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菅 かん 木 き 志雄 しお (すが・きしお、1944年 ねん 2月 がつ 19日 にち - )は静岡 しずおか 県 けん 伊東 いとう 市 し 在住 ざいじゅう の現代 げんだい 美術家 びじゅつか で、作品 さくひん は立体 りったい やインスタレーションなど多岐 たき にわたっている。
妻 つま は作家 さっか の富岡 とみおか 多恵子 たえこ [1] 。
1960年代 ねんだい 後半 こうはん から70年代 ねんだい にかけて台頭 たいとう した「もの派 は 」 グループの中心 ちゅうしん メンバーである。もの派 は の作家 さっか は、石 いし 、鉄板 てっぱん 、ガラス、電球 でんきゅう 、綿 めん 、スポンジ、紙 かみ 、木 き 、鉄線 てっせん 、ワイヤー、ロープ、革 かわ 、油 あぶら 、水 みず といった、「もの」自身 じしん を主題 しゅだい にするとともに、諸 しょ 要素 ようそ と空間 くうかん の相互 そうご 依存 いぞん に焦点 しょうてん をあてた。自然 しぜん 的 てき な物質 ぶっしつ と工業 こうぎょう 的 てき な物質 ぶっしつ の出会 であ いを探求 たんきゅう し、それらを一過 いっか 性 せい の静止 せいし 状態 じょうたい に配置 はいち することによって作品 さくひん とした。
菅 かん 木 き 志雄 しお は岩手 いわて 県 けん 盛岡 もりおか 市 し で生 う まれ、1964年 ねん から1968年 ねん まで、東京 とうきょう の多摩美術大学 たまびじゅつだいがく 絵画 かいが 学科 がっか で学 まな んだ。多摩美 たまみ 在籍 ざいせき 中 ちゅう にジャン・ボードリヤール 、ジル・ドゥルーズ 、西田 にしだ 幾多郎 きたろう 、ナーガールジュナ 、ヴァスバンドゥ の著作 ちょさく を読 よ みふけった。
この時期 じき に大学 だいがく で教鞭 きょうべん をとっていた二人 ふたり の作家 さっか が、菅 かん に大 おお きな影響 えいきょう を与 あた えている。その一人 ひとり である斎藤 さいとう 義重 よししげ は、菅 かん をはじめとする学生 がくせい に、モダニズム と欧米 おうべい を中心 ちゅうしん とする芸術 げいじゅつ 理論 りろん に対 たい し脱 だつ 構築 こうちく 的 てき アプローチをとることを促 うなが した。そして、菅 かん に影響 えいきょう を与 あた えたもうひとりの教師 きょうし は芸術 げいじゅつ 家 か ・高 こう 松次郎 まつじろう である。高松 たかまつ はだまし絵 え のような絵 え と彫刻 ちょうこく をもって、当時 とうじ の東京 とうきょう アートシーンの中核 ちゅうかく をなしており、菅 かん の初期 しょき 作品 さくひん は高松 たかまつ のアプローチを反映 はんえい しているといえるであろう。
1968年 ねん 、 椿 つばき 近代 きんだい 画廊 がろう (東京 とうきょう )での初 はつ 個展 こてん に出展 しゅってん した《転移 てんい 空間 くうかん 》は、赤 あか く塗装 とそう した木材 もくざい を使 つか った自立 じりつ する作品 さくひん だが、箱 はこ が自 みずか らの重 おも みで崩 くず れていくような錯覚 さっかく を見 み る者 もの に与 あた える。
視覚 しかく を操作 そうさ する絵画 かいが や立体 りったい 作品 さくひん の制作 せいさく と同 どう 時期 じき に、菅 かん は様々 さまざま な素材 そざい を使 つか った創作 そうさく 活動 かつどう をはじめる。一 いち 例 れい は、おがくず、綿 めん 、灰 はい 、プラスチックの粉末 ふんまつ 、土 ど の層 そう 、が透明 とうめい なアクリルの箱 はこ に入 はい った《積層 せきそう 空間 くうかん 》(1968年 ねん )という作品 さくひん である。
1968年 ねん 後半 こうはん には、素材 そざい 、はかなさ、空間 くうかん の探求 たんきゅう が広義 こうぎ のムーブメントとして認識 にんしき されるようになった。例 たと えば、この時期 じき に李 り 禹煥 は、初 はじ めて石 いし と鉄板 てっぱん を配置 はいち した作品 さくひん を発表 はっぴょう している。また、関根 せきね 伸夫 のぶお は、神戸 こうべ の須磨 すま 離宮 りきゅう 公園 こうえん で行 おこな われた第 だい 一 いち 回 かい 野外 やがい 彫刻 ちょうこく 展 てん で、地下 ちか 2.7m、直径 ちょっけい 2.2mの円柱 えんちゅう 型 がた の穴 あな と、掘 ほ り起 お こした土 ど をさらに同 おな じ大 おお きさで固 かた めた土 ど からなる《位相 いそう —大地 だいち 》という作品 さくひん を発表 はっぴょう している。
1973年 ねん までに、菅 かん 木 き 志雄 しお 、李 り 禹煥、関根 せきね 伸夫 のぶお 、及 およ び小清水 こしみず 漸 すすむ 、吉田 よしだ 克朗 かつろう 、榎 えのき 倉 くら 康二 こうじ は「もの派 は 」として知 し られるようになった。
菅 かん は、ものの現実 げんじつ と状況 じょうきょう の相互 そうご 依存 いぞん に焦点 しょうてん をあてる行為 こうい を「放置 ほうち 」と呼 よ び、「放置 ほうち 」という言葉 ことば を用 もち いて自身 じしん の考 かんが えを述 の べるようになる。そして、「状況 じょうきょう 」の探求 たんきゅう と存在 そんざい の「アクティベーション」を進 すす める中 なか で、もの派 は のアプローチを象徴 しょうちょう するような数々 かずかず のインスタレーションの制作 せいさく に取 と り組 く むようになる。
主 おも なものに以下 いか の作品 さくひん がある。
《状況 じょうきょう 律 りつ 》(1971年 ねん ): 10個 こ の平 たい らな石 いし を20mの長 なが さのガラス上 じょう に配置 はいち し、それを山口 やまぐち 県 けん 宇部 うべ 市 し 常磐公園 ときわこうえん の池 いけ に浮 う かべた作品 さくひん である。
《等 とう 間 あいだ 体 たい 》(1973年 ねん ): 壁 かべ に立 た てかけられた2本 ほん の分岐 ぶんき した枝 えだ 先 さき が、床 ゆか に置 お かれた石 いし に結 むす ばれたロープを4点 てん で支 ささ えているインスタレーション作品 さくひん である。「等 とう 間 あいだ 体 たい 」1973年 ねん 枝 えだ 、ロープ、石 いし Courtesy of the artist and Blum & Poe
《多分 たぶん 律 りつ 》(1975年 ねん ): 複数 ふくすう のコンクリート柱 ばしら の上 うえ に、透明 とうめい なプラスチックのシートが広 ひろ げられ、それぞれの柱 はしら の上 うえ に石 いし を乗 の せた作品 さくひん である。「多分 たぶん 律 りつ 」1975/2012年 ねん サイズ可変 かへん 、ビニール、石 いし 、セメント・ブロック Courtesy of the artist and Blum & Poe
菅 かん は、サイトスペシフィックなインスタレーション以外 いがい にも、壁 かべ や床 ゆか に展示 てんじ する小規模 しょうきぼ なアッサンブラージュ 作品 さくひん をたびたび制作 せいさく している。素材 そざい を、縛 しば る、結 むす ぶ、積 つ み重 かさ ねる、切 き る、貼付 ちょうふ ける、塗 ぬ る、テープで留 と める、くさびを打 う つ、立 た てかける、剥 は ぐ、釘 くぎ をうつ、ねじでとめる、彫 ほ る、折 お る、たたむ…といった多様 たよう な行為 こうい によって、菅 かん は作品 さくひん を形作 かたちづく っている。
1968年 ねん に東京 とうきょう の椿 つばき 近代 きんだい 画廊 がろう でおこなわれた初 はつ 個展 こてん 以来 いらい 、各 かく ギャラリーはもとより、岩手 いわて 県立 けんりつ 美術館 びじゅつかん 、横浜 よこはま 美術館 びじゅつかん 、千葉 ちば 市 し 美術館 びじゅつかん 、広島 ひろしま 市 し 現代 げんだい 美術館 びじゅつかん 、東京 とうきょう 都 と 現代 げんだい 美術館 びじゅつかん など、日本 にっぽん で多数 たすう の個展 こてん がひらかれている[2] 。
さらに、第 だい 8回 かい パリビエンナーレ (英語 えいご 版 ばん ) (1973年 ねん )、ポンピドゥー・センター での「ジャポン・デ・アヴァンギャルド1910-1970」展 てん (1986年 ねん )、横浜 よこはま 美術館 びじゅつかん 、グッゲンハイム美術館 びじゅつかん 、サンフランシスコ近代 きんだい 美術館 びじゅつかん で開催 かいさい された「戦後 せんご 日本 にっぽん の前衛 ぜんえい 美術 びじゅつ 」展 てん (1994年 ねん )、国立 こくりつ 国際 こくさい 美術館 びじゅつかん 「もの派 は —再考 さいこう 」展 てん (2005年 ねん ) といった画期的 かっきてき な展覧 てんらん 会 かい でも、菅 かん の作品 さくひん が発表 はっぴょう されている。
2008年 ねん には、栃木 とちぎ 県 けん の老舗 しにせ 旅館 りょかん 、板室 いたむろ 温泉 おんせん 大黒屋 だいこくや の敷地 しきち 内 ない に作品 さくひん を常設 じょうせつ 展示 てんじ するスペース菅 かん 木 き 志雄 しお 倉庫 そうこ 美術館 びじゅつかん が開館 かいかん 。
2012年 ねん 2月 がつ に米 べい ロサンゼルスのBlum & Poe ギャラリーで行 おこな われた「太陽 たいよう へのレクイエム:もの派 は の美術 びじゅつ 」展 てん で紹介 しょうかい されたことを契機 けいき に、アメリカでも菅 かん が注目 ちゅうもく を集 あつ めることになった。これは、アメリカで初 はじ めてもの派 は を検証 けんしょう した展覧 てんらん 会 かい である。続 つづ く2012年 ねん 11月には、同 どう Blum & Poe ギャラリーで、アメリカでは初 はつ となる個展 こてん が開催 かいさい された。さらに、同年 どうねん ニューヨーク近代 きんだい 美術館 びじゅつかん で催 もよお された「東京 とうきょう 1955-1970」展 てん においても、菅 かん の作品 さくひん が展示 てんじ された。
2014年 ねん 11月にはヴァンジ彫刻 ちょうこく 庭園 ていえん 美術館 びじゅつかん にて、2015年 ねん 1月 がつ には、東京 とうきょう 都 と 現代 げんだい 美術館 びじゅつかん にて個展 こてん が開催 かいさい 。2016年 ねん には、ヨーロッパでは初 はつ の開催 かいさい となる個展 こてん 「Situations」がミラノのピレリ ・ハンガービコッカにて開催 かいさい され、それに続 つづ き、ニューヨークのディア・チェルシーでも米国 べいこく 内 ない の美術 びじゅつ 機関 きかん では初 はつ となる個展 こてん を開催 かいさい した。また、エディンバラ のスコットランド国立 こくりつ 近代 きんだい 美術館 びじゅつかん ではターナー賞 しょう の受賞 じゅしょう 歴 れき もあるスコットランド人 じん 女性 じょせい 作家 さっか カーラ・ブラックとの二人 ふたり 展 てん 「Karla Black and Kishio Suga: A New Order」を行 おこな った。
菅 かん の作品 さくひん は千葉 ちば 市 し 美術館 びじゅつかん 、ダラス美術館 びじゅつかん (米 べい ・テキサス)、グレンストーン財団 ざいだん (米 べい ・メリーランド)、グッゲンハイム・アブダビ(アブダビ)、広島 ひろしま 市 し 現代 げんだい 美術館 びじゅつかん 、東京 とうきょう 都 と 現代 げんだい 美術館 びじゅつかん 、国立 こくりつ 国際 こくさい 美術館 びじゅつかん 、テート・モダン (ロンドン)、横浜 よこはま 美術館 びじゅつかん 、Dia Art Foundation(米 べい ・ニューヨーク)[3] をはじめとする国内外 こくないがい の数 すう 多 おお くの美術館 びじゅつかん のコレクションとして所蔵 しょぞう されている[4] 。
1967年 ねん に第 だい 11回 かい シェル美術 びじゅつ 賞 しょう 展 てん 1等 とう 賞 しょう (第 だい 1席 せき )を、1970年 ねん に第 だい 5回 かい ジャパン・アート・フェスティバル大賞 たいしょう を受賞 じゅしょう した[5] 。
2016年 ねん 、毎日 まいにち 芸術 げいじゅつ 賞 しょう 受賞 じゅしょう 。
Japon des avant gardes: 1910–1970. Paris: Centre Georges Pompidou, 1986.
Kishio Suga. Los Angeles: Blum & Poe, 2012
Kishio Suga [1968–1988]. Texts by Kishio Suga and Toshiaki Minemura. Tokyo: Kishio Suga, 1988.
Chong, Doryun. Tokyo 1955–1970: A New Avant-Garde. New York: Museum of Modern Art, 2012.
Koplos, Janet. Contemporary Japanese Sculpture. New York: Abbeville Press,
1991.
Yoshitake, Mika. Requiem for the Sun: The Art of Mono-ha. Los Angeles: Blum & Poe, 2012.
Suga Kishio. Texts by Hitoshi Dehara, Toshiaki Minemura, and Kishio Suga. Tokyo: Yomiuri Shinbunsha, Bijutsu renraku kyōgikai, 1997.
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第 だい 2回 かい
第 だい 3回 かい
第 だい 4回 かい
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