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ゲルク

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

ゲルク(ゲルクは、ぞう: དགེ་ལུགས་པ་、dge lugs pa[1])、またはゲルー(ゲルーは)[2]チベット仏教ぶっきょう4だい宗派しゅうはの1つで、ツォンカパひらいた宗派しゅうはである。ぼう(こうぼうは)、きょう(こうきょう)ともばれる[3][4]ガンデンてら総本山そうほんざんとする。ダライ・ラマパンチェン・ラマもこの宗派しゅうは所属しょぞくしている。

概要がいよう

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17世紀せいき以降いこう歴代れきだいのダライ・ラマがチベットの政教せいきょう双方そうほう最高さいこう指導しどうしゃとなったのにともない、ゲルクもまたチベット仏教ぶっきょう最大さいだい宗派しゅうはとなった。20世紀せいき中葉ちゅうよう以降いこう中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくのチベット支配しはいによってチベット仏教ぶっきょう全般ぜんぱん抑圧よくあつされたが、なかでもゲルク徹底的てっていてき弾圧だんあつけた。しかし、21世紀せいき現在げんざいでもゲルクがチベット仏教ぶっきょう最大さいだい宗派しゅうはであることにわりはない。

ツォンカパはちゅうかんかえり論証ろんしょう立場たちばから顕教けんぎょう重視じゅうしし、密教みっきょう顕教けんぎょう完全かんぜんおさめたものだけに許可きょかされるという「倫理りんりせい」をおもんじた。ツォンカパの宗教しゅうきょうてき情熱じょうねつ徹底てっていした論理ろんりせいなどが当時とうじ僧侶そうりょしんうごかし、ツォンカパ在世ざいせい当時とうじからおおくの信奉しんぽうしゃあつまった。

その、ゲルクでは顕教けんぎょう重視じゅうし観点かんてんから仏教ぶっきょうがく全般ぜんぱんについての教科書きょうかしょyig cha)が多数たすう編纂へんさんされ、教育きょういくカリキュラムが整備せいびされ、一定いってい方法ほうほう多数たすう僧侶そうりょそだてる体勢たいせいととのった。地方ちほうから中央ちゅうおう寺院じいん留学生りゅうがくせいり、教育きょういくしたのち地方ちほうかえして、そこでさらにおな教育きょういく体制たいせいきずくという方法ほうほう勢力せいりょく拡大かくだいしていった。

運営うんえい

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ゲルク管長かんちょう教主きょうしゅ)は、総本山そうほんざんガンデンてら座主ざすであるガンデン・ティパ。ガンディン・ティパはゲルク高僧こうそうなかから互選ごせんされ、ダライ・ラマの承認しょうにんけたうえ任命にんめいされる。ガンディン・ティパは原則げんそくとしてすうねんごとの任期にんきせいであるが、ダライ・ラマ14せいのひとりであるリン・リンポチェかぎり、終身しゅうしん座主ざすつとめた。2009ねんから2016ねんにかけてのガンデン・ティパは、ラダック出身しゅっしんだい102だいリゾン・リンポチェ。2016ねんにはだい103だいガンデン・ティパのジェツン・ロブサン・テンジン(Jetsun Lobsang Tenzin)がついた。

寺院じいん

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ゲルク主要しゅよう寺院じいんとして、つぎのものがあげられる。ガンデンてら、セラてら、デプンてらゲルクさんだい寺院じいん、タシルンポてらくわえてどうよんだい寺院じいん、さらにタールてら(クンブンてら、クンブムてら)とラブランてらくわえてどうろくだい寺院じいんぶ。

  1. ガンデンてら - ゲルク総本山そうほんざん。ガンデン・ティパのしょ
  2. セラてら
  3. デプンてら - 17世紀せいきまでダライ・ラマしょ
  4. タシルンポてら - パンチェン・ラマしょ
  5. タールてら(クンブンてら、クンブムてら
  6. ラプランてら

ゲルクない原理げんり主義しゅぎ

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なお、17世紀せいきなかばからゲルク内部ないぶ保守ほしゅ強硬きょうこうによっておこなわれてきた護法ごほうみことシュクデン崇拝すうはいがダライ・ラマ14せいによって批判ひはんされたが、これについてシュクデン崇拝すうはいしゃたちはダライ・ラマによって「自分じぶんたちのシュクデン信仰しんこう禁止きんしされた」、あるいは「破門はもんされた」と主張しゅちょうし、宗派しゅうはないでの深刻しんこく問題もんだいとなっている[5]。シュクデンを信仰しんこうをするグループは「シュクデン」とばれている。シュクデンなかには、もともとのゲルクたもとかったグループや、ゲルクからは離脱りだつしないながらシュクデン信仰しんこうめないグループがふくまれている。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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出典しゅってん

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  1. ^ 川崎かわさきしんじょう「ダライ・ラマ」 - 日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ)小学館しょうがくかん、2019ねん
  2. ^ "ぼう". 百科ひゃっか事典じてんマイペディア. コトバンクより2023ねん4がつ6にち閲覧えつらん
  3. ^ 栂尾つがお 1951, p. 3.
  4. ^ "ぼう". 日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ). コトバンクより2023ねん4がつ5にち閲覧えつらん
  5. ^ The Dalai Lama And The Cult Of Dolgyal Shugden | HuffPost、2021ねん4がつ4にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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