出典 しゅってん : フリー百科 ひゃっか 事典 じてん 『ウィキペディア(Wikipedia)』
『TREASURES 』(トレジャーズ)は、1995年 ねん 11月13日 にち (1995-11-13 ) に発売 はつばい された山下 やました 達郎 たつお 通算 つうさん 2作 さく 目 め のベスト・アルバム 。
ムーン・レーベル 在籍 ざいせき 12年 ねん 目 め にして初 はつ のベスト・アルバム。「クリスマス・イブ 」「ゲット・バック・イン・ラブ 」をはじめとするスタンダードに加 くわ え、1995年 ねん (1995 ) 時点 じてん の最新 さいしん シングル「世界 せかい の果 は てまで 」、初 はつ CD化 か の「スプリンクラー 」「踊 おど ろよ、フィッシュ 」など、シングル曲 きょく を網羅 もうら 。さらに大瀧 おおたき 詠一 えいいち リミックスによる「パレード 」を“おまけ”で収録 しゅうろく 、結果 けっか として山下 やました にとって初 はじ めての、全曲 ぜんきょく 作詞 さくし ・作曲 さっきょく のアルバムとなった。このアルバム以降 いこう にリリースされたシングル曲 きょく や、本 ほん 作 さく から漏 も れたその他 た の作品 さくひん は2002年 ねん (2002 ) のベスト・アルバム『RARITIES 』[注釈 ちゅうしゃく 1] に収録 しゅうろく された。実現 じつげん しなかったが当初 とうしょ は「DOWN TOWN 」と「RIDE ON TIME 」も入 い れたいと思 おも っていたという[2] 。
当初 とうしょ 、本 ほん 作 さく 発売 はつばい の年 とし の秋 あき に『Dreaming Boy』というタイトルでオリジナル・アルバムのリリースが予定 よてい され、作業 さぎょう も7割 わり 5分 ふん 程 ほど 進 すす んでいた。アルバム・リリースにあわせて2つのタイアップが決 き まっていたが、結局 けっきょく どちらも延期 えんき となってしまった。そのため新譜 しんぷ リリースのローテーションが先送 さきおく りとなった事 こと から、ワーナー からベスト盤 ばん の制作 せいさく が要請 ようせい された。当初 とうしょ は難色 なんしょく を示 しめ したが、同 おな じ時期 じき にドラマ『ベストフレンド 』主題歌 しゅだいか のタイアップとシングル「世界 せかい の果 は てまで」のリリースが決 き まり、この曲 きょく を加 くわ えて曲 きょく 数 すう が揃 そろ ったという。結果 けっか 的 てき にはこの時期 じき にベスト盤 ばん を出 だ すのは最良 さいりょう のタイミングだったと語 かた っている[3] 。「オリジナル・アルバムを出 だ さない代 か わりにこのベスト・アルバムを発表 はっぴょう した」との憶測 おくそく も流 なが れたが、山下 やました 自身 じしん の意向 いこう ではないと否定 ひてい している。『Dreaming Boy』に収録 しゅうろく 予定 よてい だった楽曲 がっきょく の多 おお くは、後 のち に『COZY 』[注釈 ちゅうしゃく 2] で発表 はっぴょう された。
本 ほん 作 さく の曲 きょく 順 じゅん は、1曲 きょく 目 め と2曲 きょく 目 め がリリース順 じゅん で、3曲 きょく 目 め 以降 いこう はランダムになっている。山下 やました は「1曲 きょく 目 め <高気圧 こうきあつ ガール>と2曲 きょく 目 め <スプリンクラー>に関 かん しては理由 りゆう があって、両方 りょうほう ともアナログ・ソースなの。『MELODIES 』[注釈 ちゅうしゃく 3] はアナログ・マルチにアナログ・マスターだから、<アトムの子 こ >とかに比 くら べると、音 おと がショボい。だから<スプリンクラー>を例 たと えば<アトムの子 こ >の後 うし ろに持 も っていくと、ダイナミックレンジ で負 ま けちゃう。だからこの2曲 きょく は何 なに が何 なん でも最初 さいしょ に入 い れるしかない」という。3曲 きょく 目 め 以降 いこう については「僕 ぼく の場合 ばあい 、好 す きなコード進行 しんこう のパターンが少 すく ないの。特 とく にシングル用 よう の曲 きょく は、ほとんどC-Am-F-Gというパターンで、テンポもわりと似 に ている。だから<風 ふう の回廊 かいろう (コリドー)>と<ターナーの汽罐 きかん 車 しゃ >を続 つづ ける事 こと が出来 でき ない。テイストが似 に てるから。そういう風 ふう にテイストが似 に てる曲 きょく をなるべくバラそうと思 おも って、色々 いろいろ 考 かんが えたんだけど、だんだん頭 あたま の中 なか がこんがらがってしまって、結局 けっきょく 、まりや に第三者 だいさんしゃ 的 てき な目 め で選 えら んでもらったの。頭 あたま の2曲 きょく は<高気圧 こうきあつ ガール>と<スプリンクラー>にして、最後 さいご に<パレード>を入 い れてということだけ言 い って。まりやは『絶対 ぜったい この曲 きょく 順 じゅん しかない』と自信 じしん を持 も って言 い ってた」[3] と答 こた えている。
アルバムジャケットのイラストは松下 まつした 進 すすむ 。当時 とうじ 、松下 まつした が表紙 ひょうし イラストを担当 たんとう していた雑誌 ざっし 『ファミコン通信 つうしん 』とのコラボレーションが企画 きかく され、雑誌 ざっし のイメージ・キャラクター「Necky」がジャケットと同 おな じコスプレで表紙 ひょうし を飾 かざ った(通巻 つうかん 366号 ごう 1995年 ねん 12月8日 にち (1995-12-08 ) 号 ごう )[注釈 ちゅうしゃく 4] 。
初回 しょかい 盤 ばん は三 さん 方 ぽう 背 せ ボックス仕様 しよう 、本 ほん 作 さく で初 はつ のミリオンセラー を獲得 かくとく した。
高気圧 こうきあつ ガール – (4:22)
ムーン・レーベル移籍 いせき 後 ご 初 はつ のアルバム 『MELODIES 』[注釈 ちゅうしゃく 3] からの先行 せんこう シングル。イントロ をアカペラ とパーカッション で始 はじ めるというアイデアはずっと前 まえ からあったが、実際 じっさい に試 こころ みたのはこの曲 きょく が最初 さいしょ であるという。高気圧 こうきあつ の溜息 ためいき は竹内 たけうち まりや[4] 。
スプリンクラー – (4:31)
アルバム『MELODIES』[注釈 ちゅうしゃく 3] リリース直後 ちょくご にシングルのみでリリースされ、本 ほん 作 さく で初 はつ CD化 か となった。リリース当時 とうじ は“夏 なつ 男 だん タツロー”らしくないと評判 ひょうばん があまりよくなかったというが、詞 し ・曲 きょく ・演奏 えんそう とも個人 こじん 的 てき にはとても気 き に入 い っていて、その後 ご もライヴのレパートリーとして取 と り上 あ げられている。演奏 えんそう の途中 とちゅう で登場 とうじょう するエレキ大正琴 たいしょうごと は、歌 うた に絡 から んで何 なに か印象 いんしょう 的 てき な音 おと が欲 ほ しくて選 えら ばれた[4] 。また、雨 あめ の音 おと はスタジオに転 ころ がっていた太田 おおた 裕美 ひろみ ライブ用 よう 素材 そざい テープの中 なか の雨 あめ のSE が最高 さいこう であったということでそのまま使 つか われている。竹内 たけうち まりやのシングル「恋 こい の嵐 あらし 」[注釈 ちゅうしゃく 5] でも、他 た になかなかいい素材 そざい がなかったために最後 さいご の雨 あめ のSEで同 おな じものが使 つか われた。このほか、元 もと のマルチ・トラック・テープに色々 いろいろ と手 て を加 くわ えた山下 やました 本人 ほんにん 曰 いわ く“むりやりのロング・ヴァージョン”が、後 のち にベスト・アルバム『RARITIES 』[注釈 ちゅうしゃく 1] に収録 しゅうろく された。
ゲット・バック・イン・ラブ -Get Back In Love- – (4:22)
TBS系 けい ドラマ『海岸 かいがん 物語 ものがたり 昔 むかし みたいに… 』主題歌 しゅだいか として制作 せいさく 、後 のち にアルバム『僕 ぼく の中 なか の少年 しょうねん 』[注釈 ちゅうしゃく 6] にイントロのコーラスが若干 じゃっかん 異 こと なるアルバム・ミックスで収録 しゅうろく された。ライブ・アルバム 『JOY 』[注釈 ちゅうしゃく 7] には、ライブ・ヴァージョンが収録 しゅうろく されている。いつまでたっても周 まわ りから要求 ようきゅう される“夏 なつ だ海 うみ だタツローだ”に苛立 いらだ ち、「もうアップ・テンポでのシングル・リリースはイヤだ、バラードがやりたい!」とダダをこねていたら、スタッフがこの企画 きかく を持 も って来 き たという。自身 じしん でも納得 なっとく の行 い く作品 さくひん が生 う まれ、「RIDE ON TIME 」[注釈 ちゅうしゃく 8] 以来 いらい のベスト・テン・ヒットとなった。本 ほん 作 さく にはアルバム・ミックスで収録 しゅうろく されている。
風 ふう の回廊 かいろう (コリドー) – (3:59)
ホンダ・クイント インテグラ のキャンペーン・ソングとして制作 せいさく 、後 のち にアルバム『POCKET MUSIC 』[注釈 ちゅうしゃく 9] に収録 しゅうろく された。この曲 きょく で描 えが かれている“過 す ぎ去 さ った恋 こい の中 なか の現実 げんじつ とも幻影 げんえい ともつかない女性 じょせい 像 ぞう ”は自身 じしん の詞 し の重要 じゅうよう なテーマのひとつであるという。完成 かんせい が遅 おく れたためにスケジュールが遅延 ちえん した結果 けっか 、エンジニアの吉田 よしだ 保 たもつ が次 つぎ の仕事 しごと でハワイへ行 い ってしまい、生 う まれて初 はじ めて自分 じぶん 自身 じしん でミックス・ダウンを行 おこな う羽目 はめ になった。この曲 きょく は山下 やました にとって初 はじ めてのデジタル・レコーディングであり、同時 どうじ に初 はじ めてコンピューター・ミュージック を導入 どうにゅう した、レコード制作 せいさく 上 じょう の一大 いちだい 分岐 ぶんき 点 てん でもあったという[4] 。
アトムの子 こ – (4:27)
アルバム『ARTISAN 』[注釈 ちゅうしゃく 10] 収録 しゅうろく 曲 きょく 。後 のち にシングル「JUVENILEのテーマ〜瞳 ひとみ の中 なか のRAINBOW〜 」[注釈 ちゅうしゃく 11] に1992年 ねん (1992 ) 、シングル「僕 ぼく らの夏 なつ の夢 ゆめ ⁄ ミューズ 」[注釈 ちゅうしゃく 12] に2009年 ねん (2009 ) 、それぞれのライブ・ヴァージョンが収録 しゅうろく された。山下 やました 曰 いわ く「漫画 まんが というカテゴリーをはるかに越 こ えた巨人 きょじん 」であり、1989年 ねん (1989 ) に死去 しきょ した手塚 てづか 治虫 おさむ へのトリビュート・ソングを、鉄腕 てつわん アトム をモチーフに書 か こうと思 おも い立 た ったのがアルバム完成 かんせい の10日 とおか 前 まえ 。どうしてもアルバムに収録 しゅうろく したくて連日 れんじつ の徹夜 てつや で仕上 しあ げ、なんとか間 あいだ に合 あ わせたという[4] 。
エンドレス・ゲーム -Endless Game- – (4:10)
TBS系 けい ドラマ『誘惑 ゆうわく 』主題歌 しゅだいか として制作 せいさく 、後 のち にアルバム『ARTISAN』[注釈 ちゅうしゃく 10] に収録 しゅうろく された。原作 げんさく のあるドラマだったので、そのイメージに合 あ わせて作 つく ったところ、自身 じしん にとっては大変 たいへん 珍 めずら しいというマイナー・コードのメロディができた。ところがいつもの歌 うた い方 かた では演奏 えんそう のオケにまったく馴染 なじ まず、うつむき加減 かげん で歌 うた ってなんとか乗 の り切 き ったという。その意味 いみ では多分 たぶん に作家 さっか 的 てき な視点 してん で書 か かれた曲 きょく だとしている[4] 。
踊 おど ろよ、フィッシュ – (4:51)
シングルとしてリリースされ、後 のち にアルバム『僕 ぼく の中 なか の少年 しょうねん 』[注釈 ちゅうしゃく 6] にアルバム・ヴァージョンで収録 しゅうろく された。「高気圧 こうきあつ ガール」[注釈 ちゅうしゃく 13] 以来 いらい 4年 ねん ぶりの全日空 ぜんにっくう 沖縄 おきなわ キャンペーン・ソングとして制作 せいさく されたがこの時期 じき 、自身 じしん が80年代 ねんだい 初期 しょき に行 い っていたリゾート・ミュージックと言 い われるような開放 かいほう 的 てき なスタイルのものにほとんど興味 きょうみ が持 も てなくなっていたという。それでも事務所 じむしょ スタッフから「タツローが夏 なつ をやらなくてどうする!」とハッパをかけられ、この仕事 しごと を引 ひ き受 う けたという。楽曲 がっきょく 的 てき には決 けっ して嫌 きら いなわけではなかったが、自分 じぶん の中 なか に何 なに かこだわりがあった為 ため か、シングル・ヴァージョンは未 み CD化 か のままだった[4] 。本 ほん 作 さく には山下 やました がオリジナル・シングルに色々 いろいろ と不満 ふまん があったことから、当時 とうじ の素材 そざい を集 あつ めて編集 へんしゅう し直 なお されたヴァージョンが収録 しゅうろく されている[5] 。
ターナーの汽罐 きかん 車 しゃ -Turner's Steamroller- – (4:33)
アルバム『ARTISAN』[注釈 ちゅうしゃく 10] からのシングル・カット曲 きょく だが、シングル・ヴァージョンはエンディングにもヴォーカルが入 はい っている。ある晩 ばん 訪 おとず れたパブの、トイレに続 つづ く暗 くら い廊下 ろうか の影 かげ で、長 なが い髪 かみ に黒 くろ いワンピースの女性 じょせい が顔 かお を覆 おお ってすすり泣 な いているのを目撃 もくげき した経験 けいけん と、イギリスの画家 がか ターナー (Joseph Mallord William Turner )の絵画 かいが 『雨 あめ 、蒸気 じょうき 、スピード』(Rain, Steam and Speed )のイメージとを強引 ごういん に掛 か け合 あ わせてできた一 いち 曲 きょく だという[4] 。この曲 きょく は当初 とうしょ 、普通 ふつう のドラムとベースのリズム・セクションでレコーディングされたが、曲 きょく の持 も つ耽美 たんび 的 てき なイメージに近 ちか づけたいとの意向 いこう で、打 う ち込 こ みのリズムに変更 へんこう された。本 ほん 作 さく 収録 しゅうろく に際 さい し、イントロのSEがカットされている。
土曜日 どようび の恋人 こいびと – (3:15)
フジテレビ 『オレたちひょうきん族 ぞく 』エンディングテーマ。ボビー・ヴィー(Bobby Vee )やゲイリー・ルイス(Gary Lewis and the Playboys )の諸 しょ 作品 さくひん に代表 だいひょう される1960年 ねん (1960 ) 代 だい のスナッフ・ギャレット(Snuff Garrett )の線 せん を狙 ねら った曲 きょく で、楽曲 がっきょく 的 てき には気 き に入 い っていたものの、'85年 ねん のご時世 じせい にはあまりにアナクロな願望 がんぼう だったため、音 おと 作 づく りにとても苦心 くしん したという[4] 。今回 こんかい も新 あら たにミックスがやり直 なお されているが、山下 やました は「10年 ねん もたつのにまだいじり足 た りなくて、今回 こんかい また新 あら たにミックスをやり直 なお してしまいました。ビョーキですね」[4] という。だが本 ほん 作 さく のミックスについて後 のち に「ようやく、満足 まんぞく のいく仕上 しあ がりになった」と語 かた っており[6] 、2012年 ねん (2012 ) 発売 はつばい のオールタイム・ベスト 『OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜 』[注釈 ちゅうしゃく 14] や2020年 ねん (2020 ) 発売 はつばい のリイシュー・アルバム『POCKET MUSIC (2020 Remaster) 』[注釈 ちゅうしゃく 15] にもこのミックスが使 つか われている[7] 。
ジャングル・スウィング -Jungle Swing- – (5:05)
初 はつ アルバム化 か 作品 さくひん 。日産 にっさん ・スカイラインCMイメージソング 。フル・ヴァージョンはCM サイズと歌詞 かし が一部 いちぶ 異 こと なる。歌詞 かし の“9thのコード”は、9代目 だいめ スカイラインに因 ちな んでのもので、曲 きょく のイメージは黒澤 くろさわ 明 あきら 監督 かんとく 作品 さくひん 『野良犬 のらいぬ 』の中 なか で笠置 かさぎ シズ子 しずこ が「ジャングル・ブギー 」を歌 うた うシーンが元 もと になっているという。山下 やました はU2 の「ディザイヤー」がリリースされた頃 ころ 、ボ・ディドリー のビートを使 つか った曲 きょく を作 つく ってみようと思 おも い立 た ったという。歌詞 かし については「この頃 ころ はテクノ・ディスコみたいな音楽 おんがく が流行 はや り始 はじ めた時期 じき だったので、“そんなフェイクなビートじゃとても踊 おど れやしない”という歌詞 かし を思 おも いついて、代 か わりに何 なに を聴 き かせてほしいかな? と考 かんが えたら、アーサー・コンリー だと思 おも って、“スウィート・ソウル・ミュージック ”にした」と語 かた っている。
世界 せかい の果 は てまで – (5:07)
読売 よみうり テレビ ・日本 にほん テレビ系 けい ドラマ『ベストフレンド 』主題歌 しゅだいか として制作 せいさく 、シングルのみでリリースされた。「Endless Game」[注釈 ちゅうしゃく 16] 同様 どうよう 、結果 けっか 的 てき に作家 さっか 的 てき な意思 いし が強 つよ く出 で た、自身 じしん の作品 さくひん としては異色 いしょく なアプローチとなったという[4] 。本 ほん アルバム収録 しゅうろく に際 さい し、リミックスされている。
おやすみロージー -Angel Babyへのオマージュ- – (2:44)
ライブ・アルバム『JOY』[注釈 ちゅうしゃく 7] からの先行 せんこう シングル曲 きょく 。もともとは鈴木 すずき 雅之 まさゆき 1987年 ねん (1987 ) のアルバム 『Radio Days 』[注釈 ちゅうしゃく 17] のために書 か き下 お ろされた和製 わせい ドゥー・ワップ・ソング で、タイトルはロージー & ジ・オリジナルズ(Rosie & The Originals )1960年 ねん (1960 ) のヒット・シングル「ANGEL BABY 」[注釈 ちゅうしゃく 18] から取 と られている。山下 やました 自身 じしん も気 き に入 い っている作品 さくひん で、自身 じしん のライヴでもアカペラ 仕立 した てにして取 と り上 あ げていた。ライブ・ヴァージョンはバック・トラックがテープのカラオケ なので、本 ほん 作 さく 収録 しゅうろく に際 さい しオーディオ的 てき なグレードをもう少 すこ し上 あ げたいとの理由 りゆう から、ライブでのリード・ヴォーカルをもとの演奏 えんそう が入 はい っているマルチ・トラック・テープにそのままプリントしてミックスし直 なお された。
クリスマス・イブ – (4:15)
『MELODIES』[注釈 ちゅうしゃく 3] 収録 しゅうろく 曲 きょく 。バロック音楽 おんがく でよく聞 き かれるコード進行 しんこう なので、何 なに かその風味 ふうみ を入 い れたいと考 かんが え、ふと思 おも いついたテーマが“クリスマス ”だった。その時 とき 、シュガー・ベイブ 時代 じだい にトライして未完 みかん だった曲 きょく の歌 うた い出 だ し「雨 あめ は〜」が突然 とつぜん よみがえり、歌詞 かし はあっという間 ま に出来 でき たという。どうせなら間奏 かんそう に本物 ほんもの のバロックを引用 いんよう しようと、昔 むかし から大好 だいす きだったパッヘルベル のカノン が選 えら ばれた。スウィングル・シンガーズ (The Swingle Singers )のスタイルを一人 ひとり アカペラ でやろうというので、8小節 しょうせつ のレコーディングに半日 はんにち 費 つい やされた。エンディングのコーラスが一転 いってん してアソシエイション (The Association )風 ふう のアプローチなのは、オフコース への対抗 たいこう 意識 いしき から出 で たアイデアだという。シングルには地味 じみ だとは言 い え、せっかく作 つく ったクリスマス・ソングなので、毎年 まいとし 末 まつ に季 き 節 ぶし 限定 げんてい 商品 しょうひん としてピクチャー・レコード、カラー・ビニール、ピクチャー・レーベルと、趣向 しゅこう を変 か えてリリースされ続 つづ けた。それが、'88年 ねん から4年 ねん にわたってJR東海 とうかい のクリスマス・キャンペーンに使用 しよう されたことでブレイク、毎年 まいとし チャートのベスト・テンにランクされるようになり、'89年 ねん 暮 く れにはナンバー・ワンとなった[4] 。
さよなら夏 なつ の日 ひ – (4:38)
『ARTISAN』[注釈 ちゅうしゃく 10] からの先行 せんこう シングル。夏 なつ の終 お わりにガール・フレンドと遊 ゆう 園地 えんち のプールに行 い った時 とき に夕立 ゆうだち に会 あ い、雨上 あめあ がりの虹 にじ を見 み たという高校生 こうこうせい の時 とき の思 おも い出 で を元 もと に作 つく った曲 きょく ゆえ、とても愛着 あいちゃく のある作品 さくひん だという。また、全 すべ ての演奏 えんそう を自分 じぶん 一人 ひとり で行 おこな った初 はじ めてのシングルだという事 こと も、思 おも い入 い れの強 つよ さの一因 いちいん だとしている[4] 。カウンター・ラインを、当時 とうじ 購入 こうにゅう したばかりのハンドベル で演奏 えんそう している。本 ほん 作 さく 収録 しゅうろく のためにボーカルを入 い れ直 なお していたが未 み 発表 はっぴょう となっていた別 べつ ヴォーカル・バージョンが『ARTISAN -30th Anniversary Edition- 』[注釈 ちゅうしゃく 19] のボーナス・トラック として収録 しゅうろく された[8] 。
蒼氓 そうぼう (そうぼう) – (6:06)
本 ほん ベスト・アルバム中 ちゅう 唯一 ゆいいつ シングル・カットされていない作品 さくひん で、『僕 ぼく の中 なか の少年 しょうねん 』[注釈 ちゅうしゃく 6] 収録 しゅうろく 曲 きょく 。この十 じゅう 数 すう 年間 ねんかん に書 か いた曲 きょく の中 なか で自身 じしん の思想 しそう 信条 しんじょう を最 もっと もよく表 あらわ している曲 きょく なので、一人 ひとり でも多 おお くの人 ひと に聴 き いてもらえたらと思 おも い収録 しゅうろく したという[4] 。山下 やました は「僕 ぼく は日本人 にっぽんじん だし、クリスチャン でもない。けれど、音楽 おんがく 的 てき ・文化 ぶんか 的 てき な面 めん でのアメリカの植民 しょくみん 地 ち である日本 にっぽん で半 はん 世紀 せいき 近 ちか く、その音楽 おんがく に慣 な れ親 した しみ、やり続 つづ けてきた日本人 にっぽんじん として、アメリカのブラックミュージック のクリスチャニティを何 なん らかの形 かたち で反映 はんえい させたいと思 おも ってきた。どうしたらそれができるか? その1つの問 と いかけがこの<蒼氓 そうぼう >なんだよね」と語 かた っている。また、曲 きょく 制作 せいさく の直接 ちょくせつ の動機 どうき について「現象 げんしょう としてのYMO の出現 しゅつげん 」を挙 あ げ、その音楽 おんがく 的 てき 背景 はいけい よりも人文 じんぶん 科学 かがく や社会 しゃかい 科学 かがく の潮流 ちょうりゅう だったニュー・アカデミズム の台頭 たいとう など、YMOを取 と り巻 ま く文化 ぶんか 人的 じんてき 側面 そくめん から日本 にっぽん のポピュラー音楽 おんがく の在 あ り方 かた が変容 へんよう させられるのでは、との危機 きき 感 かん や恐怖 きょうふ 感 かん を強 つよ く抱 だ いていたという。そうした理由 りゆう から、“無名 むめい 性 せい 、匿名 とくめい 性 せい への賛歌 さんか “であると同時 どうじ に、もう1つのテーマとして“反 はん 文化 ぶんか 人 じん 音楽 おんがく ”というフレーズが用 もち いられている。コーダのコーラスには、竹内 たけうち まりや、桑田 くわた 佳祐 けいすけ ・原 はら 由子 ゆうこ 夫妻 ふさい が参加 さんか しているが、山下 やました は「桑田 くわた 夫妻 ふさい の無垢 むく な声 こえ の響 ひび きが、この作品 さくひん に格調 かくちょう を与 あた えてくれている」[4] という。本 ほん 作 さく 収録 しゅうろく に際 さい し、リミックスされている。
パレード – (3:59)
山下 やました 曰 いわ く“ちょっとした「おまけ」”として収録 しゅうろく 。ナイアガラ・トライアングル (大滝 おおたき 詠一 えいいち 、伊藤 いとう 銀次 ぎんじ 、山下 やました )のオムニバス・アルバム『NIAGARA TRIANGLE Vol.1 』[注釈 ちゅうしゃく 20] に収録 しゅうろく されている、もとはシュガー・ベイブ 時代 じだい のレパートリー。1994年 ねん (1994 ) にフジテレビ系 けい 『ポンキッキーズ 』のエンディングテーマに使用 しよう されたことから、20年 ねん の時 とき を経 へ てシングルカットされた[注釈 ちゅうしゃく 21] 。このアルバムのために大瀧 おおたき が新 あら たにミックス・ダウンを行 おこな った、ニュー・リミックス・ヴァージョン。
レコーディング・メンバー
Words & Music by Tatsuro Yamashita
©1983 Smile Publishers Inc.
山下 やました 達郎 たつお :
Electric Guitar, Acoustic Guitar , Electric Piano, Synthesizers, Glocken , Percussion, 大正琴 たいしょうごと & Background Vocals
ゲット・バック・イン・ラブ -Get Back In Love- [ 編集 へんしゅう ]
Words & Music by Tatsuro Yamashita
©1988 Nichion, Inc. & Smile Publishers Inc.
青山 あおやま 純 じゅん : Drums
伊藤 いとう 広 ひろ 規 ぶんまわし : Electric Bass
難波 なんば 弘之 ひろゆき : Acoustic Piano
佐藤 さとう 康夫 やすお : Mixing Engineer
Words & Music by Tatsuro Yamashita
©1985 Smile Publishers Inc.
山下 やました 達郎 たつお :
Computer Programming, Electric Guitar, Acoustic Guitar, Synthesizers, Glocken, Percussion & Background Vocals
青山 あおやま 純 じゅん : Drums
淵 ふち 野 の 繁雄 しげお : Tenor Sax Solo
山下 やました 達郎 たつお : Mixing Engineer
Words & Music by Tatsuro Yamashita
©1991 Smile Publishers Inc.
山下 やました 達郎 たつお :
Drum Programming, Computer Programming, Electric Guitar, Synthesizers, Glocken, Effects, Percussion & Background Vocals
浜口 はまぐち 茂 しげる 外 がい 也 : Percussion
竹内 たけうち まりや : Background Vocals
村田 むらた 和人 かずと : Background Vocals
杉 すぎ 真理 まり : Background Vocals
佐藤 さとう 康夫 やすお : Mixing Engineer
エンドレス・ゲーム -Endless Game- [ 編集 へんしゅう ]
Words & Music by Tatsuro Yamashita
©1990 Nichion, Inc. & Smile Publishers Inc.
山下 やました 達郎 たつお :
Computer Programming, Acoustic Guitar, Electric Sitar, Acoustic Piano, Synthesizers, Glocken, Percussion & Background Vocals
青山 あおやま 純 じゅん : Drums
粉川 こかわ 忠範 ただのり : Trombone
佐藤 さとう 康夫 やすお : Mixing Engineer
Words & Music by Tatsuro Yamashita
©1987 Smile Publishers Inc.
山下 やました 達郎 たつお : Electric Guitar, Synthesizers, Glocken, Effects & Background Vocals
青山 あおやま 純 じゅん : Drums
伊藤 いとう 広 ひろ 規 ぶんまわし : Electric Bass
難波 なんば 弘之 ひろゆき : Acoustic Piano & Electric Piano
浜口 はまぐち 茂 しげる 外 がい 也 : Percussion
土岐 とき 英 えい 史 し : Alto Sax Solo
吉田 よしだ 保 たもつ : Mixing Engineer
ターナーの汽罐 きかん 車 しゃ -Turner's Steamroller- [ 編集 へんしゅう ]
Words & Music by Tatsuro Yamashita
©1991 Tenderberry Music, Inc.
山下 やました 達郎 たつお :
Drum Programming, Computer Programming, Electric Guitar, Acoustic Guitar, Synthesizers & Background Vocals
難波 なんば 弘之 ひろゆき : Acoustic Piano
佐藤 さとう 康夫 やすお : Mixing Engineer
土曜日 どようび の恋人 こいびと [ 編集 へんしゅう ]
山下 やました 達郎 たつお :
Electric Guitar, Acoustic Guitar, Hammond Organ , Synthesizers, Glocken, Percussion, Whistle & Background Vocals
青山 あおやま 純 じゅん : Drums
伊藤 いとう 広 ひろ 規 ぶんまわし : Electric Bass
難波 なんば 弘之 ひろゆき : Acoustic Piano & Celeste
山川 やまかわ 恵子 けいこ : Harp
佐藤 さとう 康夫 やすお : Mixing Engineer
ジャングル・スウィング -Jungle Swing- [ 編集 へんしゅう ]
Words & Music by Tatsuro Yamashita
©1993 Smile Publishers Inc.
山下 やました 達郎 たつお :
Drum Programming, Computer Programming, Electric Guitar, Acoustic Guitar, Electric Bass, Electric Piano, Synthesizers, Percussion & Background Vocals
浜口 はまぐち 茂 しげる 外 がい 也 : Percussion
佐藤 さとう 康夫 やすお : Mixing Engineer
Words & Music by Tatsuro Yamashita
©1995 Yomiuri-TV Enterprise & Smile Publishers Inc.
山下 やました 達郎 たつお :
Drum Programming, Computer Programming, Electric Bass, Electric Guitar, Acoustic Guitar, Synthesizers, Percussion, Autoharp & Background Vocals
佐藤 さとう 康夫 やすお : Mixing Engineer
おやすみロージー -Angel Babyへのオマージュ- [ 編集 へんしゅう ]
Words & Music by Tatsuro Yamashita
©1988 Smile Publishers Inc. & Uncle F Music Publishing Inc.
山下 やました 達郎 たつお :
Drums, Computer Programming, Electric Guitar, Keyboards & Background Vocals
佐藤 さとう 康夫 やすお : Mixing Engineer
Words & Music by Tatsuro Yamashita
©1983 Smile Publishers Inc.
山下 やました 達郎 たつお : Electric Guitar, Percussion, Background Vocals
青山 あおやま 純 じゅん : Drums
伊藤 いとう 広 ひろ 規 ぶんまわし : Electric Bass
難波 なんば 弘之 ひろゆき : Acoustic Piano & Electric Piano
中村 なかむら 哲 あきら : Synthesizers
吉田 よしだ 保 たもつ : Mixing Engineer
Words & Music by Tatsuro Yamashita
©1990 Nichion, Inc. & Smile Publishers Inc.
山下 やました 達郎 たつお :
Drum Programming, Computer Programming, Electric Guitar, Acoustic Piano, Synthesizers, Hand Bells , Percussion & Background Vocals
佐藤 さとう 康夫 やすお : Mixing Engineer
Words & Music by Tatsuro Yamashita
©1988 Tenderberry Music, Inc.
山下 やました 達郎 たつお :
Computer Programming, Electric Guitar, Acoustic Guitar, Synthesizers, Percussion & Background Vocals
青山 あおやま 純 じゅん : Drums
伊藤 いとう 広 ひろ 規 ぶんまわし : Electric Bass
中西 なかにし 康晴 やすはる : Acoustic Piano
浜口 はまぐち 茂 しげる 外 がい 也 : Percussion
桑田 くわた 佳祐 けいすけ : Background Vocals (Coda)
原 はら 由子 ゆうこ : Background Vocals (Coda)
竹内 たけうち まりや : Background Vocals (Coda)
佐藤 さとう 康夫 やすお : Mixing Engineer
PRODUCED AND ARRANGED BY TATSURO YAMASHITA for Tenderberry Music
Exective Producer : Ryuzo“Junior”Kosugi
Assistant Engineers : Yasuo Iijima & Satoshi Nakazawa
Recording Studios : Smile Garage, Sony Music Roppongi , Sound City & Onkio Haus
Digital Mastering Engineer : Mitsuharu Harada
Mastering Studio : On Air Azabu
Artist Management : Smile Company
A & R Co-ordinators : Shin Katayama (Smile Co.) & Kazuo Otake (east west japan)
Assistant A & R : Hiroyuki Arikawa (Smile Co.)
Session Co-Ordinator : Kenji Sakai (CMC)
Art Direction : Kenichi Hanada
Cover & Inner Illustration :
#
発売 はつばい 日 び
リリース
規格 きかく
品番 ひんばん
備考 びこう
1
1995年 ねん 11月13日 にち (1995-11-13 )
MOON ⁄ east west japan
CD
AMCM-4240
初回 しょかい 盤 ばん は三 さん 方 ぽう 背 せ ボックス仕様 しよう
2
1999年 ねん 6月 がつ 2日 にち (1999-06-02 )
MOON ⁄ WARNER MUSIC JAPAN
WPCV-10028
品番 ひんばん 改定 かいてい によるイーストウェスト盤 ばん の再発 さいはつ 。
Warner Music Japan
山下 やました 達郎 たつお OFFICIAL SITE
その他 た
シングル
オリジナル
70年代 ねんだい
80年代 ねんだい
80年 ねん 82年 ねん 83年 ねん 84年 ねん 85年 ねん 87年 ねん 88年 ねん 89年 ねん
90年代 ねんだい
90年 ねん 91年 ねん 92年 ねん 93年 ねん 94年 ねん 95年 ねん 96年 ねん 98年 ねん 99年 ねん
00年代 ねんだい
00年 ねん 01年 ねん 02年 ねん 03年 ねん 04年 ねん 05年 ねん 08年 ねん 09年 ねん
10年代 ねんだい
10年 ねん 11年 ねん 13年 ねん 16年 ねん 17年 ねん 18年 ねん 19年 ねん
20年代 ねんだい
配信 はいしん
アルバム
スタジオ
ベスト
公認 こうにん ・監修 かんしゅう 非 ひ 監修 かんしゅう ・事後 じご 公認 こうにん
企画 きかく
ア・カペラ サウンドトラック レア音源 おんげん 集 しゅう ボックス・セット ライブ その他 た コンピレーション
楽曲 がっきょく プロデュース ラジオ
関連 かんれん
カテゴリ
1月 がつ 2月 がつ 3月 がつ 4月 がつ 5月 6月 がつ 7月 がつ 8月 がつ 9月 10月 11月 12月