モンスター娘 のお医者 さん
『モンスター
モンスター | |
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![]() テレビアニメ | |
ジャンル | |
イラスト | Zトン |
レーベル | ダッシュエックス |
2016 | |
Zトン(キャラクター | |
COMICリュウWEB | |
レーベル | RYU COMICS |
2018 | |
Zトン・ソロピップB (キャラクター | |
ダッシュエックスコミック | |
レーベル | ヤングジャンプ コミックス |
2020 | |
アニメ | |
シリーズ |
|
キャラクターデザイン | |
TO-MAS | |
アニメーション |
アルボアニメーション |
リンドヴルム | |
TOKYO MXほか | |
2020 | |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | ライトノベル・ |
ポータル |
あらすじ
かつてヴィヴル
登場 人物
リンド・ヴルム
診療 所 の人物
- グレン・リトバイト
声 -土岐 隼 一 [3]、小市 眞琴 (幼少 期 )種族 -人間 本 作 の主人公 [4]。17歳 の青年 。東方 の表記 では紅蓮 ・リトバイト。リトバイト診療 所 医院 長 。平和 となった世界 で魔 族 専 門 の診療 所 を営 む。性格 は気弱 で、そのせいでより若 く見 られることもある。幼 いころから魔 族 に関 する本 を読 み漁 るなど、知識欲 が有 りかつ正義 感 をもつ。知識欲 からか、診察 に没頭 しすぎることがあり、サーフェから配慮 が足 りないと言 われるほど。無自覚 な仕事 中毒 で、診療 所 に患者 が来 なければ、往診 して病人 を探 そうとする。過労 で倒 れたこともある。生 まれは人間 領 東端 の商家 の次男 で、父 は東方 商会 同盟 の幹部 。家業 は古 くから元老 院 の御用 商人 をしている廻船 問屋 で、首都 周辺 の船 を全部 仕切 る絶大 な権力 を持 つ商家 の御曹子 であった。家督 争 いに参加 することなく、兄 のソーエンに跡目 を譲 ったのだが、その際 のいざこざで勘当 寸前 になり、原因 を作 った兄 とは仲 が悪 い。助手 のサーフェとは幼馴染 で、魔 族 領 のネメア・アカデミーでは姉 弟 関係 。アカデミー卒業 時 にサーフェから貰 った金 竜 の鱗 のアクセサリーを大切 にしている。在学 中 はサーフェやライムと同 じ研究 室 で魔 族 の悩 み相談 を引 き受 けていたが、過労 に起因 する転落 事故 によって脳 挫傷 を起 こし、クトゥリフとライムの処置 で一命 は取 り留 めたが短期 記憶 を喪失 している。魔 族 領 へ留学 した初 の人間 。人間 で唯一 の魔 族 専 門 の医師 で、師 のクトゥリフから唯一 、リンド・ヴルムで診療 所 の開業 を許 された天才 。作業 速度 はともかく、技術 の繊細 さや丁寧 さでは師 を超 えつつある。スカディの手術 の執刀 医 の一人 を担当 し、手術 を受 けようとしない彼女 の説得 にもあたった。自分 の病院 を持 ちたいという思 いはあるが、大 病院 を院長 として経営 するのではなく、患者 1人 1人 を自分 で診察 することに拘 りがある。師 が『気 』という概念 には懐疑 的 なので、鍼治療 などの東方 の医術 については独学 。後 に『鬼 変 病 』の診療 記録 の買取 料 で借金 を完済 、晴 れて独立 を果 たす。体力 は多少 あるが、ソーエンから体力 をスィウに奪 われたと評 される程度 で、勉強 一筋 だったため格闘技 や武術 の心得 は全 くない。ただ、鬼 の血 を引 く一族 の生 まれだけあって、火事場 の馬鹿力 で女性 1人 を抱 えて運 ぶ程度 の筋力 はある。料理 もからきしだが、卵酒 などの治療 に関 わるものだけは上手 に作 れる。大陸 公用 語 や人間 領 の文字 のみならず、見様見真似 で古代 文字 を書 くこともできるほどの教養 を持 つも、筆 不精 であり、実家 を出 て以来 ただの1通 も手紙 を返信 していない。様々 な魔 族 から好意 を寄 せられているが、色事 には疎 い。それでも結婚 相手 にするならサーフェと心 に決 めており、クトゥリフからの言 いつけで深 い関係 にはなっていなかったが、水路 街 に毒 が撒 かれた事件 で彼女 が診療 所 を飛 び出 したときに、覚悟 を決 めてプロポーズをした。事件 被害 者 の治療 費 を返済 し終 えるまでは婚約 者 として過 ごす予定 だったが、条例 改正 を受 けてティサリアやアラーニャをはじめ、多 くの女性 から求婚 を受 けている事態 は変 わらなかった。正式 に婚約 者 になったサーフェ、ティサリア、アラーニャの3人 には婚約 指輪 を送 っている。- サーフェンティット・ネイクス
声 -大西 沙織 [3]種族 - ラミア本 作 のヒロインの一人 [2]。下半身 が蛇 のラミア族 で19歳 の少女 。グレンと共 に診療 所 を営 む[2]。優秀 な薬剤師 。愛称 はサーフェ[2]。- アルビノのラミアで、
白 い鱗 、銀色 の髪 、ルビーのような赤 い瞳 を持 つ。光 に弱 く、日焼 け止 め軟膏 を塗 り、アラクネ製 の遮光 ベール、遮光 インナーを常 に身 に纏 っている。 薬品 売買 で財 を成 したネイクス家 の本家 出身 。現在 は実家 を出奔 しているが、ネイクス家 の頭領 の1人 娘 であり、平和 な時代 が訪 れてもいざという時 のために毒牙 だけは残 しておくようにと暗殺 者 として育 てられ、その関係 から暗殺 術 に精通 している。- グレンの
幼馴染 で、彼 の姉 弟子 。リトバイト一族 とネイクス一族 の利害 の一致 から、8歳 のとき人質 としてリトバイト家 にやってきて、幼 いグレンたちと一緒 に過 ごした過去 がある。 - お
酒 が大好 きで、高級 なお酒 につられ、ティサリアに協力 したこともある。特 にワインを好 み、常連 になっている『大 烏賊 の寝床 亭 』で取 り扱 っている全 てのワインを飲 んだことがある。酔 っ払 うと蛇 の下半身 で絡 みついてくる文字通 りの絡 み酒 。後述 のアラーニャとは呑 み仲間 で、掴 みどころのない彼女 の扱 いに長 けている。後述 するティサリアとは犬猿 の仲 だが、実 は似 た者 同士 で、最近 はお互 いを認 め合 って大人 の対応 をとることも多 い。 - スカディの
手術 の際 には、竜 に効 く麻酔 を開発 し、麻酔 医 として脈拍 などを常 に監 視 していた。 - グレンに
対 して恋 をしているが、クトゥリフから釘 を刺 されているので関係 はなかなか進展 しない。少々 嫉妬 深 いところがあり、多 くの魔 族 女性 から好意 を寄 せられるグレンに不満 を抱 くこともある。脱皮 姿 は決 してグレンに見 せない。水路 街 に毒 が流 された事件 に実家 が関 わっていることを知 り、自分 の手 で始末 をつけようとリンド・ヴルムを離 れ、一 度 は自分 の恋 を諦 めてティサリアかアラーニャとの結婚 を勧 め、首謀 者 のオークラウを暗殺 しようとするが、その直前 に駆 けつけたグレンからプロポーズされて思 い留 まる。しかし、グレンの嫁 探 し騒動 から解放 されたのもつかの間 、一夫多妻 を認 める条例 改正 により求婚 者 は絶 えず、第 1夫人 としての心労 は溜 まり続 けている。また、ムードが欲 しいと考 えているうちに、諸 事情 からグレンのファーストキスをアラーニャに先 を越 されてしまう。 著者 ・折口 良 乃は、グレンと上下 関係 が出来 ないように調薬 担当 として対等 な関係 であってほしいと考 えているという[2]。妖精 のお手伝 い- ミルク
一 杯 で診療 所 一 日 の雑務 を手伝 っている妖精 たち。 - ただし、
雇用 条件 に関 してはシビア。- コンティグリー・ブラッドフォード6
世 声 -市ノ瀬 加 那 妖精 女王 に長年 仕 えたブラッドフォード家 の名 を継 ぐ妖精 。診療 所 の妖精 たちの司令 官 。妖精 の中 でも特 に女性 らしさが薄 い。妖精 としての誇 りを持 って雑務 等 にあたっている。誇 り高 く責任 感 が強 い。サーフェのことは礼節 を弁 えた淑女 と高 く評価 しているが、医療 技術 を不要 とする種族 ゆえにグレンのことは医者 という立場 を抜 きに見 て、粗忽 者 かつ鈍感 とかなり辛辣 に評 する。- アニメ
版 のキャストロールでは、「コティングリー・ブラットフォード6世 」となっている。 - ライト
- サーフェから
与 えられた雑務 中 にミスを犯 した妖精 。コンティグリー曰 く、二等兵 。 - ドイル
- コンティグリーにライトのミスを
伝 えた妖精 。妖精 たちの副官 。
- コンティグリー・ブラッドフォード6
リンド・ヴルムの住人
- ティサリア・スキュテイアー
声 - ブリドカットセーラ恵美 [5]種族 - ケンタウロス本 作 のヒロインの一人 [2]。下半身 が馬 のようなケンタウロス族 の少女 。名門 スキュテイアー一族 の令嬢 でスキュテイアー運送 の跡取 り。豊 かな金髪 を団子 状 にまとめた髪型 、ターコイズを思 わせる瞳 、下半身 の黒 い毛並 み、人馬 の平均 より大 きな胸 を持 ち、身 だしなみへの配慮 やよく響 く声 から舞台 俳優 のような印象 を与 える。父 はエフタル、母 はキンメリア。侍女 のケイ、ローナを連 れているお嬢様 であり、リンド・ヴルム大 闘技 場 第 三 階 位 の闘士 でもある。武芸 の一族 としての名誉 を大切 にしたいと考 えており、殿堂 入 りを果 たして闘技 場 の碑 に永遠 に刻 まれることが目標 。頭 の回転 が悪 いわけではないが、計算 や数式 が苦手 。くすぐったがり。怖 がりで、墓場 街 には極力 近 づこうとしない。身 の回 りのことは従者 に任 せているので、一人 では料理 も掃除 も野営 の準備 もできないが、特 に気 にはしていない。誇 り高 く、正義 感 も強 い。何事 にも正々堂々 が信条 で、有事 の際 は一軍 の将 のような貫禄 で場 を収 めてみせる。心 優 しく、侍女 であるケイやローナを心配 する一 面 も持 つ。- サーフェやアラーニャと
違 い、酒 は嗜 まず、3人 で酒場 にいても人参 ジュースを飲 んでいた。 今 まで大 きな病気 も怪我 もしたことのない健康 体 。ただ、原始 的 な恐怖 心 から装 蹄を拒否 していたため蹄が伸 びすぎてスランプに陥 っていたが、グレンからやや強引 に蹄鉄 を履 かされたおかげで復調 する。その後 は順調 に戦績 を重 ね、昇 位 試験 にも合格 し、一流 とされる第 二 階 位 に昇格 した。屈強 な男性 より、利発 で教養 のある相手 が好 みで、グレンに対 して好意 を寄 せている。一時 はグレンがサーフェを一番 に想 っていることを慮 って身 を引 こうとしていたが、条例 改正 を受 け、サーフェから出奔 前 に婚姻 届 を渡 されていたことを逆手 に取 り、第 2夫人 に立候補 する。著者 によれば当初 はメインヒロインの予定 であり、サーフェンティットのライバル的 な位置付 けにする考 えでいたが最終 的 にヒロインの一人 に落 ち着 いたという[2]。- ケイ・アルテ
声 - ファイルーズあい[6]種族 - ケンタウロス- ティサリアの
侍女 。 戦災 孤児 で、ローナとともにスキュテイアー一族 に引 き取 られ、一族 の執事 として仕 える養父 に育 てられる。普段 は猫 をかぶっているが、本性 は結構 やんちゃで活発 。はつらつとしていて、性格 はあっさりしている。その上 、どこか達観 している。凛々 しく精悍 、中性 的 な雰囲気 で、女性 に人気 の出 そうな女性 という印象 を受 ける。- ティサリアほどではないが、
人間 基準 なら十分 豊満 な胸 を持 つ。 剣 を常 に持 ち歩 いている。闘士 としては第 四 階 位 で、後 に第 三 階 位 に昇格 する。- ハーピーの
里 に行 く途中 で地震 に驚 き、球 節 部 を捻挫 してしまう。 - ローナ・アルテ
声 - M・A・O[6]種族 - ケンタウロス- ティサリアの
侍女 。ケイの義妹 。 - ケイと
共 にスキュテイアー一族 に引 き取 られた戦災 孤児 。義姉 が不在 となると過酷 だった孤児 時代 を思 い出 してしまうため、ケイと一緒 に仕事 などしていないと落 ち着 かないらしく、そのことで精神 が滅入 ることがある。 料理 が得意 。性格 はおっとりしていて、どこか神秘 的 な雰囲気 だが、淑女 な印象 に反 して悪戯 心 に溢 れている。頭 は回 るが神経質 な部分 があり、多方面 へ気 を配 り世話 を焼 く女 従 にふさわしい気質 を持 つが、気苦労 が絶 えない場面 も多 い。- グレンのことはティサリアの
婿 にとてもお似合 いで、2人 で商会 を背負 っていくのに相応 しい人物 だと思 っている。そのため、何事 も正々堂々 の主 を心配 し、既成 事実 を作 ってしまおうとグレンに色仕掛 けを迫 ったこともある。 弓矢 を常 に持 ち歩 いている。闘士 としては第 四 階 位 。直接 戦闘 の技量 は姉 より劣 るが、第六感 というべき感覚 に優 れ、殺気 や気配 に敏感 。蹄の足音 を立 てずに移動 する術 を身 につけている。- ハーピーの
里 への道中 で姉 が負傷 したことがきっかけで、商会 の未来 への懸念 から気 が散 って仕事 が手 につかなくなってしまう。だがグレンの提案 で視野 を狭 くする目隠 し、ハミ、懲罰 用 のベルトで過敏 な心 を『閉 じ込 める』ことで落 ち着 きを取 り戻 す。 - ルララ・ハイネ
声 -藤井 ゆきよ[5]、Shaylee(歌唱 )種族 - マーメイド- リンド・ヴルム
北西 地区 にある水中 都市 、『メロウ水路 街 』に住 む褐色 肌 で人魚 族 の少女 。 - とても
涼 しげでよく通 る声 をしていて、はきはきと喋 る。ショートカットと八重歯 に、健康 的 な褐色 の肌 、金 と白 を基調 に黒 のラインが走 る下半身 を持 つ。現代 ではほとんど使 われていない魔 族 の古代 語 を歌 として発音 できる。 誰 とでも分 け隔 てなく接 するため、同年代 のイリィやメメと友達 になっている。思春期 でお年頃 な歌姫 。一人称 はボク。5人 姉 弟 の長女 。弟妹 の名前 は、シド、レミー、ファン、ソウラ。末 妹 のソウラ以外 は奉公 先 を見 つけて働 き始 めたので、一家 の生活 水準 は大 きく上 がっている。戦後 に家族 でリンド・ヴルムに引 っ越 してきたが、父親 が事業 に失敗 し水路 街 での生活 に馴染 めず新 しい女 を作 って海 へ逃 げ帰 ったため、母親 とともに一家 の稼 ぎ頭 として貧乏 な家庭 を支 えている。母親 は深海 出身 なので肌 が弱 く、末 妹 のソラウも母親 に体質 が似 ている。自身 も元々 は白 い肌 をしているが、浅瀬 に棲 んでいた父 に似 てすぐ日焼 けする体質 。海 で暮 らしていた当時 は死体 などの漂流 物 を見 かけていたため、後述 する苦 無 の切 り落 とされた腕 を見 たりしても一切 物怖 じしない。元 は水路 街 で歌 を歌 って銅貨 を稼 いでおり、1日 の半分 以上 を陸上 で活動 していたために喉 やエラに炎症 を起 こしていた。そのために喉 の弁 の切 り替 えに失敗 して溺 れかけたことがあるが、グレンに救助 され、その後 は保湿 剤 や薬 飴 で治療 を受 けている。スカディから直接 に勧誘 され、月給 制 で水路 街 の中央 広場 の噴水 公園 でパフォーマンスをしている。- グレンの
治療 を受 けた後 のとあるハプニングのせいもあり、彼 に対 し好意 だけではない複雑 な感情 を抱 いている。条約 であと2年 は結婚 できないが、グレンの嫁 探 し騒動 の時 には告白 をしている。かなり意思 が固 いので、サーフェも容認 している状態 。 水路 街 からの支持 で人間 領 への大使 候補 となったが、連日 の猛暑 で日焼 けがひどく、陸上 移動 もある旅 は推奨 できないというドクターストップで、辞退 することになる。- アラーニャ・タランテラ・アラクニダ
声 -嶋村 侑[5]種族 - アラクネ本 作 のヒロインの一人 [2]。下半身 がクモの種族 であるアラクネ族 の女性 。大陸 中 に支店 を展開 する『荒 絹 縫製 』、そのリンド・ヴルム支店 の服飾 デザイナー。ラドン花街 の近 くに住 んでいる。京都 弁 。美 しく切 り揃 えたストレートの黒髪 に、深 みのある赤 い瞳 、落 ち着 いた表情 と挙措 が特徴 的 。人間 領 極東 でしか見 られないキモノのような奇抜 な服装 をしている。人間 領 東部 の訛 りが強 い大陸 公用 語 で話 す。- サーフェの
呑 み仲間 で、ギンジョウという東 の酒 を好 む。グレンとはハーピーの里 付近 の森 で出会 う。 優秀 なデザイナーで、デザインの参考 になるのなら森 の中 でも現 れる。しかしながら、性格 は享楽 的 で他人 にちょっかいをかけることも多々 ある。- アラクネ
族 特有 の糸 を使 いこなし、糸 でトラップを作 ったり、糸 を操 って神出鬼没 に飛 びまわる。 母親 は近 づく男 を籠絡 し、自分 の手 を汚 さず盗 みをさせていた。多 くの男 と情 を交 わしていたため、父親 が誰 かは自分 でも分 からない。傍若無人 で強欲 だった母親 を浅 ましく思 う反面 、自身 の略奪 癖 も歯止 めが効 かず葛藤 することがある。気難 しく気分 屋 だが、仕事 熱心 で愛想 もいい。盗 み癖 から他人 の男性 に手 を出 すが、すぐに捨 ててしまうため恋愛 経験 はなかった。そのため酷 いことをした自分 に対 し苦手 意識 を持 ちながらも普通 に接 するグレンを意識 し始 めるが、当初 は彼 に対 して抱 いた感情 が何 なのか解 らなかった。条例 改正 後 は、愛人 でも構 わないと言 って、グレンの第 3夫人 へ志願 する。略奪 癖 をこじらせてはいたが、実 は正真正銘 の生娘 で、キスはグレンが初 めての相手 。- スカディの
手術 の際 は、針 と糸 を巧 みに扱 う腕 を買 われ縫合 担当 を依頼 される。専 門 ではないと一 度 は断 ったものの説得 に折 れ、本業 を一時 休業 して練習 を積 み、執刀 医 の一人 として手術 台 の前 に立 った。 - かつて
自分 を捨 てた母 を探 して人間 領 を旅 していたことがある。そのため、東国 風 の味付 けをした料理 が得意 で、サーフェが『眠 り病 』で倒 れた時 はグレンの食事 の面倒 を見 に通 っていた。 - グレンとの
結婚 の挨拶 にヘィアンに行 ったとき、母 が組織 した盗賊 団 の残党 『黒 後家 党 』の問題 からリトバイト家 から婚約 を拒 まれる。自身 もサーフェとグレンの仲 を壊 したくないと愛人 という立場 に甘 んじようとしたが、グレンの「何 があってもずっと一緒 だ」という言葉 を信 じることを決 め、盗賊 団 捕縛 後 に接触 してきた母 の誘 いを拒 んでリンド・ヴルムに帰 る。 著者 によれば「いかにも恋路 に横 やりをいれそうなキャラクター」を考 えた結果 、誕生 したのがアラーニャだったという[2]。- メメ・ルドン
声 -岡 咲 美保 [6]種族 - サイクロプス大 きな一 つ目 が特徴 のサイクロプス族 の少女 。15歳 。- サイクロプスの
職人 が働 く『キュクロ工房 』で唯一 の女性 。 - かなり
左寄 りな眉 にコンプレックスがあるため、前髪 を伸 ばして目 まで隠 し、常 に下 を向 いて歩 く癖 がある。後 ろ髪 は三 つ編 みを作 って複雑 にまとめている。身嗜 みにも気 を遣 い、左 耳 には自作 のピアスをつけている。年齢 に比 して胸 は大 きめ。周囲 には秘密 だが、私服 として『荒 絹 縫製 』にゴスロリ服 を注文 している。 工房 の親方 からも目 をかけられるほど優秀 だが、自虐 的 かつ後 ろ向 きな性格 で、仕事 を任 されても二言目 にはだいたい「無理 」とい放 つ。人付 き合 いも苦手 で対人 恐怖症 ぎみだが、道具 の納品 であちこち回 っていたため顔 は広 い。その性格 は致命 的 に客商売 が向 いていない。以前 は診療 所 への配達 、納品 を担当 していたため、グレンたちとも面識 がある。警邏隊 の隊員 にも顔 がきくが、声 の大 きいスィウは苦手 。目薬 を指 すのが非常 に苦手 。幼 いころから職人 の仕事 に興味津々 で才能 があったため、職人 の父親 から知 り合 いであるキュクロ工房 の親方 に預 けられる。馬車 といった大 きなものよりも、ガラスや金 細工 といった少女 が憧 れる細工 に興味 関心 が強 い。後 にメロウガラスの免許 を取得 する。- スカディの
手術 の際 には、手術 針 の制作 を親方 から指示 され、針金 を使 うという発想 の転換 で十分 なものを完成 させた。 毒水 事件 の後 から工房 の分 店 を任 され、間 も無 く不審 者 が店 の周囲 に現 れたことへの恐怖 と仕事 の重圧 から不眠症 を患 うが、原因 を作 ったプラムとは和解 した。工房 の紅一点 ということで人間 領 への大使 候補 となったが、選 ばれたら緊張 で死 ぬと辞退 した。- エフタル・スキュテイアー
種族 - ケンタウロス- スキュテイアー
商会 の代表 。ティサリアの父 。リンド・ヴルム議会 の一員 でもある。年齢 は50歳 を超 えたばかり。妻 とは10歳 以上 歳 が離 れている。 口 ひげを蓄 えた厳格 そうな面構 えで、ケンタウロスの中 でも一際 背 が高 く筋骨 隆々 。上半身 にはいくつもの刀 傷 がある歴戦 の戦士 。元 は傭兵 なので今 も朝 の鍛錬 を欠 かさない。屋敷 で住 み込 みで働 くのは、自身 が実力 を認 めた強者 ばかり。長 く続 いた戦争 が終 わった時 、多 くの者 に見限 られながらも一族 の長 としてケンタウロスの輸送 能力 を流通 に活 かして一族 の名 を広 めるという決断 を行 い、結果 的 にリンド・ヴルムになくてはならない大 商会 の当主 として成功 を収 めた。同族 を率 いるお墨付 きをメルドラク家 から貰 った一家 なので、メルドラク卿 には頭 が上 がらない。非力 な人間 でありながら知性 によってリンド・ヴルムでいくつもの事件 を解決 したグレンのことを認 めており、収穫 祭 を開催 に導 いたことで正式 に娘 との婚約 を許可 した。- キンメリア・スキュテイアー
種族 - ケンタウロス- エフタルの
妻 で、ティサリアの母 。そろそろ40歳 だが、日々 の鍛錬 の成果 かかなり若々 しい。得物 はハルバード。 - ケンタウロス
族 の名門 からスキュテイアーに嫁 いできた。若 い頃 はかなりじゃじゃ馬 で、自分 より強 い相手 としか結婚 しないと豪語 していた。一人娘 とは似 た者 親子 であり、強 さを求 める性格 だけでなく、墓場 街 が苦手 なところも一致 している。 孫 の顔 が見 たくて、娘 に結婚 を急 かしている。一方 、ひ弱 な人間 が娘 と付 き合 うことには否定 的 で、娘 と模擬 剣 が折 れるまで一騎打 ちの大 喧嘩 をすることになる。- マローネ・ゴルガル
種族 - リザードフォーク- リンド・ヴルム
大 闘技 場 第 三 階 位 の闘士 。異名 は『翠緑 の風 』。 - ティサリアの
昇格 試験 最後 の相手 。 - フランク
種族 - ゾンビ- デッドリッチ
墓場 街 ではなく、壁 の内側 に住 んでいる珍 しいゾンビ。穏 やかで紳士 的 な男性 。定期 的 に防腐 剤 が必要 で、診療 所 の常連 である。 - モーリー・ヴァニタス(2
代目 ) 種族 - ショゴス- デッドリッチ
墓場 街 の支配人 。前任 の支配人 だったスケルトンの骨格 にゲル状 の身体 をくっ付 けた姿 をしている。捕獲 作戦 後 の服装 は体 組織 から作 り出 した修道 服 で、大 きなスコップを持 つ。 群 体 であるためか、一人称 は「我々 」。分析 が得意 で、確率 論 を交 えた非常 に独特 ない回 しをする。ある人物 を真似 たレクイエムを歌 うことも出来 る。無表情 でも性格 は結構 お茶 目 でユーモアがあり、知性 と学習 能力 は高 い一方 、今 の世界 への理解 が少 なく、道徳 や倫理 感 という点 では子供 以下 のため、栄養 補給 を求 める習性 に従 い、栄養 豊富 なスカディの肉体 に寄生 、彼女 を無自覚 に命 の危険 に追 いやっていたが、手術 によって摘出 されたことで、自分 の行 いが間違 いだと学習 し、瓶詰 めされ保管 されていた中央 病院 から脱走 、栄養分 を得 るためにどうするべきかを学 ぶため、警邏隊 の目 から逃 れて街 に潜伏 し、情報 を収集 していた。その際 に複数 の分裂 体 を作 り出 したのがドッペルゲンガーと呼 ばれ、ひと騒動 起 こすこととなった。- ティサリアの
昇格 祝 いの裏 で行 われた捕獲 作戦 で分裂 した個体 と合体 を果 たし、スカディからも許 され、その後 栄養 を得 るためには街 の一員 として職務 を果 たすのが最良 だと学習 し、名前 も前 支配人 のスケルトンの物 を襲名 した。 管理 者 不在 で荒 れていた墓場 街 のイメージ刷新 のため、アンデッドが暇 を持 て余 して悪 さをしないよう彼 らに仕事 を与 え、「明 るく楽 しいお化 け屋敷 !」をコンセプトに墓場 街 を独特 の観光 地 として発展 させようと精力 的 に活動 、以後 基本 的 に墓場 街 から出 るつもりはないが、バロメッツ騒動 で『眠 り病 』が大 発生 した時 は、議会 からの要請 で眠 らないアンデッド族 の陣頭 指揮 を執 り、倒 れた人々 を救助 した。住民 を観察 した結果 、複数 の女性 魔 族 と親 しいグレンとの関係 を良好 にすればリンド・ヴルムでの生活 が快適 になるという結論 に達 し、グレンの愛人 志望 者 を標榜 している。- モーリー・ヴァニタス(
初代 ) 種族 - スケルトン- デッドリッチ・ホテルの
先代 支配人 。スカディから墓場 街 の管理 も任 され、住人 に秩序 を守 らせるよう活動 しており、墓場 街 からの勝手 な出入 りについては特 に厳 しく取 り締 まっていた。また、高 いエンバーミングの技術 を持 ち、戦死 者 の死体 を保管 し、時 に住人 に提供 する役目 も担 っていた。 生前 は冷 たい印象 の美女 だが、ぎょろりと大 きな目 と豊満 な胸 が特徴 だった模様 。自称 「セクシーなシスター」であったが、淫蕩 すぎる肉体 から悪魔 の使 いと難癖 をつけられて、魔女 狩 りのついでに理不尽 に処刑 されている。その過去 や死者 を統括 する職責 に反 して性格 は非常 に軽 い。接客 も観光 客 への対応 もうまいことやっていて、ホテルも評判 だったが、先日 、魂 が未練 を失 い昇天 (ジョウブツ)、その後 、死者 の国 から2代目 の無意識 に働 きかけて収穫 祭 を開 いてもらい、期間 限定 で現世 に復活 、スカディに対 しグレンに気 を配 るよう忠告 する。- プラム・メルドラク
種族 -吸血鬼 吸血鬼 の中 でも特 に権威 を持 ち、リンド・ヴルムで議席 を持 つ多 くの魔 族 の後 ろ盾 になっている名家 ・メルドラク家 の娘 。輝 く金髪 と褐色 肌 の少女 。昔 ながらの吸血鬼 のイメージを大切 にする保守 的 な両親 に反感 を持 つが、父親 からは溺愛 されている。娯楽 に飢 えており、お洒落 なアクセサリーが好 きで、デザイナーとして著名 なアラーニャや、同年代 の女子 なのに職人 として店 を任 されているメメを尊敬 している。プラムの実 が好物 。同年代 の、特 に異性 の血 の匂 いが好 みで、動物 の血液 は体質 的 に受 け付 けない。格好 悪 いと思 われたくないがために、外面 を取 り繕 う性格 で、クールな仮面 を被 り着飾 っているが、素 の性格 は弱気 で、メメほどではないが人付 き合 いが苦手 。高価 な色眼鏡 をかけてフードを被 っていたせいで不審 者 だと思 われていたが、事情 を話 して和解 する。尖 ったアクセサリーをつけたために翼 膜 が傷 つき、これを治 すためにグレンの血液 を欲 して診療 所 に忍 び込 んだ。父親 のごり押 しで人間 領 への大使 候補 になり、何 の苦労 もなく美 しい羽 を持 つイリィへの嫉妬 から喧嘩 になるが、嵐 の日 に命 を救 われたことをきっかけに和解 。投票 の結果 が同 票 だったので、2人 とも大使 に選 ばれた。- エーリス
声 -鈴木 愛 奈種族 - ワーキャット闘技 場 でティサリアと戦 った。
リンド・ヴルム中央 病院 の人物
- クトゥリフ・スキュル
声 - ゆかな[6]種族 - スキュラ下半身 がタコのようなスキュラ族 の女性 。リンド・ヴルム中央 病院 の医院 長 。長命 なスキュラ族 であるため、かなりの年齢 らしい。邪神 の末裔 という一族 の汚名 をそそぐべく、魔 族 の進化 の研究 を行 い、その過程 で、それぞれの種族 の起源 や、身体 の構造 についての研究 も進 めていた。本分 は研究 者 であり、学者 だが、その過程 で身 につけた生物 学 、医学 の知識 が並外 れていたことで専 門 ではないにもかかわらず医者 となり、有能 さゆえに中央 病院 の医者 にまでなった。ただ、人付 き合 いが苦手 で、深海 に引 きこもっている方 が性 に合 っているので街 の生活 は水 が合 わず、自分 には教授 も医師 も向 いていないと評 しており、隠居 して存分 に研究 のみに専心 する生活 を望 んでいる。生物 に関 する知識 で彼女 の右 に出 るものはいないとまで言 われる。あくまで学者 なので、患者 の意思 に反 してまで治療 はしない主義 。自身 の内面 に踏 み込 まれるのを嫌 う性分 で、自分 も必要 以上 に踏 み込 まないよう誰 に対 しても一線 を引 く。相手 と距離 を置 いて接 するため、怠惰 な性格 と思 われがち。- グレンとサーフェの
師匠 で彼 らに診療 所 開設 の許可 を与 えた。 激務 の中央 病院 の仕事 で手 が回 らないときはグレンたちに仕事 を押 し付 けることが多 いが、彼女 が意図 して仕事 を押 し付 けることもある。以前 はネメア・アカデミーの医学 部長 をしていたが、先進 的 かつ総合 的 な医療 を行 える医者 が必要 だったリンド・ヴルムに教 え子 の中 でも優秀 な者 だけを連 れて移住 した。後述 するスカディとは旧知 の仲 で、彼女 の主治医 。彼女 の手術 のプランを立 て、その執刀 を行 った。年下 が好 みの、いわゆるショタコン。弟子 であるグレンやサーフェのことを子供 のように可愛 がる一方 、グレンに対 してはやたらとちょっかいをかけ、サーフェに食 って掛 かられている。幼女 も好 き。苛立 つと触手 をかじる癖 がある。時折 、自分 の触手 を他人 に食 べさせようとする悪癖 を持 つ。声 真似 が非常 に上手 い。- ライム
種族 - スライム- グレンが
過労 で中央 病院 に入院 した時 の担当 看護 師 。半 透明 の緑色 で人 型 のスライム。グレンの姉 弟子 でもある。 好物 はライムで、常 に柑橘 系 の匂 いを振 りまいている。本来 の名前 は公用 語 の発音 では再現 できないので、ライムという通称 で呼 ばれている。- スカディの
心臓 に寄生 していた組織 の管理 を任 されていた。 - クトゥリフ
曰 く、サボりの常習犯 。のらりくらりとした性格 。 - ネメア・アカデミーのクトゥリフ
教室 での最 古参 の生徒 であったが、成績 は悪 く赤 点 の常習 者 であった。在学 中 はグレンとも同 じ研究 室 で親 しかったのだが、事故 の後遺症 で彼 はその期間 の記憶 を一部 失 っているので、現在 は関係 が薄 くなっている。スライム族 の身体 を使 った臓器 や血液 の修復 医療 の研究 助手 であり、同種 の中 では唯一 、実用 可能 なだけの製造 速度 を持 つという特異 な才能 を持 っている。
リンド・ヴルム議会 関係 者
- スカディ・ドラーゲンフェルト
声 -種 﨑敦美 [6]種族 -火 竜 - リンド・ヴルムの
街 で最高 の権力 を有 する小柄 な女性 。政治 力 、経済 力 、指揮 力 すべてで議会 を掌握 している、議会 のNO.1。また、メロウ水路 街 やリンド・ヴルム中央 病院 等 の設立 に大 きく関与 している。ついたあだ名 は『竜 闘 女 』。全裸 の上 にローブを纏 い、外出 の際 などは顔 にヴェールを纏 っているため表情 を伺 うことはできない。 年 は1000歳 近 くで、何 百 年 も人間 や魔 族 の世界 を見 てきたという。人 も魔 族 もなぜ争 うのかが全 く理解 できず、クトゥリフには分 からないことを昔 から質問 しに行 っていた。戦争 の仲裁 に立 つなど人間 に介入 を続 けるうちに、巨大 なドラゴンの姿 を失 い人 に近 い姿 へと変化 した。- ちりちりと
甲高 く、金属 を転 がすような独特 の声質 を持 つ。鉱物 や宝石 に近 い成分 が体 ににじみ出 ているのか、非常 に珍 しいターコイズブルーの髪 を持 ち、目尻 、首 回 り、背中 、腰 の一部 に剣 のように鋭 い青 い鱗 が生 えている。なお、尻尾 の色 は金 、あるいは黄土 色 で、ヘビの鱗 のように滑 らか。 心 優 しく平和 主義 者 。苦 無 曰 く、甘 えん坊 ですぐ泣 き、苦 無 を頼 ることが多 く、寂 しがりで他者 と話 すのが好 きなのに、強 がりで本音 を一向 に見 せないという厄介 な性格 で、議会 や民衆 の前 では凛 とした態度 だが、親 しい者 の前 では見 た目 相応 の幼 くあどけない態度 を見 せる。竜 族 の習性 として宝石 や金属 のような美 しい物 を好 み、個人 的 にコレクションしている。尚 、戦争 は嫌 いだが勝負 は好 きで、異名 は数 年 前 のエキシビションマッチで挑戦 した闘士 を全員 叩 きのめしたことから付 いたもので、あまりに強 すぎるため、以来 どんな形式 でも試合 は禁 じられている。魔術 のような非 科学 的 な術 を行使 できるらしい。商人 が立 ち寄 れる場所 として、人間 領 と魔 族 領 の間 で商業 ルートの途上 にあり、停戦 で役目 を終 え要塞 都市 としての存在 意義 を失 いかけたリンド・ヴルムを、絶対 に戦争 のない人 と魔 族 が一緒 にいて当 たり前 の街 へ再建 させた。流通 を発展 させるためにケンタウロスを招 き、水棲 魔 族 が住 めるように水路 街 を作 り、原 住 者 であるハーピーやディオネにも直接 交渉 し、アンデッドも住 めるように苦 無 を護衛 に雇 って意見 を聞 き、人間 を多 く呼 ぶため水路 街 と闘技 場 を主 とする観光 業 を発展 させる、といった様々 な施策 を提案 してきた。胸 の直上 に、心臓 に酷似 した悪性 腫瘍 が形成 されるという奇病 に侵 され、その影響 から大 きな声 を出 す事 が出来 ず、やるべきことが終 わったので、自身 の命 は尽 き果 てるべきと思 っており、手術 を拒否 、急 な血圧 降下 を起 こし式典 の最中 に倒 れてしまったために病状 が大衆 に知 られてしまうが、グレンから街 の行 く末 を見守 って行 くべきだと説得 されたことで手術 を承諾 した。退屈 しのぎの手段 として恋愛 を提案 されたためか、命 の恩人 の1人 であるグレンに懐 くようになった。グレンの嫁 探 し騒動 には参加 しないが、ドラゴンの恋愛 観 で、本当 に欲 しくなったときに攫 っていこうと思 っている。翼 が病 で矮小 化 して飛行 能力 を失 っていたが、手術 後 は問題 なく飛行 できるようになった。完 治 した後 は素 のフランクな面 が表 に出 るようになった。子供 っぽく奔放 なところがあり、収穫 祭 の時 は演劇 「魔法 竜 闘 女 プリティ⭐スカディ」を企画 し、監督 、脚本 、演出 の全 てを自分 で手掛 けようとしたが、議会 から威厳 が損 なわれると猛 反対 されあえなく却下 された。苦 無 ・ゼナウ(くない・ゼナウ)声 -河瀬 茉希[6]種族 - フレッシュゴーレム- スカディの
護衛 を勤 める。首 に『マキモノ』が刺 さった和装 の女性 。 数 十 年 前 、死 なない兵 を作 って欲 しいと軍 から依頼 された極東 の野心 あふれる医者 によって生 み出 され、生 みの親 からは「苦 しみのない、完璧 な人間 」として苦 無 の名 を与 えられる。だが、兵士 になることを拒否 して脱走 し、長 い旅 を経 て5年 前 にリンド・ヴルムに辿 り着 いた。身体 を構成 する死体 は、胸部 は処女 の女性 、腹部 は鍛 えられた女 騎士 、右腕 は殺人鬼 、水夫 、兵士 、武門 の貴族 、荷役 夫 の5人 、脚 部 は主 を守 って死 んだ衛士 、顎 と首 は舞台 役者 といったように身体 の部位 によって男女 様々 。また、腹部 と胸部 は仲 がいいらしい。自身 の肉体 を構成 する死 肉 が放 つ「声 」が聞 こえなくなると、その死 肉 は土 に戻 すことを流儀 としている。痛覚 は全 くないが、足 の触覚 は敏感 に設定 されている。肉体 の形 は美 しく整 えられて芸術 品 のようだが、縫合 痕 が粗雑 で、血管 や神経 は繋 がれておらず、苦 無 自身 も縫合 針 を見 たことがないことから、グレンは製作 者 が本当 に医者 だったのかと疑問 を抱 いている。自身 の仕事 に対 して誇 りを持 っていて、少 し高 圧 的 な態度 をとることが多 い。- リンド・ヴルム
大 闘技 場 では、特例 でわずか半年 足 らずで第 一 階 位 にまで上 り詰 めて殿堂 入 りした。当時 の異名 は『電光 』。そこをアンデッドの街 を作 ろうと構想 し、意見 を聞 ける人物 を探 していたスカディの目 に留 まり、闘士 としての功績 を買 われて護衛 役 に抜擢 された。本来 の役目 は不眠 の体質 を活 かしたスカディの不寝番 で、日常 の護衛 のほか、彼女 が病気 の間 は通訳 も担当 していた。病気 が治 って主人 が活発 になったため、それまで以上 に負担 が増 えている。 短刀 の扱 いが得意 だが、単純 な力 も片手 で大 の男 を締 め落 とせるほどに強 い。また、工房 に10年 かかる計画 として自身 が乗 り込 んで動 かす蒸気 式 の外 骨格 兵 装 を発注 している。自 らの出自 もあって医者 が嫌 い。グレンの下 には右腕 を落 としたためやってきた。グレンの手 で繋 がっていなかった血管 と神経 も縫合 されたおかげか、自分 というものが生 まれた感覚 を得 ており、これまで怨念 のように自身 を苛 んでいた声 もき流 せるようになり、医者 嫌 いも多少 改善 される。また、整体 で骨格 の歪 みを修正 する治療 も受 けている。月 1回 の防腐 剤 投与 を推奨 されているが、多忙 を理由 にメンテナンスをサボり気味 。戦闘 用 で手足 がよく吹 き飛 ぶので、劇薬 である防腐 剤 が飛 び散 らないよう、死 肉 に染 み込 ませたあとで吸 い出 してもらっている。主 であるスカディがクトゥリフと問題 なく会話 していた時 は嫉妬 に似 た感情 が芽生 えた。- スカディの
手術 の際 は、執刀 医 の一人 を勤 めるアラーニャの練習 役 を買 って出 た。 - デッドリッチ
墓場 街 支配人 の前任 がジョウブツしてから後任 が決 まるまで一時 的 に支配人 代行 の任 に就 いていた。墓場 街 にアパートを借 りているが、スカディの不寝番 をするため滅多 に帰 ることはない。 生者 と連 れ添 っても悲劇 なだけだと思 っており、またスカディの世話 で忙 しいので、結婚 願望 は皆無 。ただ、グレンが死 んだら、死体 の器用 な指先 を貰 いたいと思 っている。- なお、
自身 の設計 図 はまだ人間 領 に残 っているとされ、『黒 後家 党 』の一 件 では賊 が所持 している可能 性 があったため、東 へ派遣 された。 - アルルーナ・ルーナ
声 -大地 葉 種族 - アルラウネ- リンド・ヴルム
議会 のナンバー2。スカディとは親 しい間柄 で、次期 代表 と目 される。巨大 な球根 から伸 ばした蔓 や、紫色 の花 から生 える濃 い緑色 の肌 の女性 の上半身 が印象 的 で、左側 頭部 のあたりに咲 いた桃色 の花 から金色 の花粉 を周囲 に撒 く。長寿 の種族 なので外見 年齢 は20歳 を少 し過 ぎたくらいだが、口調 は老人 的 。 元 は魔 族 領 において、不動産 を売買 することで莫大 な財 を成 した。農業 や教育 に関 しての知識 が深 く、スカディからはリンド・ヴルムでの食糧 生産 を任 されているほか、『ラドン花街 』も管轄 下 に置 いている。その手腕 で『アルルーナ農場 』を大 農園 にまで仕立 てあげ、元 からあった財産 を更 に増 やしている。サーフェも普段 から薬草 やハーブを分 けてもらっている。リンド・ヴルム一 の篤志 家 とされ、運営 する孤児 院 で子供 の面倒 を見 ることもある。- しかし
実際 は、己 が幸福 と欲望 のために生 きているに過 ぎず、金 と幸福 を振 りまいたとき、その中心 でもっとも稼 ぎ最 も幸福 になるという、自身 の満足 のみを追求 している。そのため、お節介 好 きではあるが、「リンド・ヴルム一 の篤志 家 で、福祉 に熱心 な蓄財 家 」と呼 ばれることはあまり好 まない。経済 を大 きく回 すことが望 みなので、金 の流 れを遮 り、他者 に流 さず、小 さい利益 のみをわが物 としてとどめる盗人 が大嫌 い。 一方 で交配 欲求 が非常 に強 く、リンド・ヴルム中 の男 と交配 するという野望 を持 ち、男 と見 れば誘惑 する為政者 として快楽 的 すぎる一 面 がある。また、女 同士 でもいけるクチらしい。様々 な種族 の美形 の男性 使用人 を抱 えており、急 いで移動 する時 は球根 を神輿 のように担 いで運 ばせる。条例 改正 後 は、街 の男性 100人 に宛 てて求婚 の手紙 を送 っている。非常 に子沢山 で、うち30人 ほどの娘 とは一緒 に暮 らしながら農場 で働 いている。自分 では娘 を大事 に育 てているつもりで、多額 のこづかいも与 えているのだが、父親 もわからない子供 を大量 に作 るので母親 としてはあまり尊敬 されておらず、名前 も覚 えていないのではと思 われている。翠雨 ・リトバイト(スィウ・リトバイト)種族 -人間 (鬼 変 病 )- グレンとソーエンの
妹 。礼儀 正 しく真面目 な性格 。長 い黒髪 ときっと吊 り上 がった眉 が特徴 で、顔立 ちは真面目 を通 りこして、融通 の利 かなそうな頑固 者 であることをうかがわせる。武芸 の道 を修 めんとするが、どこか抜 けていて、イノシシのような猪突猛進 ぶりを見 せるので、ソーエンにはグレンに知恵 を吸 われたと評 されている。焦 っていると支離滅裂 なことを言 う。率直 で考 えが分 かりやすく、隠 し事 が苦手 。また、声 が大 きすぎて妖精 たちやメメには避 けられている。草紙 を読 んだり、父 に連 れられて講談 を聞 くことが多 かったことから、どこかかしこまりすぎた口調 が直 らない。 子供 の頃 に一緒 に過 ごしたサーフェを「姉 者 」と慕 っており、東 で生 まれ育 ったとは思 えないほど魔 族 差別 の因習 に縛 られていない。若 くして元老 院 警固 役 として勤 めていたが、5巻 より半年 前 に『鬼 変 病 』を患 ったことで解任 され、オークラウ公爵 が悪事 を働 いていると聞 いて故郷 を出奔 、徒歩 でリンド・ヴルムに向 かい警邏隊 に入隊 すると『ラドン花街 』に配属 される。魔 族 への差別 意識 はないとはいえ、自分 が家族 と血 が繋 がっていないのではないかという不安 に囚 われていたが、グレンが『鬼 変 病 』の謎 を解明 したことで安堵 の涙 を流 した。バロメッツ騒動 を解決 に導 いたことで昇進 し、制服 を朱色 に染 めるようになった。家族 からグレンの女性 関係 を報告 するよう指示 されており、ふさわしい嫁 を見定 めようと考 えている。その際 、大勢 から買収 を受 けていたが、本人 は気 づいていなかった。- クローディット
種族 - アラクネ- 『
荒 絹 縫製 』の代表 にして、アラクネらを束 ねる老女 。議会 の一員 。母親 に捨 てられたアラーニャに糸 の扱 いを教 えた恩人 でもある。
ハーピーの里 の人物
- イリィ
声 -鈴代 紗 弓 [6]種族 - ハーピー(フェニックス)半 人 半 鳥 のハーピーの少女 。スラム街 出身 の孤児 で姓 はない。14歳 。性格 は意地 っ張 り。思春期 でお年頃 。赤毛 が印象 的 。翼 は体躯 に比 べて大 きめで、足 には鷹 のように鋭 い鉤 爪 が生 えている。風切 羽 は、幼 羽 ではハーピーとしては比較的 地味 な白 から黒 へのグラデーションだったが、大人 の翼 に換 羽 を終 えたことで黄色 と青 を基調 とした色合 いへ変化 を遂 げた。両親 は不明 だが、実 は伝説 の魔 族 フェニックスの血族 。混血 が進 んだために不死 の力 は持 たないが、炎 のような深紅 の翼 だけは受 け継 がれている。足 もかなり早 く、スラムで鍛 えた喧嘩 殺 法 は泥臭 いながらも中堅 闘士 であるティサリアへかすり傷 を与 えるほど。- グレンとは
賊 に捕 まっていたころ卵 塞 の症状 を治療 してもらって以来 の付 き合 い。 賊 との一 件 以降 、ハーピーの里 に引 き取 られるが体 の変化 もあって馴染 めず、ハーピーの里 でグレンからの治療 を受 けるも素行 不良 に加 え、風切 羽 が抜 けて飛 べなくなり拗 ねていたが、グレンの言葉 で大人 になる心構 えをした上 で換 羽 を迎 えたことで、混乱 も増長 もすることなく成長 を遂 げ、元気 を取 り戻 して快活 さを見 せ、その後 は彼 に懐 くようになった。- ハーピーの
里 での診察 以降 、スキュテイアー運送 に派遣 採用 され、リンド・ヴルムで郵便 配達 の仕事 についている。仕事 で街 を飛 び回 り、毎日 元気 に配達 しているので、知名度 や好感 度 は高 い。 - ルララとは
友人 関係 。ディオネとはすぐに仲良 くなり、ふかふかな頭 の上 によく乗 って遊 んでいる。スキュテイアー運送 からの推薦 で人間 領 への大使 候補 に選出 、同 じく候補 となったプラムに喧嘩腰 で接 されて険悪 となったが、後 に和解 し、2人 とも同 票 で大使 へと選出 された。 - ディオネ・ネフィリム
声 -金元 寿子 [6]種族 - ギガス- ハーピーたちが
伝承 として語 り継 いでいた、巨 神様 。ギガス族 唯一 の生 き残 り。 恥 ずかしがり屋 で温厚 な性格 。のんびりした口調 で話 す。身長 は人 の丈 の10倍 。肌 は褐色 で、苔 の生 えた髪 は緑色 。あちこち動 くと山 の動物 たちを驚 かせてしまうため、普段 は山頂 近 くの洞窟 で動物 たちと戯 れながらひっそり暮 らしている。- スカディとは
古 くからの友人 。今 は、イリィとも親 しくしている。 代謝 が低 いからか、10年 ほど前 から風邪 をひき、グレンがハーピーの里 に来 たと聞 きつけ、治療 してもらおうとできる限 りゆっくりとハーピーの村 へ向 かい、風邪 が治 った後 は元 の住処 へ帰 り、親 しくなったイリィからリンド・ヴルムの近況 を聞 きながら暮 らしている。また、服 もボロボロだったため、アラーニャに新調 してもらい、動物 の毛 をふんだんに使 った帽子 と前掛 けを作 ってもらった。暇 を持 て余 して貰 い物 の鉛筆 を使 い文通 を試 みているが、体 の割 に道具 が小 さいせいで扱 いにくく、よく折 ってしまうので枚数 はあまり書 けていない。
人間 領
蒼 炎 ・リトバイト(ソーエン・リトバイト)種族 -人間 - グレンとスィウの
兄 。リトバイト家 の家督 を継 いで商人 になり、リンド・ヴルムを通 じて西 の魔 族 たちと貿易 を行 なっている、東方 商人 同盟 の重役 。 尊大 で皮肉 屋 な性格 。性根 がねじくれていて計算 高 いが、良 くも悪 くも一度 決断 したことはやり遂 げる。非常 に変 わり身 が早 く、弟妹 相手 には強 く出 るが、権力 者 には媚 びる。家族 相手 でも平気 で謀略 を仕掛 け、後継 者 として期待 されていたが、長兄 としての自負 や責任 感 、野心 が強 すぎて、後継 ぎ候補 となり得 る弟 のグレンを疎 み、父親 にあることないこと吹 き込 んで、弟 を勘当 寸前 まで追 い込 んだため兄弟 仲 は悪 く、妹 のスィウにも濡 れ衣 を着 せたことがあるので彼女 からも苦手 意識 を持 たれている。家督 争 いに興味 のない弟 には人間 領 に戻 って欲 しくないと語 る。武器 を持 てない時 の備 えで、麻痺 毒 を塗 った針 の投擲 を修 めている。数 年 前 からオークラウ公爵 の秘書 を兼任 していた。だが、公爵 が失脚 した場合 に備 えてとばっちりを受 けないように違法 行為 には関与 せず、リンド・ヴルムとの関係 を維持 する方 が得 だという判断 から自 ら率先 して不正 の事実 を司法 機関 に売 り飛 ばし、会談 中 に拘束 させた。上司 の投獄 後 は特定 の元老 の下 には付 かず、あちこちの雑務 を押 し付 けられる立場 となり、動 きやすくはあるものの多忙 な日々 を送 る。権力 を欲 するのは、5年 前 から交際 しているサキと正式 に結婚 するには法 改正 が必要 なためだからである。自身 の荘園 では、『鬼 変 病 』の人間 や人間 領 でひっそりと生 き抜 いてきた魔 族 の亜種 を保護 している。サキには口 でも力 でも敵 わない。そして、細 かな法 整備 はまだだが、『鬼 変 病 』の患者 のみならず、人間 領 のあちこちで隠 れ住 んでいた魔 族 の存在 が公式 に認 められ、人間 と同種 の存在 として扱 われるよう、人間 領 で大改革 を行 った。その際 に『鬼 変 病 』の診療 記録 を弟 から買 い上 げ、結婚 の祝儀 を兼 ねて借金 を返済 して余 りあるほどの大金 を贈 った。- オークラウ・ダイトン
種族 -人間 東 の元老 の1人 で公爵 。典型 的 な人間 至上 主義 で、その魔 族 嫌 いは有名 な上 、魔 族 に対 してあまりにも無知 。以前 はスィウに目 をかけて名刀 を下賜 しているが、彼女 が『鬼 変 病 』を発症 すると掌 を返 して解任 している。戦争 の時 に一 度 私財 を失 ったことがある。違法 な奴隷 商 にハーピーを捕 らえさせていた事件 の黒幕 で、産 ませた卵 を独自 のルートで人間 領 の貴族 や外道 の料理人 に売 り捌 いき、仕入 れたバロメッツの木 を金 で使役 する野 盗 の手 でリンド・ヴルムに持 ち込 ませ、都市 全体 に『眠 り病 』を蔓延 させた。会談 のために人間 領 帝都 に来 たスカディをトカゲ女 と罵 り毒殺 を図 ったが、竜 族 にヒ素 が効 かないことを知 らなかったために失敗 、ハーピーの卵 の取引 が魔 族 領 との条約 に違反 していたことが明 るみに出 て、元老 警固 役 に拘束 されて失脚 するも、金 と権力 を使 って身代 わりを立 ててまんまと脱獄 に成功 し、ソーエンやスカディに復讐 するためリンド・ヴルムのデッドリッチ・ホテルに潜伏 、大 規模 虐殺 を起 こそうと、ソーエンの名前 を使 ってネイクス家 へ水路 街 へ毒 を流 すよう依頼 したが、怪 しんだ実行 犯 の判断 で致死 量 の毒 は撒 かれず計画 は中途半端 に終 わり、サーフェに居場所 を突 き止 められて命 からがら逃走 し、ヴィヴル山脈 でディオネに捕 まり警邏隊 に追 いつかれ、当初 は魔 族 への差別 意識 を隠 さず、戦争 を起 こしてリンド・ヴルムを破壊 すると告 げるも、スカディから激 しい尋問 を仄 めかされると一転 して取引 相手 を売 り、ハーピーの卵 の売買 で儲 けられると持 ちかけたが、一切 の反省 が見 られないことに呆 れられ、被害 者 のハーピーたちに襲 われて傷 だらけにされた後 で再 逮捕 された。- サキ
種族 -人間 (鬼 変 病 )- 『
鬼 変 病 』を患 っている女性 。ソーエンの恋人 。年齢 は三十路 前後 で、ソーエンよりも年上 。 - ソーエンが
営 む魔 族 の隠 れ里 をまとめており、対外 的 にはソーエンの女中 を務 めているが、おおっぴらには外 を出歩 けない身分 であり、頭 には常 に頭巾 を被 って角 を隠 している。 細身 だが鬼 の膂力 を持 ち、ソーエンが迂闊 なことを言 ったときには鉄拳 制裁 する。薙刀 の達人 でもある。鬼 らしく引 き締 まった筋肉 が付 いているが、里 での長時間 の重労働 のために全身 がかなり凝 っている。- ビャクエイ・リトバイト
種族 -人間 - グレンたちの
父 で、リトバイト家 前 当主 。道理 の通 らないことを嫌 い、規律 に厳 しく、風評 を気 にする人物 。厳粛 な面持 ちをした60歳 手前 くらいの貫禄 ある男性 。東方 商会 同盟 の幹部 にのし上 がるため、武道 にも通 じる厳格 さと気風 を身 につけた。なにを言 っても聞 いてくれそうな雰囲気 をしているので、グレンからは避 けられていた。 - グレンが
強情 なのを知 っているので、複数 の魔 族 との結婚 をあっさり許 すも、帝 を悩 ませる『黒 後家 党 』の縁者 であるアラーニャとの婚姻 には強 く反対 するが、その後 の『黒 後家 党 』の逮捕 と子供 達 や妻 からの説得 で、アラーニャとの結婚 も了承 することになった。 黒 葉 ・リトバイト(コクハ・リトバイト)種族 -人間 - グレンたちの
母 。心労 が重 なり、グレンが久々 に帰省 した際 には病 で伏 せっていた。自分 たちの子供 は全員 ちょっとおかしいと思 っており、この機 を逃 せばグレンは結婚 できなくなると考 えて、重婚 を快 く許 した。 - つむぎ
種族 - アラクネ魔 族 の隠 れ里 に暮 らすアラクネ(絡 新婦 )の子 ども。親 がおらず、サキに引 き取 られた。里 に来 たアラーニャから糸 の使 い方 を教 えてもらう。
ネメア・アカデミー
- チェルベ
種族 - ケルベロス- グレンの
学生 時代 、身体 を鍛 えることを主 目的 とする運動 部 の2年 次 だった女性 。亜麻 色 の髪 をポニーテールにして、快活 な表情 を浮 かべる美少女 。純朴 、忠実 、素直 な性格 。肩 から生 える頭部 には左 にオル、右 にエリュと名前 が付 いている。 運動 の成績 が落 ち、両 肩 の頭部 が喧嘩 をするようになって集中 力 が下 がるという悪循環 に陥 ったため、サーフェに対処 法 を相談 に来 ていた。グレンが相談 に乗 り、原因 がストレスによるものだと判明 してランニングに付 き合 ってもらったことで悩 みは解消 された。- ベルメール
種族 - ドール- ドラコニアの
秘書 として外界 との雑事 を行 うために製造 された女性 型 の魔術 人形 。主 な役割 は買 い出 し、学部 の書類 仕事 、学長 や他 学部 長 との交渉 役 など多岐 にわたる。 基本 的 な構造 は球体 関節 人形 と同 じで、身体 は複数 の陶器 製 のパーツから構成 され、頭部 のボビン型 器官 から伸 びた魔法 の糸 で各 パーツを吊 っている。糸 は神経 の役割 を果 たしており、全身 の保持 、可動 を行 いつつ、情報 の記録 、伝達 もしていて、触覚 も持 つ。造形 はネメア一 の人形 師 に外注 し、金属 のボビンだけは別 の工房 に発注 したもの。関節 痛 に悩 み、グレンへ相談 に来 た。ボビンの張力 が強 すぎて関節 に過度 な力 がかかっているのが原因 だったが、実 は腰痛 持 ちのドラコニアを外 に連 れ出 すためにわざと自分 でボビンに細工 していたというのが真相 だった。- ドラコニア
種族 - セベク魔術 学 部長 。古代 から連綿 と続 く伝統 魔術 の権威 としてアカデミーに招聘 された。神秘 、秘術 の探究 は他 学部 の方法 論 とは一線 を画 するという主張 を設立 時 から曲 げず、生徒 たちにも他 学部 との交流 、関与 を控 えるよう命 じている。特 に医学 を信 じておらず、伝統 を蔑 ろにするとクトゥリフを嫌 っている。脱皮 する長寿 種族 で年齢 は100歳 未満 。外見 は幼女 と言 っても差 し支 えないほど小柄 で、子供 よりも非力 。また、運動 不足 のせいかひどい腰痛 に悩 まされている。グレンの所 に来 ていたベルメールを追 いかけて医学部 に来 た際 にクトゥリフに捕 まり、腰痛 の治療 を受 けることになった。- フソゥ(
扶桑 ) 種族 - オシラサマ- グレンの
学生 時代 、家政学部 服飾 科 の生徒 だった女性 。 手先 は器用 だが自力 で立 てないほど足 が弱 い。ただ、基本 働 きたくないと言 う性格 でサボり癖 があるという側面 も強 く、本人 が言 うほど何 もできない訳 ではなく、ある種 の人心 掌握 術 で協力 者 を集 めて色々 と手伝 わせている。成績 は優秀 で作 る服 も凝 っているのだが、学校 の一室 を勝手 に占拠 して引 き篭 もり、授業 にも出 ず、課題 もサボりまくりなので、教師 も頭 を抱 えている。また、自堕落 なところがあり家事 全般 をやる気 がないので、服飾 科 のファンクラブが世話 をしている。先祖 たちと人間 の関係 に憧 れて人間 種 への病的 な執着 を抱 いており、アカデミーに入学 した初 の人間 であるグレンに奉仕 してもらおうとしたが、サーフェたちによって阻止 されている。卒業 後 は指折 りの職人 として「荒 絹 縫製 」と専属 契約 を結 んでいる。その筋 ではかなりの有名人 で、たくさんの弟子 を抱 えている。獣 王 レオクレス種族 -獅子 獣人 人 と魔 族 が争 う大戦 の末期 に現 れた英傑 。細 かな部族 に分 かれていた獣人 族 を統一 し、魔 族 側 の有力 な種族 らとも同盟 を結 んで大 軍勢 を作 り上 げた指導 者 で、魔 族 の心 を一 つにした英傑 として歴史 に名 を残 す。終戦 後 には魔 族 領 の中心 地 に、魔 族 の意思 を統一 するための象徴 として、魔 族 が一 つであることの証明 として、首都 ネメアを建造 する。また、戦後 の世界 を担 う人材 を育成 する場所 として巨大 な大学 施設 「ネメア・アカデミー」を作 り、学長 になった。
魔 族
- ラミア
族 下半身 が蛇 の種族 。爬虫系 魔 族 の一種 。人間 領 では『濡 れ女 』とも呼 ばれる。変 温 型 なので、冬眠 することはないが、温度 差 に弱 く寒 さで体力 を大 きく消耗 する。卵生 で、卵殻 の柔 らかい卵 を産 み、一定 の周期 で無精卵 を放 卵 する。- もともと
高温 多湿 の森林 で暮 らす一族 で、多少 の高低 差 もものともせず、入 り組 んだ森 の中 でも容易 く移動 できる。『温度 を見 る』ことのできる独特 の感知 器官 を持 つため、闇夜 でも生物 の動 きを捉 えることができる。一方 で涙腺 や汗腺 を持 たない。 下半身 は柔軟 かつ強靭 で、筋肉 によって振 り回 せば強烈 な一 撃 を浴 びせることができ、先端 を第 3の手 として伸 ばすこともできる。- アルビノの
個体 が生 まれることが多 く、一族 に生 まれた者 は日 の光 を避 け夜 に活動 していたとされる。 伝統 的 に薬 の製法 に長 けていた。魔 族 の間 では薬 売 りとして評判 が高 い。一方 で、温度 感知 能力 、音 を立 てずに移動 する蛇腹 、変幻 自在 の下半身 といった特有 の身体 的 特徴 と毒薬 の知識 を活 かし、要人 の暗殺 業 も行 なっていた。多 くの毒 に耐 性 を持 ち、人間 なら致死 量 の毒 を盛 られても熱 を出 したり短時間 昏倒 する程度 にとどまる。舌先 は二 つに分 かれている。舌 の長 さは人間 のおよそ2倍 で、伸縮 性 、柔軟 性 に富 み、味覚 だけでなく嗅覚 を感知 する神経 も備 わる。また、三半規管 が異常 に発達 している。喉 は軟骨 に支 えられ、左右 に分 かれる構造 となっているため、柔軟 に拡張 し、鶏卵 程度 であれば丸呑 みしても窒息 しない。長 い舌 は分割 された喉 の隙間 に収納 されている。- 2、3
ヵ月 に一 度 、脱皮 を行 う。脱皮 が近 づくと掻痒 感 を覚 える。汗 をかかないので、脱皮 の際 は下半身 を水 につけて湿 らせる。脱皮 した皮 は金 運 のお守 りとされ、大 きな商会 に飾 られていることがある。 風邪 をひくと主 に呼吸 器 症状 を起 こす。また舌 に口内 炎 ができると、喉 の中 に収納 されている間 に急激 に炎症 が広 がり、喉 や肺 に達 し肺炎 を誘発 することもある。そのうえ、喉 の構造 が複雑 ゆえに、菌 も潜伏 しやすく、一度 炎症 が悪化 するとなかなか自然 治癒 しないという弱点 を持 つ。対症療法 としては温浴 が最 も効果 が高 いとされる。生物 濃縮 を行 う有毒 の亜種 も存在 しており、ネイクス家 の先祖 には毒 を食 べ続 けて全身 を毒 で浸食 させきり、吐息 だけで人 を殺 せた伝説 の暗殺 者 がいたという。だが、毒腺 が発達 しすぎると全身 に刺青 のような模様 が浮 かぶので、暗殺 には不向 きになる。- ミノタウロス
族 牛 に似 た特徴 を多 く持 つ魔 族 。男性 は頭部 そのものが牛 に酷似 しており、総 じて長身 かつ筋骨 隆々 な肉体 を持 つため、巨大 魔 族 に分類 される。女性 は顔 も人間 によく似 ているが、角 と耳 は牛 にそっくりで、乳房 が大 きく発達 する者 が多 い。- ケンタウロス
族 下半身 が馬 のような種族 。平地 や草原 を駆 け回 るために進化 したとされ、生 まれながら馬 と同 じ速度 で走 れるという。脚 には馬 のように球 節 を持 つ。広 い平野 で槍 を片手 に突撃 してくる様 は人間 族 にとってなによりの脅威 だったとされる。戦争 時 には傭兵 業 に従事 し、戦後 は配送 業 などに従事 している者 が多 い。闘技 場 の闘士 に転身 したものもいる。戦 で死 んだ者 を尊 ぶ風習 があり、孤児 を引 き取 ることも文化 として根付 いている。基本 的 に草食 で、野菜 しか食 べない。高 代謝 で活動 的 な肉体 を栄養 効率 の悪 い野菜 で補 うため、大量 に食 べる。- スタミナ、
持久 力 に優 れ、僅 かな調練 で見事 なまでに統率 をとってしまう。勇敢 で武芸 に長 けているが、その一方 でとても神経質 、臆病 な面 もある感受性 の高 い種族 でもある。 - また、
街 中 であまり走 らずに暮 らしていると蹄が伸 びすぎてしまうので、馬 と同 じく装 蹄して安定 した歩行 を保 つ。 下半身 の胴 にはいざという時 は盾 にもなる鞍 を模 した伝統 の防具 をつける。古 くは長距離 行軍 の際 に怪我人 が出 ると、身分 の低 い者 には自害 させ、地位 ある者 は主人 の介錯 で命 を絶 つという悪 しき風習 を持 っていた。婚姻 の際 は、同族 同士 なら武具 を、異種 婚 なら鞍 を贈 る風習 がある。従者 を主 の所有 物 とする文化 を持 つため、結婚 後 は夫婦 の財産 として共有 される。- リザードフォーク
- 爬虫
系 魔 族 の一種 。変 温 型 で寒 さを嫌 う。ラミア族 同様 、有毒 亜種 が存在 する。 人魚 族 下半身 が魚 のようになっている種族 。水棲 魔 族 の一種 。陸 に上 がる必要 はほとんどなく、水中 生活 に適応 している種族 である。魔 族 の中 でも特 に多様 な亜種 が存在 する種 の1つで、セイレーンやメロー、マーメイドなどの複数 種 存在 する。- エラと
肺 の両方 を持 つ。エラは人間 でいう肋骨 のあたりに位置 する。喉 にはエラ呼吸 と肺 呼吸 を切 り替 えるための弁 があり、体内 には食道 と気道 に加 え、水 を口 からエラに送 るための「水道 」という独自 の器官 を備 えている。ただ、老齢 や喉 の疾患 を持 つ個体 は、水中 でアクシデントに見舞 われた場合 、弁 の切 り替 えに失敗 して肺 呼吸 のまま水 を飲 み込 み溺死 してしまう恐 れがある。エラ器官 は魚 とは比 べ物 にならないほど複雑 な機能 を持 ち、淡水 海水 問 わずの水中 活動 を可能 とする。 歌声 は美 しく、歌 で生計 を立 てるルララのような者 もいる。水中 会話 に特 化 した独特 の発声 法 による人魚 語 を使 うことができる。両手 の指 には水 かきが付 いている。これを利用 して手 の中 に溜 めた水 を一気 に発射 することで、大 の男 を横倒 しにする威力 の水鉄砲 を撃 つことができる。目 には瞬 膜 を持 ち、水中 では高度 に発達 した瞬 膜 で目 を保護 してクリアな視界 を維持 できる。海水 で飲 み込 んだ塩分 は、涙 として排出 される。水中 で服 は邪魔 になるため服 を着 る習慣 がなく、同族 だけの時 は基本 的 に全裸 。ただ他 の種族 と関 わる場合 は評判 にも悪影響 なので、アラクネ製 の水中 用 衣服 が普及 しつつある。基本 的 に火 を使 えないため、食事 は獲 れたての魚介 類 を生 で食 べる。飲酒 の習慣 はない。また、シャコガイの殻 やウミガメの甲羅 を生活 の道具 として活用 する。水中 生活 に適応 し、かつ短時間 の陸上 行動 にも対応 するため、全身 が薄 い粘膜 で保護 されている。強 い日差 しを浴 びると、個人 差 はあるが上半身 の皮膚 が日焼 けし、皮膚 が剥 けると粘膜 の形成 が追 いつかないので、人間 以上 にしっかり処置 しないと炎症 を起 こして皮膚 病 になりかねない。特 に深海 人魚 は日焼 けをすると、褐色 になる前 に炎症 を起 こしてしまう危険 がある。水温 の上昇 に敏感 で、他 の種族 よりも早 く嵐 の予兆 を捉 えることができる。東 では人魚 の肉 を食 べて不老不死 になった尼僧 の話 が有名 だが、根 も葉 もない伝説 である。- セルキー
族 - アザラシの
皮 をかぶり、アザラシそのものになってしまう水棲 の魔 族 。みな見目 麗 しいとされている。一夫多妻 型 のハーレムを形成 する文化 を持 つ。 - アラクネ
族 下半身 がクモのようになっている種族 。クモの腹部 から粘 り気 の異 なる、2種類 の糸 を出 す事 が出来 る。上半身 には人間 のような腕 が2対 4本 、下半身 にはクモのような脚 が4対 8本 ある。腕 は肩 からつながる1対 と、脇腹 あたりからも伸 びる蜘蛛 の『触 肢 』にあたるもう1対 。人間 と同 じ位置 にある2つの目 に加 え、額 に小 さな4つの複眼 が存在 している。ただし、視力 はあまり良 くないとも言 われる。下半身 には骨 がない代 わりに、軽 く丈夫 な外 骨格 で構成 されており、巨体 に反 してその動 きは俊敏 。腹部 は高度 に発達 しており、血管 や神経 網 が縦横 に走 っている。生 まれてくる子供 が女性 のみという唯一 の種族 で、生殖 には他 の魔 族 や人間 の男性 が必要 。小柄 で捕 まえやすく、気弱 で従順 な人間 の男 はアラクネの間 で大人気 。程度 の差 はあるようだが、略奪 の習性 を共通 して持 っている。糸 は体内 では液体 で存在 し、体外 に排出 される時 に空気 と応力 で糸 の形 に変 わる。体液 の量 や成分 の配合 を調整 することで、粘 つく糸 や、逆 に全 く獲物 を捕 らえないさらりとした糸 など、用途 に応 じた糸 を生成 することがせできる。下半身 の腹部 の先端 には、出 糸 突起 (糸 イボ)と呼 ばれる生成 した糸 を吐 き出 す最 も重要 な器官 があり、穴 を囲 む小 さい5つの爪 状 の器官 で体内 で生成 した体液 を細 く長 く縒 って、目的 の方向 に射出 することが可能 。糸 を使 い罠 を作 ったりや移動 手段 にするなど応用 する。糸 の応用 範囲 は広 く、自前 の糸 でなんでもこなしてしまうことから、兵士 となれば最強 であろうという軍略 家 もいるほど。糸 は湯 などで溶 かす事 が出来 る。異性 や他 の生 き物 を惹 きつけるフェロモンが糸 に含 まれており、これは普通 の糸 には少 ないが発情 した時 に出 る糸 から大量 に抽出 される。一部 の個体 はフェロモンを利用 した暗号 文 を使 う。糸 の使 い方 は親 から学 ぶが、様々 な事情 で親 がいない個体 は他 のアラクネから扱 いを学 ぶ。疲労 や糸 の出 しすぎで『喪 糸 病 』という病気 になる。徴候 として体液 が不足 して常 に粘 ついているはずの出 糸 突起 の爪 が乾 き、たんぱく質 などの体内 の糸 を作 り出 すための栄養素 が偏 り、貧血 、栄養失調 などの症状 が現 れ、最終 的 には命 に関 わる。肉体 の大半 を糸 を生成 し吐 き出 す機能 に特 化 させているので、大 きな体 に比 して消化 器官 が弱 く、肉 などを大量 に食 べることが出来 ず、かつては動物 の体液 を主 として摂取 していたという話 もある。- かつては『
道 』に潜 み、罠 を仕掛 け獲物 の体液 を糧 としていた。亜種 によっては血液 を吸 い、人間 の男性 を相手 に強引 な性 交渉 を迫 り体液 を得 ていたこともあったという。古 くは人間 領 にも多 く住 んでおり、東部 では『絡 新婦 (ジョロウグモ)』とも呼 ばれていた。 - スキュラ
族 下半身 がタコのような種族 。足 に相当 する触手 は8本 。かつて祖先 は深海 の邪神 と呼 ばれていた。- 『
深海 の賢者 』とも言 われるほど、知識 に対 して貪欲 な一族 。800年 生 きたという記録 もある長寿 な種族 。 体 の構造 には謎 が多 く、完全 には解明 されていない。上半身 には軽 いが強靭 な軟骨 による骨格 を持 ち、下半身 は軟体動物 の如 く骨格 を持 たない。触手 は筋肉 の塊 で、力 も強 い。吸盤 の吸着 力 は尋常 ではなく、手加減 していても赤 い痕 がしばらく残 ってしまう。触手 の間 には水 かきのような膜 がある。筋肉 の収縮 度 で触手 の色 を変 える。触手 は再生 力 が強 く、大 きく損傷 しても何 週間 かあれば回復 する。触手 は珍味 らしく、はるか西方 には自分 の触手 を切 って食材 として調理 する店 があるらしい。脱皮 を行 い、常 に若々 しい姿 のままでいる。水棲 魔 族 のため、高温 や乾燥 を嫌 う。口 には墨 を出 す器官 を備 え、タコ墨 は滑 りが良 く、上質 のインクとして評判 。体 の各所 に存在 する神経 の塊 (副 脳 )によって、触手 の複雑 で繊細 な動 きを制御 している。特 に眉間 にある副 脳 は比較的 守 りが弱 いので最大 の弱点 となる。邪神 族 - スキュラ
族 の祖先 とされる種族 。数 千 年 前 にはギガス族 とも交友 関係 があったらしい。ディオネによれば悪 い人 ではないが見 た目 が怖 いとされる。
竜 族 最 も謎 が多 い種族 の一 つ。そもそも地上 の生物 ではなく、遥 か昔 、神域 に近 い場所 から地上 へ降 り立 ったのだと言 われている。鱗 と大 きな角 をもつ種族 。膂力 、呪 い、魔法 といった幾 つもの強大 な力 を有 し、普通 の生物 では太刀打 ちできない。生態 には謎 が多 く、魔 族 の中 では最 も原始 的 な姿 を持 つとされる。すべての魔 族 の原点 にして頂点 ではないかとも考 えられている。吐 く息 によって、火 竜 、毒 竜 、水 竜 、吐息 で攻撃 しない竜 の4つに分 けられる。最 も驚愕 すべき生態 として、世代 交代 もなく、環境 に応 じて一 代 で姿 を変化 させる。その形態 は様々 で、ワイバーン、ナーガ、ワーム、オロチ、ミズチなどがあり、スカディは人 や魔 族 の世界 に対応 し人 型 になったもの。高度 な知性 を持 ち続 けるか、理性 を失 い魔物 と化 すかは、個体 ごとに生 き方 を選 んだ結果 とされる。竜 が神 々から離 れ、地上 で長 く生 きすぎたことで、地上 の穢 れ、瘴気 の影響 を受 けて体 が大 きく変質 してしまうことによるとする説 が存在 する。- アルコールに
麻酔 及 び鎮静 作用 がある。 過酷 な環境 に住 むトカゲの一種 と同 じく、尻尾 に養分 を溜 めることができる。調子 の悪 い時 は、尻尾 が細 くなって垂 れ下 がるので、健康 を測 る指標 となる。体 が丈夫 なので、普通 の種族 なら死 ぬような病気 に罹 ってもなかなか死 に至 らず、それだけに苦 しむ時間 も長 い。希少 種族 であり、特 に竜 の血 は錬金術 においては他 に代替 できないとまで言 われた貴重 な素材 で、寄生 生物 にとっては栄養 源 としても価値 が高 い。一方 で竜 鱗 をよく落 とす。魔 族 領 で森 や山 を探 せばすぐ拾 えるので、鱗 についてはそれほど珍 しくはなく、竜 の加護 が得 られる魔除 けの縁起物 としてアクセサリーにも用 いられる。金銀 財宝 を好 む性質 がある。- アンデッド
系 魔 族 - ゾンビやスケルトン、リッチ、グールといった
魔法 や呪力 によって動 く魔 族 の総称 。いわゆる「生 きる屍 」の種族 。身嗜 みや匂 いに気 を遣 わなければならず、生者 からの視線 を気 にすることが多 いので、街 で普通 に暮 らすことは珍 しい。基本 的 に騒動 が好 き。 死 を忘 れたと言 われているが、実際 はゾンビは肉体 が腐 り、スケルトンは骨 が朽 ちるなど、存在 が消滅 するという意味 の死 はある。そのため、ゾンビなどは防腐 剤 を必要 とする。- フレッシュゴーレム
人間 の死体 を集 めて作 られたゴーレムの一種 。死 肉 の人造 とも呼 ばれる。生命 を生 み出 す実験 によって人 の手 で生成 された存在 なので厳密 には魔 族 ではない。設定 は全 て首 のマキモノに記 されており、ここが本体 と言 える部位 で、弱点 でもある。マキモノは背中 にある頸椎および脊椎 を模 した金属 パーツに刺 さることによって死 肉 と接続 され、体内 に繋 がる赤 いチューブを切 ると完全 に接続 が切 れてしまう。死体 の元 になった人物 の「声 」を聞 き、その衝動 に駆 られることもある。体 の各 部位 は死 んでいなくて、それぞれに意思 があるため、離 れていても動 き続 ける。- アンデッドであるため
痛 みを感 じないが、東洋 医学 のツボといったものには反応 が見 られる。自分 の体 の異変 や損傷 に気 づけるよう触覚 だけは残 されている。 身体 を欠損 した場合 は別 の死体 を継 ぎ直 す。新陳代謝 はなく、組織 再生 をするわけではないので、縫合 した後 は抜糸 しないでおく必要 がある。ただ、ゾンビと同 じく肉 が腐敗 しないよう、首 にある細 い金属 の管 から定期 的 に防腐 液 を血管 に注入 する必要 がある。肉体 は硬直 し、力 や柔軟 性 の代 わりに、骨 と呪力 のみで体 を支 えるので、骨格 に歪 みが生 じやすい。整体 を受 けると生命 力 が喚起 されて、それが呪術 に影響 して骨 を正 しい位置 に修正 、さらに呪術 で作 られる力 場 に干渉 して痺 れるような刺激 が走 る。
死霊 系 魔 族 - レイスやゴーストといった
常人 には目視 での確認 すらできない魔 族 の総称 。人間 や魔 族 が怨恨 を持 って死 に、魂 が抜 けだして一人 でに歩 き出 したもの。 霊感 がないと霊 体 は見 えないが、鬼火 のような霊 が作 り出 す現象 は誰 でも目 にすることができる。- ゴーストに
憑依 されると、悪寒 、嘔吐 、頭痛 、幻覚 などの症状 が現 れ、最終 的 には意識 を失 い生命 力 を奪 われてしまう。 基本 的 に騒動 が好 き。『暇 だから』という理由 で好 き勝手 に動 くが、明確 な方針 と、それに対 する役職 さえ与 えれば制御 することもできる。- ハーピー
族 二 の腕 から先 が翼 、膝 から下 が鳥 の脚 のようになっている種族 。卵生 で、鶏卵 の2倍 ほどのサイズの卵 を産 む。尾羽 や風切 羽 、冠 羽 を持 つ。五 本 指 を使 えない分 、口 や翼 を器用 に使 うことができる。人間 よりかなり首 が柔 らかく、羽 づくろいの時 は翼 の内側 に頭部 を隠 す。体温 は人間 よりやや高 め。汗 をかかない代 わりに、体内 の気嚢 に外気 を取 り入 れて体温 を冷 ます。熱 しやすく、1つのことに囚 われると、視野 狭窄 気味 になって周 りが見 えなくなる種族 としての傾向 がある。そのため、マイペースで、他 の種族 から忘 れっぽいなどと言 われることが多 い。飛行 や体温 維持 、撥 水 のため、尾羽 のつけ根 から分泌 する『尾 脂 』を羽 づくろいの時 に全身 の羽毛 につけて手入 れする。羽毛 は分泌 物 できれいに保 たれているが、ストレスなどで分泌 異常 が起 こる。また、温水 で何 度 も水浴 びすると尾 脂 が溶 けだしてしまい、羽毛 が形状 を保 てなくなって毛羽立 ったり逆立 ったりするだけでなく、風切 り羽 まで異常 が出 て飛 べなくなる場合 もある。冠 羽 は骨 から直接 生 えており、異性 へのアピールや仲間 に存在 を伝 えるため、ある程度 自分 の意思 でぴょこぴょこと動 かせる。翼 はとても繊細 で、風切 羽 が2、3本 抜 けてしまっただけですぐに飛行 に影響 が出 てしまう。羽毛 は保温 性 に優 れ柔 らかな感触 を持 つため、高級 なペンや寝具 に使 われる。満腹 になると飛行 に支障 が出 るので、常 に満腹 でも空腹 でもない状態 を維持 するため、少量 の食事 を分 けて食 べる。ナッツ類 など、少量 で栄養 価 が高 い食事 を摂 ることも多 い。老 いた者 、子供 、病人 などは自由 に空 を飛 べなくなる。若者 が急 に飛 べなくなると強 いストレスを感 じる。魔 族 の中 でも特 に多様 な亜種 が存在 する種 で、羽根 の色 や形 、翼 の大 きさ、冠 羽 の色 などで特 に個性 的 な見 た目 になる。大 きくタカやフクロウに似 た猛禽 型 、ダチョウやニワトリに似 た陸上 型 、海辺 や島国 で見 られる水鳥 型 などに分類 されるが、これらは全 て互 いに子供 を作 ることができ、羽毛 の形質 は主 に両親 から受 け継 がれるため、実 に多種 多様 な色 と形 の組 み合 わせがあり、同 じ羽毛 を持 つハーピーは存在 しないとまで言 われている。ある種 の翼 の色 や形 は、ハーピーたちの中 では1つのステータスになる。成熟 前後 には換 羽 が起 きる種類 もいる。目玉 模様 を本能 的 に恐 れているので、サイクロプス族 が苦手 。本来 渡 りの性質 を持 ち、大陸 間 を横断 し、居心地 のいい場所 を探 す種族 。そのため安住 の地 と定 めた場所 への執着 も薄 く、住居 も短期間 で壊 れることを前提 に木 で作 る。崖 の出 っ張 りを礎石 に木造 の小屋 を建 てて生活 する。東方 では「姑 獲 鳥 」とも呼 ばれる。- フェニックス
不死 の鳥 とも呼 ばれる伝説 の魔 族 。ハーピーの希少 種 とも、鳥 であるとも言 われる。炎 に身 を包 まれることで再 び再生 し、決 して死 なないとされている。美 しい翼 と炎 のような深紅 の羽根 が特徴 。飛翔 能力 にも優 れている。幼 い頃 は羽根 の色 はくすんでいるが、大人 になる時 の換 羽 で姿 を大 きく変 える。尾羽 は生 え際 からすぐに3房 に分 かれ、角度 によって色合 いの変 わる七色 を呈 し、先端 部 にはクジャクのような飾 りもある。
巨人 族 - オーガやサイクロプス、ギガスなどの
巨体 を持 つ種族 。ギガスを除 けば、大 きいものは人間 の2、3倍 程度 の身長 を誇 る。- ギガス
族 人 の丈 の10倍 の身長 を持 つ種族 。巨 神 族 とも呼 ばれる。体躯 に対 して腕 の比率 が大 きく、指 も太 め。その巨体 から、歩 くだけで地震 を起 こし、家 を壊 してしまう。巨大 な自重 を支 えるために外皮 を頑丈 にしたなど、肉体 の構造 は植物 系 魔 族 に近 い。南国 の珍獣 『怠 け者 (スロース)』に生態 がよく似 ていて、体重 に対 して相当 に少食 。代謝 が低 く、髪 にコケが生 えるほど髪 が伸 びるのが遅 い。じっとしていればほとんど体力 を消耗 しないが、その影響 で、軽 い病気 でも10年 以上 治 らない場合 がある。極端 に代謝 が低 いせいで、消化 のためのエネルギーが食事 で摂 る栄養 を上回 ってしまい、特 に消化 能力 が低下 する暑 い時 は、食事 を摂 っているのに栄養失調 になる現象 が起 きる。外皮 が硬 すぎて普通 の注射 針 を使 った点滴 は困難 なので、栄養失調 の治療 では、消化 の良 いお粥 など柔 らかく煮込 んだものを食 べさせる。- ドラゴンでも
病 み上 がりで弱 っていれば潰 してしまうほどのとてつもない力 を持 つ。 原始 的 な巨人 系 魔 族 ではないかとグレンは推測 した。寿命 は数 千 年 で、スカディよりも長生 き。素早 い動 きは苦手 だが、大 きな指 は繊細 に動 かすことができる。ただ、力 は強 く、人間 が使 う道具 は小 さすぎて頻繁 に壊 してしまう。現在 ではディオネ1人 しか存在 しないと考 えられている。大 らかで、細 かいことを気 にしなさすぎる、何事 も深刻 にとらえない性格 が、危機 感 の欠如 を招 いたことも絶滅 の原因 ではないかとされる。- サイクロプス
族 大 きな一 つ目 が特徴 の種族 。男性 は身 の丈 も人間 と比 べて一 回 り大 きく筋骨 隆々 。女性 は人間 とほとんど身長 も変 わらないが、手 は大 きめで指 も太 く、力 自慢 。眉 も1つだが、位置 には個人 差 がある。その外見 からかつては粗野 で野蛮 だと誤解 されることもあった。眼球 はガラスに似 た特殊 な膜 で覆 われているとされ、涙腺 も多 く体液 で満 たされている。巨大 な眼球 を支 える眼 輪 筋 は疲弊 しやすく、常 に大 きな隈 がある。大柄 な巨体 に反 して手先 が器用 で、特徴 的 な目 の性質 から高温 の炉 を見 続 けても失明 しないので、鍛冶 に特 化 しているとも言 われる。伝統 的 に職人 は男性 の仕事 とされており、メメのような女性 職人 はかなり珍 しい。真面目 で義理堅 く、融通 の利 かない頑固 な面 もあるが、責任 感 が強 く自分 たちの作 るものには誇 りを持 っている。温厚 なので戦 いは性 に合 わず、戦争 時 には直接 戦場 に立 つことなく、武器 の製造 を手 がけていた。頑丈 だが、謹厳 実直 な性格 上 ついつい働 きすぎてしまう傾向 があり、過労 で倒 れてしまうこともある。視界 が広 くて視力 も良 く、物 を凝視 するのは得意 だが、広 い視野 で多角 的 にものを捉 えるのは苦手 で、動体 視力 も低 い。視力 に特 化 している上 に、立体 視 ができないという致命 的 な弱点 を持 ち、また視覚 と三半規管 との連携 を崩 しやすいので、乗 り物 酔 いになりやすい。ひどい場合 は幻覚 を見 ているような気分 になって意識 が朦朧 としてしまうこともある。鳥 が嫌 う目玉 模様 に縁起 を担 ぎ、ある地域 では農園 では女性 のサイクロプス族 を雇 う風習 があるという。長 い歴史 で戦争 の武器 を作 ってきたことはあっても、常 に中立 で、直接 参加 したのは人間 との戦争 だけ。敵対 する勢力 両方 に武器 を売 り、その取 り引 きの中 から自然 と、各 勢力 の財力 、兵 数 から装備 まで筒抜 けになってしまい、戦争 の趨勢 をよそうできることから、『戦争 の勝敗 はサイクロプスに聞 け』という伝統 的 な言葉 が生 まれた。- オーガ
族 角 を持 つ巨人 族 の一種 。女性 でも見上 げるほどに大 きく、肉体 は筋肉質 、額 からは白 い角 が伸 びる。
- ギガス
妖精 族 魔 族 とも人間 とも違 う種族 と自称 する種族 。神代 の時代 から連綿 と続 く神 に最 も近 い一族 。遥 か彼方 にある『常 若 の国 』を支配 し、妖精 女王 を頂点 とする社会 を構成 している。- すばしっこく、
人目 を避 けるのが得意 で、危機 察知 や自衛 能力 に優 れている用心深 い種族 。小柄 だが、身軽 さと団結 力 で神 々とも渡 り合 ったとする伝承 が残 っている。 不老不死 で人間 や魔 族 よりも高 いレベルの文明 を持 つという。不老 不変 の存在 なので滅多 なことでは怪我 もせず、仮 に肉体 を損傷 しても、故郷 に戻 り妖精 女王 の力 を賜 ればたちどころに快気 する。そのため医療 技術 は必要 としない。顔立 ちは中性 的 で、男女 の判別 、個人 の識別 が難 しい。妖精 を増 やすことは女王 のみに認 められた特権 なので、それ以外 の妖精 は恋愛 も結婚 も出産 もしない。アリやハチなどの社会 性 昆虫 と同 じく、個体 の個性 を小 さくして群 体 として生 きることで繁栄 したとされる。個人 の娯楽 を求 める感情 も薄 いが、薄 いだけで感情 自体 はきちんと持 っている。同族 間 における意思 疎通 はテレパシーのようなものを用 いる。その感応 能力 は、リンド・ヴルムから常 若 の国 まで報告 を伝達 することも可能 。一方 で『発声 』『言語 』といった風習 を持 たず、言語 中枢 が未 発達 なので大陸 公用 語 では簡素 な単語 を並 べるのが限界 。稚拙 で舌 ったらずな発言 を繰 り返 すせいで、魔 族 などから愛玩 動物 の様 な目 を向 けられることもある。文明 発展 速度 の遅 い人間 や魔 族 を憂 いた妖精 女王 から、彼 らを助 けるように命 じられている。このため『手伝 い妖精 』とも呼 ばれるが、助力 は従属 ではなく、下等 種族 への恩恵 と慈悲 だと考 えている。労働 の報酬 は1人 につきミルク1皿 と決 められており、仕事 ぶりで報酬 を増減 させることは許 されない。これは安価 な報酬 で人 魔 両者 の力 になることを女王 が心 から喜 んでいるためで、別 にミルクが欲 しくて働 いているわけではない。契約 内容 を酒 に変 えることもできるようだが、アルコールにはあまり強 くない。- ショゴス
- かつてスキュラ
族 が邪神 と呼 ばれていたころ、彼 らが製造 し使役 していた眷属 の生 き残 り。上位 存在 から命令 、使役 されることを目的 とする。 - あらゆる
形態 、あらゆる材質 に姿 を変 えられる精巧 な擬態 能力 を持 つ。依 り代 となる白骨 から生前 の肉体 を再現 することも可能 。色素 細胞 により色 も自由 に変 えられ、髪 の毛 の1本 や衣服 に至 るまでほぼ完全 に再現 できる。ただ、予想 外 のことが起 こると擬態 を維持 できなくなる。また、分裂 を続 けて体 組織 の総量 が減 ると擬態 が不完全 となる。 多 くの思考 を同時 並列 処理 する機械 的 な生命 であり、自我 は1つのようで1つではない。たくさんの個体 が集 まった群 体 としての生命 なので、優 れた分裂 ・増殖 能力 を持 つ。ただ、分裂 するごとに自己 が薄 まり、個々 の知性 が落 ちてしまう。さらに高度 な知識 、高 い学習 能力 も有 している。中心 となる核 が存在 しており、その核 を中心 に分裂 体 に命令 を下 す。分裂 体 は栄養 状態 が著 しく低下 すると捕食 形態 に変化 する。肉体 が散 り散 りになったまま栄養 が取 れず、体 組織 が不足 して捕食 形態 にも移行 できなくなった場合 、エネルギー消費 を抑 えて本体 による救助 ・回収 を待 つために紫色 の球体 に変形 する。人間 とも魔 族 とも異 なる論理 で行動 するため、独特 な口調 で話 す。スライム以上 の擬態 能力 を持 つためか、発音 にも違和感 がない。行動 原理 は栄養 補給 を第 一 とする。時 には強力 な生物 へ寄生 し、動脈 へ侵食 することで栄養素 を奪 う。また、養分 に困窮 すると活動 停止 するか、赤黒 い肉 塊 のような捕食 形態 へ移行 する。好物 は生肉 。邪神 は彼 らを戦闘 、家事 のみならず、損傷 した内臓 を修復 するための医療 用 としても使役 していた。- スライム
族 半 透明 の液体 状 魔 族 。自在 に変化 させられるアメーバのようなゲル状 の肉体 を持 ちながら、人 や魔 族 と対等 に会話 できる知性 を持 つという、魔 族 の中 でも特 に異様 な生態 を持 つ一族 。脳 も心臓 もなく、細胞 のコアだけがある不定 形 生物 。粘 度 が高 く不定 形 な肉体 を使 い、その形 を変 えることで不完全 な擬態 を行 う。真似 られるのは輪郭 だけで、中身 は半 透明 なゲル状 のままなので、鋳型 にゼリーを流 し込 んだような見 た目 になる。個体 によっては人 に似 た姿 を取 ることを好 む者 もいる。可塑 性 だけでなく、体内 の塩分 を変化 させ、浸透 圧 によって体 組織 の密度 も意図 的 に変 えることができる。体 組織 の9割 近 くが水分 で、水辺 に棲 むことで必要 な水分 を補 うことが多 い。体内 の浸透 圧 を調整 することで淡水 でも海水 でも吸収 でき、短時間 であれば水中 行動 も可能 。乾燥 剤 は劇薬 になる。知能 も学習 能力 も高 い。目 も鼻 も口 もなく、とても意思 疎通 ができる生物 には見 えないが、声帯 や鼓膜 を再現 してアメーバ状態 でも普通 に会話 する。ただし、それも不完全 なので、言葉 を話 すと発音 が変 になる。全身 消化 器官 とも言 うべき生命 体 で、どこからでも獲物 を取 り込 んでしまい、体内 で消化 する。消化 機能 はある程度 制御 でき、選 んだ食物 の消化 を遅 らせることもできる。味覚 も存在 し、食 べたものの判別 も可能 。食 べ物 は消化 するまで身体 の中 を漂 っている。体 組織 は周囲 の組成 と同 じように変化 していく性質 があり、理論 上 は別種 の生命 体 の損傷 した血管 や臓器 を修復 することも可能 だが、実用 レベルで能力 を使 えるのはライムだけなので医療 革命 には至 っていない。- ショゴスから
分岐 して独立 した種族 になった存在 らしく、ショゴスが分裂 したその「余 り」が起源 と言 われることもある。先祖 であるショゴスより立場 が弱 く、本能 的 に取 り込 まれれば戻 って来 なれないことが分 かるので、対面 すると恐怖 心 を抱 く。 - ゴーレム
族 泥土 を食 べることで自 らの肉体 を構成 する魔 族 。異物 を取 り入 れると、それが核 になって体内 に腫瘍 を形成 してしまう。- アルラウネ
植物 系 魔 族 の一種 で、花 の特徴 を持 つ。「花 の中 に生 えた人間 」に例 えられる外見 を持 ち、下半身 に相当 する巨大 な球根 から蔓 を伸 ばし、球根 の先端 に生 える巨大 な花 の雌蕊 に当 たる部分 から緑色 の肌 を持 つ女性 の上半身 が現 れる。肌 の色 が濃 い緑色 をしているのは光合成 をする種族 であるためで、髪 に見 えるのは花弁 、動物 とは違 う発達 をした眼球 は黒目 が大 きい。衣服 を着 ることはないが、葉 の形 の器官 で胸 などの大事 な部分 を隠 す。長寿 の種族 であり、実 年齢 に比 べて外見 年齢 が非常 に若 い。人間 領 では『曼珠沙華 』とも呼 ばれる。球根 の下 に生 えている根 で移動 することもできるが、あまり速 くはないので、急 ぐ時 は他人 に運 ばせるか、転 がって動 く。自在 に伸縮 する蔓 は機敏 に動 けないことを補 うためのものとされ、およそ植物 とは思 えないほどよく動 き頑丈 なことから、食虫植物 の触手 として発達 したとも考 えられている。蔓 は切断 に弱 いが、痛 みは感 じない。水 は蔓 から飲 むが、酒 だけは口 から飲 む。体 には水分 を多 く含 むので、松明 の火 程度 では燃 やせない。花 蜜 によって虫 や動物 をおびき寄 せる習性 があり、開花 の時期 になると豊満 な乳房 で生成 した花 蜜 を貯 め、全身 に蜜 を巡 らせ、頭 や蔓 の先端 に咲 く花 から分泌 する。花 蜜 は栄養 豊富 で女性 にとって美容 に良 い成分 が大量 に含 まれている反面 、異性 を誘惑 、発情 させる成分 を含 んでいる。勢 いに任 せてミツバチなどに受粉 させすぎると、蜜 が乳房 に貯 まり過 ぎて痛 みを覚 えるため、直接 吸 い出 すか、針 で穴 を開 けて排出 する必要 がある。なお、脂肪 でできた動物 の乳房 とは違 い、アルラウネの乳房 は瑞々 しいオレンジのような弾力 を持 つ。花粉 には媚薬 効果 を持 つフェロモンが含 まれる。植物 系 魔 族 の中 でも、特別 、花 (生殖 器 )に特 化 した生態 をしている。生物 学 の常識 からかけ離 れた異様 な繁殖 力 を持 つ種族 で、全身 の花 で受粉 することによって植物 と、人間 に似 た本体 で精 を受 けることで動物 と交配 し、子孫 を残 すことができる。春 は受粉 の季 節 で、虫 がむやみに花粉 をつけるので、蔓 から勝手 に真 っ赤 なリンゴに似 た実 が生 る。一 個体 から生 まれた娘 は竹 などと同様 、株分 けしても同 じ遺伝子 を持 ち、開花 の時期 を同 じくする。数 年 に一 度 、集団 開花 の時期 が訪 れると、人間 や魔 族 の子種 、どんな種類 の花粉 も受 け取 って自分 の遺伝子 を残 してしまう。この場合 、自家 受粉 が性欲 を抑 えるための対症療法 となるが、多種 多様 な種 を残 すために自家 受粉 しづらい構造 をしているので、他人 に筆 で花粉 をつけてもらう必要 がある。近親 相姦 という概念 は存在 せず、人間 の価値 観 、倫理 観 は通用 しない。性欲 旺盛 で、男 の体液 を絞 り取 ることが、絞首刑 になった罪人 の精液 から生 え、罪人 の生 き血 を吸 い尽 くして、真 っ赤 な花 を咲 かせるという伝説 の元 になったとも考 えられている。鬼 族 東方 の人間 領 固有 の魔 族 種 。御伽 噺 では子供 でも異様 な力 を発揮 し、酒 を飲 み、時 には人 を食 うこともあったなど、西側 のオーガ族 やミノタウロス族 によく似 た伝承 を持 つことから、オーガ族 とは違 う種族 ながら生物 学的 には近 縁 種 だと考 えられている。現在 ではもう残 っていないと思 われ、絶滅 したか、あるいは東 の地 を追 われてオーガ族 の血族 と一緒 になったとする説 もある。鬼 変 病 (きへんびょう)人 が鬼 になる奇病 。12歳 から15歳 の第 二 次 性徴 期 に発症 する。最大 の特徴 として、頭蓋骨 が変形 、隆起 して額 から2本 の角 が生 える。発症 すると体質 が変 わり、特 に筋肉 が発達 して異様 なほどの膂力 と瞬発 力 を発揮 し、酒 にも異様 に強 くなる。鬼 としての筋肉 量 による過剰 な運動 の代償 は、人間 が触 れれば火傷 も有 り得 るほどの膨大 な発熱 で、体 に溜 まった熱 を逃 がしきれずに熱中 症 一 歩 手前 になってしまう。神経 の通 う角 は鋭敏 な感覚 器官 で、空気 の流 れを感 じることで目 を閉 じていてもあらゆる気配 を感 じ取 ることができると同時 に、血管 が通 った冷却 器官 でもあり、体温 が上昇 しすぎた時 は突起 物 から熱 を逃 がす。子 どもの時点 ではシカの袋 角 のように皮膚 に包 まれ、わずかに産毛 も生 えているが、成長 に伴 い徐々 に外皮 が剥 がれて、骨質 が剥 き出 しになる。皮膚 が剥 がれる準備 ができていないうちに角 が大 きく成長 しすぎると、鋭 い先端 が内側 から皮膚 を刺 して内出血 を起 こし、激痛 に見舞 われることがある。- 『
鬼 変 病 』は人間 だけに発生 する病気 なので東方 にしか存在 せず、人間 以外 に差別 的 な東方 では発症 者 はまともな職業 に就 けなくなり、法的 にも冠婚葬祭 の権利 すら剥奪 されている。 - その
正体 とは病気 ではなく、リトバイト家 を始 めとする鬼 族 の血 が混 じった特定 の血族 に発症 する「成長 」の一種 。そのため、通常 は10年 ほどの周期 で1世代 につき1人 しか発症 せず、1人 も発生 しない村 なども存在 する。 東 では他 の魔 族 と同 じく、医者 や按摩 に診 てもらうことができない。だが、グレンの研究 が発表 されたことで、差別 を撤廃 するべく動 きが始 まった。
- ドリアード
植物 系 魔 族 の中 でも特 に樹木 の幹 の特徴 を持 つ種族 。歳 をとると定期 的 に体 の各所 から枝葉 が伸 びていく性質 があり、老木 になると虫食 いやコケが発生 しやすくなるので、人間 の散髪 のように定期 的 に剪定 する必要 がある。吸血鬼 不老不死 と言 われるほどに長寿 な種族 。ドラゴンよりは他 の魔 族 と関 わりがあり、権威 者 として他 の魔 族 の後 ろ盾 になることがままあるので、ラミアを庇護 していたこともあるという。- コウモリの
特徴 を多 く持 つ魔 族 であり、コウモリのような耳 が生 え、爪 は長 く、肘 から先 と指 の合間 が伸縮 率 の高 い翼 膜 になっている。翼 開 長 はハーピーと同 程度 。薄 く軽量 化 した翼 膜 は、引 っ掛 けただけで破 れるほど脆 い。 日 の光 に弱 いため夜行 性 であり、闇 の中 で目 が光 を反射 し、可聴 音域 ギリギリの甲高 い音 を放 つ。オーガやケンタウロスのような戦闘 特 化 の魔 族 に比 べれば非力 だが、人間 よりは力 も強 い。鋭 い犬歯 で皮膚 を突 き破 り、傷口 を舐 めるように吸血 を行 う。ただし、生 きていくだけなら吸血 は必要 なく、普段 はフルーツで栄養 を賄 う食 性 で、繁殖 の時 、怪我 や病気 を治 す時 など、短時間 に大量 の栄養 を摂取 したい場合 のみ吸血 衝動 が高 まる。その点 では吸血 するコウモリより蚊 に似 ている。好 みの血 には個体 差 がある。直接 牙 を立 てて血 を飲 むのは、感染 症 の危険 を排除 するために進化 した結果 だとされる。唾液 には血液 凝固 を阻害 する成分 と、麻薬 のように獲物 となる生物 の精神 を蕩 し快楽 を与 える成分 を含 んでいる。血 を求 めるために五感 が鋭 くなるのか、吸血 欲求 が高 まると全身 が敏感 になる。頭頂 部 から上 に伸 びる猫 とウサギの中間 のような形状 の耳 は、耳 孔 内 には異物 が入 り込 むのを避 けるために多 めに産毛 が生 え、反射 した音 の位置 や角度 などを性格 に捉 えるために複雑 なヒダが形成 されている。感覚 的 には音 の反響 はほとんど視覚 のようなもので、複雑 な音 の跳 ね返 りで得 た情報 の集積 で、脳 内 に周囲 の構造 を自然 にイメージさせる。声帯 は強靭 な筋肉 で構成 され、1秒間 に数 百 回 の音波 を発 して、その反響 をき取 ることができるので、嵐 の大雨 の中 だろうと飛 ぶことができる。ただ、はためいている布 やスポンジ状 の物体 のように反響 のない物体 を感知 するのは難 しい。反響 定位 で補 ってはいても、飛行 はさほど得意 ではなく、一度 風 を捉 えそこなえば復帰 に時間 がかかり、繊細 な空中 動作 も苦手 。- ケルベロス
族 - どんな
生物 とも異質 な「三 頭 」という特徴 を持 つ希少 な魔 族 。一見 すると犬 の耳 と尻尾 を持 った獣人 族 だが、両 肩 からそれぞれ脳 と自我 がある犬 の首 が生 えている。肉体 の主導 権 は本体 である真 ん中 の頭部 にあるが、左右 の頭 を完全 に制御 できるわけではない。完全 肉食 性 で、両 肩 の食道 は本体 に繋 がっている。地獄 の番犬 と呼 ばれるほど凶暴 な種族 で、本体 の睡眠 中 も両 肩 の頭部 は本体 の安全 を守 っている。なお、両 肩 の脳 では長期 的 な記憶 の保存 はできない。 魔 族 領 においても特 に過酷 な地域 に住 む種族 。両 肩 の頭部 は特 に戦闘 のために発達 したものとされ、中央 の頭部 を守 り、至近 距離 で敵 に噛 みつき、食 らうための自衛 器官 であり、複数 の脳 は本体 の頭 が気付 かない外敵 を自律 的 に迎撃 するためのものだと言 われる。だが、平和 で外敵 のいない環境 では、精神 的 なストレスを外敵 からの攻撃 だと考 えてしまい、最 も近 い他者 である逆 側 の肩 の頭部 とケンカをしてしまう。普段 は二 足 歩行 だが、足 の構造 は獣 と同 じなので高速 移動 の際 には四足 歩行 する。ただ、四足 では腰 に相応 の負担 がかかる。体毛 は硬 く、すぐ絡 まったり、毛 玉 ができたり、埃 が付 いてしまうので、親 しいもの同士 でコミュニケーションとしてブラッシングを行 う。- セベク
古 くから川 に棲 むとされる、ワニの特徴 を持 つ魔 族 。肘 から手首 までの太 さが一定 で手首 の関節 がなく、手 は硬 そうな鱗 で覆 われ、背 びれ部分 にとげのある太 い尻尾 を伸 ばしている。- 150
年 ほどの寿命 を持 つ長寿 種族 で、かつ脱皮 もするため、見 た目 通 りの年齢 ではない場合 がある。 - オシラサマ
蝶 型 魔 族 から分 かれ、人間 によって家畜 化 されたカイコの魔 族 。歴史 に残 らないほど昔 から人間 領 で人間 と一緒 に暮 らしていた部族 であり、東国 ではカイコの神 とも農業 の神 ともいわれて信仰 され、場所 によっては桑 の木 に着物 を着 せて信仰 対象 としている。しかし、100年 前 の戦争 で人間 領 を追 われてしまい、魔 族 領 に移住 して一部 族 として定着 した。大 きな白 い蛾 の翼 、2対 の腕 、頭 の触角 といった昆虫 系 魔 族 の特徴 を持 つ。子供 のオシラサマは絹 になる上質 な生糸 を吐 くことができ、思春期 で大人 になる過程 で糸 を吐 けなくなるが、大人 には子供 を作 るという仕事 があるので、生涯 にわたって身 の回 りの世話 をなんでもしてもらっていたという。糸 を吐 く力 に特 化 しているので、遺伝 的 に体 が弱 く病気 がちで、極端 に筋肉 量 が足 りず自力 で起立 できないほど足 が弱 い者 もいる。家畜 化 するうえで、栄養 を貯 えると同時 に異性 にとって魅力 的 になるように、筋肉 より脂肪 がつきやすい形質 や、意識 せずとも庇護 欲 をそそる形質 を獲得 している。
その他 生物
- バロメッツ
掌 に乗 るサイズの小 さなヒツジ型 の植物 。- ヒツジには
中心 にヒマワリの種 のような種子 があり、その周囲 を包 む羊毛 は風 に乗 って移動 するための綿毛 で、風 が弱 い時 に移動 を補助 し遠方 まで種子 を運 ぶために頭 と4本 の足 に見 える突起 物 が生 えている。植物 なので脳 や明確 な思考 は持 たないが、オジギソウのように外部 刺激 に反応 する生態 を持 ち、地面 に足 がつくと頭部 から小 さな音波 を足元 に射出 して跳 ねるという反射 的 な動作 を起 こし、良 い土 を見 つけると自分 から潜 っていく。また、数 十 匹 が寄 り集 まってイカダに変貌 し、水 の上 を渡 ることもできる。 - また、
外敵 に対抗 する機構 として、羊毛 に衝撃 を受 けると脳 に作用 して強制 的 に眠 らせてしまう粉 を発 する性質 があり、ちょっと触 れるだけでも周囲 にまき散 らされてしまう。本来 であれば短時間 で目 を覚 ますが、ヒツジ種子 が大量 発生 して街 中 に眠 りの粉 が蔓延 するような事態 になった場合 、覚 めることのない眠 りに陥 る『眠 り病 』が発生 する。睡眠 が必要 ないアンデッド族 以外 は眠 りに落 ちてしまうが、実際 は睡眠 というよりある種 の催眠 状態 に近 いようで、生命 維持 に必要 な行動 はあたかも夢遊病 者 の如 くこなすため死 ぬことはない。 本体 は背中 に茎 と葉 の生 えた巨大 なヒツジの姿 をしており、普段 は地中 に埋 まって白 い花 から周囲 に種子 を飛 ばす。頭部 の器官 からは指向 性 のある甲高 い音波 を発 し、その衝撃波 で周囲 を漂 う眠 りの粉 を相手 に飛 ばすことで自衛 する。遠回 りな進化 をしたためか個体 数 のかなり少 ない希少 樹林 であり、存在 はほとんど知 られていない。本来 はそれほど甚大 な被害 をもたらす生物 ではないが、オークラウ公爵 の指示 で『ラドン花街 』に植 えられた株 は、アルルーナの元 から盗 まれた栄養剤 を投与 されたことでゾウ並 みに巨大 化 、リンド・ヴルム全域 に種子 をばら撒 いて大量 の『眠 り病 』患者 を発生 させ、スィウに伐採 されるまで大 きな被害 を出 し続 けた。- デッドリッチ
蚊 - リンド・ヴルムの
墓場 街 に立 ち込 める「瘴気 」と呼 ばれるものの正体 。蚊 のような黒 い羽虫 で、一般 的 な蚊 よりかなり小型 、かつ動 きが素早 く、その割 にほとんど羽音 がしないので、自由 に飛 んでいる時 に存在 に気付 くのは難 しい。 全 くの新種 、もしくは墓場 街 の環境 に適応 した特殊 な種 と考 えられている。リンド・ヴルムが今 の形 になってからの僅 か10年 で適応 進化 を遂 げるとは考 えにくいので、どこかで細々 と暮 らしていた蚊 が、たまたま墓場 街 と相性 の良 い生態 をしていたために空 を群 れで覆 うほどに大 繁殖 したという説 が有力 。
用語 解説
地理
- リンド・ヴルム
旧 人間 領 で魔 族 と人間 が共存 できる街 。戦争 時 は人間 領 の最前線 基地 で、要塞 都市 として繁栄 した。物語 の主要 舞台 。都市 の名 は飛 竜 を意味 し、竜 の加護 を願 ってスカディが付 けた。もともと商業 ルートの途上 にあったため、商人 が立 ち寄 りやすい。- ヴィヴル
山脈 の山麓 に位置 するため、昼 は暖 かくとも、山 から冷 たい風 が流 れ込 むため夜 の気温 は驚 くほど下 がり、冬 には毎年 多 くの雪 が積 もる。一方 で、夏 はからりとして快適 と言 われ、よほど暑 さに弱 い種族 でもない限 り、水浴 びや打 ち水 をするだけで充分 に夏 を耐 えられる。「竜 の街 の名月 、黄金 の輝 きに劣 らず」と称 えられる月見 の名所 で、大陸 に名 だたる景勝 の1つと言 われている。 巨大 魔 族 の侵攻 に耐 えられるように、見上 げるように高 い防壁 が作 られている。壁 の内側 を中心 部 とするが、行政 区分 では外側 にあるアルルーナ農場 、ハーピーの里 、デッドリッチ墓場 街 もリンド・ヴルム市 に含 まれる。停戦 によって存在 意義 を失 いかけ、商人 や元 捕虜 が失業 する危機 にあったが、スカディが魔 族 を多 く移住 させ、商人 の生活 を守 りつつ、人口 を維持 、様々 な生態 の魔 族 たちのために都市 計画 を作 り上 げ、魔 族 にも暮 らしやすい街 を実現 した。人間 領 の都市 のように貴族 が統治 するわけではなく、施策 は議会 の可決 を得 てから実行 される。軍隊 を持 たないが、議会 直下 の警邏隊 が優秀 なので治安 は悪 くない。警邏隊 は実力 主義 であり、功績 を認 められれば新人 でもすぐに昇進 できる。隊員 にはミノタウロス族 やオーガ族 などが多 い。平 隊員 は白 い制服 を着 るが、武功 をあげると制服 を好 みの色 に染 めることを許 される。結婚 制度 は一夫一妻 制 であったが、一夫多妻 型 のハーレムを形成 するセルキーや獣人 系 魔 族 、一 妻 多 夫 型 の社会 を持 つ昆虫 系 魔 族 といった、重婚 の文化 を持 つ種族 からの要求 を受 けて6巻 にて条例 改正 が行 われ、その両方 が認 められることになった。教育 機関 が存在 しないので識字 率 にはバラつきがあり、文字 を読 めても書 けない者 が意外 と多 い。- リトバイト
診療 所 - グレンが
医院 長 を務 めるリンド・ヴルム唯一 の診療 所 。 中央 病院 では手 が回 らない小 さな怪我 や風邪 といった軽 い症状 を見 ることが主 な目的 となっている。だが、時 に都市 の運営 にも関 わる重大 な問題 の解決 に駆 り出 されることもある。- リンド・ヴルム
中央 病院 - クトゥリフが
医院 長 を務 める大 病院 。設備 が充実 し、難 しい手術 をもこなせる反面 、業務 は激務 となっている。 軍 病院 を戦後 に大 きく改装 した施設 で、市民 のための病院 として生 まれ変 わっている。大陸 においても魔 族 医療 に関 して比肩 する病院 は存在 せず、最新 設備 と、院長 の優秀 な弟子 たちによって難病 、奇病 を数多 く治 した実績 がある。- リンド・ヴルム
大 闘技 場 - かつて
人間 が捕虜 の処刑 に使 っていた闘技 場 。リンド・ヴルム北東 に位置 する。 現在 はスカディの活躍 もあり、一大 娯楽 施設 となり、人間 も観光 に訪 れている。人間 、魔 族 双方 から闘士 を募 り、試合 における細則 を規定 した。戦時 の傭兵 の多 くが、兵士 としての職 を失 った後 、闘技 場 の闘士 に転身 した。迫力 ある力 と技 のぶつかりあいが見 られると評判 で、上位 の闘士 が出場 する試合 はなかなか席 が取 れないことで有名 。模擬 とはいえ武器 は使用 可 で、審判 が判定 を下 すまで狭 いコロシアムの中 で手加減 なしの技 をぶつけ合 う。そのため死 ぬ危険 は少 ないものの、怪我 は日常 茶飯事 。闘技 場 専属 の医師 は人間 専門 なので、ひどい怪我 を負 った魔 族 は中央 病院 へ搬送 される。実力 によって闘士 は7つの階 位 に分 けられ、同 じ階 位 の闘士 と戦 うことになる。新人 は第 七 階 位 から始 め、最強 の闘士 である第 一 階 位 には大陸 中 の英雄 が名 を連 ねている。選手 層 は厚 く、一流 と呼 ばれるのは第 二 階 位 以上 で、第 三 階 位 までは中堅 扱 い。第 一 階 位 で連勝 するような強者 は殿堂 入 りとなり、闘士 を除籍 される代 わりに闘技 場 の碑 に名前 が刻 まれ、その栄誉 を永遠 に讃 えられる。第 一 階 位 は名誉 も賞金 も破格 だが、下位 の闘士 の賞金 はスズメの涙 ほど。来 る者 拒 まずだが、闘士 の資格 を手 に入 れるまで、何 段階 もの訓練 と試験 を受 ける必要 がある。春 と秋 の年 に2回 、昇 位 試験 が行 われる。半年 間 の戦績 によって見込 みのある闘士 を選別 し、4連勝 したものだけが昇格 できる。ただ、誰 が見 ても明 らかに強 い闘士 は特例 で昇格 することがある。中央 広場 - ルララの
職場 。最近 改装 されて大 きな噴水 ができた。 - リンド・ヴルム
議会 中央 広場 に建 つ、スカディが代表 を務 める議会 場 。リンド・ヴルムの中枢 で強力 な警邏 がいる。闘技 場 に匹敵 する規模 の巨大 な石造 りの建物 。ところどころに彫刻 などの装飾 はあるものの、基本 的 には実用 一辺倒 の施設 である。- リンド・ヴルムの
政策 は全 てここで決定 している。 正面 には街 の要事 を話 し合 う大会 議場 がある。裏手 にはスカディや苦 無 の居室 、外部 から来 た要人 を迎 える客室 などにつながっている。書類 の偽造 、不正 を防 ぐために、嗅覚 に優 れた狼 型 獣人 が多 く勤 めている。尖塔 議会 の隣 に建 つ、かつて人間 領 の教会 であった場所 。今 は時 を知 らせる鐘 の役割 のみが残 っている。- リンド・ヴルムを
一望 できる塔 で、イリィが配達 の途中 に休息 したりしている。 - メロウ
水路 街 - リンド・ヴルム
北西 地区 にある水中 都市 。水棲 魔 族 が暮 らす。リンド・ヴルムの観光 資源 の1つで、独特 の景観 や多 くの土産物 を目当 てに大陸 中 から数 多 くの人 が訪 れる。 陸棲 魔 族 や人間 の移動 は基本 的 にゴンドラ。水棲 魔 族 は水中 を移動 し、生活 している。- かつて
使 われていなかったスラム街 であったが、防水 加工 を施 し、大 規模 な土木 工事 で川 の流 れを一部 流入 させ水中 都市 を完成 させた。 最 新鋭 の下水 設備 や清 らかな上水 を有 し、これらを操作 するため、非常 に複雑 な水流 が流 れている。流 れ込 む水 は濾過 して上水 にし、下水 設備 を流 れる排水 は生活 圏内 とは全 く別 のルートを通 って街 の外 へ捨 てられる。船 でとても通 りづらい水上 の迷宮 と化 しているため、水棲 魔 族 の住 む街 区 では水夫 がマーマンやマーメイドに交代 して直接 曳 く。水路 へゴミを捨 てる行為 は原則 禁止 されている。- スカディの
尽力 で作 られた地域 で、多額 の予算 を計上 した。 土産物 として透明 感 と独特 の色合 いが特徴 の『メロウガラス』が特 に人気 。最近 ではメロウガラスのランプに火 を灯 してマーメイドたちがパフォーマンスを繰 り広 げるナイトショーが大盛 況 。街 を水 に沈 めた際 に水上 へ残 された家屋 の大 部分 は、沈 めた当時 のまま放置 され整備 が行 き届 ていなかった。その点 を元 傭兵 の違法 奴隷 商 に利用 されてしまったため、捕 らえた奴隷 商 を人足 として苦 無 の指揮 で改築 が行 われた。これにより新 たに橋 が架 けられるなど徒歩 での利便 性 が高 まり、すぐに水路 街 の中心 部 まで到達 できるようになって、船 では利用 が難 しかった料理 の屋台 も数 を増 やしている。- キュクロ
工房 - リンド・ヴルムの
南部 、職人 街 にある工房 。サイクロプス族 が多 く働 いている。 中央 病院 や診療 所 にも医療 器具 を納品 する、グレンたちの得意 先 。- かつては
鍛冶 専門 だったが、時代 を経 て様々 な職人 が集 まるようになり、今 では金属 のみならずガラス製品 や陶器 、果 ては木材 加工 やレンガなど、布 以外 の日 用品 全般 を扱 っている。水路 街 の機械 や天体 望遠鏡 のレンズ、医療 具 などの専門 的 な道具 も作 っており、リンド・ヴルムの生産 力 を支 えている。 工房 内 には様々 な機械 があり、親方 と呼 ばれる工場 長 の前 には1年 中火 が消 えない巨大 な炉 がある。そのため、工房 内 はかなりの高温 乾燥 状態 となっている。- ほとんどの
職人 はかつて武器 製造 に関 わっていたため、武器 と関係 のない仕事 を欲 していた。そのため人 を救 うための医療 具 の製造 を歓迎 しており、中央 病院 や診療 所 とは積極 的 に取引 している。 大 烏賊 の寝床 亭 (いかのねどこてい)- サーフェとアラーニャが
行 きつけの大 きな酒場 。リンド・ヴルム中央 広場 を水路 街 方面 に少 し進 んだところに軒 を構 える。 - クラーケンの
女将 が経営 する。オススメメニューはイカ墨 パスタ。最近 では女将 が大陸 中 の珍 しい酒 を集 めている。 - ラドン
花街 - リンド・ヴルムにおける
娼婦 の街 、いわゆる風俗 街 。街 の南側 にあり、娼館が立 ち並 んでいる。アルルーナが管轄 している。 女性 には見習 い娼婦 もいて、未成年 でも出入 りできるが、男性 に限 り未成年 は立 ち入 り禁止 。性 産業 では様々 なトラブルが予見 され、放置 しておけば犯罪 の温床 になりかねないため、配属 される警邏隊 も女性 のみ、娼館にいるのは全 て公娼 、議会 によって厳 しく営業 状 況 を審査 される。娼婦 になるしかなかった女性 たちを庇護 する役割 を持 つ特殊 な場所 で、悪 い男 と縁 を切 って娼婦 になった女性 もいる。- その
名 の由来 になった大 花壇 には、色 とりどりの花 が咲 き乱 れ、蝶 のごとく着飾 った娼婦 たちが客 を誘 う。街 を照 らすランタンには色紙 が巻 きつけられ、性的 興奮 を高 めるために、ピンクや紫 、薄 い青 の照明 を演出 する。娼婦 たちは娼館の窓 から姿 を覗 かせ、アピールに惹 かれた客 は、宿 の入 り口 にいる婆 様 と値段 交渉 する。異種 族 の娼婦 を買 えることから、大陸 中 の好事家 が集 まりたくさんの客 で賑 わっており、表立 っては宣伝 できないが、リンド・ヴルムの重要 な観光 資源 となっている。 - デッドリッチ
墓場 街 - アンデッドやゴーストたちが
住 まう地区 。リンド・ヴルムの北部 の丘陵 地帯 に川 を挟 んで位置 する、医者 の要 らぬ街 。通称 、墓場 街 、墓場 街 区 。郊外 に作 られた集団 墓地 で、ヴィヴル川 に渡 された石橋 を越 えた先 にある。 居住 区 の入 り口 には錆 び付 いた鉄 門 がある。また、墓場 街 周辺 は霊 体 が発 する瘴気 のせいで常 に薄曇 りである。呪 防 柵 が張 り巡 らされていて、死霊 系 魔 族 は自由 に出入 りする事 は出来 ない。- アンデッドの
住居 に困 ったスカディが苦 無 の意見 を聞 き廃墟 をもとに作 り上 げた街 。戦争 の影響 で人 の住 まなくなった小 さな村 が元 になっている。現代 ではリンド・ヴルムのものだが、遡 ればメルドラク家 の領地 。 魔 族 や人間 の墓場 は手前 にあり、居住 区 はさらにその奥 に位置 する。- アンデッドの
市民 のほとんどは、アンデッドが多 いと街 のためにならないと考 えており、実際 同族 同士 の方 が落 ち着 くという理由 もあって、自発 的 に墓場 街 で生活 している。 一応 は観光 地 で、肝 試 し目的 で訪 れる者 も一 定数 存在 する。本来 無秩序 な場所 で、ホテルの支配人 が住人 に秩序 を守 らせる管理 を兼任 する。先代 支配人 であったスケルトンの初代 モーリー・ヴァニタスがジョウブツした後 、ショゴスの2代目 モーリーがその役目 を受 け継 ぐ。代替 わり以降 は、「明 るく楽 しいお化 け屋敷 !」をコンセプトにさらなる観光 地 化 を進 めている。実 は瘴気 の正体 は「デッドリッチ蚊 」と名付 けられた特殊 な羽虫 であり、ケンタウロスにここを苦手 とする者 が多 い理由 も、尾 けられているような気配 や甲高 い音 として敏感 に知覚 してしまうからであった。- アルルーナ
農園 - アルルーナの
経営 する農園 。リンド・ヴルム南 の裾野 に位置 する。紋章 は大輪 のバラ。 作物 の得意 先 はケンタウロス族 。サーフェがティサリアから貰 った高級 ワインの原料 ブドウもここのもの。上質 な葡萄酒 やハチミツのような保存 のきく食品 は、人間 領 へも輸出 されている。植物 系 魔 族 や獣人 系 魔 族 が多 く働 く。とにかく人手 を必要 とするため、リンド・ヴルムの雇用 を支 えている側面 もあり、繁忙 期 のみ臨時 で農作業 に従事 する住民 も多 い。- 5
巻 のバロメッツ騒動 後 はヒツジ種子 が土地 の土 に潜 るようになり、『荒 絹 縫製 』にヒツジの毛 を売却 する専属 契約 を結 ぶ。 - ハーピーの
里 - ヴィヴル
山脈 中腹 にあるハーピーたちの里 。族長 が治 めている。リンド・ヴルムからはやや離 れた場所 だが、行政 区分 上 はリンド・ヴルム市 という扱 い。 - この
里 に住 むハーピーたちはリンド・ヴルムに買 い出 しに来 たり、逆 に里 でしか取 れないようなものを売 りに来 たりする。 木造 建築 が主流 で、飛 べる個体 は断崖絶壁 に家 を建 て、谷 底 にも飛 べない個体 や他 の種族 のための家 が作 られる。冬 は雪 に閉 ざされるため、動 ける者 が空 を飛 び、必要 なものを手 に入 れて里 に戻 るという相互 の助 け合 いで里 を維持 しており、住民 は飛 べない者 に対 しても優 しい。- 300
年 ほど前 にディオネの歩 みで家 が崩 れてしまったことがあり、現在 でも巨 神 に滅 ぼされかけたことがあるという伝承 が残 っていた。
- リトバイト
- ヴィヴル
山脈 魔 族 領 と人間 領 の境 辺 りにある峻険 な山脈 。冬 には山頂 に雪 が積 もり、氷 商 はここから氷 を調達 している。リンド・ヴルムの西方 に位置 する。伝説 では粗暴 なギガス族 を閉 じ込 めるため、神 々が重石 として乗 せたものだと言 われている。- ネメア
終戦 後 に獣 王 レオクレスが建造 した魔 族 領 の首都 。魔 族 領 の中心 に位置 している。魔 族 の意思 を統一 するための象徴 として、魔 族 が一 つであることの証明 として生 まれた。新 たな時代 の都市 としての機能 を持 ち、整備 された道路 、巨大 なマーケット、各種 族 の信仰 に合 わせた教会 、街 を周回 するケンタウロス車 と停車駅 、巨大 な大学 施設 「ネメア・アカデミー」といった先進 的 な施設 がいくつも作 られている。- ネメア・アカデミー
首都 ネメアにある巨大 な大学 施設 。のちの時代 に活躍 する人材 を多数 輩出 する教育 機関 で、医学部 、運動 部 、魔術 学部 、家政学部 など多数 の学部 に分 かれ、大陸 各地 から有能 な学者 が招聘 されて、最先端 の教育 がなされる。建前 としては全 ての種族 に分 け隔 てなく門戸 を開 いているが、あくまで魔 族 のための学校 であり、人間 の入学 者 はグレンが最初 であった。格安 の学生 食堂 があり、菜食 、肉食 、魚 食 、穀類 など様々 な食 性 に合 わせた食事 が提供 される。
- ヘィアン
人間 領 の首都 。ひときわ広 い平地 と、美味 い飲 み水 の流 れに恵 まれた島 をまるごと一 つ首都 として発展 させた。行政 の中心 で、人間 領 を支配 する帝 が住 む御所 、帝 を補佐 して行政 を行 う元老 院 が存在 し、元老 院 の職員 や警固 役 、そして貴族 を相手 にする商人 だけしかいない島 で、農地 や工場 はない。大 規模 な工事 によって、都 の通路 は整然 とした碁盤 目 状 となっている。リンド・ヴルムからは船 を乗 り継 いで2週間 ほどかかるが、空 を飛 べる魔 族 ならおよそ1日 で往復 できる。基本 的 に人間 しかおらず、そのほとんどが魔 族 嫌 い。家屋 は木造 建築 なので火 が回 りやすく、火付 けは殺人 を上回 る重罪 として扱 われる。- ソーエンの
隠 れ里 首都 ヘィアンから廻船 ですぐに行 ける距離 にある、魔 族 だけが暮 らしている島 。塩害 により作物 が育 たない元老 院 にとっての無用 の土地 であったため、公爵 から外様 の商人 であるソーエンに嫌 がらせで下賜 された。里 の人口 は50人 ほどで、鬼 、ラミア、アラクネ、ハーピー、マーメイドが数 名 ずつ暮 らしている。ソーエンとサキが東 の魔 族 を集 めて少 しずつ開墾 しており、まだ田畑 は少 ないが、豆 や穀物 以外 に少量 だが薬草 も作 っている。
組織
東方 商会 同盟 人間 領 東端 の商人 たちの同盟 。人間 領 全 ての通商 ルートすべてを掌握 している。- グレンの
父 はこの商会 同盟 の幹部 で、戦時 中 、頭打 ちであった経済 成長 の打開 策 として、魔 族 との通商 ルート開拓 を模索 し、ラミアのネイクス一族 と協定 を結 ぶ。 人間 領 へはラミアの薬品 、人魚 のガラス製品 、アラクネの織物 など貴重 で高 品質 な商品 を輸入 し、逆 に環境 が過酷 で農業 が発達 しなかった魔 族 領 には人間 が育 てた農作物 を輸出 している。- スキュテイアー
運送 戦後 、傭兵 という職 を失 ったケンタウロス族 の多 くが就職 した運送 業 のうち、もっとも代表 される会社 。紋章 は交差 した2本 の槍 。- ティサリアの
父 エクタフが起業 し代表 を務 めている。 - その
仕事 は多岐 に渡 り、宅配 便 からキャラバンまでこなす。小包 から人 まで、がモットーで、素早 い流通 と堅実 な仕事 ぶりから市民 の信頼 を集 めている。野 盗 や山賊 から荷物 を守 ってもらえるため、キャラバン隊 の長距離 輸送 も信頼 されている。 一族 経営 の色 が強 いが、車 の整備 をするサイクロプスの従業 員 もおり、最近 ではハーピーの里 と提携 し、速達 、伝令 に特 化 した手紙 と小包 専 門 の空輸 部門 を設立 する。荒 絹 縫製 - アラーニャがデザイナーを
務 める服飾 会社 。デザイナーは全 てアラクネ族 。大陸 中 に支店 を持 つ。 - サーフェのインナーや
服 はこの会社 のもの。 - バロメッツ
騒動 の時 はリンド・ヴルム支店 で職員 の多 くが『眠 り病 』に倒 れ、残 った者 に負担 がかかって『喪 糸 病 』を発症 する事態 に陥 ったこともあり、アラクネの糸 の代 用品 としてバロメッツ製 の糸 の研究 を行 うことになった。 黒 後家 党 盗 み、乱暴 を良 しとする仏 神 『阿 絡 尼 陀(アラクニダ)』を奉 じる新興 宗教 。実態 は治安 を乱 す賊 でしかなく、首都 の商家 も襲撃 にあっている。元々 はアラーニャの母親 に惚 れこんだ元 馬借 の男 が結成 した盗賊 団 の残党 。拠点 や集会 がなく、アラクネのフェロモンを利用 した塗料 と暗号 文 で情報 をやり取 りし、盗 む予定 の商家 へ直接 集合 して、警固 役 が対処 に困 っているうちに四方八方 へ逃 げていくので、尻尾 を掴 むことも難 しい。首魁 の束縛 を嫌 ったアラクニダは組織 を去 っているが、当時 を踏襲 した行動 を続 けていた。証拠 品 を犯行 声明 に使 い回 すずさんな手口 から、アラーニャに出 し抜 かれておびき出 され、アルルーナと娘 たちを中心 としたメンバーにより捕縛 される。
その他
戦争 - かつて
人間 と魔 族 の間 で繰 り広 げられた100年 に渡 る大 きな戦争 。互 いの領土 を不可侵 とすることで、10年 前 に終戦 。 戦争 開始 当初 は平原 を両者 の大 軍勢 が相対 する大 きな闘 いもあったが、戦争 が進 むにつれ人々 は疲弊 し、戦争 の規模 もだんだんと縮小 。終戦 間際 には小 さな小競 り合 い程度 になったという。諍 いの原因 は諸説 あるがどれも確証 がない。- スカディ
曰 く、グレンの父 が終戦 の要因 を作 ったとのこと。 魔術 、呪術 、幻術 - ドラゴンや
霊 体 魔 族 などが使 う技 。これらを専 門 に扱 う職業 や研究 機関 も存在 する。過程 が同一 でもいつ誰 が実行 するかによって結果 が変 わる不 確定 さを持 ち、客観 性 や再現 性 が低 いので科学 とは認 められない。 収穫 祭 毎年 の収穫 を祝 うため、墓場 街 で秋 に大々的 に行 っていた祭 。初代 モーリーが始 めたが、喧騒 を嫌 うメルドラク家 の通達 で数 年 前 から開催 を見送 ってきた。だが、2代目 モーリーが復活 を企画 し、グレンとプラムがメルドラク卿 の説得 を行 ったことで開催 が決定 した。本来 の起源 は冥界 から帰 ってくる祖 霊 を歓迎 するための行事 であり、墓場 街 で行 われるのも秋 に死 んだ魂 が現世 を懐 かしんで還 ってくるからという理由 がある。- メロウガラス
魔 族 領 の南 にある閉鎖 された島 で生産 されていた上質 なガラス製品 。その島 は海流 の複雑 さから人魚 をはじめとする水棲 魔 族 だけしか訪 れられなかったため、ガラス職人 は人魚 が曳 く船 でしか出入 りできず、絶対 に技術 流出 しない環境 で研鑽 が重 ねられた。時代 が下 り島 は既 に存在 しないが、製法 だけは人魚 たちに口伝 で伝 えられ、以降 も人魚 たちに認 められた職人 に伝授 されている。
制作 背景
既刊 一覧
小説
ダッシュエックス
折口 良 乃(著 )/Zトン(イラスト)『モンスター娘 のお医者 さん』、集英社 〈ダッシュエックス文庫 〉、全 11巻 - 1. 2016
年 6月 24日 発売 、ISBN 978-4-08-631120-5 - 2. 2016
年 12月22日 発売 、ISBN 978-4-08-631160-1 - 3. 2017
年 6月 23日 発売 、ISBN 978-4-08-631188-5 - 4. 2018
年 2月 23日 発売 、ISBN 978-4-08-631231-8 - 5. 2018
年 12月21日 発売 、ISBN 978-4-08-631284-4 - 6. 2019
年 7月 25日 発売 、ISBN 978-4-08-631321-6 - 7. 2019
年 11月22日 発売 、ISBN 978-4-08-631340-7 - 0. 2020
年 3月 25日 発売 、ISBN 978-4-08-631358-2 - 8. 2020
年 7月 22日 発売 、ISBN 978-4-08-631373-5 - 9. 2021
年 2月 25日 発売 、ISBN 978-4-08-631403-9 - 10. 2022
年 3月 25日 発売 、ISBN 978-4-08-631460-2
- 1. 2016
漫画
2017
2020
鉄 巻 とーます(作画 )/折口 良 乃(原作 )/Zトン(キャラクター原案 )『モンスター娘 のお医者 さん』、徳間書店 〈RYU COMICS〉、既刊 2巻 (2020年 3月 現在 )- 2019
年 1月 12日 発売 、ISBN 978-4-19-950666-6 - 2020
年 3月 13日 発売 、ISBN 978-4-19-950700-7
- 2019
木村 光博 (漫画 )/折口 良 乃(原作 )/Zトン・ソロピップB(キャラクター原案 )『モンスター娘 のお医者 さん0』、集英社 〈ヤングジャンプ・コミックス〉、既刊 2巻 (2021年 6月 18日 現在 )- 2021
年 2月 19日 発売 、ISBN 978-4-08-891811-2 - 2021
年 6月 18日 発売 、ISBN 978-4-08-892016-0
- 2021
テレビアニメ
2020
スタッフ
原作 -折口 良 乃[5]- イラスト・モン
娘 設定 監修 - Zトン[5] 監督 -岩崎 良明 [5]- シリーズ
構成 -白根 秀樹 [5] - キャラクターデザイン -
加藤 裕美 [5] 総 作画 監督 -加藤 裕美 、橋口 翔太 郎 、内田 利明 、渕 脇 泰 賀 (第 7話 以降 )美術 監督 ・美術 デザイン -桑原 悟 [5]- プロップデザイン -
岩永 悦 宜 [5] 色彩 設計 -勝田 綾 太 [5]撮影 監督 -國重 元宏 [5]編集 -木村 祥 明 [5]音楽 - TO-MAS[5]音楽 プロデューサー -臼倉 竜太郎 音楽 制作 - ランティス音響 監督 -明 田川 仁 [5]音響 制作 - マジックカプセル[5]- チーフプロデューサー -
宮 﨑薫、小岐須 泰 世 - プロデューサー -
谷 慎太郎 、西川 和良 - アニメーションプロデューサー - カルキ ラジーブ
- アニメーション
制作 - アルボアニメーション[5] 製作 - リンドヴルム医師 会 (バンダイナムコアーツ、博報堂 DYミュージック&ピクチャーズ)
主題歌
- 「カンパネラ
響 く空 で」[16] - ARCANA PROJECTによるオープニングテーマ。
作詞 は安藤 紗 々、作曲 ・編曲 は高田 暁 。 - 「やさしさの
名前 」[16] 鈴木 愛 奈によるエンディングテーマ。作詞 は森 由里子 、作曲 は戸田 一義 、編曲 はIKW。- 「Water flows down passages」
- Shayleeによる
第 2話 挿入歌 。作詞 は松井 洋平 、作曲 は伊藤 真澄 とミト、編曲 はうたたね歌 菜 。Shayleeは英語 補 作詞 も担当 する。
各 話 リスト
サブタイトル | ||||||
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| 2020 7 |
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| 7 |
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| 8 |
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| 8 |
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| 8 |
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| 8 |
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| 8 |
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| 9月6 |
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| 9月13 |
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リンド・ヴルム |
| 9 |
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| 9月27 |
放送 局
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2020 |
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TOKYO MX | | |
KBS | | |||
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サンテレビ | | ||
2020 |
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BS11 | | BS |
2020 |
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AT-X | | CS |
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2020 |
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dアニメストア |
2020 |
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2020 |
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ニコニコ |
BD / DVD
BD | |||
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1 | 2020 |
BCXA-1552 | |
2 | 2020 |
BCXA-1553 | |
2 | 2021 |
BCXA-1554 | |
DVD | |||
1 | 2020 |
BCBA-5008 | |
2 | 2020 |
BCBA-5009 | |
3 | 2020 |
BCBA-5010 | |
4 | 2021 |
BCBA-5011 | |
5 | 2021 |
BCBA-5012 | |
6 | 2021 |
BCBA-5013 |
Webラジオ
2020
出典
- ^ a b 『このライトノベルがすごい!2018』
宝島社 、2017年 12月9日 第 1刷 発行 、143頁 。ISBN 978-4-8002-7798-5。 - ^ a b c d e f g h i j k “
独占 インタビュー「ラノベの素 」折口 良 乃先生 『モンスター娘 のお医者 さん』”. ラノベニュースオンライン. (2020年 3月 25日 ) 2022年 6月 8日 閲覧 。 - ^ a b “モンスター
娘 のお医者 さん:テレビアニメの主人公 の声優 に土岐 隼 一 大西 沙織 がヒロインに”. まんたんウェブ. (2020年 2月 14日 ) 2020年 2月 14日 閲覧 。 - ^ “TVアニメ『モンスター
娘 のお医者 さん』主人公 を土岐 隼 一 さん、ヒロインを大西 沙織 さんが担当 ! AnimeJapan 2020にてイベント開催 決定 ”. ラノベニュースオンライン. (2020年 2月 14日 ) 2024年 6月 6日 閲覧 。 - ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r “アニメ「モンスター
娘 のお医者 さん」は7月 開始 、PV・追加 キャストなど一挙 発表 ”. コミックナタリー. (2020年 3月 22日 ) 2020年 3月 22日 閲覧 。 - ^ a b c d e f g h “CAST COMMENT 02”. TVアニメ「モンスター
娘 のお医者 さん」公式 サイト. 2020年 7月 5日 閲覧 。 - ^ 【
新刊 情報 】”モン娘 ”好 きを狙 い撃 ち! 『モンスター娘 のお医者 さん』店舗 特典 &有償 特典 《Zトン先生 描 きおろしB2タペストリー》情報 !! - ^ 【
新刊 情報 】12/22発売 !一部 マニア層 の間 では超 ヒット作 !広 がれモン娘 の絆 !『モンスター娘 のお医者 さん2』 Zトン先生 描 きおろしB2タペストリー付 特別 版 など、豪華 購入 特典 情報 !! - ^ 【ブログ
更新 !】6/23(金 )発売 !一定 層 のクラスタに絶大 な支持 を誇 る人気 シリーズ折口 良 乃×Zトン『モンスター娘 のお医者 さん3』特典 情報 !! Zトン先生 描 きおろしB2タペストリ(露出 多 め)絶賛 予 約 受付 中 〜! - ^
北米 版 公式 サイト - ^
折口 良 乃のツイート(866138407705104388) - ^ “『モンスター
娘 のお医者 さん』COMICリュウWEBにてコミカライズ決定 !!”. COMICリュウ. (2017年 8月 25日 ) 2020年 7月 26日 閲覧 。 - ^ “『モンスター
娘 のお医者 さん』連載 開始 日 決定 !!”. COMICリュウ. (2017年 8月 25日 ) 2020年 7月 26日 閲覧 。 - ^ “『モンスター
娘 のお医者 さん0』のコミカライズ連載 が開始 若 き日 のグレンとサーフェを描 くスピンオフが漫画 化 ”. まんたんウェブ. (2020年 7月 26日 ) 2020年 7月 26日 閲覧 。 - ^ a b “TV
放送 ”. TVアニメ「モンスター娘 のお医者 さん」公式 サイト. 2020年 6月 26日 閲覧 。 - ^ a b “MUSIC”. TVアニメ「モンスター
娘 のお医者 さん」公式 サイト. 2020年 5月 12日 閲覧 。 - ^ テレビ
放送 対象 地域 の出典 :政府 規制 等 と競争 政策 に関 する研究 会 (2009年 10月 9日 ). “放送 分野 の動向 及 び規制 ・制度 (資料 2)” (PDF).通信 ・放送 の融合 の進展 下 における放送 分野 の競争 政策 の在 り方 .公正 取引 委員 会 . p. 2. 2018年 10月 24日 閲覧 。- “
基幹 放送 普及 計画 ”.郵政省 告示 第 六 百 六 十 号 .総務 省 (1988年 10月 1日 ). 2022年 5月 11日 閲覧 。 - “
地 デジ放送 局 情報 ”.一般 社団 法人 デジタル放送 推進 協会 . 2022年 8月 5日 閲覧 。
- ^ “
配信 情報 ”. TVアニメ「モンスター娘 のお医者 さん」公式 サイト. 2020年 6月 26日 閲覧 。 - ^ “Blu-ray&DVD”. TVアニメ「モンスター
娘 のお医者 さん」公式 サイト. 2021年 1月 27日 閲覧 。 - ^ “モンスター
娘 のお医者 さんスペシャルラジオ グレンとサーフェ、ドキドキ診療 中 !”.音 泉 . タブリエ・コミュニケーションズ. 2020年 6月 26日 閲覧 。
外部 リンク
- モンスター
娘 のお医者 さんスペシャルサイト 北米 版 モンスター娘 のお医者 さん公式 サイト- TVアニメ「モンスター
娘 のお医者 さん」公式 サイト - TVアニメ『モンスター
娘 のお医者 さん』公式 (@mon_isha_anime) - X(旧 Twitter)