サン・セバスティアン (スペイン語 ご : San Sebastián , スペイン語 ご : [san seβ べーた asˈtjan] )、またはドノスティア (バスク語 ご : Donostia , バスク語 ご : [doˈnos̺tia] )[4] は、スペイン ・バスク州 しゅう ギプスコア県 けん のムニシピオ (基礎 きそ 自治体 じちたい )。ギプスコア県 けん の県 けん 都 と である。
ビスケー湾 わん に面 めん しており、フランス との国境 こっきょう からの距離 きょり は約 やく 20 km である。2011年 ねん の人口 じんこう は186,409人 にん であり、サン・セバスティアン都市 とし 圏 けん の人口 じんこう は436,500人 にん である[5] 。主要 しゅよう な経済 けいざい 活動 かつどう は商業 しょうぎょう や観光 かんこう 業 ぎょう であり、スペインでもっとも著名 ちょめい な観光 かんこう 地 ち のひとつである[6] 。その食 しょく 文化 ぶんか やサン・セバスティアン国際 こくさい 映画 えいが 祭 さい などで世界 せかい 的 てき な知名度 ちめいど を得 え ている。ポーランドのヴロツワフ とともに、2016年 ねん の欧州 おうしゅう 文化 ぶんか 首都 しゅと に選定 せんてい されている[7] [8] [9] 。
1982年 ねん までの正式 せいしき 名称 めいしょう はスペイン語 ご のSan Sebastián だった。1982年 ねん に2言語 げんご の名称 めいしょう をハイフン で連結 れんけつ したDonostia-San Sebastián (ドノスティア=サン・セバスティアン)に変更 へんこう された[10] 、これは二 に 言語 げんご の名称 めいしょう をつなげた「Donostia-San Sebastián」という塊 かたまり が公式 こうしき 名 めい であることを意味 いみ する。2012年 ねん には「Donostia」と「San Sebastián」のそれぞれが公式 こうしき 名 めい となった。公式 こうしき 文書 ぶんしょ などでは2言語 げんご の名称 めいしょう をスラッシュで分 わ けたDonostia / San Sebastián (ドノスティア / サン・セバスティアン)という表記 ひょうき も用 もち いられる[11] [12] [13] 。「ビスケー湾 わん の真珠 しんじゅ 」[14] 「カンタブリア海 うみ の真珠 しんじゅ 」[15] と称 しょう される。
スペイン語 ご の「サン・セバスティアン」とバスク語 ご の「ドノスティア」はまったく異 こと なる起源 きげん をもつ単語 たんご にみえるが、いずれも聖 せい セバスティアン に由来 ゆらい する。バスク語 ご の地名 ちめい におけるドナ/ドノ/ドニ(dona/dono/doni)という要素 ようそ はラテン語 らてんご のドミネ(domine)に由来 ゆらい して聖人 せいじん を意味 いみ し、ドノスティアの後半 こうはん 部分 ぶぶん は聖 せい セバスティアンの短縮形 たんしゅくけい のスティア(stia)である[16] 。住民 じゅうみん の呼称 こしょう はスペイン語 ご でもバスク語 ご でもドノスティアラである。
サン・セバスティアンはスペイン北東 ほくとう 部 ぶ 、バスク州 しゅう 北部 ほくぶ にあり、北側 きたがわ がビスケー湾 わん に面 めん している。ギプスコア県 けん のドノスティアルデア 郡 ぐん に属 ぞく する。サン・セバスティアン都市 とし 圏 けん の中心 ちゅうしん 都市 とし であり、近隣 きんりん の町 まち にはイルン (17 km)、エレンテリア (7 km)などがある。都市 とし 圏 けん の東部 とうぶ は国境 こっきょう を越 こ えてフランス・ヌーヴェル=アキテーヌ地域 ちいき 圏 けん のアンダイエ にまで広 ひろ がっている。サン・セバスティアンの美 うつく しい海岸 かいがん 線 せん は人気 にんき のビーチスポットである。市街地 しがいち やラ・コンチャ海岸 かいがん などのビーチはモンテ・ウルグル 、ウリア山 さん 、パサイア山 さん 、アダラ山 さん 、モンテ・イゲルドなどに囲 かこ まれており、ラ・コンチャ湾 わん にはサンタ・クララ島 とう が浮 う かんでいる。
サン・セバスティアンはウルメア川 がわ の河口 かこう に位置 いち し、18世紀 せいき 以後 いご にウルメア川 がわ 最下 さいか 流 りゅう 部 ぶ の大 だい 規模 きぼ な湿地 しっち 帯 たい の上 うえ に建設 けんせつ された。市内 しない は17区 く に分 わ かれており、アイエテ区 く 、アルツァ区 く 、アマラ区 く 、アマラ・ベリ区 く 、アンティグア区 く 、アニョルガ区 く 、アテゴリエタ=ウリア区 く 、エルディアルデア区 く 、エヒア区 く 、グロス区 く 、イバエタ区 く 、インチャウロンド区 く 、ロイオラ区 く 、マルトゥテネ区 く 、ミラクルス=ビデビエタ区 く 、パルテ・サアーラ区 く 、スビエタ区 く がある。市街地 しがいち 中心 ちゅうしん 部 ぶ やアマラ・ベリ区 く 、ロイオラ区 く は20世紀 せいき 前半 ぜんはん までウルメア川 がわ の流 りゅう 路 ろ だったかつての河床 かしょう 跡 あと に位置 いち している[17] 。
サン・セバスティアン近郊 きんこう で最初 さいしょ に確認 かくにん されたヒトの定住 ていじゅう 跡 あと はアメツァガニャの集落 しゅうらく であり、市街地 しがいち から見 み て南 みなみ のインチャウロンド区 く とアスティガラガ (スペイン語 ご 版 ばん ) の間 あいだ にある。アメツァガニャからはグラヴェット文化 ぶんか 期 き の紀元前 きげんぜん 24,000年 ねん 前 まえ から22,000年 ねん 前 まえ に遡 さかのぼ る、動物 どうぶつ の皮膚 ひふ を切断 せつだん するためのナイフとして使 つか われた石器 せっき などが発掘 はっくつ されている。後期 こうき 旧石器時代 きゅうせっきじだい の野外 やがい の集落 しゅうらく は、定住 ていじゅう 者 しゃ が狩猟 しゅりょう を行 おこな うホモ・サピエンス だったことを明 あき らかにしており、さらに当時 とうじ の寒冷 かんれい な気候 きこう も指 さ ししている[18] 。
古代 こだい ローマ時代 じだい 、サン・セバスティアンはヴァルドゥリ (英語 えいご 版 ばん ) の領土 りょうど だったと考 かんが えられている。サン・セバスティアンの東 ひがし 17kmにあるイルン にはバスク・ローマの町 まち であるオイアッソ (英語 えいご 版 ばん ) の遺跡 いせき があるが、文献 ぶんけん 上 じょう では長 なが い間 あいだ サン・セバスティアンがオイアッソであると誤認 ごにん されていた。
中世 ちゅうせい 初期 しょき には長 なが くサン・セバスティアンが文献 ぶんけん に登場 とうじょう しないが、1014年 ねん 、エルナニ との境界 きょうかい に近 ちか く、サガルド (リンゴ酒 しゅ )用 よう のリンゴ園 えん を持 も つ聖 せい セバスティアン の修道院 しゅうどういん がナバラ王国 おうこく のサンチョ3世 せい によってレイレ修道院 しゅうどういん に寄進 きしん された。1181年 ねん までに、サン・セバスティアンはイスルムに所在 しょざい するナバラ王 らおう サンチョ6世 せい に自治 じち 権 けん (フエロ )を与 あた えられ、オリア川 がわ とビダソア川 がわ の間 あいだ のすべての領土 りょうど を管轄 かんかつ した。
1200年 ねん にはアルフォンソ8世 せい を王 おう とするカスティーリャ王国 おうこく に征服 せいふく され、自治 じち 権 けん を維持 いじ することは確認 かくにん されたが、ナバラ王国 おうこく は大西洋 たいせいよう に直接 ちょくせつ 到達 とうたつ するルートを剥奪 はくだつ された。1204年 ねん かそれより早 はや く、モンテ・ウルグル 山麓 さんろく にある都市 とし 中心 ちゅうしん 部 ぶ にはバイヨンヌ やさらに遠 とお くからガスコン語 ご を話 はな す移住 いじゅう 者 しゃ が移 うつ り住 す んだ。彼 かれ らはその後 ご 数 すう 世紀 せいき の間 あいだ に、サン・セバスティアンの発展 はってん に重要 じゅうよう な足跡 あしあと を残 のこ している[19] 。
1265年 ねん 、カスティーリャ王国 おうこく とナバラ王国 おうこく の婚姻 こんいん に関 かん する協定 きょうてい の一部 いちぶ として、港湾 こうわん 都市 とし サン・セバスティアンがナバラ王国 おうこく に与 あた えられた。サン・セバスティアンに住 す んでいた多数 たすう のガスコン語 ご 住民 じゅうみん は、ヨーロッパの他 た 港 みなと やガスコーニュ 地方 ちほう との貿易 ぼうえき の発展 はってん を支持 しじ した。サン・セバスティアンはギプスコア地方 ちほう で起 お こった壊滅 かいめつ 的 てき なバンドス戦争 せんそう (英語 えいご 版 ばん ) から逃 のが れた領土 りょうど 中 ちゅう 唯一 ゆいいつ の町 まち である。戦争 せんそう が終結 しゅうけつ した1459年 ねん にはサン・セバスティアンもギプスコア地方 ちほう の一部 いちぶ となった[19] 。16世紀 せいき までのサン・セバスティアンは大 だい 部分 ぶぶん の戦争 せんそう から逃 のが れていたが、15世紀 せいき 初頭 しょとう までには簡易 かんい な構造 こうぞう の防壁 ぼうへき が市街地 しがいち を取 と り囲 かこ んでいたことが証明 しょうめい されている。中世 ちゅうせい 末 まつ の1489年 ねん には大 だい 規模 きぼ な火災 かさい によって町 まち が荒廃 こうはい し、この火災 かさい 後 ご には木材 もくざい の代 か わりに主 おも に石材 せきざい を使用 しよう して町 まち の復興 ふっこう に取 と り組 く んだ。
近代 きんだい のサン・セバスティアンは不安定 ふあんてい さと戦争 せんそう の時代 じだい だった。15世紀 せいき 後半 こうはん にナバラ王国 おうこく が衰退 すいたい すると、サン・セバスティアンはフランスとスペインの国境 こっきょう の最前線 さいぜんせん に取 と り残 のこ された。市街地 しがいち の周囲 しゅうい にはより分厚 ぶあつ くより洗練 せんれん された防壁 ぼうへき が築 きず かれたが、1521年 ねん にはナバラ王国 おうこく の消滅 しょうめつ の余波 よは としてスペインとフランスの間 あいだ の戦争 せんそう に巻 ま き込 こ まれた。オンダリビア でのスペインとフランスの衝突 しょうとつ の際 さい には、スペインに対 たい して貴重 きちょう な船舶 せんぱく の支援 しえん を提供 ていきょう し、この際 さい のサン・セバスティアンがスペインに対 たい して「とても気高 けだか くとても忠実 ちゅうじつ 」だったことが紋章 もんしょう に記録 きろく されている。また、1520年代 ねんだい のノアインの戦 たたか い (英語 えいご 版 ばん ) の際 さい には部隊 ぶたい を派遣 はけん し、コムネロスの反乱 はんらん の際 さい には支援 しえん を提供 ていきょう することで、神聖 しんせい ローマ皇帝 こうてい カール5世 せい の信頼 しんらい を得 え た。
中世 ちゅうせい にイベリア半島 はんとう 北部 ほくぶ をナバラ王国 おうこく が征服 せいふく してから、サン・セバスティアンはギプスコアの一員 いちいん だったが、その設立 せつりつ 以来 いらい 政治 せいじ 的 てき ・経済 けいざい 的 てき にサン・セバスティアンで主導 しゅどう 的 てき な役割 やくわり を果 は たしていたガスコン人 じん が影響 えいきょう 力 りょく のある公的 こうてき な地位 ちい から除外 じょがい されるようになった。カルロス1世 せい (カール5世 せい )によってカスティーリャの貿易 ぼうえき 独占 どくせん 権 けん が解除 かいじょ されると、1527年 ねん にはセストア (スペイン語 ご 版 ばん ) が、1557年 ねん にはオンダリビア が、1558年 ねん にはベルガラ が、1604年 ねん にはトローサ が、1662年 ねん にはデバ が、スペイン王室 おうしつ によって新大陸 しんたいりく 貿易 ぼうえき の認可 にんか を受 う けている[19] 。一方 いっぽう 、戦争 せんそう や疾病 しっぺい などの流行 りゅうこう でサン・セバスティアンは荒 すさ んだ状態 じょうたい となり、フランスやオランダの貿易 ぼうえき 船 せん から富 とみ を得 え たスペイン国王 こくおう フェリペ2世 せい の援助 えんじょ の下 した 、多 おお くの漁師 りょうし や貿易 ぼうえき 商 しょう は生 い きるために海賊 かいぞく として航海 こうかい に出 で た。
1656年 ねん 、フェリペ4世 せい の娘 むすめ マリア・テレサ とルイ14世 せい がナバラ王 らおう 国領 こくりょう (フランス領 りょう バスク)のサン=ジャン=ド=リュズ 近郊 きんこう で婚姻 こんいん を行 おこな う際 さい 、サン・セバスティアンはスペイン王室 おうしつ の司令 しれい 部 ぶ として使用 しよう された。比較的 ひかくてき 平和 へいわ な世紀 せいき だった17世紀 せいき の後 のち 、1721年 ねん にはフランスのベリック公爵 こうしゃく 軍 ぐん によって包囲 ほうい されたが、フランス軍 ぐん の砲撃 ほうげき を受 う けることはなく、多 おお くの都市 とし 構造 こうぞう は再建 さいけん された。1728年 ねん には王立 おうりつ ギプスコア・デ・カラカス会社 かいしゃ (英語 えいご 版 ばん ) が設立 せつりつ され、アメリカ大陸 あめりかたいりく のスペイン領 りょう との貿易 ぼうえき が盛 さか んとなった。この会社 かいしゃ の利益 りえき によって、市街地 しがいち の改修 かいしゅう ・改善 かいぜん やサンタ・マリア教会 きょうかい の再築 さいちく などが行 おこな われた。サン・セバスティアンの富 とみ の蓄積 ちくせき と発展 はってん は18世紀 せいき 末 まつ まで続 つづ いた[20] 。
スペイン独立 どくりつ 戦争 せんそう 中 なか の1808年 ねん 、フランスのナポレオン1世 せい 軍 ぐん はサン・セバスティアンを占領 せんりょう した。1813年 ねん 8月 がつ 28日 にち 夜 よる にはイギリス海軍 かいぐん 小 しょう 艦隊 かんたい が上陸 じょうりく して浜辺 はまべ のサンタ・クララ島 とう を占領 せんりょう し、フランス軍 ぐん と対面 たいめん 。町 まち はビスケー湾 わん と川幅 かわはば の広 ひろ いウルメア川 がわ 河口 かこう の間 あいだ の狭 せま い岬 みさき に位置 いち し、自然 しぜん の要塞 ようさい のようで奪還 だっかん が困難 こんなん だった。ウィリアム・デント (英語 えいご 版 ばん ) は「ジブラルタル を除 のぞ けば、(サン・セバスティアンは)私 わたし が見 み た中 なか でもっとも強固 きょうこ な要塞 ようさい である」と記 しる している[21] 。3日 にち 後 ご の8月 がつ 31日 にち 、イギリス軍 ぐん とポルトガル軍 ぐん の解放 かいほう 軍 ぐん は、サン・セバスティアン包囲 ほうい 戦 せん を行 おこな ってフランス軍 ぐん から町 まち を奪還 だっかん した。解放 かいほう 軍 ぐん は自制 じせい を失 うしな って町 まち を焼 や き払 はら い、丘 おか の麓 ふもと の1本 ほん の通 とお り(現在 げんざい の8月 がつ 31日 にち 通 どお り)のみが残 のこ ったが、サン・セバスティアンの住民 じゅうみん はフランスに対 たい する反発 はんぱつ 感情 かんじょう を捨 す てなかった。
ギプスコア県 けん 庁舎 ちょうしゃ
ビクトリア・エウヘニア劇場 げきじょう
クルサール国際 こくさい 会議 かいぎ 場 じょう ・公会堂 こうかいどう とクルサール橋 きょう
1813年 ねん に町 まち が破壊 はかい された後 のち 、わずかにレイアウトを変更 へんこう して同 おな じ場所 ばしょ に町 まち を再建 さいけん することになった。建築 けんちく 家 か のP・M・ウガルテメンディアによる近代 きんだい 的 てき な八 はち 角形 かくがた の草案 そうあん をおさえて、結局 けっきょく M・ゴゴルサの青写真 あおじゃしん が承認 しょうにん されたが、ウガルテメンディアが都市 とし 建設 けんせつ の指揮 しき を執 と った。旧 きゅう 市街 しがい には1817年 ねん にコンスティトゥシオ広場 ひろば (憲法 けんぽう 広場 ひろば )が建設 けんせつ され、1828年 ねん から1832年 ねん には広場 ひろば に市庁舎 しちょうしゃ (現在 げんざい の図書館 としょかん )が建設 けんせつ された[17] :100 。
商 しょう 工業 こうぎょう が発展 はってん して豊 ゆた かなサン・セバスティアンはギプスコア県 けん の県 けん 都 と となったが、1823年 ねん に専制 せんせい 主義 しゅぎ 者 しゃ によって襲撃 しゅうげき されると県 けん 都 と の地位 ちい を返上 へんじょう 。専制 せんせい 主義 しゅぎ 者 しゃ の軍隊 ぐんたい が防壁 ぼうへき を破 やぶ った時 とき 、防壁 ぼうへき 中 ちゅう にはわずか200人 にん の住民 じゅうみん しかいなかった。第 だい 一 いち 次 じ カルリスタ戦争 せんそう 中 なか の1833年 ねん 、デ・レイシー・エヴァンズ (英語 えいご 版 ばん ) に率 ひき いられたイギリスの義勇軍 ぎゆうぐん がカルリスタの攻撃 こうげき から町 まち を守 まも り、殉職 じゅんしょく 者 しゃ はモンテ・ウルグル の英国 えいこく 人 じん 墓地 ぼち に埋葬 まいそう された。
19世紀 せいき 初頭 しょとう 、国外 こくがい に起源 きげん や祖先 そせん をもつ住民 じゅうみん は特 とく に貿易 ぼうえき 商 しょう として偏在 へんざい していた。バスク地方 ちほう のフエロ (自治 じち 権 けん )のおかげで国外 こくがい 製品 せいひん への課税 かぜい がなく、サン・セバスティアンは海図 かいず の製作 せいさく で莫大 ばくだい な利益 りえき を得 え ていた。ギプスコア県 けん からの離脱 りだつ を要求 ようきゅう し、1841年 ねん にナバラ県 けん と合併 がっぺい したが、1854年 ねん には再 ふたた びギプスコア県 けん 都 と となった[22] 。
1863年 ねん には防壁 ぼうへき が取 と り壊 こわ され、軍事 ぐんじ 的 てき 要塞 ようさい としての性格 せいかく から逃 のが れるために市域 しいき の拡大 かくだい が試 こころ みられた[23] 。防壁 ぼうへき の残骸 ざんがい は市庁舎 しちょうしゃ から東 ひがし に延 の びるブールバール の並木道 なみきみち の地下 ちか 駐車 ちゅうしゃ 場 じょう で見 み ることができる。ホセ・ゴイコアやラモン・コルタサールが都市 とし 計画 けいかく を任 にん じられ、新 しん 古典 こてん 主義 しゅぎ のパリ様式 ようしき で道路 どうろ が直行 ちょっこう するレイアウトがミラマール宮殿 きゅうでん 、コンチャ遊歩道 ゆうほどう などと組 く み合 あ わされた[17] 。フランスの王族 おうぞく 貴族 きぞく が夏 なつ の間 あいだ をビアリッツ で過 す ごすように、スペイン王室 おうしつ は夏 なつ の離宮 りきゅう (英語 えいご 版 ばん ) としてサン・セバスティアンを選択 せんたく し、ミラマール宮殿 きゅうでん やアジェテ宮殿 きゅうでん などの邸宅 ていたく を建 た てた。スペインの貴族 きぞく や外交 がいこう 使節 しせつ などもこれに従 したが ってサン・セバスティアンに移転 いてん した。ラ・コンチャ海岸 かいがん の造船 ぞうせん 所 しょ 群 ぐん が邸宅 ていたく 建設 けんせつ の支障 ししょう となったため、造船 ぞうせん 所 しょ 群 ぐん はサン・セバスティアンの旧 きゅう 市街 しがい 近 ちか くにあるパサイア に移転 いてん した。
第 だい 三 さん 次 じ カルリスタ戦争 せんそう 中 なか の1875年 ねん には町 まち を砲撃 ほうげき が襲 おそ い、1876年 ねん には詩人 しじん のビリンチュ (英語 えいご 版 ばん ) が死去 しきょ した[22] 。スペイン王 おう アルフォンソ12世 せい が死去 しきょ した1885年 ねん 以降 いこう には、アルフォンソ12世 せい の妻 つま マリア・クリスティーナ が毎年 まいとし 従者 じゅうしゃ を連 つ れて夏季 かき の間 あいだ 滞在 たいざい し、ミラマール宮殿 きゅうでん に宿泊 しゅくはく した。マリア・クリスティーナの名前 なまえ はマリア・クリスティーナ橋 きょう やホテル・マリア・クリスティーナなどに残 のこ っている。1887年 ねん には7,000 m2 もの敷地 しきち にダンスやカジノのためのグランド・カジノ(現在 げんざい の市庁舎 しちょうしゃ の場所 ばしょ )が建設 けんせつ された。カルデレロスやタンボラーダなどのイベントが開催 かいさい されるようになり、またスペイン語 ご やバスク語 ご で新聞 しんぶん や文学 ぶんがく 作品 さくひん が書 か かれるようになった。1897年 ねん には建築 けんちく 家 か マヌエル・デ・エチャーベによって新 しん 市街 しがい の中心 ちゅうしん にサン・セバスティアン大 だい 聖堂 せいどう が完成 かんせい 。1912年 ねん にはビクトリア・エウヘニア劇場 げきじょう (スペイン語 ご 版 ばん ) が完成 かんせい し、落成 らくせい 式 しき にはスペイン国王 こくおう アルフォンソ13世 せい も臨席 りんせき した[14] 。
サン・セバスティアンは本格 ほんかく 的 てき な海岸 かいがん リゾート地 ち に発展 はってん し、またアンティグア区 く や市 し 郊外 こうがい では工業 こうぎょう も発展 はってん した。第 だい 一 いち 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん の勃発 ぼっぱつ 後 ご 、サン・セバスティアンは国際 こくさい 的 てき な文化 ぶんか 人 じん や政治 せいじ 家 か から注目 ちゅうもく を集 あつ めるようになり[22] 、マタ・ハリ (諜報 ちょうほう 員 いん )、レフ・トロツキー (政治 せいじ 家 か )、モーリス・ラヴェル (作曲 さっきょく 家 か )、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック (画家 がか )、ロマノーネス (英語 えいご 版 ばん ) (政治 せいじ 家 か )などが滞在 たいざい した。1920年代 ねんだい から1930年代 ねんだい には様々 さまざま な合理 ごうり 主義 しゅぎ 建築 けんちく のランドマークが建設 けんせつ された。これらは通常 つうじょう は白色 はくしょく や薄 うす い色調 しきちょう であり、ラ・エキタティーバ、ナウティコ、エアソなどが有名 ゆうめい である。1924年 ねん から1926年 ねん には市 し の南端 なんたん 部分 ぶぶん でウルメア川 がわ の運河 うんが 化 か が実行 じっこう された。1923年 ねん にはミゲル・プリモ・デ・リベラ が軍事 ぐんじ 独裁 どくさい 政権 せいけん を確立 かくりつ したが、プリモ・デ・リベラの独裁 どくさい 下 か での弾圧 だんあつ はサン・セバスティアンには及 およ ばなかった。1924年 ねん には権威 けんい 主義 しゅぎ 政権 せいけん によって賭博 とばく 禁止 きんし 令 れい が発令 はつれい され、1887年 ねん 設立 せつりつ のグランド・カジノと1921年 ねん 設立 せつりつ のクルサール は存続 そんぞく に苦 くる しんだ。1930年 ねん 8月 がつ 、ニセト・アルカラ=サモラ (英語 えいご 版 ばん ) やミゲル・マウラ率 ひき いる共和 きょうわ 派 は はスペイン第 だい 二 に 共和 きょうわ 政 せい につながるサン・セバスティアン協定 きょうてい を締結 ていけつ した。
1936年 ねん 2月 がつ には左派 さは が結集 けっしゅう してスペイン人民戦線 じんみんせんせん が政権 せいけん を奪取 だっしゅ 。マドリード に戒厳 かいげん 令 れい が引 ひ かれるなど政情 せいじょう が不安定 ふあんてい になったため、各国 かっこく の外交 がいこう 官 かん 、大使館 たいしかん 員 いん らはフランス国境 こっきょう に近 ちか いサン・セバスティアンに滞在 たいざい するようになった[24] 。
同年 どうねん 7月 がつ 18日 にち にはフランシスコ・フランコ を中心 ちゅうしん とした反乱 はんらん 軍 ぐん (英語 えいご 版 ばん ) が決起 けっき してスペイン内戦 ないせん が勃発 ぼっぱつ 。翌月 よくげつ にはサン・セバスティアンにも戦火 せんか が及 およ び始 はじ めたため、日本 にっぽん の矢野 やの 真 しん 大使 たいし を含 ふく む各国 かっこく の外交 がいこう 官 かん たちはフランスへ脱出 だっしゅつ し始 はじ めた[25] 。
当初 とうしょ 、バスク民族 みんぞく 主義 しゅぎ 者 しゃ ・アナーキスト・共産 きょうさん 主義 しゅぎ 者 しゃ による抵抗 ていこう 運動 うんどう によって反乱 はんらん 軍 ぐん (英語 えいご 版 ばん ) (ナショナリスト派 は 、国民 こくみん 戦線 せんせん 軍 ぐん )が敗北 はいぼく したが[26] 、共和 きょうわ 派 は の労働 ろうどう 総 そう 同盟 どうめい (UGT)はバスク民族 みんぞく 主義 しゅぎ 者 しゃ に対 たい して恐怖 きょうふ 政治 せいじ を行 おこな った。同年 どうねん 末 まつ にはバスク地方 ちほう もナショナリスト派 は の手 て に落 お ち[27] 、1937年 ねん にはフランコを統 すべ 領 りょう とするファランヘ党 とう の支配 しはい 下 か に置 お かれた。占領 せんりょう 状態 じょうたい は市民 しみん に悲惨 ひさん な生活 せいかつ を強 つよ い、市長 しちょう を含 ふく めた380人 にん がナショナリスト派 は によって処刑 しょけい された。多 おお くの子 こ どもたちは国外 こくがい に逃 のが れ、推定 すいてい 40,000人 にん から50,000人 にん がサン・セバスティアンから脱出 だっしゅつ した。戦争 せんそう の余波 よは で都市 とし は貧困 ひんこん ・飢餓 きが ・抑圧 よくあつ 状態 じょうたい となり、物資 ぶっし の密輸 みつゆ が蔓延 まんえん した。多 おお くの共和党 きょうわとう 員 いん が過酷 かこく で不快 ふかい な条件 じょうけん のオンダレータ刑務所 けいむしょ (1948年 ねん に解体 かいたい )に勾留 こうりゅう された。1940年代 ねんだい 末 まつ から1950年代 ねんだい 初頭 しょとう には工業 こうぎょう が発展 はってん し、ウルメア川 がわ 河口 かわくち 部 ぶ の湿地 しっち や河岸 かわぎし にあるエヒア区 く やアマラ・ベリ区 く などが都市 とし 拡大 かくだい への道 みち を開 ひら いた。
1943年 ねん には旧 きゅう 市街 しがい の自宅 じたく でバスク研究 けんきゅう を開始 かいし したエルビラ・シピトリアによってバスク語 ご 学校 がっこう (イカストラ)の種 たね がまかれた。1947年 ねん には市庁舎 しちょうしゃ がコンスティトゥシオ広場 ひろば (憲法 けんぽう 広場 ひろば )からグランド・カジノの建物 たてもの に移転 いてん した[17] 。1953年 ねん には町 まち の国内 こくない 的 てき ・国際 こくさい 的 てき な知名度 ちめいど 向上 こうじょう や経済 けいざい への好影響 こうえいきょう のために第 だい 1回 かい サン・セバスティアン国際 こくさい 映画 えいが 祭 さい が開催 かいさい された。工業 こうぎょう 生産 せいさん の成長 せいちょう がスペイン各地 かくち からの大 だい 規模 きぼ な移民 いみん に拍車 はくしゃ をかけ、人口 じんこう は著 いちじる しく増加 ぞうか 。アルツァ区 く 、インチャウロンド区 く 、ミラクルス=ビデビエタ区 く など、市街地 しがいち 中心 ちゅうしん 部 ぶ から数 すう キロ離 はな れた郊外 こうがい では急速 きゅうそく で混沌 こんとん とした都市 とし 開発 かいはつ が行 おこな われ、社会 しゃかい 的 てき ・文化 ぶんか 的 てき ・政治 せいじ 的 てき 矛盾 むじゅん と不平等 ふびょうどう が不満 ふまん を増大 ぞうだい させた。特 とく に武装 ぶそう 分離 ぶんり 独立 どくりつ 組織 そしき バスク祖国 そこく と自由 じゆう (ETA)や地下 ちか 組織 そしき のバスク民族 みんぞく 主義 しゅぎ 者 しゃ などによって牽引 けんいん された抗議 こうぎ 運動 うんどう やストリートデモの風潮 ふうちょう は、1968年 ねん のギプスコア県 けん 初 はつ の非常 ひじょう 事態 じたい 宣言 せんげん の引 ひ き金 がね となった1975年 ねん には独裁 どくさい 政権 せいけん のフランコ将軍 しょうぐん が死去 しきょ し、フランコイストの当局 とうきょく によってさらなる重 おも しが科 か された。
不安定 ふあんてい な経済 けいざい 状況 じょうきょう と不動産 ふどうさん 投機 とうき 状況 じょうきょう の過程 かてい で、1973年 ねん に町 まち の象徴 しょうちょう 的 てき な建物 たてもの だったグロス区 く の旧 きゅう クルサール とチョフレ闘牛 とうぎゅう 場 じょう が解体 かいたい された[22] 、1977年 ねん には彫刻 ちょうこく 家 か のエドゥアルド・チリーダ や芸術 げいじゅつ 家 か のペーニャ・ガンチェギによる彫刻 ちょうこく 作品 さくひん 『風 ふう の櫛 くし 』が完成 かんせい 。この作品 さくひん はラ・コンチャ湾 わん 西端 せいたん に設置 せっち され、完成 かんせい までに25年 ねん が費 つい やされた[28] 。1970年代 ねんだい から1980年代 ねんだい 中 なか ごろは都市 とし と社会 しゃかい の崩壊 ほうかい の時代 じだい だった。1979年 ねん にはスペイン初 はつ の民主 みんしゅ 的 てき 地方 ちほう 選挙 せんきょ が開催 かいさい され、バスク民族 みんぞく 主義 しゅぎ 党 とう (EAJ-PNV)が勝利 しょうり 。バスク民族 みんぞく 主義 しゅぎ 党 とう は1991年 ねん まで分派 ぶんぱ のバスク連帯 れんたい (英語 えいご 版 ばん ) (EA)と共同 きょうどう した。1991年 ねん にはスペイン社会労働党 しゃかいろうどうとう のオドン・エロルサが市長 しちょう に当選 とうせん し、約 やく 20年間 ねんかん に渡 わた って市長 しちょう を務 つと めた。
1990年代 ねんだい にはサン・セバスティアンの新 しん 古典 こてん 主義 しゅぎ や現代 げんだい 主義 しゅぎ 建築 けんちく の価値 かち を高 たか めることを狙 ねら い、市 し 中心 ちゅうしん 部 ぶ の改良 かいりょう 事業 じぎょう が着手 ちゃくしゅ された。注目 ちゅうもく すべき事業 じぎょう には、ラ・スリオラ海岸 かいがん や海岸 かいがん 遊歩道 ゆうほどう の再 さい 整備 せいび と拡張 かくちょう 、旧 きゅう クルサール跡地 あとち へのクルサール国際 こくさい 会議 かいぎ 場 じょう ・公会堂 こうかいどう の建設 けんせつ [22] 、イバエタ区 く のナバラ大学 だいがく の新 しん キャンパスと技術 ぎじゅつ 設備 せつび の建設 けんせつ 、広範 こうはん な自転車 じてんしゃ レーン網 もう の提供 ていきょう 、地下 ちか 駐車 ちゅうしゃ 場 じょう の建設 けんせつ とメトロ・ドノスティアルデア など公共 こうきょう 交通 こうつう 機関 きかん の改善 かいぜん などがある。イバエタ区 く やロイオラ区 く などは現代 げんだい 的 てき な都市 とし 設計 せっけい がなされたが、重要 じゅうよう な計画 けいかく のいくつかは自治体 じちたい の財政 ざいせい 状況 じょうきょう との天秤 てんびん に掛 か けられている。2011年 ねん の市長 しちょう 選挙 せんきょ ではエロルサが敗北 はいぼく し、ビルドゥ のフアン・カルロス・イサギーレが当選 とうせん する予想 よそう 外 がい の結末 けつまつ となった[22] 。
1979年 ねん にはスペイン民主 みんしゅ 化 か 後 ご 初 はつ の地方 ちほう 選挙 せんきょ が開催 かいさい され、バスク民族 みんぞく 主義 しゅぎ 党 とう (EAJ-PNV)が勝利 しょうり 。1987年 ねん にはバスク民族 みんぞく 主義 しゅぎ 党 とう からバスク連帯 れんたい (英語 えいご 版 ばん ) (EA)が分派 ぶんぱ し、1991年 ねん まで協同 きょうどう した。1991年 ねん にはスペイン社会労働党 しゃかいろうどうとう (PSOE)のオドン・エロルサが市長 しちょう に当選 とうせん し、約 やく 20年間 ねんかん に渡 わた って市長 しちょう を務 つと めた。
2011年 ねん 5月 がつ 22日 にち に行 おこな われた自治体 じちたい 選挙 せんきょ において、同年 どうねん 4月 がつ に設立 せつりつ されたばかりの政党 せいとう 連合 れんごう ビルドゥ が24.29%の票 ひょう を獲得 かくとく し、第 だい 一 いち 政治 せいじ 勢力 せいりょく となった。獲得 かくとく 評議 ひょうぎ 員数 いんずう は、ビルドゥ:8、バスク社会党 しゃかいとう (PSE-EE):7、バスク国民党 こくみんとう (PPVasco):6、バスク民族 みんぞく 主義 しゅぎ 党 とう (EAJ-PNV):6となった[29] 。自治体 じちたい 首長 しゅちょう にはビルドゥのフアン・カルロス・イサギーレ (スペイン語 ご 版 ばん ) が選出 せんしゅつ され、就任 しゅうにん 後 ご すぐに自治体 じちたい 庁舎 ちょうしゃ 内 ない の式典 しきてん などで使用 しよう されるサロンからスペイン国王 こくおう の肖像 しょうぞう 画 が を取 と り外 はず した[30] 。
エスパーニャ・ベルデ にあるサン・セバスティアンは西岸 せいがん 海洋 かいよう 性 せい 気候 きこう (Cfb)である。メキシコ湾 わん からの暖流 だんりゅう の影響 えいきょう で高緯度 こういど の割 わり には温暖 おんだん で、暑 あつ くはないが暖 あたた かい夏季 かき 、寒 さむ くはないが涼 すず しい冬季 とうき を持 も つ。西岸 せいがん 海洋 かいよう 性 せい 気候 きこう の多 おお くの都市 とし と同様 どうよう に、年間 ねんかん の大半 たいはん は曇 くも りかどんよりした天気 てんき である。年間 ねんかん 降水 こうすい 量 りょう は約 やく 1,750mm とある程度 ていど の量 りょう があり、年間 ねんかん を通 つう じてまんべんなく降雨 こうう がある。しかし、夏季 かき にはやや乾燥 かんそう して目立 めだ って天候 てんこう が良 よ く、この数 すう か月 げつ 間 あいだ の平均 へいきん 降水 こうすい 量 りょう は約 やく 100mmである。1月の平均 へいきん 気温 きおん は摂氏 せっし 約 やく 9度 ど 、8月 がつ の平均 へいきん 気温 きおん は摂氏 せっし 約 やく 21度 ど である。
サン・セバスティアンの気候 きこう
月 つき
1月 がつ
2月 がつ
3月 がつ
4月 がつ
5月
6月 がつ
7月 がつ
8月 がつ
9月
10月
11月
12月
年 とし
平均 へいきん 最高 さいこう 気温 きおん °C (°F )
12.8 (55)
13.9 (57)
15.4 (59.7)
16.8 (62.2)
20.0 (68)
22.3 (72.1)
24.7 (76.5)
25.2 (77.4)
23.7 (74.7)
20.4 (68.7)
15.8 (60.4)
13.7 (56.7)
18.7 (65.7)
日 にち 平均 へいきん 気温 きおん °C (°F )
8.6 (47.5)
9.5 (49.1)
10.9 (51.6)
12.4 (54.3)
15.7 (60.3)
18.2 (64.8)
20.6 (69.1)
21.0 (69.8)
19.0 (66.2)
15.8 (60.4)
11.5 (52.7)
9.6 (49.3)
14.4 (57.9)
平均 へいきん 最低 さいてい 気温 きおん °C (°F )
4.4 (39.9)
5.1 (41.2)
6.4 (43.5)
8.0 (46.4)
11.3 (52.3)
14.0 (57.2)
16.4 (61.5)
16.7 (62.1)
14.3 (57.7)
11.2 (52.2)
7.2 (45)
5.5 (41.9)
10.0 (50)
降水 こうすい 量 りょう mm (inch)
168 (6.61)
150 (5.91)
144 (5.67)
168 (6.61)
138 (5.43)
96 (3.78)
98 (3.86)
112 (4.41)
138 (5.43)
174 (6.85)
186 (7.32)
167 (6.57)
1,738 (68.43)
平均 へいきん 降水 こうすい 日数 にっすう (≥1 mm)
13
12
12
14
12
10
9
10
10
12
13
12
140
平均 へいきん 降雪 こうせつ 日数 にっすう
1
1
1
0
0
0
0
0
0
0
0
1
4
% 湿度 しつど
75
74
75
77
79
82
83
83
79
76
76
74
78
平均 へいきん 月間 げっかん 日照 ひでり 時間 じかん
95
99
134
135
166
178
192
184
167
131
103
87
1,671
出典 しゅってん :Agencia Estatal de Meteorología[31]
サン・セバスティアンは重要 じゅうよう な学術 がくじゅつ 都市 とし である。モンドラゴン大学 だいがく (本部 ほんぶ はギプスコア県 けん アラサーテ/モンドラゴン )、ナバラ大学 だいがく (本部 ほんぶ はナバラ州 しゅう パンプローナ )、バスク大学 だいがく (UPV/EHU)(本部 ほんぶ はビスカヤ県 けん ビルバオ )、デウスト大学 だいがく (本部 ほんぶ はビルバオ)などがサブキャンパスを構 かま えている。これらの大学 だいがく の二 に 次 じ 研究 けんきゅう 活動 かつどう は、社会 しゃかい 的 てき ・文化 ぶんか 的 てき ・技術 ぎじゅつ 的 てき ・経済 けいざい 的 てき にサン・セバスティアンや近隣 きんりん の都市 とし への影響 えいきょう を増 ま しており、バルセロナ、マドリード、ビルバオ、セビリア 、バレンシア などとともに、スペインの主要 しゅよう な研究 けんきゅう 開発 かいはつ 拠点 きょてん のひとつになりつつある。サン・セバスティアンの研究 けんきゅう 開発 かいはつ 拠点 きょてん では、材料 ざいりょう 科学 かがく 、癌 がん 研究 けんきゅう 、アルツハイマー病 びょう やパーキンソン病 びょう の研究 けんきゅう 、建築 けんちく 学 がく 、高分子 こうぶんし 化学 かがく 、バイオマテリアル 、ナノテクノロジー 、ロボット工学 こうがく 、情報 じょうほう 科学 かがく などの分野 ぶんや をカバーしている。
サン・セバスティアン空港 くうこう
航空 こうくう
サン・セバスティアンの半径 はんけい 120km圏内 けんない にはサン・セバスティアン空港 くうこう 、ビアリッツ=アングレット=バイヨンヌ空港 くうこう 、パンプローナ空港 くうこう 、ビルバオ空港 くうこう 、ビトリア空港 くうこう の5空港 くうこう がある。サン・セバスティアンからもっとも近 ちか い空港 くうこう は東 ひがし 15kmのオンダリビア にあるサン・セバスティアン空港 くうこう である。サン・セバスティアン空港 くうこう はスペイン=フランス国境 こっきょう を流 なが れるビダソア川 がわ に近接 きんせつ しており、1,800mの滑走 かっそう 路 ろ 1本 ほん を備 そな えている。国内線 こくないせん のみが運行 うんこう されており、イベリア航空 こうくう がマドリード に、ブエリング航空 こうくう がバルセロナ に向 む けてそれぞれ定期 ていき 便 びん を運航 うんこう している。サン・セバスティアン空港 くうこう からもっとも近 ちか い国際 こくさい 空港 くうこう はフランスのビアリッツ=アングレット=バイヨンヌ空港 くうこう (32km)であり、スペイン領土 りょうど に限定 げんてい すればビルバオ空港 くうこう (117km)である。ビルバオ空港 くうこう からはPESAとALSAがサン・セバスティアン行 い きのバスを運行 うんこう しており、60分 ふん から90分 ふん 程度 ていど で到着 とうちゃく する。
鉄道 てつどう
広軌 こうき のレンフェ (スペイン国鉄 こくてつ )はサン・セバスティアンの中心 ちゅうしん 駅 えき としてサン・セバスティアン北 きた 駅 えき を、狭軌 きょうき のバスク鉄道 てつどう はサン・セバスティアンの中心 ちゅうしん 駅 えき としてアマラ駅 えき (頭 あたま 端 はし 式 しき ホーム )を使用 しよう している。レンフェはサン・セバスティアン近郊 きんこう で通勤 つうきん 鉄道 てつどう のセルカニアス サン・セバスティアンを運行 うんこう しており、イルン 、サン・セバスティアン北 きた 駅 えき 、トローサ 、スマラガ などを結 むす んでいる。バスク鉄道 てつどう はサン・セバスティアン近郊 きんこう でラピッド・トランジット のメトロ・ドノスティアルデア を運行 うんこう しており、アンダイエ (フランス)、イルン、エレンテリア 、アマラ駅 えき 、ラサルテ=オリア などを結 むす んでいる。
レンフェはマドリードとイルンの間 あいだ で長距離 ちょうきょり 高速 こうそく 列車 れっしゃ のアルビア を運行 うんこう しており、その一部 いちぶ がサン・セバスティアン北 きた 駅 えき に達 たっ している。アルビアにはレンフェ120系 けい 電車 でんしゃ が使用 しよう される。2017年 ねん にはバスク自治 じち 州 しゅう 3県 けん の県 けん 都 と を結 むす ぶ高速 こうそく 鉄道 てつどう ネットワークであるバスクY が運行 うんこう 開始 かいし される予定 よてい である。バスクYはサン・セバスティアン、ビスカヤ県 けん の県 けん 都 と ビルバオ 、アラバ県 けん の県 けん 都 と ビトリア=ガステイス の3都市 とし を「Y」字 じ 状 じょう に結 むす んでおり、3県 けん 都 と 間 あいだ の所要 しょよう 時間 じかん が大幅 おおはば に短縮 たんしゅく される。
モンテ・イゲルドにはイゲルド・ケーブルカー が伸 の びている。1912年 ねん 開通 かいつう のイゲルド・ケーブルカーは赤色 あかいろ の車体 しゃたい が特徴 とくちょう であり、標高 ひょうこう 差 さ 151mを約 やく 3分 ふん で登 のぼ る。モンテ・イゲルドの山頂 さんちょう には展望 てんぼう 台 だい があり、サン・セバスティアンの市街地 しがいち 、ラ・コンチャ湾 わん 、湾 わん に浮 う かぶサンタ・クララ島 とう 、対岸 たいがん のモンテ・ウルグル を見晴 みは らすことができる。
道路 どうろ 交通 こうつう
バスク地方 ちほう の海岸 かいがん 沿 ぞ いを走 はし る有料 ゆうりょう 高速 こうそく 道路 どうろ のAP-8号線 ごうせん で欧州 おうしゅう 道路 どうろ 網 もう と結 むす ばれており、AP-8号線 ごうせん はまたイルン 、エイバル 、ビルバオ などスペイン北部 ほくぶ の他 た 都市 とし とサン・セバスティアンを接続 せつぞく している。サン・セバスティアン市内 しない ではドノスティアバス(Dバス)という近距離 きんきょり 路線 ろせん バスが運行 うんこう されている。2005年 ねん には市民 しみん 1人 にん あたり年間 ねんかん 145.36回 かい 乗車 じょうしゃ した計算 けいさん となり、スペインでもっとも利用 りよう 率 りつ が高 たか いバスのひとつである。ルラルデバスはサン・セバスティアンからビルバオ、ビトリア、レケイティオ などバスク自治 じち 州 しゅう の他 た 都市 とし に向 む かう中距離 ちゅうきょり 路線 ろせん バスを運行 うんこう している。PESAとALSAはサン・セバスティアン市内 しない からサン・セバスティアン空港 くうこう 行 い きのバスを運行 うんこう している。
サン・セバスティアン国際 こくさい 映画 えいが 祭 さい の会場 かいじょう
サン・セバスティアンには優 すぐ れた文化 ぶんか シーンがあり、特 とく に夏季 かき には様々 さまざま なフェスティバルが開催 かいさい される。サン・セバスティアンはポーランドのヴロツワフ とともに2016年 ねん の欧州 おうしゅう 文化 ぶんか 首都 しゅと に選定 せんてい されており、「人々 ひとびと のエネルギーの波 なみ 」をスローガンとしている。
7月 がつ 第 だい 3週 しゅう にはジャサルディア (サン・セバスティアン国際 こくさい ジャズフェスティバル)が開催 かいさい される。1966年 ねん に初 はつ 開催 かいさい されたこのジャズフェスティバルはヨーロッパでもっとも長 なが い歴史 れきし を持 も つジャズイベントのひとつであり、市内 しない 各所 かくしょ で、時 とき には入場 にゅうじょう 無料 むりょう でジャズセッションが行 おこな われる。サン・セバスティアン音楽 おんがく 週間 しゅうかん はクラシック音楽 おんがく の音楽 おんがく 祭 さい であり、8月 がつ の1か月 げつ 間 あいだ に様々 さまざま なイベントが開催 かいさい される。9月にはサン・セバスティアン国際 こくさい 映画 えいが 祭 さい が開催 かいさい される。この映画 えいが 祭 さい は50年 ねん 以上 いじょう の歴史 れきし があり、クルサール国際 こくさい 会議 かいぎ 場 じょう ・公会堂 こうかいどう とビクトリア・エウヘニア劇場 げきじょう を会場 かいじょう としている。映画 えいが 監督 かんとく や俳優 はいゆう らはホテル・マリア・クリスティーナなどに宿泊 しゅくはく することで知 し られている[15] 。
ストリート・シネマ(Street Zinema)は現代 げんだい アートと都市 とし 文化 ぶんか を探求 たんきゅう する国際 こくさい 的 てき な視聴覚 しちょうかく フェスティバルである。その他 た の人気 にんき イベントには10月 がつ に行 おこな われるホラー&ファンタジー・フェスティバルなどがあり、2010年 ねん には21回 かい 目 め を迎 むか えた。サンフィルム・フェスティバルはサーフィン映像 えいぞう に特 とく 化 か した映画 えいが 祭 さい である。
タンボラーダ
タンボラーダ
毎年 まいとし 1月 がつ 20日 はつか は聖 せい セバスティアン の祭日 さいじつ であり、サン・セバスティアン市民 しみん はタンボラーダ (スペイン語 ご 版 ばん ) と呼 よ ばれる祝宴 しゅくえん を行 おこな う。日本語 にほんご ではサン・セバスティアンの太鼓 たいこ 祭 まつ りとも[32] 。祝宴 しゅくえん の開始 かいし は前日 ぜんじつ の19日 にち 午後 ごご 8時 じ [33] 。旧 きゅう 市街 しがい のコンスティトゥシオ広場 ひろば (憲法 けんぽう 広場 ひろば )で市長 しちょう が市 し 旗 はた を掲 かか げると、それから24時 じ 間 あいだ は市 し 全体 ぜんたい が太鼓 たいこ の音 おと で満 み ちあふれる。大人 おとな は白 しろ いエプロンやコック帽 ぼう をまとってコックに扮装 ふんそう するなどし、コックと兵士 へいし の衣装 いしょう を着 き た参加 さんか 者 しゃ が夜中 よなか ずっと町 まち を練 ね り歩 ある く[34] 。
この祭 まつ りの起源 きげん は、ナポレオン戦争 せんそう 中 なか にフランスの占領 せんりょう 軍 ぐん が毎日 まいにち モンテ・ウルグル からサン・テルモまで行進 こうしん したのを、スペイン人 じん の商人 しょうにん (コックを含 ふく む)がそのまねをしながらあざ笑 わら ったことによると言 い われる。のちに、この行列 ぎょうれつ はビセンテ・"チキ"・ブエネチェアが樽 たる を太鼓 たいこ として寄贈 きぞう したことで発展 はってん した。
大人 おとな たちは一般 いっぱん 的 てき に、行列 ぎょうれつ に必要 ひつよう なものが提供 ていきょう されるバスク美食 びしょく クラブ (英語 えいご 版 ばん ) (チョコ)で夕食 ゆうしょく を取 と る。伝統 でんとう 的 てき には男性 だんせい のみが行列 ぎょうれつ への参加 さんか を認 みと められるが、今日 きょう では厳格 げんかく な参加 さんか 者 しゃ でもタンボラーダの夜 よる に女性 じょせい が参加 さんか することを認 みと めている。彼 かれ らは自 みずか らが料理 りょうり した海産物 かいさんぶつ の食事 しょくじ を取 と り、上等 じょうとう のワインを飲 の む。伝統 でんとう 的 てき にはシラスウナギ 料理 りょうり だが、法外 ほうがい な値段 ねだん となってしまったためにもはやシラスウナギが提供 ていきょう されることはない。サン・セバスティアン市民 しみん にとってはタンボラーダが一 いち 年 ねん でもっとも重要 じゅうよう な祭 まつり である。一 いち 晩 ばん 中 ちゅう 太鼓 たいこ の音 おと を聞 き いた後 のち で、子 こ どもたちは子 こ ども版 ばん のタンボラーダに参加 さんか する。子供 こども たちは伝統 でんとう 的 てき に兵士 へいし の格好 かっこう をして街 まち を練 ね り歩 ある く。たいていはその衣装 いしょう は特定 とくてい の国 くに (イギリス、ドイツ、ルーマニアなど)を表 あらわ すものである。
サンタ・アヘダ・ベスペラ
聖 せい アガタ のイブは1月 がつ 末 まつ か2月 がつ 初頭 しょとう にバスク地方 ちほう の多 おお くの町 まち で行 おこな われる伝統 でんとう 的 てき な行事 ぎょうじ である。バスクの伝統 でんとう 的 てき な農民 のうみん の衣服 いふく を着 き た集団 しゅうだん が地区 ちく 内 ない を行進 こうしん し、聖 せい アガタの曲 きょく のリズムに合 あ わせて歌 うた ったり特徴 とくちょう 的 てき な棒 ぼう きれを振 ふ り回 まわ したりする[34] 。歌 うた い手 て は家々 いえいえ で小規模 しょうきぼ な寄付 きふ を求 もと め、き手 きて はお金 かね や飲 の み物 もの や食 た べ物 もの などを差 さ し出 だ す。
セマナ・グランデ
スペイン語 ご ではセマナ・グランデ、バスク語 ご ではアステ・ナグシア(英語 えいご ではビッグ・ウィーク)と呼 よ ばれるイベントが毎年 まいとし 8月 がつ 中旬 ちゅうじゅん に開催 かいさい される。セマナ・グランデ期間 きかん 中 ちゅう には世界 せかい 的 てき な花火 はなび 大会 たいかい が開催 かいさい され、海岸 かいがん では連夜 れんや 花火 はなび が打 う ち上 あ げられる。最終 さいしゅう 日 び には花火 はなび 大会 たいかい の優勝 ゆうしょう 者 しゃ が発表 はっぴょう される[34] 。連夜 れんや ヒガンテスとカベスドス (巨 きょ 大人 おとな 形 がた )のパレードが行 おこな われる。
バスク週間 しゅうかん
9月 がつ 初頭 しょとう にはバスク文化 ぶんか に関 かん するバスク週間 しゅうかん と呼 よ ばれる行事 ぎょうじ が何 なん 十 じゅう 年 ねん も続 つづ いており、伝統 でんとう 的 てき なベルチョラリ (即興 そっきょう 詩人 しじん )、バスク・ペロタ 、ハリハソツァイレアク(大石 おおいし の持 も ち上 あ げ)、イディ・プロバク(牛 うし の賭 か け)、ダンスコンテスト、サガルド (リンゴ酒 しゅ )の試飲 しいん 会 かい などが行 おこな われる。ハイライトとなるのはエストロパダク(ボート競技 きょうぎ )であり、ビスケー湾 わん 沿 ぞ いの様々 さまざま な町 まち がラ・コンチャ旗 はた を懸 か けて戦 たたか う。ビスケー湾 わん 沿岸 えんがん 地域 ちいき からは数 すう 千 せん 人 にん もの応援 おうえん 団 だん がやってきて、特 とく に最終 さいしゅう レースが行 おこな われる日曜日 にちようび には湾 わん を見下 みお ろす通 とお りに詰 つ めかける。
カルデレロス
カルデレロスは、カーニバル に先立 さきだ つ2月 がつ 第 だい 1土曜日 どようび に行 おこな われる地元 じもと のフェスティバルである。市民 しみん がロマ (ジプシー)の衣装 いしょう に身 み を包 つつ み、金 かな づちやスプーンで鍋 なべ やフライパンをリズミカルに叩 はた きながら通 とお りに向 む かう。伝統 でんとう 的 てき な歌 うた を歌 うた ったりはしご酒 ざけ をすることもある。以前 いぜん は男性 だんせい のみが参加 さんか していたが、現在 げんざい は女性 じょせい も参加 さんか して歌 うた うことがある。このフェスティバルは2009年 ねん に125周年 しゅうねん を迎 むか えた。
サント・トマス
冬 ふゆ の寒 さむ さに包 つつ まれた12月21日 にち に行 おこな われるサント・トマスの祭礼 さいれい は人気 にんき がある。ギプスコア県 けん 全体 ぜんたい からに飛 と びとが集 あつ まり、早朝 そうちょう から市 し 中心 ちゅうしん 部 ぶ や旧 きゅう 市街 しがい の通 とお りを露店 ろてん が埋 う める。群衆 ぐんしゅう は伝統 でんとう 的 てき なバスク農民 のうみん の衣装 いしょう を着 き ることもある。伝統 でんとう 的 てき ・典型 てんけい 的 てき な商品 しょうひん が露店 ろてん で販売 はんばい され、飲 の み物 もの ではリンゴ酒 しゅ が中心 ちゅうしん であり、スナックではチョストラ(細 ほそ く燻 いぶ っていないチョリソ )が乗 の せられたタロス(薄 うす い円形 えんけい のパン)が一番 いちばん 人気 にんき である。コンスティトゥシオ広場 ひろば には大 だい 豚 ぶた が飾 かざ られ、祭典 さいてん 期間 きかん 中 ちゅう に販売 はんばい されるくじの景品 けいひん となる[34] 。
オレンツェロ
バスクの他 ほか の町 まち や村 むら と同様 どうよう に、12月24日 にち のクリスマスイブ にはオレンツェロが行 おこな われる。讃 さん 美歌 みか の歌 うた い手 て がバスク農民 のうみん を模 も した衣装 いしょう をまとって通 とお りに出 で て、バル 、商店 しょうてん 、銀行 ぎんこう などでそのレパートリーを見 み せた後 のち に小規模 しょうきぼ な寄付 きふ を募 つの る。例 たと えば31日 にち などクリスマス後 ご にオレンツェロが合唱 がっしょう されることもあり、その場合 ばあい は文化 ぶんか 的 てき ・社会 しゃかい 的 てき ・政治 せいじ 的 てき な団体 だんたい やその要求 ようきゅう に関連付 かんれんづ けられることが多 おお い。
バスク交響 こうきょう 楽団 がくだん - 1982年 ねん にバスク州 しゅう 政府 せいふ によって設立 せつりつ された。サン・セバスティアン市内 しない に本部 ほんぶ がある[35] 。
オルフェオン・ドノスティアラ - 1897年 ねん 設立 せつりつ の合唱 がっしょう 団 だん で、国内外 こくないがい で多 おお く表彰 ひょうしょう されている。パルテ・ヴィエハ地区 ちく に本部 ほんぶ がある。
コーロ・エアソ - 1939年 ねん 設立 せつりつ の男声 だんせい 合唱 がっしょう 団 だん [36] 。バスク州 しゅう 内 ない では特 とく に評価 ひょうか されている有名 ゆうめい 団体 だんたい であり、アジェテ地区 ちく に本部 ほんぶ がある。
ザ・ゴールデン・アップル・カルテット - 1986年 ねん 結成 けっせい の4人組 にんぐみ のアカペラ・ボーカルグループ。ユーモアのあることでバスク州 しゅう の外 そと でもよく知 し られている。
旧 きゅう 市街 しがい のバル で出 だ されるピンチョス
サン・セバスティアンはバスク料理 りょうり と美食 びしょく (ガストロノミー )の文化 ぶんか で知 し られている。サン・セバスティアンとその周辺 しゅうへん の地区 ちく はミシュランガイド (レッドミシュラン)に記載 きさい される星 ほし 付 つ きレストランの宝庫 ほうこ であり、『アルサック 』(ミラクルス=ビデビエタ区 く )、『ベラサテギ 』(郊外 こうがい のラサルテ=オリア )、『アケラレ』(アンティグア区 く イゲルド)、『ムガリッツ 』(郊外 こうがい のエレンテリア )などの星 ほし 付 つ きレストランがある[37] 。2014年版 ねんばん レッドミシュランにおいて、スペインの3つ星 ほし レストラン8軒 けん のうち4軒 けん がサン・セバスティアンかその周辺 しゅうへん にあるレストランだった[38] 。さらには、レストラン 誌 し による2013年 ねん の世界 せかい のベスト・レストラン50 では、上位 じょうい 10軒 けん のうち2軒 けん がサン・セバスティアンかその周辺 しゅうへん のレストランだった[39] 。これらの有名 ゆうめい レストランに加 くわ え、旧 きゅう 市街 しがい のバル で提供 ていきょう されるピンチョス と呼 よ ばれるタパス などにも定評 ていひょう があり、サン・セバスティアンはピンチョスの発祥 はっしょう 地 ち である[40] 。1924年 ねん 創業 そうぎょう のオケンドは国内外 こくないがい の映画 えいが スターが訪 おとず れたことで知 し られ、ベルガラはスペインで初 はじ めてピンチョスを提供 ていきょう したことで知 し られる[38] 。また、サン・セバスティアンはバスク美食 びしょく クラブ (英語 えいご 版 ばん ) (チョコ)の発祥 はっしょう の地 ち であり、チョコが初 はじ めて文献 ぶんけん で言及 げんきゅう されたのは1870年 ねん まで遡 さかのぼ る。またサン・セバスティアンには、料理 りょうり 学 がく についてスペインで初 はじ めて大学 だいがく の学位 がくい を認定 にんてい する機関 きかん であるバスク・クリナリー・センターがある[41] 。また、サン・セバスティアンの近郊 きんこう はリンゴを原料 げんりょう とした醸造 じょうぞう 酒 しゅ であるサガルド の産地 さんち として知 し られており[42] 、醸造 じょうぞう 所 しょ 兼 けん レストランであるサガルドテギも多数 たすう ある。なお、サガルドの伝統 でんとう 的 てき な作 つく り方 かた は、空気 くうき 中 ちゅう に浮遊 ふゆう している酵母 こうぼ をリンゴ果汁 かじゅう 中 ちゅう に繁殖 はんしょく させることにより、リンゴ果汁 かじゅう を醗酵 はっこう させてアルコール度数 どすう を4パーセントから6パーセント程度 ていど にまでした後 のち に、大 だい 樽 たる に保管 ほかん しておくという手法 しゅほう である[43] 。
2019年 ねん よりコンビニスイーツとして発売 はつばい されている「バスクチーズケーキ 」の発祥 はっしょう もサン・セバスチャンである。当地 とうち のバル、ラ・ヴィーニャのものが元祖 がんそ と語 かた られることが多 おお い。
レアル・ソシエダ
サン・セバスティアンではサッカー 、自転車 じてんしゃ ロードレース 、バスケットボール 、ラグビーユニオン などが人気 にんき である。
サン・セバスティアン最大 さいだい のサッカークラブはレアル・ソシエダ である。レアル・ソシエダは1929年 ねん のリーガ・エスパニョーラ 創設 そうせつ メンバーであり、エスタディオ・アノエタ をホームスタジアムとしている。1980年代 ねんだい 初頭 しょとう に黄金 おうごん 期 き を迎 むか え、1980-81シーズンと1981-82シーズンにはプリメーラ・ディビシオン (1部 ぶ )で2連覇 れんぱ を達成 たっせい 。アノエタはラグビーユニオンのビアリッツ・オランピック やアヴィロン・バイヨネ (いずれも本拠 ほんきょ はフランス)などがホームゲームに使用 しよう することもある。レアル・ソシエダの下部 かぶ 組織 そしき はルイス・アルコナーダ やシャビ・アロンソ などを輩出 はいしゅつ している。レアル・ソシエダに匹敵 ひってき する規模 きぼ のクラブは存在 そんざい しないが、CDバスコニア・ドノスティア、ウニベルシダ・デル・パイス・バスコ=バスコニア(バスク大学 だいがく のチーム)、ベリオ・フットボル・タルデアの3クラブはテルセーラ・ディビシオン (4部 ぶ )に所属 しょぞく したことがある。女子 じょし サッカークラブのアニョルガKKEはプリメーラ・ディビシオン・フェメニーナ (女子 じょし 1部 ぶ )で3度 ど 、コパ・デ・ラ・レイナで3度 ど 優勝 ゆうしょう している。
1981年 ねん から毎年 まいとし 8月 がつ 上旬 じょうじゅん には、サン・セバスティアンをスタート/ゴール地点 ちてん とする自転車 じてんしゃ ロードレースのクラシカ・サン・セバスティアン が開催 かいさい される。クラシカ・サン・セバスティアンはUCIプロツアー に組 く み込 こ まれるワンデーレースであり、かつてはUCI・ロードワールドカップ に組 く み込 こ まれていた。
サン・セバスティアンに本拠地 ほんきょち を置 お くバスケットボールクラブにはリーガACB (1部 ぶ )のサン・セバスティアン・ギプスコアBC がある。1998年 ねん 開場 かいじょう のプラサ・デ・トロス・デ・イルンベをホームアリーナとしている。2005-06シーズンにはLEB(2部 ぶ )で優勝 ゆうしょう してリーガACBに初 はつ 昇格 しょうかく し、2011-12シーズンにはプレーオフに初 はつ 出場 しゅつじょう した。
ラグビーユニオン のチームにはCAサン・セバスティアンがあり、1970年 ねん ・1978年 ねん ・1979年 ねん にはディビシオン・デ・オノール (1部 ぶ )で優勝 ゆうしょう している。バスク自治 じち 州 しゅう やギプスコア県 けん はラグビーユニオンが盛 さか んな地域 ちいき であり、2009年 ねん にスーペル・イベリカ (英語 えいご 版 ばん ) [44] が開催 かいさい された際 さい にはサン・セバスティアンからバスク・コルサリオアクが参加 さんか 6クラブのひとつに選 えら ばれた。2013-14シーズンのディビシオン・デ・オノールにサン・セバスティアンから参加 さんか しているクラブはないが、ギプスコア県内 けんない からはオルディシア とエルナニ から計 けい 2クラブが参加 さんか している。
毎年 まいとし 1月 がつ 最終 さいしゅう 日曜日 にちようび にはサン・セバスティアン国際 こくさい クロスカントリーが開催 かいさい される。1956年 ねん に初 はつ 開催 かいさい され、1950年代 ねんだい 後半 こうはん から1960年代 ねんだい 前半 ぜんはん の優勝 ゆうしょう 者 しゃ にはチェコスロバキアのエミル・ザトペック 、フランスのアラン・ミムン 、エチオピアのマモ・ウォルデ (いずれも夏季 かき オリンピック陸上 りくじょう 競技 きょうぎ 各 かく 種目 しゅもく の金 かね メダリスト)などが名前 なまえ を連 つら ねている。1971年 ねん には男子 だんし 部門 ぶもん に加 くわ えて女子 じょし 部門 ぶもん が開催 かいさい されるようになり、1974年 ねん から1977年 ねん にはIAAF世界 せかい クロスカントリー選手権 せんしゅけん 大会 たいかい 優勝 ゆうしょう 者 しゃ のカルメン・バレーロ が4連覇 れんぱ を達成 たっせい した。
ラ・コンチャ海岸 かいがん
ビスケー湾 わん (大西 おおにし 洋 ひろし )に面 めん して砂浜 すなはま のビーチ が広 ひろ がるラ・コンチャ海岸 かいがん はサン・セバスティアンでもっとも有名 ゆうめい な観光 かんこう スポットであり、夏季 かき には長 なが さ1,350mの砂浜 すなはま が多 おお くの海水浴 かいすいよく 客 きゃく で埋 う め尽 つ くされる。海岸 かいがん に沿 そ って町 まち のシンボルでもある遊歩道 ゆうほどう が設置 せっち されている[14] 。ラ・コンチャ湾 わん にはサンタ・クララ島 とう が浮 う かんでおり、夏季 かき には連絡 れんらく 船 せん で多 おお くの観光 かんこう 客 きゃく がサンタ・クララ島 とう を訪 おとず れる。ラ・コンチャ湾 わん 西端 せいたん 部 ぶ などにはサン・セバスティアン出身 しゅっしん の彫刻 ちょうこく 家 か エドゥアルド・チリーダ の作品 さくひん が展示 てんじ されている。旧 きゅう 市街 しがい から近 ちか いモンテ・ウルグル にはイエス・キリストの像 ぞう や軍事 ぐんじ 施設 しせつ の遺構 いこう が残 のこ っている。対岸 たいがん のモンテ・イゲルドには山麓 さんろく からイゲルド・ケーブルカー が伸 の びており、山頂 さんちょう にはラ・コンチャ海岸 かいがん やモンテ・ウルグルを見渡 みわた せる展望 てんぼう 台 だい や遊 ゆう 園地 えんち などが設置 せっち されている。ウルメア川 がわ にはマリア・クリスティーナ橋 きょう など3本 ほん の記念 きねん 橋 きょう が架 か かっており[14] 、1900年代 ねんだい から1920年代 ねんだい に建設 けんせつ されたこれらの橋 はし はアール・デコ 様式 ようしき の街路 がいろ 灯 とう などを特徴 とくちょう としている。1990年代 ねんだい 以降 いこう にはムンダイス橋 きょう 、レンダカリ・アギーレ橋 きょう 、レアル・ソシエダ橋 きょう 、ミケル・ラボア歩行 ほこう 橋 きょう など何 なん 本 ほん もの橋 はし が新 あたら しく架 か けられており、川岸 かわぎし の景観 けいかん に彩 いろど りを添 そ えている。
バスク料理 りょうり も観光 かんこう 客 きゃく に人気 にんき があり、市内 しない には『アルサック 』や『アケラレ』が、市外 しがい に足 あし を延 の ばすと『ベラサテギ 』や『ムガリッツ 』などの有名 ゆうめい レストランがある。市内 しない には無数 むすう のバル があり、ピンチョス と呼 よ ばれるタパス が提供 ていきょう される。
1921年 ねん にウルメア川 がわ 河口 かわくち 部 ぶ に建設 けんせつ された旧 きゅう クルサールは町 まち の象徴 しょうちょう 的 てき 存在 そんざい であり、1973年 ねん に解体 かいたい されたが、1999年 ねん にクルサール国際 こくさい 会議 かいぎ 場 じょう ・公会堂 こうかいどう (新 しん クルサール)が完成 かんせい した。フレンチスタイルの建築 けんちく が多 おお い旧 きゅう 市街 しがい の中 なか でホセ・ラファエル・モネオ 設計 せっけい の新 しん クルサールは異彩 いさい を放 はな っている。ラ・コンチャ海岸 かいがん 沿 ぞ いにはマリア・クリスティーナ などスペインの王侯 おうこう 貴族 きぞく が別荘 べっそう として使用 しよう したミラマール宮殿 きゅうでん があり、宮殿 きゅうでん 内 ない や庭園 ていえん からはラ・コンチャ海岸 かいがん やサンタ・クララ島 とう が一望 いちぼう できる。
7月 がつ のジャサルディア (サン・セバスティアン国際 こくさい ジャズフェスティバル)、8月 がつ のサン・セバスティアン音楽 おんがく 週間 しゅうかん 、9月のサン・セバスティアン国際 こくさい 映画 えいが 祭 さい は夏季 かき に行 おこな われる観光 かんこう 客 きゃく 向 む けの3大 だい イベントである。
姉妹 しまい 都市 とし
提携 ていけい 都市 とし
友好 ゆうこう 都市 とし
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