百ひゃく人にん秀歌しゅうか

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『百ひゃく人にん秀歌しゅうか』（ひゃくにんしゅうか）は、藤原ふじわら定家さだいえの撰せんによる歌集かしゅうである。1951年ねん、有吉ありよし保たもつによって存在そんざいが明あきらかになった。

概要がいよう

定家さだいえ撰せんの『百人一首ひゃくにんいっしゅ』の後のちに記しるされた物ものであると言いわれている。『百人一首ひゃくにんいっしゅ』が1首しゅずつ年代ねんだい順じゅんに記しるされているのに対たいし、『百ひゃく人にん秀歌しゅうか』は2首しゅで1組くみという構成こうせいになっている。

『百人一首ひゃくにんいっしゅ』に記しるされている100の歌うたと比くらべると、98人にんの歌人かじんによる97首しゅの歌うたが一致いっちしているが、3首しゅは異ことなり、1首しゅ多おおく合計ごうけい101首しゅの歌うたがある。なぜこんな事ごとをしたのかは定さだかではないが、承久じょうきゅうの乱らんを計画けいかくし鎌倉かまくら幕府ばくふに流罪るざい処分しょぶんを受うけていた最中さいちゅうの後鳥羽ごとば院いんの歌うたがはじめに発表はっぴょうされた『百人一首ひゃくにんいっしゅ』にあり、後ごの『百ひゃく人にん秀歌しゅうか』にない事ことから、『百ひゃく人にん秀歌しゅうか』は定家さだいえの政治せいじ的てき配慮はいりょがこめられていた『百人一首ひゃくにんいっしゅ』の修正しゅうせい版ばんではないかとの説せつがある。これとは逆ぎゃくに、採とられている歌うたの相違そうい点てんを比較ひかくすると『百ひゃく人にん秀歌しゅうか』の方ほうが古こ態たいを留とめていると考かんがえられるケースが多おおいことから、本書ほんしょは『百人一首ひゃくにんいっしゅ』の原げん撰せん本ほん（プロトタイプ）であると言いう説せつも存在そんざいする。

写本しゃほんは宮内庁くないちょう書しょ陵りょう部ぶに現存げんそんする。

小倉おぐら百人一首ひゃくにんいっしゅとの主おもな相違そうい点てん

歌うた一覧いちらん
番号ばんごう	詠よみ人びと	歌うた
10.	蝉せみ丸まる	（秀歌しゅうか）これやこの行いくも帰かえるも別わかれつつ知しるも知しらぬも逢坂おうさかの関せき（一いち首しゅ）これやこの行いくも帰かえるも別わかれては知しるも知しらぬも逢坂おうさかの関せき
14.	河原かわはら左大臣さだいじん	（秀歌しゅうか）みちのくの忍しのぶもぢずり誰だれゆゑに乱みだれむとおもふ我わがならなくに（一いち首しゅ）みちのくの忍しのぶもぢずり誰だれゆゑに乱みだれそめにし我わがならなくに
55.	大納言だいなごん公こう任にん	（秀歌しゅうか）瀧たきの音おとはたえて久ひさしく成なりぬれど名めいこそ流ながれてなほとまりけれ（一いち首しゅ）瀧たきの音おとはたえて久ひさしく成なりぬれど名めいこそ流ながれてなほ聞きこえけれ
74.	源俊頼みなもとのしゅんらい	（秀歌しゅうか）山桜やまざくらさきそめしより久方ひさかたのくもゐにみゆる瀧たきの白糸しらいと（一いち首しゅ）憂ゆうかりける人ひとをはつせの山やまおろしよはげしかれとは祈いのらぬものを
77.	崇徳院すとくいん	（秀歌しゅうか）瀬せをはやみ岩がんにせかるゝ瀧川たきかわのわれて末すえにもあはむとそおもふ（一いち首しゅ）瀬せをはやみ岩がんにせかるゝ瀧川たきかわのわれても末すえにあはむとそおもふ
99.	後鳥羽ごとば院いん	秀歌しゅうかに収録しゅうろくなし
100.	順徳院じゅんとくいん	秀歌しゅうかに収録しゅうろくなし
秀歌しゅうかのみ収録しゅうろく	一条院いちじょういん皇后こうごう宮みや	よもすがら契ちぎりしことを忘わすれずはこひん涙なみだの色いろぞゆかしき
秀歌しゅうかのみ収録しゅうろく	権けん中納言ちゅうなごん国信くにのぶ	春日野かすがのの下萌したもえわたる草くさの上うえにつれなく見みゆる春はるの淡雪あわゆき
秀歌しゅうかのみ収録しゅうろく	権けん中納言ちゅうなごん長方おさかた	紀きの国くにの由良ゆらの岬みさきに拾ひろえふてふたまさかにだに逢ひ見けんてしがな

外部がいぶリンク

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表ひょう話はなし編へん歴れき小倉おぐら百ひゃく人にん一いち首しゅ
歌人かじん（一覧いちらん）	1 天智天皇てんぢてんのう 2 持じ統すべ天皇てんのう 3 柿本人麻呂かきのもとのひとまろ 4 山部赤人やまべのあかひと 5 猿丸さるまる大夫たいふ 6 中納言ちゅうなごん家持いえもち 7 阿倍仲麻呂あべのなかまろ 8 喜き撰せん法師ほうし 9 小野小町おののこまち 10 蝉せみ丸まる 11 参議さんぎ篁たかむら 12 僧正そうじょう遍昭へんじょう 13 陽成ようぜい院いん 14 河原かわら左大臣さだいじん 15 光孝みつたか天皇てんのう 16 中納言ちゅうなごん行平ゆきひら 17 在原業平ありわらのなりひら朝臣あそん 18 藤原ふじわら敏行としゆき朝臣あそん 19 伊勢いせ 20 元げん良りょう親王しんのう 21 素性すじょう法師ほうし 22 文ぶん屋や康秀やすひで 23 大江千里おおえのちさと 24 菅家すがや 25 三さん条じょう右大臣うだいじん 26 貞さだ信しん公こう 27 中納言ちゅうなごん兼けん輔 28 源みなもと宗はじめ于朝臣あそん 29 凡河内躬恒おおしこうちのみつね 30 壬生忠岑みぶのただみね 31 坂上さかがみ是則これのり 32 春はる道どう列れつ樹じゅ 33 紀友則きのとものり 34 藤原ふじわら興きょう風ふう 35 紀貫之きのつらゆき 36 清原きよはら深ふかし養父ようふ 37 文ぶん屋や朝あさ康やすし 38 右近うこん 39 参議さんぎ等とう 40 平兼盛たいらのかねもり 41 壬生みぶ忠見ただみ 42 清原きよはら元もと輔 43 権けん中ちゅう納言なごん敦あつし忠ただし 44 中納言ちゅうなごん朝忠ちょうちゅう 45 謙けん徳とく公こう 46 曽そ禰好忠ただし 47 恵めぐみ慶けい法師ほうし 48 源みなもと重之しげゆき 49 大中おおなか臣しん能のう宣せん朝臣あそん 50 藤原ふじわら義孝よしたか 51 藤原ふじわら実方じつかた朝臣あそん 52 藤原ふじわら道信みちのぶ朝臣あそん 53 右みぎ大将たいしょう道どう綱つな母はは 54 儀ぎ同どう三さん司つかさ母はは 55 大納言だいなごん公こう任にん 56 和泉式部いずみしきぶ 57 紫式部むらさきしきぶ 58 大弐だいに三さん位い 59 赤染あかぞめ衛門えもん 60 小式部内侍こしきぶのないし 61 伊勢大輔いせのたいふ 62 清少納言せいしょうなごん 63 左京さきょう大夫たいふ道どう雅みやび 64 権けん中ちゅう納言なごん定頼さだより 65 相模さがみ 66 前ぜん大僧正だいそうじょう行ぎょう尊みこと 67 周防すおう内侍ないし 68 三さん条じょう院いん 69 能因のういん法師ほうし 70 良りょう暹法師し 71 大納言だいなごん経けい信しん 72 祐子ゆうこ内親王ないしんのう家か紀伊きい 73 権けん中ちゅう納言なごん匡ただし房ぼう 74 源俊頼みなもとのしゅんらい朝臣あそん 75 藤原基俊ふじわらのもととし 76 法性寺ほっしょうじ入道にゅうどう前ぜん関白かんぱく太政大臣だじょうだいじん 77 崇徳院すとくいん 78 源げん兼けん昌あきら 79 左京さきょう大夫たいふ顕あらわ輔 80 待まち賢けん門もん院いん堀河ほりかわ 81 後ご徳大寺とくだいじ左大臣さだいじん 82 道みち因いん法師ほうし 83 皇太后こうたいごう宮みや大夫たいふ俊成としなり 84 藤原清輔ふじわらのきよすけ朝臣あそん 85 俊恵しゅんえ法師ほうし 86 西行さいぎょう法師ほうし 87 寂蓮じゃくれん法師ほうし 88 皇すめらぎ嘉門かもん院いん別当べっとう 89 式子内親王しきしないしんのう 90 殷いん富とみ門もん院いん大輔だいすけ 91 後ご京極きょうごく摂政せっしょう前ぜん太政大臣だじょうだいじん 92 二に条じょう院いん讃岐さぬき 93 鎌倉かまくら右大臣うだいじん 94 参議さんぎ雅経まさつね 95 前ぜん大僧正だいそうじょう慈円じえん 96 入道にゅうどう前ぜん太政大臣だじょうだいじん 97 権けん中ちゅう納言なごん定家さだいえ 98 従したがえ二に位い家か隆たかし 99 後鳥羽ごとば院いん 100 順徳院じゅんとくいん
関連かんれん項目こうもく	百ひゃく人にん秀歌しゅうか：53 一いち条じょう院いん皇后こうごう宮みや 73 権けん中納言ちゅうなごん国信くにのぶ 90 権けん中納言ちゅうなごん長方おさかた決きまり字じ \| 競技きょうぎかるた \| 全日本ぜんにほんかるた協会きょうかい \| 名人めいじん・クイーン \| 全国ぜんこく職域しょくいき学生がくせいかるた大会たいかい \| 高校こうこう選手権せんしゅけん \| 文化ぶんか財団ざいだん \| 時雨しぐれ殿どの
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