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ハイヒール

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ピンヒールから転送てんそう
ハイヒール(婦人ふじんくつ
1くみ爪先つまさきまるい、くろうるしがわのハイヒールパンプス(ヒールのたかさは8センチ

ハイヒール(high heels)は、くとかかと部分ぶぶん爪先つまさきよりも7cm以上いじょうげられる形状けいじょうくつのこと。「たかかかと」という意味いみつ。たかさが地表ちひょうから3センチ以上いじょうこれまでであれば「ミドルヒール」、3センチを下回したまわるものは「ローヒール」となる。

パンプスからブーツいたるまでおおくのバリエーションがある。かかとたかさやふとさ・爪先つまさき形状けいじょうなどによっても別称べっしょう存在そんざいしており、かかとほそとがっているものはピンヒールスティレットヒールえい: stiletto heel)、サンダルちか形状けいじょう爪先つまさきかかと露出ろしゅつするなどのものはハイヒールサンダルえい: high heel sandal、high-heeled sandals)やストラッピーハイヒールズえい: strappy high heels)、ミュールふつ: Mule)ともばれる。日本にっぽんでいう厚底あつぞこくつのようなかかと爪先つまさき両方りょうほうともたかいものはプラットフォームシューズえい: platform shoes)とばれる。

近年きんねん一般いっぱんてきにこの形態けいたいくつウェスタンブーツシークレットシューズよう紳士しんしくつのぞいて、ほとんどが婦人ふじんくつ限定げんていされている。

歴史れきし

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現代げんだいつづくハイヒールの起源きげんせつはいくつかあり、定説ていせつさだまっていない。

  • 紀元前きげんぜん400年代ねんだいアテネで、たかせるハイヒールが遊女ゆうじょあいだ流行りゅうこうした。これは男性だんせいいていた。
  • 15世紀せいきからイタリア、およびスペインで、チョピンというファッションようオーバーシューズが貴族きぞく女性じょせい高級こうきゅう娼婦しょうふ流行りゅうこうする。
  • 16世紀せいきまつ欧州おうしゅう現代げんだいつづくハイヒールがまれる。

まちあふれる汚物おぶつけるためにまれたというせつもある[1]

ルイ14せいたかせるために愛用あいようしていたなど、ぜん近代きんだいから近代きんだい初期しょきにかけては男女だんじょわずかれていた。しかし、ナポレオン戦争せんそうはじまり各国かっこく国民こくみんぐん創設そうせつされると、戦場せんじょうまわるために男性だんせい機能きのうてきくつえらぶようになったため、ハイヒールは女性じょせい履物はきものなされるようになった。

長短ちょうたん

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女性じょせいのハイヒール

利点りてん

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  • たかく、あしながせ、あたま外見がいけんてき均衡きんこうととのえる(長期ちょうきてきにはぎゃくにスタイルを悪化あっかさせる[2])。
  • てい身長しんちょうひとばなしをするさいに、会話かいわ相手あいてあお必要ひつよう減少げんしょうさせる。
  • 女性じょせい足取あしどりを強調きょうちょうしファッションをきたせる。

欠点けってん

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  • 自動車じどうしゃ運転うんてんするさいあし指先ゆびさき自由じゆううごかないためあしさき感覚かんかくにぶってペダルの加減かげんがわかりにくくなる。またアキレス腱あきれすけんつね緊張きんちょうさせているためペダル操作そうさがギクシャクしやすい。このためハイヒール(下駄げたやサンダルなど)をいた状態じょうたい自動車じどうしゃ運転うんてんすることはかく都道府県とどうふけん道路どうろ交通こうつうほう施行しこう細則さいそくにより禁止きんしされている場合ばあいがある(道路どうろ交通こうつうほうだい71じょう)。
  • 航空機こうくうきから緊急きんきゅう脱出だっしゅつスライド(すべりだい)で脱出だっしゅつするさい、ハイヒールの鋭利えいりかかと脱出だっしゅつスライドを損傷そんしょうさせる原因げんいんとなる[3]。このため、緊急きんきゅう脱出だっしゅつさい乗客じょうきゃくは、ハイヒールを必要ひつようがある[3]

健康けんこうじょう欠点けってん

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くつ形状けいじょうあしさきへの影響えいきょう
  • 重心じゅうしん安定あんていわる快適かいてきでない。また足首あしくび捻挫ねんざこしやすくなる。
  • 人間にんげん本来ほんらい裸足はだしでの歩行ほこういた骨格こっかくになっているため、ハイヒールをつづけることで姿勢しせいがゆがみ、外反母趾がいはんぼし浮腫ふしゅかたこり重症じゅうしょうとなれば椎間板ついかんばんヘルニア腰痛ようつうともなる。骨格こっかくたいして無理むり緊張きんちょうつづける結果けっかほね筋肉きんにく負担ふたんがかかり骨盤こつばんいがむ。骨格こっかくいがむと、え、浮腫ふしゅ腰痛ようつうとう発症はっしょうし、最悪さいあく場合ばあい妊娠にんしん機能きのう低下ていかにまでつながる[2]
  • ほね筋肉きんにくいがむため、ひらたいしり下腹かふくふくらみ、Oあしといった状態じょうたいにもつながり、スタイル悪化あっかさせる[2]
  • たかさのあるハイヒールをこと転倒てんとうやすくなり、体重たいじゅうささえる足首あしくびへの衝撃しょうげき事故じこえる。
  • 直立ちょくりつ歩行ほこう安定あんていせいたもてないため、あし過度かど負担ふたんかりいたみが発生はっせいする(長時間ちょうじかん場合ばあい殊更ことさらである)。その結果けっかつづけるとほねけん傷付きずつけ「外反母趾がいはんぼし」になる場合ばあいもある(下記かき参照さんしょう)。
  • グレーチングあなかかとはままって転倒てんとうする。
  • かかとたかくするデザインにより、着用ちゃくようしゃ体重たいじゅう極端きょくたん爪先つまさき方向ほうこう移動いどうされがちである。
    • くつさきのデザインが爪先つまさきしぼられているとあしゆび自由じゆうがなく結果けっかゆびあることになる。長期間ちょうきかん着用ちゃくよう筋力きんりょくのバランスとゆびあいだ靱帯じんたい弛緩しかんさせ、あし骨格こっかくいがませてしまう(れいヴィクトリア・ベッカムはハイヒールのぎであし骨格こっかく変形へんけいし、歩行ほこう困難こんなんになり、その回復かいふくには患部かんぶ切開せっかいともな手術しゅじゅつようした)。
  • ハイヒールのくつかかとげる構造こうぞうためつねアキレス腱あきれすけん緊張きんちょうさせる。
  • ハイヒールをことによる着用ちゃくようしゃあしうら不具合ふぐあいは、とくうお水疱すいほうかたちあらわれることがある。これは、体重たいじゅうがこの部分ぶぶん集中しゅうちゅうし、あしこつ地面じめんとではさまれるためである。

社会しゃかいてき受容じゅよう

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ハイヒールについてつよ愛好あいこう憎悪ぞうおものもいる。たとえばフィリピンイメルダ・マルコスや、ルーマニアエレナ・チャウシェスクはハイヒールの膨大ぼうだい蒐集しゅうしゅう有名ゆうめいだった。

娯楽ごらく創作そうさくぶつでの受容じゅよう

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言葉ことば

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  • 「ハイヒールというのは、おでこにキスされた女性じょせい発明はつめいしたもの」 クリストファー・モーレー(アメリカの作家さっか

映画えいが

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音楽おんがく

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テレビドラマ

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  • 遺留いりゅう捜査そうさだい4シーズンだい8れたヒールをいた悪魔あくま』(2017.9.7) - 「ハイヒールをくとうしろにもどれない」というおんな社長しゃちょう台詞せりふなど、前向まえむきで成功せいこうする女性じょせい象徴しょうちょうとしてかたられる。

漫画まんが

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評論ひょうろん・エッセイ

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建築けんちく作品さくひん

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こう跟鞋きょうどう

脚注きゃくちゅう

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関連かんれん項目こうもく

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  • ミディアムヒール(ハイヒールとローヒールの中間ちゅうかんたかさのかかと
  • ローヒール
  • カッターシューズ(1 - 2cm前後ぜんこうかかとたかさのくつ
  • ピンヒール(ピンのようにほそかかと別名べつめいはスティレットヒール)
  • スパイクヒール(そこ面積めんせき非常ひじょうちいさいくつ
  • パンプス
  • サンダル
  • ミュール
  • くつフェティシズム
  • エスコート
  • カーメル・バイ・ザ・シー - 特殊とくしゅ法令ほうれい形骸けいがいしつつも複数ふくすうのこっており、そのひとつに「許可きょかなしでハイヒールを着用ちゃくようしてはならない」というものがある。
  • #KuToo運動うんどう[1]

外部がいぶリンク

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  1. ^ ひろがる「#KuToo」 パンプス反対はんたい署名しょめい、1まんにんえる 毎日新聞まいにちしんぶん2019ねん2がつ28にち