TeX

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TeX
The TeX logo
作者さくしゃ Donald E. Knuth
初版しょはん 1978ねん (46ねんまえ) (1978)
最新さいしんばん
3.141592653 / 2021ねん2がつ5にち (3ねんまえ) (2021-02-05)[1]
リポジトリ ウィキデータを編集
プログラミング
言語げんご
WEB
対応たいおうOS クロスプラットフォーム
サポートじょうきょう 開発かいはつちゅう
種別しゅべつ 組版くみはん処理しょり
ライセンス パーミッシブ・ライセンス
公式こうしきサイト The TeX Users Group (TUG)
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TeX (TeX) は,ドナルド・クヌース (Donald E. Knuth) が開発かいはつ[2]し,ひろ有志ゆうしによる拡張かくちょうなどがつづけられている組版くみはん処理しょりシステムである。

概要がいよう[編集へんしゅう]

TeXの特徴とくちょう[編集へんしゅう]

TeXは以下いかのようなメリットがある[3]

TeXの成立せいりつ[編集へんしゅう]

スタンフォード大学だいがくドナルド・クヌース教授きょうじゅ現在げんざい退職たいしょく)が、1976ねん自身じしん著書ちょしょ The Art of Computer Programming改訂かいていばん準備じゅんびちゅうに、鉛版えんばんにより組版くみはんされた (en:Hot metal typesetting) 旧版きゅうばん職人しょくにん仕事しごとによるうつくしさが、改訂かいていばん当時とうじ写植しゃしょくでは再現さいげんできていないことに憤慨ふんがいし、自分じぶん自身じしんこころゆくまで組版くみはん制御せいぎょするために開発かいはつ決意けついした。

クヌースはまず、伝統でんとうてき組版くみはんおよびその関連かんれん技術ぎじゅつたいする広範囲こうはんいにわたる調査ちょうさおこない、その調査ちょうさ結果けっかれることで、商業しょうぎょう品質ひんしつ組版くみはんができる、柔軟じゅうなん強力きょうりょく組版くみはんシステムを開発かいはつした。それは技術ぎじゅつ同時どうじ芸術げいじゅつをも意味いみするギリシア言葉ことばである、τέχνη(テクネ)からられ“TeX”と名付なづけられた[4]

当初とうしょ開発かいはつ本業ほんぎょうである研究けんきゅう教育きょういく合間あいま仕事しごとであったが、クヌースには1978ねんに1年間ねんかんサバティカルがあったことから、その1年間ねんかんすべてをこれに集中しゅうちゅうして完成かんせいさせるという見込みこみであった。しかし実際じっさいには、同年どうねん初版しょはんをリリースしたものの、その改訂かいていつづけることとなった。最終さいしゅうてきに、後述こうじゅつする「完成かんせいばん」の系列けいれつであるバージョン3の最初さいしょのリリースは、じつに1989ねんのことであった。

クヌースの賞金しょうきん小切手こぎって一部いちぶボカシいれ

TeXを他人たにん改造かいぞうしたり拡張かくちょうしたりした場合ばあいについて、それを直接ちょくせつ配布はいふすることをクヌースはゆるしておらず、change file というメカニズムを利用りようして差分さぶん添付てんぷする、というかたちおこなわなければならない(これは当時とうじまだ diff と patch が一般いっぱんてきひろ使つかわれていなかったことから、これもクヌースが開発かいはつしたものである)。この制限せいげんはいわゆる「バザールモデル」であるとは多少たしょうがたところがあるが、「オープンソースの定義ていぎ」では(そのような制限せいげんとの妥協だきょう産物さんぶつである)だい4こうにより、差分さぶんとう添付てんぷしたさい配布はいふゆるしているならば、派生はせいぶつ配布はいふにそのような制限せいげんがあってもよい、ということになっているため「オープンソースの定義ていぎ」には合致がっちしている。

前述ぜんじゅつのような開発かいはつ期間きかんながさの理由りゆうひとつに、クヌースが徹底的てっていてきにバグをさがしてつぶしていたから、ということもげられる。どのようなバグを修正しゅうせいしたか、ということも記録きろくしており、ある時期じきまでのものについて解説かいせつ一覧いちらんが『文芸ぶんげいてきプログラミング』のだい10しょうだい11しょう収録しゅうろくされている。そのため、のこっているバグはすくないだろうとして、ジョークきのクヌースが、バグ発見はっけんしゃたいしては前回ぜんかいのバグ発見はっけんしゃの2ばい懸賞けんしょうきんけている。この賞金しょうきん小切手こぎってクヌース賞金しょうきん小切手こぎって)ではらわれるが、もらっても記念きねんっておくばかりなので、結局けっきょくクヌースの出費しゅっぴはほとんどないという(とはいえやはりジョークかもしれないが、やめておけばかった、というようにれることもいている)。

クヌースは TeX のバージョン 3 を開発かいはつしたさいに、これ以上いじょう機能きのう拡張かくちょうはしないことを宣言せんげんした。その不具合ふぐあい修正しゅうせいのみがなされ、バージョン番号ばんごうは 3.14, 3.141, 3.1415, … というようにけられている。これは更新こうしんたび円周えんしゅうりつちかづいていくようになっていて、クヌースの時点じてんをもってバージョン πぱい として、バージョンアップをるとのことである[ちゅう 1]

クヌースは TeX の開発かいはつ同時どうじに、TeX で利用りようするフォント作成さくせいするためのシステムである METAFONT開発かいはつした。こちらのバージョン番号ばんごうは 2.71, 2.718, 2.7182, … というように、更新こうしんたびネイピアすうちかづいていくようになっている[ちゅう 2]。さらにクヌースは METAFONT を使つかって、欧文おうぶんフォント Computer Modern設計せっけい(デザイン)した。Computer Modern(cmとりゃくされることもある)にはクヌース自身じしん欧文おうぶんフォントにたいする美的びてき感覚かんかく反映はんえいされ、まったくのプレーンな TeX ではデフォルトのフォントであるが、現在げんざいおおくの利用りようしゃは Times など伝統でんとうてき定番ていばんフォントを使つかうよう設定せっていしていることもおおい。

TeX および METAFONT はまた、同様どうようにクヌース自身じしん提唱ていしょうする文芸ぶんげいてきプログラミング (Literate Programming) の「ドキュメンテーションをおもとし、コードはそれに付随ふずいする」スタイルによるだい規模きぼなプロジェクトのいちれいでもある。やはりクヌースによる文芸ぶんげいてきプログラミングのためのシステム WEB の tangle により、そのようにしてかれている文芸ぶんげいてきな「プログラム」のなかから Pascalかれているコード部分ぶぶんされ、コンパイルできるように編集へんしゅうなおされてなんらかの Pascal の実装じっそうにより処理しょりされる(だい規模きぼなコードのため、おおくの Pascal 実装じっそうにおいて1個いっこ以上いじょうのバグをつけている、ともいわれる)。同様どうようにして WEB の weave をとおしてられるドキュメントを書籍しょせきにしたものが TeXbook と METAFONTbook である。Pascal が使つかわれているのは開発かいはつにとりかかったのがふるく、C言語げんごひろ一般いっぱんてきになるよりまえだったこともあるが、近年きんねんではC言語げんごをターゲットとした WEB である WEB2C が使つかわれることもおおい。

ちゅうLaTeXとのちがいはLaTeX参照さんしょう。LaTeXにはTeXより便利べんり機能きのうおおいため、TeXを使用しようしているといってもLaTeXを利用りようしている、という場合ばあいがある。ちなみに、後述こうじゅつにも登場とうじょうするwikipediaじょう数式すうしきは、WikipediaサーバじょうのLaTeXでSVG画像がぞうにしているものである。

名称めいしょうについて[編集へんしゅう]

製作せいさくしゃドナルド・クヌースにより以下いかのように要請ようせいされている。

表記ひょうき[編集へんしゅう]

\TeXギリシア: τέχνη技術ぎじゅつ芸術げいじゅつ」に由来ゆらいし、ギリシア文字もじΤたう(タウ)- Εいぷしろん(イプシロン)- Χかい(カイ)である。E をすこげて、あいだめてく。プレーンテキストなどそれができない場合ばあいには “TeX” と表記ひょうきする(“TEX”や“Tex”と表記ひょうきするのはあやまり)。

かた[編集へんしゅう]

英語えいごアルファベット X(エックス、/ˈɛks/)としてむのではなく、ギリシアふう無声むせい軟口蓋なんこうがい摩擦音まさつおん /x/(ドイツach-lautch)で /tex/ と発音はつおんするのが本来ほんらいである[5]TeXbook では、そのようにただしく発音はつおんするとコンピュータのはしまつ(のCRTディスプレイ)が、呼気こきでちょっとくもる、と冗談じょうだんかれている(CRTディスプレイがくもるという冗談じょうだんはともかく、その発音はつおん呼気こきともなうものであるのはたしか)。英語えいごにおいては、おおくの方言ほうげん音素おんそ /x/存在そんざいせずわりに /k/使つかわれること、τέχνη由来ゆらいする英語えいご: technical/ˈtɛk.nɪk.əl/むことから /ˈtɛk/まれる。ドイツでは /ɛ/ぜんした母音ぼいんであることから ich-laut発音はつおんになり、/ˈtɛç/ である。日本にっぽんではどれもカタカナで表現ひょうげんするのがむずかしいため「テック」ないし「テフ」とかれる。ドイツch をハぎょう表現ひょうげんすることもあるので間違まちがいとはれないものの、あえてマ字まじくなら hu であり、日本語にほんごの「ファぎょうのフ」である無声むせいりょうくちびる摩擦音まさつおん /ɸ/マ字まじfu)ではない。TeXbook邦訳ほうやく出版しゅっぱんなど、日本にっぽんでの普及ふきゅうおおきく関与かんよしたアスキーで、編集へんしゅうしゃだった鈴木すずき嘉平かへいによれば、アスキー社内しゃないでは「テック」とんでいたが、先輩せんぱい編集へんしゅうしゃによれば(fuで発音はつおんする)「テフ」ではないとはっきりいておかなかったのが原因げんいんで、日本にっぽんには「テフ」がひろまってしまった、という[6]

機能きのう[編集へんしゅう]

TeX はマークアップ言語げんごのスタイルをとっている。すなわち、文章ぶんしょうそのもの(テキスト)と文章ぶんしょう構造こうぞう指定していする命令めいれい(コントロールシーケンス)が記述きじゅつされたテキストファイルみ、そこにかれた命令めいれいにより文章ぶんしょう組版くみはんし、組版くみはん結果けっかDVI 形式けいしきのファイルにす。DVI 形式けいしきとは、装置そうち依存いぞんしない (device-independent) 中間なかま形式けいしきのことである。処理しょりけい機能きのうで、チューリング完全かんぜんである。

DVIファイルには紙面しめんのどの位置いちにどの文字もじ配置はいちするかといった情報じょうほうまれている。実際じっさいかみ印刷いんさつしたりディスプレイじょう表示ひょうじしたりするためには、DVI ファイルを解釈かいしゃくするべつのソフトウェアがもちいられる。DVI ファイルをあつかうソフトウェアとして、各種かくしゅのビューワや PostScript などのページ記述きじゅつ言語げんごへのトランスレータ、プリンタドライバなどが利用りようされている。

組版くみはん処理しょりについては、くだり分割ぶんかつおよびページ分割ぶんかつ位置いち判別はんべつハイフネーションリガチャ、およびカーニングなどを自動じどう処理しょりでき、その自動じどう処理しょり内容ないよう種々しゅじゅのパラメータを変更へんこうすることによりカスタマイズできる。数式すうしき組版くみはんについても、おおくの機能きのうまれている。TeX が文字もじなどを配置はいちする分解能ぶんかいのう25.4/(72.27 × 216) mmやく 5.363 nm、4,736,286.72 dpi)である。

TeX のあつか命令めいれいぶんなかには、組版くみはん直接ちょくせつかかわる命令めいれいぶんほかに、あたらしい命令めいれいぶん定義ていぎするための命令めいれいぶんもある。こうした命令めいれいぶんマクロばれ、TeX ユーザー独自どくじ改良かいりょうにより、種々しゅじゅのマクロパッケージが配布はいふされている。

比較的ひかくてきよくられている TeX うえのマクロパッケージには、クヌース自身じしんによる plain TeX、一般いっぱんてき文書ぶんしょ記述きじゅつすぐれた LaTeX数学すうがくてき文書ぶんしょようAmS-TeX などがある。一般いっぱん使用しようしゃは、TeX を直接ちょくせつ使つかうよりも、TeX になんらかのマクロパッケージをませたものを使つかうことのほうおおい。

TeX の用途ようと拡張かくちょうしたマクロパッケージとして、つぎのようなものがある。

TeX とそれに関連かんれんするプログラム、および TeX のマクロパッケージなどは CTANComprehensive TeX Archive Network、包括ほうかつ TeX アーカイブネットワーク)[14]からダウンロードできる。

数式すうしき表示ひょうじれい[編集へんしゅう]

たとえば

-b\pm \sqrt{b^2 -4ac} \over 2a

以下いかのように表示ひょうじされる。

また、

f(a,b)=\int_a^b \frac{1+x}{a+x^2 +x^3} \, dx

以下いかのように表示ひょうじされる。

TeX の日本語にほんご[編集へんしゅう]

日本語にほんご組版くみはん処理しょりのできる日本語にほんごばんの TeX および LaTeX には、アスキーによる pTeX および pLaTeX と、NTT斉藤さいとうやすしおのれによる NTT JTeX[ちゅう 3]および磯崎いそざき秀樹ひできによる NTT JLaTeX などがある。

TeX の日本語にほんご対応たいおうにおいて技術ぎじゅつてきもっとおおきな課題かだいは、マルチバイト文字もじへの対応たいおうである。pTeX(および前身ぜんしん日本語にほんご TeX)は、JIS X 0208文字もじ集合しゅうごうとした文字もじコードISO-2022-JPEUC-JP、および Shift_JIS)を直接ちょくせつあつかう。DVI フォーマットは元々もともと16ビット以上いじょう文字もじコードを格納かくのうできる仕様しようふくまれていた。しかしオリジナルの英語えいごばんでは使つかわれていなかったため、既存きそんプログラムのおおくは pTeX が出力しゅつりょくする DVI ファイルを処理しょりできない。またフォント関係かんけいするファイルフォーマットが拡張かくちょうされている。これにたいして NTT JTeX は、複数ふくすうの1バイト文字もじセットに分割ぶんかつすることで対応たいおうしている。たとえば、ひらがなとカタカナは内部ないぶてきには別々べつべつの1バイト文字もじセットとしてあつかわれる。このためにオリジナルの英語えいごばんからの変更へんこうちいさく、移植いしょく比較的ひかくてき容易よういである。ファイルフォーマットがおなじなので英語えいごばんのプログラムで DVI ファイルとう処理しょりすることもできる。しかし後述こうじゅつするフォントのマッピングの問題もんだいがあるため、実際じっさいにはおおくの使用しようしゃが NTT JTeX よう拡張かくちょうされたプログラムを使つかっている。

使用しようする日本語にほんごようフォントについては pTeX がうつしけんフォントの使用しようを、NTT JTeX が大日本印刷だいにほんいんさつフォントの使用しよう前提ぜんていとしており、それぞれフォントメトリック情報じょうほう(フォントの文字もじ寸法すんぽう情報じょうほう)をバンドルして配布はいふしている。しかし有償ゆうしょうであるこれらのフォントのグリフ情報じょうほうっていなくても、画面がめん表示ひょうじ印刷いんさつさい使用しようしゃ利用りようできるほか日本語にほんごようフォントで代用だいようすることができる。つまりうつしけんフォントや大日本印刷だいにほんいんさつフォントのフォントメトリック情報じょうほうもちいて文字もじ位置いち固定こていし、画面がめん表示ひょうじ個人こじんユースの安価あんかなプリンタによるプレビュー印刷いんさつには日本語にほんごようフォントをもちい、業者ぎょうしゃなどによる最終さいしゅうてき出力しゅつりょくでは商用しょうようフォントを使用しようして目的もくてき仕上しあがりをる、といったことも可能かのうである。このため日本語にほんごされた TeX 関係かんけいプログラムのほとんどは、画面がめん表示ひょうじ印刷いんさつ実際じっさい使つかうフォントを選択せんたくできるように、フォントのマッピング(対応たいおうけ)を定義ていぎする機能きのうっている。

歴史れきしてきには、アスキー日本語にほんご TeX の PC-9800 シリーズ対応たいおうばん販売はんばいしたために個人こじん使用しようしゃ中心ちゅうしん普及ふきゅうした。一方いっぽう、NTT JTeX はもと英語えいごばんプログラムからの変更へんこう比較的ひかくてきちいさいという利点りてんけて、UnixけいOSを使つか大学だいがく研究けんきゅう機関きかん関係かんけいしゃ中心ちゅうしん普及ふきゅうした。

しかし現在げんざいではつぎげる理由りゆうから、日本語にほんご対応たいおう TeX として pTeX が使つかわれていることがおおい。

  • UnixけいOSようおも日本語にほんご対応たいおう TeX 配布はいふ形態けいたいである ptexlive[15]や ptetex3[16][17]pTeX のみを採用さいようしている。
  • Microsoft Windows ようおも日本語にほんご対応たいおう TeX 配布はいふ形態けいたいである W32TeX[18]pTeX をあつかえる(NTT JTeX もあつかえる)。
  • pTeX のあつかかた解説かいせつする文献ぶんけんほうが、NTT JTeX のものにくらべて、出版しゅっぱんぶつWeb うえ文書ぶんしょ両方りょうほうおおい。
  • pTeX はたてにも対応たいおうしているが、NTT JTeX は対応たいおうしていない。

TeX による組版くみはん作業さぎょう工程こうてい[編集へんしゅう]

TeX による組版くみはん作業さぎょう工程こうていは、通常つうじょうのようになる。

  1. 文章ぶんしょう組版くみはんよう命令めいれいぶんんだテキストファイルである、tex ファイルを作成さくせいする(テキストエディタなどで)。
  2. OSコマンドラインから “tex FileName.tex” などと入力にゅうりょくして TeX を起動きどうし、DVI ファイルを生成せいせいさせる。
    • ソースファイルにエラーがあれば、修正しゅうせいして再度さいど TeX を起動きどうする。
  3. DVI 命令めいれいぶんするソフトウェア(DVI ウェア)をもちいて組版くみはん結果けっか表示ひょうじし、確認かくにんする。
    • DVI ウェアには xdvi / xdvikdviout[19][20]などの DVI ヴューア、Dvips(k)dvipdfm / DVIPDFMx などのファイル形式けいしき変換へんかんソフトウェアなどがある[ちゅう 4]
    • DVI ファイルを DVI ビューアで画面がめん表示ひょうじまたは印刷いんさつする、あるいは PDFPostScript変換へんかんして画面がめん表示ひょうじまたは印刷いんさつすることで、組版くみはん結果けっか確認かくにんする。
    • 修正しゅうせい必要ひつようがあれば、ソースファイルを修正しゅうせいして再度さいどDVIファイルを作成さくせい確認かくにんする。

このあいだ作業さぎょう工程こうていわるたびにそれぞれのプログラムをえたり、あつか文書ぶんしょおおきいとしょうごとにソースファイルを分割ぶんかつして管理かんりしたりと、比較的ひかくてき煩雑はんざつ作業さぎょうともなう。そのため、この工程こうていかかわる各種かくしゅのプログラムやソースファイルの管理かんり一元いちげんてきおこなう TeX よう統合とうごう環境かんきょうTeXworksTeXShop など)がいくつか作成さくせいされている。

GUI 環境かんきょうと TeX[編集へんしゅう]

GUIPC普及ふきゅう一役ひとやくったが、それとともに TeX などのコマンドラインインタプリタ不慣ふなれな PC 利用りようしゃ増加ぞうかした。そのために、GUI にとくした TeX よう統合とうごう環境かんきょうLyX[21] などいくつか作成さくせいされている。

関連かんれんソフトウェア[編集へんしゅう]

コミュニティ[編集へんしゅう]

TeX Users Group のロゴ

有名ゆうめいな TeX コミュニティのひとつは TeX Users Group (TUG) であり、TUGboat英語えいごばん[39]The PracTeX Journal英語えいごばん[40] (TPJ) を出版しゅっぱんしている。Deutschsprachige Anwendervereinigung TeX英語えいごばん[41] はドイツのおおきなユーザーグループである。tex.stackexchange.com[42] は TeX ユーザーのための質問しつもん回答かいとうサイトである。

TeX ユーザのつどいは、日本にっぽんで2009ねん以降いこう毎年まいとしひらかれている TeX の研究けんきゅう集会しゅうかいであり、TeX や組版くみはん出版しゅっぱんなどかんする知見ちけん共有きょうゆうや、TeX ユーザーの相互そうご交流こうりゅう目的もくてきとしている[43][44]。ただし2013ねんは、TUG 2013 が東京とうきょう開催かいさいされ、TeX ユーザのつどいは開催かいさいされなかった[45]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

補足ほそく[編集へんしゅう]

  1. ^ 2021ねん2がつ現在げんざいのバージョンは 3.141592653 である。
  2. ^ 2021ねん2がつ現在げんざいのバージョンは 2.71828182 である。
  3. ^ NTT JTeX は千葉大学ちばだいがく櫻井さくらい貴文たかふみによって UNIX システムに移植いしょくされ、メンテナンスされている。現在げんざい、「Software by Takafumi SAKURAI」で公開こうかいされている。
  4. ^ かく DVI ウェアのあいだには DVI ファイルの解釈かいしゃく表示ひょうじについて互換ごかんせいがない場合ばあいがある。とくに、ある DVI ウェアに依存いぞんしたパッケージをソースファイルにもちいるなどして、その DVI ウェアよう専用せんよう命令めいれいぶん (special) をんで作成さくせいした DVI ファイルは、当然とうぜんながらその専用せんよう命令めいれいぶん解釈かいしゃく可能かのうな DVI ウェアでなければ画面がめん表示ひょうじ印刷いんさつなどがまさしくできない。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ CTAN: Package TeX”. CTAN. 2021ねん2がつ21にち閲覧えつらん
  2. ^ bit 編集へんしゅう『bit 単語たんごちょう共立きょうりつ出版しゅっぱん、1990ねん8がつ15にち、155ぺーじISBN 4-320-02526-1 
  3. ^ 『LaTeX2εいぷしろん美文びぶんしょ作成さくせい入門にゅうもん技術評論社ぎじゅつひょうろんしゃ、2020ねん11月27にち、1ぺーじ 
  4. ^ Knuth 1984.
  5. ^ Knuth 1984, p. 1, Ch. 1: The Name of the Game.
  6. ^ Talpa memorandum: TeXはテック
  7. ^ The TeX Catalogue OnLine, Entry for slides, Ctan EditionRing Server によるミラーリング
  8. ^ AMS-LaTeX — American Mathematical Society
  9. ^ The TeX Catalogue OnLine, Entry for amslatex, Ctan EditionRing Server によるミラーリング
  10. ^ XyMTeX 化学かがく構造こうぞうしき描画びょうがシステム
  11. ^ The TeX Catalogue OnLine, Entry for XyMTeX, Ctan EditionRing Server によるミラーリング
  12. ^ Werner Icking Music Archive: MusiXTeX Files
  13. ^ The TeX Catalogue OnLine, Entry for MusiXTeX, Ctan EditionRing Server によるミラーリング
  14. ^ the Comprehensive TeX Archive Network
  15. ^ ptexlive Wiki
  16. ^ ptetex—teTeX よう日本語にほんごパッチしゅう
  17. ^ ptetex Wiki
  18. ^ W32TeX日本語にほんご
  19. ^ dviout/dviprt 開発かいはつしつ — Oshima Laboratory
  20. ^ The TeX Catalogue OnLine, Entry for dviout, Ctan EditionRing Server によるミラーリング
  21. ^ LyX
  22. ^ The TeX Catalogue OnLine, Entry for MakeIndex, Ctan EditionRing Server によるミラーリング
  23. ^ The TeX Catalogue OnLine, Entry for etex, Ctan EditionRing Server によるミラーリング
  24. ^ The TeX Catalogue OnLine, Entry for Omega, Ctan EditionRing Server によるミラーリング
  25. ^ The TeX Catalogue OnLine, Entry for aleph, Ctan EditionRing Server によるミラーリング
  26. ^ TeXShop — Richard Koch
  27. ^ The TeX Catalogue OnLine, Entry for TeXShop, Ctan EditionRing Server によるミラーリング
  28. ^ TeX 入門にゅうもん #EasyTeX — 中川なかがわ ひとし
  29. ^ Welcome to GNU TeXmacs (FSF GNU project)
  30. ^ The TeX Catalogue OnLine, Entry for TeXmacs, Ctan EditionRing Server によるミラーリング
  31. ^ TeX Live — TeX Users Group
  32. ^ The TeX Catalogue OnLine, Entry for texlive, Ctan EditionRing Server によるミラーリング
  33. ^ The teTeX Homepage
  34. ^ The TeX Catalogue OnLine, Entry for teTeX, Ctan EditionRing Server によるミラーリング
  35. ^ mimeTeX quickstart
  36. ^ The TeX Catalogue OnLine, Entry for mimeTeX, Ctan EditionRing Server によるミラーリング
  37. ^ Textext — Pauli Virtanen
  38. ^ Inkscape de LaTeX
  39. ^ TUGboat - Communications of the TeX Users Group
  40. ^ The PracTeX Journal home page
  41. ^ Dante e.V.
  42. ^ tex.stackexchange.com
  43. ^ TeX ユーザのつどい2009
  44. ^ TeX ユーザのつどい2015
  45. ^ TUG 2013 - TeX Users Group

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]