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疑惑ぎわく (松本まつもと清張せいちょう)

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
疑惑ぎわく
著者ちょしゃ 松本まつもと清張せいちょう
発行はっこう 1982ねん3がつ
発行はっこうもと 文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう
ジャンル 推理すいり小説しょうせつ
くに 日本の旗 日本にっぽん
言語げんご 日本語にほんご
ページすう 238
公式こうしきサイト books.bunshun.jp
コード ISBN 978-4-16-306830-5
ISBN 978-4-16-710667-6文庫ぶんこばん
ウィキポータル 文学ぶんがく
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疑惑ぎわく』(ぎわく)は、松本まつもと清張せいちょう推理すいり小説しょうせつ。「のぼ足音あしおと」のだいで『オール讀物よみもの1982ねん2がつごう掲載けいさいされ(掲載けいさい挿絵さしえ濱野はまのあきらおや)、改題かいだいうえ同年どうねん3がつ文藝春秋ぶんげいしゅんじゅうから中篇ちゅうへん不運ふうん名前なまえ」を併録へいろくして発刊はっかんされた。

1982ねん松竹しょうちくけい映画えいがされ、またこれまで5かいテレビドラマされている。

あらすじ[編集へんしゅう]

Tしん港湾こうわん映画えいがばんでは富山とやま新港しんこうわん)の岸壁がんぺきで、鬼塚おにづか球磨くま(おにづかくまこ)とおっと白河しらかわ福太郎ふくたろうったくるまが、時速じそく40キロのスピードでうみみ、おっと死亡しぼうする事件じけんこった。球磨くまくるまから脱出だっしゅつたすかったが、保険ほけんきん殺人さつじんうたがわれ警察けいさつ逮捕たいほされる。

新聞しんぶん記者きしゃ秋谷あきや茂一もいちは、球磨くま新宿しんじゅくでのホステス時代じだいヤクザとつるんで詐欺さぎ恐喝きょうかつ傷害しょうがい事件じけんこしたこと、資産しさんである福太郎ふくたろう結婚けっこんした直後ちょくごおっと巨額きょがく生命せいめい保険ほけんをかけたことを詳細しょうさいほうじたうえで、球磨くまを「北陸ほくりくいち毒婦どくふ」と糾弾きゅうだんする署名しょめい記事きじいた。秋谷あきや記事きじ契機けいきのマスコミも追随ついずい日本にっぽんちゅう球磨くま犯行はんこううたがわないムードになった。

裁判さいばん途中とちゅうから球磨くま国選こくせん弁護人べんごにんけた佐原さはら卓吉たくきち映画えいがばんでは佐原さはら律子りつこ、2019ねんドラマばんでは佐原さはら卓子たかこ)は民事みんじせんもん刑事けいじ弁護べんご経験けいけんとぼしかった。球磨くま犯行はんこう確信かくしんする秋谷あきやは、佐原さわら状況じょうきょうくつがえちからはないとこうをくくっていた。

しかし佐原さはら意外いがいにも証人しょうにん尋問じんもん球磨くま不利ふり証言しょうげんたくみにくつがえしてゆき、球磨くま無罪むざいとなる観測かんそく出始ではじめる。球磨くま過去かこ行状ぎょうじょうから、秋谷あきや自由じゆうとなった球磨くまがヤクザをひきいて「礼参れいまい」にやってくるのではないかとおびえる。

佐原さはら球磨くま事件じけんこしたのではなく、福太郎ふくたろう無理心中むりしんじゅうはかったと推理すいり車内しゃないのこされた遺留いりゅうひんからその方法ほうほう解明かいめいして秋谷あきや説明せつめいし「彼女かのじょすくす」と自信じしんせる。

佐原さはら事務所じむしょ球磨くま無罪むざい主張しゅちょうする弁論べんろん要旨ようし執筆しっぴつする。恐怖きょうふのあまり正常せいじょう神経しんけいうしなった秋谷あきやてつパイプを事務所じむしょまえあらわれるところで物語ものがたりわる。

登場とうじょう人物じんぶつ[編集へんしゅう]

書誌しょし情報じょうほう[編集へんしゅう]

映画えいが[編集へんしゅう]

疑惑ぎわく
Suspicion
監督かんとく 野村のむら芳太郎よしたろう
脚本きゃくほん 古田ふるたもとむ
野村のむら芳太郎よしたろう
原作げんさく 松本まつもと清張せいちょう
製作せいさく 野村のむら芳太郎よしたろう
杉崎すぎさき重美しげみ
出演しゅつえんしゃ 桃井ももいかおり
岩下いわした志麻しま
音楽おんがく 芥川あくたがわ也寸志やすし
毛利もうり蔵人くろうど
撮影さつえい 川又かわまた
編集へんしゅう 太田おおた和夫かずお
製作せいさく会社かいしゃ 松竹しょうちくきりプロダクション
配給はいきゅう 松竹しょうちく富士ふじ映画えいが
公開こうかい 日本の旗 1982ねん9月18にち
上映じょうえい時間じかん 127ふん
製作せいさくこく 日本の旗 日本にっぽん
言語げんご 日本語にほんご
配給はいきゅう収入しゅうにゅう 3.7おくえん[1]
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1982ねん9月18にち公開こうかいされた。製作せいさく松竹しょうちくきりプロダクション、配給はいきゅう松竹しょうちく富士ふじ映画えいが原作げんさく焦点しょうてん新聞しんぶん記者きしゃ秋谷あきやてられているが、映画えいがでは、桃井ももいかおりえんじる被疑ひぎしゃ球磨くまと、岩下いわした志麻しまえんじる女性じょせい弁護士べんごし佐原さわら心理しんりてき関係かんけい焦点しょうてんてられている。英語えいご題名だいめいSuspicion』。現在げんざいブルーレイDVDされている。

出演しゅつえん[編集へんしゅう]

白河しらかわ鬼塚おにづか球磨くま
えんじ - 桃井ももいかおり
恐喝きょうかつ傷害しょうがいなどで前科ぜんかよんはん悪名あくめいたかおんな福太郎ふくたろうの3おくえんにものぼ保険ほけんきん受取うけとりじんとなっている。弁護士べんごしはいるが、作中さくちゅうでは保険ほけんきん殺人さつじん死刑しけい判決はんけつもありるとり、自身じしん六法全書ろっぽうぜんしょんだじょう裁判さいばんのぞんでいる。子供こどもころ養子ようしされたり、ホステスとしてはたらいたり、クラブ経営けいえい福太郎ふくたろうまえ離婚りこんれきなどもあり波乱はらんちた人生じんせいおくる。
佐原さはら律子りつこ
えんじ - 岩下いわした志麻しま
国選こくせん弁護人べんごにんとして球磨くま裁判さいばん弁護べんごする。本来ほんらい民事みんじ裁判さいばん専門せんもんだが、弁護士べんごしとして有能ゆうのう裁判さいばんちゅう感情かんじょうてき言動げんどうをする球磨くまにもりんとした態度たいど対応たいおうする。証言しょうげんしゃたちには、緩急かんきゅうをつけたはなかた証言しょうげん矛盾むじゅんてんさぐる。離婚りこん経験けいけんがあり、むすめのあやことつき一度いちどうことをたのしみにしている。

球磨くまかかわるおも人物じんぶつ[編集へんしゅう]

秋谷あきや茂一もいち
えんじ - 柄本えもとあきら
事件じけん記者きしゃ当初とうしょから福太郎ふくたろう死亡しぼう事件じけんは、球磨くまによる犯行はんこうにらんで取材しゅざいおこなう。新聞しんぶん記者きしゃとしての使命しめいかんち、したしい刑事けいじたちから情報じょうほうきこんだり、球磨くま釈明しゃくめい会見かいけん強気つよき態度たいど直接ちょくせつ疑問ぎもんをぶつけたりしている。球磨くましたしい豊崎とよさきから証言しょうげんるためちかづく。
豊崎とよさき勝雄かつお
えんじ - 鹿賀かが丈史たけし
球磨くまもとかれ。3ねんまえ詐欺さぎ事件じけんこし仮釈放かりしゃくほうちゅうで、球磨くまヒモ状態じょうたい過去かこ球磨くま前夫ぜんふ土地とち家屋かおく共謀きょうぼうしてせしめたことがある。事件じけんまえ球磨くまって福太郎ふくたろう事件じけんたような自動車じどうしゃ事故じこの『ケネディ事件じけん』についてはなしたことがあると証言しょうげんする。
白河しらかわ福太郎ふくたろう
えんじ - 仲谷なかたにのぼる
作中さくちゅうでは富山とやま有名ゆうめい白河しらかわ酒造しゅぞう社長しゃちょう球磨くまおっとでおたが再婚さいこん同士どうしくるま事故じこ(ほどなくして事件じけんあつかい)により死亡しぼう球磨くまによるとおよぎは苦手にがてだがきなこともあり、福太郎ふくたろうがいいだして多額たがく保険ほけんはいったとのこと。生前せいぜん球磨くまんでいたが、気弱きよわ性格せいかく親族しんぞく球磨くまどちらにもいいがおをしていた。

警察けいさつ関係かんけいしゃ[編集へんしゅう]

山崎やまざき捜査そうさ係長かかりちょう
えんじ - 新田にったあきらげん
直接ちょくせつ捜査そうさ仕切しき刑事けいじ保険ほけんきん殺人さつじん疑惑ぎわく釈明しゃくめい会見かいけん警察けいさつ挑発ちょうはつした球磨くま敵視てきしして捜査そうさにあたる。
小林こばやし刑事けいじ
えんじ - 河原崎かわらざき次郎じろう
事件じけん当初とうしょから球磨くま犯人はんにんめつけて捜査そうさおこなう。秋谷あきやとはかおなじみでつい情報じょうほうらす。
刑事けいじ課長かちょう
えんじ - 山本やまもときよし
かくたる証拠しょうこがない状態じょうたいでの球磨くま逮捕たいほはできないと慎重しんちょうかつ確実かくじつ態度たいど殺人さつじんによる逮捕たいほにこだわる。
佐々木ささき刑事けいじ
えんじ - 飯島いいじま大介だいすけ
球磨くまのことを苛立いらだたせる存在そんざいとして敵視てきししている。小林こばやし先輩せんぱい刑事けいじうとくちかるくなる。
浅野あさの刑事けいじ部長ぶちょう
えんじ - 梅野うめのやすしやすし
法医学ほういがく教授きょうじゅによる福太郎ふくたろう遺体いたい鑑定かんてい結果けっかけて刑事けいじたちに報告ほうこくする。
石原いしはら署長しょちょう
えんじ - 小林こばやし昭二しょうじ
事件じけん報道ほうどうがされて数日すうじつ市民しみんから警察けいさつしょ球磨くま逮捕たいほするよう抗議こうぎ殺到さっとうしたためこげる。

法曹ほうそう関係かんけいしゃ[編集へんしゅう]

宗方むなかた検事けんじ
えんじ - 小林こばやし稔侍ねんじ
ほんさく裁判さいばん検事けんじ証言しょうげんしゃたちの様々さまざま証言しょうげんなどから保険ほけんきん殺人さつじん容疑ようぎかった球磨くまきびしく追求ついきゅうする。
矢沢やざわ裁判さいばんちょう
えんじ - 内藤ないとう武敏たけとし
裁判さいばんちゅう球磨くま勝手かって発言はつげんしたり感情かんじょうてき態度たいどるため、わずらわされる。
原山はらやま正雄まさお
えんじ - 松村まつむら達雄たつお
白河しらかわ顧問こもん弁護士べんごし球磨くまから裁判さいばん弁護べんご依頼いらいされるが、土壇場どたんばになって長年ながねん持病じびょう理由りゆう弁護べんごことわる。
岡村おかむらけんこう(かねたか)
えんじ - 丹波たんば哲郎てつろう
弁護士べんごし原山はらやま大学だいがく後輩こうはい原山はらやまによると刑事けいじせんもん弁護士べんごしとしては日本にっぽん屈指くっし存在そんざいとされる。

おも証言しょうげんしゃ[編集へんしゅう]

安西あんざい教授きょうじゅ
えんじ - 小沢おざわ栄太郎えいたろう
大学だいがく医学部いがくぶ教授きょうじゅ福太郎ふくたろう遺体いたい鑑定かんていし、裁判さいばん事故じこ当時とうじ福太郎ふくたろう助手じょしゅせきすわっていたと証言しょうげんする。
藤原ふじわら好郎よしろう
えんじ - 森田もりた健作けんさく
球磨くま福太郎ふくたろうっていたくるま事故じこ目撃もくげきしゃ裁判さいばんでは、くるま運転うんてんしていたのは球磨くまだと証言しょうげんする。
堀内ほりうちとき
えんじ - 山田やまだ五十鈴いすず
東京とうきょうのクラブ経営けいえいしゃで、球磨くまもとやとぬし球磨くま福太郎ふくたろうはじめてったころのことを証言しょうげんする。
木下きのしたたもつ
えんじ - 三木みきのりへい
福太郎ふくたろう仲間なかま福太郎ふくたろうくなる1ヶ月かげつまえったときのことを証言しょうげんする。

福太郎ふくたろう親族しんぞくなど[編集へんしゅう]

白河しらかわはる
えんじ - 北林きたばやしたにさかえ
福太郎ふくたろうははまわりから『だい奥様おくさま』とばれる。結婚けっこん当初とうしょから球磨くまのことをおもっていない。
白河しらかわ宗治むねはる(むねはる)
えんじ - 丹呉たんごみのるかつ
白河しらかわ跡取あとと息子むすこ中学生ちゅうがくせい福太郎ふくたろう前妻ぜんさい球磨くまのことを『あのおんなばわりしてきらう。
島田しまだ勝行かつゆき
えんじ - 水谷みずたに貞雄さだお
福太郎ふくたろう義理ぎりおとうと福太郎ふくたろう前妻ぜんさいおとうと)。はるからおい宗治むねはる後見人こうけんにんたのまれる。
白河しらかわふじ九郎くろう
えんじ - 大森おおもり義夫よしお
親族しんぞく会議かいぎ福太郎ふくたろうに、手切てぎきんわたして悪評あくひょうたか球磨くま離縁りえんするように発言はつげんする。
白河しらかわ親族しんぞく
えんじ - 中村なかむら美代子みよこ
親族しんぞく会議かいぎで、福太郎ふくたろう球磨くま結婚けっこんについて白河しらかわ陰口かげぐちたたかれるようになったとぼやく。
岩崎いわさき専務せんむ
えんじ - 名古屋なごやあきら
白河しらかわ酒造しゅぞう専務せんむ福太郎ふくたろう球磨くま入籍にゅうせき事後じご報告ほうこくされたり、球磨くま素行そこうわるさにまわされる。

その[編集へんしゅう]

片岡かたおかさきこう
えんじ - 真野まの響子きょうこ
哲郎てつろう後妻ごさい。あやこのそだてのおやのように愛情あいじょうってあやこにせっしている。
片岡かたおか哲郎てつろう
えんじ - 伊藤いとう孝雄たかお
一人娘ひとりむすめのあやこを後妻ごさいさきこうらす。律子りつこ離婚りこんしたとき条件じょうけんとしてつきに1あやこを律子りつこわせる。
デスク
えんじ - 小美野おみの欣士
秋谷あきや同僚どうりょう記者きしゃ
えんじ - 羽生はぶ昭彦あきひこ
記者きしゃ
えんじ - 城戸きどたく
交通こうつう警官けいかん
えんじ - 森下もりした哲夫てつお
鑑識かんしき課員かいん
えんじ - 遠藤えんどうつよし
警察けいさつしょ受付うけつけ
えんじ - 小森こもり英明ひであき
弁護士べんごしかい幹部かんぶ
えんじ - 神山かみやまひろし
陪席ばいせき判事はんじ
えんじ - 加島かしまじゅん
看守かんしゅ
えんじ - 小田おだくさかい

スタッフ[編集へんしゅう]

受賞じゅしょうれき[編集へんしゅう]

  • 1982年度ねんどキネマ旬報きねまじゅんぽうベストテン」だい4
  • だい6かい日本にっぽんアカデミーしょう
    • 優秀ゆうしゅう作品さくひんしょう
    • 優秀ゆうしゅう監督かんとくしょう - 野村のむら芳太郎よしたろう
    • 優秀ゆうしゅう脚本きゃくほんしょう - 古田ふるたもとむ野村のむら芳太郎よしたろう
    • 優秀ゆうしゅう主演しゅえん女優じょゆうしょう - 桃井ももいかおり[ちゅう 1]
    • 優秀ゆうしゅう助演じょえん男優だんゆうしょう - 柄本えもとあきら[ちゅう 2]鹿賀かが丈史たけし
    • 優秀ゆうしゅう音楽おんがくしょう - 芥川あくたがわ也寸志やすし[ちゅう 3]
    • 優秀ゆうしゅう撮影さつえいしょう - 川又かわまたのぼる[ちゅう 4]
    • 優秀ゆうしゅう照明しょうめいしょう - 小力こぢから松太郎まつたろう[ちゅう 5]
    • 優秀ゆうしゅう録音ろくおんしょう - 原田はらだ真一しんいち松本まつもと隆司たかし[ちゅう 6]
  • だい37かい毎日まいにち映画えいがコンクール
    • 日本にっぽん映画えいが優秀ゆうしゅうしょう
    • 脚本きゃくほんしょう - 古田ふるたもとむ野村のむら芳太郎よしたろう
  • だい7かい報知ほうち映画えいがしょう主演しゅえん女優じょゆうしょう - 桃井ももいかおり

エピソード[編集へんしゅう]

撮影さつえいまえ[編集へんしゅう]

  • 製作せいさく発表はっぴょうは1982ねん7がつ9にち東京とうきょう帝国ていこくホテルでおこなわれたが、会見かいけんには桃井ももいかおり・岩下いわした志麻しま清張せいちょう対談たいだん設定せっていされた[ちゅう 7]。その清張せいちょうほん映画えいがのロケーションを見学けんがくし(『岡倉おかくら天心てんしん そのうちなるてき』の取材しゅざいねていた)、出演しゅつえんしゃ交流こうりゅうした。完成かんせい披露ひろう試写ししゃかいは、9月8にちまるうちピカデリーおこなわれた[2]
  • ほんさくは、1974ねん実際じっさい発生はっせいした別府べっぷ3おくえん保険ほけんきん殺人さつじん事件じけんをヒントに松本まつもと清張せいちょう小説しょうせついてもらい、それを原作げんさく映画えいが製作せいさくまった[3]映画えいが製作せいさく発表はっぴょうからまもなく、上記じょうき事件じけん被疑ひぎしゃAから、原作げんさくしゃあて手紙てがみた。『疑惑ぎわく』にかれた内容ないよう自分じぶんのことそのものであるとし、事件じけんかんする意見いけん原作げんさくしゃ要求ようきゅうするものであったが、清張せいちょう事件じけん創作そうさくのヒントにしたにすぎないとして、関与かんよことわった[4]

作中さくちゅうでのおんな同士どうしたたか[編集へんしゅう]

  • 松本まつもと完成かんせいさせた小説しょうせつ主役しゅやく男性だんせい新聞しんぶん記者きしゃだったが、野村のむら芳太郎よしたろうおんな同士どうしがぶつかり物語ものがたりつくりたいとかんがえた。また、原作げんさく内容ないようりょうもそのまま映画えいがにするにはしゃくりなかったため、野村のむら脚本きゃくほん(肩書かたがきは撮影さつえい台本だいほん)の古田ふるたもとむ主人公しゅじんこう球磨くま律子りつこ女性じょせい2にんにしたうえで、内容ないようやしてシナリオをなおすよう指示しじした[3]岩下いわした後年こうねん、「松本まつもと清張せいちょう先生せんせい原作げんさくミステリーの面白おもしろさにおんな同士どうしたたかいという要素ようそれたことが、ほんさく成功せいこうしたおおきな要因よういんだとおもいます」とひょうしている[3]
  • 律子りつことおたがいに本音ほんねをぶつけながら、球磨くま彼女かのじょしろふくにボトルりのあかワインをダラダラとかけるシーンは、元々もともと台本だいほんになかった。これは、古田ふるたがアメリカ映画えいがあい喝采かっさい日々ひび』で2人ふたり女性じょせいダンサーが本音ほんねをぶつけながらバッグでなぐうシーンにヒントを野村のむら提案ていあんし、採用さいようされたもの[3]。このシーンで律子りつこふくにワインをかける演出えんしゅつは、桃井ももいのアイディア。桃井ももいからこのあんいた岩下いわしたはワインのあかきたせるため、元々もともと用意よういされていた柄物がらもの衣装いしょうから純白じゅんぱくふくえてもらった[3]球磨くまのこの行動こうどうたいし、岩下いわしたはグラスのワインを彼女かのじょかおいきおいよくかけることで、2人ふたり対照たいしょうてき性格せいかく際立きわだたせた[3]ほんさく完成かんせい古田ふるた野村のむらから「律子りつこ球磨くま本音ほんねをぶつけうあのシーンがあったから、この映画えいがまった」との言葉ことばをもらった[3]

桃井ももいかんして[編集へんしゅう]

  • 桃井ももいかおりは、球磨くま子役こやくのオファーをけた経緯けいいつぎのようにかたっている。「週刊しゅうかんてきにはわたし自身じしんがわけもなくきらわれていて最悪さいあく状態じょうたいだったんで、「いまさらこのやくをやる必要ひつようはないでしょ」と、うちの事務所じむしょ全員ぜんいんだい反対はんたい(笑)。でも、(中略ちゅうりゃく等身とうしんだい桃井ももいネタはきたとおもっていたので、いっそすごくいやひととかダメなひとすこつくってえんじてみたい、とにかくえんじたいという気持きもちがつよかったんですね。球磨くまのようなひとだとおもわれてこそだい成功せいこうくらいの気持きもちで、おもいっきりやってみようとおもったんです」[5]
  • 桃井ももい当時とうじすごく“とがった”女優じょゆうのイメージをたれていたため、岩下いわした撮影さつえい期間きかんちゅう仕事しごと関係かんけいしゃなどから「彼女かのじょ上手うまくやれているか?」とよく心配しんぱいされた。岩下いわしたによると、「桃井ももいさんとはすぐ仲良なかよくなり、撮影さつえい合間あいま2人ふたり馬鹿ばかばなしをしたこともありました。いま(2022ねん現在げんざい)でもたまに電話でんわしゃべることもあります」とこたえている[3]
  • 桃井ももい台本だいほんんだじょうで、おおくのシーンにアドリブをれてえん[ちゅう 8][ちゅう 9]野村のむら本筋ほんすじからはぐれない範囲はんい彼女かのじょ自由じゆうにセリフをわせていた[3]たいして長年ながねん松竹しょうちく台本だいほん忠実ちゅうじつ演技えんぎするようおしえられてきた岩下いわしたは、桃井ももいのアドリブに当初とうしょ戸惑とまどった。しかし、徐々じょじょ桃井ももいわせてみずからも即興そっきょうかえせるようになり、岩下いわしたは「はじめての経験けいけん刺激しげきてきでした」と回想かいそうしている[3]

岩下いわしたかんして[編集へんしゅう]

  • 女性じょせい弁護士べんごしえんじた岩下いわした志麻しまは、ほん映画えいが専門せんもん用語ようごおおくセリフも膨大ぼうだいであり、やくづくりのため、弁護士べんごし事務所じむしょ訪問ほうもんしたり、家庭かてい裁判所さいばんしょおこなわれた実際じっさい裁判さいばんを3かいほど傍聴ぼうちょうしたりした[6][3]。そのさい弁護士べんごし相手あいてによって言葉ことばづかいをころころえていることにづき、演技えんぎれた[ちゅう 10]
  • 岩下いわした基本きほんてき作品さくひんちをほとんどしないが、ほんさくではべつ主演しゅえん映画えいがこのななつのおいに』と撮影さつえい期間きかんかさなった。このことにくわえ、撮影さつえいが7〜8がつという真夏まなつおこなわれこともあり体力たいりょく消耗しょうもうはげしく、りょう作品さくひんすべての撮影さつえい終了しゅうりょう直後ちょくご胃潰瘍いかいようにかかるなど、しばらく虚脱きょだつ状態じょうたいになったと回顧かいこしている[6][3]
  • 撮影さつえい自体じたい大変たいへんだったが、岩下いわした後年こうねん律子りつこはサバサバしていてだれたいしてもズバズバものをうタイプ。わたしはそういう女性じょせいきなので、えんじていてとてもたのしかった」と回想かいそうしている[3]

その撮影さつえいのエピソード[編集へんしゅう]

  • 自動車じどうしゃ事故じこのロケは富山とやま新港しんこう南側みなみがわ公共こうきょう埠頭ふとう西にしからひがしはしるようにおこなわれた。実況じっきょう見分けんぶん場面ばめんでは2015ねん移転いてんきゅう富山とやま商船しょうせんだかせん実習じっしゅうじょうと3代目だいめ練習れんしゅうせん若潮わかしおまるうつっている。
  • 富山とやまのロケさき桃井ももい原作げんさくしゃ食事しょくじをしたさいオコゼ唐揚からあげを注文ちゅうもんした清張せいちょうて、桃井ももいは「オコゼべちゃうんですか」とったところ、清張せいちょうは「ているからって、ぼくべちゃいけないの」とかえし、いっきに緊張きんちょうがゆるんでなごんだと桃井ももい回顧かいこしている[7]
  • 仲谷なかたにのぼるえんじた球磨くまおっと福太郎ふくたろうやくは、当初とうしょ船越ふなこし英二えいじえんじる予定よていだった。しかし脚本きゃくほんんだ船越ふなこしが、「子供こどもへの愛情あいじょうがもっとつよえがかれていればるが、このままではられない」とげた。しかし、野村のむら監督かんとくがこれにかんしては脚本きゃくほん手直てなおしを指示しじしなかったため、結局けっきょく船越ふなこしやくりた[3]
  • 岩下いわした山田やまだ五十鈴いすずは、ほんさくはつ共演きょうえんである。岩下いわしたは、女優じょゆうとしてだい先輩せんぱいである山田やまだとの共演きょうえん以前いぜんからのぞんでいたため、彼女かのじょとの撮影さつえいあさから内心ないしんウキウキしていたという[3]
  • 作中さくちゅうでは、中盤ちゅうばんだい部分ぶぶん裁判さいばんのシーンとなっている。裁判さいばんシーンは一般いっぱんてきに、おたがいに証言しょうげんだいって意見いけんをいいあうだけなので画面がめん単調たんちょうになりやすいとされる。ほんさくでは観客かんきゃくきさせない工夫くふうとして、証人しょうにん言葉ことばたいして球磨くま怒鳴どなったりあばれるなどの派手はでなリアクションをれている[3]脚本きゃくほん担当たんとうした古田ふるたほんさく完成かんせい松本まつもと清張せいちょうから「裁判さいばんシーンはよくけていた」とめられた[3]

松本まつもと清張せいちょうやスタッフにかんして[編集へんしゅう]

  • 映画えいがのラストにかんしては、原作げんさくしゃ監督かんとく野村のむら芳太郎よしたろうあいだで、意見いけん対立たいりつがあった。野村のむら弁護士べんごし事件じけん真相しんそう見破みやぶ球磨くますくわれる結末けつまつ主張しゅちょうしたのにたいし、清張せいちょうはあくまで辛口からくちわりかた主張しゅちょう結局けっきょく清張せいちょう意見いけんとおった。ほん映画えいが清張せいちょう脚本きゃくほん前半ぜんはん実際じっさい執筆しっぴつしたものの、実際じっさい映画えいが古田ふるたもとむ野村のむらいた部分ぶぶん大半たいはんめることになったとされている[ちゅう 11]脚色きゃくしょくとして清張せいちょうがクレジットされているのは、このことと上記じょうきなおしが理由りゆうとなっている[9][3]
  • 古田ふるたもとむによると、清張せいちょうほんさく完成かんせいまで脚色きゃくしょくあつかいとなったことをらされていなかった[3]。ただし清張せいちょうとくおこってはおらず、完成かんせいのパーティーで桃井ももいに「ぼくいたのとはかなりちがう。でもぼくいていないことはひとればかるよ」といながらわらっていたという[3]
  • 当時とうじ脚本きゃくほんとしてしだった古田ふるたほんさくはじめて野村のむら仕事しごとをし、かれから役者やくしゃかたなどシナリオづくりの様々さまざま技法ぎほうおそわった[3]。これにより古田ふるたほんさく脚本きゃくほんにおいて野村のむらとも映画えいが脚本きゃくほんしょう受賞じゅしょうした(上記じょうき受賞じゅしょうれき参照さんしょう)。古田ふるた後年こうねん、「ほんさくかかわれたことは、わたしがその脚本きゃくほんとしてやっていくうえでの自信じしんとなりました」とかたっている[3]

テレビドラマ[編集へんしゅう]

1992年版ねんばん[編集へんしゅう]

松本まつもと清張せいちょうスペシャル
疑惑ぎわく
ジャンル テレビドラマ
原作げんさく 松本まつもと清張せいちょう疑惑ぎわく
企画きかく 鈴木すずき哲夫てつお(フジテレビ)
脚本きゃくほん 金子かねこ成人しげと
演出えんしゅつ 長尾ながお啓司けいじ
出演しゅつえんしゃ いしだあゆみ
小林こばやし稔侍ねんじ
製作せいさく
プロデューサー 名島なじまとおる(フジテレビ)
小坂こさか一雄かずお(レオナ)
はやし悦子えつこきり企画きかく
制作せいさく フジテレビ
放送ほうそう
放送ほうそうこく地域ちいき日本の旗 日本にっぽん
放送ほうそう期間きかん1992ねん11月13にち
放送ほうそう時間じかん21:02 - 22:52
放送ほうそうわく金曜きんようエンタテイメント
回数かいすう1
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松本まつもと清張せいちょうスペシャル・疑惑ぎわく」。1992ねん11月13にち212ふん - 2252ふんに、フジテレビけいの『金曜きんようドラマシアター』で放送ほうそうされた。

キャスト

スタッフ

2003年版ねんばん[編集へんしゅう]

松本まつもと清張せいちょうぼつ10ねん特別とくべつ企画きかく
疑惑ぎわく
ジャンル テレビドラマ
原作げんさく 松本まつもと清張せいちょう疑惑ぎわく
脚本きゃくほん 竹山たけやまひろし
演出えんしゅつ 大原おおはらまこと
出演しゅつえんしゃ 佐藤さとう浩市こういち
貴美子きみこ
製作せいさく
プロデューサー 松本まつもと基弘もとひろテレビ朝日てれびあさひ
井口いぐち喜一きいち共同きょうどうテレビ)
鈴木すずき伸太郎しんたろう共同きょうどうテレビ)
制作せいさく テレビ朝日てれびあさひ
放送ほうそう
放送ほうそうこく地域ちいき日本の旗 日本にっぽん
放送ほうそう期間きかん2003ねん3月22にち
放送ほうそう時間じかん21:00 - 22:51
放送ほうそうわく土曜どようワイド劇場げきじょう
回数かいすう1

特記とっき事項じこう
土曜どようワイド劇場げきじょう25周年しゅうねん記念きねんスペシャル
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2003ねん3月22にち21 - 2251ふんに、テレビ朝日てれびあさひけいの『土曜どようワイド劇場げきじょう』で、どう番組ばんぐみの25周年しゅうねん記念きねんスペシャル、松本まつもと清張せいちょうぼつ10周年しゅうねん特別とくべつ企画きかくとして放送ほうそうされた。

キャスト

スタッフ

脚本きゃくほん竹山たけやまにとって、2000年代ねんだいはいってはじめての松本まつもと清張せいちょう作品さくひんだった[12]竹山たけやまほんさく以降いこう、2010年代ねんだい末期まっきまで、数々かずかず清張せいちょう作品さくひん脚本きゃくほん執筆しっぴつ、またほんさくについてはさらに2さくのリメイクドラマの脚本きゃくほんがけることになる。

2009年版ねんばん[編集へんしゅう]

松本まつもと清張せいちょう生誕せいたん100ねん特別とくべつ企画きかく
疑惑ぎわく
ジャンル テレビドラマ
原作げんさく 松本まつもと清張せいちょう疑惑ぎわく
脚本きゃくほん 竹山たけやまひろし
監督かんとく 藤田ふじたあきら
出演しゅつえんしゃ 田村たむら正和まさかず
沢口さわぐち靖子やすこ
音楽おんがく 沢田さわだかん
製作せいさく
プロデューサー 五十嵐いがらし文郎ふみおほか
制作せいさく テレビ朝日てれびあさひ
放送ほうそう
放送ほうそうこく地域ちいき日本の旗 日本にっぽん
放送ほうそう期間きかん2009ねん1がつ24にち
放送ほうそう時間じかん21:00 - 23:21
回数かいすう1

特記とっき事項じこう
テレビ朝日てれびあさひ開局かいきょく50周年しゅうねん記念きねん
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テレビ朝日てれびあさひ開局かいきょく50周年しゅうねん記念きねんと、松本まつもと清張せいちょう生誕せいたん100周年しゅうねん記念きねんして、2009ねん1がつ24にち21 - 2321ふんテレビ朝日てれびあさひスペシャルドラマとして放送ほうそうされた。視聴しちょうりつは18.5%(ビデオリサーチ調しらべ、関東かんとう地区ちく世帯せたい・リアルタイム)。事件じけん舞台ぶたい金沢かなざわとしている。

主役しゅやく田村たむらにとって、松本まつもと清張せいちょう作品さくひんへの出演しゅつえん1984ねん放送ほうそうの「松本まつもと清張せいちょうほね」(フジテレビ)以来いらい25ねんぶりであった。なお、カースタントではメルセデス・ベンツCクラス(W202)使用しようされた。

同局どうきょく系列けいれつ放送ほうそうされた2003ねんはんつづいて竹山たけやま脚本きゃくほん担当たんとう弁護人べんごにん被告ひこく焦点しょうてんてて脚本きゃくほん改稿かいこうくわえている。

ほんさく皮切かわきりに2012ねんまで、田村たむら毎年まいとし松本まつもと清張せいちょう作品さくひん主演しゅえん、そのも16ねん最終さいしゅう出演しゅつえんまで、清張せいちょう作品さくひんへの主演しゅえん田村たむら晩年ばんねん仕事しごとはしらひとつとなった。

2021ねん5がつ23にちほんさく田村たむら正和まさかず追悼ついとう特別とくべつ番組ばんぐみとしてさい放送ほうそうされた。

キャスト

スタッフ

おくれネットきょく

告発こくはつ国選こくせん弁護人べんごにん[編集へんしゅう]

ほんさく登場とうじょうする国選こくせん弁護士べんごし佐原さはら主人公しゅじんこう設定せっていした連続れんぞくテレビドラマ『告発こくはつ国選こくせん弁護人べんごにん』が、テレビ朝日てれびあさひけいで、2011ねん1がつ13にちから3月3にちまで放送ほうそうされた。どうドラマは、『疑惑ぎわく』にくわえ、清張せいちょうほか短編たんぺん作品さくひんをベースとしたオリジナル脚本きゃくほんもとづき制作せいさくされている(エンディングにて、「このドラマは、松本まつもと清張せいちょう原作げんさく疑惑ぎわく』を参考さんこうに、どう原作げんさく『○○』を挿入そうにゅうして、全体ぜんたいはオリジナルでつくられたフィクションです」とのテロップがながされた)。佐原さはらどうドラマちゅうでの名前なまえ卓治たくじ)は、2009年版ねんばんテレビドラマとおな田村たむら正和まさかずえんじている。

2012年版ねんばん[編集へんしゅう]

松本まつもと清張せいちょうぼつ20ねん特別とくべつ企画きかく
疑惑ぎわく
ジャンル テレビドラマ
原作げんさく 松本まつもと清張せいちょう疑惑ぎわく
脚本きゃくほん 吉本よしもと昌弘まさひろ
演出えんしゅつ 国本くにもと雅広まさひろ
出演しゅつえんしゃ 常盤貴子ときわたかこ
尾野おの真千子まちこ
製作せいさく
プロデューサー 千葉ちばゆきとぎ(ケイファクトリー)
高橋たかはしふみてん(ケイファクトリー)
制作せいさく フジテレビ
放送ほうそう
放送ほうそうこく地域ちいき日本の旗 日本にっぽん
放送ほうそう期間きかん2012ねん11月9にち
放送ほうそう時間じかん21:00 - 23:17
放送ほうそうわく金曜きんようプレステージ
回数かいすう1
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松本まつもと清張せいちょうぼつ20ねん特別とくべつ企画きかく 疑惑ぎわく」のタイトルで、2012ねん11月9にち21 - 2317ふんフジテレビけい金曜きんようプレステージ」にて放送ほうそうされた。平均へいきん視聴しちょうりつ14.3%(ビデオリサーチ調しらべ、関東かんとう地区ちく世帯せたい・リアルタイム)。

これまでのテレビドラマばんすべて、原作げんさく準拠じゅんきょ男性だんせい弁護士べんごし女性じょせい被疑ひぎしゃわせでえがかれてきたが、今回こんかい映画えいがばん同様どうよう女性じょせい弁護士べんごし被疑ひぎしゃ焦点しょうてんをあてた人物じんぶつ設定せっていり、2012ねん時代じだい裁判さいばんいん制度せいどんでいる。事件じけん舞台ぶたい新潟にいがたけんの「西にし新潟にいがた」としている。カースタントでは、BMW528i(E39)使用しようされた。

キャスト

スタッフ

2019年版ねんばん[編集へんしゅう]

テレビ朝日てれびあさひ開局かいきょく60周年しゅうねん記念きねん
松本まつもと清張せいちょうドラマスペシャル
疑惑ぎわく
ジャンル テレビドラマ
原作げんさく 松本まつもと清張せいちょう疑惑ぎわく
脚本きゃくほん 竹山たけやまひろし
演出えんしゅつ 松田まつだしげる
出演しゅつえんしゃ 米倉よねくら涼子りょうこ
黒木くろきはなほか
製作せいさく
プロデューサー みねしまあゆみ
菊地きくち裕幸ひろゆき
伊賀いが宣子のぶこ
制作せいさく テレビ朝日てれびあさひ
放送ほうそう
音声おんせい形式けいしきステレオ放送ほうそう
放送ほうそうこく地域ちいき日本の旗 日本にっぽん
放送ほうそう期間きかん2019ねん2がつ3にち
放送ほうそう時間じかん日曜にちよう21:00 - 23:05
放送ほうそうわく日曜にちようプライム
放送ほうそうぶん125ふん
回数かいすう1
公式こうしきウェブサイト
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松本まつもと清張せいちょうドラマスペシャル 疑惑ぎわく』のタイトルで、「テレビ朝日てれびあさひ開局かいきょく60周年しゅうねん記念きねん」として同局どうきょく系列けいれつの「日曜にちようプライム」にて2019ねん2がつ3にちの21 - 235ふん放送ほうそうされた[14][15]事件じけん舞台ぶたい熱海あたみとしている。また2018ねん8がつ4にち逝去せいきょした津川つがわ雅彦まさひこ遺作いさく最後さいご出演しゅつえん作品さくひんとなった[14][15][16]

キャスト

スタッフ

同局どうきょく系列けいれつ放送ほうそうされた2009ねんはんつづいて竹山たけやまどうさく3度目どめ脚本きゃくほん担当たんとう女性じょせい同士どうしたたかいの要素ようそなどをくわえ、さら脚本きゃくほん改稿かいこうした。多数たすう清張せいちょう作品さくひんがけてきた竹山たけやま脚本きゃくほん担当たんとうした、最後さいご清張せいちょう作品さくひんとなった[ちゅう 12]

舞台ぶたいばん[編集へんしゅう]

2014ねん10月4にちから26にちまで、京都きょうと四條しじょう南座みなみざにて「南座みなみざミステリー劇場げきじょう」として上演じょうえんされた。

キャスト

スタッフ

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 青春せいしゅんもん 自立じりつへん』とあわせての受賞じゅしょう
  2. ^ ふく機関きかんじゅうとうあわせての受賞じゅしょう
  3. ^ まぼろしみずうみ』とあわせての受賞じゅしょう
  4. ^ 道頓堀どうとんぼりがわ』とあわせての受賞じゅしょう
  5. ^ 道頓堀どうとんぼりがわ』とあわせての受賞じゅしょう
  6. ^ 原田はらだ松本まつもとどもに『道頓堀どうとんぼりがわ』とあわせての受賞じゅしょう
  7. ^ 疑惑ぎわく戦線せんせん-松本まつもと清張せいちょうスーパー・ドキュメントブック』(1982ねん工作こうさくしゃ)に、鼎談ていだんおとこうたがう、おんなまどわす」が収録しゅうろくされている。
  8. ^ 実際じっさいには、かく撮影さつえい前日ぜんじつみずからセリフをアレンジし、本番ほんばんではそれにわせてアドリブで動作どうさけるなどした。
  9. ^ いちれいとして、球磨くま律子りつことの初対面しょたいめんのシーンで「きらいだな〜わたし、あんたのかお」というセリフ。また、「鬼塚おにづか球磨くまって名前なまえがよくないのよ。これが“早乙女さおとめ静香しずか”とかなら印象いんしょうちがうとおもうな」というセリフも桃井ももいのアイディア[3]
  10. ^ 本人ほんにんによると、「裁判さいばんおもったのは“弁護士べんごし演技えんぎしゃ”ということ。その様子ようす参考さんこうに、ほんさくでは証人しょうにんによって質問しつもん言葉ことばづかいや表情ひょうじょう色々いろいろえました」とのこと[3]
  11. ^ 撮影さつえい川又かわまたすばる古田ふるたもとむからそのようにいたと、白井しらい佳夫よしお西村にしむら雄一郎ゆういちろうべている[8]
  12. ^ 竹山たけやま脚本きゃくほんがけた清張せいちょう原作げんさくテレビドラマは、新規しんき脚本きゃくほんぜん12さくほんさくのような改稿かいこう作品さくひんふくめるとぜん16さくにのぼる。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ 邦画ほうがフリーブッキングはいおさむベスト作品さくひん」『キネマ旬報きねまじゅんぽう1983ねん昭和しょうわ58ねん2がつ下旬げじゅんごうキネマ旬報社きねまじゅんぽうしゃ、1983ねん、117ぺーじ 
  2. ^ はやし悦子えつこ松本まつもと清張せいちょう映像えいぞう世界せかい きりにかけたゆめ』(2001ねんワイズ出版しゅっぱん)22-24ぺーじ参照さんしょう
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x 週刊しゅうかん現代げんだい2022ねん10がつ15・22にちごうしゅうげんねつ討スタジアム」・だい447かい映画えいが疑惑ぎわく』をかたろう」p140-143
  4. ^ はやし松本まつもと清張せいちょう映像えいぞう世界せかい きりにかけたゆめ』21-22ぺーじ参照さんしょう
  5. ^ 松本まつもと清張せいちょう傑作けっさく映画えいがベスト10 だい8かん 疑惑ぎわく』(2010ねん小学館しょうがくかん参照さんしょう
  6. ^ a b 岩下いわした志麻しま松本まつもと清張せいちょう先生せんせい原作げんさく映画えいが出演しゅつえんして」(『松本まつもと清張せいちょう研究けんきゅうだい13ごう(2012ねん北九州きたきゅうしゅう市立しりつ松本まつもと清張せいちょう記念きねんかん)収録しゅうろく参照さんしょう
  7. ^ 松本まつもと清張せいちょう傑作けっさく映画えいがベスト10 だい8かん 疑惑ぎわく参照さんしょう
  8. ^ 白井しらい佳夫よしお大木おおきみのる西村にしむら雄一郎ゆういちろう映画えいが張込はりこみ』撮影さつえい現場げんばからの証言しょうげん」(『松本まつもと清張せいちょう研究けんきゅうだい2ごう(1997ねんすな書房しょぼう)収録しゅうろく参照さんしょう
  9. ^ はやし松本まつもと清張せいちょう映像えいぞう世界せかい きりにかけたゆめ』22ぺーじ参照さんしょう
  10. ^ 上記じょうき・10ねんまえ映画えいがばんでは検事けんじえんじていた。とうばんではせい反対はんたい立場たちば弁護士べんごしえんじ、10ねんまえ比較ひかくしてげきちゅうでのかくがっている。
  11. ^ ほんさく脚本きゃくほん竹山たけやまが1991ねんがけた清張せいちょう作品さくひんすなうつわ』にも佐藤さとう出演しゅつえんしていた。
  12. ^ 1980年代ねんだい、90年代ねんだい清張せいちょう作品さくひん脚本きゃくほんを1さくずつがけており、ほんさく通算つうさん3さく清張せいちょう作品さくひんとなった。
  13. ^ 17ねんぶりじつに3度目どめの『疑惑ぎわく出演しゅつえんとなった。
  14. ^ a b c d e f g h i j k l 米倉よねくら涼子りょうこ津川つがわ雅彦まさひこさんをしのぶ「“人間にんげん”をかんじるほうでした」”. ORICON NEWS. オリコン. (2018ねん12月28にち). https://www.oricon.co.jp/news/2126519/full/ 2018ねん12月28にち閲覧えつらん 
  15. ^ a b 津川つがわ雅彦まさひこさん、遺作いさく清張せいちょう作品さくひん 米倉よねくら涼子りょうこ出演しゅつえんテレ朝てれあさ疑惑ぎわく」”. Sponichi Annex. スポすぽツニッポン新聞社つにっぽんしんぶんしゃ. (2018ねん8がつ9にち). https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2018/08/09/kiji/20180808s00041000446000c.html 2018ねん8がつ9にち閲覧えつらん 
  16. ^ a b c d 津川つがわ雅彦まさひこさん最後さいごのドラマはテレ朝てれあさ疑惑ぎわく来年らいねん放送ほうそう. 日刊にっかんスポーツ. (2018ねん8がつ9にち). https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201808080000915.html 2018ねん8がつ9にち閲覧えつらん 
  17. ^ テレビ朝日てれびあさひ開局かいきょく60周年しゅうねん記念きねん 松本まつもと清張せいちょうドラマスペシャル「疑惑ぎわく」の音楽おんがく担当たんとうしました。”. 住友すみともおさむじん公式こうしきサイト (2019ねん1がつ5にち). 2019ねん2がつ12にち閲覧えつらん

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]