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カノンほう

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どくせんとき赤軍せきぐん主力しゅりょくカノンほうとして運用うんようしたA-19 122mmカノンほう

カノンほう(カノンほう、のうほう)およびカノンのう えい:cannon)は、大砲たいほう一種いっしゅキャノンほうともばれる。現代げんだい定義ていぎどう口径こうけい榴弾りゅうだんほうくらべてほうこう直径ちょっけい口径こうけい)にたいする砲身ほうしんちょう口径こうけいちょう)がながく、こう初速しょそくちょう射程しゃていであるが重量じゅうりょうとサイズはおおきく、ややひく仰角ぎょうかく射撃しゃげき主用しゅようする(#定義ていぎ)。しかしながら、おおむ冷戦れいせん現代げんだい火砲かほう進化しんか榴弾りゅうだんほうちょう砲身ほうしん)によるほうしゅ統廃合とうはいごう榴弾りゅうだんほう統一とういつ)により、榴弾りゅうだんほうとカノンほう区別くべつくなっている(#歴史れきし)。

定義ていぎ

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17世紀せいき当時とうじドイツヴァルトブルクじょう)のカノンほう

カノンほう(gun)は16世紀せいきから17世紀せいきあいだ砲弾ほうだん弾丸だんがん重量じゅうりょう42ポンド以上いじょうだい口径こうけいすべり腔砲呼称こしょうとしてもちいられた。また、「はんカノンほう(Demi-cannon)」というほう弾丸だんがん重量じゅうりょうは32ポンドであった。その榴弾りゅうだん発明はつめいされさんじゅうねん戦争せんそう野戦やせんにおいても火砲かほう多用たようされるようになると(野戦やせんほう)、榴弾りゅうだんおも曲射きょくしゃ弾道だんどう射撃しゃげきし(曲射きょくしゃほう)、野戦やせん便利べんりなように砲身ほうしんをある程度ていどみじかくするなどした火砲かほうは「榴弾りゅうだんほう」、これまでのように砲丸ほうがん散弾さんだんによる直射ちょくしゃ平射へいしゃほう)をおもおこな火砲かほうは「カノンほう」と区別くべつして運用うんようされるようになった。

しかし、ちゅう退すさふく開発かいはつされ火砲かほう飛躍ひやくてき進化しんかげた19世紀せいきすえ以降いこう、カノンほうでも比較的ひかくてき仰角ぎょうかくをとった曲射きょくしゃ間接かんせつ射撃しゃげきおこなうようになり、火砲かほう全盛期ぜんせいきであった20世紀せいき中半なかばだい世界せかい大戦たいせんころまでは「榴弾りゅうだんほうは30口径こうけい前後ぜんこうまで、カノンほうはそれ以上いじょう」と口径こうけいちょう[1]砲身ほうしんちょう)でりょうほうおおまかに区別くべつするようになった。

みぎはちきゅうしきじゅうせんちめーとるのう口径こうけい149.1mm・口径こうけいちょう40・砲身ほうしんちょう5.96m・初速しょそく734.5m/s・最大さいだい射程しゃてい18,100m・戦闘せんとう重量じゅうりょう10,422kg)
ひだりきゅうろくしきじゅうせんちめーとる榴弾りゅうだんほう口径こうけい149.1mm・口径こうけいちょう23.5・砲身ほうしんちょう3.53m・初速しょそく540m/s・最大さいだい射程しゃてい11,900m・戦闘せんとう重量じゅうりょう4,140kg)

カノンほうは(どう口径こうけいの)榴弾りゅうだんほう比較ひかくして、砲弾ほうだんなるしょうせい比較的ひかくてきたか多量たりょうそうやくもちちょう砲身ほうしんのため射程しゃていていしんせいすぐれるが、射撃しゃげきたか腔圧おおきな反動はんどうえるためにほう自体じたい重量じゅうりょうおも仕上しあがり、サイズもおおきく機構きこう複雑ふくざつとなり生産せいさんせい運用うんようせいおとる。カノンほう主用しゅようする砲弾ほうだんもあくまで榴弾りゅうだんやぶかぶと榴弾りゅうだん尖鋭せんえいだん遠距離えんきょり射撃しゃげきよう榴弾りゅうだん)などであるため、きん現代げんだいにおいては使用しようほうだん差異さいによって榴弾りゅうだんほうとカノンほうとが区別くべつされるわけではない。

榴弾りゅうだんほうことなりだか初速しょそく弾道だんどうていしんせいすぐれるためてい仰角ぎょうかくおおむかく45°以下いか)での遠距離えんきょり射撃しゃげきたい砲兵ほうへいせんとう)を得意とくいとし、きん中距離ちゅうきょり目標もくひょう直接ちょくせつ照準しょうじゅんれい距離きょり射撃しゃげき砲撃ほうげきすることも可能かのうでもある。そのためてき射撃しゃげき位置いち察知さっちされにくく、しばしばゲリラてき戦術せんじゅつによる砲撃ほうげきもちいられた。れいとしてガダルカナルとうたたかにおいて「ピストル・ピート」の渾名あだなアメリカ海兵かいへいたいにつけられた大日本帝国だいにっぽんていこく陸軍りくぐんきゅうしきじゅうせんちめーとるのうや、沖縄おきなわせんにおけるはちきゅうしきじゅうせんちめーとるのうによる嘉手納かでな飛行場ひこうじょう砲撃ほうげきなどがげられる。

ひだり掲のはちきゅうしきじゅうせんちめーとるのうみぎ)ときゅうろくしきじゅうせんちめーとる榴弾りゅうだんほうひだり)は、(後者こうしゃ砲身ほうしん強度きょうどげかつ軽量けいりょうおさえられる砲身ほうしん採用さいよう新鋭しんえい榴弾りゅうだんほうであるなど、開発かいはつ年代ねんだいがあるものの)だい大戦たいせんにおける日本にっぽん陸軍りくぐん主力しゅりょく15cmのう榴弾りゅうだんほうである。ともにどう口径こうけい(15cm)の火砲かほうであるが、カノンほう榴弾りゅうだんほうちがいとして最大さいだい射程しゃていのみならず砲身ほうしんちょう重量じゅうりょう・サイズ・構造こうぞうおおきくことなる(はちきゅうしき放列ほうれつ砲車ほうしゃ重量じゅうりょうきゅうろくしきの2ばい以上いじょう)。なお、日本にっぽん陸軍りくぐんにおいてのう略称りゃくしょう略字りゃくじ頭文字かしらもじり「」および「K[2]」であり、15cmのうは「じゅう五加うこぎ(15)」や「15K」などとしょうしていた[3]。なお、榴弾りゅうだんほうは「榴」および「H」。

名称めいしょう

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おも幕末ばくまつ以降いこう欧州おうしゅう軍隊ぐんたいはん火砲かほうなどおおくの装備そうび輸入ゆにゅうしていた日本にっぽんでは、名称めいしょうはそのままにほんほうを「カノン」と呼称こしょう、これに漢字かんじし「のう」と表記ひょうきした。けんぐん以降いこうフランス陸軍りくぐんドイツ陸軍りくぐんならい、そのながきにわたり欧州おうしゅう影響えいきょうけていた日本にっぽん陸軍りくぐん日本にっぽんぐん)では、この「のう」の名称めいしょうぐとともにまた終始しゅうし一貫いっかんして「のう」の名称めいしょう制式せいしきかつ正式せいしき表記ひょうきとして使用しようしている(兵器へいき制式せいしき名称めいしょう試製しせい名称めいしょうも「○○しき○○せんちめーとるのう」「試製しせい○○せんちめーとるのう」と表記ひょうきする[4][5])。「のう単体たんたいではほうであることがつたわりづらいこと、またその語呂ごろさから当時とうじ陸軍りくぐん内外ないがい一部いちぶでも便宜べんぎてきに「のうほう」という呼称こしょう並行へいこうして使用しようされており[6]、また日本にっぽん陸軍りくぐん事実じじつじょう後身こうしんである陸上りくじょう自衛隊じえいたいでは、155mmのうほうM2といったように「のうほう」を制式せいしきかつ正式せいしき表記ひょうきとして使用しようすることになっているため、現在げんざいでは「のうほう」および「カノンほう」の表記ひょうき一般いっぱんてきとなっている。

かく言語げんごでの名称めいしょう英語えいご: gun(ガン)、ドイツ: Kanoneフランス語ふらんすご: canonロシア: пушкаなど。なお、英語えいごにおけるcannonは「火砲かほう」(「ほう」)全体ぜんたい意味いみし、カノンほうcanonしょうするフランスでは榴弾りゅうだんほう区別くべつしてobusierしょうする。

カノンの語源ごげんは、ラテン語らてんご中空なかぞらくきをもつあしやアシふえ意味いみするカンナ(canna)にイタリア接尾せつび -one がついて、カノーネ(cannone)からている[7][8]

歴史れきし

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ジャヤ・ヴァナ英語えいごばん - インドジャイガル要塞ようさい)でつくられた18世紀せいき当時とうじ世界せかい最大さいだいの280mmカノンほう重量じゅうりょうは50トンにおよ

ぜんそうすべり腔砲時代じだい

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ぜんそうしきすべり腔砲時代じだいではもっとおもく、だい重量じゅうりょう砲弾ほうだん発射はっしゃする重砲じゅうほうにカノンのあたえている。榴弾りゅうだんほう登場とうじょう、カノンは平射へいしゃ野砲やほう全般ぜんぱん単語たんごとなった。砲弾ほうだんおもにソリッドショット(無垢むくてつ砲丸ほうがん。ラウンドショットやホールショットとも)を発射はっしゃするのでたまちゃくしても爆発ばくはつはしない。目標もくひょうへの直接ちょくせつ射撃しゃげきもするが、野戦やせんではボウリングたま同様どうよう地面じめんたまをバウンドさせててきへいをなぎたおすのがおも使用しようほうである。そのぶどうだんキャニスターだんなどの散弾さんだんバーショット伸張しんちょうだん)、チェーンショットくさりだん)のような特殊とくしゅ砲弾ほうだん場合ばあいによってはした。

なお、この時代じだいほうのサイズは使用しようする砲弾ほうだん重量じゅうりょうによって区別くべつされる。単位たんいおもに「ポンド」(1ポンド=やく453g)だが、トル法とるほう施行しこうフランスだと「キログラム」も使つかわれた。よって2ポンドほうやく900gの、4kgほうは4Kgの砲弾ほうだんほう意味いみになる。

かんほうでは最大さいだいきゅうの68ポンドほうを「カノンロイヤル」または「ダブルカノン」と呼称こしょう[9]以下いか42ポンドほうを「ホールカノン(たんにカノンとも)」。32ポンドほうを「デミ・カノン」とんだ[10]。24ポンド未満みまんほう旋回せんかいほう平射へいしゃほうではあるが、かんほう分類ぶんるいではカルバリンほうグループに分類ぶんるいされて[11] カノンほうあつかいはされないことおおい。また、たん射程しゃていからカロネードほうふくまれない。

その重量じゅうりょうゆえ陸戦りくせんでは機動きどうせいなんがあり[12]とくに32ポンド以上いじょうほう野戦やせんよりもおさむしろほう要塞ようさいほうとして使つかわれるケースがほとんどだった。17世紀せいきはいり、ふつ陸軍りくぐんド・ヴァリエール・システムグリボーバル・システム導入どうにゅうによりほうほう軽量けいりょうされ、口径こうけい標準ひょうじゅんされたのちも、野戦やせん投入とうにゅうされるカノンほうは24ポンドほう最大さいだいであった。

19世紀せいき後半こうはんほどこせじょうほう開発かいはつほうちょう射程しゃていおよ榴弾りゅうだん一般いっぱん配備はいびによって、カノンほう最前線さいぜんせんで「砲兵ほうへい直接ちょくせつ視認しにん可能かのうてきつ」ほうから、後方こうほうから「たま観測かんそくによって視界しかいがいてきねらつ」ほうへとおおきく姿すがたえることとなる。

ぜんそうほどこせじょうほう

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ぜんそうしきほどこせじょうほうは19世紀せいき中頃なかごろからすえにかけて運用うんようされたライット・システムもちいるほうアームストロングほう爆発ばくはつ事故じこられるようこうそうほう閉鎖へいさたいする信頼しんらいせいさをおぎなうべく、ぜんそうほうほどこせじょう恩恵おんけいんがため開発かいはつされた過渡かとてきほうである。よんきん山砲さんぽうなどが代表だいひょうかくだが、ほうこう装填そうてんため装填そうてんよう施設しせつととのったかんほうや、要塞ようさいほうとして使つかわれる場合ばあいおおかった。

登場とうじょう前半ぜんはんぜんそうすべり腔砲、後半こうはんこうそうほどこせじょうほう併用へいようされ、主流しゅりゅうとしていち時代じだいきずこと出来できなかった徒花あだばなであるが、こうそうほう比較ひかくして製造せいぞうようする技術ぎじゅつてきなハードルがひくく、正確せいかくねらえて威力いりょくおおきなちょうだん使つかえるのでそれなりに普及ふきゅうした。もっとも普及ふきゅうした理由りゆうひとつに、当時とうじそうやくばくとどろきせい黒色こくしょく火薬かやくゆえたん砲身ほうしんにせざるぬのが(ながいと砲身ほうしん自体じたいたかい腔圧にえられず、破壊はかいされてしまう)、面倒めんどうほうこう装填そうてん容易よういにした事情じじょう加味かみする必要ひつようがあろう。

この腔圧問題もんだいから無煙むえん火薬かやくけいなるもえせいそうやく開発かいはつされ、普及ふきゅうする20世紀せいきまでカノンほうあまなが砲身ほうしんこと出来できなかった[13]

こうそうほどこせじょうほう時代じだい

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GPF 155mmカノンほう
ML-20 152mm榴弾りゅうだんほう
17cm K 18
きゅうろくしきじゅうせんちめーとるのう

こう装填そうてんほうほどこせじょうほどこされた、カノンほう榴弾りゅうだんほう野砲やほう口径こうけい100mmクラス以下いかで70mmクラスが主体しゅたい師団しだん砲兵ほうへい[14] けいカノンほう)の区別くべつじゅうけがさだまった20世紀せいき初頭しょとう以降いこう生産せいさんせい運用うんようせいすぐれる榴弾りゅうだんほういで、近代きんだい各国かっこく陸軍りくぐん砲兵ほうへい主力しゅりょく火砲かほうの1つとなったカノンほうだいいち世界せかい大戦たいせん多用たようされ、おさむしろせん塹壕ざんごうせんでそのだい威力いりょく発揮はっきし、どう大戦たいせん文字通もじどお火砲かほう中心ちゅうしんたたかいとなった。

せんあいだにはほうしゅとともにカノンほう高性能こうせいのう多様たようすす各国かっこく陸軍りくぐんはこれを保有ほゆうなかでもソ連それん赤軍せきぐんは「гаубица-пушка」としょう榴弾りゅうだんほうとしては比較的ひかくてきちょう砲身ほうしんでカノンほうとしてはこう仰角ぎょうかくがとれる新鋭しんえいほうML-20 152mm榴弾りゅうだんほう開発かいはつ多数たすう配備はいびした。なお、ドイツ陸軍りくぐん (国防こくぼうぐん)主力しゅりょく重砲じゅうほうとして他国たこくのような15cm・12cmきゅうカノンほう主力しゅりょくとせず、口径こうけい21cmのじゅう榴弾りゅうだんほう21cm Mrs 18ちょう砲身ほうしんじゅう榴弾りゅうだんほう相当そうとうであるがこれを臼砲きゅうほう定義ていぎ)を開発かいはつ配備はいび、しかしのちのだい大戦たいせん中期ちゅうき以降いこうしょう口径こうけいしながらも最大さいだい射程しゃてい延伸えんしんした17cmカノンほうである17cm K 18更新こうしんしている。

どう時期じき高射こうしゃほう[15]対戦たいせんしゃほうかんほうはその用途ようとじょうちょう射程しゃていこう初速しょそくもとめられるためほう自体じたいはカノンほう系統けいとうであることがおおい。1930年代ねんだい後半こうはん開発かいはつされたさい新鋭しんえいほうなかには、日本にっぽん陸軍りくぐんきゅうろくしきじゅうせんちめーとるのう最大さいだい射程しゃてい26,200m、戦闘せんとう重量じゅうりょう24,314kg・牽引けんいん重量じゅうりょう36,054kg)、ドイツ陸軍りくぐんの17cm K 18(最大さいだい射程しゃてい29,600m、戦闘せんとう重量じゅうりょう17,520kg・牽引けんいん重量じゅうりょう23,375kg)などとく長大ちょうだい射程しゃていゆうするじゅうカノンほう登場とうじょうした。

だい大戦たいせんにおける主要しゅよう列強れっきょう各国かっこく主力しゅりょくカノンほう最大さいだい射程しゃてい戦闘せんとう重量じゅうりょう放列ほうれつ砲車ほうしゃ重量じゅうりょう)は以下いかとおりで、これらはおも師団しだん砲兵ほうへいではなくぐん砲兵ほうへい軍団ぐんだん砲兵ほうへいたる独立どくりつ部隊ぶたい[16]運用うんようされ、進化しんかした航空こうくう戦力せんりょくじゅう榴弾りゅうだんほうとともに戦闘せんとう雌雄しゆうけっする存在そんざいとなった。

だい大戦たいせんごろまでは野戦やせんほうとしての用途ようとのほか、おさむしろほう列車れっしゃほう要塞ようさいほう沿岸えんがんほうとしてだい口径こうけいだい重量じゅうりょうのカノンほうが(榴弾りゅうだんほうともに)多数たすう使用しようされた。とくだいいち大戦たいせんにおいて、ドイツ陸軍りくぐん開発かいはつ実戦じっせん投入とうにゅうしたパリほう口径こうけい21cm・砲身ほうしんちょう28m・口径こうけいちょう58.8)は最大さいだい射程しゃてい130,000mを記録きろくし、だい大戦たいせん主力しゅりょく列車れっしゃほうである28cm K 5(E)口径こうけい28cm・砲身ほうしんちょう21.539m・口径こうけいちょう76.1)は最大さいだい射程しゃてい62,400m(ロケットアシストだん使用しよう最大さいだい86,000m)、また80cm K(E)(「グスタフ」・「ドーラ」)にもちいられたカノンほう口径こうけい80cm・砲身ほうしんちょう28.9m・口径こうけいちょう40・最大さいだい射程しゃてい48,000m)は、世界せかい最大さいだい口径こうけいのカノンほうであると同時どうじ現在げんざいいたるまで世界せかい最大さいだい火砲かほうである。

2S7ピオン 203mmはしカノンほう

だい大戦たいせん戦前せんぜんより砲兵ほうへい戦力せんりょく重点じゅうてんいていたソビエト連邦れんぽうぐんは、M-46 130mmカノンほう2A36 152mmカノンほうといったさらにちょうちょう砲身ほうしん新鋭しんえいカノンほう開発かいはつし、これらは同国どうこくぐん同盟どうめいこく友好国ゆうこうこく配備はいびされ各地かくち戦争せんそう紛争ふんそう内戦ないせん使用しようされた。2S5ギアツィント 152mmはしカノンほう2S7ピオン 203mmはしカノンほうコクサンM107 175mmはしカノンほうなど、カノンほうはしほうした「はしカノンほうはしのうほう)」も開発かいはつ採用さいようされた。

M109 155mmはし榴弾りゅうだんほう口径こうけいちょう39)

しかし20世紀せいき後半こうはん以降いこうちょう砲身ほうしん榴弾りゅうだんほうや、ちょう砲身ほうしん榴弾りゅうだんほう搭載とうさいするはしほう出現しゅつげんにより、(カノンほう野砲やほうとともに榴弾りゅうだんほう統合とうごうされたかたちで)榴弾りゅうだんほうとカノンほう区別くべつ事実じじつじょうなくなってしまっている。これら現用げんようの155mm / 152mm榴弾りゅうだんほう口径こうけいちょうは、だい大戦たいせん当時とうじ分類ぶんるいしたがえばカノンほう相当そうとうする39・45、あるいは52口径こうけい主体しゅたいであり、またロケットアシストだん(RAPだん)やベースブリードだん(BBだん)といった特殊とくしゅ特種とくしゅ)なちょう射程しゃていだん使用しようすることにより、40,000mじゃくから80,000mほどの長大ちょうだい射程しゃていをもつようになった。

21世紀せいき初頭しょとう現在げんざいにおいて、狭義きょうぎのカノンほうはしカノンほう運用うんようしているのはソ連それんぐん後身こうしんでありその装備そうびいだロシアぐんふる東側ひがしがわ諸国しょこくぐんなどいくつかのくにかぎられ、(ロシアぐんふくむ)世界せかいにおいては牽引けんいん榴弾りゅうだんほうはし榴弾りゅうだんほうBM-27BM-30TOS-1MLRS筆頭ひっとうとするはしロケットほう砲兵ほうへい戦力せんりょく主体しゅたいとなっている。

カノンほう一覧いちらん

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だいいち世界せかい大戦たいせん

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だい世界せかい大戦たいせん

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だい世界せかい大戦たいせん

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参考さんこう文献ぶんけん

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  • 田中たなかわたる戦艦せんかん世紀せいき毎日新聞社まいにちしんぶんしゃ昭和しょうわ54ねん3がつ25にち発行はっこう
  • 歴史れきしぐんぞうグラフィック戦史せんしシリーズ3『戦略せんりゃく戦術せんじゅつ兵器へいき事典じてん』【ヨーロッパ近代きんだいへん学研がっけん1995ねん10月1にち発行はっこう
  • 新見にいみ志郎しろうきょ砲艦ほうかん -世界せかい各国かっこく戦艦せんかんにあらざるもの-』光文社こうぶんしゃNF文庫ぶんこ2014ねん5月24にち発行はっこう

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 口径こうけい○○mm」などという表記ひょうき方法ほうほうでは砲身ほうしん内径ないけい直径ちょっけいをmmやinあらわす(ほどこせじょうがあればやま同士どうし内側うちがわみちはかる)が、「xx口径こうけい」「口径こうけいちょう」という表記ひょうき方法ほうほうではほうの(砲身ほうしん直径ちょっけい意味いみの)口径こうけい分母ぶんぼに、砲身ほうしんないそうやくおさまり砲弾ほうだん加速かそくされるながさ(砲身ほうしんちょう)を分子ぶんしとした数値すうちあらわす(砲身ほうしんちょうくすりしつ最後さいごからほうくちまでである)。たとえば、口径こうけい100mmのほう砲身ほうしんちょうが2.2mである場合ばあいは「口径こうけい100mm・22口径こうけい」となる。
  2. ^ のう軍隊ぐんたい符号ふごう
  3. ^ 陸軍りくぐんしょう副官ふっかん 川原かわはら直一なおかず兵器へいき名称めいしょう略称りゃくしょう略字りゃくじ規定きていちゅう追加ついか改訂かいていけん関係かんけい陸軍りくぐん部隊ぶたい通牒つうちょう』 1942ねん3がつ12にちアジア歴史れきし資料しりょうセンター、Ref.C01005271500
  4. ^ 陸軍りくぐん技術ぎじゅつ本部ほんぶ 『八九式十五糎加農説明書』 アジア歴史れきし資料しりょうセンター、Ref.A03032151400、1940ねん
  5. ^ だいいち陸軍りくぐん技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょ 『九六式十五糎加農第二予備品』 アジア歴史れきし資料しりょうセンター、Ref.A03032092600、1943ねん
  6. ^ 参謀さんぼう本部ほんぶちょうみね事件じけん鹵獲ろかく「ソぐん兵器へいき写真しゃしん要覧ようらん』「10せんちめーとるのうほう尖鋭せんえいだんからだ」 1938ねん12月1にち、アジア歴史れきし資料しりょうセンター、Ref.C01003423800
  7. ^ カンナ(canna)”. 情報じょうほう知識ちしき&オピニオン imidas. 2024ねん1がつ22にち閲覧えつらん
  8. ^ Calvert, James B.. “Cannons and Gunpowder”. University of Denver. 2007ねん7がつ1にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。 Template:Cite webしエラー:引数ひきすう accessdate必須ひっすです。
  9. ^ 戦艦せんかん世紀せいき』 61ぺーじ
  10. ^ 戦艦せんかん世紀せいき』 60ぺーじ
  11. ^ グループにはカルバリンほう(18ポンド)、デミ・カルバリンほう(9ポンド)、セーカーほう(5ポンド)、ミニオンほう(4-3ポンド)、ファルコネットほう(1-はんポンド)がふくまれる。『戦艦せんかん世紀せいき』 61-62ぺーじ
  12. ^ 12ポンドグリボーバル野砲やほう場合ばあい牽引けんいんうま6とう必要ひつようであった。『戦略せんりゃく戦術せんじゅつ兵器へいき事典じてん』19ぺーじ
  13. ^ きょ砲艦ほうかん』356ぺーじ
  14. ^ 師団しだん隷属れいぞくする野砲やほうへい連隊れんたいなどを意味いみする。
  15. ^ 最初さいしょ高射こうしゃほう野砲やほう転用てんようされた。
  16. ^ ぐん軍団ぐんだん隷属れいぞくする野戦やせん重砲じゅうほうへい連隊れんたい独立どくりつ重砲じゅうほうへい大隊だいたい独立どくりつ重砲じゅうほう大隊だいたい)などを意味いみする。

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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