松山まつやま電気でんき軌道きどう

松山まつやま電気でんき軌道きどう

往年おうねんの松山まつやま電気でんき軌道きどう。八はち股また電でん停とま（現げん市役所前しやくしょまえ）にて
種類しゅるい	株式会社かぶしきがいしゃ
本社ほんしゃ所在地しょざいち	日本にっぽん 愛媛えひめ県けん松山まつやま市し鮒ふな屋や町まち
設立せつりつ	1907年ねん（明治めいじ40年ねん）3月がつ
業種ぎょうしゅ	鉄てつ軌道きどう業ぎょう
代表だいひょう者しゃ	取締役とりしまりやく 久松ひさまつ定夫さだお 他た6名めい
資本しほん金きん	700,000円えん（払込はらいこみ高だか）
特記とっき事項じこう：上記じょうきデータは1921年ねん（大正たいしょう10年ねん）現在げんざい

松山まつやま電気でんき軌道きどう（まつやまでんききどう）とは、明治めいじ末期まっきから大正たいしょう時代じだい末期まっきにかけて愛媛えひめ県けん松山まつやま市し（当時とうじは温泉おんせん郡ぐん三津みつづ浜町はまちょうと松山まつやま市し、道後湯之どうごゆの町まち）を中心ちゅうしんに軌道きどう（路面ろめん電車でんしゃ）および電気でんき事業じぎょうを経営けいえいしていた会社かいしゃ。松まつ電でん（まつでん）と呼よばれていた。

伊予いよ鉄道てつどうに並行へいこうして三津みつづ浜はま港こうと松山まつやま市し中心ちゅうしん部ぶ・道後どうご温泉おんせんを結むすぶ軌道きどう路線ろせんを建設けんせつし、10年間ねんかんにわたり伊予いよ鉄道てつどうと激はげしい乗客じょうきゃく争奪そうだつ戦せんを繰くり広ひろげた。伊予いよ鉄道てつどうに吸収きゅうしゅう合併がっぺいされ会社かいしゃは消滅しょうめつしたが、路線ろせんの一部いちぶは伊予いよ鉄道てつどう城南線じょうなんせん・本町線ほんちょうせんの一部いちぶとして現存げんそんしている。

路線ろせんデータ

• 江こうノ口くち - 道後どうご（現げん・道後どうご温泉おんせん）間あいだ
• 駅えき数すう：26駅えき
• 軌間きかん：1435mm（標準軌ひょうじゅんき）
• 複線ふくせん区間くかん：なし（全ぜん区間くかん単線たんせん）

歴史れきし

松山まつやま電気でんき軌道きどうの花電車はなでんしゃ（一番町いちばんちょう停留ていりゅう場じょう）

大正たいしょう初期しょきの六軒屋ろっけんや跨線橋こせんきょう（上うえが松山まつやま電でん軌、下したが伊予いよ鉄てつ）

六軒屋ろっけんや車庫しゃこ（大正たいしょう初期しょき）

三津みつづ街道かいどう（大正たいしょう初期しょき）

瀬戸内海せとないかい主要しゅよう航路こうろの発着はっちゃくが三津みつづ浜はま港こうから高浜たかはま港こうへ変更へんこうされたとき、伊予いよ鉄道てつどうも現在げんざいの高浜線たかはませんの一部いちぶにあたる三津みつづ駅えき - 高浜たかはま駅えき間あいだを延伸えんしん開業かいぎょうした。

これにより三津みつづ浜町はまちょうの地位ちい低下ていかを危惧きぐした地元じもと有志ゆうしが松山まつやま電気でんき軌道きどうを計画けいかくした。そこで鉱山こうざん成金なりきんの清家きよいえ久米くめ一郎いちろうと弁護士べんごしの夏井なつい保たもつ四郎しろうを担かつぎだし、清家きよいえ久米くめ一郎いちろうが筆頭ひっとう株主かぶぬしになり夏井なつい保ほ四よん郎ろうが社長しゃちょうに就任しゅうにんした。ところが会社かいしゃを設立せつりつしたものの資金しきん難なんに直面ちょくめんし夏井なついが退職たいしょく。そして清家きよいえもなげだしてしまう。かわりに社長しゃちょうになった渡邊わたなべ修おさむが金策きんさくに走はしることになったがようやく1911年ねん（明治めいじ44年ねん）に福澤ふくさわ桃もも介かいの援助えんじょを受うけることになり、9月に江こうノ口くち（現げん三津浜港内港付近） - 住吉すみよし町まち（三津みつづ駅えきに近接きんせつ） - 三本柳さんぼんやなぎ（現げん三本柳さんぼんやなぎ交差点こうさてん付近ふきん） - 江戸えど谷だに（現げん西衣山にしきぬやま駅えき南側みなみがわ付近ふきん）　- 知ち新園しんぞの前まえ（現在げんざいの衣山きぬやま5丁目ちょうめ付近ふきん）　- 衣山きぬやま（高浜線たかはませんの衣山きぬやま駅えき南側みなみがわ付近ふきん） - 六ろく軒けん家か - 車庫しゃこ前まえ（現げん四電工よんでんこう愛媛えひめ支店してん）　- 萱かや町まち（古町ふるまち駅えきに近接きんせつ） - 本町ほんまち - 西堀にしぼり端はし - 一番町いちばんちょう - 道後どうごのルートで標準軌ひょうじゅんきの軌道きどう線せん（一部いちぶ専用せんよう軌道きどう）を開業かいぎょうすることができた。当時とうじは既存きそんの鉄道てつどう路線ろせんに並行へいこうする鉄道てつどう路線ろせんの建設けんせつは厳きびしい制限せいげんがあったが、伊予いよ鉄道てつどうは私設しせつ鉄道てつどう法ほうに準拠じゅんきょしているのに対たいして軌道きどうである松山まつやま電気でんき軌道きどうは軌道きどう条例じょうれいに準拠じゅんきょしており、根拠こんきょ法ほうが異ことなるため並行へいこうしているにもかかわらず特許とっきょを得えたのであった。

伊予いよ鉄道てつどうも同年どうねんに古町ふるまち - 道後どうご間あいだを1,067mm軌間きかんに改あらため軌して電化でんかし電車でんしゃの運行うんこうを開始かいしした。この区間くかんと松山まつやま電気でんき軌道きどうは並行へいこうしており、乗客じょうきゃくの奪うばい合あいとなった。駅えきで鈴すずを鳴ならして客きゃくを奪うばい合あい、運賃うんちんの値下ねさげ競争きょうそうをする両社りょうしゃの激はげしい客引きゃくひき合戦かっせんは有名ゆうめいであったという。また、1913年ねん（大正たいしょう2年ねん）から松山まつやま市内しないで電気でんき事業じぎょうを開始かいしし、既存きそんの伊予いよ水力すいりょく電気でんきと契約けいやく者しゃを奪うばい合あった。そして伊予いよ水力すいりょく電気でんきが1916年ねん（大正たいしょう5年ねん）に伊予いよ鉄道てつどうと合併がっぺいしたことで、電力でんりょく事業じぎょうにおいても伊予いよ鉄道てつどうと競争きょうそうするようになった。

一方いっぽう伊予いよ鉄道てつどうとの合併がっぺい話ばなしは開業かいぎょう当時とうじから浮うかんでは消きえの繰くり返かえしであった。松山まつやま電気でんき軌道きどうは負債ふさいを抱かかえておりそれが重おもくのしかかっていた。松山まつやま電気でんき軌道きどうは全通ぜんつう（1912年ねん）を前まえに共倒ともだおれを懸念けねんして伊予いよ鉄道てつどうに合併がっぺいの打診だしんをしている。伊予いよ鉄道てつどう社長しゃちょうの井上いのうえ要かなめは「その時期じきにあらず」と拒否きょひしたところ渡邊わたなべ、福澤ふくさわは監督かんとくしている鉄道てつどう院いんに調停ちょうていを依頼いらいした。井上いのうえは鉄道てつどう院いんより呼よび出だしを受うけ合併がっぺいするよう説諭せつゆされることになった。結局けっきょく井上いのうえは受うけ入いれず運賃うんちんについての協定きょうていを結むすぶことにして合併がっぺいは実現じつげんしなかったのである。やがて1年ねんが過すぎ松山まつやま電気でんき軌道きどうは1913年ねん上期かみきにおいて借入金かりいれきん48万まん円えんを計上けいじょうした。ここにいたり松山まつやま電気でんき軌道きどうの大口おおぐち債権さいけん者しゃである三井物産みついぶっさん大阪おおさか支店してん長ちょうが仲介ちゅうかいに乗のり出だし井上いのうえも合併がっぺいを決断けつだんすることになる。1913年ねん（大正たいしょう2年ねん）12月に役員やくいん間あいだにおいて合併がっぺい契約けいやくを締結ていけつした。ところが松山まつやま電気でんき軌道きどうの株主かぶぬし総会そうかいでは合併がっぺい反対はんたい派はが主導しゅどう権けんを握にぎり契約けいやくを破棄はきすることになってしまった。この責任せきにんを取とり渡邊わたなべ、福澤ふくさわは役員やくいんを辞職じしょくすることになった。 そして1914年ねん（大正たいしょう3年ねん）10月がつに近藤こんどう貞次郎ていじろうが社長しゃちょうに就任しゅうにんした。このときに三井物産みついぶっさんは回収かいしゅうされない機械きかい代金だいきん37万まん円えん余あまりに業ごうを煮にやし伊予いよ鉄道てつどうと合併がっぺいしなければ債権さいけんを関西かんさい信託しんたくに譲渡じょうとし破産はさんを申請しんせいすると強硬きょうこう姿勢しせいを示しめした。これには従したがわないわけにはいかず1915年ねん（大正たいしょう4年ねん）8月がつに伊予いよ鉄道てつどうと再度さいど合併がっぺい契約けいやくを締結ていけつしたのであるが、またも株主かぶぬし総会そうかいで紛糾ふんきゅうし契約けいやくを破棄はきすることになってしまった。この責任せきにんを取とり近藤こんどうも役員やくいんを辞職じしょくすることになったのである。 この2度どの破談はだんに対たいし三井物産みついぶっさんは破産はさんも辞じさない姿勢しせいをみせた。この緊急きんきゅう事態じたいに対たいし松山まつやま市しの五ご十じゅう二に銀行ぎんこう他た四よん行ぎょうは地元じもと企業きぎょう救済きゅうさいのため三井物産みついぶっさんと交渉こうしょうし債権さいけんの立替払たてかえばらいを申もうし出でた。これが認みとめられ、松山まつやま電気でんき軌道きどうは3度目どめの合併がっぺい契約けいやくに向むけ株主かぶぬし総会そうかいを開ひらくことになった。大だい株主かぶぬし達たちは賛成さんせいに傾かたむいていたが多数たすうの小しょう株主かぶぬしと株主かぶぬし外がいの政友せいゆう会かい党員とういんらが反対はんたい運動うんどうを繰くり広ひろげ3回かい目めの合併がっぺい契約けいやくも破談はだんとなってしまった。

こうして開業かいぎょう以来いらい10年間ねんかんにわたり競争きょうそうが続つづいたが、1921年ねん（大正たいしょう10年ねん）に体力たいりょくのない松まつ電でんが伊予いよ鉄てつに吸収きゅうしゅうされ解散かいさんし、競争きょうそうは終息しゅうそくした。

なお、合併がっぺい後ごの1923年ねんに全線ぜんせんの軌間きかんを標準軌ひょうじゅんき (1435mm) から伊予いよ鉄道てつどうの既存きそん路線ろせんと同様どうようの狭軌きょうき (1067mm) に改あらため軌しているが、高浜線たかはませんとの並行へいこう路線ろせんであった江こうノ口くち - 萱かや町まち間あいだはそれからわずか4年ねん後ごに廃止はいしされている。また、現げん市内しない線せんの本町線ほんちょうせんの一部いちぶ（本町ほんちょう四よん丁目ちょうめ - 西堀にしぼり端はし間あいだ）、城南線じょうなんせん（西堀にしぼり端ただし - 道後どうご温泉おんせん間あいだ）は松山まつやま電気でんき軌道きどうの路線ろせんだった区間くかんだが、城南線じょうなんせんの大街道おおかいどう - 勝山かちやま町まち間あいだと本町線ほんちょうせんの本町ほんちょう四よん丁目ちょうめ - 本町ほんちょう三さん丁目ちょうめ間あいだは線路せんろが移設いせつされており、松山まつやま電気でんき軌道きどう当時とうじとはルートが変かわっている（本町線ほんちょうせんは休止きゅうし後ごの復活ふっかつ時じに移設いせつ）。

路面ろめん電車でんしゃのほか、伊予いよ鉄道てつどうの海水浴かいすいよく場じょう併設へいせつ遊ゆう園地えんち「梅津寺ばいしんじ遊ゆう園地えんち」に対抗たいこうして三津みつづ浜はまに海水浴かいすいよく場じょう（現在げんざいは掘削くっさくされて内うち港こうになっている）、衣山きぬやまに「知ち新園しんぞの」という遊ゆう園地えんち（現げん衣山きぬやま5丁目ちょうめにある溜池ためいけ「古池ふるいけ」周辺しゅうへんの高台たかだいに存在そんざいしていたと言いわれている）を開業かいぎょうしていたが、伊予いよ鉄てつ合併がっぺい時じに廃止はいしされている。

現在げんざいは、三津みつづ街道かいどう上じょうの軌道きどうが撤去てっきょされているので、古町ふるまち駅えき西方せいほうの宮前みやまえ川がわ橋梁きょうりょう跡あとや江戸えど谷たに電でん停とま付近ふきんに痕跡こんせきが残のこるのみである。

年表ねんぴょう

• 1907年ねん（明治めいじ40年ねん）4月がつ 松山まつやま電気でんき軌道きどう株式会社かぶしきがいしゃ設立せつりつ。
• 1907年ねん（明治めいじ40年ねん）10月がつ14日にち 軌道きどう特許とっきょ状じょう下付かふ。
• 1911年ねん（明治めいじ44年ねん）9月がつ1日にち 住吉すみよし - 本町ほんまち、札さつノ辻つじ - 道後どうご（現在げんざいの道後どうご温泉おんせん）間あいだ開業かいぎょう（標準軌ひょうじゅんき）。
• 1911年ねん（明治めいじ44年ねん）9月がつ19日にち 本町ほんまち - 札さつノ辻つじ間あいだ開業かいぎょう（同上どうじょう）。
• 1912年ねん（明治めいじ45年ねん）2月がつ7日にち 江こうノ口くち - 住吉すみよし間あいだ開業かいぎょう（同上どうじょう）。
• 1913年ねん（大正たいしょう2年ねん）2月がつ1日にち 電燈でんとう電力でんりょく事業じぎょう開始かいし。
• 1917年ねん（大正たいしょう6年ねん）5月がつ19日にち軌道きどう特許とっきょ失効しっこう（松山まつやま市し小しょう唐人とうじん町まち-同市どうし西堀端にしほりばた町まち間あいだ 指定していノ期限きげん内ないニ工事こうじニ着手ちゃくしゅセサルタメ）。
• 1921年ねん（大正たいしょう10年ねん）4月がつ1日にち 伊予いよ鉄道てつどうに吸収きゅうしゅう合併がっぺいされる。
• 1923年ねん（大正たいしょう12年ねん）6月がつ30日にち 江こうノ口くち - 道後どうご間あいだの軌間きかんを1435mm（標準軌ひょうじゅんき）から1067mmに改あらため軌。
• 1926年ねん（大正たいしょう15年ねん）5月がつ2日にち 一番町いちばんちょう - 勝山かちやま町まちを経路けいろ変更へんこうし複線ふくせん化か、勝山かちやま町まち - 道後どうご間あいだが複線ふくせん化かされる。
• 1927年ねん（昭和しょうわ2年ねん）11月1日にち 高浜線たかはませんに並行へいこうしている三津みつづ街道かいどう上うえの軌道きどう（江こうノ口くち - 三本柳さんぼんやなぎ - 萱かや町まち間あいだ）を廃止はいし（廃はい線せん後ごは三津みつづ街道かいどう及およびその拡張かくちょう用地ようちになっている。また、古町ふるまちや上うえ一いち万まんの伊予いよ鉄道てつどう、道後どうご鉄道てつどうとの立体りったい交差こうさも撤去てっきょされている）
• 1929年ねん（昭和しょうわ4年ねん）4月がつ1日にち 古町ふるまち - 萱かや町まち間あいだ開業かいぎょう。
• 1936年ねん（昭和しょうわ11年ねん）5月がつ1日にち 西堀にしぼり端ただし - 裁判所さいばんしょ前まえ（現在げんざいの県庁けんちょう前まえ）間あいだ複線ふくせん化か。
• 1946年ねん（昭和しょうわ21年ねん）8月がつ19日にち 西堀にしぼり端ただし - 本町ほんまち - 萱かや町まち - 古町ふるまち間あいだ休止きゅうし認可にんか。
• 1948年ねん（昭和しょうわ23年ねん）7月がつ1日にち 西堀にしぼり端ただし - 本町ほんちょう三さん丁目ちょうめ（現在げんざいの本町ほんちょう四よん丁目ちょうめ）間あいだが本町線ほんちょうせんとして開業かいぎょう。本町ほんまち - 古町ふるまち間あいだは復活ふっかつせずに廃止はいしとなった。

電でん停とま一覧いちらん

江こうノ口くち（現げん三津浜港内港付近） - 堀川ほりかわ - 住吉すみよし町まち（高浜線たかはません三津みつづ駅えき近ちかく） - 新立しんだて - 三本柳さんぼんやなぎ（現げん三本柳さんぼんやなぎ交差点こうさてん） - 山西さんせい（初代しょだい山西さんせい駅えき付近ふきん=現在げんざいの新田にった高校こうこう付近ふきん） - 江戸えど谷だに（高浜線たかはません西衣山にしきぬやま駅えき近ちかく） - 知ち新園しんぞの前まえ（西衣山にしきぬやま駅えき近ちかく） - 衣山きぬやま（高浜線たかはません衣山きぬやま駅えきとは離はなれていた） - 六軒屋ろっけんや - 車庫しゃこ前まえ - 萱かや町まち - 本町ほんまち - 札ふだの辻つじ - 西堀にしぼり端はし - 南堀端みなみほりばた - 榎前えのきまえ（廃止はいし=現在げんざいの市役所前しやくしょまえ交差点こうさてん） - 八はち股また - 裁判所さいばんしょ前まえ - 一番町いちばんちょう - 御宝みたから町まち - 六角ろっかく堂どう - 上うえ一いち万まん - 農事のうじ試験場前しけんじょうまえ - 公園前こうえんまえ - 道後どうご

輸送ゆそう・収支しゅうし実績じっせき

年度ねんど	輸送ゆそう人員じんいん（人ひと）	貨物かもつ量りょう（トン）	営業えいぎょう収入しゅうにゅう（円えん）	営業えいぎょう費ひ（円えん）	営業えいぎょう益金えききん（円えん）	その他た益金えききん（円えん）	その他た損金そんきん（円えん）	支払しはらい利子りし（円えん）
1911	746,535		20,773	15,521	5,252	利子りし2,185		5,935
1912	2,681,340		60,130	39,602	20,528	利子りし4,338		19,751
1913	1,301,569	38	59,949	47,141	12,808	電燈でんとう電力でんりょく16,895利子りし3,689	電燈でんとう電力でんりょく3,302	23,948
1914	1,529,448	6,322	55,992	43,377	12,615	電気でんき供給きょうきゅう28,000利子りし1,118	電気でんき供給きょうきゅう5,108	33,087
1915	1,482,943	8,795	45,861	31,505	14,356	電気でんき供給きょうきゅう31,216	電気でんき供給きょうきゅう21,056	18,925
1916	2,135,620	14,235	57,767	39,360	18,407	38,498	11,554	21,653
1917	2,275,793	9,120	59,526	47,096	12,430	電気でんき供給きょうきゅう56,517	17,341	24,377
1918	1,896,997	8,579	61,973	75,504	▲ 13,531	副業ふくぎょう75,906利子りし1013	33,044	26,925
1919	2,540,822	7,881	104,104	84,278	19,826	電気でんき供給きょうきゅう100,272	42,312	30,027
1920	2,484,345	7,760	147,593	115,291	32,302	137,154	55,170	30,431

• 鉄道てつどう院いん年報ねんぽう、鉄道てつどう院いん鉄道てつどう統計とうけい資料しりょう、鉄道てつどう省しょう鉄道てつどう統計とうけい資料しりょう各かく年度ねんど版ばん

車両しゃりょう

在籍ざいせきした車両しゃりょうは合計ごうけい18両りょうすべて木製もくせい単車たんしゃ。開業かいぎょう時じに梅うめ鉢はち鉄工てっこう所しょから10両りょう（1 - 10）を購入こうにゅう。1912年ねん福澤ふくさわ桃もも介かいがかかわる博多はかた電灯でんとう軌道きどうより元もと東京とうきょう鉄道てつどうの車両しゃりょうを譲ゆずり受うけ11 - 15号ごうに、さらに大阪おおさか市電しでんより二に階かい建だて電車でんしゃ3両りょうを譲ゆずり受うけ、16号車ごうしゃと電動でんどう有蓋ゆうがい貨車かしゃと電動でんどう無蓋むがい貨車かしゃに改造かいぞうした。16号車ごうしゃもまもなく電動でんどう無蓋むがい貨車かしゃに改造かいぞうされた。改造かいぞうにより不要ふようになった二に階かい建だて電車でんしゃの車体しゃたいは三津みつづ浜はま海水浴かいすいよく場じょうの開設かいせつ時期じきに「二に階かい附ふ電車でんしゃ納涼のうりょう台だい」として使用しようしたという新聞しんぶん広告こうこくが残のこっているが、具体ぐたい的てきにどのような形かたちで使用しようされていたかは未み詳しょうである[1]。

改あらため軌後に1 - 10号ごうと無蓋むがい電動でんどう貨車かしゃは能勢のせ電気でんき軌道きどうに譲渡ゆずりわたされ、無蓋むがい電動でんどう貨車かしゃは有蓋ゆうがい電動でんどう貨車かしゃに改造かいぞうされ1950年代ねんだいまで使用しようされた。後のちにこの台車だいしゃ（ヘルブラント ドイツ製せい）は「大阪おおさか市電しでん保存ほぞん館かん」内ないで保管ほかんされている。

記念きねん碑ひ

2022年ねん8月がつ27日にち、松山まつやま電気でんき軌道きどう開業かいぎょう111年ねんを記念きねんし、住民じゅうみん有志ゆうしが松山まつやま市し住吉すみよし2丁目ちょうめに記念きねん碑ひを建立こんりゅうし落成らくせい式しきが行おこなわれた。

参考さんこう文献ぶんけん

• 井上いのうえ要かなめ『伊予いよ鉄てつ電でん思おもひ出ではなし』伊予いよ鉄道てつどう電気でんき社友しゃゆう会かい、1932年ねん（国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんデジタルコレクション）
• 伊予いよ鉄道てつどう電気でんき株式会社かぶしきがいしゃ 編へん『五ご十じゅう年ねん史し』伊予いよ鉄道てつどう電気でんき、1936年ねん（国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんデジタルコレクション）
• 伊予いよ鉄道てつどう百ひゃく年ねん史し、1987年ねん
• 和かず久田ひさた康雄やすお 『失うしなわれた鉄道てつどう・軌道きどうを訪たずねて〔12〕松山まつやま電気でんき軌道きどう」『鉄道てつどうピクトリアル』No.149 1963年ねん9月がつ号ごう電気でんき車しゃ研究けんきゅう会かいp56-60
• 和かず久田ひさた康雄やすお「松山まつやまを走はしった標準軌ひょうじゅんき間あいだの電車でんしゃ」『鉄道てつどうピクトリアル』No.802 No149発表はっぴょう以降いこうの公文書こうぶんしょ等とうの調査ちょうさにより訂正ていせい
• 和かず久田ひさた康雄やすお『日本にっぽんの市内しない電車でんしゃ -1895-1945-』成山なりやま堂どう書店しょてん、2009年ねん、124頁ぺーじ

外部がいぶリンク

• 「松山まつやま電気でんき軌道きどう由来ゆらいの主しゅ電動でんどう機き。」編集へんしゅう長ちょう敬白けいはく 2013年ねん5月がつ30日にち