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防衛ぼうえい省しょう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
日本の旗 日本にっぽんの行政ぎょうせい機関きかん
防衛ぼうえい省しょう（ぼうえいしょう）
Ministry of Defense
防衛省が設置される防衛省庁舎A棟（左奥）と 防衛省庁舎正門（手前）
防衛ぼうえい省しょうが設置せっちされる防衛ぼうえい省庁しょうちょう舎しゃA棟とう（左ひだり奥おく）と
防衛ぼうえい省庁しょうちょう舎しゃ正門せいもん（手前てまえ）
役職やくしょく
大臣だいじん 木原きはら稔みのる
副ふく大臣だいじん 鬼木おにき誠まこと
大臣だいじん政務せいむ官かん 松本まつもと尚しょう
三宅みやけ伸吾しんご
大臣だいじん補佐ほさ官かん 高見たかみ康裕やすひろ[1]
事務次官じむじかん 増田ますだ和夫かずお
組織そしき
上部じょうぶ組織そしき 内閣ないかく[2]
内部ないぶ部局ぶきょく 大臣だいじん官房かんぼう
防衛ぼうえい政策せいさく局きょく
整備せいび計画けいかく局きょく
人事じんじ教育きょういく局きょく
地方ちほう協力きょうりょく局きょく
審議しんぎ会かい等とう 自衛隊じえいたい員いん倫理りんり審査しんさ会かい
防衛ぼうえい施設しせつ中央ちゅうおう審議しんぎ会かい
捕虜ほりょ資格しかく認定にんてい等とう審査しんさ会かい
防衛ぼうえい人事じんじ審議しんぎ会かい
施設しせつ等とう機関きかん 防衛大学校ぼうえいだいがくこう
防衛医科大ぼうえいいかだい学校がっこう
防衛ぼうえい研究所けんきゅうじょ
特別とくべつの機関きかん 防衛ぼうえい会議かいぎ
統合とうごう幕僚監部ばくりょうかんぶ
陸上りくじょう幕僚監部ばくりょうかんぶ
海上かいじょう幕僚監部ばくりょうかんぶ
航空こうくう幕僚監部ばくりょうかんぶ
陸上りくじょう自衛隊じえいたい
海上かいじょう自衛隊じえいたい
航空こうくう自衛隊じえいたい
情報じょうほう本部ほんぶ
防衛ぼうえい監察かんさつ本部ほんぶ
（外国がいこく軍ぐん用品ようひん審判しんぱん所しょ）
地方ちほう支ささえ分ぶん部局ぶきょく 地方ちほう防衛ぼうえい局きょく
外局がいきょく 防衛ぼうえい装備そうび庁ちょう
概要がいよう
法人ほうじん番号ばんごう 9000012120001 ウィキデータを編集
所在地しょざいち 〒162-8801
東京とうきょう都と新宿しんじゅく区く市谷本村いちがやほんむら町まち5番ばん1号ごう
北緯ほくい35度ど41分ふん34.8秒びょう 東経とうけい139度ど43分ふん40.8秒びょう / 北緯ほくい35.693000度ど 東経とうけい139.728000度ど / 35.693000; 139.728000座標ざひょう: 北緯ほくい35度ど41分ふん34.8秒びょう 東経とうけい139度ど43分ふん40.8秒びょう / 北緯ほくい35.693000度ど 東経とうけい139.728000度ど / 35.693000; 139.728000
定員ていいん 268,125人にん
内訳うちわけ　自衛じえい官かん以外いがいの職員しょくいん20,971人にん（うち一般いっぱん職しょく26人にん）[3]。
自衛じえい官かん247,154人にん[4]。
（定員ていいん外がいの防衛大学校ぼうえいだいがくこう学生がくせい、予備よび自衛じえい官かん、即応そくおう予備よび自衛じえい官かん等ひとしを除のぞく。）
年間ねんかん予算よさん 6兆ちょう7879億おく6544万まん6千せん円えん[5]（2023年度ねんど）
設置せっち根拠こんきょ法令ほうれい 防衛ぼうえい省しょう設置せっち法ほう
設置せっち 2007年ねん（平成へいせい19年ねん）1月がつ9日にち
前身ぜんしん 防衛庁ぼうえいちょう
ウェブサイト
www.mod.go.jp ウィキデータを編集
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防衛ぼうえい省しょう（ぼうえいしょう、英えい: Ministry of Defense[注釈ちゅうしゃく 1]、略称りゃくしょう: MOD）は、日本にっぽんの行政ぎょうせい機関きかんのひとつ[6]。自衛隊じえいたいの管理かんり・運営うんえい及および日米にちべい安全あんぜん保障ほしょう条約じょうやくに係かかる事務じむを所管しょかんする[注釈ちゅうしゃく 2]。

本省ほんしょうは「防衛ぼうえい省しょう」と呼称こしょうされるが、英えい称しょうは国防省こくぼうしょうと日本語にほんご訳やくされるもの[注釈ちゅうしゃく 3]と同おなじである。

概説がいせつ[編集へんしゅう]

戦争せんそう放棄ほうき及および戦力せんりょくの不ふ保持ほじを定さだめた日本国にっぽんこく憲法けんぽう第だい9条じょうのもと、日本にっぽんの国防こくぼうを所管しょかんする行政ぎょうせい機関きかんであり、国家こっか行政ぎょうせい組織そしき法ほう第だい3条じょうおよび防衛ぼうえい省しょう設置せっち法ほう第だい2条じょうに基もとづき内閣ないかくの統轄とうかつの下したに設置せっちされる。長ちょうである防衛ぼうえい大臣だいじんは、陸海空りくかいくう自衛隊じえいたいを含ふくむ防衛ぼうえい省しょう全体ぜんたいの組織そしきを統括とうかつする。

任務にんむは「我わが国くにの平和へいわと独立どくりつを守まもり、国くにの安全あんぜんを保たもつことを目的もくてきとし、これがため、陸上りくじょう自衛隊じえいたい、海上かいじょう自衛隊じえいたい及および航空こうくう自衛隊じえいたいを管理かんりし、及および運営うんえいし、並ならびにこれに関かんする事務じむを行おこなうこと」（防衛ぼうえい省しょう設置せっち法ほう第だい3条じょう1項こう）および「条約じょうやくに基もとづく外国がいこく軍隊ぐんたいの駐留ちゅうりゅう及および日本にっぽん国こくとアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくとの間あいだの相互そうご防衛ぼうえい援助えんじょ協定きょうていの規定きていに基もとづくアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく連邦れんぽう政府せいふの責務せきむの本邦ほんぽうにおける遂行すいこうに伴ともなう事務じむで他たの行政ぎょうせい機関きかんの所掌しょしょうに属ぞくしないものを適切てきせつに行おこなうこと」（同どう法ほう第だい3条じょう2項こう）と規定きていする。

ジブチ共和きょうわ国こくに駐留ちゅうりゅうしている自衛隊じえいたいの拠点きょてん。

また日本にっぽんジブチ地位ちい協定きょうていに係かかる事務じむとその協定きょうていに基もとづいてジブチ共和きょうわ国こくに駐留ちゅうりゅうしている自衛隊じえいたい員いんと自衛隊じえいたい基地きちの管理かんり等とうも行おこなう。

シンボルマークは“青あおい球たま（地球ちきゅう）を守まもるように抱かかえる緑色みどりいろのヒトの形かたちの上半身じょうはんしん”である（自衛隊じえいたい員いんを象徴しょうちょうする）。

1950年ねん（昭和しょうわ25年ねん）、前身ぜんしんである警察けいさつ予備よび隊たい本部ほんぶが発足ほっそくし、その後ご保安庁ほあんちょうを経へて、1954年ねん（昭和しょうわ29年ねん）7月がつ1日にち以来いらい、防衛庁ぼうえいちょうとして総理府そうりふ、内閣ないかく府ふの外局がいきょくだったが、2007年ねん（平成へいせい19年ねん）1月がつ9日にちに防衛ぼうえい省しょうへ移行いこう、内閣ないかくの統轄とうかつの下したに行政ぎょうせい事務じむをつかさどる機関きかんである省しょうの一ひとつとなった。同年どうねん9月がつ1日にちに防衛施設庁ぼうえいしせつちょうが内部ないぶ部局ぶきょくの地方ちほう協力きょうりょく局きょくと地方ちほう支ささえ分ぶん部局ぶきょくの地方ちほう防衛ぼうえい局きょくに再編さいへんされたうえで統合とうごうされた。

内部ないぶ部局ぶきょくとして大臣だいじん官房かんぼう、防衛ぼうえい政策せいさく局きょく、整備せいび計画けいかく局きょく、人事じんじ教育きょういく局きょく、地方ちほう協力きょうりょく局きょくを、審議しんぎ会かい等とうとして防衛ぼうえい施設しせつ中央ちゅうおう審議しんぎ会かい、自衛隊じえいたい員いん倫理りんり審査しんさ会かい及および防衛ぼうえい人事じんじ審議しんぎ会かいを、施設しせつ等とう機関きかんとして防衛大学校ぼうえいだいがくこう、防衛医科大ぼうえいいかだい学校がっこう及および防衛ぼうえい研究所けんきゅうじょを、 特別とくべつの機関きかんとして防衛ぼうえい会議かいぎ、統合とうごう幕僚監部ばくりょうかんぶ、陸上りくじょう幕僚監部ばくりょうかんぶ、海上かいじょう幕僚監部ばくりょうかんぶ、航空こうくう幕僚監部ばくりょうかんぶ、陸上りくじょう自衛隊じえいたい、海上かいじょう自衛隊じえいたい及および航空こうくう自衛隊じえいたい等とうを、地方ちほう支ささえ分ぶん部局ぶきょくとして8つの地方ちほう防衛ぼうえい局きょくを、外局がいきょくとして防衛ぼうえい装備そうび庁ちょうを置おく。陸上りくじょう自衛隊じえいたい、海上かいじょう自衛隊じえいたい及および航空こうくう自衛隊じえいたいとは、対応たいおうする陸海空りくかいくう幕僚監部ばくりょうかんぶ並ならびに統合とうごう幕僚ばくりょう長ちょう及および対応たいおうする陸海空りくかいくう幕僚ばくりょう長ちょうの監督かんとくを受うける部隊ぶたい及および機関きかんとされている（自衛隊じえいたい法ほう2条じょう2〜4項こう）。

行政ぎょうせい組織そしき法ほう上じょうはこれらすべての機関きかんが防衛ぼうえい省しょうの一部いちぶであるが、マスコミ報道ほうどうにおいては特別とくべつの機関きかんである陸海空りくかいくう自衛隊じえいたいを除のぞいた部分ぶぶん、特とくに内部ないぶ部局ぶきょくのみを指さして防衛ぼうえい省しょうと呼よぶことが多おおい。自衛隊じえいたい（陸上りくじょう自衛隊じえいたい、海上かいじょう自衛隊じえいたい及および航空こうくう自衛隊じえいたい）とは、自衛隊じえいたい法ほう上うえは審議しんぎ会かい等とうと駐留ちゅうりゅう軍ぐん等とう労働ろうどう者しゃの労務ろうむ管理かんり等とうをつかさどる部局ぶきょく（防衛ぼうえい省しょう地方ちほう協力きょうりょく局きょく労務ろうむ管理かんり課か）を除外じょがいした防衛ぼうえい大臣だいじん以下いか、内部ないぶ部局ぶきょくからを含ふくむ防衛ぼうえい省しょうの全体ぜんたいを指さし（自衛隊じえいたい法ほう2条じょう1項こう）、つまり「防衛ぼうえい省しょう」と「自衛隊じえいたい」はほぼ同一どういつの組織そしきのことを指さしている。一方いっぽう、防衛ぼうえい省しょう設置せっち法ほうに基もとづく国くにの行政ぎょうせい機関きかんとしての側面そくめんからの名称めいしょうが「防衛ぼうえい省しょう」、国防こくぼう等とうの職務しょくむを担になう軍事ぐんじ的てき組織そしきとしての側面そくめんからの名称めいしょうが「自衛隊じえいたい」ということになる。

隊員たいいんとは防衛ぼうえい省しょうの職員しょくいんで、防衛ぼうえい大臣だいじん、防衛ぼうえい副ふく大臣だいじん、防衛ぼうえい大臣だいじん政務せいむ官かん、防衛ぼうえい大臣だいじん補佐ほさ官かん、防衛ぼうえい大臣だいじん政策せいさく参与さんよ、防衛ぼうえい大臣だいじん秘書官ひしょかん、審議しんぎ会かい等とう委員いいん及および地方ちほう協力きょうりょく局きょく労務ろうむ管理かんり課か職員しょくいん以外いがいのものをいう（自衛隊じえいたい法ほう2条じょう5項こう）。防衛ぼうえい事務次官じむじかん、防衛ぼうえい書記官しょきかん、防衛ぼうえい部員ぶいんをはじめとする内部ないぶ部局ぶきょく等とうのいわゆる文官ぶんかんは、自衛隊じえいたい員いんであるとされており、自衛じえい官かん（制服せいふく組ぐみ）と同様どうように、「事ことに臨のぞんでは危険きけんを顧かえりみず、身みをもって責務せきむの完遂かんすいに努つとめる」という文言もんごんを含ふくむ服務ふくむの宣誓せんせいを行おこなうこととされている（自衛隊じえいたい法ほう53条じょう、自衛隊じえいたい法ほう施行しこう規則きそく39条じょう）。

単一たんいつの省しょうとしては最もっとも多おおくの職員しょくいんが在籍ざいせきする行政ぎょうせい機関きかんであり、防衛ぼうえい省しょう職員しょくいんへの給与きゅうよは国家こっか公務員こうむいん給与きゅうよ費ひの4割わり以上いじょうを占しめる。2023年度ねんどの一般いっぱん会計かいけい予算よさんは6兆ちょう7879億おく6544万まん6千せん円えん[5]である。2002年ねん度ど（平成へいせい14年度ねんど）の4兆ちょう9345億おく円えんから2012年度ねんど（平成へいせい24年度ねんど）の4兆ちょう6453億おく円えんまで11年ねん連続れんぞくで減少げんしょうを続つづけていたが、第だい2次じ安倍あべ内閣ないかくの成立せいりつ後ごは増額ぞうがくしている。

外務省がいむしょうとの関係かんけいでは、2023年ねん（令れい和わ5年ねん）1月がつ1日にち現在げんざい、防衛ぼうえい駐ちゅう在官ざいかん72名めい（陸りく33名めい、海うみ20名めい、空そら19名めい）が、外務省がいむしょうに出向しゅっこうして86大使館たいしかん6政府せいふ代表だいひょう部ぶ（兼務けんむを除のぞく在勤ざいきんとしては49大使館たいしかん2政府せいふ代表だいひょう部ぶ)に派遣はけんされている[7]。

沿革えんかく[編集へんしゅう]

前史ぜんし[編集へんしゅう]

「防衛庁ぼうえいちょう」の看板かんばん（1954年ねん6月がつ）

明治めいじ2年ねんから明治めいじ5年ねんにかけて「国くにの防衛ぼうえいと治安ちあん維持いじ」を管轄かんかつとする兵部ひょうぶ省しょう（ひょうぶしょう）という省庁しょうちょうが存在そんざいし、これは陸軍りくぐん省しょうと海軍かいぐん省しょうに分離ぶんり・改組かいそされ日本にっぽんの軍事ぐんじを担になっていた。1945年ねん（昭和しょうわ20年ねん）の十じゅう五ご年ねん戦争せんそう（支ささえ那な事変じへん・大だい東亜とうあ戦争せんそう・第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん）終結しゅうけつにより陸軍りくぐん省しょうは第だい一いち復員ふくいん省しょう、海軍かいぐん省しょうは第だい二に復員ふくいん省しょうに改組かいそされたのち、統合とうごうされ復員ふくいん庁ちょうとなり1947年ねん（昭和しょうわ22年ねん）に廃止はいしされた。

詳細しょうさいは「復員ふくいん庁ちょう#概要がいよう」および「社会しゃかい・援護えんご局きょく#所掌しょしょう業務ぎょうむ」を参照さんしょう

現在げんざいの防衛ぼうえい省しょうの直接ちょくせつの前身ぜんしんは、1950年ねん（昭和しょうわ25年ねん）6月がつの朝鮮ちょうせん動乱どうらん（韓国かんこく名めい6･25戦争せんそう、北朝鮮きたちょうせん名めい祖国そこく解放かいほう戦争せんそう）勃発ぼっぱつを受うけて発足ほっそくした警察けいさつ予備よび隊たい本部ほんぶ（けいさつよびたいほんぶ）に遡さかのぼることができる。その後ご、保安庁ほあんちょう（ほあんちょう）、防衛庁ぼうえいちょう（ぼうえいちょう）を経へて現在げんざいの防衛ぼうえい省しょうに至いたる。

「逆ぎゃくコース#「逆ぎゃくコース」といわれるもの」および「朝鮮ちょうせん戦争せんそう#逆ぎゃくコース」も参照さんしょう

設置せっち[編集へんしゅう]

防衛ぼうえい省しょう発足ほっそく当時とうじのアルミ合金ごうきん製せい仮かり看板かんばん（看板かんばんの作製さくせいが間まに合あわないため、アルミ合金ごうきんの仮かり看板かんばんを採用さいようしていた）
仮かり看板かんばんを掲かかげていた正門せいもん

防衛ぼうえい省しょうの前身ぜんしんである防衛庁ぼうえいちょうは、半はん世紀せいきあまりの間あいだ「庁ちょう」のまま国家こっか行政ぎょうせい組織そしき法ほう上じょうの位置付いちづけの変更へんこうは行おこなわれなかったが、その間あいだも「省しょう」へ移行いこう（府ふ省しょうの外局がいきょくである庁ちょうから内閣ないかく直属ちょくぞくの省しょうへ昇格しょうかく）させるべきとの意見いけんは根強ねづよく、検討けんとう議論ぎろんは頻繁ひんぱんになされていた。しかし、具体ぐたい的てきな提案ていあんとして、防衛庁ぼうえいちょうの省しょう移行いこうが政治せいじ日程にっていに上のぼったのは、小泉こいずみ政権せいけん後期こうきの2005年ねん後半こうはんのことで、第だい1次じ安倍あべ政権せいけん下したの2007年ねん1月がつに実現じつげんした。この間あいだの経緯けいいは以下いかのとおりである。

省しょうへの移行いこうによって、内閣ないかく法ほうにいう主任しゅにんの大臣だいじんは、総理府そうりふ・内閣ないかく府ふの長ちょうたる内閣ないかく総理そうり大臣だいじんから防衛ぼうえい大臣だいじんとなった。すなわち、防衛ぼうえい大臣だいじんは防衛ぼうえい省しょうの所掌しょしょう事務じむである国防こくぼうについて分担ぶんたん管理かんりする大臣だいじんとして責任せきにんを負おう。しかし、防衛ぼうえい大臣だいじんが自衛隊じえいたいに対たいして命令めいれいできる行動こうどうは「海上かいじょう警備けいび行動こうどう」までであり、それより上位じょういの「警護けいご出動しゅつどう」・「治安ちあん出動しゅつどう」、最さい上位じょういの「防衛ぼうえい出動しゅつどう」は内閣ないかくの首長しゅちょうとしての内閣ないかく総理そうり大臣だいじんに命令めいれい権けんが与あたえられている。このため、省しょうへの移行いこうに伴ともなう防衛ぼうえい大臣だいじん（旧きゅう防衛庁ぼうえいちょう長官ちょうかん）の職責しょくせき上じょうの変更へんこう点てんは、閣議かくぎへの請議や財務ざいむ大臣だいじんへの予算よさん要求ようきゅう、省令しょうれいの制定せいていなどが防衛ぼうえい大臣だいじんの名なにおいて行おこなえるようになったことに留とどまった。したがって、省しょうへの移行いこうの具体ぐたい的てきな効果こうかは事務じむ手続てつづきのごく若干じゃっかんの緩和かんわ、庁ちょうより格かくが高たかいとされる省しょうへの名称めいしょう変更へんこうによる隊員たいいんと職員しょくいんの士気しき向上こうじょう、他国たこくの国防こくぼう機関きかんとの均衡きんこうの改善かいぜんなどが挙あげられている[注釈ちゅうしゃく 4]。

山田やまだ洋行ひろゆき事件じけんと防衛ぼうえい省しょう改革かいかく[編集へんしゅう]

2007年ねん（平成へいせい19年ねん）11月27日にち、守屋もりや武たけ昌あきらが東京とうきょう地検ちけんの事情じじょう聴取ちょうしゅを受うけ、軍需ぐんじゅ専門せんもん商社しょうしゃである山田やまだ洋行ひろゆきの元もと専務せんむからゴルフ旅行りょこうなどの接待せったいを受うけた見返みかえりに防衛ぼうえい装備そうび品ひんの調達ちょうたつで便宜べんぎを図はかった疑うたがいが強つよまったとして、妻つまと共ともに収賄しゅうわい容疑ようぎで逮捕たいほされた。それだけで終おわらず守屋もりやは庁ちょうの頃ころからゴルフ旅行りょこうなどを行おこなっており、かつての長官ちょうかん（久間くま章生あきお、額がく賀が福ぶく志郎しろう）も事件じけんの関与かんよの疑うたがいもあり、一部いちぶの雑誌ざっしで庁ちょうへ格下かくさげ論ろんを取とり上あげられるなどした（山田やまだ洋行ひろゆき事件じけん）。

この事件じけんや他たの不祥事ふしょうじ（防衛ぼうえい秘密ひみつの漏洩ろうえい、報告ほうこく義務ぎむ違反いはん）を踏ふまえ、町村ちょうそん信孝のぶたか内閣ないかく官房かんぼう長官ちょうかんは2007年ねん（平成へいせい19年ねん）11月に防衛ぼうえい省しょうが抱かかえる問題もんだいについて検討けんとうを行おこなう場ばとして「防衛ぼうえい省しょう改革かいかく会議かいぎ」を開催かいさいすることを決定けっていした。会議かいぎは12月から開催かいさいされ、南みなみ直哉なおやが座長ざちょうに就任しゅうにんした後のち、2008年ねんの12月まで1年ねんにわたって12回かい開催かいさいされた。2008年ねん（平成へいせい20年ねん）7月がつ15日にちに会議かいぎは「報告ほうこく書しょ - 不祥事ふしょうじの分析ぶんせきと改革かいかくの方向ほうこう性せい」を福田ふくだ康夫やすお内閣ないかく総理そうり大臣だいじんに答申とうしんした。報告ほうこく書しょの改革かいかく案あんには防衛ぼうえい大臣だいじんを中心ちゅうしんとする政策せいさく決定けってい機構きこうの充実じゅうじつとして、防衛ぼうえい参事官さんじかん制度せいどを廃止はいしし、防衛ぼうえい大臣だいじん補佐ほさ官かん（現げん防衛ぼうえい大臣だいじん政策せいさく参与さんよ）を設置せっちすること、防衛ぼうえい会議かいぎを法律ほうりつで明確めいかくに位置いちづけることが盛もり込こまれていた。

この報告ほうこく書しょを受うけて、「防衛ぼうえい省しょう設置せっち法ほう等とうの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ案あん」が策定さくていされ、2009年ねん（平成へいせい21年ねん）2月がつ17日にちに閣議かくぎ決定けってい、同日どうじつ国会こっかいに提出ていしゅつされた。法案ほうあんは従来じゅうらい訓令くんれいに基もとづく存在そんざいだった「防衛ぼうえい会議かいぎ」を法律ほうりつに規定きていされた組織そしきとして「特別とくべつの機関きかん」に位置いちづけるとともに、防衛ぼうえい参事官さんじかんの廃止はいし、防衛ぼうえい大臣だいじん補佐ほさ官かん3人にん以内いないの新設しんせつをするものだった。法案ほうあんは同年どうねん5月がつ27日にちに可決かけつ成立せいりつし、6月3日にちに「防衛ぼうえい省しょう設置せっち法ほう等とうの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ」（平成へいせい21年ねん法律ほうりつ第だい44号ごう）として公布こうふされ、2009年ねん（平成へいせい21年ねん）8月がつ1日にちに施行しこうされた。

統合とうごう幕僚監部ばくりょうかんぶへの統合とうごう議論ぎろん[編集へんしゅう]

南みなみ直哉なおやを座長ざちょうとする防衛ぼうえい省しょう改革かいかく会議かいぎ[14]は2008年ねん（平成へいせい20年ねん）7月がつ15日にち、防衛ぼうえい省しょう再編さいへんに関かんする最終さいしゅう報告ほうこく書しょをまとめ、福田ふくだ康夫やすお内閣ないかく総理そうり大臣だいじんに提出ていしゅつした。内局ないきょくの運用うんよう企画きかく局きょくを廃止はいしし部隊ぶたい運用うんようを統合とうごう幕僚監部ばくりょうかんぶに一本いっぽん化か、統合とうごう幕僚ばくりょう副長ふくちょうの文官ぶんかん起用きようなど、背広せびろ組ぐみと制服せいふく組ぐみの混合こんごうが柱はしらとなっている[15]。また、2008年ねん（平成へいせい20年ねん）12月22日にちには、防衛ぼうえい省内しょうないの省しょう改革かいかく本部ほんぶ会議かいぎが「基本きほん的てきな考かんがえ方かた」を発表はっぴょうした。同どう報告ほうこく書しょの内容ないようを発展はってん的てきに踏襲とうしゅうし、他た省庁しょうちょうとの調整ちょうせいも含ふくむ運用うんよう部門ぶもんの統幕とうばくへの一本いっぽん化かを盛もり込こんだ。しかし、2009年ねん（平成へいせい21年ねん）8月がつに執行しっこうされた第だい45回かい衆議院しゅうぎいん議員ぎいん総そう選挙せんきょにより生しょうじた政権せいけん交代こうたいの結果けっか本ほん項こうを含ふくむ組織そしき改編かいへんは見送みおくられ、同どう会議かいぎは同年どうねん11月がつ17日にちもって廃止はいしされた[16]。

2015年ねん（平成へいせい27年ねん）6月がつ10日とおかの参議院さんぎいん本ほん会議かいぎにおいて防衛ぼうえい省しょう設置せっち法ほうを改正かいせいする法律ほうりつ[17]が自民じみん・公明こうめい両りょう党とう及および維新いしんの党とうなどの賛成さんせい多数たすうで可決かけつされ、この中なかで背広せびろ組ぐみを主体しゅたいとする運用うんよう企画きかく局きょくを廃止はいしし、部隊ぶたい運用うんようを統幕とうばくに一本いっぽん化かすること、防衛ぼうえい装備そうび品ひんの調達ちょうたつ等とうを一元いちげん的てきに行おこなう防衛ぼうえい装備そうび庁ちょうの設置せっちが盛もり込こまれ[18]、同年どうねん10月がつ1日にち付づけで施行しこうされた。

年表ねんぴょう[編集へんしゅう]

前史ぜんし
防衛ぼうえい省しょう設置せっち後ご
6月がつ10日とおか - 参議院さんぎいん本ほん会議かいぎにおいて「防衛ぼうえい省しょう設置せっち法ほう等とうの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ（平成へいせい27年ねん法律ほうりつ第だい39号ごう）」が自民じみん・公明こうめい両りょう党とう及および維新いしんの党とうなどの賛成さんせい多数たすうで可決かけつ・成立せいりつ。技術ぎじゅつ研究けんきゅう本部ほんぶ、装備そうび施設しせつ本部ほんぶが廃止はいしされ、防衛ぼうえい装備そうび庁ちょうの設置せっちが決きまった。同どう改正かいせい法ほうは同年どうねん10月がつ1日にちに施行しこうされた。
10月1日にち - 防衛ぼうえい省しょう設置せっち法ほう改正かいせい法ほう施行しこうにより防衛ぼうえい装備そうび庁ちょうが設置せっちされ、防衛ぼうえい省しょう組織そしき令れい等とうの改正かいせい[21][22]により以下いかの局きょく等とうが改組かいそされた。
  1. 運用うんよう企画きかく局きょくを廃止はいしし、部隊ぶたい運用うんように関かんする事務じむを統合とうごう幕僚監部ばくりょうかんぶへ一本いっぽん化か。
  2. 技術ぎじゅつ研究けんきゅう本部ほんぶ及および装備そうび施設しせつ本部ほんぶを廃止はいしし、防衛ぼうえい装備そうび庁ちょうに統合とうごう。また、防衛ぼうえい調達ちょうたつ審議しんぎ会かいも防衛ぼうえい装備そうび庁ちょう長官ちょうかんの所轄しょかつに移行いこう。
  3. 大臣だいじん官房かんぼうの技術ぎじゅつ監かんを廃止はいしし、施設しせつ監かんを新設しんせつ。
  4. 防衛ぼうえい政策せいさく局きょくに戦略せんりゃく企画きかく課か、運用うんよう政策せいさく課かおよび訓練くんれん課かを新設しんせつし、防衛ぼうえい計画けいかく課かを整備せいび計画けいかく局きょくに移管いかん（5課かから7課か体制たいせいへ）。
  5. 経理けいり装備そうび局きょくを廃止はいしし、整備せいび計画けいかく局きょくを新設しんせつ（防衛ぼうえい計画けいかく課か、情報じょうほう通信つうしん課か、施設しせつ計画けいかく課かの３課か体制たいせい）。経理けいり装備そうび局きょくの会計かいけい課か、監査かんさ課かを大臣だいじん官房かんぼうに移管いかん（大臣だいじん官房かんぼうは4課かから6課か体制たいせいへ）。
  • 2017年ねん（平成へいせい29年ねん）8月がつ9日にち - 情報じょうほう公開こうかい査察ささつ官かんを新設しんせつ。同月どうげつ、航空こうくう自衛隊じえいたいに宇宙うちゅう部隊ぶたいを創設そうせつすると発表はっぴょう[23][24]。
  • 2019年ねん（平成へいせい31年ねん）4月がつ1日にち - 公文書こうぶんしょ管理かんり官かんを新設しんせつ。
  • 2020年ねん（令れい和わ2年ねん）7月がつ1日にち - 防衛ぼうえい政策せいさく局きょく参事官さんじかんを新設しんせつ。
  • 2021年ねん（令れい和わ3年ねん）7月がつ1日にち[25][26][27]
    • 大臣だいじん官房かんぼう審議しんぎ官かんを6人にんから7人にん、大臣だいじん官房かんぼう参事官さんじかんを3人にんから5人にんに増員ぞういん。
    • 地方ちほう協力きょうりょく局きょくを8課か並ならびに沖縄おきなわ調整ちょうせい官かん1人にん及および調達ちょうたつ官かん1人にんから8課かに改組かいそ。
  • 2023年ねん（令れい和わ5年ねん）7月がつ1日にち[28]
    • 大臣だいじん官房かんぼう参事官さんじかんを5人にんから7人にんに増員ぞういん。
    • 防衛ぼうえい政策せいさく局きょくの戦略せんりゃく企画きかく課か、訓練くんれん課かを廃止はいしし、運用うんよう基盤きばん課かを新設しんせつするとともに参事官さんじかん2人にんを増員ぞういん（7課か・参事官さんじかん1人にんから6課か・参事官さんじかん3人にん体制たいせいへ）。
    • 整備せいび計画けいかく局きょくの情報じょうほう通信つうしん課かをサイバー整備せいび課かに改組かいそ。

所掌しょしょう事務じむ[編集へんしゅう]

防衛ぼうえい省しょう設置せっち法ほう4条じょうは33号ごうにわたって所掌しょしょう事務じむを列記れっきしている。具体ぐたい的てきには以下いかの事項じこうに関かんする事務じむがある。

なお、旧きゅう帝國ていこく陸海りくかい軍ぐんの残務ざんむ処理しょりについては厚生こうせい労働省ろうどうしょう社会しゃかい・援護えんご局きょく援護えんご・業務ぎょうむ課か、旧きゅう軍人ぐんじんに支給しきゅうされる恩給おんきゅうについては総務そうむ省しょう政策せいさく統括とうかつ官かん部局ぶきょく恩給おんきゅう業務ぎょうむ管理かんり官かんが所掌しょしょうする。

「社会しゃかい・援護えんご局きょく#所掌しょしょう事務じむ」および「政策せいさく統括とうかつ官かん (総務そうむ省しょう)#組織そしき」も参照さんしょう
  • 防衛ぼうえい及および警備けいび（1号ごう）
  • 自衛隊じえいたいの行動こうどう（2号ごう）
  • 陸上りくじょう自衛隊じえいたい、海上かいじょう自衛隊じえいたい及および航空こうくう自衛隊じえいたいの組織そしき、定員ていいん、編成へんせい、装備そうび及および配置はいち（3号ごう）
  • 1〜3号ごうの事務じむに必要ひつような情報じょうほうの収集しゅうしゅう整理せいり（4号ごう）
  • 職員しょくいんの人事じんじ（5号ごう）
  • 職員しょくいんの補充ほじゅう（6号ごう）
  • 礼式れいしき及および服ふく制せい（7号ごう）
  • 若年じゃくねん定年ていねん退職たいしょく者しゃ給付きゅうふ金きん（8号ごう）
  • 教育きょういく訓練くんれん（9号ごう）
  • 職員しょくいんの保健ほけん衛生えいせい（10号ごう）
  • 経費けいひ及および収入しゅうにゅうの予算よさんおよび決算けっさん並ならびに会計かいけいおよび会計かいけいの監査かんさ（11号ごう）
  • 施設しせつの取得しゅとく及および管理かんり（12号ごう）
  • 装備そうび品等ひんとうの調達ちょうたつ、補給ほきゅう及および管理かんり並ならびに役務えきむの調達ちょうたつ（13号ごう）
  • 装備そうび品等ひんとうの研究けんきゅう開発かいはつ（14号ごう、15号ごう）
  • 自衛隊じえいたい法ほうの規定きていによる漁船ぎょせんの操業そうぎょうの制限せいげん及および禁止きんし並ならびにこれに伴ともなう損失そんしつの補償ほしょう（16号ごう）
  • 防衛ぼうえいに関かんする知識ちしきの普及ふきゅう及および宣伝せんでん（17号ごう）
  • 調査ちょうさおよび研究けんきゅう（18号ごう）
  • 駐留ちゅうりゅう軍ぐんの使用しように供きょうする施設しせつ及および区域くいきの決定けってい、取得しゅとく及および提供ていきょう並ならびに駐留ちゅうりゅう軍ぐんに提供ていきょうした施設しせつ及および区域くいきの使用しよう条件じょうけんの変更へんこう及および返還へんかん（19号ごう）
  • 沖縄おきなわ県けんにおける境界きょうかい不明ふめい地域ちいき内ないの駐留ちゅうりゅう軍ぐん用地ようち等とうに係かかる土地とちの位置いち境界きょうかいの明確めいかく化か（20号ごう）
  • 防衛ぼうえい施設しせつ周辺しゅうへんの生活せいかつ環境かんきょう等とうの整備せいび（21号ごう）
  • 駐留ちゅうりゅう軍ぐんのための物品ぶっぴん及および役務えきむの調達ちょうたつ並ならびに駐留ちゅうりゅう軍ぐんから返還へんかんされた物品ぶっぴんの管理かんり、返還へんかん及および処分しょぶん（21号ごう）
  • 相互そうご防衛ぼうえい援助えんじょ協定きょうていの実施じっしに係かかる円えん資金しきんの提供ていきょう並ならびに不動産ふどうさん、備品びひん、需品じゅひん及および役務えきむの調達ちょうたつ、提供ていきょう及および管理かんり（23号ごう）
  • 駐留ちゅうりゅう軍ぐん等とうによるまたはそのための物品ぶっぴん及および役務えきむの調達ちょうたつに関かんする契約けいやくから生しょうずる紛争ふんそうの処理しょり（24号ごう）
  • 駐留ちゅうりゅう軍ぐん等とう及および諸しょ機関きかんのために労務ろうむに服ふくする者ものの雇やとい入いれ、提供ていきょう、解雇かいこ、労務ろうむ管理かんり、給与きゅうよ及および福利ふくり厚生こうせい（25号ごう）
  • 特別とくべつ調達ちょうたつ資金しきんの経理けいり（26号ごう）
  • アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの軍隊ぐんたいの水面すいめんの使用しように伴ともなう漁船ぎょせんの操業そうぎょうの制限せいげん及および禁止きんし並ならびにこれに伴ともなう損失そんしつの補償ほしょう（27号ごう）
  • 自衛隊じえいたい及およびアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく軍隊ぐんたいの行為こういによる農業のうぎょう、林業りんぎょう、漁業ぎょぎょう等とう事業じぎょう者しゃの損失そんしつの補償ほしょう（28号ごう）
  • 武力ぶりょく攻撃こうげき事態じたい等とうにおけるアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの軍隊ぐんたいによる損失そんしつの補償ほしょう（29号ごう）
  • 合衆国がっしゅうこく軍ぐん協定きょうてい18条じょうおよび日米地位協定にちべいちいきょうてい18条じょうの規定きていに基もとづく請求せいきゅうの処理しょり（30号ごう）
  • 合衆国がっしゅうこく軍ぐん協定きょうてい18条じょう5項こう（ｇ）の規定きていにより同どう項こうの他ほかの規定きていの適用てきようを受うけない損害そんがいの賠償ばいしょうの請求せいきゅうについてのあつせん等とう（31号ごう）
  • 防衛大学校ぼうえいだいがくこう、防衛医科大ぼうえいいかだい学校がっこう等とうにおいて教育きょういく訓練くんれんおよび研究けんきゅうを行おこなうこと（34号ごう）
  • その他た法令ほうれいに基もとづき防衛ぼうえい省しょうに属ぞくさせられた事務じむ（35号ごう）

組織そしき[編集へんしゅう]

正門せいもん方向ほうこうから防衛ぼうえい省しょう市ヶ谷いちがや庁舎ちょうしゃを望のぞむ

防衛ぼうえい省しょうの内部ないぶ組織そしき（内部ないぶ部局ぶきょく、地方ちほう支ささえ分ぶん部局ぶきょく、防衛ぼうえい装備そうび庁ちょうのほか特別とくべつの機関きかんである幕僚監部ばくりょうかんぶ、情報じょうほう本部ほんぶ、防衛ぼうえい監察かんさつ本部ほんぶ等ひとしを含ふくむ）は法律ほうりつの防衛ぼうえい省しょう設置せっち法ほう[4]、政令せいれいの防衛ぼうえい省しょう組織そしき令れい[29]が規定きていしている。また特別とくべつの機関きかんのうち自衛隊じえいたいの部隊ぶたいおよび機関きかんについては自衛隊じえいたい法ほう[30]、自衛隊じえいたい法ほう施行しこう令れい[31]及および自衛隊じえいたい法ほう施行しこう規則きそく[32]が詳細しょうさいに規定きていしている。

幹部かんぶ[編集へんしゅう]

内部ないぶ部局ぶきょく[編集へんしゅう]

  • 大臣だいじん官房かんぼう（政令せいれい2条じょう）
    • 政策せいさく立案りつあん総括そうかつ審議しんぎ官かん
    • 衛生えいせい監かん（政令せいれい10条じょうの3第だい1項こう）
    • 施設しせつ監かん[注釈ちゅうしゃく 7]
    • 報道ほうどう官かん
    • 公文書こうぶんしょ監理かんり官かん
    • サイバーセキュリティ・情報じょうほう化か審議しんぎ官かん
    • 審議しんぎ官かん（7人にん）
    • 米べい軍ぐん再編さいへん調整ちょうせい官かん（政令せいれい10条じょうの4第だい1項こう）
    • 参事官さんじかん（7人にん）
    • 秘書ひしょ課か（政令せいれい11条じょう）
    • 文書ぶんしょ課か
    • 企画きかく評価ひょうか課か
    • 広報こうほう課か
    • 会計かいけい課か[注釈ちゅうしゃく 8]
    • 監査かんさ課か[注釈ちゅうしゃく 8]
    • 訟務管理かんり官かん
  • 防衛ぼうえい政策せいさく局きょく
    • 次長じちょう（2人ふたり）（政令せいれい10条じょうの2第だい1項こう）
    • 防衛ぼうえい政策せいさく課か
    • 日米にちべい防衛ぼうえい協力きょうりょく課か
    • 国際こくさい政策せいさく課か
    • 運用うんよう政策せいさく課か[注釈ちゅうしゃく 9]
    • 運用うんよう基盤きばん課か
    • 調査ちょうさ課か
    • 参事官さんじかん（3人にん）
  • 整備せいび計画けいかく局きょく
    • 防衛ぼうえい計画けいかく課か
    • サイバー整備せいび課か
    • 施設しせつ計画けいかく課か
    • 施設しせつ整備せいび官かん
    • 提供ていきょう施設しせつ計画けいかく官かん
    • 施設しせつ技術ぎじゅつ管理かんり官かん
  • 人事じんじ教育きょういく局きょく
    • 人事じんじ計画けいかく・補任ほにん課か（政令せいれい25条じょう）
    • 給与きゅうよ課か
    • 人材じんざい育成いくせい課か
    • 厚生こうせい課か
    • 服務ふくむ管理かんり官かん
    • 衛生えいせい官かん
  • 地方ちほう協力きょうりょく局きょく[注釈ちゅうしゃく 10]
    • 次長じちょう（1人ひとり）（政令せいれい10条じょうの2第だい1項こう）
    • 総務そうむ課か（政令せいれい42条じょうの2）[25]
    • 地域ちいき社会しゃかい協力きょうりょく総括そうかつ課か
    • 東日本ひがしにっぽん協力きょうりょく課か
    • 西日本にしにほん協力きょうりょく課か
    • 沖縄おきなわ協力きょうりょく課か
    • 環境かんきょう政策せいさく課か
    • 在ざい日米にちべい軍ぐん協力きょうりょく課か
    • 労務ろうむ管理かんり課か

内部ないぶ部局ぶきょく幹部かんぶ[編集へんしゅう]

内部ないぶ部局ぶきょくの幹部かんぶは以下いかのとおりである[33]（2023年ねん〈令れい和わ5年ねん〉7月がつ21日にち現在げんざい）。

審議しんぎ会かい等とう[編集へんしゅう]

  • 自衛隊じえいたい員いん倫理りんり審査しんさ会かい（自衛隊じえいたい員いん倫理りんり法ほう）
  • 防衛ぼうえい施設しせつ中央ちゅうおう審議しんぎ会かい（日本にっぽん国こくとアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくとの間あいだの相互そうご協力きょうりょく及および安全あんぜん保障ほしょう条約じょうやく第だい六ろく条じょうに基もとづく施設しせつ及および区域くいき並ならびに日本にっぽん国こくにおける合衆国がっしゅうこく軍隊ぐんたいの地位ちいに関かんする協定きょうていの実施じっしに伴ともなう土地とち等とうの使用しよう等とうに関かんする特別とくべつ措置そち法ほう）
  • 捕虜ほりょ資格しかく認定にんてい等とう審査しんさ会かい（武力ぶりょく攻撃こうげき事態じたい及および存立そんりつ危機きき事態じたいにおける捕虜ほりょ等とうの取扱とりあつかいに関かんする法律ほうりつ）
  • 防衛ぼうえい人事じんじ審議しんぎ会かい（政令せいれい43条じょう）

施設しせつ等とう機関きかん[編集へんしゅう]

特別とくべつの機関きかん[編集へんしゅう]

自衛隊じえいたい情報じょうほう保全ほぜん隊たい及および自衛隊じえいたいサイバー防衛ぼうえい隊たいは陸上りくじょう自衛隊じえいたい、海上かいじょう自衛隊じえいたい及および航空こうくう自衛隊じえいたいの共同きょうどうの部隊ぶたいとして、自衛隊じえいたい体育たいいく学校がっこう、自衛隊じえいたい中央ちゅうおう病院びょういん、自衛隊じえいたい地区ちく病院びょういん及および自衛隊じえいたい地方ちほう協力きょうりょく本部ほんぶは共同きょうどうの機関きかんとして置おかれている。

地方ちほう支ささえ分ぶん部局ぶきょく[編集へんしゅう]

地方ちほう支ささえ分ぶん部局ぶきょくとして地方ちほう防衛ぼうえい局きょくを置おく（法律ほうりつ33条じょう1項こう）。前身ぜんしんは防衛施設庁ぼうえいしせつちょうの防衛ぼうえい施設しせつ局きょくと装備そうび本部ほんぶの地方ちほう支部しぶ等とうである。内部ないぶ組織そしきとして、総務そうむ部ぶ、企画きかく部ぶ、調達ちょうたつ部ぶ、管理かんり部ぶ（東北とうほく防衛ぼうえい局きょく、近畿きんき中部ちゅうぶ防衛ぼうえい局きょく及および中国ちゅうごく四国しこく防衛ぼうえい局きょくには置おかない。）、装備そうび部ぶ（北関東きたかんとう防衛ぼうえい局きょくに限かぎる。）を（政令せいれい212条じょう3項こう〜5項こう）、審議しんぎ会かいとして防衛ぼうえい施設しせつ地方ちほう審議しんぎ会かいを（政令せいれい213条じょう1項こう）それぞれ置おく。

外局がいきょく[編集へんしゅう]

外局がいきょくとして防衛ぼうえい装備そうび庁ちょうを置おく。装備そうび品等ひんとうについて、その開発かいはつ及および生産せいさんのための基盤きばんの強化きょうかを図はかりつつ、研究けんきゅう開発かいはつ、調達ちょうたつ、補給ほきゅう及および管理かんりの適正てきせいかつ効率こうりつ的てきな遂行すいこう並ならびに国際こくさい協力きょうりょくの推進すいしんを図はかることを任務にんむとする（法ほう36条じょう）。2015年ねん10月がつ1日にちに「防衛ぼうえい省しょう設置せっち法ほう等とうの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ（平成へいせい27年ねん法律ほうりつ第だい39号ごう）」が施行しこうされたことにより、「特別とくべつな機関きかん」であった技術ぎじゅつ研究けんきゅう本部ほんぶ及および装備そうび施設しせつ本部ほんぶを廃止はいしして設置せっちされた。

  • 防衛ぼうえい装備そうび庁ちょう（法ほう35条じょう）
    • 防衛ぼうえい技わざ監かん（1）（政令せいれい170条じょう）
    • 長官ちょうかん官房かんぼう（政令せいれい171条じょう）
    • 装備そうび政策せいさく部ぶ
    • プロジェクト管理かんり部ぶ
    • 技術ぎじゅつ戦略せんりゃく部ぶ
    • 調達ちょうたつ管理かんり部ぶ
    • 調達ちょうたつ事業じぎょう部ぶ
    • 防衛ぼうえい調達ちょうたつ審議しんぎ会かい（政令せいれい212条じょう1項こう）
    • 航空こうくう装備そうび研究所けんきゅうじょ（政令せいれい213条じょう）
    • 陸上りくじょう装備そうび研究所けんきゅうじょ
    • 艦艇かんてい装備そうび研究所けんきゅうじょ
    • 次世代じせだい装備そうび研究所けんきゅうじょ
    • 千歳ちとせ試験場しけんじょう
    • 下北しもきた試験場しけんじょう
    • 岐阜ぎふ試験場しけんじょう

所管しょかん法人ほうじん[編集へんしゅう]

防衛ぼうえい省しょうが主管しゅかんする独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじんは2023年ねん4月がつ1日にち現在げんざい、駐留ちゅうりゅう軍ぐん等とう労働ろうどう者しゃ労務ろうむ管理かんり機構きこうのみである[34]。駐留ちゅうりゅう軍ぐん等とう労働ろうどう者しゃ労務ろうむ管理かんり機構きこうは行政ぎょうせい執行しっこう法人ほうじんであり、役職やくしょく員いんは国家こっか公務員こうむいんの身分みぶんを有ゆうする。

防衛ぼうえい省しょうが主管しゅかんする特殊とくしゅ法人ほうじん及および特別とくべつの法律ほうりつにより設立せつりつされる民間みんかん法人ほうじん（特別とくべつ民間みんかん法人ほうじん）は2023年ねん4月がつ1日にち現在げんざい、存在そんざいしない[35][36]。

防衛ぼうえい省しょうが主管しゅかんする認可にんか法人ほうじん、地方ちほう共同きょうどう法人ほうじん及および特別とくべつの法律ほうりつにより設立せつりつされる法人ほうじんは存在そんざいしない。

財政ざいせい[編集へんしゅう]

2023年度ねんど（令れい和わ5年度ねんど）一般いっぱん会計かいけい当初とうしょ予算よさんにおける防衛ぼうえい省しょう所管しょかんの歳出さいしゅつ予算よさん6兆ちょう7879億おく6544万まん6千せん円えんである[5]。

組織そしき別べつの内訳うちわけは防衛ぼうえい本省ほんしょうが6兆ちょう4310億おく8391万まん2千せん円えん、地方ちほう防衛ぼうえい局きょくが2181億おく984万まん8千せん円えん、防衛ぼうえい装備そうび庁ちょうが3350億おく6168万まん6千せん円えんとなっている。

本省ほんしょう予算よさんの主おもな内訳うちわけは、防衛ぼうえい本省ほんしょう共通きょうつう費ひが7937億おく1850万まん5千せん円えん、自衛じえい官かん給与きゅうよ費ひが1兆ちょう4717億おく6845万まん6千せん円えん、武器ぶき車両しゃりょう等とう整備せいび費ひが1兆ちょう1171億おく4199万まん3千せん円えん、航空機こうくうき整備せいび費ひが1兆ちょう1926億おく7162万まん7千せん円えん、艦船かんせん整備せいび費ひが2467億おく0295万まん円えん、防衛ぼうえい力りょく基盤きばん整備せいび費ひが8066億おく130万まん1千せん円えん、在ざい日米にちべい軍ぐん等とう駐留ちゅうりゅう関連かんれん諸費しょひが3862億おく2267万まん8千せん円えんなどであり、また防衛ぼうえい装備そうび庁ちょう所管しょかんの防衛ぼうえい力りょく基盤きばん強化きょうか推進すいしん費ひが2885億おく1290万まん円えんとなっている。

主管しゅかんする歳入さいにゅう予算よさんは523億おく554万まん5千せん円えんで、「官業かんぎょう益金えききん及官業ぎょう収入しゅうにゅう」（3部ぶ）が143億おく6816万まん8千せん円えん、「政府せいふ資産しさん整理せいり収入しゅうにゅう」（4部ぶ）が7億おく4957万まん8千せん円えん、「雑収入ざっしゅうにゅう」（5部ぶ）が371億おく8779万まん9千せん円えんとなっている。官業かんぎょう益金えききん及官業ぎょう収入しゅうにゅうは全額ぜんがくが防衛ぼうえい省しょう病院びょういん収入しゅうにゅう（3部ぶ2款1項こう2目もく）である。

また、国会こっかい、裁判所さいばんしょ、会計検査院かいけいけんさいん、内閣ないかく、内閣ないかく府ふ、復興ふっこう庁ちょう、総務そうむ省しょう、法務省ほうむしょう、外務省がいむしょう、財務省ざいむしょう、文部もんぶ科学かがく省しょう、厚生こうせい労働省ろうどうしょう、農林水産省のうりんすいさんしょう、経済けいざい産業さんぎょう省しょう、国土こくど交通省こうつうしょう、環境省かんきょうしょう及および防衛ぼうえい省しょう所管しょかん[注釈ちゅうしゃく 11]の東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい復興ふっこう特別とくべつ会計かいけいを共管きょうかんする。

職員しょくいん[編集へんしゅう]

詳細しょうさいは「防衛ぼうえい省しょう職員しょくいん」および「自衛隊じえいたい員いん」を参照さんしょう

一般いっぱん職しょくの在職ざいしょく者しゃ数すうは2022年ねん7月がつ1日にち現在げんざい、防衛ぼうえい省しょう（本省ほんしょうのみ在職ざいしょく、防衛ぼうえい装備そうび庁ちょうには在職ざいしょくしない。）で24人にん（男性だんせい20人にん、女性じょせい4人にん）である[37]。他たに非常勤ひじょうきん職員しょくいんが95人にん（男性だんせい65人にん、女性じょせい30人にん）であり、そのうち93人にん（男性だんせい63人にん、女性じょせい30人にん）が参与さんよ顧問こもん委員いいん等とう職員しょくいんである[38]。非常勤ひじょうきん職員しょくいんのうち7人にん（男性だんせい4人にん、女性じょせい3人にん）は、防衛ぼうえい装備そうび庁ちょうに在籍ざいせきし、全員ぜんいんが参与さんよ顧問こもん委員いいん等とう職員しょくいんである[37]。

行政ぎょうせい機関きかん職員しょくいん定員ていいん令れいに定さだめられた防衛ぼうえい省しょうの定員ていいんは20,903人にんでこのうち特別とくべつ職しょく20,945人にんであり、一般いっぱん職しょくの定員ていいんは26人にんである[3]。本省ほんしょう及および外局がいきょく別べつの定員ていいんは省令しょうれいの防衛ぼうえい省しょう定員ていいん規則きそくが、本省ほんしょう19,487人にん、防衛ぼうえい装備そうび庁ちょう1,484人にんと規定きていする[39]。

自衛じえい官かんの定数ていすうは、防衛ぼうえい省しょう設置せっち法ほうに定さだめられており、陸上りくじょう自衛隊じえいたいの自衛じえい官かん15万まん856人にん、海上かいじょう自衛隊じえいたい4万まん5363人にん、航空こうくう自衛隊じえいたい4万まん6942人にん並ならびに共同きょうどうの部隊ぶたいに所属しょぞくする自衛じえい官かん1259人にんのほか、統合とうごう幕僚監部ばくりょうかんぶに所属しょぞくする自衛じえい官かん638人にん、情報じょうほう本部ほんぶに所属しょぞくする自衛じえい官かん1911人にん、内部ないぶ部局ぶきょくに所属しょぞくする自衛じえい官かん48人にん並ならびに防衛ぼうえい装備そうび庁ちょうに所属しょぞくする自衛じえい官かん407人にんを加くわえた総計そうけい24万まん7154人にんとしている（6条じょう）。

定員ていいん外がいの職員しょくいんとして自衛じえい官かん候補こうほ生せい、予備よび自衛じえい官かん、即応そくおう予備よび自衛じえい官かん、予備よび自衛じえい官かん補ほ、防衛大学校ぼうえいだいがくこう学生がくせい、防衛医科大ぼうえいいかだい学校がっこう学生がくせい、陸上りくじょう自衛隊じえいたい高等こうとう工科こうか学校がっこう生徒せいとなどの制度せいどがあり、またその他たの非常勤ひじょうきん職員しょくいんも任用にんようされている。ただし、予備よび自衛じえい官かんは4万まん7900人にん（自衛隊じえいたい法ほう66条じょう2項こう）、即応そくおう予備よび自衛じえい官かんは8075人にん（自衛隊じえいたい法ほう75条じょうの2第だい2項こう）と員数いんずうが法定ほうていされている。

2023年度ねんど一般いっぱん会計かいけい予算よさんにおける予よ算定さんてい員いんは特別とくべつ職しょく268,174人にん、一般いっぱん職しょく26人にんの計けい268,200人にんである[5]。

防衛ぼうえい省しょうの職員しょくいんは原則げんそくとして国家こっか公務員こうむいんの特別とくべつ職しょくであり、防衛ぼうえい省しょう設置せっち法ほうや自衛隊じえいたい法ほう、防衛ぼうえい省しょう職員しょくいん給与法きゅうよほうなど一般いっぱん職しょくとは異ことなる公務員こうむいん法制ほうせいの下したで人事じんじ管理かんりが行おこなわれている。

防衛ぼうえい省しょうのうち一般いっぱん職しょくの国家こっか公務員こうむいんであるものは、労働ろうどう基本きほん権けんのうち争議そうぎ権けんと団体だんたい協約きょうやく締結ていけつ権けんは国家こっか公務員こうむいん法ほうにより認みとめられていない。団結だんけつ権けんは保障ほしょうされており、職員しょくいんは労働ろうどう組合くみあいとして国くに公法こうほうの規定きていする「職員しょくいん団体だんたい」を結成けっせいし、若もしくは結成けっせいせず、又またはこれに加入かにゅうし、若もしくは加入かにゅうしないことができる（国くに公法こうほう第だい108条じょうの2第だい3項こう）。

2022年ねん3月がつ31日にち現在げんざい、一般いっぱん職しょくのうち管理かんり職員しょくいん以外いがいの職員しょくいんは21名めいであり人事院じんじいんに登録とうろくされた職員しょくいん団体だんたいは、存在そんざいしない[40]。

防衛ぼうえい省しょう職員しょくいんは、一般いっぱん職しょくの国家こっか公務員こうむいんであるものを除のぞき、自衛じえい官かん以外いがいの者ものも自衛隊じえいたい員いんであり、職務しょくむの性質せいしつから団結だんけつ権けんも認みとめられておらず、労働ろうどう組合くみあい結成けっせいや加入かにゅうしてはならない（自衛隊じえいたい法ほう第だい64条じょう）。

採用さいよう[編集へんしゅう]

職員しょくいんの試験しけんによる採用さいようのうち、自衛じえい官かん以外いがいの隊員たいいん（職員しょくいん）については国家こっか公務員こうむいん採用さいよう総合そうごう職しょく試験しけん（院いん卒そつ者しゃ試験しけん）、国家こっか公務員こうむいん採用さいよう総合そうごう職しょく試験しけん（大卒だいそつ程度ていど試験しけん）、国家こっか公務員こうむいん採用さいよう一般いっぱん職しょく試験しけん（大卒だいそつ程度ていど試験しけん）、国家こっか公務員こうむいん採用さいよう一般いっぱん職しょく試験しけん（高卒こうそつ者しゃ試験しけん）及および防衛ぼうえい省しょう専門せんもん職員しょくいん採用さいよう試験しけんの合格ごうかく者しゃの中なかから行おこなわれる。防衛ぼうえい省しょう専門せんもん職員しょくいん採用さいよう試験しけんは防衛ぼうえい省しょうが、それ以外いがいの試験しけんは人事院じんじいんが実施じっしする。2011年度ねんどまでは現在げんざいの総合そうごう職しょく試験しけんに相当そうとうする試験しけんとして防衛ぼうえい省しょう職員しょくいん採用さいようⅠ種しゅ試験しけん[注釈ちゅうしゃく 12]を、一般いっぱん職しょく試験しけん（大卒だいそつ程度ていど試験しけん）に相当そうとうする試験しけんとして防衛ぼうえい省しょう職員しょくいん採用さいようⅡ種しゅ試験しけん（行政ぎょうせい、技術ぎじゅつ、研究けんきゅう）を、防衛ぼうえい省しょう専門せんもん職員しょくいん採用さいよう試験しけんに相当そうとうする試験しけんとしてⅡ種しゅ試験しけん（語学ごがく、国際こくさい関係かんけい）を、一般いっぱん職しょく試験しけん（高卒こうそつ者しゃ試験しけん）に相当そうとうする試験しけんとして防衛ぼうえい省しょう職員しょくいん採用さいようⅢ種しゅ試験しけんをそれぞれ防衛ぼうえい省しょうが独自どくじに実施じっししていた。2012年度ねんどに人事院じんじいんが現在げんざいの形かたちに試験しけん体系たいけいを改あらためたのを機きに、現在げんざいの試験しけん制度せいどとなった。

自衛じえい官かん、自衛じえい官かん候補こうほ生せい、学生がくせい、生徒せいと及および予備よび自衛じえい官かん補ほの採用さいようもまた、原則げんそくとして試験しけんによる（自衛隊じえいたい法ほう施行しこう規則きそく21条じょう1項こう）。隊員たいいんの採用さいよう試験しけんの方法ほうほうは、筆記ひっき試験しけん、身体しんたい検査けんさ及および口述こうじゅつ試験しけんとする（22条じょう1項こう）ほか、自衛じえい官かん、自衛じえい官かん候補こうほ生せい及および予備よび自衛じえい官かん補ほの採用さいよう試験しけんにおいては適性てきせい検査けんさを（22条じょう2項こう）、防衛大学校ぼうえいだいがくこうの学生がくせいの採用さいよう試験しけんにおいては、適応てきおう能力のうりょく試験しけん、討議とうぎ試験しけん及および体力たいりょく試験しけんを行おこなうことができる（22条じょう3項こう）。2024年度ねんどの具体ぐたい的てきな採用さいよう区分くぶんを以下いかに示しめす[41]。自衛じえい官かん応募おうぼナビ(各種かくしゅ募集ぼしゅう種目しゅもく)、防衛ぼうえい省しょう職員しょくいんも参照さんしょう

給与きゅうよ[編集へんしゅう]

防衛ぼうえい省しょう職員しょくいんの給与きゅうよは一般いっぱん職しょくを除のぞいて「防衛ぼうえい省しょうの職員しょくいんの給与きゅうよ等とうに関かんする法律ほうりつ」によって規律きりつされている。一部いちぶ、一般いっぱん職しょくの国家こっか公務員こうむいんの給与きゅうよ法規ほうきが準用じゅんようされているが、主おもに自衛じえい官かんを中心ちゅうしんに独自どくじの給与きゅうよ制度せいどが定さだめられている。

特別とくべつ職しょくであっても事務じむ官等かんとう（自衛隊じえいたい教官きょうかん[注釈ちゅうしゃく 13]を除のぞく。）には「一般いっぱん職しょくの職員しょくいんの給与きゅうよに関かんする法律ほうりつ」等とうに定さだめられた一般いっぱん職しょくの国家こっか公務員こうむいんと同おなじ俸給ほうきゅう表ひょうが適用てきようされる（防衛ぼうえい省しょう職員しょくいん給与法きゅうよほう4条じょう）。自衛隊じえいたい教官きょうかんには防衛ぼうえい省しょうの職員しょくいんの給与きゅうよ等とうに関かんする法律ほうりつに定さだめられた自衛隊じえいたい教官きょうかん俸給ほうきゅう表ひょう（別表べっぴょう第だい一いち）、自衛じえい官かんには、同どう法ほうに定さだめる自衛じえい官かん俸給ほうきゅう表ひょう（別表べっぴょう第だい二に）に定さだめられた額がくの俸給ほうきゅうがそれぞれ支給しきゅうされる。2023年度ねんど予算よさんの予よ算定さんてい員いんは自衛じえい官かん俸給ほうきゅう表ひょうに246,697人にん措置そちされている。

また事務じむ官等かんとうには一般いっぱん職しょくの職員しょくいんの給与きゅうよに関かんする法律ほうりつの規定きていを準用じゅんようする形かたちで本ほん府ふ省しょう業務ぎょうむ調整ちょうせい手当てあてや地域ちいき手当てあて、広域こういき異動いどう手当てあてなど、国家こっか公務員こうむいんの一般いっぱん職しょくと同様どうようの手当てあてを支給しきゅうされる（14条じょう1項こう）。自衛じえい官かんにも一般いっぱん職しょくと共通きょうつうする手当てあてが設もうけられているが、超過ちょうか勤務きんむ手当てあて、休日きゅうじつ給きゅう及および夜勤やきん手当てあて等とうの特別とくべつの時間じかん帯たいにかかる勤務きんむに関かんする手当てあてが支給しきゅうされない。防衛ぼうえい出動しゅつどうを命めいぜられた職員しょくいんには防衛ぼうえい出動しゅつどう手当てあて[注釈ちゅうしゃく 14]が支給しきゅうされる（15条じょう1項こう）。また政令せいれいで定さだめる自衛じえい官かんには航空こうくう手当てあて、乗組のりくみ手当てあて、落下傘らっかさん隊員たいいん手当てあて、特別とくべつ警備けいび隊員たいいん手当てあて及および特殊とくしゅ作戦さくせん隊員たいいん手当てあてが支給しきゅうされる（16条じょう1項こう）。自衛じえい官かんの航海こうかい、営外居住きょじゅうにはそれぞれ航海こうかい手当てあて（17条じょう1項こう）、営外手当てあて（18条じょう1項こう）が支給しきゅうされる。

賞与しょうよである期末きまつ手当てあて及および勤勉きんべん手当てあては一般いっぱん職しょくの国家こっか公務員こうむいんの例れいにより支給しきゅうされる（18条じょうの2）。

防衛大学校ぼうえいだいがくこう又または防衛医科大ぼうえいいかだい学校がっこうの学生がくせいには給与きゅうよとして学生がくせい手当てあて及および期末きまつ手当てあてを支給しきゅうする（防衛ぼうえい省しょうの職員しょくいんの給与きゅうよ等とうに関かんする法律ほうりつ25条じょう1項こう） 。学生がくせい手当てあては月額げつがく11万まん5800円えんで（2項こう）、期末きまつ手当てあては一般いっぱん職しょくの国家こっか公務員こうむいんの例れい[注釈ちゅうしゃく 15]による（3項こう）。陸上りくじょう自衛隊じえいたい高等こうとう工科こうか学校がっこう生徒せいとにも同様どうように生徒せいと手当てあて（月額げつがく10万まん2500円えん）と期末きまつ手当てあてが支給しきゅうされる（25条じょうの2）。

服務ふくむ・倫理りんり[編集へんしゅう]

自衛隊じえいたい法ほうは自衛隊じえいたい員いんの服務ふくむの本旨ほんしについて、「隊員たいいんは、わが国くにの平和へいわと独立どくりつを守まもる自衛隊じえいたいの使命しめいを自覚じかくし、一致いっち団結だんけつ、厳正げんせいな規律きりつを保持ほじし、常つねに徳操とくそうを養やしない、人格じんかくを尊重そんちょうし、心身しんしんをきたえ、技能ぎのうをみがき、強つよい責任せきにん感かんをもつて専せん心こころその職務しょくむの遂行すいこうにあたり、事ことに臨のぞんでは危険きけんを顧かえりみず、身みをもつて責務せきむの完遂かんすいに努つとめ、もつて国民こくみんの負託ふたくにこたえることを期きするものとする」（第だい52条じょう）。自衛隊じえいたい員いんになった者ものは服務ふくむの宣誓せんせいを行おこなわなければならない（自衛隊じえいたい法ほう第だい53条じょう）。一般いっぱんの隊員たいいんは以下いかの宣誓せんせい文ぶんを記載きさいされた宣誓せんせい書しょに署名しょめい押印おういんして服務ふくむの宣誓せんせいを行おこなうことが義務付ぎむづけられている（自衛隊じえいたい法ほう施行しこう令れい39条じょう）。

私わたしは、我わが国くにの平和へいわと独立どくりつを守まもる自衛隊じえいたいの使命しめいを自覚じかくし、日本国にっぽんこく憲法けんぽう 及および法令ほうれいを遵守じゅんしゅし、一致いっち団結だんけつ、厳正げんせいな規律きりつを保持ほじし、常つねに徳操とくそうを養やしない、人格じんかくを尊重そんちょうし、心身しんしんを鍛きたえ、技能ぎのうを磨みがき、政治せいじ的てき活動かつどうに関与かんよせず、強つよい責任せきにん感かんをもつて専心せんしん職務しょくむの遂行すいこうに当あたり、事ことに臨のぞんでは危険きけんを顧かえりみず、身みをもつて責務せきむの完遂かんすいに務つとめ、もつて国民こくみんの負託ふたくにこたえることを誓ちかいます。

自衛じえい官かん候補こうほ生せい、学生がくせい及および生徒せいと、予備よび自衛じえい官かん、即応そくおう予備よび自衛じえい官かん、予備よび自衛じえい官かん補おぎなえ、幹部かんぶ自衛じえい官かんは別べつの宣誓せんせい文ぶんがある。

隊員たいいんは勤務きんむ態勢たいせいについて、何なん時じでも職務しょくむに従事じゅうじすることのできる態勢たいせいになければならない（54条じょう1項こう）とされ、さらに職務しょくむ上じょうの危険きけん若もしくは責任せきにんを回避かいひし、又または上官じょうかんの許可きょかを受うけないで職務しょくむを離はなれてはならない（56条じょう）。自衛じえい官かんは、防衛ぼうえい大臣だいじんが指定していする場所ばしょに居住きょじゅうしなければならず（55条じょう）、防衛ぼうえい大臣だいじんの定さだめるところに従したがい、制服せいふくを着用ちゃくようし、服装ふくそうを常つねに端正たんせいに保たもたなければならない（58条じょう2項こう）。守秘しゅひ義務ぎむ、職務しょくむ専念せんねん義務ぎむ、政治せいじ的てき行為こういの制限せいげん、私企業しきぎょうからの隔離かくりについては、一般いっぱん職しょくの国家こっか公務員こうむいんと同様どうようの規程きていが自衛隊じえいたい法ほうに設もうけられている。労働ろうどう組合くみあいの結成けっせい、争議そうぎ行為こういは全面ぜんめん的てきに禁止きんしされている（64条じょう）。

職務しょくむに係かかる倫理りんりの保持ほじについては特別とくべつに自衛隊じえいたい員いん倫理りんり法ほうが定さだめられており、部員ぶいん級きゅう以上いじょうの自衛隊じえいたい員いんは、事業じぎょう者しゃ等とうから贈与ぞうよ等とうや報酬ほうしゅうの支払しはらいを受うけたときは四半期しはんきごとに、贈与ぞうよ等とう報告ほうこく書しょを防衛ぼうえい大臣だいじんに提出ていしゅつしなければならない（自衛隊じえいたい員いん倫理りんり法ほう6条じょう1項こう）。独自どくじの取とり組くみとして自衛隊じえいたい員いん向むけに倫理りんり啓発けいはつビデオを製作せいさくしている。2007年ねん3月がつに完成かんせいし、同年どうねん6月がつから全ぜん自衛隊じえいたい員いんを対象たいしょうに上映じょうえいされている。ビデオに登場とうじょうする人物じんぶつは、「ゴルフ接待せったい漬づけの上司じょうし」という設定せっていであり、後のちに収賄しゅうわいで逮捕たいほされた守屋もりや武たけ昌あきらにかけられた容疑ようぎをそのまま反映はんえいしたかのようであった。

調達ちょうたつ[編集へんしゅう]

自衛隊じえいたいが必要ひつようとする工業こうぎょう製品せいひんは、防衛ぼうえい省しょうが発注はっちゅうしている。種類しゅるいは多おおいが少量しょうりょう生産せいさんであり、日本にっぽんの防衛ぼうえい産業さんぎょうへの影響えいきょうおよび経済けいざい効果こうかは比較的ひかくてき低ひくく、工業こうぎょう生産せいさん額がくは0.6パーセントに留とどまっている。需要じゅようについては長年ながねん武器ぶき輸出ゆしゅつ三さん原則げんそくにより輸出ゆしゅつが厳きびしく規制きせいされていたため、納入のうにゅう先さきが日本にっぽん国内こくないにほぼ限定げんていされており量産りょうさんによる低てい価格かかく化かが進すすまずに高価こうかとなる傾向けいこうがある[42]。この点てんについては他国たこくとの技術ぎじゅつ交流こうりゅうや各種かくしゅコスト高だかを解消かいしょうする目的もくてきも含ふくめて新あらたに防衛ぼうえい装備そうび移転いてん三さん原則げんそくに基もとづいた柔軟じゅうなんな対応たいおうを採とる方針ほうしんが近年きんねん進すすみつつある。

防衛ぼうえい省しょうと契約けいやくを結むすぶ企業きぎょうは約やく1,500社しゃあるが、さらに広範囲こうはんいな下請したうけ企業きぎょうが存在そんざいする。戦車せんしゃや戦闘せんとう機き、護衛ごえい艦かんなど、1つの兵器へいきの製造せいぞうに約やく1,200 - 2,500社しゃ以上いじょう関かかわるものもある。しかし、主要しゅような製品せいひんを扱あつかう企業きぎょうが撤退てったいするような事態じたいに陥おちいると、主要しゅような製品せいひんが特殊とくしゅな技術ぎじゅつおよび設備せつびが必要ひつようとされる場合ばあいが多々たたあるため、産業さんぎょうの回復かいふくに投資とうしと相応そうおうの期間きかんを要ようし、防衛ぼうえい省しょうはその維持いじと育成いくせいに着目ちゃくもくしている。

2022年ねん（令れい和わ4年ねん）度ど中央ちゅうおう調達ちょうたつの契約けいやく相手方あいてがた別べつ契約けいやく高だか順位じゅんい表ひょうの上位じょうい20社しゃは以下いかの通とおりである[43]。

  1. 三菱重工業みつびしじゅうこうぎょう（3652億おく円えん）
  2. 川崎重工業かわさきじゅうこうぎょう（1692億おく円えん）
  3. 日本電気にほんでんき（944億おく円えん）
  4. 三菱電機みつびしでんき（752億おく円えん）
  5. 富士通ふじつう（652億おく円えん）
  6. 東芝とうしばインフラシステムズ（363億おく円えん）
  7. IHI（291億おく円えん）
  8. 小松製作所こまつせいさくしょ（274億おく円えん）
  9. 日本製鋼所にほんせいこうしょ（254億おく円えん）
  10. 藤倉ふじくら航わたる装そう（249億おく円えん）
  11. 沖電気工業おきでんきこうぎょう（224億おく円えん）
  12. 日立製作所ひたちせいさくしょ（218億おく円えん）
  13. 出光興産いでみつこうさん（185億おく円えん）
  14. 中川なかがわ物産ぶっさん（168億おく円えん）
  15. ダイキン工業だいきんこうぎょう（163億おく円えん）
  16. 日本にっぽん飛行機ひこうき（137億おく円えん）
  17. ジーエス・ユアサテクノロジー（131億おく円えん）
  18. 日本無線にほんむせん（124億おく円えん）
  19. ジャパン マリンユナイテッド（119億おく円えん）
  20. 日立ひたち国際こくさい電気でんき（119億おく円えん）

広報こうほう[編集へんしゅう]

防衛ぼうえい省しょうは防衛ぼうえい白書はくしょにて「わが国くにの平和へいわと安全あんぜんを守まもる防衛ぼうえい省しょう・自衛隊じえいたいの活動かつどうは、国民こくみん一いち人にんひとりの理解りかいと支持しじがあって初はじめて成なり立たつものである。このため、分わかりやすい広報こうほう活動かつどうを積極せっきょく的てきに行おこない、国民こくみんの信頼しんらいと協力きょうりょくを得えていくことが重要じゅうようである」と、防衛ぼうえい省しょう・自衛隊じえいたいにおける広報こうほう活動かつどうの重要じゅうよう性せいを強調きょうちょうしている[44]。

国くにの防衛ぼうえい政策せいさくについて、国民こくみんの理解りかいを得えるために『防衛ぼうえい白書はくしょ』を年とし1回かい発行はっこうしている。法律ほうりつで義務ぎむづけられた国会こっかいへの報告ほうこくを収録しゅうろくする法定ほうてい白書はくしょとは異ことなり、法律ほうりつに定さだめのない非ひ法定ほうてい白書はくしょではあるが、閣議かくぎ案件あんけんとして内閣ないかくの関与かんよの下したに刊行かんこうされている。1970年ねんに最初さいしょに発行はっこうされ、1976年ねん以降いこうは毎年まいとし刊行かんこうされている。

子こども向むけに防衛ぼうえい白書はくしょを分わかりやすく解説かいせつするために『まんがで読よむ防衛ぼうえい白書はくしょ』という漫画まんが冊子さっしも毎年まいとし製作せいさくされている。「陸りく・海うみ・空そら自衛隊じえいたいの統合とうごう運用うんよう」（2012年度ねんど）、「東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいにおける自衛隊じえいたいの災害さいがい派遣はけん活動かつどう」（2011年度ねんど）、「ハイチにおける国際こくさい平和へいわ協力きょうりょく活動かつどう」（2010年度ねんど）など、その年としの白書はくしょの中なかから重要じゅうようなテーマを一ひとつを解説かいせつする内容ないようとなっている。

防衛ぼうえい省しょうが編集へんしゅう協力きょうりょくする広報こうほう誌しとして『MAMOR』が扶桑社ふそうしゃにより月刊げっかんで刊行かんこうされている。防衛庁ぼうえいちょうの時代じだいには、広報こうほう誌しとして防衛ぼうえい弘済会こうさいかいが発行はっこうしていた『セキュリタリアン』（1992年ねん（平成へいせい4年ねん）までは『防衛ぼうえいアンテナ』）があったが、平成へいせい18年ねん（2006年ねん）9月がつ号ごうを持もって休刊きゅうかんとなり、新あらたに『MAMOR』が2007年ねん1月がつ21日にちに創刊そうかんされた。

同省どうしょうサイト内ないの「防衛ぼうえい省しょう・自衛隊じえいたいの動画どうが配信はいしん」ページ[45]およびYouTube内うちの「防衛ぼうえい省しょう動画どうがチャンネル」にて防衛ぼうえい省しょう・自衛隊じえいたいに関かんする動画どうがを配信はいしんしている。

関連かんれん紛争ふんそうや諸しょ問題もんだい[編集へんしゅう]

普天間ふてんま基地きち移設いせつ問題もんだい[編集へんしゅう]

詳細しょうさいは「普天間ふてんま基地きち移設いせつ問題もんだい」を参照さんしょう

韓国かんこく海軍かいぐんレーダー照射しょうしゃ問題もんだい[編集へんしゅう]

詳細しょうさいは「韓国かんこく海軍かいぐんレーダー照射しょうしゃ問題もんだい」を参照さんしょう
「北朝鮮きたちょうせんに対たいする制裁せいさい」および「瀬せ取とり#朝鮮民主主義人民共和国ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこく（北朝鮮きたちょうせん）による瀬せ取とり」も参照さんしょう

集団しゅうだん的てき自衛じえい権けんの限定げんてい的てき行使こうし容認ようにん[編集へんしゅう]

詳細しょうさいは「日本にっぽんの集団しゅうだん的てき自衛じえい権けん#PKO協力きょうりょく法ほうと再度さいどの解釈かいしゃく改憲かいけん」を参照さんしょう

防衛ぼうえい予算よさんの増額ぞうがく[編集へんしゅう]

2022年ねん（令れい和わ4年ねん）6月がつ、政権せいけん与党よとう自由民主党じゆうみんしゅとうは参院さんいん選せん公約こうやくで、NATO加盟かめい国こくが対たいGDP比ひ2％以上いじょうの国防こくぼうないし軍事ぐんじ予算よさん増額ぞうがくを目標もくひょうに掲かかげているのに比例ひれいして、日本にっぽんも5年ねん以内いないに防衛ぼうえい予算よさん2%増額ぞうがくを目指めざす方針ほうしんとした[46]。並立へいりつして、思おもいやり予算よさん（同盟どうめい強靱きょうじん化か予算よさん）の増額ぞうがくと共ともに、高額こうがく納入のうにゅうや調達ちょうたつ未納みのうなど米国べいこく対外たいがい有償ゆうしょう軍事ぐんじ援助えんじょ（FMS）の機能きのう不全ふぜんが指摘してきされている[47]。

不祥事ふしょうじ等とう[編集へんしゅう]

詳細しょうさいは「防衛ぼうえい不祥事ふしょうじ#日本にっぽん」を参照さんしょう

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ ただし、他たの国くにの防衛ぼうえい省しょう（国防省こくぼうしょうと同義どうぎ）と区別くべつするため、「Japan Ministry of Defense」と公式こうしきに表記ひょうきする場合ばあいもある。
  2. ^ 「我わが国くにの平和へいわと独立どくりつを守まもり、国くにの安全あんぜんを保たもつことを目的もくてきとし、これがため、陸上りくじょう自衛隊じえいたい、海上かいじょう自衛隊じえいたい及および航空こうくう自衛隊じえいたい（自衛隊じえいたい法ほう第だい2条じょう第だい2項こう・第だい3項こう・第だい4項こうで規定きてい）を管理かんりし、及および運営うんえいし、並ならびにこれに関かんする事務じむを行おこなうこと」、「条約じょうやくに基もとづく外国がいこく軍隊ぐんたいの駐留ちゅうりゅう及および日本にっぽん国こくとアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくとの間あいだの相互そうご防衛ぼうえい援助えんじょ協定きょうていの規定きていに基もとづくアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく政府せいふの責務せきむの日本にっぽん国内こくない（条文じょうぶん上じょうの表記ひょうきは、本邦ほんぽう）における遂行すいこうに伴ともなう事務じむで他たの行政ぎょうせい機関きかんの所掌しょしょうに属ぞくしないものを適切てきせつに行おこなうこと」（防衛ぼうえい省しょう設置せっち法ほう第だい3条じょう第だい1項こう・第だい2項こう）
  3. ^ 日本にっぽん以外いがいの漢字かんじ文化ぶんか圏けんの国家こっかでは、中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく・中華民国ちゅうかみんこく・大韓民国だいかんみんこく・シンガポール共和きょうわ国こく・ベトナム社会しゃかい主義しゅぎ共和きょうわ国こくで「国防こくぼう部ぶ」、朝鮮民主主義人民共和国ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこくで「国防省こくぼうしょう」である。他たの国くには、「国防省こくぼうしょう」と漢字かんじ表記ひょうきしているわけではなく、単たんに日本語にほんご訳やくの問題もんだいである。
  4. ^ なお、防衛ぼうえい省しょうへの移行いこうの際さいの法ほう改正かいせいで国際こくさい平和へいわ協力きょうりょく活動かつどう等とうの海外かいがい活動かつどうが自衛隊じえいたいの本来ほんらい任務にんむ化かされているが、これは省しょうへの移行いこうと直接ちょくせつ関係かんけいはなく、省しょうへの移行いこうの改正かいせいに本来ほんらい任務にんむの追加ついかも含ふくめたものである。
  5. ^ 松代まつだい・真田さなだ藩邸はんてい跡あと。
  6. ^ 現げん：東京とうきょうミッドタウン。
  7. ^ 防衛ぼうえい装備そうび庁ちょう設置せっち及および装備そうび施設しせつ本部ほんぶの廃止はいしに伴ともない廃止はいしされた技術ぎじゅつ監かんに代かわり設置せっち。
  8. ^ a b 経理けいり装備そうび局きょくの廃止はいしに伴ともない大臣だいじん官房かんぼうに移管いかん。
  9. ^ 防衛ぼうえい装備そうび庁ちょう発足ほっそく及および運用うんよう企画きかく局きょく及および経理けいり装備そうび局きょくの廃止はいしに伴ともない新編しんぺん。
  10. ^ 防衛施設庁ぼうえいしせつちょう廃止はいしに伴ともない新設しんせつ。
  11. ^ 国くにの予算よさんを所管しょかんするすべての機関きかんである。なお人事院じんじいんは予算よさん所管しょかんでは内閣ないかくに属ぞくするのでここにはない。
  12. ^ 技術ぎじゅつ系けい職種しょくしゅ（技官ぎかん）を採用さいようする試験しけん区分くぶんのみを実施じっし。その他たは人事院じんじいん実施じっしのⅠ種しゅ試験しけん合格ごうかく者しゃを採用さいよう
  13. ^ 陸上りくじょう自衛隊じえいたい高等こうとう工科こうか学校がっこう又または陸上りくじょう自衛隊じえいたい、海上かいじょう自衛隊じえいたい及および航空こうくう自衛隊じえいたいの共同きょうどうの機関きかんとして置おかれている病院びょういんに置おかれている准じゅん看護かんご師し養成ようせい所しょに勤務きんむする者もので教育きょういくに従事じゅうじすることを本務ほんむとするものをいう。
  14. ^ ただし、2003年ねんに防衛ぼうえい出動しゅつどう手当てあてが規定きていされてから2023年ねん7月がつ現在げんざいにおいてもその支給しきゅう額がくは決定けっていしていない。
  15. ^ 支給しきゅう割合わりあいは勤勉きんべん手当てあてを含ふくめて調整ちょうせいされている。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ “防衛ぼうえい大臣だいじん補佐ほさ官かんに自民じみん・高見たかみ康裕やすひろ氏し　防衛ぼうえい生産せいさん・技術ぎじゅつ基盤きばん強化きょうかを担当たんとう　木原きはら防衛ぼうえい大臣だいじん「幅広はばひろい知見ちけんを有ゆうしている」”. TBS NEWS DIG (2024年ねん1月がつ12日にち). 2021年ねん1月がつ27日にち閲覧えつらん。
  2. ^ 我わが国くにの統治とうち機構きこう (PDF) 内閣ないかく官房かんぼう 2022年ねん3月がつ22日にち閲覧えつらん。
  3. ^ a b 行政ぎょうせい機関きかん職員しょくいん定員ていいん令れい（昭和しょうわ44年ねん5月がつ16日にち政令せいれい第だい121号ごう）（最終さいしゅう改正かいせい、令れい和わ4年ねん12月9日にち政令せいれい第だい374号ごう） - e-Gov法令ほうれい検索けんさく
  4. ^ a b 防衛ぼうえい省しょう設置せっち法ほう （昭和しょうわ29年ねん6月がつ9日にち法律ほうりつ第だい164号ごう）（最終さいしゅう改正かいせい：令れい和わ3年ねん4月がつ28日にち法律ほうりつ第だい23号ごう） - e-Gov法令ほうれい検索けんさく
  5. ^ a b c d 令れい和わ5年度ねんど一般いっぱん会計かいけい予算よさん (PDF) 財務省ざいむしょう
  6. ^ 防衛ぼうえい省しょう コトバンク 2021年ねん3月がつ27日にち閲覧えつらん。
  7. ^ 防衛ぼうえい駐ちゅう在官ざいかんの派遣はけん状じょう況きょう 令れい和わ5年ねん1月がつ1日にち現在げんざい (PDF) 防衛ぼうえい省しょう
  8. ^ 衆議院しゅうぎいんトップページ>立法りっぽう情報じょうほう>議案ぎあん情報じょうほう>第だい164回かい国会こっかい　議案ぎあんの一覧いちらん>閣かく法ほう 第だい164回かい国会こっかい 91 防衛庁ぼうえいちょう設置せっち法ほう等とうの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ案あん
  9. ^ 衆議院しゅうぎいんトップページ>立法りっぽう情報じょうほう>議案ぎあん情報じょうほう>第だい165回かい国会こっかい　議案ぎあんの一覧いちらん>閣かく法ほう 第だい164回かい国会こっかい 91 防衛庁ぼうえいちょう設置せっち法ほう等とうの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ案あん
  10. ^ a b 参議院さんぎいんHP> 本ほん会議かいぎ投票とうひょう結果けっか　防衛庁ぼうえいちょう設置せっち法ほう等とうの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ案あん（第だい164回かい国会こっかい内ない閣かく提出ていしゅつ、第だい165回かい国会こっかい衆議院しゅうぎいん送付そうふ）
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