南海なんかい平野ひらの線せん

平野へいや線せん
基本きほん情報じょうほう
現況げんきょう	廃止はいし
国くに	日本にっぽん
所在地しょざいち	大阪おおさか府ふ
種類しゅるい	軌道きどう（路面ろめん電車でんしゃ）
路線ろせん網もう	大阪おおさか軌道線きどうせん
起点きてん	今池いまいけ停留ていりゅう場じょう
終点しゅうてん	平野ひらの停留ていりゅう場じょう
停留ていりゅう場数ばかず	11停留ていりゅう場じょう
開業かいぎょう	1914年ねん4月がつ26日にち
廃止はいし	1980年ねん11月28日にち
所有しょゆう者しゃ	南海電気鉄道なんかいでんきてつどう
運営うんえい者しゃ	南海電気鉄道なんかいでんきてつどう
車両しゃりょう基地きち	大和川やまとがわ車庫しゃこ
使用しよう車両しゃりょう	使用しよう車両しゃりょうの節ふしを参照さんしょう
路線ろせん諸しょ元もと
路線ろせん距離きょり	5.9 km
軌間きかん	1,435 mm （標準軌ひょうじゅんき）
線路せんろ数すう	複線ふくせん
電化でんか方式ほうしき	直流ちょくりゅう600 V 架空かくう電車でんしゃ線せん方式ほうしき

平野へいや線せん（ひらのせん）は、大阪おおさか府ふ大阪おおさか市し西成にしなり区くの今池いまいけ停留ていりゅう場じょうから同市どうし平野ひらの区くの平野ひらの停留ていりゅう場じょうまでを結むすんでいた南海電気鉄道なんかいでんきてつどうの軌道きどう路線ろせん。

今池いまいけ停留ていりゅう場じょうで南海なんかい阪堺はんかい線せん（現げん・阪堺はんかい電気でんき軌道きどう阪堺はんかい線せん）から分岐ぶんきし、現在げんざいの阪神はんしん高速こうそく14号ごう松原まつばら線せんにほぼ沿そう形かたちで平野へいや停留ていりゅう場じょうまでを結むすんでいた。平野へいや停留ていりゅう場じょうは現在げんざいの西日本旅客鉄道にしにほんりょかくてつどう関西本線かんさいほんせん（JR西日本にしにほん）の平野ひらの駅えきや大阪おおさか市営しえい地下鉄ちかてつ谷町線たにまちせん（現げん・Osaka Metro谷町線たにまちせん）の平野ひらの駅えきとは別べつの位置いちにあった。

1980年ねん（昭和しょうわ55年ねん）11月27日にち、阿倍野あべの - 西平野にしひらの間あいだのほぼ真下ましたに沿そって大阪おおさか市営しえい地下鉄ちかてつ谷町たにまち線せんの天王寺てんのうじ - 八尾やお南みなみ間あいだが延伸えんしん開業かいぎょうしたため、それまで担になってきた役割やくわりを同線どうせんに譲ゆずる形かたちで同日どうじつ限かぎりで廃止はいしされた。

路線ろせんデータ

• 管轄かんかつ：平野ひらの運輸うんゆ区く
• 路線ろせん距離きょり（営業えいぎょうキロ）：今池いまいけ - 平野ひらの間あいだ 5.9km
• 軌間きかん：1435mm
• 駅えき数すう：11駅えき（起おこり終点しゅうてん駅えき含ふくむ）
• 複線ふくせん区間くかん：全線ぜんせん
• 電化でんか区間くかん：全線ぜんせん電化でんか（直流ちょくりゅう600V）
• 変電へんでん所しょ：中野なかの変電へんでん所しょ
• 車両しゃりょう基地きち：大和川やまとがわ車庫しゃこ（現在げんざいの阪堺はんかい電気でんき軌道きどう我孫子あびこ道みち車庫しゃこ）
• 車両しゃりょう工場こうじょう：大和川やまとがわ検車けんしゃ区く（現在げんざいの阪堺はんかい電気でんき軌道きどう大和川やまとがわ車両しゃりょう区く）

歴史れきし

1913年ねん （大正たいしょう2年ねん）2月がつ14日にち、阪南はんなん電気でんき軌道きどう株式会社かぶしきがいしゃが大阪おおさか府ふ西成にしなり郡ぐん今宮いまみや村むら今池いまいけ（現在げんざいの大阪おおさか府ふ大阪おおさか市し西成にしなり区く萩之茶屋はぎのちゃや付近ふきん） - 大阪おおさか府ふ東成ひがしなり郡ぐん平野郷ひらのごう町まち（現在げんざいの大阪おおさか府ふ大阪おおさか市し平野ひらの区く平野本ひらのほん町まち）間あいだの軌道きどう敷設ふせつの認可にんかを得えて工事こうじを開始かいしした。阪南はんなん電気でんき軌道きどうは半年はんとし後ごの1913年ねん （大正たいしょう2年ねん）7月がつ16日にちに阪堺はんかい電気でんき軌道きどう株式会社かぶしきがいしゃと合併がっぺいしたため、同社どうしゃが工事こうじを引ひき継ついだ。そして、1914年ねん （大正たいしょう3年ねん）4月がつ26日にちに今池いまいけ - 平野ひらの間あいだ5.9kmが阪堺はんかい電気でんき軌道きどう（初代しょだい）平野ひらの支線しせんとして開業かいぎょうした。1915年ねんには南海なんかい鉄道てつどうと合併がっぺいし、南海なんかい平野ひらの線せんとなった。

沿線えんせんは当時とうじ、郊外こうがいの農村のうそん地帯ちたいだったが、同線どうせんの開業かいぎょうにより住宅じゅうたく地ちとして発展はってんすることとなった。そして、大阪おおさか市し都心としん部ぶ - 平野ひらの方面ほうめんへの旅客りょかく流動りゅうどうが既存きそんの恵美須えびす町まち駅えき方面ほうめんよりも、天王寺てんのうじ駅えき（阿倍野あべの停留ていりゅう場じょうで上町うえまち線せんに乗のり換かえ、または徒歩とほ）へと向むかう乗客じょうきゃくが増加ぞうかしたことから、上町うえまち線せんと平野ひらの線せんとが平面へいめん交差こうさする阿倍野あべの交差点こうさてんに連絡れんらく線せんを建設けんせつし、1929年ねんから天王寺駅前てんのうじえきまえ - 平野ひらの間あいだの直通ちょくつう運転うんてんを開始かいしした。また旅客りょかくの増加ぞうかに伴ともない、1929年ねん （昭和しょうわ4年ねん）12月8日にちからは2両りょう連結れんけつ運転うんてんを開始かいしした。

しかし1951年ねん（昭和しょうわ26年ねん）12月20日にち、それまで天王寺てんのうじ止どまりであった大阪おおさか市営しえい地下鉄ちかてつ1号線ごうせん（現げん・Osaka Metro御堂筋みどうすじ線せん）が昭和町しょうわちょう駅えきまで延伸えんしんされた。昭和町しょうわちょう駅えきは南海なんかい文ぶんノ里さと停留ていりゅう場じょうと近接きんせつしていたことから、それに伴ともない平野へいや線せん乗客じょうきゃくの多おおくが文ぶんノ里さと停留ていりゅう場じょうで昭和町しょうわちょう駅えきへと乗のり換かえるようになった。そのために乗客じょうきゃくが減少げんしょうし、2両りょう連結れんけつ運転うんてんも中止ちゅうしされた。

その後ご、沿線えんせんの宅地たくち開発かいはつとこれに伴ともなう著いちじるしい人口じんこう増加ぞうかに対応たいおうするため、1971年ねん （昭和しょうわ46年ねん）12月の都市とし交通こうつう審議しんぎ会かいにおいて、「この地域ちいきに高速こうそく鉄道てつどうの整備せいびが必要ひつよう」と答申とうしんされた。

それを受うけて大阪おおさか市し交通こうつう局きょくが1973年ねん （昭和しょうわ48年ねん）3月がつから平野ひらの線せんの阿倍野あべの - 西平野にしひらの間あいだに並行へいこうするルートで、大阪おおさか市営しえい地下鉄ちかてつ谷町線たにまちせん・天王寺てんのうじ - 八尾やお南みなみ間あいだ10.5kmの延伸えんしん工事こうじを始はじめた。

また、阪神はんしん高速こうそく道路どうろ公団こうだん（現在げんざいの阪神はんしん高速こうそく道路どうろ株式会社かぶしきがいしゃ）が、阿倍野あべの入口いりくちと松原まつばらJCTとを結むすぶ阪神はんしん高速こうそく14号ごう松原まつばら線せんの建設けんせつを計画けいかくしていたことから、1978年ねん（昭和しょうわ53年ねん）11月26日にちに、10年間ねんかんの使用しよう貸借たいしゃく契約けいやくを条件じょうけんとして、阿倍野あべの - 西平野にしひらの間あいだ4.2kmの専用せんよう軌道きどう区間くかんの鉄道てつどう用地ようちを阪神はんしん高速こうそく道路どうろ公団こうだんに売却ばいきゃくした。阪神はんしん高速こうそく松原まつばら線せんは大阪おおさか市営しえい地下鉄ちかてつ谷町たにまち線せん・阿倍野あべの - 喜連瓜破きれうりわり間あいだを基礎きそ部分ぶぶんとし、谷町たにまち線せんと同時どうじ進行しんこうで建設けんせつされた。

谷町線たにまちせんは、南海なんかい平野ひらの線せんの代替だいたいに加くわえて、それまで大阪おおさか市営しえいバスしか交通こうつう手段しゅだんがなかった平野ひらの区く長吉ちょうきち方面ほうめんと大阪おおさか市し都心としん部ぶとを直結ちょっけつする輸送ゆそう機関きかんとして、1980年ねん （昭和しょうわ55年ねん）11月27日にちに開業かいぎょうした。これに伴ともない平野へいや線せんは、1980年ねん （昭和しょうわ55年ねん）11月28日にちに廃止はいしされた。1980年ねん11月27日にちの1日にちに限かぎり、谷町たにまち線せんと平野ひらの線せんの両方りょうほうが同時どうじに運行うんこうしていた。

平野へいや線せんの最終さいしゅう運行うんこう日びとなった1980年ねん （昭和しょうわ55年ねん）11月27日にちは、始発しはつ電車でんしゃから終日しゅうじつ無料むりょうとして開放かいほうされた。この日ひ限かぎりで姿すがたを消けす平野へいや線せん、また平野へいや線せん専用せんよう車両しゃりょうとして運用うんようされ廃はい線せんと同時どうじに廃車はいしゃとなることが決定けっていしていたモ205型がた電車でんしゃを惜おしんで、沿線えんせん住民じゅうみんや鉄道てつどうファンらが早朝そうちょうから詰つめ掛かけた。沿線えんせんの各かく停留ていりゅう場じょうでは、明あきら浄きよし学院がくいん高等こうとう学校がっこうの吹奏楽すいそうがく部ぶによる『蛍ぼたるの光ひかり』の演奏えんそう、幼稚園ようちえん児じから乗務じょうむ員いんへの花束はなたば贈呈ぞうてい、鉄道てつどう友ともの会かい主催しゅさいのお別わかれ会かい、西平野にしひらの停留ていりゅう場じょうでは地ち車しゃ囃子ばやしの演奏えんそうなどの行事ぎょうじが開催かいさいされた。

年表ねんぴょう

• （明治めいじの終おわり頃ころ）
  • 阪南はんなん電気でんき軌道きどうが大阪おおさか府ふ西成にしなり郡ぐん今宮いまみや村むら字じ今池いまいけから大阪おおさか府ふ東成ひがしなり郡ぐん平野郷ひらのごう町まちに至いたる3.48マイルの軌道きどう敷設ふせつを計画けいかく。
• 1912年ねん（大正たいしょう元年がんねん）
  • 阪南はんなん電気でんき軌道きどうが大阪おおさか府ふ西成にしなり郡ぐん今宮いまみや村むら字じ今池いまいけから大阪おおさか府ふ東成ひがしなり郡ぐん平野郷ひらのごう町まちに至いたる3.48マイル軌道きどう敷設ふせつを出願しゅつがん。
• 1912年ねん（大正たいしょう元年がんねん）
  • 『軌道きどう法ほう』に基もとづき、大阪おおさか府ふ西成にしなり郡ぐん今宮いまみや村むら字じ今池いまいけから大阪おおさか府ふ東成ひがしなり郡ぐん平野郷ひらのごう町まちに至いたる3.48マイルの軌道きどう敷設ふせつ特許とっきょ、並ならびに命令めいれい書しょが交付こうふされる。
• 1913年ねん（大正たいしょう2年ねん）2月がつ14日にち
  • 大阪おおさか府ふ西成にしなり郡ぐん今宮いまみや村むら字じ今池いまいけから大阪おおさか府ふ東成ひがしなり郡ぐん平野郷ひらのごう町まちに至いたる3.48マイルの軌道きどう敷設ふせつの認可にんかを得えて、阪南はんなん電気でんき軌道きどう株式会社かぶしきがいしゃ設立せつりつされ、正式せいしきに発足ほっそく。
  • 資本しほん金きん60万まん円えん（現在げんざいの価格かかくに換算かんさんすると、約やく10億おく3000万まん円えん）。
• 1913年ねん大正たいしょう2年ねん）
  • 阪南はんなん電気でんき軌道きどう株式会社かぶしきがいしゃに対たいして工事こうじ施工しこう認可にんかが下おりる。
• 1913年ねん（大正たいしょう2年ねん）
  • 今池いまいけ - 平野ひらの間あいだ5.9kmの軌道きどう敷設ふせつ工事こうじ着工ちゃっこう。
• 1913年ねん（大正たいしょう2年ねん）7月がつ16日にち
  • 旧きゅう・阪堺はんかい電気でんき軌道きどうが阪南はんなん電気でんき軌道きどうを合併がっぺいし、今池いまいけ - 平野ひらの間あいだの軌道きどう敷設ふせつ事業じぎょうを継承けいしょうするとともに、資本しほん金きんを360万まん円えん（61億おく8317万まん円えん）に資本しほん増強ぞうきょう。
• 1914年ねん（大正たいしょう3年ねん）4月がつ26日にち
  • 旧きゅう・阪堺はんかい電気でんき軌道きどう株式会社かぶしきがいしゃが今池いまいけ - 平野ひらの間あいだ5.9kmの路線ろせんを平野ひらの支線しせんとして旅客りょかく営業えいぎょうを開始かいし。全ぜん区間くかん4銭ぜに。
• 1915年ねん（大正たいしょう4年ねん）4月がつ
  • 阪堺はんかい電気でんき軌道きどうと南海なんかい鉄道てつどうとの切符きっぷの共通きょうつう取扱とりあつかい開始かいし。
• 1915年ねん（大正たいしょう4年ねん）6月21日にち
  • 阪堺はんかい電気でんき軌道きどうが南海なんかい鉄道てつどうと合併がっぺいし、旧きゅう・阪堺はんかい電気でんき軌道きどう平野ひらの支線しせんは、南海なんかい鉄道てつどう平野ひらの線せんとなる。
• （不明ふめい）
  • 平野へいや - 柏原かしわばら間あいだの延伸えんしんを計画けいかく。
• （不明ふめい）
  • 平野へいや - 柏原かしわばら間あいだの軌道きどう敷設ふせつを出願しゅつがん。
• 1921年ねん（大正たいしょう10年ねん）6月7日にち
  • 軌道きどう法ほうに基もとづき、南海なんかい鉄道てつどうに対たいして平野へいや線せん、平野へいや - 柏原かしわばら間あいだの軌道きどう敷設ふせつ特許とっきょ、並ならびに命令めいれい書しょが交付こうふされる。
• 1922年ねん（大正たいしょう11年ねん）3月がつ
  • 路面ろめん電車でんしゃとしては日本にっぽん国内こくない初はつとなる色いろ灯とう三さん位い式しき自動じどう閉塞へいそく信号しんごう機きを導入どうにゅう。
• 1923年ねん（大正たいしょう12年ねん）
  • 天王寺てんのうじ土地とち株式会社かぶしきがいしゃから文ぶんノ里さと駅えきの駅えき施設しせつが寄付きふされる。
• 1923年ねん（大正たいしょう12年ねん）
  • 苗代田なわしろだ - 股またヶ池ち間あいだに文ぶんノ里さと停留ていりゅう場じょうを新設しんせつし、旅客りょかく営業えいぎょうを開始かいし。
• 1929年ねん（昭和しょうわ4年ねん）9月がつ1日にち
  • 南海なんかい鉄道てつどう上町うえまち線せんと平面へいめん交差こうさする阿倍野あべの（斎場さいじょう前まえ）交差点こうさてんに南海なんかい鉄道てつどう上町うえまち線せん・天王寺てんのうじ駅前えきまえ方面ほうめんへの連絡れんらく線せんが完成かんせい。
• 1929年ねん（昭和しょうわ4年ねん）12月8日にち
  • 2両りょう連結れんけつ運転うんてん開始かいし。「天王寺駅前てんのうじえきまえ - 平野へいや」系統けいとうの運行うんこうを開始かいし。
• 1934年ねん（昭和しょうわ9年ねん）9月21日にち
  • 室戸むろと台風たいふうの被害ひがいを受うける。
• 1935年ねん（昭和しょうわ10年ねん）8月がつ10日とおか
  • 中野なかの - 平野ひらの間あいだに中野なかの変電へんでん所しょを新設しんせつ。
• 1935年ねん（昭和しょうわ10年ねん）9月13日にち
  • 平野へいや - 柏原かしわばら間あいだの軌道きどう敷設ふせつ免許めんきょ失効しっこう。
• 1940年ねん（昭和しょうわ15年ねん）4月がつ1日にち
  • 大阪おおさか市電しでんとの連絡れんらく運輸うんゆ開始かいし。
• 1941年ねん（昭和しょうわ16年ねん）6月15日にち
  • 大阪おおさか市電しでんとの連絡れんらく運輸うんゆを廃止はいし。
• 1942年ねん（昭和しょうわ17年ねん）2月がつ15日にち
  • 中野なかの - 平野ひらの間あいだに西平野にしひらの停留ていりゅう場じょうを新設しんせつし、旅客りょかく営業えいぎょうを開始かいし。
• 1944年ねん（昭和しょうわ19年ねん）6月1日にち
  • 戦時せんじ中ちゅうの戦時せんじ企業きぎょう統合とうごう政策せいさくである『陸上りくじょう交通こうつう事業じぎょう調整ちょうせい法ほう』によって、南海なんかい鉄道てつどうが関西かんさい急行きゅうこう鉄道てつどうと合併がっぺいし、近畿日本鉄道きんきにほんてつどうが発足ほっそく。近畿日本鉄道きんきにほんてつどう平野ひらの線せんとなり、天王寺てんのうじ営業えいぎょう局きょくの所属しょぞくとなる。
• 1947年ねん（昭和しょうわ22年ねん）6月がつ1日にち
  • 旧きゅう・南海なんかい鉄道てつどうの路線ろせんが南海電気鉄道なんかいでんきてつどうに分離ぶんり譲渡じょうと。同社どうしゃ大阪おおさか軌道きどう線せんの一いち路線ろせんとなり、南海電気鉄道なんかいでんきてつどう平野ひらの線せんとなる。
• 1949年ねん（昭和しょうわ24年ねん）1月がつ10日とおか
  • 集しゅう電でん装置そうちがトロリーポールからビューゲルになる。
• 1954年ねん（昭和しょうわ29年ねん）4月がつ11日にち
  • 戦時せんじ中ちゅうから休止きゅうしとなっていた「天王寺駅前てんのうじえきまえ - 平野へいや」系統けいとうの運行うんこうを再開さいかい。
• 1960年ねん（昭和しょうわ35年ねん）6月がつ
  • 2両りょう連結れんけつ運転うんてん中止ちゅうし。
• 1966年ねん（昭和しょうわ41年ねん）
  • 日曜にちよう祝日しゅくじつダイヤを導入どうにゅう。
• 1972年ねん（昭和しょうわ47年ねん）6月がつ
  • 集しゅう電でん装置そうちがビューゲルからパンタグラフになる。
• 1973年ねん（昭和しょうわ48年ねん）3月がつ - 地下鉄ちかてつ谷町たにまち線せん天王寺てんのうじ - 八尾やお南みなみ間あいだの延伸えんしん工事こうじ着手ちゃくしゅ。
• 1976年ねん（昭和しょうわ51年ねん）7月がつ1日にち
  • 料金りょうきん箱ばこ制せいを導入どうにゅうし、普通ふつう乗車じょうしゃ券けんの発売はつばいを廃止はいし。
• 1978年ねん（昭和しょうわ53年ねん）4月がつ16日にち
  • 5分ふん毎ごとの運転うんてんを実施じっし。
• 1978年ねん（昭和しょうわ53年ねん）11月26日にち
  • 西平野にしひらの - 阿倍野あべの間あいだの用地ようちを10年間ねんかんの使用しよう貸借たいしゃく契約けいやくを付帯ふたい条件じょうけんに阪神はんしん高速こうそく道路どうろ公団こうだん（現在げんざいの阪神はんしん高速こうそく道路どうろ株式会社かぶしきがいしゃへ売却ばいきゃく。
• （不明ふめい）
  • 阪神はんしん高速こうそく14号ごう松原まつばら線せんの建設けんせつ工事こうじに伴ともない、中野なかの - 西平野にしひらの間あいだの線路せんろを建設けんせつ中ちゅうの高架こうか下かの工事こうじ用よう仮かり線せんに移設いせつ。
• 1979年ねん（昭和しょうわ54年ねん）10月がつ
  • 阪堺はんかい線せんのワンマン化か（上町線うえまちせんは1976年ねん〔昭和しょうわ51年ねん〕7月がつ1日にちから既すでにワンマン化か）により、廃車はいしゃ予定よていのモ205型がたが平野へいや線せん専用せんようとなる。
• 1980年ねん（昭和しょうわ55年ねん）8月がつ21日にち
  • 南海電気鉄道なんかいでんきてつどうが平野へいや線せん 今池いまいけ - 平野ひらの間あいだ5.9kmの旅客りょかく営業えいぎょうの廃止はいしを建設けんせつ大臣だいじんと運輸うんゆ大臣だいじんに許可きょか申請しんせい（廃止はいし日びは大阪おおさか市営しえい地下鉄ちかてつ谷町たにまち線せんの天王寺てんのうじ - 八尾やお南みなみ間あいだの延伸えんしん開業かいぎょう後ご）。
• 1980年ねん（昭和しょうわ55年ねん）11月11日にち
  • 運輸うんゆ審議しんぎ会かいにおいて、南海電気鉄道なんかいでんきてつどう平野ひらの線せん 今池いまいけ - 平野ひらの間あいだ5.9kmの廃止はいしが認可にんかされる。
• 1980年ねん（昭和しょうわ55年ねん）11月23日にち
  • 「平野ひらの線せんさようなら記念きねん乗車じょうしゃ券けん」（100円えん券けん3枚まいセット）を発売はつばい。
• 1980年ねん（昭和しょうわ55年ねん）11月27日にち
  • 最終さいしゅう運行うんこう日び。平野ひらの線せん「さよなら電車でんしゃ」を運行うんこう。
  • 平野へいや線せん全線ぜんせん、及および阪堺はんかい線せんの恵美須えびす町まち - 今池いまいけ間あいだ、上町うえまち線せんの天王寺駅前てんのうじえきまえ - 阿倍野あべの間あいだの平野へいや線せん直通ちょくつう運転うんてん区間くかんを終日しゅうじつ無料むりょう開放かいほう。
  • 午後ごご11時じ23分ふん、平野ひらの発はつ・恵美須えびす町まち行ぎょう最終さいしゅう電車でんしゃが発車はっしゃ。66年ねんの歴史れきしに幕まくを閉とじる。
• 1980年ねん（昭和しょうわ55年ねん）11月28日にち
  • 書類しょるい上じょうの廃止はいし日ひ。
• ※平野ひらの線せんの廃止はいし3日にち後ごの1980年ねん（昭和しょうわ55年ねん）12月1日にちに、南海電気鉄道なんかいでんきてつどうの大阪おおさか軌道線きどうせん（阪堺はんかい線せん・上町線うえまちせん）が分社ぶんしゃ化かされ、現在げんざいの阪堺はんかい電気でんき軌道きどう株式会社かぶしきがいしゃが発足ほっそく。

運行うんこう形態けいたい

運行うんこう系統けいとう

南海電気鉄道なんかいでんきてつどう平野ひらの線せんは今池いまいけ - 平野ひらの間あいだ5.9kmの路線ろせんであるが、平野ひらの線せんのみを走はしる列車れっしゃの設定せっていはなく、阪堺はんかい線せんと直通ちょくつう運転うんてんを行おこなう恵美須えびす町まち - 今池いまいけ - 平野ひらの間あいだ（恵美須えびす町まち - 今池いまいけ間あいだが阪堺はんかい線せん）と、上町うえまち線せんと直通ちょくつう運転うんてんを行おこなう天王寺駅前てんのうじえきまえ - 阿倍野あべの - 平野ひらの間あいだ（天王寺駅前てんのうじえきまえ - 阿倍野あべのが上町線うえまちせん）の2系統けいとうで運行うんこうされていた。これは平野へいや線せんが阪堺はんかい線せんの今池いまいけ停留ていりゅう場じょうから分岐ぶんきする支線しせんとして建設けんせつされた経緯けいい（平野ひらの線せんが開業かいぎょうした当時とうじの路線ろせん名めいは「平野ひらの支線しせん」であった）があったからである。

系統けいとう	経路けいろ	備考びこう
恵美須えびす町まち - 平野ひらの	恵美須えびす町まち - 今池いまいけ - 阿倍野あべの - 田辺たなべ - 平野ひらの	恵美須えびす町まち - 今池いまいけ間あいだは、阪堺はんかい線せんへの直通ちょくつう運転うんてん区間くかん
天王寺駅前てんのうじえきまえ - 平野ひらの	天王寺駅前てんのうじえきまえ - 阿倍野あべの - 田辺たなべ - 平野ひらの	天王寺駅前てんのうじえきまえ - 阿倍野あべの間あいだは、上町うえまち線せんへの直通ちょくつう運転うんてん区間くかん

運行うんこうダイヤ

• 以下いかに平野へいや線せん廃止はいし直前ちょくぜんの平野へいや停留ていりゅう場じょうのダイヤを示しめす。

平日へいじつ

	行先ゆくさき
	恵美須えびす町まち	天王寺駅前てんのうじえきまえ
5時じ	22分ふん・42分ふん	29分ふん・49分ふん
6時じ	2分ふん・22分ふん・40分ふん・50分ふん・55分ふん	10分ふん・31分ふん・45分ふん
7時じ	3分ふん - 8分ふん毎ごと	9分ふん - 12分ふん毎ごと
8時じ	2分ふん - 5分ふん毎ごと	6分ふん - 9分ふん毎ごと
9時じ	3分ふん - 12分ふん毎ごと	12分ふん毎ごと
10時じ	12分ふん毎ごと	12分ふん毎ごと
11時じ	12分ふん毎ごと	12分ふん毎ごと
12時じ	12分ふん毎ごと	12分ふん毎ごと
13時じ	12分ふん毎ごと	12分ふん毎ごと
14時じ	12分ふん毎ごと	12分ふん毎ごと
15時じ	12分ふん毎ごと	12分ふん毎ごと
16時じ	5分ふん - 10分ふん毎ごと	10分ふん - 12分ふん毎ごと
17時じ	5分ふん - 10分ふん毎ごと	6分ふん - 12分ふん毎ごと
18時じ	4分ふん - 7分ふん毎ごと	6分ふん - 10分ふん毎ごと
19時じ	6分ふん - 8分ふん毎ごと	6分ふん - 10分ふん毎ごと
20時じ	5分ふん - 10分ふん毎ごと	8分ふん - 10分ふん毎ごと
21時じ	5分ふん - 10分ふん毎ごと	14分ふん - 16分ふん毎ごと
22時じ	0分ふん・15分ふん・33分ふん・53分ふん	6分ふん・23分ふん・44分ふん
23時じ	1分ふん・11分ふん・23分ふん

日にち・祝日しゅくじつ・及および12月30日にち - 1月がつ4日にち

	行先ゆくさき
	恵美須えびす町まち	天王寺駅前てんのうじえきまえ
5時じ	22分ふん・42分ふん	29分ふん・48分ふん
6時じ	3分ふん・21分ふん・43分ふん	10分ふん・28分ふん・50分ふん
7時じ	15分ふん毎ごと	12分ふん - 18分ふん毎ごと
8時じ	15分ふん毎ごと	12分ふん - 18分ふん毎ごと
9時じ	8分ふん - 10分ふん毎ごと	8分ふん - 10分ふん毎ごと
10時じ	8分ふん毎ごと	8分ふん毎ごと
11時じ	8分ふん毎ごと	8分ふん毎ごと
12時じ	9分ふん - 10分ふん毎ごと	8分ふん - 11分ふん毎ごと
13時じ	9分ふん - 10分ふん毎ごと	9分ふん - 11分ふん毎ごと
14時じ	8分ふん - 11分ふん毎ごと	9分ふん - 11分ふん毎ごと
15時じ	8分ふん - 11分ふん毎ごと	8分ふん毎ごと
16時じ	6分ふん - 10分ふん毎ごと	6分ふん - 10分ふん毎ごと
17時じ	10分ふん毎ごと	10分ふん毎ごと
18時じ	10分ふん毎ごと	10分ふん毎ごと
19時じ	12分ふん毎ごと	12分ふん毎ごと
20時じ	12分ふん毎ごと	12分ふん毎ごと
21時じ	6分ふん - 15分ふん毎ごと	15分ふん - 17分ふん毎ごと
22時じ	0分ふん・15分ふん・33分ふん・53分ふん	7分ふん・23分ふん・44分ふん
23時じ	1分ふん・11分ふん・23分ふん

阿倍野あべの停留ていりゅう場じょうの構造こうぞう

起点きてんの今池いまいけ停留ていりゅう場じょうは、平野ひらの線せんが停留ていりゅう場じょうの南方なんぽうで分岐ぶんきするだけのことであり、施設しせつ的てきには他たの途中とちゅう駅えきと変かわらず、現在げんざいでも停留ていりゅう場じょうの佇たたずまいはほぼ当時とうじのままである。ただし平野へいや線せんと上町うえまち線せんとが接続せつぞくする阿倍野あべの停留ていりゅう場じょうについては、交通こうつう量りょうの多おおい阿倍野あべの交差点こうさてんにおける併用へいよう軌道きどう上うえで平面へいめん交差こうさしており、阿倍野あべの停留ていりゅう場じょうのホームは平野へいや線せん用ようと上町線うえまちせん用ようの計けい4つのホームが存在そんざいした。

平野へいや線せんの阿倍野あべの停留ていりゅう場じょうのホームは、阿倍野あべの交差点こうさてんの東側ひがしがわに位置いちする千鳥ちどり式しきホームで、下くだり平野へいや方面ほうめんの線路せんろには緊急きんきゅう時じの渡わたり線せんが存在そんざいした。天王寺駅前てんのうじえきまえ発はつ平野ひらの行いきの電車でんしゃが、上町うえまち線せんの下くだり線せん用ようホームを発車はっしゃすると、阿倍野あべの交差点こうさてんを左折させつ東進とうしん、平野ひらの線せんへ入線にゅうせん後ご、再ふたたび平野へいや線せんの下くだり線せん用ようホームに停車ていしゃしたのに対たいして、平野ひらの発はつ天王寺てんのうじ駅前えきまえ行いきの電車でんしゃは、平野ひらの線せんの上のぼり線せん用ようホームのみに停車ていしゃし、発車はっしゃ後ご、交差点こうさてんを右折うせつ北上ほくじょうして上町線うえまちせんの天王寺駅前てんのうじえきまえ停留ていりゅう場じょうへと向むかった。これは当時とうじ、上町うえまち線せんの下くだり線せん用ようホームは阿倍野あべの交差点こうさてんの北側きたがわにあったのに対たいし、上のぼり線せん用ようホームが阿倍野あべの交差点こうさてんの南側みなみがわにあったためである（4つのホームのうち、このホームだけ道路どうろ上じょうの白線はくせんのみで安全あんぜん地帯ちたいが無なかった）。平野へいやから来きた列車れっしゃの扱あつかいは操車そうしゃ係員かかりいんが恵めぐみ（恵美須えびす町まち）・天てん（天王寺駅前てんのうじえきまえ）の何いずれかのボタンを押おし、構内こうない信号しんごうが青あおと同時どうじにブザー・チャイムが鳴なり発車はっしゃする方式ほうしきを取とっていた。なお平野へいや線せんの廃止はいし後ご、阿倍野あべの再さい開発かいはつ事業じぎょうによって、あべのベルタ東側ひがしがわの交差点こうさてんに新あらたなホームが新設しんせつされ（安全あんぜん地帯ちたいも設置せっち）、下くだりホームとの相対そうたい式しきとなっている。

軌道きどう

軌道きどう種別しゅべつ	区間くかん	キロ程ほど	道路どうろ名めい	平野へいや線せん全線ぜんせんにおける割合わりあい
専用せんよう軌道きどう	今池いまいけ - 飛田ひだ	0.4km		86.4%
	阿倍野あべの - 平野ひらの	4.7km
併用へいよう軌道きどう	飛田ひだ - 阿倍野あべの	0.8km	大阪おおさか市道しどう津守つもり阿倍野あべの線せん	13.6%

平野へいや線せんは南海なんかい大阪おおさか軌道線きどうせんの中なかで最もっとも専用せんよう軌道きどう区間くかんが多おおかったことから郊外こうがい電車でんしゃのような趣おもむきもあり、前述ぜんじゅつしたような連結れんけつ運転うんてんなども行おこなわれた。

苗代田なわしろだ - 文ぶんノ里さと間あいだには、大阪おおさか府ふ道どう28号ごう大阪おおさか高石たかいし線せん（あびこ筋すじ）と交差こうさする踏切ふみきりが、中野なかの - 西平野にしひらの間あいだには、今里いまさと筋すじと交差こうさする踏切ふみきりがあり、交通こうつう渋滞じゅうたいを引ひき起おこしていた。また、計画けいかく道路どうろとして、文ぶんノ里さと - 股またヶ池ち間あいだには松虫通まつむしどおりが、西平野にしひらの - 平野ひらの間あいだには主要しゅよう地方ちほう道どう大阪おおさか内ない環状かんじょう線せん（現在げんざいの国道こくどう479号ごう）の建設けんせつが進すすみつつあったことから、これらの道路どうろと交差こうさする踏切ふみきりも、交通こうつう渋滞じゅうたいを引ひき越こしこすことが予測よそくされた。

主おもな交差こうさ道路どうろ

• 堺さかい筋すじ
• 大阪おおさか市道しどう津守つもり阿倍野あべの線せん（併用へいよう軌道きどう）
• 庚申こうしん街道かいどう
• あびこ筋すじ
• 今里いまさと筋すじ
• 国道こくどう309号ごう
• 阪神はんしん高速こうそく道路どうろ14号ごう松原まつばら線せん

行先ゆくさき表示ひょうじ

平野へいや線せんに入線にゅうせんする列車れっしゃは、円形えんけいの板いたを使用しようし、恵美須えびす町まち - 平野へいやが白地しろじに黒文字くろもじ、天王寺てんのうじ駅前えきまえ - 平野へいやが青地あおじに白しろ文字もじで、それぞれ始終しじゅう着ぎ停留ていりゅう場じょうを並列へいれつ表記ひょうきしていた。

戦後せんご、新造しんぞうされたモ351形かたち、モ501形かたち車両しゃりょうの行先いきさき表示ひょうじが布製ぬのせいの方向ほうこう幕まく式しきで登場とうじょうし、ワンマン改造かいぞうされたモ121形かたち、モ151形かたち、モ161形かたち、モ205形がた（一部いちぶのみ）、モ301形かたち車両しゃりょう、それに元もと京都きょうと市電しでんのモ251形がたの行先いきさき表示ひょうじも布製ぬのせいの方向ほうこう幕まく式しきとなった。

南海電気鉄道なんかいでんきてつどうは、平野ひらの線せん廃止はいしの数すう年ねん前まえより、大阪おおさか軌道きどう線せんの車両しゃりょうを対象たいしょうに上町うえまち線せん、阪堺はんかい線せんのワンマン運転うんてん開始かいしに伴ともなう改造かいぞうが順次じゅんじ行いっていったが、そのうちモ161形かたちの一部いちぶはツーマン運転うんてんへの切替きりかえが可能かのうで、改造かいぞう後ご、平野ひらの線せんの廃止はいしまでの僅わずかの間あいだ、「ワンマンカー」の表示ひょうじ板ばんを裏返うらがえし、「平野へいや」行いきの方向ほうこう幕まくを掲出けいしゅつして、車掌しゃしょうを乗のせ平野ひらの線せんに入線にゅうせんするという半なかば暫定ざんてい的てきな姿すがたがみられた。また、ワンマン非ひ対応たいおう車しゃであり、平野ひらの線せん廃止はいしと同おなじくして全車ぜんしゃ廃車はいしゃとなる予定よていだったために、それまで小型車こがたしゃでワンマン運用うんようには不向ふむきである阪堺はんかい線せんを中心ちゅうしんに運用うんようされていたモ205形かたちは、ワンマン改造かいぞうされずに廃止はいしを迎むかえた平野へいや線せんに集中しゅうちゅう的てきに運用うんようされ、最さい末期まっきは逆ぎゃくに平野へいや線せんの「顔かお」ともなった。モ205形かたちは廃止はいし時じまで行先いきさき板ばんを使用しようしていた。なお、その後ごに車両しゃりょう計画けいかくに変更へんこうがあり、3両りょうのみワンマン改造かいぞうされ、阪堺はんかい電気でんき軌道きどうに継承けいしょうされている（既すでに廃車はいしゃ）。

ちなみに、平野ひらの線せんが廃止はいしされる2年ねん前まえの1978年ねん（昭和しょうわ53年ねん）9月がつ30日にち限かぎりで全廃ぜんぱいされた京都きょうと市電しでん1800形かたちの6両りょうが譲渡じょうとされ、大阪おおさか軌道きどう線せんのモ251形かたちとして運用うんようを始はじめている。ワンマン改造かいぞう車しゃ共通きょうつうの方向ほうこう幕まくのため「平野へいや」が存在そんざいしており、数かぞえるほどではあるが平野へいや線せんでの運用うんようが確認かくにんされている。

現在げんざい、阪堺はんかい電気でんき軌道きどうに引ひき継つがれている南海なんかい時代じだいからの車両しゃりょうモ161形かたち、モ251形がた（既すでに廃車はいしゃになっているが、256号車ごうしゃが我孫子あびこ道みち車庫しゃこに保管ほかんされている）、モ351形かたち、モ501形かたちの、旧きゅうタイプ（もはや、皆無かいむに等ひとしいがモ161形かたち174号車ごうしゃには残のこっている。ただし廃車はいしゃ解体かいたい済ずみ）の方向ほうこう幕まくを参考さんこうに示しめす。

使用しよう車両しゃりょう

車両しゃりょう形式けいしき	現状げんじょう	備考びこう
		車両しゃりょう番号ばんごう	状態じょうたい
モ101型がた	全車ぜんしゃ廃車はいしゃ
モ121型がた（旧きゅう大阪おおさか市し交通こうつう局きょく1601形かたち）	全車ぜんしゃ廃車はいしゃ※
モ151型がた	全車ぜんしゃ廃車はいしゃ	151号車ごうしゃ	サンフランシスコ市営しえい鉄道てつどうで動態どうたい保存ほぞん
		153号車ごうしゃ	大阪おおさか市し城東じょうとう区くにある個人こじん宅たくで保存ほぞん。
モ161型がた	現用げんよう
モ201型がた	全車ぜんしゃ廃車はいしゃ
モ205型がた	全車ぜんしゃ廃車はいしゃ	211号車ごうしゃ	大阪おおさか府ふ高石たかいし市しにある南海電鉄なんかいでんてつの 社員しゃいん研修けんしゅう所しょの教材きょうざいとしてのカットボディーに改造かいぞう。
		212号車ごうしゃ	大阪おおさか府ふ堺さかい市し堺さかい区くにある賢明けんめい学園がくえん幼稚園ようちえんで保存ほぞん。
		217号車ごうしゃ	和歌山わかやま県けん和歌山わかやま市しにある和歌山わかやま県立けんりつ和歌山わかやま交通こうつう公園こうえんで保存ほぞん。
		223号車ごうしゃ	大阪おおさか府ふ東大阪ひがしおおさか市しにある鴨かも高田たかだ神社じんじゃで保存ほぞん。
		229号車ごうしゃ	大阪おおさか府ふ大東だいとう市しにある大阪産業大学おおさかさんぎょうだいがくで保存ほぞん。
		237号車ごうしゃ	大阪おおさか府ふ大阪おおさか市し天王寺てんのうじ区くにある四恩しおん学園がくえんで保存ほぞん、ただし原型げんけいはほとんど留とめていない。
		247号車ごうしゃ	カナダ・エドモントン市しにある保存ほぞん鉄道てつどう・エドモントン放射ほうしゃ鉄道てつどう協会きょうかいに動態どうたい保存ほぞん。
248号車ごうしゃ	大阪おおさか府ふ藤井寺ふじいでら市しにある大井おおい垣かき添児童じどう園えんで保存ほぞん。
モ251型がた（旧きゅう京都きょうと市し交通こうつう局きょく1800型がた）	全車ぜんしゃ廃車はいしゃ	255号車ごうしゃ	アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくアリゾナ州しゅうのツーソンにあるオールド・プエブロ・トロリーに動態どうたい保存ほぞん。
		256号車ごうしゃ	大阪おおさか府ふ大阪おおさか市し住吉すみよし区くにある我孫子あびこ道みち車庫しゃこで保管ほかん。
モ301型がた	全車ぜんしゃ廃車はいしゃ
モ351型がた	現用げんよう
モ501型がた	現用げんよう

• モ121型がた車両しゃりょうの制御せいぎょ装置そうち・ブレーキ・営業えいぎょう機器ききなどは、モ601型がたに流用りゅうようされている。
• 平野へいや線せんにおける大型おおがた車しゃの最さい晩年ばんねんのうち、雲くも電車でんしゃ塗装とそうの車くるまに関かんしては、阪堺はんかい線せんワンマン化かまで、黄き緑色みどりいろのモ161型がたが充当じゅうとうされていた（ツーマン対応たいおう車しゃのため）。運用うんようの際さいは「ワンマンカー」のプレートを裏返うらがえして充当じゅうとうされた。
• さらにそれ以前いぜん（上町線うえまちせんワンマン化かまで）は、モ161型がた（170以降いこう）およびモ301型がた（以上いじょう青色あおいろ）、モ351型がたおよびモ501型がた（以上いじょう橙色だいだいいろ）の雲くも電車でんしゃついても、ワンマン改造かいぞう完了かんりょう後ごの状態じょうたいで運用うんようされた（ただし、いずれもツーマン非ひ対応たいおう車しゃのため「ワンマンカー」プレートは外はずされた状態じょうたいで充当じゅうとうされた）。

駅えき一覧いちらん

全ぜん駅えき大阪おおさか府ふ大阪おおさか市しに所在しょざい。接続せつぞく路線ろせんの事業じぎょう者しゃ名めいは廃止はいし時点じてんのもの。

路線ろせん名めい	停留ていりゅう場じょう名めい	駅えき間あいだキロ	営業えいぎょうキロ	阪堺はんかい線せん直通ちょくつう	上町線うえまちせん直通ちょくつう	接続せつぞく路線ろせん	代替だいたい駅えき	所在地しょざいち
阪堺はんかい線せん	恵美須えびす町まち停留ていりゅう場じょう	(0.6)	(1.0)	●		大阪おおさか市営しえい地下鉄ちかてつ： 堺筋線さかいすじせん		浪速なにわ区く
	南みなみ霞かすみ町まち停留ていりゅう場じょう	(0.4)	(0.4)	●		日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう：大阪環状線おおさかかんじょうせん・関西本線かんさいほんせん（新しん今宮いまみや駅えき） 南海電気鉄道なんかいでんきてつどう：南海本線なんかいほんせん（新今宮しんいまみや駅えき） 大阪おおさか市営しえい地下鉄ちかてつ： 御堂筋線みどうすじせん・ 堺筋線さかいすじせん（動物園前どうぶつえんまえ駅えき）		西成にしなり区く
	今池いまいけ停留ていりゅう場じょう	0.0	0.0	●		【乗換のりかえ指定してい駅えき】 南海電気鉄道なんかいでんきてつどう：阪堺はんかい線せん（住吉すみよし・浜寺駅前はまでらえきまえ方面ほうめん）・天王寺支線てんのうじしせん（今池いまいけ町まち駅えき）
平野へいや線せん
	飛田ひだ停留ていりゅう場じょう	0.4	0.4	●			阪堺はんかい線せん：今船いまふね停留ていりゅう場じょう
上町線うえまちせん	天王寺駅前てんのうじえきまえ停留ていりゅう場じょう	(0.5)	(0.5)	∥	●	日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう：大阪環状線おおさかかんじょうせん・関西本線かんさいほんせん・阪和線はんわせん（天王寺てんのうじ駅えき） 近畿日本鉄道きんきにほんてつどう：南大阪線みなみおおさかせん（大阪おおさか阿部あべ野の橋きょう駅えき） 大阪おおさか市営しえい地下鉄ちかてつ： 御堂筋線みどうすじせん・ 谷町線たにまちせん（天王寺てんのうじ駅えき） 南海電気鉄道なんかいでんきてつどう：天王寺支線てんのうじしせん（天王寺てんのうじ駅えき）		阿倍野あべの区く
	阿倍野あべの停留ていりゅう場じょう （斎場さいじょう前まえ）	0.8	1.2	●	●	【乗換のりかえ指定してい駅えき】 南海電気鉄道なんかいでんきてつどう：上町線うえまちせん（住吉すみよし・住吉公園すみよしこうえん方面ほうめん）	谷町線たにまちせん：阿倍野あべの駅えき
平野へいや線せん
	苗代田なわしろだ停留ていりゅう場じょう	0.5	1.7	●	●		谷町たにまち線せん：文ふみの里さと駅えき
	文ぶんノ里さと停留ていりゅう場じょう	0.5	2.2	●	●
	股またヶ池ち停留ていりゅう場じょう	0.5	2.7	●	●		谷町たにまち線せん：田辺たなべ駅えき
	田辺たなべ停留ていりゅう場じょう	0.6	3.3	●	●			東住吉ひがしすみよし区く
	駒川こまがわ町まち停留ていりゅう場じょう	0.5	3.8	●	●		谷町たにまち線せん：駒川こまがわ中野なかの駅えき
	中野なかの停留ていりゅう場じょう	0.5	4.3	●	●
	西平野にしひらの停留ていりゅう場じょう	1.1	5.4	●	●		谷町たにまち線せん：平野ひらの駅えき	平野ひらの区く
	平野ひらの停留ていりゅう場じょう	0.5	5.9	●	●

運賃うんちん

普通ふつう運賃うんちん

廃止はいし当時とうじの普通ふつう運賃うんちんは以下いかのとおり。

区間くかん		運賃うんちん
		大人おとな	小児しょうに
1区間くかん	大阪おおさか市内しないのみ乗車じょうしゃ	100円えん	50円えん
	堺さかい市内しないのみ乗車じょうしゃ
2区間くかん	大阪おおさか市内しない - 堺さかい市内しない間あいだを連続れんぞくして乗車じょうしゃ	140円えん	70円えん
	【乗のり換かえ指定してい駅えき】 阿倍野あべの・今池いまいけ・住吉すみよし・我孫子あびこ道どうでの乗のり換かえ

定期ていき旅客りょかく運賃うんちん

• 1976年ねん（昭和しょうわ51年ねん）7月がつから実施じっしされた上町うえまち線せんのワンマン運転うんてんに合あわせて平野ひらの線せんの文ぶんノ里さと停留ていりゅう場じょうの切符きっぷ売うり場ばも閉鎖へいさされ、平野ひらの線せん内ないの有人ゆうじん駅えきは平野へいや停留ていりゅう場じょうのみとなった。
• この運賃うんちん表ひょうは、文ぶんノ里さと停留ていりゅう場じょうの切符きっぷ売うり場ばが閉鎖へいさされた当時とうじの文ぶんノ里さと停留ていりゅう場じょうの定期ていき旅客りょかく運賃うんちん表ひょうである。

停留ていりゅう場じょう名めい	経由けいゆ	通勤つうきん定期ていき			通学つうがく定期ていき			備考びこう
		1か月げつ	3か月げつ	6か月げつ	1か月げつ	3か月げつ	6か月げつ
天王寺駅前てんのうじえきまえ	阿倍野あべの	1,900円えん	5,420円えん	10,260円えん	740円えん	2,110円えん	4,000円えん	上町線うえまちせん連絡れんらく
恵美須えびす町まち	今池いまいけ	2,500円えん	7,130円えん	13,500円えん	1,060円えん	3,030円えん	5,730円えん	阪堺はんかい線せん連絡れんらく
南みなみ霞かすみ町まち		2,200円えん	6,270円えん	11,880円えん	900円えん	2,570円えん	4,860円えん
今池いまいけ		2,200円えん	6,270円えん	11,880円えん	900円えん	2,570円えん	4,860円えん
飛田ひだ		1,900円えん	5,420円えん	10,260円えん	740円えん	2,110円えん	4,000円えん
阿倍野あべの		1,600円えん	4,560円えん	8,640円えん	580円えん	1,660円えん	3,140円えん
苗代田なわしろだ		1,600円えん	4,560円えん	8,640円えん	580円えん	1,660円えん	3,140円えん
田辺たなべ		1,900円えん	5,420円えん	10,260円えん	740円えん	2,100円えん	4,000円えん
駒川こまがわ町まち		1,900円えん	5,420円えん	10,260円えん	740円えん	2,100円えん	4,000円えん
中野なかの		2,200円えん	6,270円えん	11,880円えん	900円えん	2,570円えん	4,860円えん
平野へいや		2,200円えん	7,130円えん	13,500円えん	1,060円えん	3,030円えん	5,730円えん
天下茶屋てんがちゃや	今池いまいけ 今池いまいけ町まち	2,500円えん	7,130円えん	13,500円えん	1,060円えん	3,030円えん	5,730円えん	天王寺支線てんのうじしせん連絡れんらく
難波なんば		2,800円えん	7,980円えん	15,120円えん	1,220円えん	3,460円えん	6,590円えん	天王寺支線てんのうじしせん 天下茶屋てんがちゃや経由けいゆ 南海本線なんかいほんせん連絡れんらく
住ノ江すみのえ		3,300円えん	9,450円えん	17,820円えん	1,530円えん	4,370円えん	8,270円えん
宿院しゅくいん	今池いまいけ	3,800円えん	10,830円えん	20,520円えん	1,800円えん	5,130円えん	9,720円えん	阪堺はんかい線せん連絡れんらく
綾野あやの町まち		3,800円えん	10,830円えん	20,520円えん	1,800円えん	5,139円えん	9,720円えん
我孫子あびこ道みち		3,150円えん	8,580円えん	17,010円えん	1,380円えん	3,940円えん	7,460円えん
北きた天下茶屋てんがちゃや		2,500円えん	7,130円えん	13,500円えん	1,060円えん	3,030円えん	5,730円えん
住吉公園すみよしこうえん	阿倍野あべの	2,800円えん	7,980円えん	15,120円えん	1,220円えん	3,480円えん	6,500円えん	上町線うえまちせん連絡れんらく
帝塚山てづかやま四よん丁目ちょうめ		2,500円えん	7,130円えん	13,500円えん	1,060円えん	3,030円えん	5,730円えん
北畠きたばたけ		2,200円えん	6,270円えん	11,880円えん	900円えん	2,570円えん	4,860円えん

幻まぼろしの柏原かしわばら延伸えんしん計画けいかく

平野へいや線せんは、平野へいやからさらに中河内なかかわち郡ぐん柏原かしわばら町まち（現げん・柏原かしわばら市し）方面ほうめんへの延伸えんしんを計画けいかくし、認可にんかを受うけていたが、1929年ねんに発生はっせいした世界せかい恐慌きょうこうの影響えいきょうや1931年ねんに勃発ぼっぱつした満州まんしゅう事変じへんに始はじまる戦争せんそうへの突入とつにゅうによって実現じつげんしなかった。

• 動力どうりょく：電気でんき
• 軌間きかん：1435mm
• 区間くかん：平野ひらの - 柏原かしわばら間あいだ
• キロ程ほど：9.756km
• 概算がいさん建設けんせつ費ひ：220万まん6655円えん
• 特許とっきょ年月日ねんがっぴ：1921年ねん（大正たいしょう10年ねん）6月がつ7日にち
• 工事こうじ施工しこう許可きょか年月日ねんがっぴ：1925年ねん（大正たいしょう14年ねん）12月24日にち
• 工事こうじ着工ちゃっこう期限きげん：1926年ねん（大正たいしょう15年ねん）6月がつ23日にち
• 工事こうじ施工しこう期限きげん：1934年ねん（昭和しょうわ9年ねん）6月がつ23日にち

幻まぼろしの高速こうそく鉄道てつどう化か計画けいかく

「南海なんかい平野ひらの線せん (未成みせい線せん)」も参照さんしょう

1963年ねん（昭和しょうわ38年ねん）3月がつ29日にちの「都市とし交通こうつう審議しんぎ会かい答申とうしん第だい7号ごう」において、専用せんよう軌道きどうが続つづく平野へいや線せんの阿倍野あべの - 平野ひらの間あいだを高速こうそく鉄道てつどう化かし、上町うえまち線せんへの乗のり入いれ区間くかんである天王寺てんのうじ - 阿倍野あべの間あいだに高速こうそく新しん線せんを建設けんせつすることによって、大阪おおさか市営しえい地下鉄ちかてつ谷町たにまち線せんと相互そうご直通ちょくつう運転うんてんを実施じっしすることが答申とうしんされたが実現じつげんしなかった。

短命たんめいに終おわった南海なんかい平野ひらの線せん代行だいこうバス

大阪おおさか市営しえい地下鉄ちかてつ谷町たにまち線せんの天王寺てんのうじ - 八尾やお南みなみ間あいだの延伸えんしんの際さい、阿倍野あべの - 平野ひらの間あいだは既存きそんの平野へいや線せんの阿倍野あべの - 西平野にしひらの間あいだに沿そう形かたちで建設けんせつされたが、今池いまいけ - 阿倍野あべの間あいだは谷町たにまち線せんのルートから外はずれたため、平野ひらの線せんの飛田ひだ停留ていりゅう場じょうから程近ほどちかい今池いまいけ - 松田まつだ町まち間あいだに今船いまふね停留ていりゅう場じょうを新設しんせつし、この停留ていりゅう場じょうを飛田ひだ停留ていりゅう場じょうの代替だいたいとし、今池いまいけ - 飛田ひだ間あいだをこれに置おき換かえた。

そして、残のこる飛田ひだ - 阿倍野あべの間あいだは、南海なんかい観光かんこうバス・天下茶屋てんがちゃや営業えいぎょう所しょが運行うんこうするマイクロバスによる代行だいこう輸送ゆそうとなったが、阪堺はんかい電気でんき軌道きどうとなった阪堺はんかい線せんと上町うえまち線せんとの接続せつぞくの悪わるさに加くわえ、実際じっさいの運行うんこう距離きょりよりも阿倍野あべのでの折おり返かえし回送かいそう（阿倍野あべの交差点こうさてんは転回てんかい禁止きんし）の距離きょり方かたが長ながかったことによる効率こうりつ性せいの悪わるさが仇かたきとなって、結局けっきょく1年ねん程ほどで廃止はいしされた。

廃止はいし後ごの状況じょうきょう

廃はい線せん跡あとはほとんどが生活せいかつ道路どうろと化かしている。

今池いまいけ - 飛田ひだ間あいだ

分岐ぶんき点てんと堺さかい筋すじとの交差点こうさてんの専用せんよう軌道きどう跡あとには雑居ざっきょビルが建たっている。

大阪おおさか市道しどう津守つもり阿倍野あべの線せん 天下茶屋東てんがちゃやひがし1丁目ちょうめ交差点こうさてんから阿倍野あべの交差点こうさてんまでの道路どうろ南側みなみがわに残のこる架線かせん支柱しちゅう。

平野へいや線せんの廃止はいしに伴ともない、架線かせんを支ささえる支柱しちゅうとしての役目やくめは終おえたが、廃止はいし以後いごも、大阪おおさか市し西成にしなり区く玉出東たまでひがし1丁目ちょうめにある現在げんざいの阪堺はんかい電気でんき軌道きどう玉出たまで変電へんでん所しょからの電気でんきを阪堺はんかい線せんを経由けいゆし、上町うえまち線せんに送おくる送電そうでん線せんの架線かせん支柱しちゅうとしての役目やくめを担になうことになった。その際さい、支柱しちゅう番号ばんごうは、上町うえまち線せんの饋電線せんを意味いみする「上うえ キ」となっている。

阿倍野あべの交差点こうさてん北東ほくとう側がわにある架線かせん支柱しちゅう

平野へいや線せんの廃止はいしに伴ともない、上町うえまち線せんと平野ひらの線せんとを連絡れんらくする渡わたり線せんの架線かせんを支ささえる支柱しちゅうとしての役目やくめを終おえ、長ながらく上町うえまち線せんの東側ひがしがわ送電そうでん線せんのみの架線かせん支柱しちゅうとなっていたが、都市とし計画けいかく道路どうろ長柄ながえ堺さかい線せんの拡幅かくふく工事こうじに伴ともなう上町うえまち線せんの線路せんろ移設いせつに伴ともない上町うえまち線せんの架線かせんを支ささえる支柱しちゅうとして再ふたたび本来ほんらいの役目やくめに復帰ふっきした。

阿倍野あべの区く阪南はんなん町まち1丁目ちょうめにある阿倍野あべの苗代田なわしろだ郵便ゆうびん局きょく。

1944年ねん（昭和しょうわ19年ねん）6月がつ1日にちに開局かいきょくした当時とうじ、平野ひらの線せんの苗代田なわしろだ停留ていりゅう場じょう前まえにあったことから「苗代田なわしろだ」が局きょく名めいとなり、平野ひらの線せんの廃止はいし後ごも、郵便ゆうびん局きょく名めいの変更へんこうもなく今日きょうに至いたっている。

文ぶんノ里さと停留ていりゅう場じょう跡あとの記念きねん碑ひ

現在げんざいの阪神はんしん高速こうそく14号ごう松原まつばら線せんの高架こうか下か、そして地下鉄ちかてつ谷町たにまち線せん文ふみの里さと駅えきの7号ごう出入口でいりぐち付近ふきんにあった平野へいや線せんの文ぶんノ里さと停留ていりゅう場じょう跡あとの前まえに平野へいや線せんの歴史れきしや停留ていりゅう場じょうの沿革えんかくを記しるした記念きねん碑ひが建たっている。これは、廃止はいし後ご地元じもとの文ぶんノ里さと商店しょうてん連合れんごう会かいから南海電気鉄道なんかいでんきてつどうに、長年ながねん親したしんできた文ぶんノ里さと停留ていりゅう場じょうの跡あとを偲しのぶモニュメントをとの要望ようぼうを受うけ、同社どうしゃが1981年ねん（昭和しょうわ56年ねん）3月がつに建立こんりゅうしたものである。

東住吉ひがしすみよし区く針中野はりなかの3丁目ちょうめに残のこる石いしの道標どうひょう

刻きざまれている文字もじは「はりみち」と「でんしやのりば」。前者ぜんしゃは江戸えど・元禄げんろく年間ねんかんから今いまも続つづき、「針中野はりなかの」の地名ちめいの由来ゆらいともなった「中野なかの小児しょうに鍼」を指さす。一方いっぽう、後者こうしゃの「でんしやのりば」は、道標どうひょうの建立こんりゅう日びが大正たいしょう3年ねん（1913年ねん）4月がつとあることから、この月つきに開通かいつうした南海なんかい鉄道てつどう平野ひらの線せん中野なかの駅えきであるとされる。

平野ひらの区く背戸口せとぐち5丁目ちょうめにある「背戸口せとぐち公園こうえん」

西平野にしひらの停留ていりゅう場じょう跡あとに作つくられた公園こうえんで、公園こうえん内ないに設置せっちされているレリーフには、阪堺はんかい線せんと上町うえまち線せんへの直通ちょくつう運転うんてん区間くかんを含ふくめた当時とうじの路線ろせん図ずとモ205型がた電車でんしゃが描えがかれているほか、公園こうえん内ないの地面じめんは線路せんろをイメージした模様もようとなっている。

西平野にしひらの - 平野ひらの間あいだ

この区間くかんは背戸口せとぐち公園こうえん（前述ぜんじゅつ）とプロムナード平野へいや（後述こうじゅつ）に挟はさまれた形かたちで廃はい線せん跡あとに住宅じゅうたく数すう件けんとカラオケBOX「ビッグエコー」が建たっている。現在げんざいこの区間くかんの中なか間あいだぐらいの位置いちに国道こくどう479号線ごうせんが交差こうさしているが、その国道こくどうは平野へいや線せん廃止はいし後ごに整備せいびされた道路どうろである。

平野ひらの区く平野本ひらのほん町まち1丁目ちょうめにある「プロムナード平野へいや」

終点しゅうてんであった平野へいや停留ていりゅう場じょう、および平野へいや運輸うんゆ区くの建物たてもの跡あとと、その手前てまえ数すう百ひゃくメートルの線路せんろ跡地あとちを活用かつようし、当時とうじとしてはモダンな八はち角形かくがたの屋根やねが特徴とくちょうだった旧きゅう駅舎えきしゃを模もしたベンチ、晩年ばんねん、上町うえまち線せんと阪堺はんかい線せんとのワンマン化かに伴ともない平野へいや線せん専用せんようとして走はしっていたモ205形かたち電車でんしゃのレリーフ、信号しんごう機き、レンガ敷じきのレール、それに当時とうじ、平野ひらの停留ていりゅう場じょうで実際じっさいに使つかわれていた車止くるまどめレールやホームの骨組ほねぐみを利用りようした藤棚ふじだななどがある。

元々もともとの計画けいかくでは、平野ひらの停留ていりゅう場じょうの駅舎えきしゃやホームが保存ほぞんされる予定よていであったため、モ205型がた240号車ごうしゃもホームに留置りゅうちされていたが、のちに駅舎えきしゃとともに解体かいたいされ、現在げんざいのように整地せいちされるに至いたった。これがきっかけとなって平野へいやのまちづくり運動うんどうが生うまれた。

平野ひらの区く平野本ひらのほん町まち1丁目ちょうめにある「平野ひらの南海なみ商店しょうてん街がい」

平野ひらの停留ていりゅう場じょうに面めんしていることからこの名なが付つけられ、廃止はいし後ごも商店しょうてん街がい名めいの変更へんこうもなく今日きょうに至いたっている。

外部がいぶリンク

• ADSL版ばん「南海なんかい平野ひらの線せん」（動画どうが）
• 南海なんかい平野ひらの線せん沿線えんせん地図ちず - ウェイバックマシン（2016年ねん3月がつ4日にちアーカイブ分ぶん）
• 減速げんそく進行しんこう 「天王寺支線てんのうじしせん」 地形ちけい図ずにカーソルを重かさねると地下鉄ちかてつ谷町線たにまちせんの上うえに平野へいや線せんが表示ひょうじされる