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TOI-696

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TOI-696
TOI-696系けいの想像そうぞう図ず
星座せいざ ちょうこくぐ座ざ
分類ぶんるい 恒星こうせい
赤色あかいろ矮星
位置いち
赤あか経けい (RA, αあるふぁ)  04h 32m 42.96s[1]
赤あか緯ぬき (Dec, δでるた) −39° 47′ 27.15″[1]
視線しせん速度そくど (Rv) 11.4667±0.0259 km/s[2]
固有こゆう運動うんどう (μみゅー) 赤あか経けい: 239.410 ミリ秒びょう/年とし[2]
赤あか緯ぬき: -967.772 ミリ秒びょう/年とし[2]
年とし周しゅう視差しさ (πぱい) 50.2773 ± 0.0236ミリ秒びょう[2]
（誤差ごさ0%）
距離きょり 64.87 ± 0.03 光年こうねん[注ちゅう 1]
（19.89 ± 0.009 パーセク[注ちゅう 1]）
軌道きどう要素ようそと性質せいしつ
惑星わくせいの数かず 3
物理ぶつり的てき性質せいしつ
半径はんけい 0.329±0.010 R☉[2]
質量しつりょう 0.345±0.014 M☉[2]
平均へいきん密度みつど 13.624±1.40 g/cm⁻³[2]
自転じてん周期しゅうき 64±22 日ひ[2]
スペクトル分類ぶんるい M2.0V[2]
光度こうど 0.0145±0.0003 L☉[2]
表面ひょうめん温度おんど 3490±50 K[2]
年齢ねんれい 40~90 億おく年ねん[2]
他たのカタログでの名称めいしょう
LHS 1678[2]
TIC 77156829[2]
L 375-2[2]
LTT 2022[2]
NLTT 13515[2]
Gaia DR2 4864160624337973248[2]
■Template （■ノート ■解説かいせつ） ■Project

TOI-696とは、地球ちきゅうからちょうこくぐ座ざの方向ほうこうに約やく19.9パーセク（約やく64.9光年こうねん）離はなれた場所ばしょに位置いちする恒星こうせいである。3つの太陽系たいようけい外がい惑星わくせいが周囲しゅういを公転こうてんしていることが知しられており、これらはいずれも地球ちきゅうより小ちいさい。また、遠とおく離はなれた位置いちに詳細しょうさいな性質せいしつがよく判明はんめいしていない褐色かっしょく矮星と思おもわれる天体てんたいが伴とも星ぼしとして存在そんざいしている。伴とも星ぼしの公転こうてん周期しゅうきは数すう十じゅう年ねんとされている[2][1][3]。

概要がいよう

TOI-696はスペクトル分類ぶんるいがM2Vの赤色あかいろ矮星である。比較的ひかくてき穏おだやかな惑星わくせいであり、他たの同種どうしゅの若わかい恒星こうせいに比くらべてあまり活発かっぱつではない。実際じっさい、その年齢ねんれいは40億おく年ねん~90億おく年ねんと推定すいていされている[2]。

直接ちょくせつ観測かんそくされていないものの、恒星こうせいの重心じゅうしんの変動へんどうは伴とも星ぼしの存在そんざいを示しめしている。しかし、その性質せいしつはよく分わかっていない。測光そっこうデータは、伴ばん星ほしが比較的ひかくてき明あかるい天体てんたい（一いち例れいとして主しゅ星ほしと同おなじくらい明あかるい恒星こうせい）である可能かのう性せいを排除はいじょしており、伴とも星ぼしとして可能かのう性せいがある天体てんたいは褐色かっしょく矮星[3]であると考かんがえられている。伴とも星ぼしが白色はくしょく矮星であるという仮説かせつも検討けんとうされているが、測光そっこうデータによればその可能かのう性せいは非常ひじょうに低ひくいと考かんがえられている[2][3]。

大おおきさの比較ひかく
太陽たいよう TOI-696
太陽 Exoplanet


惑星わくせい系けい

TOI-696の惑星わくせい[3]
名称めいしょう
（恒星こうせいに近ちかい順じゅん） 		質量しつりょう 軌道きどう長ちょう半径はんけい
（天文てんもん単位たんい） 		公転こうてん周期しゅうき
(日ひ) 		軌道きどう離はなれ心しん率りつ 軌道きどう傾斜けいしゃ角かく 半径はんけい
b 0.26+0.14
−0.10（推定すいてい） M⊕ 		0.01239+0.00056
−0.00057 		0.8602325+0.0000013
−0.0000011 		0.033+0.035
−0.023 		88.53+1.02
−1.14° 		0.685+0.037
−0.035 R⊕
c 0.81+0.55
−0.29（推定すいてい） M⊕ 		0.0327±0.0015 3.6942840+0.0000048
−0.0000044 		0.039+0.040
−0.025 		88.82+0.40
−0.26° 		0.941+0.051
−0.050 R⊕
d 0.92+0.66
−0.34（推定すいてい） M⊕ 		0.0400+0.0018
−0.0017 		4.9652229+0.0000096
−0.0000075 		0.036+0.060
−0.027 		88.31+0.14
−0.13° 		0.981+0.070
−0.072 R⊕

TESSによるトランジット法ほうを用もちいた観測かんそくによって、「TOI-696.01」「TOI-696.02」の2つの惑星わくせい候補こうほが存在そんざいする可能かのう性せいが示しめされた。これらの惑星わくせい候補こうほの公転こうてん周期しゅうきはそれぞれ約やく0.86日にちと約やく14.76日にちであった。しかし、それらの分析ぶんせきが行おこなわれた結果けっか、TOI-696.01は存在そんざいする可能かのう性せいが高たかいものの、TOI-696.02は誤あやま検出けんしゅつである可能かのう性せいが高たかくなった。その後ご、元々もともとのTOI-696.02の約やく1/4の周期しゅうきを持もつ信号しんごうが発見はっけんされ、この公転こうてん周期しゅうき約やく3.69日にちの惑星わくせい候補こうほがTOI-696.02として修正しゅうせいされた。惑星わくせい候補こうほはドップラー分光ぶんこう法ほうを含ふくんだフォローアップ観測かんそくが行おこなわれ、惑星わくせいの存在そんざいは確認かくにんされた[2]。

TOI-696 bとTOI-696 cとして指定していされたこれらの惑星わくせいの発見はっけん・確認かくにんは、2021年ねん10月22日にちにarXivにて公表こうひょうされた。bとcは岩石がんせき質しつの惑星わくせいである。bは公転こうてん周期しゅうきが1日にちよりも小ちいさな超ちょう短たん周期しゅうき惑星わくせいである（約やく21時じ間あいだ）。bは平衡へいこう温度おんどが700ケルビンを超こえ、昼ひる側がわは1000ケルビンを超こえている。地球ちきゅうが太陽たいようから受うける放射線ほうしゃせんの93倍ばいの量りょうを受うけ取とっていることを考慮こうりょすると、大気たいきは侵食しんしょくまたは失うしなった可能かのう性せいがあるとされ、また自転じてんと公転こうてんの同期どうきが発生はっせいしているとされている。質量しつりょうは地球ちきゅうの約やく1/3で、月つきの約やく5倍ばいの質量しつりょうである。bの大おおきさは地球ちきゅうの約やく0.696倍ばいと、以前いぜんまでにTESSが発見はっけんした惑星わくせいの中なかで一番いちばん小ちいさな惑星わくせいとされていたTOI-175 bの約やく0.85倍ばいよりもさらに小ちいさい値ねとなっている[2][4][5]。cはハビタブルゾーンの内縁ないえん近ちかくの領域りょういきであるVenus zoneに位置いちし、暴走ぼうそう温室おんしつ効果こうかが発生はっせいして金星きんぼしと同様どうようの環境かんきょうとなっている可能かのう性せいがある。地球ちきゅうの約やく13.5倍ばいの放射線ほうしゃせんを主おも星ぼしから受うけ取とっている。cの大おおきさも約やく0.982倍ばいで、地球ちきゅうよりも小ちいさい[2]。

TOI-696系けいには、さらにトランジット信号しんごうが検出けんしゅつされており、bやcより主おも星ぼしから離はなれた位置いち（0.04天文てんもん単位たんい）を公転こうてんする第だい3の惑星わくせい「TOI-696.03」が存在そんざいする可能かのう性せいがあった。TOI-696.03が誤あやま検出けんしゅつである可能かのう性せいは低ひくいが、この惑星わくせい候補こうほは発見はっけんが遅おそかったため、地上ちじょうからのフォローアップ観測かんそくができなかった。そのため、bやcの存在そんざいが確認かくにんされた時点じてんではTOI-696.03の存在そんざいは確認かくにんには至いたっていなかった。地球ちきゅうが太陽たいようから受うける放射線ほうしゃせんの9倍ばいを受うけ取とっている[2]。その後ごもフォローアップ観測かんそくが行おこなわれ、TOI-696.03は2024年ねんに存在そんざいが確認かくにんされてTOI-696 dとして指定していされた。約やく4.97日にちの公転こうてん周期しゅうきを持もち、大おおきさは地球ちきゅうの約やく0.981倍ばいと地球ちきゅうよりも小ちいさい。dはcと4:3の軌道きどう共鳴きょうめいの関係かんけいにあることが判明はんめいしている。また、この2つの惑星わくせいは半径はんけいや推定すいていされている質量しつりょうが似にている[3]。

TOI-696の惑星わくせいは、今後こんごのさらなる観測かんそくや大気たいきの研究けんきゅうを目的もくてきとしたジェイムズ・ウェッブ宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょう（JWST）による観測かんそくの有力ゆうりょくなターゲットになると期待きたいされている。また、bとcの間あいだにある0.014~0.029天文てんもん単位たんいの範囲はんいやdのさらに外側そとがわに未知みちの惑星わくせいが存在そんざいする余地よちも残のこされている[2][3]。

脚注きゃくちゅう

注釈ちゅうしゃく

  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年とし周しゅう視差しさ（秒びょう）より計算けいさん、光年こうねんは1÷年とし周しゅう視差しさ（秒びょう）×3.2615638より計算けいさん

出典しゅってん

  1. ^ a b c “TESS Project Candidates”. arXiv. 2021年ねん10月がつ26日にち閲覧えつらん。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z “The LHS 1678 System: Two Earth-Sized Transiting Planets and an Astrometric Companion Orbiting an M Dwarf Near the Convective Boundary at 20 pc”. arXiv. 2021年ねん10月がつ26日にち閲覧えつらん。
  3. ^ a b c d e f “Validation of a Third Planet in the LHS 1678 System”. arXiv (2024年ねん2月がつ29日にち). 2024年ねん3月がつ4日にち閲覧えつらん。
  4. ^ “Warm terrestrial planet with half the mass of Venus transiting a nearby star”. arXiv. 2021年ねん10月がつ26日にち閲覧えつらん。
  5. ^ “NASA’s TESS Mission Finds Its Smallest Planet Yet”. NASA. 2021年ねん10月がつ26日にち閲覧えつらん。

関連かんれん項目こうもく 

探査たんさ機き

天体てんたいカタログ
主おもな恒星こうせいおよび
発見はっけんした惑星わくせい
（TOI）
2018年ねん
2019年ねん
2020年ねん
2021年ねん
2022年ねん
2023年ねん
2024年ねん
一覧いちらん
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プロジェクト
その他た
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