ナラカ

ナラカ（Naraka）

サンスクリット語ごで、地下ちか世界せかい、地獄じごくを意味いみする語かたり。音おと写うつしされて奈落ならく、奈落ならく迦、那な落迦。
インド神話しんわに登場とうじょうするアスラの名前なまえ。以下いかに説明せつめい。

ナラカ（Naraka）は、インド神話しんわに登場とうじょうするアスラである。ナラカースラ（Narakāsura）とも言いう。アスラ族ぞくの一派いっぱダイティヤ族ぞくに属ぞくするヒラニヤークシャと大地だいちとの間あいの子こである。ドゥヴィヴィタとは友人ゆうじんである。

神話しんわによると、あるときヒラニヤークシャは海面かいめんを歩あるきながら波なみを棒ぼうで叩たたいて楽たのしんでいた。この音おとに驚おどろいたヴァルナ神かみはヴィシュヌ神かみに訴うったえた。ヴィシュヌが現場げんばに到着とうちゃくするとヒラニヤークシャはあわてて牙きばで大地だいちを持もち上あげて、地下ちかに隠かくれた。この瞬間しゅんかん、大地だいちの女神めがみブーミは子こを身みごもり、生うまれたのがナラカであったという。ブーミはこのアスラの子こを哀あわれんで、ヴィシュヌに助たすけを求もとめたので、ヴィシュヌは彼かれにナーラーヤナーストラ（Nārāyaṇāstra）という武器ぶきを授さづけたという。

成長せいちょうしたナラカは強大きょうだいな力ちからを持もち、アディティのイヤリング(あらゆる不幸ふこうを取とり除のぞいてくれるという天界てんかいの秘宝ひほう)や、インドラ神かみ(もしくはヴァルナ神しん)の天てん傘かさ、さらには1万まん6000人にんのアプサラスを奪うばって、ムラースラの城しろプラーグ・ジョーティシャに持もち帰かえった。こうした悪行あくぎょうによってナラカはクリシュナに化身けしんしたヴィシュヌ神しんに殺ころされたという。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]