東あずま敦子あつこ

東あずま 敦子あつこ （二に田原たはら 敦子あつこ）
生誕せいたん	1936年ねん12月11日にち
出身しゅっしん地ち	日本にっぽん 大阪おおさか府ふ 吹田すいた市し
死没しぼつ	(1999-12-25) 1999年ねん12月25日にち（63歳さい没ぼつ） 日本にっぽん
学歴がくれき	東京藝術大学とうきょうげいじゅつだいがく専攻せんこう科か パルマ音楽おんがく院いん
ジャンル	クラシック
職業しょくぎょう	ソプラノ歌手かしゅ オペラ歌手かしゅ 音楽おんがく教育きょういく者しゃ
担当たんとう楽器がっき	声楽せいがく
事務所じむしょ	NBS日本にっぽん舞台ぶたい芸術げいじゅつ振興しんこう会かい

東あずま 敦子あつこ（あずま あつこ、1936年ねん（昭和しょうわ11年ねん）12月11日にち - 1999年ねん（平成へいせい11年ねん）12月25日にち）は、日本にっぽんの声楽せいがく家か（ソプラノ歌手かしゅ）、オペラ歌手かしゅ、音楽おんがく教育きょういく者しゃ。プリマドンナとして世界せかいの一流いちりゅうの歌劇かげき場じょうで活躍かつやくした。本名ほんみょうは、二に田原たはら 敦子あつこ（にたはら あつこ）。

人物じんぶつ

大阪おおさか府ふ吹田すいた市し出身しゅっしん。1959年ねん（昭和しょうわ34年ねん）東京藝術大学とうきょうげいじゅつだいがく卒業そつぎょう。1961年ねん（昭和しょうわ36年ねん）同どう大学だいがく専攻せんこう科か修了しゅうりょう。四よん家いえ文子ふみこに師事しじ。1961年ねん（昭和しょうわ36年ねん）イタリアに留学りゅうがくしてエットレ・カンポガリアーニに師事しじ。1964年ねん（昭和しょうわ39年ねん）パルマ音楽おんがく院いんを首席しゅせきで卒業そつぎょう。

1963年ねん（昭和しょうわ38年ねん）レッジョ・エミリア市立しりつ歌劇かげき場じょうでマスカーニ『友人ゆうじんフリッツ』でデビュー。ミラノに居きょを構かまえ、1967年ねん（昭和しょうわ42年ねん）ベルリン・ドイツ・オペラにプッチーニ『蝶々夫人ちょうちょうふじん』でデビュー。1971年ねん（昭和しょうわ46年ねん）ウィーン国立こくりつ歌劇かげき場じょうに『蝶々夫人ちょうちょうふじん』で出演しゅつえん（日本人にっぽんじんで初はじめて）。その成功せいこうにより翌よく1972年ねん（昭和しょうわ47年ねん）ニューヨークのメトロポリタン歌劇かげき場じょうにデビューし、世界せかいの檜舞台ひのきぶたいでプリマドンナとして確固かっこたる地位ちいを築きずいた。1978年ねん（昭和しょうわ53年ねん）にはボリショイ劇場げきじょうでプッチーニ『蝶々夫人ちょうちょうふじん』のタイトルロール（日本人にっぽんじんで初はじめて）。ほかにもバイエルン国立こくりつ歌劇かげき場じょう、ハンブルク国立こくりつ歌劇かげき場じょう、プラハ国立こくりつ歌劇かげき場じょう、モンテカルロ王立おうりつ歌劇かげき場じょう、ブエノスアイレスのテアトロ・コロン、ベルリン国立こくりつ歌劇かげき場じょう、ドレスデン国立こくりつ歌劇かげき場じょうなど20余あまり国こく、90の歌劇かげき場じょうでプリマドンナとして活躍かつやく。蝶々ちょうちょうさんは世界一せかいいちといわれ、20数すうヶ国かこくで約やく500回かい主演しゅえんし、「バタフライ・アズマ」とも呼よばれたという。この間あいだ、日本にっぽんにたびたび一時いちじ帰国きこくし、1968年ねん（昭和しょうわ43年ねん）に藤原ふじわら歌劇かげき団だんでヴェルディ『椿つばき姫ひめ』ヴィオレッタ、1973年ねん（昭和しょうわ48年ねん）に佐々木ささき忠次ただつぐの招聘しょうへい・制作せいさくにより『蝶々夫人ちょうちょうふじん』、1977年ねん（昭和しょうわ52年ねん）に再ふたたび藤原ふじわら歌劇かげき団だんで『椿つばき姫ひめ』ヴィオレッタで主演しゅえんしている。

1978年ねん（昭和しょうわ53年ねん）以後いご、日本にっぽんに本拠ほんきょを移うつし、NBS日本にっぽん舞台ぶたい芸術げいじゅつ振興しんこう会かいに所属しょぞく。藤原ふじわら歌劇かげき団だんを主おも舞台ぶたいにして『ボエーム』『蝶々夫人ちょうちょうふじん』『椿つばき姫ひめ』『トスカ』などに出演しゅつえん。全すべて主役しゅやくである。1980年ねん（昭和しょうわ55年ねん）アキレ・ペーリ国際こくさい音楽おんがくコンクールに東あずま敦子あつこ賞しょうが設もうけられた。1987年ねん（昭和しょうわ62年ねん）1月がつオペラ界かいから引退いんたい、以後いごは歌曲かきょく公演こうえんやテレビ出演しゅつえんのほか、後進こうしんの指導しどうにあたる。同年どうねん新進しんしん声楽せいがく家か育成いくせいのためグローバル東あずま敦子あつこ賞しょうが創設そうせつされた。

音楽おんがく教育きょういく者しゃとしては、東京音楽大学とうきょうおんがくだいがく教授きょうじゅ（死去しきょ時じは客員きゃくいん教授きょうじゅ）、玉川大学たまがわだいがく客員きゃくいん教授きょうじゅ、東京藝術大学とうきょうげいじゅつだいがく非常勤ひじょうきん講師こうし、 大分県立芸術短期大学おおいたけんりつげいじゅつたんきだいがく非常勤ひじょうきん講師こうしを務つとめた。門下生もんかせいに佐野さの成宏しげひろ、斉田さいだ正子まさこ、池田いけだ理代りよ子こなどがいる。

晩年ばんねんはがんを患わずらい、1999年ねん（平成へいせい11年ねん）12月25日にち未明みめいに心不全しんふぜんで死去しきょ。63歳さい没ぼつ。

家族かぞく

夫おっとは彫刻ちょうこく家かの二に田原たはら英二えいじ。甥おいに落語らくご家かの林家はやしや染しみ雀すずめがいる。

主おもな受賞じゅしょう歴れき

• 1962年ねん ビオッティ国際こくさい音楽おんがくコンクール声楽せいがく部門ぶもん第だい2位い
• 1962年ねん アキレ・ペーリ国際こくさい音楽おんがくコンクール声楽せいがく部門ぶもん第だい1位い
• 1963年ねん フランチェスコ・パウロ・ネリア国際こくさい音楽おんがくコンクール声楽せいがく部門ぶもん第だい1位い
• 1963年ねん トゥールーズ市し国際こくさい音楽おんがくコンクール声楽せいがく部門ぶもん第だい2位い
• 1979年ねん 第だい21回かい毎日まいにち芸術げいじゅつ賞しょう
• 1984年度ねんど ジロー・オペラ賞しょう大賞たいしょう
• 1985年ねん 第だい15回かいモービル音楽おんがく賞しょう
• 1991年ねん 第だい47回かい1990年度ねんど日本にっぽん芸術げいじゅつ院いん賞しょう
• 1996年ねん 飛騨古川ひだふるかわ音楽おんがく大賞たいしょう

日本にっぽんでのオペラ出演しゅつえん歴れき

昭和音楽大学しょうわおんがくだいがくオペラ情報じょうほうセンターの記録きろくによる。

• 1968年ねん7 - 8月がつ、藤原ふじわら歌劇かげき団だん・ヴェルディ『椿つばき姫ひめ』ヴィオレッタ
• 1973年ねん4月がつ、読売新聞社よみうりしんぶんしゃ・プッチーニ『蝶々夫人ちょうちょうふじん』蝶々夫人ちょうちょうふじん
• 1977年ねん1月がつ、藤原ふじわら歌劇かげき団だん・ヴェルディ『椿つばき姫ひめ』ヴィオレッタ
• 1979年ねん10月がつ、コスモポリターナ歌劇かげき・ヴェルディ『ドン・カルロ』エリザベッタ・ディ・ヴァロワ
• 1980年ねん7月がつ、長門ながと美保みほ歌劇かげき団だん・レオンカヴァッロ『パリアッチ（道化師どうけし）』ネッダ
• 1980年ねん2月がつ、藤原ふじわら歌劇かげき団だん・プッチーニ『ボエーム』ミミ
• 1980年ねん3月がつ、藤原ふじわら歌劇かげき団だん・ビゼー『真珠しんじゅ採とり』レイラ
• 1981年ねん7月がつ、藤原ふじわら歌劇かげき団だん・プッチーニ『蝶々夫人ちょうちょうふじん』蝶々夫人ちょうちょうふじん
• 1981年ねん12月、日本にっぽん楽劇がくげき協会きょうかい・山田やまだ耕筰こうさく『香こう妃ひ』香こう妃ひ
• 1982年ねん2月がつ、藤原ふじわら歌劇かげき団だん・ヴェルディ『椿つばき姫ひめ』ヴィオレッタ
• 1983年ねん2月がつ、藤原ふじわら歌劇かげき団だん・プッチーニ『トスカ』トスカ
• 1984年ねん2月がつ、藤原ふじわら歌劇かげき団だん・プッチーニ『蝶々夫人ちょうちょうふじん』蝶々夫人ちょうちょうふじん
• 1984年ねん9月がつ、藤原ふじわら歌劇かげき団だん・プッチーニ『トスカ』トスカ
• 1985年ねん8月がつ、欧州おうしゅう音楽おんがく年ねん日本にっぽん実行じっこう委員いいん会かい・マスカーニ『イリス』（日本にっぽん初演しょえん）イリス
• 1986年ねん11月、藤原ふじわら歌劇かげき団だん・プッチーニ『妖精ようせいヴィッリ』（日本にっぽん初演しょえん）アンナ

主おもな楽界がっかい・社会しゃかい活動かつどう等とう

• 日にち伊い協会きょうかい評議ひょうぎ員いん
• 日にち伊い音楽おんがく協会きょうかい理事りじ

展覧てんらん会かい

2000年ねん11 - 12月、玉川大学たまがわだいがくに寄贈きぞうされた遺品いひんにより「プリマドンナ東あずま敦子あつこの世界せかい展てん」が開催かいさいされた。

著書ちょしょ

• 『ベルカントヴォカリッツィ - やさしい発声はっせいトレーニング - (CDブック) 楽譜がくふ』東あずま敦子あつこ著ちょ、島しま茂雄しげお著ちょ（学研がっけんマーケティング、1998/12/10）ISBN 978-4051515102
• 『ふり向むけば恵めぐみの軌跡きせき 東あずま敦子あつこ自伝じでん』（女子じょしパウロ会かい、2000/1/1）ISBN 978-4789605168
• 『ある晴はれた日ひに オペラとともに生いきて』（平凡社へいぼんしゃ、2000/4/1）ISBN 978-4582824339

ディスコグラフィ

• CD『東あずま敦子あつこ イタリア名めい歌集かしゅう』（ユニバーサルミュージック）
• CD『東あずま敦子あつこの日本にっぽん歌曲かきょく』（フォンテック、1990/2/25）
• CD『東あずま敦子あつこの日本にっぽん歌曲かきょく』（フォンテック、2002/8/15）
• CD『プッチーニ：オペラハイライト』東あずま敦子あつこ、松本まつもと幸三こうぞう、森山もりやま俊吾しゅんご：指揮しき、大阪おおさかCMCアカデミア管弦楽かんげんがく団だん（フォンテック (FOCD 3124)1991/03/25）
• CD『オペラ・アリア集しゅう』ミラノ・フィルハーモニー管弦楽かんげんがく団だん（コロムビアミュージックエンタテインメント、2008/7/23）
• CD『アヴェ・マリア集しゅう/東あずま敦子あつこ』荒谷あらや俊治しゅんじ：指揮しき、J.モルナール：ハープ、高浜たかはま知とも左ひだり、東京とうきょうリーダーターフェル1925、東京とうきょうコールフェライン（サンパウロ、1995/4/1）
• CD『東あずま敦子あつこの日本にっぽん歌曲かきょく 2 高田たかだ三郎さぶろう・山田やまだ耕筰こうさく歌曲かきょく集しゅう』高田たかだ江里えり、谷たに池いけ重しげる紬つむぎ子こ（フォンテック、1996/10/25）
• CD『東あずま敦子あつこ マランゴーナの舟歌ふなうた：プッチーニ、サデーロ歌曲かきょく集しゅう』ピアノ伴奏ばんそう：谷たに池いけ重しげる紬つむぎ子こ（フォンテック (FOCD 3185) 1993/12/10）
• CD『イタリア歌曲かきょくを歌うたう』三浦みうら洋一よういち（日本にほんコロムビア、2018/2/22）
• CD『なつかしき愛あいの歌うた-もう一ひとつの日本にっぽん歌曲かきょく - 堀内ほりうち敬三けいぞうの名めい訳詞やくしによる欧米おうべい名めい歌集かしゅう』谷たに池いけ重しげる紬つむぎ子こ（メディアリング、1995/9/25）
• CD『ツレうつクラシック』オムニバス（コロムビアミュージックエンタテインメント、2010/8/18）
• 「小倉おぐら百ひゃく人にん一いち首しゅ をうたう『伊能いのう美智子みちこ・歌曲かきょく集しゅう』『伊能いのう美智子みちこ・歌曲かきょく集しゅう2』より」柳下やぎした正明まさあき ：共演きょうえん、高宮たかみや俊介しゅんすけ ：朗読ろうどく（音楽之友社おんがくのともしゃ、1994）
• CD『歌曲かきょく集しゅう小倉おぐら百ひゃく人にん一いち首しゅ、モノ・オペラ マクベス MIK 30周年しゅうねん記念きねん 伊能いのう美智子みちこ作品さくひん集しゅう』佐藤さとう征ただし一郎いちろう ：共演きょうえん（収録しゅうろく: 1992年ねん6月がつ、 1994年ねん6月がつ）（S-TWO Corporation、2004）
• CD『栄光えいこうのプリマ・ドンナ - 東あずま敦子あつこオペラ・アリア集しゅう』ミラノ・フィルハーモニー管弦楽かんげんがく団だん（コロムビアミュージックエンタテインメント 2008/7/23）
• DVD「東あずま敦子あつこオペラ『蝶々夫人ちょうちょうふじん』」1973年ねん4月がつ16日にち 東京文化会館とうきょうぶんかかいかん ライヴ、NBS日本にっぽん舞台ぶたい芸術げいじゅつ振興しんこう会かい（1000枚まい限定げんてい販売はんばい）

参考さんこう文献ぶんけん

• 自伝じでん『ふり向むけば恵めぐみの軌跡きせき』

関連かんれん項目こうもく

• 蝶々夫人ちょうちょうふじん
• プリマドンナ