ウッテガエシ

囲碁いごにおいてウッテガエシ（打だ手返てがえし）とは、相手あいての石いしを取とる基本きほん的てきな手筋てすじの一ひとつ。アタリを回避かいひするために相手あいての石いしを打うち抜ぬいても再ふたたびアタリとなり、結局けっきょく取とられてしまう状態じょうたいをいう。英語えいごでsnap-back。古ふるい本ほんなどには「ウッテガエ」と表記ひょうきしているものもあるが、近年きんねんでは用もちいられない。

基本形きほんけい

下図したずがウッテガエシの基本形きほんけい。

黒くろ番ばんでbにアタリを打うってもaにツガれて取とれない。アタリを覚悟かくごで、aにホウリコむのが好手こうしゅ。

その直後ちょくごに白石しらいしがbに打うつと、今いまaに打うたれたばかりの黒石くろいしは取とられるが（中ちゅう図ず）、白しろ3子しがアタリになる。再ふたたび黒くろがaに打ぶてば白しろ3子しを取とることができる（右みぎ図ず）。このような手筋てすじをウッテガエシという。

上うえ図ずで黒くろがaに打うつのもまたウッテガエシである。

両りょうウッテガエシ

この図ずにおいて黒くろ番ばんである時とき、白石しらいしを取とるためには、aに打うつ。その後ご、白しろb、黒くろcと続つづくと次つぎのようになる。

白しろは、dに打うって黒石くろいし1を取とっても、eに打うって黒石くろいし3を取とっても、次つぎに黒くろが取とられた石いしと同おなじ所しょに再ふたたび石いしを置おくと取とられてしまう。このように2箇所かしょ同時どうじにウッテガエシの状態じょうたいに持もち込こむ手筋てすじを両りょうウッテガエシという。