拡張 かくちょう 周期 しゅうき 表 ひょう (かくちょうしゅうきひょう、extended periodic table )とは、ドミトリ・メンデレーエフ の周期 しゅうき 表 ひょう を未知 みち の超 ちょう 重 じゅう 元素 げんそ の領域 りょういき まで論理 ろんり 的 てき に発展 はってん させた周期 しゅうき 表 ひょう である。未知 みち の元素 げんそ についてはIUPAC の元素 げんそ の系統 けいとう 名 めい に準 じゅん じて表記 ひょうき される。原子 げんし 番号 ばんごう 119(ウンウンエンニウム )以降 いこう の元素 げんそ は全 すべ て未 み 発見 はっけん である(発見 はっけん 報告 ほうこく 無 な し)。
現在 げんざい 発見 はっけん されているよりも大 おお きい原子 げんし 番号 ばんごう の元素 げんそ が発見 はっけん された場合 ばあい には、既存 きそん の周期 しゅうき と同様 どうよう に、その元素 げんそ の性質 せいしつ が周期 しゅうき 的 てき に繰 く り返 かえ される傾向 けいこう を示 しめ すようにレイアウトされた、追加 ついか の周期 しゅうき に置 お かれることになるだろう。追加 ついか される周期 しゅうき は、第 だい 7周期 しゅうき よりも多 おお くの元素 げんそ を含 ふく むことが予想 よそう される。これは、いわゆるgブロック が追加 ついか され、g軌道 きどう の一部 いちぶ が満 み たされた少 すく なくとも18個 こ の元素 げんそ が含 ふく まれると計算 けいさん されるからである。gブロックと第 だい 8周期 しゅうき を含 ふく む周期 しゅうき 表 ひょう は、1969年 ねん にグレン・シーボーグ によって提案 ていあん された[1] [2] 。 gブロックの最初 さいしょ の元素 げんそ は原子 げんし 番号 ばんごう 121である可能 かのう 性 せい があり、その場合 ばあい ウンビウニウム という系統 けいとう 名 めい を持 も つことになる。この領域 りょういき の元素 げんそ は、多 おお くの探索 たんさく にもかかわらず、合成 ごうせい されたり自然 しぜん 界 かい で発見 はっけん されたりしていない[3] 。
原子 げんし 構造 こうぞう の量子力学 りょうしりきがく 的 てき 記述 きじゅつ における軌道 きどう 近似 きんじ 計算 けいさん によれば、gブロックは部分 ぶぶん 的 てき にg軌道 きどう が充填 じゅうてん された元素 げんそ に対応 たいおう するが、スピン軌道 きどう 相互 そうご 作用 さよう により、原子 げんし 番号 ばんごう の高 たか い元素 げんそ では軌道 きどう 近似 きんじ 計算 けいさん の有効 ゆうこう 性 せい が大幅 おおはば に低下 ていか する。シーボーグの拡張 かくちょう 周期 しゅうき 表 ひょう では相対 そうたい 論 ろん 的 てき 効果 こうか を考慮 こうりょ していなかったため、重 おも い元素 げんそ が軽 かる い元素 げんそ のパターンに従 したが っていたが、相対 そうたい 論 ろん 効果 こうか を考慮 こうりょ したモデルでは異 こと なる。ペッカ・ピューッコ とBurkhard Frickeはコンピュータモデルを用 もち いてZ = 172までの元素 げんそ の配置 はいち を計算 けいさん し、いくつかの元素 げんそ が構造 こうぞう 原理 げんり からずれていることを発見 はっけん した[4] 。 原子 げんし 番号 ばんごう 120を超 こ える元素 げんそ の化学 かがく 的 てき ・物理 ぶつり 的 てき 性質 せいしつ の予測 よそく には不 ふ 確実 かくじつ 性 せい とばらつきがあるため、現在 げんざい のところ拡張 かくちょう 周期 しゅうき 表 ひょう における元素 げんそ の配置 はいち についてはコンセンサスが得 え られていない。
この領域 りょういき の元素 げんそ は、放射 ほうしゃ 性 せい 崩壊 ほうかい に対 たい して非常 ひじょう に不安定 ふあんてい であり、半減 はんげん 期 き が極 きわ めて短 みじか いアルファ崩壊 ほうかい や自発 じはつ 核分裂 かくぶんれつ を起 お こす可能 かのう 性 せい が高 たか いが、126番 ばん 元素 げんそ は自発 じはつ 核分裂 かくぶんれつ には耐 たい 性 せい があるがアルファ崩壊 ほうかい を起 お こす安定 あんてい の島 しま にあると考 かんが えられている。既知 きち の元素 げんそ 以降 いこう にも安定 あんてい の島 しま が存在 そんざい する可能 かのう 性 せい があり、その中 なか には164番 ばん 元素 げんそ を中心 ちゅうしん に理論 りろん 化 か されたものも含 ふく まれるが、閉 と じた核 かく の殻 から による安定 あんてい 化 か 効果 こうか がどの程度 ていど あるかは不明 ふめい である。予測 よそく される安定 あんてい の島 しま を超 こ えて元素 げんそ が物理 ぶつり 的 てき にどのくらい存在 そんざい 可能 かのう なのか、第 だい 8周期 しゅうき に終 お わりがあるのか、第 だい 9周期 しゅうき があるのかは明 あき らかではない。国際 こくさい 純正 じゅんせい ・応用 おうよう 化学 かがく 連合 れんごう (IUPAC)では、原子核 げんしかく が電子 でんし 雲 くも を形成 けいせい する時間 じかん である10-14 秒 びょう (0.01ピコ秒 びょう 、10フェムト秒 びょう )よりも寿命 じゅみょう が長 なが い元素 げんそ を存在 そんざい の定義 ていぎ としている[5] 。
1940年 ねん には、相対 そうたい 論 ろん 的 てき なディラック方程式 ほうていしき を単純 たんじゅん に解釈 かいしゃく すると、Z > 1/α あるふぁ ≈ 137の電子 でんし 軌道 きどう が問題 もんだい となることが指摘 してき されていた。137番 ばん 元素 げんそ より先 さき には中性 ちゅうせい 原子 げんし が存在 そんざい できず、電子 でんし 軌道 きどう に基 もと づく元素 げんそ 周期 しゅうき 表 ひょう はこの時点 じてん で破綻 はたん することが示唆 しさ されていた[6] 。 一方 いっぽう 、より厳密 げんみつ な分析 ぶんせき では、類似 るいじ の限界 げんかい をZ ≈ 173と計算 けいさん し、ここで1s電子 でんし 軌道 きどう がディラックの海 うみ に飛 と び込 こ むとした。173番 ばん 元素 げんそ を超 こ えて存在 そんざい できないのは中性 ちゅうせい 原子 げんし ではなく裸 はだか の原子核 げんしかく であり、周期 しゅうき 系 けい のさらなる拡張 かくちょう を妨 さまた げるものではないとしている。この臨界 りんかい 原子 げんし 番号 ばんごう を超 こ える原子 げんし を「超 ちょう 臨界 りんかい 原子 げんし 」と呼 よ ぶ。
アクチノイド より重 おも い元素 げんそ の存在 そんざい は既 すで に1895年 ねん には提案 ていあん されており、デンマークの化学 かがく 者 しゃ ユリウス・トムセン が、ウラン やトリウム を含 ふく む32元素 げんそ の周期 しゅうき (第 だい 7周期 しゅうき )は、化学 かがく 的 てき に不 ふ 活性 かっせい な原子 げんし 量 りょう 292の元素 げんそ で終 お わることを予測 よそく していた。これは、オガネソン で現在 げんざい 唯一 ゆいいつ 発見 はっけん されている同位 どうい 体 たい の原子 げんし 量 りょう 294に近 ちか い。1913年 ねん 、スウェーデンの物理 ぶつり 学者 がくしゃ ヨハネス・リュードベリ は、ラドン の次 つぎ の貴 き ガス は原子 げんし 番号 ばんごう 118であると同様 どうよう に予測 よそく し、ラドンより重 おも い同族 どうぞく 体 たい は Z = 168, 218, 290, 362, 460 であることを、純粋 じゅんすい に構造 こうぞう 原理 げんり より導 みちび き出 だ した。ニールス・ボーア は1922年 ねん に、ラドンの次 つぎ となる貴 き ガスの電子 でんし 構造 こうぞう を Z = 118 と予測 よそく し、また自然 しぜん 界 かい でウランより原子 げんし 番号 ばんごう が大 おお きい元素 げんそ が見 み られないのは、あまりにも不安定 ふあんてい だからであると指摘 してき した。ドイツの物理 ぶつり 学者 がくしゃ で技術 ぎじゅつ 者 しゃ でもあるリチャード・スウィン は、1926年 ねん に超 ちょう ウラン元素 げんそ についての予測 よそく を含 ふく むレビュー論文 ろんぶん を発表 はっぴょう し、安定 あんてい の島 しま という現代 げんだい の予測 よそく を先取 さきど りしていた。彼 かれ は1914年 ねん より、半減 はんげん 期 き は厳密 げんみつ には原子 げんし 番号 ばんごう とともに減少 げんしょう しないという仮説 かせつ を立 た て、Z = 98–102 と Z = 108–110 に長寿 ちょうじゅ 命 いのち の元素 げんそ があるかもしれないと示唆 しさ し、こうした元素 げんそ は地球 ちきゅう の核 かく 、鉄 てつ 隕石 いんせき 、あるいは宇宙 うちゅう 起源 きげん の物質 ぶっしつ がグリーンランド氷 ごおり 床 ゆか (英語 えいご 版 ばん ) の中 なか に閉 と じ込 こ められて存在 そんざい しているのではないかと推測 すいそく していた[7] 。1955年 ねん には、これらの元素 げんそ は超 ちょう 重 じゅう 元素 げんそ と呼 よ ばれるようになった[8] 。
未 み 発見 はっけん の超 ちょう 重 じゅう 元素 げんそ の性質 せいしつ について最初 さいしょ の予測 よそく がなされたのは1957年 ねん のことで、殻 から 模型 もけい の概念 がいねん が初 はじ めて検討 けんとう され、126番 ばん 元素 げんそ 近辺 きんぺん に安定 あんてい の島 しま が存在 そんざい することが理論 りろん 的 てき に示 しめ された[9] 。1967年 ねん にはより厳密 げんみつ な計算 けいさん が行 おこな われ、安定 あんてい の島 しま は当時 とうじ 未 み 発見 はっけん のフレロビウム (114番 ばん 元素 げんそ )を中心 ちゅうしん にしていることが理論 りろん づけられた。この研究 けんきゅう やその後 ご の研究 けんきゅう により、多 おお くの研究 けんきゅう 者 しゃ が自然 しぜん 界 かい での超 ちょう 重 じゅう 元素 げんそ の探索 たんさく や、加速器 かそくき での合成 ごうせい を試 こころ みるようになった[8] 。1970年代 ねんだい に超 ちょう 重 じゅう 元素 げんそ の多 おお くの検索 けんさく が行 おこな われたが、いずれも否定 ひてい 的 てき な結果 けっか だった。元素 げんそ 合成 ごうせい は、ウンビトリウム (Z = 123) を除 のぞ くウンビセプチウム (Z = 127) までの元素 げんそ で試 こころ みられ[10]
[11] [12] 、合成 ごうせい に成功 せいこう した最 もっと も重 おも い元素 げんそ は2002年 ねん のオガネソン 、最 もっと も新 あたら しい元素 げんそ の発見 はっけん は2010年 ねん のテネシン である[10] 。
一部 いちぶ の超 ちょう 重 じゅう 元素 げんそ は周期 しゅうき 表 ひょう の第 だい 7周期 しゅうき を超 こ えると予測 よそく されたため、これらの元素 げんそ を含 ふく む追加 ついか の第 だい 8周期 しゅうき が、1969年 ねん にグレン・シーボーグ によって最初 さいしょ に提案 ていあん された。このモデルは既存 きそん 元素 げんそ のパターンを継承 けいしょう しつつ、gブロックおよび121番 ばん 元素 げんそ から始 はじ まる超 ちょう アクチノイド系列 けいれつ を導入 どうにゅう し、今 いま までの周期 しゅうき よりも第 だい 8周期 しゅうき の元 もと 素数 そすう が増 ふ えている[1] [2] [8] 。しかしこれら初期 しょき の計算 けいさん では、周期 しゅうき 的 てき な傾向 けいこう を崩 くず し、単純 たんじゅん な予測 よそく が不可能 ふかのう になる相対 そうたい 論 ろん 的 てき な効果 こうか を考慮 こうりょ していなかった。
1971年 ねん 、ドイツの化学 かがく 者 しゃ Frickeは Z = 172 までの周期 しゅうき 表 ひょう を計算 けいさん し、いくつかの元素 げんそ が既存 きそん のパターンと異 こと なる特性 とくせい を持 も つことを発見 はっけん した。また、2010年 ねん にペッカ・ピューッコ が行 おこな った計算 けいさん でも、いくつかの元素 げんそ が予想 よそう とは異 こと なる振 ふ る舞 ま いをする可能 かのう 性 せい があるとされている[13] 。重 おも い元素 げんそ ほどより不安定 ふあんてい になると予測 よそく されているため、周期 しゅうき 表 ひょう が既知 きち の118元素 げんそ を超 こ えてどこまで拡張 かくちょう されるかは未知数 みちすう である。グレン・シーボーグは、実際 じっさい には核 かく の不安定 ふあんてい 性 せい のために、早 はや ければ Z = 120 付近 ふきん で周期 しゅうき 表 ひょう の終 お わりが来 く るのではないかと示唆 しさ している[14] 。
拡張 かくちょう 周期 しゅうき 表 ひょう の予想 よそう される構造 こうぞう
編集 へんしゅう
1969年 ねん にアメリカ の化学 かがく 者 しゃ グレン・シーボーグ が提案 ていあん した周期 しゅうき 表 ひょう である。第 だい 7周期 しゅうき までの法則 ほうそく に合 あ わせて、素直 すなお にGブロックを配置 はいち した形 かたち をしている。
1973年 ねん にドイツ の化学 かがく 者 しゃ Frickeが提案 ていあん した周期 しゅうき 表 ひょう である。
Period
s1
s2
1
1H
2He
p1
p2
p3
p4
p5
p6
2
3Li
4Be
5B
6C
7N
8O
9F
10Ne
3
11Na
12Mg
d1
d2
d3
d4
d5
d6
d7
d8
d9
d10
13Al
14Si
15P
16S
17Cl
18Ar
4
19K
20Ca
21Sc
22Ti
23V
24Cr
25Mn
26Fe
27Co
28Ni
29Cu
30Zn
31Ga
32Ge
33As
34Se
35Br
36Kr
5
37Rb
38Sr
f1
f2
f3
f4
f5
f6
f7
f8
f9
f10
f11
f12
f13
f14
39Y
40Zr
41Nb
42Mo
43Tc
44Ru
45Rh
46Pd
47Ag
48Cd
49In
50Sn
51Sb
52Te
53I
54Xe
6
55Cs
56Ba
57La
58Ce
59Pr
60Nd
61Pm
62Sm
63Eu
64Gd
65Tb
66Dy
67Ho
68Er
69Tm
70Yb
71Lu
72Hf
73Ta
74W
75Re
76Os
77Ir
78Pt
79Au
80Hg
81Tl
82Pb
83Bi
84Po
85At
86Rn
7
87Fr
88Ra
g1
g2
g3
g4
g5
g6
g7
g8
g9
g10
g11
g12
g13
g14
g15
g16
g17
g18
p1
p2
89Ac
90Th
91Pa
92U
93Np
94Pu
95Am
96Cm
97Bk
98Cf
99Es
100Fm
101Md
102No
103Lr
104Rf
105Db
106Sg
107Bh
108Hs
109Mt
110Ds
111Rg
112Cn
113Nh
114Fl
115Mc
116Lv
117Ts
118Og
8
119Uue
120 Ubn
121 Ubu
122 Ubb
123 Ubt
124 Ubq
125 Ubp
126Ubh
127 Ubs
128 Ubo
129 Ube
130 Utn
131 Utu
132 Utb
133 Utt
134 Utq
135 Utp
136 Uth
137 Uts
138 Uto
139 Ute
140 Uqn
141 Uqu
142 Uqb
143 Uqt
144 Uqq
145 Uqp
146 Uqh
147 Uqs
148 Uqo
149 Uqe
150 Upn
151 Upu
152 Upb
153 Upt
154 Upq
155 Upp
156 Uph
157 Ups
158 Upo
159 Upe
160 Uhn
161 Uhu
162 Uhb
163 Uht
164 Uhq|
9
165 Uhp
166 Uhh
167 Uhs
168 Uho
169 Uhe
170 Usn
171 Usu
172 Usb
2010年 ねん にペッカ・ピューッコ が提唱 ていしょう した周期 しゅうき 表 ひょう である[15] 。相対 そうたい 論 ろん 効果 こうか を考慮 こうりょ した理論 りろん 計算 けいさん によって電子 でんし 軌道 きどう の準 じゅん 位 い を8s<5g≤8p1/2 <6f<7d<9s<9p1/2 <8p3/2 であるとし、これに基 もと づいて172番 ばん 元素 げんそ (ウンセプトビウム)までの元素 げんそ を配置 はいち している。一部 いちぶ で原子 げんし 番号 ばんごう と配置 はいち が前後 ぜんご する。
8p1/2 (8p*)軌道 きどう に電子 でんし が満 み たされるブロック
8p3/2 軌道 きどう に電子 でんし が満 み たされるブロック
より簡易 かんい な表示 ひょうじ によるPyykkö の拡張 かくちょう 周期 しゅうき 表 ひょう [15] 。
This figure reprinted by permission from P. Pyykkö,PCCP 2011, 13, 161. @RSC.
ネフェドフ (ロシア語 ご 版 ばん ) 、Trzhaskovskaya、Yarzhemskiiは164番 ばん 元素 げんそ までの計算 けいさん を行 おこな い、結果 けっか を2006年 ねん に発表 はっぴょう した。ピューッコやFrickeらとは対照 たいしょう 的 てき に、彼 かれ らは第 だい 5周期 しゅうき 遷移 せんい 金属 きんぞく との電子 でんし 配置 はいち の類似 るいじ 性 せい に注目 ちゅうもく し、158番 ばん 元素 げんそ から164番 ばん 元素 げんそ は6族 ぞく から12族 ぞく ではなく、4族 ぞく から10族 ぞく の同族 どうぞく 体 たい であると考 かんが えた。RgとCnには、AuとHgとは異 こと なる電子 でんし 配置 はいち を反映 はんえい するためにアスタリスクが付 つ けられている(論文 ろんぶん では、これらは3次元 じげん に配置 はいち されているように描 えが かれている)。一方 いっぽう で、PtとDsの電子 でんし 配置 はいち の違 ちが いは顕著 けんちょ ではないとしている[16] 。
ネフェドフらの提案 ていあん した周期 しゅうき 表 ひょう (一部 いちぶ )
Cs
Ba
La–Lu
Hf
Ta
W
Re
Os
Ir
Pt
Au
Hg
Tl
Pb
Bi
Po
At
Rn
Fr
Ra
Ac–Lr
Rf
Db
Sg
Bh
Hs
Mt
Ds
Rg*
Cn*
Nh
Fl
Mc
Lv
Ts
Og
119
120
121–157
158
159
160
161
162
163
164
計算 けいさん 化学 かがく 者 しゃ のAndrey Kulshaは、2種類 しゅるい の拡張 かくちょう 周期 しゅうき 表 ひょう を提案 ていあん した。予想 よそう される化学 かがく 的 てき 性質 せいしつ に基 もと づき、第 だい 8周期 しゅうき の157~172番 ばん 元素 げんそ は、第 だい 5周期 しゅうき のイットリウムからキセノンまでの同族 どうぞく 体 たい として配置 はいち された[17] 。これはネフェドフらの2006年 ねん の計算 けいさん と一致 いっち する[16] 。Kulshaの最初 さいしょ の提案 ていあん (ピューッコの論文 ろんぶん 発表 はっぴょう 後 ご の2011年 ねん )[18] では、121~138番 ばん 元素 げんそ と139~156は2つの行 くだり (まとめて「Ultransition elements」と呼 よ ばれる)として分 わ けて配置 はいち された。5g18 電子 でんし 配置 はいち が満 み たされる前 ぜん と後 ご が、それぞれランタノイドとアクチノイドとの類似 るいじ に対応 たいおう している[17] 。彼 かれ の2番目 ばんめ の提案 ていあん (2016年 ねん )では、121~142番 ばん 元素 げんそ (5g軌道 きどう の影響 えいきょう による)はgブロックを形成 けいせい し、143~156番 ばん 元素 げんそ はアクチニウムからノーベリウムの下 した に配置 はいち されたfブロックを形成 けいせい する[19] 。
Kulshaが最初 さいしょ に提案 ていあん した拡張 かくちょう 周期 しゅうき 表 ひょう
Kulshaが2番目 ばんめ に提案 ていあん した拡張 かくちょう 周期 しゅうき 表 ひょう
ウンビセプチウムまでの第 だい 8周期 しゅうき 元素 げんそ は、ウンビトリウムを除 のぞ いて合成 ごうせい が試 こころ みられているが、成功 せいこう していない。
ウンウンエンニウム の合成 ごうせい が初 はじ めて試 こころ みられたのは、1985年 ねん にカリフォルニア州 しゅう バークレーにあるsuperHILAC加速器 かそくき で、アインスタイニウム 254の標的 ひょうてき にカルシウム 48イオンを衝突 しょうとつ させて行 おこな われた。
254 99 Es + 48 20 Ca → 302 119 Uue * → no atoms
原子 げんし は確認 かくにん されず,断 だん 面積 めんせき (核 かく 反応 はんのう を起 お こす割合 わりあい を表 あらわ す尺度 しゃくど )の限界 げんかい は300nb とされた[20] 。後 ご の計算 けいさん では、299 Uueと3個 こ の中性子 ちゅうせいし を生成 せいせい 物 ぶつ とする3n反 はん 応 おう の断 だん 面積 めんせき は、実際 じっさい にはこの上限 じょうげん の60万 まん 分 ぶん の1の0.5pbになるとされている[21] 。
ウンウンエンニウムは未 み 発見 はっけん の最 さい 軽量 けいりょう 元素 げんそ であり、ドイツとロシアによって合成 ごうせい 実験 じっけん の対象 たいしょう となった。 ロシアの実験 じっけん は2011年 ねん に行 おこな われたが、結果 けっか は公表 こうひょう されず、ウンウンエンニウム原子 げんし が確認 かくにん されなかったのではないかと考 かんが えられている。2012年 ねん 4月 がつ から9月 がつ にかけて、ドイツのダルムシュタット にある重 じゅう イオン研究所 けんきゅうじょ (GSI)で、バークリウム 249を標的 ひょうてき にチタン 50を衝突 しょうとつ させて295 Uueと296 Uueの同位 どうい 体 たい を合成 ごうせい する試 こころ みが行 おこな われた[22] [23] 。 理論 りろん 的 てき に予測 よそく される断 だん 面積 めんせき から、実験 じっけん 開始 かいし から5ヶ月 かげつ 以内 いない にウンウンエンニウム原子 げんし が合成 ごうせい されると予想 よそう されていた[24] 。
249 97 Bk + 50 22 Ti → 299 119 Uue * → 296 119 Uue + 3 1 0 n
249 97 Bk + 50 22 Ti → 299 119 Uue * → 295 119 Uue + 4 1 0 n
当初 とうしょ 、実験 じっけん は2012年 ねん 11月 がつ まで行 おこな われる予定 よてい であったが[25] 、テネシン の合成 ごうせい を確認 かくにん するために249 Bkのターゲットを利用 りよう するため(衝突 しょうとつ させるイオンをチタン50からカルシウム48に変更 へんこう )、早期 そうき に中止 ちゅうし された[26] 。 この249 Bkと50 Tiの反応 はんのう は、やや非対称 ひたいしょう であり[24] 、やや冷 つめ たい合成 ごうせい 反応 はんのう である[26] が、ウンウンエンニウムの生成 せいせい に最 もっと も好 この ましい実用 じつよう 的 てき な反応 はんのう であると予測 よそく されていた[23] (254 Esと48 Caの反応 はんのう の方 ほう が優 すぐ れているが、標的 ひょうてき 用 よう にミリグラム量 りょう の254 Esを準備 じゅんび するのは難 むずか しい[24] )。とはいえ、「銀 ぎん の弾丸 だんがん 」である48 Caから50 Tiへと変更 へんこう する必要 ひつよう があり、ウンウンエンニウムの収量 しゅうりょう は核 かく 融合 ゆうごう 反応 はんのう の非対称 ひたいしょう 性 せい に強 つよ く依存 いぞん しているため、期待 きたい される収量 しゅうりょう は約 やく 20分 ぶん の1になってしまう[24] 。
半減 はんげん 期 き が短 みじか いと予測 よそく されたため、GSIのチームはマイクロ秒 びょう 以内 いない に崩壊 ほうかい イベントを記録 きろく できる新 あたら しい「高速 こうそく 」機器 きき を使用 しよう した[23] 。ウンウンエンニウム原子 げんし は特定 とくてい されず、限界 げんかい 断 だん 面積 めんせき は70fbと考 かんが えられる[26] 。予測 よそく される実際 じっさい の断 だん 面積 めんせき は約 やく 40fbであり、これは現在 げんざい の技術 ぎじゅつ の限界 げんかい である[24] 。
ロシアのドゥブナ にあるドゥブナ合同 ごうどう 原子核 げんしかく 研究所 けんきゅうじょ (JINR)のチームは、2019年 ねん に新 あたら しい実験 じっけん 複 ふく 合体 がったい を用 もち いて、249 Bk+50 Ti反 はん 応 おう と249 Cf+50 Ti反 はん 応 おう を用 もち いたウンウンエンニウムとウンビニリウムの合成 ごうせい 実験 じっけん を開始 かいし することを計画 けいかく した[27] [28] 。日本 にっぽん の理化学研究所 りかがくけんきゅうしょ のチームも、248 Cm+51 V[29] の反応 はんのう と248 Cm+54 Crの反応 はんのう を用 もち いて、248 Cmを標的 ひょうてき とし2018年 ねん からこれらの元素 げんそ の試 こころ みを行 おこな うことを計画 けいかく していた[30] 。前者 ぜんしゃ について、2018年 ねん [29] から2019年 ねん 5月 がつ まで、その後 ご 設備 せつび を更新 こうしん され2020年 ねん から2021年 ねん 末 まつ まで実施 じっし された[31] 。
2006年 ねん に、249 Cfと48 Ca の反応 はんのう でオガネソン を得 え ることに成功 せいこう したドゥブナ合同 ごうどう 原子核 げんしかく 研究所 けんきゅうじょ (JINR)のチームは、58 Feと244 Puの原子核 げんしかく からウンビニリウム (120番 ばん 元素 げんそ )を作 つく ることを目指 めざ して、2007年 ねん 3月 がつ から4月 がつ にかけて同様 どうよう の実験 じっけん を開始 かいし した。ウンビニリウムの同位 どうい 体 たい は、アルファ崩壊 ほうかい の半減 はんげん 期 き がマイクロ秒 びょう のオーダーであると予想 よそう されている[32] [33] 。初期 しょき の分析 ぶんせき ではウンビニリウムの原子 げんし は生成 せいせい されず、エネルギーの限界 げんかい 断 だん 面積 めんせき は400fb という結果 けっか であった[34] 。
244 94 Pu + 58 26 Fe → 302 120 Ubn * → no atoms
ロシアのチームは、この反応 はんのう に再 さい 挑戦 ちょうせん する前 まえ に設備 せつび を更新 こうしん することを計画 けいかく していた[34] 。
2007年 ねん 4月 がつ 、ドイツのダルムシュタット にある重 じゅう イオン研究所 けんきゅうじょ (GSI)のチームは、ウラン 238とニッケル 64を用 もち いてウンビニリウムの生成 せいせい を試 こころ みた[35] 。
238 92 U + 64 28 Ni → 302 120 Ubn * → no atoms
原子 げんし は検出 けんしゅつ されず、このエネルギーでの断 だん 面積 めんせき は1.6pbであった。GSIは、2007年 ねん 4月 がつ から5月 がつ 、2008年 ねん 1月 がつ から3月 がつ 、2008年 ねん 9月 がつ から10月 がつ の3回 かい にわたり、より高 たか い感度 かんど で実験 じっけん を繰 く り返 かえ したが、いずれも否定 ひてい 的 てき な結果 けっか となり、断 だん 面積 めんせき の限界 げんかい 値 ち は90fbであった[35] 。
GSIでは、より多 おお くの放射 ほうしゃ 性 せい ターゲットを使用 しよう できるように装置 そうち を更新 こうしん した後 のち 、2010年 ねん 6月 がつ から7月 がつ 、および2011年 ねん に、より非対称 ひたいしょう な核 かく 融合 ゆうごう 反応 はんのう を試 こころ みた[36] 。
248 96 Cm + 54 24 Cr → 302 120 Ubn * → no atoms
このような反応 はんのう の収 おさむ 率 りつ は、その非対称 ひたいしょう 性 せい に強 つよ く依存 いぞん しているため、反応 はんのう の変化 へんか によってウンビニリウムの合成 ごうせい 確 かく 率 りつ が5倍 ばい になることが期待 きたい されていた[37] 。 その結果 けっか 、299 Ubnとその娘 むすめ 核 かく 295 Ogの予測 よそく されるアルファ崩壊 ほうかい のエネルギーと、そのまた娘 むすめ 核 かく である291 Lv の実験 じっけん 的 てき に知 し られている崩壊 ほうかい エネルギーに一致 いっち する3つの相関 そうかん 信号 しんごう が観測 かんそく されたが、これらの可能 かのう 性 せい のある崩壊 ほうかい の寿命 じゅみょう が予想 よそう よりもずっと長 なが く、結果 けっか を確認 かくにん することはできなかった[38] [39] [36] 。
2011年 ねん 8月 がつ から10月 がつ にかけて、GSIの別 べつ チームがTASCA施設 しせつ を使 つか って、さらに非対称 ひたいしょう な新 あたら しい反応 はんのう を試 こころ みた[40] [26] 。
249 98 Cf + 50 22 Ti → 299 120 Ubn * → no atoms
249 Cfと50 Tiの反応 はんのう は、その非対称 ひたいしょう 性 せい から[41] 、ウンビニリウムの合成 ごうせい に最 もっと も適 てき した実用 じつよう 的 てき な反応 はんのう であると予測 よそく されていたが、やや冷 つめ たい合成 ごうせい 反応 はんのう でもある。ウンビニリウムの原子 げんし は確認 かくにん されず、限界 げんかい 断 だん 面積 めんせき は200fbであることが示唆 しさ された[26] 。Jens Volker Kratzは、これらのどの反応 はんのう によってもウンビニリウムを生成 せいせい できる実際 じっさい の最大 さいだい 断 だん 面積 めんせき は0.1fb程度 ていど であると予測 よそく した[42] 。これに対 たい して、成功 せいこう した反応 はんのう の最小 さいしょう 断 だん 面積 めんせき の世界 せかい 記録 きろく は、209 Bi(70 Zn,n)278 Nh という反応 はんのう の30fbであり[24] 、Kratzは隣 となり のウンウンエンニウムを生成 せいせい するための最大 さいだい 断 だん 面積 めんせき を20fbと予測 よそく した[42] 。 これらの予測 よそく が正確 せいかく であれば、ウンウンエンニウムの合成 ごうせい は現在 げんざい の技術 ぎじゅつ の限界 げんかい であり、ウンビニリウムの合成 ごうせい には新 あたら しい手法 しゅほう が必要 ひつよう になるだろう[42] 。
2022年 ねん 3月 がつ 、ユーリイ・オガネシアン はドゥブナ合同 ごうどう 原子核 げんしかく 研究所 けんきゅうじょ で、248 Cm+54 Crの反応 はんのう を用 もち いて120番 ばん 元素 げんそ を合成 ごうせい する方法 ほうほう の検討 けんとう について、講演 こうえん を行 おこな った[43] 。
ウンビウニウム の合成 ごうせい は、1977年 ねん にドイツのダルムシュタット にある重 じゅう イオン研究所 けんきゅうじょ (GSI)で、ウラン 238を標的 ひょうてき にして銅 どう 65イオンを照射 しょうしゃ することで初 はじ めて試 こころ みられた。
238 92 U + 65 29 Cu → 303 121 Ubu * → no atoms
原子 げんし は確認 かくにん されなかった[11] 。
ウンビビウム の合成 ごうせい は、1972年 ねん にドゥブナ合同 ごうどう 原子核 げんしかく 研究所 けんきゅうじょ (JINR)のゲオルギー・フリョロフ らによって、重 じゅう イオンによる熱 ねつ 核 かく 融合 ゆうごう 反応 はんのう を利用 りよう して初 はじ めて試 こころ みられた[10] 。
238 92 U + 66,68 30 Zn → 304, 306 122 Ubb * → no atoms
この実験 じっけん は、N = 184、Z > 120に安定 あんてい の島 しま が存在 そんざい するという初期 しょき の予測 よそく に基 もと づいて行 おこな われた。原子 げんし は検出 けんしゅつ されず、収 おさむ 率 りつ 限界 げんかい は5nb (5,000pb)と測定 そくてい された。現在 げんざい の結果 けっか (フレロビウム 参照 さんしょう )では、これらの実験 じっけん の感度 かんど は少 すく なくとも3桁 けた は低 ひく かったことが示 しめ されている[12] 。
2000年 ねん には、ドイツの重 じゅう イオン研究所 けんきゅうじょ (GSI)のチームが、より高 たか い感度 かんど で類似 るいじ した実験 じっけん を行 おこな った[10] 。
238 92 U + 70 30 Zn → 308 122 Ubb * → no atoms
これらの結果 けっか は、このような重 おも い元素 げんそ の合成 ごうせい は依然 いぜん として大 おお きな課題 かだい であり、ビーム強度 きょうど と実験 じっけん 効率 こうりつ のさらなる向上 こうじょう が必要 ひつよう であることを示 しめ している。より質 しつ の高 たか い結果 けっか を得 え るためには、将来 しょうらい 的 てき には感度 かんど を1fb まで上 あ げる必要 ひつよう がある。
ウンビビウムの合成 ごうせい は、1978年 ねん にもGSIで行 おこな われ、天然 てんねん のエルビウム を標的 ひょうてき にキセノン 136イオンを照射 しょうしゃ したが原子 げんし は確認 かくにん されなかった[10] 。
nat 68 Er + 136 54 Xe → 298, 300, 302, 303, 304, 306 122 Ubb * → no atoms
特 とく に、170 Erと136 Xeの反応 はんのう では、半減 はんげん 期 き がマイクロ秒 びょう のアルファ線 あるふぁせん が発生 はっせい し、半減 はんげん 期 き が数時間 すうじかん にも及 およ ぶフレロビウム の同位 どうい 体 たい に崩壊 ほうかい すると予想 よそう されていた。フレロビウムは安定 あんてい の島 しま の中心 ちゅうしん 近 ちか くにあると予測 よそく されていたためである。しかし12時 じ 間 あいだ 照射 しょうしゃ しても、この反応 はんのう は起 お こらなかった。同 おな じように238 Uと65 Cuからウンビビウムを合成 ごうせい しようとしたが成功 せいこう しなかった。超 ちょう 重 じゅう 核 かく の半減 はんげん 期 き は1マイクロ秒 びょう 以下 いか であるか、あるいは断 だん 面積 めんせき が非常 ひじょう に小 ちい さいと結論 けつろん づけられた[44] 。 超 ちょう 重 じゅう 元素 げんそ の合成 ごうせい に関 かん する最近 さいきん の研究 けんきゅう では、この2つの結論 けつろん が正 ただ しいことが示唆 しさ されている[24] [45] 。ウンビビウムを合成 ごうせい する1970年代 ねんだい の2つの試 こころ みは両方 りょうほう とも、超 ちょう 重 じゅう 元素 げんそ が潜在 せんざい 的 てき に自然 しぜん に存在 そんざい する可能 かのう 性 せい があるかどうかを調査 ちょうさ する研究 けんきゅう によって推進 すいしん された[10] 。
306 Ubbのような様々 さまざま な超 ちょう 重 じゅう 核 かく 化合 かごう 物 ぶつ 核 かく の核分裂 かくぶんれつ 特性 とくせい を調 しら べるいくつかの実験 じっけん が、2000年 ねん から2004年 ねん にかけて、ロシアのドゥブナ合同 ごうどう 原子核 げんしかく 研究所 けんきゅうじょ (JINR)で行 おこな われた。2つの核 かく 反応 はんのう 、すなわち248 Cm + 58 Feと242 Pu + 64 Niについて実施 じっし された[10] 。その結果 けっか 、超 ちょう 重 じゅう 核 かく は主 おも に132 Sn(Z = 50、N = 82)のような閉殻核 かく を排出 はいしゅつ して核分裂 かくぶんれつ することが明 あき らかになった。また、48 Caと58 Feの発射 はっしゃ 体 たい では、核 かく 融合 ゆうごう -核分裂 かくぶんれつ 経路 けいろ の収 おさむ 率 りつ が同 どう 程度 ていど であることが判明 はんめい し、将来 しょうらい 的 てき に58 Feの発射 はっしゃ 体 たい を超 ちょう 重 じゅう 元素 げんそ 生成 せいせい に利用 りよう できる可能 かのう 性 せい が示唆 しさ された[46] 。
フランスのカーン にあるGANIL(Grand Accélérateur National d'Ions Lourds、国立 こくりつ 重 じゅう イオン大型 おおがた 加速器 かそくき )の科学 かがく 者 しゃ たちは、この領域 りょういき での殻 から 模型 もけい 効果 こうか を探 さぐ り、次 つぎ の球状 きゅうじょう 陽子 ようし 殻 から を突 つ き止 と めるために、Z = 114、120、124の元素 げんそ の複 ふく 合 あい 核 かく の直接 ちょくせつ 核分裂 かくぶんれつ と遅延 ちえん 核分裂 かくぶんれつ を測定 そくてい しようとした。これは、原子核 げんしかく の殻 から が完全 かんぜん であれば(あるいは陽子 ようし や中性子 ちゅうせいし が魔法 まほう 数 すう であれば)、超 ちょう 重 じゅう 元素 げんそ の原子核 げんしかく の安定 あんてい 性 せい が高 たか まり、安定 あんてい の島 しま に近 ちか づくことになるからである。2006年 ねん には、天然 てんねん のゲルマニウム にウランイオンを衝突 しょうとつ させた反応 はんのう の結果 けっか が発表 はっぴょう され、2008年 ねん には完全 かんぜん な結果 けっか が発表 はっぴょう された。
238 92 U + nat 32 Ge → 308, 310, 311, 312, 314 124 Ubq * → fission
研究 けんきゅう チームは、半減 はんげん 期 き が10-18 秒 びょう 以上 いじょう の複 ふく 合 あい 核 かく の核分裂 かくぶんれつ を確認 かくにん できたことを報告 ほうこく した。この結果 けっか は、Z = 124で強 つよ い安定 あんてい 化 か 効果 こうか があることを示唆 しさ しており、次 つぎ の陽子 ようし 殻 から が、従来 じゅうらい 考 かんが えられていたZ = 114ではなく、Z > 120であることを示 しめ している。複 ふく 合 あい 核 かく とは、まだ核 かく の殻 から に収 おさ まっていない核 かく 子 こ のゆるやかな組 く み合 あ わせである。内部 ないぶ 構造 こうぞう を持 も たず、標的 ひょうてき 核 かく と発射 はっしゃ 核 かく の衝突 しょうとつ 力 りょく のみで結合 けつごう している。核 かく 子 こ が核 かく の殻 から に収 おさ まるまでには約 やく 10-14 秒 びょう かかると言 い われており、その時点 じてん で複 ふく 合 あい 核 かく は核 かく 子 こ となる。IUPAC ではこの数字 すうじ を、発見 はっけん された同位 どうい 体 たい と認 みと められるために必要 ひつよう な最小 さいしょう 半減 はんげん 期 き としている。そのため、GANILの実験 じっけん は124番 ばん 元素 げんそ の発見 はっけん にはならない[10] 。
複 ふく 合 あい 核 かく 312 124の核分裂 かくぶんれつ は,2006年 ねん にイタリアのレニャーロ 国立 こくりつ 研究所 けんきゅうじょ (Laboratori Nazionali di Legnaro)にあるタンデムALPI重 じゅう イオン加速器 かそくき でも研究 けんきゅう されている[47] 。
232 90 Th + 80 34 Se → 312 124 Ubq * → fission
ドゥブナ合同 ごうどう 原子核 げんしかく 研究所 けんきゅうじょ (JINR)で行 おこな われた過去 かこ の実験 じっけん と同様 どうよう に、核分裂 かくぶんれつ 片 へん は132 Sn(Z = 50、N = 82)のような二 に 重 じゅう 魔法 まほう 数 すう の周 まわ りに集 あつ まっており、超 ちょう 重 じゅう 核 かく が核分裂 かくぶんれつ でこのような二 に 重 じゅう 魔法 まほう 数 すう の核 かく 子 こ を排出 はいしゅつ する傾向 けいこう があることが明 あき らかになった[46] 。また、312 124複 ふく 合 あい 核 かく からの核分裂 かくぶんれつ 1回 かい あたりの平均 へいきん 中性子 ちゅうせいし 数 すう も(軽 けい い系 けい に比 くら べて)増加 ぞうか しており、重 おも い核 かく が核分裂 かくぶんれつ でより多 おお くの中性子 ちゅうせいし を放出 ほうしゅつ する傾向 けいこう が超 ちょう 重 じゅう 質量 しつりょう 領域 りょういき まで続 つづ いていることが確認 かくにん された[47] 。
1970年 ねん から1971年 ねん にかけて、ドゥブナ合同 ごうどう 原子核 げんしかく 研究所 けんきゅうじょ で亜鉛 あえん イオンとアメリシウム 243の標的 ひょうてき を用 もち いて、最初 さいしょ で唯一 ゆいいつ のウンビペンチウムの合成 ごうせい が行 おこな われた[12] 。
243 95 Am + 66, 68 30 Zn → 309, 311 125 Ubp * → no atoms
原子 げんし は検出 けんしゅつ されず,断 だん 面積 めんせき の限界 げんかい は5nbと決定 けってい された。この実験 じっけん は、Z ~ 126やN ~ 184付近 ふきん の原子核 げんしかく がより安定 あんてい である可能 かのう 性 せい に基 もと づいて行 おこな われたが[12] 、最近 さいきん の研究 けんきゅう では,安定 あんてい の島 しま はむしろより低 ひく い原子 げんし 番号 ばんごう (コペルニシウム 、Z = 112など)にあるのではないかと考 かんが えられており、ウンビペンチウムのような重 おも い元素 げんそ の合成 ごうせい には、より感度 かんど の高 たか い実験 じっけん が必要 ひつよう であるとされている[24] 。
1971年 ねん にCERN(欧州 おうしゅう 合同 ごうどう 素粒子 そりゅうし 原子核 げんしかく 研究 けんきゅう 機構 きこう )でRené BimbotとJohn M. Alexanderが熱 ねつ 核 かく 融合 ゆうごう 反応 はんのう を用 もち いてウンビヘキシウム の合成 ごうせい を試 こころ みたが、成功 せいこう しなかった[10] 。
232 90 Th + 84 36 Kr → 316 126 Ubh * → no atoms
高 こう エネルギー (13~15MeV )のアルファ粒子 りゅうし が観測 かんそく され、ウンビヘキシウムの合成 ごうせい の証拠 しょうこ となる可能 かのう 性 せい があるとされた。その後 ご 、より高 たか い感度 かんど での実験 じっけん に失敗 しっぱい したことから、この実験 じっけん の10mbの感度 かんど は低 ひく すぎたと考 かんが えられ、この反応 はんのう でウンビヘキシウムの原子核 げんしかく が生成 せいせい される可能 かのう 性 せい は極 きわ めて低 ひく いと考 かんが えられている[8] 。
1978年 ねん 、重 じゅう イオン研究所 けんきゅうじょ (GSI)のUNILAC加速器 かそくき で、天然 てんねん タンタル を標的 ひょうてき にキセノン 136イオンを照射 しょうしゃ し、ウンビセプチウムを合成 ごうせい する最初 さいしょ で唯一 ゆいいつ の試 こころ みが行 おこな われたが、成功 せいこう しなかった[10] 。
nat 73 Ta + 136 54 Xe → 316, 317 127 Ubs * → no atoms
1976年 ねん 、アメリカの複数 ふくすう の大学 だいがく の研究 けんきゅう 者 しゃ グループが、鉱物 こうぶつ による原因 げんいん 不明 ふめい の放射線 ほうしゃせん 障害 しょうがい (特 とく に放射 ほうしゃ 性 せい ハロー(英語 えいご 版 ばん ) )の原因 げんいん として、原生 げんせい 的 てき な超 ちょう 重 じゅう 元素 げんそ 、主 おも にリバモリウム 、ウンビクアジウム、ウンビヘキシウム、ウンビセプチウムがあると提唱 ていしょう した[8] 。 これを受 う けて、1976年 ねん から1983年 ねん にかけて、多 おお くの研究 けんきゅう 者 しゃ が自然 しぜん 界 かい での探索 たんさく を行 おこな った。1976年 ねん 、カリフォルニア大学 だいがく デービス校 こう のTom Cahill教授 きょうじゅ のグループは、観察 かんさつ された障害 しょうがい を引 ひ き起 お こすのに該当 がいとう するエネルギーのアルファ粒子 りゅうし とX線 せん を検出 けんしゅつ したと主張 しゅちょう し、これらの元素 げんそ の存在 そんざい を裏付 うらづ けた。特 とく に、長寿 ちょうじゅ 命 いのち (109 年 とし オーダー)のウンビクアジウムとウンビヘキシウムの原子核 げんしかく および、その崩壊 ほうかい 生成 せいせい 物 ぶつ の存在 そんざい が推測 すいそく され、その存在 そんざい 量 りょう は同族 どうぞく 体 たい のウラン やプルトニウム と比較 ひかく して10−11 であるとされた[48] 。 他 た の人々 ひとびと は、何 なに も検出 けんしゅつ されなかったと主張 しゅちょう し、原初 げんしょ の超 ちょう 重 じゅう 原子核 げんしかく の提案 ていあん された特徴 とくちょう に疑問 ぎもん を呈 てい した[8] 。特 とく に彼 かれ らは、そのような超 ちょう 重 じゅう 核 かく はN = 184またはN = 228で閉 と じた中性子 ちゅうせいし 殻 から を持 も っていなければならず、安定 あんてい 性 せい を高 たか めるために必要 ひつよう なこの条件 じょうけん は、リバモリウムの中性子 ちゅうせいし 不足 ふそく の同位 どうい 体 からだ または、(ほとんどの天然 てんねん に存在 そんざい する同位 どうい 体 たい とは異 こと なり)ベータ安定 あんてい 性 せい [8] を持 も たない他 ほか の元素 げんそ の中性子 ちゅうせいし 過剰 かじょう 同位 どうい 体 たい にしか存在 そんざい しないことを挙 あ げていた[49] 。 また超 ちょう 重 じゅう 元素 げんそ は、天然 てんねん のセリウム の核変換 かくへんかん によって引 ひ き起 お こされたとも提案 ていあん されており、超 ちょう 重 じゅう 元素 げんそ の観測 かんそく と主張 しゅちょう していたものの、さらに曖昧 あいまい さを増 ま していた[8] 。
2008年 ねん 4月 がつ 24日 にち 、ヘブライ大学 だいがく のアムノン・マリノフ (英語 えいご 版 ばん ) を中心 ちゅうしん とするグループが、自然 しぜん 界 かい に存在 そんざい するトリウム の鉱床 こうしょう から、トリウムに対 たい して10−11 から10−12 の割合 わりあい でウンビビウム 292の単 たん 原子 げんし を発見 はっけん したと主張 しゅちょう した[50] 。マリノフらの主張 しゅちょう は、一部 いちぶ の科学 かがく 者 しゃ から批判 ひはん された。マリノフは、ネイチャー 誌 し とネイチャー フィジクス 誌 し に論文 ろんぶん を投稿 とうこう したが、査読 さどく に回 まわ さずに両 りょう 誌 し から断 ことわ られたと主張 しゅちょう していた[51] 。ウンビビウム292原子 げんし は超 ちょう 変形 へんけい または過 か 変形 へんけい された核 かく 異性 いせい 体 たい であり、半減 はんげん 期 き は少 すく なくとも1億 おく 年 ねん であると主張 しゅちょう していた[10] 。
2008年 ねん のフィジカル・レビューC 誌 し に、質量 しつりょう 分析 ぶんせき 法 ほう でより軽 かる いトリウム の同位 どうい 体 たい を識別 しきべつ すると称 しょう して使 つか われていた[52] 、この技術 ぎじゅつ に対 たい する批判 ひはん が掲載 けいさい された[53] 。掲載 けいさい されたコメントの後 のち に、Marinovグループによる反論 はんろん がフィジカル・レビューC 誌 し に掲載 けいさい された[54] 。
加速器 かそくき 質量 しつりょう 分析 ぶんせき (AMS)の優 すぐ れた方法 ほうほう を使用 しよう したトリウムの繰 く り返 かえ し実験 じっけん では、感度 かんど が100倍 ばい 優 すぐ れているにもかかわらず、結果 けっか を確認 かくにん できなかった[55] 。この結果 けっか は、マリノフグループが主張 しゅちょう するトリウム [52] 、レントゲニウム [56] 、ウンビビウム[50] の長寿 ちょうじゅ 命 いのち 同位 どうい 体 たい に関 かん する結果 けっか に大 おお きな疑問 ぎもん を投 な げかけるものであった。ウンビビウムの痕跡 こんせき が一部 いちぶ のトリウム試料 しりょう にのみ存在 そんざい する可能 かのう 性 せい はあるが、見込 みこ みは薄 うす い[10] 。
現在 げんざい の地球 ちきゅう 上 じょう に原生 げんせい 超 ちょう 重 じゅう 元素 げんそ がどの程度 ていど 存在 そんざい しうるかは不確 ふたし かである。それらがずっと前 まえ に放射線 ほうしゃせん 損傷 そんしょう を引 ひ き起 お こしたことが確認 かくにん されたとしても、それらは今 いま では単 たん なる痕跡 こんせき に崩壊 ほうかい したか、あるいは完全 かんぜん になくなったかもしれない[57] 。そのような超 ちょう 重 じゅう 元素 げんそ の原子核 げんしかく が自然 しぜん に生成 せいせい されるかどうかも不確 ふたし かである。というのも、自発 じはつ 核分裂 かくぶんれつ によって、質量 しつりょう 数 すう 270から290の間 あいだ で重 じゅう 元素 げんそ 生成 せいせい の原因 げんいん となるr過程 かてい を終了 しゅうりょう させると予想 よそう されており、ウンビニリウム よりも重 おも い元素 げんそ が生成 せいせい されるずっと前 まえ に終了 しゅうりょう するからである[58] 。
最近 さいきん の仮説 かせつ では、プシビルスキ星 ぼし のスペクトルを用 もち いて、フレロビウム 、ウンビニリウム 、ウンビヘキシウム の天然 てんねん での存在 そんざい を説明 せつめい しようとしている[59] [60] [61] 。
第 だい 8周期 しゅうき 元素 げんそ の予想 よそう される性質 せいしつ
編集 へんしゅう
118番 ばん 元素 げんそ のオガネソン は、これまでに合成 ごうせい された元素 げんそ の中 なか で最 もっと も重 おも い元素 げんそ である。次 つぎ の2つの元素 げんそ 、119番 ばん 元素 げんそ と120番 ばん 元素 げんそ はそれぞれアルカリ金属 きんぞく とアルカリ土 ど 類 るい 金属 きんぞく の8s元素 げんそ になると思 おも われる。120番 ばん 元素 げんそ を超 こ えると超 ちょう アクチノイド系列 けいれつ が始 はじ まると予想 よそう されており、8s電子 でんし と8p1/2 、7d3/2 、6f、5gの各 かく 電子 でんし 殻 から の充填 じゅうてん によって、これらの元素 げんそ の化学 かがく 的 てき 性質 せいしつ が決定 けってい される。122番 ばん より大 おお きい元素 げんそ については状態 じょうたい が非常 ひじょう に複雑 ふくざつ であるため、完全 かんぜん で正確 せいかく なCCSD 計算 けいさん はできない。5g、6fおよび7d軌道 きどう はほぼ同 おな じエネルギー準 じゅん 位 い を持 も ち、160番 ばん 元素 げんそ の領域 りょういき では、9s、8p3/2 、9p1/2 の各 かく 軌道 きどう もほぼ同 おな じエネルギーになると考 かんが えられる。これにより電子 でんし 殻 から が混 ま ざり合 あ い、ブロック の概念 がいねん がうまく適用 てきよう されなくなる。また、一部 いちぶ の元素 げんそ を周期 しゅうき 表 ひょう に配置 はいち するのが非常 ひじょう に困難 こんなん になる新 あたら しい化学 かがく 的 てき 性質 せいしつ が生 しょう じると予想 よそう される[62] 。
Dirac–Fock法 ほう を使用 しよう して予測 よそく された、Z = 100〜172の元素 げんそ の最 さい 外 そと 殻 から 電子 でんし のエネルギー固有値 こゆうち (eV)。−および+記号 きごう は、それぞれスピン軌道 きどう 相互 そうご 作用 さよう によって軌道 きどう 角 かく 運動 うんどう 量 りょう が減少 げんしょう または増加 ぞうか した軌道 きどう を示 しめ す。p−はp1/2 、p+はp3/2 、d−はd3/2 、d+はd5/2 、f−はf5/2 、f+はf7/2 、g−はg7/2 、g+はg9/2 である[63] 。
第 だい 8周期 しゅうき における最初 さいしょ の2つの元素 げんそ は、119番 ばん 元素 げんそ のウンウンエンニウムと120番 ばん 元素 げんそ のウンビニリウムである。これらの元素 げんそ の電子 でんし 配置 はいち は、8s軌道 きどう が満 み たされると思 おも われる。この軌道 きどう は相対 そうたい 論 ろん 的 てき に安定 あんてい し収縮 しゅうしゅく しているので、119番 ばん 元素 げんそ と120番 ばん 元素 げんそ は、周期 しゅうき 表 ひょう 直上 ちょくじょう のフランシウム やラジウム よりも、ルビジウム やストロンチウム に似 に ていると考 かんが えられる。8s軌道 きどう の相対 そうたい 論 ろん 的 てき 収縮 しゅうしゅく によるもう一 ひと つの効果 こうか は、これら2つの元素 げんそ の原子 げんし 半径 はんけい が、フランシウムやラジウムの原子 げんし 半径 はんけい とほぼ同 おな じになることである。これらの元素 げんそ は、通常 つうじょう のアルカリ金属 きんぞく やアルカリ土 ど 類 るい 金属 きんぞく のように振 ふ る舞 ま い(周期 しゅうき 表 ひょう 直上 ちょくじょう の元素 げんそ よりも反応 はんのう 性 せい は低 ひく い)、通常 つうじょう はそれぞれ+1と+2の酸化 さんか 数 すう を取 と るが、7p3/2 電子 でんし 殻 から の相対 そうたい 論 ろん 的 てき な不安定 ふあんてい さと7p3/2 電子 でんし の比較的 ひかくてき 低 ひく いイオン化 いおんか エネルギー により、それぞれ+3や+4のような高 たか い酸化 さんか 数 すう も可能 かのう になると考 かんが えられる[4] [62] 。
ロシアの化学 かがく 者 しゃ ネフェドフ (ロシア語 ご 版 ばん ) らによると、超 ちょう アクチノイド元素 げんそ は121番 ばん 元素 げんそ から157番 ばん 元素 げんそ までと考 かんが えられており、第 だい 8周期 しゅうき の5g、6f元素 げんそ と一部 いちぶ の7d元素 げんそ に分類 ぶんるい される[16] 。超 ちょう アクチノイド系列 けいれつ では、7d3/2 、8p1/2 、6f5/2 、5g7/2 の各 かく 電子 でんし 殻 から が同時 どうじ に満 み たされると予想 よそう される[63] 。これは非常 ひじょう に複雑 ふくざつ な状態 じょうたい となるため、完全 かんぜん で正確 せいかく なCCSD計算 けいさん は121番 ばん 元素 げんそ と122番 ばん 元素 げんそ に対 たい してのみ適用 てきよう される[62] 。最初 さいしょ の超 ちょう アクチノイド元素 げんそ であるウンビウニウム (121番 ばん 元素 げんそ )は、ランタン やアクチニウム と似 に ていると考 かんが えられる[64] 。主 おも な酸化 さんか 状態 じょうたい は+3であるが、価 あたい 電子 でんし 殻 から のエネルギー準 じゅん 位 い が近 ちか いため、119番 ばん 元素 げんそ や120番 ばん 元素 げんそ のように、より高 たか い酸化 さんか 数 すう を取 と る可能 かのう 性 せい がある[62] 。8p電子 でんし 殻 から が相対 そうたい 論 ろん 的 てき に安定 あんてい しているので、121番 ばん 元素 げんそ の基底 きてい 状態 じょうたい における価 あたい 電子 でんし 配置 はいち は8s2 8p1 となり、ランタンやアクチニウムのds2 配置 はいち とは対照 たいしょう 的 てき である[62] 。しかし、この異常 いじょう な配置 はいち は計算 けいさん 上 じょう の化学 かがく 的 てき 性質 せいしつ に影響 えいきょう を与 あた えないようで、性質 せいしつ はアクチニウムと似 に ていると考 かんが えられる[65] 。第 だい 一 いち イオン化 いおんか エネルギー は429.4 kJ/molと予想 よそう され、アルカリ金属 きんぞく のカリウム 、ルビジウム 、セシウム 、フランシウム を除 のぞ くすべての既知 きち の元素 げんそ よりも低 ひく く、この値 ね は第 だい 8周期 しゅうき のアルカリ金属 きんぞく であるウンウンエンニウム(463.1 kJ/mol)よりもさらに低 ひく い。同様 どうよう に、次 つぎ の超 ちょう アクチノイド元素 げんそ であるウンビビウム (122番 ばん 元素 げんそ )は、セリウム やトリウム と似 に ており、主 おも な酸化 さんか 数 すう は+4と予想 よそう される。基底 きてい 状態 じょうたい では7d1 8s2 8p1 か8s2 8p2 の価 あたい 電子 でんし 配置 はいち を持 も ち[66] 、トリウムの6d2 7s2 配置 はいち とは異 こと なると考 かんが えられる。したがって、第 だい 一 いち イオン化 いおんか エネルギーはトリウムよりも小 ちい さくなる(Th: 6.3 eV ; Ubb: 5.6 eV)。これは、ウンビビウムの8p1/2 電子 でんし がトリウムの6d電子 でんし よりもイオン化 いおんか しやすいことによる[62] 。5g軌道 きどう の軌道 きどう 崩壊 ほうかい (原子 げんし 番号 ばんごう が大 おお きくなる際 さい 、他 た の電子 でんし 軌道 きどう よりもエネルギー準 じゅん 位 い が小 ちい さくなること)は125番 ばん 元素 げんそ あたりまで遅 おく れる。電子 でんし 数 すう が119のときの等 とう 電子 でんし 的 てき な電子 でんし 配置 はいち は、119番 ばん 元素 げんそ から122番 ばん 元素 げんそ では[Og]8s1 、123番 ばん 元素 げんそ と124番 ばん 元素 げんそ では[Og]6f1 、125番 ばん 元素 げんそ 以降 いこう では[Og]5g1 になると予想 よそう されている[67] 。
原子 げんし 番号 ばんごう の小 ちい さい超 ちょう アクチノイド元素 げんそ では電子 でんし の結合 けつごう エネルギーが十分 じゅうぶん に小 ちい さく、すべての価 あたい 電子 でんし を電離 でんり することができると予測 よそく されている。例 たと えば、ウンビヘキシウム (126番 ばん 元素 げんそ )は、容易 ようい に+8の酸化 さんか 数 すう を取 と ることができ、次 つぎ のいくつかの元素 げんそ ではさらに高 たか い酸化 さんか 数 すう が可能 かのう であると考 かんが えられる。ウンビヘキシウムは、他 た のさまざまな酸化 さんか 数 すう を示 しめ すことも予測 よそく されている。最近 さいきん の計算 けいさん では、ウンビヘキシウムの5g軌道 きどう とフッ素 ふっそ の2p軌道 きどう の間 あいだ の結合 けつごう 相互 そうご 作用 さよう によって、安定 あんてい な一 いち フッ化物 ばけもの UbhFができる可能 かのう 性 せい が示唆 しさ されている[68] 。 その他 た の予測 よそく される酸化 さんか 数 すう には+2、+4、+6などがあり、+4はウンビヘキシウムにおける最 もっと も普通 ふつう の酸化 さんか 数 すう であると予想 よそう されている[63] 。ウンビセプチウム(125番 ばん 元素 げんそ )からウンビエンニウム(129番 ばん 元素 げんそ )までの超 ちょう アクチノイド元素 げんそ は+6の酸化 さんか 数 すう を示 しめ し六 ろく フッ化物 ばけもの を形成 けいせい すると予測 よそく されているが、UbpF6 とUbhF6 は比較的 ひかくてき 弱 よわ い結合 けつごう になると予測 よそく されている[67] 。 結合 けつごう 解離 かいり エネルギー は127番 ばん 元素 げんそ で大 おお きく増加 ぞうか し、129番 ばん 元素 げんそ ではさらに増加 ぞうか すると予測 よそく されている。このことは、125番 ばん 元素 げんそ フッ化物 ばけもの の強 つよ いイオン性 せい から、129番 ばん 元素 げんそ フッ化物 ばけもの における8p軌道 きどう を含 ふく んだ共有 きょうゆう 結合 けつごう 性 せい への移行 いこう を示唆 しさ している。これら超 ちょう アクチノイド元素 げんそ 六 ろく フッ化物 ばけもの における結合 けつごう のほとんどは、六 ろく フッ化 か ウラン のようにウランが5fと6dの軌道 きどう を使 つか って結合 けつごう するのではなく、超 ちょう アクチノイド元素 げんそ で最 もっと もエネルギー準 じゅん 位 い の高 たか い8p電子 でんし 殻 から とフッ素 ふっそ の2p電子 でんし 殻 から の間 あいだ で行 おこな われる[67] 。
初期 しょき の超 ちょう アクチノイド元素 げんそ は高 たか い酸化 さんか 数 すう に達 たっ することができるにもかかわらず、5g電子 でんし は最 もっと もイオン化 いおんか しにくいと計算 けいさん されている、Ubp6+ とUbh7+ イオンは5g1 配置 はいち になると予想 よそう されており、これはNp6+ イオンの5f1 配置 はいち に似 に ている[13] [67] 。 似 に たような挙動 きょどう は化学 かがく 的 てき 活性 かっせい の低 ひく いランタノイド の4f電子 でんし でも見 み られるが、これは5g軌道 きどう が小 ちい さく、電子 でんし 雲 くも に深 ふか く埋 うず もれていることに起因 きいん する[13] 。 現在 げんざい 知 し られている元素 げんそ の基底 きてい 状態 じょうたい の電子 でんし 配置 はいち には存在 そんざい しないg軌道 きどう の電子 でんし が存在 そんざい することで、未知 みち の混成 こんせい 軌道 きどう が形成 けいせい され、超 ちょう アクチノイド元素 げんそ の化学 かがく 的 てき 性質 せいしつ に新 あら たな影響 えいきょう を与 あた えると考 かんが えられる。だが既知 きち の元素 げんそ にg軌道 きどう 電子 でんし が存在 そんざい しないため、超 ちょう アクチノイド元素 げんそ の化学 かがく 的 てき 性質 せいしつ を予測 よそく することは困難 こんなん である[4] 。
超 ちょう アクチノイド元素 げんそ の予想 よそう される化合 かごう 物 ぶつ (Xはハロゲン )[13] [67] [69]
121
122
123
124
125
126
127
128
129
132
142
143
144
145
146
148
153
154
155
156
157
化合 かごう 物 ぶつ
UbuX3
UbbX4
UbtX5
UbqX6
UbpF UbpF6 UbpO2+ 2
UbhF UbhF6 UbhO4
UbsF6
UboF6
UbeF UbeF6
UqbX4 UqbX6
UqtF6
UqqX6 UqqO2+ 2 UqqF8 UqqO4
UqpF6
UqoO6
類似 るいじ 化合 かごう 物 ぶつ
La X3 Ac X3
Ce X4 Th X4
Np O2+ 2
ThF4
UF6 UO2+ 2 Pu F8 PuO4
UO6
酸化 さんか 数 すう
3
4
5
6
1, 6, 7
1, 2, 4, 6, 8
6
6
1, 6
6
4, 6
6, 8
3, 4, 5, 6, 8
6
8
12
3
0, 2
3, 5
2
3
超 ちょう アクチノイド元素 げんそ の後半 こうはん では、酸化 さんか 数 すう が低 ひく くなると予想 よそう される。132番 ばん 元素 げんそ では、最 もっと も安定 あんてい した酸化 さんか 数 すう は+6のみが主 おも となり、144番 ばん 元素 げんそ ではさらに+3と+4へ減少 げんしょう し、超 ちょう アクチノイド系列 けいれつ の最後 さいご では+2(場合 ばあい によっては0)となると考 かんが えられる。これは、その時点 じてん で充填 じゅうてん される6f電子 でんし 殻 から が電子 でんし 雲 くも の奥深 おくふか くにあり、8sおよび8p1/2 電子 でんし が強 つよ く結合 けつごう しているため、化学 かがく 的 てき に活性 かっせい とならないためである。5g電子 でんし 殻 から が満 み たされるのは144番 ばん 元素 げんそ 、6f電子 でんし 殻 から が満 み たされるのは154番 ばん 元素 げんそ あたりと予想 よそう されるが、この領域 りょういき の超 ちょう アクチノイド元素 げんそ では、8p1/2 電子 でんし が強 つよ く結合 けつごう して化学 かがく 的 てき に活性 かっせい ではなくなり、化学 かがく 反応 はんのう に関与 かんよ できるのは数個 すうこ の電子 でんし だけになる。Frickeらの計算 けいさん によると、154番 ばん 元素 げんそ で6f電子 でんし 軌道 きどう が満 み たされ、化学 かがく 的 てき に不 ふ 活性 かっせい な8s殻 から と8p1/2 殻 から の外側 そとがわ には、d軌道 きどう または他 た の電子 でんし の波動 はどう 関数 かんすう がないと予測 よそく されている。これにより、154番 ばん 元素 げんそ は貴 き ガス のような性質 せいしつ を持 も ち、むしろ不 ふ 活性 かっせい である可能 かのう 性 せい がある[4] [62] 。それにもかかわらず、ピューッコ の計算 けいさん では、155番 ばん 元素 げんそ は6f電子 でんし がイオン化 いおんか 可能 かのう であると予想 よそう している。Upp3+ は6f電子 でんし 殻 から が満 み たされ、第 だい 4イオン化 いおんか ポテンシャルは、+4価 か のテルビウム とジスプロシウム の間 あいだ になると考 かんが えられる[13] 。
ランタノイドやアクチノイドの収縮 しゅうしゅく と同様 どうよう に、超 ちょう アクチノイド元素 げんそ のイオン半径 はんけい が予想 よそう よりも小 ちい さい超 ちょう アクチノイド系列 けいれつ では、超 ちょう アクチノイドの収縮 しゅうしゅく が起 お こると思 おも われる。ランタノイドおよびアクチノイドの波動 はどう 関数 かんすう は5f軌道 きどう に比 くら べ4f軌道 きどう でより局在 きょくざい 化 か しているため、アクチノイドよりもランタノイドの方 ほう が収縮 しゅうしゅく 率 りつ が大 おお きい。ランタノイド、アクチノイド、超 ちょう アクチノイドで外 そと 殻 から 電子 でんし の波動 はどう 関数 かんすう を比較 ひかく すると、超 ちょう アクチノイドでは1元素 げんそ あたり約 やく 2pmの収縮 しゅうしゅく が予想 よそう される。これはランタノイドとアクチノイドの収縮 しゅうしゅく よりも小 ちい さいが、ランタノイドとアクチノイドではそれぞれ4f軌道 きどう と5f軌道 きどう に14個 こ の電子 でんし が満 み たされるのに対 たい し、超 ちょう アクチノイドでは深 ふか く埋 うず もれている5g軌道 きどう と6f軌道 きどう に32個 こ の電子 でんし が満 み たされるため、全体 ぜんたい の効果 こうか は大 おお きくなる[4] 。
ペッカ・ピューッコ は、超 ちょう アクチノイドを3つに分類 ぶんるい した。5g系列 けいれつ (121~138番 ばん 元素 げんそ )、8p1/2 系列 けいれつ (139~140番 ばん 元素 げんそ )、6f系列 けいれつ (141~155番 ばん 元素 げんそ )。これらはエネルギー準 じゅん 位 い 間 あいだ の重複 じゅうふく が多 おお く、初期 しょき の超 ちょう アクチノイド原子 げんし やイオンでは6f、7d、8p1/2 軌道 きどう も占有 せんゆう されている可能 かのう 性 せい がある。また彼 かれ は、これらが「超 ちょう ランタノイド」に近 ちか い挙動 きょどう を示 しめ すと予想 よそう している。5g電子 でんし はほとんど化学 かがく 的 てき に不 ふ 活性 かっせい であることと、各 かく ランタノイドの1つか2つの4f電子 でんし だけが化合 かごう 物 ぶつ でイオン化 いおんか されるのに似 に ているという意味 いみ である。彼 かれ はまた、超 ちょう アクチノイド元素 げんそ の取 と りうる酸化 さんか 数 すう は6f系列 けいれつ で非常 ひじょう に高 たか くなり、148番 ばん 元素 げんそ では+12のような値 ね になるかもしれないと予想 よそう した[13] 。
アンドレイ・クルシャは、121番 ばん から156番 ばん までの36個 こ の元素 げんそ を「超 ちょう 遷移 せんい 元素 げんそ 」と呼 よ び、121番 ばん から138番 ばん までと139番 ばん から156番 ばん まで、18個 こ ずつ2系列 けいれつ の元素 げんそ に分 わ けて考 かんが えることを提案 ていあん した。1つ目 め はランタノイドに類似 るいじ した元素 げんそ 群 ぐん で、酸化 さんか 数 すう は主 おも に+4から+6の範囲 はんい 、5g電子 でんし 殻 から の充填 じゅうてん が支配 しはい 的 てき であり、ウラン 、ネプツニウム 、プルトニウム のように隣 とな り合 あ う元素 げんそ は互 たが いに非常 ひじょう によく似 に ていると考 かんが えた。最初 さいしょ (140番台 ばんだい の元素 げんそ あたり)は、6f電子 でんし 殻 から が7d電子 でんし 殻 から より優先 ゆうせん されるため非常 ひじょう に高 たか い酸化 さんか 数 すう が予想 よそう されるが、その後 ご 典型 てんけい 的 てき な酸化 さんか 数 すう は下 さ がり、150番台 ばんだい 以降 いこう の元素 げんそ では8p1/2 電子 でんし によって化学 かがく 的 てき に活性 かっせい ではなくなる。この18元素 げんそ 2系列 けいれつ は5g18 電子 でんし 殻 がら によって分離 ぶんり されているため、互 たが いに類似 るいじ 体 たい であると考 かんが えることができる[17] 。
後半 こうはん の超 ちょう アクチノイド元素 げんそ の例 れい として、156番 ばん 元素 げんそ は主 おも に+2の酸化 さんか 数 すう を示 しめ すと予想 よそう されるが、これは安定 あんてい した[Og]5g18 6f14 8s2 8p2 1/2 電子 でんし 配置 はいち の上 うえ に電離 でんり しやすい7d2 電子 でんし があるためである。これはノーベリウム のより重 おも い同族 どうぞく 体 たい と考 かんが えることができ、安定 あんてい した[Rn]5f14 電子 でんし 配置 はいち の上 うえ に電離 でんり しやすい7s2 電子 でんし のペアを持 も つため、通常 つうじょう は+2価 か であるのと同様 どうよう である(+3価 か のノーベリウムを得 え るためには強力 きょうりょく な酸化 さんか 剤 ざい が必要 ひつよう である)[17] 。 その第 だい 一 いち イオン化 いおんか エネルギーは約 やく 400kJ/mol、金属 きんぞく 半径 はんけい は約 やく 170ピコメートルと予想 よそう される。原子 げんし 量 りょう は445u前後 ぜんご [4] で、密度 みつど は約 やく 26g/cm3 と非常 ひじょう に重 おも い金属 きんぞく であると推定 すいてい される。
第 だい 8周期 しゅうき の7d遷移 せんい 金属 きんぞく は157~166番 ばん 元素 げんそ と予想 よそう されている。これらの元素 げんそ では8sと8p1/2 電子 でんし が非常 ひじょう に強 つよ く結合 けつごう しているため、いかなる化学 かがく 反応 はんのう にも関与 かんよ しないと考 かんが えられるが、9sと9p1/2 軌道 きどう は容易 ようい に混成 こんせい すると予想 よそう される[4] [62] 。 これらの7d元素 げんそ は、4d元素 げんそ のイットリウム からカドミウム に似 に ていると思 おも われる[17] 。 特 とく に、7d10 9s0 電子 でんし 配置 はいち を持 も つ164番 ばん 元素 げんそ は、4d10 5s0 電子 でんし 配置 はいち を持 も つパラジウムと明確 めいかく な類似 るいじ 性 せい がある[63] 。
第 だい 8周期 しゅうき 遷移 せんい 元素 げんそ の貴金属 ききんぞく は、より軽 かる い同族 どうぞく 元素 げんそ ほどの貴金属 ききんぞく 性 せい を示 しめ さないと考 かんが えられている。遮蔽 しゃへい のための外側 そとがわ のs殻 から がないことと、相対 そうたい 論 ろん 的 てき 効果 こうか により7d電子 でんし 殻 から が2つの副 ふく 殻 から に強 つよ く分 わ かれるためである。このため、7d遷移 せんい 金属 きんぞく の第 だい 一 いち イオン化 いおんか エネルギーは、より軽 かる い同族 どうぞく 元素 げんそ の第 だい 一 いち イオン化 いおんか エネルギーよりも小 ちい さくなっている[4] [62] [63] 。
ウンヘキサクアジウムの化学 かがく への関心 かんしん は、理論 りろん 的 てき な予測 よそく に大 おお きく向 む けられている。特 とく に、472 Uhqと482 Uhqの同位 どうい 体 たい (陽子 ようし が164個 こ 、中性子 ちゅうせいし が308個 こ または318個 こ )が、仮想 かそう 的 てき な第 だい 2の安定 あんてい の島 しま の中心 ちゅうしん になるという予測 よそく がされている点 てん である(第 だい 1の島 しま はコペルニシウム 、特 とく に半減 はんげん 期 き が数 すう 百 ひゃく 年 ねん または数 すう 千 せん 年 ねん と予想 よそう される同位 どうい 体 たい 291 Cn、293 Cn、296 Cnが中心 ちゅうしん である)[70] [42] [71] [72] 。
計算 けいさん 上 じょう 、164番 ばん 元素 げんそ (ウンヘキサクアジウム)の7d電子 でんし は化学 かがく 反応 はんのう に対 たい して非常 ひじょう に関与 かんよ しやすいと予測 よそく されるため、ウンヘキサクアジウムは通常 つうじょう の+2価 か に加 くわ えて、強 つよ い配 はい 位 い 子 こ を持 も つ水溶液 すいようえき 中 なか で安定 あんてい した+6および+4の酸化 さんか 数 すう を示 しめ すと予想 よそう される。このため、ウンヘキサクアジウムは、Uhq(CO )4 、Uhq(PF3 )4 (いずれも対応 たいおう するパラジウム化合 かごう 物 ぶつ と同様 どうよう に四 よん 面体 めんてい )、Uhq(CN )2− 2 (直線 ちょくせん 形 がた 分子 ぶんし 構造 こうぞう )のような化合 かごう 物 ぶつ を形成 けいせい することができると考 かんが えられ、これは鉛 なまり の挙動 きょどう とは非常 ひじょう に異 こと なる。もし相対 そうたい 論 ろん 的 てき な影響 えいきょう がなければ、ウンヘキサクアジウムはより重 おも い鉛 なまり の同族 どうぞく 体 たい となっていたであろう。とはいえ、水溶液 すいようえき 中 ちゅう では2価 か の状態 じょうたい が主 おも であり(ただし、より強 つよ い配 はい 位 い 子 こ を用 もち いれば、+4や+6の状態 じょうたい も可能 かのう である)、ウンヘキサクアジウム(II)はウンヘキサクアジウム(IV)やウンヘキサクアジウム(VI)よりも鉛 なまり に近 ちか い挙動 きょどう を示 しめ すと考 かんが えられる[62] [63] 。
ウンヘキサクアジウムはやわらかいルイス酸 さん であり、Ahrlands硬度 こうど は4eV に近 ちか いと予測 よそく される。ウンヘキサクアジウムは中 ちゅう 程度 ていど の反応 はんのう 性 せい であり、第 だい 一 いち イオン化 いおんか エネルギーはモリブデン に近 ちか く、約 やく 685kJ/molと予想 よそう される[4] [63] 。ランタノイド、アクチノイド、超 ちょう アクチノイドの収縮 しゅうしゅく により、ウンヘキサクアジウムの金属 きんぞく 半径 はんけい はわずか158pm であり、はるかに軽 かる い元素 げんそ のマグネシウム と非常 ひじょう に近 ちか い(ウンヘキサクアジウムの予想 よそう 原子 げんし 量 りょう は約 やく 474u であり、マグネシウム原子 げんし 量 りょう の約 やく 19.5倍 ばい であるにもかかわらず、である)[4] 。 この半径 はんけい の小 ちい ささと重量 じゅうりょう の大 おお きさから、密度 みつど は約 やく 46g·cm−3 と非常 ひじょう に高 たか く、現在 げんざい 知 し られている元素 げんそ の中 なか で最 もっと も密度 みつど の高 たか いオスミウム の22.61g·cm−3 の2倍 ばい 以上 いじょう になると予想 よそう されている。ウンヘキサクアジウムは、周期 しゅうき 表 ひょう の172元素 げんそ の中 なか で2番目 ばんめ に密度 みつど の高 たか い元素 げんそ であると考 かんが えられ、これより密度 みつど が高 たか いのは隣 となり のウンヘキサトリウム(163番 ばん 元素 げんそ )の47g·cm−3 のみと予想 よそう されている[4] 。 金属 きんぞく 状態 じょうたい のウンヘキサクアジウムは、共有 きょうゆう 結合 けつごう による凝集 ぎょうしゅう エネルギー(結晶 けっしょう 化 か エンタルピー )が非常 ひじょう に大 おお きく、その結果 けっか 、融点 ゆうてん が高 たか くなると考 かんが えられる。金属 きんぞく 状態 じょうたい のウンヘキサクアジウムは、パラジウムや白金 はっきん に似 に た貴金属 ききんぞく であると予想 よそう されている。Frickeらは、閉殻構造 こうぞう を持 も ちイオン化 いおんか エネルギーが似 に ているオガネソン との類似 るいじ 性 せい を示唆 しさ しているが、オガネソンが反応 はんのう しやすい貴 き ガスであるのに対 たい し、ウンヘキサクアジウムは反応 はんのう しにくい貴金属 ききんぞく であると述 の べている[63] 。
最後 さいご の2つの7d金属 きんぞく である元素 げんそ 165(ウンヘキサペンチウム)と166(ウンヘキサヘキシウム)は、それぞれ+1と+2の酸化 さんか 数 すう を取 と り、アルカリ金属 きんぞく とアルカリ土 ど 類 るい 金属 きんぞく と同様 どうよう の挙動 きょどう を示 しめ すと予想 よそう される。相対 そうたい 論 ろん 的 てき な効果 こうか により、9s電子 でんし は非 ひ 相対 そうたい 論 ろん 的 てき な計算 けいさん で予測 よそく されるよりもはるかに強 つよ く結合 けつごう するため、9s電子 でんし のイオン化 いおんか エネルギーはナトリウム やマグネシウム の3s電子 でんし のイオン化 いおんか エネルギーに匹敵 ひってき すると考 かんが えられる。165番 ばん 元素 げんそ と166番 ばん 元素 げんそ は通常 つうじょう それぞれ+1と+2の酸化 さんか 数 すう を示 しめ すと思 おも われるが、7d電子 でんし のイオン化 いおんか エネルギーが十分 じゅうぶん に低 ひく いため、元素 げんそ 165は+3価 か のような高 たか い酸化 さんか 数 すう も可能 かのう である。166番 ばん 元素 げんそ の酸化 さんか 数 すう +4は起 お こりにくく、11族 ぞく と12族 ぞく のより軽 かる い元素 げんそ (特 とく に金 きむ と水銀 すいぎん )と似 に た状態 じょうたい を作 つく ると思 おも われる[4] [62] 。166番 ばん 元素 げんそ はコペルニシウムではなく水銀 すいぎん のようにUhh2+ にイオン化 いおんか し、d電子 でんし ではなくs電子 でんし を失 うしな って7d10 配置 はいち になり、12族 ぞく 元素 げんそ の亜鉛 あえん 、カドミウム、水銀 すいぎん のような遷移 せんい 金属 きんぞく の性質 せいしつ を持 も たない「相対 そうたい 性 せい の低 ひく い」状態 じょうたい になると予想 よそう される[13]
。
156~166番 ばん 元素 げんそ の予測 よそく される性質 せいしつ 金属 きんぞく の半径 はんけい と密度 みつど は概算 がいさん である[4] [13] [62] 。最 もっと も類似 るいじ した元素 げんそ 族 ぞく を最初 さいしょ に表記 ひょうき し、次 つ いで他 た の類似 るいじ した元素 げんそ 族 ぞく を示 しめ した[63] 。
156
157
158
159
160
161
162
163
164
165
166
原子 げんし 量 りょう
[445]
[448]
[452]
[456]
[459]
[463]
[466]
[470]
[474]
[477]
[481]
族 ぞく
Yb (4)
3 (5)
4 (6)
5 (7)
6 (8)
7 (9)
8 (10)
9 (11)
10 (12, 14, 18)
11 (1, 13)
12 (2, 14)
価 あたい 電子 でんし 配置 はいち
7d2
7d3
7d4
7d5
7d6
7d7
7d8
7d9
7d10
7d10 9s1
7d10 9s2
安定 あんてい した酸化 さんか 数 すう
2
3
4
1 , 5
2 , 6
3 , 7
4 , 8
5
0 , 2 , 4 , 6
1 , 3
2
第 だい 一 いち イオン化 いおんか エネルギー
400 kJ/mol
450 kJ/mol
520 kJ/mol
340 kJ/mol
420 kJ/mol
470 kJ/mol
560 kJ/mol
620 kJ/mol
690 kJ/mol
520 kJ/mol
630 kJ/mol
金属 きんぞく 結合 けつごう 半径 はんけい
170 pm
163 pm
157 pm
152 pm
148 pm
148 pm
149 pm
152 pm
158 pm
250 pm
200 pm
密度 みつど
26 g/cm3
28 g/cm3
30 g/cm3
33 g/cm3
36 g/cm3
40 g/cm3
45 g/cm3
47 g/cm3
46 g/cm3
7 g/cm3
11 g/cm3
周期 しゅうき 表 ひょう の次 つぎ の6つの元素 げんそ は、第 だい 8周期 しゅうき での最後 さいご の元素 げんそ 群 ぐん になると予想 よそう され[13] 、5p元素 げんそ のインジウム からキセノン に似 に ていると考 かんが えられる[17] 。 167~172番 ばん 元素 げんそ では、9p1/2 電子 でんし 殻 から と8p3/2 電子 でんし 殻 から が満 み たされると予想 よそう される。これらのエネルギー固有値 こゆうち は非常 ひじょう に近 ちか いため、非 ひ 相対 そうたい 論 ろん 的 てき な2pと3pの電子 でんし 軌道 きどう と同様 どうよう に、1つの結合 けつごう したp軌道 きどう として振 ふ る舞 ま う。したがって不 ふ 活性 かっせい 電子 でんし 対 たい 効果 こうか は起 お こらず、167~170番 ばん 元素 げんそ の最 もっと も一般 いっぱん 的 てき な酸化 さんか 数 すう はそれぞれ+3、+4、+5、+6になると予想 よそう される。171番 ばん 元素 げんそ (ウンセプトウニウム)は、酸化 さんか 数 すう を-1から+7まで取 と りハロゲン に似 に た性質 せいしつ を示 しめ すが、物性 ぶっせい は金属 きんぞく に近 ちか いと予想 よそう される。電子 でんし 親和力 しんわりょく は3.0eVで、ハロゲン化 か 水素 すいそ に似 に たHUsuを形成 けいせい できると考 かんが えられる。Usu− イオンはヨウ化物 ばけもの (I− )のようなやわらかい塩基 えんき になると予想 よそう されている。172番 ばん 元素 げんそ (ウンセプトビウム)は、イオン化 いおんか エネルギーが非常 ひじょう に似 に ていることから(Xe, 1170.4 kJ/mol; Usb, 1090 kJ/mol)、キセノンと同 おな じような化学 かがく 的 てき 挙動 きょどう を示 しめ す貴 き ガスになると予想 よそう されている。両者 りょうしゃ の唯一 ゆいいつ の主 おも な違 ちが いは、172番 ばん 元素 げんそ はキセノンと異 こと なり原子 げんし 量 りょう がはるかに大 おお きいため、標準 ひょうじゅん 状態 じょうたい では液体 えきたい または固体 こたい になると予想 よそう されることである[4] 。ウンセプトビウムは、より軽 かる い同族 どうぞく 体 たい であるキセノンと同様 どうよう に、フッ化物 ばけもの や酸化 さんか 物 ぶつ を形成 けいせい する強 つよ いルイス酸 さん であると予想 よそう される[63] 。165-172番 ばん 元素 げんそ が第 だい 2周期 しゅうき や第 だい 3周期 しゅうき に類似 るいじ していることから、Frickeらはこれらの元素 げんそ が周期 しゅうき 表 ひょう の第 だい 9周期 しゅうき を形成 けいせい すると考 かんが え、一方 いっぽう で第 だい 8周期 しゅうき は貴金属 ききんぞく の164番 ばん 元素 げんそ で終 お わると考 かんが えた。この第 だい 9周期 しゅうき は、第 だい 2、第 だい 3周期 しゅうき と同様 どうよう に、遷移 せんい 金属 きんぞく を持 も たないと予想 よそう されている[63] 。
167~172番 ばん 元素 げんそ の予想 よそう される性質 せいしつ 金属 きんぞく 半径 はんけい または共有 きょうゆう 結合 けつごう 半径 はんけい と密度 みつど は概算 がいさん である[4] [62] [63] 。
167
168
169
170
171
172
原子 げんし 量 りょう
[485]
[489]
[493]
[496]
[500]
[504]
族 ぞく
13
14
15
16
17
18
価 あたい 電子 でんし 配置 はいち
9s2 9p1
9s2 9p2
9s2 9p2 8p1
9s2 9p2 8p2
9s2 9p2 8p3
9s2 9p2 8p4
安定 あんてい した酸化 さんか 数 すう
3
4
5
6
−1 , 3 , 7
0 , 4 , 6 , 8
第 だい 一 いち イオン化 いおんか エネルギー
620 kJ/mol
720 kJ/mol
800 kJ/mol
890 kJ/mol
984 kJ/mol
1090 kJ/mol
金属 きんぞく 半径 はんけい または共有 きょうゆう 結合 けつごう 半径 はんけい
190 pm
180 pm
175 pm
170 pm
165 pm
220 pm
密度 みつど
17 g/cm3
19 g/cm3
18 g/cm3
17 g/cm3
16 g/cm3
9 g/cm3
最後 さいご の第 だい 8周期 しゅうき 元素 げんそ である172番 ばん 元素 げんそ は、オガネソン (最後 さいご の第 だい 7周期 しゅうき 元素 げんそ )同様 どうよう の貴 き ガスになると予想 よそう されている。その先 さき には、超 ちょう アクチノイドのような別 べつ の長 なが い遷移 せんい 系列 けいれつ が始 はじ まり、少 すく なくとも6g、7f、8dの電子 でんし 殻 から が満 み たされるはずである(10s、10p1/2 、6h11/2 はエネルギーが高 たか すぎて、この系列 けいれつ の初期 しょき には関与 かんよ できない)。これらの電子 でんし は非常 ひじょう に緩 ゆる く結合 けつごう しており、非常 ひじょう に高 たか い酸化 さんか 数 すう に到達 とうたつ できる可能 かのう 性 せい があるが、イオン価 か が増 ふ えると電子 でんし はより強固 きょうこ に結合 けつごう することになる[63] 。
173番 ばん 元素 げんそ (ウンセプトトリウム)では、一番 いちばん 外側 そとがわ の電子 でんし が6g7/2 電子 でんし 殻 から に入 はい る。スピン軌道 きどう 相互 そうご 作用 さよう によって8p3/2 と6g7/2 の電子 でんし 殻 から の間 あいだ に非常 ひじょう に大 おお きなエネルギーギャップが生 しょう じるため、この最 さい 外 そと 殻 から の電子 でんし は非常 ひじょう に緩 ゆる く結合 けつごう し、非常 ひじょう に簡単 かんたん に電離 でんり してUst+ カチオンを形成 けいせい すると予想 よそう される。その結果 けっか 、173番 ばん 元素 げんそ は化学 かがく 的 てき にはアルカリ金属 きんぞく のように振 ふ る舞 ま い、セシウム よりもはるかに反応 はんのう 性 せい が高 たか いと予想 よそう されている(フランシウムと119番 ばん 元素 げんそ は相対 そうたい 論 ろん 的 てき 効果 こうか のためにセシウムよりも反応 はんのう 性 せい が低 ひく い)[73] [17] 。
元素 げんそ 184(ウンオクタクアジウム)は、当初 とうしょ 陽子 ようし 数 すう 184がマジックナンバーになると推測 すいそく されていたため、初期 しょき の予測 よそく ではかなり関心 かんしん を集 あつ めていた。電子 でんし 配置 はいち は[Usb] 6g5 7f4 8d3 で、少 すく なくとも7fと8dの電子 でんし が化学 かがく 的 てき に活性 かっせい であると予測 よそく されている。この物質 ぶっしつ の化学 かがく 的 てき 挙動 きょどう は、ウラン やネプツニウム と同様 どうよう に、+6価 か より大 おお きく(6g電子 でんし の電離 でんり に相当 そうとう )イオン化 いおんか することはむずかしいと予想 よそう される。水溶液 すいようえき 中 ちゅう では+4価 か が最 もっと も一般 いっぱん 的 てき で、固体 こたい 化合 かごう 物 ぶつ では+5価 か と+6価 か に到達 とうたつ すると考 かんが えられる[4] [63] [74] 。
物理 ぶつり 的 てき に可能 かのう な元素 げんそ の数 かず は明 あき らかになっていない。低 ひく く見積 みつ もった場合 ばあい 、周期 しゅうき 表 ひょう は安定 あんてい の島 しま の後 のち すぐに終 お わる可能 かのう 性 せい があり[14] 、それはZ = 126を中心 ちゅうしん としたものになると予想 よそう される。周期 しゅうき 表 ひょう と原子 げんし 核種 かくしゅ の拡張 かくちょう は、陽子 ようし および中性子 ちゅうせいし のドリップラインと、アルファ崩壊 ほうかい や自発 じはつ 核分裂 かくぶんれつ に対 たい する安定 あんてい 性 せい によって制限 せいげん される[75] 。Y.Gambhirらの計算 けいさん では、様々 さまざま な崩壊 ほうかい 経路 けいろ における核 かく 結合 けつごう エネルギーと安定 あんてい 性 せい を分析 ぶんせき し、結合 けつごう した原子核 げんしかく の存在 そんざい はZ = 146が限界 げんかい であることを示唆 しさ している[76] 。 ワルター・グライナー のように、周期 しゅうき 表 ひょう に終 お わりがないかもしれないと予測 よそく した人 ひと もいる[77] 。 周期 しゅうき 表 ひょう に終 お わりがあると予測 よそく した人 ひと には、Z = 128(John Emsley)やZ = 155(Albert Khazan)がいる[10] 。
物理 ぶつり 学者 がくしゃ の間 あいだ では、リチャード・P・ファインマン が、Z = 137より大 おお きい原子 げんし 番号 ばんごう の中性 ちゅうせい 原子 げんし は存在 そんざい しないと示唆 しさ したという「民間 みんかん 伝説 でんせつ 」がある。これは、相対 そうたい 論 ろん 的 てき なディラック方程式 ほうていしき によって、そのような原子 げんし の最 さい 内 うち 殻 から 電子 でんし では基底 きてい 状態 じょうたい のエネルギーが虚数 きょすう になることが予測 よそく されるためである。この137という数字 すうじ は、微細 びさい 構造 こうぞう 定数 ていすう の逆数 ぎゃくすう である。この論法 ろんぽう では、中性 ちゅうせい 原子 げんし はウントリセプチウムまでしか存在 そんざい しないことになり、電子 でんし 軌道 きどう に基 もと づいた元素 げんそ 周期 しゅうき 表 ひょう はこの時点 じてん で破綻 はたん する。しかし、この議論 ぎろん は、原子核 げんしかく が点 てん 状 じょう であることを前提 ぜんてい としている。より正確 せいかく に計算 けいさん するためには、原子核 げんしかく の大 おお きさが小 ちい さいがゼロではないことを考慮 こうりょ しなければならず、その結果 けっか 、限界 げんかい はさらにZ ≈ 173まで上 あ がると予測 よそく されている[77] 。
ボーアの原子 げんし 模型 もけい は、原子 げんし 番号 ばんごう が137より大 おお きい原子 げんし が成立 せいりつ することの難 むずか しさを示 しめ す。1s電子 でんし 軌道 きどう 上 うえ の電子 でんし の速度 そくど v は次 つぎ 式 しき で与 あた えられる。
v
=
Z
α あるふぁ
c
≈
Z
c
137.036
{\displaystyle v=Z\alpha c\approx {\frac {Zc}{137.036}}}
ここで、Z は原子 げんし 番号 ばんごう 、α あるふぁ は電磁 でんじ 的 てき 相互 そうご 作用 さよう の強 つよ さを表 あらわ す微細 びさい 構造 こうぞう 定数 ていすう である[78] 。この近似 きんじ 式 しき では、原子 げんし 番号 ばんごう が137より大 おお きい元素 げんそ は、1s電子 でんし が光速 こうそく であるcより速 はや く移動 いどう する必要 ひつよう がある。したがって、非 ひ 相対 そうたい 論 ろん 的 てき なボーアの原子 げんし 模型 もけい をこのような元素 げんそ に適用 てきよう することは不正確 ふせいかく である。
ディラック方程式 ほうていしき (原子核 げんしかく の大 おお きさが有限 ゆうげん であることを考慮 こうりょ )から得 え られた1s、2s、2p1/2 、2p3/2 殻 から のエネルギー固有値 こゆうち (Z = 135-175 (–·–)、Thomas-Fermiポテンシャルの場合 ばあい (—)、Z = 160-170の自己 じこ 無 む 撞着 どうちゃく ポテンシャルの場合 ばあい (---)[4] 。
相対 そうたい 論 ろん 的 てき なディラック方程式 ほうていしき により、基底 きてい 状態 じょうたい のエネルギーは次 つぎ のように与 あた えられる。
E
=
m
c
2
1
+
Z
2
α あるふぁ
2
n
−
(
j
+
1
2
)
+
(
j
+
1
2
)
2
−
Z
2
α あるふぁ
2
{\displaystyle E={\frac {mc^{2}}{\sqrt {1+{\dfrac {Z^{2}\alpha ^{2}}{n-\left(j+{\frac {1}{2}}\right)+{\sqrt {\left(j+{\frac {1}{2}}\right)^{2}-Z^{2}\alpha ^{2}}}}}}}}}
ここで、m は電子 でんし の静止 せいし 質量 しつりょう である。Z > 137の場合 ばあい 、ディラック基底 きてい 状態 じょうたい の波動 はどう 関数 かんすう は束縛 そくばく ではなく振動 しんどう 的 てき であり、クライン のパラドックスのように正負 せいふ のエネルギースペクトルの間 あいだ にギャップはない[79] 。 原子核 げんしかく の有限 ゆうげん サイズの影響 えいきょう を考慮 こうりょ したより正確 せいかく な計算 けいさん では、束縛 そくばく エネルギーがZ > Z cr ≈ 173で初 はじ めて2mc 2 を超 こ えることが示 しめ されている。Z > Z cr の場合 ばあい 、最 もっと も内側 うちがわ の軌道 きどう (1s)が満 み たされていないと、原子核 げんしかく の電界 でんかい によって電子 でんし が真空 しんくう から引 ひ き出 だ され 、陽電子 ようでんし が自然 しぜん 放出 ほうしゅつ される[80] [81] 。 この1s電子 でんし 殻 から における負 まけ の連続 れんぞく 体 たい への飛 と び込 こ みは、しばしば周期 しゅうき 表 ひょう の「終 お わり」を意味 いみ すると考 かんが えられてきたが、より詳細 しょうさい な考察 こうさつ によれば、それほど暗 くら い結果 けっか にはならないことが示唆 しさ されている[13] [77] [82] 。
Z cr ≈ 173以上 いじょう の原子 げんし 番号 ばんごう を持 も つ原子 げんし は、「超 ちょう 臨界 りんかい 原子 げんし 」と呼 よ ばれている。超 ちょう 臨界 りんかい 原子 げんし は、電子 でんし と陽電子 ようでんし のペアが負 まけ の連続 れんぞく 体 たい から生成 せいせい されるため、完全 かんぜん にイオン化 いおんか することはできない。電子 でんし が束縛 そくばく され、陽電子 ようでんし が脱出 だっしゅつ する自発 じはつ 的 てき なペア生成 せいせい によって1s電子 でんし 殻 から が満 み たされるためである。しかし、原子核 げんしかく の周 まわ りの強 つよ 磁場 じば は非常 ひじょう に狭 せま い空間 くうかん に限 かぎ られているため、負 まけ の連続 れんぞく 体 たい に飛 と び込 こ んだ電子 でんし 殻 から が埋 う まると、それ以上 いじょう の自発 じはつ 的 てき な対 たい 生成 せいせい はパウリの排他 はいた 原理 げんり によって禁 きん じられてしまう。173~184番 ばん 元素 げんそ は、1s電子 でんし 殻 から のみが負 まけ の連続 れんぞく 体 たい に飛 と び込 こ んでいるため、「弱 じゃく 超 ちょう 臨界 りんかい 原子 げんし 」と呼 よ ばれている。185番 ばん 元素 げんそ では2p1/2 電子 でんし 殻 から が、245番 ばん 元素 げんそ では2s電子 でんし 殻 から が結合 けつごう すると予想 よそう されている。重 おも い原子核 げんしかく を衝突 しょうとつ させて超 ちょう 臨界 りんかい 電荷 でんか を作 つく り出 だ し、自発 じはつ 的 てき なペアの生成 せいせい を検出 けんしゅつ する実験 じっけん は今 いま のところ成功 せいこう していない(例 たと えば、鉛 なまり とウランを衝突 しょうとつ させると瞬間 しゅんかん 的 てき に実効 じっこう Z が174になり、ウランとウランでは実効 じっこう Z = 184、ウランとカリホルニウムでは実効 じっこう Z = 190となる)。超 ちょう 臨界 りんかい 原子 げんし は電子 でんし 構造 こうぞう に問題 もんだい がないと予想 よそう されるので、周期 しゅうき 表 ひょう の最後 さいご は電子 でんし 殻 から の不安定 ふあんてい 性 せい ではなく核 かく の不安定 ふあんてい 性 せい で決 き まるのかもしれない[83] 。
また、A > 300を超 こ える領域 りょういき には、陽子 ようし や中性子 ちゅうせいし に束縛 そくばく されたクォークではなく、アップクォーク やダウンクォーク が自由 じゆう に流 なが れる、安定 あんてい したクォーク物質 ぶっしつ の仮想 かそう 的 てき な相 そう からなる「安定 あんてい の大陸 たいりく 」が存在 そんざい するのではないかと考 かんが えられている。このような物質 ぶっしつ は、バリオン あたりの結合 けつごう エネルギーが陽子 ようし や中性子 ちゅうせいし よりも大 おお きいバリオン物質 ぶっしつ の基底 きてい 状態 じょうたい であり、この質量 しつりょう 閾値を超 こ えると陽子 ようし や中性子 ちゅうせいし が崩壊 ほうかい してクォーク物質 ぶっしつ になると考 かんが えられている。もしこの状態 じょうたい の物質 ぶっしつ が存在 そんざい するならば,通常 つうじょう の超 ちょう 重 じゅう 核 かく に生成 せいせい するのと同 おな じ核 かく 融合 ゆうごう 反応 はんのう で合成 ごうせい される可能 かのう 性 せい があり、クーロン斥力 せきりょく を克服 こくふく するのに十分 じゅうぶん なほど強 つよ い結合 けつごう の結果 けっか として、核分裂 かくぶんれつ に対 たい して安定 あんてい となるだろう[84] 。
最近 さいきん の計算 けいさん [85] では、アップダウンクォークマター(udQM)ナゲットはA ~ 266を超 こ えても従来 じゅうらい の原子核 げんしかく に対 たい して安定 あんてい であることが示唆 しさ されており、また、udQMナゲットは従来 じゅうらい の原子核 げんしかく (Z cr ~ 177、A ~ 480)よりも早 はや く(Z cr ~ 163、A ~ 609)超 ちょう 臨界 りんかい になることが示 しめ されている。
超 ちょう 重 じゅう 核 かく の
予測 よそく される
半減 はんげん 期 き (
上 うえ )と
崩壊 ほうかい 形式 けいしき (
下 した )。
陽子 ようし が
多 おお い
合成 ごうせい 原子核 げんしかく は
Z = 120
以降 いこう すぐに
途切 とぎ れると
予想 よそう される。
理由 りゆう として
Z =
121 からは
半減 はんげん 期 き が1マイクロ
秒 びょう よりも
短 みじか くなり、
Z =
122 以降 いこう はアルファ
崩壊 ほうかい ではなく
自発 じはつ 核分裂 かくぶんれつ の
寄与 きよ が
大 おお きくなり、
Z = 125からはそれが
支配 しはい 的 てき になり、そして
Z = 130
付近 ふきん に
陽子 ようし ドリップラインがあるためである。
白 しろ いリングは
安定 あんてい の
島 しま の
予想 よそう される
位置 いち を
示 しめ している。
白 しろ 抜 ぬ きの2つの
正方形 せいほうけい は
291 Cn と
293 Cnを
示 しめ しており、
半減 はんげん 期 き が
数 すう 百 ひゃく 年 ねん から
数 すう 千 せん 年 ねん に
及 およ ぶ
島 しま の
中 なか で
最 もっと も
長寿 ちょうじゅ 命 いのち の
核種 かくしゅ であると
予測 よそく されている
[45] 。 2
枚 まい 目 め の
写真 しゃしん の
左下 ひだりした にある
黒 くろ い
正方形 せいほうけい は
ウラン238 で、
最 もっと も
重 おも い
原生 げんせい 核種 かくしゅ (
地球 ちきゅう ができてから
現在 げんざい まで
生 い き
残 のこ っているほど
安定 あんてい な
核種 かくしゅ )である。
原子核 げんしかく の安定 あんてい 性 せい は、96番 ばん 元素 げんそ のキュリウム 以降 いこう 原子 げんし 番号 ばんごう が大 おお きくなるにつれて急速 きゅうそく に短 みじか くなるため、101 番 ばん より大 おお きい原子 げんし 番号 ばんごう を持 も つ同位 どうい 体 たい はドブニウム268を除 のぞ いて、半減 はんげん 期 き が1日 にち 以下 いか で放射 ほうしゃ 性 せい 崩壊 ほうかい をしてしまう。原子 げんし 番号 ばんごう が82(鉛 なまり )より大 おお きい元素 げんそ には安定 あんてい 同位 どうい 体 たい が存在 そんざい しない[86] 。しかし、まだあまりよくわかっていない理由 りゆう で、原子 げんし 番号 ばんごう 110 ~114 付近 ふきん では核 かく の安定 あんてい 性 せい がわずかに増 ま し、核 かく 物理 ぶつり 学 がく では「安定 あんてい の島 しま 」と呼 よ ばれるものが存在 そんざい する。この概念 がいねん はカリフォルニア大学 だいがく バークレー校 こう のグレン・シーボーグ 教授 きょうじゅ が提唱 ていしょう したもので,超 ちょう 重 じゅう 元素 げんそ が予測 よそく よりも長持 ながも ちする理由 りゆう を説明 せつめい している[87] 。
非 ひ 相対 そうたい 論 ろん 的 てき なSkyrme相互 そうご 作用 さよう を用 もち いたハートリー=フォック方程式 ほうていしき による計算 けいさん では、Z = 126が陽子 ようし の閉殻 として提案 ていあん されている。周期 しゅうき 表 ひょう のこの領域 りょういき では、中性子 ちゅうせいし の閉殻としてN = 184、N = 196、N = 228が提案 ていあん されている。したがって、最 もっと も関心 かんしん のある同位 どうい 体 たい は310 Ubh、322 Ubh、354 Ubhであり、これらは他 た の同位 どうい 体 たい よりもかなり長命 ちょうめい である可能 かのう 性 せい がある。魔法 まほう 数 すう の陽子 ようし を持 も つ126番 ばん 元素 げんそ は、この領域 りょういき の他 ほか の元素 げんそ よりも安定 あんてい していると予想 よそう され、半減 はんげん 期 き の非常 ひじょう に長 なが い核 かく 異性 いせい 体 たい が存在 そんざい する可能 かのう 性 せい がある[57] 。 また代 か わりに、球状 きゅうじょう の安定 あんてい の島 しま が306 Ubbを中心 ちゅうしん とする可能 かのう 性 せい もあり、これは二 に 重 じゅう 魔法 まほう 数 すう かもしれないと考 かんが えられている[42] 。
核 かく 変形 へんけい と相対 そうたい 論 ろん 的 てき 効果 こうか を考慮 こうりょ した超 ちょう 重 じゅう 核 かく での単 たん 粒子 りゅうし の解析 かいせき では、Z = 126、138、154、164とN = 228、308、318の新 あたら しい魔法 まほう 数 すう が予想 よそう されている[9] [70] 。したがって、291 Cn、293 Cn[24] 、298 Flを中心 ちゅうしん とした安定 あんてい の島 しま に加 くわ えて、さらに二 に 重 じゅう 魔法 まほう 数 すう の354 Ubhや472 Uhq、482 Uhqの周 まわ りにも安定 あんてい の島 しま が存在 そんざい する可能 かのう 性 せい がある[71] [72] 。これらの原子核 げんしかく はベータ崩壊 ほうかい に対 たい し安定 あんてい で、比較的 ひかくてき 長 なが い半減 はんげん 期 き でアルファ崩壊 ほうかい や自発 じはつ 核分裂 かくぶんれつ によって崩壊 ほうかい すると予測 よそく されており、それぞれN = 228同 どう 中性子 ちゅうせいし 体 たい 近辺 きんぺん や152-168番 ばん 元素 げんそ にさらなる安定 あんてい 性 せい を与 あた えている[88] 。一方 いっぽう で同 どう 分析 ぶんせき によると、354 Ubhのようなケースでは、陽子 ようし 殻 から の閉 と じ方 かた が比較的 ひかくてき 弱 よわ いかまたは存在 そんざい しない可能 かのう 性 せい がある。こうした原子核 げんしかく は二 に 重 じゅう 魔法 まほう 数 すう ではないかもしれず、安定 あんてい 性 せい は主 おも に強 つよ い中性子 ちゅうせいし 殻 から の閉 と じ方 かた によって決定 けってい されることになる[70] 。さらに、第 だい 2の島 しま (Z = 164)では電磁 でんじ 的 てき な反発 はんぱつ の力 ちから が非常 ひじょう に大 おお きく、強 つよ い力 ちから に打 う ち勝 か つと考 かんが えられるため[89] 、この領域 りょういき 周辺 しゅうへん の原子核 げんしかく は共鳴 きょうめい としてしか存在 そんざい せず、原子核 げんしかく を有意 ゆうい な時間 じかん で保 たも つことができない可能 かのう 性 せい がある。また、これらの系列 けいれつ の間 あいだ にある超 ちょう アクチノイド元素 げんそ のいくつかは、両方 りょうほう の島 しま から離 はな れすぎているために実際 じっさい には存在 そんざい しない可能 かのう 性 せい もあり[89] 、その場合 ばあい 、周期 しゅうき 表 ひょう はZ = 130あたりで終 お わるかもしれない[63] 。
164番 ばん 元素 げんそ を超 こ えると、核分裂 かくぶんれつ 性 せい 物質 ぶっしつ に対 たい する安定 あんてい 性 せい の限界 げんかい を示 しめ す領域 りょういき が中性子 ちゅうせいし ドリップラインに収束 しゅうそく し、より重 おも い元素 げんそ の存在 そんざい に限界 げんかい が生 しょう じる可能 かのう 性 せい がある[88] 。とはいえ、Z = 210、274、354、N = 308、406、524、644、772とさらなる魔法 まほう 数 すう が予測 よそく されており[90] 、616 210と798 274の2つのベータ崩壊 ほうかい に安定 あんてい な二 に 重 じゅう 魔法 まほう 核 かく が発見 はっけん されたが、同 おな じ計算 けいさん 方法 ほうほう で298 Flと472 164も予測 よそく された(Z = 354で予測 よそく された二 に 重 じゅう 魔法 まほう 核 かく はベータ崩壊 ほうかい に対 たい し不安定 ふあんてい で、998 354は中性子 ちゅうせいし 不足 ふそく 、1126 354は中性子 ちゅうせいし 過剰 かじょう であった)。616 210と798 274にはアルファ崩壊 ほうかい や核分裂 かくぶんれつ に対 たい するさらなる安定 あんてい 性 せい が予測 よそく されており、616 210の半減 はんげん 期 き は数 すう 百 ひゃく マイクロ秒 びょう にも及 およ ぶ[90] が、Z = 114や164で予測 よそく されているような大 おお きな安定 あんてい 性 せい の島 しま は存在 そんざい しないと考 かんが えられている。超 ちょう 重 じゅう 元素 げんそ の存在 そんざい は閉殻による安定 あんてい 化 か 効果 こうか に強 つよ く依存 いぞん しているため、核 かく の不安定 ふあんてい 性 せい と自発 じはつ 核分裂 かくぶんれつ が安定 あんてい の島 しま を超 こ えて周期 しゅうき 表 ひょう の終 お わりを決定 けってい することになるだろうと考 かんが えられている[63] [76] [88] 。
未 み 発見 はっけん 元素 げんそ の崩壊 ほうかい 特性 とくせい の予測 よそく
編集 へんしゅう
安定 あんてい 性 せい の主要 しゅよう な島 しま は291 Cnと293 Cnの周辺 しゅうへん にあると考 かんが えられているため、オガネソン を超 こ える未 み 発見 はっけん の元素 げんそ は非常 ひじょう に不安定 ふあんてい で、マイクロ秒 びょう 以下 いか でアルファ崩壊 ほうかい や自発 じはつ 核分裂 かくぶんれつ を起 お こす可能 かのう 性 せい がある。半減 はんげん 期 き が1マイクロ秒 びょう を超 こ える正確 せいかく な領域 りょういき は不明 ふめい だが、利用 りよう 可能 かのう なターゲットや発射 はっしゃ 体 たい との核 かく 融合 ゆうごう 反応 はんのう で生成 せいせい される、ウンビニリウム より重 おも い元素 げんそ の同位 どうい 体 たい は、半減 はんげん 期 き が1マイクロ秒 びょう 以下 いか となり検出 けんしゅつ されない可能 かのう 性 せい があることを様々 さまざま なモデルが示唆 しさ している[45] 。 一貫 いっかん して予測 よそく されているのは、N = 184とN = 228、そしておそらくZ ~ 124とN ~ 198にも安定 あんてい 領域 りょういき が存在 そんざい することである。これらの核 かく は数 すう 秒 びょう の半減 はんげん 期 き を持 も ち、主 おも にアルファ崩壊 ほうかい と自発 じはつ 核分裂 かくぶんれつ を起 お こすが、わずかなベータプラス崩壊 ほうかい (または電子 でんし 捕獲 ほかく )の分岐 ぶんき も存在 そんざい するかもしれないと考 かんが えられている[91] 。 これらの安定 あんてい 性 せい が高 たか まった領域 りょういき の外側 そとがわ では、安定 あんてい 化 か 効果 こうか が失 うしな われるために核分裂 かくぶんれつ 障壁 しょうへき が大幅 おおはば に低下 ていか し核 かく 子 こ の半減 はんげん 期 き は10−18 秒 びょう 未満 みまん になると予想 よそう される。特 とく に、核 かく 子 こ のペアによって障壁 しょうへき がさらに低 ひく くなる偶数 ぐうすう -偶数 ぐうすう の原子核 げんしかく では顕著 けんちょ である[88] 。一般 いっぱん にアルファ崩壊 ほうかい の半減 はんげん 期 き は中性子 ちゅうせいし 数 すう とともに増加 ぞうか し、最 もっと も中性子 ちゅうせいし 数 すう の少 すく ない同位 どうい 体 たい ではナノ秒 びょう 、ベータ安定 あんてい 線 せん (ベータ崩壊 ほうかい を起 お こさない核種 かくしゅ 群 ぐん )に近 ちか いところでは数 すう 秒 びょう になると予想 よそう されている[33] 。魔法 まほう 数 すう よりも中性子 ちゅうせいし 数 すう が少 すく ない原子核 げんしかく では結合 けつごう エネルギーが大幅 おおはば に低下 ていか するため、この傾向 けいこう は崩 くず れ、半減 はんげん 期 き は短 みじか くなる[33] 。さらに中性子 ちゅうせいし が不足 ふそく している同位 どうい 体 たい も結合 けつごう エネルギーが低 ひく く、陽子 ようし 放出 ほうしゅつ の可能 かのう 性 せい がある。クラスタ崩壊 ほうかい (重 じゅう 粒子 りゅうし 放出 ほうしゅつ )もいくつかの同位 どうい 体 たい の代替 だいたい 崩壊 ほうかい モードとして提案 ていあん されているが[92] 、これらの元素 げんそ の同定 どうてい にはさらに別 べつ のハードルがある。
以下 いか は、119~173番 ばん 元素 げんそ および184番 ばん 元素 げんそ の予想 よそう される電子 でんし 配置 はいち である。記号 きごう [Og]は、現在 げんざい 知 し られている最後 さいご の元素 げんそ であるオガネソン(Z = 118)の推定 すいてい 電子 でんし 配置 はいち を示 しめ す。119番 ばん 元素 げんそ より前 まえ では、オガネソンが閉殻(不 ふ 活性 かっせい ガス)配置 はいち を持 も つ最後 さいご の元素 げんそ であると予想 よそう されるため、表 ひょう の元素 げんそ の配置 はいち は[Og]で始 はじ まるように書 か かれている。[Og]は1s2 2s2 2p6 3s2 3p6 3d10 4s2 4p6 4d10 4f14 5s2 5p6 5d10 5f14 6s2 6p6 6d10 7s2 7p6 である。 同様 どうよう に、173番 ばん 元素 げんそ および184番 ばん 元素 げんそ の[172]は、閉殻と予想 よそう される172番 ばん 元素 げんそ の電子 でんし 配置 はいち を示 しめ す。
123番 ばん 元素 げんそ 以降 いこう では完全 かんぜん なCCSD計算 けいさん は利用 りよう できないため、この表 ひょう のデータは暫定 ざんてい 的 てき なものとして考慮 こうりょ する必要 ひつよう がある[63] [73] [93] 。123番 ばん 元素 げんそ およびより重 おも い元素 げんそ の場合 ばあい 、いくつかの考 かんが えられる電子 でんし 配置 はいち は非常 ひじょう に類似 るいじ したエネルギーレベルを持 も つと予想 よそう されるため、基底 きてい 状態 じょうたい を予測 よそく することは非常 ひじょう に困難 こんなん である。下表 かひょう には提案 ていあん されているすべての構成 こうせい が含 ふく まれる(マーデルング則 そく がおそらくこれ以降 いこう 機能 きのう しなくなると考 かんが えられているため)[93] [66] [94] 。
172番 ばん 元素 げんそ までの予測 よそく されたブロックはKulshaの提案 ていあん であり、予想 よそう される利用 りよう 可能 かのう な電子 でんし 軌道 きどう に従 したが う[19] 。 ただし、138番 ばん 元素 げんそ 以降 いこう のブロックについて、文献 ぶんけん による合意 ごうい はない。
元素 げんそ
ブロック
予想 よそう される電子 でんし 配置 はいち [62] [63] [73] [16]
119
Uue
ウンウンエンニウム
sブロック
[Og] 8s1
120
Ubn
ウンビニリウム
sブロック
[Og] 8s2
121
Ubu
ウンビウニウム
gブロック
[Og] 8s2 8p1 1/2 [66]
122
Ubb
ウンビビウム
gブロック
[Og] 8s2 8p2 1/2 [66] [Og] 7d1 8s2 8p1 1/2
123
Ubt
ウンビトリウム
gブロック
[Og] 6f1 8s2 8p2 1/2 [95] [Og] 6f1 7d1 8s2 8p1 1/2 [93] [66] [Og] 6f2 8s2 8p1 1/2 [Og] 8s2 8p2 1/2 8p1 3/2 [93]
124
Ubq
ウンビクアジウム
gブロック
[Og] 6f2 8s2 8p2 1/2 [66] [95] [Og] 6f3 8s2 8p1 1/2
125
Ubp
ウンビペンチウム
gブロック
[Og] 6f4 8s2 8p1 1/2 [66] [Og] 5g1 6f2 8s2 8p2 1/2 [95] [Og] 5g1 6f3 8s2 8p1 1/2 [Og] 8s2 0.81(5g1 6f2 8p2 1/2 ) + 0.17(5g1 6f1 7d2 8p1 1/2 ) + 0.02(6f3 7d1 8p1 1/2 )
126
Ubh
ウンビヘキシウム
gブロック
[Og] 5g1 6f4 8s2 8p1 1/2 [66] [Og] 5g2 6f2 8s2 8p2 1/2 [95] [Og] 5g2 6f3 8s2 8p1 1/2 [Og] 8s2 0.998(5g2 6f3 8p1 1/2 ) + 0.002(5g2 6f2 8p2 1/2 )
127
Ubs
ウンビセプチウム
gブロック
[Og] 5g2 6f3 8s2 8p2 1/2 [66] [Og] 5g3 6f2 8s2 8p2 1/2 [95] [Og] 8s2 0.88(5g3 6f2 8p2 1/2 ) + 0.12(5g3 6f1 7d2 8p1 1/2 )
128
Ubo
ウンビオクチウム
gブロック
[Og] 5g3 6f3 8s2 8p2 1/2 [66] [Og] 5g4 6f2 8s2 8p2 1/2 [95] [Og] 8s2 0.88(5g4 6f2 8p2 1/2 ) + 0.12(5g4 6f1 7d2 8p1 1/2 )
129
Ube
ウンビエンニウム
gブロック
[Og] 5g4 6f3 7d1 8s2 8p1 1/2 [Og] 5g4 6f3 8s2 8p2 1/2 [66] [95] [Og] 5g5 6f2 8s2 8p2 1/2 [Og] 5g4 6f3 7d1 8s2 8p1 1/2
130
Utn
ウントリニリウム
gブロック
[Og] 5g5 6f3 7d1 8s2 8p1 1/2 [Og] 5g5 6f3 8s2 8p2 1/2 [66] [95] [Og] 5g6 6f2 8s2 8p2 1/2 [Og] 5g5 6f3 7d1 8s2 8p1 1/2
131
Utu
ウントリウニウム
gブロック
[Og] 5g6 6f3 8s2 8p2 1/2 [66] [95] [Og] 5g7 6f2 8s2 8p2 1/2 [Og] 8s2 0.86(5g6 6f3 8p2 1/2 ) + 0.14(5g6 6f2 7d2 8p1 1/2 )
132
Utb
ウントリビウム
gブロック
[Og] 5g7 6f3 8s2 8p2 1/2 [95] [Og] 5g8 6f2 8s2 8p2 1/2
133
Utt
ウントリトリウム
gブロック
[Og] 5g8 6f3 8s2 8p2 1/2 [95]
134
Utq
ウントリクアジウム
gブロック
[Og] 5g8 6f4 8s2 8p2 1/2 [95]
135
Utp
ウントリペンチウム
gブロック
[Og] 5g9 6f4 8s2 8p2 1/2 [95]
136
Uth
ウントリヘキシウム
gブロック
[Og] 5g10 6f4 8s2 8p2 1/2 [95]
137
Uts
ウントリセプチウム
gブロック
[Og] 5g11 6f4 8s2 8p2 1/2 [95]
138
Uto
ウントリオクチウム
gブロック
[Og] 5g12 6f4 8s2 8p2 1/2 [95] [Og] 5g12 6f3 7d1 8s2 8p2 1/2
139
Ute
ウントリエンニウム
gブロック
[Og] 5g13 6f3 7d1 8s2 8p2 1/2 [95] [Og] 5g13 6f2 7d2 8s2 8p2 1/2
140
Uqn
ウンクアドニリウム
gブロック
[Og] 5g14 6f3 7d1 8s2 8p2 1/2 [95] [Og] 5g15 6f1 8s2 8p2 1/2 8p2 3/2
141
Uqu
ウンクアドウニウム
gブロック
[Og] 5g15 6f2 7d2 8s2 8p2 1/2 [95]
142
Uqb
ウンクアドビウム
gブロック
[Og] 5g16 6f2 7d2 8s2 8p2 1/2 [95]
143
Uqt
ウンクアドトリウム
fブロック
[Og] 5g17 6f2 7d2 8s2 8p2 1/2 [95]
144
Uqq
ウンクアドクアジウム
fブロック
[Og] 5g18 6f2 7d2 8s2 8p2 1/2 [95] [Og] 5g18 6f1 7d3 8s2 8p2 1/2 [Og] 5g17 6f2 7d3 8s2 8p2 1/2 [Og] 8s2 0.95(5g17 6f2 7d3 8p2 1/2 ) + 0.05(5g17 6f4 7d1 8p2 1/2 )
145
Uqp
ウンクアドペンチウム
fブロック
[Og] 5g18 6f3 7d2 8s2 8p2 1/2 [95]
146
Uqh
ウンクアドヘキシウム
fブロック
[Og] 5g18 6f4 7d2 8s2 8p2 1/2 [95]
147
Uqs
ウンクアドセプチウム
fブロック
[Og] 5g18 6f5 7d2 8s2 8p2 1/2 [95]
148
Uqo
ウンクアドオクチウム
fブロック
[Og] 5g18 6f6 7d2 8s2 8p2 1/2 [95]
149
Uqe
ウンクアドエンニウム
fブロック
[Og] 5g18 6f6 7d3 8s2 8p2 1/2 [95]
150
Upn
ウンペントニリウム
fブロック
[Og] 5g18 6f6 7d4 8s2 8p2 1/2 [Og] 5g18 6f7 7d3 8s2 8p2 1/2 [95]
151
Upu
ウンペントウニウム
fブロック
[Og] 5g18 6f8 7d3 8s2 8p2 1/2 [95]
152
Upb
ウンペントビウム
fブロック
[Og] 5g18 6f9 7d3 8s2 8p2 1/2 [95]
153
Upt
ウンペントトリウム
fブロック
[Og] 5g18 6f10 7d3 8s2 8p2 1/2 [Og] 5g18 6f11 7d2 8s2 8p2 1/2 [95]
154
Upq
ウンペントクアジウム
fブロック
[Og] 5g18 6f11 7d3 8s2 8p2 1/2 [Og] 5g18 6f12 7d2 8s2 8p2 1/2 [95]
155
Upp
ウンペントペンチウム
fブロック
[Og] 5g18 6f12 7d3 8s2 8p2 1/2 [Og] 5g18 6f13 7d2 8s2 8p2 1/2 [95]
156
Uph
ウンペントヘキシウム
fブロック
[Og] 5g18 6f13 7d3 8s2 8p2 1/2 [Og] 5g18 6f14 7d2 8s2 8p2 1/2 [95]
157
Ups
ウンペントセプチウム
dブロック
[Og] 5g18 6f14 7d3 8s2 8p2 1/2 [95]
158
Upo
ウンペントオクチウム
dブロック
[Og] 5g18 6f14 7d4 8s2 8p2 1/2 [95]
159
Upe
ウンペントエンニウム
dブロック
[Og] 5g18 6f14 7d5 8s2 8p2 1/2 [Og] 5g18 6f14 7d4 8s2 8p2 1/2 9s1 [95]
160
Uhn
ウンヘキスニリウム
dブロック
[Og] 5g18 6f14 7d6 8s2 8p2 1/2 [Og] 5g18 6f14 7d5 8s2 8p2 1/2 9s1 [95]
161
Uhu
ウンヘキスウニウム
dブロック
[Og] 5g18 6f14 7d7 8s2 8p2 1/2 [Og] 5g18 6f14 7d6 8s2 8p2 1/2 9s1 [95]
162
Uhb
ウンヘキスビウム
dブロック
[Og] 5g18 6f14 7d8 8s2 8p2 1/2 [Og] 5g18 6f14 7d7 8s2 8p2 1/2 9s1 [95]
163
Uht
ウンヘキストリウム
dブロック
[Og] 5g18 6f14 7d9 8s2 8p2 1/2 [Og] 5g18 6f14 7d8 8s2 8p2 1/2 9s1 [95]
164
Uhq
ウンヘキスクアジウム
dブロック
[Og] 5g18 6f14 7d10 8s2 8p2 1/2 [95]
165
Uhp
ウンヘキスペンチウム
dブロック
[Og] 5g18 6f14 7d10 8s2 8p2 1/2 9s1 [95]
166
Uhh
ウンヘキスヘキシウム
dブロック
[Og] 5g18 6f14 7d10 8s2 8p2 1/2 9s2 [95]
167
Uhs
ウンヘキスセプチウム
pブロック
[Og] 5g18 6f14 7d10 8s2 8p2 1/2 9s2 9p1 1/2 [Og] 5g18 6f14 7d10 8s2 8p2 1/2 8p1 3/2 9s2 [95]
168
Uho
ウンヘキスオクチウム
pブロック
[Og] 5g18 6f14 7d10 8s2 8p2 1/2 9s2 9p2 1/2 [Og] 5g18 6f14 7d10 8s2 8p2 1/2 8p2 3/2 9s2 [95]
169
Uhe
ウンヘキスエンニウム
pブロック
[Og] 5g18 6f14 7d10 8s2 8p2 1/2 8p1 3/2 9s2 9p2 1/2 [Og] 5g18 6f14 7d10 8s2 8p2 1/2 8p3 3/2 9s2 [95]
170
Usn
ウンセプトニリウム
pブロック
[Og] 5g18 6f14 7d10 8s2 8p2 1/2 8p2 3/2 9s2 9p2 1/2 [Og] 5g18 6f14 7d10 8s2 8p2 1/2 8p4 3/2 9s2 [95]
171
Usu
ウンセプトウニウム
pブロック
[Og] 5g18 6f14 7d10 8s2 8p2 1/2 8p3 3/2 9s2 9p2 1/2 [Og] 5g18 6f14 7d10 8s2 8p2 1/2 8p4 3/2 9s2 9p1 1/2 [95]
172
Usb
ウンセプトビウム
pブロック
[Og] 5g18 6f14 7d10 8s2 8p2 1/2 8p4 3/2 9s2 9p2 1/2 [95]
173
Ust
ウンセプトトリウム
?
[172] 6g1 [172] 9p1 3/2
...
...
...
...
...
184
Uoq
ウンオクトクアジウム
?
[172] 6g5 7f4 8d3
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