労働安全衛生法

労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせい法ほう
日本にっぽんの法令ほうれい
通称つうしょう・略称りゃくしょう	安衛やすえ法ほう・労ろう安衛やすえ法ほう
法令ほうれい番号ばんごう	昭和しょうわ47年ねん法律ほうりつ第だい57号ごう
種類しゅるい	労働ろうどう法ほう
効力こうりょく	現行げんこう法ほう
成立せいりつ	1972年ねん6月がつ2日にち
公布こうふ	1972年ねん6月がつ8日にち
施行しこう	1972年ねん10月がつ1日にち
所管しょかん	（労働省ろうどうしょう→） 厚生こうせい労働省ろうどうしょう［労働ろうどう基準局きじゅんきょく］
主おもな内容ないよう	労働ろうどう環境かんきょうの安全あんぜんや衛生えいせい環境かんきょうの維持いじなど
関連かんれん法令ほうれい	労働ろうどう基準きじゅん法ほう、じん肺ぱい法ほう、作業さぎょう環境かんきょう測定そくてい法ほう
条文じょうぶんリンク	労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせい法ほう - e-Gov法令ほうれい検索けんさく

労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせい法ほう（ろうどうあんぜんえいせいほう、昭和しょうわ47年ねん法律ほうりつ第だい57号ごう）は、労働ろうどう者しゃの安全あんぜんと衛生えいせいについての基準きじゅんを定さだめた日本にっぽんの法律ほうりつである。

当時とうじの日本にっぽんの産業さんぎょう経済けいざいの発展はってんは、世界せかいにも類るいのない目めざましいものがあり、それに伴ともない、技術ぎじゅつ革新かくしん、生産せいさん設備せつびの高度こうど化か等とうが急激きゅうげきに進展しんてんしたが、この著いちじるしい経済けいざい興隆こうりゅうのかげに、多おおくの労働ろうどう者しゃが労働ろうどう災害さいがいを被こうむっているという状況じょうきょうにあった。この法律ほうりつは、これらの問題もんだい点てんを踏ふまえ、最低さいてい基準きじゅんの遵守じゅんしゅ確保かくほの施策しさくに加くわえて、事業じぎょう場内じょうないにおける安全あんぜん衛生えいせい責任せきにん体制たいせいの明確めいかく化か、安全あんぜん衛生えいせいに関かんする企業きぎょうの自主じしゅ的てき活動かつどうの促進そくしんの措置そちを講こうずる等とう労働ろうどう災害さいがいの防止ぼうしに関かんする総合そうごう的てき、計画けいかく的てきな対策たいさくを推進すいしんすることにより職場しょくばにおける労働ろうどう者しゃの安全あんぜんと健康けんこうを確保かくほするとともに、快適かいてきな作業さぎょう環境かんきょうの形成けいせいを促進そくしんすることを目的もくてきとして制定せいていされたものである（昭和しょうわ47年ねん9月がつ18日にち発はつ基もと第だい91号ごう）。内閣ないかく提出ていしゅつ法案ほうあんとして、1972年ねん（昭和しょうわ47年ねん）の第だい68回かい国会こっかいにて衆参しゅうさん両院りょういんの全会ぜんかい一致いっちにより成立せいりつした。労働ろうどう基準きじゅん法ほうの第だい5章しょう（安全あんぜん及および衛生えいせい）ならびに労働ろうどう災害さいがい防止ぼうし団体だんたい等とうに関かんする法律ほうりつの第だい2章しょう（労働ろうどう災害さいがい防止ぼうし計画けいかく）、第だい4章しょう（特別とくべつ規制きせい）を統合とうごうしたものを母体ぼたいとし、さらに新規しんきの規制きせい事項じこう、国くにの援助えんじょ措置そちに関かんする規定きていなどを加くわえて制定せいていされた。同年どうねん6月がつ8日にち公布こうふ、一部いちぶの規定きていを除のぞき10月がつ1日にち施行しこう。

主務しゅむ官庁かんちょう

• 厚生こうせい労働省ろうどうしょう労働ろうどう基準局きじゅんきょく安全あんぜん衛生えいせい部ぶ計画けいかく課か

次つぎの各かく省庁しょうちょうと連携れんけいして執行しっこうにあたる。

• 経済けいざい産業さんぎょう省しょう製造せいぞう産業さんぎょう局きょく化学かがく物質ぶっしつ管理かんり課か
• 経済けいざい産業さんぎょう省しょう商務しょうむ情報じょうほう政策せいさく局きょく産業さんぎょう保安ほあんグループ保安ほあん課かおよび電力でんりょく安全あんぜん課か
• 環境省かんきょうしょう水みず・大気たいき環境かんきょう局きょく環境かんきょう管理かんり課か
• 原子力げんしりょく規制きせい庁ちょう放射線ほうしゃせん防護ぼうご企画きかく課か
• 国土こくど交通省こうつうしょう不動産ふどうさん・建設けんせつ経済けいざい局きょく建設けんせつ業ぎょう課か

構成こうせい

• 第だい1章しょう:総則そうそく（第だい1条じょう～第だい5条じょう）
• 第だい2章しょう:労働ろうどう災害さいがい防止ぼうし計画けいかく（第だい6条じょう～第だい9条じょう）
• 第だい3章しょう:安全あんぜん衛生えいせい管理かんり体制たいせい（第だい10条じょう～第だい19条じょうの3）
• 第だい4章しょう:労働ろうどう者しゃの危険きけん又または健康けんこう障害しょうがいを防止ぼうしするための措置そち（第だい20条じょう～第だい36条じょう）
• 第だい5章しょう:機械きかい等ひとし及および有害ゆうがい物ぶつに関かんする規制きせい（第だい37条じょう～第だい58条じょう）
• 第だい6章しょう:労働ろうどう者しゃの就業しゅうぎょうに当とうたつての措置そち（第だい59条じょう～第だい63条じょう）
• 第だい7章しょう:健康けんこうの保持ほじ増進ぞうしんのための措置そち（第だい64条じょう～第だい71条じょう）
• 第だい7章しょうの2:快適かいてきな職場しょくば環境かんきょうの形成けいせいのための措置そち（第だい71条じょうの2～第だい71条じょうの4）
• 第だい8章しょう:免許めんきょ等とう（第だい72条じょう～第だい77条じょう）
• 第だい9章しょう:安全あんぜん衛生えいせい改善かいぜん計画けいかく等とう（第だい78条じょう～第だい87条じょう）
• 第だい10章しょう:監督かんとく等とう（第だい88条じょう～第だい100条じょう）
• 第だい11章しょう:雑則ざっそく（第だい101条じょう～第だい115条じょう）
• 第だい12章しょう:罰則ばっそく（第だい115条じょうの2～第だい123条じょう）
• 附則ふそく
• 別表べっぴょう第だい一いち～別べつ表ひょう第だい二に十じゅう二に

目的もくてき等とう

本法ほんぽうは、労働ろうどう基準きじゅん法ほうと相あいまって、労働ろうどう災害さいがいの防止ぼうしのための危害きがい防止ぼうし基準きじゅんの確立かくりつ、責任せきにん体制たいせいの明確めいかく化か及および自主じしゅ的てき活動かつどうの促進そくしんの措置そちを講こうずる等ひとしその防止ぼうしに関かんする総合そうごう的てき計画けいかく的てきな対策たいさくを推進すいしんすることにより職場しょくばにおける労働ろうどう者しゃの安全あんぜんと健康けんこうを確保かくほするとともに、快適かいてきな職場しょくば環境かんきょうの形成けいせいと促進そくしんを目的もくてきとする法律ほうりつである（第だい1条じょう）。労働ろうどう者しゃの安全あんぜんと衛生えいせいについてはかつては労働ろうどう基準きじゅん法ほうに規定きていがあったが、これらの規定きていを分離ぶんり独立どくりつさせて作つくられたのが本法ほんぽうである。したがって、本法ほんぽうと労働ろうどう基準きじゅん法ほうとは一体いったいとしての関係かんけいに立たち、労働ろうどう基準きじゅん法ほうの労働ろうどう憲章けんしょう的てき部分ぶぶん（労働ろうどう基準きじゅん法ほう第だい1条じょう~第だい3条じょう）は労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせい法ほうの施行しこうにあたっても当然とうぜんその基本きほんとされなければならない（昭和しょうわ47年ねん9月がつ18日にち発はつ基もと91号ごう）。一方いっぽうで、本法ほんぽうには労働ろうどう基準きじゅん法ほうから修正しゅうせい・充実じゅうじつされた点てんや新あらたに付加ふかされた特徴とくちょうなど、独自どくじの内容ないようも少すくなくない。

事業じぎょう者しゃは、単たんにこの法律ほうりつで定さだめる労働ろうどう災害さいがいの防止ぼうしのための最低さいてい基準きじゅんを守まもるだけでなく、快適かいてきな職場しょくば環境かんきょうの実現じつげんと労働ろうどう条件じょうけんの改善かいぜんを通つうじて職場しょくばにおける労働ろうどう者しゃの安全あんぜんと健康けんこうを確保かくほするようにしなければならない。また、事業じぎょう者しゃは、国くにが実施じっしする労働ろうどう災害さいがいの防止ぼうしに関かんする施策しさくに協力きょうりょくするようにしなければならない（第だい3条じょう1項こう）。機械きかい、器具きぐその他たの設備せつびを設計せっけいし、製造せいぞうし、若もしくは輸入ゆにゅうする者もの、原材料げんざいりょうを製造せいぞうし、若もしくは輸入ゆにゅうする者もの又または建設けんせつ物ぶつを建設けんせつし、若もしくは設計せっけいする者ものは、これらの物ものの設計せっけい、製造せいぞう、輸入ゆにゅう又または建設けんせつに際さいして、これらの物ものが使用しようされることによる労働ろうどう災害さいがいの発生はっせいの防止ぼうしに資しするように努つとめなければならない（第だい3条じょう2項こう）。建設けんせつ工事こうじの注文ちゅうもん者しゃ等とう仕事しごとを他人たにんに請負うけおいわせる者ものは、施工しこう方法ほうほう、工期こうき等とうについて、安全あんぜんで衛生えいせい的てきな作業さぎょうの遂行すいこうをそこなうおそれのある条件じょうけんを附ふさないように配慮はいりょしなければならない（第だい3条じょう3項こう）。事業じぎょう者しゃのみならず、設計せっけい者しゃや注文ちゅうもん者しゃ等とうについても一定いっていの責務せきむを課かしている。さらに、労働ろうどう者しゃは、労働ろうどう災害さいがいを防止ぼうしするため必要ひつような事項じこうを守まもるほか、事業じぎょう者しゃその他たの関係かんけい者しゃが実施じっしする労働ろうどう災害さいがいの防止ぼうしに関かんする措置そちに協力きょうりょくするように努つとめなければならない（第だい4条じょう）。労働ろうどう基準きじゅん法ほうが「最低さいてい基準きじゅんの確保かくほ」を目的もくてきとしているのに対たいし、本法ほんぽうは最低さいてい基準きじゅんを確保かくほするだけでなく、より進すすんで適切てきせつなレベルの職場しょくば環境かんきょうを実現じつげんすることを目指めざしている。

2以上いじょうの建設けんせつ業ぎょうに属ぞくする事業じぎょうの事業じぎょう者しゃが、一いちの場所ばしょにおいて行おこなわれる当該とうがい事業じぎょうの仕事しごとを共同きょうどう連帯れんたいして請負うけおいった場合ばあいにおいては、当該とうがい届出とどけでに係かかる仕事しごとの開始かいしの日ひの14日にち前まえまでに、そのうちの一人ひとりを代表だいひょう者しゃとして定さだめ（代表だいひょう者しゃの選定せんていは、出資しゅっしの割合わりあいその他た工事こうじ施行しこうに当あたっての責任せきにんの程度ていどを考慮こうりょして行おこなわなければならない）、これを（当該とうがい仕事しごとが行おこなわれる場所ばしょを管轄かんかつする労働ろうどう基準きじゅん監督かんとく署しょ長ちょうを経由けいゆして）当該とうがい仕事しごとが行おこなわれる場所ばしょを管轄かんかつする都道府県とどうふけん労働ろうどう局きょく長ながに届とどけ出でなければならない（第だい5条じょう1項こう、規則きそく第だい1条じょう）。届出とどけでがないときは、都道府県とどうふけん労働ろうどう局長きょくちょうが代表だいひょう者しゃを指名しめいする（第だい5条じょう2項こう）。共同きょうどう事業じぎょう体たい（ジョイントベンチャー）等とう、複数ふくすうの事業じぎょう者しゃが関かかわる現場げんばでは責任せきにんの所在しょざいがあいまいになりがちであるため、事業じぎょう者しゃのうち一いち人にんの代表だいひょう者しゃのみをその事業じぎょうの事業じぎょう者しゃとみなして本法ほんぽうに基もとづく義務ぎむを負おわせるためである。

なお、本法ほんぽうには労働ろうどう契約けいやくを直接ちょくせつ規制きせいする効力こうりょくを持もつ規定きていは存在そんざいしない。しかし労働ろうどう者しゃの安全あんぜん・衛生えいせいに関かんする事項じこうは労働ろうどう条件じょうけんの明示めいじ事項じこう（労働ろうどう基準きじゅん法ほう第だい15条じょう）、就業しゅうぎょう規則きそくの記載きさい事項じこう（労働ろうどう基準きじゅん法ほう第だい89条じょう）となっていて、その解釈かいしゃく基準きじゅんについては当然とうぜんに本法ほんぽうが機能きのうする。

前述ぜんじゅつのような条文じょうぶんとの関係かんけい上じょう、関連かんれんする法律ほうりつや規則きそくを含ふくめると条文じょうぶん数すうは1500条じょうを超こえる。本法ほんぽうを主体しゅたいに、労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせい法ほう施行しこう令れい（施行しこう令れい、政令せいれい）で細こまかな部分ぶぶんを規定きていする。実際じっさいの仕様しよう等とうは「労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせい規則きそく」（安衛やすえ則そく（あんえいそく）、厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれい）で決きめられる。参照さんしょうの上うえ確認かくにんが必要ひつよう。

定義ていぎ

労働ろうどう災害さいがい

労働ろうどう者しゃの就業しゅうぎょうに係かかる建設けんせつ物ぶつ、設備せつび、原材料げんざいりょう、ガス、蒸気じょうき、粉ふんじん等とうにより、又または作業さぎょう行動こうどうその他た業務ぎょうむに起因きいんして、労働ろうどう者しゃが負傷ふしょうし、疾病しっぺいにかかり、又または死亡しぼうすることをいう（第だい2条じょう1号ごう）。

「労働ろうどう災害さいがい」も参照さんしょう

労働ろうどう者しゃ

労働ろうどう基準きじゅん法ほう第だい9条じょうに規定きていする労働ろうどう者しゃ（同居どうきょの親族しんぞくのみを使用しようする事業じぎょう又または事務所じむしょに使用しようされる者もの及および家事かじ使用人しようにんを除のぞく。）をいう（第だい2条じょう2号ごう）。

「労働ろうどう者しゃ#労働ろうどう基準きじゅん法ほう」も参照さんしょう

事業じぎょう者しゃ

事業じぎょうを行おこなう者もので、労働ろうどう者しゃを使用しようするものをいう（第だい2条じょう3号ごう）。その事業じぎょうにおける経営けいえい主体しゅたいのことをいい、会社かいしゃなどの法人ほうじんについては、法人ほうじんの代表だいひょう者しゃ個人こじんではなく、法人ほうじんそのものをいう。したがって、労働ろうどう基準きじゅん法ほう第だい10条じょうでいう「使用しよう者しゃ」とは必かならずしも一致いっちしない。

事業じぎょう場じょうの区分くぶんについては、その業態ぎょうたいによって個別こべつに決けっするものとし、経営けいえいや人事じんじ等とうの管理かんり業務ぎょうむをもっぱら行いっている本社ほんしゃ、支店してんなどは、その管理かんりする系列けいれつの事業じぎょう場じょうの業種ぎょうしゅとは無関係むかんけいに決定けっていするものとする（昭和しょうわ47年ねん9月がつ18日にち基もと発はつ91号ごう）。たとえば、製鉄せいてつ所しょは製造せいぞう業ぎょうとされるが、当該とうがい製鉄せいてつ所しょを管理かんりする本社ほんしゃは製鉄せいてつ業ぎょうとはされない（「その他たの業種ぎょうしゅ」となる）。

化学かがく物質ぶっしつ

元素げんそ及および化合かごう物ぶつをいう（第だい2条じょう3号ごうの2）。

「元素げんそ」とは、一いち種類しゅるいの原子げんし（同位どうい体たいの区別くべつは問とわない。）からなる物質ぶっしつのすべての状態じょうたい（励起れいき状態じょうたい、ラジカル等ひとしを含ふくむ。）をいい、単体たんたいを含ふくむものであること。「化合かごう物ぶつ」とは、二に種類しゅるい以上いじょうの元素げんそが互かたみに化学かがく結合けつごう力ちからによつて結合けつごうすること（化合かごう）によって生しょうじた、原則げんそくとして一定いっていの組成そせいを有ゆうする物質ぶっしつをいうこと（安定あんていな非ひ結合けつごうラジカル（二に、二にージフエニル―一いち―ピクリルヒドラジル、ジ―tert―プチルニトロキシド等ひとし）を含ふくむ。）。なお、「化合かごう物ぶつ」とは通常つうじょう単一たんいつの種類しゅるいの物質ぶっしつをいうが、ここでいう化合かごう物ぶつには、次つぎの各号かくごうに掲かかげる物ものを含ふくむものとすること（昭和しょうわ53年ねん2月がつ10日とおか基もと発はつ第だい77号ごう）。

• 主成分しゅせいぶんは一定いっていの組成そせいを有ゆうしているが、その主成分しゅせいぶんを製造せいぞうする際さいに混入こんにゅうした不純物ふじゅんぶつ、副ふく生物せいぶつ等とうが混在こんざいしているもの
• 高分子こうぶんし化合かごう物ぶつのごとく、単たん量りょう体たい（モノマー）は一定いっていの組成そせいを有ゆうしているが、厳密げんみつな意味いみでは、その物ものの化学かがく構造こうぞうが完全かんぜんな同一どういつ性せいを有ゆうするとは限かぎらないもの
• 一部いちぶの染料せんりょう、コールタール状じょう物質ぶっしつ等とうのごとく、製造せいぞうする行為こういの結果けっか、複数ふくすうの化合かごう物ぶつの集合しゅうごう体たいとして得えられ、個々ここの化学かがく物質ぶっしつの同定どうていが困難こんなんであるが、全体ぜんたいとして均一きんいつな性状せいじょうを有ゆうし、個々ここの化学かがく物質ぶっしつの分離ぶんり精製せいせいを行おこなわないもの

また、次つぎの各号かくごうに掲かかげる物ものは、化合かごう物ぶつとして取とり扱あつかわないものとすること。

• 合金ごうきん
• 固有こゆうの使用しよう形状けいじょうを有ゆうするもの（合成ごうせい樹脂じゅし製せいの什器じゅうき、板いた、管かん、捧ささげ、フイルム等とう）及および混合こんごう物ぶつのうち、混合こんごうすることによってのみ製品せいひんとなるものであって、当該とうがい製品せいひんが原則げんそくとして最終さいしゅうの用途ようとに供きょうされる物もの（例れい、顔料がんりょう入いり合成ごうせい樹脂じゅし塗料とりょう、印刷いんさつ用ようインキ、写真しゃしん感光かんこう用よう乳剤にゅうざい）

作業さぎょう環境かんきょう測定そくてい

作業さぎょう環境かんきょうの実態じったいを把握はあくするため空気くうき環境かんきょうその他たの作業さぎょう環境かんきょうについて行おこなうデザイン、サンプリング及および分析ぶんせき（解析かいせきを含ふくむ。）をいう（第だい2条じょう4号ごう）。

「作業さぎょう環境かんきょう測定そくてい」も参照さんしょう

安全あんぜん衛生えいせい管理かんり体制たいせい

詳細しょうさいは各かく記事きじを参照さんしょうのこと。

一般いっぱん的てきな体制たいせい

総括そうかつ安全あんぜん衛生えいせい管理かんり者しゃ（第だい10条じょう）、安全あんぜん管理かんり者しゃ（第だい11条じょう）、衛生えいせい管理かんり者しゃ（第だい12条じょう）、安全あんぜん衛生えいせい推進すいしん者しゃ・衛生えいせい推進すいしん者しゃ（第だい12条じょうの2）、産業さんぎょう医い（第だい13条じょう）、作業さぎょう主任しゅにん者しゃ（第だい14条じょう）、安全あんぜん委員いいん会かい（第だい17条じょう）、衛生えいせい委員いいん会かい（第だい18条じょう）、安全あんぜん衛生えいせい委員いいん会かい（第だい19条じょう）

特定とくてい元方もとかた事業じぎょう者しゃが一いちの場所ばしょで作業さぎょうを行おこなう場合ばあいにおける体制たいせい

統括とうかつ安全あんぜん衛生えいせい責任せきにん者しゃ（第だい15条じょう）、元方もとかた安全あんぜん衛生えいせい管理かんり者しゃ（第だい15条じょうの2）、店みせ社しゃ安全あんぜん衛生えいせい管理かんり者しゃ（第だい15条じょうの3）、安全あんぜん衛生えいせい責任せきにん者しゃ（第だい16条じょう）

労働ろうどう災害さいがい防止ぼうし計画けいかく

厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんは、労働ろうどう政策せいさく審議しんぎ会かいの意見いけんをきいて、労働ろうどう災害さいがいの防止ぼうしのための主要しゅような対策たいさくに関かんする事項じこうその他た労働ろうどう災害さいがいの防止ぼうしに関かんし重要じゅうような事項じこうを定さだめた計画けいかく（労働ろうどう災害さいがい防止ぼうし計画けいかく）を策定さくていしなければならず（第だい6条じょう）、策定さくていしたとき、変更へんこうしたときは遅滞ちたいなく、これを公表こうひょうしなければならない（第だい8条じょう）。厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんは、労働ろうどう災害さいがいの発生はっせい状じょう況きょう、労働ろうどう災害さいがいの防止ぼうしに関かんする対策たいさくの効果こうか等とうを考慮こうりょして必要ひつようがあると認みとめるときは、労働ろうどう政策せいさく審議しんぎ会かいの意見いけんをきいて、労働ろうどう災害さいがい防止ぼうし計画けいかくを変更へんこうしなければならない（第だい7条じょう）。厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんは、労働ろうどう災害さいがい防止ぼうし計画けいかくの的確てきかくかつ円滑えんかつな実施じっしのため必要ひつようがあると認みとめるときは、事業じぎょう者しゃ、事業じぎょう者しゃの団体だんたいその他たの関係かんけい者しゃに対たいし、労働ろうどう災害さいがいの防止ぼうしに関かんする事項じこうについて必要ひつような勧告かんこく又または要請ようせいをすることができる（第だい9条じょう）。

現在げんざい、2023年ねん（令れい和わ5年ねん）4月がつからの5年間ねんかんを計画けいかく期間きかんとする「第だい14次じ労働ろうどう災害さいがい防止ぼうし計画けいかく」の期間きかん中ちゅうであり、「労働ろうどう災害さいがいを少すこしでも減へらし、労働ろうどう者しゃ一いち人にん一人ひとりが安全あんぜんで健康けんこうに働はたらくことができる職場しょくば環境かんきょうの実現じつげん」を目指めざし、以下いかの目標もくひょうを掲かかげて各かく種取たねとり組ぐみが進すすんでいる。

• アウトプット指標しひょう
  1. 労働ろうどう者しゃ（中高なかだか年齢ねんれいの女性じょせいを中心ちゅうしんに）の作業さぎょう行動こうどうに起因きいんする労働ろうどう災害さいがい防止ぼうし対策たいさくの推進すいしん
     • 転倒てんとう災害さいがい対策たいさく（ハード・ソフト両面りょうめんからの対策たいさく）に取とり組くむ事業じぎょう場じょうの割合わりあいを2027年ねんまでに50%以上いじょうとする。
     • 卸売おろしうり業ぎょう・小売こうり業ぎょう及および医療いりょう・福祉ふくしの事業じぎょう場じょうにおける正社員せいしゃいん以外いがいの労働ろうどう者しゃへの安全あんぜん衛生えいせい教育きょういくの実施じっし率りつを2027年ねんまでに80%以上いじょうとする。
     • 介護かいご・看護かんご作業さぎょうにおいて、ノーリフトケアを導入どうにゅうしている事業じぎょう場じょうの割合わりあいを2023年ねんと比較ひかくして2027年ねんまでに増加ぞうかさせる。
  2. 高こう年齢ねんれい労働ろうどう者しゃの労働ろうどう災害さいがい防止ぼうし対策たいさくの推進すいしん
     • 「高こう年齢ねんれい労働ろうどう者しゃの安全あんぜんと健康けんこう確保かくほのためのガイドライン」（令れい和わ2年ねん3月がつ16日にち基もと安やす発はつ0316第だい1号ごう）に基もとづく高こう年齢ねんれい労働ろうどう者しゃの安全あんぜん衛生えいせい確保かくほの取組とりくみ（安全あんぜん衛生えいせい管理かんり体制たいせいの確立かくりつ、職場しょくば環境かんきょうの改善かいぜん等とう）を実施じっしする事業じぎょう場じょうの割合わりあいを2027年ねんまでに50%以上いじょうとする。
  3. 多様たような働はたらき方かたへの対応たいおうや外国がいこく人じん労働ろうどう者しゃ等とうの労働ろうどう災害さいがい防止ぼうし対策たいさくの推進すいしん
     • 母国ぼこく語ごに翻訳ほんやくされた教材きょうざいや視聴覚しちょうかく教材きょうざいを用もちいる等外とうがい国人くにびと労働ろうどう者しゃに分わかりやすい方法ほうほうで労働ろうどう災害さいがい防止ぼうしの教育きょういくを行おこなっている事業じぎょう場じょうの割合わりあいを2027年ねんまでに50%以上いじょうとする。
  4. 業種ぎょうしゅ別べつの労働ろうどう災害さいがい防止ぼうし対策たいさくの推進すいしん
     • 「陸上りくじょう貨物かもつ運送うんそう事業じぎょうにおける荷役にやく作業さぎょうの安全あんぜん対策たいさくガイドライン」（平成へいせい25年ねん3月がつ25日にち基もと発はつ0325第だい1号ごう）に基もとづく措置そちを実施じっしする陸上りくじょう貨物かもつ運送うんそう事業じぎょう等とうの事業じぎょう場じょう（荷主にぬしとなる事業じぎょう場じょうを含ふくむ。）の割合わりあいを2027年ねんまでに45%以上いじょうとする。
     • 墜落ついらく・転落てんらく災害さいがいの防止ぼうしに関かんするリスクアセスメントに取とり組くむ建設けんせつ業ぎょうの事業じぎょう場じょうの割合わりあいを2027年ねんまでに85%以上いじょうとする。
     • 機械きかいによる「はさまれ・巻まき込こまれ」防止ぼうし対策たいさくに取とり組くむ製造せいぞう業ぎょうの事業じぎょう場じょうの割合わりあいを2027年ねんまでに60%以上いじょうとする。
     • 「チェーンソーによる伐木ばつぼく等とう作業さぎょうの安全あんぜんに関かんするガイドライン」（平成へいせい27年ねん12月7日にち基もと発はつ1207第だい3号ごう）に基もとづく措置そちを実施じっしする林業りんぎょうの事業じぎょう場じょうの割合わりあいを2027年ねんまでに 50%以上いじょうとする。
  5. 労働ろうどう者しゃの健康けんこう確保かくほ対策たいさくの推進すいしん
     • 年次ねんじ有給ゆうきゅう休暇きゅうかの取得しゅとく率りつを2025年ねんまでに70%以上いじょうとする。
     • 勤務きんむ間あいだインターバル制度せいどを導入どうにゅうしている企業きぎょうの割合わりあいを2025年ねんまでに15%以上いじょうとする。
     • メンタルヘルス対策たいさくに取とり組くむ事業じぎょう場じょうの割合わりあいを 2027 年ねんまでに80%以上いじょうとする。
     • 使用しようする労働ろうどう者しゃ数すう50人にん未満みまんの小規模しょうきぼ事業じぎょう場じょうにおけるストレスチェック実施じっしの割合わりあいを2027年ねんまでに50%以上いじょうとする。
     • 各かく事業じぎょう場じょうにおいて必要ひつような産業さんぎょう保健ほけんサービスを提供ていきょうしている事業じぎょう場じょうの割合わりあいを2027年ねんまでに80%以上いじょうとする。
  6. 化学かがく物質ぶっしつ等とうによる健康けんこう障害しょうがい防止ぼうし対策たいさくの推進すいしん
     • 労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせい法ほう第だい57条じょう及および第だい57条じょうの2に基もとづくラベル表示ひょうじ・安全あんぜんデータシート（SDS）の交付こうふの義務ぎむ対象たいしょうとなっていないが危険きけん性せい又または有害ゆうがい性せいが把握はあくされている化学かがく物質ぶっしつについて、ラベル表示ひょうじ・SDSの交付こうふを行おこなっている事業じぎょう場じょうの割合わりあいを2025年ねんまでにそれぞれ80%以上いじょうとする。
     • 法ほう第だい57条じょうの3に基もとづくリスクアセスメントの実施じっしの義務ぎむ対象たいしょうとなっていないが危険きけん性せい又または有害ゆうがい性せいが把握はあくされている化学かがく物質ぶっしつについて、リスクアセスメントを行おこなっている事業じぎょう場じょうの割合わりあいを2025年ねんまでに80%以上いじょうとするとともに、リスクアセスメント結果けっかに基もとづいて、労働ろうどう者しゃの危険きけん又または健康けんこう障害しょうがいを防止ぼうしするため必要ひつような措置そちを実施じっししている事業じぎょう場じょうの割合わりあいを2027年ねんまでに 80%以上いじょうとする。
     • 熱中ねっちゅう症しょう災害さいがい防止ぼうしのために暑あつさ指数しすうを把握はあくし活用かつようしている事業じぎょう場じょうの割合わりあいを2023年ねんと比較ひかくして2027年ねんまでに増加ぞうかさせる。
• アウトカム指標しひょう
  1. 労働ろうどう者しゃ（中高なかだか年齢ねんれいの女性じょせいを中心ちゅうしんに）の作業さぎょう行動こうどうに起因きいんする労働ろうどう災害さいがい防止ぼうし対策たいさくの推進すいしん
     • 増加ぞうかが見込みこまれる転倒てんとうの年齢ねんれい層そう別べつ死傷ししょう年ねん千せん人にん率りつを2027年ねんまでに男女だんじょともその増加ぞうかに歯止はどめをかける。
     • 転倒てんとうによる平均へいきん休業きゅうぎょう見込みこみ日数にっすうを2027年ねんまでに40日にち以下いかとする。
     • 増加ぞうかが見込みこまれる社会しゃかい福祉ふくし施設しせつにおける腰痛ようつうの死傷ししょう年ねん千せん人にん率りつを2022年ねんと比較ひかくして2027年ねんまでに減少げんしょうさせる。
  2. 高こう年齢ねんれい労働ろうどう者しゃの労働ろうどう災害さいがい防止ぼうし対策たいさくの推進すいしん
     • 増加ぞうかが見込みこまれる60歳さい代だい以上いじょうの死傷ししょう年ねん千せん人にん率りつを2027年ねんまでに男女だんじょともその増加ぞうかに歯止はどめをかける。
  3. 多様たような働はたらき方かたへの対応たいおうや外国がいこく人じん労働ろうどう者しゃ等とうの労働ろうどう災害さいがい防止ぼうし対策たいさくの推進すいしん
     • 外国がいこく人じん労働ろうどう者しゃの死傷ししょう年ねん千せん人にん率りつを2027年ねんまでに労働ろうどう者しゃ全体ぜんたいの平均へいきん以下いかとする。
  4. 業種ぎょうしゅ別べつの労働ろうどう災害さいがい防止ぼうし対策たいさくの推進すいしん
     • 陸上りくじょう貨物かもつ運送うんそう事業じぎょうにおける死傷ししょう者しゃ数すうを2022年ねんと比較ひかくして2027年ねんまでに5%以上いじょう減少げんしょうさせる。
     • 建設けんせつ業ぎょうにおける死亡しぼう者しゃ数すうを2022年ねんと比較ひかくして2027年ねんまでに15%以上いじょう減少げんしょうさせる。
     • 製造せいぞう業ぎょうにおける機械きかいによる「はさまれ・巻まき込こまれ」の死傷ししょう者しゃ数すうを2022年ねんと比較ひかくして2027年ねんまでに5%以上いじょう減少げんしょうさせる。
     • 林業りんぎょうにおける死亡しぼう者しゃ数すうを、伐木ばつぼく作業さぎょうの災害さいがい防止ぼうしを重点じゅうてんとしつつ、労働ろうどう災害さいがいの大幅おおはばな削減さくげんに向むけて取とり組くみ、2022年ねんと比較ひかくして2027年ねんまでに15%以上いじょう減少げんしょうさせる。
  5. 労働ろうどう者しゃの健康けんこう確保かくほ対策たいさくの推進すいしん
     • 週しゅう労働ろうどう時間じかん40時間じかん以上いじょうである雇用こよう者しゃのうち、週しゅう労働ろうどう時間じかん60時間じかん以上いじょうの雇用こよう者しゃの割合わりあいを2025年ねんまでに5%以下いかとする。
     • 自分じぶんの仕事しごとや職業しょくぎょう生活せいかつに関かんすることで強つよい不安ふあん、悩なやみ又またはストレスがあるとする労働ろうどう者しゃの割合わりあいを2027年ねんまでに50%未満みまんとする。
  6. 化学かがく物質ぶっしつ等とうによる健康けんこう障害しょうがい防止ぼうし対策たいさくの推進すいしん
     • 化学かがく物質ぶっしつの性状せいじょうに関連かんれんの強つよい死傷ししょう災害さいがい（有害ゆうがい物ぶつ等とうとの接触せっしょく、爆発ばくはつ又または火災かさいによるもの）の件数けんすうを第だい13次じ労働ろうどう災害さいがい防止ぼうし計画けいかく期間きかんと比較ひかくして、5%以上いじょう減少げんしょうさせる。
     • 増加ぞうかが見込みこまれる熱中ねっちゅう症しょうによる死亡しぼう者しゃ数すうの増加ぞうか率りつを第だい13次じ労働ろうどう災害さいがい防止ぼうし計画けいかく期間きかんと比較ひかくして減少げんしょうさせる。

労働ろうどう災害さいがい防止ぼうし計画けいかくは、1958年ねん（昭和しょうわ33年ねん）に閣議かくぎ決定けっていされた「第だい一いち次じ産業さんぎょう災害さいがい防止ぼうし五ごカ年かねん計画けいかく」を嚆矢こうしとし、1964年ねん（昭和しょうわ39年ねん）の労働ろうどう災害さいがい防止ぼうし団体だんたい法ほうによって法定ほうてい化かされたものを労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせい法ほうの制定せいていに際さいし取とり込こんだ。この制度せいどは、労働ろうどう災害さいがいの防止ぼうしの徹底てっていを期きするためには、個別こべつの事業じぎょう者しゃのみでなく、政府せいふ、事業じぎょう者しゃの団体だんたいなど関係かんけい者しゃが打うって一丸いちがんとなって対策たいさくを総合そうごう的てきかつ計画けいかく的てきに実施じっしすることが効果こうか的てきであると考かんがえられるところから、政府せいふにおける労働ろうどう災害さいがい防止ぼうしの主管しゅかん大臣だいじんである厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんが、労働ろうどう災害さいがい防止ぼうしについての総合そうごう的てきな計画けいかくを中長期ちゅうちょうき的てきな展望てんぼうに立たって策定さくていし、この計画けいかくにのっとって、自みずからも具体ぐたい的てきな施策しさくを講こうずるとともに、事業じぎょう者しゃ、事業じぎょう者しゃの団体だんたい等とうの関係かんけい者しゃに労働ろうどう災害さいがい防止ぼうしに関かんする指針ししんを示しめし、その自主じしゅ的てき活動かつどうを促進そくしんしようとするものである。

事業じぎょう者しゃ等とうの講こうずべき措置そち

事業じぎょう者しゃの責務せきむ（業種ぎょうしゅを問とわない）

• 事業じぎょう者しゃは、所定しょていの危険きけんを防止ぼうしするため必要ひつような措置そち、健康けんこう障害しょうがいを防止ぼうしするため必要ひつような措置そちを講こうじなければならない（第だい20条じょう~第だい22条じょう）。事業じぎょう主ぬしは、事業じぎょう場内じょうないにおける労働ろうどう災害さいがい防止ぼうしに関かんする標識ひょうしき、掲示けいじ等とうについて、図解ずかい等とうの方法ほうほうを用もちいる等ひとし、外国がいこく人じん労働ろうどう者しゃがその内容ないようを理解りかいできる方法ほうほうにより行おこなうよう努つとめること（「外国がいこく人じん労働ろうどう者しゃの雇用こよう管理かんりの改善かいぜん等とうに関かんして事業じぎょう主ぬしが適切てきせつに対処たいしょするための指針ししん」（平成へいせい19年ねん厚生こうせい労働省ろうどうしょう告示こくじ第だい276号ごう））。
• 事業じぎょう者しゃは、労働ろうどう者しゃの作業さぎょう行動こうどうから生しょうずる労働ろうどう災害さいがいを防止ぼうしするため必要ひつような措置そちを講こうじなければならない（第だい24条じょう）。
• 事業じぎょう者しゃは、労働ろうどう災害さいがい発生はっせいの急迫きゅうはくした危険きけんがあるときは、直ただちに作業さぎょうを中止ちゅうしし、労働ろうどう者しゃを作業場さぎょうばから退避たいひさせる等とう必要ひつような措置そちを講こうじなければならない（第だい25条じょう）。
• 事業じぎょう者しゃは、建設けんせつ物ぶつ、設備せつび、原材料げんざいりょう、ガス、蒸気じょうき、粉塵ふんじん等とうによる、又または作業さぎょう行動こうどうその他た業務ぎょうむに起因きいんする危険きけん性せい又または有害ゆうがい性せい等とう（表示ひょうじ対象たいしょう物質ぶっしつとして政令せいれいで定さだめもの及および通知つうち対象たいしょう物ぶつによる危険きけん性せいまたは有害ゆうがい性せいを除のぞく）を調査ちょうさし、その結果けっかに基もとづいて、本法ほんぽう又またはこれに基もとづく命令めいれいの規定きていによる措置そちを講こうずるほか、労働ろうどう者しゃの危険きけん又または健康けんこう障害しょうがいを防止ぼうしするため必要ひつような措置そちを講こうずるように努つとめなければならない（第だい28条じょうの2）。
• 事業じぎょう者しゃは、労働ろうどう者しゃを就業しゅうぎょうさせる建設けんせつ物ぶつその他たの作業場さぎょうばについて、通路つうろ、床ゆか面めん、階段かいだん等とうの保全ほぜん並ならびに換気かんき、採光さいこう、照明しょうめい、保温ほおん、防湿ぼうしつ、休養きゅうよう、避難ひなん及および清潔せいけつに必要ひつような措置そちその他た労働ろうどう者しゃの健康けんこう、風紀ふうき及および生命せいめいの保持ほじのため必要ひつような措置そちを講こうじなければならない（第だい23条じょう）。
• 事業じぎょう者しゃは、本法ほんぽう及およびこれに基もとづく命令めいれいの要旨ようしを常時じょうじ各かく作業場さぎょうばの見みやすい場所ばしょに掲示けいじし、又または備そなえ付つけることその他たの厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいで定さだめる方法ほうほうにより、労働ろうどう者しゃに周知しゅうちさせなければならない。事業じぎょう者しゃは、第だい57条じょうの2第だい1項こう又または第だい2項こうの規定きていにより通知つうちされた事項じこうを、化学かがく物質ぶっしつ、化学かがく物質ぶっしつを含有がんゆうする製剤せいざいその他たの物もので当該とうがい通知つうちされた事項じこうに係かかるものを取とり扱あつかう各かく作業場さぎょうばの見みやすい場所ばしょに常時じょうじ掲示けいじし、又または備そなえ付つけることその他たの厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいで定さだめる方法ほうほうにより、当該とうがい物ぶつを取とり扱あつかう労働ろうどう者しゃに周知しゅうちさせなければならない（第だい101条じょう）。外国がいこく人じん労働ろうどう者しゃに対たいしてその周知しゅうちを行おこなう際さいには、分わかりやすい説明せつめい書しょを用もちいる等外とうがい国人くにびと労働ろうどう者しゃの理解りかいを促進そくしんするため必要ひつような配慮はいりょをするよう努つとめること（「外国がいこく人じん労働ろうどう者しゃの雇用こよう管理かんりの改善かいぜん等とうに関かんして事業じぎょう主ぬしが適切てきせつに対処たいしょするための指針ししん」（平成へいせい19年ねん厚生こうせい労働省ろうどうしょう告示こくじ第だい276号ごう））。

元方もとかた事業じぎょう者しゃの責務せきむ

• 元方もとかた事業じぎょう者しゃは、関係かんけい請負人うけおいにん及および関係かんけい請負人うけおいにんの労働ろうどう者しゃが、当該とうがい仕事しごとに関かんし、本法ほんぽう又またはこれに基もとづく命令めいれいの規定きていに違反いはんしないよう必要ひつような指導しどうを行おこなわなければならない。これらに違反いはんしていると認みとめるときは、是正ぜせいのため必要ひつような指示しじを行おこなわなければならない（第だい29条じょう1項こう、2項こう）。
• 建設けんせつ業ぎょうに属ぞくする事業じぎょうの元方もとかた事業じぎょう者しゃは、土砂どしゃ等とうが崩壊ほうかいするおそれのある場所ばしょ、機械きかい等とうが転倒てんとうするおそれのある場所ばしょその他たの厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいで定さだめる場所ばしょにおいて関係かんけい請負人うけおいにんの労働ろうどう者しゃが当該とうがい事業じぎょうの仕事しごとの作業さぎょうを行おこなうときは、当該とうがい関係かんけい請負人うけおいにんが講こうずべき当該とうがい場所ばしょに係かかる危険きけんを防止ぼうしするための措置そちが適正てきせいに講こうぜられるように、技術ぎじゅつ上じょうの指導しどうその他たの必要ひつような措置そちを講こうじなければならない（第だい29条じょうの2）。
• 製造せいぞう業ぎょう（特定とくてい事業じぎょうを除のぞく）の元方もとかた事業じぎょう者しゃは、その労働ろうどう者しゃ及および関係かんけい請負人うけおいにんの労働ろうどう者しゃの作業さぎょうが同一どういつの場所ばしょにおいて行おこなわれることによって生しょうずる労働ろうどう災害さいがいを防止ぼうしするため、作業さぎょう間あいだの連絡れんらく及および調整ちょうせいを行おこなうことに関かんする措置そちその他た必要ひつような措置そちを講こうじなければならない（第だい30条じょうの2）。

特定とくてい元方もとかた事業じぎょう者しゃの責務せきむ

• 特定とくてい元方もとかた事業じぎょう者しゃは、その労働ろうどう者しゃ及および関係かんけい請負人うけおいにんの労働ろうどう者しゃの作業さぎょうが同一どういつの場所ばしょにおいて行おこなわれることによって生しょうずる労働ろうどう災害さいがいを防止ぼうしするため、次つぎの事項じこうに関かんする必要ひつような措置そちを講こうじなければならない。統括とうかつ安全あんぜん衛生えいせい責任せきにん者しゃを選任せんにんした特定とくてい元方もとかた事業じぎょう者しゃは、その者ものに次つぎの事項じこうを統括とうかつ管理かんりさせなければならない（第だい30条じょう）。
  1. 協議きょうぎ組織そしきの設置せっち及および運営うんえいを行おこなうこと。
  2. 作業さぎょう間あいだの連絡れんらく及および調整ちょうせいを行おこなうこと。
  3. 作業さぎょう場所ばしょを巡視じゅんしすること。
  4. 関係かんけい請負人うけおいにんが行おこなう労働ろうどう者しゃの安全あんぜん又または衛生えいせいのための教育きょういくに対たいする指導しどう及および援助えんじょを行おこなうこと。

     関係かんけい請負人うけおいにんの労働ろうどう者しゃに対たいして特定とくてい元方もとかた事業じぎょう者しゃが直接ちょくせつ、安全あんぜん衛生えいせい教育きょういくを行おこなう義務ぎむはない。

  5. 建設けんせつ業ぎょうの特定とくてい元方もとかた事業じぎょう者しゃにあっては、仕事しごとの工程こうていに関かんする計画けいかく及および作業さぎょう場所ばしょにおける機械きかい、設備せつび等とうの配置はいちに関かんする計画けいかくを作成さくせいするとともに、当該とうがい機械きかい、設備せつび等とうを使用しようする作業さぎょうに関かんし関係かんけい請負人うけおいにんがこの法律ほうりつ又またはこれに基もとづく命令めいれいの規定きていに基もとづき講こうずべき措置そちについての指導しどうを行おこなうこと。
  6. 前ぜん各号かくごうに掲かかげるもののほか、当該とうがい労働ろうどう災害さいがいを防止ぼうしするため必要ひつような事項じこう。

注文ちゅうもん者しゃの責務せきむ

• 注文ちゅうもん者しゃは、その請負人うけおいにんに対たいし、当該とうがい仕事しごとに関かんし、その指示しじに従したがって当該とうがい請負人うけおいにんの労働ろうどう者しゃを労働ろうどうさせたならば、本法ほんぽう又またはこれに基もとづく命令めいれいの規定きていに違反いはんすることとなる指示しじをしてはならない（第だい31条じょうの4）。化学かがく物質ぶっしつ、化学かがく物質ぶっしつを含有がんゆうする製剤せいざいその他たの物ものを製造せいぞうし、又または取とり扱あつかう設備せつびで政令せいれいで定さだめるものの改造かいぞうその他たの厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいで定さだめる作業さぎょうに係かかる仕事しごとの注文ちゅうもん者しゃは、当該とうがい物ぶつについて、当該とうがい仕事しごとに係かかる請負人うけおいにんの労働ろうどう者しゃの労働ろうどう災害さいがいを防止ぼうしするため必要ひつような措置そちを講こうじなければならない（第だい31条じょうの2）。
• 特定とくてい事業じぎょうの仕事しごとを自みずから行おこなう注文ちゅうもん者しゃは、建設けんせつ物ぶつ、設備せつび又または原材料げんざいりょうを、当該とうがい仕事しごとを行おこなう場所ばしょにおいてその請負人うけおいにん（当該とうがい仕事しごとが数次すうじの請負うけおい契約けいやくによって行おこなわれるときは、当該とうがい請負人うけおいにんの請負うけおい契約けいやくの後のち次つぎのすべての請負うけおい契約けいやくの当事とうじ者しゃである請負人うけおいにんを含ふくむ。）の労働ろうどう者しゃに使用しようさせるときは、当該とうがい建設けんせつ物ぶつ等とうについて、当該とうがい労働ろうどう者しゃの労働ろうどう災害さいがいを防止ぼうしするため必要ひつような措置そちを講こうじなければならない（第だい31条じょう）。

機械きかい等とう貸与たいよ者しゃの責務せきむ

• 機械きかい等とうで、政令せいれいで定さだめるものを他たの事業じぎょう者しゃに貸与たいよする者もの（機械きかい等とう貸与たいよ者しゃ）は、当該とうがい機械きかい等とうの貸与たいよを受うけた事業じぎょう者しゃの事業じぎょう場じょうにおける当該とうがい機械きかい等とうによる労働ろうどう災害さいがいを防止ぼうしするため必要ひつような措置そちを講こうじなければならない。機械きかい等とう貸与たいよ者しゃから機械きかい等とうの貸与たいよを受うけた者ものは、当該とうがい機械きかい等とうを操作そうさする者ものがその使用しようする労働ろうどう者しゃでないときは、当該とうがい機械きかい等とうの操作そうさによる労働ろうどう災害さいがいを防止ぼうしするため必要ひつような措置そちを講こうじなければならない（第だい33条じょう）。「政令せいれいで定さだめるもの」とは、以下いかの機械きかい等とうである（施行しこう令れい第だい10条じょう）。機械きかい等とうを借かりた場合ばあい、完全かんぜんな管理かんり権原けんげんを持もたないために補修ほしゅう、改造かいぞう等とう労働ろうどう災害さいがいを防止ぼうしするための措置そちを充分じゅうぶんに講こうじがたい立場たちばにあるのが一般いっぱんであり、そのような現状げんじょうに着目ちゃくもくして、機械きかい等とうを業ごうとして貸与たいよする者ものに対たいし一定いっていの措置そちを講こうずることを義務付ぎむづけるものである。
  • つり上あげ荷重かじゅうが0.5トン以上いじょうの移動いどう式しきクレーン
  • 施行しこう令れい別表べっぴょう第だい七ななに掲かかげる建設けんせつ機械きかいで、動力どうりょくを用もちい、かつ、不ふ特定とくていの場所ばしょに自じ走はしすることができるもの
  • 不ふ整地せいち運搬うんぱん車しゃ
  • 作業さぎょう床ゆかの高たかさが2メートル以上いじょうの高所こうしょ作業さぎょう車しゃ

建築けんちく物ぶつ貸与たいよ者しゃの責務せきむ

建築けんちく物ぶつで、政令せいれいで定さだめるものを他たの事業じぎょう者しゃに貸与たいよする者もの（建築けんちく物ぶつ貸与たいよ者しゃ）は、当該とうがい建築けんちく物ぶつの貸与たいよを受うけた事業じぎょう者しゃの事業じぎょうに係かかる当該とうがい建築けんちく物ぶつによる労働ろうどう災害さいがいを防止ぼうしするため必要ひつような措置そちを講こうじなければならない。ただし、当該とうがい建築けんちく物ぶつの全部ぜんぶを一いちの事業じぎょう者しゃに貸与たいよするときは、この限かぎりでない（第だい34条じょう）。「政令せいれいで定さだめるもの」とは、事務所じむしょ又または工場こうじょうの用ように供きょうされる建築けんちく物ぶつとする（施行しこう令れい第だい11条じょう）。本条ほんじょうは、有償ゆうしょう、無償むしょうに関係かんけいなく適用てきようされる。具体ぐたい的てきには、避難ひなん用よう出入口でいりぐちの表示ひょうじ、警報けいほう設備せつびの備付そなえつけ及および有効ゆうこう保持ほじ、所定しょてい数すうの便所べんじょ設置せっち等とうが定さだめられている（規則きそく第だい670~678条じょう、石綿いしわた障害しょうがい予防よぼう規則きそく第だい10条じょう等とう）

重量じゅうりょう表示ひょうじ

一いちの貨物かもつで、重量じゅうりょう1トン以上いじょうのものを発送はっそうしようとする者ものは、見みやすく、かつ、容易よういに消滅しょうめつしない方法ほうほうで、当該とうがい貨物かもつにその重量じゅうりょうを表示ひょうじしなければならない。ただし、包装ほうそうされていない貨物かもつで、その重量じゅうりょうが一見いっけんして明あきらかであるものを発送はっそうしようとするときは、この限かぎりでない（第だい35条じょう）。ILO第だい27号ごう条約じょうやく（日本にっぽんも批准ひじゅん）実施じっしのための国内こくない法ほうとしての性格せいかくも有ゆうする。本条ほんじょうの「発送はっそう」には、事業じぎょう場じょう構内こうないにおける荷にの移動いどうは含ふくまない。「発送はっそうしようとする者もの」とは、最初さいしょに当該とうがい貨物かもつを運送うんそうのルートにのせようとする者ものをいい、その途中とちゅうにおける運送うんそう取扱とりあつかい者しゃ等とうは含ふくまない（昭和しょうわ47年ねん9月がつ18日にち基もと発はつ602号ごう）。「その重量じゅうりょうが一見いっけんして明あきらかであるもの」とは、丸太まるたや石材せきざい、鉄骨てっこつ材ざい等とう、外観がいかんにより重量じゅうりょうが推定すいていできるものを指さす。海上かいじょうコンテナ貨物かもつについての本条ほんじょうの重量じゅうりょう表示ひょうじは、当該とうがいコンテナにその最大さいだい積載せきさい重量じゅうりょうを表示ひょうじされていれば足たりる。

ガス工作こうさく物ぶつ等とう設置せっち者しゃの義務ぎむ

ガス工作こうさく物ぶつ、電気でんき工作こうさく物ぶつ、熱ねつ供給きょうきゅう施設しせつ、石油せきゆパイプラインを設もうけている者ものは、当該とうがい工作こうさく物ぶつの所在しょざいする場所ばしょ又またはその附近ふきんで工事こうじその他たの仕事しごとを行おこなう事業じぎょう者しゃから、当該とうがい工作こうさく物ぶつによる労働ろうどう災害さいがいの発生はっせいを防止ぼうしするためにとるべき措置そちについての教示きょうしを求もとめられたときは、これを教示きょうししなければならない（第だい102条じょう、施行しこう令れい第だい25条じょう）。1970年ねん（昭和しょうわ45年ねん）の大阪おおさか・天てん六ろくガス爆発ばくはつ事故じこに教訓きょうくんを受うけて立法りっぽうされたものであり、当該とうがい工作こうさく物ぶつとの接触せっしょくあるいは破壊はかいが直ただちに重大じゅうだいな労働ろうどう災害さいがいに結むすびつくようなものの設置せっち者しゃに、必要ひつような事項じこうの教示きょうし義務ぎむを課かしたものである。事業じぎょう者しゃが教示きょうしを求もとめるだけの慎重しんちょうさを有ゆうし、そして設置せっち者しゃが本条ほんじょうを遵守じゅんしゅすれば、多数たすうの公衆こうしゅうを巻まき添ぞえにした大阪おおさかのガス爆発ばくはつ事故じこのような災害さいがいも、当然とうぜん、未然みぜんに防止ぼうしすることができることになる。

労働ろうどう者しゃの責務せきむ

• 労働ろうどう者しゃは、事業じぎょう者しゃが本法ほんぽうの規定きていに基もとづき講こうずる措置そちに応おうじて、必要ひつような事項じこうを守まもらなければならない（第だい26条じょう）。
• 関係かんけい請負人うけおいにん又またはその労働ろうどう者しゃは、元方もとかた事業じぎょう者しゃが第だい29条じょう1項こう、2項こうに基もとづいてする指示しじに従したがわなければならない（第だい29条じょう3項こう）。

機械きかい等とう

特定とくてい機械きかい等とう

特とくに危険きけんな作業さぎょうを必要ひつようとする機械きかい等とう（特定とくてい機械きかい等とう）を製造せいぞうしようとする者ものは、あらかじめ都道府県とどうふけん労働ろうどう局長きょくちょうの許可きょかを受うけなければならない（第だい37条じょう）。「特定とくてい機械きかい等とう」とは、以下いかの物ものである（別表べっぴょう第だい一いち、施行しこう令れい12条じょう）。

• ボイラー（小型こがたボイラーを除のぞく）
• 第だい一いち種しゅ圧力あつりょく容器ようき（小型こがた圧力あつりょく容器ようき等とうを除のぞく）
• クレーン（つり上あげ荷重かじゅう3トン以上いじょう（スタッカー式しきクレーンにあっては1トン以上いじょう））
• 移動いどう式しきクレーン（つり上あげ荷重かじゅう3トン以上いじょう）
• デリック（つり上あげ荷重かじゅう2トン以上いじょう）
• エレベーター（積載せきさい荷重かじゅう1トン以上いじょう（簡易かんいリフト及および建設けんせつ用ようリフトを除のぞく））
• 建設けんせつ用ようリフト（ガイドレールの高たかさが18メートル以上いじょう（積載せきさい荷重かじゅうが250キロ未満みまんの物ものを除のぞく））
• ゴンドラ

太字ふとじの特定とくてい機械きかい等とうについては、製造せいぞう・輸入ゆにゅう・再さい設置せっち・再さい使用しよう時じに登録とうろく製造せいぞう時じ等とう検査けんさ機関きかんによる製造せいぞう時じ等とう検査けんさを受うけなければならない（第だい38条じょう1項こう）。この検査けんさに合格ごうかくすると、移動いどう式しきの物ものについては検査けんさ証しょうが交付こうふされる（第だい39条じょう1項こう）。

特定とくてい機械きかい等とうを設置せっち（移動いどう式しきの物ものを除のぞく）したとき、特定とくてい機械きかい等とうの主要しゅよう構造こうぞう部分ぶぶんに変更へんこうを加くわえたとき、特定とくてい機械きかい等とう（建設けんせつ用ようリフトを除のぞく）で使用しようを休止きゅうししたものを再ふたたび使用しようしようとするときには、労働ろうどう基準きじゅん監督かんとく署しょ長ちょうの検査けんさを受うけなければならない（38条じょう3項こう）。この検査けんさに合格ごうかくした場合ばあい、検査けんさ証しょうの交付こうふ又または既すでに交付こうふされている検査けんさ証しょうに裏書うらがきが行おこなわれる（第だい39条じょう2項こう、3項こう）。

検査けんさ証しょうの有効ゆうこう期間きかんの更新こうしんを受うけようとする者ものは、登録とうろく性能せいのう検査けんさ機関きかんが行おこなう性能せいのう検査けんさを受うけなければならない（第だい41条じょう2項こう）。なお、建設けんせつ用ようリフトについては、検査けんさ証しょうの有効ゆうこう期間きかんが設置せっちから廃止はいしまでとされるため、性能せいのう検査けんさは行おこなわれない。

検査けんさ証しょうを受うけていない特定とくてい機械きかい等とうは、使用しようしてはならず、また検査けんさ証しょうとともにするのでなければ譲渡じょうと・貸与たいよしてはならない（第だい40条じょう）。

42条じょう機械きかい等とう

特定とくてい機械きかい等とう以外いがいの機械きかい等とうで、危険きけん若もしくは有害ゆうがいな作業さぎょうを必要ひつようとするもの、危険きけんな場所ばしょにおいて使用しようするもの又または危険きけん若もしくは健康けんこう障害しょうがいを防止ぼうしするため使用しようするもの（本ほん項こうで「42条じょう機械きかい等とう」という。）は、厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんが定さだめる規格きかく又または安全あんぜん装置そうち（本節ほんぶしで「規格きかく等とう」という。）を具備ぐびしなければ、譲渡じょうとし、貸与たいよし、又または設置せっちしてはならない（第だい42条じょう）。

別表べっぴょう第だい二にの機械きかい等とう

「42条じょう機械きかい等とう」のうち別表べっぴょう第だい二にに掲かかげられるものは次つぎのとおりである。

• ゴム、ゴム化合かごう物ぶつ又または合成ごうせい樹脂じゅしを練ねるロール機き及およびその急きゅう停止ていし装置そうち（電気でんき的てき制動せいどう方式ほうしきのもの、電気でんき的てき制動せいどう方式ほうしき以外いがいの制動せいどう方式ほうしきのもの）
• 第だい2種しゅ圧力あつりょく容器ようき
• 小型こがたボイラー
• 小型こがた圧力あつりょく容器ようき
• プレス機械きかい又またはシャーの安全あんぜん装置そうち
• 防ぼう爆ばく構造こうぞう電気でんき機械きかい器具きぐ
• クレーン又または移動いどう式しきクレーンの過か負荷ふか防止ぼうし装置そうち
• 防ぼうじんマスク
• 防毒ぼうどくマスク
• 木材もくざい加工かこう用よう丸まるのこ盤ばん及およびその反発はんぱつ予防よぼう装置そうち又または歯はの接触せっしょく予防よぼう装置そうち（可動かどう式しきの物もの）
• 動力どうりょくにより駆動くどうされるプレス機械きかい（スライドによる危険きけんを防止ぼうしするための機構きこうを有ゆうするもの）
• 交流こうりゅうアーク溶接ようせつ機き用よう自動じどう電撃でんげき防止ぼうし装置そうち
• 絶縁ぜつえん用よう保護ほご具ぐ
• 絶縁ぜつえん用よう防具ぼうぐ
• 保護ほご帽ぼう
• 電動でんどうファン付つき呼吸こきゅう用よう保護ほご具ぐ

太字ふとじのものを製造せいぞう・輸入ゆにゅうした者ものは、登録とうろく個別こべつ検定けんてい機関きかんが行おこなう個別こべつ検定けんてい（機械きかい等とうを個々ここに検定けんていする）を受うけなければならない（第だい44条じょう）。この検定けんていに合格ごうかくした機械きかい等とうには、その旨むねの表示ひょうじ（個別こべつ検定けんてい合格ごうかく標しめぎ章あきらを付ふす、刻印こくいんを押おす、刻印こくいんを押おした銘板めいばんを取とり付つける等ひとし）を付ふさなければならない。斜体しゃたいのものを製造せいぞう・輸入ゆにゅうした者ものは、登録とうろく型式けいしき検定けんてい機関きかんが行おこなう型式けいしき検定けんてい（型式けいしきの内容ないよう、製造せいぞう体制たいせい等とうの審査しんさ、サンプル試験しけんにより検定けんていする）を受うけなければならない（第だい44条じょうの2）。この検定けんていに合格ごうかくした機械きかい等とうには、当該とうがい機械きかい等とうの見みやすい場所ばしょに型式けいしき検定けんてい合格ごうかく標しめぎ章あきらを付ふさなければならない。これらの表示ひょうじが付ふされていない機械きかい等とうは、使用しようしてはならない。また、厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじん又または都道府県とどうふけん労働ろうどう局長きょくちょうが、42条じょう機械きかい等とうを製造せいぞう・輸入ゆにゅうした者ものが、規格きかく等とうを具備ぐびしていない、検定けんていに合格ごうかくしていない機械きかいに合格ごうかくした旨むねの表示ひょうじがされている等ひとしと認みとめられるものを譲渡じょうと・貸与たいよした場合ばあいに、その者ものに対たいし当該とうがい機械きかい等とうの回収かいしゅう・改善かいぜんを図はかることその他た必要ひつような措置そちを取とるよう命めいずることができる（第だい43条じょうの2）。

平成へいせい26年ねんの改正かいせいにより、外国がいこくに立地りっちする機関きかんも検査けんさ・検定けんてい機関きかんとして登録とうろくができるようになった（外国がいこく登録とうろく製造せいぞう時じ等とう検査けんさ機関きかん等とう、第だい52条じょうの3）。

第だい38条じょうの検査けんさ、性能せいのう検査けんさ、個別こべつ検定けんてい又または型式けいしき検定けんていの結果けっかについての処分しょぶんについては、審査しんさ請求せいきゅうをすることができない（第だい111条じょう）。

施行しこう令れい13条じょう3項こうの機械きかい等とう

「42条じょう機械きかい等とう」のうち施行しこう令れい13条じょう3項こうで定さだめられているものについては、検定けんてい制度せいどがない。

危険きけん物ぶつ及および有害ゆうがい物ぶつ

GHS08,経口けいこう・吸飲きゅういんによる有害ゆうがい性せい

• 製造せいぞう等とう禁止きんし物質ぶっしつ（第だい55条じょう）

詳細しょうさいは「製造せいぞう等とう禁止きんし物質ぶっしつ」を参照さんしょう

• 特定とくてい化学かがく物質ぶっしつ

ジクロロベンジジン、ジクロロベンジジンを含有がんゆうする製剤せいざいその他たの労働ろうどう者しゃに重度じゅうどの健康けんこう障害しょうがいを生しょうずるおそれのある物もので、政令せいれいで定さだめるもの（第だい1類るい特定とくてい化学かがく物質ぶっしつ）を製造せいぞうしようとする者ものは、あらかじめ、厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんの許可きょかを受うけなければならない。厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんは、この許可きょかの申請しんせいがあった場合ばあいには、その申請しんせいを審査しんさし、製造せいぞう設備せつび、作業さぎょう方法ほうほう等とうが厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんの定さだめる基準きじゅんに適合てきごうしていると認みとめるときでなければ、この許可きょかをしてはならない（第だい56条じょう、施行しこう令れい別表べっぴょう第だい三さん）。

爆発ばくはつ性せいの物もの、発火はっか性せいの物もの、引火いんか性せいの物ものその他たの労働ろうどう者しゃに危険きけんを生しょうずるおそれのある物もの若もしくはベンゼン、ベンゼンを含有がんゆうする製剤せいざいその他たの労働ろうどう者しゃに健康けんこう障害しょうがいを生しょうずるおそれのある物もので政令せいれいで定さだめるもの（第だい2類るい特定とくてい化学かがく物質ぶっしつ）又または上記じょうき厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんの許可きょかを必要ひつようとする物ものを容器ようきに入いれ、又または包装ほうそうして、譲渡じょうとし、又または提供ていきょうする者ものは、厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいで定さだめるところにより、その容器ようき又または包装ほうそう（容器ようきに入いれ、かつ、包装ほうそうして、譲渡じょうとし、又または提供ていきょうするときにあっては、その容器ようき）に、以下いかの事項じこうを表示ひょうじしなければならない。ただし、その容器ようき又または包装ほうそうのうち、主しゅとして一般いっぱん消費しょうひ者しゃの生活せいかつの用ように供きょうするためのものについては、この限かぎりでない。容器ようき又または包装ほうそうを用もちいないで譲渡じょうとし、又または提供ていきょうする者ものは、所定しょてい事項じこうを記載きさいした文書ぶんしょを、譲渡じょうとし、又または提供ていきょうする相手方あいてがたに交付こうふしなければならない（第だい57条じょう、施行しこう令れい18条じょう）。

• 名称めいしょう
• 人体じんたいに及およぼす作用さよう
• 貯蔵ちょぞう又または取扱とりあつかい上じょうの注意ちゅうい
• 上記じょうきのほか、厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいで定さだめる事項じこう
• 当該とうがい物ぶつを取とり扱あつかう労働ろうどう者しゃに注意ちゅういを喚起かんきするための標しめぎ章あきらで厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんが定さだめるもの

労働ろうどう者しゃに危険きけん若もしくは健康けんこう障害しょうがいを生しょうずるおそれのある物もので政令せいれいで定さだめるもの又または第だい1類るい特定とくてい化学かがく物質ぶっしつ（通知つうち対象たいしょう物ぶつ）を譲渡じょうとし、又または提供ていきょうする者ものは、文書ぶんしょの交付こうふその他た厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいで定さだめる方法ほうほうにより通知つうち対象たいしょう物ぶつに関かんする次つぎの事項じこうを、譲渡じょうとし、又または提供ていきょうする相手方あいてがたに通知つうちしなければならない。ただし、主しゅとして一般いっぱん消費しょうひ者しゃの生活せいかつの用ように供きょうされる製品せいひんとして通知つうち対象たいしょう物ぶつを譲渡じょうとし、又または提供ていきょうする場合ばあいについては、この限かぎりでない（第だい57条じょうの2、施行しこう令れい18条じょうの2）。

• 名称めいしょう
• 成分せいぶん及およびその含有がんゆう量りょう
• 物理ぶつり的てき及および化学かがく的てき性質せいしつ
• 人体じんたいに及およぼす作用さよう
• 貯蔵ちょぞう又または取扱とりあつかい上じょうの注意ちゅうい
• 流出りゅうしゅつその他たの事故じこが発生はっせいした場合ばあいにおいて講こうずべき応急おうきゅうの措置そち
• 前ぜん各号かくごうに掲かかげるもののほか、厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいで定さだめる事項じこう

化学かがく物質ぶっしつによる労働ろうどう者しゃの健康けんこう障害しょうがいを防止ぼうしするため、既存きそんの化学かがく物質ぶっしつとして政令せいれいで定さだめる化学かがく物質ぶっしつ以外いがいの化学かがく物質ぶっしつ（新規しんき化学かがく物質ぶっしつ）を製造せいぞうし、又または輸入ゆにゅうしようとする事業じぎょう者しゃは、あらかじめ、厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいで定さだめるところにより、厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんの定さだめる基準きじゅんに従したがって有害ゆうがい性せいの調査ちょうさ（当該とうがい新規しんき化学かがく物質ぶっしつが労働ろうどう者しゃの健康けんこうに与あたえる影響えいきょうについての調査ちょうさ）を行おこない、当該とうがい新規しんき化学かがく物質ぶっしつの名称めいしょう、有害ゆうがい性せいの調査ちょうさの結果けっかその他たの事項じこうを厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんに届とどけ出でなければならない。有害ゆうがい性せいの調査ちょうさを行おこなった事業じぎょう者しゃは、その結果けっかに基もとづいて、当該とうがい新規しんき化学かがく物質ぶっしつによる労働ろうどう者しゃの健康けんこう障害しょうがいを防止ぼうしするため必要ひつような措置そちを速すみやかに講こうじなければならない。厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんは、この届出とどけでがあった場合ばあいには、厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいで定さだめるところにより、有害ゆうがい性せいの調査ちょうさの結果けっかについて学識がくしき経験けいけん者しゃの意見いけんを聴きき、当該とうがい届出とどけでに係かかる化学かがく物質ぶっしつによる労働ろうどう者しゃの健康けんこう障害しょうがいを防止ぼうしするため必要ひつようがあると認みとめるときは、届出とどけでをした事業じぎょう者しゃに対たいし、施設しせつ又または設備せつびの設置せっち又または整備せいび、保護ほご具ぐの備付そなえつけその他たの措置そちを講こうずべきことを勧告かんこくすることができる。有害ゆうがい性せいの調査ちょうさの結果けっかについて意見いけんを求もとめられた学識がくしき経験けいけん者しゃは、当該とうがい有害ゆうがい性せいの調査ちょうさの結果けっかに関かんして知しり得えた秘密ひみつを漏もらしてはならない。ただし、労働ろうどう者しゃの健康けんこう障害しょうがいを防止ぼうしするためやむを得えないときは、この限かぎりでない。ただし以下いかの場合ばあいは届出とどけでは不要ふようである（第だい57条じょうの4、施行しこう令れい18条じょうの4）。

• 当該とうがい新規しんき化学かがく物質ぶっしつに関かんし、厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいで定さだめるところにより、当該とうがい新規しんき化学かがく物質ぶっしつについて予定よていされている製造せいぞう又または取扱とりあつかいの方法ほうほう等とうからみて労働ろうどう者しゃが当該とうがい新規しんき化学かがく物質ぶっしつにさらされるおそれがない旨むねの厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんの確認かくにんを受うけたとき。
• 当該とうがい新規しんき化学かがく物質ぶっしつに関かんし、厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいで定さだめるところにより、既すでに得えられている知見ちけん等とうに基もとづき厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいで定さだめる有害ゆうがい性せいがない旨むねの厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんの確認かくにんを受うけたとき。
• 当該とうがい新規しんき化学かがく物質ぶっしつを試験しけん研究けんきゅうのため製造せいぞうし、又または輸入ゆにゅうしようとするとき。
• 当該とうがい新規しんき化学かがく物質ぶっしつが主しゅとして一般いっぱん消費しょうひ者しゃの生活せいかつの用ように供きょうされる製品せいひん（当該とうがい新規しんき化学かがく物質ぶっしつを含有がんゆうする製品せいひんを含ふくむ。）として輸入ゆにゅうされる場合ばあいで、厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいで定さだめるとき。
• 当該とうがい新規しんき化学かがく物質ぶっしつを製造せいぞうし、又または輸入ゆにゅうしようとする事業じぎょう者しゃが、厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいで定さだめるところにより、一いちの事業じぎょう場じょうにおける一いち年間ねんかんの製造せいぞう量りょう又または輸入ゆにゅう量りょう（当該とうがい新規しんき化学かがく物質ぶっしつを製造せいぞうし、及および輸入ゆにゅうしようとする事業じぎょう者しゃにあっては、これらを合計ごうけいした量りょう）が100キログラム以下いかである旨むねの厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんの確認かくにんを受うけた場合ばあいにおいて、その確認かくにんを受うけたところに従したがって当該とうがい新規しんき化学かがく物質ぶっしつを製造せいぞうし、又または輸入ゆにゅうしようとするとき。

事業じぎょう者しゃは、厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいで定さだめるところにより、第だい1類るい特定とくてい化学かがく物質ぶっしつ、第だい2類るい特定とくてい化学かがく物質ぶっしつ及および通知つうち対象たいしょう物ぶつによる危険きけん性せい又または有害ゆうがい性せい等とうを調査ちょうさしなければならない。事業じぎょう者しゃは、この調査ちょうさの結果けっかに基もとづいて、この法律ほうりつ又またはこれに基もとづく命令めいれいの規定きていによる措置そちを講こうずるほか、労働ろうどう者しゃの危険きけん又または健康けんこう障害しょうがいを防止ぼうしするため必要ひつような措置そちを講こうずるように努つとめなければならない（第だい57条じょうの3）。事業じぎょう者しゃは、調査ちょうさを行おこなったときは、次つぎに掲かかげる事項じこうを、調査ちょうさ対象たいしょう物ぶつを製造せいぞうし、又または取とり扱あつかう業務ぎょうむに従事じゅうじする労働ろうどう者しゃに周知しゅうちさせなければならない（規則きそく第だい34条じょうの2の8）。調査ちょうさは、調査ちょうさ対象たいしょう物ぶつを原材料げんざいりょう等とうとして新規しんきに採用さいようし、または変更へんこうするときに行おこなう。

• 当該とうがい調査ちょうさ対象たいしょう物ぶつの名称めいしょう
• 当該とうがい業務ぎょうむの内容ないよう
• 当該とうがい調査ちょうさの結果けっか
• 当該とうがい調査ちょうさの結果けっかに基もとづき事業じぎょう者しゃが講こうずる労働ろうどう者しゃの危険きけん又または健康けんこう障害しょうがいを防止ぼうしするため必要ひつような措置そちの内容ないよう

安全あんぜんのための教育きょういく

本法ほんぽうの精神せいしんを具体ぐたい化かするために、各かく事業じぎょう活動かつどうにおいて必要ひつような資格しかくを有ゆうする業務ぎょうむを免許めんきょや技能ぎのう講習こうしゅう、安全あんぜん衛生えいせい教育きょういくといった形かたちで取得しゅとくすることを義務付ぎむづけている。

安全あんぜん衛生えいせい教育きょういく

• 雇やとい入いれ時じ・作業さぎょう内容ないよう変更へんこう時じの教育きょういく（第だい59条じょう1項こう・2項こう）
• 特別とくべつ教育きょういく（第だい59条じょう3項こう）
• 職長しょくちょう教育きょういく（第だい60条じょう）

詳細しょうさいは「安全あんぜん衛生えいせい教育きょういく」を参照さんしょう

技能ぎのう講習こうしゅう

労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせい法ほうによる免許めんきょ証しょう

「技能ぎのう講習こうしゅうによる資格しかく一覧いちらん」も参照さんしょう

事業じぎょう者しゃは、クレーンの運転うんてんその他たの業務ぎょうむで、政令せいれいで定さだめるもの（施行しこう令れい20条じょうに定さだめる16業務ぎょうむ）については、都道府県とどうふけん労働ろうどう局長きょくちょうの当該とうがい業務ぎょうむに係かかる免許めんきょを受うけた者もの又または都道府県とどうふけん労働ろうどう局長きょくちょうの登録とうろくを受うけた者ものが行おこなう当該とうがい業務ぎょうむに係かかる技能ぎのう講習こうしゅうを修了しゅうりょうした者ものその他た厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいで定さだめる資格しかくを有ゆうする者ものでなければ、当該とうがい業務ぎょうむに就つかせてはならない。この有ゆう資格しかく者しゃが当該とうがい業務ぎょうむに従事じゅうじするときは、これに係かかる免許めんきょ証しょうその他たその資格しかくを証しょうする書面しょめんを携帯けいたいしていなければならない（第だい61条じょう）。

技能ぎのう講習こうしゅうは、登録とうろく講習こうしゅう機関きかんにより、学科がっか講習こうしゅう又または実技じつぎ講習こうしゅうによって行おこない、当該とうがい技能ぎのう講習こうしゅうを修了しゅうりょうした者ものに対たいしては遅滞ちたいなく、技能ぎのう講習こうしゅう修了しゅうりょう証しょうを交付こうふしなければならない（第だい76条じょう）。

労働ろうどう者しゃの就業しゅうぎょうに当あたっての措置そち

事業じぎょう者しゃは、中高なかだか年齢ねんれい者しゃその他た労働ろうどう災害さいがいの防止ぼうし上じょうその就業しゅうぎょうに当あたって特とくに配慮はいりょを必要ひつようとする者ものについては、これらの者ものの心身しんしんの条件じょうけんに応おうじて適正てきせいな配置はいちを行おこなうように努つとめなければならない（第だい62条じょう）。「特とくに配慮はいりょを必要ひつようとする者もの」とは、具体ぐたい的てきには身体しんたい障害しょうがい者しゃや出稼でかせぎ労働ろうどう者しゃ等とうが該当がいとうする（昭和しょうわ47年ねん9月がつ18日にち、旧きゅう労働省ろうどうしょう労働ろうどう基準局きじゅんきょく長ちょう名めい通達つうたつ602号ごう）。「中高なかだか年齢ねんれい者しゃ」が具体ぐたい的てきに何なん歳さい以上いじょうの者ものを指さすか労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせい法ほう上じょうの定さだめはないが、高こう年齢ねんれい者しゃ等とうの雇用こようの安定あんてい等とうに関かんする法律ほうりつ施行しこう規則きそく第だい2条じょうで「中高なかだか年齢ねんれい者しゃ」を45歳さい以上いじょうの者ものと定さだめていることから、実務じつむ上じょうもこれに準じゅんじて解釈かいしゃくされている。

事業じぎょう者しゃは、労働ろうどう者しゃの健康けんこうに配慮はいりょして、労働ろうどう者しゃの従事じゅうじする作業さぎょうを適切てきせつに管理かんりするように努つとめなければならない（第だい65条じょうの3）。

事業じぎょう者しゃは、潜水せんすい業務ぎょうむその他たの健康けんこう障害しょうがいを生しょうずるおそれのある業務ぎょうむで、厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいで定さだめるもの（高圧こうあつ室内しつない業務ぎょうむ）に従事じゅうじさせる労働ろうどう者しゃについては、厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいで定さだめる作業さぎょう時間じかんについての基準きじゅんに違反いはんして、当該とうがい業務ぎょうむに従事じゅうじさせてはならない（第だい65条じょうの4）。「厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいで定さだめる作業さぎょう時間じかんについての基準きじゅん」とは、潜水せんすい業務ぎょうむ・高こう圧あつ室内しつない業務ぎょうむとも具体ぐたい的てきには高気圧こうきあつ作業さぎょう安全あんぜん衛生えいせい規則きそくに定さだめがある。

事業じぎょう者しゃは、一定いっていの疾病しっぺいにかかった労働ろうどう者しゃについては、あらかじめ産業さんぎょう医いその他た専せん門もんの医師いしの意見いけんを聴きいて、その就業しゅうぎょうを禁止きんししなければならない（病者びょうしゃの就業しゅうぎょう禁止きんし、第だい68条じょう、規則きそく第だい61条じょう）。

詳細しょうさいは「就業しゅうぎょう制限せいげん#疾病しっぺいによる」を参照さんしょう

事業じぎょう者しゃは、労働ろうどう者しゃの受動じゅどう喫煙きつえん（室内しつない又またはこれに準じゅんずる環境かんきょうにおいて、他人たにんのたばこの煙けむりを吸すわされることをいう）を防止ぼうしするため、当該とうがい事業じぎょう者しゃ及および事業じぎょう場じょうの実情じつじょうに応おうじ適切てきせつな措置そちを講こうずるよう努つとめるものとする（第だい68条じょうの2）。「第だい12次じ労働ろうどう災害さいがい防止ぼうし計画けいかく」では、「2017（平成へいせい29）年ねんまでに職場しょくばで受動じゅどう喫煙きつえんを受うけている労働ろうどう者しゃの割合わりあいを15%以下いかとする」目標もくひょうを掲かかげ、受動じゅどう喫煙きつえんの健康けんこうへの有害ゆうがい性せいに関かんする理解りかいを得えるための教育きょういく啓発けいはつや事業じぎょう者しゃに対たいする効果こうか的てきな支援しえんを実施じっしすることとしている。

事業じぎょう者しゃは、労働ろうどう者しゃに対たいする健康けんこう教育きょういく及および健康けんこう相談そうだんその他た労働ろうどう者しゃの健康けんこうの保持ほじ増進ぞうしんを図はかるため必要ひつような措置そちを継続けいぞく的てきかつ計画けいかく的てきに講こうずるように努つとめなければならない（第だい69条じょう）。

作業さぎょう環境かんきょう測定そくてい

詳細しょうさいは「作業さぎょう環境かんきょう測定そくてい」を参照さんしょう

事業じぎょう者しゃは、有害ゆうがいな業務ぎょうむを行おこなう屋内おくない作業場さぎょうばその他たの作業場さぎょうばで、政令せいれいで定さだめるものについて、厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんの定さだめる作業さぎょう環境かんきょう測定そくてい基準きじゅんに従したがって、必要ひつような作業さぎょう環境かんきょう測定そくていを行おこない、及およびその結果けっかを記録きろくしておかなければならない（第だい65条じょう）。都道府県とどうふけん労働ろうどう局長きょくちょうは、作業さぎょう環境かんきょうの改善かいぜんにより労働ろうどう者しゃの健康けんこうを保持ほじする必要ひつようがあると認みとめるときは、労働ろうどう衛生えいせい指導しどう医い（労働ろうどう衛生えいせいに関かんし学識がくしき経験けいけんを有ゆうする医師いしのうちから、厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんが任命にんめいする非常勤ひじょうきんの医師いし）の意見いけんに基もとづき、厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいで定さだめるところにより、事業じぎょう者しゃに対たいし、作業さぎょう環境かんきょう測定そくていの実施じっしその他た必要ひつような事項じこうを指示しじすることができる。

健康けんこう診断しんだん

詳細しょうさいは「労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせい法ほうによる健康けんこう診断しんだん」を参照さんしょう

安全あんぜん衛生えいせい改善かいぜん計画けいかく

• 特別とくべつ安全あんぜん衛生えいせい改善かいぜん計画けいかく（第だい78条じょう）
• 安全あんぜん衛生えいせい改善かいぜん計画けいかく（第だい79条じょう）

詳細しょうさいは「安全あんぜん衛生えいせい改善かいぜん計画けいかく」を参照さんしょう

計画けいかくの届出とどけで

事業じぎょう者しゃは、特定とくてい機械きかい等とうで、危険きけん若もしくは有害ゆうがいな作業さぎょうを必要ひつようとするもの、危険きけんな場所ばしょにおいて使用しようするもの又または危険きけん若もしくは健康けんこう障害しょうがいを防止ぼうしするため使用しようするもののうち、厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいで定さだめるものを設置せっちし、若もしくは移転いてんし、又またはこれらの主要しゅよう構造こうぞう部分ぶぶんを変更へんこうしようとするときは、その計画けいかくを当該とうがい工事こうじの開始かいしの日ひの30日にち前まえまでに、所轄しょかつ労働ろうどう基準きじゅん監督かんとく署長しょちょうに届とどけ出でなければならない（第だい88条じょう1項こう）。この届出とどけでは、所定しょていの様式ようしきに当該とうがい機械きかい等とうの種類しゅるいに応おうじて必要ひつよう事項じこうを記載きさいし、図面ずめん等とうを添付てんぷして行おこなう（規則きそく第だい86条じょう）。ただし、上記じょうきの危険きけん性せいまたは有害ゆうがい性せい等とうの調査ちょうさ及およびその結果けっかに基もとづき講こうずる措置そち並ならびに労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせいマネジメントシステムに関かんする指針ししんに従したがって事業じぎょう者しゃが行おこなう自主じしゅ的てき活動かつどうの措置そちを講こうじているものとして、厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいで定さだめるところにより労働ろうどう基準きじゅん監督かんとく署長しょちょうが認定にんていした事業じぎょう者しゃについては、届出とどけでは免除めんじょされる（規則きそく87条じょう）。この免除めんじょの認定にんていは、3年ねんごとにその更新こうしんを受うけなければ、その期間きかん経過けいかによって効力こうりょくを失うしなう（規則きそく第だい87条じょうの6）。

• この認定にんていを受うけるためには、認定にんていを受うけようとする事業じぎょう場じょうが、以下いかの要件ようけんを満みたしていなければならない（規則きそく第だい87条じょうの4）。
  • 労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせいマネジメントシステムを適切てきせつに実施じっししている。
  • 労働ろうどう災害さいがいの発生はっせい率りつが当該とうがい事業じぎょう場じょうの属ぞくする業種ぎょうしゅにおける平均へいきん的てきな労働ろうどう災害さいがいの発生はっせい率りつを下回したまわっている（メリット収支しゅうし率りつ75％以下いか相当そうとう）。
  • 認定にんてい申請しんせいの日ひ前まえ1年間ねんかんに重大じゅうだいな労働ろうどう災害さいがいが発生はっせいしていない。

事業じぎょう者しゃは、建設けんせつ業ぎょうに属ぞくする事業じぎょうの仕事しごとのうち重大じゅうだいな労働ろうどう災害さいがいを生しょうずるおそれがある特とくに大だい規模きぼな仕事しごとで、厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいで定さだめるものを開始かいししようとするときは、その計画けいかくを当該とうがい仕事しごとの開始かいしの日ひの30日にち前まえまでに、所定しょていの様式ようしきによって厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんに届とどけ出でなければならない（第だい88条じょう2項こう）。「厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいで定さだめるもの」とは、具体ぐたい的てきには以下いかの仕事しごとである（規則きそく第だい89条じょう）。

• 高たかさが300メートル以上いじょうの塔とうの建設けんせつの仕事しごと
• 堤つつみ高だか（基礎きそ地盤じばんから堤つつみ頂いただきまでの高たかさをいう。）が150メートル以上いじょうのダムの建設けんせつの仕事しごと
• 最大さいだい支ささえ間あいだ500メートル（つり橋ばしにあつては、1,000メートル）以上いじょうの橋梁きょうりょうの建設けんせつの仕事しごと
• 長ながさが3,000メートル以上いじょうのずい道どう等とうの建設けんせつの仕事しごと
• 長ながさが1,000メートル以上いじょう3,000メートル未満みまんのずい道どう等とうの建設けんせつの仕事しごとで、深ふかさが50メートル以上いじょうのたて坑こう（通路つうろとして使用しようされるものに限かぎる。）の掘削くっさくを伴ともなうもの
• ゲージ圧力あつりょくが0.3メガパスカル以上いじょうの圧あつ気き工法こうほうによる作業さぎょうを行おこなう仕事しごと

事業じぎょう者しゃは、建設けんせつ業ぎょう及および土砂どしゃ採石さいせき業ぎょう（建設けんせつ業ぎょうに属ぞくする事業じぎょうにあっては、前項ぜんこうの厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいで定さだめる仕事しごとを除のぞく）で、厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいで定さだめるものを開始かいししようとするときは、その計画けいかくを当該とうがい仕事しごとの開始かいしの日ひの14日にち前まえまでに、所定しょていの様式ようしきをもって労働ろうどう基準きじゅん監督かんとく署長しょちょうに届とどけ出でなければならない（第だい88条じょう3項こう）。「厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいで定さだめるもの」とは具体ぐたい的てきには以下いかの仕事しごとである（規則きそく第だい90条じょう）。なお2項こう、3項こうについては、1項こうのような免除めんじょ認定にんていを受うけることはできない。

• 高たかさ31メートルを超こえる建築けんちく物ぶつ又または工作こうさく物ぶつ（橋梁きょうりょうを除のぞく。）の建設けんせつ、改造かいぞう、解体かいたい又または破壊はかい（以下いか「建設けんせつ等とう」という。）の仕事しごと
• 最大さいだい支ささえ間あいだ50メートル以上いじょうの橋梁きょうりょうの建設けんせつ等とうの仕事しごと
• 最大さいだい支ささえ間あいだ30メートル以上いじょう50メートル未満みまんの橋梁きょうりょうの上部じょうぶ構造こうぞうの建設けんせつ等とうの仕事しごと（規則きそく第だい18条じょうの2の場所ばしょにおいて行おこなわれるものに限かぎる。）
• ずい道どう等ひとしの建設けんせつ等とうの仕事しごと（ずい道どう等とうの内部ないぶに労働ろうどう者しゃが立たち入いらないものを除のぞく。）
• 掘削くっさくの高たかさ又または深ふかさが10メートル以上いじょうである地ち山やまの掘削くっさく（ずい道どう等とうの掘削くっさく及および岩石がんせきの採取さいしゅのための掘削くっさくを除のぞく。以下いか同おなじ。）の作業さぎょう（掘削くっさく機械きかいを用もちいる作業さぎょうで、掘削くっさく面めんの下方かほうに労働ろうどう者しゃが立たち入いらないものを除のぞく。）を行おこなう仕事しごと
• 圧あつ気き工法こうほうによる作業さぎょうを行おこなう仕事しごと
• 建築けんちく基準きじゅん法ほう第だい2条じょう第だい9号ごうの2に規定きていする耐火たいか建築けんちく物ぶつ又または同どう法ほう第だい2条じょう第だい9号ごうの3に規定きていする準じゅん耐火たいか建築けんちく物ぶつで、石綿いしわた等ひとしが吹ふき付つけられているものにおける石綿いしわた等とうの除去じょきょの作業さぎょうを行おこなう仕事しごと
• ダイオキシン類るい対策たいさく特別とくべつ措置そち法ほう施行しこう令れい別表べっぴょう第だい一いち第だい五ご号ごうに掲かかげる廃棄はいき物ぶつ焼却しょうきゃく炉ろ（火ひ格子こうし面積めんせきが2平方へいほうメートル以上いじょう又または焼却しょうきゃく能力のうりょくが一時いちじ間あいだ当あたり200キログラム以上いじょうのものに限かぎる。）を有ゆうする廃棄はいき物ぶつの焼却しょうきゃく施設しせつに設置せっちされた廃棄はいき物ぶつ焼却しょうきゃく炉ろ、集しゅうじん機き等とうの設備せつびの解体かいたい等とうの仕事しごと
• 掘削くっさくの高たかさ又または深ふかさが10メートル以上いじょうの土石どせきの採取さいしゅのための掘削くっさくの作業さぎょうを行おこなう仕事しごと
• 坑内こうない掘ほりによる土石どせきの採取さいしゅのための掘削くっさくの作業さぎょうを行おこなう仕事しごと

届出とどけでがあった計画けいかくのうち、厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんは高度こうどの技術ぎじゅつ的てき検討けんとうを要ようするものについて、都道府県とどうふけん労働ろうどう局長きょくちょうは高度こうどの技術ぎじゅつ的てき検討けんとうを要ようするものに準じゅんずるものについて審査しんさをすることができる。この審査しんさを行おこなうに当あたっては、学識がくしき経験けいけん者しゃの意見いけんを聴きかなければならない。審査しんさの結果けっか必要ひつようがあると認みとめるときは、届出とどけでをした事業じぎょう者しゃに対たいし、あらかじめ届出とどけでをした事業じぎょう者しゃの意見いけんをきいたうえで労働ろうどう災害さいがいの防止ぼうしに関かんする事項じこうについて必要ひつような勧告かんこく又または要請ようせいをすることができる（第だい89条じょう、第だい89条じょうの2）。労働ろうどう基準きじゅん監督かんとく署長しょちょう又または厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんは、計画けいかくの届出とどけでに係かかる事項じこうが法令ほうれいに違反いはんすると認みとめるときには、当該とうがい届出とどけでをした事業じぎょう者しゃに対たいし、その届出とどけでに係かかる工事こうじ若もしくは仕事しごとの開始かいしを差さし止とめ、又または当該とうがい計画けいかくを変更へんこうすべきことを命めいずることができる。

なお、平成へいせい26年ねん改正かいせいにより、「一定いってい規模きぼ以上いじょうの事業じぎょう場じょうにおける建設けんせつ物ぶつ・機械きかい等とうの設置せっち・移転いてん・主要しゅよう構造こうぞう部分ぶぶんの変更へんこう」における計画けいかくの届出とどけでの規定きていは廃止はいしされた（改正かいせい前まえの第だい88条じょう1項こう）。

監督かんとく機関きかん等とう

労働ろうどう者しゃは、事業じぎょう場じょうに本法ほんぽう又またはこれに基もとづく命令めいれいの規定きていに違反いはんする事実じじつがあるときは、その事実じじつを都道府県とどうふけん労働ろうどう局長きょくちょう、労働ろうどう基準きじゅん監督かんとく署しょ長なが又または労働ろうどう基準きじゅん監督かんとく官かんに申告しんこくして是正ぜせいのため適当てきとうな措置そちをとるように求もとめることができる。事業じぎょう者しゃは、申告しんこくしたことを理由りゆうとして、労働ろうどう者しゃに対たいし、解雇かいこその他た不利益ふりえきな取扱とりあつかいをしてはならない（第だい97条じょう）。

労働ろうどう基準きじゅん監督かんとく官かんは、本法ほんぽうを施行しこうするため必要ひつようがあると認みとめるときは、事業じぎょう場じょうに立たち入いり、関係かんけい者しゃに質問しつもんし、帳簿ちょうぼ、書類しょるいその他たの物件ぶっけんを検査けんさし、若もしくは作業さぎょう環境かんきょう測定そくていを行おこない、又または検査けんさに必要ひつような限度げんどにおいて無償むしょうで製品せいひん、原材料げんざいりょう若もしくは器具きぐを収おさむ去さすることができる。ただし、この立入検査たちいりけんさの権限けんげんは、犯罪はんざい捜査そうさのために認みとめられたものと解釈かいしゃくしてはならない。医師いしである労働ろうどう基準きじゅん監督かんとく官かんは、第だい68条じょう（病者びょうしゃの就業しゅうぎょう禁止きんし）の疾病しっぺいにかかった疑うたがいのある労働ろうどう者しゃの検診けんしんを行おこなうことができる（第だい91条じょう1項こう、2項こう、4項こう）。労働ろうどう基準きじゅん監督かんとく官かんは、本法ほんぽうの規定きていに違反いはんする罪つみについて、刑事けいじ訴訟そしょう法ほうの規定きていによる司法しほう警察けいさつ員いんの職務しょくむを行おこなう（第だい92条じょう）。

都道府県とどうふけん労働ろうどう局長きょくちょう又または労働ろうどう基準きじゅん監督かんとく署長しょちょうは、危害きがい防止ぼうし措置そち基準きじゅんに違反いはんする事実じじつがあるときは、その違反いはんした事業じぎょう者しゃ、注文ちゅうもん者しゃ、機械きかい等とう貸与たいよ者しゃ又または建築けんちく物ぶつ貸与たいよ者しゃに対たいし、作業さぎょうの全部ぜんぶ又または一部いちぶの停止ていし、建設けんせつ物ぶつ等とうの全部ぜんぶ又または一部いちぶの使用しようの停止ていし又または変更へんこうその他た労働ろうどう災害さいがいを防止ぼうしするため必要ひつような事項じこうを命めいずることができる（第だい98条じょう1項こう）。労働ろうどう基準きじゅん監督かんとく官かんは、労働ろうどう者しゃに急迫きゅうはくした危険きけんがあるときは、第だい98条じょう1項こうの権限けんげんを即時そくじに行おこなうことができる（第だい98条じょう3項こう）。危害きがい防止ぼうし措置そち基準きじゅんに違反いはんする事実じじつがない場合ばあいにおいても、労働ろうどう災害さいがい発生はっせいの急迫きゅうはくした危険きけんがあり、かつ、緊急きんきゅうの必要ひつようがあるときは、必要ひつような限度げんどにおいて、事業じぎょう者しゃに対たいし、作業さぎょうの全部ぜんぶ又または一部いちぶの一時いちじ停止ていし、建設けんせつ物ぶつ等とうの全部ぜんぶ又または一部いちぶの使用しようの一時いちじ停止ていしその他た当該とうがい労働ろうどう災害さいがいを防止ぼうしするため必要ひつような応急おうきゅうの措置そちを講こうずることを命めいずることができる（第だい99条じょう）。

• 臨検りんけん等とうの具体ぐたい的てきな手続てつづきは、「労働ろうどう基準きじゅん監督かんとく官かん#労働ろうどう基準きじゅん監督かんとく署しょに配置はいちされた労働ろうどう基準きじゅん監督かんとく官かんの主おもな業務ぎょうむ」を参照さんしょう。

報告ほうこく

厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじん、都道府県とどうふけん労働ろうどう局長きょくちょう又または労働ろうどう基準きじゅん監督かんとく署長しょちょうは、この法律ほうりつを施行しこうするため必要ひつようがあると認みとめるときは、厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいで定さだめるところにより、事業じぎょう者しゃ、労働ろうどう者しゃ、機械きかい等とう貸与たいよ者しゃ、建築けんちく物ぶつ貸与たいよ者しゃ又またはコンサルタントに対たいし、必要ひつような事項じこうを報告ほうこくさせ、又または出頭しゅっとうを命めいずることができる（第だい100条じょう）。この命令めいれいを出だす場合ばあいにおいては、「報告ほうこくをさせ、又または出頭しゅっとうを命めいずる理由りゆう」及および出頭しゅっとうを命めいずる場合ばあいには「聴取ちょうしゅしようとする事項じこう」を通知つうちするものとする（規則きそく第だい98条じょう）。

• 第だい100条じょうに基もとづく具体ぐたい的てきな報告ほうこくについては、以下いかの記事きじを参照さんしょうのこと。

  有害ゆうがい物ぶつばく露ろ作業さぎょう報告ほうこく（規則きそく第だい95条じょうの6）、事故じこ報告ほうこく（規則きそく第だい96条じょう）、労働ろうどう者しゃ死傷ししょう病びょう報告ほうこく（規則きそく第だい97条じょう）

適用てきよう除外じょがい

• 本法ほんぽう（第だい二に章しょうの規定きていを除のぞく。）は、鉱山こうざん保安ほあん法ほう第だい2条じょう第だい2項こう及および第だい4項こうの規定きていによる鉱山こうざんにおける保安ほあんについては、適用てきようしない（第だい115条じょう1項こう）。
• 本法ほんぽうは、船員せんいん法ほうの適用てきようを受うける船員せんいんについては、適用てきようしない（第だい115条じょう2項こう）。船舶せんぱくにおける安全あんぜん衛生えいせいについては船員せんいん法ほうに規定きていがある。
• 本法ほんぽうは、非現業ひげんぎょうの一般いっぱん職しょくの国家こっか公務員こうむいんについては、適用てきようしない（国家こっか公務員こうむいん法ほう附則ふそく第だい16条じょう）。これらの者ものについては、国家こっか公務員こうむいん法ほうに基もとづいて、必要ひつような安全あんぜん衛生えいせい関係かんけい規則きそくを定さだめている。国会こっかい職員しょくいん、裁判所さいばんしょ職員しょくいんおよび防衛ぼうえい省しょう職員しょくいん（自衛じえい官かんを含ふくむ）については、それぞれ関係かんけい法ほうに基もとづいて本法ほんぽうの適用てきよう除外じょがいを定さだめている。
  • 国家こっか公務員こうむいん法ほう附則ふそく第だい16条じょうの規定きていは、行政ぎょうせい執行しっこう法人ほうじんに勤務きんむする一般いっぱん職しょくに属ぞくする国家こっか公務員こうむいんについては、適用てきようしない（行政ぎょうせい執行しっこう法人ほうじんの労働ろうどう関係かんけいに関かんする法律ほうりつ第だい37条じょう1号ごう）。したがって、これらの職員しょくいんについては労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせい法ほうが全面ぜんめん的てきに適用てきようされる。
  • 地方ちほう公務員こうむいんについては、一定いっていの現業げんぎょう的てき事業じぎょうに従事じゅうじする職員しょくいんについては本法ほんぽうが全面ぜんめん的てきに適用てきようされる（地方ちほう公務員こうむいん法ほう第だい58条じょう2項こう、3項こう）。それ以外いがいの非現業ひげんぎょう職員しょくいんについても一部いちぶの規定きていを除のぞき適用てきようされるが、非現業ひげんぎょう職員しょくいんの勤務きんむ条件じょうけんに関かんする労働ろうどう基準きじゅん監督かんとく機関きかんの職権しょっけんは、人事じんじ委員いいん会かいまたはその委任いにんを受うけた人事じんじ委員いいん会かいの委員いいん（人事じんじ委員いいん会かいを置おかない地方ちほう公共こうきょう団体だんたいにおいては、地方ちほう公共こうきょう団体だんたいの長ちょう）が行おこなう（地方ちほう公務員こうむいん法ほう第だい58条じょう5項こう）。

なお、機械きかい等ひとしまたは有害ゆうがい物ぶつに対たいする流通りゅうつう規制きせいについては、労働ろうどう基準きじゅん法ほうの適用てきよう範囲はんいより拡大かくだいされ、政令せいれいで定さだめる一定いっていの機械きかい等ひとしまたは有害ゆうがい物ぶつの製造せいぞう等とうを行おこなう者ものは、何人なんにんも、この法律ほうりつによる規制きせいを受うけることとなっている（昭和しょうわ47年ねん9月がつ18日にち発はつ基もと91号ごう)。

関連かんれん文献ぶんけん・記事きじ

• CiNii>労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせい法ほう
• 畠中はたけなか信夫しのぶ著ちょ「労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせい法ほうのはなし［改訂かいてい版ばん］」中ちゅう災わざわい防ぼう新書しんしょ、2006年ねん5月がつ15日にち発行はっこう

関連かんれん項目こうもく

• 日本にっぽんの法律ほうりつ一覧いちらん
• 日本にっぽんの免許めんきょ一覧いちらん
• 日本にっぽんの資格しかくに関かんする一覧いちらんの一覧いちらん
• 技能ぎのう講習こうしゅうによる資格しかく一覧いちらん
• 特別とくべつ教育きょういくによる資格しかく一覧いちらん
• 労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせい法ほうによる免許めんきょ証しょう
• 労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせい法ほうによる技能ぎのう講習こうしゅう修了しゅうりょう証明しょうめい書しょ
• 化学かがく品ひんの分類ぶんるいおよび表示ひょうじに関かんする世界せかい調和ちょうわシステム
• 化学かがく物質ぶっしつ安全あんぜん性せいデータシート
• 安全あんぜん衛生えいせい優良ゆうりょう企業きぎょう公表こうひょう制度せいど
• 建設けんせつ職人しょくにん基本きほん法ほう
• 労働ろうどう安全あんぜんコンサルタント
• 労働ろうどう衛生えいせいコンサルタント
• 健康けんこう管理かんり手帳てちょう

外部がいぶリンク

• 労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせい法ほう e-Gov法令ほうれい検索けんさく
• 労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせい法ほう施行しこう令れい e-Gov法令ほうれい検索けんさく
• 労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせい規則きそく e-Gov法令ほうれい検索けんさく
• 第だい１３次じ労働ろうどう災害さいがい防止ぼうし計画けいかくについて厚生こうせい労働省ろうどうしょう