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項目 こうもく には
性的 せいてき な表現 ひょうげん や記述 きじゅつ が
含 ふく まれます。
免責 めんせき 事項 じこう もお読 よ みください。
この項目 こうもく では、性的 せいてき な心身 しんしん の現象 げんしょう それを名称 めいしょう として用 もち いた作品 さくひん などについて説明 せつめい しています。その他 た の用法 ようほう については「オーガズム (曖昧 あいまい さ回避 かいひ ) 」をご覧 らん ください。
オーガズム (英 えい : orgasm )・オルガスムス (独 どく : Orgasmus )は、
累積 るいせき 的 てき な性的 せいてき 緊張 きんちょう からの突然 とつぜん の解放 かいほう のことであり、骨盤 こつばん まわりの筋肉 きんにく のリズミカルな痙攣 けいれん を伴 ともな い、強 つよ い快感 かいかん を生 う んだ後 のち に弛緩 しかん 状態 じょうたい に至 いた るもののことである[ 1] 。
古代 こだい ギリシア語 ご : ὀργασμός (オルガズモス、「成熟 せいじゅく 」「発情 はつじょう 」の意 い )を語源 ごげん とし、日本語 にほんご では性的 せいてき 絶頂 ぜっちょう とも。俗 ぞく には「アクメ」「エクスタシー」などの語 かたり を使 つか う人 ひと もいる。また、オーガズムに達 たっ することを「イク」「イッた」などと表現 ひょうげん する。
全身 ぜんしん の骨格 こっかく 筋 すじ の収縮 しゅうしゅく 、過度 かど 呼吸 こきゅう 、心悸亢進 しんきこうしん 、および骨盤 こつばん まわりの筋肉 きんにく のリズミカルな収縮 しゅうしゅく を伴 ともな い[ 2] 、強 つよ い快感 かいかん を生 う んだ後 のち に弛緩 しかん 状態 じょうたい に至 いた る[ 1] 。他方 たほう で、心理 しんり 学的 がくてき には解放 かいほう の頂点 ちょうてん の主観 しゅかん 的 てき 経験 けいけん が見 み られる[ 3] 。
現在 げんざい ではすでに古典 こてん 的 てき な研究 けんきゅう とされるマスターズとジョンソン (英語 えいご 版 ばん ) の定義 ていぎ した4段階 だんかい の性 せい 反応 はんのう 周期 しゅうき (英語 えいご 版 ばん ) では「オーガズム期 き 」は「高原 こうげん 期 き 」と「後退 こうたい 期 き 」の間 あいだ にあたる、とされた[ 1] [ 4] 。
またオーガズムは、一 いち 面 めん では、喜 よろこ びを感 かん じ、ゆだねるという心理 しんり 的 てき な経験 けいけん であり、その時 とき 、心 しん はもっぱら自分 じぶん の個人 こじん 的 てき な体験 たいけん だけに向 む けられているものである[ 1] 。
オーガズムは不 ふ 随意 ずいい もしくは自律 じりつ 的 てき な大脳 だいのう 辺 べ 縁 えん 系 けい により支配 しはい されており、性器 せいき と肛門 こうもん を取 と り囲 かこ む下部 かぶ 骨盤 こつばん 筋 すじ 群 ぐん の高速 こうそく な筋 すじ 収縮 しゅうしゅく (英語 えいご 版 ばん ) のサイクルを伴 ともな う[ 1] 。オーガズムの間 あいだ には脳波 のうは のパターンにはっきりとした変化 へんか が現 あらわ れ、このことはオーガズムの反応 はんのう における辺 あたり 縁 えん 系 けい の重要 じゅうよう 性 せい を示 しめ している[ 1] 。男性 だんせい と女性 じょせい の脳 のう はオーガズムの間 あいだ には類似 るいじ した変化 へんか を見 み せ、脳 のう 活動 かつどう のスキャンは大脳皮質 だいのうひしつ の大 だい 部分 ぶぶん での一時 いちじ 的 てき な代謝 たいしゃ 活動 かつどう の低下 ていか と辺 あたり 縁 えん 系 けい での代謝 たいしゃ 活動 かつどう の無 む 変化 へんか もしくは増大 ぞうだい を示 しめ す[ 5] 。
1970年代 ねんだい のマスターズ&ジョンソンの研究 けんきゅう では、「生理 せいり 的 てき な反応 はんのう の大半 たいはん は男女 だんじょ 共通 きょうつう である」とされた[ 6] が、男女 だんじょ のオーガズムの生理 せいり 的 てき な相違 そうい 点 てん としては射精 しゃせい および不 ふ 応 おう 期 き (無 む 反応 はんのう 期 き ともいう)の存在 そんざい がある。男性 だんせい においては、オーガズムは一般 いっぱん 的 てき に射精 しゃせい へと至 いた り[ 7] 、オーガズム後 ご しばらくは再 ふたた びオーガズムに到達 とうたつ できない不 ふ 応 おう 期 き がある[ 8] 。不 ふ 応 おう 期 き にはしばしばリラックス感 かん (脱力 だつりょく 感 かん 、虚脱 きょだつ 感 かん )が伴 ともな い、これは神経 しんけい ホルモン であるオキシトシン とプロラクチン の放出 ほうしゅつ によるものとされている[ 9] 。男性 だんせい の不 ふ 応 おう 期 き のことを、オーガズムに到達 とうたつ できないことやリラックス感 かん から俗 ぞく に「賢者 けんじゃ タイム 」という。女性 じょせい はオーガズムを比較的 ひかくてき 長時間 ちょうじかん 維持 いじ することができ、オーガズム直後 ちょくご の性的 せいてき 刺激 しげき により再度 さいど オーガズムに戻 もど ることができる[ 10] 。
ヴワディスワフ・ポドコヴィンスキー 画 が 『エクスタシー 』(1894)。オーガズムを描 えが いている。 [要 よう 出典 しゅってん ]
「オーガズム」は生理学 せいりがく 的 てき ・医学 いがく 的 てき には男女 だんじょ ともに生殖 せいしょく 器 き 周辺 しゅうへん の筋肉 きんにく の素早 すばや くリズミカルで強力 きょうりょく な収縮 しゅうしゅく 、および心拍 しんぱく 数 すう ・呼吸 こきゅう 数 すう ・血圧 けつあつ の増大 ぞうだい や瞳孔 どうこう の拡散 かくさん などを特徴 とくちょう として定義 ていぎ されている[ 11] [ 12] [ 13] 。だが、「オーガズム」の定義 ていぎ にはばらつきがあり、心理 しんり 的 てき ・社会 しゃかい 的 てき 要素 ようそ もある[ 14] ため、一貫 いっかん した分類 ぶんるい をどう行 おこな うかのコンセンサスは得 え られていないと考 かんが えられている[ 15] 。例 たと えば学術 がくじゅつ 誌 し 『臨床 りんしょう 心理 しんり 学 がく レビュー』では少 すく なくとも26のオーガズムの定義 ていぎ がリストアップされている[ 16] 。
Gスポット を刺激 しげき することにより得 え られる女性 じょせい のオーガズムや、数 すう 分間 ふんかん やさらには1時 じ 間 あいだ も続 つづ く引 ひ き延 の ばされた・連続 れんぞく 的 てき なオーガズムといった種類 しゅるい の性感 せいかん を厳密 げんみつ な意味 いみ で「オーガズム」と分類 ぶんるい すべきかについては議論 ぎろん がある[ 17] 。この問題 もんだい はオーガズムの臨床 りんしょう 的 てき な定義 ていぎ を軸 じく とするものであるが、こうしたオーガズムの見方 みかた が単 たん に生理学 せいりがく 的 てき なものである一方 いっぽう で、心理 しんり 学 がく 的 てき ・内分泌 ないぶんぴつ 学 がく 的 てき ・神経 しんけい 学 がく 的 てき な「オーガズム」の諸 しょ 定義 ていぎ もある[ 15] 。こうしたケースでは、経験 けいけん される感覚 かんかく は主観 しゅかん 的 てき なものであり、オーガズムの特徴 とくちょう である不 ふ 随意 ずいい の収縮 しゅうしゅく は必 かなら ずしも関与 かんよ する必要 ひつよう はない。しかしながら、両性 りょうせい が経験 けいけん する感覚 かんかく は極 きわ めて快 こころよ いものであり、しばしば全身 ぜんしん で体感 たいかん され、超越 ちょうえつ 的 てき とも呼 よ ばれる心 しん 的 てき 状態 じょうたい をもたらし、血管 けっかん 充血 じゅうけつ (英語 えいご 版 ばん ) とそれに結 むす び付 つ いた快感 かいかん は、収縮 しゅうしゅく を伴 ともな う完全 かんぜん なオーガズムのそれと比肩 ひけん しうるものである。例 たと えば、現代 げんだい における諸 しょ 発見 はっけん は射精 しゃせい と男性 だんせい のオーガズムを区別 くべつ することを支持 しじ するものとなっている[ 16] 。この理由 りゆう のため、これらを厳密 げんみつ な意味 いみ でオーガズムと定義 ていぎ すべきかを巡 めぐ っては両方 りょうほう の立場 たちば からのさまざまな見解 けんかい がある。
心理 しんり 学 がく 的 てき ・生理学 せいりがく 的 てき な性的 せいてき 刺激 しげき による静脈 じょうみゃく の鬱血 うっけつ や筋 すじ 緊張 きんちょう の増大 ぞうだい からの解放 かいほう としてオーガズムが引 ひ き起 お こされる[ 14] [ 18] 。男性 だんせい がオーガズムに到達 とうたつ する最 もっと も一般 いっぱん 的 てき な方法 ほうほう は陰茎 いんけい の性的 せいてき 刺激 しげき (英語 えいご 版 ばん ) 、女性 じょせい のそれは陰 かげ 核 かく (クリトリス)の刺激 しげき である[ 1] [ 19] [ 19] [ 20] [ 21] 。
陰茎 いんけい を膣 ちつ に挿入 そうにゅう して行 おこな う性交 せいこう でオーガズムに達 たっ する女性 じょせい は全体 ぜんたい のおよそ35%にすぎないという調査 ちょうさ もある[ 21] (後述 こうじゅつ )。女性 じょせい は乳首 ちくび 、子宮 しきゅう (子宮 しきゅう オーガズム(英語 えいご 版 ばん ) )、その他 た の性感 せいかん 帯 たい の刺激 しげき によってもオーガズムが得 え られることがあるが、これは比較的 ひかくてき 稀 まれ である[ 22] 。
男女 だんじょ ともに、物理 ぶつり 的 てき な刺激 しげき のほか、夢 ゆめ の中 なか でのように心理 しんり 的 てき な興奮 こうふん のみによってもオーガズムに達 たっ することがある[ 20] 。男性 だんせい は射精 しゃせい することなくオーガズムに達 たっ すること(「ドライオーガズム 」として知 し られる)も、オーガズムに達 たっ することなく射精 しゃせい することもある。夢精 むせい 、遅 おそ 漏 も 、無 む オーガズム症 しょう の射精 しゃせい などが後者 こうしゃ の例 れい である。
女性 じょせい のオーガズムが、恐 おそ らくは人為 じんい 的 てき に、2つの異 こと なったものとして分類 ぶんるい されることがあるために、
女性 じょせい のオーガズムを巡 めぐ る議論 ぎろん は複雑 ふくざつ なものとなっている――陰 かげ 核 かく のオーガズムと膣 ちつ (Gスポット 、ポルチオ )のオーガズムである。
膣 ちつ オーガズムという概念 がいねん を単独 たんどく の現象 げんしょう として初 はじ めて主張 しゅちょう したのはジークムント・フロイト であった。1905年 ねん にフロイトは、陰 かげ 核 かく のオーガズムは純粋 じゅんすい に少女 しょうじょ 期 き の現象 げんしょう であり、思春期 ししゅんき に到達 とうたつ するとすぐに膣 ちつ オーガズム、すなわち陰 かげ 核 かく への刺激 しげき なしで得 え られるオーガズムへと移行 いこう してゆくのが成熟 せいじゅく した女性 じょせい の適切 てきせつ な反応 はんのう であると述 の べた。フロイトはこの基本 きほん 前提 ぜんてい に何 なん ら証拠 しょうこ を示 しめ すことはなかったが、この理論 りろん の影響 えいきょう は大 おお きなものであった。フロイトの説 せつ は男性 だんせい の陰茎 いんけい を女性 じょせい の性的 せいてき 満足 まんぞく の中心 ちゅうしん に据 す え、多 おお くの女性 じょせい たちは陰 かげ 核 かく への刺激 しげき がほとんどもしくは全 まった くなしで膣 ちつ での性交 せいこう のみを通 つう じてオーガズムに達 たっ することができなかった時 とき に不適切 ふてきせつ 感 かん を覚 おぼ えるようになった[ 23]
[ 24] 。
フロイトの見解 けんかい とは対照 たいしょう 的 てき に、女性 じょせい の大 だい 部分 ぶぶん は陰 かげ 核 かく への刺激 しげき によって、もしくは何 なん らかの形 かたち での陰 かげ 核 かく 刺激 しげき の補助 ほじょ によってのみオーガズムに達 たっ することができ、その後 ご の研究 けんきゅう は陰 かげ 核 かく の刺激 しげき が女性 じょせい がオーガズムに達 たっ する最 もっと も簡単 かんたん な方法 ほうほう であるということを支持 しじ している[ 19] [ 20] [ 21] [ 25] [ 26] [ 27] [ 28] [ 29] 。ゲイル・サルツ (英語 えいご 版 ばん ) は「女性 じょせい はオーガズムに達 たっ するまでに平均 へいきん で20分間 ふんかん の刺激 しげき と興奮 こうふん を必要 ひつよう とする。男性 だんせい はこれより遥 はる かに短 みじか い時間 じかん しかかからない。女性 じょせい は男性 だんせい よりも幅広 はばひろ いものを刺激 しげき として感 かん じ、またどのような刺激 しげき が最 もっと も良 よ く機能 きのう するかを正確 せいかく に定義 ていぎ するのも困難 こんなん である。性交 せいこう だけによってオーガズムに達 たっ することができるのは女性 じょせい のうち20%のみであり、大 だい 多数 たすう の女性 じょせい は何 なん らかの直接的 ちょくせつてき な陰 かげ 核 かく への刺激 しげき を必要 ひつよう とする」としている[ 27] 。これは陰 かげ 核 かく に6000以上 いじょう もの神経 しんけい 繊維 せんい があるためである[ 26] 。陰 かげ 核 かく は蹄鉄 ていてつ のような形 かたち で膣 ちつ を取 と り囲 かこ んでおり[ 20] 、陰 かげ 唇 くちびる に沿 そ い、肛門 こうもん の方 ほう へと伸 の びる「脚 あし 」(陰 かげ 核 かく 脚 あし )を有 ゆう している[ 30] 。尿道 にょうどう 海綿 かいめん 体 たい (英語 えいご 版 ばん ) が膣 ちつ の「天井 てんじょう 」に沿 そ って走 はし っており、膣 ちつ を介 かい してこれを刺激 しげき することが可能 かのう であるが、膣 ちつ そのものには女性 じょせい に快感 かいかん やオーガズムを引 ひ き起 お こす機構 きこう は存在 そんざい していないと考 かんが えられている[ 20] 。膣 ちつ に挿入 そうにゅう された陰茎 いんけい 、指 ゆび 、張 ちょう 形 かたち などと接触 せっしょく するのは陰 かげ 核 かく の一部 いちぶ 、尿道 にょうどう 海綿 かいめん 体 たい だけである。「陰 かげ 核 かく の尖端 せんたん と、これもまた非常 ひじょう に敏感 びんかん な部分 ぶぶん である小陰 こかげ 唇 くちびる とは、性交 せいこう 中 ちゅう には直接 ちょくせつ の刺激 しげき は受 う けない。」[ 20] グレフェンベルグ ・スポット、通称 つうしょう Gスポット は恥骨 ちこつ の背後 はいご にあり尿道 にょうどう を取 と り巻 ま く小 ちい さな領域 りょういき であり、膣 ちつ 壁 かべ の前部 ぜんぶ (腹 はら 側 がわ )から触 ふ れることができる。このスポットの大 おお きさにはかなりの個人 こじん 差 さ があるようである。こうした膣 ちつ の内側 うちがわ の刺激 しげき から得 え られるオーガズムは「膣 ちつ の」オーガズムと呼 よ ばれる。
1966年 ねん に、マスターズとジョンソン (英語 えいご 版 ばん ) は性的 せいてき 刺激 しげき の段階 だんかい に関 かん する極 きわ めて重要 じゅうよう な研究 けんきゅう を公刊 こうかん した[ 31] 。この著作 ちょさく では男女 だんじょ の双方 そうほう が扱 あつか われており、また先行 せんこう するアルフレッド・キンゼイ のもの(1948、1953年 ねん )とは異 こと なりオーガズム前後 ぜんこう の生理学 せいりがく 的 てき な段階 だんかい を決定 けってい しようと試 こころ みている。陰 かげ 核 かく と膣 ちつ のオーガズムは同 おな じ身体 しんたい 的 てき な段階 だんかい を持 も っているとされている[ 32] 。どちらの種類 しゅるい のオーガズムも陰 かげ 核 かく の刺激 しげき が主要 しゅよう な源 みなもと になっていると夫妻 ふさい は論 ろん じた[ 33] 。陰 かげ 核 かく の大 おお きさに関 かん する近年 きんねん の諸 しょ 発見 はっけん もまた、陰 かげ 核 かく の組織 そしき が膣 ちつ の内部 ないぶ に大 おお きく広 ひろ がっていることを示 しめ している。この発見 はっけん は陰 かげ 核 かく のオーガズムと膣 ちつ のオーガズムが別 べつ のものであるとする従来 じゅうらい の主張 しゅちょう を無効 むこう 化 か しうる可能 かのう 性 せい がある[ 19] 。陰 かげ 核 かく と膣 ちつ との繋 つな がりは、陰 かげ 核 かく が女性 じょせい のオーガズムの「源 みなもと 」であるという見解 けんかい を補強 ほきょう するものである。今日 きょう では、大半 たいはん の人々 ひとびと が「陰 かげ 核 かく 」という言葉 ことば から思 おも い浮 う かべる小 ちい さな目 め に見 み える部分 ぶぶん よりも遥 はる かに広 ひろ く陰 かげ 核 かく の組織 そしき が広 ひろ がっていることが明 あき らかとなっている。これらの研究 けんきゅう の中心 ちゅうしん 的 てき な研究 けんきゅう 者 しゃ であるオーストラリアの泌尿器 ひにょうき 科学 かがく 者 もの ヘレン・オコネルは、膣 ちつ による性交 せいこう 時 じ の陰 かげ 核 かく の内部 ないぶ 部分 ぶぶん への刺激 しげき を考慮 こうりょ すると、この絡 から み合 あ った関係 かんけい がGスポットとされている部分 ぶぶん と膣 ちつ オーガズム体験 たいけん に対 たい する生理学 せいりがく 的 てき な説明 せつめい となると主張 しゅちょう している[ 19] 。「膣 ちつ 壁 かべ は、実 み のところ、陰 かげ 核 かく なのです。膣 ちつ の側壁 そくへき の表皮 ひょうひ を取 と り除 の けてみれば、陰 かげ 核 かく の球状 きゅうじょう 部分 ぶぶん が現 あらわ れます。三角 さんかく の、三日月 みかづき 形 がた をした勃起 ぼっき 性 せい の組織 そしき です。」とオコネルは説明 せつめい する。陰 かげ 核 かく は亀 かめ 頭部 とうぶ 分 ぶん だけなのではなく、「小 ちい さな丘 おか 」だというのである[ 19] 。女性 じょせい の一部 いちぶ は他 た の女性 じょせい に比 くら べより広範囲 こうはんい な陰 かげ 核 かく 組織 そしき を持 も っている可能 かのう 性 せい があり、それゆえに多 おお くの女性 じょせい が陰 かげ 核 かく の外部 がいぶ 部分 ぶぶん への直接的 ちょくせつてき な刺激 しげき によってのみオーガズムに達 たっ することが出来 でき る一方 いっぽう で、性交 せいこう を通 つう じた陰 かげ 核 かく のより広範 こうはん な繊維 せんい への刺激 しげき だけで充分 じゅうぶん にオーガズムを得 え られる女性 じょせい もいるのだと考 かんが えられる[ 19] 。
無 む オーガズム症 しょう は十 じゅう 二 に 分 ふん な性的 せいてき 刺激 しげき を受 う けた後 のち でもオーガズムに達 たっ するのが常 つね に困難 こんなん である状態 じょうたい であり、個人 こじん 的 てき な悩 なや みの原因 げんいん となる。これは男性 だんせい よりも女性 じょせい に遥 はる かに一般 いっぱん 的 てき に見 み られる[ 34] 。女性 じょせい の約 やく 15%がオーガズムに達 たっ するのに困難 こんなん があると報告 ほうこく しており、またアメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく の女性 じょせい の10%は絶頂 ぜっちょう に達 たっ したことがない [ 25] [ 35] 。Sexualhealth.comのロバート・バーチは「標本 ひょうほん 調査 ちょうさ に基 もと づく統計 とうけい がしばしばそうであるように、女性 じょせい のオーガズムに関 かん する数字 すうじ は誰 だれ が調査 ちょうさ され、誰 だれ が報告 ほうこく を行 おこな ったかによって結果 けっか にばらつきがあります。しかしながら、女性 じょせい の恐 おそ らくは15%ほどは一 いち 度 ど もオーガズムを経験 けいけん したことがなく、最大 さいだい で10%ほどの女性 じょせい は一人 ひとり で自慰 じい をする時 とき にしかオーガズムに達 たっ することができないようです。」と述 の べている[ 21] 。ドリュー・ピンスキー (英語 えいご 版 ばん ) はこう述 の べている――
男性 だんせい と
女性 じょせい では「
配線 はいせん 」が
違 ちが っていて、さらには
女性 じょせい 同士 どうし でも
互 たが いに
違 ちが った
配線 はいせん がされているのです。しばしば
女性 じょせい たちは、
絶頂 ぜっちょう のある
種 しゅ の
標準 ひょうじゅん に
達 たっ することができていないために
自分 じぶん に
欠陥 けっかん があるかのように
感 かん じるようです。
男性 だんせい たちは、
女性 じょせい を
絶頂 ぜっちょう させるために
何 なに が
必要 ひつよう なのかについて
概括 がいかつ 的 てき な
理解 りかい しかしていないためにさらに
事態 じたい を
悪化 あっか させています。
男性 だんせい たちはしばしば
女性 じょせい たちが
皆 みな 同 おな じであると
信 しん じていて、
何 なに かが
1人 ひとり の
女性 じょせい に
対 たい して
上手 うま く
行 い ったと
思 おも うとその
方法 ほうほう を
親密 しんみつ になった
他 ほか の
女性 じょせい 全 すべ てに
適用 てきよう しようとし、これが
大 おお きな
問題 もんだい の1つとなっています。
女性 じょせい たちの50-60%は
性交 せいこう を
通 つう じてオーガズムに
達 たっ したことがなく、
絶頂 ぜっちょう に
達 たっ するには
陰 かげ 核 かく の
刺激 しげき を
必要 ひつよう とします。30%は
性交 せいこう を
通 つう じて
安定 あんてい してオーガズムを
得 え ることができます。10%は
性交 せいこう でオーガズムに
達 たっ し、さらに
連続 れんぞく 的 てき なオーガズムも
得 え られる
場合 ばあい があります。5%は
真 しん の
複 ふく 数 すう 回 かい (マルチプル)のオーガズムを
性交 せいこう を
通 つう じてのみ
得 え ることができ、この
範疇 はんちゅう に
入 はい る
女性 じょせい はオーラルセックスを
心地 ここち 良 よ く
感 かん じないのが
普通 ふつう です
[ 27] 。
女性 じょせい のオーガズムは平均 へいきん して約 やく 20秒 びょう ほど続 つづ き[ 36] 、膣 ちつ 、子宮 しきゅう 、肛門 こうもん を含 ふく む骨盤 こつばん 領域 りょういき の筋肉 きんにく の一連 いちれん の収縮 しゅうしゅく からなると推測 すいそく されている。一部 いちぶ の女性 じょせい では、当人 とうにん がオーガズムが始 はじ まったと報告 ほうこく した直後 ちょくご にこれらの収縮 しゅうしゅく が始 はじ まり、約 やく 1秒 びょう の間隔 かんかく で、最初 さいしょ は徐々 じょじょ に強 つよ く、後 のち には徐々 じょじょ に弱 よわ くなりながら継続 けいぞく することがある。規則 きそく 的 てき な収縮 しゅうしゅく に続 つづ いて、不規則 ふきそく な間隔 かんかく で数 すう 回 かい の追加 ついか 的 てき な収縮 しゅうしゅく もしくは震 ふる えが起 お こる場合 ばあい もある。オーガズムに達 たっ したと報告 ほうこく するが、骨盤 こつばん 領域 りょういき の収縮 しゅうしゅく は全 まった く観察 かんさつ されない場合 ばあい もある[ 37] 。
どちらの性 せい においても、アナルセックス などで見 み られるように、肛門 こうもん 周辺 しゅうへん の神経 しんけい 末 まつ 端 はし および肛門 こうもん 自体 じたい から快感 かいかん を得 え ることができる。男性 だんせい は前立腺 ぜんりつせん の刺激 しげき のみによってオーガズムを得 え ることが可能 かのう である[ 38] 。前立腺 ぜんりつせん は直腸 ちょくちょう に隣接 りんせつ しており[ 39] 、女性 じょせい のGスポットと関連 かんれん していると考 かんが えられているスキーン腺 せん の男性 だんせい 版 ばん の相 あい 同 どう 物 もの である[ 40] 。ジャック・モーリンは、「肛門 こうもん オーガズム」は前立腺 ぜんりつせん のオーガズムとしばしば混同 こんどう されているが無関係 むかんけい のものであると主張 しゅちょう している[ 41] 。陰 かげ 核 かく の「脚 あし 部 ぶ 」が陰 かげ 唇 くちびる に沿 そ って肛門 こうもん まで伸 の びているため、肛門 こうもん の刺激 しげき は一部 いちぶ の女性 じょせい にとっても快感 かいかん を伴 ともな うものでありうる[ 30] 。
一部 いちぶ の女性 じょせい は、性交 せいこう や前 ぜん 戯 おどけ の間 あいだ に乳房 ちぶさ を刺激 しげき されたり、さらにはただ乳房 ちぶさ を愛撫 あいぶ されたりするだけで、穏 おだ やかなもしくは激 はげ しいオーガズムに達 たっ する。女性 じょせい の乳房 ちぶさ の刺激 しげき が引 ひ き金 がね となるが、その他 た の点 てん では通常 つうじょう の(骨盤 こつばん 領域 りょういき の)オーガズムと同 おな じであるため、これは「乳房 ちぶさ オーガズム」(breast orgasm)と呼 よ ばれている [ 42] 。女性 じょせい の大半 たいはん は乳房 ちぶさ の刺激 しげき によりこの効果 こうか を体験 たいけん することはない。213名 めい の女性 じょせい に質問 しつもん した研究 けんきゅう によると、そのうち29%が少 すく なくとも一 いち 度 ど は乳房 ちぶさ のオーガズムを経験 けいけん したことがあった[ 22] 。オーガズムは部分 ぶぶん 的 てき には、性的 せいてき 興奮 こうふん の際 さい に体内 たいない で生産 せいさん されるオキシトシン というホルモンにより引 ひ き起 お こされると考 かんが えられている。男性 だんせい もしくは女性 じょせい の乳首 ちくび が刺激 しげき されて勃起 ぼっき するとオキシトシンが発生 はっせい することが示 しめ されている[ 43] 。
オーガズムは、何 なん ら直接的 ちょくせつてき な刺激 しげき を受 う けることなく自然 しぜん 発生 はっせい 的 てき に起 お こることもある。性的 せいてき な夢 ゆめ の中 なか でオーガズムが起 お きることも時折 ときおり ある。ロビン・ベイカー (英語 えいご 版 ばん ) によれば男性 だんせい の80%が夢精 むせい を経験 けいけん し[ 44] 、女性 じょせい は20歳 さい までに10%、生涯 しょうがい では40%が夢 ゆめ の中 なか でのオーガズムを経験 けいけん する[ 44] 。
この種 たね のオーガズムが初 はじ めて報告 ほうこく されたのは脊髄 せきずい 損傷 そんしょう (SCI)を持 も つ人々 ひとびと であった。脊髄 せきずい 損傷 そんしょう はある種 しゅ の感覚 かんかく の喪失 そうしつ や自己 じこ 知覚 ちかく の変容 へんよう をもたらすことが非常 ひじょう に多 おお いが、性的 せいてき 興奮 こうふん や性欲 せいよく などといった性的 せいてき 感覚 かんかく が失 うしな われるわけではない。ゆえに、一部 いちぶ の人々 ひとびと は心的 しんてき な刺激 しげき のみによってオーガズムを発動 はつどう させることができるのである。
性的 せいてき ではない活動 かつどう によって自然 しぜん 発生 はっせい 的 てき なオーガズムが引 ひ き起 お こされることもある。そのような活動 かつどう の最良 さいりょう の例 れい としては、サイクリングやエクササイズの際 さい に自転車 じてんしゃ のサドルが性器 せいき と擦 こす れる時 とき のように骨盤 こつばん 筋 すじ 群 ぐん が締 し め付 つ けられている時 とき に意図 いと せずに性器 せいき の軽 かる い刺激 しげき を引 ひ き起 お こす緊張 きんちょう の解放 かいほう が挙 あ げられる。
一部 いちぶ の抗 こう うつ薬 やく が副作用 ふくさよう として自然 しぜん 発生 はっせい 的 てき な絶頂 ぜっちょう を引 ひ き起 お こすことがあることも発見 はっけん されている[ 45] 。患者 かんじゃ の大半 たいはん がその事実 じじつ を知 し らせたがらないため、抗 こう うつ薬 やく の投与 とうよ を受 う けている患者 かんじゃ のうちどのぐらいの数 かず が自然 しぜん 発生 はっせい 的 てき オーガズムを体験 たいけん しているかの正確 せいかく なデータはない。
女性 じょせい や、比較的 ひかくてき 稀 まれ ではあるが男性 だんせい も[ 46] 、不 ふ 応 おう 期 き がないかあっても非常 ひじょう に短 みじか く、最初 さいしょ のオーガズムを迎 むか えたすぐ後 ご に第 だい 2のオーガズムやさらに多 おお くのオーガズムを経験 けいけん する場合 ばあい がある。最初 さいしょ のオーガズムに続 つづ く連続 れんぞく した絶頂 ぜっちょう は刺激 しげき が蓄積 ちくせき してゆくにつれさらに強烈 きょうれつ もしくは快感 かいかん の強 つよ いものになり得 え る。一部 いちぶ の女性 じょせい は、絶頂 ぜっちょう に達 たっ した後 のち では陰 かげ 核 かく と乳首 ちくび が非常 ひじょう に敏感 びんかん になるため、さらなる刺激 しげき は最初 さいしょ は苦痛 くつう ともなる。女性 じょせい でもオーガズムが1回 かい きりの人 ひと もいる。一度 いちど オーガズムに達 たっ するとクリトリスに触 ふ れるのも嫌 いや になる、というタイプの人 ひと である。ペニスやクリトリスといった海綿 かいめん 体 たい でのオーガズムでは、プロラクチン (prolactin:乳腺 にゅうせん 刺激 しげき ホルモン)という物質 ぶっしつ が放出 ほうしゅつ されることがあり、この血 ち 中 ちゅう 濃度 のうど が高 たか い間 あいだ は、セックスに対 たい する欲求 よっきゅう が急速 きゅうそく に減退 げんたい すると言 い われている。
連続 れんぞく した複 ふく 数 すう 回 かい のオーガズムを、特 とく に射精 しゃせい することなしに経験 けいけん したと報告 ほうこく する男性 だんせい たちもいる。射精 しゃせい しないオーガズム(ドライオーガズム )を経験 けいけん した男性 だんせい は、不 ふ 応 おう 期 き が軽減 けいげん されるためしばしば複 ふく 数 すう 回 かい のオーガズムを迎 むか えることができる[ 47] 。1回 かい に数時間 すうじかん をかけて自慰 じい を続 つづ け、数 すう 多 おお くのオーガズムを達成 たっせい できる男性 だんせい たちもいる[ 47] 。そうした男性 だんせい の中 なか には、最初 さいしょ から複 ふく 数 すう 回 かい のオーガズムを得 え られていた人 ひと も、訓練 くんれん によって習得 しゅうとく した人 ひと もいる[ 46] 。近年 きんねん では、複 ふく 数 すう 回 かい のオーガズムを達成 たっせい するためのさまざまな技法 ぎほう を記 しる した書籍 しょせき も数多 かずおお く出版 しゅっぱん されている。複 ふく 数 すう 回 かい のオーガズムを得 え られる男性 だんせい たち(とそのパートナーたち)の大半 たいはん は、射精 しゃせい をしないことでオーガズム後 ご も通常 つうじょう より遥 はる かに精力 せいりょく 的 てき でいられると報告 ほうこく している[ 48] 。さらに、こうした男性 だんせい たちは望 のぞ むならば通常 つうじょう よりも強力 きょうりょく な射精 しゃせい を伴 ともな うオーガズムも得 え ることが出来 でき ると報告 ほうこく している。
射精 しゃせい 直前 ちょくぜん に陰嚢 ふぐり と肛門 こうもん のほぼ中間 ちゅうかん に位置 いち する会 かい 陰 かげ を圧迫 あっぱく することで射精 しゃせい を防止 ぼうし するのが1つの方法 ほうほう である。しかしながらこれは精液 せいえき が尿道 にょうどう を通 とお って外部 がいぶ へと射出 しゃしゅつ される代 か わりに膀胱 ぼうこう へと流 なが れ込 こ む逆行 ぎゃっこう 性 せい 射精 しゃせい をもたらす可能 かのう 性 せい がある。また、長期間 ちょうきかん に亘 わた り狭 せま いサドルの自転車 じてんしゃ に乗 の り続 つづ けた男性 だんせい の報告 ほうこく 例 れい と同様 どうよう に、会 かい 陰 かげ の神経 しんけい と血管 けっかん を圧迫 あっぱく することにより長期 ちょうき 的 てき な損傷 そんしょう を引 ひ き起 お こす可能 かのう 性 せい もある[ 49] 。何 なん らかの理由 りゆう で前立腺 ぜんりつせん もしくは膀胱 ぼうこう の手術 しゅじゅつ を受 う けた男性 だんせい もまた逆行 ぎゃっこう 性 せい 射精 しゃせい のためにドライオーガズムを経験 けいけん する場合 ばあい がある。
複 ふく 数 すう 回 かい のオーガズムを迎 むか えることのできる女性 じょせい たちは、これを得 え るためにリラックスして「解放 かいほう する」必要 ひつよう があることを報告 ほうこく しており、これと似 に たことを男性 だんせい が行 おこな うのがもう1つの方法 ほうほう である。射精 しゃせい に伴 ともな う収縮 しゅうしゅく や、先述 せんじゅつ のような強制 きょうせい 的 てき な抑制 よくせい を行 おこな う代 か わりに、射精 しゃせい 前 まえ の血管 けっかん 充血 じゅうけつ と送出 そうしゅつ を心身 しんしん 両面 りょうめん でコントロールするのである。こうした技法 ぎほう が成功 せいこう すると、連続 れんぞく 的 てき もしくは複 ふく 数 すう 回 かい の「全身 ぜんしん の」オーガズムをも得 え られる場合 ばあい がある[ 50] 。前立腺 ぜんりつせん 、精 せい 嚢、輸精管 かん の指 ゆび による穏 おだ やかな刺激 しげき により、激 はげ しい放出 ほうしゅつ を伴 ともな うオーガズムが持続 じぞく する性的 せいてき 快感 かいかん を得 え ることのできる男性 だんせい もいる。アネロス やエネマグラ など、前立腺 ぜんりつせん の刺激 しげき を主 おも 目的 もくてき とした性 せい 具 ぐ も開発 かいはつ されている。
思春期 ししゅんき より前 まえ に自慰 じい もしくはその他 た の性的 せいてき 活動 かつどう を始 はじ めた男性 だんせい の中 なか には射精 しゃせい を伴 ともな わない複 ふく 数 すう 回 かい のオーガズムを得 え られていたと報告 ほうこく する人 ひと も多 おお い。思春期 ししゅんき 以前 いぜん の男性 だんせい のオーガズムは「通常 つうじょう の」女性 じょせい のオーガズム体験 たいけん と質的 しつてき に類似 るいじ したものであることを示 しめ す証拠 しょうこ がいくつかあり、このことは思春期 ししゅんき におけるホルモンの変化 へんか が男性 だんせい のオーガズムの特質 とくしつ に強 つよ い影響 えいきょう を及 およ ぼしていることを窺 うかが わせる[ 51] 。
多数 たすう の研究 けんきゅう が、プロラクチン というホルモンが男性 だんせい の不 ふ 応 おう 期 き の原因 げんいん と推測 すいそく されるとしている。このため、カベルゴリン (英語 えいご 版 ばん ) (製品 せいひん 名 めい のカバサールやドスティネックスとしても知 し られる)のようなプロラクチンを抑制 よくせい する薬品 やくひん に実験 じっけん 的 てき な関心 かんしん が向 む けられている。カベルゴリンに関 かん する事例 じれい 報告 ほうこく は、この薬品 やくひん が不 ふ 応 おう 期 き を完全 かんぜん に取 と り除 のぞ くことができ、男性 だんせい たちに立 た て続 つづ けに射精 しゃせい を伴 ともな う複 ふく 数 すう 回 かい のオーガズムを経験 けいけん させられることを示唆 しさ している。少 すく なくとも1つの科学 かがく 的 てき 研究 けんきゅう もこうした主張 しゅちょう を支持 しじ している[ 52] 。カベルゴリンはホルモンに変化 へんか をきたす薬品 やくひん であり、数 すう 多 おお くの副作用 ふくさよう を持 も つ可能 かのう 性 せい がある。性 せい 機能 きのう 不全 ふぜん の治療 ちりょう のための使用 しよう はまだ承認 しょうにん されていない。不 ふ 応 おう 期 き の原因 げんいん としてもう1つ、オキシトシン というホルモンの放出 ほうしゅつ 増加 ぞうか も考 かんが えられる。さらに、オキシトシンの増加 ぞうか 量 りょう は不 ふ 応 おう 期 き の長 なが さにも影響 えいきょう しているかもしれないと考 かんが えられている。
1995年 ねん にはラトガース大学 だいがく で科学 かがく 的 てき 研究 けんきゅう が行 おこな われ、成人 せいじん 男性 だんせい における自然 しぜん な、完全 かんぜん に射精 しゃせい する、複 ふく 数 すう 回 かい のオーガズムの実証 じっしょう に成功 せいこう している。この研究 けんきゅう では、36分間 ふんかん に6回 かい の完全 かんぜん に射精 しゃせい するオーガズムが、不 ふ 応 おう 期 き と見 み られるものなしに得 え られた[ 53] 。思春期 ししゅんき が進行 しんこう し成人 せいじん 期 き へと続 つづ く過程 かてい の中 なか で不 ふ 応 おう 期 き が軽減 けいげん され、さらには完全 かんぜん になくなってしまう事例 じれい もあるようである。後 のち には、P・ハーケらがプロラクチンの亢進 こうしん 反応 はんのう なしに複 ふく 数 すう 回 かい のオーガズムに達 たっ した男性 だんせい を観察 かんさつ している[ 54] 。
マスターズとジョンソンは1960年代 ねんだい 初頭 しょとう に女性 じょせい 382人 ふたり と男性 だんせい 312人 にん の観察 かんさつ に基 もと づき性的 せいてき 反応 はんのう 周期 しゅうき の先駆 せんく 的 てき な研究 けんきゅう を行 おこな った。生殖 せいしょく 器 き へと血液 けつえき が急速 きゅうそく に流 なが れ込 こ むにつれ興奮 こうふん が起 お こる興奮 こうふん 期 き に始 はじ まり、生殖 せいしょく 器 き が完全 かんぜん に興奮 こうふん した状態 じょうたい が継続 けいぞく する高原 こうげん 期 き に達 たっ し、オーガズム(絶頂 ぜっちょう 期 き )へと至 いた り、最後 さいご には血液 けつえき が生殖 せいしょく 器 き から離 はな れる後退 こうたい 期 き を迎 むか えるという周期 しゅうき (サイクル)を示 しめ した[ 55] 。
1970年代 ねんだい には、ヘレン・シンガー・カプラン (英語 えいご 版 ばん ) がこの周期 しゅうき に性欲 せいよく を付 つ け加 くわ え、性欲 せいよく が性的 せいてき 興奮 こうふん に先行 せんこう するのであると主張 しゅちょう した。カプランは、不安 ふあん 、防衛 ぼうえい 、意思 いし 疎通 そつう の失敗 しっぱい といった感情 かんじょう が性欲 せいよく を妨 さまた げ、従 したが ってオーガズムも妨 さまた げることがあることを指摘 してき している[ 56] 。
1980年代 ねんだい 後半 こうはん 以降 いこう 、ローズマリー・バッソンは線形 せんけい 的 てき な進行 しんこう と大雑把 おおざっぱ に捉 とら えられていたものにより循環 じゅんかん 的 てき な代替 だいたい 案 あん を提案 ていあん している[ 57] 。バッソンのモデルでは性欲 せいよく が興奮 こうふん とオーガズムの源 みなもと となり、今度 こんど は逆 ぎゃく にオーガズム周期 しゅうき の他 ほか の部分 ぶぶん から供給 きょうきゅう を受 う けるのである。オーガズムは性的 せいてき 経験 けいけん の頂点 ちょうてん なのではなく周期 しゅうき の単 たん なる1つの点 てん にしかすぎず、人間 にんげん はどの段階 だんかい においても性的 せいてき な充足 じゅうそく を覚 おぼ え得 え るのであるとバッソンは述 の べ、全 すべ ての性的 せいてき 活動 かつどう の最終 さいしゅう 目的 もくてき ・地点 ちてん として絶頂 ぜっちょう に当 あ てられてきた焦点 しょうてん を緩和 かんわ している[ 58] 。
男性 だんせい はオーガズムの際 さい には肛門 こうもん 括約筋 かつやくきん 、前立腺 ぜんりつせん 、および陰茎 いんけい の諸 しょ 筋肉 きんにく の急速 きゅうそく でリズミカルな収縮 しゅうしゅく を経験 けいけん する[ 12] 。精子 せいし が精巣 せいそう から精 せい 管 かん を上 のぼ り前立腺 ぜんりつせん へと輸送 ゆそう され、精 せい 嚢 からの分泌 ぶんぴつ 液 えき と共 とも に精液 せいえき として知 し られる液体 えきたい となる。前立腺 ぜんりつせん は精液 せいえき の構成 こうせい 要素 ようそ の1つとなる分泌 ぶんぴつ 液 えき を作 つく り出 だ す。括約筋 かつやくきん と前立腺 ぜんりつせん の収縮 しゅうしゅく により、蓄 たくわ えられた精液 せいえき は陰茎 いんけい の尿道 にょうどう 口 こう から体外 たいがい へと送 おく り出 だ される。この過程 かてい には3-10秒 びょう かかり、快感 かいかん を生 う み出 だ す。
射精 しゃせい 後 ご には通常 つうじょう 不 ふ 応 おう 期 き があり、その間 あいだ は男性 だんせい は再度 さいど オーガズムに達 たっ することはできない。不 ふ 応 おう 期 き の続 つづ く時間 じかん は年齢 ねんれい やその他 た の個人 こじん 的 てき 要因 よういん により1分 ふん 未満 みまん から数時間 すうじかん までの幅 はば がある[ 59] 。
陰茎 いんけい に刺激 しげき を受 う けオーガズムに近付 ちかづ くにつれ男性 だんせい は、強烈 きょうれつ で非常 ひじょう に快 こころよ い、神経 しんけい と筋肉 きんにく の[訳語 やくご 疑問 ぎもん 点 てん ] 脈動 みゃくどう する多幸 たこう 感 かん を感 かん じる。これらの脈動 みゃくどう は肛門 こうもん 括約筋 かつやくきん から始 はじ まり亀 かめ 頭 あたま へと移動 いどう してゆく。オーガズムの接近 せっきん と共 とも にこれらは速度 そくど ・強度 きょうど を増 ま してゆき、最後 さいご には数 すう 秒間 びょうかん 持続 じぞく する快感 かいかん の「高原 こうげん 」、すなわちオーガズムへと至 いた る。
オーガズムの間 あいだ には、通常 つうじょう は精液 せいえき が射出 しゃしゅつ され、多幸 たこう 感 かん が徐々 じょじょ に消 き えていった後 のち も数 すう 秒間 びょうかん は射精 しゃせい が続 つづ くこともある。「オーガズム」の正確 せいかく な感覚 かんかく は男性 だんせい によって違 ちが いがあると考 かんが えられている[ 60] 。
典型 てんけい 的 てき な女性 じょせい のオーガズムは男性 だんせい のものよりも遥 はる かに長 なが く続 つづ く[ 61] 。オーガズムに先立 さきだ ち、陰 かげ 核 かく の勃起 ぼっき と膣 ちつ の開口 かいこう 部 ぶ の湿潤 しつじゅん が起 お きる。皮膚 ひふ への血 ち 流 りゅう 増加 ぞうか により身体 しんたい の大 だい 部分 ぶぶん が赤 あか みを帯 お びる性的 せいてき 紅潮 こうちょう (英語 えいご 版 ばん ) を呈 てい する女性 じょせい もいる。女性 じょせい がオーガズムに近付 ちかづ くと、陰 かげ 核 かく 亀 かめ 頭 あたま が内側 うちがわ へと動 うご き陰 かげ 核 かく 包皮 ほうひ の下 した へと隠 かく れ、小陰 こかげ 唇 くちびる が黒 くろ みを帯 お びる。オーガズムが間近 まぢか に迫 せま ると、膣 ちつ の外側 そとがわ 1/3が硬 かた ばり狭窄 きょうさく し、膣 ちつ 全体 ぜんたい は長 なが く伸 の び、広 ひろ がり、また充血 じゅうけつ した軟部組織 そしき により狭 せば まる[ 62] 。マスターズとジョンソンはこの現象 げんしょう を「テント形成 けいせい 」(英 えい : tenting )と呼 よ んでいる[ 63] 。膣 ちつ 以外 いがい では、乳首 ちくび と乳 ちち 輪 わ の複 ふく 合 あい 組織 そしき (英語 えいご 版 ばん ) の筋 すじ 線維 せんい 芽 め 細胞 さいぼう が収縮 しゅうしゅく して乳首 ちくび の勃起 ぼっき と乳 ちち 輪 わ 半径 はんけい の縮小 しゅくしょう を引 ひ き起 お こし、これはオーガズムの開始 かいし 時 じ に最高潮 さいこうちょう となる[ 64] 。それから、子宮 しきゅう に3-15回 かい ほどの筋 すじ 収縮 しゅうしゅく が起 お こる[ 65] 。子宮 しきゅう 、膣 ちつ 、肛門 こうもん 、骨盤 こつばん に一連 いちれん のリズミカルな収縮 しゅうしゅく が起 お きる時 とき 、女性 じょせい は十全 じゅうぜん なオーガズムを体験 たいけん する。女性 じょせい の大 だい 部分 ぶぶん はこれらの収縮 しゅうしゅく を非常 ひじょう に気持 きも ち良 よ く感 かん じる。
近年 きんねん オランダのフローニンゲン大学 だいがく 医療 いりょう センターの研究 けんきゅう 者 しゃ たちは、オーガズムの感覚 かんかく と、骨盤 こつばん を中心 ちゅうしん とし肛門 こうもん で計測 けいそく される周波数 しゅうはすう 8-13Hz へるつ で発生 はっせい する筋肉 きんにく の収縮 しゅうしゅく との相関 そうかん 関係 かんけい を示 しめ した。収縮 しゅうしゅく のこの特有 とくゆう の周波数 しゅうはすう の存在 そんざい により、これらの諸 しょ 筋肉 きんにく の随意 ずいい の収縮 しゅうしゅく と自然 しぜん 発生 はっせい 的 てき な不 ふ 随意 ずいい の収縮 しゅうしゅく とを区別 くべつ することができ、これは興奮 こうふん を計量 けいりょう するに過 す ぎない心拍 しんぱく 数 すう などのような他 ほか の測定 そくてい 基準 きじゅん よりも正確 せいかく にオーガズムと相関 そうかん していると彼 かれ らは論 ろん じている。「究極 きゅうきょく において主観 しゅかん 的 てき な経験 けいけん であるところのオーガズムと強 つよ い相関 そうかん を持 も つ客観 きゃっかん 的 てき かつ定量 ていりょう 的 てき な尺度 しゃくど としては初 はじ めてのもの」を見出 みいだ したと主張 しゅちょう している。8-13Hz へるつ で発生 はっせい する収縮 しゅうしゅく の尺度 しゃくど はオーガズムに特有 とくゆう なのだという。この測定 そくてい 基準 きじゅん を用 もち いることで休息 きゅうそく 、随意 ずいい の筋 すじ 収縮 しゅうしゅく 、さらには不首尾 ふしゅび に終 お わったオーガズムの試 こころ みなどからオーガズムを区別 くべつ することが出来 でき ることを発見 はっけん したのである[ 66] 。
文化 ぶんか 的 てき な障壁 しょうへき と技術 ぎじゅつ 的 てき な困難 こんなん のため、オーガズムと脳 のう の活動 かつどう をリアルタイムで関連付 かんれんづ ける研究 けんきゅう はごく僅 わず かしか行 おこな われてこなかった。しかしながら、フローニンゲン大学 だいがく のGert Holstege [訳語 やくご 疑問 ぎもん 点 てん ] と同僚 どうりょう たちが率 ひき いた一連 いちれん の研究 けんきゅう は、脳 のう の活動 かつどう を含 ふく むオーガズムに特有 とくゆう の生理学 せいりがく 的 てき 特徴 とくちょう および男女 だんじょ 間 あいだ での反応 はんのう の違 ちが いを明 あき らかにした。
ある研究 けんきゅう では、パートナーに愛撫 あいぶ されている最中 さいちゅう の12人 にん の健康 けんこう な女性 じょせい をポジトロン断層 だんそう 法 ほう (PET)でスキャンした。休息 きゅうそく 、性的 せいてき 刺激 しげき 、演技 えんぎ のオーガズム、実際 じっさい のオーガズムのそれぞれの状態 じょうたい における脳 のう の変化 へんか が観察 かんさつ ・比較 ひかく された。男性 だんせい と女性 じょせい では刺激 しげき を受 う けている際 さい の脳 のう の変化 へんか に違 ちが いが認 みと められた。しかしながら、行動 こうどう 調節 ちょうせつ 、恐怖 きょうふ 、不安 ふあん と結 むす び付 つ いている脳 のう の領域 りょういき が停止 ていし するという男女 だんじょ 共通 きょうつう の変化 へんか が観測 かんそく された。こうした変化 へんか に関 かん して、Holstegeはロンドン・タイムス でのインタビューで「これは、あらゆる恐怖 きょうふ や不安 ふあん を非 ひ 活性 かっせい 化 か すること、忘 わす れることがオーガズムを得 え るために最 もっと も重要 じゅうよう で、必要 ひつよう 条件 じょうけん でさえあるのかもしれないということを意味 いみ します。」と語 かた っている[ 67] 。
陰 かげ 核 かく を愛撫 あいぶ されているうちに、恐怖 きょうふ 、不安 ふあん 、行動 こうどう 調節 ちょうせつ を処理 しょり する脳 のう の部分 ぶぶん がリラックスし活動 かつどう を低下 ていか させ始 はじ める。これはオーガズムの時点 じてん で最 もっと も顕著 けんちょ となり、女性 じょせい の感情 かんじょう 中枢 ちゅうすう は実質 じっしつ 上 じょう 停止 ていし しほぼ昏睡 こんすい に近 ちか い状態 じょうたい が生 う み出 だ される。Holstegeは欧州 おうしゅう 人間 にんげん 生殖 せいしょく 学会 がっかい の2005年 ねん の会合 かいごう においてこう語 かた ったという――「オーガズムの瞬間 しゅんかん には、女性 じょせい はいかなる情動 じょうどう 的 てき 感情 かんじょう も持 も っていない。」[ 68]
初期 しょき の諸 しょ 報告 ほうこく では、男性 だんせい のオーガズムが続 つづ く時間 じかん が女性 じょせい のものより遥 はる かに短 みじか いためPETスキャンにより男性 だんせい のオーガズムの影響 えいきょう を観測 かんそく するのは困難 こんなん であると示唆 しさ していた。しかしながら、Rudie Kortekaas[訳語 やくご 疑問 ぎもん 点 てん ] らは「オーガズムの最中 さいちゅう では両性 りょうせい の共通 きょうつう 性 せい が顕著 けんちょ であった……これらの結果 けっか から、性的 せいてき 行為 こうい における男女 だんじょ 間 あいだ の脳 のう 反応 はんのう の違 ちが いは主 おも に刺激 しげき 段階 だんかい (高原 こうげん 期 き )に関係 かんけい するものであり、絶頂 ぜっちょう 期 き そのものに関係 かんけい するものではないと我々 われわれ は結論 けつろん する。」[ 5]
脳 のう の神経 しんけい 細胞 さいぼう は常 つね に微弱 びじゃく な電気 でんき 信号 しんごう を出 だ して体 からだ の部位 ぶい に様々 さまざま な指令 しれい を出 だ している。これが「脳波 のうは 」と呼 よ ばれるもので、身体 しんたい や精神 せいしん の動 うご きは脳 のう の存在 そんざい のおかげとも言 い われている。そして人間 にんげん の一部 いちぶ の営 いとな みともなるオーガズムは脳 のう に大 おお きな負荷 ふか をかけている。サイエンスライターの石崎 いしざき 正浩 まさひろ 氏 し の著作 ちょさく によると、セックスでオーガズムに達 たっ するときの脳波 のうは は1000マイクロボルトも電位 でんい を生 しょう じさせていると言 い う。これは正常 せいじょう 時 じ の100倍 ばい 近 ちか い数値 すうち であり、このことから脳 のう 内 ない の神経 しんけい 細胞 さいぼう はオーガズムの度 たび に破壊 はかい され、IQも低下 ていか するリスクもある。逆 ぎゃく に顕著 けんちょ な影響 えいきょう はないと主張 しゅちょう する専門 せんもん 家 か もまたいる。[要 よう 出典 しゅってん ]
オーガズム、および実際 じっさい には性行為 せいこうい 全体 ぜんたい は、数 すう 多 おお くの重要 じゅうよう な身体 しんたい 組織 そしき の努力 どりょく を必要 ひつよう としうる身体 しんたい 活動 かつどう である。1997年 ねん に『イギリス医師 いし 会 かい 雑誌 ざっし 』に掲載 けいさい された、45-59歳 さい の男性 だんせい 918人 にん を対象 たいしょう とした研究 けんきゅう によると[ 69] 、10年間 ねんかん の追跡 ついせき 調査 ちょうさ で、週 しゅう に2度 ど 以上 いじょう のオーガズムを得 え ている男性 だんせい はそうでない男性 だんせい に比 くら べ全 すべ ての死因 しいん で死亡 しぼう 率 りつ が半分 はんぶん であった。より明確 めいかく に循環 じゅんかん 器 き の健康 けんこう に焦点 しょうてん を合 あ わせた2001年 ねん の追跡 ついせき 調査 ちょうさ では、週 しゅう に3度 ど 以上 いじょう の性交 せいこう を行 おこな う男性 だんせい は心臓 しんぞう 発作 ほっさ および脳 のう 梗塞 こうそく のリスクが50%低 ひく かった。(一般 いっぱん に、相関 そうかん 関係 かんけい は因果 いんが 関係 かんけい を意味 いみ しない ことに注意 ちゅうい 。)
男性 だんせい 女性 じょせい ともに、加 か 齢 よわい するに従 したが ってオーガズムに伴 ともな う紅潮 こうちょう 、筋 すじ 緊張 きんちょう 、直腸 ちょくちょう の収縮 しゅうしゅく などは衰 おとろ え、陰茎 いんけい や膣 ちつ の収縮 しゅうしゅく の回数 かいすう も減少 げんしょう する。男性 だんせい では通常 つうじょう 、歳 とし を取 と るにつれ、射精 しゃせい する精液 せいえき の量 りょう や飛 ひ 距離 きょり が減少 げんしょう し、射精 しゃせい 後 ご の不 ふ 応 おう 期 き も長 なが くなる[ 70] 。
オーガズムを得 え ることができないことは「オーガズム不全 ふぜん [ 71] 」、「無 む オーガズム症 しょう 」もしくは「射精 しゃせい 無 む 快感 かいかん 症 しょう (英語 えいご 版 ばん ) 」などと呼 よ ばれる。男性 だんせい が勃起 ぼっき と射精 しゃせい をするがオーガズムが得 え られない場合 ばあい 、その男性 だんせい は射精 しゃせい 無 む 快感 かいかん 症 しょう (英語 えいご 版 ばん ) であるとされる。
「不感症 ふかんしょう sexual anesthesia」や(性欲 せいよく 自体 じたい のない)「冷 ひや 感 かん 症 しょう 」のような言葉 ことば は曖昧 あいまい なため、今日 きょう では包括 ほうかつ 的 てき に「性 せい 障害 しょうがい 」「性 せい 機能 きのう 不全 ふぜん 」などと呼 よ ばれている[ 72] 。
女性 じょせい のオーガズム不全 ふぜん の原因 げんいん の大半 たいはん は前 まえ 戯 おどけ 不足 ふそく のような性的 せいてき 無知 むち [ 73] もしくは心理 しんり 的 てき な原因 げんいん によるものがある。より具体 ぐたい 的 てき には情緒 じょうちょ 不安 ふあん 、性交 せいこう に対 たい する嫌悪 けんお 感 かん や恐怖 きょうふ 、(異性 いせい に興味 きょうみ が無 む く)同性愛 どうせいあい であること、夫婦 ふうふ 間 あいだ の不和 ふわ の問題 もんだい などが挙 あ げられる[ 71] 。少 すこ し異 こと なったものとしては、過労 かろう (精神 せいしん 的 てき な過労 かろう も、肉体 にくたい 的 てき な過労 かろう も)が挙 あ げられる[ 71] 。心理 しんり 的 てき な要因 よういん や過労 かろう といった要因 よういん があると、大脳皮質 だいのうひしつ においてドーパミン 系 けい 機構 きこう へ抑制 よくせい がかかり、オーガズムが抑制 よくせい されるのだと考 かんが えられている[ 71] 。
これには振舞 ふるまい に対 たい するプレッシャーや、パートナーの満足 まんぞく から切 き り離 はな して快楽 かいらく を追求 ついきゅう することへのためらいが密接 みっせつ に関係 かんけい しているようだ。しばしば女性 じょせい はパートナーの快楽 かいらく のことが気掛 きが かりとなるあまり不安 ふあん に陥 おちい り、これはオーガズムの遅延 ちえん に対 たい する焦 あせ りとなって現 あらわ れる。この遅延 ちえん は、オーガズムによる性的 せいてき 満足 まんぞく に到達 とうたつ できないことへの不満 ふまん へと結 むす び付 つ き得 え る。精神 せいしん 分析 ぶんせき 家 か のヴィルヘルム・ライヒ は1927年 ねん の著書 ちょしょ 『オーガズムの機能 きのう 』において初 はじ めてオーガズムを精神 せいしん 衛生 えいせい の中核 ちゅうかく 的 てき な概念 がいねん に据 す え[ 74] 、完全 かんぜん なオーガズムを得 え る障害 しょうがい という観点 かんてん からノイローゼ を定義 ていぎ した[要 よう ページ番号 ばんごう ] 。
心理 しんり 的 てき な原因 げんいん によるオーガズム不全 ふぜん の治療 ちりょう を試 こころ みる場合 ばあい は精神療法 せいしんりょうほう や心理 しんり 療法 りょうほう が採用 さいよう される[ 71] 。つまりカウンセリング (セックス・カウンセリング)やセラピー (セックス・セラピー)が有効 ゆうこう となる[ 71] と言 い われる。上述 じょうじゅつ のように、オーガズム不全 ふぜん の大半 たいはん は心理 しんり 的 てき な要素 ようそ によって起 お きているが、他 ほか にも、生理学 せいりがく 的 てき な要素 ようそ も関与 かんよ することはある。中枢 ちゅうすう 神経 しんけい の機能 きのう 障害 しょうがい によって不感症 ふかんしょう が起 お きることがある[ 71] 。このケースならば、ドーパミン系 けい の賦活 ふかつ 薬 やく やセロトニン 系 けい 機構 きこう の抑制 よくせい をもたらす薬剤 やくざい が効 き く場合 ばあい もある[ 71] 。
精神 せいしん 医学 いがく で用 もち いられる薬物 やくぶつ はほぼ全 すべ てが性 せい への作用 さよう に関係 かんけい し、男性 だんせい の射精 しゃせい 障害 しょうがい や女性 じょせい のオーガズムの阻害 そがい ・遅延 ちえん を起 お こす可能 かのう 性 せい がある。例 たと えばベンラファキシン やSSRI はセロトニン濃度 のうど を上昇 じょうしょう させるため男女 だんじょ ともにオーガズムの達成 たっせい を困難 こんなん にする
[ 75] 。
なお、特 とく に同時 どうじ にオーガズムを得 え ることやそれと類似 るいじ した営 いとな みに関 かん して、多 おお くの性 せい 科学 かがく 者 しゃ たちは、早漏 そうろう の問題 もんだい が[ 76] 、相互 そうご のオーガズムが性的 せいてき 関係 かんけい の目的 もくてき や性的 せいてき 満足 まんぞく の印 しるし として過度 かど に強調 きょうちょう されていた20世紀 せいき 初頭 しょとう における科学 かがく 的 てき アプローチにより促 うなが された考 かんが え方 かた に密接 みっせつ に関係 かんけい していると主張 しゅちょう している。
タントラ・セックス は古代 こだい インド・ヒンドゥー教 きょう の性 せい の実践 じっせん における宗教 しゅうきょう 的 てき 伝統 でんとう である(密教 みっきょう のタントラとは別 べつ のものである)。タントラ においては従来 じゅうらい 的 てき (欧米 おうべい 的 てき )な性 せい への文化 ぶんか 的 てき アプローチとは異 こと なり、オーガズムを性交 せいこう の目的 もくてき とは考 かんが えない。タントラ・セックスの実践 じっせん 者 しゃ たちは、数多 すうた の体位 たいい や性 せい 技 わざ を用 もち いオーガズム以前 いぜん の状態 じょうたい に長時間 ちょうじかん 留 と まり続 つづ けることで心身 しんしん の長 なが い恍惚 こうこつ を得 え ようとし、オーガズムはその1つの区切 くぎ りに過 す ぎないと考 かんが える[ 77] 。性 せい のエネルギーはオーガズムではなく、至福 しふく の悟 さと りへと進 すす むために用 もち いられる[ 78] 。
バグワン・シュリ・ラジニーシ のような現代 げんだい のネオ・タントラ・セックスの唱道 しょうどう 者 しゃ たちは、こうしたアプローチによりオーガズムの感覚 かんかく が意識 いしき 的 てき 体験 たいけん の全域 ぜんいき へと広 ひろ がってゆくと主張 しゅちょう している[ 79] [ 80] 。また、西洋 せいよう 文化 ぶんか が絶頂 ぜっちょう 感 かん のオーガズムという目的 もくてき に焦点 しょうてん を合 あ わせすぎで、性 せい 体験 たいけん での他 ほか の時間 じかん において深 ふか い快楽 かいらく を味 あじ わうことを妨 さまた げていると主張 しゅちょう しており、これを取 と り除 のぞ くことによってより豊 ゆた かで、十全 じゅうぜん で、強力 きょうりょく なつながりを得 え ることができると説 と いている[ 81] 。
『ユーピテル とユーノー 』。アンニーバレ・カラッチ 画 が
古代 こだい より、オーガズムは文学 ぶんがく において幅広 はばひろ く表現 ひょうげん され続 つづ けてきた。古典 こてん 古代 こだい では、ギリシア文学 ぶんがく やラテン文学 ぶんがく もこの主題 しゅだい に取 と り組 く んでいた。オウィディウス の『変身 へんしん 物語 ものがたり 』はユーピテル とユーノー の交 か わした議論 ぎろん を再 さい 話 はな している。ユーピテル曰 いわ く――
男 おとこ の
快感 かいかん は
遥 はる かに/
味気 あじけ なくつまらない、あなたがた
女 おんな に
較 くら べれば。
[ 82]
ユーノーはこの考 かんが えを拒絶 きょぜつ する。両者 りょうしゃ は、女性 じょせい として7年間 ねんかん を生 い き「愛 あい を男女 だんじょ 両方 りょうほう で知 し った者 もの 」テイレシアース に意見 いけん を求 もと める[ 83] 。テイレシアースはユーピテルに同意 どうい して女 おんな の快感 かいかん は男 おとこ の10倍 ばい であると答 こた えユーノーの怒 いか りを買 か い、その場 ば で盲目 もうもく とされてしまった。ユーピテルはテイレシアースの痛手 いたで を和 やわ らげるため予言 よげん 力 りょく と長寿 ちょうじゅ を与 あた えた[ 84] 。『変身 へんしん 物語 ものがたり 』以前 いぜん にも、オウィディウスは『愛 あい の技法 ぎほう (英語 えいご 版 ばん ) 』において2人 ふたり 共 ども に満 み たすことのできない性交 せいこう を嫌悪 けんお すると宣言 せんげん している[ 85] 。
ロマン主義 しゅぎ とホモエロティシズム (英語 えいご 版 ばん ) の時代 じだい となってもオーガズムというテーマは描 えが かれ続 つづ けた。「並外 なみはず れた守備 しゅび 範囲 はんい と多彩 たさい さの翻訳 ほんやく 者 しゃ 」と称 しょう された詩人 しじん パーシー・ビッシュ・シェリー (1792–1822)[ 86] は『フランソワ・ラバイヤックとシャルロット・コルデーの祝 しゅく 婚 こん 歌 か と思 おも われる断片 だんぺん 』の中 なか で「いかなる生 なま もかのような死 し には及 およ ばず」というフレーズを記 しる し、これはオーガズムの暗喩 あんゆ であると考 かんが えられており[ 87] 、またこのフレーズの前 まえ には「吸 す ってくれ、吸 す ってくれ、僕 ぼく は燃 も える、僕 ぼく は燃 も える!」という明白 めいはく にフェラチオ を仄 ほの めかした詩 し 行 ぎょう がある[ 87] 。シェリーにとってオーガズムは「並外 なみはず れた魅力 みりょく を持 も つ人 ひと と共 とも にいながら放置 ほうち された状態 じょうたい でいることによるほとんど不本意 ふほんい な結果 けっか 」であった [ 88] 。シェリーの生涯 しょうがい 最後 さいご の恋 こい の相手 あいて であったエドワード・エラーカー・ウィリアムズ (英語 えいご 版 ばん ) のことが『セルキオ川 がわ の小舟 こぶね 』で回想 かいそう されており、これは恐 おそ らく「文学 ぶんがく における最 もっと も偉大 いだい なオーガズム描写 びょうしゃ 」であろうと見 み なされている[ 87] [要 よう 検証 けんしょう – ノート ] 。
The Serchio , twisting forth
セルキオ川 がわ は曲 ま がりくねりつつ進 すす む
Between the marble barriers which it clove
大理石 だいりせき の両 りょう 岸 きし をかき分 わ けながら
At Ripafratta , leads through the dread chasm
リパフラッタにて、恐 おそ ろしい深淵 しんえん を貫 つらぬ いて
The wave that died the death which lovers love,
恋人 こいびと たちが愛 あい する死 し を死 し んだ波 なみ は進 すす む、
Living in what it sought; as if this spasm
求 もと めるものの中 なか に生 い きながら――この痙攣 けいれん が
Had not yet passed, the toppling mountains cling,
未 いま だ過 す ぎ去 さ らぬかのように、ぐらつく山々 やまやま はしがみつくが、
But the clear stream in full enthusiasm
澄 す んだ流 なが れは熱狂 ねっきょう に満 み ちて
Pours itself on the plain....
平野 へいや へと自 みずか らを注 つ ぎ込 こ む……
シェリーはこの詩 し においてもまた「恋人 こいびと たちが愛 あい する死 し 」として死 し とオーガズムを結 むす び付 つ けている[ 87] 。興味深 きょうみぶか いことに、フランス文学 ぶんがく においては小 ちい さな死 し (英語 えいご 版 ばん ) (仏 ふつ : la petite mort )はオーガズムの有名 ゆうめい な婉曲 えんきょく 表現 ひょうげん となっている[ 89] ――これは人 ひと がオーガズムの間 あいだ は自身 じしん のことも世界 せかい のことも忘 わす れ去 さ っていることを表 あらわ しているのである。アルゼンチンの作家 さっか ホルヘ・ルイス・ボルヘス もまた同 おな じ発想 はっそう から、「トレーン、ウクバール、オルビス・テルティウス 」に付 つ けた脚注 きゃくちゅう において、トレーンの教会 きょうかい の中 なか の1つが観念 かんねん 的 てき には「全 すべ ての男 おとこ は、性交 せいこう 時 じ の眩暈 げんうん のする瞬間 しゅんかん には1人 ひとり の同 どう じ男 なん なのである。シェイクスピア の詩 し の1行 ぎょう を暗唱 あんしょう する者 もの は全 すべ てウィリアム・シェイクスピアなのだ。」と主張 しゅちょう していると書 か いた[ 90] 。シェイクスピアその人 ひと もこの考 かんが え方 かた には親 した しかった――「私 わたし はあなたの心 しん の中 なか に生 い き、あなたの膝 ひざ の上 うえ で死 し に、あなたの瞳 ひとみ の中 なか に葬 ほうむ られましょう」「私 わたし は勇敢 ゆうかん に死 し んで行 い こう、気取 きど った花婿 はなむこ のように」と、『空騒 からさわ ぎ 』のベネディックおよび『リア王 おう 』のリア王 おう に繰 く り返 かえ し語 かた らせており[ 91] 、女性 じょせい の膝 ひざ で死 し ぬというくだりは性的 せいてき なオーガズムを含意 がんい すると解釈 かいしゃく されている[ 92] 。
精神 せいしん 分析 ぶんせき 学 がく 者 もの のジークムント・フロイト は『自我 じが とエス(ドイツ語 ご 版 ばん ) 』(1923)において、オーガズムによる性的 せいてき 満足 まんぞく はエロース (生 なま の本能 ほんのう )を使 つか い果 は たしタナトス (死 し の本能 ほんのう )へと場 ば を譲 ゆず るのではないか、換言 かんげん すればオーガズムによりエロースはその任務 にんむ を終 お えタナトスに取 と って代 か わられるのではないかとしている[ 93] 。現代 げんだい 作家 さっか たちは隠喩 いんゆ なしでオーガズムを表現 ひょうげん することを選 えら んでいる。例 たと えばデーヴィッド・ハーバート・ローレンス の小説 しょうせつ 『チャタレイ夫人 ふじん の恋人 こいびと 』(1928)に、カップルの性行為 せいこうい のあからさまな語 かた りを見出 みいだ すことができる――「彼 かれ が動 うご きはじめると、彼女 かのじょ の中 なか で突然 とつぜん でどうすることもできないオーガズムが目覚 めざ め奇妙 きみょう な戦慄 せんりつ が彼女 かのじょ の内側 うちがわ で波紋 はもん となって広 ひろ がっていった……」[ 94] 。
生物 せいぶつ 学 がく などにおけるオーガズムの機能 きのう を巡 めぐ る諸 しょ 仮説 かせつ [ 編集 へんしゅう ]
男性 だんせい のオーガズムと射精 しゃせい が受胎 じゅたい に必要 ひつよう である一方 いっぽう [ 95] 、1770年代 ねんだい にラザロ・スパランツァーニ が犬 いぬ の人工 じんこう 授精 じゅせい に成功 せいこう するなどして、受胎 じゅたい に女性 じょせい のオーガズムは必要 ひつよう とされないことが知 し られるようになって以降 いこう [ 96] 、女性 じょせい の性的 せいてき 快感 かいかん には生殖 せいしょく 上 じょう の役割 やくわり はないと考 かんが えられてきたが[ 97] [ 98] [ 99] 、生殖 せいしょく 過程 かてい における女性 じょせい のオーガズムの役割 やくわり に関 かん するさまざまな仮説 かせつ が進化 しんか 生物 せいぶつ 学 がく らなどにより提唱 ていしょう されている。
1967年 ねん にはデズモンド・モリス がポピュラーサイエンスの著書 ちょしょ 『裸 はだか のサル』において初 はじ めて、「女性 じょせい のオーガズムは男性 だんせい パートナーとの肉体 にくたい 的 てき な親密 しんみつ さを促進 そくしん し、つがいの結 むす び付 つ きを強 つよ めるために進化 しんか したのではないか」と示唆 しさ した[ 100] 。「男性 だんせい に比 くら べ女性 じょせい がオーガズムに達 たっ するのが比較的 ひかくてき 難 むずか しいことで女性 じょせい は、他 た の霊長 れいちょう 類 るい の配偶 はいぐう 者 しゃ 選択 せんたく において見 み られるような身体 しんたい の大 おお きさや攻撃 こうげき 性 せい ではなく、忍耐 にんたい 力 りょく 、気配 きくば り、想像 そうぞう 力 りょく 、知性 ちせい といった特質 とくしつ を持 も つ男性 だんせい を選択 せんたく するように導 みちび かれ、ダーウィン的 てき 進化 しんか において有利 ゆうり となるのであろう」とモリスは推測 すいそく ・主張 しゅちょう した。
モリスはまた「オーガズムが、女性 じょせい を消耗 しょうもう させ横 よこ たわったままにさせることによって精液 せいえき が漏出 ろうしゅつ してしまうことを防 ふせ ぎ、受胎 じゅたい を容易 ようい にもしている」と主張 しゅちょう した[ 101] 。これは「斧 おの 仮説 かせつ 」もしくは「ノックアウト仮説 かせつ 」とも呼 よ ばれるが、今日 きょう では極 きわ めて疑 うたが わしいと考 かんが えられている[要 よう 出典 しゅってん ] 。
他 た の諸 しょ 理論 りろん は女性 じょせい のオーガズムが繁殖 はんしょく 力 りょく を高 たか めるのであろうという考 かんが えに基 もと づいている。古代 こだい ギリシアの哲学 てつがく 者 しゃ アリストテレス は、オーガズム中 ちゅう の子宮 しきゅう 頸部が吸角のように働 はたら き精液 せいえき を吸 す い寄 よ せて受胎 じゅたい を助 たす けるのではないかと書 か いた[ 102] 。イギリスの生物 せいぶつ 学者 がくしゃ ベイカーとベリスは女性 じょせい のオーガズムが食道 しょくどう が食物 しょくもつ を嚥下 えんか する能力 のうりょく を上下 じょうげ 逆 ぎゃく にしたような「吸 す い上 あ げる」動 うご きをし、望 のぞ ましい精液 せいえき を保持 ほじ し受胎 じゅたい の可能 かのう 性 せい を高 たか めるのではないか、と示唆 しさ した[ 103] 。ベイカーらは女性 じょせい のオーガズムが精子 せいし 競争 きょうそう (英語 えいご 版 ばん ) において役割 やくわり を持 も つのではないか、と推測 すいそく した。1994年 ねん にザ・ラーニング・チャンネル で放送 ほうそう された性 せい に関 かん するドキュメンタリー番組 ばんぐみ では、性交 せいこう 中 ちゅう の女性 じょせい の膣 ちつ の中 なか に光 ひかり ファイバーカメラを挿入 そうにゅう し撮影 さつえい を行 おこな った。彼女 かのじょ がオーガズムを迎 むか えると、骨盤 こつばん 筋 すじ 群 ぐん が収縮 しゅうしゅく して子宮 しきゅう 膣 ちつ 部 ぶ が反復 はんぷく 的 てき に膣 ちつ 円蓋 えんがい 内 うち に溜 たま った精液 せいえき へと浸 ひた り、あたかも精子 せいし が外子 そとこ 宮口 みやぐち へと確実 かくじつ に進 すす むようにし受胎 じゅたい の可能 かのう 性 せい を高 たか めようとするかのような動 うご きを見 み せた[ 104] 。エリザベス・ロイド (英語 えいご 版 ばん ) はこのシーンで流 なが されたナレーションがこれを「精子 せいし の吸 す い上 あ げ」の例 れい であるとしたことを批判 ひはん し、これは子宮 しきゅう オーガズム(英語 えいご 版 ばん ) での通常 つうじょう の収縮 しゅうしゅく に過 す ぎず、繁殖 はんしょく 力 りょく へのどのような効果 こうか も示 しめ されてはいない、とした[ 105] 。マスターズとジョンソンもX線 せん 撮影 さつえい による調査 ちょうさ に基 もと づき否定 ひてい 的 てき な見解 けんかい を示 しめ している[ 106] 。
また例 たと えば、オーガズムにより骨盤 こつばん 筋肉 きんにく の収縮 しゅうしゅく により陰茎 いんけい を締 し め付 つ けることで男性 だんせい のオーガズムと射精 しゃせい を引 ひ き起 お こすとも考 かんが えられる[ 107] 。
排卵 はいらん 中 なか には比較的 ひかくてき オーガズムに達 たっ しやすい傾向 けいこう があるという観察 かんさつ は、オーガズムが繁殖 はんしょく 力 りょく の増強 ぞうきょう に結 むす び付 つ いていることを示唆 しさ している[ 108] という。
進化 しんか 生物 せいぶつ 学 がく 者 もの のロビン・ベイカー (英語 えいご 版 ばん ) は『精子 せいし 戦争 せんそう (英語 えいご 版 ばん ) 』において、オーガズムの発生 はっせい とタイミングは全 すべ て、進化 しんか 的 てき により適 てき した男性 だんせい の精子 せいし を受 う け取 と り保持 ほじ するための女性 じょせい の身体 しんたい の無意識 むいしき 的 てき な戦略 せんりゃく の一部 いちぶ をなすのであると論 ろん じている。子宮 しきゅう 頸部は精子 せいし と病原 びょうげん 体 たい に対 たい する自然 しぜん のフィルタとなっており[ 109] 、性交 せいこう 時 じ のオーガズムはこれを回避 かいひ させるためのボタンとして機能 きのう し、性交 せいこう 前 まえ のオーガズムは逆 ぎゃく にフィルタを強化 きょうか するというのである[ 110] 。
ただしその論拠 ろんきょ となる子宮 しきゅう 頸部による精液 せいえき の「吸 す い上 あ げ」についてはマスターズとジョンソンは否定 ひてい 的 てき な見解 けんかい を示 しめ しており[ 106] 、性 せい 科学 かがく 者 しゃ のイェルト・ドレントも「内容 ないよう には多少 たしょう の疑 うたが いをもってかかるべきだろう」としている[ 111] 。
陰 かげ 核 かく は陰茎 いんけい と相 あい 同 どう である――両者 りょうしゃ は共 とも に同 おな じ胎児 たいじ 構造 こうぞう から発達 はったつ するのである[ 112] 。スティーヴン・ジェイ・グールド やその他 た の研究 けんきゅう 者 しゃ たちは陰 かげ 核 かく が女性 じょせい における痕跡 こんせき 器官 きかん であり、女性 じょせい のオーガズムには進化 しんか 上 じょう の機能 きのう は特 とく に有 ゆう していないと主張 しゅちょう している。エリザベス・ロイド (英語 えいご 版 ばん ) のようなこの仮説 かせつ の主唱 しゅしょう 者 しゃ たちは、膣 ちつ での性交 せいこう を通 つう じて女性 じょせい がオーガズムに達 たっ するのが比較的 ひかくてき 困難 こんなん であること、オーガズムの後 のち では受精 じゅせい 率 りつ が増大 ぞうだい することの証拠 しょうこ が乏 とぼ しいこと、女性 じょせい がオーガズムに到達 とうたつ できる能力 のうりょく とその女性 じょせい が性交 せいこう を行 おこな う可能 かのう 性 せい との間 あいだ には統計 とうけい 的 てき な相関 そうかん が見 み られないことなどを指摘 してき している[ 113] 。
科学 かがく ライターのナタリー・アンジェ (英語 えいご 版 ばん ) は、この仮説 かせつ が女性 じょせい のオーガズムの心理 しんり 社会 しゃかい 的 てき な価値 かち を過小 かしょう 評価 ひょうか していると批判 ひはん している。キャサリン・ブラックリッジは著書 ちょしょ 『ヴァギナ:女性 じょせい 器 き の文化 ぶんか 史 し 』において、オーガズムと受胎 じゅたい の成功 せいこう との間 あいだ に結 むす び付 つ きがある可能 かのう 性 せい を示 しめ す研究 けんきゅう を引用 いんよう している。ブラックリッジは「女性 じょせい のオーガズムは痕跡 こんせき 的 てき なもの」とする仮説 かせつ が、受胎 じゅたい の成功 せいこう の結果 けっか としてもたらされ続 つづ けている進化 しんか 的 てき な利点 りてん を無視 むし していると批判 ひはん している[要 よう ページ番号 ばんごう ] 。人類 じんるい 学 がく 者 もの ・霊長 れいちょう 類 るい 学 がく 者 もの であるサラ・ブラファー・ハーディ もまた女性 じょせい のオーガズムが痕跡 こんせき 的 てき なものであるとする議論 ぎろん を批判 ひはん し、そのような考 かんが え方 かた には性 せい 差別 さべつ の気配 けはい があると書 か いている[ 114] 。
2005年 ねん に行 おこな われた双生児 そうせいじ 研究 けんきゅう (英語 えいご 版 ばん ) は女性 じょせい の3人 にん に1人 ひとり は性交 せいこう (膣 ちつ に陰茎 いんけい が入 はい る行為 こうい )中 ちゅう にオーガズムに達 たっ したことがない、あるいはほとんど達 たっ することがなく、性交 せいこう で常 つね にオーガズムに達 たっ するのは10人 にん に1人 ひとり にしか過 す ぎないことを明 あき らかにした。一般 いっぱん に心理 しんり 社会 しゃかい 的 てき なものであると考 かんが えられている、オーガズムに達 たっ する能力 のうりょく のこの個人 こじん 差 さ は、34-45%が遺伝 いでん 的 てき なものであると明 あき らかになった。4000人 にん の女性 じょせい を調査 ちょうさ したこの研究 けんきゅう は王立 おうりつ 協会 きょうかい の学術 がくじゅつ 誌 し 『バイオロジー・レターズ (英語 えいご 版 ばん ) 』で公表 こうひょう された[ 115] [ 116] 。エリザベス・ロイドはこれを女性 じょせい のオーガズムが適応 てきおう 的 てき なものではないことの証拠 しょうこ として引用 いんよう している[ 117] 。
この
節 ふし の
加筆 かひつ が
望 のぞ まれています。
(2011年 ねん 5月 がつ )
霊長 れいちょう 類 るい では雌雄 しゆう ともに関係 かんけい 部位 ぶい の素早 すばや くリズミカルで強力 きょうりょく な収縮 しゅうしゅく が見 み られ、メスでは交尾 こうび 中 ちゅう や自慰 じい 中 ちゅう に膣 ちつ の充血 じゅうけつ 、陰 かげ 核 かく の勃起 ぼっき 、全身 ぜんしん の筋肉 きんにく の緊張 きんちょう 、心拍 しんぱく 数 すう の増加 ぞうか 、体毛 たいもう の起立 きりつ などが同時 どうじ に観察 かんさつ される。霊長 れいちょう 類 るい の他 ほか でもネズミやウシなど数 すう 多 おお くの動物 どうぶつ がオーガズム様 さま の反射 はんしゃ を示 しめ す[ 118] 。
オスのオーガズムの機 き 序 じょ は哺乳類 ほにゅうるい の大半 たいはん でも同様 どうよう である。一部 いちぶ の哺乳類 ほにゅうるい および、哺乳類 ほにゅうるい 以外 いがい でもアメリカワニ[ 119] などには陰 かげ 核 かく がある。
生殖 せいしょく 以外 いがい の理由 りゆう で性交 せいこう を行 おこな っているように思 おも われる種 しゅ であるイルカ の性 せい とオーガズムに関 かん する研究 けんきゅう も行 おこな われている[ 120] 。
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ブラックリッジ, キャサリン (2005-12-30), ヴァギナ 女性 じょせい 器 き の文化 ぶんか 史 し , 東京 とうきょう : 河出書房新社 かわでしょぼうしんしゃ , ISBN 4-309-20453-8
藤田 ふじた 真利子 まりこ 訳 やく 、442ページ。幅広 はばひろ いテーマを扱 あつか っているが、生物 せいぶつ 学 がく 的 てき な関心 かんしん が強 つよ め。第 だい 7章 しょう 「オーガズムの働 はたら き」(pp.363-426)がオーガズムに割 さ かれている。
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原書 げんしょ は1967年刊 ねんかん 。日高 ひだか 敏隆 としたか 訳 やく 、292ページ。性 せい 革命 かくめい の時代 じだい に書 か かれた、動物 どうぶつ 行動 こうどう 学者 がくしゃ の視点 してん からの人間 にんげん 論 ろん 。第 だい 2章 しょう 「セックス」(pp.56-114)でヒトの性 せい 行動 こうどう を論 ろん じている。第 だい 2章 しょう の参考 さんこう 文献 ぶんけん として『人間 にんげん の性 せい 行動 こうどう 』『キンゼイ報告 ほうこく 』が使用 しよう されている。
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原書 げんしょ は1996年刊 ねんかん 。秋川 あきかわ 百合 ゆり 訳 やく 、451ページ。約 やく 4000人 にん のイギリス女性 じょせい からのき取 きと り調査 ちょうさ と約 やく 100組 くみ のカップルから採取 さいしゅ した精液 せいえき の調査 ちょうさ を基 もと に、精子 せいし 競争 きょうそう の観点 かんてん から人間 にんげん の性 せい 行動 こうどう を解釈 かいしゃく 。第 だい 8章 しょう が「オーガズム」。
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本 ほん 園 えん 正 せい 興 きょう 訳 やく 、266ページ。ヒンドゥー教 きょう タントラの一般 いっぱん 向 む け概説 がいせつ 書 しょ 。
大島 おおしま , 清 きよし (2009-09-20), 大脳 だいのう 生理学 せいりがく が明 あ かす「女 おんな と男 おとこ のカラダ」 ヒトの快感 かいかん を操 あやつ る脳 のう の不思議 ふしぎ , 東京 とうきょう : 二見 ふたみ 書房 しょぼう , ISBN 978-4-576-09117-4
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Gabriele Froböse, Rolf Froböse, Michael Gross (Translator): Lust and Love: Is it more than Chemistry? Publisher: Royal Society of Chemistry, ISBN 0-85404-867-7 , (2006).
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