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オーガズム

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オルガスムから転送てんそう

オーガズムえい: orgasm)・オルガスムスどく: Orgasmus)は、 累積るいせきてき性的せいてき緊張きんちょうからの突然とつぜん解放かいほうのことであり、骨盤こつばんまわりの筋肉きんにくのリズミカルな痙攣けいれんともない、つよ快感かいかんんだのち弛緩しかん状態じょうたいいたるもののことである[1]

古代こだいギリシア: ὀργασμός(オルガズモス、「成熟せいじゅく」「発情はつじょう」の)を語源ごげんとし、日本語にほんごでは性的せいてき絶頂ぜっちょうとも。ぞくには「アクメ」「エクスタシー」などのかたり使つかひともいる。また、オーガズムにたっすることを「イク」「イッた」などと表現ひょうげんする。

概説がいせつ

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全身ぜんしん骨格こっかくすじ収縮しゅうしゅく過度かど呼吸こきゅう心悸亢進しんきこうしん、および骨盤こつばんまわりの筋肉きんにくのリズミカルな収縮しゅうしゅくともな[2]つよ快感かいかんんだのち弛緩しかん状態じょうたいいた[1]他方たほうで、心理しんり学的がくてきには解放かいほう頂点ちょうてん主観しゅかんてき経験けいけんられる[3]

現在げんざいではすでに古典こてんてき研究けんきゅうとされるマスターズとジョンソン英語えいごばん定義ていぎした4段階だんかいせい反応はんのう周期しゅうき英語えいごばんでは「オーガズム」は「高原こうげん」と「後退こうたい」のあいだにあたる、とされた[1][4]

またオーガズムは、いちめんでは、よろこびをかんじ、ゆだねるという心理しんりてき経験けいけんであり、そのときしんはもっぱら自分じぶん個人こじんてき体験たいけんだけにけられているものである[1]

オーガズムは随意ずいいもしくは自律じりつてき大脳だいのうえんけいにより支配しはいされており、性器せいき肛門こうもんかこ下部かぶ骨盤こつばんすじぐん高速こうそくすじ収縮しゅうしゅく英語えいごばんのサイクルをともな[1]。オーガズムのあいだには脳波のうはのパターンにはっきりとした変化へんかあらわれ、このことはオーガズムの反応はんのうにおけるあたりえんけい重要じゅうようせいしめしている[1]男性だんせい女性じょせいのうはオーガズムのあいだには類似るいじした変化へんかせ、のう活動かつどうのスキャンは大脳皮質だいのうひしつだい部分ぶぶんでの一時いちじてき代謝たいしゃ活動かつどう低下ていかあたりえんけいでの代謝たいしゃ活動かつどう変化へんかもしくは増大ぞうだいしめ[5]


1970年代ねんだいのマスターズ&ジョンソンの研究けんきゅうでは、「生理せいりてき反応はんのう大半たいはん男女だんじょ共通きょうつうである」とされた[6]が、男女だんじょのオーガズムの生理せいりてき相違そういてんとしては射精しゃせいおよびおう反応はんのうともいう)の存在そんざいがある。男性だんせいにおいては、オーガズムは一般いっぱんてき射精しゃせいへといた[7]、オーガズムしばらくはふたたびオーガズムに到達とうたつできないおうがある[8]おうにはしばしばリラックスかん脱力だつりょくかん虚脱きょだつかん)がともない、これは神経しんけいホルモンであるオキシトシンプロラクチン放出ほうしゅつによるものとされている[9]男性だんせいおうのことを、オーガズムに到達とうたつできないことやリラックスかんからぞくに「賢者けんじゃタイム」という。女性じょせいはオーガズムを比較的ひかくてき長時間ちょうじかん維持いじすることができ、オーガズム直後ちょくご性的せいてき刺激しげきにより再度さいどオーガズムにもどることができる[10]

ヴワディスワフ・ポドコヴィンスキーエクスタシー』(1894)。オーガズムをえがいている。[よう出典しゅってん]

定義ていぎ

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「オーガズム」は生理学せいりがくてき医学いがくてきには男女だんじょともに生殖せいしょく周辺しゅうへん筋肉きんにく素早すばやくリズミカルで強力きょうりょく収縮しゅうしゅく、および心拍しんぱくすう呼吸こきゅうすう血圧けつあつ増大ぞうだい瞳孔どうこう拡散かくさんなどを特徴とくちょうとして定義ていぎされている[11][12][13]。だが、「オーガズム」の定義ていぎにはばらつきがあり、心理しんりてき社会しゃかいてき要素ようそもある[14]ため、一貫いっかんした分類ぶんるいをどうおこなうかのコンセンサスはられていないとかんがえられている[15]たとえば学術がくじゅつ臨床りんしょう心理しんりがくレビュー』ではすくなくとも26のオーガズムの定義ていぎがリストアップされている[16]

Gスポット刺激しげきすることによりられる女性じょせいのオーガズムや、すう分間ふんかんやさらには1あいだつづばされた・連続れんぞくてきなオーガズムといった種類しゅるい性感せいかん厳密げんみつ意味いみで「オーガズム」と分類ぶんるいすべきかについては議論ぎろんがある[17]。この問題もんだいはオーガズムの臨床りんしょうてき定義ていぎじくとするものであるが、こうしたオーガズムの見方みかたたん生理学せいりがくてきなものである一方いっぽうで、心理しんりがくてき内分泌ないぶんぴつがくてき神経しんけいがくてきな「オーガズム」のしょ定義ていぎもある[15]。こうしたケースでは、経験けいけんされる感覚かんかく主観しゅかんてきなものであり、オーガズムの特徴とくちょうである随意ずいい収縮しゅうしゅくかならずしも関与かんよする必要ひつようはない。しかしながら、両性りょうせい経験けいけんする感覚かんかくきわめてこころよいものであり、しばしば全身ぜんしん体感たいかんされ、超越ちょうえつてきともばれるしんてき状態じょうたいをもたらし、血管けっかん充血じゅうけつ英語えいごばんとそれにむすいた快感かいかんは、収縮しゅうしゅくともな完全かんぜんなオーガズムのそれと比肩ひけんしうるものである。たとえば、現代げんだいにおけるしょ発見はっけん射精しゃせい男性だんせいのオーガズムを区別くべつすることを支持しじするものとなっている[16]。この理由りゆうのため、これらを厳密げんみつ意味いみでオーガズムと定義ていぎすべきかをめぐっては両方りょうほう立場たちばからのさまざまな見解けんかいがある。

オーガズムへの到達とうたつ

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総論そうろん

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心理しんりがくてき生理学せいりがくてき性的せいてき刺激しげきによる静脈じょうみゃく鬱血うっけつすじ緊張きんちょう増大ぞうだいからの解放かいほうとしてオーガズムがこされる[14][18]男性だんせいがオーガズムに到達とうたつするもっと一般いっぱんてき方法ほうほう陰茎いんけい性的せいてき刺激しげき英語えいごばん女性じょせいのそれはかげかく(クリトリス)の刺激しげきである[1][19][19][20][21]

陰茎いんけいちつ挿入そうにゅうしておこな性交せいこうでオーガズムにたっする女性じょせい全体ぜんたいのおよそ35%にすぎないという調査ちょうさもある[21]後述こうじゅつ)。女性じょせい乳首ちくび子宮しきゅう子宮しきゅうオーガズム英語えいごばん)、その性感せいかんたい刺激しげきによってもオーガズムがられることがあるが、これは比較的ひかくてきまれである[22]

男女だんじょともに、物理ぶつりてき刺激しげきのほか、ゆめなかでのように心理しんりてき興奮こうふんのみによってもオーガズムにたっすることがある[20]男性だんせい射精しゃせいすることなくオーガズムにたっすること(「ドライオーガズム」としてられる)も、オーガズムにたっすることなく射精しゃせいすることもある。夢精むせいおそオーガズムしょう射精しゃせいなどが後者こうしゃれいである。

女性じょせいのオーガズム

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女性じょせいのオーガズムが、おそらくは人為じんいてきに、2つのことなったものとして分類ぶんるいされることがあるために、 女性じょせいのオーガズムをめぐ議論ぎろん複雑ふくざつなものとなっている――かげかくのオーガズムとちつGスポットポルチオ)のオーガズムである。

ちつオーガズムという概念がいねん単独たんどく現象げんしょうとしてはじめて主張しゅちょうしたのはジークムント・フロイトであった。1905ねんにフロイトは、かげかくのオーガズムは純粋じゅんすい少女しょうじょ現象げんしょうであり、思春期ししゅんき到達とうたつするとすぐにちつオーガズム、すなわちかげかくへの刺激しげきなしでられるオーガズムへと移行いこうしてゆくのが成熟せいじゅくした女性じょせい適切てきせつ反応はんのうであるとべた。フロイトはこの基本きほん前提ぜんていなん証拠しょうこしめすことはなかったが、この理論りろん影響えいきょうおおきなものであった。フロイトのせつ男性だんせい陰茎いんけい女性じょせい性的せいてき満足まんぞく中心ちゅうしんえ、おおくの女性じょせいたちはかげかくへの刺激しげきがほとんどもしくはまったくなしでちつでの性交せいこうのみをつうじてオーガズムにたっすることができなかったとき不適切ふてきせつかんおぼえるようになった[23] [24]

フロイトの見解けんかいとは対照たいしょうてきに、女性じょせいだい部分ぶぶんかげかくへの刺激しげきによって、もしくはなんらかのかたちでのかげかく刺激しげき補助ほじょによってのみオーガズムにたっすることができ、その研究けんきゅうかげかく刺激しげき女性じょせいがオーガズムにたっするもっと簡単かんたん方法ほうほうであるということを支持しじしている[19][20][21][25][26][27][28][29]ゲイル・サルツ英語えいごばんは「女性じょせいはオーガズムにたっするまでに平均へいきんで20分間ふんかん刺激しげき興奮こうふん必要ひつようとする。男性だんせいはこれよりはるかにみじか時間じかんしかかからない。女性じょせい男性だんせいよりも幅広はばひろいものを刺激しげきとしてかんじ、またどのような刺激しげきもっと機能きのうするかを正確せいかく定義ていぎするのも困難こんなんである。性交せいこうだけによってオーガズムにたっすることができるのは女性じょせいのうち20%のみであり、だい多数たすう女性じょせいなんらかの直接的ちょくせつてきかげかくへの刺激しげき必要ひつようとする」としている[27] 。これはかげかくに6000以上いじょうもの神経しんけい繊維せんいがあるためである[26]かげかく蹄鉄ていてつのようなかたちちつかこんでおり[20]かげくちびる沿い、肛門こうもんほうへとびる「あし」(かげかくあし)をゆうしている[30]尿道にょうどう海綿かいめんたい英語えいごばんちつの「天井てんじょう」に沿ってはしっており、ちつかいしてこれを刺激しげきすることが可能かのうであるが、ちつそのものには女性じょせい快感かいかんやオーガズムをこす機構きこう存在そんざいしていないとかんがえられている[20]ちつ挿入そうにゅうされた陰茎いんけいゆびちょうかたちなどと接触せっしょくするのはかげかく一部いちぶ尿道にょうどう海綿かいめんたいだけである。「かげかく尖端せんたんと、これもまた非常ひじょう敏感びんかん部分ぶぶんである小陰こかげくちびるとは、性交せいこうちゅうには直接ちょくせつ刺激しげきけない。」[20] グレフェンベルグ・スポット、通称つうしょうGスポット恥骨ちこつ背後はいごにあり尿道にょうどうちいさな領域りょういきであり、ちつかべ前部ぜんぶはらがわ)かられることができる。このスポットのおおきさにはかなりの個人こじんがあるようである。こうしたちつ内側うちがわ刺激しげきからられるオーガズムは「ちつの」オーガズムとばれる。

1966ねんに、マスターズとジョンソン英語えいごばん性的せいてき刺激しげき段階だんかいかんするきわめて重要じゅうよう研究けんきゅう公刊こうかんした[31]。この著作ちょさくでは男女だんじょ双方そうほうあつかわれており、また先行せんこうするアルフレッド・キンゼイのもの(1948、1953ねん)とはことなりオーガズム前後ぜんこう生理学せいりがくてき段階だんかい決定けっていしようとこころみている。かげかくちつのオーガズムはおな身体しんたいてき段階だんかいっているとされている[32]。どちらの種類しゅるいのオーガズムもかげかく刺激しげき主要しゅようみなもとになっていると夫妻ふさいろんじた[33]かげかくおおきさにかんする近年きんねんしょ発見はっけんもまた、かげかく組織そしきちつ内部ないぶおおきくひろがっていることをしめしている。この発見はっけんかげかくのオーガズムとちつのオーガズムがべつのものであるとする従来じゅうらい主張しゅちょう無効むこうしうる可能かのうせいがある[19]かげかくちつとのつながりは、かげかく女性じょせいのオーガズムの「みなもと」であるという見解けんかい補強ほきょうするものである。今日きょうでは、大半たいはん人々ひとびとが「かげかく」という言葉ことばからおもかべるちいさなえる部分ぶぶんよりもはるかにひろかげかく組織そしきひろがっていることがあきらかとなっている。これらの研究けんきゅう中心ちゅうしんてき研究けんきゅうしゃであるオーストラリアの泌尿器ひにょうき科学かがくものヘレン・オコネルは、ちつによる性交せいこうかげかく内部ないぶ部分ぶぶんへの刺激しげき考慮こうりょすると、このからった関係かんけいがGスポットとされている部分ぶぶんちつオーガズム体験たいけんたいする生理学せいりがくてき説明せつめいとなると主張しゅちょうしている[19]。「ちつかべは、のところ、かげかくなのです。ちつ側壁そくへき表皮ひょうひけてみれば、かげかく球状きゅうじょう部分ぶぶんあらわれます。三角さんかくの、三日月みかづきがたをした勃起ぼっきせい組織そしきです。」とオコネルは説明せつめいする。かげかくかめ頭部とうぶぶんだけなのではなく、「ちいさなおか」だというのである[19]女性じょせい一部いちぶ女性じょせいくらべより広範囲こうはんいかげかく組織そしきっている可能かのうせいがあり、それゆえにおおくの女性じょせいかげかく外部がいぶ部分ぶぶんへの直接的ちょくせつてき刺激しげきによってのみオーガズムにたっすることが出来でき一方いっぽうで、性交せいこうつうじたかげかくのより広範こうはん繊維せんいへの刺激しげきだけで充分じゅうぶんにオーガズムをられる女性じょせいもいるのだとかんがえられる[19]

オーガズムしょうじゅうふん性的せいてき刺激しげきけたのちでもオーガズムにたっするのがつね困難こんなんである状態じょうたいであり、個人こじんてきなやみの原因げんいんとなる。これは男性だんせいよりも女性じょせいはるかに一般いっぱんてきられる[34]女性じょせいやく15%がオーガズムにたっするのに困難こんなんがあると報告ほうこくしており、またアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく女性じょせいの10%は絶頂ぜっちょうたっしたことがない [25][35]。Sexualhealth.comのロバート・バーチは「標本ひょうほん調査ちょうさもとづく統計とうけいがしばしばそうであるように、女性じょせいのオーガズムにかんする数字すうじだれ調査ちょうさされ、だれ報告ほうこくおこなったかによって結果けっかにばらつきがあります。しかしながら、女性じょせいおそらくは15%ほどはいちもオーガズムを経験けいけんしたことがなく、最大さいだいで10%ほどの女性じょせい一人ひとり自慰じいをするときにしかオーガズムにたっすることができないようです。」とべている[21]ドリュー・ピンスキー英語えいごばんはこうべている――

男性だんせい女性じょせいでは「配線はいせん」がちがっていて、さらには女性じょせい同士どうしでもたがいにちがった配線はいせんがされているのです。しばしば女性じょせいたちは、絶頂ぜっちょうのあるしゅ標準ひょうじゅんたっすることができていないために自分じぶん欠陥けっかんがあるかのようにかんじるようです。男性だんせいたちは、女性じょせい絶頂ぜっちょうさせるためになに必要ひつようなのかについて概括がいかつてき理解りかいしかしていないためにさらに事態じたい悪化あっかさせています。男性だんせいたちはしばしば女性じょせいたちがみなおなじであるとしんじていて、なにかが1人ひとり女性じょせいたいして上手うまったとおもうとその方法ほうほう親密しんみつになったほか女性じょせいすべてに適用てきようしようとし、これがおおきな問題もんだいの1つとなっています。女性じょせいたちの50-60%は性交せいこうつうじてオーガズムにたっしたことがなく、絶頂ぜっちょうたっするにはかげかく刺激しげき必要ひつようとします。30%は性交せいこうつうじて安定あんていしてオーガズムをることができます。10%は性交せいこうでオーガズムにたっし、さらに連続れんぞくてきなオーガズムもられる場合ばあいがあります。5%はしんふくすうかい(マルチプル)のオーガズムを性交せいこうつうじてのみることができ、この範疇はんちゅうはい女性じょせいはオーラルセックスを心地ここちかんじないのが普通ふつうです[27]

女性じょせいのオーガズムは平均へいきんしてやく20びょうほどつづ[36]ちつ子宮しきゅう肛門こうもんふく骨盤こつばん領域りょういき筋肉きんにく一連いちれん収縮しゅうしゅくからなると推測すいそくされている。一部いちぶ女性じょせいでは、当人とうにんがオーガズムがはじまったと報告ほうこくした直後ちょくごにこれらの収縮しゅうしゅくはじまり、やく1びょう間隔かんかくで、最初さいしょ徐々じょじょつよく、のちには徐々じょじょよわくなりながら継続けいぞくすることがある。規則きそくてき収縮しゅうしゅくつづいて、不規則ふきそく間隔かんかくすうかい追加ついかてき収縮しゅうしゅくもしくはふるえがこる場合ばあいもある。オーガズムにたっしたと報告ほうこくするが、骨盤こつばん領域りょういき収縮しゅうしゅくまった観察かんさつされない場合ばあいもある[37]

肛門こうもん刺激しげき

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どちらのせいにおいても、アナルセックスなどでられるように、肛門こうもん周辺しゅうへん神経しんけいまつはしおよび肛門こうもん自体じたいから快感かいかんることができる。男性だんせい前立腺ぜんりつせん刺激しげきのみによってオーガズムをることが可能かのうである[38]前立腺ぜんりつせん直腸ちょくちょう隣接りんせつしており[39]女性じょせいのGスポットと関連かんれんしているとかんがえられているスキーンせん男性だんせいばんあいどうものである[40]。ジャック・モーリンは、「肛門こうもんオーガズム」は前立腺ぜんりつせんのオーガズムとしばしば混同こんどうされているが無関係むかんけいのものであると主張しゅちょうしている[41]かげかくの「あし」がかげくちびる沿って肛門こうもんまでびているため、肛門こうもん刺激しげき一部いちぶ女性じょせいにとっても快感かいかんともなうものでありうる[30]

乳房ちぶさ乳首ちくび刺激しげき

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一部いちぶ女性じょせいは、性交せいこうぜんおどけあいだ乳房ちぶさ刺激しげきされたり、さらにはただ乳房ちぶさ愛撫あいぶされたりするだけで、おだやかなもしくははげしいオーガズムにたっする。女性じょせい乳房ちぶさ刺激しげきがねとなるが、そのてんでは通常つうじょうの(骨盤こつばん領域りょういきの)オーガズムとおなじであるため、これは「乳房ちぶさオーガズム」(breast orgasm)とばれている [42]女性じょせい大半たいはん乳房ちぶさ刺激しげきによりこの効果こうか体験たいけんすることはない。213めい女性じょせい質問しつもんした研究けんきゅうによると、そのうち29%がすくなくともいち乳房ちぶさのオーガズムを経験けいけんしたことがあった[22]。オーガズムは部分ぶぶんてきには、性的せいてき興奮こうふんさい体内たいない生産せいさんされるオキシトシンというホルモンによりこされるとかんがえられている。男性だんせいもしくは女性じょせい乳首ちくび刺激しげきされて勃起ぼっきするとオキシトシンが発生はっせいすることがしめされている[43]

自然しぜん発生はっせい

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オーガズムは、なん直接的ちょくせつてき刺激しげきけることなく自然しぜん発生はっせいてきこることもある。性的せいてきゆめなかでオーガズムがきることも時折ときおりある。ロビン・ベイカー英語えいごばんによれば男性だんせいの80%が夢精むせい経験けいけん[44]女性じょせいは20さいまでに10%、生涯しょうがいでは40%がゆめなかでのオーガズムを経験けいけんする[44]

このたねのオーガズムがはじめて報告ほうこくされたのは脊髄せきずい損傷そんしょう(SCI)を人々ひとびとであった。脊髄せきずい損傷そんしょうはあるしゅ感覚かんかく喪失そうしつ自己じこ知覚ちかく変容へんようをもたらすことが非常ひじょうおおいが、性的せいてき興奮こうふん性欲せいよくなどといった性的せいてき感覚かんかくうしなわれるわけではない。ゆえに、一部いちぶ人々ひとびと心的しんてき刺激しげきのみによってオーガズムを発動はつどうさせることができるのである。

性的せいてきではない活動かつどうによって自然しぜん発生はっせいてきなオーガズムがこされることもある。そのような活動かつどう最良さいりょうれいとしては、サイクリングやエクササイズのさい自転車じてんしゃのサドルが性器せいきこすれるときのように骨盤こつばんすじぐんけられているとき意図いとせずに性器せいきかる刺激しげきこす緊張きんちょう解放かいほうげられる。

一部いちぶこううつやく副作用ふくさようとして自然しぜん発生はっせいてき絶頂ぜっちょうこすことがあることも発見はっけんされている[45]患者かんじゃ大半たいはんがその事実じじつらせたがらないため、こううつやく投与とうよけている患者かんじゃのうちどのぐらいのかず自然しぜん発生はっせいてきオーガズムを体験たいけんしているかの正確せいかくなデータはない。

おうとマルチプル・オーガズム

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女性じょせいや、比較的ひかくてきまれではあるが男性だんせい[46]おうがないかあっても非常ひじょうみじかく、最初さいしょのオーガズムをむかえたすぐだい2のオーガズムやさらにおおくのオーガズムを経験けいけんする場合ばあいがある。最初さいしょのオーガズムにつづ連続れんぞくした絶頂ぜっちょう刺激しげき蓄積ちくせきしてゆくにつれさらに強烈きょうれつもしくは快感かいかんつよいものになりる。一部いちぶ女性じょせいは、絶頂ぜっちょうたっしたのちではかげかく乳首ちくび非常ひじょう敏感びんかんになるため、さらなる刺激しげき最初さいしょ苦痛くつうともなる。女性じょせいでもオーガズムが1かいきりのひともいる。一度いちどオーガズムにたっするとクリトリスにれるのもいやになる、というタイプのひとである。ペニスやクリトリスといった海綿かいめんたいでのオーガズムでは、プロラクチン(prolactin:乳腺にゅうせん刺激しげきホルモン)という物質ぶっしつ放出ほうしゅつされることがあり、このちゅう濃度のうどたかあいだは、セックスにたいする欲求よっきゅう急速きゅうそく減退げんたいするとわれている。

連続れんぞくしたふくすうかいのオーガズムを、とく射精しゃせいすることなしに経験けいけんしたと報告ほうこくする男性だんせいたちもいる。射精しゃせいしないオーガズム(ドライオーガズム)を経験けいけんした男性だんせいは、おう軽減けいげんされるためしばしばふくすうかいのオーガズムをむかえることができる[47]。1かい数時間すうじかんをかけて自慰じいつづけ、すうおおくのオーガズムを達成たっせいできる男性だんせいたちもいる[47]。そうした男性だんせいなかには、最初さいしょからふくすうかいのオーガズムをられていたひとも、訓練くんれんによって習得しゅうとくしたひともいる[46]近年きんねんでは、ふくすうかいのオーガズムを達成たっせいするためのさまざまな技法ぎほうしるした書籍しょせき数多かずおお出版しゅっぱんされている。ふくすうかいのオーガズムをられる男性だんせいたち(とそのパートナーたち)の大半たいはんは、射精しゃせいをしないことでオーガズム通常つうじょうよりはるかに精力せいりょくてきでいられると報告ほうこくしている[48]。さらに、こうした男性だんせいたちはのぞむならば通常つうじょうよりも強力きょうりょく射精しゃせいともなうオーガズムもることが出来できると報告ほうこくしている。

射精しゃせい直前ちょくぜん陰嚢ふぐり肛門こうもんのほぼ中間ちゅうかん位置いちするかいかげ圧迫あっぱくすることで射精しゃせい防止ぼうしするのが1つの方法ほうほうである。しかしながらこれは精液せいえき尿道にょうどうとおって外部がいぶへと射出しゃしゅつされるわりに膀胱ぼうこうへとなが逆行ぎゃっこうせい射精しゃせいをもたらす可能かのうせいがある。また、長期間ちょうきかんわたせまいサドルの自転車じてんしゃつづけた男性だんせい報告ほうこくれい同様どうように、かいかげ神経しんけい血管けっかん圧迫あっぱくすることにより長期ちょうきてき損傷そんしょうこす可能かのうせいもある[49]なんらかの理由りゆう前立腺ぜんりつせんもしくは膀胱ぼうこう手術しゅじゅつけた男性だんせいもまた逆行ぎゃっこうせい射精しゃせいのためにドライオーガズムを経験けいけんする場合ばあいがある。

ふくすうかいのオーガズムをむかえることのできる女性じょせいたちは、これをるためにリラックスして「解放かいほうする」必要ひつようがあることを報告ほうこくしており、これとたことを男性だんせいおこなうのがもう1つの方法ほうほうである。射精しゃせいともな収縮しゅうしゅくや、先述せんじゅつのような強制きょうせいてき抑制よくせいおこなわりに、射精しゃせいまえ血管けっかん充血じゅうけつ送出そうしゅつ心身しんしん両面りょうめんでコントロールするのである。こうした技法ぎほう成功せいこうすると、連続れんぞくてきもしくはふくすうかいの「全身ぜんしんの」オーガズムをもられる場合ばあいがある[50]前立腺ぜんりつせんせい嚢、輸精かんゆびによるおだやかな刺激しげきにより、はげしい放出ほうしゅつともなうオーガズムが持続じぞくする性的せいてき快感かいかんることのできる男性だんせいもいる。アネロスエネマグラなど、前立腺ぜんりつせん刺激しげきおも目的もくてきとしたせい開発かいはつされている。

思春期ししゅんきよりまえ自慰じいもしくはその性的せいてき活動かつどうはじめた男性だんせいなかには射精しゃせいともなわないふくすうかいのオーガズムをられていたと報告ほうこくするひとおおい。思春期ししゅんき以前いぜん男性だんせいのオーガズムは「通常つうじょうの」女性じょせいのオーガズム体験たいけん質的しつてき類似るいじしたものであることをしめ証拠しょうこがいくつかあり、このことは思春期ししゅんきにおけるホルモンの変化へんか男性だんせいのオーガズムの特質とくしつつよ影響えいきょうおよぼしていることをうかがわせる[51]

多数たすう研究けんきゅうが、プロラクチンというホルモンが男性だんせいおう原因げんいん推測すいそくされるとしている。このため、カベルゴリン英語えいごばん製品せいひんめいのカバサールやドスティネックスとしてもられる)のようなプロラクチンを抑制よくせいする薬品やくひん実験じっけんてき関心かんしんけられている。カベルゴリンにかんする事例じれい報告ほうこくは、この薬品やくひんおう完全かんぜんのぞくことができ、男性だんせいたちにつづけに射精しゃせいともなふくすうかいのオーガズムを経験けいけんさせられることを示唆しさしている。すくなくとも1つの科学かがくてき研究けんきゅうもこうした主張しゅちょう支持しじしている[52]。カベルゴリンはホルモンに変化へんかをきたす薬品やくひんであり、すうおおくの副作用ふくさよう可能かのうせいがある。せい機能きのう不全ふぜん治療ちりょうのための使用しようはまだ承認しょうにんされていない。おう原因げんいんとしてもう1つ、オキシトシンというホルモンの放出ほうしゅつ増加ぞうかかんがえられる。さらに、オキシトシンの増加ぞうかりょうおうながさにも影響えいきょうしているかもしれないとかんがえられている。

1995ねんにはラトガース大学だいがく科学かがくてき研究けんきゅうおこなわれ、成人せいじん男性だんせいにおける自然しぜんな、完全かんぜん射精しゃせいする、ふくすうかいのオーガズムの実証じっしょう成功せいこうしている。この研究けんきゅうでは、36分間ふんかんに6かい完全かんぜん射精しゃせいするオーガズムが、おうられるものなしにられた[53]思春期ししゅんき進行しんこう成人せいじんへとつづ過程かていなかおう軽減けいげんされ、さらには完全かんぜんになくなってしまう事例じれいもあるようである。のちには、P・ハーケらがプロラクチンの亢進こうしん反応はんのうなしにふくすうかいのオーガズムにたっした男性だんせい観察かんさつしている[54]

医学いがくてき側面そくめん

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生理せいりてき反応はんのう

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段階だんかい周期しゅうき

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マスターズとジョンソンは1960年代ねんだい初頭しょとう女性じょせい382人ふたり男性だんせい312にん観察かんさつもとづき性的せいてき反応はんのう周期しゅうき先駆せんくてき研究けんきゅうおこなった。生殖せいしょくへと血液けつえき急速きゅうそくながむにつれ興奮こうふんこる興奮こうふんはじまり、生殖せいしょく完全かんぜん興奮こうふんした状態じょうたい継続けいぞくする高原こうげんたっし、オーガズム(絶頂ぜっちょう)へといたり、最後さいごには血液けつえき生殖せいしょくからはなれる後退こうたいむかえるという周期しゅうき(サイクル)をしめした[55]

1970年代ねんだいには、ヘレン・シンガー・カプラン英語えいごばんがこの周期しゅうき性欲せいよくくわえ、性欲せいよく性的せいてき興奮こうふん先行せんこうするのであると主張しゅちょうした。カプランは、不安ふあん防衛ぼうえい意思いし疎通そつう失敗しっぱいといった感情かんじょう性欲せいよくさまたげ、したがってオーガズムもさまたげることがあることを指摘してきしている[56]

1980年代ねんだい後半こうはん以降いこう、ローズマリー・バッソンは線形せんけいてき進行しんこう大雑把おおざっぱとらえられていたものにより循環じゅんかんてき代替だいたいあん提案ていあんしている[57]。バッソンのモデルでは性欲せいよく興奮こうふんとオーガズムのみなもととなり、今度こんどぎゃくにオーガズム周期しゅうきほか部分ぶぶんから供給きょうきゅうけるのである。オーガズムは性的せいてき経験けいけん頂点ちょうてんなのではなく周期しゅうきたんなる1つのてんにしかすぎず、人間にんげんはどの段階だんかいにおいても性的せいてき充足じゅうそくおぼるのであるとバッソンはべ、すべての性的せいてき活動かつどう最終さいしゅう目的もくてき地点ちてんとして絶頂ぜっちょうてられてきた焦点しょうてん緩和かんわしている[58]

男性だんせい

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男性だんせいはオーガズムのさいには肛門こうもん括約筋かつやくきん前立腺ぜんりつせん、および陰茎いんけいしょ筋肉きんにく急速きゅうそくでリズミカルな収縮しゅうしゅく経験けいけんする[12]精子せいし精巣せいそうからせいかんのぼ前立腺ぜんりつせんへと輸送ゆそうされ、せいからの分泌ぶんぴつえきとも精液せいえきとしてられる液体えきたいとなる。前立腺ぜんりつせん精液せいえき構成こうせい要素ようその1つとなる分泌ぶんぴつえきつくす。括約筋かつやくきん前立腺ぜんりつせん収縮しゅうしゅくにより、たくわえられた精液せいえき陰茎いんけい尿道にょうどうこうから体外たいがいへとおくされる。この過程かていには3-10びょうかかり、快感かいかんす。

射精しゃせいには通常つうじょうおうがあり、そのあいだ男性だんせい再度さいどオーガズムにたっすることはできない。おうつづ時間じかん年齢ねんれいやその個人こじんてき要因よういんにより1ふん未満みまんから数時間すうじかんまでのはばがある[59]

感覚かんかく
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陰茎いんけい刺激しげきけオーガズムに近付ちかづくにつれ男性だんせいは、強烈きょうれつ非常ひじょうこころよい、神経しんけい筋肉きんにく[訳語やくご疑問ぎもんてん]脈動みゃくどうする多幸たこうかんかんじる。これらの脈動みゃくどう肛門こうもん括約筋かつやくきんからはじまりかめあたまへと移動いどうしてゆく。オーガズムの接近せっきんともにこれらは速度そくど強度きょうどしてゆき、最後さいごにはすう秒間びょうかん持続じぞくする快感かいかんの「高原こうげん」、すなわちオーガズムへといたる。

オーガズムのあいだには、通常つうじょう精液せいえき射出しゃしゅつされ、多幸たこうかん徐々じょじょえていったのちすう秒間びょうかん射精しゃせいつづくこともある。「オーガズム」の正確せいかく感覚かんかく男性だんせいによってちがいがあるとかんがえられている[60]

女性じょせい

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典型てんけいてき女性じょせいのオーガズムは男性だんせいのものよりもはるかにながつづ[61]。オーガズムに先立さきだち、かげかく勃起ぼっきちつ開口かいこう湿潤しつじゅんきる。皮膚ひふへのりゅう増加ぞうかにより身体しんたいだい部分ぶぶんあかみをびる性的せいてき紅潮こうちょう英語えいごばんていする女性じょせいもいる。女性じょせいがオーガズムに近付ちかづくと、かげかくかめあたま内側うちがわへとうごかげかく包皮ほうひしたへとかくれ、小陰こかげくちびるくろみをびる。オーガズムが間近まぢかせまると、ちつ外側そとがわ1/3がかたばり狭窄きょうさくし、ちつ全体ぜんたいながび、ひろがり、また充血じゅうけつした軟部組織そしきによりせばまる[62]。マスターズとジョンソンはこの現象げんしょうを「テント形成けいせい」(えい: tenting)とんでいる[63]ちつ以外いがいでは、乳首ちくびちちふくあい組織そしき英語えいごばんすじ線維せんい細胞さいぼう収縮しゅうしゅくして乳首ちくび勃起ぼっきちち半径はんけい縮小しゅくしょうこし、これはオーガズムの開始かいし最高潮さいこうちょうとなる[64]。それから、子宮しきゅうに3-15かいほどのすじ収縮しゅうしゅくこる[65]子宮しきゅうちつ肛門こうもん骨盤こつばん一連いちれんのリズミカルな収縮しゅうしゅくきるとき女性じょせい十全じゅうぜんなオーガズムを体験たいけんする。女性じょせいだい部分ぶぶんはこれらの収縮しゅうしゅく非常ひじょう気持きもかんじる。

近年きんねんオランダのフローニンゲン大学だいがく医療いりょうセンターの研究けんきゅうしゃたちは、オーガズムの感覚かんかくと、骨盤こつばん中心ちゅうしんとし肛門こうもん計測けいそくされる周波数しゅうはすう8-13Hzへるつ発生はっせいする筋肉きんにく収縮しゅうしゅくとの相関そうかん関係かんけいしめした。収縮しゅうしゅくのこの特有とくゆう周波数しゅうはすう存在そんざいにより、これらのしょ筋肉きんにく随意ずいい収縮しゅうしゅく自然しぜん発生はっせいてき随意ずいい収縮しゅうしゅくとを区別くべつすることができ、これは興奮こうふん計量けいりょうするにぎない心拍しんぱくすうなどのようなほか測定そくてい基準きじゅんよりも正確せいかくにオーガズムと相関そうかんしているとかれらはろんじている。「究極きゅうきょくにおいて主観しゅかんてき経験けいけんであるところのオーガズムとつよ相関そうかん客観きゃっかんてきかつ定量ていりょうてき尺度しゃくどとしてははじめてのもの」を見出みいだしたと主張しゅちょうしている。8-13Hzへるつ発生はっせいする収縮しゅうしゅく尺度しゃくどはオーガズムに特有とくゆうなのだという。この測定そくてい基準きじゅんもちいることで休息きゅうそく随意ずいいすじ収縮しゅうしゅく、さらには不首尾ふしゅびわったオーガズムのこころみなどからオーガズムを区別くべつすることが出来できることを発見はっけんしたのである[66]

文化ぶんかてき障壁しょうへき技術ぎじゅつてき困難こんなんのため、オーガズムとのう活動かつどうをリアルタイムで関連付かんれんづける研究けんきゅうはごくわずかしかおこなわれてこなかった。しかしながら、フローニンゲン大学だいがくGert Holstege[訳語やくご疑問ぎもんてん]同僚どうりょうたちがひきいた一連いちれん研究けんきゅうは、のう活動かつどうふくむオーガズムに特有とくゆう生理学せいりがくてき特徴とくちょうおよび男女だんじょあいだでの反応はんのうちがいをあきらかにした。

ある研究けんきゅうでは、パートナーに愛撫あいぶされている最中さいちゅうの12にん健康けんこう女性じょせいポジトロン断層だんそうほう(PET)でスキャンした。休息きゅうそく性的せいてき刺激しげき演技えんぎのオーガズム、実際じっさいのオーガズムのそれぞれの状態じょうたいにおけるのう変化へんか観察かんさつ比較ひかくされた。男性だんせい女性じょせいでは刺激しげきけているさいのう変化へんかちがいがみとめられた。しかしながら、行動こうどう調節ちょうせつ恐怖きょうふ不安ふあんむすいているのう領域りょういき停止ていしするという男女だんじょ共通きょうつう変化へんか観測かんそくされた。こうした変化へんかかんして、Holstegeはロンドン・タイムスでのインタビューで「これは、あらゆる恐怖きょうふ不安ふあん活性かっせいすること、わすれることがオーガズムをるためにもっと重要じゅうようで、必要ひつよう条件じょうけんでさえあるのかもしれないということを意味いみします。」とかたっている[67]

かげかく愛撫あいぶされているうちに、恐怖きょうふ不安ふあん行動こうどう調節ちょうせつ処理しょりするのう部分ぶぶんがリラックスし活動かつどう低下ていかさせはじめる。これはオーガズムの時点じてんもっと顕著けんちょとなり、女性じょせい感情かんじょう中枢ちゅうすう実質じっしつじょう停止ていししほぼ昏睡こんすいちか状態じょうたいされる。Holstegeは欧州おうしゅう人間にんげん生殖せいしょく学会がっかいの2005ねん会合かいごうにおいてこうかたったという――「オーガズムの瞬間しゅんかんには、女性じょせいはいかなる情動じょうどうてき感情かんじょうっていない。」[68]

初期しょきしょ報告ほうこくでは、男性だんせいのオーガズムがつづ時間じかん女性じょせいのものよりはるかにみじかいためPETスキャンにより男性だんせいのオーガズムの影響えいきょう観測かんそくするのは困難こんなんであると示唆しさしていた。しかしながら、Rudie Kortekaas[訳語やくご疑問ぎもんてん]らは「オーガズムの最中さいちゅうでは両性りょうせい共通きょうつうせい顕著けんちょであった……これらの結果けっかから、性的せいてき行為こういにおける男女だんじょあいだのう反応はんのうちがいはおも刺激しげき段階だんかい高原こうげん)に関係かんけいするものであり、絶頂ぜっちょうそのものに関係かんけいするものではないと我々われわれ結論けつろんする。」[5]

のう神経しんけい細胞さいぼうつね微弱びじゃく電気でんき信号しんごうしてからだ部位ぶい様々さまざま指令しれいしている。これが「脳波のうは」とばれるもので、身体しんたい精神せいしんうごきはのう存在そんざいのおかげともわれている。そして人間にんげん一部いちぶいとなみともなるオーガズムはのうおおきな負荷ふかをかけている。サイエンスライターの石崎いしざき正浩まさひろ著作ちょさくによると、セックスでオーガズムにたっするときの脳波のうはは1000マイクロボルトも電位でんいしょうじさせているとう。これは正常せいじょうの100ばいちか数値すうちであり、このことからのうない神経しんけい細胞さいぼうはオーガズムのたび破壊はかいされ、IQも低下ていかするリスクもある。ぎゃく顕著けんちょ影響えいきょうはないと主張しゅちょうする専門せんもんもまたいる。[よう出典しゅってん]

健康けんこう

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オーガズム、および実際じっさいには性行為せいこうい全体ぜんたいは、すうおおくの重要じゅうよう身体しんたい組織そしき努力どりょく必要ひつようとしうる身体しんたい活動かつどうである。1997ねんに『イギリス医師いしかい雑誌ざっし』に掲載けいさいされた、45-59さい男性だんせい918にん対象たいしょうとした研究けんきゅうによると[69]、10年間ねんかん追跡ついせき調査ちょうさで、しゅうに2以上いじょうのオーガズムをている男性だんせいはそうでない男性だんせいくらすべての死因しいん死亡しぼうりつ半分はんぶんであった。より明確めいかく循環じゅんかん健康けんこう焦点しょうてんわせた2001ねん追跡ついせき調査ちょうさでは、しゅうに3以上いじょう性交せいこうおこな男性だんせい心臓しんぞう発作ほっさおよびのう梗塞こうそくのリスクが50%ひくかった。(一般いっぱんに、相関そうかん関係かんけい因果いんが関係かんけい意味いみしないことに注意ちゅうい。)

よわい

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男性だんせい女性じょせいともに、よわいするにしたがってオーガズムにともな紅潮こうちょうすじ緊張きんちょう直腸ちょくちょう収縮しゅうしゅくなどはおとろえ、陰茎いんけいちつ収縮しゅうしゅく回数かいすう減少げんしょうする。男性だんせいでは通常つうじょうとしるにつれ、射精しゃせいする精液せいえきりょう距離きょり減少げんしょうし、射精しゃせいおうながくなる[70]

オーガズム不全ふぜん

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オーガズムをることができないことは「オーガズム不全ふぜん[71]」、「オーガズムしょう」もしくは「射精しゃせい快感かいかんしょう英語えいごばん」などとばれる。男性だんせい勃起ぼっき射精しゃせいをするがオーガズムがられない場合ばあい、その男性だんせい射精しゃせい快感かいかんしょう英語えいごばんであるとされる。 「不感症ふかんしょう sexual anesthesia」や(性欲せいよく自体じたいのない)「ひやかんしょう」のような言葉ことば曖昧あいまいなため、今日きょうでは包括ほうかつてきに「せい障害しょうがい」「せい機能きのう不全ふぜん」などとばれている[72]

女性じょせいのオーガズム不全ふぜん原因げんいん大半たいはんまえおどけ不足ふそくのような性的せいてき無知むち[73]もしくは心理しんりてき原因げんいんによるものがある。より具体ぐたいてきには情緒じょうちょ不安ふあん性交せいこうたいする嫌悪けんおかん恐怖きょうふ、(異性いせい興味きょうみく)同性愛どうせいあいであること、夫婦ふうふあいだ不和ふわ問題もんだいなどがげられる[71]すこことなったものとしては、過労かろう精神せいしんてき過労かろうも、肉体にくたいてき過労かろうも)がげられる[71]心理しんりてき要因よういん過労かろうといった要因よういんがあると、大脳皮質だいのうひしつにおいてドーパミンけい機構きこう抑制よくせいがかかり、オーガズムが抑制よくせいされるのだとかんがえられている[71]

これには振舞ふるまいたいするプレッシャーや、パートナーの満足まんぞくからはなして快楽かいらく追求ついきゅうすることへのためらいが密接みっせつ関係かんけいしているようだ。しばしば女性じょせいはパートナーの快楽かいらくのことが気掛きがかりとなるあまり不安ふあんおちいり、これはオーガズムの遅延ちえんたいするあせりとなってあらわれる。この遅延ちえんは、オーガズムによる性的せいてき満足まんぞく到達とうたつできないことへの不満ふまんへとむする。精神せいしん分析ぶんせきヴィルヘルム・ライヒは1927ねん著書ちょしょ『オーガズムの機能きのう』においてはじめてオーガズムを精神せいしん衛生えいせい中核ちゅうかくてき概念がいねん[74]完全かんぜんなオーガズムを障害しょうがいという観点かんてんからノイローゼ定義ていぎした[ようページ番号ばんごう]

心理しんりてき原因げんいんによるオーガズム不全ふぜん治療ちりょうこころみる場合ばあい精神療法せいしんりょうほう心理しんり療法りょうほう採用さいようされる[71]。つまりカウンセリング(セックス・カウンセリング)やセラピー(セックス・セラピー)が有効ゆうこうとなる[71]われる。上述じょうじゅつのように、オーガズム不全ふぜん大半たいはん心理しんりてき要素ようそによってきているが、ほかにも、生理学せいりがくてき要素ようそ関与かんよすることはある。中枢ちゅうすう神経しんけい機能きのう障害しょうがいによって不感症ふかんしょうきることがある[71]。このケースならば、ドーパミンけい賦活ふかつやくセロトニンけい機構きこう抑制よくせいをもたらす薬剤やくざい場合ばあいもある[71]精神せいしん医学いがくもちいられる薬物やくぶつはほぼすべてがせいへの作用さよう関係かんけいし、男性だんせい射精しゃせい障害しょうがい女性じょせいのオーガズムの阻害そがい遅延ちえんこす可能かのうせいがある。たとえばベンラファキシンSSRIはセロトニン濃度のうど上昇じょうしょうさせるため男女だんじょともにオーガズムの達成たっせい困難こんなんにする [75]

なお、とく同時どうじにオーガズムをることやそれと類似るいじしたいとなみにかんして、おおくのせい科学かがくしゃたちは、早漏そうろう問題もんだい[76]相互そうごのオーガズムが性的せいてき関係かんけい目的もくてき性的せいてき満足まんぞくしるしとして過度かど強調きょうちょうされていた20世紀せいき初頭しょとうにおける科学かがくてきアプローチによりうながされたかんがかた密接みっせつ関係かんけいしていると主張しゅちょうしている。

タントラ・セックス

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タントラ・セックス古代こだいインド・ヒンドゥーきょうせい実践じっせんにおける宗教しゅうきょうてき伝統でんとうである(密教みっきょうのタントラとはべつのものである)。タントラにおいては従来じゅうらいてき欧米おうべいてき)なせいへの文化ぶんかてきアプローチとはことなり、オーガズムを性交せいこう目的もくてきとはかんがえない。タントラ・セックスの実践じっせんしゃたちは、数多すうた体位たいいせいわざもちいオーガズム以前いぜん状態じょうたい長時間ちょうじかんまりつづけることで心身しんしんなが恍惚こうこつようとし、オーガズムはその1つの区切くぎりにぎないとかんがえる[77]せいのエネルギーはオーガズムではなく、至福しふくさとりへとすすむためにもちいられる[78]

バグワン・シュリ・ラジニーシのような現代げんだいのネオ・タントラ・セックスの唱道しょうどうしゃたちは、こうしたアプローチによりオーガズムの感覚かんかく意識いしきてき体験たいけん全域ぜんいきへとひろがってゆくと主張しゅちょうしている[79][80]。また、西洋せいよう文化ぶんか絶頂ぜっちょうかんのオーガズムという目的もくてき焦点しょうてんわせすぎで、せい体験たいけんでのほか時間じかんにおいてふか快楽かいらくあじわうことをさまたげていると主張しゅちょうしており、これをのぞくことによってよりゆたかで、十全じゅうぜんで、強力きょうりょくなつながりをることができるといている[81]

文学ぶんがくにおけるオーガズム

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ユーピテルユーノー』。アンニーバレ・カラッチ

古代こだいより、オーガズムは文学ぶんがくにおいて幅広はばひろ表現ひょうげんされつづけてきた。古典こてん古代こだいでは、ギリシア文学ぶんがくラテン文学ぶんがくもこの主題しゅだいんでいた。オウィディウスの『変身へんしん物語ものがたり』はユーピテルユーノーわした議論ぎろんさいはなしている。ユーピテルいわく――

おとこ快感かいかんはるかに/味気あじけなくつまらない、あなたがたおんなくらべれば。 [82]

ユーノーはこのかんがえを拒絶きょぜつする。両者りょうしゃは、女性じょせいとして7年間ねんかんき「あい男女だんじょ両方りょうほうったものテイレシアース意見いけんもとめる[83]。テイレシアースはユーピテルに同意どういしておんな快感かいかんおとこの10ばいであるとこたえユーノーのいかりをい、その盲目もうもくとされてしまった。ユーピテルはテイレシアースの痛手いたでやわらげるため予言よげんりょく長寿ちょうじゅあたえた[84]。『変身へんしん物語ものがたり以前いぜんにも、オウィディウスは『あい技法ぎほう英語えいごばん』において2人ふたりどもたすことのできない性交せいこう嫌悪けんおすると宣言せんげんしている[85]

ロマン主義しゅぎホモエロティシズム英語えいごばん時代じだいとなってもオーガズムというテーマはえがかれつづけた。「並外なみはずれた守備しゅび範囲はんい多彩たさいさの翻訳ほんやくしゃ」としょうされた詩人しじんパーシー・ビッシュ・シェリー(1792–1822)[86]は『フランソワ・ラバイヤックとシャルロット・コルデーのしゅくこんおもわれる断片だんぺん』のなかで「いかなるなまもかのようなにはおよばず」というフレーズをしるし、これはオーガズムの暗喩あんゆであるとかんがえられており[87]、またこのフレーズのまえには「ってくれ、ってくれ、ぼくえる、ぼくえる!」という明白めいはくフェラチオほのめかしたぎょうがある[87]。シェリーにとってオーガズムは「並外なみはずれた魅力みりょくひとともにいながら放置ほうちされた状態じょうたいでいることによるほとんど不本意ふほんい結果けっか」であった [88]。シェリーの生涯しょうがい最後さいごこい相手あいてであったエドワード・エラーカー・ウィリアムズ英語えいごばんのことが『セルキオがわ小舟こぶね』で回想かいそうされており、これはおそらく「文学ぶんがくにおけるもっと偉大いだいなオーガズム描写びょうしゃ」であろうとなされている[87][よう検証けんしょう]

The Serchio, twisting forth セルキオがわがりくねりつつすす
Between the marble barriers which it clove 大理石だいりせきりょうきしをかきけながら
At Ripafratta, leads through the dread chasm リパフラッタにて、おそろしい深淵しんえんつらぬいて
The wave that died the death which lovers love, 恋人こいびとたちがあいするんだなみすすむ、
Living in what it sought; as if this spasm もとめるもののなかきながら――この痙攣けいれん
Had not yet passed, the toppling mountains cling, いまらぬかのように、ぐらつく山々やまやまはしがみつくが、
But the clear stream in full enthusiasm んだながれは熱狂ねっきょうちて
Pours itself on the plain.... 平野へいやへとみずからをむ……

シェリーはこのにおいてもまた「恋人こいびとたちがあいする」としてとオーガズムをむすけている[87]興味深きょうみぶかいことに、フランス文学ぶんがくにおいてはちいさな英語えいごばんふつ: la petite mort)はオーガズムの有名ゆうめい婉曲えんきょく表現ひょうげんとなっている[89]――これはひとがオーガズムのあいだ自身じしんのことも世界せかいのこともわすっていることをあらわしているのである。アルゼンチンの作家さっかホルヘ・ルイス・ボルヘスもまたおな発想はっそうから、「トレーン、ウクバール、オルビス・テルティウス」にけた脚注きゃくちゅうにおいて、トレーンの教会きょうかいなかの1つが観念かんねんてきには「すべてのおとこは、性交せいこう眩暈げんうんのする瞬間しゅんかんには1人ひとりどうなんなのである。シェイクスピアの1ぎょう暗唱あんしょうするものすべてウィリアム・シェイクスピアなのだ。」と主張しゅちょうしているといた[90]。シェイクスピアそのひともこのかんがかたにはしたしかった――「わたしはあなたのしんなかき、あなたのひざうえに、あなたのひとみなかほうむられましょう」「わたし勇敢ゆうかんんでこう、気取きどった花婿はなむこのように」と、『空騒からさわ』のベネディックおよび『リアおう』のリアおうかえかたらせており[91]女性じょせいひざぬというくだりは性的せいてきなオーガズムを含意がんいすると解釈かいしゃくされている[92]

精神せいしん分析ぶんせきがくものジークムント・フロイトは『自我じがとエスドイツばん』(1923)において、オーガズムによる性的せいてき満足まんぞくエロースなま本能ほんのう)を使つかたしタナトス本能ほんのう)へとゆずるのではないか、換言かんげんすればオーガズムによりエロースはその任務にんむえタナトスにってわられるのではないかとしている[93]現代げんだい作家さっかたちは隠喩いんゆなしでオーガズムを表現ひょうげんすることをえらんでいる。たとえばデーヴィッド・ハーバート・ローレンス小説しょうせつチャタレイ夫人ふじん恋人こいびと』(1928)に、カップルの性行為せいこういのあからさまなかたりを見出みいだすことができる――「かれうごきはじめると、彼女かのじょなか突然とつぜんでどうすることもできないオーガズムが目覚めざ奇妙きみょう戦慄せんりつ彼女かのじょ内側うちがわ波紋はもんとなってひろがっていった……」[94]

生物せいぶつがくなどにおけるオーガズムの機能きのうめぐしょ仮説かせつ

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男性だんせいのオーガズムと射精しゃせい受胎じゅたい必要ひつようである一方いっぽう[95]、1770年代ねんだいラザロ・スパランツァーニいぬ人工じんこう授精じゅせい成功せいこうするなどして、受胎じゅたい女性じょせいのオーガズムは必要ひつようとされないことがられるようになって以降いこう[96]女性じょせい性的せいてき快感かいかんには生殖せいしょくじょう役割やくわりはないとかんがえられてきたが[97][98][99]生殖せいしょく過程かていにおける女性じょせいのオーガズムの役割やくわりかんするさまざまな仮説かせつ進化しんか生物せいぶつがくらなどにより提唱ていしょうされている。

つがい形成けいせいせい淘汰とうた

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1967ねんにはデズモンド・モリスがポピュラーサイエンスの著書ちょしょはだかのサル』においてはじめて、「女性じょせいのオーガズムは男性だんせいパートナーとの肉体にくたいてき親密しんみつさを促進そくしんし、つがいのむすきをつよめるために進化しんかしたのではないか」と示唆しさした[100]。「男性だんせいくら女性じょせいがオーガズムにたっするのが比較的ひかくてきむずかしいことで女性じょせいは、霊長れいちょうるい配偶はいぐうしゃ選択せんたくにおいてられるような身体しんたいおおきさや攻撃こうげきせいではなく、忍耐にんたいりょく気配きくばり、想像そうぞうりょく知性ちせいといった特質とくしつ男性だんせい選択せんたくするようにみちびかれ、ダーウィンてき進化しんかにおいて有利ゆうりとなるのであろう」とモリスは推測すいそく主張しゅちょうした。

繁殖はんしょくりょく

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モリスはまた「オーガズムが、女性じょせい消耗しょうもうさせよこたわったままにさせることによって精液せいえき漏出ろうしゅつしてしまうことをふせぎ、受胎じゅたい容易よういにもしている」と主張しゅちょうした[101]。これは「おの仮説かせつ」もしくは「ノックアウト仮説かせつ」ともばれるが、今日きょうではきわめてうたがわしいとかんがえられている[よう出典しゅってん]

しょ理論りろん女性じょせいのオーガズムが繁殖はんしょくりょくたかめるのであろうというかんがえにもとづいている。古代こだいギリシアの哲学てつがくしゃアリストテレスは、オーガズムちゅう子宮しきゅう頸部が吸角のようにはたら精液せいえきせて受胎じゅたいたすけるのではないかといた[102]。イギリスの生物せいぶつ学者がくしゃベイカーとベリスは女性じょせいのオーガズムが食道しょくどう食物しょくもつ嚥下えんかする能力のうりょく上下じょうげぎゃくにしたような「げる」うごきをし、のぞましい精液せいえき保持ほじ受胎じゅたい可能かのうせいたかめるのではないか、と示唆しさした[103]。ベイカーらは女性じょせいのオーガズムが精子せいし競争きょうそう英語えいごばんにおいて役割やくわりつのではないか、と推測すいそくした。1994ねんザ・ラーニング・チャンネル放送ほうそうされたせいかんするドキュメンタリー番組ばんぐみでは、性交せいこうちゅう女性じょせいちつなかひかりファイバーカメラを挿入そうにゅう撮影さつえいおこなった。彼女かのじょがオーガズムをむかえると、骨盤こつばんすじぐん収縮しゅうしゅくして子宮しきゅうちつ反復はんぷくてきちつ円蓋えんがいうちたまった精液せいえきへとひたり、あたかも精子せいし外子そとこ宮口みやぐちへと確実かくじつすすむようにし受胎じゅたい可能かのうせいたかめようとするかのようなうごきをせた[104]エリザベス・ロイド英語えいごばんはこのシーンでながされたナレーションがこれを「精子せいしげ」のれいであるとしたことを批判ひはんし、これは子宮しきゅうオーガズム英語えいごばんでの通常つうじょう収縮しゅうしゅくぎず、繁殖はんしょくりょくへのどのような効果こうかしめされてはいない、とした[105]。マスターズとジョンソンもXせん撮影さつえいによる調査ちょうさもとづき否定ひていてき見解けんかいしめしている[106]

またたとえば、オーガズムにより骨盤こつばん筋肉きんにく収縮しゅうしゅくにより陰茎いんけいけることで男性だんせいのオーガズムと射精しゃせいこすともかんがえられる[107]

排卵はいらんなかには比較的ひかくてきオーガズムにたっしやすい傾向けいこうがあるという観察かんさつは、オーガズムが繁殖はんしょくりょく増強ぞうきょうむすいていることを示唆しさしている[108]という。

精子せいし選択せんたく

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進化しんか生物せいぶつがくものロビン・ベイカー英語えいごばんは『精子せいし戦争せんそう英語えいごばん』において、オーガズムの発生はっせいとタイミングはすべて、進化しんかてきによりてきした男性だんせい精子せいし保持ほじするための女性じょせい身体しんたい無意識むいしきてき戦略せんりゃく一部いちぶをなすのであるとろんじている。子宮しきゅう頸部は精子せいし病原びょうげんたいたいする自然しぜんのフィルタとなっており[109]性交せいこうのオーガズムはこれを回避かいひさせるためのボタンとして機能きのうし、性交せいこうまえのオーガズムはぎゃくにフィルタを強化きょうかするというのである[110]

ただしその論拠ろんきょとなる子宮しきゅう頸部による精液せいえきの「げ」についてはマスターズとジョンソンは否定ひていてき見解けんかいしめしており[106]せい科学かがくしゃのイェルト・ドレントも「内容ないようには多少たしょううたがいをもってかかるべきだろう」としている[111]

痕跡こんせきせつ

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かげかく陰茎いんけいあいどうである――両者りょうしゃともおな胎児たいじ構造こうぞうから発達はったつするのである[112]スティーヴン・ジェイ・グールドやその研究けんきゅうしゃたちはかげかく女性じょせいにおける痕跡こんせき器官きかんであり、女性じょせいのオーガズムには進化しんかじょう機能きのうとくゆうしていないと主張しゅちょうしている。エリザベス・ロイド英語えいごばんのようなこの仮説かせつ主唱しゅしょうしゃたちは、ちつでの性交せいこうつうじて女性じょせいがオーガズムにたっするのが比較的ひかくてき困難こんなんであること、オーガズムののちでは受精じゅせいりつ増大ぞうだいすることの証拠しょうことぼしいこと、女性じょせいがオーガズムに到達とうたつできる能力のうりょくとその女性じょせい性交せいこうおこな可能かのうせいとのあいだには統計とうけいてき相関そうかんられないことなどを指摘してきしている[113]

科学かがくライターのナタリー・アンジェ英語えいごばんは、この仮説かせつ女性じょせいのオーガズムの心理しんり社会しゃかいてき価値かち過小かしょう評価ひょうかしていると批判ひはんしている。キャサリン・ブラックリッジは著書ちょしょ『ヴァギナ:女性じょせい文化ぶんか』において、オーガズムと受胎じゅたい成功せいこうとのあいだむすきがある可能かのうせいしめ研究けんきゅう引用いんようしている。ブラックリッジは「女性じょせいのオーガズムは痕跡こんせきてきなもの」とする仮説かせつが、受胎じゅたい成功せいこう結果けっかとしてもたらされつづけている進化しんかてき利点りてん無視むししていると批判ひはんしている[ようページ番号ばんごう]人類じんるいがくもの霊長れいちょうるいがくものであるサラ・ブラファー・ハーディもまた女性じょせいのオーガズムが痕跡こんせきてきなものであるとする議論ぎろん批判ひはんし、そのようなかんがかたにはせい差別さべつ気配けはいがあるといている[114]


個人こじん遺伝いでんてき基礎きそ

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2005ねんおこなわれた双生児そうせいじ研究けんきゅう英語えいごばん女性じょせいの3にん1人ひとり性交せいこうちつ陰茎いんけいはい行為こういちゅうにオーガズムにたっしたことがない、あるいはほとんどたっすることがなく、性交せいこうつねにオーガズムにたっするのは10にん1人ひとりにしかぎないことをあきらかにした。一般いっぱん心理しんり社会しゃかいてきなものであるとかんがえられている、オーガズムにたっする能力のうりょくのこの個人こじんは、34-45%が遺伝いでんてきなものであるとあきらかになった。4000にん女性じょせい調査ちょうさしたこの研究けんきゅう王立おうりつ協会きょうかい学術がくじゅつバイオロジー・レターズ英語えいごばん』で公表こうひょうされた[115][116]。エリザベス・ロイドはこれを女性じょせいのオーガズムが適応てきおうてきなものではないことの証拠しょうことして引用いんようしている[117]

ヒト以外いがい動物どうぶつ

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霊長れいちょうるいでは雌雄しゆうともに関係かんけい部位ぶい素早すばやくリズミカルで強力きょうりょく収縮しゅうしゅくられ、メスでは交尾こうびちゅう自慰じいちゅうちつ充血じゅうけつかげかく勃起ぼっき全身ぜんしん筋肉きんにく緊張きんちょう心拍しんぱくすう増加ぞうか体毛たいもう起立きりつなどが同時どうじ観察かんさつされる。霊長れいちょうるいほかでもネズミやウシなどすうおおくの動物どうぶつがオーガズムさま反射はんしゃしめ[118]

オスのオーガズムのじょ哺乳類ほにゅうるい大半たいはんでも同様どうようである。一部いちぶ哺乳類ほにゅうるいおよび、哺乳類ほにゅうるい以外いがいでもアメリカワニ[119] などにはかげかくがある。

生殖せいしょく以外いがい理由りゆう性交せいこうおこなっているようにおもわれるしゅであるイルカせいとオーガズムにかんする研究けんきゅうおこなわれている[120]

脚注きゃくちゅう

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参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん文献ぶんけん

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  • Gabriele Froböse, Rolf Froböse, Michael Gross (Translator): Lust and Love: Is it more than Chemistry? Publisher: Royal Society of Chemistry, ISBN 0-85404-867-7, (2006).
  • Komisaruk, Barry R.; Beyer-Flores, Carlos; Whipple, Beverly. The Science of Orgasm. Baltimore, MD; London: The Johns Hopkins University Press, 2006 (hardcover, ISBN 0-8018-8490-X).
  • 『オルガスムの歴史れきし』 ロベール・ミュッシャンブレ(Muchembled, Robert)ちょ ; 山本やまもと規雄のりおやく. -- 作品社さくひんしゃ, 2006.8 ISBN 4861820960

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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