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ディーゼル自動車 - Wikipedia

ディーゼル自動車じどうしゃ(ディーゼルじどうしゃ, diesel car)とは、ディーゼル機関きかん動力どうりょくとする自動車じどうしゃ燃料ねんりょう軽油けいゆもちいることから、軽油けいゆしゃばれることもある。

ディーゼルトラック(UD・クオン)

概要がいよう

編集へんしゅう
 
ディーゼルエンジン内部ないぶ(マツダ・SKYACTIV-D)

ディーゼルエンジンは、空気くうき圧縮あっしゅくして燃料ねんりょう発火はっか温度おんどえる状態じょうたいにしたシリンダーのなかに、軽油けいゆなどの燃料ねんりょうきりじょう噴出ふんしゅつして燃焼ねんしょうさせる。ガソリンエンジンとのちがいは、点火てんか装置そうちがなく、こうあつ圧縮あっしゅくして燃料ねんりょう自然しぜん発火はっかさせるてんである。

特徴とくちょうとしてピストンスピードひく状況じょうきょうでもおおきなトルクられ、回転かいてんすうげる必要ひつようがないため[注釈ちゅうしゃく 1]機械きかいてき駆動くどう損失そんしつおさえられる。さらに巡航じゅんこうけい負荷ふかそらもえは20:1から60:1程度ていどとなるためねつ効率こうりつたかく、したがって燃費ねんぴはガソリンエンジンよりすぐれている[1]くわえて地球ちきゅう温暖おんだん原因げんいんとされるCO2(二酸化炭素にさんかたんそ)の排出はいしゅつりょうどう排気はいきりょうのガソリンエンジンよりすくないため、環境かんきょう技術ぎじゅつひとつとしてあつかわれる場合ばあいもある。

ただしCO2はすくないわりに粒子りゅうしじょう物質ぶっしつ(PM)や窒素ちっそ酸化さんかぶつ(NOx)を大量たいりょう空気くうきちゅう排出はいしゅつするため、CO2より直接的ちょくせつてき大気たいき汚染おせんしてしまうデメリットがある。またPMのエンジン内部ないぶ堆積たいせきによる故障こしょうのリスクとそれを緩和かんわするためのコストが増大ぞうだいするといったデメリットもあるため、ガソリンしゃくらべると開発かいはつ運用うんようをするじょう使つか部分ぶぶんおおい。

ディーゼルエンジンはトラックバス重機じゅうきなどの業務ぎょうむよう大型おおがたしゃについてはくにわずひろ普及ふきゅうしているが、乗用車じょうようしゃようについてはその地域ちいきはいガス規制きせい道路どうろ環境かんきょうなどの問題もんだいもあり、人気にんきがある地域ちいき欧州おうしゅう・インド)と地域ちいき日米にちべい)のはげしい。くわえてEVシフト風潮ふうちょうはいガス規制きせい対応たいおうきびしさなど世界せかいてき時流じりゅうから、乗用車じょうようしゃようディーゼルをめぐる状況じょうきょう流動的りゅうどうてきであり、近年きんねん欧州おうしゅう・インドでも急激きゅうげきにシェアをとしはじめている。

ディーゼルエンジンは、機械きかいてき堅牢けんろうであること、着火ちゃっか電気でんき不要ふようなこと、ねつ効率こうりつ結果けっか燃費ねんぴすぐれ、また排出はいしゅつガス比較的ひかくてき安全あんぜん当時とうじ触媒しょくばいがなく、ガソリンしゃ排気はいきはそれこそ有毒ゆうどくガスであった)なことから、自動車じどうしゃへの適用てきよう開発かいはつ初期しょきから期待きたいされた。しかしながら、初期しょきのディーゼルエンジンは燃料ねんりょう噴射ふんしゃ圧縮あっしゅく空気くうきもちいており、そのために空気くうき圧縮あっしゅくそなえなければならず、車載しゃさいてきした小型こがたディーゼルエンジンの開発かいはつ困難こんなんであった。

結果けっか実際じっさいにディーゼル自動車じどうしゃ市販しはんされたのはガソリン自動車じどうしゃよりもおそ1920年代ねんだいで、噴射ふんしゃしき高速こうそくディーゼルエンジンの実用じつようがキーとなった。

1924ねんドイツのメーカー2しゃがそれぞれべつ方式ほうしき実用じつようしたのが最初さいしょである。ベンツ(のダイムラー・ベンツ、げんメルセデス・ベンツ)が燃焼ねんしょうしつしきエンジンを、またMANうずりゅうしつしきエンジンをそれぞれ実用じつようして発表はっぴょう。これらはトラックバスよう動力どうりょくとして利用りようされ、そのトルク特性とくせい経済けいざいせいによって市場いちば支持しじあつめてくことになる。

乗用車じょうようしゃへの搭載とうさい試作しさく1920年代ねんだいからはじまっていたが、振動しんどうはげしさと小型こがた困難こんなんがネックとなって市販しはんされるにいたらず、市場いちば最初さいしょ1936ねん発売はつばいメルセデス・ベンツ260D(W21(英語えいごばん)であった。ガバナーきの燃料ねんりょう噴射ふんしゃポンプ採用さいようしたことにより、てい回転かいてんでのトルク特性とくせい向上こうじょうし、従来じゅうらいのディーゼルエンジンよりもあつかいやすくなった。水冷すいれい直列ちょくれつ4気筒きとう排気はいきりょう2,550 cc、出力しゅつりょく45 HP/3,000 rpm燃焼ねんしょうしつしきディーゼルが搭載とうさいされたが、ガソリンエンジンにくらべて速度そくど性能せいのうおとり、振動しんどうとくアイドル)や騒音そうおんおおきいことから、タクシーなど業務ぎょうむ用途ようとでの利用りよう想定そうていされていた。それにもかかわらず、しょう燃費ねんぴ性能せいのう優秀ゆうしゅうさからオーナードライバーの支持しじをもて、予想よそうがい人気にんきモデルとなった。

だい世界せかい大戦たいせん前後ぜんごつうじて、主要しゅよう各国かっこくはトラック・バスを中心ちゅうしんにディーゼルエンジンの導入どうにゅう積極せっきょくてき推進すいしんし、だい排気はいきりょう容易ようい[注釈ちゅうしゃく 2]経済けいざいせいすぐれることから、1960年代ねんだいまでに大型おおがた商用しょうようしゃにおいてディーゼルエンジンは世界せかいてき主流しゅりゅうとなった。現在げんざいまでその傾向けいこうつづいており、現状げんじょう技術ぎじゅつでは代替だいたい可能かのう動力どうりょく機関きかん存在そんざいしないことから今後こんごもディーゼル自動車じどうしゃ主流しゅりゅう情勢じょうせいうごかないとかんがえられるが、だい排気はいきりょう高速こうそくディーゼル機関きかん排出はいしゅつガスは環境かんきょう悪化あっか一因いちいんであることが指摘してきされており、各国かっこく程度ていどはあるものの排出はいしゅつガス浄化じょうか対策たいさくすすめられている。

小型こがた高速こうそくディーゼルエンジンの分野ぶんやでは、先駆せんくてきなダイムラー・ベンツやプジョー積極せっきょくてきで、なかでもプジョー・204の1.3リッターエンジンは当時とうじ最小さいしょうのディーゼルとして注目ちゅうもくされた。これに触発しょくはつされて日本にっぽんでも研究けんきゅうはじまり、1958ねん初代しょだいトヨタ・クラウン追加ついかされたのが、乗用車じょうようしゃようディーゼルだいいちごうとなった。ダイハツ・シャレードは1983ねんに1.0リッター3気筒きとうターボという当時とうじ史上しじょう最小さいしょう排気はいきりょうのディーゼルを開発かいはつし、燃費ねんぴ当時とうじ測定そくてい方法ほうほう(60km/hてい)で35km/Lをたたした[2]

 
シトロエン・BXのディーゼルしゃ

1970年代ねんだいオイルショックは、燃費ねんぴすぐれるディーゼルエンジン乗用車じょうようしゃ普及ふきゅういちじるしくうながした。ヨーロッパでは1973ねんのディーゼルしゃのシェアは2.5%にぎなかったが、1975ねんに4.1%に増加ぞうか。1980ねんには8.6%、1983ねんには11%とシェアを急速きゅうそく拡大かくだいしていった。そして1988ねんシトロエン・BXと1989ねんプジョー・405が、きゅうとのわせと、自動車じどうしゃ自体じたい出来できさにより、ディーゼルしゃのブレイクスルーをこした。おなごろフィアットアウディローバーなどがちょく噴のディーゼルしゃ投入とうにゅうはじめた[3]

ヨーロッパではこのながれがつづいて新車しんしゃのシェアは50%に到達とうたつしん技術ぎじゅつ導入どうにゅうによってガソリンエンジンしゃした場合ばあい性能せいのうてき劣位れつい克服こくふくされつつあるばかりか、ターボチャージャーとのわせにより、トルクのおおきさとトルクバンドのひろさはガソリンエンジンのそれをおおきく上回うわまわっており、使つか勝手かってでもすぐれたものを実現じつげんした。

なおアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくでも1970年代ねんだいからGM乗用車じょうようしゃディーゼルにんだが、コストダウンが原因げんいん信頼しんらいせい問題もんだいひどいというイメージがついてしまい、その普及ふきゅう限定げんていてきなものにとどまった。

 
SUBARU水平すいへい対向たいこう4気筒きとうディーゼルエンジン

日本にっぽんではオイルショック走行そうこう距離きょりびる傾向けいこう北海道ほっかいどうなど一部いちぶ地域ちいき普及ふきゅう一定いっていシェアていたが[4]、その自動車じどうしゃ排出はいしゅつガス規制きせい強化きょうかによって排気はいきガス浄化じょうか困難こんなんさから、メーカーによる日本にっぽん国内こくないけラインナップの縮小しゅくしょうすすんだことで結果けっかてき市場いちばから撤退てったいとなり、1990年代ねんだい以降いこうから2000年代ねんだいにおいてディーゼル乗用車じょうようしゃ市場いちば壊滅かいめつ状態じょうたいとなっていた[5]一方いっぽう欧州おうしゅうでは市場いちば需要じゅようにあわせて、日本にっぽんしゃメーカー各社かくしゃがディーゼルエンジン乗用車じょうようしゃ開発かいはつはげんだ。

大型おおがた自動車じどうしゃ乗用車じょうようしゃ共通きょうつうする課題かだい排出はいしゅつガスの環境かんきょう影響えいきょうであり、各国かっこくメーカー取組とりくみつづけているが、根本こんぽんてき解決かいけつにはいたっていない。2015ねんのフォルクスワーゲンの不正ふせい後述こうじゅつ)や、それによって公害こうがいとディーゼルの問題もんだいむすけられるようになると、欧州おうしゅうでもディーゼルのイメージは悪化あっかし、徐々じょじょにシェアは低下ていか欧州おうしゅうでは2021ねんはじめてディーゼルしゃ新車しんしゃシェアがハイブリッドしゃ下回したまわった[6]

エンジンの特徴とくちょう

編集へんしゅう

スパークプラグ一瞬いっしゅん爆発ばくはつさせるガソリンエンジンとはことなり、ディーゼルエンジンの燃焼ねんしょう自然しぜん発火はっかるため、気筒きとうないにおける爆発ばくはつ場所ばしょ時期じきはバラバラである。そのようなエンジンで理論りろんそらもえ燃料ねんりょう噴射ふんしゃすると、のこりがおお発生はっせいしてくろけむりすさまじいことになるため、全域ぜんいきリーンバーンにすることをいられる。

そうした事情じじょうからどう排気はいきりょうのガソリンエンジンと比較ひかくしてトルクがひくいため(やく7わり[7])、やや排気はいきりょうおおきいエンジンをもちいる必要ひつようがあった[注釈ちゅうしゃく 3]。こうした特性とくせい考慮こうりょして、排気はいきりょう税金ぜいきんまるくにでは、ディーゼルについては優遇ゆうぐう措置そちられる場合ばあいもあった。

前述ぜんじゅつしたとおり1980年代ねんだいごろまでは自然しぜん吸気きゅうきのディーゼルはひろもちいられたが、負荷ふか変動へんどうおおきい自動車じどうしゃにおいてディーゼルと自然しぜん吸気きゅうきわせは良好りょうこうとはえず、としうごとにきびしくなる排気はいきガス規制きせいのクリアしつつ、出力しゅつりょく維持いじするのがむずかしくなった。この2つを両立りょうりつする方法ほうほうとして、きゅうもちいられたのである。きゅうによって出力しゅつりょく問題もんだい解決かいけつするのはもちろん、空気くうき気筒きとう大量たいりょうおくむことでくろけむりらし、吸入きゅうにゅう気体きたい体積たいせき増加ぞうかによりねつ吸収きゅうしゅうすることで燃焼ねんしょう温度おんどげてNOxをらすことができた。くわえてディーゼルエンジンは基本きほんてきノッキングこさない(ほぼ圧縮あっしゅく完了かんりょうした直後ちょくご燃料ねんりょう噴射ふんしゃされるため)ことから、理論りろんじょうはエンジンの強度きょうど限界げんかいまできゅうあつたかめられる。こうした相性あいしょうさから、現在げんざい新車しんしゃ市場いちば出回でまわっているディーゼル自動車じどうしゃすべきゅう(ターボ)きとなっている[8]

窒素ちっそ酸化さんかぶつ低減ていげんのためガソリンエンジンより多量たりょう排気はいきさい循環じゅんかん(EGR)がおこなわれている。EGRにより燃焼ねんしょう温度おんどげられ燃焼ねんしょうしつないでの窒素ちっそ酸化さんかぶつ発生はっせいりょうおさえられるが、EGRをおこなうと吸気きゅうきなか酸素さんそるため出力しゅつりょく維持いじのためにはきゅう必須ひっすとなる。窒素ちっそ酸化さんかぶつ低減ていげんには圧縮あっしゅくげることも有効ゆうこうであり、特別とくべつなNOx後処理あとしょり装置そうちなしでにちおう排出はいしゅつガス規制きせいをクリア[注釈ちゅうしゃく 4]したマツダ・SKYACTIV-Dでは14.0:1と14.8:1となっている。単純たんじゅん圧縮あっしゅくげただけではねつ効率こうりつ始動しどうせい悪化あっかするので、バルブタイミング噴射ふんしゃタイミングの変更へんこう噴射ふんしゃノズルの改良かいりょう必要ひつようである。

通常つうじょう、ディーゼルエンジンでもガソリンエンジンと同様どうように、吸気きゅうきバルブはしたてんのちじる。これは吸気きゅうきには慣性かんせいがあるためしたてんじるよりもしたてんぎてからじるほう充填じゅうてん効率こうりつたかめることが出来できるからである。だが、てい回転かいてんいきでは吸気きゅうきもど作用さようもあって実効じっこう圧縮あっしゅく低下ていかすることになり、始動しどうせいわるくなり、圧縮あっしゅく自体じたいたかくしなければならない。現在げんざいでは吸気きゅうきバルブをじるタイミングをしたてんちかづけ、てい回転かいてんでの実効じっこう圧縮あっしゅくたかめている。圧縮あっしゅく自体じたいひくくすることにより窒素ちっそ酸化さんかぶつ生成せいせいりょうおさえられ、EGRりょうらすことが可能かのうになり、こう出力しゅつりょくにもつながっている。また、三菱自動車みつびしじどうしゃのように可変かへんバルブ機構きこうもちい、てい回転かいてんでのバルブタイミングを変更へんこうすることにより、圧縮あっしゅくげるというこころみもされるようになっている。

ディーゼル燃料ねんりょう引火いんかてんはガソリンにくらべてたかく、事故じこ安全あんぜんせい比較的ひかくてきたかい。そのため、攻撃こうげきけることを前提ぜんていとした軍用ぐんよう車両しゃりょうや、事故じここすとだい惨事さんじになりやすい薬品やくひん燃料ねんりょう輸送ゆそうしゃなどは、ディーゼルであることがおおい。

問題もんだいてん

編集へんしゅう

環境かんきょう対応たいおう

編集へんしゅう
 
ディーゼルエンジンの排気はいき

ディーゼルは排出はいしゅつガスちゅうに「すす」などのPMがおおふくまれ、いわゆる「くろけむり」となる。PMをDPFなどで捕捉ほそくしても、つね酸素さんそ過多かた状態じょうたいリーンバーン)で運転うんてんされる特性とくせいじょう、ガソリンエンジンのようにさんげん触媒しょくばい使つかえないため有害ゆうがい排出はいしゅつガスの浄化じょうかむずかしい。ねつ効率こうりつ追求ついきゅう完全かんぜん燃焼ねんしょうさせると排気はいきガスなかのNOxがえるというてんではガソリンエンジンとおなじだが、触媒しょくばいでの浄化じょうかむずかしいため、結果けっかとして比較的ひかくてきおおくのNOxを排出はいしゅつしてしまう。ガソリンしゃくら悪臭あくしゅうがするのは、このためである。

世界せかい保健ほけん機関きかん(WHO)はディーゼル排出はいしゅつガスを肺癌はいがん誘発ゆうはつする‘1きゅうはつガン物質ぶっしつ’(グループ1)に分類ぶんるいした。これはたばこけむりさけ石綿いしわたプルトニウムヒ素ひそなどとおなじである。アメリカ国立こくりつがん研究所けんきゅうじょ(NCI)が1まん2000にん鉱夫こうふ調査ちょうさした結果けっか、ディーゼル排出はいしゅつガスにつよ露出ろしゅつした喫煙きつえん鉱夫こうふ肺癌はいがん発生はっせいりつ一般いっぱん喫煙きつえんしゃの7ばいであり、間接かんせつ喫煙きつえんよりディーゼル排気はいきガスをうことのほう危険きけんだとしている[9]。WHOの付属ふぞく機関きかんである国際こくさいがん研究けんきゅう機関きかん膀胱ぼうこうがんのリスク増大ぞうだいにも「あきらかな関連かんれんせい」があると発表はっぴょうしている[10]

また、ディーゼル自動車じどうしゃはいガスが花粉かふんしょうこすひとつの原因げんいんとされる調査ちょうさ結果けっかがある[11]が、東京とうきょう依頼いらいけて調査ちょうさおこなったディーゼルしゃ排出はいしゅつガスと花粉かふんしょう関連かんれんかんする調査ちょうさ委員いいんかいは、平成へいせい15ねん5がつに「ディーゼルしゃ排出はいしゅつガスの曝露ばくろ花粉かふんしょう患者かんじゃ割合わりあい増加ぞうかさせているという疫学えきがくてき証明しょうめいられなかった」と発表はっぴょうしている[12][13]後述こうじゅつするが、当時とうじ石原いしはら都知事とちじがディーゼルしゃだい規模きぼはいガス規制きせい断行だんこうした)。

PMとNOxは燃焼ねんしょう状態じょうたいにより発生はっせいじょうきょうことなるため、現状げんじょうでは片方かたがたらそうとすれば、もう片方かたがた増加ぞうかしてしまう。大量たいりょうのEGRと噴射ふんしゃすうかいけることで燃焼ねんしょう急激きゅうげき温度おんど圧力あつりょく上昇じょうしょうふせいでNOxの発生はっせいおさえ、さらに、DPFでPMを捕捉ほそくする方式ほうしき商用しょうようしゃ乗用車じょうようしゃ実用じつようされている。NOxについては、排気はいき尿素にょうそみず噴射ふんしゃし、一旦いったんアンモニア生成せいせいし、それを触媒しょくばいによって窒素ちっそみず還元かんげんする尿素にょうそSCR還元かんげんシステムがトラックとバスで実用じつようされ、一部いちぶ乗用車じょうようしゃにも採用さいようされている[14]

トヨタのDPNRはDPFにNOx吸蔵還元かんげん触媒しょくばい機能きのう追加ついか、PMの浄化じょうかにNOxも同時どうじ還元かんげんできる。欧州おうしゅうけの乗用じょうようディーゼルと国内こくないのトラックに採用さいようされている。2006ねん9がつ、ホンダは乗用車じょうようしゃようてきしたそう構造こうぞうのNOx吸蔵還元かんげん触媒しょくばい発表はっぴょうした。これはアンモニアを触媒しょくばい内部ないぶ生成せいせいするもので、従来じゅうらい触媒しょくばいより効率こうりつくNOxを還元かんげんできる。2007ねん8がつ日産にっさんそう構造こうぞうのNOx吸蔵還元かんげん触媒しょくばい発表はっぴょうした。吸着きゅうちゃくしたHCにO2をくわえてNOxを還元かんげんする。2008ねん4がつフォルクスワーゲン(VW)はこうあつ低圧ていあつの2つのEGRをわせたシステムにDPFやNOx吸蔵還元かんげん触媒しょくばいわせて米国べいこくはいガス規制きせいをクリアするシステムを発表はっぴょうした。ただしフォルクスワーゲンのディーゼル自動車じどうしゃは、排出はいしゅつガス規制きせい不正ふせいにごまかしていたことが2015ねん判明はんめいした(排出はいしゅつガス規制きせい不正ふせい問題もんだい参照さんしょう)。このスキャンダルにより、ぜんメーカーのディーゼル自動車じどうしゃ実際じっさい環境かんきょう対応たいおう性能せいのうについてつよ疑念ぎねんしょうじることとなった[15]

スペースに余裕よゆうのあるトラックやバスではNOxの発生はっせいおさえてDPFを適用てきようしてPMを浄化じょうかするか、PMの発生はっせいおさえて尿素にょうそSCR還元かんげんシステムでNOxを吸収きゅうしゅうするという方法ほうほう規制きせいをクリアしている。

近年きんねんディーゼル乗用車じょうようしゃかずらしているのは、ガソリンにくらべてディーゼルは上述じょうじゅつのような法律ほうりつ左右さゆうされやすく、企画きかく段階だんかいではほう規制きせいをクリアしていてもすうねん法律ほうりつ対応たいおうができないというリスクがある、というのも理由りゆうとなっている。

給油きゅうゆについて

編集へんしゅう

ディーゼルは寒冷かんれい環境かんきょうでは燃焼ねんしょうしつうち温度おんどがりづらく、始動しどうせい悪化あっかするため、ふくしつしきではグロープラグちょく噴式ではインテークヒーターなどを使つかい、すうびょうからすうじゅうびょうのプレヒートをおこない、始動しどう直後ちょくご安定あんてい燃焼ねんしょうのためのアフターヒートが必要ひつようとなる。ぎゃくに、キャブレターしきのガソリンエンジンが始動しどうできないようなごく低温ていおんでも、ディーゼルエンジンは予熱よねつさえおこなえば始動しどうさせることができる。

ただし、ガソリンにくら軽油けいゆ燃料ねんりょう基本きほんてき粘性ねんせいたかく、低温ていおん環境かんきょうではろうぶん析出せきしゅつして流動りゅうどうせいそこなわれるため、寒冷かんれいけに調整ちょうせいされた燃料ねんりょうもちいる配慮はいりょ必要ひつようとなる。つまり豪雪ごうせつ地帯ちたいはしときは、現地げんち寒冷かんれい対応たいおう燃料ねんりょう補給ほきゅうすることが推奨すいしょうされる

また大陸たいりくてい圧縮あっしゅくのいわゆる「クリーンディーゼル」くるま使用しようしている場合ばあいくにによる燃料ねんりょう成分せいぶんちがいから実力じつりょく発揮はっきできなかったり故障こしょう原因げんいんにもなったりするため、国境こっきょうえるのは注意ちゅうい必要ひつようとなる(こう圧縮あっしゅく粗悪そあく燃料ねんりょう想定そうていれている場合ばあいはこのかぎりではない)。

  • エンジンをより頑丈がんじょうにする必要ひつようがあり、くわえてきゅうやインタークーラーなどのるい車種しゃしゅによってはAdBlue必要ひつようとするため、製造せいぞうコストがガソリンよりたかくなりがちで、したがって自動車じどうしゃ販売はんばい価格かかくたかくなりやすい。
  • また上記じょうき理由りゆうから、重量じゅうりょうおおきくなりやすい[注釈ちゅうしゃく 5]
  • おなじようにコストと重量じゅうりょうかさみやすいハイブリッドシステムわせるのが、とく乗用車じょうようしゃディーゼルではむずかしい。
  • きゅうきのためエンジンオイルの交換こうかん頻度ひんど比較的ひかくてきおおく、しかもそのオイルはディーゼル専用せんよう高価こうか。さらにAdBlueの補充ほじゅうやDPF再生さいせいでの燃料ねんりょう噴射ふんしゃなどもあって、ディーゼルの美点びてんである燃費ねんぴさと燃料ねんりょうだいやすさが、そっくりそのまま維持いじコストのやすさとはならない。
  • 機関きかん運転うんてんおん振動しんどうおおきく、とくに「カラカラおと」と形容けいようされるアイドリングおとは、ひとによっては不快ふかいかんおぼえる場合ばあいがある。
  • 上記じょうきのPMがエンジン内部ないぶまると故障こしょう原因げんいんになる。それをふせぐにはDPF再生さいせいおこな必要ひつようがあるが、一定いってい期間きかんごとにある程度ていど距離きょり連続れんぞくしてはしらせないと十分じゅうぶんなDPF再生さいせいおこなわれないため、近所きんじょだけで自動車じどうしゃもちいたいという消費しょうひしゃには推奨すいしょうされない。

ほう規制きせい

編集へんしゅう

日米にちべいおうにおけるディーゼル規制きせいをあげる。

排出はいしゅつガス規制きせい一覧いちらん

編集へんしゅう

小型こがたディーゼル乗用車じょうようしゃ場合ばあい、g/km)

新車しんしゃ排出はいしゅつガス規制きせい CO NMHC* NOx PM
2009ねん規制きせい日本にっぽん
2009ねん
0.63 0.024 0.08 0.005
ユーロ5(欧州おうしゅう
2008ねん
0.50 0.068 0.18 0.005
Tier 2 Bin 5(米国べいこく
2007ねん
0.003 制限せいげん 0.044 0.006

日本にっぽんにおける排出はいしゅつガス規制きせい

編集へんしゅう
  1. 短期たんき規制きせい(1993ねん
  2. 長期ちょうき規制きせい(1997ねん
  3. しん短期たんき規制きせい(2002ねん
  4. しん長期ちょうき規制きせい平成へいせい17ねん排出はいしゅつガス規制きせい、2005ねん
  5. ポスト新長しんちょう規制きせい平成へいせい22ねん排出はいしゅつガス規制きせい、2009ねん

上記じょうきのように、段階だんかいてき自動車じどうしゃ排出はいしゅつガス規制きせい実施じっしされている。

2002ねん平成へいせい14ねん施行しこうの「しん短期たんき規制きせい」を達成たっせいしていないディーゼルエンジンを搭載とうさいした、用途ようと貨物かもつかつ初度しょど登録とうろくから7ねん経過けいかした車両しゃりょう首都しゅとけん兵庫ひょうごけん一部いちぶ設定せっていされた特定とくてい地域ちいきれができない。地域ちいきによって規制きせいことなり、首都しゅとけんについてはちゅうりょう貨物かもつしゃのPMについてしん短期たんき規制きせいの2ぶんの1となる。

また2009ねん平成へいせい21ねん1がつより、後述こうじゅつ自動車じどうしゃNOx・PMほう通称つうしょう車種しゃしゅ規制きせい)を達成たっせいしないディーゼルしゃについて、大阪おおさかでも着発ちゃくはつ規制きせいおこなわれる。

しん短期たんき規制きせいは、規制きせい物質ぶっしつによってはガソリンしゃのおよそ3ばい許容きょようされる内容ないようであった。2009ねん平成へいせい21ねん規制きせいにおいて、ガソリンしゃいつくまでの水準すいじゅんとなっている[よう出典しゅってん]

特定とくてい地域ちいき対象たいしょうにして1992ねん平成へいせい4ねん)に制定せいていされた自動車じどうしゃNOx・PMほうにより、首都しゅとけん中京ちゅうきょうけん近畿きんきけん指定していされた地域ちいき使用しよう本拠ほんきょとする車両しゃりょうは、上記じょうきしん短期たんき規制きせいどう程度ていど基準きじゅん車両しゃりょうそう重量じゅうりょう2.5 t以下いか貨物かもつ自動車じどうしゃおよび乗用車じょうようしゃ場合ばあい重量じゅうりょうしゃでは長期ちょうき規制きせいみの基準きじゅんとなる)、ただし車両しゃりょうそう重量じゅうりょう2.5 t以下いか貨物かもつ自動車じどうしゃおよび乗用車じょうようしゃのPM規制きせいについてはしん短期たんき規制きせいの2ぶんの1)を達成たっせいしていなければ、新規しんき登録とうろくおよび初度しょど登録とうろくから8 – 12ねん車種しゃしゅによってことなる)以降いこう車検しゃけん継続けいぞくができず、使用しよう継続けいぞくできない。

さらに2003ねん平成へいせい15ねん10月から、首都しゅとけん13けん東京とうきょう埼玉さいたまけん千葉ちばけん神奈川かながわけん)で実施じっしされたディーゼルしゃ規制きせい条例じょうれいでは、くに規制きせいたさないディーゼルしゃ島嶼とうしょ伊豆諸島いずしょとう小笠原諸島おがさわらしょとう以外いがい都内とない全域ぜんいき運行うんこうすることを禁止きんししている[16][リンク]。それにより公害こうがい状況じょうきょう改善かいぜんされた[17][リンク]

関連かんれん制度せいど

排出はいしゅつガス規制きせい識別しきべつ記号きごう一覧いちらん

編集へんしゅう

国土こくど交通省こうつうしょうは、自動車じどうしゃ排出はいしゅつガス規制きせい識別しきべつ記号きごうさだめている[18][19]

くに新車しんしゃ排出はいしゅつガス規制きせい 識別しきべつ記号きごう-
短期たんき規制きせい以前いぜん
1993ねん以前いぜん
識別しきべつ記号きごうがない1979ねんごろまでに製造せいぞうされたくるま
K-, N-, P-, Q-, S-, U-, W-, X-, Y-, KA-, KB-, KC-, KD-
長期ちょうき規制きせい
1997ねん
KE-, KF-, KG-, KH-, KJ-, KK-, KL-
(ハイブリッド)HA-, HB-, HC-, HD-, HE-, HF-, HM-
平成へいせい12ねん基準きじゅんてい排出はいしゅつガスしゃ)DA-, DB-, DC-, DD-, DE-, DF-, DG-, DH-, DJ-, DK-, DL-, DM-, DN-, DP-, DQ-, DR-, DS-, DT-, DU-, DV-, DW-
(ハイブリッド・平成へいせい12ねん基準きじゅんてい排出はいしゅつガスしゃ)WA-, WB-, WC-, WD-, WE-, WF-, WG-, WH-, WJ-, WK-, WL-, WM-, WN-, WP-, WQ-, WR-, WS-, WT-, WU-, WV-, WW-
しん短期たんき規制きせい
2002ねん
KM-, KN-, KP-, KQ-, KR-, KS-
平成へいせい12ねん基準きじゅんてい排出はいしゅつガスしゃ)TF-, LF-, UF-, TG-, LG-, UG-, TH-, LH-, UH-, TJ-, LJ-, UJ-, TK-, LK-, UK-, TL-, LL-, UL-, TM-, LM-, UM-
ちょうていPM排出はいしゅつしゃ)PA-, PB-, PC-, PD-, PE-, PF-, PG-, PH-, PJ-, PK-, PL-, PM-, PN-, PP-, PQ-, PR-
(ハイブリッド)HT-, HU-, HW-, HX-, HY-, HZ-
(ハイブリッド・平成へいせい12ねん基準きじゅんてい排出はいしゅつガスしゃ)XF-, YF-, ZF-, XG-, YG-, ZG-, XH-, YH-, ZH-, XJ-, YJ-, ZJ-, XK-, YK-, ZK-, XL-, YL-, ZL-, XM-, YM-, ZM-
(ハイブリッド・ちょうていPM排出はいしゅつしゃ)VA-, VB-, VC-, VD-, VE-, VF-, VG-, VH-, VJ-, VK-, VL-, VM-, VN-, VP-, VQ-, VR-
しん長期ちょうき規制きせい
2005ねん
ADB-, ADC-, ADE-, ADF-, ADG-, AKG-, CDB-, CDC-, CDE-, CDF-, DDB-, DDC-, DDE-, DDF-, BDG-, BKG-, NDG-, NKG-, PDG-, PKG-
(ハイブリッド)ACB-, ACC-, ACE-, ACF-, ACG-, AJG-, CCB-, CCC-, CCE-, CCF-, DCB-, DCC-, DCE-, DCF-, BCG-, BJG-, NCG-, NJG-, PCG-, PJG-
平成へいせい17ねん排出はいしゅつガス規制きせい参照さんしょう
重量じゅうりょうしゃ燃費ねんぴ基準きじゅん
2015ねん
重量じゅうりょうしゃ燃費ねんぴ基準きじゅん参照さんしょう
ポスト新長しんちょう規制きせい
2009ねん
LDA-, LDE-, LDF-, LDG-, LKG-, LPG-, LRG-, LTG-, QDA-, QDE-, QDF-, QDG-, QKG-, QPG-, QRG-, QTG-, MDA-, MDE-, MDG-, MKG-, MPG-, MRG-, MTG-, RDA-, RDE-. RDF-, RDG-, RKG-, RPG-, RRG-, RTG-, SDA-, SDE-, SDF-, SDG-, SKG-, SPG-, SRG-, STG-, TDA-, TDE-, TDF-, TDG-, TKG-, TPG-, TRG-, TTG-
(ハイブリッド)LCA-, LCE-, LCF-, LCG-, LJG-, LNG-, LQG-, LSG-, QCA-, QCE-, QCF-, QCG-, QJG-, QNG-, QQG-, QSG-, MCA-, MCE-, MCG-, MJG-, MNG-, MQG-, MSG-, RCA-, RCE-. RCF-, RCG-, RJG-, RNG-, RQG-, RSG-, SCA-, SCE-, SCF-, SCG-, SJG-, SNG-, SQG-, SSG-, TCA-, TCE-, TCF-, TCG-, TJG-, TNG-, TQG-, TSG-
平成へいせい22ねん排出はいしゅつガス規制きせい参照さんしょう
ポスト・ポスト新長しんちょう規制きせい
2016ねん
2DG-, 2KG-, 2PG-, 2RG-, 2TG-, 3DA-, 3DE-, 3DF-, 4DA-, 4DE-, 4DF-, 5DA-, 5DE-, 5DF-, 6DA-, 6DE-, 6DF-
(ハイブリッド)2CG-, 2JG-, 2NG-, 2QG-, 2SG-, 3CA-, 3CE-, 3CF-, 4CA-, 4CE-, 4CF-, 5CA-, 5CE-, 5CF-, 6CA-, 6CE-, 6CF-

各国かっこく普及ふきゅうじょうきょう

編集へんしゅう

上記じょうき項目こうもくべてきたとおり、1970ねんごろ各国かっこくでディーゼルしゃ商用しょうようしゃ大型おおがたしゃにおいては主流しゅりゅうであったが、乗用車じょうようしゃ小型車こがたしゃではその比率ひりつはわずかであった。1970年代ねんだい石油せきゆ危機きき以降いこうねつ効率こうりつたかいディーゼル乗用車じょうようしゃ登場とうじょうし、一部いちぶ地域ちいき急激きゅうげきにシェアをばした。

ディーゼル乗用車じょうようしゃ普及ふきゅうじょうきょう各国かっこくおおきくことなり、西欧せいおうインドでは乗用車じょうようしゃ新車しんしゃ登録とうろく半数はんすう以上いじょうがディーゼルしゃであるが、中国ちゅうごく米国べいこく日本にっぽんなどではかず%でしかない。世界せかい小型こがた大型おおがた乗用じょうよう商用しょうようふくめたディーゼルしゃやく半分はんぶん欧州おうしゅう販売はんばいされており、乗用車じょうようしゃかぎってみると3ぶんの2が欧州おうしゅう販売はんばいされている。いでインドが15%で、欧州おうしゅうとインドでディーゼル乗用車じょうようしゃやく8わり販売はんばいされている[20]

2007ねん世界せかい新車しんしゃ販売はんばい台数だいすう乗用車じょうようしゃおよびピックアップ)は6621まんだいで、ディーゼルしゃはその23.6%の1366まんだいであった。以降いこう西欧せいおうではディーゼルしゃ比率ひりつ現状げんじょう維持いじ販売はんばい台数だいすうよこばいで推移すいいするが、東欧とうおうアジア北米ほくべい増加ぞうかし、2017ねんには2ばい以上いじょうの2893まんだいとなりシェアは31.4%となるとの予測よそくされている[21]

てい燃費ねんぴしゃとしてよくディーゼルしゃ対比たいひされるハイブリッドしゃ世界せかい販売はんばいは、2007ねんにはやく50まんだいとディーゼル乗用車じょうようしゃの20ぶんの1以下いかであった。2012ねんのハイブリッドしゃ販売はんばいは162まんだいで、その半分はんぶんやく86まんだい日本にっぽんけ、やく25%の43まんだい米国べいこくけ、西欧せいおうけはやく13まんだい[22]世界せかいてきにはディーゼルが優勢ゆうせいおもわれた。しかしそのはいガス規制きせいをめぐる不正ふせい事件じけん後述こうじゅつ)を契機けいきに、欧州おうしゅうでもハイブリッドが優位ゆういとなり、2022ねんにディーゼルのシェアをハイブリッドが逆転ぎゃくてんした[23]

はいガス規制きせい検査けんさ不正ふせい問題もんだい

編集へんしゅう

自動車じどうしゃ合理ごうりてき発生はっせいすると予想よそうすることができる条件下じょうけんかで、排出はいしゅつ制御せいぎょシステムの効率こうりつ低下ていかさせる任意にんい装置そうちを「ディフィートデバイス」と、排出はいしゅつガスをいちじるしく悪化あっかさせるエンジン制御せいぎょを「ディフィートストラテジー(defeat strategy)」と[注釈ちゅうしゃく 6]。ディフィートデバイスはアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくおよびEUでは違法いほうである。

もっと有名ゆうめいなのがフォルクスワーゲン(VW)による不正ふせいである。2015ねん9がつ18にちアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく環境かんきょう保護ほごちょう(EPA)は、VWの一部いちぶのディーゼルエンジン搭載とうさいしゃでこのディフィートデバイスを使つかった不正ふせいおこなわれていたことを公表こうひょうした[24][25]。9月20にちにはこの不正ふせいみとめる声明せいめいをVWグループのCEOがした[26]検査けんさにかけられていることをECU判断はんだんし、そのあいだはいガス浄化じょうか装置そうちをフル稼働かどうしてはいガス基準きじゅん達成たっせいするが、通常つうじょう走行そうこう装置そうち十分じゅうぶん稼働かどうさせずに「完全かんぜん燃焼ねんしょう」を優先ゆうせん、その結果けっか窒素ちっそ酸化さんかぶつ最大さいだい規制きせいの40ばいとなる場合ばあいもあるとされた[27]浄化じょうか装置そうち常時じょうじフル稼働かどうさせると出力しゅつりょく燃費ねんぴ、および部品ぶひん寿命じゅみょう悪化あっかがあるためと推測すいそくされる。同型どうけいエンジン搭載とうさいしゃはグループ企業きぎょうアウディふくめ、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくやく50まんだいぜん世界せかいやく1,100まんだいにのぼり、不正ふせいたいする課徴かちょうきん機器きき改修かいしゅう費用ひよう顧客こきゃくへの賠償ばいしょう民事みんじ訴訟そしょうとうによる経営けいえい販売はんばい環境かんきょう悪化あっか懸念けねんされている[28][29]。またこれ以降いこう欧州おうしゅう政治せいじ自動車じどうしゃメーカーたちは急激きゅうげきEVシフトへとかい、ディーゼルエンジンはおろか内燃ないねん機関きかんそのもののかたへもおおきな影響えいきょうおよぼした。

なお、ディーゼルしゃのテストじつ走行そうこう汚染おせん物質ぶっしつ排出はいしゅつりょういちじるしい乖離かいりについて、VWの不正ふせいがEPAにより告発こくはつされる以前いぜんから、ICCT (International Council on Clean Transportation)によりかえ指摘してきされてきた[30][31]。だが走行そうこうちゅうくるま搭載とうさいできるポータブル測定そくてい装置そうち未熟みじゅくさや、じつ走行そうこう完全かんぜん同一どういつ試験しけん条件じょうけん適用てきようすることの困難こんなんなどを理由りゆうに、見過みすごされてきた。

日本にっぽんでもディフィートストラテジーは問題もんだいされてきた。2011ねん6がついすゞ自動車ずじどうしゃフォワードがエンジン制御せいぎょのソフトウェアによってはいガス規制きせい無効むこうしている事実じじつ東京とうきょう発見はっけんして公表こうひょう[32]。これにより当該とうがい車種しゃしゅはリコールとなった[33]。この事態じたいおも国土こくど交通省こうつうしょうは「オフサイクルにおける排出はいしゅつガス低減ていげん対策たいさく検討けんとうかい」をげ、2012ねん3がつ30にち答申とうしんけている[34]。この答申とうしんもとづいた施策しさくとして2013ねん10がつ1にち、3.5tをえる貨物かもつ自動車じどうしゃにディフィートストラテジーを適用てきようすることを禁止きんしした[35]。ただしこの規制きせいでは乗用車じょうようしゃ適用てきようがいであり、その事実じじつはフォルクスワーゲンの問題もんだい顕在けんざいしたのち報道ほうどうされた[36]乗用車じょうようしゃ適用てきようがいとなっている理由りゆう国土こくど交通省こうつうしょうは「乗用車じょうようしゃ不正ふせいおこなわれるとは想定そうていしていなかった」ためと説明せつめいしている[37]

日野自動車ひのじどうしゃも2022ねんはいガス・燃費ねんぴ認証にんしょう手続てつづきで不正ふせい発覚はっかくし、ラインナップのほとんどが出荷しゅっか停止ていしとなった。

これらの不正ふせいは、ディーゼルエンジンがいかにはいガスを規制きせいないおさえるのがむずかしいかを物語ものがたっており、ディーゼルしゃそのものの先行さきゆきを不透明ふとうめいにする最大さいだい要因よういんでもある。

米国べいこく匹敵ひってきする自動車じどうしゃ市場いちばかかえるヨーロッパでは乗用車じょうようしゃ新車しんしゃ登録とうろくにおけるディーゼルしゃ割合わりあいは1990ねんには、フランス30%つよし、ドイツ・スペインやく15%、英国えいこく・イタリア6 - 7%とうで、西欧せいおう全体ぜんたいではじゅうすう%であったが、1999ねんには30%、2002ねんには40%と急上昇きゅうじょうしょう[38]、2013ねんには5わりえている。自動車じどうしゃメーカー各社かくしゃから小型車こがたしゃ排気はいきりょう1.4リットル前後ぜんこう)から2リットルちょうクラスまで様々さまざまなディーゼルしゃ提供ていきょうされている。フォルクスワーゲン、PSAルノー欧州おうしゅうフォードBMWダイムラー販売はんばい台数だいすうじゅん)では乗用車じょうようしゃ販売はんばいの6わりはディーゼルしゃとなっている。フィアットは5わり欧州おうしゅうGMオペル)は4わり日本にっぽん国内こくないでほとんどディーゼルを販売はんばいしていない日系にっけいメーカーでも欧州おうしゅう販売はんばいやく4わりはディーゼルしゃとなっている[39](2006ねん)。なおヨーロッパの乗用車じょうようしゃ販売はんばいにおける日本にっぽんしゃのシェアは2010ねん時点じてんやく1わりほどで、トップのトヨタでもだい9の4.4%でしかない[40]

21世紀せいきはい先述せんじゅつ各国かっこくなかでもフランスおよびスペインではディーゼル乗用車じょうようしゃ新車しんしゃ販売はんばいの70%にたっし、90ねんごろはまだ比率ひりつひくかったドイツ・英国えいこく・イタリアにおいても新車しんしゃ登録とうろく半数はんすう以上いじょうがディーゼルしゃとなり、2013ねんには西欧せいおう(EU 15カ国かこくとEFTA 3カ国かこく全体ぜんたいでも50%をえていた[41]東欧とうおうにおいては市場いちば自体じたい成長せいちょうちゅうであり、ディーゼルしゃ増加ぞうかすると予想よそうされていた。

西欧せいおう18カ国かこくでは2004ねん以降いこう毎年まいとし6-7ひゃくまんだいのディーゼル乗用車じょうようしゃ販売はんばいされていた[42]商用しょうようしゃにおいては乗用車じょうようしゃよりディーゼルの比率ひりつたかいので、自動車じどうしゃ全体ぜんたいでのディーゼルの比率ひりつはさらにおおきくなる。このディーゼルしゃたか普及ふきゅうりつから軽油けいゆガソリン需要じゅよう逆転ぎゃくてんしており、ディーゼルしゃよう燃料ねんりょうとして軽油けいゆのほかバイオディーゼル燃料ねんりょう開発かいはつすすんでいるが、ガソリンは域外いきがい輸出ゆしゅつという状況じょうきょうになっている[38]

欧州おうしゅうでは硫黄いおうぶんすくない軽油けいゆ使用しようされ[43]酸化さんか触媒しょくばいパティキュレートフィルター普及ふきゅうしている[44]。また欧州おうしゅう中心ちゅうしんとしたちょうていPM排出はいしゅつディーゼルしゃ・スーパークリーンディーゼルしゃなどの技術ぎじゅつ革新かくしんにより騒音そうおん低減ていげん煤煙ばいえん有害ゆうがい排出はいしゅつガス軽減けいげんしたとされていた。

しかし2015ねん9がつのフォルクスワーゲンの不正ふせい発覚はっかく以降いこうはディーゼルしゃおおきくシェアをとすこととなる。シュピーゲル報道ほうどうによれば、2016ねん9がつ23にちドイツ上院じょういんが、ガソリンしゃやディーゼルしゃなど温室おんしつ効果こうかガスを排出はいしゅつする現在げんざい主流しゅりゅう乗用車じょうようしゃを2030ねんまでに、欧州おうしゅう連合れんごう域内いきない販売はんばいできなくするように欧州おうしゅう委員いいんかいうなが決議けつぎおこなったことがかった[45]

2017ねんにはディーゼルしゃ新車しんしゃ販売はんばい半数はんすうめていた英国えいこくでは、2019ねんまでのたった2年間ねんかんにディーゼルしゃのシェアが27%にまで急落きゅうらくし、中古ちゅうこしゃ価格かかくはげしい値崩ねくずれをこした[46]

欧州おうしゅう日本にっぽんちが

編集へんしゅう

米国べいこく日本にっぽん窒素ちっそ化合かごうぶつ有害ゆうがいする[注釈ちゅうしゃく 7]のにたいし、欧州おうしゅうでは二酸化炭素にさんかたんそ排出はいしゅつりょう重要じゅうようする。

どう排気はいきりょう比較ひかくした場合ばあい、ディーゼルしゃほう燃焼ねんしょう効率こうりついためすくない燃料ねんりょうはしれること、また二酸化炭素にさんかたんそ排出はいしゅつりょうすくないこと、という利点りてんがあり、燃料ねんりょう価格かかくはガソリンと軽油けいゆとでは同一どういつもしくは軽油けいゆほうたかい(れいスイスでは軽油けいゆほうたかい)、という状況じょうきょうではありながらも手放てばなさいによりたか価格かかくれること、平均へいきんてき年間ねんかん2まんキロははしるため燃費ねんぴもとがとりやすいこと、低速ていそくからのトルクがふと日常にちじょう使用しようりやすいこと、といった使用しよう環境かんきょうじょう理由りゆうからディーゼルしゃ購入こうにゅうそうえている。

ただし「欧州おうしゅう問題もんだいになっている排気はいきガス問題もんだい」とは一部いちぶ日本にっぽんのマスコミであやまって報道ほうどうされたが(2006年度ねんど毎日新聞まいにちしんぶん報道ほうどう)、ディーゼルしゃによるものではなく、旧態きゅうたいガソリンしゃによるところがおおい。現在げんざいでも欧州おうしゅうでは触媒しょくばいのついていないくるま経済けいざいてき理由りゆうから使用しようしている家庭かていおおく、よって旧式きゅうしきガソリン・ディーゼルエンジンしゃ多数たすう走行そうこうしているのが原因げんいんである[よう出典しゅってん]ゆえたとえばイタリアのローマ、ミラノなどでは冬期とうきあいだにユーロ0などの旧式きゅうしきのエンジンのくるま使用しようしゅう条例じょうれい禁止きんししている。主流しゅりゅう使つかわれているヨーロッパのディーゼルエンジンはコモンレールしきであり、DPF普及ふきゅうしていることから、排出はいしゅつガスの観点かんてんからみるとガソリンしゃ遜色そんしょくがないはずであった。環境かんきょう規制きせい排出はいしゅつガス規制きせい)は、前述ぜんじゅつの「ユーロ5」がぜん新型しんがたしゃ適用てきようされるのが2011ねんから、さらに次世代じせだい規制きせいである「ユーロ6」が2015ねんからとなっている。メーカー各社かくしゃで、ユーロ5、ユーロ6に対応たいおうしたディーゼル乗用車じょうようしゃ開発かいはつをおよび発表はっぴょうすすめているが、フォルクスワーゲンの不正ふせい発覚はっかくにより、実際じっさいには米国べいこく規制きせいの40ばいえる汚染おせん物質ぶっしつしだなが不正ふせいなディーゼルエンジンしゃ流通りゅうつうしていることがあきらかとなった。

インドの自動車じどうしゃ市場いちば黎明れいめいにあり、2010ねんぜん自動車じどうしゃ保有ほゆう台数だいすうやく2,000まんだい軽量けいりょうしゃ[47]1,500まんだい重量じゅうりょうしゃ500まんだい)と米国べいこく2.4おくだいの1わり以下いか中国ちゅうごくの7,600まんだいやく4ぶんの1でしかなかったが、2030ねんにかけて乗用車じょうようしゃ保有ほゆう台数だいすうやく7ばいとなり1おくだいえるとの見通みとおしもされている[48]

インドは欧州おうしゅうぐディーゼル乗用車じょうようしゃ市場いちばであり、2012ねん乗用車じょうようしゃ新車しんしゃ登録とうろく半分はんぶんはディーゼルしゃとなっている[20]。インドでは排気はいきりょう1リットル以下いか[49]から1.4リットルクラスの小型こがたディーゼルしゃおお供給きょうきゅうされている。

2014ねん現在げんざいマルチ・スズキ自社じしゃ製品せいひん搭載とうさいするディーゼルエンジンをフィアットから調達ちょうたつしている。スズキでは、800ccクラスの2気筒きとうターボづけディーゼルエンジンを開発かいはつ[50]セレリオ搭載とうさい小型こがたむずかしいディーゼルエンジンでは、ダイハツ・シャレードフォルクスワーゲン・XL1などの1.0Lを下回したまわ史上しじょう最小さいしょう排気はいきりょう気筒きとうすうとなった。ただしこれは2021ねん生産せいさん終了しゅうりょうしている。

米国べいこく

編集へんしゅう

米国べいこく新車しんしゃ販売はんばい台数だいすうでは中国ちゅうごくかれたが、いまだに世界せかい最大さいだい自動車じどうしゃ保有ほゆうこく(2010ねん保有ほゆう台数だいすうは2おく4せんまんだい)である。くるま社会しゃかいであり自動車じどうしゃ必需ひつじゅひんであり、燃料ねんりょう高騰こうとうには他国たこく同様どうよう敏感びんかんであるが、他国たこくくらべガソリンがやすいためか西欧せいおうのディーゼルしゃ日本にっぽんのハイブリッドや軽自動車けいじどうしゃへのシフトのような顕著けんちょうごきはていない。

北米ほくべい都市とし大型おおがたしゃトラックバス)の利用りようがないサービス・ステーションでは軽油けいゆ販売はんばいしない店舗てんぽがほとんどである。

米国べいこくでは石油せきゆ高騰こうとうすると大型おおがた乗用車じょうようしゃフルサイズピックアップ/SUVなどのだい排気はいきりょうくるま販売はんばい一時いちじてき低迷ていめいするが、2013ねんにはフルサイズピックアップがもっとれた自動車じどうしゃとなり、ハイブリッドしゃ小型車こがたしゃ販売はんばい低迷ていめいしている[51]

米国べいこくではフォルクスワーゲンアウディふくめたほぼすべての車種しゃしゅでディーゼルを提供ていきょうするなどディーゼル乗用車じょうようしゃ先行せんこうしており、2013ねんには販売はんばい台数だいすうはじめて10まんだいえた。これはフォルクスワーゲンのそう販売はんばい台数だいすうやく4ぶんの1である。米国べいこくでもディーゼルしゃ燃費ねんぴ割高わりだか車体しゃたい価格かかくも1-2ねん回収かいしゅうでき、より堅牢けんろうつくられていることから長持ながもちし、中古ちゅうこしゃ価格かかくどうクラスのガソリンしゃよりたかいなどの認識にんしきひろまりつつある[52][53]

2013ねんそう新車しんしゃ販売はんばいやく1 %がディーゼルしゃひく比率ひりつであるが、欧州おうしゅうメーカーについで米国べいこくメーカーによるディーゼルしゃ投入とうにゅう予定よていされており、2017ねんにはディーゼルしゃは60車種しゃしゅたっし、2018ねんには小型こがた乗用車じょうようしゃ市場いちばではシェア10 %になるとの予測よそくされている[20]

中国ちゅうごく

編集へんしゅう

やく2せんまんだい世界せかい最大さいだい自動車じどうしゃ市場いちばであるが、2012ねんのディーゼル乗用車じょうようしゃ世界せかいシェアはやく1%でしかない[20]中国ちゅうごくでは自動車じどうしゃ普及ふきゅうりついまだにひくく、人口じんこう日本にっぽんの10ばい以上いじょうであるが2010ねん保有ほゆう台数だいすう日本にっぽんとほぼおなじ76ひゃくまんだいであった[48]今後こんご自動車じどうしゃ市場いちばはさらに拡大かくだいしていき、しんエネルギーしゃ需要じゅようえ、ディーゼルしゃ普及ふきゅうしていくとかんがえられている。

なお中国ちゅうごくでは自動車じどうしゃ規格きかくはいらない(自動車じどうしゃとして集計しゅうけいされない)耕運機こううんき起源きげんのディーゼル機関きかん搭載とうさいの「のうようしゃ(农用车)」という貨物かもつ車輌しゃりょう区分くぶんがあり[54]、90年代ねんだい後半こうはんには年間ねんかんやく300まんだい販売はんばいされ、保有ほゆう台数だいすうは3000まんだいえていた。2000年代ねんだいはいのうようしゃから自動車じどうしゃへのえがすすんでおり、のうようしゃ販売はんばいは200まんだいまで減少げんしょう保有ほゆう台数だいすうも2400まんだいとなった[55]。この2-3ひゃくまんだいという年間ねんかん販売はんばい台数だいすうは、ディーゼルしゃおおきく普及ふきゅうしている西欧せいおうでの販売はんばい台数だいすうの6-7ひゃくまんだいくら無視むしできないおおきな数値すうちとなっている。

日本にっぽん

編集へんしゅう

日本にっぽんでは次世代じせだい自動車じどうしゃとしてハイブリッドEV燃料ねんりょう電池でんちしゃなどが注目ちゅうもくされており、また燃費ねんぴもとめて小型車こがたしゃとく軽自動車けいじどうしゃ)へのえもきている一方いっぽうで、ディーゼルしゃ人気にんきマツダのぞひく状況じょうきょうにある。

日本にっぽんにおけるディーゼル乗用車じょうようしゃ保有ほゆう台数だいすうは1970年代ねんだいまではごくわずかであったが、オイル・ショックの80年代ねんだいには乗用車じょうようしゃ保有ほゆう台数だいすうの1%から90年代ねんだいはじめにはやく8%まで上昇じょうしょうした。90年代ねんだいなかばには保有ほゆう台数だいすうやく5ひゃくまんだいでディーゼルしゃ割合わりあいは11%まで上昇じょうしょうしたが、はいガスが問題もんだいされたこともあって90年代ねんだい後半こうはんから減少げんしょうしている[38]。ディーゼル乗用車じょうようしゃ新車しんしゃ登録とうろくは2008ねんには3000だい、2010ねんやく1まんだい、2013ねんには推定すいてい8まんだいとなっており、ディーゼルしゃ比率ひりつ微々びびたるものである。ちなみに2014ねん10がつ時点じてん日本にっぽん販売はんばいされていたディーゼルしゃ国産こくさん7車種しゃしゅ輸入ゆにゅうしゃ11車種しゃしゅでしかかった[42]

小型こがた商用しょうようしゃではディーゼルの割合わりあいすこたかく、やく1わりがディーゼルしゃとなっている[20]

いすゞ自動車ずじどうしゃはかつて乗用車じょうようしゃ事業じぎょうおこなっていた時代じだい、ディーゼルしゃ販売はんばい主力しゅりょくとしていた。だい2オイルショックには、国内こくない販売はんばいされる乗用車じょうようしゃおおくにディーゼルエンジンが用意よういされ、新車しんしゃ販売はんばい台数だいすうのうち5%程度ていどをディーゼルしゃめた時期じきもあった。しかしながら、その需要じゅようバブル前後ぜんごにブームとなったRVひとしかぎられ、排気はいきガス規制きせい強化きょうか上述じょうじゅつ)とともに1990年代ねんだい後半こうはん以降いこうには販売はんばい急減きゅうげんした。2002ねんにいすゞは乗用車じょうようしゃ分野ぶんやから撤退てったいした。

2001ねん平成へいせい13ねん6がつ自動車じどうしゃから排出はいしゅつされる窒素ちっそ酸化さんかぶつ特定とくてい地域ちいきにおける総量そうりょう削減さくげんとうかんする特別とくべつ措置そちほう改正かいせい自動車じどうしゃNox・PMほう施行しこう[56]

2002ねん平成へいせい14ねん10月改正かいせい自動車じどうしゃNox・PMほうもとづく排出はいしゅつ基準きじゅん適合てきごうしない使用しよう過程かていしゃ車種しゃしゅ規制きせい開始かいし[57]

2003ねん平成へいせい15ねん5月日本にっぽん自動車じどうしゃ輸送ゆそう技術ぎじゅつ協会きょうかいいて排出はいしゅつ基準きじゅん適合てきごうしない使用しよう過程かていしゃはいガス分析ぶんせき基準きじゅん適合てきごう確認かくにん[58]

2007ねん平成へいせい19ねん9月しん長期ちょうき規制きせいどう)が継続けいぞく生産せいさんしゃにも適用てきよう開始かいし当初とうしょ新規しんき生産せいさんしゃのみが対象たいしょう)された。それに先立さきだ同年どうねん7がつトヨタ・ランドクルーザープラド(ディーゼル仕様しよう)の販売はんばい終了しゅうりょうをもって、日本にっぽん国内こくない販売はんばいされる日本にっぽんしゃ乗用車じょうようしゃ)のディーゼル乗用車じょうようしゃ消滅しょうめつした。その1ねんあまり、しん長期ちょうき規制きせい適合てきごうしたディーゼル乗用車じょうようしゃ日本にっぽんしゃには存在そんざいしておらず、輸入ゆにゅうしゃふくめたすべての乗用車じょうようしゃのうち、当時とうじ販売はんばいされたのはメルセデス・ベンツ・Eクラス 320CDI新長しんちょう規制きせい適合てきごう[59]のみとなり。トヨタ[4]、マツダ[5]などかくメーカーが規制きせい対応たいおうしたディーゼル乗用車じょうようしゃ開発かいはつすすめている状況じょうきょうであった。

2008ねん平成へいせい20ねん9月4にち日産自動車にっさんじどうしゃが、しん長期ちょうき規制きせいし、ポスト新長しんちょう規制きせいをもクリアするエクストレイルのクリーンディーゼルしゃ日本にっぽん仕様しよう)を発表はっぴょう同月どうげつ18にちより発売はつばい開始かいしし、日本にっぽんのディーゼル乗用車じょうようしゃ復活ふっかつげた。これにもちいられたエンジンは、ルノーせいM9Rがた日本にっぽん市場いちば対応たいおうさせたものである(2015ねん2がつ販売はんばい終了しゅうりょう)。

2008ねん平成へいせい20ねん10月1にち三菱自動車みつびしじどうしゃ現行げんこうしん長期ちょうき規制きせい対応たいおうしたディーゼルエンジンパジェロ発売はつばいした(れい元年がんねん9がつ販売はんばい終了しゅうりょう)。

2012ねん2がつマツダは、後処理あとしょり装置そうち使用しようせず、ポスト新長しんちょう規制きせい適合てきごうできるエンジン、SKYACTIV-D搭載とうさいしたCX-5発売はつばいし、以降いこう幅広はばひろくラインナップした。2014ねん9がつ、マツダ・SKYACTIV-D搭載とうさいしゃ国内こくない販売はんばい累計るいけい10まんだい達成たっせい[60][61]。2019ねんには50まんだい突破とっぱした[62]

2019ねん三菱みつびしエクリプスクロスにディーゼルエンジン搭載とうさいしゃ設定せっていしたが、認知にんち不足ふそくもあり販売はんばい低迷ていめい。その、2020ねん12月のPHEVしゃ追加ついか同時どうじ廃止はいしされた[63]

2022ねんにマツダはCX-60にディーゼルの直列ちょくれつ6気筒きとうしん開発かいはつした。乗用車じょうようしゃよう国産こくさん直列ちょくれつ6気筒きとうとしては、2007ねんにトヨタが生産せいさん終了しゅうりょうして以来いらい復活ふっかつとなる。

韓国かんこく

編集へんしゅう

韓国かんこくでは、近年きんねん、ディーゼル自動車じどうしゃ人気にんきたかまっており、2013ねん新車しんしゃ登録とうろくすうでは、全体ぜんたいの43.5%をディーゼル自動車じどうしゃめて最多さいたとなっている[64]韓国かんこく輸入ゆにゅうしゃ市場いちばでも、その傾向けいこうがあり、ディーゼル自動車じどうしゃ前面ぜんめんしたドイツ自動車じどうしゃメーカーは韓国かんこくでのシェアをおおきくばす一方いっぽう、ディーゼル自動車じどうしゃをあまり投入とうにゅうしていない日本にっぽんメーカーはシェアをとしつつある[65]

しかし、前述ぜんじゅつフォルクスワーゲンせいディーゼルしゃ一部いちぶ車種しゃしゅで、排出はいしゅつガスりょうがごまかされていた問題もんだい発覚はっかくしたのち韓国かんこくでのディーゼル車両しゃりょう人気にんきがっており、2017ねん7がつ新車しんしゃ販売はんばい台数だいすうでは、ガソリンしゃがディーゼルしゃ上回うわまわった。また、ハイブリッドカー得意とくいとする日本にっぽんしゃも、韓国かんこく市場いちばでのシェアをばしている[66][67]

スポーツようディーゼル

編集へんしゅう

ディーゼルエンジンはてい回転かいてんいきから発生はっせいするゆたかなトルクと、それをかしたてい回転かいてんいきでの長距離ちょうきょり巡航じゅんこうによって抜群ばつぐん燃費ねんぴ実現じつげんできる反面はんめん最高さいこう出力しゅつりょくやレスポンス、重量じゅうりょうなど運動うんどう性能せいのうおとてんおおいため、競技きょうぎ活躍かつやくできるフィールドはかぎられる。

市販しはんスポーツカー

編集へんしゅう
 
BMW・420D グランクーペ
 
プジョー・RCZ

市販しはんしゃでは欧州おうしゅうしゃ中心ちゅうしんグランツーリスモてき性格せいかくでスポーティな風味ふうみの、比較的ひかくてき大型おおがたセダンクーペSUV採用さいようされることがおお[68]が、2座席ざせきもしくは2+2座席ざせき純粋じゅんすいスポーツカーでは官能かんのうせいおもこう回転かいてんいき車速しゃそくびやフィーリング)の問題もんだいから、ディーゼルエンジンの採用さいようきわめてすくない。

その稀少きしょうれいのうちもっと有名ゆうめいなのはプジョー・RCZで、2.0リッター直列ちょくれつ4気筒きとうディーゼルターボが設定せっていされていた。フォルクスワーゲンは2011ねんに、XL1というディーゼルエンジンとプラグインハイブリッドわせた2座席ざせきクーペを250だい限定げんてい生産せいさんしたが、これは運転うんてんたのしむためではなく、燃費ねんぴ記録きろく当時とうじ技術ぎじゅつ最大限さいだいげん追求ついきゅうした結果けっかのクーペスタイルであった。その燃費ねんぴは0.9L/100km(111.1km/L)にもたっした。

アウディはル・マン24あいだのイメージを投影とうえいしてR8にディーゼルVがた12気筒きとう搭載とうさいしたコンセプトカーを発表はっぴょうしたり[69]初代しょだいトヨタ・86/スバル・BRZにもディーゼルエンジンを搭載とうさいする初期しょき構想こうそうがあったとかされていたりしているが[70]、いずれも発売はつばいにはいたっていない。

少量しょうりょう生産せいさんのメーカーでは、英国えいこくのトライデントしゃが「イケニ」というV8ディーゼルのスーパーカーを2014ねん発売はつばいしている[71]

 
1931ねんうえ)と1950ねんした)のカミンズ・ディーゼル・スペシャル

はじめてのだい舞台ぶたいでの登場とうじょうは1931ねんインディ500で、当時とうじヨットようディーゼルで成功せいこうしていたカミンズ[注釈ちゅうしゃく 8]が85馬力ばりきの、船舶せんぱくよう361立法りっぽうインチ(5.9リッター)4気筒きとう自然しぜん吸気きゅうきディーゼルを搭載とうさいした「カミンズ・ディーゼル・スペシャル」を投入とうにゅうした。燃費ねんぴさをかしていちもピットストップせずに完走かんそうたすというインディ500史上しじょう唯一ゆいいつ快挙かいきょ達成たっせいした。しかしエンジン重量じゅうりょうは726kg、マシンそう重量じゅうりょう1537kgというすさまじいおもさであり、最高さいこうそく時速じそく100〜110マイルがライバルの平均へいきんなかでこのマシンは96.7マイルしかず、予選よせん最下位さいかい[注釈ちゅうしゃく 9]決勝けっしょう13わっている[72][73]。1934ねんにはルーツがたスーパーチャージャー装備そうびうえ4ストローク仕様しよう2ストローク仕様しようの2だい体制たいせい挑戦ちょうせん前者ぜんしゃ予選よせん22決勝けっしょうはトルクにトランスミッションがえられずリタイア、後者こうしゃ予選よせん29決勝けっしょうは200しゅうはしりきったマシンのうち最下位さいかいとなる12完走かんそうした[注釈ちゅうしゃく 10][74]

1949ねんル・マン24あいだにデレトレス兄弟きょうだいGMCのトラックのものを流用りゅうようし、はじめてディーゼル(4.4リッター直列ちょくれつ6気筒きとう、70馬力ばりき)で参戦さんせんしたが、123しゅう燃料ねんりょうまりが原因げんいんでガスかけ、エンストをこした。スターターモーターを駆使くししてなんとかさいスタートしてピットにもどるが、このあいだにバッテリーがれて結局けっきょく完走かんそうにはいたらなかった[75][76]

1950ねんにカミンズ・ディーゼル・スペシャルがインディ500にさい登場とうじょう[注釈ちゅうしゃく 11]緑色みどりいろのマシンは「グリーン・ホーネット」とあだされた。4ストロークディーゼルならばガソリンのばいおおきさにできるという規則きそく利用りようし、6.6リッター直列ちょくれつ6気筒きとう+ルーツがたスーパーチャージャーで公称こうしょう380馬力ばりき発生はっせい。エンジン重量じゅうりょうは390kgにまでおさえられた。しかし予選よせんしたから2番目ばんめ決勝けっしょうでは52しゅうでエンジンとスーパーチャージャーのトラブルでリタイアした。

そのカミンズ兄弟きょうだい開発かいはつ支援しえんくわわり、スーパーチャージャーにわりインディ500史上しじょうはつのターボチャージャーを投入とうにゅうしたり、これまたはつ風洞ふうどう実験じっけんおこなうなどの本格ほんかくてき改良かいりょうかさねた。リベンジとなった1952ねんってわってコースレコードとなる139.104マイルを記録きろくし、ポールポジション獲得かくとくしている[注釈ちゅうしゃく 12]。しかしトルクにくわえて相変あいかわらず重量じゅうりょうすさまじい(1,406kg)[注釈ちゅうしゃく 13]ためタイヤへの負担ふたんおおきく、タイムアタックひだり2ほんはほぼせんれていたという。決勝けっしょう給油きゅうゆでもけたが、タイヤ交換こうかんのためにあえて燃料ねんりょうタンクをかるくしピットストップする作戦さくせんった。ひどいターボラグになやまされスタートは出遅でおくれ8げたが、その5までげた。しかし70しゅうでターボからくろけむりがり、リタイアとなった。原因げんいんはターボチャージャーの位置いちわるく(ふかかんがえずにフロントグリルのおく下部かぶ設置せっちしたという)、タイヤカスをんでふさがってしまったことであった[77]。ディーゼルしゃのインディ500参戦さんせんはこれが最後さいごとなっているが、一部いちぶ車両しゃりょう現在げんざい動態どうたい保存ほぞんされている。

 
記録きろく挑戦ちょうせんのためのプジョー・404

1962ねんにプジョーはピニンファリーナ委託いたくし、404のコンバーチブルモデルをベースとした、奇妙きみょう形状けいじょうのシングルシーターを製作せいさく。これはディーゼルが耐久たいきゅうせい経済けいざいせいのみならず、高速こうそく性能せいのうにもすぐれることをらしめるための車両しゃりょうであった。最初さいしょ大型おおがたしゃよう2.2リッターディーゼルをせてモンテリ・レーストラックで31あいだ・5,000kmを走行そうこうし、平均へいきん速度そくど160km/hを達成たっせいした。その2週間しゅうかんには市販しはんの404にも搭載とうさいしている2.0リッターディーゼルにかわそうして、平均へいきん53びょうのピットインを27かいこなして72あいだ・11,627kmを走破そうは全開ぜんかい走行そうこうゆえに燃費ねんぴは8.3km/L程度ていどだったが、平均へいきん速度そくどは161km/hをえた。このかい挑戦ちょうせんえた記録きろくは40にもたっしたとされる[78]

市販しはん乗用車じょうようしゃにディーゼルがひろ普及ふきゅうはじめた1970年代ねんだいに、ツーリングカーレースでの使用しようられはじめるようになった。1978ねんニュルブルクリンク24あいだレースにディーゼルのフォルクスワーゲン・ゴルフんだプライベーターのチーム代表だいひょうは、「耐久たいきゅうレースはディーゼルしゃにとって有益ゆうえき応用おうよう分野ぶんや」であり、「主催しゅさいしゃ競技きょうぎしゃ今後こんごこのことを考慮こうりょする必要ひつようがある」とかたった[79]

 
ニュル耐久たいきゅうシリーズのBMW・135D

90年代ねんだいにはきゅうとのわせによりディーゼルが次世代じせだい環境かんきょう技術ぎじゅつとして注目ちゅうもくされはじめ、スパ・フランコルシャン24あいだでは「エコテック」クラスが創設そうせつされ、フォルクスワーゲン・ゴルフルノー・メガーヌBMW・3シリーズなどのディーゼル車両しゃりょう参戦さんせんした。とくにフォルクスワーゲンとBMWはワークス体制たいせいいており、1997ねんには3-4をディーゼルしゃめた[80]

1998ねんにはBMW・320Dが、当時とうじスーパーツーリング規定きていがメインだったニュルブルクリンク24あいだ参戦さんせん。2.0リッター直列ちょくれつ4気筒きとうで200馬力ばりき/400Nmという、トルクゆたかだが力不足ちからぶそくなスペックをおぎなうため、燃費ねんぴさをかしたピット戦略せんりゃく駆使くし。ハイギアード志向しこうなドライビングとあわせ、4あいだに1という圧倒的あっとうてき給油きゅうゆすくなさで開始かいし6あいだには1-2体制たいせいきずいた。1だいは35しゅうでリタイアしたが、もう1だいは2じつに6しゅうけてディーゼルしゃはつ総合そうごう優勝ゆうしょうおさめた[81][82]翌年よくねん以降いこうはスーパーツーリング規定きてい終焉しゅうえんでGTカーの時代じだいとなり、さすがに総合そうごう優勝ゆうしょうあらそえなくなったが、2006ねんにBMW・120Dがおな戦略せんりゃく総合そうごう5好成績こうせいせきおさめている。

 
2011ねんアウディ・R15 TDI手前てまえ)vsプジョー・908後方こうほう2だい

00年代ねんだいなかば〜2010年代ねんだいなかばになると、市販しはんしゃ市場いちばにおけるディーゼルの流行りゅうこう反応はんのうし、レース運営うんえいもメーカーをむためにディーゼル規定きてい策定さくてい大幅おおはば緩和かんわしたおかげで、いくつかディーゼルレーシングカー登場とうじょうした。2006ねんアウディ・R10 TDIル・マン24あいだレース出場しゅつじょう。1100Nmものトルクと、それにえたうえでレーシングカーにせられるだけのサイズのトランスミッションそなえたこのマシンは、ディーゼルしゃはつ優勝ゆうしょう記録きろくした。

これにプジョーもディーゼルのプジョー・908 HDi FAPかい、2014ねんまで9ねん連続れんぞくでル・マン勝者しょうしゃはディーゼルしゃという時代じだいきずいた。とくに2008ねんル・マンでは、トップ6をりょうメーカーのディーゼルしゃめた。りょうメーカーとも馬力ばりきをガソリンしゃのレベルにまでげるため排気はいきりょう規則きそく上限じょうげんの5.5リッターまで拡大かくだいし、かく気筒きとう負荷ふかかるくするためにVがた12気筒きとうにまで気筒きとうし、あと徐々じょじょ気筒きとうすうらすような進化しんかげた[注釈ちゅうしゃく 14]。また2006〜2011ねんあいだに、気筒きとうあたりの公称こうしょう馬力ばりきはアウディの場合ばあいで54→90とじつに1.66ばいにまで進歩しんぽした[83]

 
2008ねんWTCCジャパンのセアト・レオンTDI。ボンネットにディーゼルパワー!かれている。

2007〜2011ねんまでのWTCC世界せかいツーリングカー選手権せんしゅけん)でもスーパー2000姉妹しまい規定きていとしてディーゼル2000が施行しこうされた。最大さいだい出力しゅつりょくはガソリンとどう程度ていどでトルクは100Nm以上いじょうまさるが、最低さいてい重量じゅうりょうは30kgおも設定せっていされた。元々もともと前輪ぜんりん駆動くどううえおもいディーゼルときゅう・インタークーラーるいせるため、さらにフロントヘビーになってしまうことで活躍かつやく疑問ぎもんされたが、フォルクスワーゲン・ゴルフ兄弟きょうだいしゃがベースのセアト・レオン TDIが、2008〜2009ねんとドライバー/マニュファクチャラー双方そうほうで2連覇れんぱ達成たっせいしている。FIA世界せかい選手権せんしゅけんでディーゼルがタイトルを獲得かくとくしたはつ事例じれいであった。なおディーゼルを採用さいようしたのは商業しょうぎょうてき理由りゆう以外いがいにも、レオンは元々もともと直線ちょくせん速度そくど弱点じゃくてんだったため、これを解決かいけつする意味いみもあったとされる[84]。このレオンはBTCC(イギリスツーリングカー選手権せんしゅけん)でも活躍かつやくした。

 
MAZDA6とLMP2に搭載とうさいされた、マツダのレーシングディーゼル

またマツダも2013ねんロレックス・スポーツカー・シリーズ(グランダム)にディーゼルのMAZDA6参戦さんせんし、GXクラスの年間ねんかんタイトルを獲得かくとくする活躍かつやくせた。

しかしこれほどの栄華えいがほこっていたにもかかわらず、ディーゼルしゃは2010ねん前後ぜんこうにはすでにエントラントたちの人気にんきうしないつつあった。ニュル24あいだでは2009ねんからディーゼルしゃ専用せんようのD1T〜D4Tクラスを導入どうにゅうしたが、すぐに台数だいすう不足ふそくでクラスが成立せいりつしなくなり、2014ねん以降いこうはAT(代替だいたいエネルギー)くるまクラスに吸収きゅうしゅうされている。

WTCCではセアト以外いがいにディーゼルを投入とうにゅうするメーカーはいなかったうえに、ガソリンとの技術ぎじゅつてき均衡きんこうたもつのがむずかしく、まいせんのように規則きそくのバランスをめぐって侃々諤々かんかんがくがく議論ぎろんかえされた。セアトが2009ねん経営けいえい見直みなおしのためワークス撤退てったいしたのちの2013ねんからディーゼル2000は廃止はいしされ、ガソリンのダウンサイジングターボ規定きていへと移行いこうした。

またル・マンでもアウディとプジョー以外いがいにディーゼルで参入さんにゅうするメーカーはく、プライベーターでもりょうメーカーに先立さきだって2004ねんにローラ・B2K/10でこころみはされるが、トランスミッションがディーゼルのトルクにえられなかった。メーカー参入さんにゅう誘因ゆういん同時どうじ障壁しょうへきにもなっていたディーゼルは年々ねんねん規制きせい強化きょうかされていった。

経営けいえいなんのプジョーは2011ねんまでで撤退てったい。そして2012ねんWEC(世界せかい耐久たいきゅう選手権せんしゅけん)の発足ほっそくともない、ハイブリッド規定きてい導入どうにゅうされて以降いこう、バッテリーをおおきくしやすい軽量けいりょうなガソリンぜいされるようになり、アウディは徐々じょじょ覇権はけんうしなっていった[85]。マツダはグランダムが消滅しょうめつした2014ねんからプロトタイプクラスに転身てんしんし、LMP2車両しゃりょうにディーゼルを搭載とうさいしてIMSAに参戦さんせんするが、テールエンダーがてい位置いちであった。2016ねん北米ほくべいマツダは、ディーゼルが禁止きんしとなるしんDPi規定きてい見越みこしてガソリンターボへ変更へんこう[86]同年どうねんまつにアウディはル・マンから撤退てったい。こうしてディーゼルはサーキットのだい舞台ぶたいから姿すがたした。

2023ねん現在げんざいはWECもIMSAもディーゼルは禁止きんしされている。ツーリングカーのTCRやニュル24あいだ代替だいたいエネルギーしゃクラスでは認可にんかされているものの、前者ぜんしゃ実際じっさいにディーゼルで公認こうにん取得しゅとくした車両しゃりょうはなく、後者こうしゃも2010年代ねんだい後半こうはんからディーゼルでエントリーするチームがくなっている。唯一ゆいいつスーパー耐久たいきゅう試験しけんしゃクラスでマツダがバイオディーゼル車両しゃりょう開発かいはつのためにはしらせている程度ていどとどまっている。

ラリーレイド

編集へんしゅう
 
フォルクスワーゲン・レーストゥアレグ
 
MINI・ジョン・クーパー・ワークス・バギー
 
AXCRの三菱みつびし・トライトン

ダカール・ラリーよんりん部門ぶもんのプロトタイプクラスでは、97ねんきゅうきガソリンエンジンが禁止きんしされて以降いこう、ディーゼルターボの採用さいよう増加ぞうかした。クロスカントリーカーはもともとのくるまじゅうおもいことや、急坂きゅうざかおお砂丘さきゅうではてい回転かいてんいきゆたかなトルクが発生はっせいする特性とくせい有利ゆうりとなること、おな理由りゆうからシフト回数かいすうすくなくなること、てい燃費ねんぴゆえ燃料ねんりょうタンクを軽量けいりょうにできる[注釈ちゅうしゃく 15]こと、さらに標高ひょうこうすうせんmきゅう高地こうちでも自然しぜん吸気きゅうきのような出力しゅつりょく減少げんしょうなやまされない[注釈ちゅうしゃく 16][87]。ことなどからディーゼルターボがてきしているとかんがえられるようになった。

これによりフォルクスワーゲン/セアトX-raidBMW/MINI)、フィアットプジョーといった、サーキットでもディーゼルで活躍かつやくしたブランドやそのグループ企業きぎょう新規しんき参入さんにゅうし、三菱自動車みつびしじどうしゃも2008ねんパジェロからレーシングランサーえたさいにディーゼルへ移行いこうした。また独立どくりつけいでもシュレッサーSMG、ドスード、マクレー、ボウラーなどディーゼルをもちいるチームは多数たすう存在そんざいした。2003ねん〜2004ねんにかけてX-raid BMWがディーゼルしゃとしてはじめてステージ勝利しょうり表彰台ひょうしょうだい獲得かくとくし、2009ねんにはフォルクスワーゲン・レーストゥアレグがディーゼルしゃとして総合そうごう優勝ゆうしょう達成たっせい。その2021ねんまでの12年間ねんかんで、ガソリンしゃ優勝ゆうしょうできたのは1のみであった。

またレーストゥアレグは2007ねんのバハ500で、いち給油きゅうゆせずはしるという快挙かいきょ達成たっせいしている。

しかしディーゼルエンジンは威力いりょく最大限さいだいげんすための開発かいはつ運用うんようのコストがたかく、信頼しんらいせい確保かくほするためにも2〜3ステージごとにインジェクターをオーバーホールしなければならないなどかね相当そうとうにかかるものだった[88][89]。そのためプライベーターはもちろんワークスでも三菱みつびし日産にっさん、トヨタ、フォードルノー/ダチア双竜そうりゅう自動車じどうしゃのようにあえてていコストで信頼しんらいせい確保かくほしやすく、最大さいだいトルク自体じたいはディーゼルにおとらず、こう回転かいてんいき最高さいこう速度そくど勝負しょうぶできる特性とくせいの、だい排気はいきりょうガソリン自然しぜん吸気きゅうきエンジンでいどむチームはおおかった。これで三菱みつびしは2007ねんまでフォルクスワーゲンの挑戦ちょうせん退しりぞつづけて空前絶後くうぜんぜつごのダカール7連覇れんぱ達成たっせいし、トヨタは2019ねんにX-raidをやぶってダカールはつ優勝ゆうしょうかざった。

規則きそくがディーゼルに有利ゆうりすぎるというこえも00年代ねんだいなかばからがりつづ[90][91][92]、2010ねんごろには均衡きんこうにむけて吸気きゅうきリストリクター調整ちょうせいがされるようになった[注釈ちゅうしゃく 17][93][94][95]。しかしディーゼルターボの特性とくせいは3,000〜5,000mきゅう高地こうちステージが存在そんざいした南米なんべい開催かいさい時代じだい(2009〜2019ねん)の環境かんきょう完全かんぜんにマッチしていたこと、2016〜2021ねん強力きょうりょく戦闘せんとうりょく発揮はっきしていた二輪にりん駆動くどうぜいがディーゼルエンジンを選択せんたくしていたこともあり、かけの実力じつりょくはなかなかうずまらなかった[注釈ちゅうしゃく 18][96][97][98]

吸気きゅうきリストリクターをめぐ幾度いくどもの議論ぎろんから、均衡きんこうをしやすくするためにディーゼルを禁止きんしし、きゅうきガソリンエンジンのみとする規則きそく検討けんとうされた[99]最終さいしゅうてきにはディーゼルは維持いじされたが、開催かいさいサウジアラビア移転いてんしたのちの2021ねんきゅうきガソリンが解禁かいきんされ、2022ねん導入どうにゅうのグループT1+規定きていではディーゼルのほう最低さいてい重量じゅうりょうが40kgおも設定せっていされた。こうしたうごきから現在げんざいではガソリンターボのほう主流しゅりゅうとなりはじめ、ディーゼルは主要しゅようチームではX-raidと北京ぺきん汽車きしゃもちいる程度ていどとなっている。

北米ほくべいのSCORE(バハ1000など)のトロフィー・トラックでもディーゼルターボの使用しよう可能かのうだが、2008ねんにフォルクスワーゲンがル・マンのアウディのV12エンジンをせてんだ[100]以外いがいは、かぎられたかずのプライベーターが使用しようしている程度ていどである。北米ほくべい英雄えいゆうロビー・ゴードンがダカールでSCORE車両しゃりょうとしてたたかった二輪にりん駆動くどうハマー・H3もガソリン自然しぜん吸気きゅうきであった。

市販しはんしゃクラスではふるくから現在げんざいまで、メーカーわずディーゼル車両しゃりょうがよく使用しようされている。ダカールではトヨタ車体とよたしゃたいのTLC(チームランドクルーザー)が、1995ねんから現在げんざいまで一貫いっかんしてディーゼルエンジンのランドクルーザー参戦さんせんしている。またプロトタイプ車両しゃりょう参戦さんせんできないアジアクロスカントリーラリー(AXCR)では、日本にっぽんせい(いすゞ、三菱みつびし、トヨタ)のピックアップトラックたちがいまもディーゼルでたたかっている。

 
砂漠さばく疾走しっそうするカマズ・マスター
 
イタリアのローカルラリーに参戦さんせんするディーゼルの三菱みつびし・コルト
  • ラリーでは1933ねんに4気筒きとう自然しぜん吸気きゅうきディーゼルを搭載とうさいしたベントレーモンテカルロ登場とうじょう英国えいこくしゃなかではさい上位じょういとなる総合そうごう5えた。また1970年代ねんだいにはモンテカルロにフォルクスワーゲン・ゴルフシトロエン・CXのディーゼル仕様しようしゃがエントリーした。しかし競技きょうぎ主役しゅやくとはなれず、以降いこうはローカルラリーでたまにられる程度ていどとなった。2010年代ねんだいにはグループRりん駆動くどうくるま規定きていひとつであるR3に、ディーゼルエンジンの「R3D」が制定せいていされた。しかし公認こうにん取得しゅとくしたのはフィアット・グランデ プントだけで、目立めだった活躍かつやくいまま2020ねん前後ぜんこうのラリーピラミッドのさい編纂へんさんとともに削除さくじょされている。
 
500km/h以上いじょうたたしたディーゼルマックス
  • ドラッグレースでは重量じゅうりょうきゅうマシンによるディーゼルせんもんのカテゴリもあるものの、基本きほんてきには少数しょうすうである。トリプルターボの7.6リッター直列ちょくれつ6気筒きとうで3000馬力ばりきのドラッグスターも存在そんざいするが、1/4マイルのタイムは6びょう程度ていどである(4〜5びょうおおいドラッグスターでははやいとはえない)[101]
  • ディーゼルエンジンしゃ地上ちじょう最速さいそく記録きろくは、2006ねん英国えいこく建設けんせつ機械きかい製造せいぞう会社かいしゃJCBが開発かいはつした、ディーゼルマックスである。8.9mの全長ぜんちょうに、750馬力ばりきのパワーショベルようディーゼル2搭載とうさいしたよんりん駆動くどうくるまで、1973ねんのレコードを150km/hも更新こうしんし、526.027km/h(往復おうふく平均へいきん復路ふくろのみでは533.342km/h)というしん記録きろくてた[102]
  • ディーゼルエンジンは廃油はいゆから精製せいせいしたバイオ燃料ねんりょう採用さいようしやすく、したがって環境かんきょうアピールもしやすいため、上記じょうきのうち00年代ねんだいからのマシンでバイオ燃料ねんりょう採用さいようするディーゼルエンジン車両しゃりょうおおかった。また2023ねんダカールでは、軽油けいゆ水素すいそぜた燃料ねんりょうのトラックも登場とうじょうした。ただしバイオ燃料ねんりょうはガソリンのレーシングカーにも普及ふきゅうしてきたため、このメリットはいまではげんじている。

製造せいぞうしゃ

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一覧いちらんは「ディーゼルエンジン参照さんしょう

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ ぎゃくに、構造こうぞうじょうガソリンエンジンほど回転かいてんすうげることができない。
  2. ^ ちょう拡散かくさん燃焼ねんしょうであるディーゼルエンジンは、シリンダーない燃料ねんりょう酸素さんそがあるかぎり燃焼ねんしょう膨張ぼうちょう)しつづけられ、シリンダー容積ようせき火炎かえん伝播でんぱ速度そくど支配しはいされない。
  3. ^ 2代目だいめダイハツ・シャレードのように、あえてガソリンエンジンとどう気筒きとうすうどう排気はいきりょうとしたれいもある。
  4. ^ 日本にっぽん平成へいせい22ねん排出はいしゅつガス規制きせい(ポスト新長しんちょう規制きせい)と欧州おうしゅうのEuro6。
  5. ^ マツダ・アクセラ場合ばあい、1.5Lガソリン自然しぜん吸気きゅうきと1.5Lディーゼルターボで100kgのがある。マツダ・CX-5場合ばあい、2.5Lガソリンターボと2.2Lディーゼルターボはおな重量じゅうりょうBMW・6シリーズのグランクーペの場合ばあい、3.0Lガソリンターボと3.0Lディーゼルターボで40kgのがある。
  6. ^ 国土こくど交通省こうつうしょうによる定義ていぎは「じつ使用しよう状態じょうたいにおいて、当該とうがい制御せいぎょ作動さどうすることにより1種類しゅるい以上いじょう排出はいしゅつガス成分せいぶん悪化あっか一定いってい時間じかん走行そうこうで20%以上いじょう)させるもの」
  7. ^ 日本にっぽん排出はいしゅつガス規制きせい適合てきごうしているガソリンちょく噴エンジン搭載とうさいした日本にっぽんしゃも、北米ほくべい基準きじゅんたしていないことがあった。
  8. ^ カミンズ創業そうぎょうしゃのクレシー・カミンズは、だいいちかい勝者しょうしゃレイ・ハルーンのピットクルーをつとめていたことがあった。
  9. ^ 本来ほんらいであれば予選よせんちのおそさであったが、賞金しょうきんしという条件じょうけんしたゆるされた特認とくにん車両しゃりょうであったこと、最低さいてい時速じそく80マイルはクリアしていたことで決勝けっしょう出走しゅっそうみとめられた。なお当時とうじ世界せかい恐慌きょうこう影響えいきょうがレースかい直撃ちょくげきしていたため、運営うんえい台数だいすうあつめに必死ひっしだったことがエントリーを可能かのうとした背景はいけいがある。
  10. ^ クレシー・カミンズは、2ストロークエンジンにひど不満ふまんっており、かえ途中とちゅうかわててしまったといううわさがあった。
  11. ^ インディ500史上しじょうはつディスクブレーキそなえていた。
  12. ^ ちで規制きせいされないように、フレッド・アガバシアンはわざとおそはしったという
  13. ^ 同年どうねん参戦さんせんしていたフェラーリ・375F1は850kg。
  14. ^ 2011ねんには3.7リッターに最大さいだい排気はいきりょう規制きせいされ、アウディはV6、プジョーはV8まで小型こがたした。
  15. ^ ガソリンのトヨタ・GRダカールハイラックスT1+は540L、プロドライブ・ハンターT1+は500L、ディーゼルのX-raid MINI・JCWラリー+は325Lの燃料ねんりょうタンクをそれぞれっている。タンクがそらになるにつれて重量じゅうりょうちぢまる。
  16. ^ ただし2009ねん大会たいかいでは、当時とうじ日産にっさんひきいていたグリン・ホールは「あなたは大会たいかいまえ高地こうちでの不利ふり心配しんぱいしていたそうですね」という質問しつもんたいして「高地こうちではガソリンしゃほうはやかった。ディーゼルのターボがオーバースピンしたからだとおもう」とこたえている。
  17. ^ 一般いっぱんてきな4ストローク4バルブの市販しはんしゃようエンジンベースのガソリン自然しぜん吸気きゅうきのリストリクターみち当初とうしょ32mmで、2008ねんは31mm、2009ねんは32mm2010ねんに34mm、2012ねんには36mm、2017ねんには38mmにまで拡大かくだい。ここにいたると(カルロス・サインツいわく)70〜80馬力ばりきもガソリンが優位ゆういとなったため、2019ねんは37mmにしぼられた。このあいだディーゼルは38mm〜39mmを往復おうふくするのみであった
  18. ^ 2019ねんにトヨタがてたのは、ペルー1こく開催かいさい高地こうちえて国境こっきょう横断おうだんする必要ひつようがなかったことがおおきな理由りゆうとされている。

出典しゅってん

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  1. ^ 電気でんき自動車じどうしゃ航続こうぞく距離きょりただしく認識にんしきしているひとは3わり以下いか? 購入こうにゅうは?”. マイナビニュース. (2018ねん6がつ12にち). https://news.mynavi.jp/article/20180612-645513/ 2019ねん6がつ8にち閲覧えつらん 
  2. ^ ダイハツ シャレード DE-TX 試乗しじょう 1983ねん当時とうじ次元じげんてい燃費ねんぴ 34km/L  徳大寺とくだいじ有恒ありつねのリバイバル試乗しじょう
  3. ^ DIESEL ENGINES BEGAN TO BE USED IN AUTOMOBILES IN THE 1930S.
  4. ^ クリーンディーゼル乗用車じょうようしゃ普及ふきゅう将来しょうらい見通みとおしにかんする検討けんとうかい だい1かい 議事ぎじ要旨ようし 経済けいざい産業さんぎょうしょう 審議しんぎかい研究けんきゅうかい 2004ねん平成へいせい16ねん9月30にち
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  6. ^ EUの2021ねん新車しんしゃ登録とうろく台数だいすう、HEVがディーゼルしゃえる、EVも躍進やくしん
  7. ^ 鈴木すずきたかしちょ 『エンジンのロマン』ISBN 978-4833415149
  8. ^ ディーゼルエンジンがターボばかりなのはなぜか——安藤あんどうしんの『テクノロジーのすべて』だい45だん
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  13. ^ ディーゼルしゃ排出はいしゅつガスと花粉かふんしょう関連かんれんかんする調査ちょうさ委員いいんかい報告ほうこくしょ (PDF)
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外部がいぶリンク

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