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Lie Nü Zhuan : 孽嬖 : 殷紂妲己 - Chinese Text Project
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《殷いん紂妲己おのれ》

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1 殷いん紂妲己おのれ:
妲己者しゃ，殷いん紂之妃ひ也。嬖幸於紂。紂材力りょく過か人ひと，手て格かく猛獸もうじゅう，智さとし足あし以距諫，辯べん足あし以飾非ひ，矜人臣じんしん以能，高こう天下てんか以聲，以為人じん皆みな出で己おのれ之の下した，好こう酒さけ淫樂いんらく，不離ふり妲己，妲己之の所ところ譽ほまれ貴之たかゆき，妲己之これ所しょ憎にく誅之。作さく新しん淫いん之の聲こえ、北きた鄙ひな之の舞まえ、靡靡之の樂らく，收おさむ珍物ちんぶつ，積せき之の於後宮こうきゅう，諛臣群ぐん女おんな咸獲所しょ欲よく，積せき糟かす為ため邱，流りゅう酒しゅ為ため池ち，懸かか肉にく為ため林りん，使つかい人じん裸はだか形相ぎょうそう逐其閒あいだ，為ため長夜ちょうや之の飲いん，妲己好之よしゆき。

2 殷いん紂妲己おのれ:
百姓ひゃくしょう怨望，諸侯しょこう有ゆう畔ほとり者しゃ，紂乃為ため炮烙之の法ほう，膏あぶら銅どう柱ばしら，加か之の炭すみ，令れい有罪ゆうざい者しゃ行ぎょう其上，輒墮炭ずみ中ちゅう，妲己乃笑。比ひ干ひ諫曰：「不ふ脩おさむ先王せんおう之の典てん法ほう，而用婦ふ言げん，禍わざわい至いたり無む日ひ。」紂怒，以為妖言ようげん。妲己曰：「吾われ聞聖人じん之の心しん有ゆう七なな竅。」於是剖心而觀之の。囚しゅう箕み子こ，微ほろ子こ去さ之これ。

3 殷いん紂妲己おのれ:
武たけ王おう遂とげ受命じゅめい，興きょう師し伐き紂，戰せん于牧野ぼくや，紂師倒たおせ戈ほこ，紂乃登とう廩臺，衣ころも寶玉ほうぎょく衣ころも而自殺じさつ。於是武たけ王おう遂とげ致天之の罰ばっ，斬き妲己頭あたま，懸かか於小白旗はっき，以為亡ほろび紂者是ぜ女おんな也。書しょ曰：「牝めす雞無晨，牝めす雞之晨，惟おもんみ家か之の索さく。」《詩し》云うん：「君子くんし信しんじ盜ぬすめ，亂らん是ぜ用よう暴，匪其止とめ共ども，維王之の邛。」此之謂いい也。

4 殷いん紂妲己おのれ:
頌曰：妲己配はい紂，惑亂わくらん是ぜ脩おさむ，紂既無道むどう，又重またしげ相しょう謬，指ゆび笑わらい炮炙，諫士刳く囚しゅう，遂とげ敗はい牧野ぼくや，反はん商しょう為ため周しゅう。

《文選ぶんせん樓ろう叢書そうしょ》本ほん《新刊しんかん古こ列れつ女おんな傳でん》
《文選ぶんせん樓ろう叢書そうしょ》本ほん《新刊しんかん古こ列れつ女おんな傳でん》
URN: ctp:lie-nv-zhuan/yin-zhou-da-ji