この項目 こうもく では、紀元前 きげんぜん 8世紀 せいき から紀元前 きげんぜん 4世紀 せいき のギリシア語 ご について説明 せつめい しています。
ヘレニズム時代 じだい の共通 きょうつう ギリシア語 ご については「コイネー 」をご覧 らん ください。
古代 こだい ギリシアの文化 ぶんか ・文明 ぶんめい 全般 ぜんぱん については「古代 こだい ギリシア 」をご覧 らん ください。
古代 こだい ギリシア語 ご (こだいギリシアご、Ἑλληνική 、希 まれ : Αρχαία ελληνική γλώσσα )は、ギリシア語 ご の歴史 れきし 上 じょう の一 いち 時期 じき を指 さ す言葉 ことば 。古代 こだい ギリシア の、アルカイック期 き (紀元前 きげんぜん 8世紀 せいき - 前 ぜん 6世紀 せいき )、古典 こてん 期 き (前 ぜん 6世紀 せいき - 前 ぜん 4世紀 せいき )、ヘレニズム期 き (前 ぜん 4世紀 せいき - 後 のち 6世紀 せいき )の3つの時代 じだい に跨 またが がっており、様々 さまざま な方言 ほうげん が存在 そんざい し、古典 こてん ギリシア語 ご もその一 ひと つである。
古代 こだい ギリシア語 ご は、その後 ご のヨーロッパ 諸 しょ 言語 げんご に最 もっと も影響 えいきょう を与 あた えた言語 げんご の一 ひと つである。ホメーロス の叙事詩 じょじし 、劇 げき 作家 さっか 、ペリクレス 時代 じだい の哲学 てつがく 者 しゃ 、『新約 しんやく 聖書 せいしょ 』等 とう がその証左 しょうさ と言 い えよう。また、「民主 みんしゅ 主義 しゅぎ (democracy )」のような不可欠 ふかけつ な語 かたり も含 ふく め、英語 えいご の語彙 ごい に多大 ただい な影響 えいきょう を与 あた えてもいる。ルネサンス から20世紀 せいき 初頭 しょとう にかけては、西洋 せいよう の教育 きょういく 制度 せいど において標準 ひょうじゅん 的 てき な科目 かもく となっていた。学名 がくめい に用 もち いられている新 しん ラテン語 らてんご (近代 きんだい ラテン語 らてんご )には、今日 きょう でも古代 こだい ギリシア語 ご からの語彙 ごい の引用 いんよう が精力 せいりょく 的 てき になされている。
ヘレニズム期 き の古代 こだい ギリシア語 ご はコイネー (「共通 きょうつう 語 ご 」の意 い )、あるいは聖書 せいしょ ギリシア語 ご として知 し られ、その後 ご 期 き の形 かたち が中世 ちゅうせい ギリシア語 ご に変異 へんい していった。初期 しょき のコイネーは古典 こてん 期 き との共通 きょうつう 点 てん も多 おお いが、ギリシア語 ご の歴史 れきし の中 なか では独立 どくりつ したものとして扱 あつか われる。コイネーより前 まえ の、古典 こてん 期 き やそれ以前 いぜん のギリシア語 ご にはいくつかの方言 ほうげん が存在 そんざい した。ミケーネ文明 ぶんめい 期 き のミケーネ語 ご (前 ぜん 1600年 ねん –前 ぜん 1100年 ねん )は、古代 こだい ギリシア語 ご (前 ぜん 8世紀 せいき -前 ぜん 4世紀 せいき )に先行 せんこう する言語 げんご である。
古代 こだい ギリシアの諸 しょ 方言 ほうげん [ 編集 へんしゅう ]
歴史 れきし 的 てき 方言 ほうげん の成立 せいりつ [ 編集 へんしゅう ]
ギリシア語 ご の起源 きげん および初期 しょき の歴史 れきし は、同 どう 時代 じだい の史料 しりょう が欠 か けており判然 はんぜん としない。そのため、いくつか仮説 かせつ が存在 そんざい する。初期 しょき のギリシア語 ご 的 てき 特徴 とくちょう を有 ゆう する言語 げんご がインド・ヨーロッパ祖語 そご から分岐 ぶんき (遅 おそ くとも紀元前 きげんぜん 2000年 ねん までに)してから紀元前 きげんぜん 1200年 ねん 頃 ごろ まで、どのような古代 こだい ギリシアの方言 ほうげん 群 ぐん が存在 そんざい していたのか。どの仮説 かせつ も概要 がいよう は共通 きょうつう しているものの、細部 さいぶ で異 こと なる。上記 じょうき の時代 じだい で存在 そんざい が証明 しょうめい されている[注 ちゅう 1] のはミケーネ語 ご だけだが、歴史 れきし 的 てき 方言 ほうげん とその背景 はいけい に鑑 かんが みるに、全 すべ ての方言 ほうげん 群 ぐん が当時 とうじ すでに何 なん らかの形 かたち で存在 そんざい していたとも考 かんが えられる。
古代 こだい ギリシア語 ご の主 おも な方言 ほうげん は、紀元前 きげんぜん 1120年 ねん (ドーリス人 じん の侵入 しんにゅう の時期 じき )までには発達 はったつ していたとされる。ギリシア文字 もじ によるはっきりとした記録 きろく が確認 かくにん されるのは紀元前 きげんぜん 8世紀 せいき 以降 いこう である。古代 こだい のギリシア人 じん は、自身 じしん にドーリス人 じん ・アイオリス人 じん ・イオニア人 じん という3つの主 おも な区分 くぶん があると考 かんが えており、それぞれ弁別 べんべつ 的 てき な方言 ほうげん を有 ゆう していた。人目 ひとめ につかない山岳 さんがく 地帯 ちたい のアルカディア と、学問 がくもん の中心 ちゅうしん から離 はな れたキュプロス を見落 みお としていたという点 てん を斟酌 しんしゃく すれば、上記 じょうき の区分 くぶん は現代 げんだい の歴史 れきし 言語 げんご 学 がく の調査 ちょうさ 結果 けっか と酷似 こくじ している。これは、方言 ほうげん の内実 ないじつ と変化 へんか を理解 りかい する上 じょう で非常 ひじょう に重要 じゅうよう である。
分類 ぶんるい と概要 がいよう [ 編集 へんしゅう ]
古典 こてん 期 き のギリシア語 ご 方言 ほうげん の分布 ぶんぷ [1] 西部 せいぶ : 北西 ほくせい 方言 ほうげん
アカイア方言 ほうげん
ドーリス方言 ほうげん
中部 ちゅうぶ : アイオリス方言 ほうげん
アルカディア=キプロス方言 ほうげん
東部 とうぶ : アッティカ方言 ほうげん
この図 ず では分類 ぶんるい 不明 ふめい :M マケドニア方言 ほうげん
古代 こだい ギリシア語 ご の各 かく 方言 ほうげん は以下 いか のように分類 ぶんるい される[2] 。
西 にし ギリシア諸 しょ 方言 ほうげん
東 ひがし ギリシア諸 しょ 方言 ほうげん
アイオリス 方言 ほうげん 群 ぐん
小 しょう アジア=レスボス 方言 ほうげん
ボイオティア 方言 ほうげん - 北西 ほくせい 方言 ほうげん の強 つよ い影響 えいきょう 下 か にあり、過渡 かと 期 き の方言 ほうげん だったとも考 かんが えられる。
テッサリア 方言 ほうげん - ボイオティア方言 ほうげん ほどではないものの、北西 ほくせい 方言 ほうげん の影響 えいきょう を受 う けていた。
イオニア=アッティカ方言 ほうげん 群 ぐん
アルカディア・キュプロス方言 ほうげん 群 ぐん (英語 えいご 版 ばん ) - ミケーネ語 ご の姿 すがた を色濃 いろこ く残 のこ す。
アルカディア 方言 ほうげん
キュプロス 方言 ほうげん
パンピュリア方言 ほうげん
小 しょう アジア南西 なんせい 部 ぶ 沿岸 えんがん 地域 ちいき の一部 いちぶ (リュキア とキリキア の中 なか 間 あいだ )で話 はな されていた方言 ほうげん で、碑文 ひぶん にわずかに残 のこ されている。この方言 ほうげん は、異 こと なる方言 ほうげん の区分 くぶん か、あるいはドーリス人 じん によって非 ひ ギリシア系 けい 原住民 げんじゅうみん の影響 えいきょう を受 う けたミケーネ語 ご のどちらかである可能 かのう 性 せい もある。
ギリシア語 ご 方言 ほうげん の分類 ぶんるい は、西部 せいぶ と非 ひ 西部 せいぶ というのが最 もっと も古 ふる くかつ有力 ゆうりょく である。非 ひ 西部 せいぶ 諸 しょ 方言 ほうげん は「東 ひがし ギリシア諸 しょ 方言 ほうげん 」と呼 よ ばれることもある。
方言 ほうげん 群 ぐん の大半 たいはん は、ポリス の領域 りょういき ないし島 しま に対応 たいおう する形 かたち で、上記 じょうき のようにさらに下位 かい の区分 くぶん に振 ふ り分 わ けられる。たとえば、レスボス方言 ほうげん はアイオリス方言 ほうげん のひとつである。また、ドーリス方言 ほうげん はそのような細 こま かな区分 くぶん との間 あいだ に位置 いち する中 なか 間 あいだ 区分 くぶん も有 ゆう しており、島嶼 とうしょ ドーリス方言 ほうげん (クレタ方言 ほうげん など)、南 みなみ ペロポネソス ・ドーリス方言 ほうげん (スパルタ のラコニア方言 ほうげん など)、北 きた ペロポネソス・ドーリス方言 ほうげん (コリントス方言 ほうげん など)があった。
イオニア系 けい 以外 いがい の方言 ほうげん 群 ぐん は主 おも に碑文 ひぶん によって把握 はあく されている。注目 ちゅうもく すべき例外 れいがい はサッポー やピンダロス の作品 さくひん だが、これらは断片 だんぺん 的 てき にしか現存 げんそん していない。各 かく 方言 ほうげん 群 ぐん はまた、植民 しょくみん 市 し によって独特 どくとく に表現 ひょうげん されることもあった。それら植民 しょくみん 市 し は、時 とき には開拓 かいたく 移民 いみん や近隣 きんりん 住民 じゅうみん が話 はな す異 こと なる方言 ほうげん の影響 えいきょう を受 う けて、独自 どくじ の発展 はってん を遂 と げた。
紀元前 きげんぜん 4世紀 せいき のアレクサンドロス大王 だいおう の征服 せいふく ののち、コイネーもしくは共通 きょうつう ギリシア語 ご として知 し られる国際 こくさい 的 てき な方言 ほうげん が発達 はったつ した。コイネーは大 だい 部分 ぶぶん でアッティカ方言 ほうげん が原型 げんけい となっていたが、ほかの方言 ほうげん の影響 えいきょう も受 う けていた。古代 こだい の方言 ほうげん のほとんどは徐々 じょじょ にコイネーに入 い れ替 か わっていったが、ドーリス方言 ほうげん は現代 げんだい ギリシア語 ご のツァコニア方言 ほうげん として生 い き残 のこ っているほか、デモティキ の動詞 どうし にもアオリストの形 かたち を残 のこ している。紀元 きげん 後 ご 6世紀 せいき 頃 ころ までに、コイネーは中世 ちゅうせい ギリシア語 ご に変異 へんい していった。
日本語 にほんご では「古典 こてん ギリシア語 ご 」という名称 めいしょう が広 ひろ く知 し られているが、これは「古代 こだい ギリシア語 ご 」と同一 どういつ の概念 がいねん ではない。古典 こてん ギリシア語 ご は、古代 こだい ギリシアの諸 しょ 方言 ほうげん の中 なか で最 もっと も代表 だいひょう 的 てき なものとなった古典 こてん 期 き のアッティカ方言 ほうげん を指 さ す呼称 こしょう である。
紀元前 きげんぜん 5世紀 せいき 頃 ころ までは散文 さんぶん の中心 ちゅうしん がイオニア地方 ちほう であったため、イオニア方言 ほうげん が主 おも に用 もち いられていた(ヘーロドトス など)。しかし、前 ぜん 5世紀 せいき 後半 こうはん からはアテーナイ に優 すぐ れた弁論 べんろん 家 か ・文筆 ぶんぴつ 家 か (プラトーン 、トゥーキューディデース など)が多 おお く現 あらわ れ、さらに政治 せいじ 的 てき にもアテーナイがギリシアの中心 ちゅうしん となったため、前 ぜん 4世紀 せいき 頃 ごろ にはアッティカ方言 ほうげん がギリシア世界 せかい の標準 ひょうじゅん 語 ご となった。この頃 ころ [注 ちゅう 2] に用 もち いられていたアテナイの言語 げんご を指 さ して「古典 こてん ギリシア語 ご 」と呼 よ ぶ。
ギリシア祖語 そご 以来 いらい 、以下 いか の音韻 おんいん の変化 へんか はほぼすべての古代 こだい ギリシア語 ご 方言 ほうげん に見 み られる。
音節 おんせつ 主音 しゅおん 的 てき 子音 しいん /r/ , /l/ は、ミケーネ語 ご とアイオリス方言 ほうげん で /ro/ , /lo/ に、それ以外 いがい の方言 ほうげん では /ra/ , /la/ に変化 へんか した。ただし、共鳴 きょうめい 音 おん の前 まえ では /ar/ , /al/ と発音 はつおん された。
例 れい ) インド・ヨーロッパ祖語 そご の *str̥-to- は、アイオリス方言 ほうげん では στρότος となり、他 た の方言 ほうげん では στρατός となった(どちらも「軍隊 ぐんたい 」の意 い )。
/s/ に由来 ゆらい する/h/ は、語頭 ごとう を除 のぞ き脱落 だつらく した。また/j/ も脱落 だつらく した。
例 れい ) ドーリス方言 ほうげん níkaas < *níkahas < *níkasas「征服 せいふく した」、 τ たう ρ ろー ε いぷしろん ῖς < *trées < *tréyes 「3」
/h/ , /j/ の脱落 だつらく ののち、多 おお くの方言 ほうげん で、 /w/ が脱落 だつらく した。
例 れい ) ἔτος(étos) < ϝέτος(wétos) 「年 とし 」
両 りょう 唇 くちびる 軟口蓋 なんこうがい 音 おん の多 おお くが両 りょう 唇音 しんおん に変化 へんか した。一部 いちぶ は歯音 しおん や軟口蓋 なんこうがい 音 おん にもなった。
/h/ と /j/ の脱落 だつらく の結果 けっか (比較的 ひかくてき 影響 えいきょう は小 ちい さいが/w/ でも)、隣 とな り合 あ う母音 ぼいん の間 あいだ で融合 ゆうごう が起 お きるようになった。これはアッティカ方言 ほうげん で最 もっと も顕著 けんちょ な現象 げんしょう である。
融合 ゆうごう などの影響 えいきょう で特殊 とくしゅ なサーカムフレックス (曲 きょく アクセント)が作 つく られた。
上記 じょうき の制約 せいやく とともに、アクセントを最後 さいご の3音節 おんせつ のいずれかに付 ふ すという規則 きそく が誕生 たんじょう した。
/s/ の前 まえ で /n/ が脱落 だつらく し(ただしクレタ方言 ほうげん では不完全 ふかんぜん )、直前 ちょくぜん の母音 ぼいん で代償 だいしょう 延長 えんちょう が起 お きた。
/w/ , /j/ は脱落 だつらく する傾向 けいこう が強 つよ かったが、完全 かんぜん に消失 しょうしつ していたわけではない。初期 しょき には母音 ぼいん の後 うし ろにあるとき、その母音 ぼいん と結合 けつごう して二 に 重母音 じゅうぼいん の形 かたち をとっていた。子音 しいん の後 うし ろでの /h/ と /w/ の脱落 だつらく は、直前 ちょくぜん の母音 ぼいん の代償 だいしょう 延長 えんちょう に伴 ともな って起 お こった。一方 いっぽう 、子音 しいん の後 のち の /j/ の脱落 だつらく には、直前 ちょくぜん の母音 ぼいん の二 に 重母音 じゅうぼいん 化 か 、口蓋 こうがい 化 か 、子音 しいん のほかの変化 へんか など、多 おお くの複雑 ふくざつ な変化 へんか が絡 から んでいた。以下 いか はその例 れい である。
/pj/ , /bj/ , /phj/ → /pt/
/lj/ → /ll/
/tj/ , /thj/ , /kj/ , /khj/ → /s/ - 子音 しいん の直後 ちょくご のとき。それ以外 いがい の場合 ばあい は /ss/ か /tt/ (アッティカ方言 ほうげん )。
/gj/ , /dj/ → /zd/
/mj/ , /nj/ , /rj/ → /j/ - このときの /j/ は子音 しいん の前 まえ で置換 ちかん され、直後 ちょくご の母音 ぼいん とともに二 に 重母音 じゅうぼいん をなす。
/wj/ , /sj/ → /j/ - 同時 どうじ に直後 ちょくご の母音 ぼいん を二 に 重母音 じゅうぼいん 化 か する。
母音 ぼいん 融合 ゆうごう の結果 けっか は方言 ほうげん ごとに複雑 ふくざつ であった。多数 たすう の異 こと なる種類 しゅるい の名詞 めいし や動詞 どうし の屈折 くっせつ 語尾 ごび に起 お こる融合 ゆうごう は、古代 こだい ギリシア語 ご 文法 ぶんぽう の最 もっと も難解 なんかい な面 めん を体現 たいげん している。母音 ぼいん 融合 ゆうごう した動詞 どうし の分類 ぶんるい 、名詞 めいし から作 つく られた動詞 どうし 、母音 ぼいん の屈折 くっせつ 語尾 ごび において、このような融合 ゆうごう は非常 ひじょう に重要 じゅうよう になってくる。実際 じっさい 、現代 げんだい ギリシア語 ご では母音 ぼいん 融合 ゆうごう 動詞 どうし の発達 はったつ 形 がた (たとえば、古代 こだい ギリシア語 ご の母音 ぼいん 融合 ゆうごう 動詞 どうし を受 う け継 つ いだ動詞 どうし の組 く み合 あ わせ)が、動詞 どうし の主要 しゅよう な2つの分類 ぶんるい を象徴 しょうちょう している。
古代 こだい からヘレニズム
時代 じだい にかけての
変化 へんか については「
コイネー 」を
参照 さんしょう
正書法 せいしょほう は古 ふる い時代 じだい の特徴 とくちょう を残 のこ していたが、後 こう 古典 こてん ギリシア語 ご の発音 はつおん は古代 こだい ギリシア語 ご から大 おお きく変異 へんい した。古代 こだい の発音 はつおん を完全 かんぜん に再建 さいけん することはできないが、ギリシア語 ご は特 とく にこの時代 じだい からかなりの記録 きろく が残 のこ されており、音 おと 価 か の一般 いっぱん 的 てき な性質 せいしつ に関 かん しても言語 げんご 学者 がくしゃ の間 あいだ に見解 けんかい の相違 そうい はほとんど見 み られない。
以下 いか の例 れい では、紀元前 きげんぜん 5世紀 せいき のアッティカ方言 ほうげん を代表 だいひょう として取 と りあげている。
母音 ぼいん のいくつかは長短 ちょうたん の区別 くべつ があった。また二 に 重母音 じゅうぼいん があった。
/oː/ はおそらく紀元前 きげんぜん 4世紀 せいき までに [uː] に変化 へんか した。
代償 だいしょう 延長 えんちょう [ 編集 へんしゅう ]
代償 だいしょう 延長 えんちょう に関 かん しては、どの位置 いち で発生 はっせい したかで異 こと なる見解 けんかい がある。/a/ が [aː] と [ɛː] のどちらになるのか、/e/ , /o/ は半 はん 狭 せま の [eː] , [oː] と半 はん 広 ひろ の [ɛː] , [ɔː] のどちらになるのか、というのがその争点 そうてん である。
[ŋ] は、軟口蓋 なんこうがい 音 おん の前 まえ では /n/ の、鼻音 びおん の前 まえ では /g/ の異 い 音 おと として現 あらわ れた。
ῥ と表記 ひょうき される [r̥] は語頭 ごとう で用 もち いられ、おそらく /r/ の無声 むせい の異 い 音 おと だった[5] 。
子音 しいん には主 おも に以下 いか の3種類 しゅるい があった。
閉鎖 へいさ 音 おん - 軟口蓋 なんこうがい 音 おん /k/ , /g/ , /kʰ/ 、両 りょう 唇音 しんおん /p/ , /b/ , /pʰ/ 、歯茎 はぐき 音 おん /t/ , /d/ , /tʰ/
鼻音 びおん - /m/ , /n/ , /l/ , /r/
摩擦音 まさつおん - /s/ , /h/
動詞 どうし を活用 かつよう する際 さい 、子音 しいん が他 た の子音 しいん とぶつかることがある。このとき様々 さまざま な規則 きそく が適用 てきよう されるが、原則 げんそく として
2つの音 おと が隣 とな り合 あ うとき、初 はじ めの子音 しいん は後続 こうぞく の子音 しいん と有 ゆう 声 ごえ 性 せい ・帯 おび 気性 きしょう の点 てん で同化 どうか (逆行 ぎゃっこう 同化 どうか )する。
ただし、これが適用 てきよう されるのは閉鎖 へいさ 音 おん に対 たい してのみである。摩擦音 まさつおん は有 ゆう 声 こえ 化 か ないし無声 むせい 化 か の方向 ほうこう でしか同化 どうか せず、共鳴 きょうめい 音 おん は同化 どうか しない。例 れい としては
/s/ (未来 みらい 、アオリストの語幹 ごかん )の前 まえ で、軟口蓋 なんこうがい 音 おん は [k] に、両 りょう 唇音 しんおん は [p] になり、歯茎 はぐき 音 おん は消失 しょうしつ する。
例 れい ) g+s > ks, b+s > ps, d+s > s
/tʰ/ (受動態 じゅどうたい アオリストの語幹 ごかん )の前 まえ で、軟口蓋 なんこうがい 音 おん は [kʰ] に、両 りょう 唇音 しんおん は [pʰ] に、歯茎 はぐき 音 おん は [s] になる。
例 れい ) k+tʰ > kʰtʰ , p+tʰ > pʰtʰ , t+tʰ > stʰ
/m/ (中 ちゅう 動態 どうたい 完了 かんりょう の1人 ひとり 称 しょう 単数 たんすう 、1人 ひとり 称 しょう 複数 ふくすう 、分詞 ぶんし )の前 まえ で、軟口蓋 なんこうがい 音 おん と、鼻音 びおん +軟口蓋 なんこうがい 音 おん は [g] に、両 りょう 唇音 しんおん は [m] に、歯茎 はぐき 音 おん は [s] になる。その他 た の共鳴 きょうめい 音 おん はそのまま維持 いじ される。
ギリシア語 ご は、インド・ヨーロッパ語族 ごぞく の他 ほか の言語 げんご 同様 どうよう 、高度 こうど に屈折 くっせつ 的 てき である。これは特 とく に、インド・ヨーロッパ祖語 そご の形 かたち をよく残 のこ しているアルカイック期 き に顕著 けんちょ に見 み られる。古代 こだい ギリシア語 ご の名詞 めいし には固有名詞 こゆうめいし も含 ふく め、5つの格 かく (主格 しゅかく ・属 ぞく 格 かく ・対格 たいかく ・与格 よかく ・呼 よび 格 かく )、3つの性 せい (男性 だんせい ・女性 じょせい ・中性 ちゅうせい )、3つの数 かず (単数 たんすう ・双 そう 数 すう ・複数 ふくすう )があった。動詞 どうし は4つの法 ほう (直 ちょく 説法 せっぽう ・命令 めいれい 法 ほう ・接続 せつぞく 法 ほう ・希求 ききゅう 法 ほう )、3つの態 たい (能動態 のうどうたい ・中 ちゅう 動態 どうたい ・受動態 じゅどうたい )、3つの人称 にんしょう (一人称 いちにんしょう ・二人称 ににんしょう ・三人称 さんにんしょう )があり、7つの時制 じせい (現在 げんざい ・未来 みらい ・未 み 完了 かんりょう 過去 かこ は相 そう では未 み 完結 かんけつ 相 しょう 、アオリスト は完結 かんけつ 相 しょう 、完了 かんりょう ・過去 かこ 完了 かんりょう ・未来 みらい 完了 かんりょう は完了 かんりょう 相 しょう )に変化 へんか する。接続 せつぞく 法 ほう 未来 みらい や命令 めいれい 相 しょう といったものは存在 そんざい しないが、時制 じせい が法 ほう と態 たい をそのように見 み せることは多 おお い。不定 ふてい 詞 し と分詞 ぶんし は、相 そう ・法 ほう ・態 たい の限 かぎ られた組 く み合 あ わせに対応 たいおう する形 かたち で存在 そんざい した。
未 み 完了 かんりょう 過去 かこ ・アオリスト・過去 かこ 完了 かんりょう の3時 じ 制 せい は、直 ちょく 説法 せっぽう のとき(少 すく なくとも概念 がいねん 上 じょう は)接頭 せっとう 辞 じ ἐ- が付 ふ される。これは本来 ほんらい 、「そのとき」のように独立 どくりつ した単語 たんご に適用 てきよう されたと考 かんが えられる。インド・ヨーロッパ祖語 そご における時制 じせい は、相 そう としての意味合 いみあ いが強 つよ かったからである。加 か 音 おん は直 ちょく 説法 せっぽう アオリスト・未 み 完了 かんりょう 過去 かこ ・過去 かこ 完了 かんりょう に対 たい して起 お きたが、ほかの法 ほう のアオリストには行 おこな われなかった(未 み 完了 かんりょう 過去 かこ と過去 かこ 完了 かんりょう はそもそも直 ちょく 説法 せっぽう しかない)。
ギリシア語 ご の加 か 音 おん には、音節 おんせつ 的 てき 加 か 音 おん と時 とき 量的 りょうてき 加 か 音 おん の2種類 しゅるい がある。前者 ぜんしゃ は子音 しいん で始 はじ まる語幹 ごかん に起 お こり、接頭 せっとう 辞 じ ἐ- が付 ふ される。ただし ῥ- で始 はじ まる場合 ばあい は後 うし ろに -ρ ろー - を重 かさ ねた上 うえ で ἐ- が付 ふ され、ἐρ ろー ρ ろー - の形 かたち になる。後者 こうしゃ は母音 ぼいん で始 はじ まる語幹 ごかん に起 お こり、以下 いか のような長音 ちょうおん 化 か を伴 ともな う。なお、長短 ちょうたん どちらも表 あらわ す母音 ぼいん は弁別 べんべつ のため、長音 ちょうおん にはマクロン を、単音 たんおん にはブレーヴェ を付 ふ してある。
ᾰ, ᾱ, ε いぷしろん > η いーた - ただし ε いぷしろん は ε いぷしろん ι いおた になることもある。
ῐ > ῑ
ο おみくろん > ω おめが
ῠ > ῡ
α あるふぁ ι いおた , ᾳ, ε いぷしろん ι いおた > ῃ - ただし ε いぷしろん ι いおた は変化 へんか しないこともある。
ο おみくろん ι いおた > ῳ
α あるふぁ υ うぷしろん , ε いぷしろん υ うぷしろん > η いーた υ うぷしろん - 変化 へんか しないこともある。
ο おみくろん υ うぷしろん , η いーた , ῑ, ῡ, ω おめが は変化 へんか しない。ε いぷしろん > ε いぷしろん ι いおた のような例外 れいがい は、歴史 れきし 言語 げんご 学 がく 的 まと には母音 ぼいん 間 あいだ の -σ しぐま - 脱落 だつらく によるものと説明 せつめい される。ホメーロス 以後 いご 、詩 し (特 とく に叙事詩 じょじし )では慣例 かんれい 的 てき に加 か 音 おん がなされないことがある。
畳 たたみ 音 おん (重複 じゅうふく )[ 編集 へんしゅう ]
完了 かんりょう ・過去 かこ 完了 かんりょう ・未来 みらい 完了 かんりょう のほとんどでは、動詞 どうし 幹 みき の語頭 ごとう で畳 たたみ 音 おん が用 もち いられる。しかし、完了 かんりょう の一部 いちぶ では例外 れいがい 的 てき に畳 たたみ 音 おん が使 つか われず、また反対 はんたい にアオリストで畳 たたみ 音 おん が用 もち いられることもある。畳 たたみ 音 おん には以下 いか の3種類 しゅるい がある。
音節 おんせつ 畳 たたみ 音 おん
単 たん 子音 しいん (ῥ- は除 のぞ く)か、閉鎖 へいさ 音 おん +共鳴 きょうめい 音 おん で始 はじ まる動詞 どうし には、語頭 ごとう の子音 しいん の後 のち に -ε いぷしろん - を付 ふ したものを語頭 ごとう に加 くわ える。ただし、語頭 ごとう の子音 しいん が帯 おび 気 き 音 おん の場合 ばあい は、無 む 気 き の形 かたち にした上 うえ で重複 じゅうふく される。グラスマンの法則 ほうそく も参照 さんしょう 。
加 か 音 おん
加 か 音 おん は畳 たたみ 音 おん の代 か わりになることもあった。上記 じょうき にない子音 しいん 群 ぐん および複 ふく 子音 しいん で始 はじ まる動詞 どうし と、母音 ぼいん で始 はじ まる動詞 どうし は加 か 音 おん と同 おな じ方法 ほうほう で重複 じゅうふく される。これは直 ちょく 説法 せっぽう だけでなく、完了 かんりょう 時制 じせい のすべての場合 ばあい に当 あ てはまる。
アッティカ式 しき 畳 たたみ 音 おん
後 うし ろに共鳴 きょうめい 音 おん (ときには δ でるた , γ がんま )が続 つづ き、かつ ᾰ, ε いぷしろん , ο おみくろん で始 はじ まる動詞 どうし は、語頭 ごとう の母音 ぼいん とその後 うし ろの子音 しいん からなる音節 おんせつ が重複 じゅうふく し、さらにそのあとに続 つづ く母音 ぼいん が長音 ちょうおん 化 か する。つまり、ἐρ ろー > ἐρ ろー η いーた ρ ろー , ἀν にゅー > ἀν にゅー η いーた ν にゅー , ὀλ らむだ > ὀλ らむだ ω おめが λ らむだ , ἐδ でるた > ἐδ でるた η いーた δ でるた となる。この畳 たたみ 音 おん は、その名 な とは異 こと なり実際 じっさい にはアッティカ方言 ほうげん 特有 とくゆう の現象 げんしょう ではなかったが、規則 きそく 化 か されたのがアッティカ地方 ちほう であることは確 たし かである。これは本来 ほんらい 、喉 のど 音 おん と共鳴 きょうめい 音 おん からなる子音 しいん 群 ぐん の重複 じゅうふく を伴 ともな うものであった。すなわち、ギリシア語 ご の標準 ひょうじゅん 的 てき な喉 のど 音 おん の発達 はったつ (閉鎖 へいさ 音 おん を伴 ともな う形 かたち は類推 るいすい )では *h₃l > *h₃leh₃l > ὀλ らむだ ω おめが λ らむだ である。
例外 れいがい 的 てき な畳 たたみ 音 おん は歴史 れきし 言語 げんご 学 がく 的 てき に理解 りかい できる。たとえば、λαμβάνω (語根 ごこん λ らむだ α あるふぁ β べーた - )の完了 かんりょう 幹 みき は *λ らむだ ἔληφα ではなく ε いぷしろん ἴληφα であるが、これは元々 もともと の形 かたち である σλαμβάνω (完了 かんりょう 幹 みき σ しぐま ἔσληφα )が、(準 じゅん )規則 きそく 的 てき な変化 へんか を経 へ たためである。重複 じゅうふく は、特定 とくてい の動詞 どうし の現在 げんざい 幹 みき において目 め に見 み えることもある。そのような語幹 ごかん は、語根 ごこん の語頭 ごとう の子音 しいん + ῐ の音節 おんせつ を加 くわ える。一部 いちぶ の動詞 どうし では、重複 じゅうふく の際 さい に鼻音 びおん が現 あらわ れることもある。
古代 こだい ギリシア語 ご は、ギリシア文字 もじ で書 か き表 あらわ され、大文字 おおもじ のみだった。方言 ほうげん ごとに独自 どくじ のバリエーションがあった。初期 しょき の文章 ぶんしょう は牛 ぎゅう 耕 こう 式 しき で記 しる されていたが、古典 こてん 期 き には左 ひだり 横書 よこが き が標準 ひょうじゅん となっていた。
近代 きんだい に編集 へんしゅう された古代 こだい ギリシア語 ご 文献 ぶんけん は、アクセント と気息 きそく 記号 きごう が付 ふ され、大文字 おおもじ と小文字 こもんじ が混在 こんざい する分 わ かち書 が き で書 か かれている。しかし、これらはすべて後 ご の東 ひがし ロ ろ ーマ帝国 まていこく 時代 じだい になってから導入 どうにゅう されたものである。
以下 いか に、プラトン 『ソクラテスの弁明 べんめい 』冒頭 ぼうとう 部 ぶ の様々 さまざま な表記 ひょうき のされ方 かた の例 れい を示 しめ す。
ポリトニコス(複数 ふくすう アクセント)表記 ひょうき による古代 こだい ギリシア語 ご
Ὅτ たう ι いおた μ みゅー ὲν にゅー ὑμ みゅー ε いぷしろん ῖς, ὦ ἄνδρες Ἀθηναῖο おみくろん ι いおた , πεπόνθατε ὑπ ぱい ὸ τ たう ῶν にゅー ἐμ みゅー ῶν にゅー κατηγόρων, ο おみくろん ὐκ かっぱ ο おみくろん ἶδ でるた α あるふぁ · ἐγ がんま ὼ δ でるた ᾽ ο おみくろん ὖν にゅー κ かっぱ α あるふぁ ὶ α あるふぁ ὐτ たう ὸς ὑπ ぱい ᾽ α あるふぁ ὐτ たう ῶν にゅー ὀλίγου ἐμαυτοῦ ἐπελαθόμην, ο おみくろん ὕτ たう ω おめが π ぱい ι いおた θ しーた α あるふぁ ν にゅー ῶς ἔλεγον. Καίτοι ἀληθές γ がんま ε いぷしろん ὡς ἔπος ε いぷしろん ἰπ ぱい ε いぷしろん ῖν にゅー ο おみくろん ὐδ でるた ὲν にゅー ε いぷしろん ἰρήκασιν.
エラスムス 式 しき 発音 はつおん によるラテン文字 もじ 転写 てんしゃ
Hóti mèn humeîs, ô ándres Athēnaîoi, pepónthate hupò tôn emôn katēgórōn, ouk oîda: egṑ d' oûn kaì autòs hup' autôn olígou emautoû epelathómēn, hoútō pithanôs élegon. Kaítoi alēthés ge hōs épos eipeîn oudèn eirḗkasin.
日本語 にほんご 訳 やく
あなたがたが、アテーナイの諸氏 しょし よ、私 わたし の告発 こくはつ 者 しゃ らによっていかなる心証 しんしょう を持 も つに至 いた ったかは私 わたし は存 ぞん じません。私 わたし 自身 じしん はと言 い うと、もう少 すこ しで自分 じぶん が誰 だれ なのかわからなくなるところでした。それほどの説得 せっとく 力 りょく ある話 はなし を彼 かれ ら(告発 こくはつ 者 しゃ ら)はしました。けれども本当 ほんとう のことは何 なに 一 ひと つといっていいほど語 かた りませんでした。
現代 げんだい 英語 えいご 訳 やく
What you, men of Athens, have learned from my accusers, I do not know: but I, for my part, nearly forgot who I was thanks to them since they spoke so persuasively. And yet, of the truth, they have spoken, one might say, nothing at all.
現代 げんだい における古代 こだい ギリシア語 ご [ 編集 へんしゅう ]
20世紀 せいき 初頭 しょとう までは、西洋 せいよう の教育 きょういく 制度 せいど においてラテン語 らてんご と古代 こだい ギリシア語 ご の学習 がくしゅう はカリキュラム内 ない で重要 じゅうよう な位置 いち を占 し めていた。今 いま でもヨーロッパ では、イギリス のパブリック・スクール やグラマー・スクール、イタリア の文科 ぶんか 高等 こうとう 学校 がっこう 、ドイツ の文科 ぶんか 系 けい ギムナジウム のような伝統 でんとう 校 こう ・エリート校 こう では、古代 こだい ギリシア語 ご が必修 ひっしゅう 科目 かもく や選択 せんたく 科目 かもく となっていることがある。たとえばドイツでは2006年 ねん 7月 がつ 現在 げんざい 、15000人 にん の生徒 せいと がギリシア語 ご を学 まな んでいる(ドイツ連邦 れんぽう 統計 とうけい 局 きょく 調 しら べ)。ドイツ以外 いがい にも、世界中 せかいじゅう の主要 しゅよう な大学 だいがく で西洋 せいよう 古典 こてん 学 がく としてラテン語 らてんご とともに今 いま なお教 おし えられている。
フランスでは中学 ちゅうがく 2年 ねん からラテン語 らてんご と古代 こだい ギリシア語 ご を学 まな ぶことができる。
教育 きょういく 以外 いがい の現場 げんば での用例 ようれい としては、ヨーロッパ諸 しょ 言語 げんご で専門 せんもん 用語 ようご を新造 しんぞう するときが挙 あ げられる。文学 ぶんがく 界 かい では例外 れいがい 的 てき に、ヤン・クルジェサルドが韻文 いんぶん ・散文 さんぶん を書 か いたことがある。また、『アステリックス 』がアッティカ方言 ほうげん 版 ばん で何 なん 巻 かん か出版 しゅっぱん されているほか、『ハリー・ポッターと賢者 けんじゃ の石 いし 』、『星 ほし の王子 おうじ さま 』、『ピーターラビットのおはなし 』など若干 じゃっかん の文学 ぶんがく 作品 さくひん (ほとんどは児童 じどう 文学 ぶんがく )の古代 こだい ギリシア語 ご 訳 やく もある。
主 おも にギリシア国内 こくない に限定 げんてい されるが、敬意 けいい ・賞賛 しょうさん ・嗜好 しこう を示 しめ したい団体 だんたい や個人 こじん によって用 もち いられることもある。現代 げんだい のギリシア人 じん が部分 ぶぶん 的 てき であっても古代 こだい ギリシア語 ご (アルカイック期 き は除 のぞ く)を理解 りかい できるという事実 じじつ は、現代 げんだい ギリシア語 ご とその先駆 せんく となる言語 げんご の密接 みっせつ な関係 かんけい を物語 ものがた っている。
^ 裏付 うらづ けは完全 かんぜん とは言 い えず、またアルファベットではなく音節 おんせつ 文字 もじ 表 ひょう (線 せん 文字 もじ B )で書 か かれているため、一部 いちぶ は再建 さいけん による。
^ 具体 ぐたい 的 てき にはペリクレース の死 し (前 ぜん 429年 ねん )からデーモステネース の死 し (前 ぜん 322年 ねん )までの約 やく 100年間 ねんかん 。
^ Roger D. Woodard, “Greek dialects,” The Ancient Languages of Europe , R. D. Woodard (ed.), Cambridge: Cambridge UP, 2008, p. 51.
^ 高津 たかつ 春繁 はるしげ 『ギリシア語 ご 文法 ぶんぽう 』による。最新 さいしん 版 ばん 『ブリタニカ百科 ひゃっか 事典 じてん 』のように、これより簡略 かんりゃく な分類 ぶんるい がされる場合 ばあい もある。マケドニア方言 ほうげん の位置 いち は、現在 げんざい 主流 しゅりゅう となっている最新 さいしん の学説 がくせつ を元 もと に配置 はいち した。
^ 長年 ながねん 、ギリシア語 ご に近 ちか いが別 べつ のインド・ヨーロッパ語族 ごぞく の言語 げんご と考 かんが えられていたが、ギリシアのマケドニア地域 ちいき で近年 きんねん 発見 はっけん された碑銘 ひめい やタブレットによって、北西 ほくせい ギリシア方言 ほうげん の一 ひと つと分 わ かった。
^ Roisman, Worthington, 2010, "A Companion to Ancient Macedonia", Chapter 5: Johannes Engels, "Macedonians and Greeks", p. 95:"This (i.e. Pella curse tablet) has been judged to be the most important ancient testimony to substantiate that Macedonian was a north-western Greek and mainly a Doric dialect".
^ ラテン語 らてんご では rh と表記 ひょうき された。
Roger D. Woodard, “Greek dialects,” The Ancient Languages of Europe , R. D. Woodard (ed.), Cambridge: Cambridge University Press, 2008, ISBN 9780521684958 .
Leonard R. Palmer, The Greek Language , New editon, Oklahoma: University of Oklahoma Press, 1996, ISBN 9780806128443 .
水谷 みずたに 智洋 ともひろ 『古典 こてん ギリシア語 ご 初歩 しょほ 』岩波書店 いわなみしょてん 、1990年 ねん 、ISBN 9784000008297
高津 たかつ 春繁 はるしげ 『ギリシア語 ご 文法 ぶんぽう 』岩波書店 いわなみしょてん 、1960年 ねん - 絶版 ぜっぱん 。1995年 ねん に復刊 ふっかん 、ISBN 9784000003421