桜 さくら の花 はな
いろいろな花 はな
花 はな (はな、華 はな とも書 か く。花卉 かき -かき=漢字 かんじ 制限 せいげん のため、「花 か き」と書 か かれることが多 おお い)とは、植物 しょくぶつ が成長 せいちょう してつけるもので、多 おお くは綺麗 きれい な花 はな びらに飾 かざ られる。花 はな が枯 か れると果実 かじつ ができて、種子 しゅし ができる。多 おお くのものが観賞 かんしょう 用 よう に用 もち いられる。生物 せいぶつ 学 がく 的 まと には種子 しゅし 植物 しょくぶつ の生殖 せいしょく 器官 きかん である。また、植物 しょくぶつ の代表 だいひょう 的 てき 器官 きかん として、「植物 しょくぶつ (種 たね )」そのものの代名詞 だいめいし 的 てき に使 つか われることも多 おお い[ 1] 。植物 しょくぶつ の花 はな を生花 せいか (せいか)、紙 かみ や布 ぬの ・金属 きんぞく などで作 つく られた花 はな を造花 ぞうか (ぞうか)という。
生物 せいぶつ 学 がく 的 てき 「花 はな 」
花 はな の定義 ていぎ
花 はな は雌蕊 めしべ や雄蕊 おしべ を含 ふく む(ないものもある)、一 いち 個 こ の有限 ゆうげん の茎 くき 頂 いただき に胞子 ほうし 葉 は (花 はな 葉 は )と不 ふ 稔 みのり の付属 ふぞく 物 ぶつ などから構成 こうせい された、種子 しゅし 植物 しょくぶつ の生殖 せいしょく 器官 きかん である。
しかし、その厳密 げんみつ な定義 ていぎ については複数 ふくすう の考 かんが え方 かた が存在 そんざい する。
被子植物 ひししょくぶつ の生殖 せいしょく 器官 きかん を花 はな とする考 かんが え方 かた
胚珠 はいしゅ のある生殖 せいしょく 器官 きかん を花 はな とする考 かんが え方 かた (被子植物 ひししょくぶつ と裸子植物 らししょくぶつ )
生殖 せいしょく 器官 きかん が密集 みっしゅう したものを花 はな とする考 かんが え方 かた
花 はな は、胞子 ほうし 葉 は が枝 えだ 先 さき に固 かた まった構造 こうぞう から生 しょう じたと見 み られるが、この意味 いみ を広 ひろ く考 かんが えれば、普通 ふつう の被子植物 ひししょくぶつ の花 はな 以外 いがい に、裸子植物 らししょくぶつ における松 まつ ぼっくりなどの元 もと になる構造 こうぞう や、さらにはスギナ の胞子 ほうし 葉 は であるツクシ のようなものまでが花 はな と言 い えてしまう。2は、松 まつ ぼっくりまでは花 はな だというもので、3は、ツクシも花 はな だという立場 たちば と言 い える。
1はアメリカの研究 けんきゅう 者 しゃ に多 おお く、2はヨーロッパの研究 けんきゅう 者 しゃ に多 おお い。19世紀 せいき は3の考 かんが え方 かた が主流 しゅりゅう だったが、現在 げんざい では一番 いちばん 合理 ごうり 的 てき とされる2が主流 しゅりゅう になりつつある。
構造 こうぞう
花 はな 全体 ぜんたい の構造 こうぞう は、1本 ほん の枝 えだ に、先端 せんたん の方 ほう から大 だい 胞子 ほうし 葉 は 、小 しょう 胞子 ほうし 葉 は 、不実 ふじつ の葉 は が並 なら んだ構造 こうぞう が、ごく短 みじか くつまったものと見 み なせる。
典型 てんけい 的 てき な花 はな は、枝 えだ から伸 の びた柄 え の先 さき につき、中心 ちゅうしん に雌蕊 めしべ をもち、その周囲 しゅうい を雄蕊 おしべ が囲 かこ む。その周囲 しゅうい には、花 はな びら や萼 がく などが配置 はいち する。雄蕊 おしべ では花粉 かふん が作 つく られ、雌蕊 めしべ には胚珠 はいしゅ が入 はい っている。この両者 りょうしゃ の働 はたら きで種子 しゅし が作 つく られる。
裸子植物 らししょくぶつ においては、雌雄 しゆう 異 い 花 はな が普通 ふつう で、軸 じく を中心 ちゅうしん に胞子 ほうし 葉 は 由来 ゆらい の鱗片 りんぺん 状 じょう の構造 こうぞう が並 なら んだ形 かたち を取 と るのが普通 ふつう である。
被子植物 ひししょくぶつ では、花 はな びらや萼 がく といった装飾 そうしょく 的 てき な構造 こうぞう が多数 たすう 加 くわ わることが多 おお い。したがって、その構造 こうぞう は中心 ちゅうしん に大 だい 胞子 ほうし 葉 は 由来 ゆらい の雌蕊 めしべ 、その外側 そとがわ に小 しょう 胞子 ほうし 葉 は 由来 ゆらい の雄蕊 おしべ 、そしてその外側 そとがわ に葉 は 由来 ゆらい の花弁 はなびら 、そして一 いち 番外 ばんがい 側 がわ にやはり葉 は 由来 ゆらい の萼 がく が取 と り巻 ま くという形 かたち になる。花弁 はなびら 、萼 がく はまとめて花 はな 被 ひ と呼 よ ばれる。ただし、すべての花 はな がこのような構造 こうぞう を持 も っているわけではなく、花 はな びらや萼 がく などがない花 はな も多 おお い。特 とく に、風媒花 ふうばいか などでは、花 はな びらの欠損 けっそん や退化 たいか が見 み られるものが多 おお い。イネ科 か の場合 ばあい このような花 はな を小 しょう 穂 ほ という。
1つの花 はな に雄蕊 おしべ と雌蕊 めしべ を備 そな える花 はな が多 おお いが、どちらかだけを持 も つ、雌雄 しゆう 異 い 花 はな のものもある[ 2] 。雄蕊 おしべ と雌蕊 めしべ が両方 りょうほう 備 そな わっていても、片方 かたがた が機能 きのう していない例 れい や、どちらかが先 さき に熟 じゅく し、同時 どうじ には熟 こな さないようになっている例 れい も多 おお い。
花 はな の配列 はいれつ 状態 じょうたい を花序 かじょ という。花序 かじょ は花 はな によって異 こと なるが、ある一定 いってい の方式 ほうしき に沿 そ って並 なら ぶ。
苞 つと は、花 はな や花序 かじょ の基部 きぶ につく葉 は のことをいう。包 つつみ 葉 は ともいう。通常 つうじょう は、小型 こがた であるが花弁 はなびら 状 じょう になるものもある。
花 はな の進化 しんか
既知 きち の植物 しょくぶつ で最 もっと も古 ふる いとされる被子植物 ひししょくぶつ の化石 かせき アルカエフルクトゥス
ドクダミ の花 はな 穂 ほ には花 はな が並 なら び、個々 ここ の花 はな は雄 お 蘂 しべ と雌 めす 蘂 しべ 1本 ほん ずつから成 な る
モクレン の花 はな 中央 ちゅうおう の穂状 すいじょう のものは外側 そとがわ は雄 お 蘂 しべ 、内側 うちがわ は雌 めす 蘂 しべ 、いずれも多数 たすう あってらせん状 じょう に並 なら ぶ
種子 しゅし 植物 しょくぶつ がシダ植物 しょくぶつ から進化 しんか するに伴 ともな い、雄蕊 おしべ は小 しょう 胞子 ほうし のう をつける胞子 ほうし 葉 は が、雌蕊 めしべ は大 だい 胞子 ほうし のうをつける胞子 ほうし 葉 は が各々 おのおの 変化 へんか してできたと考 かんが えられる。また、花 はな びら、萼 がく も葉 は が起源 きげん のものと考 かんが えられる。
被子植物 ひししょくぶつ の花 はな が、どのようにして進化 しんか したかについては、大 おお きく2説 せつ がある。
1雄蕊 おしべ 1雌蕊 めしべ 1花 はな 被 ひ 1の花 はな を原始 げんし 的 てき なものと見 み なし、次第 しだい に複雑 ふくざつ な構造 こうぞう のものが出現 しゅつげん したとする説 せつ で、新 しん エングラー体系 たいけい の根拠 こんきょ となっている。
軸 じく を中心 ちゅうしん に多数 たすう の雄蕊 おしべ 、雌蕊 めしべ 、花 はな 被 ひ が螺旋 らせん 状 じょう に並 なら んだ花 はな を原始 げんし 的 てき なものと見 み なし、次第 しだい にその形 かたち が整理 せいり されてきたと見 み なすもので、クロンキスト体系 たいけい はこれを基礎 きそ とする。
クロンキスト体系 たいけい では、双 そう 子葉 しよう 植物 しょくぶつ 綱 つな ではキク目 め を最 もっと も進化 しんか したものとし、単 たん 子葉 しよう 植物 しょくぶつ 綱 つな ではラン目 め を最 もっと も進化 しんか したものとする。
生殖 せいしょく 様式 ようしき
花粉 かふん により受粉 じゅふん をさせ、生殖 せいしょく を行 おこな う。受粉 じゅふん の様式 ようしき は、花 はな の構造 こうぞう により自家 じか 受粉 じゅふん と他家 たけ 受粉 じゅふん に分 わ けられる。通常 つうじょう 、他家 たけ 受粉 じゅふん が起 お きることが望 のぞ ましいので、種類 しゅるい によっては自家 じか 受粉 じゅふん を妨 さまた げるような仕組 しく みが見 み られる。例 たと えば、雄蕊 おしべ と雌蕊 めしべ のどちらか先 さき に成熟 せいじゅく するようになっているのもそのひとつである。どちらが先 さき かで雄 ゆう 性 せい 先 さき 熟 じゅく または雌 めす 性 せい 先 さき 熟 じゅく とよばれる[ 3] 。
また、花粉 かふん はそのままでは移動 いどう できないため、受粉 じゅふん を行 おこな うためには何 なん らかの媒介 ばいかい が必要 ひつよう となる。おもに媒介 ばいかい 者 しゃ となるのは風 ふう と動物 どうぶつ であり、風 ふう が媒介 ばいかい するものは風媒花 ふうばいか と呼 よ ばれる。動物 どうぶつ が媒介 ばいかい するものはその媒介 ばいかい 者 しゃ によって虫媒花 ちゅうばいか ・鳥 とり 媒 なかだち 花 はな ・コウモリ 媒 なかだち 花 はな などに分 わ かれる。動物 どうぶつ 媒 なかだち の中 なか では特 とく に虫 むし による媒介 ばいかい が多 おお い[ 4] 。最 もっと も古 ふる い媒介 ばいかい 方式 ほうしき は風 ふう 媒 なかだち であるが、のちにより確実 かくじつ 性 せい の高 たか まる動物 どうぶつ 媒 なかだち が発展 はってん した。しかしながら冷 ひや 帯 たい 地域 ちいき においては単一 たんいつ 樹 じゅ 種 しゅ による樹林 じゅりん が多 おお いことや媒介 ばいかい 者 しゃ となる動物 どうぶつ の不足 ふそく から、再 ふたた び風 ふう 媒 なかだち に戻 もど るものが多 おお く、かなりの樹木 じゅもく が風媒花 ふうばいか となっている[ 5] 。逆 ぎゃく に媒介 ばいかい 動物 どうぶつ の多 おお い熱帯 ねったい 地域 ちいき においては動物 どうぶつ 媒 なかだち が圧倒的 あっとうてき で、熱帯 ねったい 樹木 じゅもく の95%を占 し める[ 4] 。風 ふう 媒 なかだち と違 ちが い、虫 むし や鳥 とり など動物 どうぶつ に受粉 じゅふん を媒介 ばいかい させる場合 ばあい 、花 はな に動物 どうぶつ を引 ひ き寄 よ せる必要 ひつよう があるため、多 おお くの花 はな は蜜 みつ 腺 せん から蜜 みつ を分泌 ぶんぴつ し、動物 どうぶつ に花 はな を訪 おとず れるようにさせる。こうした蜜 みつ 食 しょく 動物 どうぶつ にとって花 はな の蜜 みつ は重要 じゅうよう な食料 しょくりょう であるが、他 た に花粉 かふん そのものを食糧 しょくりょう とする昆虫 こんちゅう も多 おお く存在 そんざい する[ 6] 。また、ナツメヤシ などの一部 いちぶ 作物 さくもつ においては、人間 にんげん の手 て で花 はな に花粉 かふん を塗 ぬ りつける人工 じんこう 授粉 が行 おこな われているが、これは人間 にんげん も花粉 かふん 媒介 ばいかい 者 しゃ となっていることを示 しめ している[ 7] 。
希少 きしょう な例 れい としては、地中 ちちゅう で開花 かいか ・結実 けつじつ するものもあり、ヤシ科 か の Pinanga subterranea 、ラン科 か のリザンテラ属 ぞく が発見 はっけん されているが、受粉 じゅふん の様式 ようしき は不明 ふめい である。ミゾソバ は匍匐 ほふく 茎 くき に閉鎖 へいさ 花 はな を付 つ けることが知 し られている。
花 はな が美 うつく しいわけ
花 はな は人目 ひとめ を引 ひ く魅力 みりょく がある。一般 いっぱん 的 てき な概念 がいねん の花 はな は、それ以外 いがい の部分 ぶぶん が緑 みどり などの地味 じみ な中 なか にあって、それとは対照 たいしょう 的 てき に鮮 あざ やかな色合 いろあ いの花弁 はなびら などを並 なら べてよく目立 めだ つようになっている。これは、そもそも花 はな の存在 そんざい が、他者 たしゃ の目 め を引 ひ くことを目的 もくてき としているからである。ただし、本来 ほんらい はヒト の目 め ではなく、昆虫 こんちゅう や鳥 とり などの目 め を引 ひ くためのものである。顕著 けんちょ な例 れい としてミツバチ の可視 かし 領域 りょういき は紫外線 しがいせん を含 ふく み、ミツバチの目 め で花 はな を見 み ると蜜 みつ のある中央 ちゅうおう 部 ぶ が白 しろ く反射 はんしゃ する花 はな がある事 こと などが知 し られる。これは、植物 しょくぶつ が固着 こちゃく 性 せい の生活 せいかつ 様式 ようしき を持 も つため、繁殖 はんしょく 時 じ の生殖 せいしょく 細胞 さいぼう 、具体 ぐたい 的 てき には花粉 かふん の輸送 ゆそう に他者 たしゃ の力 ちから を借 か りなければならないためである。被子植物 ひししょくぶつ の多 おお くがその対象 たいしょう を昆虫 こんちゅう や鳥 とり などの小 しょう 動物 どうぶつ とし、彼 かれ らを誘 さそ うために美 うつく しい花 はな びらで飾 かざ られた花 はな の構造 こうぞう が発達 はったつ した[ 8] 。また同 おな じ目的 もくてき で、虫媒花 ちゅうばいか の多 おお くは強 つよ い香 かお りを持 も つ。その香 かお りは媒介 ばいかい 者 しゃ の好 この みの香 かお りであるため、人間 にんげん にとって素晴 すば らしい香 かお りとは限 かぎ らない[ 9] 。また鳥 とり は嗅覚 きゅうかく が弱 よわ いため、鳥 とり 媒 なかだち 花 はな の多 おお くは強 つよ い香 かお りを持 も たない[ 10] 。
他方 たほう 、無生物 むせいぶつ によって花粉 かふん を運搬 うんぱん する植物 しょくぶつ の花 はな は目立 めだ つ必要 ひつよう がないため、花 はな の色 いろ は地味 じみ なもので香 かお りも弱 よわ い[ 5] 。現生 げんなま の裸子植物 らししょくぶつ は一部 いちぶ の例外 れいがい を除 のぞ くほとんど全 すべ てが風 ふう 媒 なかだち なので、花弁 はなびら などを持 も たない。被子植物 ひししょくぶつ でもイグサ科 か やイネ科 か などは虫媒花 ちゅうばいか から進化 しんか して二 に 次 じ 的 てき に風 ふう 媒 なかだち となったもので、イグサ科 か では花弁 はなびら はあるが極 きわ めて地味 じみ になっており、イネ科 か では花弁 はなびら は完全 かんぜん に退化 たいか し、開花 かいか 時 じ にも全 まった く目立 めだ たない。
花 はな の色 いろ
土 ど の成分 せいぶん によって様々 さまざま な色 いろ を出 だ すアジサイ
花色 はないろ 変異 へんい (英語 えいご 版 ばん ) (源平 げんぺい 咲 ざ き)をしているハナモモ の花 はな (群馬 ぐんま 県 けん みどり市 し )
花 はな を発色 はっしょく させる色素 しきそ は、開花 かいか 時 じ に細胞 さいぼう 内部 ないぶ で酵素 こうそ を用 もち いた化学 かがく 反応 はんのう が起 お こり生成 せいせい される。元来 がんらい 花 はな の色 いろ は送 おく 粉 こな 者 しゃ を惹 ひ きつけるために着 つ けるもので、蕾 つぼみ の時 とき には必要 ひつよう が無 な い。主 おも な色素 しきそ はフラボノイド ・カロテノイド ・ベタレイン ・クロロフィル のグループであり、総数 そうすう は数 すう 千 せん にもなる。さらに水素 すいそ イオン指数 しすう (pH)や存在 そんざい するイオン の影響 えいきょう で色 いろ が変化 へんか する事 こと もあり、多様 たよう な色 いろ で知 し られるアジサイ の場合 ばあい はアルミニウム イオン濃度 のうど で左右 さゆう される[ 11] 。
色素 しきそ が無 な い花 はな びらは白 しろ く見 み える。花 はな びらの材質 ざいしつ は本来 ほんらい 透明 とうめい だが、中 なか に気泡 きほう があるために白 しろ く見 み える。花 はな びらが色素 しきそ を持 も たないメカニズムには、作 つく られた色素 しきそ が別 べつ の酵素 こうそ で破壊 はかい される場合 ばあい と、色素 しきそ を作 つく る酵素 こうそ の機能 きのう が阻害 そがい された場合 ばあい がある。前者 ぜんしゃ の例 れい は白 しろ いキク で、花 はな にはカロテノイドを分解 ぶんかい する酵素 こうそ が存在 そんざい し、作 つく られた色素 しきそ が壊 こわ される。後者 こうしゃ にはアサガオ があり、フラボノイドの一種 いっしゅ アントシアニン を作 つく る酵素 こうそ のDNA 内 うち にトランスポゾン があり色素 しきそ 生成 せいせい を阻害 そがい する。このトランスポゾンが開花 かいか 中 ちゅう にDNA上 じょう の別 べつ な場所 ばしょ に移動 いどう すると酵素 こうそ は色素 しきそ を作 つく れるようになる。これによって一 ひと つの花 はな の中 なか に色素 しきそ がある細胞 さいぼう と無 な い細胞 さいぼう が混在 こんざい し、アサガオの模様 もよう が作 つく られる。トランスポゾンの動 うご き方 かた は一定 いってい ではなく、それぞれの頻度 ひんど やタイミングによって花 はな の模様 もよう が異 こと なってくる。トランスポゾンを含 ふく むアサガオは江戸 えど 時代 じだい に偶然 ぐうぜん 発見 はっけん され、品種 ひんしゅ 改良 かいりょう を経 へ て広 ひろ まった[ 11] 。
人工 じんこう 的 てき に花 はな の色 いろ を変 か える試 こころ みには、品種 ひんしゅ 改良 かいりょう や遺伝子 いでんし 組 く み換 か え技術 ぎじゅつ またはDNAを変質 へんしつ させる突然変異 とつぜんへんい の利用 りよう などがある。品種 ひんしゅ 改良 かいりょう では、色素 しきそ を作 つく る酵素 こうそ が無 な かったり色素 しきそ を破壊 はかい する酵素 こうそ が存在 そんざい するため、例 たと えば青 あお いバラ や黄色 きいろ いアサガオ などは作 つく れない。他 た の花 はな から色素 しきそ をつくる酵素 こうそ のDNAを組 く み入 い れる試 こころ みでは、青 あお いバラ が生産 せいさん された例 れい もあるが、pHなど他 た の条件 じょうけん が異 こと なるため元 もと の花 はな と同 おな じ発色 はっしょく は難 むずか しい[ 11] 。
用語 ようご
花 はな の構成 こうせい 要素 ようそ に関 かん して
花 はな の構成 こうせい 要素 ようそ
柱頭 ちゅうとう
花 はな 柱 ばしら
子房 しぼう
外 そと 珠 たま 皮 がわ
内 うち 珠 たま 皮 がわ
胚 はい 嚢
葯
花 はな 糸 いと
花冠 かかん
萼 がく
花 はな 床 ゆか
花 はな 柄 がら
雄蕊 おしべ
雌蕊 めしべ
花 はな 被 ひ
距 ( きょ )
花冠 かかん の基部 きぶ が後 うし ろに飛 と び出 で たもの。スミレ 、ツタバウンラン など。
副 ふく 花冠 かかん
花冠 かかん と雄蕊 おしべ の間 あいだ にある花冠 かかん に似 に たもの。副 ふく 冠 かんむり ともいう。スイセン など。
雌雄 しゆう に関 かん して
両性 りょうせい 花 はな
一 ひと つの花 はな に雌蕊 めしべ 、雄蕊 おしべ が両方 りょうほう あるもの。
単 たん 性 せい 花 はな
一 ひと つの花 はな に雌蕊 めしべ 、雄蕊 おしべ の一方 いっぽう しかないもの。雌蕊 めしべ だけの花 はな を雌花 めばな 、雄蕊 おしべ だけの花 はな を雄花 おばな という。
中性 ちゅうせい 花 はな
おしべとめしべが退化 たいか した不 ふ 稔 みのり 性 せい の花 はな 。アジサイ やキク科 か など。それでは役 やく にたないので、普通 ふつう は完全 かんぜん な形 かたち の花 はな との組 く み合 あ わせで見 み られる。たとえばアジサイでは装飾 そうしょく 花 はな が中性 ちゅうせい 花 はな になっている。
花 はな の形態 けいたい に関 かん して
完全 かんぜん 花 はな
萼 がく 、花弁 はなびら 、雌蕊 めしべ 、雄蕊 おしべ が全部 ぜんぶ 揃 そろ っている花 はな 。両性 りょうせい 花 はな の意味 いみ で使 つか うこともある。
不完全 ふかんぜん 花 はな
萼 がく 、花弁 はなびら 、雌蕊 めしべ 、雄蕊 おしべ のひとつ以上 いじょう が欠 か けている花 はな 。単 たん 性 せい 花 はな の意味 いみ で使 つか うこともある。
無 む 花 はな 被 ひ 花 はな
花 はな 被 ひ の無 な い花 はな 。裸 はだか 花 はな ともいう。ヤナギ 、ドクダミ など。
単 たん 花 はな 被 ひ 花 はな
萼 がく はあるが花冠 かかん の無 な い花 はな 。萼 がく が花冠 かかん に見 み えるものが多 おお い。シュウメイギク など。なお、「萼 がく は無 な いが花冠 かかん はある」ということは考 かんが えない。萼 がく と雌蕊 めしべ または雄蕊 おしべ の間 あいだ にあるものを花冠 かかん と考 かんが えるのが正 ただ しい。このため「萼 がく は無 な いが花冠 かかん はある」と見 み える花 はな があれば、「花冠 かかん のように見 み えるのが萼 がく で、花冠 かかん は存在 そんざい しない。」ということになる。(花 はな の基部 きぶ の緑 みどり のところが萼 がく で、その内側 うちがわ のカラフルな部分 ぶぶん を花冠 かかん と考 かんが えてはならない。)
両 りょう 花 はな 被 ひ 花 はな
萼 がく と花冠 かかん のある花 はな 。多 おお くの花 はな がこれにあたる。
合弁 ごうべん 花 はな
花弁 はなびら 同士 どうし が全部 ぜんぶ または一部 いちぶ くっついている花 はな 。アサガオ 、ツツジ など。
離 はなれ 弁 べん 花 はな
花弁 はなびら 同士 どうし がくっついていない花 はな 。バラ 、ナタネ など。
同 どう 花 はな 被 ひ 花 はな
萼 がく と花冠 かかん の区別 くべつ がつきにくい花 はな 。チューリップ など。普通 ふつう のチューリップの花 はな の基部 きぶ を観察 かんさつ すると、萼 がく 片 へん に相当 そうとう する外花 とばな 被 ひ 片 へん 3枚 まい 、花弁 はなびら に相当 そうとう する内花 うちはな 被 ひ 片 へん 3枚 まい とわかる。しかし、多 おお くの人 ひと は花弁 はなびら 6枚 まい と考 かんが える。
閉鎖 へいさ 花 はな
花冠 かかん が開 ひら かずに終 お わる花 はな 。例 たと えばホトケノザ の花 はな はその一部 いちぶ が閉鎖 へいさ 花 はな 。
開放 かいほう 花 はな
花冠 かかん が開 ひら く花 はな 。ほとんどの花 はな がそうである。
異形 いぎょう 花 はな
同一 どういつ の種 たね で複数 ふくすう の花 はな の形 かたち があることをいう。例 たと えば、雄花 おばな 、雌花 めばな のある植物 しょくぶつ などが典型 てんけい 例 れい である。花 はな の形 かたち の個数 こすう により二形 ふたなり 花 はな 、三 さん 形 かたち 花 はな などということがある。
装飾 そうしょく 花 はな
花弁 はなびら などだけが大 おお きく発達 はったつ した花 はな のことで、小 ちい さい両性 りょうせい 花 はな を囲 かこ むように存在 そんざい し、昆虫 こんちゅう の誘引 ゆういん のためと言 い われている。アジサイ など。
八重咲 やえざ き
一種 いっしゅ の奇形 きけい である。雄 お 蘂 しべ や雌 め しべが花弁 はなびら 化 か し、花弁 はなびら がよけいに重 かさ なっている花形 はながた 。
唇 くちびる 形 がた 花 はな
花弁 はなびら が上下 じょうげ に分 わ かれて発達 はったつ した花 はな 。下 した 側 がわ の受 う ける花弁 はなびら を唇 くちびる 弁 べん という。
蝶 ちょう 花 はな
マメ科 か の花 はな 。
利用 りよう
献花 けんか (札幌 さっぽろ 市 し 円山 まるやま 動物 どうぶつ 園 えん ・カンガルー 、2011年 ねん )
花 はな は魅力 みりょく 的 てき な姿 すがた をしているため、それを鑑賞 かんしょう することは世界中 せかいじゅう で古 ふる くからおこなわれており、そこからさまざまな利用 りよう 法 ほう が生 しょう じてきた。
儀礼 ぎれい と装飾 そうしょく
花 はな を摘 つ み集 あつ めて装飾 そうしょく とする風習 ふうしゅう は世界中 せかいじゅう に広 ひろ く見 み られる。ポリネシア などでは、花 はな を髪 かみ にさして髪 かみ 飾 かざ り とすることも広 ひろ く行 おこな われている[ 12] 。茎 くき から切 き り取 と った花 はな を切 き り花 ばな といい、これを花 はな を方向 ほうこう をそろえて束 たば ねたものを花束 はなたば (ブーケ )、組 く み合 あ わせて輪 わ にしたものを花輪 はなわ という。こうした花 はな は結婚式 けっこんしき や葬儀 そうぎ [ 13] といった冠婚葬祭 かんこんそうさい における装飾 そうしょく に広 ひろ く用 もち いられ、キリスト教 きりすときょう 系 けい の献花 けんか や仏教 ぶっきょう における仏 ふつ 花 はな など、死者 ししゃ を弔 とむら うための供 そな え物 もの にも用 もち いられる。
また花 はな は、贈答 ぞうとう 品 ひん としても一般 いっぱん 的 てき なものである。花 はな を贈答 ぞうとう 品 ひん とする場合 ばあい 、見 み かけの美 うつく しさ以外 いがい に、その香 かお りを重視 じゅうし する場合 ばあい もある。ヨーロッパやアメリカではバレンタインデー の贈 おく り物 もの には花 はな 、とくにバラが多 おお く用 もち いられ[ 14] 、また母 はは の日 ひ にはカーネーション が主 おも に贈 おく られるなど、花 はな を贈 おく ることが一般 いっぱん 的 てき な祭日 さいじつ も存在 そんざい する。
花 はな は装飾 そうしょく に多用 たよう され、日本 にっぽん の華道 かどう 、いわゆる生 い け花 ばな もこの方向 ほうこう で高度 こうど に発達 はったつ したものである。また生 い け花 ばな だけでなく、花 はな を乾燥 かんそう させたドライフラワー も装飾 そうしょく に使用 しよう される。
庭園 ていえん と観光 かんこう
京都 きょうと ・賀茂川 かもがわ の桜 さくら 。花見 はなみ は日本 にっぽん の春 はる の風物詩 ふうぶつし である
花 はな を育 そだ てて楽 たの しむことも古 ふる くからおこなわれた。庭園 ていえん を飾 かざ るために花 はな を育 そだ てる例 れい は広 ひろ く見 み られる。花 はな を中心 ちゅうしん とする庭 にわ を花園 はなぞの 、花畑 はなはた などといい、擁 よう 壁 かべ や煉瓦 れんが などで囲 かこ まれたスペースに花 はな を植 うえ 栽したものを花壇 かだん と呼 よ ぶ。観賞 かんしょう 用 よう の植物 しょくぶつ の栽培 さいばい を園芸 えんげい と言 い うが、特 とく に草 くさ の花 はな を目的 もくてき とする栽培 さいばい を花卉 かき 園芸 えんげい という。長 なが い歴史 れきし の中 なか で、多 おお くの観賞 かんしょう 用 よう の花 はな が選別 せんべつ 栽培 さいばい され、後 のち には人工 じんこう 交配 こうはい などによる品種 ひんしゅ 改良 かいりょう も行 おこな われた[ 15] 。
花 はな はしばしば広 ひろ い地域 ちいき に植 うえ 栽され、地域 ちいき 住民 じゅうみん に長 なが く親 した しまれているところも多 おお い。オランダのキューケンホフ公園 こうえん など、世界 せかい 各所 かくしょ に花 はな の名所 めいしょ は存在 そんざい し、近隣 きんりん のみならず世界中 せかいじゅう から観光 かんこう 客 きゃく が訪 おとず れるところもある。こうした名所 めいしょ は必 かなら ずしも花園 はなぞの や植 うえ 栽されたものだけではなく、たとえば南 みなみ アフリカ北西 ほくせい 部 ぶ のナマクワランド (英語 えいご 版 ばん ) のように、一 いち 面 めん の荒野 あらの が短 みじか い雨季 うき の到来 とうらい とともに地平線 ちへいせん まで野生 やせい の花 はな で埋 う め尽 つ くされるところも存在 そんざい する[ 16] 。日本 にっぽん では桜 さくら が国土 こくど の広 ひろ い地域 ちいき に植 うえ 栽され[ 17] 、春 はる には花見 はなみ を楽 たの しむために多 おお くの観光 かんこう 客 きゃく が訪 おとず れるが、そのほかにもスイセン や梅 うめ 、シバザクラ 、フジ 、チューリップ 、アジサイ 、ラベンダー 、コスモス 、キク など様々 さまざま な花 はな の名所 めいしょ が存在 そんざい し、観光 かんこう 客 きゃく を集 あつ めている。
こうした庭園 ていえん 造 づく りは公共 こうきょう の場 ば だけではなく、個人 こじん 宅 たく に庭 にわ や花壇 かだん などを作 つく ってさまざまな花 はな を育 そだ てるガーデニング も楽 たの しまれている。
料理 りょうり
花 はな びらをあしらったサラダ
花 はな を食用 しょくよう とすることは、洋 よう の東西 とうざい を問 と わず古 ふる くからおこなわれてきた。花 はな を食用 しょくよう とする場合 ばあい はほとんどは野菜 やさい に分類 ぶんるい され、花 はな 菜 さい と通称 つうしょう される[ 18] 。日本 にっぽん では食用 しょくよう 花 はな としては、キク 、ナノハナ 、シュンラン 、フキノトウ などが用 もち いられてきた。一方 いっぽう 、欧米 おうべい のエディブル・フラワー としてナスタチウム 、コーンフラワー 、バラ 、パンジー 、キンセンカ 、キンギョソウ などが挙 あ げられる[ 19] 。上記 じょうき の食用 しょくよう 花 はな は食味 しょくみ と同様 どうよう に見 み た目 め の美 うつく しさや飾 かざ りとしての役割 やくわり も重視 じゅうし されるが、一方 いっぽう でブロッコリー やカリフラワー 、ミョウガ 、アーティチョーク のように飾 かざ りにはあまり使用 しよう されず、食味 しょくみ を重視 じゅうし して食用 しょくよう とされる花 はな も存在 そんざい する。生花 せいか だけでなく、スミレ やパンジーのように砂糖 さとう 漬 づ けにしたり[ 20] 、桜 さくら の花 はな のように塩漬 しおづ けにしてから[ 21] 飾 かざ りとされる場合 ばあい もある。
直接的 ちょくせつてき な食用 しょくよう のほか、虫媒花 ちゅうばいか が虫 むし をおびき寄 よ せるために分泌 ぶんぴつ する花 はな の蜜 みつ はミツバチ によって採集 さいしゅう され、巣 す の中 なか で蜂蜜 はちみつ へと変化 へんか する[ 22] 。蜂蜜 はちみつ は人類 じんるい 最古 さいこ の甘味 あまみ 料 りょう とも呼 よ ばれ、現代 げんだい においても甘味 あまみ 料 りょう として重要 じゅうよう な地位 ちい を占 し めている。ミツバチは同一 どういつ の蜜 みつ 源 げん 植物 しょくぶつ から蜜 みつ を採取 さいしゅ する傾向 けいこう が強 つよ いため、そのミツバチの群 む れが採取 さいしゅ する花 はな の種類 しゅるい によってさまざまな味 あじ や香 かお りの蜂蜜 はちみつ ができる。さまざまな蜜 みつ 源 げん 植物 しょくぶつ からまんべんなく蜜 みつ を集 あつ めることもまれにあり、この場合 ばあい は百花 ひゃっか 蜜 みつ と呼 よ ばれる。代表 だいひょう 的 てき な蜜 みつ 源 げん 植物 しょくぶつ としては、日本 にっぽん ではレンゲソウ やアカシア などが挙 あ げられる。
その他 た
バラやラベンダー、ジャスミン など魅力 みりょく 的 てき な香 かお りを放 はな つ花 はな から精油 せいゆ などで香 かお り成分 せいぶん を取 と り出 だ し、そのまま利用 りよう したり香水 こうすい の原料 げんりょう とすることも行 おこな われている[ 23] 。一方 いっぽう 、スギ やヒノキ 、イネ科 か 植物 しょくぶつ やブタクサ 、シラカバ などが飛 と ばす花粉 かふん は、一部 いちぶ の人間 にんげん に花粉 かふん 症 しょう と呼 よ ばれるアレルギー 症状 しょうじょう を引 ひ き起 お こす。こうした花粉 かふん 症 しょう は主 おも に風媒花 ふうばいか の花粉 かふん によるものであるが、虫媒花 ちゅうばいか や鳥 とり 媒 なかだち 花 はな でも一部 いちぶ の花 はな では花粉 かふん 症 しょう が引 ひ き起 お こされる場合 ばあい がある[ 24] 。
花卉 かき 産業 さんぎょう
世界 せかい 最大 さいだい の花 はな 市場 いちば であるオランダのアールスメール花 はな 市場 いちば
上記 じょうき のような広範 こうはん な用途 ようと が存在 そんざい し旺盛 おうせい な需要 じゅよう が期待 きたい できるため、現在 げんざい では、花 はな を生産 せいさん することが産業 さんぎょう として成立 せいりつ している。切 き り花 ばな はかつては大 だい 消費 しょうひ 地 ち の近 ちか くで生産 せいさん されており、ヨーロッパはオランダ、アメリカや日本 にっぽん は国内 こくない で主 おも に生産 せいさん が行 おこな われていた。しかし切 き り花 ばな は商品 しょうひん 価値 かち が高 たか く比較的 ひかくてき 重量 じゅうりょう も軽 かる いため、1980年代 ねんだい 以降 いこう 大 だい 消費 しょうひ 地 ち から離 はな れた土地 とち で生産 せいさん し消費 しょうひ 地 ち まで空輸 くうゆ することが盛 さか んになってきている。ヨーロッパ向 む けの輸出 ゆしゅつ を主 おも とするケニア [ 25] やエチオピア 、アメリカ向 む けの輸出 ゆしゅつ を柱 はしら とするコロンビア やエクアドル などはこの切 き り花 ばな 産業 さんぎょう が急 きゅう 成長 せいちょう しており、重要 じゅうよう な産業 さんぎょう のひとつに成長 せいちょう しつつある[ 26] 。この国際 こくさい 化 か によって従来 じゅうらい の切 き り花 ばな 産地 さんち は衰退 すいたい し、特 とく にアメリカ国内 こくない の生産 せいさん は激減 げきげん した[ 27] 。オランダの切 き り花 ばな 生産 せいさん も2007年 ねん 以降 いこう 大 だい 打撃 だげき を受 う けた[ 28] ものの、世界 せかい 最大 さいだい の花卉 かき 園芸 えんげい 市場 いちば であるアールスメール花 はな 市場 いちば などでの花 はな の取引 とりひき はいまだ非常 ひじょう に盛 さか んであり、世界 せかい の花卉 かき 市場 いちば の中心 ちゅうしん となっている[ 29] 。ただし鉢植 はちう えに関 かん しては土 ど を必要 ひつよう とするため、重量 じゅうりょう と検疫 けんえき の関係 かんけい で貿易 ぼうえき がほとんど行 おこな われておらず、いまだ大 だい 消費 しょうひ 国内 こくない での生産 せいさん が主流 しゅりゅう である[ 27] 。なお、花卉 かき 園芸 えんげい で実際 じっさい に扱 あつか う対象 たいしょう は花 はな に限 かぎ らず、いわゆる枝 えだ もの、実 じつ ものも含 ふく む。
こうして生産 せいさん された花 はな は、小売 こうり 業者 ぎょうしゃ に直接 ちょくせつ 販売 はんばい されることもあるが、日本 にっぽん では80%近 ちか く(2012年 ねん )は卸売 おろしう り の生花 せいか 市場 いちば を通 とお して小売 こうり 業者 ぎょうしゃ (花屋 はなや )へと届 とど き、一般 いっぱん 消費 しょうひ 者 しゃ に販売 はんばい される。花 はな の流通 りゅうつう は卸売 おろしう り経由 けいゆ が大半 たいはん を占 し めることが特徴 とくちょう で、卸 おろし の割合 わりあい が急激 きゅうげき に減少 げんしょう している青果 せいか や水産物 すいさんぶつ とは大 おお きく異 こと なっている[ 30] 。
品種 ひんしゅ 改良 かいりょう がおこなわれる場合 ばあい 、それを支 ささ える市場 いちば の要求 ようきゅう が高 たか い場合 ばあい がある。ヨーロッパにおいても、日本 にっぽん においても、花 はな の栽培 さいばい の歴史 れきし の中 なか では何 なん 度 ど か特定 とくてい の花 はな のブームがあり、新 しん 品種 ひんしゅ が考 かんが えられないような高値 たかね で取引 とりひき されたことがある。ヨーロッパ ではチューリップ が17世紀 せいき にオランダ で大 だい ブームを起 お こし、このチューリップ・バブル ではひどいときは球根 きゅうこん 一 いち 個 こ が豪邸 ごうてい より高 たか かったと伝 つた えられる。
花 はな の消費 しょうひ に関 かん しては、日本 にっぽん では1970年代 ねんだい には、葬式 そうしき や結婚式 けっこんしき 、店内 てんない 装飾 そうしょく などに使用 しよう される業務 ぎょうむ 用 よう 、生 い け花 ばな などに使用 しよう される稽古 けいこ 用 よう 、そして仏 ふつ 花 はな や贈答 ぞうとう 、個人 こじん 消費 しょうひ などに使 つか われる家庭 かてい 用 よう の3用途 ようと がほぼ等量 とうりょう となっていた[ 31] 。その後 ご 、稽古 けいこ 用 よう の消費 しょうひ 割合 わりあい が減少 げんしょう する一方 いっぽう で経済 けいざい の成長 せいちょう に伴 ともな って業務 ぎょうむ 用 よう や贈答 ぞうとう 用 よう の需要 じゅよう が急 きゅう 拡大 かくだい し、1990年代 ねんだい 前半 ぜんはん にはピークに達 たっ した。しかしその後 ご は不 ふ 況 きょう によって業務 ぎょうむ 用 よう 消費 しょうひ が急減 きゅうげん し、花 はな の消費 しょうひ 量 りょう は減少 げんしょう 傾向 けいこう に向 む かった[ 32] 。家庭 かてい 用 よう 消費 しょうひ も減少 げんしょう したものの他 ほか の用途 ようと に比 くら べ減少 げんしょう が緩 ゆる やかだったため比率 ひりつ は拡大 かくだい し、2007年 ねん には消費 しょうひ の6割 わり が家庭 かてい 用 よう となった[ 31] 。
文化 ぶんか
ゴッホの「ひまわり」
言語 げんご 的 てき 文化 ぶんか としては、漢字 かんじ 文化 ぶんか 圏 けん では「華 はな 」と書 か き日本語 にほんご には「華 はな やか」「社交 しゃこう 界 かい の花 はな 」「華 はな がある」などは肯定 こうてい 的 てき 表現 ひょうげん として用 もち いられている。「きれいな薔薇 ばら にはとげがある(Every rose has its thorn.There's no rose without a thorn.)」=美人 びじん に裏 うら がある、といった外国 がいこく の慣用 かんよう 句 く も単純 たんじゅん な肯定 こうてい ではないが、ヒトの感性 かんせい において美 うつく しいと認識 にんしき する人間 にんげん を花 はな に例 たと えている。強 つよ い色彩 しきさい を持 も つ観賞 かんしょう 用 よう の火薬 かやく の爆発 ばくはつ に「花火 はなび 」という字 じ を当 あ てるのは漢字 かんじ 文化 ぶんか 圏 けん に共通 きょうつう である(ただし、中国 ちゅうごく 語 ご では「烟 けむり 火 ひ 」が主 おも )。自然 しぜん 現象 げんしょう によるものとしては、「雪 ゆき の花 はな 」は形状 けいじょう が花 はな に似 に ていることに由来 ゆらい する名 な である。温泉 おんせん の成分 せいぶん が集 あつ まることで発生 はっせい する「湯 ゆ の花 はな 」や、美 うつく しい結晶 けっしょう を薔薇 ばら の花 はな に譬 たと えた "desert rose (砂漠 さばく の薔薇 ばら )" など、「花 はな 」を美的 びてき な存在 そんざい の代名詞 だいめいし として扱 あつか う向 む きは日本 にっぽん でも外国 がいこく でも見 み られる。
日本人 にっぽんじん 特有 とくゆう の価値 かち 観 かん では少 すこ し違 ちが った意味合 いみあ いを付 つ けられることもあり、もののあはれ などといった無常 むじょう 観 かん や四季 しき の変化 へんか のもとでその儚 はかな さ が愛 め でられてきた。それは戦死 せんし を意味 いみ する「散華 さんげ 」 など死 し にも近似 きんじ するが、生命 せいめい 力 りょく と矛盾 むじゅん するわけでもない。短 みじか い命 いのち であるからこそ、束 つか の間 ま の栄華 えいが ・華 はな やかさが美 うつく しく感 かん じられるということである。これは平家 ひらか (伊勢 いせ 平 たいら 氏 し )の栄華 えいが とその後 ご の没落 ぼつらく を描 えが いた古典 こてん 文学 ぶんがく 『平家 ひらか 物語 ものがたり 』などにも見 み てとることができる。「少 すこ しずつ咲 さ いていって全体 ぜんたい では長 なが い間 あいだ を咲 さ き続 つづ ける、梅 うめ の花 はな 」から「いっせいに咲 さ いてすぐに散 ち ってゆく、桜 さくら の花 はな 」へと「日本人 にっぽんじん が最 もっと も好 この む花 はな 」および「花 はな の代名詞 だいめいし 」が移 うつ ろったことは、民族 みんぞく 特有 とくゆう の美意識 びいしき の確立 かくりつ を物語 ものがた る事象 じしょう の一 ひと つにも位置付 いちづ けられる。「様々 さまざま な花 はな の色 いろ 」あるいは「色 いろ とりどりに咲 さ く花 はな の様子 ようす 」を日本語 にほんご では千紫万紅 せんしばんこう (千紫萬紅 せんしばんこう 、せんしばんこう)と言 い う。
日本 にっぽん では、奈良 なら 時代 じだい から平安 へいあん 時代 じだい 初期 しょき までは中国 ちゅうごく 文化 ぶんか の影響 えいきょう を強 つよ く受 う けて梅 うめ の花 はな が、平安 へいあん 時代 じだい 初期 しょき 以降 いこう は桜 さくら の花 はな が最 もっと も盛 さか んに愛 め でられる花 はな であり、日本 にっぽん で花見 はなみ と言 い えば一般 いっぱん 的 てき にはこれらの花 はな を観賞 かんしょう することを意味 いみ する[ 33] 。
芸術 げいじゅつ
花 はな はその美 うつく しさから、様々 さまざま な芸術 げいじゅつ のモチーフとなってきた。すでに古代 こだい エジプト の絵画 かいが にもスイレンがえがかれており[ 34] 、17世紀 せいき のオランダ黄金 おうごん 時代 じだい の絵画 かいが では静物 せいぶつ 画 が の題材 だいざい として花 はな は非常 ひじょう に好 この まれていた[ 35] 。その後 ご も花 はな が絵画 かいが の題材 だいざい として好 この まれることには変 か わりがなく、ゴッホ のひまわり などのような名画 めいが も生 う み出 だ された。詩 し にも古 ふる くから謳 うた われ、洋 よう の東西 とうざい を問 と わず数々 かずかず の大 だい 詩人 しじん が花 はな を詠 よ んだ詩 し を作 つく っている[ 36] 。
信仰 しんこう と象徴 しょうちょう
十 じゅう 六 ろく 八 はち 重 じゅう 表 ひょう 菊 きく 。皇室 こうしつ の紋章 もんしょう であり、日本 にっぽん の事実 じじつ 上 じょう の国 くに 章 あきら となっている
石器 せっき 時代 じだい の遺跡 いせき からは、葬儀 そうぎ に花 はな を副葬品 ふくそうひん にするという文化 ぶんか が発見 はっけん されている[ 37] [ 38] 。
また、花 はな は古来 こらい よりアニミズム の対象 たいしょう となっている。万葉集 まんようしゅう では頭 あたま に花 はな を飾 かざ り、花 はな の持 も つ霊力 れいりょく を我 わ が身 み のものとする挿頭 かざし 花 はな (かざし)の風習 ふうしゅう が歌 うた われている。また、平安 へいあん 時代 じだい には現在 げんざい 今宮 いまみや 神社 じんじゃ で行 おこな われるやすらい祭 さい のように、花 はな の霊 れい が及 およ ぼす災 わざわ いを鎮 しず める鎮花祭 さい が盛 さか んに行 おこな われた[ 39] 。
世界 せかい の多 おお くの国 くに において、その国 くに の国民 こくみん に最 もっと も愛好 あいこう される花 はな を国花 こっか として当該 とうがい 国 こく の象徴 しょうちょう とすることが行 おこな われている[ 40] 。正式 せいしき な国花 こっか を制定 せいてい していない国 くに も多 おお いが、日本 にっぽん のサクラ やキク のように非公式 ひこうしき に国花 こっか とみなされている花 はな の存在 そんざい する国 くに もある。また国 くに 章 あきら に花 はな の絵柄 えがら を用 もち いている国 くに も多 おお く、日本 にっぽん も正式 せいしき な国 くに 章 しょう ではないものの、皇室 こうしつ の菊花 きっか 紋章 もんしょう (十 じゅう 六 ろく 八 はち 重 じゅう 表 ひょう 菊 きく )が事実 じじつ 上 じょう の国 くに 章 しょう として扱 あつか われ、パスポートにもデザインは少 すこ し変 か わっているもののこの紋章 もんしょう があしらわれている。また、日本 にっぽん 政府 せいふ は桐 きり 紋 もん を用 もち いている。
その他 た
世界 せかい 各地 かくち 、古今 ここん 東西 とうざい の遺跡 いせき や壁画 へきが においても、花 はな の絵柄 えがら は普遍 ふへん 的 てき に見 み かけられるもののひとつである。文様 もんよう としても花 はな は多 おお く用 もち いられ[ 41] 、日本 にっぽん の家紋 かもん にも花 はな をモチーフとしたものは多数 たすう 存在 そんざい する。このほか、硬貨 こうか のデザインや切手 きって などにも花 はな の絵柄 えがら は多用 たよう される[ 42] 。
花 はな の種類 しゅるい によってそれぞれに意味 いみ を持 も たせることもよくおこなわれ、日本 にっぽん では葬式 そうしき にキクの花 はな が用 もち いられるというような定番 ていばん がある。また、それをもっと推 お し進 すす めてそれぞれの花 はな にいくつかの意味 いみ を与 あた える花言葉 はなことば も、19世紀 せいき ヨーロッパで盛 さか んになり広 ひろ まった[ 43] 。
花 はな の庭 にわ と花畑 はなはた
イギリス、マージーサイド州 しゅう 、サウスポート、チャーチタウン植物 しょくぶつ 園 えん のフラワーガーデン
ノルウェー・ベルゲン にある樹木 じゅもく 園 えん 内 うち のフラワーガーデン
フラワーガーデンは高 たか さ、色 いろ 、質感 しつかん 、香 かお りの異 こと なる植物 しょくぶつ を組 く み合 あ わせ、面白 おもしろ さを演出 えんしゅつ し五感 ごかん を楽 たの しませる
花 はな の庭 にわ [ 44] 、花畑 はなはた は花 はな を咲 さ かせる植物 しょくぶつ を花壇 かだん や花圃 かほ などを利用 りよう して栽培 さいばい さらには展示 てんじ し、訪問 ほうもん 者 しゃ をもてなす庭園 ていえん またはその一部 いちぶ ・一角 いっかく である。
ほかフラワーガーデン(flower garden)[ 45]
またはフローラルガーデン(floral garden)[ 46] などと呼 よ ばれる。
花畑 はなはた は実際 じっさい の育苗 いくびょう 園 えん ・ナーサリーを指 さ すものはもとより、菜 な の花 はな が咲 さ き誇 ほこ る菜 な の花 はな 畑 はたけ やコスモス の花畑 はなはた 、北海道 ほっかいどう ガーデン街道 かいどう にも含 ふく まれるラベンダー 畑 はたけ など、場所 ばしょ に一 いち 面 めん 咲 さ いているもしくは咲 さ かせている花 はな の群生 ぐんせい も花畑 はなはた と呼称 こしょう される。少 すく なくとも日本語 にほんご の花畑 はなばたけ の場合 ばあい 自生 じせい や天然 てんねん の植物 しょくぶつ 群落 ぐんらく か人為 じんい の花卉 かき 栽培 さいばい や植 うえ 栽群かどうかは問 と わないが、フラワーガーデンを意味 いみ するところは後者 こうしゃ であり、景観 けいかん 、審美 しんび に耐 た えうるよう維持 いじ 整備 せいび がなされている。
日本 にっぽん での「花畑 はなはた 」には、例 たと えばうめきたガーデン 「10万 まん 株 かぶ の花畑 はなばたけ 」、なばなの里 さと 「光 ひかり のお花畑 はなばたけ 」、葛西 かさい 臨海 りんかい 公園 こうえん (花畑 はなばたけ の種 たね は水仙 すいせん や菜 な の花 はな 、コスモス)、茶臼山 ちゃうすやま (愛知 あいち 県 けん ・長野 ながの 県 けん ) /茶臼山 ちゃうすやま 高原 こうげん シバザクラの花畑 はなはた 、小清水 こしみず 原生花園 げんせいかえん こしみずリリーパーク(ユリの花畑 はなばたけ )、四季 しき 彩 あや の丘 おか (正式 せいしき 名称 めいしょう は「展望 てんぼう 花畑 はなばたけ 四季 しき 彩 いろどり の丘 おか 」)などがあり、マザー牧場 ぼくじょう 、山梨 やまなし 県 けん 笛吹川 ふえふきがわ フルーツ公園 こうえん 、白野江 しらのえ 植物 しょくぶつ 公園 こうえん 、北海道 ほっかいどう 立 りつ サンピラーパーク などの施設 しせつ にも、花畑 はなはた が設 もう けられている。また日本語 にほんご 表現 ひょうげん では綿 めん の畑 はたけ も、綿 めん 畑 はたけ のほかに綿花 めんか 畑 はたけ とも呼 よ ばれる。
類似 るいじ の用語 ようご に江戸 えど 時代 じだい に使用 しよう されていた花屋敷 はなやしき や花園 はなぞの があるが、花園 はなぞの は一般 いっぱん にフラワーガーデンを指 さ す語 かたり で使用 しよう というよりも、使用 しよう 例 れい はもっぱら地名 ちめい などが主 おも である[ 47] 。
植物 しょくぶつ 園 えん や植物 しょくぶつ 公園 こうえん も花 はな が植 うえ 栽されている庭園 ていえん ではあるが、それぞれ各国 かっこく で法的 ほうてき な定義 ていぎ がなされている。花 はな の庭 にわ や花畑 はなばたけ はそうした定義 ていぎ とは別 べつ の、例 たと えば日本 にっぽん の明治 めいじ 時代 じだい 以前 いぜん からの寺社 じしゃ 境内 けいだい などに設 もう けた(例 たと えば桃園 ももぞの や梅園 うめぞの 、つつじ 園 えん など)、明治 めいじ 時代 じだい 以後 いご の西洋 せいよう の植物 しょくぶつ を主体 しゅたい とした(例 たと えばバラ園 えん やチューリップ 畑 はたけ など)、花 はな を一 いち 面 めん に咲 さ かせるある施設 しせつ の場所 ばしょ (あじさい寺 てら 、あじさいの里 さと やクレマチスの丘 おか など)などが知 し られる。
花 はな の庭 にわ や花畑 はなばたけ では通常 つうじょう 、低木 ていぼく やウッドランド・ガーデン (woodland garden ) 内 うち で優位 ゆうい に花 はな を咲 さ かせる木本 もくほん 植物 しょくぶつ [ 48] (Woody_plant ) ではなく、草本 そうほん 植物 しょくぶつ の庭園 ていえん や群生 ぐんせい を指 さ すことが多 おお いが、この両者 りょうしゃ は庭 にわ のどの領域 りょういき でも植 うえ 栽 の一部 いちぶ となりうる。
だいたいの草花 くさばな 、特 とく に一 いち 年 ねん 草 くさ は、定期 ていき 的 てき に土 ど を掘 ほ り起 お こし、有機物 ゆうきぶつ や肥料 ひりょう を補充 ほじゅう した花壇 かだん や植 う え込 こ みに植 う えることで、最 もっと もよく育 そだ つ。花 はな は1年 ねん を通 つう じてさまざまな時期 じき にそれぞれが咲 さ くが、植物 しょくぶつ によっては1年 ねん 草 くさ で毎年 まいとし 冬 ふゆ に枯 か れてしまうため、花壇 かだん の設計 せっけい では通常 つうじょう 、四季 しき を通 つう じて花 はな の順序 じゅんじょ と一貫 いっかん した色 いろ の組 く み合 あ わせを維持 いじ することを考慮 こうりょ する必要 ひつよう がある。一 いち 年 ねん 草 くさ と多年草 たねんそう の花壇 かだん に限定 げんてい して花壇 かだん 整理 せいり (bedding-out ) を行 おこな うほか、労働 ろうどう 時間 じかん や花 はな の色 いろ 柄 がら も考慮 こうりょ して慎重 しんちょう に設計 せっけい されている。
花 はな の色 いろ も草本 そうほん のボーダー や低木 ていぼく と草本 そうほん 植物 しょくぶつ を含 ふく むミックスボーダーの重要 じゅうよう な特徴 とくちょう である。フラワーガーデンはノットガーデン やハーブガーデン などの、他 た 草花 くさばな を主体 しゅたい とした別 べつ の種類 しゅるい の庭 にわ と機能 きのう 的 てき に結 むす びついていることもある。
装飾 そうしょく 花弁 はなびら とされる植物 しょくぶつ の多 おお くは、そのほとんどが雑草 ざっそう として発生 はっせい したもので、十分 じゅうぶん に魅力 みりょく 的 てき であれば、その魅力 みりょく ゆえに農民 のうみん が許容 きょよう することもあった。その結果 けっか 、人為 じんい 的 てき な淘汰 とうた が起 お こり、人間 にんげん にとってより美 うつく しい花 はな が作 つく られるようになった。これは農耕 のうこう の歴史 れきし の中 なか でずっと続 つづ いてきたことだとみられるが、このことは、多 おお くの花 はな がより有用 ゆうよう な農作物 のうさくもつ のコンパニオンプランツ として機能 きのう する理由 りゆう にもなる。どちらの植物 しょくぶつ も家畜 かちく 化 か されるまでに食用 しょくよう 植物 しょくぶつ と共生 きょうせい 関係 かんけい を進化 しんか させていたため、同 おな じ地域 ちいき に生息 せいそく し、魅力 みりょく ある植物 しょくぶつ として選 えら ばれるのに便利 べんり だったのである。
植物 しょくぶつ がいったん家畜 かちく 化 か されると、ほとんどの花 はな は単独 たんどく で、あるいは他 た の機能 きのう を備 そな える庭園 ていえん の一部 いちぶ として育 そだ てられるようになった。西洋 せいよう では、庭 にわ の一部 いちぶ を花壇 かだん にするという発想 はっそう は、おそらく16世紀 せいき になってから一般 いっぱん 的 てき になったとみられる。
花壇 かだん は、特 とく に大 だい 企業 きぎょう や大 だい 組織 そしき では、色彩 しきさい を一定 いってい に保 たも つために、季 き 節 ぶし ごとに大 おお きな花壇 かだん を取 と り壊 こわ し、すべて取 と り替 か えるということもあるし、マルチング などの技術 ぎじゅつ を用 もち いれば、その育成 いくせい 労力 ろうりょく を軽減 けいげん することができるほか、en:Rhinanthus などの寄生 きせい 植物 しょくぶつ を植 う えることで草 くさ の成長 せいちょう を穏 おだ やかにすることもできる[ 49] [ 50] [ 51] 。
出典 しゅってん
^ 新聞 しんぶん での使用 しよう 例 れい 。「皇居 こうきょ に3448種 しゅ 動植物 どうしょくぶつ を確認 かくにん 、新種 しんしゅ の花 はな も」日本経済新聞 にほんけいざいしんぶん 2014年 ねん 7月 がつ 13日 にち 付 づけ 1面 めん 見出 みだ し
^ 「樹木 きき 学 まなぶ 」p126 ピーター・トーマス 築地 つきじ 書 しょ 館 かん 2001年 ねん 7月 がつ 30日 にち 初版 しょはん 発行 はっこう
^ 「樹木 きき 学 まなぶ 」p125 ピーター・トーマス 築地 つきじ 書 しょ 館 かん 2001年 ねん 7月 がつ 30日 にち 初版 しょはん 発行 はっこう
^ a b 「樹木 きき 学 まなぶ 」p105 ピーター・トーマス 築地 つきじ 書 しょ 館 かん 2001年 ねん 7月 がつ 30日 にち 初版 しょはん 発行 はっこう
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^ 「日本 にっぽん の花卉 かき 園芸 えんげい 光 ひかり と影 かげ 歴史 れきし ・文化 ぶんか ・産業 さんぎょう 」p71-73 今西 いまにし 英雄 ひでお ・福井 ふくい 博一 ひろかず ・内藤 ないとう 重之 しげゆき ・柴田 しばた 道夫 みちお ・土井 どい 元 もと 章 あきら ・宇田 うだ 明 あきら ・田中 たなか 孝幸 たかゆき ・西川 にしかわ 照子 てるこ 著 ちょ ミネル みねる ヴァ書房 ぁしょぼう 2016年 ねん 3月 がつ 15日 にち 初版 しょはん 第 だい 1刷 さつ
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^ 「日本 にっぽん の花卉 かき 園芸 えんげい 光 ひかり と影 かげ 歴史 れきし ・文化 ぶんか ・産業 さんぎょう 」p79 今西 いまにし 英雄 ひでお ・福井 ふくい 博一 ひろかず ・内藤 ないとう 重之 しげゆき ・柴田 しばた 道夫 みちお ・土井 どい 元 もと 章 あきら ・宇田 うだ 明 あきら ・田中 たなか 孝幸 たかゆき ・西川 にしかわ 照子 てるこ 著 ちょ ミネル みねる ヴァ書房 ぁしょぼう 2016年 ねん 3月 がつ 15日 にち 初版 しょはん 第 だい 1刷 さつ
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^ 例 たと えば北野 きたの 天満 てんま 宮 みや の梅苑 うめぞの 「花 はな の庭 にわ 」
^ 江戸川 えどがわ 区 く フラワーガーデン 、小田原 おだわら フラワーガーデン など
^ 例 たと えば京王 けいおう フローラルガーデンANGE 、刈谷 かりや 市 し フローラルガーデンよさみ 、フローラルガーデンおぶせ など
^ なお国語 こくご 辞典 じてん 、例 たと えば『花園 はなぞの 』 - コトバンク の解説 かいせつ も地名 ちめい のほかは、精選 せいせん 版 ばん 日本 にっぽん 国語 こくご 大 だい 辞典 じてん 「花園 はなぞの 」の解説 かいせつ では「花 はな の咲 さ く草木 くさき を多 おお く植 う えてある園 えん 。」、『花園 はなぞの ・花 はな 苑 えん 』 - コトバンク では 「花 はな 樹 じゅ や花卉 かき (かき)を植 う えた園 えん (その)。はなぞの。はなばたけ。花圃 かほ 。」で、花畑 はなはた (『花畑 はなはた 』 - コトバンク で「草花 くさばな を栽培 さいばい している畑 はたけ 。また、草花 くさばな のたくさん咲 さ いている場所 ばしょ 。」)でもあることを解説 かいせつ している
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参考 さんこう 文献 ぶんけん
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編集 へんしゅう 長 ちょう :竹内 たけうち 均 ひとし 「ニュートン 2012年 ねん 6月 がつ 号 ごう 、雑誌 ざっし 07047-06」、ニュートンプレス 、2010年 ねん 。
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