包丁
語
[庖丁
[また、『
日本 の調理 刀 と料理人
[
現代 語
[kitchen knife
[歴史
[年表
[
分類
[
材質 基準
[石 の包丁
[金属 包丁
[窯業 製品 の包丁
[なお、1984
製法 基準
[
形状 基準
[大 包丁 (だいほうちょう)- 「:en:Cleaver」も
参照 手斧 (ておの、ハチェット、cf. en,wikt)に似 た重 く大 きな包丁 のこと。英語 では "cleaver" (日本語 名 :クリーバー、クレーバー」が類 義 。世界 各地 の精肉 店 が肉 切 りに使 うような重量 のある包丁 がこれにあたり、中華 包丁 の代名詞 的 存在 である方 頭 刀 型 の包丁 もその一種 である。幅 の広 い長方形 の刃 を有 するもの、すなわちは方 頭 刀 型 が通例 のため、これを定義 に含 める捉 え方 が常識 的 。方 頭 刀 (ほうとうとう)方形 (四角形 )の頭部 を「方 頭 」といい、方 頭 の刃 を有 する刀 を日本語 で「方 頭 刀 (ほうとうとう)」、中国 語 で「方 頭 刀 (拼音:fāngtóudāo; ファントォゥダァォ)」という。このことから、方 頭 刀 の形 をしている大 包丁 (クリーバー)タイプの中華 包丁 をこの名 で呼 ぶ。しかし、言葉 の定義 上 、中華 包丁 だけに用 いられるものではない。右側 に表示 した画像 は一 つの例 である。また、
聖俗 別
[儀式 用 日本 では奈良 時代 に高貴 な人 の前 で音楽 に合 わせて鯉 や鶴 などめでたい魚 や鳥 を切 り分 ける「庖丁 式 」と呼 ばれる儀式 が行 われた[22]。日本 最古 とされる包丁 は正 倉 院 に収蔵 されているものであり、これは儀式 用 の包丁 とされている[22]。調理 用 調理 用 の包丁 。
文化 圏 別
[あくまで
和 包丁 (わぼうちょう)日本 料理 に用 いる包丁 の総称 [23]。中華 包丁 (ちゅうかぼうちょう)中華 料理 に用 いる包丁 [24]を、日本語 ではそのように総称 する。洋 包丁 (ようぼうちょう)主 に西洋 料理 で用 いられる包丁 [25]を、日本語 ではそのように総称 する[25]。
和 包丁
[菜切包丁 /菜切 り包丁 (なきりぼうちょう、なっきりぼうちょう。英語 :nakiri knife)菜 刀 (ながたな)ともいう。家庭 向 けの四角 い両刃 の包丁 。かつて一般 家庭 用 として広 く普及 した。薄刃 包丁 (うすばぼうちょう。英語 : usuba knife)主 に野菜 を切 るための包丁 。片刃 で、関東 型 (東 型 )は刃 の形状 が長方形 、関西 型 は先端 みね側 が丸 くなっており「鎌 型 」とも呼 ぶ。日本 料理 ではかつら剥 きや野菜 の曲 切 りなど非常 に用途 が広 い。小型 の薄刃 包丁 を特 に「皮 むき包丁 」と呼 ぶこともある。出刃包丁 (でばぼうちょう。英語 : deba knife)魚 のほか、すっぽん、鶏 などの捌 きに使用 する。魚 の調理 ではしばしば行 われる「(魚 を)三 枚 におろす」と表現 される作業 をする時 に非常 に便利 な包丁 である。骨 を切断 する時 などに大 きな力 を入 れても刃先 が撓 ったり曲 がったりしないように刃 が厚 く重 くつくられ、身 をそぐのにも適 した片刃 の包丁 で、形状 も三 枚 おろしに適 した三角形 。10 cmから30 cmほどまで様々 な大 きさのものがある。「江戸 時代 に泉州 堺 の出 っ歯 の鍛冶 が開発 したことから、出刃包丁 という名前 がついた」という説 がある。出刃包丁 の変種 として、大型 で刃 の薄 い鮭 切 包丁 、中型 で刃 が薄 く幅 が狭 い相 出刃 や舟行 包丁 、小型 で刃 の薄 い鯵 切 包丁 などがある。刺身 包丁 (さしみぼうちょう。英語 : sashimi knife)刺身 を切 るための包丁 。刺身 を切 る際 に刃 を往復 すると素材 の切断 面 が傷 むことから一方向 にのみ引 き切 ることができるように刃 体 が長 い。関西 型 は先 が尖 り、その形状 から柳 刃 (やなぎば)と呼 ぶ。「柳葉 」の字 をあてることもあり、また、菖蒲 の葉 にも似 ていることから「菖蒲 」「正夫 」と呼 ぶこともある。関東 型 は蛸 引(たこひき)と呼 ぶが、刃 が直線 的 で先端 を平 らに切落 としたような形状 になっており、柳 刃 よりもやや薄 い。丸 まった蛸 の足 を切 るのに適 したものなので蛸 引と呼 ぶとする説 がある。先端 が尖 っていないのは喧嘩 っ早 い江戸 っ子 が喧嘩 に使 いにくいようにしたためだともいう。先端 で細工 切 りがしやすいなどの理由 で、近時 は柳 刃 が関東 も含 め全国 的 に主流 となっている。刃 裏 には裏 すき、若 しくは决り(しゃくり)と呼 ばれる凹 みがある。河豚 刺 し用 には専用 の特 に薄 くて鋭利 な河豚 引 きがある。てっぽう(関西 方面 での河豚 の通称 )用 という意味 でてっさ包丁 とも呼 ぶ。
鰻 裂 /鰻 裂 き(うなぎさき。英語 : eel knife)鰻 を捌 く際 に用 いる。地方 により様々 な形状 のものがある。穴子 包丁 (あなごぼうちょう)穴子 (あなご)を捌 くのに用 いる。鰻 裂 とほぼ同 じ形状 のものである。鱧 切 /鱧 切 り(はもきり)鱧 (はも)を捌 くのに用 いる。鱧 は小骨 が非常 に多 く、いちいち抜 いてはいられないため、皮 一 枚 残 して身 ごと小骨 を小刻 みに切 る必要 があり、これを骨 切 という。鰌 切 /鰌 切 り(どじょうきり)鰌 /泥鰌 (どじょう)を捌 くのに用 いる小 さな包丁 。鮪 包丁 (まぐろぼうちょう。英語 : tuna knife)魚市場 などで鮪 (まぐろ)を解体 する際 に使 う包丁 。刃 体 は45 cmから150 cmほどのものまであり、特 に長 いものは若干 しなるように作 られている。鰹 包丁 (かつおぼうちょう)鰹 (かつお)を切 るための包丁 。刃先 が三角 にとがった諸刃 になっており鰹 を容易 にさばくことが出来 る。鮨 切 /鮨 切 り/[27]寿司 切 /寿司 切 り(すしきり)[27]巻 き鮨 や押 し鮨 を切 るための包丁 [27]。蒲鉾 形 の刃 で、飯 や具 を潰 さずに切 ることができる[27]。麺 切 包丁 /麺 切 り包丁 (めんきりぼうちょう。英語 :noodle knife)麺 を切 るための包丁 。饂飩 (うどん)用 は饂飩 切 包丁 /うどん切 り包丁 、蕎麦 (そば)用 は蕎麦 切 包丁 /蕎麦切 り包丁 ともいう。麺 切 包丁 を用 いるときには、麺 の太 さを一定 にするために小 間 板 (駒板 )が用 いられることが多 い。餅 切 /餅 切 り(もちきり)餅 を切 るための包丁 。両手 型 のものもある。刃 の部分 が若干 円 く張 り出 している。豆腐 切 /豆腐 切 り(とうふきり)豆腐 を切 るための包丁 。形状 は麺 切 包丁 に似 ている。寒天 切 /寒天 切 り(かんてんきり)寒天 を切 るための包丁 。刃 の部分 が横 方向 に波状 になっている。西瓜 切 /西瓜 切 り(すいかきり)- スイカを
切 るための包丁 。大型 で薄 い両刃 の包丁 。 菓子 切 /菓子 切 り(かしきり)羊羹 を切 るための包丁 。附 包丁 (つけぼうちょう)蒲鉾 包丁 (かまぼこぼうちょう)ともいう。蒲鉾 を成型 するための包丁 。魚 のすり身 を板 に盛 る篦 (へら)。
中華 包丁
[形状 別
[方 頭 刀 (拼音〈以下 同様 〉:fāngtóudāo; ファントォゥダァォ。日本語 読 み:ほうとうとう)中華 包丁 の代名詞 的 存在 となっている長方形 の包丁 。広東 料理 や四川 料理 の系統 で使用 されている。馬頭 刀 (mǎtóudāo; マァートォゥダァォ。日本語 読 み:ばとうとう)刃先 のほうが広 く刃 元 のほうが狭 くなっており、背 (みね)が厚 めで、重量 感 がある。北京 料理 の系統 で使用 されている。
用途 別
[片 刀 (piàndāo; ピェンダァォ)重量 約 500 g。軽 くて刃 が薄 い。片 (piàn:薄切 り)のほか、絲 (sī; スー:細切 り)、丁 (dīng; ディン:サイの目 切 り)、條 (tiáo; ティアォ:拍子木 切 り)などに用 いる。骨 付 きの硬 い素材 には不向 き。切 刀 (qièdāo; チェダァォ)重量 600 g – 800 g。片 刀 より厚 みがある。叩 くように切 る丁 (dīng; ディン:サイの目 切 り)、塊 (dīng; クァイ:ぶつ切 り)、末 (mò; モー:みじん切 り)などに用 いる。軟骨 程度 なら骨 も切 れる。前 片 後 斬 刀 (qiánpiànhòuzhǎndāo; チィェンピェンホォゥヂァンダァォ)重量 1 kg前後 。先 のほうが片 刀 に近 く、手元 のほうが斬 刀 のようになっている。片 (薄切 り)ができるほか、鶏 や家鴨 の骨 付 き肉 であれば塊 (ぶつ切 り)も可能 で、用 とは幅広 い。文武 刀 (wénwǔdāo; ウェンウーダァォ)ともいう。斬 刀 (zhǎndāo; ヂァンダァォ)重量 1 kg以上 。背 (みね)が厚 く、斧 のように刃 に向 かって薄 くなっている。骨 付 き食材 専用 の包丁 である。
洋 包丁
[
牛刀 (ぎゅうとう。英語 : chef's knife)本来 は食肉 (枝肉 )の仕分 け用 の、薄 く、刃 体 が長 く大 きい肉 切 り包丁 。サイズの幅 が広 く、家庭 用 として野菜 やパン切 りなど様々 な用途 にも使 いやすい6寸 (約 18 cm)や7寸 から、1頭 の牛 の捌 き用 の40 cm近 い大 包丁 まで市販 されている。筋 引(すじびき)枝肉 の解体 で、いわゆる「ヒレ肉 」(fillet meat) は、周囲 を「スジ」と呼 ばれる不要 部分 が覆 っている。これを切 り離 す、「すじ引 き」と呼 ばれる作業 のための、長 く細身 の包丁 。海外 の「フィレ・ナイフ」に相当 する。洋 出刃 (ようでば)- スープ
用 の牛 骨 を刃 の背 で砕 いたりするための、刃 が厚 く頑丈 な包丁 。 - ペティナイフ
料理 の本場 フランスのフランス語 で「petit プチ」は「小 さな」という意味 。英語 でそれを借用 すると「ペティ」と英語 風 に発音 される。英語 ではParing knifeペアリングナイフと呼 ばれることが近年 では一般 的 。「ペティナイフ」と言 うと和製 英語 的 。前述 の理由 によりプチナイフともいう。小型 のキッチンナイフで、野菜 ・果物 の皮 むき、カクテルやケーキ用 フルーツの飾 り切 りなど用途 が広 く頻用 される、小型 の万能 ナイフ。三徳 包丁 (さんとくぼうちょう。英語 : Santoku knife)日本 の家庭 で一般 的 に使 われている万能 包丁 。牛刀 より短 めでやや幅 が広 い。野菜 ・肉 ・魚 を一本 で処理 できることから「三徳 」という。文化 包丁 (ぶんかぼうちょう)ともよばれる。- カービングナイフ(
英語 : carving knife) 主 にカービングフォークと一緒 にローストビーフなどの肉 の塊 を切 り分 けるのに使 われるナイフ。- スライサー(
英語 : SlicerまたはSlicing knife) 主 に薄切 り肉 や刺身 、ハムなどスライスする時 に用 い、刃先 には丸 みがあり牛刀 を細身 にしたような形状 をしている。語弊 があることもあって、スライシングナイフとも呼 ばれる。- クリーバー/クレーバー(
英語 : cleaver) 動物 を解体 するとき肢 の関節 を叩 き切 るなど鉈のように使 う。叩 きつけても刃先 がまくれたり、曲 がらずに使 えるように刃 が厚 く重 く、形状 は四角形 。- ボーニングナイフ(
英語 : boning knife) 骨 から肉 を切 り剥 がすために用 いる。刃 が柔 らかくしなるように作 られており、日本 独特 の洋 包丁 「骨 すき」とはその点 で異 なる。骨 すき(ほねすき)骨 から肉 を切 り剥 がすために用 いる日本 独特 の洋 包丁 。捌 き包丁 /さばき包丁 、捌 き/さばきともいう。- がらすき
鶏 など丸 鳥 の解体 に用 いる。軟骨 や関節 を切断 するため、骨 スキと同型 だが刃 が厚 くまた長 くなっている。- フィレナイフ(
英語 : fillet knife) 特 に生 の魚類 を捌 きやすく作 られた包丁 。細長 く反 った刃 を持 つ。- パン
切 り包丁 (英語 : bread knife) 多孔 質 の柔 らかいパンを切 りやすいように、波形 の刃 になっているものがあり、切断 面 近 くの組織 をつぶさないように、刃 厚 が薄 く幅 が狭 い。ブレッドナイフ、パンスライサーなどの名称 で販売 されている場合 もある。食 パンなどを均等 な厚 さにスライスする場合 には専用 のガイドを用 いる。冷凍 切 り包丁 冷凍 した食材 をスライスする際 に用 い、刃先 がギザギザの波 刃 になっている。刃 の部分 の厚 みは2 mm程度 。冷凍 ナイフとも呼 ばれる。
構造
[各部 の名称
[刀身 (とうしん)柄 (ハンドル)でない部分 。鋒 (きっさき)から区 (まち)までの部分 。英語 でいう "blade"。外来 語 でいう「ブレード/ブレイド」。【図説 1】では「切 っ先 」から「マチ」までの部分 。【図説 2】では "Blade" の部分 。刃 体 (はたい)[30]銃砲 刀剣 類 所持 等 取締 法 (銃刀 法 )における「刀剣 類 以外 の刃物 の刃 の長 さ」[30]。一般 には「刃 体長 」ともいう。これに対 して刀剣 類 の刃 の長 さは「刃渡 /刃渡 り(はわたり)」という[30]。包丁 の刃 体 (刃 体長 )は、鋒 (きっさき)と、鋒 に最 も近 い柄 部 の一 点 との水平 直線 距離 である。【図説 2】では、Aの一 点 と、Hがある位置 との水平 直線 距離 。この図 で示 してある "Blade" の幅 と結果 的 に同 じ長 さになる。刃渡 /刃渡 り(はわたり)[31][32]銃刀 法 においては「刀剣 類 の刃 の長 さ」。槍 を除 く刀剣 類 の「刃 長 」と、槍 の「穂 長 」との総称 。一般 には「刃渡 り」という語 も包丁 に対 して用 いられているが、上記 のとおり、銃刀 法 の下 では正 しくない。ただし、時代 劇 や外国 など銃刀 法 の法外 で用 いる分 には「刃渡 り」で問題 ない。区 (まち)のある包丁 の刃渡 は、鋒 (きっさき)と、区 がある位置 との水平 直線 距離 。区 の無 い包丁 の刃渡 は、鋒 と顎 (あご)がある位置 との水平 直線 距離 。- blade face(ブレードフェース、ブレイドフェイス)
刀身 の面 を意味 する英語 。鋒 /切先 /切 っ先 (きっさき)刃 の先端 。「鋒 」の字義 (原義 )は「矛 の先端 」。英語 名 は "point(ポイント)"、"tip(チップ)"。【図説 2】のA。刃先 (はさき)出刃包丁 の刀身 のように反 りのある場合 は、刃 線 のうち、鋒 (きっさき)から反 りが無 くなる箇所 までの部分 をいう。菜切包丁 の刀身 のように反 りの無 い場合 は、刀身 の長 さと刃 体 (刃 体長 )と刃先 の長 さはおおよそ等 しい。【図説 2】のAとBあたり。反 り(そり)刃 線 の中 の曲線 部 。鋒 (きっさき)から刃 線 全体 の三 分 ぐらいまでに位置 する場合 が多 い。【図説 2】のB。刃 線 (はせん)刃 の付 いた側 辺 部分 。刃 道 (はみち)刃 線 と同義 。鋒 (きっさき)から顎 (あご)に至 る切 れる部分 全体 の名称 。刃 中 (はちゅう)切断 に使 う部分 。英語 でいう "edge"、"cutting edge" 。外来 語 でいう「エッジ」「カッティングエッジ」。【図説 2】のC。刃 元 (はもと)刃 線 のうち、柄 に近 い部分 。英語 でいう "heel(ヒール)"。【図説 2】のD。小 刃 (こば)、小 刃 止 め刃 道 際 にわずかに付 けられる角度 の大 きい斜辺 。より小 さく付 けられるものを「糸 刃 」という。切 れ味 をあまり損 なわず永 切 れする(切 れ味 が低下 しにくいこと)ようにするために付 ける。小 刃 を付 けることを「小 刃 合 わせ」「糸 刃 合 わせ」という。顎 (あご)柄 から刃 が出 て突 き出 している部分 。西洋 刀剣 用語 では英語 名 で "choil(チョイル)"。日本語 名 を意訳 した英語 名 は "chin(チン)"。【図説 2】のH。区 (まち)柄 元 と中子 /茎 (なかご)の境 となる段 。無 い物 もある。刃 区 (はまち)刃 の付 いた側 の区 。棟 区 (むねまち)棟 (むね)ともいう峰 /背 (みね)の側 (刃 の付 いていない側 )の区 。峰 /背 (みね)刃 体 のうち、刃 の付 いていない側 辺 の部分 。「棟 (むね)」ともいう。英語 でいう "spine(スパイン)"。【図説 2】のE。大 棟 (おおむね)峰 /背 (みね)の柄 に近 い部分 。平 (ひら)刃 体 の平面 部分 。切 刃 造 りの包丁 では表 の峰 から鎬(しのぎ)までの平面 部分 。英語 名 は日本語 名 を意訳 した "flat(フラット)"。切 刃 /切 り刃 (きりは)切 刃 造 りの包丁 における鎬から刃 線 に至 る傾斜 した平面 部分 。- 鎬筋(しのぎすじ;しのぎ
筋 ) 平 と切 刃 の境目 の角 になる筋 。単 に「鎬(しのぎ)」ともいう。刃 境 (はさかい)霞 包丁 に見 られる地金 と鋼 の境目 。日本 刀 の刃 紋 と混同 されがちであるが、刃 紋 は土 置 きという方法 によって生 じる硬軟 差 によって現 れる紋様 であるのに対 し、刃 境 の線 は組 み合 わされた異種 鋼 の硬軟 差 によって生 じる。本 焼 きの包丁 に見 られる紋様 は日本 刀 と同様 に土 置 きによって生 じる刃 紋 である。裏漉 き(うらすき)刃 の裏側 のえぐれ。裏漉 きがあると、裏 押を作 る際 に砥石 にあたる面積 が減 るため研 ぎやすい。また、裏 が平面 にならないので食材 が貼 り付 きにくい。裏 押/裏 押 し(うらおし)刃 の裏側 の、裏漉 きの辺 縁 部分 の平面 。「刃 裏 (はうら)」ともいう。裏 押を作 る作業 を指 すこともある。中子 /茎 (なかご)柄 の中 に納 まっている刃 の根元 部分 。英語 名 は "tang(タング)"、"shank(シャンク)"。茎 の裏表 に板 を張 った造 りで、柄 の全体 に茎 が通 る「本通 し(フル・タング)」が強度 ・耐久 性 とも最 も優 れるが、現代 の工業 量産 される包丁 でも、相対 的 に高価 な金属 部 を縮減 するため、安価 な包丁 では背 通 し、半 中子 、和 包丁 に近 い挿込型 など茎 を小 さくした構造 も多 い。中子 尻 /茎 尻 (なかごじり)中子 /茎 の末端 。- finger guard(フィンガーガード)
- blade の
基部 と bolster の接点 付近 にあって、指 が滑 って刃 に触 れることの無 いよう施 された部分 。【図説 2】のGからHまでの部分 。 桂 (かつら)刀 における「鎺/鈨(はばき)」に相当 する。中子 /茎 (なかご)を差 し込 む側 の割 れを防 ぐために取 り付 けた輪 っか(口 輪 )。英語 でいうところの "bolster(ボルスター)"。ステンレス鋼 や真鍮 など金属 製 のものを口金 (くちがね。英語 名 "ferrule〈フェルール〉")、水牛 の角 で作 られたものを角巻 (つのまき)と呼 ぶ。特注 の高級 品 は銀 や真珠貝 を使用 する場合 もある一方 、廉価 な普及 品 では合成 樹脂 やエボナイト製 が多 く、「PC桂 」「プラスチック桂 」などと呼 ぶ。なお、「桂 」は当 て字 である。【図説 2】のF。柄 (え)手 で握 る部分 。英語 名 は "handle"。外来 語 では「ハンドル」という。刀身 と一体 構造 になっているタイプと、刀身 と柄 が別 構造 ・別 素材 になっているタイプとに大別 される。後者 の場合 、内部 に中子 /茎 (なかご)を固定 して納 めている。分離 構造 の包丁 であれば桂 から柄 尻 までの部分 が柄 であり、一体 構造 の包丁 でも同様 の部分 を指 す。柄 尻 (えじり)柄 の末端 部 。英語 名 は "handle end(ハンドル エンド)"。- butt(バット)
柄 の最 末端 を指 す英語 。対応 する日本語 名 は確認 できない。【図説 2】のN。- handle guard(ハンドルガード)
柄 の末端 部 にある滑 り防止 用 のわずかな突起 を指 す英語 。それに由来 する外来 語 「ハンドルガード」は通用 しているかも知 れない。【図説 2】のM。鋲 (びょう)中子 /茎 (なかご)を柄 に固定 するために打 ち込 まれる留 め具 。英語 名 は "rivet"。外来 語 では「リベット」。- ディンプル
刃 の表面 に高 さの低 い凸面 を複数 施 したもので、切 った物 が刀身 にくっついてしまうのをかなり防 ぐことができる。鎚 目 (つちめ)鍛造 時 に刃 体 表面 を槌 (ハンマー)で叩 いた痕 。ディンプルと同様 の効果 を持 つ場合 もある。21世紀 前期 前半 の市場 では見栄 えを良 くするデザインとしてわざと工作 されているものが多 くなった。銘 (めい)英語 名 は「署名 」を意 する "signature(シグネチャー)"。製造 責任 者 名 や商標 、ロゴタイプ、物品 の所持 者 名 など、固有名詞 や固有 の意匠 を主 とする特定 の情報 を刀身 もしくは桂 に刻 む場合 があり、それが製造 責任 者 名 や商標 であれば保証書 に等 しい役割 を果 たしている場合 がある。物品 の所有 者 が替 わり、購入 時 の情報 を所有 者 側 が失 ってしまったとしても、銘 を手掛 かりに製造 者 や販売 者 を探 し当 てることも可能 となる。和 包丁 は刀身 に十分 な厚 さがあるものも多 いので、そういったものに日本 刀 に施 すのと同 じ技術 で銘 を刻 む。刻 めるスペースも広 いため、ロゴタイプ、商標 、製造 責任 者 名 、所有 者 名 などといった多 くの情報 を全 て刻 むことも珍 しくない。一方 、洋 包丁 の刀身 は厚 さが足 りないため、桂 に刻 むこととなるが、スペースが無 いので数 文字 しか刻 めない。
刃 の素材
[炭素 鋼 錆 びやすく手入 れに難 があるが、切 れ味 に優 れ、また、研 ぎやすいため愛用 者 は多 い。和 包丁 の素材 としては日立金属 の刃物 用 鋼材 である安来 鋼 (白紙 、青 紙 )が有名 。「紙 」とは、工場 で鋼材 の判別 用 に貼 ったラベルの色 による。- ステンレス
鋼 武生 特殊 鋼材 のVG10鋼 、日立金属 の銀紙 鋼 など。ステンレスは錆 びにくく手入 れが簡単 なため家庭 用 で普及 した反面 、鋼 より切 れ味 が劣 るため、業務 用 には敬遠 されてきたが、近年 [いつ?]は高性能 なステンレス包丁 も多 い。- ファインセラミックス
主 にジルコニア系 のファインセラミックスが使用 される。錆 びない。炭素 鋼 やステンレスより硬 く、長期間 切 れ味 が持続 する。一方 で、粘 りが無 いため、落 とした時 に割 れたり欠 けたりしやすい、研 ぐことが困難 、刃先 をあまり鋭 くできない、といった欠点 がある。
柄
[鞘
[
手入 れ
[研 ぎ方
[衛生 管理
[柄 埋 め
[ブランド
[ここでは、
- Global(グローバル、en) -
燕 市 の企業 である吉田 金属 工業 のブランド。 - Henckels(ヘンケルス) - ゾーリンゲンの
企業 であるツヴィリング J.A. ヘンケルスのブランド。 - Zwilling(ツヴィリング) - ツヴィリング J.A. ヘンケルスのブランド。
雅 -MIYABI- -関 市 の伝統 技術 とゾーリンゲンの最新 技術 を融合 させた日本 品質 を売 りにした、ツヴィリング J.A. ヘンケルスのブランド。藤次郎 (とうじろう) -燕 市 の企業 である藤次郎 株式会社 のブランド。日本 でも数少 ない一貫 製造 の包丁 メーカー。関 孫 六 (せきのまごろく) -日本 国内 の包丁 のシェアでトップを誇 る貝印 の包丁 ブランド。室町 時代 後期 の名 刀工 「関 の孫 六 」こと孫 六 兼 元 の流 れを謳 う。京 セラ(きょうセラ) - ファインセラミックス包丁 の一大 ブランド。企業 は京 セラ株式会社 。堺 打 刃物 (さかいうちはもの) - プロ用 和 包丁 の全国 シェアの9割 以上 を占 める。柳 宗 理 (やなぎ そうり) -日本 のインダストリアルデザイナー柳 宗 理 のブランドで、包丁 も含 まれる。
生産 地
[ヨーロッパ
[日本
[主 な産地
大阪 府 堺 市 、大阪 市 -堺 打 刃物 の産地 。堺 打 刃物 はプロ用 和 包丁 の全国 シェアの9割 以上 を占 める。岐阜 県 関 市 -有名 なブランドに関 孫 六 や雅 -MIYABI-がある。福井 県 越前 市 -越前 打 刃物 の産地 。高知 県 高知 市 、安芸 市 、南国 市 、須崎 市 、土佐清水 市 、香美 市 、ほか -土佐 打 刃物 の産地 。両刃 で刃 を磨 かず、黒 い地肌 を残 した「黒 打 ち」と呼 ばれる形 が多 い。
- その
他 の地域
山形 県 山形 市 神奈川 県 鎌倉 市 千葉 県 柏 市 -千葉 工匠 具 (関東 牛刀 )の産地 。新潟 県 長岡 市 (与板 地域 ) -越後 与板 打 刃物 の産地 。新潟 県 三条 市 -越後 三条 打 刃物 の産地 。代表 的 企業 としては、タダフサ(ブランドは忠 房 )がある。新潟 県 燕 市 -燕 地方 は上記 の三条 地方 と合 わせて「燕三条 」の名 で知 られる一大 産地 である。代表 的 企業 として吉田 金属 工業 (ブランドは Global〈グローバル、en〉)や、藤次郎 株式会社 がある(ブランドは藤次郎 )。長野 県 長野 市 、千 曲 市 、上水内 郡 信濃 町 、飯綱 町 -信州 打 刃物 の産地 。兵庫 県 三木 市 鳥取 県 倉吉 市 島根 県 安来 市 岡山 県 津山 市 、新見 市 福岡 県 八女 市
台湾
[特殊 刃物
[丸 裁 包丁 /丸 裁 ち包丁 (まるたちぼうちょう)
表装 などで紙 や布 の裁断 するための刃物 [35]。丸 包丁 (まるぼうちょう)ともいう。その名 は、刀身 は幅広 く、刃 が弧 を描 くことに由来 する。大 きさを基準 に、標準 型 を「本 惣 (ほんそう)」、小型 を「相 惣 (そうそう)」と呼 び分 けることがある[35]。革 裁 包丁 /革 裁 ち包丁 /皮 裁 包丁 /皮 裁 ち包丁 (かわだちぼうちょう)
皮革 を裁断 するための刃物 の総称 。革 包丁 /皮 裁 包丁 (かわぼうちょう)、革 断 包丁 /皮 断 包丁 [35](かわたちぼうちょう)、皮 立 (かわたち)[35]ともいう。英語 でいう "leathercraft knife" に相当 し、その音 写 形 「レザークラフトナイフ」は外来 語 として通用 する。形状 は多様 。塗師屋 包丁 (ぬしやぼうちょう)
畳 の製造 工程 で畳 職人 が裁断 に用 いる刃物 。煙草 包丁 (たばこぼうちょう)
刻 み煙草 (きざみたばこ)の製造 工程 で煙草 の葉 を切 り刻 むのに用 いる刃物 。刀身 は厚 く幅 が広 い。収穫 包丁 (しゅうかくぼうちょう)農作物 の収穫 に用 いる刃物 の総称 。多 くは菜切包丁 や三徳 包丁 の形 であるが、丸 裁 包丁 によく似 た形 、鉈(なた)のような形 、ペティナイフの形 、逆 刃 の湾曲 刀 のような形 など、農作物 の種類 と用途 別 で様々 なタイプがある。
転用
[人 斬 包丁 [36]/人 斬 り包丁 [37](ひときりばうちゃう、現代 仮名遣 い:ひときりぼうちょう)[36][37][38]武士 の刀 (日本 刀 )をあざけったり、怖 れたりしていう語 [36][37]。語 構成 [ ja:人 斬 /人 斬 り(人 を斬 り殺 すこと)+包丁 ]。「斬 」は「切 」とも記 す[38]。「包丁 」は「庖丁 」とも記 す。
脚注
[注釈
[出典
[- ^
同音 の漢字 による書 きかえ - ^ a b c
小学館 『精選 版 日本 国語 大 辞典 』. “包丁 刀 ・庖丁 刀 ”. コトバンク. 2020年 5月 9日 閲覧 。 - ^ a b c
三省堂 『大辞林 』第 3版 . “包丁 ・庖丁 ”. コトバンク. 2020年 5月 9日 閲覧 。 - ^ a b c
小学 館 『精選 版 日本 国語 大 辞典 』. “包丁 ・庖丁 ”. コトバンク. 2020年 5月 9日 閲覧 。 - ^ a b
小学館 『デジタル大辞泉 』. “包丁 ”. コトバンク. 2020年 5月 9日 閲覧 。 - ^ a b
平凡社 『百科 事典 マイペディア』. “包丁 ”. コトバンク. 2020年 5月 9日 閲覧 。 - ^ a b 『ブリタニカ
国際 大 百科 事典 小 項目 事典 』. “包丁 ”. コトバンク. 2020年 5月 9日 閲覧 。 - ^ a b
森谷 尅久、伊東 宗 裕 、小学 館 『日本 大 百科全書 (ニッポニカ)』. “包丁 ”. コトバンク. 2020年 5月 9日 閲覧 。 - ^ a b
河野 友美 、伊東 宗 裕 、小学 館 『日本 大 百科全書 (ニッポニカ)』. “包丁 ”. コトバンク. 2020年 5月 9日 閲覧 。 - ^ a b
小学 館 『精選 版 日本 国語 大 辞典 』. “包 刀 ・庖刀”. コトバンク. 2020年 5月 9日 閲覧 。 - ^ a b
講談社 『食器 ・調理 器具 がわかる辞典 』. “包丁 ”. コトバンク. 2020年 5月 9日 閲覧 。 - ^ “
包丁 ”.語源 由来 辞典 .株式会社 ルックバイス. 2020年 5月 9日 閲覧 。 - ^
黄 2004. - ^ a b c
奥村 2009, pp. 455–461. - ^ a b “
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柴田 書店 編 『包丁 と砥石 』柴田 書店 〈柴田 ブックス〉、1999年 9月 25日 。ISBN 978-4-388-05843-3。OCLC 675257044 。