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道路特定財源制度 - Wikipedia

道路どうろ特定とくてい財源ざいげん制度せいど

道路どうろ特定とくてい財源ざいげん制度せいど(どうろとくていざいげんせいど)とは、自動車じどうしゃ利用りようしゃ道路どうろ維持いじ整備せいび負担ふたんする、受益じゅえきしゃ負担ふたん原則げんそくもとづく、かつて存在そんざいした日本にっぽん目的もくてきぜい特定とくてい財源ざいげん)。2009ねん平成へいせい21ねん)4がつ30にちに「道路どうろ整備せいび事業じぎょうかかくに財政ざいせいじょう特別とくべつ措置そちかんする法律ほうりつあん」が成立せいりつしたことにより、2008平成へいせい20)年度ねんどかぎりで廃止はいしされた(一般いっぱん財源ざいげんされた)。

なおかりやすくするため、記述きじゅつ一部いちぶとう省略しょうりゃく概略がいりゃく言換いいかえしている箇所かしょがある。

概要がいよう

編集へんしゅう

道路どうろ特定とくてい財源ざいげん制度せいどは、受益じゅえきしゃ負担ふたん利益りえきけるもの費用ひよう負担ふたんする)のかんがかたもとづき、道路どうろ利用りようしゃ、つまり自動車じどうしゃ所有しょゆうしゃやその燃料ねんりょう使用しようしたひとが、道路どうろ建設けんせつ維持いじ費用ひよう負担ふたんする制度せいどである。財源ざいげんにはガソリンぜい自動車じどうしゃ重量じゅうりょうぜいてられた。戦後せんご日本にっぽん道路どうろ整備せいび方針ほうしんとして、建設省けんせつしょうによっててられた「道路どうろ整備せいび5箇年かねん計画けいかく」とわせ、1953ねん昭和しょうわ28ねん)に「道路どうろ整備せいび財源ざいげんとうかんする臨時りんじ措置そちほう」が成立せいりつされて以来いらい時代じだい要請ようせいによって2009ねん平成へいせい21ねん)に、道路どうろ特定とくてい財源ざいげん制度せいど廃止はいしされるまでのはん世紀せいき以上いじょうにわたり、道路どうろ整備せいび財源ざいげん根幹こんかんになった[1]。なかでもガソリンぜいは、戦後せんご日本にっぽん高度こうど経済けいざい成長せいちょう自動車じどうしゃ爆発ばくはつてき普及ふきゅうしたことによって、道路どうろ整備せいび実施じっし安定あんていてきささえた[1]幹線かんせん道路どうろ中央ちゅうおう分離ぶんりたいひとしに「この道路どうろはガソリンぜいでつくられています」といった巨大きょだい看板かんばんがある。

道路どうろ特定とくてい財源ざいげん仕組しくみの大元おおもとは、しょ外国がいこく制度せいど参考さんこう田中たなか角栄かくえいらの議員ぎいん立法りっぽうつくられた[2]戦後せんご復興ふっこうすす高度こうど経済けいざい成長せいちょうあしがかりをつかもうとしていた1950年代ねんだいワトキンス・レポート1956ねん昭和しょうわ31ねん〉)の"日本にっぽん道路どうろしんじがたいほどわる"[3]象徴しょうちょうされる、貧困ひんこん状況じょうきょうにあった道路どうろ迅速じんそく整備せいびする必要ひつようせいがあり、財源ざいげん確保かくほ問題もんだいとなった。1953ねん昭和しょうわ28ねん)に衆議院しゅうぎいん議員ぎいん田中たなか角栄かくえいらの議員ぎいん立法りっぽうにより、「道路どうろ整備せいび財源ざいげんとうかんする臨時りんじ措置そちほう」がつくられ、「揮発きはつぜい」が道路どうろ特定とくてい財源ざいげんとなった[2]どうほうは、1958ねん昭和しょうわ33ねん)に「道路どうろ整備せいび緊急きんきゅう措置そちほう」に継承けいしょうされ、さらに「道路どうろ整備せいび緊急きんきゅう措置そちほう」は2003ねん平成へいせい15ねん)に「道路どうろ整備せいび財源ざいげんとう特例とくれいかんする法律ほうりつ」に改題かいだいされた。

その1970ねん昭和しょうわ45ねん)からはじまるだい6道路どうろ整備せいびヵ年かねん計画けいかくに、やく3,000おくえん財源ざいげん不足ふそく予想よそうされたため、自民党じみんとう幹事かんじちょう当時とうじ)の田中たなか角栄かくえいが「自動車じどうしゃ新税しんぜい構想こうそうげ、自動車じどうしゃ重量じゅうりょうぜい創設そうせつした。自動車じどうしゃ重量じゅうりょうぜいぜいことなり、法律ほうりつじょう特定とくてい財源ざいげんであることを明示めいじしていないが、制定せいてい国会こっかい審議しんぎにおいて運用うんようじょう特定とくてい財源ざいげんとすることとされた。

はじめのころは、財源ざいげん確保かくほするために税率ぜいりつげていくことが課題かだいとなり、1974年度ねんど昭和しょうわ49年度ねんど)に暫定ざんてい税率ぜいりつとして税率ぜいりつやく2ばいげることが実施じっしされた[4]時代じだい経過けいかとともに、高速こうそく道路どうろ国道こくどう中心ちゅうしんとした道路どうろ整備せいび地方ちほうまである程度ていどわたり、道路どうろ特定とくてい財源ざいげん使途しと範囲はんい道路どうろ関連かんれんうす分野ぶんやまでひろがっていったことから、くに財政ざいせいきびしくなってきたこともあわせて、これを一般いっぱん財源ざいげんえることが出来できれば、国家こっか予算よさんのもっと必要ひつようとされている分野ぶんや使途しとひろげられるという主張しゅちょうが、野党やとう民主党みんしゅとう国会こっかい議員ぎいんからはじめた[4]

暫定ざんてい税率ぜいりつ撤廃てっぱいは、自動車じどうしゃ業界ぎょうかい石油せきゆ業界ぎょうかいから議論ぎろんであり、道路どうろ財源ざいげんとして余裕よゆうがあるのならば、道路どうろ特定とくてい財源ざいげん暫定ざんてい税率ぜいりつ撤廃てっぱいすることが先決せんけつとする主張しゅちょうから、ガソリン国会こっかい暫定ざんてい税率ぜいりつ期限切きげんぎれで、一時いちじ混乱こんらん事態じたいこった[4]結局けっきょく暫定ざんてい税率ぜいりつそのものを撤廃てっぱいすれば税収ぜいしゅう半減はんげんするため、税率ぜいりつ現行げんこう維持いじして一般いっぱん財源ざいげんすることで議論ぎろん決着けっちゃくした[4]

2009ねん平成へいせい21ねん)4がつ与党よとう自由民主党じゆうみんしゅとうによって「道路どうろ整備せいび事業じぎょうかかくに財政ざいせいじょう特別とくべつ措置そちかんする法律ほうりつ」の改正かいせいあん国会こっかい可決かけつされ、56ねんにわたる道路どうろ特定とくてい財源ざいげん制度せいど終止符しゅうしふたれた[4]

年表ねんぴょう

編集へんしゅう
  • 1949ねん昭和しょうわ24ねん) - 揮発きはつぜい創設そうせつまさしくは復活ふっかつ)。
  • 1953ねん昭和しょうわ28ねん) - 「道路どうろ整備せいび財源ざいげんとうかんする臨時りんじ措置そちほう制定せいてい[2]
  • 1954ねん昭和しょうわ29ねん) - 揮発きはつぜい道路どうろ特定とくてい財源ざいげんとなる。だいいち道路どうろ整備せいび箇年かねん計画けいかく開始かいし
  • 1958ねん昭和しょうわ33ねん) - 「道路どうろ整備せいび緊急きんきゅう措置そちほう」(道路どうろ整備せいび財源ざいげんとうかんする臨時りんじ措置そちほう廃止はいし)。だい2道路どうろ整備せいびヵ年かねん計画けいかく道路どうろ整備せいび特別とくべつ会計かいけい創設そうせつ
  • 1966ねん昭和しょうわ41ねん) - 石油せきゆガスぜい創設そうせつ
  • 1968ねん昭和しょうわ43ねん) - 自動車じどうしゃ取得しゅとくぜい創設そうせつ
  • 1971ねん昭和しょうわ46ねん) - 自動車じどうしゃ重量じゅうりょうぜい創設そうせつ
  • 1993ねん平成へいせい5ねん) - 揮発きはつぜい軽油けいゆ引取ひきとぜい税率ぜいりつおよ地方ちほう道路どうろぜい税率ぜいりつげ(結果けっかとしてガソリンぜいとしては増減ぞうげんなし)。
    • だい11道路どうろ整備せいびヵ年かねん計画けいかく(1993年度ねんど - )の財源ざいげん不足ふそく見込みこまれるとともに、ガソリンしゃからディーゼル自動車じどうしゃへの移行いこう当時とうじ技術ぎじゅつ水準すいじゅんにおいては環境かんきょううえこのましくなかったため。
  • 1997ねん平成へいせい9ねん)12月25にち - 国鉄こくてつ清算せいさん事業じぎょうだん債務さいむ処理しょり道路どうろ特定とくてい財源ざいげん活用かつよう見送みおくり(閣議かくぎ決定けってい
  • 2003平成へいせい15)年度ねんど - 「道路どうろ整備せいび財源ざいげんとう特例とくれいかんする法律ほうりつ」(道路どうろ整備せいび緊急きんきゅう措置そちほう改題かいだい)。使途しと拡大かくだいはじまる。本州ほんしゅう四国しこく連絡れんらくきょう公団こうだんほんよん公団こうだん)の有利子ゆうりし債務さいむはなし、道路どうろ整備せいび特別とくべつ会計かいけいではなく一般いっぱん会計かいけい処理しょりする方針ほうしん自動車じどうしゃ重量じゅうりょうぜい充当じゅうとう)。道路どうろ特定とくてい財源ざいげん制度せいど平成へいせい15年度ねんどから5年間ねんかん規定きてい
  • 2005ねん平成へいせい17ねん)12月 - 政府せいふ道路どうろ特定とくてい財源ざいげん見直みなおしにかんする基本きほん方針ほうしん
    • 一般いっぱん財源ざいげん前提ぜんていに、2006平成へいせい18)年度ねんど改革かいかく議論ぎろんにおいて具体ぐたいあんることとしている。
  • 2006ねん平成へいせい18ねん) - 骨太ほねぶと方針ほうしん2006にて「道路どうろ特定とくてい財源ざいげんについて一般いっぱん財源ざいげん前提ぜんてい早急そうきゅう検討けんとうすすめる」と閣議かくぎ決定けってい[5]
  • 2006ねん平成へいせい18ねん - 本州ほんしゅう四国しこく連絡れんらくきょう公団こうだん債務さいむ処理しょり終了しゅうりょう
  • 2008ねん平成へいせい20ねん)5がつ13にち - 「道路どうろ整備せいび財源ざいげんとう特例とくれいかんする法律ほうりつ一部いちぶ改正かいせいする法律ほうりつ(平成へいせい20ねん法律ほうりつだい31ごう)」が衆議院しゅうぎいんにてさい可決かけつされ成立せいりつ[6]即日そくじつ公布こうふ。「道路どうろ整備せいび事業じぎょうかかくに財政ざいせいじょう特別とくべつ措置そちかんする法律ほうりつ」に改題かいだいされるとともに、道路どうろ特定とくてい財源ざいげん制度せいど平成へいせい20年度ねんどから10年間ねんかん延長えんちょうされる。
  • 2009ねん平成へいせい21ねん)4がつ30にち - 4がつ22にち成立せいりつした「道路どうろ整備せいび事業じぎょうかかくに財政ざいせいじょう特別とくべつ措置そちかんする法律ほうりつとう一部いちぶ改正かいせいする法律ほうりつ平成へいせい21ねん法律ほうりつだい28ごう)」の公布こうふにより、道路どうろ特定とくてい財源ざいげん制度せいど廃止はいし(2009ねん4がつ1にち施行しこう[7][8]

種類しゅるい税率ぜいりつ

編集へんしゅう

自動車じどうしゃ取得しゅとく保有ほゆう利用りよう走行そうこう)のかく段階だんかい課税かぜいされる。

種類しゅるい 税率ぜいりつ 備考びこう
国税こくぜい ガソリンぜい 揮発きはつぜい 48.6えん/リットル 当分とうぶんあいだ税率ぜいりつ本則ほんそく税率ぜいりつは24.3えん/リットル
地方ちほう道路どうろぜい 5.2えん/リットル 当分とうぶんあいだ税率ぜいりつ本則ほんそく税率ぜいりつは4.4えん揮発きはつぜいと併課
石油せきゆガスぜい 17.5えん/kg
自動車じどうしゃ重量じゅうりょうぜい 自家用車じかようしゃ場合ばあい年間ねんかん6300えん/0.5t 当分とうぶんあいだ税率ぜいりつ本則ほんそく税率ぜいりつは2500えん
地方ちほうぜい 軽油けいゆ引取ひきとぜい 32.1えん/リットル 当分とうぶんあいだ税率ぜいりつ本則ほんそく税率ぜいりつは15.0えん
自動車じどうしゃ取得しゅとくぜい 自家用車じかようしゃ場合ばあい取得しゅとく価格かかくの5% 当分とうぶんあいだ税率ぜいりつ本則ほんそく税率ぜいりつどう3%

など。

石油せきゆガスぜい自動車じどうしゃ重量じゅうりょうぜいのうち一定いってい部分ぶぶん地方ちほう譲与じょうよされることになっている。なお、自動車じどうしゃ重量じゅうりょうぜい厳密げんみつには道路どうろ特定とくてい財源ざいげんではない(#歴史れきしふし参照さんしょう)。なお、自動車じどうしゃ保有ほゆうたいして地方自治体ちほうじちたいからせられる「自動車じどうしゃぜい」や「軽自動車けいじどうしゃぜい」も一般いっぱん財源ざいげんであり、道路どうろ特定とくてい財源ざいげんではない。 当分とうぶんあいだ税率ぜいりつはかつて暫定ざんてい税率ぜいりつばれていたもので、暫定ざんてい税率ぜいりつことなり期間きかんさだめはない。

税収ぜいしゅう使途しと

編集へんしゅう

くに地方ちほう分合わけあわせて5ちょうえん以上いじょう税収ぜいしゅうがあり、その内訳うちわけ下記かきとおり。そう道路どうろ投資とうしのうち国費こくひぶんは3ちょう4076おくえんであり、その概要がいよう以下いかとおり。

2007年度ねんど当初とうしょ予算よさんあん地方ちほう財政ざいせい計画けいかくあんベース
種類しゅるい 国税こくぜい 地方ちほうぜい
揮発きはつぜい 2ちょう8395おくえん
地方ちほう道路どうろぜい (くにから譲与じょうよ)3072おくえん
石油せきゆガスぜい 132おくえん (くにから譲与じょうよ)140おくえん
自動車じどうしゃ重量じゅうりょうぜい 5549おくえん (くにから譲与じょうよ)3599おくえん
軽油けいゆ引取ひきとぜい - 1ちょう0360おくえん
自動車じどうしゃ取得しゅとくぜい - 4855おくえん
小計しょうけい 3ちょう4076おくえん 2ちょう2026おくえん
けい 5ちょう6102おくえん
ちなみに自動車じどうしゃぜいは1ちょう7477おくえん軽自動車けいじどうしゃぜいは1636おくえんである
2007年度ねんど 道路どうろ特定とくてい財源ざいげん 国税こくぜい予算よさん
種類しゅるい 金額きんがく
道路どうろ整備せいびとう 2ちょう0814おくえん
地方ちほう道路どうろ整備せいび臨時りんじ交付こうふきん 7099おくえん
使途しと拡大かくだいぶん 2878おくえん
2006年度ねんど補正ほせい 1480おくえん
一般いっぱん財源ざいげん 1806おくえん
けい 3ちょう4076おくえん

国費こくひぶんについても、2009(平成へいせい21)年度ねんどからすべてが道路どうろ特定とくてい財源ざいげんではなく、一般いっぱん財源ざいげんとして使つかわれている。

だい部分ぶぶん道路どうろ建設けんせつ整備せいびてられるものの使途しと多岐たきわたり、かならずしも自動車じどうしゃ関連かんれんのみに支出ししゅつされているわけではない。最近さいきん[いつ?]では日本にっぽん地下鉄ちかてつ[9]モノレール路面ろめん電車でんしゃインフラ整備せいびや、連続れんぞく立体りったい交差こうさ事業じぎょう[9]ひらかずの踏切ふみきり解消かいしょう)、幹線かんせん道路どうろ沿いのひかりファイバーあみ整備せいび電線でんせん地下ちかめる共同きょうどうみぞ工事こうじ[9]、まちづくり総合そうごう支援しえん事業じぎょう街路がいろじゅ維持いじ管理かんり[9]DPF(ディーゼル微粒子びりゅうし除去じょきょ装置そうちとう購入こうにゅう助成じょせい[9]高速こうそく道路どうろETCレーン設置せっち、ETC車載しゃさいリース制度せいど購入こうにゅう助成じょせい[9]地下ちか駐車ちゅうしゃじょう建設けんせつ[9]地下街ちかがい建設けんせつ[9] などにも使途しと次第しだい拡大かくだいされている。

道路どうろ自動車じどうしゃ一見いっけん関係かんけいうすいものもみられるが、道路どうろ混雑こんざつ緩和かんわ安全あんぜんせい向上こうじょうにより、自動車じどうしゃユーザーの利便りべんせい向上こうじょう期待きたいできるからとされている。また、本州ほんしゅう四国しこく連絡れんらくきょう公団こうだん債務さいむ処理しょりにも、自動車じどうしゃ重量じゅうりょうぜいから2003(平成へいせい15)年度ねんど以降いこう多額たがく充当じゅうとうされている。かつては国鉄こくてつ債務さいむ処理しょり充当じゅうとうするあんもあったが、これは見送みおくられている。

こうした支出ししゅつさき拡大かくだいたいする批判ひはん抵抗ていこうつよい。たとえば、2008ねん平成へいせい20ねん)2がつ14にち衆議院しゅうぎいん予算よさん委員いいんかいにおいて、ちょうつまあきら衆議院しゅうぎいん議員ぎいんは、地下鉄ちかてつ工事こうじたいする支出ししゅつしん事実じじつとして「ふゆしば国交こっこう大臣だいじんにおたずねいたしますけれども、まず、国道こくどう事務所じむしょアロマセラピー道路どうろ特定とくてい財源ざいげん購入こうにゅうしていた、こういうものでございますけれども、これはいかがでございますか。詳細しょうさい評価ひょうかをおねがいします。」と質問しつもんし、「これは氷山ひょうざん一角いっかく」としたうえで「そしてもうひとつは、わたしおどろいたんですけれども、地下鉄ちかてつ道路どうろ特定とくてい財源ざいげん投入とうにゅうをされているということでございます。東京とうきょうメトロふく都心としんせんでございますけれども、ここによんひゃくななじゅうおくえんが、道路どうろ特別とくべつ会計かいけい特定とくてい財源ざいげん投入とうにゅうをされるということでございます。」とつづけ、政府せいふ追及ついきゅうした[10]。また、一部いちぶ団体だんたい道路どうろ以外いがいへの投資とうし批判ひはんし、「道路どうろためあつめた税金ぜいきんを、べつなものに使つかうのであれば、暫定ざんてい税率ぜいりつ廃止はいしすべき」と主張しゅちょうしている[11]

ぜいとしての特性とくせい

編集へんしゅう

国土こくど交通省こうつうしょうによれば、道路どうろ特定とくてい財源ざいげん制度せいどは、合理ごうりせい公平こうへいせい安定あんていせいすぐれた制度せいどであると表明ひょうめいしている。自動車じどうしゃ使用しようりょう=道路どうろ走行そうこうりょう見合みあった燃料ねんりょうたいする課税かぜい道路どうろ損耗そんこう見合みあった重量じゅうりょうたいする課税かぜいなど、負担ふたん受益じゅえきとが比較的ひかくてきわかりやすい。

また、軽自動車けいじどうしゃとく地方ちほうけんにおいてはもはや必需ひつじゅひんともいえ、燃料ねんりょう景気けいきにあまり関係かんけいなく消費しょうひされるので、税収ぜいしゅうとしても安定あんていしている。さらに自動車じどうしゃ取得しゅとくぜい購入こうにゅうさい販売はんばいてんを、自動車じどうしゃ重量じゅうりょうぜい購入こうにゅうおよ車検しゃけんさい販売はんばいてん車検しゃけん業者ぎょうしゃつうじて納付のうふするようになっており自動車じどうしゃぜいなどとともに徴収ちょうしゅうもしやすい。

一方いっぽう走行そうこうりょうおよび重量じゅうりょうは、消費しょうひしゃ収入しゅうにゅうとは無関係むかんけいであり、消費しょうひぜい同様どうように、てい所得しょとくしゃによりおおきな負担ふたんがかかり、フラットタックスであり、平等びょうどうという指摘してきがある[だれによって?]

評価ひょうか

編集へんしゅう

ほん制度せいどにより、こくどうわれた道路どうろインフラストラクチャー整備せいびすすみ、ひいては日本にっぽん経済けいざい社会しゃかい発展はってんささえたと評価ひょうかされている[2]

その一方いっぽう鉄道てつどう存在そんざい関係かんけいなく道路どうろ整備せいびすすみ、だい1オイルショックまでパークアンドライドかんがえもすすんでいなかったため、地方ちほう単線たんせん区間くかん中心ちゅうしんに、整備せいびされた道路どうろ並行へいこうしたり迂回うかい経路けいろとなった鉄道てつどうは、まずフリークエンシーてんバスてなくなり、1960年代ねんだい後半こうはんにかけてモータリゼーション進行しんこう大衆たいしゅうしゃ普及ふきゅうすすむと、陸上りくじょう交通こうつう頂点ちょうてんからすべちて、地方ちほう私鉄してつ路線ろせん大量たいりょうはいせんつながり、1968ねん昭和しょうわ43ねん)の日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどうたいする赤字あかじ83せん答申とうしんにもつながった。また首都しゅとけんでは、高額こうがく用地ようち取得しゅとく建設けんせつ費用ひようのため高速こうそく道路どうろ整備せいびおくれた。

さらに、道路どうろ整備せいび地方ちほう隅々すみずみまですすんだ結果けっか、その必要ひつようせいへの疑問ぎもん重税じゅうぜいかんうったえる主張しゅちょう固定こてい現状げんじょうにそぐわなくなっているので、抜本ばっぽんてき改革かいかく必要ひつようとの主張しゅちょうられるようになった[だれによって?]小泉こいずみ内閣ないかくしたでも聖域せいいきなき構造こうぞう改革かいかく対象たいしょうとして見直みなおされることとなったが、見直みなおしが完遂かんすいされることなく小泉こいずみ政権せいけん終了しゅうりょうし、2009ねん平成へいせい21ねん)に一般いっぱん財源ざいげん総合そうごう財源ざいげん)された。また、ガソリンの本体ほんたい価格かかく以外いがいに、ガソリンぜいそのものにもさら消費しょうひぜい課税かぜいされているという『じゅう課税かぜい問題もんだい』については、税金ぜいきんの2批判ひはんがある。

暫定ざんてい税率ぜいりつおよ一般いっぱん財源ざいげん総合そうごう財源ざいげん)にかんする議論ぎろんについて

編集へんしゅう

道路どうろ特定とくてい財源ざいげんについては「暫定ざんてい税率ぜいりつ廃止はいし是非ぜひ」・「本則ほんそく税率ぜいりつ一般いっぱん財源ざいげん総合そうごう財源ざいげん)の是非ぜひ」というふたつのおおきな論点ろんてんがある。以下いか暫定ざんてい税率ぜいりつ廃止はいし是非ぜひ中心ちゅうしんあつかう。

石油せきゆガスぜいのぞほとんどの税目ぜいもくにおいて、本則ほんそく税率ぜいりつ本来ほんらい税率ぜいりつ)のおよそ2ばい暫定ざんてい税率ぜいりつ適用てきようされている。これは、19731977ねん道路どうろ整備せいびカ年かねん計画けいかく財源ざいげん不足ふそく対応たいおうするために、1974ねんから2年間ねんかんの「暫定ざんてい措置そち」として実施じっしされた、揮発きはつぜい地方ちほう道路どうろぜい自動車じどうしゃ取得しゅとくぜい自動車じどうしゃ重量じゅうりょうぜい税率ぜいりつげ(軽油けいゆ引取ひきとぜい1976ねんから)が30ねん以上いじょう延長えんちょうかさねているものである。以降いこう道路どうろ整備せいびヵ年かねん計画けいかく延長えんちょうされるたびに、若干じゃっかん見直みなおしをおこないつつも、暫定ざんてい税率ぜいりつ租税そぜい特別とくべつ措置そちほう期間きかん延長えんちょう改正かいせいにより継続けいぞくされてきたところである。

ガソリンスタンドで給油きゅうゆするさい支払しはら代金だいきん100えんのうち、53.8えんはガソリンぜいでありその内訳うちわけは、25.1えんぶん暫定ざんてい税率ぜいりつによるかさぶんのこりのやく28.7えんぶん本則ほんそく税率ぜいりつぶんということになる。

2008ねん3がつまつの「暫定ざんてい税率ぜいりつ」の期限きげんせまるにつれて、なんらかのかたち利用りようしゃ還元かんげんすべきとの議論ぎろんいきおいをした。一方いっぽう国土こくど交通省こうつうしょうからは「必要ひつよう道路どうろ」をつくるという2007ねん合意ごうい根拠こんきょに、65ちょうえんという特定とくてい財源ざいげん全部ぜんぶ使つか規模きぼ道路どうろ整備せいび計画けいかくあん提出ていしゅつされた。

財務省ざいむしょうサイドとうからは、消費しょうひぜい増税ぞうぜい将来しょうらいけられないなか場当ばあたりてき小出こだしに一般いっぱん財源ざいげんするのではなく、財政ざいせい再建さいけんにこそ充当じゅうとうすべきとの議論ぎろんもあった。暫定ざんてい税率ぜいりつ維持いじというてんかぎっては両省りょうしょうかんがえにちがいはみられなかった。

また、地方ちほうからは特定とくてい財源ざいげん制度せいど堅持けんじすべきとの意見いけんつよく、また与党よとう地方ちほう完敗かんぱいしただい21かい参議院さんぎいん議員ぎいん通常つうじょう選挙せんきょ結果けっかけ、「改革かいかく」の影響えいきょう地方ちほうへの配慮はいりょ必要ひつようではないかとの空気くうきおおいにつよまった。

こうした攻防こうぼうなか結果けっかとして一般いっぱん財源ざいげんたいして与党よとう地方ちほうからの慎重しんちょうろんいきおいをし、2007ねん12月8にち日本国にっぽんこく政府せいふ与党よとう合意ごういをみた。一般いっぱん財源ざいげんこころみようとした昨年さくねん情勢じょうせい一転いってんし、福田ふくだ康夫やすお首相しゅしょうはこの問題もんだいについてはとく指導しどうりょく発揮はっきしなかったと批判ひはんするきもある[だれによって?]一方いっぽう地方ちほう配慮はいりょしめしたと評価ひょうかする[だれによって?]もあり、評価ひょうかかれる。

与党よとう自由民主党じゆうみんしゅとう公明党こうめいとうあん骨子こっし以下いかのとおり。

  • 揮発きはつぜいとう(ガソリンぜいとうにかかる暫定ざんてい税率ぜいりつは2008年度ねんど以降いこうも10年間ねんかん維持いじする。
  • 道路どうろ特定とくてい財源ざいげんのうち、2008年度ねんどは1800おくえん一般いっぱん財源ざいげん総合そうごう財源ざいげん)し、道路どうろ関連かんれん事業じぎょう使つかう。
  • 事業じぎょう規模きぼ最大さいだい59ちょうえんとするこう10年間ねんかん道路どうろ整備せいび中期ちゅうき計画けいかく策定さくていする。
    • 実際じっさい事業じぎょう規模きぼとうは、毎年まいとし財務省ざいむしょう査定さてい財務ざいむ官僚かんりょう適切てきせつきびしく査定さていする。
  • 地方ちほうへの補助ほじょりつをかさげし、利子りし融資ゆうし制度せいど創設そうせつする(5年間ねんかんで5000おくえん規模きぼ)。
  • 10年間ねんかん措置そちとして、道路どうろ特定とくてい財源ざいげん高速こうそく道路どうろ料金りょうきんとう充当じゅうとうする(10年間ねんかんで2ちょう5000おくえん)。

野党やとう民主党みんしゅとうは、揮発きはつぜい(ガソリンぜいとう暫定ざんてい税率ぜいりつ廃止はいしし、本則ほんそく税率ぜいりつぶん完全かんぜん一般いっぱん財源ざいげん総合そうごう財源ざいげん)すべきとの方針ほうしんをまとめた。おりからの原油げんゆ価格かかく高騰こうとうにより、ガソリン価格かかく高騰こうとうしており国民こくみん生活せいかつ多大ただい影響えいきょうあたえていることから、暫定ざんてい税率ぜいりつ廃止はいししてガソリンを値下ねさげすることを目標もくひょうかかげたものである。ただし暫定ざんてい税率ぜいりつ廃止はいしされると、くに地方ちほう分合わけあわせてやく2ちょう7000おくえん税収ぜいしゅうげんとなる見込みこみであった。

暫定ざんてい税率ぜいりつ廃止はいしによる影響えいきょう試算しさん)(2007年度ねんど当初とうしょベース)
税目ぜいもくめい 暫定ざんてい税率ぜいりつ廃止はいしまえ 暫定ざんてい税率ぜいりつ廃止はいし 影響えいきょうがくおくえん
揮発きはつぜい 28,395 14,198 △14,197
石油せきゆガスぜい 132 132
自動車じどうしゃ重量じゅうりょうぜい 5,549 2,202 △3,347
一般いっぱん財源ざいげん総合そうごう財源ざいげん 203 203
貸付かしつけきん償還しょうかんとう 814 814
国分こくぶ小計しょうけい 35,093 17,549 △17,544
地方ちほう道路どうろ譲与じょうよぜい 3,072 2,599 △473
石油せきゆガス譲与じょうよぜい 140 140
自動車じどうしゃ重量じゅうりょう譲与じょうよぜい 3,599 1,428 △2,171
軽油けいゆ引取ひきとぜい 10,360 4,841 △5,519
自動車じどうしゃ取得しゅとくぜい 4,855 2,913 △1,942
一般いっぱん財源ざいげん総合そうごう財源ざいげん 17,463 17,463
地方ちほうぶん 小計しょうけい 39,489 29,384 △10,105
くに+地方ちほう合計ごうけい 74,582 46,933 △27,649
参考さんこう道路どうろ予算よさん使途しと(2007年度ねんど当初とうしょベース)
事業じぎょうめい 事業じぎょう概要がいよう 金額きんがくおくえん
道路どうろ建設けんせつ交通こうつう円滑えんかつ事業じぎょう 環状かんじょう道路どうろバイパス道路どうろ建設けんせつとう 3,739
道路どうろ建設けんせつ地域ちいき連携れんけい推進すいしん事業じぎょう 地域ちいきだか規格きかく道路どうろ一般いっぱんどう建設けんせつとう 8,856
維持いじ修繕しゅうぜんとう 日常にちじょう管理かんり耐震たいしん補強ほきょう工事こうじとう 1,920
環境かんきょう整備せいび事業じぎょう 交通こうつう安全あんぜん関係かんけい設備せつび工事こうじとう 5,339
使途しと拡大かくだいぶん 道路どうろ関係かんけい使用しよう 2,878
地方ちほう道路どうろ整備せいび緊急きんきゅう交付こうふきん 7,099
一般いっぱん財源ざいげん総合そうごう財源ざいげん 1,806
その 3,456
国分こくぶ小計しょうけい 35,093
直轄ちょっかつ事業じぎょう地方ちほう負担ふたんきん 国道こくどう関係かんけい地方ちほう負担ふたんきん 5,999
補助ほじょきん地方ちほう負担ふたんぶん 道路どうろ新規しんき建設けんせつ補助ほじょきん地方ちほう負担ふたん 4,448
地方ちほう道路どうろ交付こうふきん地方ちほう負担ふたんほか 5,702
その 740
地方ちほう単独たんどく事業じぎょう 22,600
地方ちほうぶん 小計しょうけい 39,489
くに+地方ちほう合計ごうけい 74,582

暫定ざんてい税率ぜいりつ維持いじがわ主張しゅちょう

編集へんしゅう

与党よとう暫定ざんてい税率ぜいりつ廃止はいしすると税収ぜいしゅうげんにより、交通こうつう設備せつびなど国民こくみん生活せいかつ不可欠ふかけつ道路どうろ工事こうじまで不可能ふかのうになり、混乱こんらんしょうじると批判ひはんしている。

地方自治体ちほうじちたい財源ざいげん問題もんだいから、普段ふだん意見いけん対立たいりつすることのおお都市とし地方ちほう自治体じちたい関係かんけいしゃ一致いっちして暫定ざんてい税率ぜいりつ維持いじもとめている。全国ぜんこく市町村しちょうそんちょうじつに99%以上いじょう維持いじもとめる態度たいどしめしており、地方ちほうろく団体だんたいもそろって暫定ざんてい税率ぜいりつ維持いじして新規しんき道路どうろ建設けんせつ今後こんごとも益々ますます促進そくしんするようもとめ、昼夜ちゅうやなくだい規模きぼ陳情ちんじょうだん組織そしきして国土こくど交通省こうつうしょう道路どうろきょくとうけるなど、危機ききかんをあらわにしている。

地方ちほうでは公共こうきょう事業じぎょう景気けいき動向どうこう左右さゆうするところもおおく、暫定ざんてい税率ぜいりつ廃止はいしにより税収ぜいしゅうげんとあわせて道路どうろ建設けんせつ工事こうじ減少げんしょうすることによる雇用こよう減少げんしょうも、さらなる地方ちほう疲弊ひへい促進そくしんするとの主張しゅちょうがなされている[だれによって?]。とくに近年きんねん[いつ?]公共こうきょう事業じぎょう激減げきげん影響えいきょうけてきた地方ちほう建設けんせつ業界ぎょうかい経営けいえい体力たいりょく余剰よじょうがない状況じょうきょうであり、暫定ざんてい税率ぜいりつ廃止はいしによる公共こうきょう工事こうじ急減きゅうげん連鎖れんさ倒産とうさん発生はっせいさせかねないとして、つよ危機ききかんっているところがおお[だれによって?]

また高速こうそく道路どうろ整備せいびけんもあり、全国ぜんこく隅々すみずみまで高速こうそく道路どうろとう幹線かんせん道路どうろもうをしっかりと建設けんせつ国土こくど均衡きんこうある発展はってん目指めざすことこそが、格差かくさ解消かいしょうにつながるのだという主張しゅちょうがなされている[だれによって?]。とくに県庁けんちょう所在地しょざいちなか唯一ゆいいつ高速こうそく道路どうろとおっていない鳥取とっとりけん[注釈ちゅうしゃく 1]全通ぜんつうする見込みこみのないひがし九州きゅうしゅう自動車じどうしゃどう沿線えんせんかく地域ちいき福岡ふくおかけん北九州きたきゅうしゅう - 大分おおいたけん - 宮崎みやざきけん - 鹿児島かごしまけん加治木かじきまち)の危機ききかんつよ[注釈ちゅうしゃく 2]高速こうそく道路どうろという社会しゃかいインフラがないと企業きぎょう誘致ゆうちや、地域ちいき医療いりょうめんほか地域ちいきくらおおきなハンディを背負せおうこととなり、ますます中央ちゅうおうとの格差かくさ拡大かくだいすると主張しゅちょうしている。

また、現行げんこう課税かぜい炭素たんそおうじた課税かぜいではなく税制ぜいせい中立ちゅうりつでもないが、ある意味いみ化石かせき燃料ねんりょうへの課税かぜい行為こうい自体じたいは「炭素たんそぜい」の課税かぜい効果こうかおなじような役割やくわりたしている。ぜいげることで需要じゅようやしてしまい、温暖おんだん防止ぼうしへのみに逆行ぎゃっこうすることになるとの主張しゅちょうは、しん古典こてん経済けいざいがく炭素たんそぜい経済けいざい理論りろんもとづくものである。特定とくてい財源ざいげん一般いっぱん財源ざいげん総合そうごう財源ざいげん)した場合ばあいはCO2排出はいしゅつたいしては影響えいきょういが、廃止はいしした場合ばあいにはCO2排出はいしゅつりょうえてしまう[よう出典しゅってん]

維持いじがわ意見いけん
  • 地方自治体ちほうじちたい指揮しき監督かんとくする立場たちばである総務そうむしょうは、わりの財源ざいげん措置そちなきまま暫定ざんてい税率ぜいりつ廃止はいしされた場合ばあい、すでに計画けいかくされている地方自治体ちほうじちたい来年度らいねんど予算よさん財源ざいげん不足ふそくおちいり、公務員こうむいんボーナス大幅おおはばカットしたり赤字あかじ地方ちほうさいひとし発行はっこうしたりしないと、予算よさん執行しっこう停止ていしまれかねない、とつよ懸念けねんしめしている。
  • 全国ぜんこく知事ちじかいとう地方自治体ちほうじちたい関係かんけい団体だんたいは、毎年まいとし徴収ちょうしゅうする道路どうろ特定とくてい財源ざいげんを、過去かこ道路どうろ建設けんせつ借金しゃっきん返済へんさい新規しんき道路どうろ建設けんせつよう借金しゃっきん頭金あたまきんとして使つかっているので、暫定ざんてい税率ぜいりつ廃止はいしされると、まず頭金あたまきん捻出ねんしゅつできないため新規しんき道路どうろ建設けんせつよう借金しゃっきんができなくなるうえ過去かこ借金しゃっきん返済へんさいすることすらままならなくなる、と主張しゅちょうしている。
  • 宮崎みやざきけん暫定ざんてい税率ぜいりつ廃止はいしされた場合ばあいけん市町村しちょうそん合計ごうけい財源ざいげん年間ねんかんやく210おくえん減少げんしょうし、ひがし九州きゅうしゅう自動車じどうしゃどう整備せいび見通みとおしがまったたなくなる、とした[12][13]
  • 延岡のべおかちょう宮崎みやざきけん)は、ひがし九州きゅうしゅう自動車じどうしゃどう九州きゅうしゅう横断おうだん自動車じどうしゃどう延岡のべおかせんなどのインフラ整備せいびがなされなければ企業きぎょう誘致ゆうちができない、と市内しない視察しさつおとずれた民主党みんしゅとう議員ぎいんの「ガソリン値下ねさたい」にたいして主張しゅちょうした。また鉄道てつどう(JR日豊本線にっぽうほんせん)でおとずれた値下ねさたいたいして「くるまれば説明せつめい不要ふようだった」と皮肉ひにくられた[14]民主党みんしゅとう代表だいひょう代行だいこうかん直人なおと視察しさつ延岡のべおかおとずれたさいには、大分おおいたから自動車じどうしゃ移動いどうしたことにより、皮肉ひにく対処たいしょしている[15]
  • 鹿児島かごしまけん暫定ざんてい税率ぜいりつ廃止はいしされた場合ばあい道路どうろ関連かんれん予算よさん年間ねんかんやく195おくえん減少げんしょうし、新規しんき道路どうろ整備せいび(バイパス道路どうろ道路どうろ拡幅かくふく)がまったくできなくなる見通みとおしだとした[16]

暫定ざんてい税率ぜいりつ廃止はいしがわ主張しゅちょう

編集へんしゅう

野党やとう民主党みんしゅとう暫定ざんてい税率ぜいりつ廃止はいしすることを主張しゅちょうしている。

まず、物価ぶっか値上ねあがりにくるしむ国民こくみんのために、暫定ざんてい税率ぜいりつ廃止はいししてガソリン価格かかくなどを値下ねさげする。そのうえで、のこった本則ほんそく税率ぜいりつぶんについて一般いっぱん財源ざいげん総合そうごう財源ざいげん)し、かく地方自治体ちほうじちたい裁量さいりょう使つかえる自主じしゅ財源ざいげんにする。このことによって、これまでのような中央ちゅうおう集権しゅうけんてき補助ほじょきん行政ぎょうせい一切いっさいとりやめ、かく地方自治体ちほうじちたい地域ちいき住民じゅうみん意見いけんきながら、道路どうろ建設けんせつだけでなく福祉ふくし医療いりょう教育きょういくひとしにも予算よさん使つかえるようになる。そういう意味いみではこれまでの官僚かんりょう主導しゅどう中央ちゅうおう集権しゅうけんから国民こくみん地域ちいき主権しゅけん地方ちほう分権ぶんけんへのきわめておおきな意味いみ政策せいさくだとしている。

暫定ざんてい税率ぜいりつ廃止はいしによる地方自治体ちほうじちたい税収ぜいしゅうげんたいしては、地方自治体ちほうじちたいささえはらわされている「国道こくどうひとしくに直轄ちょっかつ事業じぎょう負担ふたんきんやく6,000おくえん)」や、道路どうろ新規しんき建設けんせつ補助ほじょきん自体じたい廃止はいしすることによる「補助ほじょきん地方ちほう負担ふたんやく4,500おくえん)」の廃止はいしで、ほぼ減収げんしゅうぶんやく1ちょうえん)の穴埋あなうめができるとしている。くに税収ぜいしゅうげんへの対応たいおうについては、カラオケセットの購入こうにゅう道路どうろ官僚かんりょう職場しょくば旅行りょこうとう代表だいひょうされる無駄むだ経費けいひこうコスト体質たいしつ打破だはすることとうにより全体ぜんたい必要ひつようがく抑制よくせいしたうえで、道路どうろ必要ひつようせい精査せいさして整備せいび順序じゅんじょけをすることとうにより、大幅おおはば道路どうろ建設けんせつコストをおさえられるとしている[17]

廃止はいしがわ意見いけん
  • 生活せいかつ必需ひつじゅひん続々ぞくぞく値上ねあげされているなか、ガソリンの値下ねさげは都市とし庶民しょみん家計かけいたすけることになり、またトラックなどの運送うんそうコストが値下ねさがりし食品しょくひんなどの生活せいかつ必需ひつじゅひん小売こうり価格かかく値上ねあげをおさえることにもつながる[よう出典しゅってん]
  • 一部いちぶ経済けいざい団体だんたい自動車じどうしゃユーザー関係かんけい団体だんたいなかには、道路どうろ特定とくてい財源ざいげん一般いっぱん財源ざいげん総合そうごう財源ざいげん)する余裕よゆうがあるのならば、暫定ざんてい税率ぜいりつ廃止はいしするなどの見直みなおしをおこなうべき、との見解けんかい表明ひょうめいしているところがあり[11]過去かこ一般いっぱん財源ざいげん反対はんたいして、暫定ざんてい税率ぜいりつ撤廃てっぱいもとめる1,000まんにん以上いじょう国民こくみん署名しょめいがあった[11]
  • 道路どうろ特定とくてい財源ざいげん国交こっこうしょう道路どうろきょく官僚かんりょうのレクリエーション費用ひようやミュージカル開催かいさい費用ひよう・タクシーチケットとう流用りゅうようしていたこととう次々つぎつぎ発覚はっかくするなど、そのようななか暫定ざんてい税率ぜいりつ維持いじすることには納税のうぜいしゃである国民こくみん理解りかいられない[よう出典しゅってん]
    • とく道路どうろ整備せいび啓発けいはつミュージカルは、2003〜2006年度ねんど全国ぜんこく106カ所かしょ上演じょうえんされ、総額そうがくやく5おく7000まんえんという道路どうろ特定とくてい財源ざいげんがつぎまれていただけでなく、予算よさんじょう道路どうろ調査ちょうさ改修かいしゅう工事こうじ雑費ざっぴという名目めいもく使つかわれており、「ミュージカルに道路どうろ特定とくてい財源ざいげん使つかった」ということは隠蔽いんぺいされていた[18]
  • 暫定ざんてい税率ぜいりつ維持いじによる恩恵おんけいけるかたちになる建設けんせつ業界ぎょうかい道路どうろ業界ぎょうかいから与野党よやとう国会こっかい議員ぎいん多額たがく政治せいじ献金けんきんがなされており、結果けっかとして国民こくみん税金ぜいきん国会こっかい議員ぎいんながれており、癒着ゆちゃくつながっていると批判ひはんするきもある[だれによって?]
  • 国家こっか財政ざいせい悪化あっかしており、福祉ふくし教育きょういくなどの予算よさんけずられているのに何故なぜ道路どうろ予算よさんだけに10年間ねんかんで59ちょうえんもつぎむのか疑問ぎもんがある。一般いっぱん財源ざいげん総合そうごう財源ざいげん)して使途しと自由じゆうすべきだとの主張しゅちょうがある[だれによって?]
  • 暫定ざんてい税率ぜいりつ使用しようかんする予算よさんにおいて、ぜん10年間ねんかんおこなわれた工事こうじやく6 - 9ばいもの工事こうじ予定よていまれており、使つかること自体じたい不可能ふかのう指摘してきされている[だれによって?]
  • 国交こっこうしょう道路どうろ計画けいかくの「59ちょうえん」という数字すうじ積算せきさん根拠こんきょあきらかにされていない。通常つうじょうなら「この道路どうろに○年間ねんかんおくえん、こちらのはしには□年間ねんかん×おくえん」という計画けいかくひとひとげた合計ごうけい数字すうじが「59ちょうえん」になるはずなのだが、そのような根拠こんきょ一切いっさいしめされておらず、予算よさん確保かくほありきとの指摘してきがされた[よう出典しゅってん]
  • 民主党みんしゅとう代表だいひょう代行だいこうかん直人なおと延岡のべおか市長しちょう対談たいだんで「金額きんがく道路どうろ整備せいび必要ひつようせい国土こくど交通省こうつうしょう判断はんだんまかせている現行げんこう制度せいどえて、地方ちほうがわ独自どくじ判断はんだんできるために一般いっぱん財源ざいげんする必要ひつようがあるとしており、ひがし九州きゅうしゅう自動車じどうしゃどう必要ひつようせいとはべつ問題もんだい」とあいまいである[15]

2008ねん3がつまでの国会こっかい審議しんぎ経緯けいい

編集へんしゅう

政府せいふあんは2がつ末日まつじつ衆議院しゅうぎいん通過つうかしたが、野党やとうがわ衆議院しゅうぎいん強行きょうこう採決さいけつおこなわれたときびしく与党よとうがわ批判ひはんし、「徹底てってい審議しんぎもとめるこえ無視むしして衆議院しゅうぎいん強行きょうこう採決さいけつするような与党よとう態度たいどは、徹底てってい審議しんぎめたさき議長ぎちょうあっせんを与党よとうがわから破棄はきするものであり、参議院さんぎいんでの年度内ねんどない採決さいけつおうじる必要ひつようはなくなった」などとして、益々ますます与党よとうがわへの攻勢こうせいつよめている。参議院さんぎいん予算よさん委員いいんかいでは、与党よとうがわ予算よさん委員いいんちょう職権しょっけん委員いいんかい強行きょうこう開催かいさいしようとするなど、強行きょうこう突破とっぱはかろうとするうごきもみられ、混乱こんらん拍車はくしゃをかける結果けっかとなっている。

なお租税そぜい特措法とくそほう改正かいせいあんには、一部いちぶ輸入ゆにゅうひん中小ちゅうしょう企業きぎょう関係かんけいについての減税げんぜい措置そち維持いじする暫定ざんてい税率ぜいりつ項目こうもくまれている。ガソリンぜい関係かんけい暫定ざんてい税率ぜいりつ項目こうもくとはぎゃくに、この暫定ざんてい税率ぜいりつ項目こうもく維持いじされないと、4がつ以降いこう一部いちぶ輸入ゆにゅうひん価格かかく値上ねあがりする可能かのうせいがある。これにたいし、野党やとうはガソリンぜい関係かんけい暫定ざんてい税率ぜいりつ撤廃てっぱいする一方いっぽう一部いちぶ輸入ゆにゅうひん中小ちゅうしょう企業きぎょう関係かんけい税率ぜいりつ軽減けいげんしている暫定ざんてい税率ぜいりつについては継続けいぞくすることをおも内容ないようとする対案たいあん参議院さんぎいん提出ていしゅつした。

年度ねんどまつ目前もくぜんひかえた2008ねん3がつ28にち衆参しゅうさん両院りょういん議長ぎちょう立会たちあいのした税法ぜいほう年度ねんどすえ処理しょりについて協議きょうぎおこなわれ、租税そぜい特別とくべつ措置そちのうち、年度ねんどまつ期限切きげんぎれとなった場合ばあい増税ぞうぜいとなる土地とち売買ばいばい登記とうき関係かんけいオフショア市場いちば関係かんけい非課税ひかぜい措置そちなどの7項目こうもくについて、2008ねん5がつ末日まつじつまで現行げんこう暫定ざんてい税率ぜいりつ維持いじすることとなった。

このことによって、道路どうろ特定とくてい財源ざいげん以外いがい暫定ざんてい税率ぜいりつおも減税げんぜい部分ぶぶんおおい)は4がつ以降いこう期限きげんまで継続けいぞくされることとなり、国民こくみん生活せいかつ混乱こんらん回避かいひされた。

税法ぜいほう年度ねんどまつ処理しょりについての各党かくとう合意ごうい以下いかのとおりである。

  1. 道路どうろ特定とくてい財源ざいげんかか国税こくぜい地方ちほうぜいのぞき、本年ほんねん3がつまつ期限切きげんぎれをむかえるかくぜいについては、5がつまつまで2007年度ねんど税法ぜいほう適用てきよう期限きげん延長えんちょうする(そのさいかくほうかか所要しょよう整理せいり規定きていもうける)。
  2. 上記じょうき1.については、衆議院しゅうぎいん財務ざいむ金融きんゆう委員いいんかい総務そうむ委員いいんかいにおいて、委員いいんちょう提案ていあんあつかいとして、ただちに審議しんぎ採決さいけつうえ参議院さんぎいん送付そうふし、参議院さんぎいんでも年度内ねんどない処理しょりをする。
  3. 上記じょうき1.については、衆議院しゅうぎいん議了ぎりょう参議院さんぎいん送付そうふかくほうとはことなる法案ほうあんであり、両院りょういん議長ぎちょうにおいて確認かくにんしていただいたとおり、憲法けんぽう59じょうだい2こう適用てきようはない。
  4. 関税かんぜい定率ていりつほうとうそのにち法案ほうあんについては、年度内ねんどない参議院さんぎいんにおいて採決さいけつする。

以上いじょう合意ごうい結果けっか道路どうろ特定とくてい財源ざいげん関係かんけい暫定ざんてい税率ぜいりつかんしては、2008ねん3がつ31にちをもって失効しっこうすることとなった。

2008ねん4がつ国会こっかい審議しんぎ状況じょうきょう

編集へんしゅう

2008ねん3がつ27にち民主党みんしゅとうは「小沢おざわ3原則げんそく」を発表はっぴょうした。

  1. 道路どうろ特定とくてい財源ざいげんを2008年度ねんどから完全かんぜん一般いっぱん財源ざいげん総合そうごう財源ざいげん
  2. 道路どうろ特定とくてい財源ざいげんかか暫定ざんてい税率ぜいりつ即時そくじ廃止はいし
  3. 官僚かんりょう天下あまくだりの廃止はいし

これと並行へいこうして同日どうじつ福田ふくだ首相しゅしょう道路どうろ関連かんれん法案ほうあん税制ぜいせいあつかいについて以下いかのとおりあらたな提案ていあんおこなった。

  1. 道路どうろ関連かんれん法案ほうあん税制ぜいせいあつかいについて、地方ちほう財政ざいせい国民こくみん生活せいかつ混乱こんらん回避かいひするため、2008年度ねんど歳入さいにゅう法案ほうあん年度内ねんどない成立せいりつ
  2. 道路どうろ関連かんれん公益こうえき法人ほうじん道路どうろ整備せいび特別とくべつ会計かいけい関連かんれん支出ししゅつ徹底的てっていてき無駄むだ排除はいじょ
  3. 道路どうろ特定とくてい財源ざいげん制度せいど今年ことし税制ぜいせい抜本ばっぽん改正かいせい廃止はいしし2009年度ねんどから一般いっぱん財源ざいげん総合そうごう財源ざいげん)。
  4. 暫定ざんてい税率ぜいりつぶんふくめた税率ぜいりつは、環境かんきょう問題もんだいへの国際こくさいてき取組とりくみ、地方ちほう道路どうろ整備せいび必要ひつようせいくに地方ちほうきびしい財政ざいせい状況じょうきょうまえて検討けんとう
  5. 道路どうろ中期ちゅうき計画けいかくは5ねんとしてあらたに策定さくてい
  6. あらたな整備せいび計画けいかくは、2008年度ねんど道路どうろ予算よさん執行しっこうにも厳格げんかく反映はんえい。2008年度ねんど予算よさんにおける一般いっぱん財源ざいげん総合そうごう財源ざいげん)としての活用かつようは、民主党みんしゅとうから現実げんじつてき提案ていあんがあれば協議きょうぎおうじる。
  7. 与野党よやとう協議きょうぎかい設置せっちし、一般いっぱん財源ざいげん総合そうごう財源ざいげん)としての使途しとのありかた道路どうろ整備せいび計画けいかくなどを協議きょうぎ決定けってい

記者きしゃの「かり野党やとうとの合意ごういられない場合ばあいでも、2009年度ねんどから一般いっぱん財源ざいげん総合そうごう財源ざいげん)をする、と国民こくみん約束やくそくしている、ということでいいか。」との質問しつもんたいし、福田ふくだ首相しゅしょうは「これがどういう状況じょうきょうにあろうと、わたしもうげたことはまもっていきたいとおもっています。」とこたえた(会見かいけん内容ないようは「政府せいふインターネットテレビ」で確認かくにんできる)。
このため、暫定ざんてい税率ぜいりつ問題もんだいにかかわらず、「道路どうろ特定とくてい財源ざいげん制度せいど廃止はいしおよび2009年度ねんどからの一般いっぱん財源ざいげん」が決定けっていしたとの見方みかたがあるが、道路どうろぞく議員ぎいん反対はんたいにより実現じつげんしない可能かのうせいもあり、福田ふくだ総理そうり大臣だいじんのリーダーシップがわれる情勢じょうせいとなっている。

4がつ中旬ちゅうじゅんより与野党よやとう協議きょうぎはじまっているが、とくに暫定ざんてい税率ぜいりつ問題もんだいをめぐって与野党よやとうあいだ主張しゅちょうにはへだたりがおおきく、合意ごういたっするのは絶望ぜつぼうてき情勢じょうせいとなっている。

地方自治体ちほうじちたいとう状況じょうきょう

編集へんしゅう

おおくの地方自治体ちほうじちたい今年度こんねんど道路どうろ予算よさん財源ざいげん不足ふそくとなり、道路どうろ予算よさん中心ちゅうしんとした2008年度ねんど予算よさん執行しっこう保留ほりゅうされている状況じょうきょうである。道路どうろ以外いがい一般いっぱん予算よさん一部いちぶ削減さくげんし、削減さくげんぶん道路どうろ維持いじ補修ほしゅう経費けいひなどにまわしている自治体じちたいおおい。

  • 地方ちほう6団体だんたいそろって暫定ざんてい税率ぜいりつ復活ふっかつもとめ、連日れんじつのように政府せいふ与党よとう陳情ちんじょうおこなっている。

ガソリン価格かかく動向どうこう

編集へんしゅう

2008ねん4がつ1にち午前ごぜん0をもって、ガソリンぜいとう値下ねさげされる(本則ほんそく税率ぜいりつ復帰ふっきする)こととなった。
以下いか値下ねさげの時期じきべつていくこととする。(△は値下ねさはばしめす。)

4がつ1にち午前ごぜん0よりただちに値下ねさげされたもの
たとえば取得しゅとく価格かかく200まんえん新車しんしゃ購入こうにゅうするときの自動車じどうしゃ取得しゅとくぜいは10まんえん(200まんえんの5 %)であったが、値下ねさは6まんえん(200まんえんの3 %)と4まんえん値下ねさげとなる。
4がつ上旬じょうじゅんに(ガソリンスタンドによっては4がつ1にちより)値下ねさげとなったもの
揮発きはつぜい地方ちほう道路どうろぜい製油せいゆしょ出荷しゅっか段階だんかい課税かぜいされる「蔵出くらだぜい」であるため(ガソリンは「揮発きはつ製造せいぞうじょうから移出いしゅつされ、または保税ほぜい地域ちいきからられる(租税そぜい特別とくべつ措置そちほうだい89じょうだい2こう)」課税かぜいされる。)、たとえばガソリンをんだタンクローリー製油せいゆしょとき課税かぜいされることとなっている。このため理論りろんじょうは、暫定ざんてい税率ぜいりつのかかったガソリンの在庫ざいこがスタンドからなくなるまでは、ガソリンの小売こうり価格かかく値下ねさげされない。ただし、のスタンドとの競争きょうそうじょう赤字あかじ覚悟かくご先行せんこう値下ねさげにるガソリンスタンドも相当そうとうすうあった[19]
  • 4がつ中旬ちゅうじゅん時点じてんで、レギュラーガソリンの全国ぜんこく平均へいきん価格かかくはおおむね125 - 135えん/リットルとなっている。
5月より値下ねさげされるもの(結局けっきょく値下ねさげにいたまえ暫定ざんてい税率ぜいりつが10年間ねんかん延長えんちょう
たとえば自動車じどうしゃ重量じゅうりょうが1,500 kgのくるまでは、自動車じどうしゃ重量じゅうりょうぜい現行げんこう年間ねんかん18,900えんだが、暫定ざんてい税率ぜいりつ失効しっこうすれば11,400えん値下ねさげとなり、値下ねさは7,500えんになるはずであった。
2008ねん5がつ以降いこう暫定ざんてい税率ぜいりつ復活ふっかつ
 
復活ふっかつまえひだり)と復活ふっかつみぎ
原油げんゆ価格かかく上昇じょうしょうぶんの6えん暫定ざんてい税率ぜいりつぶんの25えんわせて加算かさんされている。

暫定ざんてい税率ぜいりつ復活ふっかつのガソリン価格かかくはガソリンぜいが25.1えん/リットルさい増税ぞうぜいし、レギュラーガソリンがやく160えん/リットルとなる見込みこみである。 ほかに軽油けいゆ引取ひきとぜいも17.1えん/リットルさい増税ぞうぜいし、自動車じどうしゃ取得しゅとくぜいさい増税ぞうぜいする。

世論せろん調査ちょうさ状況じょうきょう

編集へんしゅう

かく大手おおてマスメディア世論せろん調査ちょうさではガソリンぜい関係かんけいについての質問しつもんがされており、「暫定ざんてい税率ぜいりつ廃止はいしすべき」とする回答かいとう全体ぜんたいやく70%をめ、「暫定ざんてい税率ぜいりつ維持いじすべき」・「回答かいとうとうとする回答かいとう一貫いっかんしておおきく上回うわまわっている状況じょうきょうであり[20]郵政ゆうせい民営みんえいどき国民こくみん熱狂ねっきょうおもさせる結果けっかとなっている。[独自どくじ研究けんきゅう?]

このような熱狂ねっきょうてき情勢じょうせいでは、野党やとうがわ断固だんことして暫定ざんてい税率ぜいりつ廃止はいしによるガソリンぜいとう値下ねさげの恒久こうきゅう実現じつげんさせようとする可能かのうせいたかい。[独自どくじ研究けんきゅう?]野党やとうがわは「国民こくみん期待きたいおおきいこの問題もんだいでは安易あんい妥協だきょうしない。うごかざることやまごとしだ」などとあくまで暫定ざんてい税率ぜいりつ廃止はいし本則ほんそく税率ぜいりつぶん一般いっぱん財源ざいげん総合そうごう財源ざいげん)を実現じつげんさせるかまえである。

  • 自公じこう連立れんりつ政権せいけん圧勝あっしょうした郵政ゆうせい選挙せんきょ最大さいだい争点そうてんたる郵政ゆうせい民営みんえいでさえ、民営みんえい賛成さんせいする国民こくみん割合わりあいやく55%であったことをかんがえると[21]やく70%が暫定ざんてい税率ぜいりつ廃止はいしもとめているという世論せろん調査ちょうさ結果けっか現状げんじょうは、まさしく熱狂ねっきょうてきといえよう。[独自どくじ研究けんきゅう?]
  • 野党やとうないには、ガソリンぜいとう値下ねさげによる効果こうかをより明確めいかく国民こくみんにPRすべきだとの意見いけんがあり、そう選挙せんきょどきみの体制たいせい新聞しんぶん広告こうこくテレビコマーシャルによる広報こうほう活動かつどうおこなうことが検討けんとうされている。
  • おなじく、野党やとうないには「これまでさまざまな問題もんだい野党やとう与党よとうがわられて妥協だきょうすることがおおかった。今回こんかいガソリンぜい問題もんだい安易あんい妥協だきょうしてしまいガソリン価格かかく値下ねさがりしないことにでもなれば、国民こくみん期待きたいおおきかったぶんつぎ衆議院しゅうぎいん解散かいさんそう選挙せんきょ野党やとう国民こくみんから公約こうやく違反いはんだなどときびしくめられるのは間違まちがいない」などとふるえあがっているものもいる。
  • おなじく、野党やとうないには「さき郵政ゆうせい選挙せんきょでは、官僚かんりょうのいかなる抵抗ていこうにあおうとも総理そうり大臣だいじん郵政ゆうせい民営みんえいという主張しゅちょう断固だんことしてえなかったつよ姿勢しせいこそが国民こくみんから熱狂ねっきょうてき支持しじ与党よとう圧勝あっしょうしたのだ。野党やとう政権せいけん交代こうたい目指めざすのならばそのような歴史れきしおおいにまなぼうではないか」などというこえひろがっている。

各種かくしゅ議論ぎろんについて

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一般いっぱん財源ざいげんをめぐる2006ねん11月 - 12月の攻防こうぼう

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道路どうろ特定とくてい財源ざいげん一般いっぱん財源ざいげん総合そうごう財源ざいげん)は安倍あべ政権せいけんにとって小泉こいずみ政権せいけんからいだ「宿題しゅくだい」のひとつとなっていたが、参議院さんぎいん選挙せんきょひかえ(道路どうろ整備せいび充足じゅうそくな)「地方ちほうへの配慮はいりょ」から自民党じみんとう一般いっぱん財源ざいげん難色なんしょくしめしていた。ほう改正かいせい必要ひつようのない自動車じどうしゃ重量じゅうりょうぜい一部いちぶ一般いっぱん財源ざいげん総合そうごう財源ざいげん)が妥協だきょうてんともられていた。これにたいし、2006ねん11月に塩崎しおざき恭久やすひさ官房かんぼう長官ちょうかんはいったんは「本丸ほんまる」ともいえる揮発きはつぜいふくめた一般いっぱん財源ざいげん総合そうごう財源ざいげん)を表明ひょうめいした。

結局けっきょく政府せいふ与党よとうは12月7にちに2008ねん通常つうじょう国会こっかい所要しょようほう改正かいせいおこな方針ほうしん合意ごういした。税収ぜいしゅう全額ぜんがく道路どうろ整備せいびてる現行げんこう仕組しくみを2008年度ねんど見直みなおし、道路どうろ整備せいび上回うわまわ税収ぜいしゅうぶん一般いっぱん財源ざいげん総合そうごう財源ざいげん)する方針ほうしん明記めいき。2008年度ねんど高速こうそく道路どうろ通行つうこう料金りょうきんげの原資げんしへの充当じゅうとう検討けんとう項目こうもくんだ。「必要ひつよう道路どうろはつくる」ことが確認かくにんされ、一般いっぱん財源ざいげん反対はんたいほこおさめた。2007ねん作成さくせいされる中期ちゅうき計画けいかくつぎ焦点しょうてんとなる。[22]

見直みなおしの必要ひつようせい論拠ろんきょ

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以下いか論拠ろんきょかかげるが、多様たよう立場たちばからの主張しゅちょう併記へいきしているので、すべてが首尾しゅび一貫いっかんしたものではないことに注意ちゅうい

流用りゅうよう」への批判ひはん
近年きんねん使途しと拡大かくだいしているが、そもそも道路どうろ整備せいびという「特定とくてい」の目的もくてきのために道路どうろ使用しようしゃからあずかっているおかねであり、利用りようしゃ利便りべんせい向上こうじょうする目的もくてき使つかわれないのであれば、一般いっぱん財源ざいげん総合そうごう財源ざいげん)や減税げんぜい廃止はいしなりすべきという主張しゅちょうである。
暫定ざんてい税率ぜいりつ」への批判ひはん
流用りゅうよう」するほど財源ざいげんあまっているのなら、まず本則ほんそく税率ぜいりつもどすのがすじとの主張しゅちょうもある。高度こうど成長せいちょう時代じだいにできた「暫定ざんてい」をいつまでもきずるのはこのましくないとのすじろんである。一方いっぽう暫定ざんていというかたちをとるのをやめ本則ほんそくげるべきとの意見いけんもある。
重税じゅうぜいかん
自動車じどうしゃ使用しようしゃからは、すで自動車じどうしゃ社会しゃかいてき費用ひよう以上いじょう負担ふたんをしており重税じゅうぜいであり、また自動車じどうしゃ取得しゅとくぜい消費しょうひぜいとのじゅう課税かぜい(タックス・オン・タックス)ではないかとの主張しゅちょうもある。しかし、現在げんざい道路どうろ整備せいびてられる予算よさん道路どうろ特定とくてい財源ざいげんによる税収ぜいしゅうおおきく上回うわまわっており、相応そうおう負担ふたんをしてはいないともいえる。
ガソリンぜい負担ふたんの「おもさ」については、一般いっぱん欧州おうしゅう諸国しょこくよりかるいが、米国べいこくよりはおもい。これは自動車じどうしゃたいする社会しゃかいてき姿勢しせいあらわれともいえる。
なお道路どうろ特定とくてい財源ざいげんではないが、財産ざいさんぜいてき性格せいかくつよ自動車じどうしゃぜい軽自動車けいじどうしゃぜいについても、すで多数たすう家庭かてい状況じょうきょうであれば負担ふたん軽減けいげん必要ひつようではないかとの主張しゅちょう自動車じどうしゃ関係かんけい団体だんたいとうからはある。
地方ちほうへの税源ぜいげん移譲いじょう拡大かくだいろんくに道路どうろ予算よさんらして地方自治体ちほうじちたいけるべきとの主張しゅちょう
国費こくひベースで道路どうろ特定とくてい財源ざいげん余剰よじょうしょうじている一方いっぽうで、地方自治体ちほうじちたい道路どうろ整備せいびではやく45%が一般いっぱん財源ざいげん都道府県とどうふけん市町村しちょうそん税金ぜいきんくにからの地方ちほう交付こうふぜい)から支出ししゅつされている。すなわち、自動車じどうしゃ直接ちょくせつ利用りようしない一般いっぱん市民しみんであっても道路どうろ整備せいび自動車じどうしゃユーザーの利便りべんせい向上こうじょうのためにおおくのぜい負担ふたんしていることを意味いみする。
これはくに道路どうろ建設けんせつおおくのムダな道路どうろみだしている一方いっぽう一般いっぱん市民しみん密接みっせつ生活せいかつ道路どうろ改善かいぜんおくれをみだしている(野田のだ国義くによし議員ぎいんなどが指摘してきしている)。
なお、道路どうろ特定とくてい財源ざいげんが「あまってはいない」というのは現在げんざい状況じょうきょうであり、将来しょうらいかって道路どうろ必要ひつようせい自体じたいやコスト削減さくげん努力どりょくとう議論ぎろんおこなっていく必要ひつようせい否定ひていするものではないことに留意りゅういする必要ひつようがあるとの見解けんかいがある。
今後こんご高度こうど経済けいざい成長せいちょう建設けんせつされた橋梁きょうりょうとう劣化れっか頻発ひんぱつし、道路どうろメンテナンス予算よさんふくがることが懸念けねんされている。関係かんけいしゃからは、道路どうろメンテナンス業務ぎょうむについて、民間みんかん委託いたく拡大かくだい指定してい管理かんりしゃ制度せいど導入どうにゅうによりコストを削減さくげんするという提案ていあんされているとの報道ほうどうもあり、道路どうろ特定とくてい財源ざいげん制度せいどのありかたわせて、国民こくみんてき議論ぎろんおこなっていく必要ひつようがあるとの見解けんかいがある。
また、バイパス道路どうろ新道しんどう建設けんせつするさい問題もんだいてんとして、新道しんどうができても新道しんどう並行へいこうする旧道きゅうどうが、その沿線えんせん住宅じゅうたく企業きぎょうなどがあるためにはいどうにすることができず(いち新規しんき道路どうろつくってしまうとはいどう道路どうろ撤去てっきょすることが困難こんなん)、結局けっきょく新道しんどう旧道きゅうどう両方りょうほう道路どうろメンテナンス費用ひよう発生はっせいしてしまうことが問題もんだいされている。
費用ひよう削減さくげん並行へいこうして、道路どうろ建設けんせつ維持いじ管理かんりとう関係かんけい会社かいしゃ公務員こうむいんとうあいだこる談合だんごう汚職おしょく撲滅ぼくめつ重要じゅうようである(談合だんごう汚職おしょく事件じけんがなければていコストで建設けんせつ維持いじ管理かんりができた道路どうろすくなくない)。
環境かんきょう対策たいさく視点してん欠落けつらく
自動車じどうしゃ地球ちきゅう温暖おんだん原因げんいんとなる温室おんしつ効果こうかガス自動車じどうしゃ排出はいしゅつ単位たんい輸送ゆそうりょうあたりの二酸化炭素にさんかたんそ排出はいしゅつりょう鉄道てつどう飛行機ひこうきよりおおい)をはじめ大気たいき汚染おせん酸性さんせい騒音そうおん公害こうがいなど深刻しんこく環境かんきょう問題もんだい発生はっせいさせており、一部いちぶ環境かんきょう対策たいさく充当じゅうとうすべきではないかとの議論ぎろんがある(財源ざいげん目的もくてきとしていた環境かんきょうぜい)。
ただし、温室おんしつ効果こうかガスについては排出はいしゅつする主体しゅたいすべてに課税かぜいすべきであり、すで徴税ちょうぜい仕組しくみが確立かくりつしており、徴収ちょうしゅうしやすい自動車じどうしゃねらちにするような制度せいど不公平ふこうへいであるとの反論はんろんもある。また、道路どうろ建設けんせつ同時どうじ自然しぜん破壊はかいすることにもなり、自然しぜん破壊はかいしてまで道路どうろ建設けんせつした結果けっか道路どうろ利便りべんせいせば、自動車じどうしゃ利用りよう促進そくしんし、温室おんしつ効果こうかガスの発生はっせいにつながることから、本末転倒ほんまつてんとうではないかとの指摘してきもある。
環境かんきょう対策たいさくであれば道路どうろではなく、モーダルシフト促進そくしんさせることに財源ざいげん使つかうべきとの議論ぎろんもある。また、課税かぜいして価格かかく上昇じょうしょうすることによる消費しょうひ抑制よくせい効果こうかは、ひろ意味いみではピグーぜいおな効果こうかがある。ただし、自動車じどうしゃたいして環境かんきょう批判ひはんするりに、鉄道てつどう航空機こうくうきたいする批判ひはんがないのは二枚舌にまいじただと批判ひはんされる。現実げんじつてき鉄道てつどう航空機こうくうきではさき限定げんていされている。またナフサ免税めんぜいA重油じゅうゆ免税めんぜい整合せいごうせいくと批判ひはんがある。
固定こてい批判ひはん特別とくべつ会計かいけい仕組しくみそのものの見直みなおろん
税収ぜいしゅうがあるからといって、それを聖域せいいきし、特別とくべつ会計かいけいつくってくに統制とうせいし、くにめた規則きそく地方ちほう配分はいぶんするという中央ちゅうおう集権しゅうけんてき仕組しくみは問題もんだいであるとのろんである。これは地方ちほうへの移譲いじょうろんむすびつく。
しかし、最近さいきん一般いっぱん財源ざいげん閣議かくぎ決定けっていしても、日本国にっぽんこく政府せいふ従来じゅうらいどう程度ていど道路どうろ整備せいび予算よさん確保かくほ主張しゅちょうしているので、そもそも一般いっぱん財源ざいげんの、財政ざいせい硬直こうちょく理由りゆうになるのか、さらにおな特別とくべつ会計かいけい制度せいどかんし、外国がいこく為替かわせ資金しきん特別とくべつ会計かいけいなどの余剰よじょうくずして一般いっぱん財源ざいげんれるべきではないなどの、同時どうじ存廃そんぱいについて矛盾むじゅんした主張しゅちょうがなされたりと議論ぎろん混迷こんめいふかめ、特別とくべつ会計かいけい特定とくてい財源ざいげん批判ひはん自体じたい疑問ぎもんされてきている。
交通こうつう事情じじょう加味かみ
鉄道てつどうなど公共こうきょう交通こうつう機関きかん整備せいびされ、自宅じたく周辺しゅうへんにそれの乗降じょうこう場所ばしょバス停留所ていりゅうじょ鉄道てつどうえき港湾こうわん空港くうこうなど)があり、深夜しんやたいのぞき、つね公共こうきょう交通こうつう機関きかん運行うんこうしていて、公共こうきょう交通こうつう機関きかん運賃うんちんやす本数ほんすう充実じゅうじつしているため、自動車じどうしゃ保有ほゆうする必要ひつよううす都市としと、自宅じたく周辺しゅうへん公共こうきょう交通こうつう機関きかん乗降じょうこうしょ場合ばあいや、深夜しんやたい以外いがいでも公共こうきょう交通こうつう機関きかん運行うんこうしていないときあいだたいがあり、公共こうきょう交通こうつう機関きかん運賃うんちん高額こうがく本数ほんすうすくないために、公共こうきょう交通こうつう機関きかん利用りよう困難こんなん不可ふか自動車じどうしゃ保有ほゆうして移動いどうするしかない地方ちほうとの交通こうつう格差かくさ問題もんだいになっている。
現実げんじつてきに、自動車じどうしゃ使つかわざるをない地方ちほう交通こうつう事情じじょう加味かみする必要ひつようがある。
公共こうきょう交通こうつう機関きかんふくめた自動車じどうしゃとの役割やくわり分担ぶんたんろん
あたらしい道路どうろ整備せいびされると当初とうしょ交通こうつうりょうすくないが、次第しだい交通こうつうりょうえて混雑こんざつはじめることがおおい。そもそも道路どうろつくればつくるだけ自動車じどうしゃ交通こうつう需要じゅよう誘発ゆうはつすることが確認かくにんされており、永遠えいえんつくつづけなければならないという矛盾むじゅんをはらんでいるという指摘してきもある[だれ?]
むしろ、環境かんきょう保護ほご観点かんてん加味かみして、公共こうきょう交通こうつう機関きかんおよ自宅じたくから途中とちゅうでそれにえるためのパークアンドライド充実じゅうじつすべきであり、自宅じたく個人こじん所有しょゆうする自家用じかよう自動車じどうしゃは、自宅じたく周辺しゅうへん公共こうきょう交通こうつう機関きかん場合ばあい、またはそれが時間じかんたいのみに使つかうべきだというろんもある。
たとえば、フランスドイツアメリカとうられる制度せいど導入どうにゅうすべきという議論ぎろんがある。都市としにおける公共こうきょう交通こうつう積極せっきょくてき設置せっちによるえへの推進すいしん渋滞じゅうたい解消かいしょう)と、地方ちほうにおけるシビルミニマム(社会しゃかい資本しほんなどについての最低さいてい基準きじゅん)な公共こうきょう交通こうつう機関きかん維持いじ両方りょうほうから必要ひつようだと指摘してきされている。
ようするに、自動車じどうしゃ公共こうきょう交通こうつう機関きかんとののぞましい市場いちば分担ぶんたん模索もさくすべきであり、日本にっぽん現況げんきょうとく地方ちほうにおいて自動車じどうしゃへんしているという指摘してきである。また、過度かど自動車じどうしゃもう整備せいび偏重へんちょうは、環境かんきょうめんからモーダルシフト逆行ぎゃっこうするうごきだとして批判ひはんするこえもある。
マスメディア道路どうろ建設けんせつ以外いがいへの利用りよう批判ひはんがエスカレートしており、東京とうきょうメトロふく都心としんせん地下鉄ちかてつ建設けんせつ利用りようされていることすら「鉄道てつどう建設けんせつ流用りゅうよう」と批判ひはん対象たいしょうとなっており(本来ほんらいは、地下鉄ちかてつうえはし明治めいじどお渋滞じゅうたい緩和かんわさくとして建設けんせつ)、さらには鉄道てつどう連続れんぞく立体りったい交差こうさ事業じぎょうまで批判ひはんされる事態じたいとなっている。
道路どうろ整備せいび本当ほんとう地方ちほう活性かっせいになるのか
道路どうろぞく議員ぎいん地方自治体ちほうじちたい道路どうろ整備せいび地方ちほう景気けいき活性かっせいふだており、道路どうろ特定とくてい財源ざいげん死守ししゅうったえている。
ただし、道路どうろ整備せいびをすることと、その効果こうかである景気けいき活性かっせい議論ぎろんと、特定とくてい財源ざいげん制度せいど制度せいど自体じたい混同こんどうして、議論ぎろんすることに、注意ちゅういをしなければならない。かり高速こうそく道路どうろ開通かいつうして大型おおがたショッピングセンターロードサイド店舗てんぽ進出しんしゅつしても、恩恵おんけいけるのは東京とうきょうだい企業きぎょうで、地場じば産業さんぎょう恩恵おんけいけることはすくない。
またショッピングセンター進出しんしゅつにより、ものきゃくがそこにながれ、地場じばのデパート・スーパーは閉店へいてんになり、地方ちほう都市とし中心ちゅうしんさらさびれるとった弊害へいがいこしている。実際じっさい1990年代ねんだい前半ぜんはんからのバブル崩壊ほうかいによるきょうにより、景気けいき活性かっせいさくとして公共こうきょう工事こうじすすめられ、高速こうそく道路どうろ建設けんせつ一般いっぱん道路どうろ改良かいりょう飛躍ひやくてきすすんだ。
しかし、その結果けっかモータリゼーション対応たいおうした郊外こうがいかたロードサイド店舗てんぽ各地かくち進出しんしゅつする一方いっぽう地方ちほう都市とし商店しょうてんがいシャッターどおわれるほど、ますますさびれてしまった。また、交通こうつう便利べんりになったことによって通勤つうきん通学つうがく買物かいものとう大都市だいとしけん移行いこうし、地方ちほう都市としがますます衰退すいたいするストロー効果こうか問題もんだい顕著けんちょあらわれるようになった。
その一方いっぽうで、道路どうろ整備せいびによるモータリゼーションの過度かど進展しんてんによる公共こうきょう交通こうつう機関きかんさらなる衰退すいたい2005ねん3月かぎりでのと鉄道てつどう穴水あなみず蛸島たこじま廃止はいし決定けっていしたとき石川いしかわ県知事けんちじは「道路どうろ整備せいび進展しんてんが、皮肉ひにくなことにのと鉄道てつどう廃止はいしんだ」(2004ねん2がつ4にち北國きたぐに新聞しんぶん記事きじ)とべたが、過去かこ鉄道てつどうはいせんれいすまでもなく、モータリゼーション進展しんてんが、公共こうきょう交通こうつう機関きかん衰退すいたいさせるという主張しゅちょうもあるが、科学かがくてき検証けんしょう必要ひつようである。のと鉄道てつどう廃止はいしかんしては廃止はいし本当ほんとうただしかったのか、と後悔こうかいこえもと沿線えんせん住民じゅうみんからがっている(→のと鉄道てつどう能登線のとせん参照さんしょうのこと)。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ ただし、鳥取とっとりけん県庁けんちょう所在地しょざいちである鳥取とっとりでも山陰さんいん自動車じどうしゃどう並行へいこうする一般いっぱん自動車じどうしゃ専用せんよう道路どうろである青谷あおや羽合はわい道路どうろという高速こうそく道路どうろ存在そんざいしている。
  2. ^ 福岡ふくおか大分おおいたけんひがし九州きゅうしゅうどう完成かんせい余裕よゆうがなかったため、自力じりき北大ほくだい道路どうろ整備せいびしている。かごしまの高速こうそく道路どうろ鹿児島かごしまけん道路どうろ整備せいびじょうきょう 鹿児島かごしまけんだか規格きかく幹線かんせん道路どうろ建設けんせつ促進そくしん協議きょうぎかい、2008ねん4がつ30にち閲覧えつらん

出典しゅってん

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  1. ^ a b 武部たけべけんいち 2015, pp. 185–186.
  2. ^ a b c d 武部たけべけんいち 2015, p. 185.
  3. ^ 日本にっぽん道路どうろ整備せいび基本きほんスキーム - 国土こくど交通省こうつうしょう
  4. ^ a b c d e 武部たけべけんいち 2015, p. 227.
  5. ^ 経済けいざい財政ざいせい運営うんえい構造こうぞう改革かいかくかんする基本きほん方針ほうしん 2006』(プレスリリース)経済けいざい財政ざいせい諮問しもん会議かいぎ、2006ねん7がつ9にちhttps://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizai/kakugi/060707honebuto.pdf 
  6. ^ 道路どうろ財源ざいげん法案ほうあん午後ごごさい可決かけつ 「一般いっぱん」を閣議かくぎ決定けってい. 共同きょうどう. (2008ねん5がつ13にち). https://web.archive.org/web/20130512051054/http://www.47news.jp/CN/200805/CN2008051301000169.html 
  7. ^ 一般いっぱん財源ざいげんほう可決かけつ成立せいりつ 道路どうろ特定とくてい財源ざいげん制度せいど廃止はいし. 共同きょうどう. (2009ねん4がつ22にち). https://web.archive.org/web/20130512044831/http://www.47news.jp/CN/200904/CN2009042201000117.html 
  8. ^ 道路どうろ整備せいび事業じぎょうかかくに財政ざいせいじょう特別とくべつ措置そちかんする法律ほうりつとう一部いちぶ改正かいせいする法律ほうりつあんについて』(プレスリリース)国土こくど交通省こうつうしょう、2009ねん1がつ22にちhttps://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_000053.html 
  9. ^ a b c d e f g h 朝日放送あさひほうそう ムーブ! 2006ねん12月14にち放送ほうそう - ムーブ!の疑問ぎもん道路どうろ特定とくてい財源ざいげん こんなところに使つかわれていた」
  10. ^ だい169かい国会こっかい 予算よさん委員いいんかい だい8ごう平成へいせい20ねん2がつ14にち木曜日もくようび)) - 衆議院しゅうぎいん会議かいぎろく本文ほんぶん更新こうしん不明ふめい)2019ねん1がつ18にち閲覧えつらん
  11. ^ a b c 道路どうろのためにはらっているクルマの税金ぜいきん一般いっぱん財源ざいげんには反対はんたいです!! 日本にっぽん自動車じどうしゃ連盟れんめい(JAF)
  12. ^ 道路どうろ特定とくてい財源ざいげんについて」 宮崎みやざきけん県土けんど整備せいび道路どうろ建設けんせつ宮崎みやざき県庁けんちょうホームページ)、2008ねん1がつ25にち更新こうしん、2がつ13にち閲覧えつらん
  13. ^ 県内けんない道路どうろ特定とくてい財源ざいげん東京とうきょう決起けっき大会たいかいテレビ宮崎てれびみやざきヘッドラインニュース、2008ねん1がつ23にち)。
  14. ^ JR利用りよう延岡のべおか市長しちょういか民主みんしゅ議員ぎいん高速こうそくどう予定よてい視察しさつ宮崎みやざきにちにち新聞しんぶん、2008ねん2がつ13にち26めん)。
  15. ^ a b 道路どうろ財源ざいげん民主みんしゅかん代表だいひょう代行だいこう延岡のべおか視察しさつ宮崎みやざきにちにち新聞しんぶん、2008ねん2がつ18にち)。
  16. ^ 鹿しかけん道路どうろ財源ざいげん195おくえんげん/暫定ざんてい税率ぜいりつ廃止はいし影響えいきょう試算しさんみなみ日本にっぽん新聞しんぶん、2008ねん1がつ17にち)。
  17. ^ 民主党みんしゅとうつぎ内閣ないかく道路どうろ特定とくてい財源ざいげん制度せいど改革かいかくのビジョン 道路どうろ特定とくてい財源ざいげん制度せいど改革かいかくについて 道路どうろ特定とくてい財源ざいげん改革かいかく説明せつめい資料しりょう(Q&A)
  18. ^ 道路どうろミュージカル 支出ししゅつもと維持いじ修繕しゅうぜん調査ちょうさ朝日新聞あさひしんぶん、2008ねん03がつ14にち
  19. ^ “ガソリン:ぜん石連せきれん緊急きんきゅう声明せいめい 「混乱こんらん負担ふたんまねいた」”. 毎日新聞まいにちしんぶん. (2008ねん4がつ1にち). オリジナルの2008ねん4がつ2にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20080402232026/mainichi.jp/select/biz/news/20080402k0000m020094000c.html 2008ねん4がつ4にち閲覧えつらん 
  20. ^ JNN世論せろん調査ちょうさ NNN世論せろん調査ちょうさ ANN世論せろん調査ちょうさ
  21. ^ 朝日新聞あさひしんぶん世論せろん調査ちょうさ郵政ゆうせい民営みんえい是非ぜひ
  22. ^ 2006ねん12月8にち政府せいふ与党よとう合意ごうい発表はっぴょう資料しりょう - 2006ねん12月8にち閣議かくぎ決定けってい

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 武部たけべ健一けんいち道路どうろ日本にっぽん中央公論ちゅうおうこうろんしんしゃ中公新書ちゅうこうしんしょ〉、2015ねん5がつ25にちISBN 978-4-12-102321-6 

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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