨。塞ふさが鴻おおとり信しん斷だん雖堪訝いぶか，梁りょう燕つばめ詞し多た且莫嫌いや。

2 春はる晝ひる醉よい眠ねむり:
自じ有ゆう卷まき書しょ銷永日び，霜しも華はな未ひつじ用よう鬢びん邊べ添。

《中ちゅう夏なつ晝ひる臥が》

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1 中ちゅう夏なつ晝ひる臥が:
寂寂せきせき無聊ぶりょう九きゅう夏なつ中ちゅう，傍はた簷依壁かべ待まち清風せいふう。

2 中ちゅう夏なつ晝ひる臥が:
壯圖そうと奇策きさく無人むじん問とえ，不ふ及南陽ひ一いち臥龍がりょう。

《春はる夕ゆう寓ぐう興きょう》

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1 春はる夕ゆう寓ぐう興きょう:
忘憂ぼうゆう何なん必在庭にわ萱かや，是ぜ事ごと悠悠ゆうゆう竟可寬ひろし。酒さけ病びょう未み能のう辭じ錦にしき裏うら，
春はる狂きょう又また擬なずらえ入にゅう桃源とうげん。風吹ふぶき楊柳ようりゅう絲いと千せん縷，月がつ照あきら梨花りか雪ゆき萬まん團だん。

2 春はる夕ゆう寓ぐう興きょう:
閑泥金きん徽度芳よし夕ゆう，幽かそけ泉石せんせき上じょう自じ潺湲せんかん。

《春はる夜よる》

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1 春はる夜よる:
薄薄うすうす春雲しゅんうん籠かご皓あきら月がつ，杏あんず花はな滿まん地ち堆うずたか香雪こうせつ。

2 春はる夜よる:
醉よい垂たれ羅ら袂たもと倚朱欄らん，小數しょうすう玉だま仙せん歌か未み闋。

《訪おとずれ飲いん妓ぎ不遇ふぐう，招酒徒しゅと不ふ至いたり》

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1 訪おとずれ飲いん妓ぎ不ふ... :
小橋こはし流水りゅうすい接せっ平ひら沙すな，何處どこ行ぎょう雲くも不在ふざい家か。畢卓未來みらい輕けい竹たけ葉は，
劉りゅう晨重到いた殢桃花はな。琴きん樽だる冷ひや落春將はた盡つき，幃幌蕭條しょうじょう日び又また斜はす。

2 訪おとずれ飲いん妓ぎ不ふ... :
回かい首くび卻尋芳よし草くさ路ろ，金きむ鞍くら拂はらい柳やなぎ思おもえ無涯むがい。

《春はる宴えん河かわ亭てい》

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1 春はる宴えん河かわ亭てい:
柳やなぎ擺輕絲いと拂はらい嫩黃，檻おり前ぜん流水りゅうすい滿まん池塘ちとう。一筵金翠臨芳岸，
四面煙花出粉牆。舞まい袖そで逐風翻こぼし繡浪，歌うた塵ちり隨ずい燕つばめ下か雕梁。

2 春はる宴えん河かわ亭てい:
蠻箋象ぞう管かん休きゅう凝しこり思おもえ，且放春はる心入こころいれ醉よい鄉きょう。

《蜀しょく都と道中どうちゅう》

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1 蜀しょく都と道中どうちゅう:
劍けん關せき雲くも棧亂崢嶸，得喪とくそう何なん由よし險けわし與平よへい。千載せんざい龜城かめしろ終おわり失しつ守もり，
一堆鬼錄漫留名。季き年ねん必不延のべ昏主，薄すすき賞しょう那な堪こらえ激げき懦兵。

2 蜀しょく都と道中どうちゅう:
李り特とく後來こうらい多た二に世せい，納おさめ降くだ歸き擬なずらえ盡つき公卿くぎょう。

《萬まん葛かずら樹じゅ》

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1 萬まん葛かずら樹じゅ:
葉は如羽蓋ぶた豈あに堪こらえ論ろん，百步清陰鎖綠雲。善政ぜんせい已やめ聞思召伯，
英えい風ふう偏へん稱號しょうごう將軍しょうぐん。靜せい鋪しき講こう席せき麟經潤ほとび，高こう拂はらい□枝えだ兔うさぎ影かげ分ぶん。

2 萬まん葛かずら樹じゅ:
更さら有ゆう歲とし寒かん霜雪そうせつ操みさお，莫將樗ぶな櫟くぬぎ擬なずらえ相しょう群ぐん。

《春はる夕ゆう遣や懷ふところ》

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1 春はる夕ゆう遣や懷ふところ:
窮きゅう通分つうぶん定てい莫淒涼すずし，且放歡情入にゅう醉よい鄉きょう。範はん蠡扁舟ぶね終おわり去さ相あい，
馮唐半はん世せい隻せき為ため郎ろう。風ふう飄玉笛ふえ梅うめ初はつ落，酒さけ泛金樽だる月がつ未央みお。

2 春はる夕ゆう遣や懷ふところ:
休きゅう把わ虛名きょめい撓たわわ懷抱かいほう，九原丘隴盡侯王。

《西にし齋ひとし》

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1 西にし齋ひとし:
西にし齋ひとし新しん竹たけ兩りょう三さん莖くき，也有やゆう風ふう敲碎玉だま聲ごえ。

2 西にし齋ひとし:
莫恨移うつり來らい欄らん檻おり遠とお，譬たとえ如元本ほん此間生せい。

《新しん蟬》

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1 新しん蟬:
齊ひとし女おんな屏へい幃失舊きゅう容よう，侍さむらい中ちゅう冠かんむり冕有芳よし蹤。翅翻晚ばん鬢びん尋ひろ香が露ろ，
聲こえ引秋絲いと逐遠風ふう。旅館りょかん聽時髭ひげ欲よく白しろ，戍樓聞處葉多はた紅べに。

2 新しん蟬:
只ただ知ち送おく恨添愁事，誰だれ見み淩霄羽わ蛻もぬけ功こう。

《寄よせ滑なめら州しゅう文秀ふみひで大師だいし》

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1 寄よせ滑なめら州しゅう文ぶん... :
分ぶん飛ひ屈指くっし十じゅう三さん年ねん，菡萏峰前みねまえ別べつ社しゃ蓮はちす。薄うす宦偶然しか來らい左ひだり蜀しょく，
孤こ雲くも何事なにごと在ざい南みなみ燕つばめ。一封瑤簡音初達，兩りょう處しょ金きん沙すな色しょく共ども圓えん。

2 寄よせ滑なめら州しゅう文ぶん... :
珍重ちんちょう湯ゆ休きゅう惠めぐみ佳けい句く，郡こおり齋ひとし吟ぎん久ひさし不ふ成なり眠ねむり。

《中ちゅう春はる登樓とうろう》

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1 中ちゅう春はる登樓とうろう:
金杯きんぱい不ふ以滌愁腸，江こう郡こおり芳かおる時じ憶故鄉こきょう。兩りょう岸きし煙けむり花春かばる富貴ふうき，
一いち樓ろう風ふう月夜づきよ淒涼。王おう章あきら莫恥牛うし衣ころも淚なみだ，潘はん嶽たけし休きゅう驚おどろき鶴づる鬢びん霜しも。

2 中ちゅう春はる登樓とうろう:
歸き去さ蓮花れんげ歸き未み得え，白雲しらくも深ふか處しょ有ゆう茅ちがや堂どう。

3 中ちゅう春はる登樓とうろう:
古今ここん通どおり塞ふさが莫咨嗟，謾把霜しも髯ひげ敵てき歲とし華はな。失しつ手しゅ已やめ慚蛇有ゆう足あし，
用心ようじん休きゅう為ため鼠ねずみ無む牙きば。九天雲淨方憐月，一いち夜や風ふう高だか便びん厭いや花はな。

4 中ちゅう春はる登樓とうろう:
獨どく倚郡樓ろう人じん不ふ會かい，釣つり舟ぶね春浪しゅんろう接せっ平ひら沙すな。

《自じ遣や》

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1 自じ遣や:
未み上うえ亨とおる衢獨醉よい吟ぎん，賦ふ成なり無む處しょ博はく黃金おうごん。家人かじん莫問張ちょう儀ただし舌した，
國士こくし須知しゅうち豫よ讓ゆずる心こころ。照あきら乘じょう始はじめ堪こらえ沽善價か，陽春ようしゅん爭そう忍にん混こん凡音。

2 自じ遣や:
鶤鵬鱗うろこ翼つばさ途と程ほど在ざい，九きゅう萬まん風ふう雲海うんかい浪なみ深ふか。

《偶有ぐうゆう下か殤，因いん而自遣や》

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1 偶有ぐうゆう下か殤... :
彭壽殤齡共ども兩りょう空そら，幻まぼろし泡あわ緣えん影かげ夢ゆめ魂たましい中ちゅう。缺かけ圓えん宿やど會長かいちょう如月きさらぎ，
飄忽浮生疾やまし似に風ふう。修おさむ短たん百ひゃく年ねん先後せんご定じょう，賢愚けんぐ千古せんこ是非ぜひ同どう。

2 偶有ぐうゆう下か殤... :
南みなみ柯太守たいしゅ知人ちじん意い，休きゅう問とい陶すえ陶すえ塞ふさが上うわ翁おきな。

《倦學》

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1 倦學:
樂らく廣こう亡ほろび來らい冰鏡稀まれ，宓妃嫫母混こん妍媸。且于霧きり裏うら藏ぞう玄げん豹ひょう，
休きゅう向こう窗まど中ちゅう問とい碧あお雞。百氏典墳空自苦，一堆螢雪竟誰知。

2 倦學:
門前もんぜん春色しゅんしょく芳よし如畫，好こう掩書齋しょさい任にん所しょ之の。

《去年きょねん今日きょう》

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1 去年きょねん今日きょう:
去年きょねん今日きょう到いた榮さかえ州しゅう，五騎紅塵入郡樓。貔虎只ただ知ち迎むかえ太守たいしゅ，
蠻夷ばんい不信ふしん是ぜ儒流。奸豪已やめ息いき時じ將はた泰やすし，疲つかれ瘵全蘇そ歲とし又また周しゅう。

2 去年きょねん今日きょう:
聖きよし主しゅ若わか容よう辭じ重じゅう祿ろく，便びん歸かえり煙けむり水すい狎群鷗。

《晝寢ひるね》

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1 晝寢ひるね:
花落はなおち青あお苔こけ錦にしき數すう重じゅう，書淫しょいん不覺ふかく避春慵。恣ほしいまま情じょう枕上まくらがみ飛ひ莊そう蝶ちょう，
任にん爾なんじ雲間くもま騁陸龍りゅう。玉たま液えき未み能のう消しょう氣魄きはく，牙きば籤くじ方かた可か滌昏蒙。

2 晝寢ひるね:
起おこり來らい已やめ被ひ詩し魔ま引，窗まど外がい寒かん敲翠竹ちく風ふう。

《郡こおり齋ひとし寓ぐう興きょう》

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1 郡こおり齋ひとし寓ぐう興きょう:
依よ約やく樊川似に旭川あさひかわ，郡こおり齋ひとし風物ふうぶつ盡つき蕭然しょうぜん。秋庭あきば碧あおい蘚鋪雲くも錦にしき，
晚ばん閣かく紅べに蕖簇水仙すいせん。醉よい筆ひつ語ご狂きょう揮粉壁かべ，歌うた梁塵りょうじん亂らん拂はらい花はな鈿。

2 郡こおり齋ひとし寓ぐう興きょう:
情じょう懷ふところ放蕩ほうとう無む羈束，地角じかく天涯てんがい亦また信しんじ緣えん。

《郡ぐん樓ろう閑望書しょ懷ふところ》

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1 郡ぐん樓ろう閑望... :
郡ぐん城じょう樓閣ろうかく繞にょう江こう濱はま，風物ふうぶつ清秋きよあき入にゅう望もち頻しき。銅どう鼓こ祭さい龍りゅう雲くも塞ふさが廟びょう，
蘆花ろか飄市雪ゆき粘ねば人じん。蓮はちす披淨沼ぬま群ぐん香が散ち，鷺さぎ點てん寒かん煙けむり玉だま片かた新しん。

2 郡ぐん樓ろう閑望... :
歸き去さ杜もり陵りょう池いけ館かん在ざい，且將朝あさ服ふく拂はらい埃ほこり塵ちり。

《玉たま燭しょく花はな》

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1 玉たま燭しょく花はな:
嫋嫋じょうじょう香が英えい三さん四よん枝えだ，亭亭ていてい紅べに豔照階かい墀。正當せいとう晚ばん檻おり初はつ開ひらけ處しょ，
卻似春はる闈就試ためし時じ。少女しょうじょ不吹ふぶき方かた熠爚，東ひがし君くん偏へん惜未離はなれ披。

2 玉たま燭しょく花はな:
夜よる深ふか斜はす倚朱欄外らんがい，擬なずらえ把わ鄰光借か與あずか誰だれ。

《從弟じゅうてい舍人とねり惠めぐみ茶ちゃ》

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1 從弟じゅうてい舍人とねり... :
曾求芳よし茗貢蕪かぶら詞し，果はて沐頒沾味甚奇。龜かめ背せ起おこり紋もん輕けい炙あぶ處しょ，
雲くも頭あたま翻こぼし液えき乍烹時じ。老ろう丞すすむ倦悶偏へん宜むべ矣，舊きゅう客きゃく過か從したがえ別べつ有ゆう之の。

2 從弟じゅうてい舍人とねり... :
珍重ちんちょう宗むね親おや相しょう寄よせ惠めぐみ，水みず亭てい山やま閣かく自じ攜持。

《再さい看み光福寺こうふくじ牡丹ぼたん》

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1 再さい看み光こう福ぶく... :
去年きょねん曾看牡丹ぼたん花はな，蛺蝶迎むかえ人じん傍はた彩あや霞かすみ。今日きょう再さい遊ゆう光福寺こうふくじ，
春風しゅんぷう吹我入いれ仙せん家か。當とう筵むしろ芬馥歌か唇くちびる動どう，倚檻嬌羞きょうしゅう醉眼すいがん斜はす。

2 再さい看み光こう福ぶく... :
來らい歲とし未み朝金あさかね闕去，依よ前ぜん和露わろ載の歸き衙。

《海棠かいどう花はな》

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1 海棠かいどう花はな:
淡淡たんたん微ほろ紅色こうしょく不ふ深ふか，依よ依よ偏へん得とく似に春はる心しん。煙けむり輕けい虢國顰ひそみ歌か黛まゆずみ，
露ろ重じゅう長門ながと斂淚衿えり。低てい傍はた繡簾人じん易えき折おり，密みつ藏ぞう香が蕊しべ蝶ちょう難なん尋ひろ。

2 海棠かいどう花はな:
良よ宵よい更さら有ゆう多情たじょう處しょ，月下げっか芬芳伴とも醉よい吟ぎん。

《新しん竹たけ》

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1 新しん竹たけ:
近きん窗まど臥が砌みぎり兩りょう三さん叢くさむら，佐さ靜せい添幽別べつ有功ゆうこう。影かげ鏤ちりばめ碎金初はつ透とおる月がつ，
聲こえ敲寒玉だま乍搖風ふう。無む憑費叟煙波は碧あお，莫信湘妃淚なみだ點てん紅べに。

2 新しん竹たけ:
自じ是ぜ子こ猷偏愛へんあい爾しか，虛心きょしん高節こうせつ雪ゆき霜しも中ちゅう。

《木き芙蓉ふよう》

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1 木き芙蓉ふよう:
素す靈れい失しつ律りつ詐いつわり風流ふうりゅう，強つよ把わ芳よし菲半載の偷。是ぜ葉は葳蕤霜しも照あきら夜よる，
此花このはな爛ただれ熳火燒しょう秋あき。謝しゃ蓮はちす色しょく淡あわ爭そう堪こらえ種しゅ，陶とう菊きく香が穠亦合あい羞。

2 木き芙蓉ふよう:
誰だれ道どう金風きんぷう能のう肅物，因いん何なに厚あつ薄うす不ふ相あい侔。

《送おく二郎じろう君くん歸かえり長安ながやす》

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1 送おく二郎じろう君くん... :
我わが兒こ辭去じきょ淚なみだ雙そう流りゅう，蜀しょく郡ぐん秦しん川がわ兩りょう處しょ愁。紅葉こうよう滿山まんざん歸き故國ここく，
黃き茅ちがや遍へん地ち住じゅう他た州しゅう。荷に衣ころも曉あきら掛かけ慚官吏かんり，菱ひし鏡きょう秋あき窺訝鬢びん髹。

2 送おく二郎じろう君くん... :
好こう向こう雲くも泉いずみ營舊隱かくれ，莫教莊そう叟畏犧牛。

《送おく文ぶん英えい大師だいし》

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1 送おく文ぶん英えい大だい... :
屈指くっし平ひら陽ひ別べつ社しゃ蓮はちす，蟾光一いち百ひゃく度ど曾圓。孤こ雲くも自在じざい知ち何處どこ，
薄うす宦參差さ亦また信しんじ緣えん。山やま郡ぐん披風方かた穆きよし若わか，花はな時分じぶん袂たもと更さら淒然。

2 送おく文ぶん英えい大だい... :
搖ゆら鞭むち相しょう送おく嘉よしみ陵りょう岸がん，回かい首くび群峰ぐんぽう隔へだた翠みどり煙けむり。

《酬むくい勾評事ごと》

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1 酬むくい勾評事ごと:
閒庭まにわ欹枕正せい悲秋，忽ゆるがせ覺さとし新編しんぺん浣遠愁。才ざい薄うす只ただ愁安雁かり戶ど，
年とし高空こうくう憶複漁舟ぎょしゅう。鷺さぎ翹皓雪ゆき臨汀岸がん，蓮はちす嫋紅香が匝郡樓ろう。

2 酬むくい勾評事ごと:
對たい景けい卻慚無む藻も思おもえ，南みなみ金きん荊玉卒そつ難なん酬むくい。

《初はつ至いたり郡ぐん界かい》

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1 初はつ至いたり郡ぐん界かい:
嘉よしみ陵りょう江畔こうはん接せっ榮さかえ川がわ，兩りょう畔ほとり旌旗せいき下瀨したせ船せん。郡ぐん印しるし已やめ分ぶん炎えん瘴地，
朝あさ衣ころも猶なお惹禦爐ろ煙けむり。蓮はちす塘小飲いん香が隨ずい艇てい，月がつ榭高吟こうぎん水壓すいあつ天てん。

2 初はつ至いたり郡ぐん界かい:
錦にしき字じ莫嫌歸路きろ遠とお，華はな夷えびす一統いっとう太平たいへい年ねん。

《到いた郡ぐん後ご有ゆう寄よせ》

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1 到いた郡ぐん後ご有ゆう... :
蜀しょく路ろ新しん修おさむ盡つき坦ひろし平ひらめ，交親深ふか幸みゆき再さい逢迎。正當せいとう返かえし袂たもと思鄉しきょう國こく，
卻似歸き家か見み弟おとうと兄けい。沾澤只ただ慚堯綍重，溯さかのぼ流ながれ還かえ喜き範はん舟ぶね輕けい。

2 到いた郡ぐん後ご有ゆう... :
欲よく將すすむ感かん戀こい裁さい書しょ旨むね，多少たしょう魚ぎょ箋寫得とく成なり。

《長春ちょうしゅん節ぶし》

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1 長春ちょうしゅん節ぶし:
聖せい朝あさ佳節かせつ遇ぐう長春ちょうしゅん，跪捧金きん爐ろ祝しゅく又また焚。寶藏ほうぞう發はつ來らい天地あまち秀しげる，
兵戈へいか銷後帝みかど皇すめらぎ尊みこと。太平たいへい基もと址し千せん年ねん永ひさし，混こん一いち車しゃ書しょ萬古ばんこ存そん。

2 長春ちょうしゅん節ぶし:
更さら有ゆう馨かおる香が滿まん芳よし檻おり，和風わふう遲日ちじつ在ざい蘭らん蓀。

《登のぼり郡ぐん樓ろう書しょ事ごと》

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1 登のぼり郡ぐん樓ろう書しょ... :
偶奉綸書蒞旭川あさひかわ，郡ぐん樓ろう嘉よしみ致盡依然いぜん。松まつ欹鳥道どう雲くも藏ぞう寺てら，
月つき滿まん漁舟ぎょしゅう水すい浸ひた天てん。望もち帝みかど古祠こし花はな簇むらが簇むらが，錦城きんじょう歸路きろ草くさ芊芊。

2 登のぼり郡ぐん樓ろう書しょ... :
有ゆう時じ倚檻垂たれ雙そう袂たもと，故國ここく風光ふうこう似に眼前がんぜん。

《旭川あさひかわ祁宰思おもえ家か而卒，因いん述じゅつ意い呈てい秦しん川がわ知己ちき》

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1 旭川あさひかわ祁宰... :
歲とし稔みのり民みん康やすし絕ぜっ訟論，政成まさなり公おおやけ暇ひま自由じゆう身み。朝あさ看み五ご馬うま閑如社しゃ，
夜よる擁よう雙そう姬ひめ暖だん似に春はる。家計かけい不ふ憂ゆう憑塚子こ，官かん資し無む愧是朝臣あそん。

2 旭川あさひかわ祁宰... :
豈あに同どう齷齪あくせく祁員外がい，至いたり死し悲涼一いち婦人ふじん。

《登のぼり郡ぐん樓ろう書しょ懷ふところ》

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1 登のぼり郡ぐん樓ろう書しょ... :
煙雨えんう樓臺ろうだい漸やや晦冥かいめい，錦にしき江こう澄きよし碧あお浪なみ花平はなだいら。卞和未み雪ゆき荊山恥はじ，
莊そう舄空傷きず越えつ國情こくじょう。天際てんさい寂寥せきりょう無む雁かり下か，雲くも端はし依よ約やく有ゆう僧そう行ぎょう。

2 登のぼり郡ぐん樓ろう書しょ... :
登高とうこう欲ほし繼ままし離はなれ騷詠，魂たましい斷だん愁深寫うつし不ふ成なり。

3 登のぼり郡ぐん樓ろう書しょ... :
邊あたり郡ぐん荒涼こうりょう悲且歌か，故こ園えん迢遞隔煙波えんぱ。琴きん聲ごえ背せ俗ぞく終おわり如是にょぜ，
劍けん氣き沖おき星ぼし又また若わか何なに。朝あさ客きゃく漸やや通つう書信しょしん少しょう，釣つり舟ぶね頻しき引夢魂たましい多た。

4 登のぼり郡ぐん樓ろう書しょ... :
北山きたやま更さら有ゆう移うつり文者もんじゃ，白首しらくび無む塵ちり歸き去さ麼。

5 登のぼり郡ぐん樓ろう書しょ... :
莫嗔阮氏哭途窮きゅう，萬まん代だい深沈しんちん恨亦同どう。瑞みず玉だま豈あに知將ちしょう抵鵲，
鉛なまり刀がたな何事なにごと卻屠龍りゅう。九夷欲適嗟吾道，五柳終歸效古風。

6 登のぼり郡ぐん樓ろう書しょ... :
獨どく倚郡樓ろう無限むげん意い，滿江みつえ煙雨えんう正せい冥めい蒙こうむ。

《偶聞官吏かんり舉請，輒有一いち篇へん寄よせ從弟じゅうてい舍人とねり》

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1 偶聞官吏かんり... :
官吏かんり潛せん陳ひね借か寇詞，宦情鄉きょう夢ゆめ兩りょう相違そうい。青あお城じょう錦にしき水すい無心むしん住じゅう，
紫むらさき閣かく蓮はちす峰ほう有意ゆうい歸き。張ちょう翰鱸魚ぎょ因いん醉よい憶，孟はじめ光こう書信しょしん近きん春はる稀まれ。

2 偶聞官吏かんり... :
黃き茅ちがや瘴色看み看み起おこり，貪むさぼ者しゃ猶なお疑うたぐ別べつ是ぜ機き。

《誡是非ぜひ》

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1 誡是非ぜひ:
巧たくみ舌した如簧總そう莫聽，是非ぜひ多おお自じ愛憎あいぞう生せい。三人告母雖投杼，
百犬聞風只吠聲。辨玉べんぎょく且寬和ひろかず氏し罪ざい，誣金須認不ふ疑うたぐ情じょう。

2 誡是非ぜひ:
因いん思おもえ疇昔游ゆう談だん者しゃ，六ろく國交こっこう馳はせ亦また受烹。

《簡豎儒》

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1 簡豎儒:
蹄涔豈あに信しんじ有ゆう滄浪，螢火ほたるび何なに堪こらえ並なみ太陽たいよう。淵ふち奧おく未み曾探禹穴，
矜誇便びん擬なずらえ越こし丘たかし牆。小しょう巫みこ神氣しんき終おわり須怯，下しも裏うら音聲おんせい必不長ちょう。

2 簡豎儒:
近日きんじつ冰壺多た晦みそ昧，虎とら皮がわ羊ひつじ質しつ也觀光かんこう。

《貽諸學童がくどう》

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1 貽諸學童がくどう:
橫よこ經けい叉また手しゅ步ふ還かえ趨，積善せきぜん方かた知ち慶けい有餘ゆうよ。五ご個こ小しょう雛ひな離はなれ學院がくいん，
一行新雁入貧居。攘羊告つげ罪ざい言げん何なん直じき，舐ねぶ犢牽情理じょうり豈あに虛きょ。

2 貽諸學童がくどう:
勸すすむ汝なんじ立身りっしん須苦志こころざし，月がつ中ちゅう丹たん桂かつら自じ扶疏。

URN: ctp:quantangshi/766