伎芸ぎげい天てん

伎芸ぎげい天てん（ぎげいてん）は仏教ぶっきょう守護しゅごの天てん部ぶのひとつ。 摩ま醯首羅ら天たかし（大だい自じ在天ざいてん＝シヴァ神しん）の髪かみの生はえ際ぎわから誕生たんじょうした天女てんにょとされる。容姿ようし端麗たんれいで器楽きがくの技芸ぎげいが群ぐんを抜ぬいていたため、技芸ぎげい修おさむ達たち、福徳ふくとく円満えんまんの護法ごほう善ぜん神しんとされる。

『摩ま醯首羅ら天たかし法要ほうよう』『摩ま醯首羅ら大だい自在じざい天王てんのう神通じんずう化生かせい伎芸ぎげい天女てんにょ念誦ねんじゅ法ほう』に説とかれ、 ヒンドゥー教きょうなどに相当そうとうする尊みこと格かくを特定とくていすることができず、梵名も不ふ詳しょう。父ちち尊みことの額がくから生うまれるという出自しゅつじに注目ちゅうもくしギリシャ神話しんわのアテナとの関連かんれんを指摘してきする説せつもある。

日本にっぽんでは奈良なら市しの秋篠寺あきしのでらに「伎芸ぎげい天てん」として伝つたわる「木造もくぞう伝でん伎芸ぎげい天てん立像りつぞう（頭部とうぶ乾漆かんしつ造づくり）」がある（重要じゅうよう文化財ぶんかざい）。日本にっぽんで伎芸ぎげい天てんとして知しられる古いにしえ像ぞうの作例さくれいはこの秋篠寺あきしのでらの一体いったいのみである。この像ぞうの頭部とうぶと体からだ部ぶは異ことなる時期じきに作つくられており、頭部とうぶのみが奈良なら時代じだいで（脱だつ活かつ乾漆かんしつ法ほうによる乾漆かんしつ造づくり）、体からだ部ぶは鎌倉かまくら時代ときよに製作せいさくされた（木造もくぞう）と伝つたわる。なお、体からだ部ぶは運慶うんけいの作さくとする説せつもある。

関連かんれん項目こうもく

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• 秋篠寺あきしのでら