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今日きょう風土記ふどき

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

今日きょう風土記ふどき』(こんにちのふどき)は、日本にっぽん小説しょうせつ松本まつもと清張せいちょうと、國學院大學こくがくいんだいがく教授きょうじゅ樋口ひぐち清之きよゆき共同きょうどう執筆しっぴつした日本にっぽん史跡しせき案内あんないしょである。1966ねん昭和しょうわ41ねん)から1969ねん昭和しょうわ44ねん)にかけてぜん6さつ光文社こうぶんしゃから出版しゅっぱんされた。

概要がいよう[編集へんしゅう]

1960年代ねんだいなかば、松本まつもと清張せいちょうは、ちまたあふれている旅行りょこうガイドブックがたんなる手引てびきしょわり、かれている事柄ことがらたんなるアカデミズムに終始しゅうしし、読者どくしゃ興味きょうみきにくい内容ないようであることを憂慮ゆうりょ、その土地とち簡単かんたんながめただけでってしまう旅行りょこうしゃめられるような、またむだけでも面白おもしろ手引てびしょこうとかんがえた。執筆しっぴつにあたって、史跡しせきについての情報じょうほうにこれまでの通説つうせつにとらわれないあたらしい解釈かいしゃくもとめ、國學院こくがくいん教授きょうじゅ樋口ひぐち清之きよゆき協力きょうりょくい、考古学こうこがく歴史れきしがく民族みんぞくがく地理ちりがく文学ぶんがく美術びじゅつとう見地けんちから多角たかくてき検討けんとうすることにした。松本まつもと史跡しせき辿たどたび京都きょうとからはじめ、奈良なら東京とうきょう鎌倉かまくら南紀なんき到達とうたつしてたびくくる。松本まつもと樋口ひぐちはこの旅行りょこう成果せいか原稿げんこうこし、6さつ書籍しょせきにまとめ、『今日きょう風土記ふどき』と名付なづけて1966ねんから1969ねんにかけて、光文社こうぶんしゃ歴史れきし部門ぶもん新書しんしょシリーズであるカッパ・ビブリア(BIBLIA)として出版しゅっぱん本書ほんしょ口絵くちえ写真しゃしん浅野あさの喜市きいち本文ほんぶんのイラストは昆野こんのまさる担当たんとうし、巻末かんまつにはB4ばん地図ちずされていた。日本にっぽん各地かくち史跡しせきについて、通説つうせつにとらわれず、日本にっぽん歴史れきしあたらしい視点してんでの解釈かいしゃくこころみた『今日きょう風土記ふどき』は、旅行りょこう案内あんないしょとしてだけでなく、歴史れきし随筆ずいひつとしても読者どくしゃ興味きょうみ内容ないようとして各界かくかいからたか評価ひょうかけた。

記事きじめい一覧いちらん[編集へんしゅう]

単行本たんこうぼんごと配列はいれつ表記ひょうきはカッパ・ビブリアばんる。

京都きょうとたびだい1しゅう[編集へんしゅう]

京都きょうとたびだい2しゅう[編集へんしゅう]

  • らくひがし
    • 南禅寺なんぜんじ名物めいぶつ石川いしかわゴエモンとどうふ
    • 三条さんじょう河原かわはら天皇てんのうからも将軍しょうぐんからもおかねをせしめた新撰しんせんぐみ
    • 平安へいあん神宮じんぐう平安京へいあんきょうのパレスをこの再現さいげんした
    • 鴨川かもがわうえ)-男装だんそう麗人れいじんがお芝居しばい元祖がんそ
    • 鴨川かもがわしも)-日本人にっぽんじん味覚みかくのふるさときょう料理りょうり
    • 東福寺とうふくじ重要じゅうよう文化財ぶんかざい日本にっぽん最古さいこのおトイレ
    • 泉涌寺せんにゅうじ絶世ぜっせい美女びじょ楊貴妃ようきひ面影おもかげつたえる
    • 瀬田せた唐橋からはし橋板はしいたをはずしてをまもった
    • 東山ひがしやまきょうひとびとのしんをやわらげた
  • らくきた
  • らくみなみ
    • 伏見ふしみ城下町じょうかまち武士ぶしあいてにだい繁盛はんじょうさけどころ
    • 醍醐寺だいごじ豊臣とよとみ秀吉ひでよし最後さいごはなかせた
    • 日野ひの法界寺ほうかいじ母乳ぼにゅうをさずけるおとこ薬師やくしさま
    • 勧修寺かんしゅうじ皇族こうぞくの“次男じなんさんなん”の収容しゅうよう施設しせつ
    • 大石おおいし神社じんじゃ義士ぎし内蔵助くらのすけ恩返おんがえしした浪曲ろうきょく
    • 東寺とうじ-ご本尊ほんぞんふつさまより人気にんきしゃ弘法大師こうぼうだいし
    • かにまんてら白鳳はくほうふつかに伝説でんせつ名高なだか
    • 岩船いわふねてら-お風呂ふろ信仰しんこう関係かんけいつたわる
    • 信楽しがらき帰化きかじんがはじめたきもののまち
  • らく西にし

奈良ならたび[編集へんしゅう]

東京とうきょうたび[編集へんしゅう]

  • 都心としん
    • まるうち政府せいふをあいてに財閥ざいばつだいバクチ
    • 江戸城えどじょう将軍しょうぐんさまお寝間ねまのキンセイ報告ほうこく
    • 銀座ぎんざ-おのぼりさんが新聞しんぶんしゃおがんだまち
    • ひがし銀座ぎんざ人口じんこうきゅうわり土地とちいちわり
    • しば増上寺ぞうじょうじおっと写真しゃしんいてほねになっている和宮かずのみや
    • 赤坂あかさか政党せいとう政治せいじのおかげでノシあがった花柳かりゅうかい
    • 四谷よつや左門さもんまち-“おいわさま”は貞女ていじょだった
    • 泉岳寺せんがくじしん政府せいふ人気にんきりに利用りようした
    • 品川しながわ-○さん□さんで繁盛はんじょうした遊郭ゆうかく
    • 鈴ケ森すずがもりいちにち一人ひとりずつ市民しみん処刑しょけいした
    • 目黒めぐろ幕末ばくまつ活躍かつやくした暗殺あんさつしゃのアジト
    • 渋谷しぶやだいどろぼうのをありがたく頂戴ちょうだい
    • 明治めいじ神宮じんぐう-スポーツのかみさまにしたい国民こくみんねが
    • 新宿しんじゅく馬糞ばふん宿やどいたネオンのはな
  • 台地だいち
    • 湯島ゆしまいまむかし試験しけん地獄じごく
    • 神田かんだ明神みょうじん江戸城えどじょうないをまかりとおった天下てんかまつ
    • 東京大学とうきょうだいがくあらしにゆらぐ官学かんがく大本山だいほんざん
    • 後楽園こうらくえん社用しゃようぞく草分くさわけはふく将軍しょうぐん光圀みつくに
    • 音羽おとわ池袋いけぶくろ暴力ぼうりょくバーを奨励しょうれいした門前もんぜまち
    • 上野うえの洋式ようしき競馬けいばだいいちごう池畔ちはん馬場ばば
    • 川越かわごえいもりこんで江戸えどとみ文化ぶんかった
  • 隅田川すみだがわ
    • 浅草あさくさ-ご本尊ほんぞんがあってもなくてもだいにぎわい
    • 吉原よしはら-おきゃくには極楽ごくらく遊女ゆうじょには地獄じごく
    • 向島むこうじま吉原よしわらがよいの口実こうじつ使つかわれた
    • 人形にんぎょうまち-しがねえこいじょうかたきになった
    • 深川ふかがわ俳聖はいせい表看板おもてかんばん忍者にんじゃか-芭蕉ばしょう
    • 築地つきじおんな肉体にくたい外人がいじんった政府せいふ誤算ごさん
    • 世田谷せたがや井伊いい大老たいろう暗殺あんさつ目撃もくげきした百姓ひゃくしょう
    • 深大寺じんだいじ舶来はくらいのオソバでみんなしたつづみ
    • 大国たいこくたましい神社じんじゃ神聖しんせい暗闇くらやみせい開放かいほうまつ
    • かしらづるのひとこえ上水じょうすいげんまった
    • 国分寺こくぶんじあと武蔵野むさしのはなひらく天平てんぴょう文化ぶんか
    • 多摩川たまがわ朝鮮ちょうせんじん開拓かいたくした東京とうきょう古墳こふん時代じだい

鎌倉かまくらたび[編集へんしゅう]

  • 鎌倉かまくら
    • 鶴岡つるおか八幡宮はちまんぐう尼将軍あましょうぐん政子まさこの“告白こくはくてき女性じょせいろん
    • ぜにあらい弁天べんてん-サイフのゼニがじゅうばいになるという
    • けこみてら東慶寺とうけいじ)-夫婦ふうふわかれの調停ちょうていでいそがしいおぼうさん
    • 瑞泉寺ずいせんじはな精進しょうじん料理りょうり千客万来せんきゃくばんらい
    • やぐら洞窟どうくつのなかにゆめ極楽浄土ごくらくじょうど
    • 辻説法つじせっぽうあと大町おおまち小町こまち)-街頭がいとう演説えんぜつ善男善女ぜんなんぜんにょすくった日蓮にちれん
    • 由比ケ浜ゆいがはま外国がいこくかぶれがたたったぼっちゃん将軍しょうぐん
    • 建長寺けんちょうじ円覚寺えんかくじ鎌倉かまくら五山ごさん)-鎌倉かまくら武士ぶしにカツをれた
    • 覚園寺えんかくじ中世ちゅうせい美術びじゅつ宝庫ほうこ ぼとけさまのだい集団しゅうだん
    • 鎌倉かまくらアルプス(切通きりどおし、井戸いど)-ヨロイがおもくてのぼれなかった
    • 大仏だいぶつ津波つなみいえながされた美男びなんのみほとけ
    • 長谷ながたに観音かんのんうみ漂流ひょうりゅうしてきた観音かんのんさま
    • 七里ヶ浜しちりがはま頼朝よりともをつけた砂鉄さてつだい産地さんち
    • 江ノ島えのしまおんなかげ威力いりょくてきまいらせた文覚もんがく上人しょうにん
    • 江ノ島えのしま神社じんじゃ-ご利益りやくもありがたい肉体美にくたいび弁天べんてんさま
    • 稲村ヶ崎いなむらがさきろくひゃくねんにバレた新田にった義貞よしさだだい虐殺ぎゃくさつ
    • 和賀わが江ノ島えのしま中国ちゅうごくせん出入でいりでにぎわった貿易ぼうえきこう
    • 幕府ばくふあと頼朝よりとも政子まさこはか)-しん肥料ひりょう人糞じんぷんひゃくよんじゅうねんたもった
    • だんかずらまちづくりの中心ちゅうしん八幡やはたさまの参道さんどう
    • 遊行ゆぎょうてらてき味方みかた供養くようした博愛はくあい主義しゅぎのおぼうさん
  • 箱根はこね
    • 箱根はこね関所せきしょあと相撲すもう見物けんぶつがお役人やくにんのリクリエーション
    • 箱根はこね温泉おんせん太閤たいこうさまもひと風呂ふろあびた
    • 早雲寺そううんじ枯山水かれさんすいのおにわもある戦国せんごく時代じだいのトリデ
    • 小田原おだわら人気にんき役者やくしゃ使つかってくすり宣伝せんでんした中国人ちゅうごくじん
    • 箱根山はこねやま箱根はこね神社じんじゃ)-しん々も宿やどった天下てんかけん
  • 伊豆いず

南紀なんきたび[編集へんしゅう]

出版しゅっぱん記録きろく[編集へんしゅう]

特記とっきあるもの以外いがい絶版ぜっぱん

  • 京都きょうとたびだい1しゅう 1966ねん 光文社こうぶんしゃ (カッパ・ビブリア)
  • 京都きょうとたびだい1しゅう 1985ねん 光文社こうぶんしゃ (文庫ぶんこ
  • 京都きょうとたびだい1しゅう 1995ねん 光文社こうぶんしゃ (名著めいちょ復刻ふっこくカッパ・ブックス)
  • 奈良ならたび』 1966ねん 光文社こうぶんしゃ (カッパ・ビブリア)
  • 奈良ならたび』 1984ねん 光文社こうぶんしゃ (文庫ぶんこ
  • 東京とうきょうたび』 1966ねん 光文社こうぶんしゃ (カッパ・ビブリア)
  • 東京とうきょうたび』 1985ねん 光文社こうぶんしゃ (文庫ぶんこ
  • 京都きょうとたびだい2しゅう 1967ねん 光文社こうぶんしゃ (カッパ・ビブリア)
  • 京都きょうとたびだい2しゅう 1984ねん 光文社こうぶんしゃ (文庫ぶんこ
  • 京都きょうとたびだい2しゅう 1995ねん 光文社こうぶんしゃ (名著めいちょ復刻ふっこくカッパ・ブックス)刊行かんこうちゅう
  • 鎌倉かまくらたび』 1967ねん 光文社こうぶんしゃ (カッパ・ビブリア)
  • 鎌倉かまくらたび』 1985ねん 光文社こうぶんしゃ (文庫ぶんこ
  • 南紀なんきたび』 1969ねん 光文社こうぶんしゃ (カッパ・ビブリア)