純 碁
純 碁 のルール
[石 の数 を競 う通常 の囲碁 では、それぞれ地 の大 きさからアゲハマを引 いた目 数 を比較 して勝負 を決 するが、純 碁 では、最終 的 に盤上 に置 かれている石 の数 だけを比較 する。盤上 の石 が置 かれていない空 所 や、アゲハマの数 は勝負 の判定 材料 にならない。地 の概念 がない前項 と関係 するが、終局 時 における盤上 の空 所 は勝負 に直接 関係 しない。そのため、通常 の囲碁 とは異 なり地 をいくら囲 っていてもそれだけでは点数 にはならない。点数 にするためには、(通常 の囲碁 で言 う)自分 の地 を埋 めていく作業 が必要 である。死活 の判定 がない死 んでいる相手 の石 は、終局 前 に明示 的 に打 ち上 げる必要 がある。終局 時 に盤上 に残 っている石 は、どのような形 であれ点数 に数 えられる。両者 連続 パスで終局 する一方 の対局 者 がパスをし、次 いでもう一方 もパスをすれば、それをもって終局 とする。通常 の囲碁 と異 なり、終局 において何 らかの合意 が必要 となることはなく、終局 後 の手入 れなども発生 しない。なお、パスは任意 に何 度 でも行 うことができる。
その
特徴
[長所
[- ルールが
明快 である 初心者 同士 が通常 の囲碁 を打 つ場合 において、終局 時 にはしばしば問題 が発生 する。死活 の判定 を両 対局 者 が正 しく認識 するというのは、初心者 にとってはときに難題 になるからである。第三者 に判定 を仰 ぐことができればいいが、必 ずしもそれが可能 であるとも限 らない。また、セキの概念 を知 らず、お互 いに相手 が先 に共通 のダメに打 つことを期待 して自陣 を埋 め続 けるような事態 も発生 することがある。純 碁 においては、このようなトラブルは発生 しない。お互 いがパスして終局 となったら、あとは盤上 にある石 を単純 に数 え上 げるだけである。ルール上 、死活 やセキの判定 が存在 しないため、それらの見解 が分 かれるといった問題 は起 こらない。結果 が通常 の囲碁 とほぼ一致 する純 碁 の勝負 の結果 は、大抵 の場合 、通常 の囲碁 に切 り賃 のルールをつけた場合 の結果 とほぼ一致 する。このため、通常 の囲碁 と純 碁 とではその最終 目的 が異 なっていても、ゲーム性 が大 きく変 わるようなことがない。これは、純 碁 を覚 えた者 が通常 の囲碁 にスムーズに移行 できることにつながる。純 碁 と同 じく囲碁 への導入 を目的 としたポン抜 き囲碁 は、囲碁 とのゲーム性 の差 が大 きい。対局 者 が本来 死 んでいる石 (取 ることができた石 )を活 き石 (取 ることができない石 )だと見 なし、打 ち上 げずに終局 した場合 は、通常 の囲碁 の正 しい結果 とは大 きな差 が生 まれる。しかし、純 碁 はそれを容認 するルールである。
短所
[終局 前 に自陣 を埋 める必要 がある純 碁 では、地 もそのままではただの空 所 であり点数 にならないため、終局 前 に、活 きるために最低限 必要 な眼 を残 して自分 の地 を埋 めていく作業 が必要 である。これはやらなくてもルール上 は問題 ないが損 であり、純 碁 のコツをある程度 理解 した者 にとっては退屈 な作業 である。また、7路盤 や9路盤 では手間 はさほど多 くないが、19路盤 ともなると、地 を埋 め尽 くす作業 量 が増 え、その後 で石 を数 えるのも大変 である。したがって、純 碁 を覚 えた者 は、19路盤 で打 つようになる前 にまず普通 の囲碁 のルールを理解 し移行 する必要 がある。大西 研 也はこの作業 が面倒 なことから、切 り賃 ルールが生 まれたと推測 している[1]。通常 の囲碁 と結果 が異 なる場合 がある純 碁 と通常 の囲碁 とで、結果 が大 きく異 なる場合 がある。例 えば、形 の上 では死 んでいる石 を、実際 には取 りに行 けないような場合 である。