持碁じご

持碁じご（じご）は囲碁いご用語ようごの一ひとつ。囲碁いごの対局たいきょくで互たがいの地ちが同おなじになり引ひき分わけになること。「ジゴ」とカタカナで表記ひょうきされることが多おおい。

元々もともと『玄げん玄げん碁ご経けい』の「囲碁いご三さん十じゅう二に字じ釈義しゃくぎ」では「持もち」とはセキのこととされ、ジゴには「芇（べん、くさかんむりに巾はば）」の字じを当あてており、『通つう玄げん集しゅう』にも「勝負しょうぶなきを芇と云いう」とあるが、歌合うたあわせにおける引ひき分わけを「持もち」というのに倣ならって「持碁じご」の字じを当あてるようになった。

かつてコミが導入どうにゅうされた初期しょきには5目もくコミ出こみだし、ただし持碁じごの場合ばあいは白しろの勝かちとするルールも採用さいようされた。現在げんざいの互先たがいせん対局たいきょくのように、6目もく半はんや7目もく半はんといった半はん目め単位たんいのあるコミを付つける場合ばあいには、持碁じごはあり得えなくなる。コミのない置おき碁ごや定じょう先さきの対局たいきょくでも、トーナメント・リーグ戦せんなどの都合つごうで勝敗しょうはいをつけなければならない場合ばあいには、持碁じごは白しろ勝がち、ないし黒くろ勝がちといったルールを決きめて行おこなわれる。日本棋院にほんきいんではコミ導入どうにゅう前まえに入にゅう段だんした棋士きし（杉内すぎうち寿子ひさこなど）が現役げんえきのため、対戦たいせん成績せいせきに「持碁じご」の欄らんを設もうけている。

2018年ねんに英才えいさい特別とくべつ採用さいよう推薦すいせん棋士きしの第だい1号ごうとして仲なか邑菫の試験しけん対局たいきょくが行おこなわれたが、張栩ちょううとの対局たいきょくでは逆ぎゃくコミ6目もくで持碁じごと判定はんていされている。

長生ちょうせいの出現しゅつげんなどによる引ひき分わけは「無む勝負しょうぶ」と扱あつかわれ、「ジゴ」とは称しょうされない。

関連かんれん項目こうもく

• 持もち将棋しょうぎ - 将棋しょうぎにおける引ひき分わけの一ひとつ。入いれ玉だまを参照さんしょう。