静岡鉄道しずおかてつどう秋葉線あきはせん

秋葉線あきはせん
概要がいよう
現況げんきょう	廃止はいし
起おこり終点しゅうてん	起点きてん 新しん袋井ふくろい駅えき（本線ほんせん） 可か睡ねむ口くち駅えき（可か睡ねむ支線しせん） 終点しゅうてん 遠州森えんしゅうもり町まち駅えき（本線ほんせん） 可か睡ねむ駅えき（可か睡ねむ支線しせん）
運営うんえい
開業かいぎょう	1902年ねん12月28日にち (1902-12-28)
廃止はいし	1962年ねん9月がつ20日はつか (1962-9-20)
所有しょゆう者しゃ	静岡鉄道しずおかてつどう
使用しよう車両しゃりょう	車両しゃりょうの節ふしを参照さんしょう
路線ろせん諸しょ元もと
路線ろせん総そう延長えんちょう	12.1 km (7.5 mi)（本線ほんせん） 1.1 km (0.68 mi)（可か睡ねむ支線しせん）
軌間きかん	1,067 mm (3 ft 6 in)
過去かこの軌間きかん	762 mm (2 ft 6 in)
電化でんか	直流ちょくりゅう600 V 架空かくう電車でんしゃ線せん方式ほうしき

停留所ていりゅうじょ・施設しせつ・接続せつぞく路線ろせん

凡例はんれい 静せい鉄てつ駿遠線すんえんせん 東海道本線とうかいどうほんせん 袋井ふくろい駅えき 0.0 新しん袋井ふくろい駅えき 0.3 宮みや本町ほんちょう駅えき * 原野谷川はらのやがわ橋梁きょうりょう 0.8 袋井ふくろい町まち駅えき 沖おきノ川かわ橋梁きょうりょう 1.0 永楽えいらく町まち駅えき 2.0 一軒家いっけんや駅えき 2.5 0.0# 可か睡ねむ口くち駅えき 1.1# 可か睡ねむ駅えき -1945 3.8 平宇ひらう駅えき 4.8 山科やましな学校がっこう前まえ駅えき 5.3 下山梨しもやまなし駅えき 5.9 金きむ屋敷やしき駅えき * 6.1 山梨やまなし駅えき 6.6 市場いちば駅えき 7.3 高こう平山ひらやま駅えき * 8.1 天王てんのう駅えき 8.4 中ちゅう飯田いいだ駅えき * 9.0 飯田いいだ駅えき 9.4 観音寺かんおんじ駅えき 10.4 福ぶく田地たち駅えき 11.0 戸と綿めん口こう駅えき 戸と綿わた駅えき 二俣線ふたまたせん 11.4 森川もりかわ橋きょう駅えき 太田おおた川がわ橋梁きょうりょう 12.1 遠州森えんしゅうもり町まち駅えき *: 1942年ねん4月がつ27日にち廃止はいし

秋葉線あきはせん（あきはせん）は、静岡しずおか県けん袋井ふくろい市しの新しん袋井ふくろい駅えきから周智しゅうち郡ぐん森町もりまちの遠州森えんしゅうもり町まち駅えきまでを結むすんでいた静岡鉄道しずおかてつどう（静せい鉄てつ）の軌道きどう線せん（路面ろめん電車でんしゃ）。

1962年ねん（昭和しょうわ37年ねん）に廃止はいしされた。

概要がいよう

国鉄こくてつ袋井ふくろい駅えき前まえの新しん袋井ふくろい駅えきから森もり街道かいどう沿そいに線路せんろが敷しかれ、袋井ふくろい市しの中心ちゅうしん市街地しがいちを通とおり抜ぬけ、市しの北部ほくぶにある山梨やまなしという集落しゅうらくを経由けいゆし、ここから北東ほくとうに向むきを変かえて森町もりまちに至いたるルートであった。専用せんよう軌道きどうと未み舗装ほそうの併用へいよう軌道きどうが混在こんざいしていた。

電化でんか後ごは全長ぜんちょう9メートル程度ていどの小型こがた電車でんしゃが客車きゃくしゃや貨車かしゃを牽引けんいんしていた。起点きてんの新しん袋井ふくろい駅えきは国鉄こくてつ袋井ふくろい駅前えきまえに立地りっちしていたが、プラットホームは貨物かもつ専用せんようで、一般いっぱん乗客じょうきゃくは木製もくせいの踏ふみ台だいを使つかって乗降じょうこうしていた。

路線ろせんデータ

1962年ねん9月がつの廃止はいし時点じてんのもの

• 路線ろせん距離きょり（営業えいぎょうキロ）：12.1km（本線ほんせん）、1.1km（可か睡ねむ支線しせん）
• 軌間きかん：1067mm
• 複線ふくせん区間くかん：なし（全線ぜんせん単線たんせん）
• 電化でんか区間くかん：全線ぜんせん（直流ちょくりゅう600V）

歴史れきし

森町もりまちをはじめとする周智しゅうち郡ぐん各地かくちで生産せいさんされる茶ちゃや果物くだものなどの農産物のうさんぶつを東海道とうかいどう本線ほんせんの駅えきへ輸送ゆそうする目的もくてきで、1902年ねん（明治めいじ35年ねん）に秋葉あきば馬車ばしゃ鉄道てつどうにより軌間きかん762mmの馬車ばしゃ鉄道てつどう線せんとして開業かいぎょうした。また1911年ねん（明治めいじ44年ねん）には袋井ふくろい市内しないにある可か睡ねむ斎ときへの参拝さんぱい客きゃく輸送ゆそうを目的もくてきとして、可か睡ねむ口くち - 可か睡ねむ（かすい）間あいだの支線しせんも開業かいぎょうさせた。

第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせんによる好景気こうけいきを受うけて馬車ばしゃ鉄道てつどうによる輸送ゆそう力りょくに限界げんかいを生しょうじ、輸送ゆそう力りょく増強ぞうきょうのため電化でんかを計画けいかくしたが、小しょう資本しほんと大戦たいせん終結しゅうけつ後ごの不ふ況きょうにより自社じしゃでは実現じつげんできず、1923年ねん（大正たいしょう12年ねん）に静岡しずおか電気でんき鉄道てつどうに吸収きゅうしゅう合併がっぺいされたのち電化でんかと1067mm軌間きかんへの改あらため軌を実施じっしした。

1943年ねん（昭和しょうわ18年ねん）に戦時せんじ統制とうせいの国策こくさくにより静岡鉄道しずおかてつどうが成立せいりつし、同社どうしゃの一いち路線ろせんとなった。1945年ねん（昭和しょうわ20年ねん）には可か睡ねむ支線しせんが休止きゅうしとなる（その後ご再開さいかいせず）。

太平洋戦争たいへいようせんそう終戦しゅうせん直後ちょくごの食糧しょくりょう不足ふそくの時期じきには沿線えんせんの農村のうそんに向むかう買出かいだし客きゃくが殺到さっとうし、車両しゃりょうの屋根やねに乗客じょうきゃくが乗のるほどであったが、1950年代ねんだい以降いこうはモータリゼーションにより輸送ゆそう量りょうが減少げんしょうした。『文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう』1962年ねん4月がつ号ごうにおいて「石松いしまつ電車でんしゃがんばる！茶ちゃ畠ばたけの中なかを走はしって60年ねん」という記事きじで紹介しょうかいされたが、同年どうねん9月がつに秋葉線あきはせんは廃止はいしされた。同どう区間くかんは自社じしゃの代替だいたいバスに転換てんかんされたが、1996年ねんのバス事業じぎょう分社ぶんしゃ化かに伴ともない、現在げんざいは秋葉あきばバスサービスが代替だいたい路線ろせんを運行うんこうしている。

年表ねんぴょう

• 1897年ねん（明治めいじ30年ねん）11月 - 現在げんざいの袋井ふくろい -遠州森えんしゅうもり町まち間あいだに乗合のりあい馬車ばしゃが開業かいぎょう。それまでの関東かんとう方面ほうめんからの秋葉山あきはさん本宮ほんぐうへの参詣さんけい経路けいろを掛川かけがわから袋井ふくろいに変化へんかさせ、所要しょよう時間じかん短縮たんしゅくに大おおいに寄与きよしたという記録きろくが残のこる。
• 1902年ねん（明治めいじ35年ねん）12月28日にち - 秋葉あきば馬車ばしゃ鉄道てつどうにより、笠りゅう西村にしむら（後ご、袋井ふくろい駅前えきまえ→新しん袋井ふくろい） - 遠州森えんしゅうもり町まち間あいだが馬車ばしゃ鉄道てつどう線せんとして開業かいぎょう。
• 1911年ねん（明治めいじ44年ねん）12月28日にち - 可か睡ねむ支線しせんが開通かいつう。
• 1919年ねん（大正たいしょう8年ねん）12月 - 駿しゅん遠どお電気でんきの役員やくいんによって秋葉あきば鉄道てつどう株式会社かぶしきがいしゃが設立せつりつ。
• 1922年ねん（大正たいしょう11年ねん）11月 - 秋葉あきば鉄道てつどうが、秋葉あきば自動車じどうしゃ（のちの秋葉あきば自動車じどうしゃ運輸うんゆ商会しょうかい）に乗客じょうきゃくを急速きゅうそくに奪うばわれた秋葉あきば馬車ばしゃ鉄道てつどうを吸収きゅうしゅう合併がっぺい。
• 1923年ねん（大正たいしょう12年ねん）2月がつ28日にち - 駿しゅん遠どお電気でんきが静岡しずおか電気でんき鉄道てつどうに改称かいしょうされ、3月12日にちに秋葉あきば鉄道てつどうの合併がっぺいが認可にんかされた。これにより、静岡しずおか電気でんき鉄道てつどう秋葉線あきはせんとなった。
• 1925年ねん（大正たいしょう14年ねん）- 新しん袋井ふくろい - 可か睡ねむ間あいだを、軌間きかん1067mmの電気でんき鉄道てつどうへ改あらためる。
• 1926年ねん（大正たいしょう15年ねん）12月25日にち - 全線ぜんせんの改あらため軌と電化でんか完成かんせい。
• 1943年ねん（昭和しょうわ18年ねん）5月15日にち - 静岡しずおか電気でんき鉄道てつどう、中ちゅう遠どお鉄道てつどう、藤ふじ相しょう鉄道てつどう、静岡しずおか乗合のりあい自動車じどうしゃ、静岡しずおか交通こうつう自動車じどうしゃの5社しゃ合併がっぺいにより静岡鉄道しずおかてつどうが発足ほっそくし、これにより静岡鉄道しずおかてつどう秋葉線あきはせんとなった。
• 1944年ねん（昭和しょうわ19年ねん）12月7日にち - 昭和しょうわ東ひがし南海なんかい地震じしんにより、全線ぜんせんが大おおきな被害ひがいを受うける。
• 1945年ねん（昭和しょうわ20年ねん）1月がつ31日にち - 可か睡ねむ支線しせん、可か睡ねむ口くち - 可か睡ねむ間あいだを休止きゅうし。
• 1962年ねん（昭和しょうわ37年ねん）9月がつ20日はつか - 全線ぜんせんが廃止はいしされ、静岡鉄道しずおかてつどう自動車じどうしゃ部ぶにより代行だいこうバスとして秋葉線あきはせんの運行うんこうが開始かいし。

運行うんこう概況がいきょう

• 所要しょよう時間じかん：袋井ふくろい駅えき前まえ（後ご、新しん袋井ふくろい） - 遠州森えんしゅうもり町まち間あいだ43分ふん、可か睡ねむ口くち - 可か睡ねむ間あいだ3分ふん（1940年ねん3月がつ改正かいせい時じ）
• 運行うんこう間隔かんかく：全ぜん区間くかんほぼ毎時まいじ1・2本ほん（1940年ねん3月がつ改正かいせい時じ）

車両しゃりょう

秋葉線あきはせんの車両しゃりょうは客きゃく貨車かしゃ問とわずすべて木造もくぞう車しゃである。電動でんどう客車きゃくしゃはいずれも小型こがたの路面ろめん電車でんしゃタイプの車両しゃりょうで、当初とうしょはヴェスティビュール付つきだがドアなしのオープンデッキであった。ブレーキは手てブレーキを常用じょうよう。単行たんこうもしくは客車きゃくしゃ・貨車かしゃ1両りょうを牽引けんいんして運行うんこうされた。電化でんか開業かいぎょうから廃はい線せんまでリンクとバッファーを装備そうびした連結れんけつ器きを使つかい続つづけ、終点しゅうてんでは機き回まわしを行おこなって電動でんどう車しゃと付随ふずい車しゃを入いれ替かえした。

山梨やまなし駅えきの車庫しゃこは工場こうじょう併設へいせつで、最さい末期まっきまで車両しゃりょうの設備せつび更新こうしんを積極せっきょく的てきに実施じっしした。ドアなしのオープンデッキだった電動でんどう客車きゃくしゃ・電動でんどう貨車かしゃと付随ふずい客車きゃくしゃハ3に後年こうねんドアを取とり付つけ（モハ7（初代しょだい）を除のぞく。）、モハ3（2代だい）・ハ3・ハ5（2代だい）の二に重じゅう屋根やね（ダブルルーフ）を丸屋まるや根ねに改造かいぞうした。集しゅう電でん装置そうちはトロリーポールをシングルで用もちいたが1959年ねんにトロリーポールをYゲルに改造かいぞうし、一部いちぶ車両しゃりょうは1961年ねんにパンタグラフ化かを実施じっし、さらにモハ6・モハ7（2代だい）・モハ8をボギぼぎー車しゃ化か改造かいぞうした。

以下いか、改あらため番ばん・改造かいぞう履歴りれきを含ふくめ各かく車両しゃりょうについて記しるす。

電車でんしゃ

• モハ1（初代しょだい） -モハ3（初代しょだい）: 天野あまの工場こうじょう製せい。1920年ねん玉川たまがわ電気でんき軌道きどうから譲受じょうじゅ。1925年ねんの当とう線せん電化でんか開業かいぎょうまでの消息しょうそくは不ふ詳しょう。モハ2（初代しょだい）、モハ3（初代しょだい）は1948年ねん廃車はいしゃ、モハ1（初代しょだい）は1950年ねん電装でんそう解除かいじょしてハ5（初代しょだい）になった。
• モハ1（2代だい） - モハ3（2代だい） : 1925年ねん鶴見つるみ木工もっこう所しょ製せい。静岡しずおか清水しみず地区ちくで10・11・12の車くるま番ばんで使用しようされたのち1942年ねん当とう線せんに転入てんにゅう。1948年ねんにモハ1（初代しょだい） - 3（初代しょだい）と入いれ替かわる形かたちで10・11・12→モハ1（2代だい）・モハ2（2代だい）・モハ3（2代だい）と改あらため番ばん。1959年ねんにトロリーポールをYゲル化か、モハ3（2代だい）は1961年ねんにパンタグラフ化か。
• モハ5・モハ6・モハ7（初代しょだい）: 1925年ねん日本にっぽん車輌しゃりょう製せい。モハ7（初代しょだい）は事実じじつ上じょうの休きゅう車しゃ状態じょうたいで保管ほかん中ちゅうにモハ9に改あらため番ばんの上うえ1956年ねん廃車はいしゃ→電装でんそう解除かいじょしてハ5（2代だい）に振ふり替かえ（無認可むにんか）。モハ5・モハ6は1959年ねんにトロリーポールをYゲル化か、1961年ねんにYゲルのポール部ぶに関節かんせつを設もうけ2機きを向むかい合あわせに接合はぎあわしてパンタグラフ化か。モハ6は1960年ねん台車だいしゃをブリル27GE-1に交換こうかんしてボギぼぎー車しゃ化か。
• モハ7（2代だい）・モハ8 : 1926年ねん日本にっぽん車輌しゃりょう製せい。元もとモハ10・モハ11。1954年ねん改あらため番ばんしてモハ7（2代だい）・モハ8。1959年ねん日本にっぽん車輌しゃりょうS形かたち単たん台車だいしゃを切断せつだん・接合せつごうして重かさね板ばんばねによる枕まくらばねとスイングボルスターを装備そうびした自社じしゃ工場こうじょう製せいボギー台車だいしゃに交換こうかんしてボギぼぎー車しゃ化か。1959年ねんにトロリーポールをYゲル化か、1961年ねんにパンタグラフ化か。
• デ3・デ5→デワ1 : 有蓋ゆうがい電動でんどう貨車かしゃ、1924年ねん日本にっぽん車輌しゃりょう製せい。静岡しずおか電気でんき鉄道てつどう（現げん静岡鉄道しずおかてつどう静岡清水線しずおかしみずせん）で使用しようされたのち1927年ねん当とう線せんに転入てんにゅう。当初とうしょはデ3・デ5。デ3は1948年ねん廃車はいしゃ。デ5は1954年ねんに改あらため番ばんされてデワ1。1957年ねんに存在そんざいが確認かくにんできるが秋葉線あきはせん廃はい線せんを待またず廃車はいしゃされた。静岡しずおか電気でんき鉄道てつどうデ10形かたち電車でんしゃ、水浜みずはま電車でんしゃ1・ 2（有蓋ゆうがい電動でんどう貨車かしゃ）と同型どうけい。

客車きゃくしゃ

• ハ1 - 3 : 天野あまの工場こうじょう製せい。モハ1（初代しょだい） - 3（初代しょだい）と共ともに1920年ねん玉川たまがわ電気でんき軌道きどうより譲受じょうじゅ。駿しゅん遠どお電気でんき→静岡しずおか電気でんき鉄道てつどうの別べつ路線ろせん（のちの静岡しずおか清水しみず線せんおよび静岡しずおか市内しない線せんか）で使用しようされたのち1926年ねんに当とう線せんに転属てんぞく。元もとはサハ1 - 3と称しょうし、1954年ねんハ1 - 3に改あらため番ばん。
• ハ5（初代しょだい）: 旧きゅうモハ1（初代しょだい）。天野あまの工場こうじょう製せい。1920年ねん玉川たまがわ電気でんき軌道きどうより譲受じょうじゅ。1950年ねん電装でんそう解除かいじょして客車きゃくしゃ化か。ハ5（2代だい）と振ふり替かえて廃車はいしゃ（無認可むにんか）。
• ハ5（2代だい）: 旧きゅうモハ7（初代しょだい）→改あらため番ばんで旧きゅうモハ9（初代しょだい）を1956年ねん廃車はいしゃ→電装でんそう解除かいじょしてハ5（2代だい）に振ふり替かえ（無認可むにんか）。

貨車かしゃ

• ワフ1 - 3 : 有蓋ゆうがい車しゃ、1925年ねん日本にっぽん車輌しゃりょう製せい。
• トフ1 - 3 : 無蓋むがい車しゃ、1925年ねん日本にっぽん車輌しゃりょう製せい。

全線ぜんせん廃止はいし後ご、一部いちぶの車両しゃりょうについては、台車だいしゃやパンタグラフなどの機器ききが取とり外はずされ、沿線えんせんの事業じぎょう所しょ・幼稚園ようちえん・個人こじんに車体しゃたいのみが引ひき取とられた。それらは休憩きゅうけい所しょや倉庫そうこなどとして再さい利用りようするためのもので、年月としつきの経過けいかとともに解体かいたい処分しょぶんされていったが、このうちの1両りょう・モハ7（2代だい）は当初とうしょ袋井ふくろい市し内うちを転々てんてんとし、後のちに森町もりまちの自動車じどうしゃ整備せいび会社かいしゃに設置せっちされ、従業じゅうぎょう員いんの休憩きゅうけい室しつとして使用しようされていたところを袋井ふくろい市し職員しょくいんが偶然ぐうぜん発見はっけんし、1991年ねんに袋井ふくろい市しに引ひき取とられ、現在げんざい市役所しやくしょの倉庫そうこに収蔵しゅうぞうされている。当初とうしょは復元ふくげんの予定よていがあったが、現在げんざい諸しょ事情じじょうによって実現じつげんしていない。

停留所ていりゅうじょ

廃止はいし時点じてん

本線ほんせん

新しん袋井ふくろい（しんふくろい） - 袋井ふくろい町まち（ふくろいちょう） - 永楽えいらく町まち（えいらくちょう） - 一軒家いっけんや（いっけんや） - 可か睡ねむ口くち（かすいぐち） - 平宇ひらう（ひらう） - 山科やましな学校がっこう前まえ（やましながっこうまえ） - 下山梨しもやまなし（しもやまなし） - 山梨やまなし（やまなし） - 市場いちば（いちば） - 天王てんのう（てんおう） - 飯田いいだ（いいだ） - 観音寺かんおんじ（かんのんじ） - 福田ふくだ地ち（ふくでんじ） - 戸と綿めん口こう（とわたぐち） - 森川もりかわ橋きょう（もりかわばし） - 遠州森えんしゅうもり町まち（えんしゅうもりまち）

可か睡ねむ支線しせん 1945年ねん1月がつに休止きゅうし

可か睡ねむ口くち（かすいぐち） - 可か睡ねむ（かすい）

接続せつぞく路線ろせん

• 新しん袋井ふくろい：国鉄こくてつ東海道本線とうかいどうほんせん（袋井ふくろい駅えき）・静岡鉄道しずおかてつどう駿遠線すんえんせん（社しゃ袋井ふくろい駅えき）

廃はい線せん後ごの状況じょうきょう

元々もともとの路線ろせんが併用へいよう軌道きどうであったこともあり、大だい部分ぶぶんの区間くかんが道路どうろに転用てんようされているほか、区画くかく整理せいりによって線路せんろ跡あと自体じたいが消滅しょうめつしている所ところも存在そんざいする。線路せんろ跡あととして明確めいかくに判わかる部分ぶぶんは、袋井ふくろい町まち - 永楽えいらく町まち間あいだの沖おきノ川かわ橋梁きょうりょうが道路どうろ橋きょうに転用てんようされている程度ていどである。なお袋井ふくろい駅前えきまえには、駅前えきまえの再さい開発かいはつ事業じぎょうに伴ともない解体かいたい撤去てっきょされるまでは秋葉線あきはせんの駅舎えきしゃがバスの待合室まちあいしつ兼けん案内あんない所しょとして存置そんちされており、改札かいさつ口こうのラッチなどもそのまま残のこっていた。原野谷川はらのやがわに掛かかる橋梁きょうりょうも、廃止はいし後ご長ながらく歩行ほこう者しゃと自転車じてんしゃ専用せんよう道路どうろに転用てんようされていたが、1985年ねん頃ごろの台風たいふうによる増水ぞうすいで一部いちぶが流失りゅうしつし、その後ご撤去てっきょされ現存げんそんしない。

秋葉あきばバスサービスの本社ほんしゃ車庫しゃこは秋葉線あきはせんの遠州森えんしゅうもり町まち駅えき跡あとに位置いちする。

2014年ねん（平成へいせい26年ねん）11月30日にち、JR東海とうかい東海道本線とうかいどうほんせんの袋井ふくろい駅えきの新しん駅舎えきしゃが完成かんせいし、北口きたぐちは秋葉線あきはせんの起点きてん駅えきがあったことから『秋葉あきば口くち』という愛称あいしょうが付つけられた。

秋葉線あきはせんが登場とうじょうする作品さくひん

内田うちだ康夫やすおの推理すいり小説しょうせつ『箱庭はこにわ』に森町もりまち界隈かいわいが登場とうじょうした。

参考さんこう文献ぶんけん

• 川島かわしま常雄つねお「静岡鉄道しずおかてつどう秋葉線あきはせんものがたり －時代じだいに翻弄ほんろうされて消きえて行いった小ちいさな電車でんしゃの話はなし－」『鉄道てつどうファン』No. 485、交友こうゆう社しゃ、2001年ねん9月がつ、pp. 96-105。 
• 原口はらぐち隆行たかゆき『日本にっぽんの路面ろめん電車でんしゃII-廃止はいし路線ろせん・東日本ひがしにっぽん編へん-』JTB〈JTBキャンブックス〉、2000年ねん。 
• 吉川よしかわ文夫ふみお・花上はなうえ嘉よしみ成なり『静岡鉄道しずおかてつどう秋葉線あきはせん－石松ひかげのかずら電車でんしゃ始末しまつ記き－』NEKO PUBLISHING〈RM LIBRARY 18〉、2001年ねん。 
• 今尾いまお恵めぐみ介かい（監修かんしゅう）『日本にっぽん鉄道てつどう旅行りょこう地図ちず帳ちょう』 7 東海とうかい、新潮社しんちょうしゃ、2008年ねん。ISBN 978-4-10-790025-8。 
• 奥田おくだ愛あい三さん「静岡しずおか鉄道てつどう〔電車でんしゃ線せん〕」『鉄道てつどうピクトリアル』No. 140、交友こうゆう社しゃ、1963年ねん1月がつ、pp. 67。 
• 吉川よしかわ文夫ふみお・道どう村むら博ひろし・宮松みやまつ丈夫じょうふ「またひとつトロリーラインは消きえた 静岡鉄道しずおかてつどう秋葉線あきはせん」『鉄道てつどうファン』No. 17、交友こうゆう社しゃ、1962年ねん11月、pp. 55-59。 

関連かんれん項目こうもく

• 静岡鉄道しずおかてつどう
• 秋葉あきばバスサービス
• 静岡しずおか電気でんき鉄道てつどうデ10形かたち電車でんしゃ - 静岡しずおか電気でんき鉄道てつどう（現げん静岡鉄道しずおかてつどう静岡清水線しずおかしみずせん）デ3・デ5が秋葉線あきはせんへ転出てんしゅつとなったことから、増ぞう備された電動でんどう貨車かしゃ。同線どうせんの長沼ながぬま車庫しゃこに保存ほぞんされている。