犬山いぬやま城しろ

logo 犬山いぬやま城しろ （愛知あいち県けん）
天守てんしゅ（国宝こくほう） （2023年ねん（令れい和わ5年ねん）3月がつ）
別名べつめい	白しろ帝みかど城じょう
城郭じょうかく構造こうぞう	平山ひらやま城しろ
天守てんしゅ構造こうぞう	複ふく合ごう式しき望楼ぼうろう型がた 3層そう4階かい地下ちか2階かい（1601年ねん築きずけ、1620年ねん改あらため）
築城ちくじょう主ぬし	織田おだ信康のぶやす
築城ちくじょう年ねん	1537年ねん（天文てんもん6年ねん）
主おもな改修かいしゅう者しゃ	成瀬なるせ正成まさしげ
主おもな城主じょうしゅ	織田おだ氏し、豊臣とよとみ氏し、石川いしかわ氏し、平岩ひらいわ氏し、成瀬なるせ氏し、公益こうえき財団ざいだん法人ほうじん犬いぬ山城やましろ白しろ帝みかど文庫ぶんこ
廃はい城じょう年ねん	1871年ねん（明治めいじ4年ねん）
遺構いこう	現存げんそん天守てんしゅ、石垣いしがき、土ど塁るい
指定してい文化財ぶんかざい	国宝こくほう（天守てんしゅ） 国くにの史跡しせき
再建さいけん造物ぞうぶつ	櫓ろ、門もん（模擬もぎ）
位置いち	北緯ほくい35度ど23分ふん17.96秒びょう 東経とうけい136度ど56分ふん21.34秒びょう
地図ちず	犬山いぬやま城しろ

犬山いぬやま城しろ（いぬやまじょう）は、尾張おわり国こくと美濃みの国こくの境さかい、木曽川きそがわ南岸なんがんの地ち「犬山いぬやま」（愛知あいち県けん犬山いぬやま市し（旧きゅう丹羽たんば郡ぐん））にあった日本にっぽんの城しろ。天守てんしゅのみが現存げんそんし江戸えど時代じだいまでに建造けんぞうされた「現存げんそん12天守てんしゅ」の一ひとつである。また天守てんしゅが国宝こくほう指定していされた5城しろのうちの一ひとつである（他たは姫路城ひめじじょう・松本まつもと城じょう・彦根城ひこねじょう・松江城まつえじょう）。城跡じょうせきは「犬山いぬやま城跡じょうせき」として、国くにの史跡しせきに指定していされている。日本にっぽんで最後さいごまで個人こじんが所有しょゆうしていた城しろ（2004年ねんまで個人こじん所有しょゆう）である。

概要がいよう

犬山いぬやま城じょう主要しゅよう部ぶの空中くうちゅう写真しゃしん

国土こくど交通省こうつうしょう 国土こくど地理ちり院いん 地図ちず・空中くうちゅう写真しゃしん閲覧えつらんサービスの空中くうちゅう写真しゃしんを基もとに作成さくせい。

木曽川きそがわの犬山いぬやま橋きょうから望のぞむ犬いぬ山城やましろ
（2012年ねん（平成へいせい24年ねん）11月がつ）

尾張おわり国こくと美濃みの国こくの境さかいにあり、木曽川きそがわ沿ぞいの高たかさ約やく88メートルほどの丘おかに築きずかれた平山ひらやま城しろである。別名べつめいの白しろ帝みかど城じょうは木曽川きそがわ沿ぞいの丘上おかうえにある城しろの佇たたずまいを長江ながえ流域りゅういきの丘上おかうえにある白しろ帝みかど城じょうを詠うたった李白りはくの詩し「早はや發はつ白しろ帝みかど城じょう」（早はやに白しろ帝みかど城じょうを発はっす）にちなんで荻生おぎゅう徂徠そらいが命名めいめいしたと伝つたえられる。

前身ぜんしんとなる岩倉いわくら織田おだ氏しの砦とりでを織田おだ信長のぶながの叔父おじ・織田おだ信康のぶやすが改修かいしゅうして築きずいた城しろであり、その後ご、池田いけだ恒ひさし興きょうや織田おだ勝長かつながが入城にゅうじょう、豊臣とよとみ政権せいけんの時ときに石川いしかわ貞清さだきよ（光吉こうきち）が改修かいしゅうし現在げんざいのような形かたちとなった。また、小牧こまき・長久手ながくての戦たたかいや関ヶ原せきがはらの戦たたかいにおける西にし軍ぐんの重要じゅうよう拠点きょてんとなった。

江戸えど時代じだいには尾張おわり藩はんの付づけ家老がろうの平岩ひらいわ親ちかし吉きちが入城にゅうじょうし、成瀬なるせ正成まさしげ以来いらい、成瀬なるせ氏し9代だいが明治めいじまで城主じょうしゅとして居城きょじょうとした。現存げんそんする天守てんしゅが建たてられた年代ねんだいについては天文てんもん期き説せつ、慶長けいちょう期き説せつなどがあるが、現在げんざいのような姿すがたとなったのは成瀬なるせ正成まさしげが改修かいしゅうした1617年ねん（元和がんわ3年ねん）ごろである。2004年ねん（平成へいせい16年ねん）3月がつ末日まつじつまでは日本にっぽんで唯一ゆいいつの個人こじん所有しょゆうの城しろであったが、同年どうねん4月がつ1日にち付づけで設立せつりつされた財団ざいだん法人ほうじん犬いぬ山城やましろ白しろ帝みかど文庫ぶんこ（現在げんざいは公益こうえき財団ざいだん法人ほうじん）に移管いかんされている。2006年ねん（平成へいせい18年ねん）4月がつ6日にちには、日本にっぽん100名城めいじょう（43番ばん）に選定せんていされた。犬山いぬやま市しは又また、失うしなわれた建造けんぞう物ぶつの木造もくぞう復元ふくげんや石垣いしがき、堀ほり、土ど塁るいを調査ちょうさして復元ふくげんする計画けいかくもある。

歴史れきし・年表ねんぴょう

室町むろまち時代ときよ

• 文明ぶんめい元年がんねん（1469年ねん） - 築城ちくじょう。応仁おうにんの乱らんの最中さいちゅうに 岩倉いわくら織田おだ氏し当主とうしゅの織田おだ敏広としひろの弟おとうと・織田おだ広ひろ近ちかがこの地ちに砦とりでを築きずいたのが始はじまりといわれる。
• 文明ぶんめい7年ねん11月（1475年ねん12月） - 織田おだ敏広としひろは京都きょうとから西にし軍ぐんの斯波しば義よし廉れんと共ともに尾張おわりに帰還きかんし、東ひがし軍ぐんの斯波しば義敏よしとし、織田おだ敏さとし定じょう（清洲きよす織田おだ氏し）との戦たたかいを優勢ゆうせいに進すすめたが、1497年ねん（明あきら応おう5年ねん）に同盟どうめい関係かんけいにあった美濃みの守護しゅご代だいの斎藤さいとう妙たえ純じゅんが近江おうみで戦死せんししたため岩倉いわくら織田おだ氏しの勢力せいりょくは衰退すいたいした。
• 天文てんもん6年ねん（1537年ねん） - 清洲きよす三さん奉行ぶぎょうの織田おだ信秀のぶひでの弟おとうと・織田おだ信康のぶやすは居城きょじょうの木ノ下きのした城じょうを廃はいし、現在げんざいの位置いちに城郭じょうかく（乾山けんざんの砦とりで）を造営ぞうえいして移うつった。現存げんそんする天守てんしゅの2階かいまではこのころ造つくられたと考かんがえられている。
• 天文てんもん13年ねん（1544年ねん） - 織田おだ信康のぶやすが斎藤さいとう道三どうさんとの戦たたかい（加納かのう口くちの戦たたかい）で戦死せんしし、子この織田おだ信清のぶきよが城主じょうしゅとなった。
• 永えい禄ろく7年ねん（1564年ねん） - 織田おだ信清のぶきよは織田おだ信長のぶながと対立たいりつして敗やぶれ、甲斐かいに逃のがれた。
• 以後いご、池田いけだ恒ひさし興きょうや織田おだ勝長かつながなどが城主じょうしゅを務つとめた。

安土あづち桃山ももやま時代じだい

• 天正てんしょう10年ねん（1582年ねん） - 本能寺ほんのうじの変へん後ご、尾張おわり国こくを領有りょうゆうした織田おだ信雄のぶお配下はいかの中川なかがわ定じょう成なりが城主じょうしゅとなった。
• 天正てんしょう12年ねん（1584年ねん） - 小牧こまき・長久手ながくての戦たたかいでは、信雄のぶお方かたと見みられていた大垣おおがき城じょう主おも・池田いけだ恒ひさし興きょうが突如とつじょ奇襲きしゅうをかけ、信雄のぶお方かたから奪取だっしゅする。これにより、犬山いぬやま城じょうは尾張おわり国こくにおける西にし軍ぐんの橋頭堡きょうとうほとなり、さらに羽柴はしば秀吉ひでよしは本陣ほんじんを敷しいて小牧こまき山城やましろの徳川とくがわ家康いえやすと対峙たいじした。
• 天正てんしょう15年ねん（1587年ねん） - 織田おだ信雄のぶおに返還へんかんされた。
• 天正てんしょう18年ねん（1590年ねん） - 織田おだ信雄のぶおが改易かいえきされると豊臣とよとみ秀次しゅうじの領地りょうちとなり、その実父じっぷの三好みよし吉きち房ぼうが城代じょうだいを務つとめた。
• 文ぶん禄ろく4年ねん（1596年ねん） - 豊臣とよとみ秀次しゅうじが切腹せっぷくすると、石川いしかわ貞清さだきよが城主じょうしゅとなった。貞清さだきよは城しろの改築かいちくを行おこない、この際さいの建築けんちく用材ようざいは美濃みの金山かなやま城じょうの建物たてものの一切いっさいを解体かいたい移築いちくしたという「金山かなやま越えつ」の伝承でんしょうがあったが、1961年ねん（昭和しょうわ36年ねん）の解体かいたい修理しゅうりの際さいの調査ちょうさの結果けっか、移築いちくの痕跡こんせきがまったく発見はっけんされなかったため、移築いちく説せつは現在げんざいは否定ひていされた。
• 慶長けいちょう5年ねん（1600年ねん） - 関ヶ原せきがはらの戦たたかいでは岐阜ぎふ城じょう、竹鼻たけはな城しろなどと共ともに西にし軍ぐんの拠点きょてんとなり、稲葉いなば貞通さだみち、稲葉いなば方かた通どおり、加藤かとう貞さだ泰やすし、関せき一政かずまさ、竹中たけなか重しげる門もんらが附属ふぞくされたが、岐阜ぎふ城じょうが落城らくじょうすると石川いしかわ貞清さだきよを残のこして東ひがし軍ぐんに移うつった。一方いっぽうの石川いしかわ貞清さだきよは犬山いぬやま城しろを放棄ほうきし関ヶ原せきがはらに参さん陣じんし敗北はいぼくしたが、東ひがし軍ぐんについた木曽きそ衆しゅうの山村やまむら良りょう候こうらを犬山いぬやま城じょうで解放かいほうしたことが評価ひょうかされ助命じょめいされた。
• 慶長けいちょう6年ねん（1601年ねん） - 小笠原おがさわら吉次よしじが城主じょうしゅとなる。

江戸えど時代じだい

歌川うたがわ国貞くにさだ木曽きそ六ろく十じゅう九きゅう驛えき『鵜沼うぬま 犬山いぬやまの城しろ遠望えんぼう・道みち節ぶし』（1852年ねん・嘉よしみ永なが5年ねん）

• 慶長けいちょう12年ねん（1607年ねん） - 平岩ひらいわ親ちかし吉きちが城主じょうしゅとなる。
• 元和がんわ3年ねん（1617年ねん） - 親おや吉きち没後ぼつご6年間ねんかん親おや吉きち甥おいの吉範よしのりが城主じょうしゅを務つとめたのち、尾張おわり藩はん付づけ家老がろうの成瀬なるせ正成まさしげが城主じょうしゅになり、天守てんしゅに唐破風からはふ出窓でまどが増築ぞうちくされる。以後いご江戸えど時代じだいを通つうじて成瀬なるせ家か9代だいの居城きょじょうとなった。
• 元和がんわ6年ねん（1620年ねん） - 天守てんしゅの大だい改修かいしゅう。

明治めいじ時代じだい

• 明治めいじ元年がんねん（新暦しんれき換算かんさん：1868年ねん/1869年ねん） - 犬山いぬやま城じょうの松まつノ丸まる本丸ほんまる門もんが、浄蓮寺じょうれんじ（一宮いちのみや市し千秋ちあき町まち穂積ほづみ塚本つかもと郷内ごうないに所在しょざい）に払はらい下さげられ、移築いちくされて山門さんもんとして再さい利用りようされる。「天守てんしゅ以外いがいの遺構いこう」節ふしを参照さんしょう。
• 明治めいじ4年ねん7月がつ14日にち（新暦しんれき換算かんさん：1871年ねん8月がつ29日にち） - 廃はい城じょう。この日ひ、全国ぜんこくで廃藩置県はいはんちけんが断行だんこうされる。これに前後ぜんごして全国ぜんこく各地かくちの城郭じょうかくの多おおくは廃はい城じょう・破やぶ却処分しょぶんとなっていったが、犬山いぬやま城しろも例外れいがいとはならず、天守てんしゅを除のぞいて櫓ろ・城門じょうもんなどほとんどが取とり壊こわされた。
• 1876年ねん（明治めいじ9年ねん） - 犬山いぬやま城じょうから払はらい下さげられた各所かくしょの城門じょうもんが、複数ふくすう箇所かしょの寺院じいんに移築いちくされ、山門さんもんなどとして再さい利用りようされる。
• 1891年ねん（明治めいじ24年ねん）10月28日にち - 濃こ尾お地方ちほうで濃こ尾お地震じしんが発生はっせいし、犬山いぬやま城じょうでは天守てんしゅの東南とうなん角かくの付づけ櫓ろが壊こわれる。
• 1895年ねん（明治めいじ28年ねん） - 愛知あいち県けんから旧きゅう犬山いぬやま藩はん主おも・成瀬なるせ正ただし肥こえへ条件じょうけん付つき無償むしょう譲渡じょうとされる。条件じょうけんは修復しゅうふく等とうであった。修復しゅうふくの際さい、現存げんそん天守てんしゅ及および石垣いしがきに紋もんが入いれられたが、別べつの家紋かもんが誤あやまって入いれられた可能かのう性せいが高たかい。

昭和しょうわ時代じだい

国宝こくほう指定してい書しょ　昭和しょうわ27年ねん

• 1935年ねん（昭和しょうわ10年ねん） - 犬いぬ山城やましろ天守てんしゅが、当時とうじの国宝こくほう保存ほぞん法ほうに基もとづき、当時とうじの国宝こくほう（旧きゅう国宝こくほう。現げん法制ほうせい下かでは重要じゅうよう文化財ぶんかざいに相当そうとう）に指定していされる。
• 1940年ねん（昭和しょうわ15年ねん）5月3日にち - 「短刀たんとう 銘めい左ひだり安吉やすよし作さく 正平しょうへい十じゅう二に年ねん二に月がつ日び」が、国くにの重要じゅうよう文化財ぶんかざいに指定してい。「犬いぬ山城やましろ白しろ帝みかど文庫ぶんこ歴史れきし文化ぶんか館かんの文化財ぶんかざい」節ふしを参照さんしょう。
• 1952年ねん（昭和しょうわ27年ねん）3月29日にち - 犬いぬ山城やましろ天守てんしゅが、文化財ぶんかざい保護ほご法ほうに基もとづき、改あらためて国宝こくほう（新しん国宝こくほう。現げん法制ほうせい下かの国宝こくほう）に指定していされる。
• 1959年ねん（昭和しょうわ34年ねん）9月27日にち - 伊勢湾いせわん台風たいふうが当地とうちを直撃ちょくげきし、犬山いぬやま城しろも大おおきな被害ひがいを受うける。
• 1961年ねん（昭和しょうわ36年ねん） - 犬山いぬやま城じょうの解体かいたい修理しゅうりが始はじまる。1965年ねん（昭和しょうわ40年ねん）に完了かんりょう。

平成へいせい時代じだい

• 2001年ねん（平成へいせい13年ねん） - 「犬山いぬやま城下町じょうかまち地区ちく（どんでん舘たて、大本おおもと町まち通どおり）」で、手てづくり郷土きょうど賞しょう（地域ちいき整備せいび部門ぶもん）受賞じゅしょう。
• 2004年ねん（平成へいせい16年ねん）4月がつ1日にち - 犬山いぬやま城じょうの所有しょゆう者しゃが個人こじんから法人ほうじんに変かわる。犬山いぬやま城じょうは成瀬なるせ家か（犬山いぬやま成瀬なるせ家か）の当主とうしゅが城主じょうしゅとして個人こじん所有しょゆうする物件ぶっけん（現代げんだい的てき価値かちでは国宝こくほうである文化財ぶんかざい）であったが、係かかる所有しょゆう形態けいたいでは保持ほじに大変たいへんな困難こんなんを伴ともなうことから、犬山いぬやま成瀬なるせ家かは個人こじん所有しょゆうを断念だんねんし、一族いちぞくの中なかから城主じょうしゅに選えらばれた成瀬なるせ淳子じゅんこ（犬山いぬやま成瀬なるせ家か第だい13代だい当主とうしゅ・成瀬なるせ正浩まさひろの妹いもうと）が、この日ひ、財団ざいだん法人ほうじん犬いぬ山城やましろ白しろ帝みかど文庫ぶんこを設立せつりつして理事りじ長ちょうに就任しゅうにんし、この時ときをもって犬山いぬやま城じょうは法人ほうじん所有しょゆうとなった。
• 2006年ねん（平成へいせい18年ねん）4月がつ6日にち - 犬山いぬやま城じょうが、日本にっぽん城郭じょうかく協会きょうかい主催しゅさいの「日本にっぽん100名城めいじょう」に選定せんていされる。
• 2010年ねん（平成へいせい22年ねん）- 手てづくり郷土きょうど賞しょう大賞たいしょう受賞じゅしょう。
• 2014年ねん（平成へいせい26年ねん） - 天守てんしゅの部分ぶぶん修理しゅうりが行おこなわれる。
• 2013年ねん（平成へいせい25年ねん）4月がつ1日にち - 財団ざいだん法人ほうじん犬いぬ山城やましろ白しろ帝みかど文庫ぶんこが、公益こうえき財団ざいだん法人ほうじん犬いぬ山城やましろ白しろ帝みかど文庫ぶんこへ移行いこう。
• 2017年ねん（平成へいせい29年ねん）7月がつ12日にち - 天守てんしゅの鯱しゃちの損壊そんかいが判明はんめい。当日とうじつの落雷らくらいが原因げんいんと考かんがえられる。明あかりくる2018年ねん（平成へいせい30年ねん）2月がつ26日にちに修理しゅうり完了かんりょう。「天守てんしゅ」節ふしにて詳説しょうせつする。
• 2018年ねん（平成へいせい30年ねん）2月がつ13日にち - 犬山いぬやま城跡じょうせきが国くにの史跡しせきに指定していされる。

令れい和わ時代じだい

• 2019年ねん（令れい和わ元年がんねん） - 耐震たいしん工事こうじ。
• 2020年ねん（令れい和わ2年ねん）3月がつ下旬げじゅん - 2017年ねんの落雷らくらいにより破損はそんした鯱しゃちの胴体どうたい部分ぶぶんが天守てんしゅの北東ほくとう約やく30メートルの地点ちてんで発見はっけんされる。
• 2021年ねん（令れい和わ3年ねん）７月がつから犬山いぬやま城南じょうなん側がわの発掘はっくつ調査ちょうさを行おこなっていて、このほど絵図えずに描えがかれていた堀ほりなどが良好りょうこうな状態じょうたいで地中ちちゅうに残のこっていたことが分わかった。

歴代れきだい城主じょうしゅ

累代るいだい	人名じんめい	在位ざいい期間きかん	備考びこう
1	織田おだ信康のぶやす	天文てんもん6年ねん - 天文てんもん16年ねん（西暦せいれき換算かんさん：1537年ねん - 1547年ねん）	今いまに伝つたわる犬山いぬやま城じょうの築城ちくじょう主あるじ
2	織田おだ信清のぶきよ	天文てんもん16年ねん - 永えい禄ろく7年ねん（西暦せいれき換算かんさん：1547年ねん - 1564年ねん）
3	池田いけだ恒ひさし興きょう	元もと亀かめ元年がんねん - 天正てんしょう9年ねん（西暦せいれき換算かんさん：1570年ねん - 1581年ねん）
4	織田おだ勝長かつなが	天正てんしょう9年ねん - 天正てんしょう10年ねん（西暦せいれき換算かんさん：1581年ねん - 1582年ねん）
5	中川なかがわ定じょう成なり	天正てんしょう10年ねん - 天正てんしょう12年ねん（西暦せいれき換算かんさん：1582年ねん - 1584年ねん）
6	池田いけだ恒ひさし興きょう	天正てんしょう12年ねん（西暦せいれき換算かんさん：1584年ねん）
7	加藤かとう泰やすし景けい	天正てんしょう12年ねん（西暦せいれき換算かんさん：1584年ねん）
8	武田たけだ清利きよとし	天正てんしょう12年ねん - 天正てんしょう15年ねん（西暦せいれき換算かんさん：1584年ねん - 1587年ねん）
－	（城代しろだい） 土方ひじかた雄久かつひさ	天正てんしょう15年ねん - 天正てんしょう18年ねん（西暦せいれき換算かんさん：1587年ねん - 1590年ねん）	※累代るいだいに含ふくむ考かんがえもあり｡
－	三好みよし吉きち房ぼう	天正てんしょう18年ねん - 文ぶん禄ろく元年がんねん（西暦せいれき換算かんさん：1590年ねん - 1592年ねん）	1591年ねんから豊臣とよとみ秀勝ひでかつ？
9	（城代じょうだい） 三さん輪りん吉きち高だか	文ぶん禄ろく元年がんねん - 文ぶん禄ろく4年ねん（西暦せいれき換算かんさん：1592年ねん - 1595年ねん）
10	石川いしかわ貞清さだきよ	文ぶん禄ろく4年ねん - 慶長けいちょう5年ねん（西暦せいれき換算かんさん：1595年ねん - 1600年ねん）
11	小笠原おがさわら吉次よしじ	慶長けいちょう5年ねん - 慶長けいちょう12年ねん（西暦せいれき換算かんさん：1600年ねん - 1607年ねん）
12	平岩ひらいわ親ちかし吉きち	慶長けいちょう12年ねん - 慶長けいちょう17年ねん（西暦せいれき換算かんさん：1607年ねん - 1612年ねん）	末裔まつえいに大相撲おおずもう元もと大関おおぜきで7代目だいめ伊勢いせヶ濱はま親方おやかたの清國きよくに勝雄かつおの夫人ふじん（落語らくご家か林家はやしや希林きりんの母はは）がいる。
13	成瀬なるせ正成まさしげ	元和がんわ3年ねん - 寛永かんえい2年ねん（西暦せいれき換算かんさん：1617年ねん - 1625年ねん）	犬山いぬやま成瀬なるせ家か 初代しょだい当主とうしゅ。犬山いぬやま藩はん初代はつよ藩主はんしゅ。
14	成瀬なるせ正ただし虎とら	寛永かんえい2年ねん - 万治まんじ2年ねん（西暦せいれき換算かんさん：1625年ねん - 1659年ねん）	犬山いぬやま成瀬なるせ家か 第だい2代だい当主とうしゅ
15	成瀬なるせ正親まさちか	万まん治ち2年ねん - 元禄げんろく16年ねん（西暦せいれき換算かんさん：1659年ねん - 1703年ねん）	犬山いぬやま成瀬なるせ家か 第だい3代だい当主とうしゅ
16	成瀬なるせ正幸まさゆき	元禄げんろく16年ねん - 享とおる保ほ17年ねん（西暦せいれき換算かんさん：1703年ねん - 1732年ねん）	犬山いぬやま成瀬なるせ家か 第だい4代だい当主とうしゅ
17	成瀬なるせ正ただし泰やすし	享とおる保ほ17年ねん - 明和めいわ5年ねん（西暦せいれき換算かんさん：1732年ねん - 1768年ねん）	犬山いぬやま成瀬なるせ家か 第だい5代だい当主とうしゅ
18	成瀬なるせ正ただし典てん	明和めいわ5年ねん - 文化ぶんか6年ねん（西暦せいれき換算かんさん：1768年ねん - 1809年ねん）	犬山いぬやま成瀬なるせ家か 第だい6代だい当主とうしゅ
19	成瀬なるせ正ただし寿ことぶき	文化ぶんか6年ねん - 天保てんぽう9年ねん（西暦せいれき換算かんさん：1809年ねん - 1838年ねん）	犬山いぬやま成瀬なるせ家か 第だい7代だい当主とうしゅ
20	成瀬なるせ正ただし住じゅう	天保てんぽう9年ねん - 安政あんせい4年ねん（西暦せいれき換算かんさん：1838年ねん - 1857年ねん）	犬山いぬやま成瀬なるせ家か 第だい8代だい当主とうしゅ
21	成瀬なるせ正ただし肥こえ	安政あんせい4年ねん - 明治めいじ2年ねん（西暦せいれき換算かんさん：1857年ねん - 1869年ねん/1870年ねん） 明治めいじ28年ねん - 明治めいじ36年ねん（西暦せいれき：1895年ねん - 1903年ねん）	犬山いぬやま成瀬なるせ家か 第だい9代だい当主とうしゅ。犬山いぬやま藩はん最後さいごの藩主はんしゅ。廃はい城じょう処分しょぶんによっていったん城主じょうしゅでなくなったが、廃はい城じょう後ごの所有しょゆう者しゃであった県けん から無償むしょう譲渡じょうとされて再ふたたび城主じょうしゅとなった。
22	成瀬なるせ正雄まさお	明治めいじ36年ねん - 昭和しょうわ24年ねん（西暦せいれき：1903年ねん - 1949年ねん）	犬山いぬやま成瀬なるせ家か 第だい10代当主とうしゅ
23	成瀬なるせ正勝まさかつ	昭和しょうわ24年ねん - 昭和しょうわ48年ねん（西暦せいれき：1949年ねん - 1973年ねん）	犬山いぬやま成瀬なるせ家か 第だい11代だい当主とうしゅ
24	成瀬なるせ正俊まさとし	昭和しょうわ48年ねん - 平成へいせい16年ねん（西暦せいれき：1973年ねん - 2004年ねん）	犬山いぬやま成瀬なるせ家か 第だい12代だい当主とうしゅ
25	成瀬なるせ淳子じゅんこ	平成へいせい16年ねん（西暦せいれき：2004年ねん）	犬山いぬやま成瀬なるせ家か 第だい13代だい当主とうしゅ・成瀬なるせ正浩まさひろの妹いもうとで、最後さいごの個人こじん城主じょうしゅとなり、個人こじん所有しょゆうから法人ほうじん所有しょゆうへの移管いかんを行おこなった。
26	公益こうえき財団ざいだん法人ほうじん犬いぬ山城やましろ白しろ帝みかど文庫ぶんこ	平成へいせい16年ねん（西暦せいれき：2004年ねん）-	犬山いぬやま城しろを成瀬なるせ淳子じゅんこから引ひき継ついだ法人ほうじん城主じょうしゅ。理事りじ長ちょうは成瀬なるせ淳子じゅんこ。

天守てんしゅ

犬いぬ山城やましろ天守てんしゅ（正面しょうめん）と周辺しゅうへん（パノラマ）

犬山いぬやま城じょうの天守てんしゅは、外観がいかん3重じゅう、内部ないぶは4階かい、地下ちかに踊場おどりばを含ふくむ2階かいが付つく。天守てんしゅ南面なんめんと西にし面めんに平屋ひらやの付づけ櫓ろが付属ふぞくする複ふく合ごう式しきで、入母屋いりもや2重じゅう2階かいの建物たてものの上うえに3間あいだ×4間あいだの望楼ぼうろう部ぶを載のせた望楼ぼうろう型がた天守てんしゅである。窓まどは突上窓まどと火ひ灯とう窓まど、両開りょうびらき窓まどなと、地階ちかい1・2階かい出入口でいりぐちを含ふくめて、総そう延のべ面積めんせきは698.775平方へいほうメートルに達たっする。 天守てんしゅ台だい石垣いしがきは野面のぶ積つもるという積つみ方かたで、高たかさは5メートルある。天守てんしゅの高たかさは19メートルある。

成瀬なるせ家か7代だいの当主とうしゅ正せい壽ことぶきがオランダ商館しょうかん長ちょうと親したしかったことから、天守てんしゅの最上階さいじょうかいに絨毯じゅうたんを敷しいたと伝つたえられ、昭和しょうわの修理しゅうりで再現さいげんされた。

なお、2017年ねん（平成へいせい29年ねん）7月がつ12日にち16時じ過すぎ、鯱しゃちが胴体どうたいから尾おにかけて大おおきく破損はそんしているのが見みつかった。天守てんしゅの北側きたがわにある避雷針ひらいしんが曲まがっており、この日ひは午後ごごから雷雨らいうが降ふっていたため、犬山いぬやま市しは落雷らくらいが原因げんいんとみている。鯱しゃちは瓦かわら製せいで作つくり直なおされて、2018年ねん2月がつ26日にちに天守てんしゅへ設置せっち。同年どうねん3月がつ17日にちに記念きねん式典しきてんが開ひらかれた。

文化財ぶんかざい指定してい

1935年ねん（昭和しょうわ10年ねん）5月13日にち、当時とうじの国宝こくほう保存ほぞん法ほうに基もとづき旧きゅう国宝こくほう（文化財ぶんかざい保護ほご法ほうにおける重要じゅうよう文化財ぶんかざいに相当そうとう）に指定してい。1952年ねん（昭和しょうわ27年ねん）3月29日にち付つけで文化財ぶんかざい保護ほご法ほうに基もとづく国宝こくほう（新しん国宝こくほう）に指定していされた。指定していに係かかる告示こくじは1952年ねん（昭和しょうわ27年ねん）10月がつ16日にち付づけの官報かんぽうに掲載けいさいされ、指定してい名称めいしょうは「犬いぬ山城やましろ天守てんしゅ 1棟むね」。構造こうぞう・形式けいしきは「三重みえ四よん階かい、地下ちか二に階かい付づけ、本ほん瓦葺かわらぶき、南面なんめん及および西にし面めん附ふ櫓ろ、各かく一いち重じゅう、本ほん瓦葺かわらぶき」とある。所有しょゆう者しゃは公益こうえき財団ざいだん法人ほうじん犬いぬ山城やましろ白しろ帝みかど文庫ぶんこ。犬山いぬやま市しが文化財ぶんかざい保護ほご法ほうに基もとづく管理かんり団体だんたいに指定していされている。

• 1階かい：納戸なんどの間あいだ、東西とうざい9間あいだ・南北なんぼく8間あいだ。床ゆか面積めんせきは282.752平方へいほうメートル。
• 2階かい：武具ぶぐの間あいだ、東西とうざい9間あいだ・南北なんぼく8間あいだ。床ゆか面積めんせきは246.006平方へいほうメートル。
• 3階かい：破風はふの間あいだ、東西とうざい3間あいだ・南北なんぼく4間あいだ。床ゆか面積めんせきは81.936平方へいほうメートル。
• 4階かい：高欄こうらんの間あいだ、東西とうざい3間あいだ・南北なんぼく4間あいだ。床ゆか面積めんせきは49.835平方へいほうメートル。

創建そうけんの時期じき

1961年ねん（昭和しょうわ36年ねん）から1965年ねん（昭和しょうわ40年ねん）に行おこなわれた犬いぬ山城やましろ天守てんしゅの解体かいたい修理しゅうりと古こ文献ぶんけん等とうから、この天守てんしゅは下したの2重じゅう2階かいの主おも屋やが1537年ねん（天文てんもん6年ねん） または、1601年ねん（慶長けいちょう6年ねん）に建たてられ、1620年ねん（元和がんわ6年ねん）頃ごろに3、4階かいを増築ぞうちく。その後ご唐破風からはふの付加ふかなどが行おこなわれて現在げんざいの姿すがたになったと考かんがえられた。

2019年ねんから犬山いぬやま市しの依頼いらいで名古屋工業大学なごやこうぎょうだいがく大学院だいがくいんなどが行おこなった建築けんちく材ざいの年輪ねんりん年代ねんだい法ほうによる調査ちょうさでは、柱はしらやはり、床板とこいたなど、天守てんしゅの主おもな建築けんちく材ざいは1585年ねんからの3年間ねんかんに伐採ばっさいされたものと判明はんめいし、当初とうしょから1階かいから4階かいまで現在げんざいのような姿すがたで建築けんちくされたものとみられると報告ほうこくされた。

ギャラリー

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  犬山いぬやま城しろと車山くるまやま（犬山いぬやま祭さい）
  （2017年ねん（平成へいせい29年ねん）4月がつ）
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  木曽川きそがわ沿ぞいの犬山いぬやま城じょうと桜さくら並木なみき
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  犬山いぬやま城しろと名鉄めいてつ電車でんしゃ
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  遊覧ゆうらん船せんから犬山いぬやま城しろを望のぞむ
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  犬いぬ山城やましろ天守てんしゅ
  （2008年ねん（平成へいせい20年ねん）1月がつ）
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  犬いぬ山城やましろ天守てんしゅ
  （2008年ねん（平成へいせい20年ねん）1月がつ）
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  犬いぬ山城やましろ天守てんしゅ（東面とうめん）
  （2011年ねん（平成へいせい23年ねん）11月がつ）
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  犬いぬ山城やましろ天守てんしゅ（西にし面めん）
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  最上階さいじょうかいからの眺ながめ（北東ほくとう方向ほうこう）
  （2015年ねん（平成へいせい27年ねん）1月がつ）
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  最上階さいじょうかいからの眺ながめ（西南せいなん西にし方向ほうこう）
  （2014年ねん（平成へいせい26年ねん）9月がつ）

遺構いこう・文化財ぶんかざい

天守てんしゅ以外いがいの遺構いこう

1873年ねん（明治めいじ6年ねん）の廃はい城じょう後ご、犬山いぬやま城じょうの門もんは撤去てっきょされ堀ほりは埋うめられた。

犬山いぬやま城しろを構成こうせいしていた建造けんぞう物ぶつの多おおくは、廃藩置県はいはんちけんに伴ともなう廃はい城じょう処分しょぶんが下くだる前後ぜんごの時期じきに払はらい下さげられて破やぶ却されたり移築いちくされたりしたが、それらのいくつかは現存げんそんしている。松まつノ丸まる本丸ほんまる門もんは、明治めいじ元年がんねん（1868年ねん/1869年ねん）、浄蓮寺じょうれんじ（一宮いちのみや市し千秋ちあき町まち穂積ほづみ塚づか本郷ほんごう内ないに所在しょざい）に移築いちくされ、山門さんもんとして再さい利用りようされた。同年どうねん、どこの門もんであったかは不明ふめいながら旧きゅう城門じょうもんと伝つたわる門もんが運うん善ぜん寺てら（一宮いちのみや市し浅井あさい町まち大だい日比野ひびのに所在しょざい）に移築いちくされ、山門さんもんとして再さい利用りようされた。この門もんは1891年ねん（明治めいじ24年ねん）に発生はっせいした濃こ尾お地震じしんで倒壊とうかいした後のち、違ちがった形かたちに改修かいしゅうされてしまっていたが、1993年ねん（平成へいせい5年ねん）に行おこなわれた修理しゅうりで当初とうしょに近ちかい姿すがたで再さい改修かいしゅうされている。1876年ねん（明治めいじ9年ねん）には、二にの丸まるの矢来やらい門もんが専修せんしゅう院いん（丹羽たんば郡ぐん扶桑ふそう町まち柏森かやもり字じ乙おつ西屋敷にしやしきに所在しょざい）へ移築いちくされて東ひがし門もんとして再さい利用りようされた。同年どうねん、第だい一いち黒門くろもんが徳とく林寺はやしじ（丹羽たんば郡ぐん大口おおぐち町まち余野よのに所在しょざい）へ移築いちくされ、山門さんもんとして再さい利用りようされたが、移築いちく時じに袖そで塀へいが併設へいせつされている。同年どうねん、内田うちだ御門みかど（犬山いぬやま城じょうの搦手からめて門もん）と伝つたわる城門じょうもんは瑞泉寺ずいせんじ（犬山いぬやま市し犬山いぬやま瑞泉寺ずいせんじに所在しょざい）に移築いちくされ、山門さんもんとして再さい利用りようされた。元々もともとこの門もんは美濃みの金山かなやま城じょうの大手門おおてもんであったのを犬山いぬやま城じょうに移築いちくしたものであったとの伝承でんしょうがある。また、どこの門もんであったかは不明ふめいながら旧きゅう城門じょうもんと伝つたわる門もんが個人こじん宅たくに移築いちくされている。なお、運うん善ぜん寺山てらやま門もんは一宮いちのみや市しの、専修せんしゅう院いん東門ひがしもんは扶桑ふそう町まちの、徳とく林寺はやしじ山門さんもんは大口おおぐち町まちの、指定してい文化財ぶんかざいとなっている。

外堀そとぼりがあった場所ばしょには犬山いぬやま市し福祉ふくし会館かいかんが建たてられたが、2021年ねん3月がつまでに解体かいたいされ、7月がつから外堀そとぼりの発掘はっくつ調査ちょうさが行おこなわれた。その結果けっか、犬山いぬやま城じょうの外堀そとぼりの幅はばは17.5m、深ふかさ6.5m以上いじょうで17世紀せいきの絵図えずの記載きさいとほぼ一致いっちした。また、2021年ねんの調査ちょうさで外堀そとぼりには水みずを溜ためた痕跡こんせきがなく空堀からぼりで石垣いしがきを造つくらない素もと掘ほりだったことも判明はんめいした。このほか外堀そとぼりの埋うめ立たての土どの検証けんしょうから、埋うめ立たては廃はい城じょう時じ、明治めいじ時代じだい後半こうはん、大正たいしょう〜昭和しょうわ初期しょき、戦後せんごの4回かい行おこなわれていたことが判明はんめいした。

犬いぬ山城やましろ白しろ帝みかど文庫ぶんこの文化財ぶんかざい

公益こうえき財団ざいだん法人ほうじん犬いぬ山城やましろ白しろ帝みかど文庫ぶんこが所有しょゆう・管理かんりする文化財ぶんかざいは、犬山いぬやま市し文化ぶんか史料しりょう館かん（所在地しょざいち：大字だいじ犬山いぬやま字じ北古券きたこけん8）本館ほんかんの主要しゅよう施設しせつである犬いぬ山城やましろ白しろ帝みかど文庫ぶんこ歴史れきし文化ぶんか館かんに収蔵しゅうぞうされている。当とう施設しせつは、美術びじゅつ工芸こうげい品ひん、刀剣とうけん類るい、古文書こもんじょ、絵え地図ちずなどを収蔵しゅうぞうしている。

重要じゅうよう文化財ぶんかざい（国くに指定してい）

短刀たんとう 銘めい左ひだり安吉やすよし作さく／正平しょうへい十じゅう二に年ねん二に月がつ日び（たんとう　めいさやすよし さく　しょうへいじゅうにねんにがつひ）

• 1940年ねん（昭和しょうわ15年ねん）5月がつ3日にち付づけで重要じゅうよう文化財ぶんかざいに指定してい。正平しょうへい12年ねん（1357年ねん）の作さく。差さ表ひょうに「左ひだり安吉やすよし作さく」、差さ裏うらに「正平しょうへい十じゅう二に年ねん二に月がつ 日び」の銘めいがある。作者さくしゃの左ひだり安吉やすきちは筑前ちくぜんの刀工とうこう左ひだり文字もじの子ことされる。刃は長ちょう29.4 cm、元もと幅はば2.7 cm。
• 犬いぬ山城やましろ白しろ帝みかど文庫ぶんこの公式こうしきサイトには本ほん作さくを「脇差わきざし」としているが、本ほん項こうでは、重要じゅうよう文化財ぶんかざい指定してい名称めいしょうに準じゅんじて「短刀たんとう」とする。「短刀たんとう」と「脇差わきざし」の違ちがいについては諸説しょせつあるが、一般いっぱん的てきには刃は長一ちょういち尺しゃく以下いかのものを短刀たんとう、一いち尺しゃく以上いじょうのものを脇差わきざしと称しょうする。

その他た

長篠ながしの小牧おまき長久手ながくて合戦かっせん図ず屏風びょうぶ

• 六ろく曲きょく一双いっそう。長篠ながしの合戦かっせん図ず（左ひだり隻せき）と小牧こまき長久手ながくて合戦かっせん図ず（右みぎ隻せき）の一双いっそうで構成こうせいされる合戦かっせん屏風びょうぶであり、左ひだり隻せきには、犬山いぬやま藩はん初代しょだい藩主はんしゅ・成瀬なるせ正成まさしげの父ちちである戦国せんごく武将ぶしょう・成瀬なるせ正一しょういちが、右みぎ隻せきには、初陣ういじんを飾かざる正成まさしげの勇姿ゆうしが2箇所かしょにわたって描えがき込こまれている。

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  犬山いぬやま城じょう第だい一いち黒くろ門もんが移築いちくされた徳とく林寺はやしじ山門さんもん
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  犬いぬ山城やましろ内田うちだ御門みかどが移築いちくされた瑞泉寺ずいせんじ山門さんもん
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  犬いぬ山城やましろ古いにしえ図ず

現地げんち情報じょうほう

• 所在地しょざいち - 〒484-0082 愛知あいち県けん犬山いぬやま市し大字だいじ犬山いぬやま字じ北古券きたこけん65-2
• 交通こうつうアクセス - IY 名鉄めいてつ犬山線いぬやません KM 名鉄めいてつ小牧線こまきせん犬山いぬやま駅えきまたは IY 名鉄めいてつ犬山線いぬやません犬山遊園いぬやまゆうえん駅えきより徒歩とほ15分ふん

料金りょうきん

• 大人おとな：550円えん
• 小人こども：110円えん

犬山いぬやま城しろと犬山いぬやま市内しない5地域ちいきにある各かく有料ゆうりょう施設しせつ（城しろとまちミュージアム＋からくり展示てんじ館かん＋どんでん館たて・庭園ていえん有楽うらく苑えん・明治めいじ村むら・リトルワールド・日本にっぽんモンキーパーク）とセットになった割引わりびき入場にゅうじょう券けんも販売はんばいしている。

入場にゅうじょう者しゃ数すう

犬山いぬやま市し観光かんこう協会きょうかいのまとめによると、ピークだったのは2018年ねんの62万まん人にん。コロナ禍かで2020年ねんには26万まん人にんまで落おち込こんだが、2023年ねんには前年ぜんねんから約やく14万まん人にん増ぞうの58万まん2447人にんとなり、過去かこ3番目ばんめに多おおい数字すうじまで回復かいふくした。特とくに10月がつ12月がつにかけて、各月かくつきの最高さいこう記録きろくを更新こうしん。暖あたたかく天候てんこうに恵めぐまれた日ひが続つづき、外出がいしゅつが増ふえたことが要因よういんと見みられている。また年間ねんかんを通つうじてインバウンド消費しょうひが好調こうちょうで、約やく1割わりが外国がいこく人じん観光かんこう客きゃくだった。NHK大河たいがドラマ『どうする家康いえやす』で犬山いぬやま市しも舞台ぶたいになるなど、話題わだいが多おおかったことも寄与きよしたという。

その他た

高知こうち県けんの中村なかむら城跡じょうせきに建設けんせつされた四よん万まん十じゅう市立しりつ郷土きょうど資料しりょう館かんの建物たてものは、犬山いぬやま城しろをモデルにして建設けんせつされた。

関連かんれん項目こうもく

• 現存げんそん天守てんしゅ
• 日本にっぽん100名城めいじょう
• 金山かなやま城じょう (美濃みの国こく)
• 犬山いぬやま祭さい
• 美うつくしい日本にっぽんの歩あるきたくなるみち500選せん
• 田村たむら淳あつし（ロンドンブーツ1号ごう2号ごう） - 日本にっぽんの城しろで犬山いぬやま城じょうが一番いちばん好すきだと公言こうげんしていたことがきっかけで、「犬山いぬやま観光かんこう特使とくし」となった。

外部がいぶリンク

• 国宝こくほう犬けん山城やましろ - 公式こうしきウェブサイト
• 犬いぬ山城やましろ白しろ帝みかど文庫ぶんこ
• 犬いぬ山城やましろストリートビュー
• 犬山いぬやま城じょうの観光かんこうガイド - 攻おさむ城しろ団だん
• 愛知あいちの公式こうしき観光かんこうガイド AICHI NOW　国宝こくほう 犬けん山城やましろ