キャベツ

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キャベツ
収穫しゅうかくのキャベツ
分類ぶんるい
さかい : 植物しょくぶつかい Plantae
階級かいきゅうなし : 被子植物ひししょくぶつ Angiosperms
階級かいきゅうなし : 真正しんしょうそう子葉しようるい Eudicots
階級かいきゅうなし : バラるい Rosids
: アブラナ Brassicales
: アブラナ Brassicaceae
ぞく : アブラナぞく Brassica
たね : ヤセイカンラン B. oleracea
変種へんしゅ : キャベツ var. capitata
学名がくめい
Brassica oleracea L. var. capitata
和名わみょう
甘藍かんらん玉菜たまな
英名えいめい
Cabbage

キャベツえい: Cabbage学名がくめい: Brassica oleracea var. capitata)は、アブラナアブラナぞく多年草たねんそう野菜やさいとしてひろ利用りようされ、栽培さいばいじょう一年生植物いちねんせいしょくぶつとしてあつかわれる。

名称めいしょう[編集へんしゅう]

キャベツという名前なまえ英語えいごめいキャベジ(Cabbage: 頭上ずじょう野菜やさい)が転訛てんかして名付なづけられており[1]英名えいめい語源ごげんふるフランス語ふらんすごのカボシュ(caboche: あたまでっかちの)からきており、さらにふるくはラテン語らてんごのカプト(caput: あたま)に由来ゆらいする[2][3]別名べつめい甘藍かんらん(カンラン)はかんめい甘藍かんらん(gānlán)から、玉菜たまな(タマナ)[4]結球けっきゅうする性質せいしつ由来ゆらいする[2]

フランスは chou cabus [5]イタリアは cavolo [5]という。

野菜やさいとしてのキャベツは、生産せいさんされるぶしによりたまかたくしまってちゅうしろい「ふゆキャベツ」と、まきがゆるくて緑色みどりいろい「はるキャベツ」というようにけもおこなわれている[5]

特徴とくちょう[編集へんしゅう]

キャベツ 結球けっきゅう せい[6]
100 gあたりの栄養えいよう
エネルギー 96 kJ (23 kcal)
5.2 g
食物しょくもつ繊維せんい 1.8 g
0.2 g
飽和ほうわ脂肪酸しぼうさん 0.02 g
一価いっか飽和ほうわ 0.01 g
あたい飽和ほうわ 0.02 g
1.3 g
ビタミン
ビタミンA相当そうとうりょう
(1%)
4 µg
(0%)
49 µg
チアミン (B1)
(3%)
0.04 mg
リボフラビン (B2)
(3%)
0.03 mg
ナイアシン (B3)
(1%)
0.2 mg
パントテンさん (B5)
(4%)
0.22 mg
ビタミンB6
(8%)
0.11 mg
葉酸ようさん (B9)
(20%)
78 µg
ビタミンC
(49%)
41 mg
ビタミンE
(1%)
0.1 mg
ビタミンK
(74%)
78 µg
ミネラル
ナトリウム
(0%)
5 mg
カリウム
(4%)
200 mg
カルシウム
(4%)
43 mg
マグネシウム
(4%)
14 mg
リン
(4%)
27 mg
鉄分てつぶん
(2%)
0.3 mg
亜鉛あえん
(2%)
0.2 mg
どう
(1%)
0.02 mg
成分せいぶん
水分すいぶん 92.7 g
水溶すいようせい食物しょくもつ繊維せんい 0.4 g
不溶性ふようせい食物しょくもつ繊維せんい 1.4 g
ビオチン(B7 1.6 µg
硝酸しょうさんイオン 0.1 g

ビタミンEはαあるふぁ─トコフェロールのみをしめした[7]別名べつめい:かんらん、たまな
廃棄はいき部位ぶい:しん
%はアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおける
成人せいじん栄養えいよう摂取せっしゅ目標もくひょう (RDI割合わりあい

西にしヨーロッパ海岸かいがんがけうえ原産げんさんといわれ、ヨーロッパでは古代こだいギリシアじん時代じだい薬用やくようされ、紀元前きげんぜん4世紀せいきには保健ほけんしょくから野菜やさいとして栽培さいばいされた[1]現在げんざい世界せかい各地かくち栽培さいばいされている[4]日本にっぽんではじめて野菜やさいとして栽培さいばいされたのは、明治めいじ4ねん北海道ほっかいどう開拓かいたく使だといわれている[1]

冷涼れいりょう気候きこう適応てきおうした野菜やさいで、気温きおん5までがっても生長せいちょうつづけ、15 - 20でよく生育せいいくする[8]ちいさいなえならば、-12まで気温きおんがっても、いちばんからばんくらいまでならばえられる[8]

いちねんくさ、またはねんくさ越年えつねんそう[1]はる十字じゅうじがたあわ黄色きいろはなかせる[1]

キャベツは結球けっきゅうまるたまになる性質せいしつ)のイメージがつよいが、結球けっきゅうする品種ひんしゅと、しないものがある。また、おな原種げんしゅ由来ゆらいするケールカリフラワーカイランメキャベツコールラビブロッコリーなどと同様どうようなが品種ひんしゅ改良かいりょう過程かていているため、おおくの品種ひんしゅがある。

ビタミンCビタミンU豊富ほうふふくむ。

結球けっきゅう[編集へんしゅう]

断面だんめん

キャベツにかぎらず結球けっきゅうする野菜やさいは、成長せいちょうホルモンオーキシン)が裏側うらがわかたよることで、その形態けいたいをとる。

一般いっぱん流通りゅうつうしているグリーンキャベツの場合ばあいそとが18 - 21まいになってから結球けっきゅう開始かいしし、じょしたが螺旋らせんじょうくきいただきつつむ。結球けっきゅうくきはほとんど伸長しんちょうせず、短縮たんしゅくくきとなる。

断面だんめんると、中心ちゅうしんちかほど内側うちがわいている。これは外側そとがわさきそだち、内側うちがわはそのからして次第しだいんでくるためである。消費しょうひしゃ店頭てんとうでキャベツをえらさいに、おおきさではなくおもさでえらぶことがおおいのは、こうした理由りゆうによる。

栄養えいよう[編集へんしゅう]

なま場合ばあいしょく100グラム (g) あたりのエネルギーりょうは23 kcal (96 kJ)で、水分すいぶん含有がんゆうりょうは92.7 gをめる[9]栄養素えいようそ比率ひりつ炭水化物たんすいかぶつが5.2 gともっとおおく、いで蛋白質たんぱくしつ1.3 g、灰分かいぶん0.5 g、脂質ししつ0.2 gとつづ[9]食物しょくもつ繊維せんい1.8 gのうち、水溶すいようせいは0.4 g、不溶性ふようせいは1.4 gである[9]

キャベツは淡色たんしょく野菜やさいなかでは、カロテンビタミンCおおふく野菜やさいで、ビタミンC含有がんゆうりょうぶし変動へんどう影響えいきょうをあまりけず、夏場なつばホウレンソウよりもおお[9]。ただし、キャベツのビタミンCは加熱かねつすると半減はんげんしてしまう欠点けってんがある[9]。また、調理ちょうり過程かてい千切せんぎりにしてみずにさらした場合ばあいでは、ビタミンCの減少げんしょうりつやく20%程度ていどである[9]。キャベツ特有とくゆう成分せいぶんとして、胃腸いちょう粘膜ねんまく新陳代謝しんちんたいしゃ活発かっぱつにするビタミンさま成分せいぶんとされるビタミンU(キャベジン)がられている[9]。ビタミンUはねつよわく、加熱かねつ調理ちょうりをすると減少げんしょうする[9]部位ぶいによってビタミンの含有がんゆうりょうがあり、外側そとがわ緑色みどりいろ部分ぶぶんはカロテンをおおふくみ、中心ちゅうしんしんほうにはビタミンCをおおふくんでいる[9]

不快ふかい成分せいぶん[編集へんしゅう]

キャベツを不快ふかいかんじる要素ようそとしては、苦味にがみや、長時間ちょうじかんとおしすぎたときにかんじる特有とくゆうにおいがある[10]

特有とくゆうにおいのもと硫黄いおうふく化合かごうぶつで、おも硫化りゅうかジメチルという化学かがく物質ぶっしつはキャベツのほか、ブロッコリー、カリフラワー、オクラ加熱かねつしたときの風味ふうみとなっている[11]。もうひとつの硫化りゅうか化合かごうぶつチオ酪酸メチルは、こう濃度のうどにお分析ぶんせきでは、チーズニンニク、キャベツしゅう表現ひょうげんされるが、イチゴにおいの基本きほん成分せいぶんにもなっている[11]。またカラシ風味ふうみがするイソチオシアンさんアリルふくまれている[12]。こうした成分せいぶん結球けっきゅうしたキャベツないでばらつきがあり、そとには内側うちがわわかくらべて、4ばい硫化りゅうかジメチルと5ばいのイソチオシアンさんアリルがふくまれている[12]

なまのキャベツの苦味にがみもとになっている成分せいぶんは、グルコシノレートという有機ゆうき化合かごうぶつからしょうじている[13]。キャベツときんえんのアブラナアブラナぞく植物しょくぶつが、共通きょうつうしてこうした成分せいぶんをつくっている[13][注釈ちゅうしゃく 1]ひとによってはキャベツのにがみを敏感びんかんかんじるが、反対はんたいにまったくかんじないひともいる[13]。グルコシノレート化合かごうぶつ空気くうきれると、分解ぶんかいして化学かがく物質ぶっしつ生成せいせいし、そのひとつのイソチオシアンさんアリルが、からくてえぐみのある苦味にがみ臭気しゅうきしょうじさせている[15]。イソチオシアンさんアリルには、きんるいカビ成長せいちょう抑制よくせいし、キャベツをあるしゅうどんこびょうからまもはたらきがある[14]

歴史れきし[編集へんしゅう]

起源きげん[編集へんしゅう]

キャベツの原種げんしゅは、ブラッシカ・オレラセア(Brassica oleracea和名わみょうヤセイカンラン)という野草やそうで、これから都合つごう性質せいしつのこして結球けっきゅうするキャベツがつくられた[16]。この原種げんしゅは、ブロッコリーカリフラワーケールキャベツなどとおな起源きげん植物しょくぶつとされ、もともとヨーロッパ西部せいぶ南部なんぶ海岸かいがん地域ちいき原産げんさん植物しょくぶつからまれたものである[2]

世界せかい最古さいこ野菜やさいのひとつといわれるキャベツは[17]古代こだいよりイベリアじん利用りようしていた原種げんしゅケルトじんつたわり、ヨーロッパなかひろまったとされる。紀元前きげんぜん6世紀せいきにヨーロッパに侵入しんにゅうしたケルトじん野生やせいキャベツの栽培さいばいをはじめ、当時とうじ結球けっきゅうしないケールのような姿すがた野菜やさいであった[2]。また野菜やさいより薬草やくそうとしてもちいられ、古代こだいギリシャ古代こだいローマでは胃腸いちょう調子ちょうしととのえる健康けんこうしょくとしてしょくされていた。アテネのエウデモスがいた『牧場ぼくじょうろん』に最初さいしょのキャベツの記述きじゅつられる。初期しょき栽培さいばい品種ひんしゅにはブロッコリーのようなくきがあったが、ローマ時代じだい改良かいりょうすすみ、くきはなくなり大型おおがたしていった[18]遺伝いでんがく言語げんごがく研究けんきゅうから、ブラッシカ・オレラセアを原種げんしゅとするキャベツは、はじめギリシアとローマの庭師にわしによって栽培さいばい可能かのうになり、その古代こだいローマぐんとともにヨーロッパ全土ぜんどひろがり、イギリスにわたったといわれる[19]結球けっきゅうしたキャベツに言及げんきゅうした最初さいしょ記録きろくは、博物学はくぶつがくしゃだいプリニウスのものとされ、西暦せいれき77ねんの『プリニウスの博物はくぶつ』のなかで、キャベツを使つかった87しゅくすりをあげている[20]

野菜やさいとしての栽培さいばい[編集へんしゅう]

キャベツの収穫しゅうかく(15世紀せいきごろ)

その9世紀せいきころ野菜やさいとしての栽培さいばいひろまった。現在げんざい日本にっぽん普及ふきゅうしているものは、12世紀せいきから13世紀せいきイタリア品種ひんしゅ改良かいりょうされたものが起源きげんとみられる。13世紀せいきのイギリスでは、現在げんざいのようなたまゆいせいのキャベツの記録きろくのこされている[2]。13世紀せいきから18世紀せいきにかけて中世ちゅうせいヨーロッパでは、小作こさくじんなどまずしい農民のうみんたちのあいだでみずかべるぶん食料しょくりょうとして非課税ひかぜい対象たいしょうであったキャベツをふく野菜やさい重宝ちょうほうされ、穀物こくもつはたけのすき農民のうみん自家じか菜園さいえん栽培さいばいされた[21]。18世紀せいきのイギリスでは、耐寒たいかんせいがあるキャベツは、穀物こくもつ飼料しりょう不足ふそくする冬場ふゆば家畜かちくえさとしててきしていたため、冬期とうき飼料しりょう作物さくもつとして本格ほんかくてき栽培さいばいされるようになっていた[22]

15世紀せいきまつクリストファー・コロンブス新大陸しんたいりく到達とうたつしてからは、16世紀せいきから17世紀せいきにかけてヨーロッパからの入植にゅうしょくしゃたちのによってキャベツ栽培さいばいはじめられ、しん世界せかい全域ぜんいき定着ていちゃくした[23]。18世紀せいきアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくわたると、よりにくあつやわらかく改良かいりょうすすんだ。アメリカの先住民せんじゅうみんにとっても、交易こうえきをきっかけにキャベツ栽培さいばいおこなわれるようになった[24]。19世紀せいきのヨーロッパのひん農民のうみんにとってキャベツは生活せいかつかてとして最後さいごたのみのつなといえる野菜やさいでありつづけ、アメリカのおおくのまずしい労働ろうどうしゃ階級かいきゅう家庭かていでもジャガイモとならんで毎日まいにち食卓しょくたくがる安価あんかでありふれた野菜やさいであった[25]19世紀せいきすえには、輸送ゆそう手段しゅだん発達はったつしたことにより、遠隔えんかくあいだのキャベツの売買ばいばい可能かのうになった[26]。たとえばアメリカでは、なつ北部ほくぶ生産せいさんしたキャベツを南部なんぶ供給きょうきゅうし、ふゆすころには南部なんぶさんのキャベツが北部ほくぶおくられた[26]

日本にっぽんでの普及ふきゅう[編集へんしゅう]

江戸えど時代じだい前期ぜんきにオランダじんによって長崎ながさき伝来でんらいしたが、おも観賞かんしょうよう一部いちぶ栽培さいばいされたとみられている[2]貝原かいばら益軒えきけん1709ねん宝永ほうえい6ねん)に出版しゅっぱんした『大和やまと本草ほんぞう』にはオランダナ(べにえびすすずな)として「おおきくてつやがなくしろっぽい。はなはダイコンにる。おいしい。3ねんはなき、カブ仲間なかまである」と紹介しょうかいされている。しかし食用しょくようとしてひろまることはなく、むしろ観賞かんしょうようとしてハボタンむこととなった。

結球けっきゅうせいのキャベツは幕末ばくまつ1850年代ねんだいつたわり、明治めいじにかけて横浜よこはま周辺しゅうへん根岸ねぎし子安こやす生麦なまむぎなどで居留きょりゅう外国がいこくじんけとして栽培さいばいされた[27]が、一般いっぱん日本人にっぽんじんくちにすることはなかった。

明治めいじになると殖産しょくさん興業こうぎょう一環いっかんとして栽培さいばい奨励しょうれいされた[27]。1870ねん明治めいじ2ねん農学のうがくしゃ津田つだせん築地つきじ外国がいこくじん居留きょりゅう居住きょじゅうしゃむけにたねせた[27]

1872ねん明治めいじ4ねん)、北海道ほっかいどう開拓かいたく使により札幌さっぽろ試験しけん栽培さいばいおこなわれ[27]北海道ほっかいどう開拓かいたく使発行はっこうした『西洋せいよう蔬菜そさい栽培さいばいほう』に「キャベイジ」の記載きさいされた。1874ねん明治めいじ7ねん内務省ないむしょう勧業かんぎょうりょう三田みた育種いくしゅじょうで、欧米おうべいからせた種子しゅし栽培さいばい試験しけんおこなった[27]のが、本格ほんかくてき生産せいさんはじまりとされる。こののちえた種子しゅし日本にっぽん各地かくち42府県ふけん配布はいふ試作しさく依頼いらいした。おおくの栽培さいばい成功せいこう1893ねん明治めいじ26ねん)には外国がいこくじん避暑ひしょきゃくのために、長野ながのけん北佐久きたさくぐん軽井沢かるいざわまちでも栽培さいばいはじまった[28]

大正たいしょう時代じだい品種ひんしゅ改良かいりょうすすめられ、寒冷かんれいてきすることから、栽培さいばい北海道ほっかいどうのほか、東北とうほく地方ちほう長野ながのけん拡大かくだいした。

太平洋戦争たいへいようせんそうまえには洋食ようしょく習慣しゅうかん普及ふきゅうしておらず需要じゅようかぎられていたが、戦後せんご食料しょくりょう増産ぞうさんしょく洋風ようふうあいまって生産せいさんりょう急激きゅうげき増加ぞうかし、1980年代ねんだいにはダイコンなら生産せいさんりょうとなった。

キャベツは現在げんざいではもっぱら「キャベツ」という名前なまえばれているが、太平洋戦争たいへいようせんそうまえは「かんらん(甘藍かんらん)」ともばれていた。

品種ひんしゅ[編集へんしゅう]

キャベツはさまざまな品種ひんしゅ改良かいりょうおこなわれており、世界中せかいじゅうさむさやあつさ、病害虫びょうがいちゅうなどにたいせい多様たよう品種ひんしゅ作出さくしゅつされ、利用りようされている[29]たとえば『ラルース料理りょうり百科ひゃっか事典じてん』には、60しゅえる品種ひんしゅ記載きさいがあるという。日本にっぽんでも用途ようと栽培さいばい時期じき栽培さいばい病害びょうがい抵抗ていこうせいなどのことなるすうおおくの品種ひんしゅ栽培さいばいされている[30]

グリーンボール
デンマークさんのコペンハーゲンマーケットの交配こうはいしゅで、まるたまともばれる[31]。グリーンボールという名称めいしょう銘柄めいがらめいだが、このたね総括そうかつめいとしてもちいられる。1 kg程度ていどぶりのボールがたで、につやがあり、内部ないぶまで緑色みどりいろびている。にくあつのわりにやわらかく[31]組織そしきはしっかりしている。茨城いばらきけん西部せいぶ地区ちくさんおもはるあきに、北海道ほっかいどうなど関東かんとう地方ちほう以外いがい市場いちば出荷しゅっかされている。
札幌大さっぽろだいだま(サッポロタイキュウ)
北海道ほっかいどう札幌さっぽろ発祥はっしょう巨大きょだいなキャベツ。一般いっぱんてき市販しはんされるキャベツのおもさが1 kg前後ぜんこうなのにたいし、札幌大さっぽろだいだまはその10ばい以上いじょうとなる10 kgをえるものも存在そんざいする[32]やわらかく甘味あまみつよいため、様々さまざま料理りょうりくが、近年きんねんおもニシンなどの漬物つけものよう使つかわれる[33]明治めいじ時代じだい(1895ねんごろ)に米国べいこくからまれたうち、おおきくそだ日持ひもちするキャベツから育成いくせいされた。収穫しゅうかく作業さぎょう労力ろうりょく必要ひつようなため札幌さっぽろ市内しないでの栽培さいばい一時いちじ途絶とだえかけたが、JAさっぽろが2014ねん復活ふっかつ運動うんどう開始かいし。JA職員しょくいん収穫しゅうかく手伝てつだったり、もの外食がいしょくてんなどでの消費しょうひ拡大かくだい後押あとおしする「札幌大さっぽろだいだま応援おうえんたい」を組織そしきしたりしている[34]
サボイキャベツ (Brassica oleracea convar. capitata var. sabauda L.
別名べつめいグラッド(縮緬ちりめん甘藍かんらん)、ちりめんキャベツともいう[35]。ヨーロッパではポピュラーなフランスの品種ひんしゅ[36]、フランス南東なんとうのサボイ地方ちほう起源きげんだといわれている[2]。ちりめんじょうちぢれたち、にくあつ緑色みどりいろ中心ちゅうしん黄色おうしょく[2]甘味あまみがあり、普通ふつうのキャベツにくらべると繊維せんいおおくかたいので、スープや長時間ちょうじかん煮込にこなどに使つかわれる[37][31]。プティ・シュー・ベールは、ちりめんキャベツをはやりしたもので、ゆたか野菜やさいいたぶつなどに使つかわれる[2]
ムラサキキャベツ(Brassica oleracea convar. capitata var. rubra L.
あかキャベツとも。ふゆキャベツよりもにくあつでかたい。表面ひょうめん紫色むらさきいろであるがにく白色はくしょくで、くちとく色合いろあいのうつくしさからピクルスサラダもちいられる[2]。また、ムラサキキャベツの色素しきそアントシアニンは、酸性さんせいアルカリ性あるかりせい水溶液すいようえき反応はんのう変色へんしょくするのでpH指示しじやくとすることができるほか、キャンディーやゼリーなどにあか紫色むらさきいろ発色はっしょくさせる着色ちゃくしょくりょうとしてよく使用しようされている。
エンスイキャベツ (Brassica oleracea var. capitata f, acuta
別名べつめいイアステリングといい、オランダで「初物はつもの」という意味いみ[36]。とんがりキャベツ[38]たけのこかたキャベツともばれ、普通ふつうのキャベツよりもぶりで円錐えんすいじょうとがったかたち[36]すみたまごがた結球けっきゅうする。みさきやトンガリボウシがある。やわらかく甘味あまみがある[36]
メキャベツキャベツ、Brassica oleracea var. gemmifera
につくわきが、みち2 - 3 cmにたまゆいするキャベツの1変種へんしゅ子持こもちカンラン、ヒメカンランともよばれる[38]。ふつうのキャベツより水分すいぶんすくなく、ビタミンC豊富ほうふふくまれる。独特どくとくなほろにがみがあり、おも煮込にこ料理りょうりいたぶつ使つかわれる[2]
カーボロネロ
別名べつめいくろキャベツ。分類ぶんるいじょうケール品種ひんしゅトスカーナケールともよばれる。地中海ちちゅうかい沿岸えんがん原産げんさん結球けっきゅうしないイタリアの品種ひんしゅで、トスカーナ地方ちほう名産めいさん[37]深緑しんりょくしょくでまっすぐびて、表面ひょうめんがちりめんじょうちぢれる[17]甘味あまみふゆ出荷しゅっかされ[36]なまではすこしかたく、煮込にこ料理りょうり使つかうと甘味あまみ[2]
アフリカキャベツ
別名べつめいスクマイキともばれ、スワヒリで「いのちいずみ」の[36]。アフリカ原産げんさんのキャベツの原種げんしゅ栄養えいようたかく、ミネラルを豊富ほうふふく[36]
ハボタンBrassica oleracea var. acephala f. tricolor
はなキャベツともばれ、食用しょくようではなく観賞かんしょうする。かぶ中心ちゅうしんしろあかまり牡丹ぼたんはなようえることから名付なづけられた。分類ぶんるいじょうはキャベツではなく、ケールの品種ひんしゅ

利用りよう[編集へんしゅう]

やわらかくくせのないあじなので、様々さまざま料理りょうり使つかわれる野菜やさいである。また、くきえるちいさな腋芽えきが本体ほんたい同様どうよう食用しょくようとなる。アクの成分せいぶんはほとんどなく、千切せんぎりにしてわせやサラダにしたり、せいべる以外いがいにも、たりいためたり、しるにしてべる[4][2]かたしんも、こまかくきざ加熱かねつするなどすればべることができ、米飯べいはんだい用品ようひん商品しょうひんされている[39]はるキャベツは、やわらかいのが特徴とくちょう生食なましょくもっといており、いためてもおいしくべられる[31]ふゆキャベツは、たまなかまでかたくまり、さむさやしもたると甘味あまみ[31]

生食なましょく
繊切せんぎにしてものなどのわせにしたり、コールスローなどのサラダるい調理ちょうりしたりしてべるほか、乱切らんぎりにしてそのまましお味噌みそタレをつけてべることもある。とんカツみせなどでは繊切せんぎりキャベツを放題ほうだいとして提供ていきょうしているみせもあるが、なまキャベツの食物しょくもつ繊維せんい消化しょうかわるいため、ぎると腹痛はらいたこすおそれがある。業務ぎょうむよう繊切せんぎりを使用しようする場合ばあいには、みずひたしておくと水分すいぶん吸収きゅうしゅうして膨張ぼうちょうすることでりょうえるうえ、瑞々みずみずしさをたも利点りてんがあるが、ビタミンCなど水溶すいようせい栄養素えいようそ減少げんしょうする。なお、カツなどのものえる千切せんぎりキャベツは、日本にっぽん洋食ようしょくまれたものである[17]
煮物にもの
スープざいにしたり、挽肉ひきにくなどをいてロールキャベツにしたりする。また、それらのさきあぶらいためると甘味あまみされる。もつなべにはざいとしてもちいられるほか、水炊みずたにはスープをうことで風味ふうみ[40]キャベツを白菜はくさいわりにもちいる場合ばあいがある。ちりめんキャベツは、くずれしにくいため煮込にこ料理りょうり[2]
ゆたか野菜やさい
でてサラダにしたり、わせにする[2]
ふか
による調理ちょうりほうおおい。登山とざんでは、キャベツから水分すいぶん豚肉ぶたにくるキャベッジダウンという調理ちょうりほうがある。
いたぶつ
野菜やさいいたこのかせないほか、きそばにくではあぶらっこさをおさえるはたらきがある。
漬物つけもの
浅漬あさづ糠漬ぬかづといった普通ふつうもの以外いがいに、北海道ほっかいどうではサケニシンかさけの材料ざいりょうとして、札幌大さっぽろだいだまという大型おおがた品種ひんしゅ一般いっぱんてきもちいられる。また、ドイツ料理りょうりザワークラウトは、キャベツを乳酸にゅうさん発酵はっこうさせた漬物つけものである。ほかに小型こがたのキャベツの品種ひんしゅであるグリーンボールを使つかったグリーンボールづけがある[41]
健康けんこう食品しょくひん医薬品いやくひん
キャベツにふくまれる酵素こうそ成分せいぶん抽出ちゅうしゅつした栄養えいようドリンクやダイエット食品しょくひんビタミンU利用りようしたキャベジンなどの胃腸いちょうやくつくられている。
ワイン
横浜国立大学よこはまこくりつだいがくがオリジナルキャベツワインとして開発かいはつし、販売はんばいしている。また、キャベツの特産とくさんとしてられる山梨やまなしけん南都留みなみつるぐん鳴沢なるさわむら農業のうぎょう協同きょうどう組合くみあいブドウ果汁かじゅう混合こんごうした「キャベツワイン」を開発かいはつ販売はんばいしている[42]

保存ほぞん[編集へんしゅう]

収穫しゅうかくのキャベツは長期ちょうきにわたる保存ほぞん可能かのうで、1 - 2低温ていおん倉庫そうこで、湿度しつどたかめに維持いじしておけば、極端きょくたんふゆながくないかぎり4かげつあいだ新鮮しんせんさをたも保存ほぞん可能かのうである[29]長期ちょうき保存ほぞんでは、こまかくきざんだキャベツにしお均等きんとうぜて発酵はっこうさせたザウアークラウトにすれば、すう年間ねんかん保存ほぞん可能かのうになる[29]適度てきど乳酸にゅうさん発酵はっこうしたザウアークラウトは、特有とくゆう刺激しげきしゅう酸味さんみがあるが腐敗ふはいしゅうはない[43]

代表だいひょうてき民族みんぞく料理りょうり[編集へんしゅう]

キャベツ料理りょうりつよ愛着あいちゃくいている民族みんぞくおお[44]。キャベツをおもざいにした料理りょうりには、ゴウォンプキ(ポーランドのロールキャベツ)、シチー(ロシア料理りょうり)、カプシニャック(ポーランド料理りょうり)、ガルビュール(フランス南西なんせい料理りょうり)、ロートコール(ドイツ料理りょうり)、コルカノン(アイルランド料理りょうり)、コーンビーフとキャベツ(アメリカ料理りょうり)、ザウアークラウト(ドイツ料理りょうり)などがあり、いずれも家庭的かていてき伝統でんとう料理りょうりのイメージがある[45]料理りょうりおもざいでキャベツが使つかわれているのは北半球きたはんきゅう地域ちいきのみで、南半球みなみはんきゅう地域ちいきでは料理りょうり主役しゅやくになっているれいはひとつもなく、シチュースープ、あるいはピラフペイストリーいちざいとしての使用しようにとどまる[46]

キャベツ・スープ
スープは英語えいごで、もとは「すする」「ひたす」を意味いみするデンマーク由来ゆらいし、ヨーロッパ中世ちゅうせい以降いこうに、ふかさらにパンをれてそのうえからスープをそそいだ習慣しゅうかんから名付なづけられた。キャベツ・スープは、裕福ゆうふくそうから貧民ひんみんそうまで一緒いっしょ使つかわれるざい多少たしょうちがいはあるが、19世紀せいき以降いこうのフランスでは様々さまざまなレシピほんされるほど国民こくみんてきべられていた料理りょうりで、ベーコンや野菜やさい一緒いっしょ煮込にこんでパンにひたしてべるスープである[47]。ガルビュールもフランスの伝統でんとうてきなキャベツ・スープの一種いっしゅである[48]シチーはロシアのキャベツのスープで、にくなどで出汁だしったスープにあらきざんだキャベツかザウアークラウトとオオムギれて、サワークリームこうそうなどで風味ふうみづけしたもの[49]。カプシニャクはウクライナポーランドしょくされる、ザウアークラウトとポーク・ソーセージに野菜やさいれて小麦粉こむぎこでとろみづけしたスープである[50]ポルトガルカルドヴェルデ・スープはポタージュで、キャベツのほかにジャガイモ、タマネギブロストロンシューダ・ケールというアプラナぞく野菜やさい使つか[50]。さらにスペインにはカレドガジュゴという、カルドヴェルデの変形へんけいでトロンシェンダー・ケールのわりにカブ一種いっしゅであるグレロをれたスープと、おなじくキャベツが主役しゅやくコシード・マドリレーニョという豚肉ぶたにくソーセージヒヨコまめりのスープがある[51]
ロールキャベツ
ロールキャベツあらわすキャベツのものと、その反対はんたいもの料理りょうりは、バルカン半島ばるかんはんとう諸国しょこくから北極圏ほっきょくけんまでの広範囲こうはんい分布ぶんぷしている[52]バルカン半島ばるかんはんとう中東ちゅうとうにはサルマトルコの「つつむ」に由来ゆらいする)があり、一握ひとにぎりのコメをキャベツのつつんだ料理りょうりである[52]。また、北欧ほくおうスウェーデンにはドルマ(トルコの「まれる」に由来ゆらいする)があって、キャベツのたましんをくりいてコメをんだ料理りょうりである[52]。ポーランドのゴウォンプキ、ウクライナのホロブツィリトアニアバランデーリロシアゴルゥツィ[注釈ちゅうしゃく 2]など、東欧とうおう諸国しょこくにくとコメをつつんだロールキャベツには、いずれも「ちいさなハト」を意味いみする名前なまえがつけられている[53]。ロシアのロールキャベツは甘酸あまずっぱいソースとサワークリームとともに食卓しょくたくし、ウクライナのロールキャベツはつぶさソバアワコーンスターチなども一緒いっしょめる[53]。ロールキャベツのなかめるざい諸国しょこくごとに変化へんかし、バルカン半島ばるかんはんとう住人じゅうにんはザウアークラウトのにくだねをつつみ、中東ちゅうとうにはにくまったはいっていないサルマもある[53]使つかわれるスープは、ベースにトマトソースやブイヨンなど、普段ふだん家庭かていにストックしてあるものが使つかわれる[53]。フランスでは、キャベツのパン生地きじつつんでなべれるという伝統でんとう料理りょうりがあり、ガスコーニュ地方ちほうではブラゼールというキビのパンが使つかわれている[54]。キャベツしんをくりいてめたヨーロッパのもの料理りょうりは、たいていっぱくて塩気しおけがある[55]。キャベツのものハンガリーでは国民こくみんてき料理りょうりとしてしたしまれているが、もの料理りょうり場合ばあい、キャベツのたま調理ちょうりわるまでそのままのかたちあつかうのは大変たいへんなので、大半たいはんくにではその代品だいひんとしてロールキャベツがつくられている[55]
ザウアークラウトとにく煮込にこ
ザウアークラウトソーセージをよくべる地域ちいきでは、この2つを煮込にこんで料理りょうりする。バルカン半島ばるかんはんとう諸国しょこくポドヴァラクと、ポーランドのビゴスは、ほぼおな内容ないよう料理りょうりであり、タマネギとザウアークラウトをいためて、にく煮込にこんだ料理りょうりである[56]。フランスでは、ソーセージとザウアークラウトをワインで煮込にこむことがおお[57]。アメリカのペンシルベニアしゅう移民いみんしたドイツじんのあいだでつくられるグンビスまたはクナブルスとよばれる料理りょうりは、にく千切せんぎりキャベツがそうになっているビゴスに料理りょうりとされる[58]
ダンプリング
モンゴル帝国ていこく時代じだいにモンゴルじんによってひろめられたといわれるダンプリングは、まるばした小麦粉こむぎこ生地きじ半分はんぶんってざいつつんだ料理りょうりである[59]みなみ中国ちゅうごく餃子ぎょうざ西にしはロシア、ポーランドのピエロギ、ウクライナのヴァレーニキまでひろがり、高緯度こういど地域ちいきになるほどざいにくくわえてキャベツ(もしくはザウアークラウト)をつつ傾向けいこうつよ[59]
ジャガイモとキャベツを使つかった料理りょうり
ヨーロッパ北部ほくぶ地域ちいきは、ジャガイモとキャベツをわせた料理りょうり多岐たきにわたる。ジャガイモをざくりのキャベツとともにいためた料理りょうりに、イギリスバブル&スクイーズカタロニアトリンチャットがある[60]スコットランドランブルディサンプスは、マッシュポテト千切せんぎりキャベツをぜてオーブンきした料理りょうりである[60]。また、でたキャベツとジャガイモをわせてつぶした料理りょうりに、アイルランドコルカノンオランダスタンポットフランドル地域ちいきストゥンプがある[60]
その
コールスローは18世紀せいきのアメリカでばれはじめられたサラダで、みじんりのキャベツをサラダと一緒いっしょドレッシングマヨネーズぜてつく[61]。ドイツじん、チェコじん北欧ほくおうじんあきになると、あかキャベツとにく使つかった甘酸あまずっぱい料理りょうりつく風習ふうしゅうがある[61]北欧ほくおうでは真冬まふゆに「グリュンコールエッセン」「コールファート」とよばれる、だいさけむために一緒いっしょにキャベツなどをべることを口実こうじつって居酒屋いざかや出歩である風習ふうしゅうがある[62]ニュージーランドでは、マオリぞく伝統でんとう料理りょうりハンギで、きにするにくなどの食材しょくざいつつむためにキャベツの使つか[62]朝鮮ちょうせんじん白菜はくさい以外いがいにもキムチにもちいる。中米ちゅうべいエルサルバドルにはクルティドというキャベツの酢漬すづけがあり、ププサという軽食けいしょくわせる[46]

薬効やっこう[編集へんしゅう]

薬用やくようとする部位ぶい茎葉けいようで、甘藍かんらん(かんらん)としょうする[4]十二指腸じゅうにしちょうなどの潰瘍かいよう予防よぼうに、食事しょくじ副食ふくしょくにキャベツを積極せっきょくてきれるよいとされる[1]食物しょくもつ繊維せんい豊富ほうふなことから、便通べんつうをよくするはたらきから便秘べんぴがちのひとにも役立やくだ[1]

古代こだいギリシアの時代じだいから健康けんこうしょくとして薬用やくよう利用りようされており、様々さまざま機能きのう調整ちょうせいをしてくれるくすりさいであり、体質たいしつにあまり関係かんけいなくまんにん使用しようできる[4]8世紀せいきはじめのとうだい中国ちゅうごくかれた『本草ほんぞう拾遺しゅうい(ほんそうしゅうい)』には、「骨髄こつづい筋骨きんこつちからをつけ、五臓六腑ごぞうろっぷ機能きのうととのえ、関節かんせつみみ機能きのう調製ちょうせいし、のつかえをる」とある[4]

パルミチンさんリノールさんオレインさんなどの脂肪しぼうビタミンUなどをふくんでいる[1]。ビタミンUはこう潰瘍かいようせいで、胃潰瘍いかいよう十二指腸じゅうにしちょう潰瘍かいようなどの粘膜ねんまくただれ再生さいせいする作用さようがあることから、製薬せいやくメーカーから製剤せいざい市販しはんされている[1]。キャベツの外側そとがわにはビタミンKおおふくまれ、止血しけつ作用さようがあり、骨粗鬆症こつそしょうしょう予防よぼうかん機能きのうたすけるはたらきがあるといわれている[9]蔬菜そさいるいには結石けっせき原因げんいんとなるシュウさんふくむものがおおいといわれるが、キャベツにはふくまれない[1]食物しょくもつ繊維せんいおおく、便通べんつうをよくする野菜やさいとして注目ちゅうもくされている[1]

フランス薬草やくそう療養りょうようモーリス・メッセゲによれば、1975ねん発表はっぴょうした薬草やくそう療法りょうほう紹介しょうかいした著書ちょしょで、リウマチ痛風つうふう腰痛ようつう座骨ざこつ神経痛しんけいつうなどのいたみでなやんでいるひとに、キャベツのをとってすべすべになるまでアイロンがけして、身体しんたいいた患部かんぶけて包帯ほうたいかガーゼでかるめ、1にちすうかいあたらしいものと交換こうかんするようにすると、いたみをやわらげるのに役立やくだつとしている[63]現在げんざい医師いしも、授乳じゅにゅうちゅう乳腺にゅうせんえんれにはキャベツの湿布しっぷするようにすすめているという[64]アメリカヨーロッパインドでは、授乳じゅにゅうちゅう母親ははおやは、むねりのいたみをやわらげるためブラジャーにキャベツのれるようにすすめられるというが、医学いがくてきには効果こうかがないことがわかっている[65]日本にっぽん民間みんかん療法りょうほうでも、腰痛ようつう筋肉きんにくつうおおきめのであぶって2 - 3まいかさねてるとしている[4]

こうがん作用さよう主張しゅちょうする研究けんきゅう[編集へんしゅう]

キャベツがぞくするアブラナ野菜やさいにはがん予防よぼう効果こうかがあるとわれており[66]、がん抑制よくせい物質ぶっしつであるアブラナイソチオシアネートなどの成分せいぶんや、調理ちょうり過程かてい発生はっせいするニトロソアミンというはつがん物質ぶっしつ作用さよう抑制よくせいするペルオキシダーゼ効果こうかともわれている[9][67][信頼しんらいせいよう検証けんしょう]。かつて、デザイナーフーズ計画けいかくのピラミッドで1ぐんぞくしており、カンゾウともに、さい上位じょういぞくするニンニクいで2番目ばんめたかがん予防よぼう効果こうかのある食材しょくざいであるとの評価ひょうかけていた[9][68]。また、キャベツにおおふくまれるビタミンCこう酸化さんか作用さようはたらきによってがん予防よぼう貢献こうけんする[9]

苦味にがみ成分せいぶんグルコシノレートがんのリスクを低減ていげんさせるという報告ほうこくもあるが、キャベツのグルコシノレートはヨウもと体内たいない摂取せっしゅさまたげるはたらきもあることから、甲状腺こうじょうせん肥大ひだい甲状腺こうじょうせんしゅ)の原因げんいんにもなるので、いちぎるのはよくないともいわれている[69]

栽培さいばい[編集へんしゅう]

発芽はつがしたキャベツ。なえ温度おんど管理かんりそだてる。

キャベツは冷涼れいりょう気候きこうてきした野菜やさいであり[8]栽培さいばい時期じき北半球きたはんきゅうでは一般いっぱんあきからはる(9 - 5がつ)のシーズンちゅうおこなわれ、気温きおん15 - 20栽培さいばいてきしている[70]気温きおんが5までがっても成長せいちょうをしつづけ、まだちいさなうちのなえであれば、マイナス12環境かんきょうでも1、2ばん程度ていどならえられる[8]

日本にっぽんでは、はるまき、なつまき、あきまきによる3つのさくがたによってつくられる[71]。どの時期じきなえづくりの温度おんど管理かんり重要じゅうようとなり、はるまきは保温ほおんしながら育苗いくびょうし、なつまき・あきまきはすずしく管理かんりして育苗いくびょうする[71]。キャベツは連作れんさくきら作物さくもつで、おなじアブラナ作物さくもつを3 - 4ねんつくっていない土地とちがよい[70]輪作りんさく年限ねんげんは2 - 3ねんとされる[71]酸性さんせい土壌どじょうよわ性質せいしつで、石灰せっかいなどを散布さんぷし、元肥もとごえをたくさんすきんだ土壌どじょうだとよくそだ[70]なつたねいてもそだてられるが、ふつうあき畑地はたちなええて定植ていしょくし、乾燥かんそうよわいため根付ねつくまでみずやりに注意ちゅういがいる[70]気温きおんがってから結球けっきゅうはじまるまで、なえびる時期じき追肥ついひみずやりがおこなわれる[72]結球けっきゅうおおきくそだち、たまかたまるころが収穫しゅうかく時期じきとなる。収穫しゅうかく適期てっきぎてしまうと、結球けっきゅうれてしまったり、とうちしてしまうことがある[72]アオムシ食害しょくがい注意ちゅういようする[72]

播種はしゅは、ぶしわせたなえ管理かんり重要じゅうようになる[71]れた育苗いくびょうばこすじまきする[71]。キャベツの発芽はつが温度おんどは15 - 30適温てきおんとなり、はるまきの場合ばあいは、最低さいてい温度おんどが15以下いかにならないように保温ほおんしながら育苗いくびょうする[71]なつまきやあきまきでは、あつくなりすぎないように育苗いくびょうばこ育苗いくびょうポット風通かぜとおしよくする[71]ほんたら1 - 2ほんずつ育苗いくびょうポットにえ、つづ温度おんど管理かんりしながらそだてる[71]ほんが5まい前後ぜんこうのころが定植ていしょく適期てっきとなり、あらかじめ元肥もとごえほどこして準備じゅんびしたはたけうねける[73]株間かぶまは45 cm前後ぜんこう目安めやすになる[73]定植ていしょくアオムシなどの害虫がいちゅうふせぐために寒冷紗かんれいしゃでトンネルがけをしたり、雑草ざっそう対策たいさくうねマルチングをしてから定植ていしょくするとよい[73]定植ていしょくから2週間しゅうかんほどで中耕ちゅうこう追肥ついひおこない、キャベツが十分じゅうぶんおおきさにかたいてきたものから収穫しゅうかくする[74]収穫しゅうかくさいは、そとさえて、かぶもと包丁ほうちょうって収穫しゅうかくする[74]収穫しゅうかく適期てっきぎると、そのうちキャベツがれてくさりやすくなってしまうことがある[74]そとがアオムシなどに食害しょくがいされていても、中央ちゅうおうがしっかりいていれば収穫しゅうかくしてべることはできる[74]

病虫害びょうちゅうがい[編集へんしゅう]

アオムシなどの食害しょくがいけやすい

モンシロチョウコナガヨトウガアワノメイガなどの幼虫ようちゅう(アオムシやヨトウムシシンクイムシなど)の格好かっこうのエサになるため、食害しょくがい害虫がいちゅう)が問題もんだいとなる[73][75]

農薬のうやく栽培さいばい手法しゅほうとして、キャベツのうねごとにチョウるい進入しんにゅうゆるさないよう、寒冷紗かんれいしゃでトンネルを手法しゅほうられるが[71]手間てまかることもあり、販売はんばい通常つうじょうのキャベツのばいちかくになる。家庭かてい菜園さいえん場合ばあいは、あき栽培さいばいにすると、農薬のうやく殺虫さっちゅうざい使用しようりょうおさえやすい。

現代げんだい遺伝いでん学者がくしゃであるイギリスのオックスフォードシャー科学かがくしゃグループは、生物せいぶつ殺虫さっちゅうざい研究けんきゅうにおいて、キャベツにつく害虫がいちゅうイラクサギンウワバという幼虫ようちゅう駆除くじょする目的もくてきで、キャベツに感染かんせんさせるウイルスをキャベツはたけ噴霧ふんむしたが、このウイルスが遺伝子いでんしえをこして、キャベツ細胞さいぼうない複製ふくせいおこなったのはサソリどくおな成分せいぶんだった[76]。この衝撃しょうげきてき出来事できごとはインターネットのウェブサイトじょうげられて物議ぶつぎかもしたが、バイオ農薬のうやくとしては生産せいさんされていない[76]

生産せいさん[編集へんしゅう]

渥美半島あつみはんとうのキャベツはたけ(2006ねん12月撮影さつえい
はないた、キャベツ。結球けっきゅうしたなかから花芽かがのトウが

キャベツ生産せいさんりょう世界せかいをリードしているのは中国ちゅうごくで、世界せかい全体ぜんたい生産せいさんりょう半分はんぶん以上いじょうめ、2007ねんにはさまざまなたねのキャベツるい3600まんトン以上いじょう生産せいさんしている[29]

日本にっぽんでの統計とうけいは、1910ねんごろから。生産せいさん急速きゅうそくびたのは1960ねん - 1965ねんごろ

年度ねんど 生産せいさんりょうせんt) 補足ほそく
1910ねん 0 043
1945ねん 0 191
1986ねん 1,667 最多さいた
2003ねん 1,435
2004ねん 1,375
2005ねん 1,363
2006ねん 1,372 東京とうきょう市場いちば 卸売おろしうり価格かかく
34えん/kg(12月6にち
2008ねん 東京とうきょう市場いちば 卸売おろしうり価格かかく
49えん/kg(9月22にち
2011ねん 1,360

本来ほんらいしゅん原産地げんさんち気候きこう地中海ちちゅうかいせい気候きこう)から冬季とうきかんがえられる。しかし、日本にっぽんでは栽培さいばい標高ひょうこう緯度いど出荷しゅっか時期じきことなる。さらに現代げんだいいた品種ひんしゅ改良かいりょう結果けっか年間ねんかんとおして出荷しゅっか可能かのうとなっているので、特定とくていしゅん存在そんざいしない。

日本にっぽんでは出荷しゅっか時期じきによって、ふゆキャベツ(11 - 3がつ作付さくづけ出荷しゅっかともに最多さいたで、たままったひらたいかたち特徴とくちょう)、夏秋なつあきキャベツ(7 - 10月。[注釈ちゅうしゃく 3])、はるキャベツ(4 - 6がつ生産せいさんりょうすくなめだが人気にんきたかく、近郊きんこう栽培さいばい中心ちゅうしんしんキャベツとも)に分類ぶんるいされている。

キャベツは、収穫しゅうかく時期じきにより特定とくてい産地さんち生産せいさん集中しゅうちゅうしてきている。おおよそであるが、ふゆキャベツは愛知あいちけん渥美半島あつみはんとうなど)が中心ちゅうしんで、夏秋なつあきキャベツは群馬ぐんまけん嬬恋つまごいむらなど)、北海道ほっかいどう長野ながのけんなど[77]はるキャベツは千葉ちばけん銚子ちょうしなど)、神奈川かながわけん三浦みうらなど)が主体しゅたいとなっている[77]

ふゆキャベツの場合ばあい、8がつごろたねをまき、12月 - 4がつにかけて収穫しゅうかくされる。アブラナ野菜やさいにもてはまることがおおいが、栽培さいばいされるのは固定こてい品種ひんしゅではなく、いちだい雑種ざっしゅ大半たいはんである。また北海道ほっかいどう和寒わっさむまちではあきのキャベツをゆきなかかせ糖度とうどした越冬えっとう野菜やさい越冬えっとうキャベツ有名ゆうめいである。

生産せいさん過剰かじょう問題もんだい[編集へんしゅう]

農業のうぎょうは、天候てんこうなど予測よそくしにくい要素ようそによって生産せいさんりょう左右さゆうされ、生産せいさんしゃあたまなやませる。不作ふさくはもちろん、だい豊作ほうさくによっても、キャベツを発送はっそうしたり梱包こんぽうざい(ダンボール)を購入こうにゅうする代金だいきんないほど、卸売おろしうり価格かかく暴落ぼうらくしてしまう。

豊作ほうさくにより、市場いちば卸売おろしうり価格かかく相当そうとう下落げらく見込みこまれる場合ばあい農業のうぎょう協同きょうどう組合くみあいから農林水産省のうりんすいさんしょう届出とどけでおこない、緊急きんきゅう需給じゅきゅう調整ちょうせい市場いちば隔離かくり 一般いっぱんには生産せいさん調整ちょうせいしょうされる)として、かく農家のうか出荷しゅっかおさえるよう依頼いらいする。これに協力きょうりょくして廃棄はいきする場合ばあいには、だい規模きぼ生産せいさん農家のうかかぎり、交付こうふきん(2008ねんは、32えん/kg。半分はんぶん農家のうかによる積立つみたてきん半分はんぶん税金ぜいきん)が支給しきゅうされる。

あきになると、生産せいさん過剰かじょうとなったとしには愛知あいちけんひがしさんかわ地方ちほう渥美半島あつみはんとうなど)や群馬ぐんまけん嬬恋つまごいむらなど)で、生産せいさん調整ちょうせいによって廃棄はいきされるキャベツの映像えいぞう報道ほうどうされる。そのキャベツは、はたけ肥料ひりょうとしてトラクター一緒いっしょこうおこりすることがおおい。

一方いっぽうで、中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくからの輸入ゆにゅうが、2010ねん平成へいせい22ねん時点じてんで3 - 6%程度ていどおこなわれている。

消費しょうひりょう収穫しゅうかくりょう減少げんしょう問題もんだい[編集へんしゅう]

世界せかいてきに、中国ちゅうごく発展はってん途上とじょうこく中心ちゅうしんに、一人ひとりあたりの年間ねんかん野菜やさい消費しょうひりょう先進せんしん諸国しょこくえて増加ぞうかしており、とく中国ちゅうごくはアブラナぞくのキャベツなどの消費しょうひ拡大かくだいしている[78]。しかし、中国ちゅうごく以外いがい地域ちいきのキャベツ消費しょうひりょう減少げんしょう傾向けいこうにある[78]。アメリカのキャベツ年間ねんかん消費しょうひりょうは、1920ねん一人ひとりあたり10キログラムあったが、2002ねんには3.7キログラムへ減少げんしょうしている[79]。ドイツのザウアークラウト消費しょうひりょう減少げんしょうしており、1990年代ねんだいの10年間ねんかんでドイツ国民こくみんいちにんあたりの年間ねんかん消費しょうひりょうは、1.7キログラムから1.2キログラムまで減少げんしょうした[80]。こうしたキャベツ消費しょうひりょう減少げんしょうする現象げんしょうは、都市とし環境かんきょうおおきなところほど顕著けんちょであるといわれている[80]。フランスでは、ケール人気にんきされて、1890年代ねんだいからブルターニュ地方ちほう栽培さいばいされていたあまいちりめんキャベツが姿すがたしつつある[80]

近年きんねん地球ちきゅう温暖おんだん問題もんだいも、キャベツにとっておおきな脅威きょういとなっている。キャベツは気温きおん30えると収穫しゅうかくりょう減少げんしょうし、35以上いじょうになるとたねからそだてたキャベツのなえれてしまう[81]

文化ぶんか[編集へんしゅう]

英語えいごでcabbagehead(キャベツあたま)は「石頭いしあたま」の(ドイツ方面ほうめんのキャベツのかたさから)。またKraut(クラウト)といえば侮蔑ぶべつてきドイツじんのことをす(ザワークラウトからの連想れんそう。ドイツ野郎やろう)。一方いっぽうドイツではキャベツをコール(Kohl)というが、これはドイツじん苗字みょうじにもなっている。たとえばドイツ連邦れんぽう共和きょうわこくもと首相しゅしょうヘルムート・コールなどがげられる。またコール(Kohl)はスラングで「低能ていのう、バカ」と意味いみもある。

オランダでは、「キャベツ」「石炭せきたん」ともにkool(コール)である。つまり、ドイツのKohl(キャベツ)・Kohle(石炭せきたん)、英語えいごのcoalはどう語源ごげんである。カチカチにかたいのが共通きょうつうてんである。

フランスではキャベツをchouといい、愛情あいじょう表現ひょうげんとしてmon chou (monは英語えいごのmyに相当そうとう)と男女だんじょったり、子供こどもたいしてったりする。

いつた[編集へんしゅう]

みなみヨーロッパではキャベツはブドウ天敵てんてきとされ、ブドウはたけちかくにはキャベツをえない。蜜蜂みつばちかいしてキャベツのにおいがブドウにうつるのをふせぐためとわれている。同様どうよう理由りゆう養蜂ようほういえはキャベツはたけまわりには巣箱すばこかない。また、ギリシャ神話しんわには酒神しゅしんディオニュソストラキアおうリュクルゴスにまつわるキャベツの起源きげん伝説でんせつがある[82]

アメリカ南部なんぶでは、元日がんじつにキャベツのべるとそのとしかねうん上昇じょうしょうするといわれている[83]ドイツオランダベルギーではなんひゃくねんものあいだ、あかちゃんはキャベツのしたからつかっているとわれつづけていた[8]

風習ふうしゅう[編集へんしゅう]

ハロウィーンのキャベツうらないの伝統でんとうは、1835ねんきたアイルランドからあったといわれ、大西洋たいせいようわたってアメリカにもつたわっている[84]目隠めかくしをしたわか男女だんじょはたけれてかれ、キャベツをいて、くきおおきさやかたち未来みらい伴侶はんりょうらなうというものである[84]米国べいこくニューイングランドニュージャージーしゅう一部いちぶでは、ハロウィーンの前夜ぜんやは「キャベツ・ナイト」といまでもよばれている[85]。キャベツ・ナイトの名称めいしょうは、スコットランドのキャベツ(ケール)うらないの風習ふうしゅうからはっしているといわれ、うらないの役目やくめたしたキャベツをドアにかってげつけて、そのからわるふざけが伝統でんとうとなっている[85]カナダのノヴァンコシア州都しゅうとハリファックスと、ニューイングランドの一部いちぶでは、ハロウィーン前夜ぜんやを「キャベツ・スタンプ・ナイト」(キャベツのみきよる)とよんで、わるふざけをするものがキャベツのみき隣家りんかのドアをたたく[86]

キャベツにまつわる作品さくひん[編集へんしゅう]

作曲さっきょくクロード・ドビュッシーむすめクロード=エンマ・ドビュッシーをシュウシュウChouchou(キャベツちゃん)とんで可愛かわいがり、愛娘まなむすめのために『子供こども領分りょうぶん』や『おもちゃばこ』といった作品さくひんんだ。

1982ねん昭和しょうわ57ねん)、アメリカにてキャベツ人形にんぎょう(キャベツはたけ人形にんぎょうとも)が玩具おもちゃメーカーのコレコによって量産りょうさんされ、1980年代ねんだいなかばにだいブームこした[79]。この人形にんぎょう量産りょうさんまえ製作せいさくしゃおさなころ「キャベツからまれた」とかされていたため、「キャベツから子供こどもまれる」というモチーフをもと作成さくせいされている。メーカーの説明せつめいによれば、キャベツのにある子宮しきゅうから1おく1500まんえるキャベツ人形にんぎょう誕生たんじょうしたという[80]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ アブラナカラシナ(アブラナぞく)には12,000 ppmホースラディッシュ(セイヨウワサビぞく)には2,600 ppmというこう濃度のうどのイソチオシアンさんアリルがふくまれている[14]
  2. ^ ロシアには、こまかくきざんだキャベツににくとコメをわせた、「だるなさけちいさなハト」を意味いみするレニヴィ・ゴルッツィという料理りょうりもある[53]
  3. ^ 標高ひょうこうたか冷涼れいりょう栽培さいばいされ、「高原こうげんキャベツ」ともよばれている。産地さんち群馬ぐんまけん嬬恋つまごいむら有名ゆうめい[77]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

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参考さんこう書籍しょせき[編集へんしゅう]

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  • メグ・マッケンハウプト ちょすみ敦子あつこ やく『キャベツと白菜はくさい歴史れきしはら書房しょぼう〈「しょく」の図書館としょかん〉、2019ねん4がつ23にちISBN 978-4-562-05651-4 
  • 猪股いのまた慶子けいこ監修かんしゅう 成美せいびどう出版しゅっぱん編集へんしゅうへん『かしこくえらぶ・おいしくべる 野菜やさいまるごと事典じてん成美せいびどう出版しゅっぱん、2012ねん7がつ10日とおかISBN 978-4-415-30997-2 
  • 貝津かいづ好孝よしたか日本にっぽん薬草やくそう小学館しょうがくかん小学館しょうがくかんのフィールド・ガイドシリーズ〉、1995ねん7がつ20日はつかISBN 4-09-208016-6 
  • 金子かねこよしとう有機ゆうき農薬のうやくでできる野菜やさいづくりだい事典じてん成美せいびどう出版しゅっぱん、2012ねん4がつ1にちISBN 978-4-415-30998-9 
  • 講談社こうだんしゃ へん『からだにやさしいしゅん食材しょくざい 野菜やさいほん講談社こうだんしゃ、2013ねん5がつ13にちISBN 978-4-06-218342-0 
  • 主婦しゅふ友社ともしゃ へん野菜やさいまるごと大図おおずあきら主婦しゅふ友社ともしゃ、2011ねん2がつ20日はつかISBN 978-4-07-273608-1 
  • 田中たなか孝治こうじきめと使つかかたがひとでわかる 薬草やくそう健康けんこうほう講談社こうだんしゃ〈ベストライフ〉、1995ねん2がつ15にちISBN 4-06-195372-9 

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

  • 小売こうり価格かかく推移すいい キャベツ (PDF) - 統計とうけいきょく
  • 清水しみず克志かつし日本にっぽんにおけるキャベツ生産せいさん地域ちいき成立せいりつとその背景はいけいとしてのキャベツしょく習慣しゅうかん定着ていちゃく-明治めいじ後期こうきから昭和しょうわ戦前せんぜん中心ちゅうしんとして-」『地理ちりがく評論ひょうろん』81かん1ごう、2008ねん、1-24ぺーじdoi:10.4157/grj.81.1
  • キャベツ』 - コトバンク