科学 かがく 的 てき 方法 ほうほう (かがくてきほうほう、英 えい : scientific method )は、知識 ちしき を獲得 かくとく するための経験 けいけん 的 てき 方法 ほうほう である。科学 かがく 的 てき 手法 しゅほう 、科学 かがく 的 てき 検証 けんしょう などとも呼 よ ばれている。
科学 かがく 的 てき 方法 ほうほう の意味 いみ と概略 がいりゃく [ ソースを編集 へんしゅう ]
科学 かがく 的 てき 方法 ほうほう とは、断片 だんぺん 化 か された散在 さんざい している雑 ざつ 情報 じょうほう あるいは、「新 あら たに実験 じっけん や観測 かんそく をする必要 ひつよう がある未 み 解明 かいめい な対象 たいしょう 」に関連 かんれん 性 せい 、法則 ほうそく を見出 みいだ し、立証 りっしょう するための体系 たいけい 的 てき 方法 ほうほう である。
「科学 かがく 的 てき 」という言葉 ことば についての辞書 じしょ 的 てき 定義 ていぎ として、国語 こくご 辞典 じてん (デジタル大辞泉 だいじせん )には以下 いか のように記載 きさい されている[1] 。
考 かんが え方 かた や行動 こうどう のしかたが、論理 ろんり 的 てき 、実証 じっしょう 的 てき で、系統 けいとう 立 た っているさま。
特 とく に自然 しぜん 科学 かがく の方法 ほうほう に合 あ っているさま。
「すべてのアメリカ人 じん のための科学 かがく 」では、調査 ちょうさ 、論証 ろんしょう 、あるいはそれらの手法 しゅほう が、科学 かがく 的 てき であるために必要 ひつよう な要件 ようけん として、証拠 しょうこ 、推論 すいろん 過程 かてい 、結論 けつろん に関 かん するいくつかの特徴 とくちょう 、及 およ び調査 ちょうさ 手段 しゅだん におけるいくつかの特徴 とくちょう (仮説 かせつ -検証 けんしょう 型 がた 等 とう )に関 かん して、ある程度 ていど の共通 きょうつう 理解 りかい が存在 そんざい する、とされた[2] 。
しかしながら科学 かがく 的 てき 方法 ほうほう に関 かん する具体 ぐたい 的 てき な指針 ししん については、さまざまな時代 じだい の、様々 さまざま な者 もの が発言 はつげん を行 おこな っている。
「発言 はつげん 者 しゃ の立場 たちば 」に基 もと づいて大別 たいべつ すると、科学 かがく 者 しゃ 、技術 ぎじゅつ 者 しゃ などの科学 かがく サイドの人間 にんげん によるものと、哲学 てつがく 者 しゃ 、社会 しゃかい 学者 がくしゃ 、教育 きょういく 学者 がくしゃ 等 ひとし の社会 しゃかい 的 てき サイドの人間 にんげん によるものがあり、概 がい して両者 りょうしゃ の間 あいだ には温度 おんど 差 さ がある[3] 。
科学 かがく が満 み たす「一定 いってい の基準 きじゅん とはそもそも何 なに か」という問題 もんだい は諸 しょ 論 ろん があるが、大 おお まかにいえば、その推論 すいろん 過程 かてい において「適切 てきせつ な証拠 しょうこ から、適切 てきせつ な推論 すいろん 過程 かてい によって推論 すいろん されていること」[4] 、「仮説 かせつ 検証 けんしょう 型 がた 」[4] の調査 ちょうさ プロセスが要求 ようきゅう される。また、扱 あつか う対象 たいしょう が、測定 そくてい 、定量 ていりょう 化 か が可能 かのう であることが望 のぞ まれることも多 おお い。
放送大学 ほうそうだいがく の濱田 はまだ 嘉昭 よしあき によれば、科学 かがく 的 てき な方法 ほうほう の古典 こてん 的 てき な基本 きほん は、17世紀 せいき にデカルト が『方法 ほうほう 序説 じょせつ 』で示 しめ した以下 いか の原則 げんそく である[5] [6] 。
明瞭 めいりょう 判明 はんめい の規則 きそく
明 あき らかに真理 しんり と認 みと められたものだけを判断 はんだん の基準 きじゅん とする。
要素 ようそ 分解 ぶんかい
解決 かいけつ 可能 かのう な要素 ようそ に分解 ぶんかい して考察 こうさつ する。
具体 ぐたい から抽象 ちゅうしょう へ
単純 たんじゅん なものから複雑 ふくざつ なものへと順番 じゅんばん に認識 にんしき をすすめる。
総合 そうごう
見落 みお としがないことを十分 じゅうぶん に確 たし かめて、完全 かんぜん な列挙 れっきょ と再 さい 構成 こうせい により全体 ぜんたい を再 さい 構成 こうせい する。
これは17世紀 せいき に提示 ていじ されたものであるが「現在 げんざい でも研究 けんきゅう 論文 ろんぶん を書 か きあげる指針 ししん として十 じゅう 分光 ぶんこう を放 はな つものである」という。
現代 げんだい における科学 かがく 的 てき な方法 ほうほう [ ソースを編集 へんしゅう ]
「科学 かがく 的 てき 方法 ほうほう 」についての言及 げんきゅう は、さまざまなものがある[注釈 ちゅうしゃく 1] 。
2009年 ねん の『高等 こうとう 学校 がっこう 学習 がくしゅう 指導 しどう 要領 ようりょう 解説 かいせつ 理科 りか 編 へん 』119頁 ぺーじ には、「理科 りか 課題 かだい 研究 けんきゅう の目的 もくてき 」として、以下 いか のような解説 かいせつ がなされている
[7] 。
「科学 かがく に関 かん する課題 かだい を設定 せってい し」とあるのは,自然 しぜん や科学 かがく 技術 ぎじゅつ に関 かん して観察 かんさつ ,実験 じっけん などの探究 たんきゅう 的 てき な活動 かつどう を通 つう じて習得 しゅうとく した探究 たんきゅう の方法 ほうほう を用 もち いることにより解決 かいけつ できる課題 かだい を設定 せってい することを示 しめ している。
「観察 かんさつ ,実験 じっけん などを通 とお して研究 けんきゅう を行 おこな い」とあるのは,仮説 かせつ の設定 せってい ,実験 じっけん の計画 けいかく ,実験 じっけん による検証 けんしょう ,実験 じっけん データの分析 ぶんせき ・解釈 かいしゃく ,推論 すいろん など探究 たんきゅう の方法 ほうほう にしたがって研究 けんきゅう を進 すす めることを示 しめ している。
「科学 かがく 的 てき に探究 たんきゅう する能力 のうりょく と態度 たいど を育 そだ てる」とあるのは,探究 たんきゅう の方法 ほうほう を用 もち いて研究 けんきゅう を行 おこな う過程 かてい で,設定 せってい した課題 かだい を科学 かがく 的 てき に解決 かいけつ する方法 ほうほう を見 み いだす能力 のうりょく と態度 たいど を育成 いくせい することを示 しめ している。
「創造 そうぞう 性 せい の基礎 きそ を培 つちか う」とあるのは,研究 けんきゅう の実施 じっし や報告 ほうこく 書 しょ の作成 さくせい を通 とお して,研究 けんきゅう においては独自 どくじ 性 せい が重要 じゅうよう であることに気付 きづ かせ,創造 そうぞう 的 てき な思考 しこう 力 りょく を養 やしな うことを示 しめ している。そのためには,文献 ぶんけん 等 とう の調査 ちょうさ ,研究 けんきゅう に必要 ひつよう な器具 きぐ や装置 そうち の製作 せいさく などについて,適切 てきせつ な助言 じょげん が必要 ひつよう である。
上記 じょうき の「探究 たんきゅう の方法 ほうほう 」、「科学 かがく 的 てき に探究 たんきゅう する能力 のうりょく と態度 たいど 」等 とう の要件 ようけん 定義 ていぎ から、科学 かがく 的 てき な方法 ほうほう (「探究 たんきゅう 」)の特徴 とくちょう に関 かん する規定 きてい がある程度 ていど 読 よ み取 と れる。
世界 せかい 各国 かっこく を見渡 みわた すと[8] 、一 ひと つとしてアメリカ科学 かがく 振興 しんこう 協会 きょうかい が1989年 ねん に提出 ていしゅつ した報告 ほうこく 書 しょ 、「すべてのアメリカ人 じん の科学 かがく 」[2] [注釈 ちゅうしゃく 2] がある。
「すべてのアメリカ人 じん の科学 かがく 」(SFAA)は、草 くさ 記 き 、審査 しんさ 、承認 しょうにん に関 かん して、さまざまな領域 りょういき から、世界 せかい 的 てき に権威 けんい を認 みと められた者 もの が多数 たすう 関 かか わっている点 てん に特徴 とくちょう がある[2] 。F. James Rutherford は、(その文書 ぶんしょ の編纂 へんさん に携 たずさ わったひとりだが)同 どう 文書 ぶんしょ について、「(いろいろありはしたが)結果 けっか としては「多 おお くの地域 ちいき の科学 かがく 者 しゃ たちは、“尊敬 そんけい されるメンバーが行 おこな った表明 ひょうめい として”受 う け入 い れてくれた」と主張 しゅちょう した[2] 。
だが、この文書 ぶんしょ には多 おお くの免責 めんせき 事項 じこう が書 か かれている。例 たと えば、
F. James Rutherford は同 どう 文書 ぶんしょ の「日本 にっぽん 向 む けの序文 じょぶん 」の中 なか で、以下 いか のような免責 めんせき 事項 じこう を述 の べている。たとえば、同書 どうしょ の名前 なまえ として『すべてのアメリカ人 じん のための科学 かがく 』といった、米国 べいこく 限定 げんてい であるようなタイトルをついていることについて、「この文書 ぶんしょ の作成 さくせい には、基本 きほん 的 てき に他国 たこく の科学 かがく 者 しゃ が参加 さんか しておらず、他国 たこく の優秀 ゆうしゅう な科学 かがく 者 しゃ の見解 けんかい が反映 はんえい されていないことから、これを勝手 かって に「すべての人 ひと のための科学 かがく 」としてしまっては、他国 たこく の科学 かがく 者 しゃ たちがそれぞれの見解 けんかい を表明 ひょうめい するという権限 けんげん を侵 おか してしまう可能 かのう 性 せい があり、そうはしなかった」と述 の べている。またラザフォードは、この『すべてのアメリカ人 じん のための科学 かがく 』も、(そして、他 た のいかなる刊行 かんこう 物 ぶつ も)1冊 さつ では科学 かがく 的 てき リテラシーを保証 ほしょう するものとはならないと述 の べてこの冊子 さっし で提示 ていじ できることがらの限度 げんど に対 たい し一定 いってい の理解 りかい を示 しめ している。
同 どう 文書 ぶんしょ などでは、「科学 かがく 的 てき な方法 ほうほう の特徴 とくちょう は、論証 ろんしょう 過程 かてい と調査 ちょうさ プロセスに顕著 けんちょ に認 みと められる」とした[2] [注釈 ちゅうしゃく 3] 記述 きじゅつ がみられる。論証 ろんしょう 過程 かてい においては、以下 いか のような記述 きじゅつ がある。
基本 きほん 的 てき なことを言 い えば、様々 さまざま な科学 かがく 的 てき 学問 がくもん は次 つぎ のような点 てん では似通 にかよ っている。すなわち、証拠 しょうこ に依拠 いきょ していること、仮説 かせつ と理論 りろん を使用 しよう しているということ、また用 もち いられる論理 ろんり の種類 しゅるい 、である[9] [10] 。とは言 い うものの、科学 かがく 全 すべ てが同一 どういつ の特徴 とくちょう を有 ゆう しているというわけではなく、異 こと なる点 てん も多々 たた ある[9] [10] 。たとえば科学 かがく 者 しゃ ごとに、研究 けんきゅう する現象 げんしょう 、活動 かつどう に取 と り組 く む姿勢 しせい 、歴史 れきし 的 てき データを用 もち いるか実験 じっけん 的 てき 発見 はっけん を用 もち いるのか、手法 しゅほう が定性的 ていせいてき なのか定量 ていりょう 的 てき なのか、基本 きほん 原理 げんり への依拠 いきょ の程度 ていど 、他 た の科学 かがく の所見 しょけん をどの程度 ていど 重視 じゅうし するか、などの点 てん では大 おお きく異 こと なっている[9] [10] 。
上記 じょうき の記述 きじゅつ において、「証拠 しょうこ に依拠 いきょ していること、仮説 かせつ と理論 りろん を使用 しよう しているということ、また用 もち いられる論理 ろんり の種類 しゅるい に共通 きょうつう 性 せい があること」が、科学 かがく 的 てき 学問 がくもん の間 あいだ で、特 とく に類似 るいじ 性 せい の高 たか い部分 ぶぶん としている[10] 。
また、一般 いっぱん に、論理 ろんり の妥当 だとう 性 せい に関 かん しては以下 いか の点 てん が必要 ひつよう である[4] 。
「適切 てきせつ な証拠 しょうこ への依存 いぞん 」
「明確 めいかく な結論 けつろん の存在 そんざい 」
「証拠 しょうこ と結論 けつろん を結 むす ぶ適切 てきせつ な推論 すいろん 過程 かてい の存在 そんざい 」
これらについて、以下 いか のような記述 きじゅつ が本文 ほんぶん [10] に記載 きさい されている(下線 かせん は本 ほん 記事 きじ の執筆 しっぴつ 者 しゃ による)。
科学 かがく は証拠 しょうこ を要求 ようきゅう する遅 おそ かれ早 はや かれ,科学 かがく 的 てき 主張 しゅちょう の妥当 だとう 性 せい は現象 げんしょう を観察 かんさつ することで解決 かいけつ される。したがって,科学 かがく 者 しゃ は正確 せいかく なデータを収集 しゅうしゅう することに努力 どりょく する。
仮説 かせつ や理論 りろん の形成 けいせい にはあらゆる種類 しゅるい の想像 そうぞう 力 りょく や思考 しこう 力 りょく が利用 りよう されるが,遅 おそ かれ早 はや かれ,どのような科学 かがく 的 てき 主張 しゅちょう であっても論理 ろんり 的 てき 推論 すいろん の原則 げんそく に合致 がっち しなければならない。すなわち、
推論 すいろん ,実証 じっしょう ,常識 じょうしき に関 かん する一定 いってい 規準 きじゅん を適用 てきよう することで,主張 しゅちょう の有効 ゆうこう 性 せい は試 ため されなければならないのである。科学 かがく 者 しゃ は,しばしば特定 とくてい の証拠 しょうこ の価値 かち や特定 とくてい の想定 そうてい の妥当 だとう 性 せい について見解 けんかい が異 こと なるため,正当 せいとう 化 か すべき結論 けつろん に関 かん する見解 けんかい が異 こと なることがある。しかし,証拠 しょうこ と想定 そうてい を結論 けつろん に結 むす びつけるための論理 ろんり 的 てき 推論 すいろん の原則 げんそく については,科学 かがく 者 しゃ の見解 けんかい は一 いち
致 いた する傾向 けいこう にある 。
これに加 くわ え、以下 いか のようなことも述 の べている。
論理 ろんり と証拠 しょうこ に関 かん する詳細 しょうさい な調査 ちょうさ は必要 ひつよう なものではあるが,これだけでは科学 かがく の発展 はってん にとって十分 じゅうぶん ではない。科学 かがく 的 てき 概念 がいねん は,データや実施 じっし された多 おお くの分析 ぶんせき から自動的 じどうてき に発生 はっせい するわけではない。
調査 ちょうさ プロセスにおいても、いくつかの免責 めんせき 事項 じこう がつくが、以下 いか のような記述 きじゅつ がある。
科学 かがく 者 しゃ が常 つね に従 したが っているような決 き まった一連 いちれん の手順 てじゅん などというものは無 な い[9] [10] 。また、“誤 あやま ることなく科学 かがく 的 てき 知識 ちしき に導 みちび いてくれる単一 たんいつ の道筋 みちすじ ”などというものも無 な い[9] [10] 。それでも科学 かがく には、探究 たんきゅう モデルとして他 ほか とは異 こと なった性質 せいしつ をもたらしているような、何 なん らかの特徴 とくちょう がある[9] [10] 。
現代 げんだい の科学 かがく 的 てき な方法 ほうほう においては、一 ひと つの現象 げんしょう を説明 せつめい する場合 ばあい に、"「なぜそうなるのか」という哲学 てつがく 的 てき な問題 もんだい は棚上 たなあげ し、「その現象 げんしょう がどのようにふるまうのか」に着眼 ちゃくがん する傾向 けいこう がある[11] "とファインマンは指摘 してき した。
この意味 いみ で、科学 かがく 的 てき な方法 ほうほう においては結論 けつろん の提示 ていじ は現実 げんじつ の物理 ぶつり 現象 げんしょう 、社会 しゃかい 現象 げんしょう などを定性的 ていせいてき /定量 ていりょう 的 てき に説明 せつめい する具体 ぐたい 的 てき なモデル[12] を提示 ていじ する形 かたち で行 おこな われる傾向 けいこう がある[5] 。
また、多 おお くの科学 かがく 的 てき 理論 りろん の成否 せいひ は実験 じっけん によって判定 はんてい されるが、理論 りろん の成否 せいひ は「シロ」か「クロ」というような幼稚 ようち な二元論 にげんろん で判定 はんてい されるのではなく、
信頼 しんらい 性 せい や有意 ゆうい 性 せい 、当 あ てはまりのよさといった統計 とうけい 的 てき な尺度 しゃくど で良 よ し悪 あ しを判定 はんてい され、その値 ね は良 よ し悪 あ しはスペクトラム状 じょう (無 む 段階 だんかい 、連続 れんぞく 的 てき )に広 ひろ がっている。
従 したが って、現代 げんだい の科学 かがく 的 てき 手法 しゅほう で得 え られた結果 けっか や結論 けつろん に対 たい しては、当 あ てはまりの良 よ さや有意 ゆうい 性 せい を表 あらわ す数字 すうじ がつけられることが多 おお い。また、同 おな じ事柄 ことがら に関 かん して
複数 ふくすう の等価 とうか でない理論 りろん が並立 へいりつ することもあり、それぞれの理論 りろん は別々 べつべつ の結果 けっか を算出 さんしゅつ することもよくある。そして別々 べつべつ の結果 けっか であっても、あてはまりのよさが同 どう 程度 ていど であったとした場合 ばあい には「同 どう 程度 ていど に正 ただ しい」ことになる。
結論 けつろん の成否 せいひ は証拠 しょうこ となる事実 じじつ の取得 しゅとく 方法 ほうほう 、処理 しょり 方法 ほうほう 、推論 すいろん 過程 かてい の適切 てきせつ さの判断 はんだん となる[4] 。しかしながらこの問題 もんだい は評価 ひょうか の問題 もんだい を含 ふく む。また分野 ぶんや 間 あいだ 、研究 けんきゅう 者 しゃ 間 あいだ によってデータの処理 しょり 方法 ほうほう や実験 じっけん 的 てき 所見 しょけん 、定性的 ていせいてき 又 また は定量 ていりょう 的 てき 手法 しゅほう 等 とう が異 こと なる[2] 。
「適切 てきせつ さ」の問題 もんだい について、科学 かがく 哲学 てつがく 者 しゃ の戸田 とだ 山 さん 和久 わぐ は、[13] は、以下 いか のように述 の べている。
"科学 かがく が扱 あつか っているのはすべて理論 りろん であって、その中 なか により良 よ い理論 りろん と、あまり良 よ くない理論 りろん がある。科学 かがく の目的 もくてき は、理論 りろん をほんの少 すこ しでもより良 よ いものにしていくことだ"([13] P23)
即 すなわ ち、不適切 ふてきせつ (黒 くろ )と適切 てきせつ (白 しろ )の間 あいだ はスパッと二 に 分 ふん できるものではなく、スペクトラム状 じょう に広 ひろ がっているものだという考 かんが え方 かた である。
戸田 とだ 山 さん によると、「“より”良 よ い仮説 かせつ や理論 りろん の基準 きじゅん 」とは、以下 いか のようなものとしている([13] P39)。
より多 おお くの新奇 しんき な予言 よげん を出 だ してそれを当 あ てることができる。
アドホック(その場 ば しのぎ)の仮定 かてい や正体 しょうたい 不明 ふめい ・原因 げんいん 不明 ふめい の要素 ようそ をなるべく含 ふく まない。
すでに分 わ かっているより多 おお くのことがらを、できるだけたくさん/できるだけ同 おな じ仕方 しかた で説明 せつめい してくれる。
また、戸田 とだ 山 さん は、科学 かがく 的 てき 良 よ い理論 りろん には次 つぎ の特徴 とくちょう があると述 の べている([13] P148)。
実 みの り豊 ゆた かである。未知 みち の現象 げんしょう がたくさん予言 よげん され、当 あ たってきたなど。
守備 しゅび 範囲 はんい が広 ひろ い。予言 よげん されたり説明 せつめい されたりする現象 げんしょう が広範囲 こうはんい に及 およ ぶ。
一定 いってい の実績 じっせき のある別 べつ の理論 りろん を内包 ないほう していること。(ex:量子力学 りょうしりきがく は、エーレンフェストの定理 ていり 等 ひとし により古典 こてん 力学 りきがく を含 ふく む)
シンプルであること。
さらに、科学 かがく 的 てき によくない理論 りろん としては、「反証 はんしょう 可能 かのう 性 せい 」という観点 かんてん から[注釈 ちゅうしゃく 1] 以下 いか のような特徴 とくちょう があるともしている([13] P140)。
仮説 かせつ を曖昧 あいまい な言葉 ことば で述 の べる。あるいはほとんど反証 はんしょう 例 れい のありえない、いつでも成 な り立 た つような仕方 しかた で与 あた えることで、反証 はんしょう 条件 じょうけん をはっきり与 あた えない。
仮説 かせつ の反証 はんしょう 条件 じょうけん ははっきり与 あた えられていても、反証 はんしょう 条件 じょうけん を満 み たす反証 はんしょう 例 れい が現 あらわ れたときにアドホックな仮説 かせつ を付 つ けたしたりして仮説 かせつ をいつまでも守 まも るようなことを行 おこな う。
但 ただ し、戸田 とだ 山 さん は以下 いか のようにも述 の べている、
反証 はんしょう 例 れい から仮説 かせつ を守 まも るため、補助 ほじょ 仮説 かせつ が置 お かれるときに、ちゃんとした科学 かがく では補助 ほじょ 仮説 かせつ の置 お き方 かた が合理 ごうり 的 てき で、疑似 ぎじ 科学 かがく はそうでないという特徴 とくちょう がある(([13] P148 より引用 いんよう ))。
さらに、戸田 とだ 山 さん は、「アドホックな仮説 かせつ を継 つ ぎ足 た すこと」については、特 とく に実 みの りの多 おお い理論 りろん に対 たい して少数 しょうすう の反証 はんしょう 例 れい から一 ひと つの理論 りろん を全 ぜん 否定 ひてい することは通常 つうじょう はないと指摘 してき していて、
アドホックな仮説 かせつ を継 つ ぎ足 た すことが結果 けっか としてよかった例 れい も多数 たすう あることにも具体 ぐたい 例 れい を挙 あ げて言及 げんきゅう している(アドホックな仮説 かせつ を継 つ ぎ足 た すことが失敗 しっぱい に終 お わった事例 じれい にも言及 げんきゅう している)。
科学 かがく 哲学 てつがく 者 しゃ の戸田 とだ 山 さん 和久 わぐ は、科学 かがく を示 しめ す用語 ようご は、大 おお きく、以下 いか のA群 ぐん ,B群 ぐん の2種類 しゅるい に分 わ けられると述 の べている[13] 。操作 そうさ 主義 しゅぎ 的 てき 定義 ていぎ の立場 たちば に立 た つと、科学 かがく 的 てき 方法 ほうほう とは、以下 いか のB群 ぐん の言葉 ことば 達 たち によって特徴 とくちょう づけられる方法 ほうほう 論 ろん と言 い うことも出来 でき る。
A群 ぐん :科学 かがく が取 と り扱 あつか う現象 げんしょう や対象 たいしょう ,知見 ちけん そのものを表 あらわ すための言葉 ことば
(例 れい )DNA,RNA,電磁 でんじ 誘導 ゆうどう ,…
B群 ぐん :科学 かがく 的 てき な方法 ほうほう 論 ろん の特徴 とくちょう 付 づけ に供 きょう される言葉 ことば
(例 れい )仮説 かせつ ,検証 けんしょう ,推論 すいろん 過程 かてい ,アブダクション,…
即 すなわ ち、B群 ぐん で特徴 とくちょう づけられるような言葉 ことば や手法 しゅほう を用 もち いて、A群 ぐん で特徴 とくちょう づけられることについて、「予測 よそく 」すること、「技術 ぎじゅつ 的 てき な応用 おうよう を与 あた えること」、そして「説明 せつめい 」することが科学 かがく 的 てき 方法 ほうほう の特徴 とくちょう づけとする立場 たちば である。「説明 せつめい 」について、戸田 とだ 山 さん は、([13] P73)以下 いか のように分類 ぶんるい している。
原因 げんいん (因果 いんが 関係 かんけい )を突 つ き止 と めること
一般 いっぱん 的 てき ・普遍 ふへん 的 てき な仮説 かせつ /理論 りろん から、より特殊 とくしゅ な仮説 かせつ /理論 りろん を導 みちび くこと
正体 しょうたい (メカニズム)を突 つ き止 と めること
現在 げんざい 、科学 かがく が再現 さいげん 性 せい の危機 きき に瀕 ひん し、科学 かがく 界 かい が新 あら たな方法 ほうほう 論 ろん を模索 もさく する中 なか 、統計 とうけい 学 がく と人工 じんこう 知能 ちのう の自然 しぜん 言語 げんご 処理 しょり や機械 きかい 学習 がくしゅう の技術 ぎじゅつ を組 く み合 あ わせて、現代 げんだい における科学 かがく 的 てき 方法 ほうほう の厳密 げんみつ 性 せい を評価 ひょうか する手法 しゅほう も生 う み出 だ されている[14] 。
科学 かがく 的 てき な方法 ほうほう が取 と り扱 あつか い得 え る対象 たいしょう については、科学 かがく 者 しゃ の間 あいだ でしばしば見解 けんかい の相違 そうい が見 み られる。一般 いっぱん に「科学 かがく 的 てき な方法 ほうほう 」の適用 てきよう 範囲 はんい については人 ひと によって意見 いけん が異 こと なり、対象 たいしょう を限定 げんてい する議論 ぎろん は極 きわ めて難 むずか しい。その理由 りゆう は、個々 ここ の研究 けんきゅう 者 しゃ 間 あいだ で証拠 しょうこ の妥当 だとう 性 せい や扱 あつか う対象 たいしょう の価値 かち 判断 はんだん が異 こと なるためである[2] [5] [15] 。
この節 ふし には独自 どくじ 研究 けんきゅう が含 ふく まれているおそれがあります。 問題 もんだい 箇所 かしょ を検証 けんしょう し出典 しゅってん を追加 ついか して、記事 きじ の改善 かいぜん にご協力 きょうりょく ください。議論 ぎろん はノート を参照 さんしょう してください。(2016年 ねん 6月 がつ )
科学 かがく の扱 あつか う対象 たいしょう について、以下 いか の論点 ろんてん がある
出典 しゅってん は列挙 れっきょ するだけでなく、脚注 きゃくちゅう などを用 もち いてどの記述 きじゅつ の情報 じょうほう 源 げん であるかを明記 めいき してください。記事 きじ の信頼 しんらい 性 せい 向上 こうじょう にご協力 きょうりょく をお願 ねが いいたします。(2016年 ねん 6月 がつ )
[2] [4] [16] [17] [18] [19] [20] [21]
[22] [15] 。
測定 そくてい 可能 かのう 性 せい 、測定 そくてい 原理 げんり の存在 そんざい [ ソースを編集 へんしゅう ]
科学 かがく 史 し 研究 けんきゅう 者 しゃ の岡本 おかもと 拓司 たくじ (東京大学 とうきょうだいがく )の文章 ぶんしょう には「測 はか れるもののみ が科学 かがく の対象 たいしょう 」と書 か かれていた[23] 。これはポアンカレ が述 の べた言葉 ことば の引用 いんよう と思 おも われる。
同様 どうよう の趣旨 しゅし で、「測 はか る」というとがやや難 むずか しくなる社会 しゃかい 科学 かがく の領域 りょういき でも概念 がいねん 操作 そうさ 化 か 」 (Operationalization) [26] [24] [25] という言葉 ことば が用 もち いられる。「概念 がいねん 操作 そうさ 化 か 」とは、リサーチクエスチョン(研究 けんきゅう を通 つう じて明 あき らかにしたい問 と いのこと)を、「実験 じっけん 」や「調査 ちょうさ 」を通 つう じて検証 けんしょう 可能 かのう なレベルにブレイクダウンする過程 かてい のことである。このように理系 りけい 文系 ぶんけい の両方 りょうほう において、「測定 そくてい 原理 げんり の存在 そんざい 」/「概念 がいねん 操作 そうさ 化 か 」が重視 じゅうし されていることから判 わか るよう、科学 かがく 的 てき な方法 ほうほう を論 ろん じるうえでオーソドックスな考 かんが え方 かた であることが想到 そうとう されよう。
測 はか れることを保証 ほしょう するためには、適切 てきせつ な測定 そくてい 手段 しゅだん が必要 ひつよう である[17] [24] [26] 。適切 てきせつ な測定 そくてい 手段 しゅだん の実現 じつげん には、正 ただ しい測定 そくてい 原理 げんり と、それを実現 じつげん する適切 てきせつ な装置 そうち 構成 こうせい 、適切 てきせつ な精度 せいど 評価 ひょうか が必要 ひつよう である[要 よう 出典 しゅってん ] 。物理 ぶつり 学 がく や化学 かがく では、測定 そくてい 原理 げんり の妥当 だとう 性 せい の評価 ひょうか が比較的 ひかくてき 行 おこな いやすい対象 たいしょう が研究 けんきゅう 対象 たいしょう になるが、それでも最先端 さいせんたん では、測定 そくてい 原理 げんり の妥当 だとう 性 せい や、装置 そうち 構成 こうせい の妥当 だとう 性 せい に対 たい し議論 ぎろん が生 しょう じる場合 ばあい もある(#証拠 しょうこ の節 ふし も参照 さんしょう のこと)。
科学 かがく には「理論 りろん 物理 ぶつり 学 がく 」のような理論 りろん 分野 ぶんや も存在 そんざい するが、理論 りろん 分野 ぶんや においても検証 けんしょう 手段 しゅだん としての実験 じっけん 方法 ほうほう の提示 ていじ は、極 きわ めて重要 じゅうよう である[要 よう 出典 しゅってん ] 。
但 ただ し、検証 けんしょう 手段 しゅだん は必 かなら ずしも、現在 げんざい の技術 ぎじゅつ で実現 じつげん できるものである必要 ひつよう はない。例 たと えば、量子力学 りょうしりきがく における不 ふ 確定 かくてい 性 せい の概念 がいねん は、ハイゼンベルク が提案 ていあん した顕微鏡 けんびきょう による電子 でんし の位置 いち と運動 うんどう 量 りょう の測定 そくてい 実験 じっけん のように、思考 しこう 実験 じっけん による検証 けんしょう に端 はし を発 はっ する[要 よう 出典 しゅってん ] 。さらに、特 とく に工学 こうがく においては複素 ふくそ 電界 でんかい のような、「実在 じつざい しない量 りょう 」(測定 そくてい することが不可能 ふかのう な量 りょう )が当 あ たり前 まえ のように使 つか われている場合 ばあい もある[27] 。複素 ふくそ 電界 でんかい 自体 じたい の定義 ていぎ は光学 こうがく の初歩 しょほ 中 ちゅう の初歩 しょほ であるため専門 せんもん 書 しょ に解説 かいせつ を委 ゆだ ねるが、このような実在 じつざい しない“物理 ぶつり ”量 りょう を作 つく ることで、光 ひかり の干渉 かんしょう 等 ひとし の一部 いちぶ の物理 ぶつり 現象 げんしょう が数学 すうがく 的 てき に簡単 かんたん に取 と り扱 あつか えるようになる。このような場合 ばあい には、「測定 そくてい できない」という意味 いみ で実在 じつざい しない量 りょう も科学 かがく 的 てき 理論 りろん として認 みと められる場合 ばあい もある。尚 なお 、電磁 でんじ ポテンシャル のように、元々 もともと は「実在 じつざい しない量 りょう 」(数学 すうがく 的 てき な便宜 べんぎ のために導入 どうにゅう された“物理 ぶつり ”量 りょう )と思 おも われていたものが、外村 とのむら 彰 あきら によってアハラノフ=ボーム効果 こうか の実証 じっしょう がなされたことによって「実 じつ は実在 じつざい する量 りょう であった」ことが後 のち に判明 はんめい したというケースもある。
測定 そくてい 結果 けっか は、定量 ていりょう 的 てき であるほうがより価値 かち が高 たか いとされることが多 おお い。但 ただ し、キャベンディッシュ の実験 じっけん (クーロンの法則 ほうそく に関 かん する)や、ホイートストーンブリッジ 等 ひとし のNull Check のほうが、価値 かち が高 たか い、とされる場合 ばあい もある。また、結果 けっか の定量 ていりょう 的 てき な予測 よそく が出来 でき ない理論 りろん は、価値 かち が低 ひく く見 み られる傾向 けいこう がある。但 ただ し、系 けい が複雑 ふくざつ な場合 ばあい には、短時間 たんじかん で定性的 ていせいてき な傾向 けいこう がつかめることや、倍 ばい ・半分 はんぶん 以上 いじょう の予測 よそく のずれ が許容 きょよう される場合 ばあい もある[要 よう 出典 しゅってん ] (シンプルさとのトレードオフが存在 そんざい する)。
ここ数 すう 十 じゅう 年 ねん 、医療 いりょう や食品 しょくひん の分野 ぶんや で、証拠 しょうこ に基 もと づいていない説 せつ ・言説 げんせつ は不適切 ふてきせつ 、と見 み なされるようになってきている。特 とく に、医療 いりょう ・医薬品 いやくひん の効果 こうか に関 かん しては、疫学 えきがく 的 てき な観察 かんさつ や治療 ちりょう 結果 けっか の統計 とうけい 学 がく による比較 ひかく に根拠 こんきょ を求 もと める根拠 こんきょ に基 もと づく医療 いりょう が重視 じゅうし されるようになってきている。また、食品 しょくひん 、製品 せいひん の安全 あんぜん 性 せい についても、定量 ていりょう 的 てき なデータに基 もと づいた監査 かんさ が強化 きょうか される傾向 けいこう にある[21] (FDA 等 ひとし のWeb Site[要 よう 文献 ぶんけん 特定 とくてい 詳細 しょうさい 情報 じょうほう ] を参照 さんしょう のこと)。このように、定量 ていりょう 的 てき なデータに基 もと づくことを重視 じゅうし する立場 たちば を、エビデンスベース という。[要 よう 出典 しゅってん ] 但 ただ し、黎明 れいめい 期 き の理論 りろん や、あたりをつけるための理論 りろん に関 かん しては、実際 じっさい のデータとは一致 いっち しない仮定 かてい を多数 たすう 含 ふく んだとしても予測 よそく 力 りょく が一定 いってい 水準 すいじゅん あれば、仮説 かせつ として一定 いってい の価値 かち を得 え ることもある。
一方 いっぽう で、いくつかの問題 もんだい は、定量 ていりょう 化 か が難 むずか しい場合 ばあい もある[注釈 ちゅうしゃく 4] 。このような問題 もんだい に関 かん しても、数字 すうじ を用 もち いて考 かんが えるほうが より科学 かがく 的 てき だ、と述 の べる人々 ひとびと もいる。実際 じっさい に調査 ちょうさ するのが難 むずか しいようなとらえどころのない量 りょう であっても、いくつかの手掛 てが かりを元 もと に論理 ろんり 的 てき に推論 すいろん し、概算 がいさん すること(フェルミ推定 すいてい )は、科学 かがく 的 てき な思考 しこう の基本 きほん である[28] [29] [30] と言 い われている。
文系 ぶんけい の問題 もんだい には「都市 とし 化 か が進 すす むと治安 ちあん が悪化 あっか するか?」、「結婚 けっこん すると幸 しあわ せになるか?」のような定量 ていりょう 化 か が困難 こんなん な問題 もんだい が多 おお いとされる
[24] [25] 。
但 ただ し、「測定 そくてい 可能 かのう 性 せい 、測定 そくてい 原理 げんり の存在 そんざい 」において紹介 しょうかい した概念 がいねん 操作 そうさ 化 か 」 (Operationalization)
[24] [25] という考 かんが え方 かた により、リサーチクエスチョン(研究 けんきゅう を通 つう じて明 あき らかにしたい問 と いのこと)を、「実験 じっけん 」や「調査 ちょうさ 」を通 つう じて検証 けんしょう 可能 かのう なレベルにブレイクダウンすることができる場合 ばあい もある。実際 じっさい には政治 せいじ 、経済 けいざい 、司法 しほう 等 ひとし においても、既 すで に存在 そんざい する統計 とうけい データ(白書 はくしょ 、売上 うりあげ データ等 とう )から、四則 しそく 演算 えんざん および並 なら べ替 が え・書 か き写 うつ しだけの操作 そうさ で、データを、仮説 かせつ 検証 けんしょう に適 てき した形 かたち に変更 へんこう することができる問題 もんだい は多数 たすう ある[31] [32] 。
[31] [32] 。この種 たね の問題 もんだい の詳細 しょうさい は、本 ほん 記事 きじ 後述 こうじゅつ の「#日常 にちじょう の俗説 ぞくせつ と科学 かがく 的 てき 方法 ほうほう 」の節 ふし で述 の べる。
論 ろん じる対象 たいしょう を測定 そくてい することが可能 かのう であったとして、今度 こんど は、再現 さいげん 性 せい が問題 もんだい になる。再現 さいげん 性 せい については、例 たと えば、物理 ぶつり 学者 がくしゃ 中谷 なかたに 宇吉郎 うきちろう (1900-1962)は1958年 ねん の著書 ちょしょ において「科学 かがく は再現 さいげん の可能 かのう な問題 もんだい に適用 てきよう 範囲 はんい が限 かぎ られる」と述 の べた[16] [注釈 ちゅうしゃく 5] 。19世紀 せいき の科学 かがく では、文字通 もじどお りの「再現 さいげん 性 せい 」が重視 じゅうし されていた。
一方 いっぽう 、筑波大学 つくばだいがく 教授 きょうじゅ ・宮島 みやじま 龍 りゅう 興 きょう が日本 にっぽん 教育 きょういく 工学 こうがく 振興 しんこう 会 かい 提言 ていげん で、現代 げんだい では(厳密 げんみつ な意味 いみ での)再現 さいげん 性 せい や定量 ていりょう 化 か が難 むずか しい対象 たいしょう も科学 かがく の対象 たいしょう となってきている[18] 、と指摘 してき した。この背景 はいけい には、(20世紀 せいき 、なかでも20世紀 せいき 後半 こうはん における)推測 すいそく 統計 とうけい 学 がく の導入 どうにゅう により従来 じゅうらい の記述 きじゅつ 統計 とうけい をベースとした統計 とうけい 処理 しょり だけでは扱 あつか い切 き れなかった対象 たいしょう が定量 ていりょう 的 てき に考察 こうさつ しえるようになったことがある。
例 たと えば医学 いがく ・薬学 やくがく ・心理 しんり 学 がく ・経済 けいざい 学 がく などは、根本 こんぽん 的 てき に複雑 ふくざつ 性 せい や複 ふく 合性 あいしょう を内包 ないほう していて、再現 さいげん 性 せい を得 え にくい生体 せいたい や社会 しゃかい そのものを扱 あつか う[19] 。(19世紀 せいき までの科学 かがく の水準 すいじゅん ではこれをうまく扱 あつか えなかったが)現代 げんだい の科学 かがく においてはこれらも、科学 かがく 的 てき な研究 けんきゅう 対象 たいしょう である。つまり、このような「古典 こてん 的 てき な意味 いみ での再現 さいげん 性 せい が無 な い分野 ぶんや についても、統計 とうけい 学 がく の手法 しゅほう を用 もち いて、科学 かがく 的 てき な方法 ほうほう の対象 たいしょう とする」という立場 たちば が、現在 げんざい の科学 かがく 的 てき 方法 ほうほう の主流 しゅりゅう である。この論点 ろんてん については、次節 じせつ にて述 の べる。
科学 かがく 的 てき な結論 けつろん であるためには、適切 てきせつ な統計 とうけい 手法 しゅほう を用 もち いて適切 てきせつ に「有意 ゆうい な違 ちが い」があることを示 しめ さなければならないとよく言 い われる。
[13] ,
[33] ,
[34]
[35] ,
[36] ,
[37] ,
[38] 。従 したが って科学 かがく 的 てき な方法 ほうほう の対象 たいしょう であるためには、適切 てきせつ な統計 とうけい 手段 しゅだん が行使 こうし し得 え る対象 たいしょう である必要 ひつよう がある。
意味 いみ のある統計 とうけい 手段 しゅだん を行使 こうし するためには、少 すく なくとも以下 いか が必要 ひつよう である
[13] ,[33] ,[34] ,[35] ,[36] ,[37] ,[38] 。
適切 てきせつ なグループ分 わ けの設定 せってい
適切 てきせつ な方法 ほうほう で実験 じっけん 条件 じょうけん を振 ふ る/キザむこと(所謂 いわゆる 「条件 じょうけん 出 だ し」の問題 もんだい )
適切 てきせつ な統計 とうけい 手法 しゅほう /統計 とうけい 検定 けんてい 量 りょう の採用 さいよう
統計 とうけい 的 てき な有意 ゆうい 差 さ を得 え るために必要 ひつよう な実験 じっけん 例 れい 数 すう の設定 せってい
統計 とうけい 的 てき な相関 そうかん 、差異 さい の適切 てきせつ な解釈 かいしゃく
実験 じっけん データを適切 てきせつ な可視 かし 化 か 手段 しゅだん にて可視 かし 化 か されること
また、以下 いか が満 み たされていることが望 のぞ ましいとされる。
これらについては、後述 こうじゅつ の「実験 じっけん のデザインと統計 とうけい 学 がく 的 てき 視点 してん 」の項 こう にて詳述 しょうじゅつ する。
(下記 かき の「科学 かがく 的 てき 方法 ほうほう における論証 ろんしょう 」も参照 さんしょう のこと。)
論理 ろんり 的 てき 整合 せいごう 性 せい とは、[4]
「根拠 こんきょ (証拠 しょうこ 物件 ぶっけん )」
「推論 すいろん 過程 かてい 」、
「結論 けつろん 」
から構成 こうせい された三角 さんかく ロジックによるフォーメーションを持 も った論理 ろんり 構成 こうせい であり、
仮 かり に「根拠 こんきょ となる事実 じじつ (仮定 かてい を含 ふく む)」が間違 まちが っていないとすれば、推論 すいろん 過程 かてい に無理 むり がないこと
内部 ないぶ 矛盾 むじゅん や循環 じゅんかん 論法 ろんぽう が少 すく ないこと
根拠 こんきょ となる事実 じじつ や仮定 かてい 同士 どうし の間 あいだ で矛盾 むじゅん がないか、あるいは矛盾 むじゅん があっても結論 けつろん を防衛 ぼうえい しえる議論 ぎろん を尽 つ くしていること
を意味 いみ する[4] 。
文科 ぶんか 系 けい の諸 しょ 学問 がくもん においては、検証 けんしょう 、定量 ていりょう 化 か が困難 こんなん 、あるいは、不可能 ふかのう な課題 かだい に取 と り組 く むことも多々 たた ある[15] 。また、自然 しぜん 科学 かがく 者 しゃ からみれば、予測 よそく の定量 ていりょう 性 せい に瑕疵 かし があると考 かんが えられる仮説 かせつ が重要 じゅうよう な学説 がくせつ として鎮座 ちんざ している場合 ばあい もある[15] 。例 たと えば、心理 しんり 学 がく 、教育 きょういく 学 がく などでは、測定 そくてい 原理 げんり の妥当 だとう 性 せい の評価 ひょうか が極 きわ めて難 むずか しい対象 たいしょう 、例 たと えば心 しん の痛 いた み 、知能 ちのう 、学力 がくりょく 等 ひとし を扱 あつか う[39] 。例 たと えば「心 しん の痛 いた み」というものが存在 そんざい することを否定 ひてい するものは極 きわ めて少数 しょうすう で、現代 げんだい では組織 そしき 運営 うんえい をする上 じょう でも極 きわ めて重要 じゅうよう な概念 がいねん であり、正 ただ しい根拠 こんきょ に基 もと づいた判断 はんだん が要求 ようきゅう されるものであるが、これを定量 ていりょう 的 てき に測定 そくてい する測定 そくてい 原理 げんり を提案 ていあん することは難 むずか しい。同様 どうよう のもので、(存在 そんざい するか否 ひ かが怪 あや しいものも一部 いちぶ にあるが)おそらく存在 そんざい するだろうと考 かんが えられ、何 なん らかの重要 じゅうよう な問題 もんだい と関係 かんけい があるものであるが、その測定 そくてい 原理 げんり を示 しめ し難 がた いものは沢山 たくさん ある。
このような対象 たいしょう に対 たい しては、「論理 ろんり 的 てき な整合 せいごう 性 せい を維持 いじ しながら、適切 てきせつ な証拠 しょうこ を集 あつ めて議論 ぎろん をするならば科学 かがく 的 てき である 」とする考 かんが え方 かた もある[20] 。このような見解 けんかい に立 た つと、ハリウッド映画 えいが 俳優 はいゆう の共演 きょうえん 関係 かんけい のようなものまで科学 かがく 的 てき 考察 こうさつ の対象 たいしょう と考 かんが えられることがある[20] 。このような考 かんが え方 かた も、定量 ていりょう 化 か が難 むずか しい分野 ぶんや においては、しかたなくではあるものの、ある程度 ていど 認 みと められた考 かんが え方 かた である[15] 。
「論理 ろんり 的 てき 整合 せいごう 性 せい 」を吟味 ぎんみ するにあたっては、前提 ぜんてい としての科学 かがく 的 てき 理論 りろん の合理 ごうり 性 せい や、分析 ぶんせき 方法 ほうほう の適切 てきせつ さ、参考 さんこう データの信頼 しんらい 性 せい に最大限 さいだいげん 留意 りゅうい する必要 ひつよう がある。これらの点 てん を欠 か くと、「蟻 あり を殺 ころ すのに核兵器 かくへいき を使 つか う」ような議論 ぎろん (集団 しゅうだん ヒステリー )、逆 ぎゃく 効果 こうか の発生 はっせい 、ひいては冤罪 えんざい 等 ひとし の最悪 さいあく の結末 けつまつ を発生 はっせい させる可能 かのう 性 せい がある[22] 。
科学 かがく 的 てき 方法 ほうほう のプロセスには、例 たと えば、PDCA(plan-do-check-act cycle)や、武谷 たけや 三男 みつお [40] [41]
の「三 さん 段階 だんかい 論 ろん 」などがある。
PDCA 流 りゅう に考 かんが えると、科学 かがく 的 てき な方法 ほうほう のプロセスは、おおざっぱにいえば「仮説 かせつ の構築 こうちく 」と「その検証 けんしょう 」の延々 えんえん たる繰 く り返 かえ しとみなせる[15] 。
「仮説 かせつ をたて、検証 けんしょう し、次 つぎ の計画 けいかく に反映 はんえい する」思考 しこう 様式 ようしき は広 ひろ く一般 いっぱん 化 か されており、プロジェクトマネジメント においては、PDCAサイクル という名前 なまえ で、一般 いっぱん のプロジェクトの管理 かんり に加 くわ え、研究 けんきゅう 開発 かいはつ や国 くに の大型 おおがた 研究 けんきゅう プロジェクト等 とう の大局 たいきょく 的 てき な管理 かんり において基本 きほん となる考 かんが え方 かた として受 う け入 い れられている[42] 。見方 みかた を変 か えると、科学 かがく 的 てき な方法 ほうほう のプロセスは、多重 たじゅう の入 い れ子 こ 構造 こうぞう となったPDCAサイクルと見 み ることもできる[注釈 ちゅうしゃく 6] 。
科学 かがく 的 てき 方法 ほうほう のプロセスを具体 ぐたい 的 てき にしたものの、一 いち 例 れい を以下 いか に示 しめ す[2] [5] [43] [44] [26]
[45] 。細 こま かい説明 せつめい は、文献 ぶんけん によって異 こと なるが、一般 いっぱん 論 ろん としては問題 もんだい 発見 はっけん から結論 けつろん の公表 こうひょう までのプロセスに以下 いか のような要素 ようそ が含 ふく まれると考 かんが えてよい。
先行 せんこう 研究 けんきゅう のリサーチ:何 なに が分 わ かっていないのかを明 あき らかにし、リサーチクエスチョン の抽出 ちゅうしゅつ や仮説 かせつ の構築 こうちく の手 て がかりを得 え るために自分 じぶん の知 し りたいことを解明 かいめい するために行 おこな う文献 ぶんけん 調査 ちょうさ のこと。必要 ひつよう に応 おう じ、有効 ゆうこう な手法 しゅほう や、自分 じぶん の結果 けっか と比較 ひかく 、参照 さんしょう する上 じょう で有益 ゆうえき なデータがないかを調 しら べる。
仮説 かせつ の構築 こうちく :先行 せんこう 研究 けんきゅう のリサーチ、場合 ばあい によっては以前 いぜん の予備 よび 実験 じっけん の結果 けっか 等 とう を再 さい 評価 ひょうか すことでリサーチクエスチョン を明確 めいかく 化 か し、これを検証 けんしょう 可能 かのう な命題 めいだい (仮説 かせつ )に落 お とし込 こ む
実験 じっけん の計画 けいかく ・準備 じゅんび :仮説 かせつ の具体 ぐたい 的 てき な検証 けんしょう 方法 ほうほう 、検証 けんしょう 計画 けいかく を立案 りつあん し、実際 じっさい の実験 じっけん の準備 じゅんび を行 おこな う。
予備 よび 実験 じっけん 、基礎 きそ 検討 けんとう 及 およ びその解析 かいせき :リサーチクエスチョン の抽出 ちゅうしゅつ や仮説 かせつ の構築 こうちく 、モデルの構築 こうちく 、オーダーエスティメーション、実験 じっけん の問題 もんだい 点 てん などの評価 ひょうか 、最適 さいてき 条件 じょうけん の探索 たんさく のために行 おこな う実験 じっけん および評価 ひょうか ・解析 かいせき 、理論 りろん 的 てき 検討 けんとう 等 とう 。
解析 かいせき 、整理 せいり :実験 じっけん のデータを、処理 しょり 、整理 せいり することで、仮説 かせつ との論理 ろんり 的 てき な関係 かんけい を明確 めいかく にする。
実証 じっしょう 実験 じっけん :仮説 かせつ がおおむね正 ただ しいことがわかった段階 だんかい で行 おこな う、仕上 しあ げ的 てき な実験 じっけん 。Nを稼 かせ ぐことにより信頼 しんらい 性 せい を上 あ げることや、デモンストレーションを前提 ぜんてい とする。
論文 ろんぶん 執筆 しっぴつ 、公表 こうひょう :研究 けんきゅう の結論 けつろん を、すでに得 え たデータや、理論 りろん 的 てき な考察 こうさつ に基 もと づき論理 ろんり 的 てき に立証 りっしょう したうえで、その過程 かてい を公知 こうち 化 か する。
ここで、リサーチクエスチョン とは、研究 けんきゅう 全体 ぜんたい を貫 つらぬ く「問 と い」のことである。い換 いか えれば、「明 あき らかにしたいこと」そのものである。
大学 だいがく 教養 きょうよう 課程 かてい 未満 みまん では教育 きょういく 課程 かてい では正則 せいそく 的 てき なループを想定 そうてい した課題 かだい が与 あた えられることが多 おお い。つまり(1)-(6)までのループを何 なん 度 ど か繰 く り返 かえ したあと、(7)に至 いた る、といった極 きわ めてオーソドックスな流 なが れが想定 そうてい されている。例 たと えば2007年 ねん 前後 ぜんこう に出版 しゅっぱん されている文部 もんぶ 科学 かがく 省 しょう 高等 こうとう 学校 がっこう 検定 けんてい 教科書 きょうかしょ の課題 かだい 研究 けんきゅう の欄 らん や、学部 がくぶ レベルの学生 がくせい 実験 じっけん の教科書 きょうかしょ [26] には概 おおむ ね「(1)-(6)までのループを何 なん 度 ど か繰 く り返 かえ したあと、(7)に至 いた ると」ことを勧 すす める記述 きじゅつ がある。
プロの研究 けんきゅう 者 しゃ のレベルにおいても、一 ひと つ一 ひと つの行動 こうどう は、概 おおむ ね上 うえ の要素 ようそ に還元 かんげん できる[43] 。しかし、プロのレベルは、試行錯誤 しこうさくご が迷走 めいそう する可能 かのう 性 せい の高 たか いレベルの高 たか いテーマを扱 あつか うことが多 おお いことや、いくつかの仮説 かせつ を並行 へいこう してテストできるようなスケジュールを組 く むこと、いくつかの項目 こうもく を同時 どうじ 並行 へいこう 的 てき に行 おこな うが多 おお いため、変則 へんそく 的 てき になってくる。
また、プロの研究 けんきゅう 者 しゃ のレベルにおいては、論文 ろんぶん では、IMRAD 型 かた のように、あたかも「まず先 さき に解答 かいとう を思 おも いえがき、それからそれをささえる事実 じじつ をさがし始 はじ めた」かのように記載 きさい するが、現実 げんじつ には検証 けんしょう よりもむしろ仮説 かせつ 構築 こうちく に労力 ろうりょく を割 さ いている。単 たん なる検証 けんしょう であれば、学生 がくせい やテクニシャンに任 まか せている場合 ばあい も多 おお い。
研究 けんきゅう 者 しゃ にとっては、仮説 かせつ 構築 こうちく のプロセスこそ重要 じゅうよう であるが、この部分 ぶぶん については、統一 とういつ 的 てき な見解 けんかい はなく、散逸 さんいつ 的 てき 、専門 せんもん 的 てき (必 かなら ずしも全 ぜん 読者 どくしゃ に必要 ひつよう とは限 かぎ らない)であるため、「#現実 げんじつ の研究 けんきゅう プロセス 」の節 ふし において後述 こうじゅつ する。
武谷 たけや 三男 みつお の「三 さん 段階 だんかい 論 ろん 」[ ソースを編集 へんしゅう ]
理論 りろん 物理 ぶつり 学者 がくしゃ の武谷 たけや 三男 みつお は、科学 かがく 理論 りろん の進展 しんてん は以下 いか の現象 げんしょう 論 ろん 、実態 じったい 論 ろん 、本質 ほんしつ 論 ろん の三 さん 段階 だんかい を経 へ ると考 かんが えた[40] [41] 。
現象 げんしょう 論 ろん :個々 ここ の事象 じしょう の知識 ちしき を集 あつ める段階 だんかい 。
実体 じったい 論 ろん :少数 しょうすう の実験 じっけん 結果 けっか に対 たい して当 あ てはまりのよい理論 りろん を作 つく る段階 だんかい 。
本質 ほんしつ 論 ろん :統一 とういつ 的 てき な視座 しざ から物事 ものごと を説明 せつめい する段階 だんかい 。
三 さん 段階 だんかい 論 ろん は、主 おも に科学 かがく の一 ひと つの領域 りょういき の進展 しんてん を考察 こうさつ したものであるが、現象 げんしょう 論 ろん 的 てき な知識 ちしき が十分 じゅうぶん ではなくて直 ただ ちにその原因 げんいん を思惟 しい するとき形而上学 けいじじょうがく に陥 おちい るという点 てん においてなど、個々 ここ の一 いち 研究 けんきゅう (一 ひと つの論文 ろんぶん レベル)についても学 まな ぶところが多 おお い考 かんが え方 かた である。
論証 ろんしょう が科学 かがく 的 てき であるためには、少 すく なくとも論理 ろんり 的 てき であることが求 もと められる[4] 。一般 いっぱん に、科学 かがく の領域 りょういき における「論理 ろんり 的 てき 」という概念 がいねん を説明 せつめい するモデルとしては三角 さんかく ロジック (論理 ろんり の三 さん 要素 ようそ )[4] [46] [47] が有力 ゆうりょく である[46] [47] 。三角 さんかく ロジックとは、以下 いか に示 しめ す三 みっ つの要素 ようそ からなる論法 ろんぽう である。
「主張 しゅちょう (結論 けつろん )」
「根拠 こんきょ となる事実 じじつ (証拠 しょうこ ;証拠 しょうこ 物件 ぶっけん )」
「根拠 こんきょ となる事実 じじつ から主張 しゅちょう を演繹 えんえき /帰納 きのう するための推論 すいろん 過程 かてい (論拠 ろんきょ )」
三角 さんかく ロジックは、スティーヴン・トゥールミン によるトゥールミンモデル (en:Stephen Toulmin#The Toulmin Model of Argument )の簡略 かんりゃく 化 か であると考 かんが えられている[46] 。
これらの言葉 ことば の意味 いみ を簡単 かんたん に例 れい 解 げ する。例 たと えば、推理 すいり 小説 しょうせつ においては、証拠 しょうこ 、証言 しょうげん を根拠 こんきょ にして推理 すいり が進 すす み、そして結論 けつろん が導 みちび かれる。「犯人 はんにん はA氏 し だ」というのが「主張 しゅちょう (結論 けつろん )」である。「根拠 こんきょ となる事実 じじつ 」というのは、例 たと えば「血 ち のついたナイフ」とか「ドアについた指紋 しもん 」といった、証拠 しょうこ 物件 ぶっけん 自体 じたい それぞれや、「何 なん 時 じ に駅 えき でA氏 し をみた」といった証言 しょうげん 自体 じたい それぞれのことである。推理 すいり 小説 しょうせつ では、証拠 しょうこ 物件 ぶっけん の存在 そんざい や状況 じょうきょう 、証言 しょうげん から何 なん らかの推理 すいり を行 おこな い、「犯人 はんにん はA氏 し だ」ということを立証 りっしょう するための論 ろん を述 の べるが、これが「推論 すいろん 過程 かてい (論拠 ろんきょ )」である。
科学 かがく 的 てき な論証 ろんしょう においては、上記 じょうき の三 さん 要素 ようそ に関 かん して、相応 そうおう の適切 てきせつ さが求 もと められ、それが適切 てきせつ であることが科学 かがく 的 てき な方法 ほうほう を特徴 とくちょう づけている。この意味 いみ において、科学 かがく 的 てき な論証 ろんしょう の顕著 けんちょ な特徴 とくちょう としては「適切 てきせつ な証拠 しょうこ への依存 いぞん 」、「明確 めいかく な結論 けつろん の存在 そんざい 」、「証拠 しょうこ と結論 けつろん を結 むす ぶ適切 てきせつ な推論 すいろん 過程 かてい の存在 そんざい 」の三 みっ つが認 みと められる[4]
[2] 。
結論 けつろん は、明確 めいかく でなければならない。例 たと えば、「あなたは弱気 よわき な反面 はんめん 、強気 つよき すぎるところもあり…」といったように、どんな人 ひと (どんな対象 たいしょう )に対 たい しても当 あ てはまるような結論 けつろん は望 のぞ ましくないとされる[13] 。結論 けつろん の明確 めいかく さに関連 かんれん する概念 がいねん としては、反証 はんしょう 可能 かのう 性 せい がある。
一方 いっぽう で、現代 げんだい の科学 かがく (特 とく に工学 こうがく )では「合 あ わせこみ 」といわれる手法 しゅほう がある。これは、シミュレーションと過去 かこ の実験 じっけん データを人為 じんい 的 てき に〝よく一致 いっち させる”ため
にいくつかのパラメータを制御 せいぎょ する手法 しゅほう
[48] である。別 べつ の側面 そくめん から見 み れば、合 あ わせこみは、どのような実験 じっけん 結果 けっか でも取 と り込 こ めるほどパラメータが多 おお い点 てん で不 ふ 明確 めいかく であるが、短 みじか い時間 じかん で仕様 しよう を満足 まんぞく するモノを開発 かいはつ しなければいけない分野 ぶんや (工学 こうがく 、工業 こうぎょう 等 とう )では非常 ひじょう に強力 きょうりょく な手法 しゅほう /考 かんが え方 かた である。
無論 むろん 、この手法 しゅほう が「基礎 きそ 科学 かがく 」にまで広 ひろ がってくることについては苦言 くげん を呈 てい するものもいる。例 たと えば、リース・モーリン 博士 はかせ は、現在 げんざい の最前線 さいぜんせん における物理 ぶつり 学 がく の理論 りろん が、「どのような実験 じっけん 結果 けっか でも取 と り込 こ めるほどパラメータが多 おお い」ことを指摘 してき したうえで、反証 はんしょう 可能 かのう 性 せい を軽視 けいし している傾向 けいこう を、「物理 ぶつり 学 がく の迷走 めいそう 」と断 だん じている[49] 。実際 じっさい 、モーリン博士 はかせ が指摘 してき するように、最近 さいきん の素粒子 そりゅうし 物理 ぶつり 、量子 りょうし 情報 じょうほう 、物性 ぶっせい 理論 りろん 等 とう は極 きわ めて数学 すうがく に近 ちか い様相 ようそう を呈 てい しているため反証 はんしょう 可能 かのう 性 せい の原則 げんそく を逸脱 いつだつ していることはしばし指摘 してき される[注釈 ちゅうしゃく 7] 。また、特 とく に、萌芽 ほうが 的 てき な理論 りろん においては、実験 じっけん がどんな結果 けっか を出 だ してもそれを取 と り込 こ めてしまうほどパラメータが多 おお く、しかもそのパラメータの物理 ぶつり 的 てき な意味 いみ が不 ふ 明確 めいかく であることもしばしば指摘 してき される。現在 げんざい でも、このことを理由 りゆう として権威 けんい ある雑誌 ざっし への掲載 けいさい が拒 こば まれることがあるとされる[50] 。但 ただ し、この傾向 けいこう も最近 さいきん では現実 げんじつ 的 てき な方向 ほうこう に、つまり反証 はんしょう 可能 かのう 性 せい に偏重 へんちょう しない方向 ほうこう にシフトしつつある[50] 。
また、結論 けつろん はシンプルでなければならない。結論 けつろん のシンプルさに関 かん しては、以下 いか の「オッカムの剃刀 かみそり 」という原則 げんそく がある。
必要 ひつよう 以上 いじょう に多 おお くの実体 じったい を仮定 かてい するべきでない。
現象 げんしょう を同 どう 程度 ていど うまく説明 せつめい する仮説 かせつ があるなら、より単純 たんじゅん な方 ほう を選 えら ぶべきである。
オッカムの剃刀 かみそり は、「並立 へいりつ する幾 いく つかの仮説 かせつ の中 なか から、ある一 ひと つの仮説 かせつ を選択 せんたく する方法 ほうほう 」の一 ひと つとして現代 げんだい の科学 かがく 者 しゃ において、理念 りねん 的 てき な面 めん で受 う け入 い れられているが、あまり教条 きょうじょう 的 てき に受 う け入 い れてしまってはいけない事柄 ことがら である。その理由 りゆう としては、
説明 せつめい に不 ふ 必要 ひつよう であることは、存在 そんざい しないことを含意 がんい しない[注釈 ちゅうしゃく 8] 。
何 なに が説明 せつめい に必要 ひつよう であるかは必 かなら ずしも明確 めいかく ではない。
などの問題 もんだい 点 てん がありえるからである。
科学 かがく は証拠 しょうこ となる事実 じじつ (生 なま データ/証拠 しょうこ 物件 ぶっけん )を要求 ようきゅう する。科学 かがく 者 しゃ は何 なん らかの「真偽 しんぎ 判定 はんてい 」を行 おこな う場合 ばあい に「どういった証拠 しょうこ が結論 けつろん を支持 しじ し得 え るか」 ということを考 かんが える[2] 。このような思考 しこう は一般 いっぱん に、科学 かがく 教育 きょういく において優先 ゆうせん 的 てき に身 み に付 つ けさせるべきことと考 かんが えられている[2] [8] 。この際 さい まず、仮説 かせつ を支持 しじ する証拠 しょうこ と仮説 かせつ の反証 はんしょう となる証拠 しょうこ を明確 めいかく にする必要 ひつよう がある[2] 。さらに、結論 けつろん を立証 りっしょう 、あるいは反証 はんしょう するために必要 ひつよう な実験 じっけん を計画 けいかく する必要 ひつよう がある。
一般 いっぱん に、「仮説 かせつ の反証 はんしょう となる証拠 しょうこ の存在 そんざい 」は、必 かなら ずしも反証 はんしょう となる証拠 しょうこ を提示 ていじ された理論 りろん の否定 ひてい にはつながらない(後述 こうじゅつ の「反証 はんしょう 可能 かのう 性 せい について」を参照 さんしょう )[2] が、特 とく に実験 じっけん 家 か は、既存 きそん の理論 りろん の反証 はんしょう となりそうな実験 じっけん を好 この んでターゲットにするという傾向 けいこう があり、そのような反証 はんしょう 例 れい を基 もと に、理論 りろん が洗練 せんれん させられていく[51] 。
証拠 しょうこ となる事実 じじつ の取得 しゅとく (測定 そくてい ) の段階 だんかい では、適切 てきせつ な測定 そくてい 方法 ほうほう の存在 そんざい が重要 じゅうよう となる。
適切 てきせつ な測定 そくてい 方法 ほうほう の実現 じつげん には、正 ただ しい測定 そくてい 原理 げんり と、それを実現 じつげん する適切 てきせつ な装置 そうち 構成 こうせい 、適切 てきせつ な精度 せいど 評価 ひょうか が必要 ひつよう である[17] [26] 。
測定 そくてい 原理 げんり の妥当 だとう 性 せい は、直接 ちょくせつ 測定 そくてい (例 たと えば自分 じぶん の身長 しんちょう を直接 ちょくせつ 身長 しんちょう 計 けい で測 はか る場合 ばあい )の場合 ばあい にはあまりその重要 じゅうよう 性 せい が意識 いしき されないが、間接 かんせつ 測定 そくてい (例 たと えば三角 さんかく 測量 そくりょう で山 やま の高 たか さを測 はか る場合 ばあい )には、その妥当 だとう 性 せい (本当 ほんとう にその方法 ほうほう で山 やま の高 たか さが測 はか れるのか?)が極 きわ めて重要 じゅうよう になる。また、「何 なに を明 あき らかにするために何 なに をするのか 」という研究 けんきゅう 者 しゃ が意識 いしき すべき重要 じゅうよう な事柄 ことがら にも密接 みっせつ に関係 かんけい する。
物理 ぶつり 学 がく や化学 かがく では、測定 そくてい 原理 げんり の妥当 だとう 性 せい の評価 ひょうか が比較的 ひかくてき 行 おこな いやすい対象 たいしょう が研究 けんきゅう 対象 たいしょう になるが、それでも最先端 さいせんたん では、測定 そくてい 原理 げんり の妥当 だとう 性 せい や、装置 そうち 構成 こうせい の妥当 だとう 性 せい に対 たい し議論 ぎろん が生 しょう じる場合 ばあい もある。測定 そくてい 原理 げんり の妥当 だとう 性 せい や、装置 そうち 構成 こうせい の妥当 だとう 性 せい 、精度 せいど の評価 ひょうか はそれぞれの学問 がくもん における最 もっと も本質 ほんしつ 的 てき な議題 ぎだい の一 ひと つ であり、それぞれの学問 がくもん 分野 ぶんや で研究 けんきゅう されることである。
測定 そくてい 原理 げんり の妥当 だとう 性 せい や、装置 そうち 構成 こうせい の妥当 だとう 性 せい については、主 おも に大学 だいがく の学生 がくせい 実験 じっけん で重点的 じゅうてんてき に指導 しどう される[26] 。逆 ぎゃく にいえば、測定 そくてい 原理 げんり の妥当 だとう 性 せい と装置 そうち 構成 こうせい の妥当 だとう 性 せい について学 まな ぶことが学生 がくせい 実験 じっけん の一 ひと つの重要 じゅうよう な意義 いぎ である[26] 。典型 てんけい 的 てき な例 れい としては、ボルタ振子 ふりこ の実験 じっけん 等 とう がある。この実験 じっけん では、振 ふ り子 こ の周期 しゅうき と重力 じゅうりょく 加速度 かそくど の関係 かんけい を理論 りろん 的 てき に導 みちび いたうえで振 ふ り子 こ の周期 しゅうき を測定 そくてい することで、重力 じゅうりょく 加速度 かそくど を間接 かんせつ 的 てき に測定 そくてい する。
測定 そくてい 原理 げんり 、装置 そうち 構成 こうせい 、精度 せいど の妥当 だとう 性 せい の評価 ひょうか を行 おこな うことを目的 もくてき とした論文 ろんぶん 以外 いがい の論文 ろんぶん では、博士 はかせ 論文 ろんぶん 等 とう のような大著 たいちょ の論文 ろんぶん を除 のぞ き、装置 そうち 構成 こうせい の妥当 だとう 性 せい や装置 そうち 構成 こうせい の詳細 しょうさい 、測定 そくてい 原理 げんり の妥当 だとう 性 せい については、軽 かる く触 ふ れるにとどめるのが普通 ふつう である。このようになった原因 げんいん の一 ひと つには、知的 ちてき 財産 ざいさん 権 けん に関 かん する戦略 せんりゃく や、二 に 重 じゅう 投稿 とうこう と解釈 かいしゃく されることへの懸念 けねん などがある。論文 ろんぶん に実験 じっけん 方法 ほうほう 詳 くわ しく書 か いた場合 ばあい で、既 すで に実験 じっけん 方法 ほうほう の妥当 だとう 性 せい を示 しめ すために提出 ていしゅつ した論文 ろんぶん (理論 りろん や装置 そうち に関 かん する論文 ろんぶん )や、特許 とっきょ が存在 そんざい した場合 ばあい には、二 に 重 じゅう 投稿 とうこう と処断 しょだん される可能 かのう 性 せい がある。また、論文 ろんぶん に実験 じっけん 装置 そうち の構成 こうせい について詳 くわ しく書 か きすぎると、実験 じっけん の成功 せいこう に関 かん して必須 ひっす でない部分 ぶぶん に関 かん しても装置 そうち 構成 こうせい に関 かん する新規 しんき 性 せい が喪失 そうしつ されることになる場合 ばあい があり、後 のち に特許 とっきょ として権利 けんり 化 か する場合 ばあい に支障 ししょう となる可能 かのう 性 せい が出 で てくる。
また、最近 さいきん では実験 じっけん ツールのキット 化 か が進 すす んでおり、間接 かんせつ 測定 そくてい であっても、妥当 だとう 性 せい 、測定 そくてい 精度 せいど 等 ひとし の基礎 きそ 評価 ひょうか は、実験 じっけん 装置 そうち 、実験 じっけん キットのメーカーが保証 ほしょう してくれていて、実験 じっけん 者 しゃ が意識 いしき しなくても済 す むようになってきつつあるため、測定 そくてい 原理 げんり や測定 そくてい 精度 せいど について、意識 いしき の低 ひく い研究 けんきゅう 者 しゃ がいることも指摘 してき される[52] 。
証拠 しょうこ となる事実 じじつ の整理 せいり (解析 かいせき ) 、あるいは実証 じっしょう 実験 じっけん のように示 しめ すべき命題 めいだい が明確 めいかく になり、結論 けつろん の有意 ゆうい 性 せい の問題 もんだい に逢着 ほうちゃく
段階 だんかい においては「データの解釈 かいしゃく 方法 ほうほう 」「データの記録 きろく または報告 ほうこく 」「データの重 おも みづけ」等 とう 、適切 てきせつ なデータの取得 しゅとく 、適切 てきせつ なデータの処理 しょり に関 かん する問題 もんだい が重要 じゅうよう となる[2] 。「適切 てきせつ 」とは、ここでは、「どのような手順 てじゅん でデータを取得 しゅとく 、解析 かいせき すれば偏 かたよ りが少 すく ないと認 みと められるか」を指 さ す[2] 。この問題 もんだい は概 がい して非常 ひじょう に難 むずか しく、有意 ゆうい 性 せい の問題 もんだい といわれる。有意 ゆうい 性 せい の判断 はんだん は先述 せんじゅつ のように分野 ぶんや によってどこまで容認 ようにん するかに温度 おんど 差 さ があるが、この判定 はんてい 基準 きじゅん については統計 とうけい 学 がく 特 とく に実験 じっけん 計画 けいかく 法 ほう [注釈 ちゅうしゃく 9]
の分野 ぶんや の研究 けんきゅう 者 しゃ が研究 けんきゅう している事柄 ことがら である。有意 ゆうい 性 せい の判定 はんてい に関 かん して、実験 じっけん 計画 けいかく 法 ほう では以下 いか の3条件 じょうけん を原則 げんそく としている(実験 じっけん 計画 けいかく 法 ほう の項目 こうもく を参照 さんしょう のこと)。
局所 きょくしょ 管理 かんり 化 か :影響 えいきょう を調 しら べる要因 よういん 以外 いがい のすべての要因 よういん を可能 かのう な限 かぎ り一定 いってい にする。
反復 はんぷく :実験 じっけん ごとの偶然 ぐうぜん のバラツキ(誤差 ごさ )の影響 えいきょう を除 のぞ くために同 どう 条件 じょうけん で反復 はんぷく する。
無 む 作為 さくい 化 か (ランダム化 か ):以上 いじょう でも制御 せいぎょ できない可能 かのう 性 せい のある要因 よういん の影響 えいきょう を除 のぞ き、偏 かたよ りを小 ちい さくするために条件 じょうけん を無作為 むさくい 化 か する。
また、「科学 かがく 的 てき であること」の要件 ようけん として必須 ひっす であるとまでは言 い えないものの「どのようなデータの収得 しゅうとく 順序 じゅんじょ 、収得 しゅうとく 方法 ほうほう 、統計 とうけい 処理 しょり 方法 ほうほう でデータの本性 ほんしょう をえぐりだすことができるのか」という問題 もんだい も重要 じゅうよう である。この問題 もんだい の系統 けいとう だった研究 けんきゅう はデータマイニング の分野 ぶんや で研究 けんきゅう されている。この問題 もんだい に対 たい してカリフォルニア大学 だいがく サンタバーバラ校 こう 教授 きょうじゅ 中村 なかむら 修二 しゅうじ が、「データに文脈 ぶんみゃく 性 せい を持 も たせることの重要 じゅうよう 性 せい 」を説 と いている[53] 。データに文脈 ぶんみゃく 性 せい を持 も たせ、一見 いっけん 意味 いみ のない雑 ざつ 情報 じょうほう に見 み えるものの中 なか から意味 いみ のある情報 じょうほう を取 と り出 だ すためには、セレンディピティー や磨 みが かれたセンス 、場合 ばあい によっては運 うん が要求 ようきゅう される問題 もんだい でもある。センスを磨 みが くためには実験 じっけん ノート の有機 ゆうき 的 てき な活用 かつよう など、実験 じっけん をよく振 ふ り返 かえ ることに加 くわ え、関連 かんれん するよい論文 ろんぶん に目 め を通 とお し発見 はっけん の過程 かてい を分析 ぶんせき する必要 ひつよう がある。
結論 けつろん と、実験 じっけん 事実 じじつ の間 あいだ には何 なん らかのギャップがあることが通常 つうじょう であり、その間 あいだ を結 むす ぶ考察 こうさつ が必要 ひつよう となる。すなわち、証拠 しょうこ と結論 けつろん を結 むす ぶ適切 てきせつ な推論 すいろん 過程 かてい が考察 こうさつ である。
推論 すいろん 過程 かてい を、一 ひと つの観点 かんてん から分類 ぶんるい すると、直接 ちょくせつ 証明 しょうめい 法 ほう と間接 かんせつ 証明 しょうめい 法 ほう に分類 ぶんるい できる。
直接 ちょくせつ 証明 しょうめい 法 ほう :証明 しょうめい したい命題 めいだい を直接的 ちょくせつてき に立証 りっしょう する
間接 かんせつ 証明 しょうめい 法 ほう :証明 しょうめい したい命題 めいだい と等価 とうか な命題 めいだい (例 たと えば対偶 たいぐう や背理法 はいりほう )を示 しめ す。
推論 すいろん 過程 かてい を、別 べつ の観点 かんてん から分類 ぶんるい すると、「演繹 えんえき 」と「演繹 えんえき でない推論 すいろん 」に分類 ぶんるい される([13] PP88-92)。
演繹 えんえき とは、一般 いっぱん 的 てき 原理 げんり として認知 にんち された法則 ほうそく 、あるいはもっともらしいと信 しん じられているものに基 もと づいて、いくつかの仮定 かてい をおき、具体 ぐたい 的 てき なモデルを考 かんが え、それに基 もと づいて現象 げんしょう を予測 よそく する手法 しゅほう である。
演繹 えんえき でない推論 すいろん (非 ひ 演繹 えんえき 的 てき な推論 すいろん には、帰納 きのう 、投射 とうしゃ 、類比 るいひ 、アブダクションがある。
帰納 きのう は、個別 こべつ の例 れい から一般 いっぱん 性 せい を導 みちび くもの。
投射 とうしゃ はこれまでの個別 こべつ 例 れい ではAの性質 せいしつ だったから、次 つぎ のケースもAだろうという推論 すいろん 。
類比 るいひ は、二 ふた つの事柄 ことがら が似 に ていることから、それ以外 いがい の点 てん でも似 に ているだろうという推論 すいろん 。
アブダクション は、たとえば今 いま まで分 わ かっていたことだけからではすぐに説明 せつめい ができない場合 ばあい に、説明 せつめい を可能 かのう にするような新 あたら しい仮説 かせつ を置 お いて、その仮説 かせつ は正 ただ しいだろうと考 かんが えるような推論 すいろん のこと。
ここで、アブダクションについては、あまり聞 き きなれない言葉 ことば であるため簡単 かんたん に補足 ほそく しておく。これの基本 きほん は「チャールズ・パース の仮説 かせつ 形成 けいせい 法 ほう 」が基本 きほん になるとされている[5] [54] [55] 。パースの仮説 かせつ 形成 けいせい 法 ほう というのは、
大 おお まかに以下 いか のような過程 かてい で“推論 すいろん ”する[5] 。
驚 おどろ くべき現象 げんしょう Fが観察 かんさつ されている。
だが、仮説 かせつ Hが真 しん であると仮定 かてい すると、Fは当然 とうぜん のことになるだろう。
よって、Hは真 しん であると考 かんが える理由 りゆう がある。
いわゆる「現象 げんしょう 論 ろん 的 まと 」と言 い われる考察 こうさつ においては、このような考 かんが え方 かた が特 とく に好 この んで用 もち いられる。また、現在 げんざい において認 みと められている理論 りろん のほとんどすべては、「多数 たすう のFを説明 せつめい できるからHは正 ただ しい」といった論拠 ろんきょ に基 もと づいており、逆 ぎゃく に言 い えば、どれだけの(多 おお さの)Fを説明 せつめい できるかがその理論 りろん の優劣 ゆうれつ を決 き める[5] 。このようなモデルに基 もと づいた仮説 かせつ 形成 けいせい 法 ほう は、「必要 ひつよう 条件 じょうけん と十分 じゅうぶん 条件 じょうけん の混同 こんどう 」という点 てん においてデカルトの枠組 わくぐ みを若干 じゃっかん 逸脱 いつだつ しているが、特 とく に「情報 じょうほう 量 りょう が増 ふ える」[13] こともあり、科学 かがく 的 てき な論証 ろんしょう の推論 すいろん 過程 かてい においてよく用 もち いられる[54] 。
演繹 えんえき においては、「正 ただ しい前提 ぜんてい に基 もと づけば必 かなら ず正 ただ しい結論 けつろん が得 え られる」という意味 いみ で真理 しんり が保存 ほぞん される一方 いっぽう 、情報 じょうほう 量 りょう は増 ふ えない。
一方 いっぽう 、非 ひ 演繹 えんえき 的 てき 論法 ろんぽう は、「蓋然的 がいぜんてき 」、すなわち、「必然 ひつぜん 的 てき ではない、結論 けつろん が必 かなら ず正 ただ しいとは限 かぎ らない」という特徴 とくちょう があり、一方 いっぽう で「情報 じょうほう 量 りょう が増 ふ える」ということがある。
科学 かがく 者 しゃ は、両者 りょうしゃ の良 よ しあしを使 つか い分 わ け、試行錯誤 しこうさくご の過程 かてい において、例 たと えば「少数 しょうすう の現象 げんしょう から、それらを統一 とういつ 的 てき に説明 せつめい する仮説 かせつ を帰納 きのう し、その仮説 かせつ からより多 おお くの現象 げんしょう を予測 よそく する」といったように、これらの論法 ろんぽう を組 く み合 あ わせる[56] 。
考察 こうさつ を行 おこな うに当 あ たっては、必要 ひつよう に応 おう じて、何 なん らかの理論 りろん や既 すで に公表 こうひょう された他 ほか の実験 じっけん データなどを援用 えんよう し、証拠 しょうこ を補完 ほかん する必要 ひつよう がある場合 ばあい もある。しかし、ある程度 ていど 信頼 しんらい を得 え ている理論 りろん ですら完全 かんぜん な証拠 しょうこ の補完 ほかん ができず、いくつかの推定 すいてい が根拠 こんきょ の中 なか に混 ま ざる場合 ばあい や、推論 すいろん 過程 かてい 自体 じたい に粗 あら が存在 そんざい する場合 ばあい もある。一般 いっぱん に、「どのような推論 すいろん 過程 かてい 」が適切 てきせつ であるのかは、その研究 けんきゅう のオリジナリティーにかかわる部分 ぶぶん であり、特 とく に研究 けんきゅう レベルでは極 きわ めて難 むずか しい。
実際 じっさい 、物理 ぶつり の重要 じゅうよう な概念 がいねん を創造 そうぞう した論文 ろんぶん は、たいていは隙 すき がある論理 ろんり 展開 てんかい をしていると指摘 してき される[51] [50] 。
通常 つうじょう の学部 がくぶ レベルで想像 そうぞう される緻密 ちみつ な理論 りろん 展開 てんかい は、創造 そうぞう 的 てき 理論 りろん を受 う けてその内容 ないよう を精密 せいみつ 化 か したり整理 せいり する過程 かてい で生 しょう じる[50] 。
このように科学 かがく においては論理 ろんり 性 せい を重視 じゅうし する一方 いっぽう で、現実 げんじつ の対象 たいしょう を扱 あつか っていることによる若干 じゃっかん の論理 ろんり の飛躍 ひやく を認 みと めざるを得 え ない側面 そくめん がある。一般 いっぱん に、現実 げんじつ の対象 たいしょう を扱 あつか う学問 がくもん では多少 たしょう 飛躍 ひやく を許 ゆる してでも学問 がくもん を進 すす めたほうが、後 のち になってみて分 わ かることが多 おお い と信 しん じられている[57] 。反面 はんめん 、この意味 いみ では「科学 かがく 的 てき な方法 ほうほう によって得 え られた結論 けつろん 」であるというだけでは「科学 かがく 的 てき に正 ただ しいか否 ひ か」「現実 げんじつ 的 てき に正 ただ しいか否 ひ か」「現実 げんじつ 的 てき に役立 やくだ つか否 ひ か」は必 かなら ずしも一致 いっち するとは限 かぎ らない[58] 。問題 もんだい は、「ギャップを認 みと めつつも推論 すいろん を進 すす め、意味 いみ のある仮説 かせつ を提唱 ていしょう し、それを広 ひろ め、集団 しゅうだん で検証 けんしょう する」という建設 けんせつ 的 てき な立場 たちば の重要 じゅうよう 性 せい にある[59] [51] [50] 。
論理 ろんり の飛躍 ひやく としては、
法則 ほうそく の適用 てきよう 範囲 はんい を勝手 かって に広 ひろ げる
数学 すうがく 上 じょう の制約 せいやく を無視 むし
実態 じったい とは合 あ わない近似 きんじ
必要 ひつよう 条件 じょうけん と十 じゅう 分 ふん 条件 じょうけん の意図 いと 的 てき な混同 こんどう (チャールズ・パースの仮説 かせつ 形成 けいせい 法 ほう )
強引 ごういん なモデル化 か
強引 ごういん な仮定 かてい を認 みと める
などがある[51] [50] 。それぞれそういうものを認 みと めざるを得 え ない相応 そうおう の理由 りゆう がある。
では、どこまでの飛躍 ひやく やあいまいさを容認 ようにん するのか 。これは非常 ひじょう に難 むずか しい問題 もんだい であり「真実 しんじつ への到達 とうたつ 」を考 かんが えるならば安易 あんい に結論 けつろん できない問題 もんだい である。だが標語 ひょうご 的 てき に「仮説 かせつ は失敗 しっぱい を恐 おそ れずに大胆 だいたん に立 た てろ」 といわれるように、一般 いっぱん に建設 けんせつ 的 てき な立場 たちば においては「真実 しんじつ に到達 とうたつ する」ためには「いろいろな“とるに足 た る”論 ろん 」があったほうがよいと考 かんが えられている[50] [57] 。
最終 さいしゅう 的 てき には「どれだけ沢山 たくさん の自然 しぜん 現象 げんしょう を説明 せつめい できるか」が科学 かがく 理論 りろん の良 よ し悪 あ しを決 き めるため、
裁判 さいばん における証拠 しょうこ の鑑定 かんてい や、法律 ほうりつ 制定 せいてい の基礎 きそ 調査 ちょうさ 等 とう のような「真実 しんじつ 性 せい 」の重要 じゅうよう 性 せい が圧倒的 あっとうてき に高 たか いケースを除 のぞ き、
この問題 もんだい は、過度 かど に深刻 しんこく に考 かんが える必要 ひつよう 性 せい は乏 とぼ しい。どこまでの論理 ろんり の飛躍 ひやく を認 みと めるかについては「研究 けんきゅう 者 しゃ のタイプ論 ろん 」から説明 せつめい されることもある。研究 けんきゅう 者 しゃ のタイプはしばし(呼 よ び方 かた は別 べつ として)「先頭 せんとう 突撃 とつげき 型 がた 」と「地固 じがた め型 がた 」[50] [57] に分類 ぶんるい され、前者 ぜんしゃ の場合 ばあい は文字 もじ どおり、多少 たしょう 乱雑 らんざつ かもしれない実験 じっけん や推論 すいろん をする反面 はんめん 、重要 じゅうよう な発見 はっけん をする。逆 ぎゃく に地固 じがた め型 がた は過去 かこ の研究 けんきゅう の“粗 あら ”の部分 ぶぶん を補正 ほせい する。
この論理 ろんり の飛躍 ひやく に関 かん しては、「論文 ろんぶん として世 よ に出 だ す価値 かち を認 みと めるか否 ひ か」に話 はなし を限局 げんきょく すれば節度 せつど の問題 もんだい となっていて、ピア・レビュー の過程 かてい で、前例 ぜんれい やその報告 ほうこく の面白 おもしろ さなどを踏 ふ まえながら決 き まっていくものである[50] 。ピア・レビューで出来 でき ることは、せいぜいその程度 ていど のことであり過度 かど な期待 きたい はいけない。この時点 じてん におけるレフェリーとの応酬 おうしゅう に勝 か つためには当然 とうぜん 、過去 かこ の論文 ろんぶん を多 おお く読 よ みその論法 ろんぽう を見 み ておく必要 ひつよう がある。また粗 あら がある議論 ぎろん があって、それを部分 ぶぶん 的 てき にでも修正 しゅうせい することができるのならば(それを論理 ろんり 的 てき に立証 りっしょう できる限 かぎ り)それは論文 ろんぶん を書 か くチャンスである。
実験 じっけん のデザインと統計 とうけい 学 がく 的 てき 視点 してん [ ソースを編集 へんしゅう ]
科学 かがく 的 てき な実験 じっけん においては、実験 じっけん のデザインが重要 じゅうよう である。実験 じっけん のデザインというのは、ここでは、
どのような測定 そくてい 手段 しゅだん を用 もち いて
どのように測定 そくてい 対象 たいしょう をグループ分 わ けし、
それぞれのグループにおいて、
どのような設定 せってい /測定 そくてい 条件 じょうけん において(実験 じっけん 条件 じょうけん の振 ふ り方 かた ,キザみ方 かた を含 ふく む)
どのような順番 じゅんばん で
どのような数 すう サンプル数 すう だけ測定 そくてい し、
得 え られた結果 けっか を
どのような手段 しゅだん で可視 かし 化 か /比較 ひかく /統計 とうけい 的 てき に解析 かいせき するか
を指 さ す。実際 じっさい の論文 ろんぶん において、IMRAD 型 かた の論文 ろんぶん であれば「材料 ざいりょう と方法 ほうほう 」等 とう といったタイトルの節 ふし があるが、「材料 ざいりょう と方法 ほうほう 」欄 らん に「実験 じっけん のデザイン」という項目 こうもく が設 もう けられていることがある。調査 ちょうさ や研究 けんきゅう が科学 かがく 的 てき であるためには、実験 じっけん のデザインが妥当 だとう であること、実験 じっけん のデザインが適切 てきせつ に(論文 ろんぶん 中 ちゅう に)開示 かいじ されていることが重要 じゅうよう である。
うち、「どのような測定 そくてい 手段 しゅだん 」の部分 ぶぶん については、測定 そくてい 原理 げんり や概念 がいねん 操作 そうさ 化 か それぞれの専門 せんもん 分野 ぶんや で考 かんが えられる分野 ぶんや 個別 こべつ 的 てき な問題 もんだい であり、本 ほん 記事 きじ のスコープから外 はず れるため説明 せつめい の対象 たいしょう 外 がい とする。但 ただ し、「同 おな じ」ものを測 はか る代替 だいたい 手段 しゅだん がいくつか存在 そんざい する場合 ばあい にはいくつかの測定 そくてい 手法 しゅほう を並行 へいこう して用 もち いることが望 のぞ ましい等 ひとし といった基本 きほん 原則 げんそく は存在 そんざい する[注釈 ちゅうしゃく 10] 。
それ以外 いがい は、統計 とうけい 的 てき な観点 かんてん を濃厚 のうこう に含 ふく む。意味 いみ のある統計 とうけい 手段 しゅだん を行使 こうし するためには、少 すく なくとも以下 いか が必要 ひつよう である
[13] ,[33] ,[34] ,[35] ,[36] ,[37] ,[38] 。
適切 てきせつ なグループ分 わ けの設定 せってい
適切 てきせつ な方法 ほうほう で実験 じっけん 条件 じょうけん を振 ふ る/キザむこと(所謂 いわゆる 「条件 じょうけん 出 だ し」の問題 もんだい )
適切 てきせつ な統計 とうけい 手法 しゅほう /検定 けんてい 統計 とうけい 量 りょう /検定 けんてい 手法 しゅほう の採用 さいよう
統計 とうけい 的 てき な有意 ゆうい 差 さ を得 え るために必要 ひつよう な実験 じっけん 例 れい 数 すう の設定 せってい
統計 とうけい 的 てき な相関 そうかん 、差異 さい の適切 てきせつ な解釈 かいしゃく
実験 じっけん データを適切 てきせつ な可視 かし 化 か 手段 しゅだん にて可視 かし 化 か されること
本節 ほんぶし では、まず、「実験 じっけん デザインの例 れい 」を例示 れいじ した上 うえ で、上記 じょうき それぞれの観点 かんてん について簡単 かんたん に説明 せつめい する。
論文 ろんぶん においては本来 ほんらい このような実験 じっけん 条件 じょうけん の振 ふ り方 かた キザみ方 かた や、実験 じっけん データの解析 かいせき /処理 しょり の仕方 しかた を(専 せん ら統計 とうけい 的 てき な観点 かんてん から)が読者 どくしゃ にわかるように
情報 じょうほう 提供 ていきょう が行 おこな われなければならない。以下 いか 、「実験 じっけん のデザイン」の典型 てんけい 的 てき な例 れい を挙 あ げて例 れい 解 げ する。
<<グループ間 あいだ の差 さ の検定 けんてい の例 れい >>
サンプル:「無作為 むさくい に抽出 ちゅうしゅつ された50代 だい 以上 いじょう の男性 だんせい 100人 にん を」
グループ分 わ け:「酒 さけ を1日 にち に500 mL以上 いじょう 飲 の む群 ぐん と,それ以外 いがい にグループ分 わ けし」
比較 ひかく するデータ:「体重 たいじゅう を比較 ひかく し」
検定 けんてい 量 りょう :「2集団 しゅうだん の平均 へいきん 値 ち に差 さ がないという帰 き 無 む 仮説 かせつ を」
検定 けんてい 方法 ほうほう :「t検定 けんてい によって検定 けんてい した」
<<1因子 いんし 実験 じっけん の例 れい >>
サンプル:文献 ぶんけん 1に記載 きさい のレシピ(タマゴ焼 や き)について、
制御 せいぎょ 因子 いんし :卵 たまご 2個 こ あたりの砂糖 さとう の量 りょう (g)を
条件 じょうけん の振 ふ り方 かた (水準 すいじゅん の設定 せってい ):10g 〜20g の間 あいだ で2g刻 きざ みで振 ふ り
比較 ひかく するデータ:100人 にん の被験者 ひけんしゃ に無 む 作為 さくい に配布 はいふ し、味 あじ をとてもまずい(1)〜とてもおいしい(5)の5段階 だんかい で評価 ひょうか してもらい。
統計 とうけい 処理 しょり :それぞれの条件 じょうけん に対 たい し被験者 ひけんしゃ がつけた評点 ひょうてん の平均 へいきん 値 ち と、ばらつきを評価 ひょうか する。
また、評価 ひょうか の順序 じゅんじょ (プロトコールという意味 いみ ではない)が重要 じゅうよう なケース、即 すなわ ち、実験 じっけん Aと実験 じっけん Bのどちらを先 さき に実施 じっし したかが実験 じっけん 結果 けっか に影響 えいきょう を与 あた えかねない場合 ばあい の例 れい として
<<どちらの実験 じっけん を先 さき に行 い ったかによって実験 じっけん 結果 けっか が変 か わり得 え る場合 ばあい の例 れい >>
卵 たまご 2個 こ あたりの砂糖 さとう の量 りょう が「(a)卵 たまご 2個 こ あたり12g」 と「(b)卵 たまご 2個 こ あたり18g」のどちらの場合 ばあい がより美味 おい しいかを、「食 た べ比 くら べによって比較 ひかく してもらう場合 ばあい 」
については、同 おな じ人 じん が評価 ひょうか するとして「(a)の卵焼 たまごや きを先 さき に食 た べた場合 ばあい 」と「(b)の卵焼 たまごや きを先 さき に食 た べた場合 ばあい 」で評価 ひょうか が変 か わる可能 かのう 性 せい が充分 じゅうぶん ある。このような場合 ばあい 、評価 ひょうか の順序 じゅんじょ に対 たい する公平 こうへい 性 せい を担保 たんぽ するために例 たと えば、
100人 にん の被験者 ひけんしゃ をランダムにA,B,C,Dの4群 ぐん に分 わ け、
A群 ぐん には(a)の卵焼 たまごや きを先 さき に食 た べてもらう
B群 ぐん には(b)の卵焼 たまごや きを先 さき に食 た べてもらう
C群 ぐん は2回 かい とも(a)の卵焼 たまごや きを食 た べてもらう
D群 ぐん は2回 かい とも(b)の卵焼 たまごや きを食 た べてもらう
といったように評価 ひょうか の順番 じゅんばん を無作為 むさくい 化 か することが必要 ひつよう となる。
さらに言 い えば、上記 じょうき の実験 じっけん でもC,Dはコントロール(対照 たいしょう 群 ぐん )が置 お かれているが、「どのような対照 たいしょう 群 ぐん を置 お くのか」という問題 もんだい も検討 けんとう する必要 ひつよう がある。
適切 てきせつ なグループ分 わ けの設定 せってい [ ソースを編集 へんしゅう ]
科学 かがく 的 てき な実験 じっけん においては、被験者 ひけんしゃ や、測定 そくてい サンプルを適切 てきせつ なグループにグループ分 わ けし、グループ内 ない での差 さ とグループ間 あいだ での差異 さい を検討 けんとう する必要 ひつよう がある。
[13] ,[33] ,[34] ,[35] ,[36] ,[37] ,[38] 。大 おお ざっぱにいえば、グループ内 ない での差 さ (バラつき)がグループ間 あいだ の差 さ に対 たい し充分 じゅうぶん 大 おお きければ有意 ゆうい な差 さ ということであり、
そうでなければ有意 ゆうい な差 さ ではないということになる。このような実験 じっけん の例 れい としては、対照 たいしょう 実験 じっけん やコホート研究 けんきゅう がある。
グループ分 わ けの最 もっと も簡単 かんたん な例 れい は「対照 たいしょう 実験 じっけん 」といわれ実験 じっけん 手法 しゅほう であろう。「対照 たいしょう 実験 じっけん 」とは、二 ふた つの状況 じょうきょう を設定 せってい して、一 ひと つだけ条件 じょうけん を変 か え、他 た の条件 じょうけん は同 おな じにしておくように設定 せってい された実験 じっけん のことである[13] 。
条件 じょうけん を変 か えてない方 ほう を「実験 じっけん 群 ぐん 」といい、変 か えた方 ほう を「対照 たいしょう 群 ぐん 」と言 い う[13] 。即 すなわ ち、対照 たいしょう 実験 じっけん とは、
集団 しゅうだん /サンプル:均質 きんしつ な被験者 ひけんしゃ の集団 しゅうだん (例 たと えば「風邪 かぜ を引 ひ いた人達 ひとたち 」)や均質 きんしつ な測定 そくてい サンプルの集団 しゅうだん を、
因子 いんし :一 ひと つの因子 いんし について(例 たと えば「風邪 かぜ 薬 やく を投与 とうよ 」)に関 かん して"のみ"、
グループ分 わ け(属性 ぞくせい A):因子 いんし 有 ゆう の群 ぐん (実験 じっけん 群 ぐん ,本 ほん 例 れい では「風邪 かぜ 薬 やく を投与 とうよ した群 ぐん 」)と、因子 いんし 無 な しの群 ぐん (対象 たいしょう 群 ぐん ,本 ほん 例 れい では「風邪 かぜ 薬 やく を投与 とうよ しなかった群 ぐん 」)に分 わ けて
比較 ひかく (属性 ぞくせい B):効果 こうか を比較 ひかく する
ような1因子 いんし 実験 じっけん のことである。このような実験 じっけん デザインによって、「特定 とくてい の一 ひと つの観点 かんてん や因子 いんし の“有無 うむ ”が、効果 こうか の有無 うむ につながるか否 ひ か」が鑑別 かんべつ 出来 でき る。
対照 たいしょう 実験 じっけん の結果 けっか の解釈 かいしゃく について、科学 かがく 哲学 てつがく 者 しゃ の戸田 とだ 山 さん 和久 わぐ は、「四 よん 分割 ぶんかつ 表 ひょう 」(統計 とうけい 学 がく でいうところの2×2分割 ぶんかつ 表 ひょう [33] の1種 しゅ )という表 ひょう を用 もち いて解釈 かいしゃく するとわかりやすいと述 の べている。四 よん 分割 ぶんかつ 表 ひょう とは、以下 いか の表 ひょう のように、縦 たて の見出 みだ し列 れつ を「因子 いんし の有無 うむ 」(原因 げんいん )、横 よこ の見出 みだ し行 ぎょう を「効果 こうか の有無 うむ 」(結果 けっか )にわけてデータを整理 せいり するための表 ひょう である。このように区分 くぶん することで、表 ひょう は、以下 いか の
(イ)因子 いんし 有 ゆう 、効果 こうか 有 ゆう
(ロ)因子 いんし 有 ゆう 、効果 こうか 無 な
(ハ)因子 いんし 無 な 、効果 こうか 有 ゆう
(ニ)因子 いんし 無 な 、効果 こうか 無 な
の4つのセグメントに分 わ かれる。被験者 ひけんしゃ の集団 しゅうだん や測定 そくてい サンプルの集団 しゅうだん のうちそれぞれのセグメントに何人 なんにん (何 なに サンプル)が入 はい るのかから、その因子 いんし の程度 ていど がある程度 ていど わかる。
(実際 じっさい にはきちんとした検定 けんてい が必要 ひつよう であるが、検定 けんてい をする上 じょう でもこのような考 かんが え方 かた を知 し っておくと説明 せつめい がしやすい。)尚 なお 、「独立 どくりつ 性 せい の検定 けんてい 」という観点 かんてん からは、科学 かがく 哲学 てつがく 者 しゃ の戸田 とだ 山 さん 和久 わぐ は「四 よん 分割 ぶんかつ 表 ひょう 」を「対照 たいしょう 実験 じっけん 」の観点 かんてん に限 かぎ って説明 せつめい しているが、統計 とうけい 学 がく における2×2分割 ぶんかつ 表 ひょう は、属性 ぞくせい A(本 ほん 例 れい では、因子 いんし の有無 うむ )、属性 ぞくせい B(本 ほん 例 れい では効果 こうか の有無 うむ )がそれぞれ2つの階級 かいきゅう (水準 すいじゅん )(A1,A2,B1,B2)を持 も つというような問題 もんだい において、属性 ぞくせい Aと属性 ぞくせい Bの独立 どくりつ 性 せい を検定 けんてい するというより一般 いっぱん の問題 もんだい を取 と り扱 あつか うことが出来 でき る(属性 ぞくせい Aが原因 げんいん で、属性 ぞくせい Bが結果 けっか である必要 ひつよう は必 かなら ずしもない)[33] 。さらに、属性 ぞくせい A,Bの階級 かいきゅう がそれぞれm,nの場合 ばあい にも問題 もんだい (m×n分割 ぶんかつ 表 ひょう の問題 もんだい )は拡張 かくちょう 可能 かのう で、この問題 もんだい も「独立 どくりつ 性 せい の検定 けんてい 」の話 はなし である[33] 。
表 ひょう :四 よん 分割 ぶんかつ 表 ひょう
効果 こうか 有 ゆう
効果 こうか 無 な
因子 いんし 有 ゆう
(イ)
(ロ)
因子 いんし 無 な
(ハ)
(ニ)
例 たと えば以下 いか の問題 もんだい を検討 けんとう してみよう。
1000人 にん の風邪 かぜ の人 ひと がある薬 くすり を飲 の み、XX人 じん が回復 かいふく したとしよう。これに対 たい して薬 くすり は風邪 かぜ に効 き くと結論 けつろん 付 つ けてよいか?
より正確 せいかく な設定 せってい は以下 いか のとおりである。
サンプル:「風邪 かぜ を引 ひ いた人 ひと 2,000人 にん を」
グループ分 わ け:「ある風邪 かぜ 薬 やく を投与 とうよ した群 ぐん 1,000人 にん 」と「そうでない群 ぐん 1,000人 にん 」とに分 わ け
効果 こうか の測定 そくてい :「2日 にち 以内 いない に治 なお ったか否 ひ かを評価 ひょうか する」
結果 けっか の例 れい を以下 いか の表 ひょう に4例 れい 上 あ げてみる。尚 なお 以下 いか の(イ)〜(ニ)は四 よん 分割 ぶんかつ 表 ひょう のそれぞれのセグメントである。
(イ)
(ロ)
(ハ)
(ニ)
合計 ごうけい
例 れい 1
999
1
1
999
2000
例 れい 2
999
1
999
1
2000
例 れい 3
800
200
600
400
2000
例 れい 4
990
10
999
5
2000
例 れい 1は、自然 しぜん 治癒 ちゆ した例 れい (ニ)は1,000件 けん 中 ちゅう 1例 れい しかなく、薬 くすり を投与 とうよ しても治 なお らなかった例 れい は1,000件 けん 中 ちゅう 1例 れい しかない。圧倒的 あっとうてき に効果 こうか 有 あ りと推定 すいてい されよう。
但 ただ し「効果 こうか の測定 そくてい 」が「2日 にち 以内 いない に治 なお ったか否 ひ かを評価 ひょうか する」という手法 しゅほう だが、薬 くすり を飲 の んだ群 ぐん のほとんどがぎりぎり2日 にち 以内 いない に治 なお っていて、そうでない群 ぐん がぎりぎり2日 にち 以降 いこう に治 なお っていた等 ひとし という可能 かのう 性 せい もあり得 え る。閾値の設定 せってい の問題 もんだい が恣意 しい 的 てき でないということは前提 ぜんてい にある。
例 れい 2は、薬 くすり を飲 の んでも飲 の まなくても結果 けっか が同 おな じであり、「薬 くすり を飲 の んだ人 ひと はほとんどみんな治 なお っている」けれども、「薬 くすり の効果 こうか は無 な い」と推定 すいてい されよう。
例 れい 1同様 どうよう に閾値や効果 こうか 測定 そくてい の設定 せってい の問題 もんだい はある。今回 こんかい は「治 なお るまでの期間 きかん はかわらないが、だいぶ楽 らく に過 す ごせた」といった効果 こうか を効果 こうか とは見 み なしていないが、効果 こうか 測定 そくてい の観点 かんてん をどうするかによって、結論 けつろん が変 か わる可能 かのう 性 せい はある。また、今回 こんかい の例 れい では薬 くすり の量 りょう は投与 とうよ するか否 ひ かの2択 よ しかないが、量 りょう が妥当 だとう だったかという問題 もんだい もある(⇒一 いち 因子 いんし 実験 じっけん )。
例 れい 3については、実験 じっけん 群 ぐん の中 なか での治癒 ちゆ 率 りつ ((イ)/(イ+ロ))=80% は、対照 たいしょう の中 なか での治癒 ちゆ 率 りつ ((ハ)/(ハ+ニ))=60%に対 たい して大 おお きい。この差 さ が“優位 ゆうい ではないか”と思 おも われるほど大 おお きい。正確 せいかく な検定 けんてい が必要 ひつよう である。
例 れい 4では、実験 じっけん 群 ぐん の中 なか での治癒 ちゆ 率 りつ ((イ)/(イ+ロ))と、対照 たいしょう の中 なか での治癒 ちゆ 率 りつ ((ハ)/(ハ+ニ))の差 さ がたいしてかわらない。従 したが って効果 こうか がないと思 おも われる。
但 ただ し、上記 じょうき の閾値や効果 こうか 測定 そくてい 法 ほう の問題 もんだい に加 くわ え、「特定 とくてい の機 き 序 じょ の関与 かんよ 」がある場合 ばあい も考 かんが えられる。これについては、イレッサ の例 れい で見 み てみよう。
総 そう じて、対照 たいしょう 実験 じっけん というのは例 れい 2のような愚 ぐ を犯 おか さない上 じょう では有効 ゆうこう だけれども、「介入 かいにゅう の有無 うむ 」、「効果 こうか の有無 うむ 」を二 に 値 ち 化 か していることにより
介入 かいにゅう の強 つよ さ(薬 くすり の投与 とうよ 量 りょう )は妥当 だとう だったのか?(主 おも に効果 こうか が見 み られなかった場合 ばあい )
効果 こうか 判定 はんてい の閾値設定 せってい が恣意 しい 的 てき でなかったのか?(効果 こうか があった場合 ばあい もなかった場合 ばあい も)
という問題 もんだい がある。そこで、(一 ひと つの因子 いんし に対 たい する)介入 かいにゅう の強 つよ さと効果 こうか 判定 はんてい のそれぞれを多 た 段階 だんかい にした一 いち 因子 いんし 実験 じっけん という考 かんが え方 かた が出 で てくる[13] 。
一 いち 因子 いんし 実験 じっけん においても、実験 じっけん 条件 じょうけん (介入 かいにゅう の強 つよ さ,横 よこ 軸 じく )と効果 こうか 判定 はんてい (効果 こうか の強 つよ さ,縦 たて 軸 じく )に取 と り、適切 てきせつ に象限 しょうげん を分 わ けると、四 よん 分割 ぶんかつ 表 ひょう の考 かんが え方 かた である程度 ていど 理解 りかい 可能 かのう である[13] 。
一方 いっぽう で、作用 さよう 機 き 序 じょ の問題 もんだい は残 のこ っている。作用 さよう 機 き 序 じょ の問題 もんだい とは、例 たと えば以下 いか のような事例 じれい が存在 そんざい する[60] 。
このうち、海外 かいがい で行 おこな われた1つの試験 しけん (INTEREST試験 しけん )では、イレッサによって、従来 じゅうらい 型 がた 抗 こう がん剤 ざい と同 どう 程度 ていど の延命 えんめい 効果 こうか が得 え られることが証明 しょうめい されていますが、ほぼ同 おな じデザインで行 おこな われた国内 こくない の試験 しけん (V15-32試験 しけん )では、延命 えんめい 効果 こうか を明確 めいかく に証明 しょうめい することはできませんでした。また、海外 かいがい で行 おこな われたもう1つの試験 しけん (ISEL試験 しけん )では、プラセボよりも延命 えんめい 効果 こうか がありそうだったのですが、明確 めいかく な証明 しょうめい には至 いた りませんでした。([60] より引用 いんよう )
この事例 じれい は臨床 りんしょう 薬 やく の治験 ちけん の事例 じれい であるため、上記 じょうき の例 れい 4に比 くら べ、はるかに高度 こうど で精密 せいみつ な条件 じょうけん 設定 せってい がなされているわけだが、
簡単 かんたん に考 かんが えれば上記 じょうき の例 れい 4と似 に たような事例 じれい である。イレッサのような分子 ぶんし 標的 ひょうてき 薬 やく は、「特定 とくてい の機 き 序 じょ でがんになった人 ひと にはよく利 き くが、そうでない人 ひと には殆 ほとん ど効果 こうか がない」
という性質 せいしつ がある。例 れい 4の場合 ばあい でも、「(イ)に相当 そうとう する10人 にん の一部 いちぶ は、この薬 くすり のおかげで治 なお ったかもしれない」という可能 かのう 性 せい が残 のこ る。こういった場合 ばあい には、「薬 くすり が効 き いた群 ぐん とそうでない群 ぐん 」に何 なん らかの違 ちが いがないかを検討 けんとう することが望 のぞ まれる。
適切 てきせつ な方法 ほうほう で実験 じっけん 条件 じょうけん を振 ふ る/キザむこと(条件 じょうけん の振 ふ り方 かた と条件 じょうけん 出 だ し)[ ソースを編集 へんしゅう ]
科学 かがく 的 てき な実験 じっけん においては、適切 てきせつ な方法 ほうほう で「実験 じっけん 条件 じょうけん を振 ふ る」こと「条件 じょうけん 出 だ し 」をすることが必要 ひつよう となる[37] [61] [13] 。このような行為 こうい は、特 とく に技術 ぎじゅつ 者 しゃ や工学 こうがく 者 しゃ の間 あいだ では「条件 じょうけん を振 ふ る」、「条件 じょうけん を出 だ す」という用語 ようご で表現 ひょうげん される。これらの用語 ようご は、慣用 かんよう 的 てき な使 つか われ方 かた をされることが多 おお く、意味 いみ 範囲 はんい が広 ひろ い場合 ばあい も狭 せま い場合 ばあい あるため、本 ほん 記事 きじ では以下 いか 意味 いみ で用 もち いることにする。
条件 じょうけん を振 ふ る :複数 ふくすう の条件 じょうけん で実験 じっけん してみること/試作 しさく してみることによって、目的 もくてき にかなった実験 じっけん /作成 さくせい 条件 じょうけん を探索 たんさく すること。
条件 じょうけん 出 だ し (条件 じょうけん を出 だ す):複数 ふくすう の条件 じょうけん で実験 じっけん してみること/試作 しさく してみることによって、目的 もくてき にかなった実験 じっけん /作成 さくせい 条件 じょうけん を見出 みいだ すこと。
例 たと えば、「大砲 たいほう の射出 しゃしゅつ 角度 かくど を0度 ど から90度 ど まで1度 ど 刻 きざ みでキザみ、最 もっと も砲弾 ほうだん の飛行 ひこう 距離 きょり が長 なが い条件 じょうけん を見出 みだし だす」、「培地 ばいち の組成 そせい 成分 せいぶん として様々 さまざま なものをためし、細胞 さいぼう が最 もっと もよく育 そだ つ組成 そせい を見 み つける」、「乳牛 にゅうぎゅう の品種 ひんしゅ として、ホルスタイン、ジャージのどちらが沢山 たくさん 牛乳 ぎゅうにゅう を出 だ すかを調 しら べる」といった実験 じっけん は「条件 じょうけん 出 だ し」の一 いち 例 れい である。
「条件 じょうけん 出 だ し」には、「実験 じっけん 条件 じょうけん 」(因子 いんし )と「評価 ひょうか 観点 かんてん 」が少 すく なくとも定 さだ められていなければならない。
実験 じっけん 条件 じょうけん (因子 いんし ):上 うえ の例 れい においても「大砲 たいほう の射出 しゃしゅつ 角度 かくど 」、「細 ほそ 培地 ばいち の組成 そせい 成分 せいぶん 」、「乳牛 にゅうぎゅう の品種 ひんしゅ 」がこれに相当 そうとう する。実験 じっけん 条件 じょうけん の探索 たんさく の仕方 しかた としては、単 たん 因子 いんし 実験 じっけん (「大砲 たいほう の射出 しゃしゅつ 角度 かくど 」のように1つの因子 いんし の影響 えいきょう だけを検討 けんとう する)であっても、多 た 因子 いんし 実験 じっけん (培地 ばいち 成分 せいぶん のうち、グルコース、リジン、ビタミンCの濃度 のうど を振 ふ るといったように、複数 ふくすう の因子 いんし の影響 えいきょう を検討 けんとう する)であってもよく、必 かなら ずしも(実験 じっけん 計画 けいかく 法 ほう 等 とう の)理論 りろん に裏付 うらづ けられた手法 しゅほう に基 もと づけられた探索 たんさく 手法 しゅほう であるとは限 かぎ らない。また、因子 いんし としては、「XXの濃度 のうど 」、「射出 しゃしゅつ 角度 かくど 」のように数字 すうじ で定量 ていりょう 化 か 可能 かのう な「パラメータ」であることもあれば、「材料 ざいりょう 名 めい 」、「品種 ひんしゅ 」、「タイムコース」のように数字 すうじ で定量 ていりょう 化 か 出来 でき ない「種類 しゅるい 」であることもある。
評価 ひょうか 観点 かんてん :上 うえ の例 れい においては、「砲弾 ほうだん の飛行 ひこう 距離 きょり 」、「細胞 さいぼう が最 もっと もよく育 そだ つ」がこれに相当 そうとう する。評価 ひょうか 観点 かんてん は「目標 もくひょう 値 ち 」や「評価 ひょうか 関数 かんすう 」を設定 せってい する形 かたち で定量 ていりょう 化 か される。評価 ひょうか 値 ち 、即 すなわ ち実験 じっけん データが基準 きじゅん 値 ち の中 なか に入 はい って入 はい ればよいとする立場 たちば もあれば、評価 ひょうか 値 ち をプロットした特性 とくせい 曲線 きょくせん の形 かたち が望 のぞ ましい形状 けいじょう であることと立場 たちば もあれば、評価 ひょうか 値 ち を変数 へんすう とする評価 ひょうか 関数 かんすう が最大 さいだい 、最小 さいしょう 、目標 もくひょう 値 ち に最 もっと も近 ちか いといったことを以 もっ て目標 もくひょう に合致 がっち していることを評価 ひょうか することもある。場合 ばあい によっては経験 けいけん 的 てき な識見 しきけん に基 もと づいて「不具合 ふぐあい などの有無 うむ 」を総合 そうごう 的 てき に判定 はんてい する場合 ばあい もある。評価 ひょうか 基準 きじゅん の設定 せってい や、評価 ひょうか 基準 きじゅん の定量 ていりょう 化 か は、実験 じっけん 全体 ぜんたい の目的 もくてき (上位 じょうい の目的 もくてき )や、設計 せっけい 仕様 しよう に依存 いぞん する。
基本 きほん 的 てき なレベルにおいては、条件 じょうけん の振 ふ り方 かた は以下 いか のような考 かんが え方 かた がなされる[61]
複数 ふくすう のパラメータを同時 どうじ に動 うご かすな(安易 あんい に「多 た 因子 いんし 実験 じっけん 」をするな)
最適 さいてき 値 ち や目標 もくひょう 値 ち に近 ちか いと思 おも われる条件 じょうけん では細 こま かく条件 じょうけん を振 ふ れ
このような考 かんが え方 かた の根底 こんてい には、「条件 じょうけん 出 だ し」は、「評価 ひょうか 値 ち (実験 じっけん データ)を、実験 じっけん 条件 じょうけん に基 もと づいて比較 ひかく する」という基本 きほん 的 てき な考 かんが え方 かた がある。因子 いんし や評価 ひょうか 基準 きじゅん を複雑 ふくざつ に考 かんが えると、「何 なん と何 なに を、何 なに に基 もと づいて比較 ひかく しているのか」がわかりにくくなる。
しかし、現実 げんじつ には複数 ふくすう のパラメータが因子 いんし となり得 え て、さらにはパラメータ間 あいだ の交互 こうご 作用 さよう が考 かんが えられる。検討 けんとう するパラメータの数 かず が多 おお くなれば多 おお くなるほど、パラメータの刻 きざ み方 かた が多 おお くなれば多 おお くなるほど「組 く み合 あ わせ爆発 ばくはつ 」ともいえる様 よう な現象 げんしょう が起 お こり、評価 ひょうか すべき「実験 じっけん 条件 じょうけん の組 く み合 あ わせ」が膨大 ぼうだい となる。このような問題 もんだい に対 たい して、タグチメソッド 等 ひとし の手法 しゅほう が存在 そんざい する。
また、現実 げんじつ の問題 もんだい では「良 よ し悪 あ し」は複数 ふくすう 種類 しゅるい のデータに基 もと づいて総合 そうごう 的 てき に判断 はんだん せねば評価 ひょうか できないことも多 おお い。例 たと えば「家 いえ を買 か う」という(条件 じょうけん 出 だ しというにはあまりに日常 にちじょう 的 てき な)ですら、問題 もんだい に対 たい しても評価 ひょうか 観点 かんてん として、「駅 えき から近 ちか く、閑静 かんせい で、値段 ねだん も安 やす く、…」というように多数 たすう のの観点 かんてん が存在 そんざい する。これらの評価 ひょうか 観点 かんてん には、当然 とうぜん トレードオフ が存在 そんざい する(駅 えき からの距離 きょり と値段 ねだん とは両立 りょうりつ しないというように)ため、それぞれの評価 ひょうか 観点 かんてん に適切 てきせつ な重 おも みづけをする等 ひとし をしたり、より複雑 ふくざつ な場合 ばあい には何 なん らかの評価 ひょうか 関数 かんすう を設定 せってい する等 ひとし が行 おこな われる。
条件 じょうけん を振 ふ る際 さい には、「実験 じっけん 条件 じょうけん のキザみ方 かた 」も問題 もんだい になる。「実験 じっけん 条件 じょうけん のキザミ方 かた 」というのは、「どの条件 じょうけん を細 こま かく振 ふ るか」といった事柄 ことがら を指 さ し示 しめ す概念 がいねん で、
初等 しょとう 的 てき な理解 りかい としては、
実験 じっけん 結果 けっか に支配 しはい 的 てき な影響 えいきょう を及 およ ぼすパラメータは広 ひろ いレンジで条件 じょうけん を振 ふ る。
最適 さいてき 条件 じょうけん に近 ちか いと思 おも われる条件 じょうけん の付近 ふきん では細 こま かく条件 じょうけん を振 ふ る。
広 ひろ いレンジで傾向 けいこう を見 み る(粗 そ 探索 たんさく )ときは試行 しこう 回数 かいすう は少 すく なくてもよいが、最適 さいてき 条件 じょうけん に近 ちか いと思 おも われる条件 じょうけん については充分 じゅうぶん な試行 しこう 回数 かいすう で実験 じっけん する(Nを稼 かせ ぐ)のが望 のぞ ましい。
といったことがよく言 い われる。このようにすることで、より良 よ い条件 じょうけん が見 み つかったり、最適 さいてき 条件 じょうけん のロバスト性 せい が評価 ひょうか 出来 でき たり、少 すく ない回数 かいすう で信頼 しんらい 性 せい に高 たか い結果 けっか がえられたりといったメリットがある。
先述 せんじゅつ の「大砲 たいほう の射出 しゃしゅつ 角度 かくど 」では、例 たと えば「まず5度 ど 間隔 かんかく で粗 あら く条件 じょうけん を振 ふ り、飛行 ひこう 距離 きょり が長 なが かった条件 じょうけん の付近 ふきん だけ1度 ど キザミで条件 じょうけん を振 ふ る」といったことをすることですべてのレンジで平等 びょうどう に1度 ど キザミで条件 じょうけん を振 ふ るよりも効率 こうりつ よく条件 じょうけん 出 だ しができよう[注釈 ちゅうしゃく 11] 。
適切 てきせつ な統計 とうけい 手法 しゅほう /検定 けんてい 量 りょう 統計 とうけい /検定 けんてい 手法 しゅほう の採用 さいよう [ ソースを編集 へんしゅう ]
科学 かがく 的 てき な考察 こうさつ を加 くわ えるためには、適切 てきせつ な統計 とうけい 手法 しゅほう /検定 けんてい 統計 とうけい 量 りょう /検定 けんてい 手法 しゅほう の採用 さいよう が必要 ひつよう である
[33] ,[34] ,[35] ,[36] ,[38] 。
「検定 けんてい 」という言葉 ことば は(統計 とうけい 用語 ようご に限 かぎ ったとしても)以下 いか の異 こと なる意味 いみ の間 あいだ で使 つか われており、人 ひと によって用語 ようご の使 つか い方 かた がまちまちのものもある。従 したが って
本 ほん 記事 きじ の中 なか での用語 ようご を以下 いか のように統一 とういつ する。単 たん に「検定 けんてい 」といった場合 ばあい には、以下 いか のどの意味 いみ で言 い っているかがあまり重要 じゅうよう でない場合 ばあい を意味 いみ するものとする。
仮説 かせつ 検定 けんてい :帰 き 無 む 仮説 かせつ がどの程度 ていど 正 ただ しくないかを判定 はんてい する作業 さぎょう (多 おお くの場合 ばあい p値 ね を算出 さんしゅつ する作業 さぎょう )作業 さぎょう そのもの。
検定 けんてい の目的 もくてき :「母集団 ぼしゅうだん の検定 けんてい 」,「母 はは 分散 ぶんさん の検定 けんてい 」,「平均 へいきん 値 ち の差 さ の検定 けんてい 」,「等 とう 分散 ぶんさん の検定 けんてい 」,「比率 ひりつ の検定 けんてい 」,「適合 てきごう 度 ど の検定 けんてい 」,「独立 どくりつ 性 せい の検定 けんてい 」
検定 けんてい 手段 しゅだん :二 に 項 こう 検定 けんてい ,z検定 けんてい ,t検定 けんてい ,F検定 けんてい ,カイ二 に 乗 じょう 検定 けんてい (ピアソン検定 けんてい ),U検定 けんてい (マンホイットニー検定 けんてい ),符号 ふごう 検定 けんてい [27] ,Wilcoxon検定 けんてい [28] ,フィッシャーの直接 ちょくせつ 確 かく 率 りつ 検定 けんてい ,中央 ちゅうおう 値 ち 検定 けんてい 等 ひとし のように検定 けんてい の手法 しゅほう の名称 めいしょう
検定 けんてい 統計 とうけい 量 りょう そのもの:標本 ひょうほん データから一定 いってい のアルゴリズムに従 したが って算出 さんしゅつ される量 りょう を一般 いっぱん に統計 とうけい 量 りょう という。集団 しゅうだん としてある確 かく 率 りつ 分布 ぶんぷ を仮定 かてい (仮説 かせつ )しておけば、それから統計 とうけい 量 りょう に相当 そうとう する確 かく 率 りつ 変数 へんすう が、検定 けんてい に用 もち いられるような確 かく 率 りつ 分布 ぶんぷ (例 たと えばカイ二 に 乗 じょう 分布 ぶんぷ )に従 したが うことになる。このような統計 とうけい 量 りょう のことを「検定 けんてい 統計 とうけい 量 りょう 」と呼 よ ぶことにする。(通常 つうじょう p値 ね を含 ふく む場合 ばあい が多 おお いが、p値 ち は検定 けんてい 統計 とうけい 量 りょう に含 ふく まないとする)
仮説 かせつ 検定 けんてい は、多 おお くの場合 ばあい 、概 おおむ ね以下 いか の手順 てじゅん で実施 じっし される[33] p113。
ステップ1:帰 き 無 む 仮説 かせつ (H0 ),対立 たいりつ 仮説 かせつ (H1 ),有意 ゆうい 水準 すいじゅん (α あるふぁ )
ステップ2:標本 ひょうほん から検定 けんてい 統計 とうけい 量 りょう を算出 さんしゅつ する。
ステップ3:上記 じょうき の検定 けんてい 統計 とうけい 量 りょう に対 たい し適切 てきせつ な統計 とうけい 手法 しゅほう を行使 こうし し、棄却 ききゃく 域 いき に入 はい っているかを判定 はんてい する。
ステップ4:上記 じょうき “ステップ3”の結果 けっか が棄却 ききゃく 域 いき に張 は っている場合 ばあい には、H0 を棄却 ききゃく し、H1 を採択 さいたく する。
多 おお くの場合 ばあい では、ステップ3ではp値 ね といわれる値 ね を算出 さんしゅつ する。
p値 ね とは、大 おお ざっぱにいえば0から1までの間 あいだ に値 ね をとる数 かず であり、帰 き 無 む 仮説 かせつ が正 ただ しい確 かく 率 りつ (従 したが って「対立 たいりつ 仮説 かせつ が誤 あやま っている確 かく 率 りつ 」)を表 あらわ す指標 しひょう のことである。
p値 ね が0の場合 ばあい 帰 き 無 む 仮説 かせつ は“絶対 ぜったい に誤 あやま り”であり、p値 ね が1の場合 ばあい には帰 かえり 無 む 仮説 かせつ は
“絶対 ぜったい に正 ただ しい”ので、p値 ね が小 ちい さければ小 ちい さいほど対立 たいりつ 仮説 かせつ の正 ただ しさが増 ま すことになる(実際 じっさい にp値 ね が0や1になることはほぼ起 お こらない)。
p値 ち は、検定 けんてい 統計 とうけい 量 りょう と検定 けんてい 手法 しゅほう が決 き まれば一意 いちい に定 さだ まるが、これが異 こと なると値 ね が異 こと なることもある(方法 ほうほう によって値 ね が異 こと なる)。
z検定 けんてい ,t検定 けんてい ,F検定 けんてい カイ二 に 乗 じょう 検定 けんてい (ピアソン検定 けんてい ),U検定 けんてい (マンホイットニー検定 けんてい ),符号 ふごう 検定 けんてい [29] ,Wilcoxon検定 けんてい [30] ,フィッシャーの直接 ちょくせつ 確 かく 率 りつ 検定 けんてい ,中央 ちゅうおう 値 ち 検定 けんてい 等 ひとし のように、様々 さまざま な検定 けんてい 手法 しゅほう が存在 そんざい する。
例 たと えば、z検定 けんてい ,t検定 けんてい ,F検定 けんてい ,カイ二 に 乗 じょう 検定 けんてい のように、検定 けんてい 統計 とうけい 量 りょう がある特定 とくてい の分布 ぶんぷ に従 したが う[注釈 ちゅうしゃく 12] ことを前提 ぜんてい とした検定 けんてい 手段 しゅだん では、両側 りょうがわ 検定 けんてい とするのか、片側 かたがわ 検定 けんてい とするのかの分類 ぶんるい が存在 そんざい しえる。他 ほか にも、検定 けんてい 手段 しゅだん は様々 さまざま な観点 かんてん から分類 ぶんるい される。
片側 かたがわ /両側 りょうがわ の区別 くべつ :「片側 かたがわ 検定 けんてい 」、「両側 りょうがわ 検定 けんてい 」等 とう
パラメトリックであるか否 ひ か:検定 けんてい 対象 たいしょう としているサンプル群 ぐん が正規 せいき 分布 ぶんぷ であると仮定 かてい している方法 ほうほう が「パラメトリック」,その前提 ぜんてい を置 お かないものが「ノンパラメトリック」検定 けんてい である。
比較 ひかく する群 ぐん の数 かず :3群 ぐん 以上 いじょう の群 ぐん (例 れい .A型 がた ,B型 がた ,O型 がた ,AB型 がた )を比較 ひかく する「多 た 群 ぐん 検定 けんてい [31] と、「それ以外 いがい 」
多重 たじゅう 比較 ひかく をするか否 ひ か:「多重 たじゅう 比較 ひかく 検定 けんてい 」と、「それ以外 いがい 」
以下 いか の表 ひょう に、よく使 つか われる検定 けんてい 手段 しゅだん の例 れい を例示 れいじ し、適用 てきよう 可能 かのう となる前提 ぜんてい 条件 じょうけん と、検出 けんしゅつ 力 りょく ,ロバストネス の高低 こうてい を示 しめ す[34] p99。
表 ひょう .よく使 つか われる検定 けんてい 手法 しゅほう の例 れい [34]
以下 いか の表 ひょう に仮説 かせつ 検定 けんてい の典型 てんけい 例 れい を、検定 けんてい の目的 もくてき に応 おう じて例示 れいじ する[33] (pp113-127)。それぞれの場合 ばあい によく用 もち いられる検定 けんてい 統計 とうけい 量 りょう や、前提 ぜんてい 条件 じょうけん 、検定 けんてい 手段 しゅだん 等 とう についても、併 あわ せて例示 れいじ する[33] (pp113-127)。
表 ひょう .検定 けんてい の典型 てんけい 例 れい [33]
#
検定 けんてい の目的 もくてき
前提 ぜんてい *1
帰 き 無 む 仮説 かせつ (H0 )
検定 けんてい 手法 しゅほう
1
母 はは 平均 へいきん の検定 けんてい (標本 ひょうほん 平均 へいきん と母 はは 平均 へいきん との間 あいだ に差 さ があるか否 ひ かの検定 けんてい )
母集団 ぼしゅうだん の分布 ぶんぷ がN(μ みゅー ,σ しぐま 2 )である。
母 はは 平均 へいきん μ みゅー に対 たい し 「H0 :μ みゅー =μ みゅー 0 」
母 はは 分散 ぶんさん が既知 きち の場合 ばあい ⇒z検定 けんてい
母 はは 分散 ぶんさん が未知 みち の場合 ばあい ⇒t検定 けんてい
2
母 はは 分散 ぶんさん の検定 けんてい (標本 ひょうほん 分散 ぶんさん と母 はは 分散 ぶんさん との間 あいだ に差 さ があるか否 ひ かの検定 けんてい )
母集団 ぼしゅうだん の分布 ぶんぷ がN(μ みゅー ,σ しぐま 2 )である。
母 はは 分散 ぶんさん σ しぐま 2 に対 たい し 「H0 :σ しぐま =σ しぐま 0 」
母 はは 平均 へいきん が既知 きち の場合 ばあい ⇒カイ二 に 乗 じょう 検定 けんてい
母 はは 平均 へいきん が未知 みち の場合 ばあい ⇒カイ二 に 乗 じょう 検定 けんてい
3
平均 へいきん 値 ち の差 さ の検定 けんてい (2つの群 ぐん の平均 へいきん 値 ち が等 ひと しいか否 ひ かの検定 けんてい )
A群 ぐん ,B群 ぐん は互 たが いにディスジョイントであり、A群 ぐん の母集団 ぼしゅうだん の分布 ぶんぷ がN1 (μ みゅー 1 ,σ しぐま 2 1 )であり、
B群 ぐん の母集団 ぼしゅうだん の分布 ぶんぷ が、N2 (μ みゅー 2 ,σ しぐま 2 2 )である。
N1 ,N2 に対 たい し 「H0 :μ みゅー 1 =μ みゅー 2 」
A,B両 りょう 群 ぐん の母 はは 分散 ぶんさん が既知 きち の場合 ばあい ⇒z検定 けんてい
A,B両 りょう 群 ぐん の母 はは 分散 ぶんさん が未知 みち ではあるが、等 ひと しい(σ しぐま 2 1 =σ しぐま 2 2 )⇒⇒t検定 けんてい
A,B両 りょう 群 ぐん の母 はは 分散 ぶんさん が未知 みち ではあり、等 ひと しくない場合 ばあい (σ しぐま 2 1 ≠σ しぐま 2 2 )⇒⇒t検定 けんてい
4
等 とう 分散 ぶんさん の検定 けんてい (2つの群 ぐん の分散 ぶんさん が等 ひと しいか否 ひ かの検定 けんてい )
A群 ぐん ,B群 ぐん はディスジョイントであり、A群 ぐん の母集団 ぼしゅうだん の分布 ぶんぷ がN1 (μ みゅー 1 ,σ しぐま 2 1 )に従 したが い、B群 ぐん の母集団 ぼしゅうだん の分布 ぶんぷ が、N2 (μ みゅー 2 ,σ しぐま 2 2 )に従 したが う。
母集団 ぼしゅうだん N1 ,N2 に対 たい し 「H0 :σ しぐま 1 =σ しぐま 2 」
片側 かたがわ F検定 けんてい
5
比率 ひりつ の検定 けんてい [32] [33]
Bi(n,per0 )に従 したが う
母集団 ぼしゅうだん 内 ない のあるグループの比率 ひりつ (per,母 はは 比率 ひりつ )と特定 とくてい のサブグループ内 ない の
ある特定 とくてい のグループの比率 ひりつ について
「H0 :per=per0 」
z検定 けんてい
6
適合 てきごう 度 ど の検定 けんてい [34]
理論 りろん 分布 ぶんぷ が既知 きち
排反 はいはん なk個 こ の階級 かいきゅう C1,C2,...,Ckに分 わ けられる現象 げんしょう を観察 かんさつ したとき、それぞれの階級 かいきゅう の度数 どすう が
X1,X2,...,Xkであったとする。このとき
「H0 :上記 じょうき の度数 どすう 分布 ぶんぷ は、理論 りろん 分布 ぶんぷ に従 したが っている」
カイ二 に 乗 じょう 検定 けんてい
◆例 れい 1-1:母 はは 分散 ぶんさん が既知 きち の場合 ばあい
ある病気 びょうき の患者 かんじゃ 16人 にん の血清 けっせい 中 ちゅう のカルシウム濃度 のうど の平均 へいきん 値 ち (μ みゅー )は、7.4 mg/dlであった。健常 けんじょう 者 しゃ の血清 けっせい 中 ちゅう のカルシウム濃度 のうど は平均 へいきん 9.8 mg/dl(μ みゅー 0 ) 標準 ひょうじゅん 偏差 へんさ は0.5 mg/dlである。この時 とき 、H1 :「この病気 びょうき に感染 かんせん すると血清 けっせい 中 ちゅう のカルシウム濃度 のうど は低下 ていか する」と言 い えるか?
両側 りょうがわ z検定 けんてい において、有意 ゆうい 水準 すいじゅん pで帰 き 無 む 仮説 かせつ を棄却 ききゃく することを考 かんが えた場合 ばあい 、p=0.05,p=0.01の場合 ばあい の帰 き 無 む 仮説 かせつ の採択 さいたく 範囲 はんい は以下 いか のようになる。
α あるふぁ =0.05のとき、「=NORMSINV(0.05/2)」の計算 けいさん 値 ち (Excel)は、「-1.959963985」であるため、標準 ひょうじゅん 正規 せいき 分布 ぶんぷ の対称 たいしょう 性 せい より-1.96≦Z≦1.96となり、
α あるふぁ =0.01のとき、「=NORMSINV(-0.05/2)」の計算 けいさん 値 ち (Excel)は、「0.005」であるため、標準 ひょうじゅん 正規 せいき 分布 ぶんぷ の対称 たいしょう 性 せい より-0.005≦Z≦0.005
標本 ひょうほん 平均 へいきん
μ みゅー
=
7.4
{\displaystyle \mu =7.4}
に対 たい し、検定 けんてい 統計 とうけい 量 りょう として標準 ひょうじゅん 化 か 変数 へんすう (Z)を以下 いか のように定義 ていぎ する。
Z
=
μ みゅー
−
μ みゅー
0
σ しぐま
n
{\displaystyle Z={\frac {\mu -{\mu }_{0}}{\frac {\sigma }{\sqrt {n}}}}}
前提 ぜんてい よりZは(確 かく 率 りつ 変数 へんすう
μ みゅー
{\displaystyle \mu }
について)標準 ひょうじゅん 正規 せいき 分布 ぶんぷ N(0,1)に従 したが う。実際 じっさい に本 ほん 例 れい で標準 ひょうじゅん 化 か 変数 へんすう の値 ね を計算 けいさん すると以下 いか の値 ね を得 え る。
Z=-19.2
従 したが って、p=0.05の場合 ばあい でも,p=0.01の場合 ばあい でも、この場合 ばあい の標準 ひょうじゅん 化 か 変数 へんすう (Z)の値 ね は、帰 き 無 む 仮説 かせつ の採択 さいたく 範囲 はんい の採択 さいたく 範囲 はんい の外 そと にあるため、帰 き 無 む 仮説 かせつ はp=0.05でも、p=0.01でも棄却 ききゃく される。したがって、p=0.05でも、p=0.01でも「この病気 びょうき に感染 かんせん すると血清 けっせい 中 ちゅう のカルシウム濃度 のうど は低下 ていか する」と言 い える。
参考 さんこう までに、(両側 りょうがわ )Z検定 けんてい においては,p値 ち は、標準 ひょうじゅん 正規 せいき 分布 ぶんぷ の累積 るいせき 分布 ぶんぷ 関数 かんすう (NORM.S.DIST)を用 もち いて、この場合 ばあい (Z=19.2の場合 ばあい )は、
=2*(1-NORM.S.DIST(ABS(19.2),TRUE))
にて計算 けいさん されるが、Excelにおいては、19.2は標準 ひょうじゅん 正規 せいき 分布 ぶんぷ の標準 ひょうじゅん 偏差 へんさ に対 たい し離 はな れすぎているため、桁 けた 落 お ち にて0と算出 さんしゅつ されてしまう。
◆例 れい 1-2:母 はは 分散 ぶんさん が未知 みち の場合 ばあい
W社 しゃ に勤務 きんむ する社員 しゃいん 30名 めい の血圧 けつあつ の平均 へいきん 値 ち は145 mmHgで、不偏 ふへん 分散 ぶんさん (U2 )は900となった。血圧 けつあつ の全国 ぜんこく 平均 へいきん は140 mmHgである。この時 とき H1 :「W社 しゃ の社員 しゃいん の血圧 けつあつ は、全国 ぜんこく 平均 へいきん に対 たい し高 たか い」と言 い えるか?
自由 じゆう 度 ど 29の両側 りょうがわ t検定 けんてい において、検定 けんてい において、有意 ゆうい 水準 すいじゅん pで帰 き 無 む 仮説 かせつ を棄却 ききゃく することを考 かんが えた場合 ばあい 、p=0.05,p=0.01の場合 ばあい の帰 き 無 む 仮説 かせつ の採択 さいたく 範囲 はんい は以下 いか のようになる。
p=0.05のとき、「=TINV(0.05,29)」の計算 けいさん 値 ち (Excel)は、「2.045229642」でありt分布 ぶんぷ の対称 たいしょう 性 せい より、-2.05≦T≦2.05
p=0.01のとき、「=TINV(0.01,29)」の計算 けいさん 値 ち (Excel)は、「2.756385904」でありt分布 ぶんぷ の対称 たいしょう 性 せい より、-2.76≦T≦2.76
題意 だいい より、標本 ひょうほん 数 すう n=30,標本 ひょうほん 平均 へいきん
μ みゅー
=
145
{\displaystyle \mu =145}
mmHg であり、不偏 ふへん 分散 ぶんさん は、
U
n
2
=
1
n
−
1
∑
i
=
1
n
(
X
i
−
X
¯
n
)
2
=
900
{\displaystyle U_{n}^{2}={\frac {1}{n-1}}\sum _{i=1}^{n}(X_{i}-{\overline {X}}_{n})^{2}=900}
である。検定 けんてい 統計 とうけい 量 りょう として以下 いか のスチューデント比 ひ (T)を次 つぎ のように定義 ていぎ すると、
T
=
μ みゅー
−
μ みゅー
0
U
n
/
n
{\displaystyle T={\frac {\mu -\mu _{0}}{U_{n}/{\sqrt {n}}}}}
前提 ぜんてい より、Tは、自由 じゆう 度 ど n-1のt分布 ぶんぷ に従 したが う。実際 じっさい に本 ほん 例 れい でスチューデント比 ひ (T)の値 ね を計算 けいさん すると、
T=0.912870929
である。
従 したが って、p=0.05の場合 ばあい でも、p=0.01の場合 ばあい でも、上記 じょうき のスチューデント比 ひ (T)の値 ね はこの場合 ばあい 、帰 き 無 む 仮説 かせつ の採択 さいたく 範囲 はんい の採択 さいたく 範囲 はんい の内 うち にあるため、帰 き 無 む 仮説 かせつ はp=0.05でも、p=0.01でも棄却 ききゃく されない。従 したが って、p=0.01でもp=0.05でも、「W社 しゃ の社員 しゃいん の血圧 けつあつ は、全国 ぜんこく 平均 へいきん に対 たい し高 たか い」とは言 い えない。
◆例 れい 2-1:母 はは 平均 へいきん が既知 きち の場合 ばあい
S社 しゃ は団子 だんご を作 つく るアルバイトを多数 たすう 雇 やと っている。S社 しゃ のアルバイトの作 つく る団子 だんご の重 おも さの平均 へいきん 値 ち (μ みゅー 0 )は74.1g,分散 ぶんさん (σ しぐま 0 )は1.2 g2 であった。新 あたら しいバイトMさんに試 ため しに5個 こ 、団子 だんご を作 つく ってもらったところ1個 いっこ 目 め 74.1 g,2個 こ 目 め 74.2g, 3個 こ 目 め 74.1 g,4個 こ 目 め 73.9 g,5個 こ 目 め 73.9 gであった。このとき、H1 「Mさんが作 つく る団子 だんご はS社 しゃ のアルバイトの中 なか でばらつきが少 すく ない」言 い えるか?
自由 じゆう 度 ど 5の上側 うわがわ カイ二 に 乗 じょう 検定 けんてい において、有意 ゆうい 水準 すいじゅん pで帰 き 無 む 仮説 かせつ を棄却 ききゃく することを考 かんが えた場合 ばあい 、p=0.05,p=0.01の場合 ばあい の帰 き 無 む 仮説 かせつ の採択 さいたく 範囲 はんい は以下 いか のようになる。
p=0.05のとき、「=CHIINV((1-0.05),5)」の計算 けいさん 値 ち (Excel)は「1.145476226」なので1.15≦χ かい 2 が帰 かえり 無 む 仮説 かせつ の採択 さいたく 範囲 はんい 。
p=0.01のとき、「=CHIINV((1-0.01),5)」の計算 けいさん 値 ち (Excel)は「0.554298077」なので0.55≦χ かい 2 が帰 かえり 無 む 仮説 かせつ の採択 さいたく 範囲 はんい 。
題意 だいい の状況 じょうきょう 下 か において、検定 けんてい 統計 とうけい 量 りょう としてカイ二 に 乗 じょう 値 ち を考 かんが えると、
χ かい
2
=
∑
i
=
1
n
(
X
i
−
μ みゅー
0
)
2
σ しぐま
0
2
{\displaystyle \chi ^{2}={\sum }_{i=1}^{n}{({X}_{i}-\mu _{0})^{2} \over {\sigma _{0}}^{2}}}
これは、自由 じゆう 度 ど 5のカイ二 に 乗 じょう 分布 ぶんぷ に従 したが う(n=5なので)。カイ二 に 乗 じょう 値 ち を実際 じっさい に計算 けいさん すると、
χ かい
2
=
0.075
{\displaystyle \chi ^{2}=0.075}
である。
従 したが って、(Mさんが作 つく った団子 だんご の重 おも さの分散 ぶんさん は0.0144 g2 なので、一見 いっけん ものすごくバラつきが少 すく なくなったと見 み えるが、)
p=0.05では「バラつきが少 すく なくなった」といえるが、p=0.01では「バラつきが少 すく なくなった」とは言 い えない。
◆例 れい 2-2:母 はは 平均 へいきん が未知 みち の場合 ばあい
S社 しゃ は団子 だんご を作 つく るアルバイトを多数 たすう 雇 やと っている。S社 しゃ のアルバイトの作 つく る団子 だんご の重 おも さの平均 へいきん 値 ち (μ みゅー 0 )は不明 ふめい ,分散 ぶんさん (σ しぐま 0 )は1.2 g2 であった。新 あたら しいバイトMさんに試 ため しに5個 こ 、団子 だんご を作 つく ってもらったところ1個 いっこ 目 め 74.1 g,2個 こ 目 め 74.2g, 3個 こ 目 め 74.1 g,4個 こ 目 め 73.9 g,5個 こ 目 め 73.9 gであった。このとき、H1「Mさんが作 つく る団子 だんご はS社 しゃ のアルバイトの中 なか でばらつきに変化 へんか が出 で た」と言 い えるか?
自由 じゆう 度 ど 4の両側 りょうがわ tカイ二 に 乗 じょう 検定 けんてい において、有意 ゆうい 水準 すいじゅん pで帰 き 無 む 仮説 かせつ を棄却 ききゃく することを考 かんが えた場合 ばあい 、p=0.05,p=0.01の場合 ばあい の帰 き 無 む 仮説 かせつ の採択 さいたく 範囲 はんい は以下 いか のようになる。
α あるふぁ =0.05のとき、「=CHIINV(0.05/2,4)」の計算 けいさん 値 ち (Excel)は「11.14328678」であり、「=CHIINV((1-0.05/2),4)」の計算 けいさん 値 ち (Excel)は「0.484418557」であるため、帰 き 無 む 仮説 かせつ の採択 さいたく 範囲 はんい は、0.484418557≦χ かい 2 ≦11.14328678
α あるふぁ =0.01のとき、「=CHIINV(0.01/2,4)」の計算 けいさん 値 ち (Excel)は「14.860259」であり、「=CHIINV((1-0.01/2),4)」の計算 けいさん 値 ち (Excel)は「0.206989093」であるため、帰 き 無 む 仮説 かせつ の採択 さいたく 範囲 はんい は、0.206989093≦χ かい 2 ≦14.860259
新 あたら しいバイトMさんが作 つく った5個 こ の団子 だんご の重 おも さの平均 へいきん 値 ち (μ みゅー )は、
μ みゅー =74.04 g
題意 だいい の状況 じょうきょう 下 か において、検定 けんてい 統計 とうけい 量 りょう としてカイ二 に 乗 じょう 値 ち を考 かんが えると、
χ かい
2
=
∑
i
=
1
5
(
X
i
−
μ みゅー
)
2
σ しぐま
0
2
{\displaystyle \chi ^{2}={\sum }_{i=1}^{5}{({X}_{i}-\mu )^{2} \over {{\sigma }_{0}}^{2}}}
これは、自由 じゆう 度 ど 4のカイ二 に 乗 じょう 分布 ぶんぷ に従 したが う(n=5なので)。カイ二 に 乗 じょう 値 ち を実際 じっさい に計算 けいさん すると、
χ かい 2 =0.06
従 したが って、p=0.05でも、p=0.01でも「バラつきに変化 へんか があった」と言 い える。
平均 へいきん 値 ち の差 さ の検定 けんてい (2つの群 ぐん の平均 へいきん 値 ち が等 ひと しいか否 ひ かの検定 けんてい )[ ソースを編集 へんしゅう ]
A,B両 りょう 群 ぐん の母 はは 分散 ぶんさん が既知 きち の場合 ばあい ⇒z検定 けんてい
A,B両 りょう 群 ぐん の母 はは 分散 ぶんさん が既知 きち の場合 ばあい :W大学 だいがく のS学部 がくぶ で、社会 しゃかい 科学 かがく 概論 がいろん の試験 しけん (満点 まんてん 100点 てん )を実施 じっし した。一般 いっぱん 入試 にゅうし で入学 にゅうがく した学生 がくせい 20名 めい を無作為 むさくい に抽出 ちゅうしゅつ したところ平均 へいきん 点 てん 74点 てん であった。AO入試 にゅうし で入学 にゅうがく した学生 がくせい 17名 めい を無作為 むさくい に抽出 ちゅうしゅつ したところ平均 へいきん 点 てん 65点 てん 3.8であった。それぞれの母集団 ぼしゅうだん の標準 ひょうじゅん 偏差 へんさ は、一般 いっぱん 入試 にゅうし 組 ぐみ が12点 てん ,AO入試 にゅうし 組 ぐみ は13点 てん である。このときH1 :「一般 いっぱん 入試 にゅうし で合格 ごうかく した学生 がくせい とAO入試 にゅうし で合格 ごうかく した学生 がくせい に得点 とくてん 差 さ がある」と言 い えるか?
A,B両 りょう 群 ぐん の母 はは 分散 ぶんさん が未知 みち ではあるが等 ひと しい場合 ばあい ⇒t検定 けんてい
A,B両 りょう 群 ぐん の母 はは 分散 ぶんさん が未知 みち ではあるが等 ひと しい場合 ばあい :W大学 だいがく のS学部 がくぶ で、社会 しゃかい 科学 かがく 概論 がいろん の試験 しけん (満点 まんてん 100点 てん )を実施 じっし した。一般 いっぱん 入試 にゅうし で入学 にゅうがく した学生 がくせい 20名 めい を無作為 むさくい に抽出 ちゅうしゅつ したところ平均 へいきん 点 てん 74点 てん ,不 ふ 遍 あまね 分散 ぶんさん 3.4であった。AO入試 にゅうし で入学 にゅうがく した学生 がくせい 17名 めい を無作為 むさくい に抽出 ちゅうしゅつ したところ平均 へいきん 点 てん 65点 てん ,不 ふ 遍 あまね 分散 ぶんさん 3.8であった。一般 いっぱん 入試 にゅうし で入学 にゅうがく した学生 がくせい においても、AO入試 にゅうし で入学 にゅうがく した学生 がくせい においても試験 しけん の点数 てんすう の分散 ぶんさん に差異 さい がないとする。このときH1 :「一般 いっぱん 入試 にゅうし で合格 ごうかく した学生 がくせい とAO入試 にゅうし で合格 ごうかく した学生 がくせい に得点 とくてん 差 さ がある」と言 い えるか?
A,B両 りょう 群 ぐん の母 はは 分散 ぶんさん が未知 みち ではあり等 ひと しくない場合 ばあい ⇒t検定 けんてい
A,B両 りょう 群 ぐん の母 はは 分散 ぶんさん が未知 みち であり等 ひと しいくない場合 ばあい :YさんはTOEICを5回 かい ,TさんはTOEICを4回 かい 受験 じゅけん した。Yさんのスコアは480点 てん ,510点 てん ,500点 てん ,450点 てん ,430点 てん 、Tさんのスコアは890点 てん ,880点 てん ,960点 てん ,990点 てん であった。このときH1 :「YさんとTさんのスコアに差 さ がある」と言 い えるか?
等 とう 分散 ぶんさん の検定 けんてい (2つの群 ぐん の分散 ぶんさん が等 ひと しいか否 ひ かの検定 けんてい )[ ソースを編集 へんしゅう ]
片側 かたがわ F検定 けんてい
ある科目 かもく の試験 しけん 結果 けっか 上位 じょうい 8人 にん のスコアはそれぞれ98,95,95,91,88,87,87,82点 てん
下位 かい 5人 にん のスコアは51,48,42,40,33点 てん 。
このとき、「H1 :上位 じょうい 8人 にん の分散 ぶんさん と下位 かい 5名 めい の分散 ぶんさん に差異 さい がある」と言 い えるか?
[35] [36]
|z検定 けんてい
|ラブライブ! の4thライブの観客 かんきゃく のうち75%はミルキイホームズ のファンでもある。
ラブライブの4thライブの観客 かんきゃく (母集団 ぼしゅうだん )のうち、1stシングル「僕 ぼく らのLIVE 君 くん とのLIFE 」を発売 はつばい 週 しゅう に買 か った人 ひと は103人 にん (サブグループ)である。この103人 にん のうち93人 にん はミルキイホームズのファンでもある。「H1:サブグループ内 ない のミルキイホームズのファンの割合 わりあい (per0 )は、母集団 ぼしゅうだん におけるミルキイホームズのファンの割合 わりあい よりも高 たか い」と言 い えるか?
[37]
カイ二 に 乗 じょう 検定 けんてい
YさんはTOEICを4回 かい 受験 じゅけん した。Yさんのスコアは480点 てん ,510点 てん ,500点 てん ,450点 てん であった。Yさんのスコアは正規 せいき 分布 ぶんぷ に従 したが っているといえるか?
開園 かいえん から閉演までの各 かく 10分 ふん ごとの実際 じっさい の来客 らいきゃく 数 すう を調査 ちょうさ したとき次 つぎ のようになった。
0人 にん =1回 かい ,1人 ひとり =1回 かい ,2人 ふたり =4回 かい ,3人 にん =6回 かい ,4人 にん =8回 かい ,5人 にん =7回 かい ,6人 にん =6回 かい ,7人 にん =5回 かい ,8人 にん =3回 かい ,9人 にん =1回 かい このとき、「H1:甘 あま 城 じょう ブリリアントパークの平日 へいじつ の来場 らいじょう 者 しゃ 数 すう はポアッソン分布 ぶんぷ [38] [39] に従 したが う」と言 い えるか?
統計 とうけい 的 てき な有意 ゆうい 差 さ を得 え るために必要 ひつよう な実験 じっけん 例 れい 数 すう の設定 せってい [ ソースを編集 へんしゅう ]
科学 かがく 的 てき な考察 こうさつ を加 くわ えるためには、統計 とうけい 的 てき な有意 ゆうい 差 さ を得 え るために必要 ひつよう な実験 じっけん 例 れい 数 すう の設定 せってい
[13] ,[33] ,[34] ,[35] ,[36] ,[37] ,[38] 。
統計 とうけい 的 てき な相関 そうかん 、差異 さい の適切 てきせつ な解釈 かいしゃく [ ソースを編集 へんしゅう ]
科学 かがく 的 てき な考察 こうさつ を加 くわ えるためには、統計 とうけい 的 てき な相関 そうかん 、差異 さい の適切 てきせつ な解釈 かいしゃく が必要 ひつよう となる
[13] ,[33] ,[34] ,[35] ,[36] ,[37] ,[38] 。
実験 じっけん データを適切 てきせつ な可視 かし 化 か 手段 しゅだん にて可視 かし 化 か されること[ ソースを編集 へんしゅう ]
科学 かがく 的 てき な考察 こうさつ を加 くわ えるためには、実験 じっけん データを適切 てきせつ な可視 かし 化 か 手段 しゅだん にて可視 かし 化 か されることが必要 ひつよう となる
[13] ,[33] ,[34] ,[35] ,[36] ,[37] ,[38] 。
(数理 すうり モデル ,モデル (自然 しぜん 科学 かがく ) も参照 さんしょう )
特 とく に現代 げんだい の科学 かがく においては、「真理 しんり とは何 なに か」といった哲学 てつがく 的 てき で捉 とら えどころのない問題 もんだい に比 くら べ 「どのようなモデル、式 しき 、計算 けいさん コードが最 もっと も現実 げんじつ をよく反映 はんえい するのか」という問題 もんだい が圧倒的 あっとうてき に重要 じゅうよう な意味 いみ をもつ[62] 。
このように、「現実 げんじつ の対象 たいしょう がどのように振 ふ る舞 ま うか」に着眼 ちゃくがん する現代 げんだい の科学 かがく では、結論 けつろん の提示 ていじ は、現実 げんじつ の物理 ぶつり 現象 げんしょう ・社会 しゃかい 現象 げんしょう などを定性的 ていせいてき /定量 ていりょう 的 てき に説明 せつめい する具体 ぐたい 的 てき なモデル[12] の提示 ていじ という形 かたち で行 おこな われることが多 おお い[2] [5] [63] 。モデル の良 よ し悪 あ しは、明確 めいかく であることが求 もと められると同時 どうじ に、扱 あつか いやすさ、どれだけ多 おお くの現実 げんじつ を説明 せつめい できるかにかかっている。
モデル化 か とは、「牛 うし を球 たま と仮定 かてい する」[64] [65] という標語 ひょうご が教 おし えるように、起 お こっている現象 げんしょう から本質 ほんしつ と無関係 むかんけい と思 おも われる部分 ぶぶん をそぎ落 お としたものを作 つく り、そこになんらかの法則 ほうそく をあてはめ、現象 げんしょう を再 さい 構築 こうちく することである[64] (詳細 しょうさい は数理 すうり モデル ,モデル (自然 しぜん 科学 かがく ) 等 ひとし を参照 さんしょう のこと。)
モデルの提示 ていじ 方法 ほうほう には、例 たと えば以下 いか のようなものがある
1つのモデルを挙 あ げ、そのモデルが実験 じっけん をよく説明 せつめい していることを示 しめ す。
いくつかの対等 たいとう なモデルをいくつか挙 あ げ、それをいくつかの論点 ろんてん から比較 ひかく し最 もっと もよく実験 じっけん を説明 せつめい しているものを選 えら ぶ。
複数 ふくすう の論点 ろんてん を挙 あ げ、それぞれの論点 ろんてん についてモデルを1つ / 複数 ふくすう 挙 あ げ、妥当 だとう 性 せい を示 しめ す / 妥当 だとう なものを選択 せんたく する。
モデルの構築 こうちく 方法 ほうほう の典型 てんけい 的 てき な一 いち 例 れい を以下 いか に示 しめ す。
直観 ちょっかん 的 てき に考 かんが え、もっともらしい「仮 かり のモデル」を、議論 ぎろん の叩 たた き台 だい にするために提案 ていあん する。
現実 げんじつ と合致 がっち するようにモデル、式 しき 、計算 けいさん コードを調整 ちょうせい する(調整 ちょうせい されてできたモデルあるいはモデルの調整 ちょうせい 法 ほう をとりあえずのメカニズムと考 かんが える)。
そのモデルが、(少 すく なくとも考 かんが えた中 なか では)最 もっと もよく物事 ものごと を説明 せつめい していることを、統計 とうけい 学 がく 的 てき な見地 けんち から評価 ひょうか する。
モデルを調整 ちょうせい するのに用 もち いた実験 じっけん パラメータの物理 ぶつり 学 がく 的 てき な意味 いみ を次元 じげん 解析 かいせき 等 とう を参考 さんこう に解釈 かいしゃく する。特 とく に萌芽 ほうが 的 てき な研究 けんきゅう においては、「ある程度 ていど 幅 はば をもった実験 じっけん 結果 けっか でも取 と り込 こ めるような体系 たいけい を作 つく り、実験 じっけん でパラメータを抜 ぬ き出 だ し、外 そと 挿によって近 きん 縁 えん の系 けい に対 たい して予測 よそく を立 た てる」という手法 しゅほう がよく採 と られる。
特 とく に萌芽 ほうが 的 てき な研究 けんきゅう においては、「ある程度 ていど 幅 はば をもった実験 じっけん 結果 けっか でも取 と り込 こ めるような体系 たいけい を作 つく り、実験 じっけん でパラメータ [要 よう 曖昧 あいまい さ回避 かいひ ] を抜 ぬ き出 だ し、外 そと 挿によって近 きん 縁 えん の系 けい に対 たい して予測 よそく を立 た てる (所謂 いわゆる 「合 あ わせこみ)」という手法 しゅほう がよくとられる。
このような「合 あ わせこみ」をベースとした現象 げんしょう 論 ろん 的 てき ・現代 げんだい 的 てき なモデル形成 けいせい 手法 しゅほう は、特 とく に「物 もの ができること」を重視 じゅうし する応用 おうよう 系 けい の分野 ぶんや において顕著 けんちょ な成果 せいか を挙 あ げており、現在 げんざい のデータからより優 すぐ れた物 もの を作 つく る指針 ししん として活用 かつよう されている。素粒子 そりゅうし 論 ろん などの基礎 きそ 的 てき な分野 ぶんや においても、このような手法 しゅほう の活用 かつよう に苦言 くげん を呈 てい する者 もの はいるが、少 すく なくとも論文 ろんぶん を書 か く上 うえ ではよく用 もち いられている指針 ししん である。総 そう じて言 い えば、基礎 きそ 研究 けんきゅう ・応用 おうよう 研究 けんきゅう の両方 りょうほう において強力 きょうりょく な手法 しゅほう である。
特 とく に基礎 きそ 分野 ぶんや の研究 けんきゅう に対 たい する、現代 げんだい 的 てき なモデル化 か 手法 しゅほう の積極 せっきょく 的 てき な導入 どうにゅう に対 たい する苦言 くげん の根拠 こんきょ としては、現代 げんだい 的 てき なモデル化 か は、モデルを調整 ちょうせい するための変数 へんすう があまりにも増 ふ えてしまうと、そもそも計算 けいさん が困難 こんなん になり、直観 ちょっかん による見通 みとお しが利 き かなくなるという弱点 じゃくてん があることがよく言 い われる[49] 。特 とく に、素粒子 そりゅうし 理論 りろん などでは、現実 げんじつ を説明 せつめい するためにどんどん新 あたら しい素粒子 そりゅうし が仮定 かてい され、話 はなし がどんどん複雑 ふくざつ になっていくということが問題 もんだい 視 し されている[49] 。単 たん に「話 はなし がどんどん複雑 ふくざつ になっていく」というだけでは「悪 わる い」とは言 い えないが、一般 いっぱん に結論 けつろん はシンプルであるほうがよいと考 かんが えられている[49] 。無論 むろん 、明確 めいかく な指導原理 しどうげんり が得 え られないままパラメータが泥縄 どろなわ 的 てき に増 ふ えていく状況 じょうきょう が生 しょう じた場合 ばあい には、オッカムの剃刀 かみそり という理念 りねん を再度 さいど 思 おも い起 お こす必要 ひつよう がある。
科学 かがく 的 てき な方法 ほうほう を実行 じっこう する上 じょう では、調 しら べるべき対象 たいしょう への知識 ちしき 、それ以前 いぜん の基礎 きそ 的 てき な知識 ちしき などが要求 ようきゅう されるが、このような知識 ちしき 面 めん 以外 いがい に、「対象 たいしょう に影響 えいきょう を与 あた えるドミナントな支配 しはい 法則 ほうそく をまず考慮 こうりょ して概略 がいりゃく の傾向 けいこう を数値 すうち 的 てき に掴 つか むこと」「実験 じっけん ノート をきちんとつけられること」、「一定 いってい の計算 けいさん 力 りょく 、論理 ろんり 的 てき な思考 しこう 力 りょく 」などの知識 ちしき 面 めん とは異 こと なる素養 そよう 、具体 ぐたい 的 てき にはスキルや評価 ひょうか 項目 こうもく が存在 そんざい すると考 かんが えられている[8] [66] 。
研究 けんきゅう 者 しゃ レベルの人間 にんげん に必要 ひつよう な素養 そよう 全 すべ てを書 か きだすことは難 むずか しいが、教育 きょういく レベルでは、ある程度 ていど 明確 めいかく 化 か されてきている。一般 いっぱん に、教育 きょういく レベルでは、以下 いか の素養 そよう を身 み に付 つ けることが必要 ひつよう であると考 かんが えられている[8] 。科学 かがく 的 てき 方法 ほうほう を実行 じっこう するための素養 そよう のうち、推論 すいろん 能力 のうりょく に関 かん する評価 ひょうか
手法 しゅほう としては、例 たと えば、科学 かがく 的 てき 推論 すいろん 能力 のうりょく テスト (Science
Reasoning Test, SR-Test)[66] がある。
科学 かがく での考 かんが え方 かた と証拠 しょうこ に対 たい する理解 りかい [ ソースを編集 へんしゅう ]
いかに科学 かがく 的 てき な考 かんが え方 かた が発表 はっぴょう され評価 ひょうか され広 ひろ まっていくか(例 たと えば、出版 しゅっぱん 物 ぶつ や他 た の科学 かがく 者 しゃ のレビューによって)。
経験 けいけん 的 てき な証拠 しょうこ を異 こと なって解釈 かいしゃく することからいかに科学 かがく 的 てき な論争 ろんそう が巻 ま き起 お こるか(例 たと えば、ダーウィンの進化 しんか 論 ろん )。
科学 かがく 的 てき な仕事 しごと が、それがなされる状況 じょうきょう から影響 えいきょう を受 う ける様 よう (例 たと えば、社会 しゃかい 的 てき 、歴史 れきし 的 てき 、倫理 りんり 的 てき 、精神 せいしん 的 てき )と、そうした状況 じょうきょう が考 かんが え方 かた を受 う け入 い れるかいなかにいかに影響 えいきょう を与 あた えるか。
産業 さんぎょう 的 てき 、社会 しゃかい 的 てき 、及 およ び環境 かんきょう 的 てき な問題 もんだい に取 と り組 く む際 さい の科学 かがく の力 ちから と限界 げんかい について考察 こうさつ すること。それは、科学 かがく が答 こた えられることと答 こた えられないこと、科学 かがく 的 てき な知識 ちしき の不確 ふたし かさ及 およ び関連 かんれん する審美 しんび 的 てき な諸 しょ 問題 もんだい も含 ふく む。
「計画 けいかく すること」
科学 かがく 的 てき な知識 ちしき と理解 りかい を用 もち いて様々 さまざま な考 かんが えを調査 ちょうさ できる形式 けいしき に変換 へんかん し、適切 てきせつ な方略 ほうりゃく を計画 けいかく すること。
直接 ちょくせつ 経験 けいけん に基 もと づく証拠 しょうこ を用 もち いるか、二 に 次 じ 的 てき な情報 じょうほう 源 げん からの証拠 しょうこ を用 もち いるかを決定 けってい すること。
適切 てきせつ な場面 ばめん で予備 よび 的 てき な作業 さぎょう を行 おこな って予測 よそく を立 た てること。
証拠 しょうこ を収集 しゅうしゅう する際 さい 、考慮 こうりょ すべき主要 しゅよう な要因 よういん について検討 けんとう し、また容易 ようい に変数 へんすう がコントロールできないような状況 じょうきょう (例 たと えば、野外 やがい 作業 さぎょう や調査 ちょうさ など)いかに証拠 しょうこ を収集 しゅうしゅう できるかを検討 けんとう すること。
収集 しゅうしゅう しようとするデータの範囲 はんい と程度 ていど (例 たと えば、生物 せいぶつ 調査 ちょうさ の際 さい の適切 てきせつ な標本 ひょうほん の量 りょう )、技法 ぎほう 、装置 そうち 、及 およ び用 もち いる材料 ざいりょう を決定 けってい すること。
「証拠 しょうこ を得 え ることと提示 ていじ すること」
幅広 はばひろ い装置 そうち や材料 ざいりょう を用 もち いてかつ、自身 じしん や他人 たにん の安全 あんぜん を確保 かくほ する作業 さぎょう 環境 かんきょう を保 たも つこと。
データ収集 しゅうしゅう に当 あ たってICT(情報 じょうほう 通信 つうしん 技術 ぎじゅつ )を使用 しよう することを含 ふく んだ観察 かんさつ や測定 そくてい を行 おこな うこと。
誤差 ごさ を低減 ていげん したり信頼 しんらい 性 せい の高 たか い証拠 しょうこ を得 え たりするために十分 じゅうぶん な観察 かんさつ や測定 そくてい を行 おこな うこと。
観察 かんさつ や測定 そくてい における不確 ふたし かさの程度 ていど を判断 はんだん すること(例 たと えば分散 ぶんさん を用 もち いて測定 そくてい 値 ち の平均 へいきん 値 ち の正確 せいかく さの程度 ていど を判断 はんだん すること)。
ダイアグラムや表 ひょう 、チャート、グラフ及 およ びICTを用 もち いて量的 りょうてき データや質的 しつてき データを表現 ひょうげん したり他人 たにん に伝 つた えたりすること
「証拠 しょうこ を考察 こうさつ すること」
ダイアグラムや表 ひょう 、チャート、グラフを用 もち いて、データにおけるパターンや関連 かんれん 性 せい を見 み つけたり説明 せつめい したりすること。
計算 けいさん の結果 けっか を適切 てきせつ な程度 ていど の正確 せいかく さで表現 ひょうげん すること。
観察 かんさつ や測定 そくてい その他 た のデータを用 もち いて結論 けつろん を導 みちび くこと。
こうした結論 けつろん がどの範囲 はんい において予測 よそく を支持 しじ するか、及 およ びさらなる予測 よそく を可能 かのう とするかについて説明 せつめい すること。
科学 かがく 的 てき な知識 ちしき と理解 りかい を用 もち いて観察 かんさつ や測定 そくてい その他 た のデータ及 およ び結論 けつろん を説明 せつめい したり解釈 かいしゃく したりすること。
「評価 ひょうか すること」
不規則 ふきそく なデータについてそれらを却下 きゃっか もしくは採用 さいよう するための理由 りゆう について検討 けんとう するとともに、測定 そくてい と観察 かんさつ にともなう不確 ふたし かさに関 かん して、データの信頼 しんらい 性 せい を検討 けんとう すること。
収集 しゅうしゅう した証拠 しょうこ がいかなる結論 けつろん やなされる解釈 かいしゃく を十分 じゅうぶん に支持 しじ するかどうかについて検討 けんとう すること。
用 もち いた方法 ほうほう に対 たい する改善 かいぜん 点 てん を示唆 しさ すること。
さらなる調査 ちょうさ について示唆 しさ すること。
研究 けんきゅう 者 しゃ レベルの素養 そよう に関 かん しては、天才 てんさい 性 せい や独創 どくそう 性 せい 、あるいは奇人 きじん 変人 へんじん であることなどの、さまざまなステレオタイプの議論 ぎろん があるが、
実際 じっさい のところは、このような議論 ぎろん は、余 あま り正 ただ しくない[67] [52] 。研究 けんきゅう 者 しゃ レベルの素養 そよう に関 かん しては、一概 いちがい に言 い えないが、いくつかよく言 い われること[59] [52] [67] [68] [69] を列挙 れっきょ する。下記 かき のことができるために必要 ひつよう な素養 そよう は、概 おおむ ね、上記 じょうき の素養 そよう と一致 いっち すると考 かんが えてよい。
自分 じぶん で研究 けんきゅう テーマを定 さだ めることができるか?[59] [68]
研究 けんきゅう テーマを検証 けんしょう 可能 かのう な問題 もんだい にブレークダウン出来 でき るか?[59] [68] [69]
自分 じぶん で実験 じっけん 手順 てじゅん を定 さだ めることができるか?[59] [68]
自分 じぶん の実験 じっけん 結果 けっか に自信 じしん が持 も てるか?[52] [67]
上記 じょうき 1-2は、研究 けんきゅう 戦略 せんりゃく のレベルである。3は、戦術 せんじゅつ のレベルである。一般 いっぱん に、研究 けんきゅう には、研究 けんきゅう テーマ全体 ぜんたい を貫 つらぬ く一 ひと つあるいは複数 ふくすう の疑問 ぎもん 、即 すなわ ち、「リサーチクエスチョン」が存在 そんざい する[59] [68] 。
リサーチクエスチョンをどのように見 み つけ出 だ すかは、一概 いちがい にはいえず、個々 ここ の研究 けんきゅう に依存 いぞん する。殆 ほとん どすべての素人 しろうと の素朴 そぼく な疑問 ぎもん 、例 たと えば「どうすれば頭 あたま が良 よ くなるか」、「どうすれば長生 ながい きできるか」、「木星 もくせい に旅行 りょこう するにはどうすればよいのか」、「鉄 てつ を金 かね に変 か えるには」などといった疑問 ぎもん は、ほとんどすべて、壮大 そうだい な研究 けんきゅう テーマとなり得 え る。しかし、大半 たいはん が、現代 げんだい の人類 じんるい の英知 えいち 全 すべ てを結集 けっしゅう しても、手 て がかりすら簡単 かんたん には掴 つか めない夢物語 ゆめものがたり でもある。こういった夢 ゆめ は、確 たし かにモチベーションの維持 いじ という観点 かんてん では需要 じゅよう である。しかし、現実 げんじつ 的 てき かつ健全 けんぜん に科学 かがく 的 てき 課題 かだい に取 と り組 く む上 じょう では、このようなテーマそのものを正面 しょうめん から扱 あつか うのは、「世界 せかい 征服 せいふく をしたい」、「宇宙 うちゅう の帝王 ていおう になりたい」というのと同 おな じぐらい、不毛 ふもう である[59] 。何故 なぜ ならば、少 すく なくとも、検証 けんしょう 可能 かのう な問題 もんだい にブレークダウンして、実験 じっけん 手順 てじゅん を定 さだ めることが出来 でき なければ、実験 じっけん すら行 おこな えず、したがって、部分 ぶぶん 的 てき な結果 けっか すら得 え られないからである[59] [68] 。
実験 じっけん 手順 てじゅん を定 さだ めて実験 じっけん することがほぼ不可能 ふかのう な、身 み の丈 たけ に合 あ わない本質 ほんしつ 論 ろん [40] [41] を論 ろん じたがる人間 にんげん を「本質 ほんしつ 病 びょう 」と揶揄 やゆ するい方 いかた がある[69] (学界 がっかい の俗語 ぞくご )。本質 ほんしつ 病 びょう というい方 いかた がいつごろから言 い われるようになったかは定 さだ かではないが、少 すく なくとも武谷 たけや 三男 みつお の諸 しょ 著作 ちょさく においては、本質 ほんしつ 論 ろん ばかりやりたがる“エリート”研究 けんきゅう 者 しゃ への批判 ひはん がいくつか書 か かれている。本質 ほんしつ 病 びょう を脱却 だっきゃく できないと、研究 けんきゅう 者 しゃ として、研究 けんきゅう 業績 ぎょうせき を出 だ すことは難 むずか しい[69] といわれるように、本質 ほんしつ 病 びょう は、挫折 ざせつ の一 ひと つの原因 げんいん である。
そこで、自分 じぶん の検証 けんしょう 可能 かのう な問題 もんだい (「何 なに をどうやって調 しら べるか」)にブレークダウン出来 でき そうな問題 もんだい を探 さが すという考 かんが え方 かた に到達 とうたつ することができる。一 ひと つのオーソドックスなやり方 かた は、「誰 だれ かがある方法 ほうほう で銅 どう について研究 けんきゅう したので鉄 てつ で同 おな じ方法 ほうほう を試 ため してみよう」「誰 だれ かが、ある方法 ほうほう で牛 うし について研究 けんきゅう したので豚 ぶた で同 おな じ方法 ほうほう を試 ため してみよう」
[69] といった具合 ぐあい に過去 かこ の研究 けんきゅう の実験 じっけん 条件 じょうけん の一 ひと つを変 か えて、どのように結果 けっか が変化 へんか するかを調 しら べる、より一般 いっぱん には「系 けい や手段 しゅだん を変 か えて比較 ひかく する」 ことで研究 けんきゅう テーマを見 み つける方法 ほうほう である[69] 。このような方法 ほうほう は、自嘲 じちょう や、軽蔑 けいべつ を込 こ めて「銅 どう 鉄 てつ 研究 けんきゅう 」 、「牛 うし 豚 ぶた 研究 けんきゅう 」 、「論文 ろんぶん 倍増 ばいぞう 計画 けいかく 」等 とう といわれることがある。確 たし かに、「銅 どう を鉄 てつ に変 か えて比較 ひかく するときに何 なに に着目 ちゃくもく すべきか」、「何故 なぜ 、豚 ぶた を選 えら んだのか」といった意識 いしき もなくこのような方法 ほうほう をとっていては、成長 せいちょう はないかもしれないが、どのような研究 けんきゅう でも、「系 けい や手段 しゅだん を変 か えて比較 ひかく する」という要素 ようそ を欠 か くことはできない ため、研究 けんきゅう の進 すす め方 かた の基礎 きそ 基本 きほん は身 み に付 つ く[69] 。また、このようなやり方 かた を取 と ることで、実験 じっけん 手法 しゅほう や実験 じっけん 手技 しゅぎ を身 み に付 つ けられるため、極 きわ めて複雑 ふくざつ な実験 じっけん 計画 けいかく を立 た てなければならないある程度 ていど 大 おお きな研究 けんきゅう テーマに対 たい しても取 と り組 く めるようになる [69] 。
別 べつ の側面 そくめん から従 したが って真 しん に新 あたら しい装置 そうち 、実験 じっけん 手法 しゅほう を発明 はつめい するというのは、極 きわ めて大変 たいへん なことで、原理 げんり 、装置 そうち 構成 こうせい 、精度 せいど 、製造 せいぞう 方法 ほうほう など、ありとあらゆる事柄 ことがら に対 たい して、深 ふか い考察 こうさつ が必要 ひつよう となる[注釈 ちゅうしゃく 13] 。したがって真 しん に新 あたら しい装置 そうち 、実験 じっけん 手法 しゅほう に対 たい しては、ノーベル賞 しょう が与 あた えられることもよくある(走査 そうさ 型 がた トンネル顕微鏡 けんびきょう 、PCR法 ほう 等 とう )。装置 そうち や手法 しゅほう の改良 かいりょう 一 ひと つとっても、極 きわ めて大変 たいへん な作業 さぎょう で、少 すく なくとも計測 けいそく 器 き メーカや試薬 しやく メーカの技術 ぎじゅつ 者 しゃ 、研究 けんきゅう 者 しゃ の大半 たいはん は、この問題 もんだい に殆 ほとん どすべてをつぎ込 こ んでいるといっても過言 かごん ではない。計測 けいそく 器 き メーカや試薬 しやく メーカと研究 けんきゅう 機関 きかん の分業 ぶんぎょう により、最近 さいきん では、様々 さまざま な計測 けいそく 装置 そうち 、試薬 しやく キットが、お金 かね を出 だ せば買 か えるようになってきているが[67] 、それでも一 ひと つの実験 じっけん 系 けい を組 く み立 た てるという行為 こうい は相当 そうとう の力量 りきりょう と、労力 ろうりょく と、資金 しきん と、センスが必要 ひつよう となる。さらに、装置 そうち や試薬 しやく の最適 さいてき 条件 じょうけん 、適用 てきよう 範囲 はんい 等 とう を深 ふか く考察 こうさつ すること(基礎 きそ 検討 けんとう )
や、装置 そうち や試薬 しやく の構成 こうせい 、成分 せいぶん 、原理 げんり を理解 りかい するだけでも大変 たいへん な行為 こうい である[70] 。したがって、凡人 ぼんじん であれば再現 さいげん 実験 じっけん や、銅 どう 鉄 てつ 研究 けんきゅう をある程度 ていど やって、実験 じっけん 系 けい に対 たい する感覚 かんかく をつかんでおかないと、新 あたら しい測定 そくてい 原理 げんり や測定 そくてい 方法 ほうほう 、真 しん に新 あたら しい使 つか い方 かた どころか、マニュアル通 どお りの実験 じっけん すらままならないのは言 い うまでもない。
注意 ちゅうい すべきはCell,Nature,Science級 きゅう の論文 ろんぶん といっても例 たと えばPCRとブロッティングといったお決 き まりの方法 ほうほう 以外 いがい の方法 ほうほう は使 つか っていないなどという論文 ろんぶん は多数 たすう あるという事実 じじつ である。原理 げんり としては新 あたら しくなくても精度 せいど を飛躍 ひやく 的 てき に上 あ げるなり、調 しら べる対象 たいしょう が、研究 けんきゅう の進展 しんてん に重要 じゅうよう な意味 いみ を与 あた えるものであれば研究 けんきゅう としての価値 かち は極 きわ めて高 たか いということになる。したがって、人 ひと によっては、新 あたら しい手法 しゅほう を発明 はつめい することなく、「何 なに を調 しら べるか」だけで、一流 いちりゅう の研究 けんきゅう ができている場合 ばあい もある。例 たと えばある系 けい で成功 せいこう した手法 しゅほう を、別 べつ の系 けい に適応 てきおう した場合 ばあい 、まったく予想 よそう できないようなことが起 お こることがある[67] 。こういう場合 ばあい に、何故 なぜ 予想 よそう ができないことが起 お こったのかを考察 こうさつ することでまったく新 あたら しい学問 がくもん 的 てき 地平 ちへい が拓 ひら かれることがある[67] [70] [71] 。
4は実践 じっせん のレベルである。この部分 ぶぶん の不安 ふあん を解消 かいしょう 出来 でき なければ、大胆 だいたん な仮説 かせつ の構築 こうちく や、大 だい テーマの検証 けんしょう などあり得 え ない [67] 。従 したが って、研究 けんきゅう 者 しゃ としての技能 ぎのう や資質 ししつ を語 かた る上 じょう で、決 けっ して欠 か いてはならない部分 ぶぶん である。
大学院生 だいがくいんせい など研究 けんきゅう に不慣 ふな れな者 もの は、手技 しゅぎ に不慣 ふな れであることから、実験 じっけん 結果 けっか の信頼 しんらい 性 せい に問題 もんだい がある場合 ばあい 、あるいは実際 じっさい には問題 もんだい がないにせよ自信 じしん が持 も てない場合 ばあい などがあり、不安定 ふあんてい な土台 どだい の上 うえ に積 つ み木 き を積 つ んでいる如 ごと く、技術 ぎじゅつ 的 てき にも自分 じぶん に自信 じしん が持 も てないため、どんな結果 けっか が出 で てもなかなかそれを信 しん じることができないことがある。実際 じっさい 、仮 かり に予想 よそう 外 がい の結果 けっか が出 で ても、「もしかしたら試薬 しやく の入 い れ忘 わす れ、入 い れ間違 まちが いかも知 し れない」ということを毎回 まいかい 考 かんが えなければならないとするならば実験 じっけん の面白 おもしろ さは半減 はんげん するだろうと。このような不安 ふあん と自信 じしん のなさが、セミプロレベルでの研究 けんきゅう の面白 おもしろ さを失 うしな わせる大 おお きな要因 よういん だと思 おも われる[52] [67] 。
このような不安 ふあん をなくすためには、手技 しゅぎ 的 てき に習熟 しゅうじゅく するのは当然 とうぜん として、手技 しゅぎ 以前 いぜん にどのくらいミスやブレをなくすことができるかを徹底的 てっていてき に考 かんが えるも大切 たいせつ である。このような考察 こうさつ には、抜群 ばつぐん の想像 そうぞう 力 りょく が要求 ようきゅう されると考 かんが えられている。この点 てん に関 かん して、九州大学 きゅうしゅうだいがく の中山 なかやま 敬一 けいいち 教授 きょうじゅ は、「チューブの並 なら べ方 かた やチップの使 つか う順番 じゅんばん (のような極 きわ めて簡単 かんたん なことまで)まで理屈 りくつ を持 も って決 き めていました。そこに流 なが れている思想 しそう を読 よ み取 と って欲 ほ しいと思 おも います。」と述 の べている。このように、一流 いちりゅう の実験 じっけん 家 か は、実験 じっけん 装置 そうち をどの順番 じゅんばん で使 つか うのがベストであるだとか、どのようなサインが出 で た場合 ばあい には何 なに がどのように影響 えいきょう している場合 ばあい があり、それはどのようにすれば排除 はいじょ できるのかといったことまで理路 りろ 整然 せいぜん と把握 はあく している[52] [67] 。
本節 ほんぶし では、先述 せんじゅつ の「科学 かがく 的 てき 方法 ほうほう のプロセス」について、現実 げんじつ の研究 けんきゅう を前提 ぜんてい とした説明 せつめい を行 おこな う。
過去 かこ の論文 ろんぶん などを調 しら べ、何 なに が分 わ かっていないのかを調 しら べる。または同時 どうじ に、自分 じぶん の知 し りたいことを解明 かいめい するにあたり、有効 ゆうこう な手法 しゅほう がないか、比較 ひかく 、参照 さんしょう する上 じょう で有益 ゆうえき なデータがないかを調 しら べる。
一般 いっぱん に、研究 けんきゅう 者 しゃ は、自分 じぶん のテーマに関連 かんれん する先人 せんじん 達 たち の業績 ぎょうせき である文献 ぶんけん をよく読 よ み、その中 なか から証明 しょうめい すべき事実 じじつ を演繹 えんえき し、実験 じっけん 仮説 かせつ 、リサーチクエスチョンを設定 せってい する。このときの 仮説 かせつ の善 よ し悪 あ しが、その後 ご の価値 かち を左右 さゆう する。
仮説 かせつ とは、推測 すいそく ではあるが、観察 かんさつ した現象 げんしょう や事実 じじつ を説明 せつめい できるものである。具体 ぐたい 的 てき には(いくつかの仮定 かてい を含 ふく む)何 なん らかのモデルを立 た て、それに基 もと づいて演繹 えんえき 的 てき に結果 けっか (具体 ぐたい 的 てき なモデルや、何 なん らかの周期 しゅうき 性 せい や規則 きそく 性 せい 等 とう )を予想 よそう したものである。(「科学 かがく 的 てき 方法 ほうほう における結論 けつろん 」を参照 さんしょう のこと)。
通常 つうじょう は、仮説 かせつ は実験 じっけん を単純 たんじゅん 化 か したモデルを立 た てる形 かたち で行 おこな い、モデルをいくつか立 た てた上 うえ で、そのモデルの定性的 ていせいてき な傾向 けいこう 、例 たと えば、入力 にゅうりょく する量 りょう を増 ふ やせば、信号 しんごう がどのように変化 へんか するかや、モデルを支持 しじ する結果 けっか と反証 はんしょう する結果 けっか がどんなものかを予想 よそう した上 うえ で、大 おお まかなセットアップを考案 こうあん して実験 じっけん の準備 じゅんび をし、だいたいの最適 さいてき な設定 せってい とデータが取得 しゅとく されるデータのオーダーを予想 よそう する。また、その仮説 かせつ を立 た てた大 おお まかな理由 りゆう もある程度 ていど 明確 めいかく にしておくとよい。箇条書 かじょうが きにすると、以下 いか のことが重要 じゅうよう である。
実験 じっけん を単純 たんじゅん 化 か したモデル
モデルの定性的 ていせいてき な傾向 けいこう
モデルを支持 しじ する結果 けっか と反証 はんしょう する結果 けっか の例 れい
そのモデルから予想 よそう される、最適 さいてき な実験 じっけん 条件 じょうけん のオーダー
研究 けんきゅう の計画 けいかく とは「何 なに を明 あき らかにするために、何 なに をしたのか(するのか)」 を定 さだ めることである。先行 せんこう 研究 けんきゅう のリサーチや、それに基 もと づく仮説 かせつ の構築 こうちく 、あるいは先行 せんこう して行 い った予備 よび 実験 じっけん によって、「何 なに を明 あき らかにするために」の部分 ぶぶん が明確 めいかく になった時点 じてん においては、実験 じっけん 計画 けいかく とは、何 なに をどのように測定 そくてい すれば、仮説 かせつ がテストできるか、あるいは、問題 もんだい の切 き り分 わ け方法 ほうほう を考案 こうあん することと、その測定 そくてい を行 おこな う段取 だんど りをたてることである (ロードマップ 、マイルストン も参照 さんしょう のこと)。
仮説 かせつ のテスト方法 ほうほう 、あるいは問題 もんだい の切 き り分 わ け方法 ほうほう を考 かんが える上 うえ では、「何 なん と何 なに を測定 そくてい し」、「何 なに と何 なん の関係 かんけい に着目 ちゃくもく し」、「どのように解析 かいせき すれば」、仮説 かせつ のテストが可能 かのう であるか、問題 もんだい の切 き り分 わ けが可能 かのう であるか を考案 こうあん することが重要 じゅうよう である。つまり、仮説 かせつ のテストを行 おこな う上 うえ で重要 じゅうよう となる評価 ひょうか 項目 こうもく を明 あき らかにして、その評価 ひょうか 方法 ほうほう (測定 そくてい 方法 ほうほう )を適切 てきせつ な原理 げんり と方法 ほうほう 、必要 ひつよう な精度 せいど を見積 みつ もって明示 めいじ する必要 ひつよう がある(「科学 かがく 的 てき 方法 ほうほう における証拠 しょうこ の項目 こうもく 」を参照 さんしょう のこと)。
仮説 かせつ のテスト方法 ほうほう 、あるいは問題 もんだい の切 き り分 わ け方法 ほうほう がある程度 ていど 明確 めいかく になった後 のち は、「いつ、どこで何 なに をする」に落 お とし込 こ む必要 ひつよう がある。ところが、実際 じっさい の研究 けんきゅう 計画 けいかく は、理想 りそう 的 てき に事 こと が運 はこ んだとしても個々 ここ の評価 ひょうか 項目 こうもく としての実験 じっけん の結果 けっか によってシナリオが分 ぶん 枝 えだ する。従 したが って、シナリオの分 ぶん 枝 えだ による先行 せんこう したリスク評価 ひょうか が必要 ひつよう となる。軍事 ぐんじ 開発 かいはつ や大 だい 規模 きぼ なソフトウェア開発 かいはつ などの大 だい 規模 きぼ な研究 けんきゅう 開発 かいはつ プロジェクトでは、
Program Evaluation and Review Technique [72] に基 もと づいた
work breakdown structure
[73] 、Precedence Diagram Method [74] 、Arrow Diagram Method [75] 等 ひとし を用 もち いたシナリオの分 ぶん 枝 えだ の分析 ぶんせき [76] が行 おこな われる。
シナリオの分 ぶん 枝 えだ の分析 ぶんせき をしておくことで、どの順番 じゅんばん で行 おこな うのが手際 てぎわ がよいのかを見極 みきわ めることができ、シナリオ上 じょう の可能 かのう 性 せい の高 たか いルートで必要 ひつよう となるものは先行 せんこう して準備 じゅんび 、手配 てはい することも可能 かのう となり、また、条件 じょうけん 分 ぶん 枝 えだ の上 うえ で絶望 ぜつぼう 的 てき なルート(俗 ぞく に言 い う死亡 しぼう フラグ )に陥 おちい った場合 ばあい の対処 たいしょ (例 たと えばどこで見切 みき りをつけるか)も考慮 こうりょ できる。絶望 ぜつぼう 的 てき なルートの例 れい としては、仮説 かせつ の立証 りっしょう にも反証 はんしょう にもならない結果 けっか ばかりしか得 え られず、時間 じかん ばかりかかるルートが考 かんが えられる。さらに、シナリオから大 おお きくずれた状況 じょうきょう に陥 おちい った時 とき や、とっさの判断 はんだん が求 もと められた場合 ばあい (まったく違 ちが うシナリオに遷移 せんい したほうがよい場合 ばあい 等 とう )にも、より適切 てきせつ な判断 はんだん が可能 かのう となる。
実際 じっさい の研究 けんきゅう では、学生 がくせい 実験 じっけん とは違 ちが い、「初 はじ めから予想 よそう 通 どお りの結果 けっか になる」、あるいは「初 はじ めから予想 よそう を明確 めいかく に反証 はんしょう する結果 けっか が得 え られる」ことは極 きわ めて稀 まれ である。実際 じっさい には、最初 さいしょ に予想 よそう した内容 ないよう を反証 はんしょう しているとも立証 りっしょう しているとも言 い い難 がた い微妙 びみょう な結果 けっか しか得 え られないことが多 おお いため、実際 じっさい には「予備 よび 実験 じっけん 、基礎 きそ 検討 けんとう 」と「計画 けいかく の見 み 直 じき 」しの間 あいだ の往復 おうふく を何 なん 度 ど も繰 く り返 かえ し行 おこな う必要 ひつよう がある [52] 。また、実際 じっさい の実験 じっけん では予想 よそう した範囲 はんい を大 おお きく逸脱 いつだつ した現象 げんしょう も視野 しや に入 い れ、その場 ば で随時 ずいじ 予想 よそう や目的 もくてき を修正 しゅうせい しながら実験 じっけん をしていく必要 ひつよう 性 せい が生 しょう じる。それでも、最初 さいしょ の段階 だんかい でよく計画 けいかく を立 た てておくと、それ以降 いこう の計画 けいかく の見直 みなお しが楽 らく になる。
試行錯誤 しこうさくご 型 がた の研究 けんきゅう の場合 ばあい は、計画 けいかく 段階 だんかい では目的 もくてき を明確 めいかく にし難 がた い部分 ぶぶん があり、どうしてもマルチエンディング型 がた のゲームのように、目的 もくてき (結末 けつまつ )が抽象 ちゅうしょう 的 てき になる。「目的 もくてき を明確 めいかく にしないことは、タクシーに乗 の って行 い き先 さき を言 い わないのに等 ひと しい」というたとえ話 はなし が教 おし えるように、計画 けいかく の良 よ し悪 あ しについては、ゴールの明確 めいかく さが重要 じゅうよう といわれる。しかし、研究 けんきゅう 、実験 じっけん の計画 けいかく はそのたとえ話 はなし には乗 の らない。研究 けんきゅう の計画 けいかく を“「行 い きたいところ」に行 い くため”の計画 けいかく にたとえたとしても、試行錯誤 しこうさくご が多 おお いため、「行 い きたいところ」というのを明確 めいかく に書 か き下 くだ すことは難 むずか しい。タクシーのたとえ話 はなし にたとえるならば、「外国 がいこく 人 じん が見 み て面白 おもしろ そうなところに連 つ れて行 い ってください」、「桜 さくら のきれいなところに連 つ れて行 い ってください」といったことは明確 めいかく であるが、そこがどこなのかはよくわからないといった状況 じょうきょう である。実際 じっさい には「行 い きたいところ」は、漠然 ばくぜん とした状態 じょうたい で「行 い けるところ」、「行 い けたところ」が計画 けいかく の遂行 すいこう 、修正 しゅうせい のたびに決 き まってくるといった側面 そくめん が強 つよ い 。ここが実験 じっけん の計画 けいかく 、研究 けんきゅう の計画 けいかく の難点 なんてん である。
この意味 いみ で、試行錯誤 しこうさくご 型 がた の研究 けんきゅう は、探検 たんけん に似 に ている。探検 たんけん においては、「行 い きたいところ」は「金脈 きんみゃく 」だったり「肥沃 ひよく な農地 のうち 」だったりするが、実際 じっさい に見 み つかったものは「油田 ゆでん 」かもしれないし、広大 こうだい な砂漠 さばく しかない場合 ばあい もある。このような場合 ばあい には、「成果 せいか となりえるもの」の候補 こうほ と、「それが現 あらわ れる兆候 ちょうこう 」を試行錯誤 しこうさくご の中 なか でよく把握 はあく しておく必要 ひつよう がある。 「外国 がいこく 人 じん が見 み て面白 おもしろ そうなところに連 つ れて行 い ってください」、「桜 さくら のきれいなところに連 つ れて行 い ってください」という二 ふた つの目的 もくてき 地 ち を比較 ひかく した場合 ばあい 、前者 ぜんしゃ のほうがより上位 じょうい である。実際 じっさい 、前者 ぜんしゃ は紅葉 こうよう の季 き 節 ぶし であっても通用 つうよう するが、後者 こうしゃ は通用 つうよう しない。このように、当面 とうめん の目標 もくひょう 以外 いがい にも、より上位 じょうい の目標 もくひょう 、共通 きょうつう の上位 じょうい 目標 もくひょう を持 も つ別 べつ の代替 だいたい 目標 もくひょう を並行 へいこう して考 かんが えておくことも必要 ひつよう である 。
尚 なお 、実験 じっけん の計画 けいかく については、実験 じっけん 計画 けいかく 法 ほう という分野 ぶんや があるが、これは、QC活動 かつどう に関連 かんれん したものであり、目的 もくてき を明確 めいかく で、実験 じっけん の計画 けいかく が迷走 めいそう しないルーチンワーク的 てき な実験 じっけん (例 たと えば実証 じっしょう 実験 じっけん )や品質 ひんしつ 保証 ほしょう における実験 じっけん を手際 てぎわ よく行 おこな うことを想定 そうてい しており、特 とく に試行錯誤 しこうさくご 型 がた のの研究 けんきゅう にはあまり関連 かんれん しない。
予備 よび 実験 じっけん 、基礎 きそ 検討 けんとう 及 およ びその解析 かいせき [ ソースを編集 へんしゅう ]
予備 よび 実験 じっけん 、基礎 きそ 検討 けんとう とはリサーチクエスチョンの抽出 ちゅうしゅつ や仮説 かせつ 、モデルの構築 こうちく 、オーダーエスティメーション、実験 じっけん の問題 もんだい 点 てん などの評価 ひょうか 切 き り分 わ け、最適 さいてき 条件 じょうけん の探索 たんさく のために行 おこな う実験 じっけん 、検討 けんとう のことである。
「実験 じっけん の計画 けいかく 」の項目 こうもく で述 の べたように、実際 じっさい の研究 けんきゅう では、学生 がくせい 実験 じっけん とは違 ちが い、「初 はじ めから予想 よそう 通 どお りの結果 けっか になる」、あるいは「初 はじ めから予想 よそう を明確 めいかく に反証 はんしょう する結果 けっか が得 え られる」ことは極 きわ めて稀 まれ である。実際 じっさい には、最初 さいしょ に予想 よそう した内容 ないよう を反証 はんしょう しているとも立証 りっしょう しているとも言 い い難 がた い微妙 びみょう な結果 けっか しか得 え られない。
そのため、大体 だいたい の場合 ばあい 、研究 けんきゅう は大雑把 おおざっぱ な仮説 かせつ とその根拠 こんきょ になるプレリミナリーなデータを積 つ み木 き のように組 く み立 た てていくことで進行 しんこう する。つまり、「実験 じっけん の大 おお まかな傾向 けいこう を見 み るための実験 じっけん (予備 よび 実験 じっけん )を行 おこな いながら、当初 とうしょ 考案 こうあん したモデルも修正 しゅうせい しながら、さらにそのモデルの成否 せいひ をよく判定 はんてい する条件 じょうけん を探 さぐ りながら再度 さいど 予備 よび 実験 じっけん を行 おこな い」というサイクルを実行 じっこう する。つまり、上記 じょうき の(1)-(4)の間 あいだ のプロセスを長 なが い期間 きかん 往来 おうらい する。このプロセスにより、価値 かち ある研究 けんきゅう 課題 かだい と最適 さいてき な実験 じっけん 条件 じょうけん が見 み つかり、実験 じっけん 手技 しゅぎ も高 たか まって安定 あんてい していく。
予備 よび 実験 じっけん の良 よ し悪 あ しは、その実験 じっけん 家 か のセンスそのものだという学者 がくしゃ もいる[52] 。通常 つうじょう 、どの研究 けんきゅう 者 しゃ も、まずは初歩 しょほ 的 てき な阻害 そがい 要因 よういん (グランドループによる発振 はっしん や電源 でんげん ノイズ、振動 しんどう 、極端 きょくたん なコンタミネーション、手技 しゅぎ の不足 ふそく )をあたって、それらがドミナントでない場合 ばあい には誰 だれ でもこのレベルの問題 もんだい は解決 かいけつ できる。また、条件 じょうけん を振 ふ って問題 もんだい の切 き り分 わ けを試 こころ み、何 なん らかの操作 そうさ を行 おこな い、その応答 おうとう [注釈 ちゅうしゃく 14] から押 お さえるべきポイントを論理 ろんり 的 てき に把握 はあく ることを試 こころ みる。また、複数 ふくすう の実験 じっけん データをみながら即座 そくざ にいろいろなモデルを立 た て、そのモデルを考慮 こうりょ しながら随時 ずいじ 、実験 じっけん 条件 じょうけん の最適 さいてき 化 か を図 はか っていくこと。しかし、最終 さいしゅう 的 てき に整合 せいごう のとれたモデルとデータの組 くみ に到達 とうたつ できる人 ひと は少数 しょうすう である。そのような者 もの は、どうしようもないときにも「この山 やま はハズレ」との結論 けつろん に到達 とうたつ するまでの時間 じかん が短 みじか くさらにその決断 けつだん は正 ただ しい(どのような要因 よういん が邪魔 じゃま なのかをそれなりには正確 せいかく に把握 はあく している)。予備 よび 実験 じっけん の段階 だんかい で注意 ちゅうい すべきことを箇条書 かじょうが きにすると、以下 いか のようになる。
予備 よび 実験 じっけん のデータを桁違 けたちが いに変化 へんか させる要因 よういん
傾向 けいこう を大幅 おおはば に変 か える要因 よういん (発振 はっしん が止 と まる等 ひとし )
変化 へんか させられるパラメータ
個々 ここ のパラメータそれぞれを独立 どくりつ に動 うご かした時 とき に測定 そくてい される個々 ここ の測定 そくてい 値 ち のそれぞれ変化 へんか の傾向 けいこう [注釈 ちゅうしゃく 15]
そのオーダー
それに当 あ てはまる実験 じっけん 式 しき 、定性的 ていせいてき なモデルなど
実験 じっけん の勝負 しょうぶ は、「先行 せんこう 研究 けんきゅう のリサーチ」、「予備 よび 実験 じっけん 」の段階 だんかい で大半 たいはん が決 き まり、これに従 したが い、「リサーチクエスチョンの抽出 ちゅうしゅつ 」、「仮説 かせつ の構築 こうちく 」、「最適 さいてき な実験 じっけん 条件 じょうけん 」が機械 きかい 的 てき に決 き まり、実証 じっしょう 実験 じっけん に至 いた っては、もはやルーチンワークでしかない[52] 。このことから、研究 けんきゅう 者 しゃ の成長 せいちょう にとって、実験 じっけん の大半 たいはん を予備 よび 実験 じっけん や基礎 きそ 検討 けんとう に費 つい やすことが遠回 とおまわ りなようで、実 じつ はこれが実験 じっけん の成功 せいこう への近道 ちかみち であるばかりか、若 わか い研究 けんきゅう 者 しゃ の研究 けんきゅう 能力 のうりょく の大 おお きな基盤 きばん 財産 ざいさん になると考 かんが えられている[52] 。
仮説 かせつ が正 ただ しいか、否 ひ かを、客観 きゃっかん 的 てき な形 かたち で検証 けんしょう するための、デモンストレーションを前提 ぜんてい とした実験 じっけん 。
実験 じっけん の再現 さいげん 性 せい という観点 かんてん から言 い えば、実証 じっしょう 実験 じっけん は、よほどの人 ひと を除 のぞ き誰 だれ でもできる程度 ていど の完全 かんぜん なルーチンワークであることが望 のぞ まれる。
日常 にちじょう の俗説 ぞくせつ と科学 かがく 的 てき 方法 ほうほう [ ソースを編集 へんしゅう ]
(メディア・リテラシー 、集団 しゅうだん ヒステリー も参照 さんしょう のこと)
マスコミや、一般 いっぱん 書籍 しょせき などを通 つう じて行 おこな われる話題 わだい 、例 たと えば、「食 しょく の安全 あんぜん 」、「少年 しょうねん 犯罪 はんざい の凶悪 きょうあく 化 か 」、「学力 がくりょく 低下 ていか 」、「ゲーム、マンガ害悪 がいあく 説 せつ 」、「健康 けんこう 法 ほう 」に関 かん して、
口当 くちあ たりのいい表現 ひょうげん (マジックワード、奇麗 きれい ごと)
統計 とうけい データの無視 むし 、曲解 きょっかい
などを巧 たく みに用 もち いて、いい加減 かげん な俗説 ぞくせつ 、扇動 せんどう 的 てき 議論 ぎろん を垂 しだ れ流 なが すものがある[31] [32] 。さらに、いい加減 かげん な俗説 ぞくせつ の根拠 こんきょ を定量 ていりょう 的 てき に検証 けんしょう することや、あるいは、対案 たいあん を議論 ぎろん するための調査 ちょうさ 自体 じたい が、一種 いっしゅ のタブーとなっている場合 ばあい もある[31] [32] 。
また、このような扇動 せんどう 的 てき 議論 ぎろん が、社会 しゃかい 的 てき に意味 いみ を持 も ち、合意 ごうい 形成 けいせい の上 うえ で重要 じゅうよう な役割 やくわり を担 にな ってしまうことが、現在 げんざい 、過去 かこ 、国内外 こくないがい を問 と わずある[31] [32] 。
例 たと えば、窒息 ちっそく 頻度 ひんど が1億 おく 分 ぶん の0.16(参考 さんこう :もち 一 いち 億 おく 分 ぶん の6.8、あめ 一 いち 億 おく 分 ぶん の1.0)のこんにゃくゼリー のみに窒息 ちっそく の危険 きけん 性 せい を理由 りゆう に製造 せいぞう 中止 ちゅうし 措置 そち が取 と られる等 とう 、統計 とうけい 的 てき なエビデンスとはあまり関係 かんけい なく論理 ろんり 的 てき な整合 せいごう 性 せい に乏 とぼ しい規制 きせい がとられることがある。この事例 じれい は、「人 ひと が死 し んだ」、「海外 かいがい でも規制 きせい 」というマジックワードが意思 いし 決定 けってい において尊重 そんちょう された例 れい である。
また、「漫画 まんが やアニメ、ゲームの表現 ひょうげん 規制 きせい 」などがよく取 と り上 あ げられる。この問題 もんだい に関 かん しては、例 たと えば「架空 かくう の青少年 せいしょうねん の性的 せいてき 表現 ひょうげん を含 ふく む創作 そうさく 物 ぶつ と性 せい 犯罪 はんざい 等 とう の関係 かんけい を示 しめ すデータが示 しめ されていない」点 てん において、科学 かがく 的 てき でない議論 ぎろん が行 おこな われているとする意見 いけん がある[77] 。この例 れい において、「架空 かくう の青少年 せいしょうねん の性的 せいてき 表現 ひょうげん を含 ふく む創作 そうさく 物 ぶつ は、性 せい 犯罪 はんざい を増加 ぞうか させる」という主張 しゅちょう は、
「先行 せんこう して規制 きせい を行 おこな った諸国 しょこく における犯罪 はんざい 件数 けんすう の推移 すいい と、国内 こくない の犯罪 はんざい 件数 けんすう の推移 すいい の比較 ひかく 」
「架空 かくう の青少年 せいしょうねん の性的 せいてき 表現 ひょうげん を含 ふく む創作 そうさく 物 ぶつ の販売 はんばい 件数 けんすう の推移 すいい と、国内 こくない の犯罪 はんざい 件数 けんすう の推移 すいい の比較 ひかく 」
などの、既存 きそん の統計 とうけい から成否 せいひ を判断 はんだん できる。このような簡単 かんたん なデータを議論 ぎろん の対象 たいしょう としない(あるいは、調 しら べてもいないということは)、少 すく なくともエビデンスベース とは
対極 たいきょく にある姿勢 しせい であり、科学 かがく 的 てき ではない[注釈 ちゅうしゃく 16] 。
また、2000年代 ねんだい 前半 ぜんはん ごろから、「ゲームをすると、脳 のう が破壊 はかい される(ゲーム脳 のう )」等 とう といったいい加減 かげん な学説 がくせつ が、科学 かがく 的 てき 検証 けんしょう を受 う けずに流布 るふ しており[78] 、一部 いちぶ の科学 かがく 的 てき 方法 ほうほう に理解 りかい の乏 とぼ しい教育 きょういく 者 しゃ が無 む 批判 ひはん に、教育 きょういく 方針 ほうしん に取 と り入 い れている場合 ばあい がある。
大昔 おおむかし の事例 じれい としては、禁酒 きんしゅ 法 ほう 、魔女 まじょ 狩 か り なども、口当 くちあ たりのいい表現 ひょうげん に基 もと づいた、科学 かがく 的 てき 根拠 こんきょ のない判断 はんだん である。
ここまで分 わ かりやすい、つまり、当該 とうがい 分野 ぶんや の専門 せんもん 的 てき な知識 ちしき がなくても、議論 ぎろん のおかしさが大体 だいたい わかる例 れい はそこまで多 おお くないが、それでも、どのような議論 ぎろん でも、エビデンスを無視 むし した科学 かがく 的 てき 方法 ほうほう とは対極 たいきょく にある判断 はんだん が含 ふく まれていることは、よくある[31] [31] [32] 。
このような事例 じれい に対 たい して、ロジカルシンキング やクリティカルシンキング 等 ひとし の手法 しゅほう から、解説 かいせつ した書物 しょもつ が、近年 きんねん 相次 あいつ いで出版 しゅっぱん されているなど、(例 たと えば[31] [31] )一定 いってい の関心 かんしん がはらわれるようになっている。このような関心 かんしん に答 こた える一連 いちれん の知識 ちしき 体系 たいけい を、メディアリテラシー という。
「科学 かがく 的 てき 」という言葉 ことば への誤解 ごかい [ ソースを編集 へんしゅう ]
科学 かがく 的 てき という言葉 ことば に関 かん する二 ふた つの極端 きょくたん な立場 たちば がある[12] 。一 ひと つは、「科学 かがく 的 てき に証明 しょうめい された」「正 ただ しい理論 りろん 」という文言 もんごん と、それらしい実験 じっけん を示 しめ しただけで、盲目的 もうもくてき に信仰 しんこう するという立場 たちば である。もう一 ひと つは、すべては「単 たん なる理論 りろん 」であるという事 こと を極端 きょくたん に強調 きょうちょう し、全 まった く信頼 しんらい しないという立場 たちば である。これらは二 ふた つとも科学 かがく 的 てき という言葉 ことば に対 たい する初歩 しょほ 的 てき な誤解 ごかい である[12] 。
「科学 かがく 的 てき に証明 しょうめい された」、「正 ただ しい理論 りろん 」という言葉 ことば が、何 なに を意味 いみ するのかは、非常 ひじょう に幅 はば の広 ひろ い意味 いみ を持 も つ言葉 ことば で一般 いっぱん には難 むずか しい[12] 。このような問題 もんだい を考慮 こうりょ する場合 ばあい には、「研究 けんきゅう 目的 もくてき にたちかえって考 かんが えること」や、「測定 そくてい とはどのようなことなのか」、「科学 かがく 的 てき な論証 ろんしょう で用 もち いられる論法 ろんぽう 」など、「科学 かがく 的 てき な方法 ほうほう 」に求 もと められる諸 しょ 要件 ようけん について理解 りかい しておく必要 ひつよう がある[12] 。
特 とく に、科学 かがく 的 てき な態度 たいど においては、特 とく に論文 ろんぶん などのように、自 みずか らの得 え た知見 ちけん を世 よ に問 と う場面 ばめん においては、明確 めいかく な研究 けんきゅう 目的 もくてき の提示 ていじ を行 おこな うこと、そして、「研究 けんきゅう 目的 もくてき で提示 ていじ した問題 もんだい の解 かい 」において明快 めいかい な論理 ろんり と確 たし かな証拠 しょうこ を以 もっ て立証 りっしょう する義務 ぎむ が生 しょう じる(詳細 しょうさい はIMRAD 参照 さんしょう )。これは、数学 すうがく の証明 しょうめい 問題 もんだい において「示 しめ すべき命題 めいだい が何 なに なのかを意識 いしき せよ」と言 い われるのと同 おな じことである。例 たと えば「鶏肉 とりにく からDNAを抽出 ちゅうしゅつ する」という研究 けんきゅう 目的 もくてき を立 た てた場合 ばあい には少 すく なくとも「抽出 ちゅうしゅつ されたものがDNAであることをきちんと立証 りっしょう する」必要 ひつよう がある[注釈 ちゅうしゃく 17] 。つまり、この研究 けんきゅう 目的 もくてき に照 て らして、例 たと えば「洗剤 せんざい に鶏肉 とりにく を入 い れたら、白 しろ い沈殿 ちんでん ができた」という結果 けっか が得 え られたとしよう。この場合 ばあい この結果 けっか と「その白 しろ い沈殿 ちんでん がDNAである」という結論 けつろん の間 あいだ を最 もっと も真剣 しんけん に考察 こうさつ する必要 ひつよう が生 しょう じる(循環 じゅんかん 論法 ろんぽう の項 こう を参照 さんしょう のこと)。
本来 ほんらい 科学 かがく 的 てき なものの見方 みかた を広 ひろ めるはずの、啓蒙 けいもう 活動 かつどう が、かえって「科学 かがく 的 てき 」という言葉 ことば に対 たい する誤解 ごかい を広 ひろ める原因 げんいん となることもある。古 ふる くから、健康 けんこう 番組 ばんぐみ や科学 かがく 番組 ばんぐみ などにおいて演 えんじ 示 しめせ 実験 じっけん がおこなわれる。また、科学 かがく 啓蒙 けいもう 家 か による演 えんじ 示 しめせ 実験 じっけん による啓蒙 けいもう 活動 かつどう がよく行 おこな われる。また“インパクト抜群 ばつぐん のオモシロ実験 じっけん ”を自宅 じたく で簡単 かんたん にできるようにコンパクトにまとめた本 ほん が多数 たすう 売 う り出 だ され好評 こうひょう を博 はく している。これらの中 なか には、しっかりとした調査 ちょうさ の上 うえ に科学 かがく 的 てき な論理 ろんり を以って物事 ものごと の成 な り立 た ちを示 しめ す大 だい 変質 へんしつ の高 たか いものがある一方 いっぽう で、実験 じっけん データの検証 けんしょう と解釈 かいしゃく などの点 てん で科学 かがく 研究 けんきゅう の基礎 きそ 的 てき な要件 ようけん をあまりにも無視 むし したものが多数 たすう 見受 みう けられる
[38] 。
金澤 かなざわ 一郎 いちろう 日本 にっぽん 学術 がくじゅつ 会議 かいぎ 会長 かいちょう は昨今 さっこん の健康 けんこう 番組 ばんぐみ や科学 かがく 番組 ばんぐみ における“科学 かがく 的 てき な論証 ろんしょう ”に対 たい し、
適切 てきせつ な対照 たいしょう 群 ぐん の設定 せってい
統計 とうけい 的 てき な有意 ゆうい 差 さ を得 え るために必要 ひつよう な実験 じっけん 例 れい 数 すう の設定 せってい
実験 じっけん データの検証 けんしょう と解釈 かいしゃく
などの点 てん で科学 かがく 研究 けんきゅう の基礎 きそ 的 てき な要件 ようけん を必 かなら ずしも満 み たしていないものが見受 みう けられることを指摘 してき した[38] 。
ゆとり教育 きょういく においては、特 とく に初等 しょとう 教育 きょういく 、中等 ちゅうとう 教育 きょういく において「体験 たいけん 型 がた 」を重 おも んじるあまり、単 たん なる「じっけんごっこ」にすぎない、「科学 かがく 的 てき 方法 ほうほう 」とはかけはなれた行為 こうい を「実験 じっけん 」として理科 りか の教育 きょういく 課程 かてい で行 おこな ってきてしまった[79] と菊池 きくち 誠 まこと は指摘 してき した。
わかりやすさを前面 ぜんめん に出 だ すためには、ある程度 ていど は枝葉 えだは 末節 まっせつ を切 き り捨 す てることが重要 じゅうよう ではあるが、科学 かがく 的 てき な論証 ろんしょう の上 うえ で必要 ひつよう な手続 てつづ きを無視 むし した議論 ぎろん は、結論 けつろん の成否 せいひ に関 かか わらず、科学 かがく 的 てき な態度 たいど とは対極 たいきょく にある態度 たいど である。
一方 いっぽう で、科学 かがく 的 てき という概念 がいねん を無駄 むだ に潔癖 けっぺき な方法 ほうほう と誤解 ごかい している者 もの もいる[59] 。現実 げんじつ の科学 かがく 者 しゃ に対 たい して、無駄 むだ に潔癖 けっぺき な考 かんが え方 かた を押 お しつけ、ただの誤解 ごかい やミスあるいは(マスメディアに見 み られる“科学 かがく 的 てき 推論 すいろん ”に比 くら べればはるかにギャップの少 すく ない)「多少 たしょう は強引 ごういん な結論 けつろん 」等 とう 、科学 かがく の進展 しんてん の上 うえ では必然 ひつぜん 的 てき に生 しょう じてくるような特段 とくだん 騒 さわ ぐほどでないものを誇張 こちょう して科学 かがく における不正 ふせい 行為 こうい と騒 さわ ぎ立 た てるものがいる[59] 。こういった問題 もんだい は最近 さいきん においては「芸能人 げいのうじん の不倫 ふりん 騒動 そうどう 」と同列 どうれつ に大衆 たいしゅう の興味 きょうみ を掻 か き立 た てるものである[59] 。科学 かがく 者 しゃ においては誠意 せいい をもった推論 すいろん が必要 ひつよう なことは言 い うまでもないが、最近 さいきん においてはこのような“ゴシップ 騒動 そうどう ”の影響 えいきょう で、特 とく に若 わか い世代 せだい に萎縮 いしゅく 効果 こうか が出 で るなどの弊害 へいがい がある点 てん には注意 ちゅうい が必要 ひつよう で、健全 けんぜん な科学 かがく の進展 しんてん には弊害 へいがい がある[59] 。
「科学 かがく 的 てき な方法 ほうほう とは何 なに か」という問題 もんだい について、これまでは科学 かがく 者 しゃ の側 がわ あるいはそれに近 ちか い側 がわ からの議論 ぎろん を中心 ちゅうしん に述 の べてきたが、この問題 もんだい は科学 かがく 哲学 てつがく の重要 じゅうよう な問題 もんだい の一 ひと つでもある[80] 。但 ただ し、反証 はんしょう 可能 かのう 性 せい 、オッカムの剃刀 かみそり などに関 かん する諸 しょ 議論 ぎろん は、科学 かがく 者 しゃ にとっての必須 ひっす 教養 きょうよう ではない。研究 けんきゅう 開発 かいはつ の現場 げんば と乖離 かいり している場合 ばあい もある。哲学 てつがく として一定 いってい の権威 けんい を有 ゆう していても、極端 きょくたん にそれら考 かんが えを掘 ほ り下 さ げると全 まった くの出鱈目 でたらめ に近 ちか い議論 ぎろん が成立 せいりつ することもあるので注意 ちゅうい を要 よう する。
科学 かがく 的 てき な方法 ほうほう を身 み に付 つ ける上 うえ では、特 とく に初学 しょがく のうちは下手 へた に手 て を出 だ さないほうがよい事柄 ことがら も多 おお く含 ふく まれ、研究 けんきゅう 者 しゃ として未熟 みじゅく な段階 だんかい でこの手 て の議論 ぎろん にとりつかれてしまったがために、この手 て の話題 わだい だけには強 つよ くなり、インターネット上 じょう で教 きょう 弁 べん をふるってはいるが、研究 けんきゅう 業績 ぎょうせき はさっぱりという「研究 けんきゅう 者 しゃ 」もいる。
特 とく に、哲学 てつがく と自然 しぜん 科学 かがく が分業 ぶんぎょう して以降 いこう は科学 かがく 哲学 てつがく の側 がわ がどうしても観念 かんねん 的 てき になり、また、科学 かがく を中途半端 ちゅうとはんぱ に理解 りかい した議論 ぎろん が野放図 のほうず に行 おこな われる状況 じょうきょう である[51] 。具体 ぐたい 的 てき には、「相対 そうたい 論 ろん の実証 じっしょう により、古典 こてん 力学 りきがく の正 ただ しさは否定 ひてい された」とか、「土星 どせい 模型 もけい は、電子 でんし 運 うん の発見 はっけん で意味 いみ をなくした(土星 どせい 模型 もけい で説明 せつめい のつく問題 もんだい は土星 どせい 模型 もけい を用 もち いればよく、量子 りょうし 論 ろん でも、ハミルトニアンは、クーロンポテンシャルを用 もち いて立 た てることが多 おお い。)」などといった短絡 たんらく 的 てき で次元 じげん が低 ひく い理解 りかい に基 もと づき、論理 ろんり の飛躍 ひやく を繰 く り返 かえ す傾向 けいこう などがある。また、宗教 しゅうきょう 、オカルトといった、まったく思考 しこう 様式 ようしき の異 こと なる問題 もんだい と科学 かがく との線引 せんひ きといった、科学 かがく 者 しゃ にとっては直接的 ちょくせつてき には意味 いみ のない問題 もんだい を延々 えんえん と扱 あつか う傾向 けいこう がある。
また、古典 こてん 的 てき な科学 かがく 哲学 てつがく 者 しゃ の見解 けんかい には科学 かがく の進展 しんてん の美化 びか された部分 ぶぶん を高度 こうど に抽象 ちゅうしょう 化 か させすぎるきらいがあることが指摘 してき されている。結果 けっか として道徳 どうとく の次元 じげん としては美談 びだん だが、現実 げんじつ の科学 かがく の進展 しんてん に寄与 きよ したい人間 にんげん にとっては逆 ぎゃく に変 へん な誤解 ごかい や萎縮 いしゅく 効果 こうか を与 あた えてしまう危険 きけん 性 せい のある理屈 りくつ がまかり通 とお り、神話 しんわ を作 つく るだけで結果 けっか として科学 かがく 者 しゃ の側 がわ にとってはどうでもよい問題 もんだい を延々 えんえん と議論 ぎろん しているという指摘 してき がしばしなされる[51] [81] 。
不幸 ふこう なことにこのような古典 こてん 的 てき な科学 かがく 哲学 てつがく の問題 もんだい 点 てん は「いまでもそのまま」だと誤解 ごかい されているようであるが、これはとんでもない間 あいだ 違 ちが いである。現在 げんざい の科学 かがく 史 し 、科学 かがく 哲学 てつがく においては既 すで に実験 じっけん ノート の記録 きろく などから科学 かがく 的 てき に研究 けんきゅう 者 しゃ に迫 せま るアプローチが主流 しゅりゅう であり、従来 じゅうらい の観念 かんねん 的 てき な科学 かがく 論 ろん は科学 かがく 哲学 てつがく の中 なか でも重要 じゅうよう 性 せい を失 うしな っている[81] [82] [83] [84] 。
観念 かんねん 的 てき な大昔 おおむかし の科学 かがく 史 し 、科学 かがく 哲学 てつがく によって形成 けいせい された神話 しんわ 的 てき な科学 かがく 者 しゃ 像 ぞう は正確 せいかく には実用 じつよう 性 せい に欠 か く見当 けんとう 違 ちが いな「科学 かがく 的 てき 方法 ほうほう 」観 かん を与 あた える。先述 せんじゅつ のように、科学 かがく 的 てき な方法 ほうほう においては、最終 さいしゅう 的 てき にはデータに文脈 ぶんみゃく 性 せい を持 も たせることが重要 じゅうよう になるが、データに文脈 ぶんみゃく 性 せい を持 も たせる能力 のうりょく について「単 たん なる弁明 べんめい の能力 のうりょく でしかなく、科学 かがく を進 すす める原動力 げんどうりょく にはならない」と言 い う人 ひと もいる[82] 。そして、「口 くち がうまい者 もの が一流 いちりゅう とみなされる」と嘆 なげ いて見 み せる[82] 。しかし最近 さいきん の科学 かがく 史 し の研究 けんきゅう においては、「パスツール」だとか「ファラデー」とかいった比較的 ひかくてき 神格 しんかく 化 か されている人 ひと たちも含 ふく め、どちらかというと「口 くち がうまい」と嘆 なげ かれる研究 けんきゅう 者 しゃ に近 ちか くそういう特質 とくしつ をもっていたからこそ科学 かがく を進歩 しんぽ させられたのだとみる見方 みかた が主流 しゅりゅう となっている 。
反証 はんしょう 可能 かのう 性 せい に関 かん して[ ソースを編集 へんしゅう ]
疑似 ぎじ 科学 かがく に対 たい する批判 ひはん 活動 かつどう (科学 かがく と非 ひ 科学 かがく の線引 せんひ き問題 もんだい )において、「科学 かがく 的 てき 」であることの要件 ようけん の一 ひと つとして、「ポパーの反証 はんしょう 可能 かのう 性 せい の原則 げんそく 」がよく引 ひ き合 あ いに出 だ される。[要 よう 出典 しゅってん ]
SFAAでは、本質 ほんしつ 的 てき に立証 りっしょう も反証 はんしょう も行 おこな えないような対象 たいしょう は、原則 げんそく 論 ろん としては科学 かがく の対象 たいしょう とはみなされない[2] とされている。
しかし、総 そう じて言 い えば、反証 はんしょう 可能 かのう 性 せい は現実 げんじつ には、「ポパーの反証 はんしょう 可能 かのう 性 せい の原則 げんそく 」は、言 い われているほど現実 げんじつ の研究 けんきゅう 者 しゃ には、受 う け入 い れられておらず、むしろ軽視 けいし されている[49] とも言 い う。
ラリー・ラウダン らは「(反証 はんしょう 可能 かのう 性 せい は)普通 ふつう は科学 かがく 的 てき とみなされないような理論 りろん でも、満 み たすこともあり、これまで成功 せいこう してきた多 おお くの科学 かがく の実例 じつれい は、反証 はんしょう 可能 かのう 性 せい を逸脱 いつだつ している」と
指摘 してき した[要 よう 出典 しゅってん ] 。ここで、
「反証 はんしょう 可能 かのう 性 せい を逸脱 いつだつ する」とは、「基本 きほん 法則 ほうそく の成否 せいひ 判定 はんてい が、少 すく なくとも現実 げんじつ には不可能 ふかのう で、
補助 ほじょ 仮説 かせつ を補 おぎな ったり実験 じっけん 手続 てつづ きの不備 ふび などを仮定 かてい するなどの“逃 に げ”(小規模 しょうきぼ な修正 しゅうせい )によって理論 りろん が変 か わっていくこと」を指 さ す[3] 。
また、「三 さん 体 たい 問題 もんだい は、運動 うんどう 方程式 ほうていしき が支配 しはい 法則 ほうそく である」という問題 もんだい は、古典 こてん 力学 りきがく の問題 もんだい で、二 に 体 たい 問題 もんだい が大学 だいがく 入試 にゅうし レベルであることと対照 たいしょう 的 てき に、(解 かい が存在 そんざい するものの)解析 かいせき 解 かい が原理 げんり 的 てき に発見 はっけん しえないことが数学 すうがく 的 てき に分 わ かっているうえ、解 かい の不安定 ふあんてい 性 せい が存在 そんざい する可能 かのう 性 せい もあり、軌道 きどう を予測 よそく したければなんらかの近似 きんじ をせざるを得 え ないことになる。従 したが って、なんらかの“反証 はんしょう ”らしき実験 じっけん 結果 けっか が出 で たとしても、不安定 ふあんてい 平衡 へいこう 点 てん の存在 そんざい によるのか、「近似 きんじ の粗 あら さの問題 もんだい 」なのか、「そもそも三 さん 体 たい 以上 いじょう の問題 もんだい には運動 うんどう 方程式 ほうていしき が適用 てきよう できない」のか「基礎 きそ 方程式 ほうていしき の間違 まちが い」なのか、「近似 きんじ のまずさ」なのか、「実験 じっけん の問題 もんだい 」なのかは、極 きわ めて難 むずか しい問題 もんだい となる[要 よう 出典 しゅってん ] 。
さらに、現実 げんじつ の科学 かがく は、現実 げんじつ の科学 かがく 研究 けんきゅう の進展 しんてん においては、仮説 かせつ はあいまいなところからはじまり徐々 じょじょ に明確 めいかく になっていく傾向 けいこう があり、論文 ろんぶん を書 か く場合 ばあい には簡単 かんたん には反証 はんしょう されないように細心 さいしん の注意 ちゅうい を払 はら う傾向 けいこう があると指摘 してき される[59] 。
通常 つうじょう の科学 かがく 者 しゃ は、ある理論 りろん に対 たい していくつかの反証 はんしょう となる例 れい が発見 はっけん された場合 ばあい にも、理論 りろん 自体 じたい を全 ぜん 否定 ひてい するという考 かんが え方 かた はしない。通常 つうじょう は、アドホックな仮説 かせつ を積極 せっきょく 的 てき に投入 とうにゅう することにより、予測 よそく の精度 せいど を高 たか めてより広範 こうはん に受 う け容 い れられるように何 なん らかの変更 へんこう を加 くわ えること[2] [3] が一般 いっぱん 的 てき である。場合 ばあい によっては、欠点 けってん を認識 にんしき しながら、そのまま未 み 修正 しゅうせい の学説 がくせつ を使 つか い続 つづ けることもある。
具体 ぐたい 的 てき な科学 かがく の事例 じれい においては、相対性理論 そうたいせいりろん の有用 ゆうよう 性 せい は、古典 こてん 力学 りきがく の反証 はんしょう によって立証 りっしょう されたが、相対性理論 そうたいせいりろん の構築 こうちく は、ニュートン力学 りきがく を破棄 はき 、否定 ひてい する形 かたち をとらず、むしろニュートン力学 りきがく がより一般 いっぱん 的 てき な概念 がいねん の中 なか で適用 てきよう 範囲 はんい が限定 げんてい された一 ひと つの近似 きんじ であるにすぎないことを示 しめ す形 かたち で行 おこな われた[2] とSFAAでは説明 せつめい された。さらにニュートン力学 りきがく に基 もと づいた計算 けいさん は、現在 げんざい でも無 む 修正 しゅうせい で科学 かがく 技術 ぎじゅつ の最先端 さいせんたん で使 つか われることが多々 たた ある。この意味 いみ でも「ニュートン力学 りきがく が相対 そうたい 論 ろん によって否定 ひてい された」とまでい切 いき るのは早計 そうけい であり、現在 げんざい の科学 かがく 者 しゃ の標準 ひょうじゅん 的 てき な考 かんが え方 かた とは大 おお きく異 こと なる[2] [3] [15] 。
さらに疑似 ぎじ 科学 かがく と科学 かがく の線引 せんひ きに関 かん しても、実際 じっさい に論点 ろんてん となるのは、個々 ここ のデータの有意 ゆうい 性 せい や論理 ろんり 的 てき 整合 せいごう 性 せい 等 とう である[85] 。
現在 げんざい の研究 けんきゅう の最前線 さいぜんせん において、反証 はんしょう 可能 かのう 性 せい の原則 げんそく が、実際 じっさい にはきわめて軽視 けいし されている現状 げんじょう に対 たい して危機 きき 感 かん をつのらせる人 ひと もいる。例 たと えばリース・モーリン 博士 はかせ は、現在 げんざい の最前線 さいぜんせん における物理 ぶつり 学 がく の理論 りろん が、「どのような実験 じっけん 結果 けっか でも取 と り込 こ めるほどパラメータが多 おお い」ことを指摘 してき したうえで、反証 はんしょう 可能 かのう 性 せい を軽視 けいし している傾向 けいこう を、「物理 ぶつり 学 がく の迷走 めいそう 」と断 だん じている[49] 。実際 じっさい 、モーリン博士 はかせ が指摘 してき するように、最近 さいきん の素粒子 そりゅうし 物理 ぶつり 、量子 りょうし 情報 じょうほう 、物性 ぶっせい 理論 りろん 等 とう は極 きわ めて数学 すうがく に近 ちか い様相 ようそう を呈 てい しているため反証 はんしょう 可能 かのう 性 せい の原則 げんそく を逸脱 いつだつ していることはしばし指摘 してき される。また、特 とく に、萌芽 ほうが 的 てき な理論 りろん においては、実験 じっけん がどんな結果 けっか を出 だ してもそれを取 と り込 こ めてしまうほどパラメータが多 おお く、しかもそのパラメータの物理 ぶつり 的 てき な意味 いみ が不 ふ 明確 めいかく であることもしばしば指摘 してき される。現在 げんざい でも、このことを理由 りゆう として権威 けんい ある雑誌 ざっし への掲載 けいさい が拒 こば まれることがあるとされる[50] 。但 ただ し、この傾向 けいこう も最近 さいきん では現実 げんじつ 的 てき な方向 ほうこう に、つまり反証 はんしょう 可能 かのう 性 せい に偏重 へんちょう しない方向 ほうこう にシフトしつつある[50] 。
しかし、実 じつ はポパーは、仮説 かせつ のアドホックな修正 しゅうせい について全面 ぜんめん 的 てき に禁止 きんし してなく、その修正 しゅうせい により反証 はんしょう 可能 かのう 性 せい の度合 どあ いを増 ふ やす場合 ばあい に対 たい し、受容 じゅよう 可能 かのう としている。
[86]
決定 けってい 不全 ふぜん の説明 せつめい で繰 く り返 かえ し使 つか われる事例 じれい として、海王星 かいおうせい の発見 はっけん がある。天王星 てんのうせい が発見 はっけん されたとき、その軌道 きどう がニュートン力学 りきがく の予測 よそく とずれていることが観察 かんさつ された。そのとき天文学 てんもんがく 者 しゃ たちはニュートン力学 りきがく を放棄 ほうき するという路線 ろせん ではなく、未知 みち の惑星 わくせい があって天王星 てんのうせい に影響 えいきょう しているという仮説 かせつ をたてる路線 ろせん を選 えら び、これが海王星 かいおうせい の発見 はっけん につながった。
この問題 もんだい はしばしば反証 はんしょう 主義 しゅぎ の難点 なんてん として指摘 してき される。しかし、その条件 じょうけん 付 つ きの修正 しゅうせい が可能 かのう な場合 ばあい 、その仮説 かせつ の修正 しゅうせい は、その条件 じょうけん を満 み たすので認 みと められる。[87]
^ a b
例 たと えば、科学 かがく 的 てき であること必須 ひっす 要件 ようけん の中 なか に反証 はんしょう 可能 かのう 性 せい というのを挙 あ げる者 もの がいる。確 たし かに、幽霊 ゆうれい やインテリジェントデザイン に等 ひとし といった疑似 ぎじ 科学 かがく を処断 しょだん するうえでは、反証 はんしょう 可能 かのう 性 せい による線引 せんひ きは、それなりの成果 せいか をあげているようである(たとえば、伊勢田 いせだ 哲治 てつじ 「科学 かがく 哲学 てつがく における線引 せんひ き問題 もんだい の現代 げんだい 的 てき 展開 てんかい 」名 めい 大 だい 哲学 てつがく 会 かい 発表 はっぴょう (2000)[1] )
しかしながら、前記 ぜんき の科学 かがく 哲学 てつがく 者 しゃ の伊勢田 いせだ 哲治 てつじ の論文 ろんぶん 中 ちゅう に、以下 いか のような記述 きじゅつ がある。
われわれが科学 かがく のもっとも成功 せいこう した例 れい とみなすようなものまで排除 はいじょ してしまうような形 かたち で
「科学 かがく 」([()内 ない は引用 いんよう 者 しゃ による注 ちゅう ]反証 はんしょう 可能 かのう 性 せい を用 もち いて定義 ていぎ された科学 かがく )が定義 ていぎ されるなら、その定義 ていぎ そのものが疑問 ぎもん に付 ふ されるのもやむをえない。
とある。また、この問題 もんだい 点 てん に関 かん する修正 しゅうせい として、科学 かがく 者 しゃ 一般 いっぱん の間 あいだ でコンセンサスのとれた修正 しゅうせい が存在 そんざい するとも言 い い難 がた いようである。このような理由 りゆう で、反証 はんしょう 可能 かのう 性 せい を科学 かがく 的 てき であることの必須 ひっす 要件 ようけん にするのは、一 いち 面 めん 的 てき 過 す ぎる。
本 ほん 記事 きじ では、以下 いか のような記述 きじゅつ は、記事 きじ の扱 あつか うテーマの趣旨 しゅし に反 はん すると考 かんが え、記載 きさい 対象 たいしょう から除外 じょがい する。前 ぜん 二 に 者 しゃ については疑似 ぎじ 科学 かがく が取 と り上 あ げている。
オカルト や、トンデモ のように、科学 かがく 的 てき な思考 しこう とはその根本 こんぽん 的 てき な基盤 きばん が異 こと なる世界 せかい の例 れい ばかりを挙 あ げているもの。
「すべてのカラスが黒 くろ いという命題 めいだい は反証 はんしょう 可能 かのう 性 せい がある」(全 ぜん 称 しょう 命題 めいだい のに似 に たものの説明 せつめい をしたいらしいように見 み えるが、数学 すうがく でもない限 かぎ り全 ぜん 称 しょう 命題 めいだい に全面 ぜんめん 的 てき に頼 たよ るというの現実 げんじつ 的 てき でない)のような、ありきたりで微妙 びみょう な例 れい しか挙 あ げていないもの。
「相対 そうたい 論 ろん により力学 りきがく が反証 はんしょう され古典 こてん 力学 りきがく は意味 いみ を失 うしな った」等 とう といった、「予測 よそく 精度 せいど 」という考 かんが え方 かた を知 し っていればアホラシイとわかるような記述 きじゅつ が至 いた る所 ところ にちりばめられているもの。少 すこ しでも科学 かがく 技術 ぎじゅつ をかじっていれば、現実 げんじつ の科学 かがく 技術 ぎじゅつ の最先端 さいせんたん でどれだけ古典 こてん 力学 りきがく が有用 ゆうよう かを思 おも い知 し っているはずである。
^ この報告 ほうこく 書 しょ は、すべてのアメリカ人 じん が身 み に付 つ けるべき科学 かがく 的 てき な素養 そよう についての指針 ししん を与 あた えるために、アメリカ科学 かがく 振興 しんこう 協会 きょうかい の中心 ちゅうしん 的 てき なメンバーの草 くさ 起 おこり ・承認 しょうにん のもと発行 はっこう され、日本 にっぽん を含 ふく む世界 せかい 各国 かっこく の教育 きょういく 行政 ぎょうせい に影響 えいきょう を与 あた えている。特 とく に、科学 かがく リテラシーに関 かん する内容 ないよう が中心 ちゅうしん となっている。いわゆる学習 がくしゅう 指導 しどう 要領 ようりょう とは異 こと なり、「小学 しょうがく 3年生 ねんせい では、何 なん と何 なに を学 まな びなさいといった」ことを書 か いたものではなく、科学 かがく 、工学 こうがく 、数学 すうがく など、科学 かがく に関係 かんけい する分野 ぶんや の特徴 とくちょう づけに多 おお くの項目 こうもく を割 さ いたものである。
^ 似 に たようなことは、引用 いんよう 文献 ぶんけん のうち多数 たすう に、少 すく なくとも断片 だんぺん 的 てき には書 か かれているが、特 とく に権威 けんい があり、国際 こくさい 的 てき に通用 つうよう する定番 ていばん の文献 ぶんけん としてこれらの文献 ぶんけん を挙 あ げる。
^ 例 たと えば、全 すべ ての問題 もんだい の中 なか で定量 ていりょう 化 か が可能 かのう な問題 もんだい の割合 わりあい はどのくらいあるか?
^ 中谷 なかたに の言 い う「再現 さいげん 可能 かのう 性 せい 」は、「全 まった く同 おな じ現象 げんしょう が何 なん 度 ど も起 お こる」という最 もっと も狭 せま い意味 いみ よりも少 すこ しゆるやかである。
^ 但 ただ し、PDCAサイクルが日本 にっぽん で広 ひろ まった背景 はいけい にはQC 活動 かつどう があり、この活動 かつどう は、統計 とうけい の専門 せんもん 家 か や、品質 ひんしつ 管理 かんり の専門 せんもん 家 か が中心 ちゅうしん となって広 ひろ めた活動 かつどう であるため、広 ひろ く言 い われるところのPDCAサイクルは、根底 こんてい となる思想 しそう 面 めん では研究 けんきゅう の工程 こうてい と共通 きょうつう する部分 ぶぶん が多 おお いものの、実際 じっさい には意識 いしき の違 ちが いがある。意識 いしき の違 ちが いのうち最 もっと も大 おお きな点 てん は、QC活動 かつどう では、「データに合 あ うように研究 けんきゅう 目的 もくてき を変更 へんこう すること」はよいこととはされない点 てん 、また、実際 じっさい の研究 けんきゅう レベルでは、大半 たいはん の成否 せいひ は、「予備 よび 実験 じっけん 、基礎 きそ 検討 けんとう 」までの段階 だんかい で決 き まってしまう点 てん である。
^ これらの分野 ぶんや における基礎 きそ 方程式 ほうていしき の解 かい は、大体 だいたい の場合 ばあい 存在 そんざい することを数学 すうがく 的 てき に保証 ほしょう できるが、多 た 体 からだ 効果 こうか や組 く み合 あ わせ効果 こうか の影響 えいきょう で解 と くことができない。
^ より多 おお くの現象 げんしょう を統一 とういつ 的 てき な視座 しざ から説明 せつめい する上 じょう では必要 ひつよう な概念 がいねん があるかもしれない;逆 ぎゃく 二 に 乗 じょう の法則 ほうそく を見 み ている限 かぎ り、電場 でんじょう や磁場 じば のような“余計 よけい ”な実態 じったい を仮定 かてい しない遠隔 えんかく 作用 さよう 論 ろん がシンプルであるが、電磁 でんじ 誘導 ゆうどう や特殊 とくしゅ 相対性理論 そうたいせいりろん まで考 かんが えると近接 きんせつ 作用 さよう のほうが圧倒的 あっとうてき にシンプルである。
^ 実験 じっけん 計画 けいかく 法 ほう に関 かん しても既 すで にさまざまなレベルの良質 りょうしつ な文献 ぶんけん が複数 ふくすう 刊行 かんこう されているが、示 しめ すべき命題 めいだい が明確 めいかく になっている状況 じょうきょう を(主 おも に品質 ひんしつ 保証 ほしょう やルーチン的 てき な実験 じっけん )意識 いしき して書 か かれたものが多 おお いため、示 しめ すべき命題 めいだい が混沌 こんとん としているところから、仮説 かせつ を形成 けいせい することを仕事 しごと とする研究 けんきゅう 者 しゃ との間 あいだ に意識 いしき のずれがある場合 ばあい もある。
^ 例 たと えば、「表面 ひょうめん の凹凸 おうとつ をSTM とAFM で測 はか り両者 りょうしゃ の共通 きょうつう 点 てん や相違 そうい 点 てん を見 み る」、「英語 えいご 力 りょく をTOEIC と英 えい 検 けん の両方 りょうほう で測定 そくてい しておく」のように。
^ もちろん例 れい によっては、こういうやりかたをしたことによって、真 しん の最適 さいてき 解 かい を見逃 みのが す可能 かのう 性 せい もあり得 え る。
^ 例 たと えばカイ二 に 乗 じょう 検定 けんてい では、サンプル等 とう から計算 けいさん された検定 けんてい 統計 とうけい 量 りょう がカイ二 に 乗 じょう 分布 ぶんぷ に従 したが うことを前提 ぜんてい とする。
^ 装置 そうち の発明 はつめい を神格 しんかく 化 か する意図 いと はない。世 よ の中 なか にある様々 さまざま な計測 けいそく 装置 そうち は、原理 げんり が難 むずか しいものは多数 たすう あるものの装置 そうち 構成 こうせい の把握 はあく だけならば、高校 こうこう 物理 ぶつり 程度 ていど の知識 ちしき で理解 りかい できるものが殆 ほとん どということにも注意 ちゅうい したい。例 たと えば走査 そうさ 型 がた トンネル顕微鏡 けんびきょう (コンスタントハイトモード)は、装置 そうち 構成 こうせい の核 かく の部分 ぶぶん は、鋭利 えいり に尖 とが った針 はり と、前記 ぜんき の針 はり を試料 しりょう に対 たい して水平 すいへい に走査 そうさ する機構 きこう と、試料 しりょう -探 さがせ 針 はり との間 あいだ に電圧 でんあつ を印加 いんか する機構 きこう と、試料 しりょう -探 さがせ 針 はり 間 あいだ に流 なが れる電流 でんりゅう を測定 そくてい する機構 きこう に尽 つ きる。いずれも、高校 こうこう 物理 ぶつり 程度 ていど の知識 ちしき で理解 りかい 可能 かのう である。一方 いっぽう 、測定 そくてい 原理 げんり やデータ解釈 かいしゃく については、そこまで簡単 かんたん ではない。最低限 さいていげん の測定 そくてい 原理 げんり を理解 りかい に留 と めても、少 すく なくとも量子力学 りょうしりきがく の初歩 しょほ 的 てき な知識 ちしき は必要 ひつよう となる。PCR法 ほう も、装置 そうち 構成 こうせい の観点 かんてん からはそこまで難 むずか しくない。DNAの溶液 ようえき にいくつかの試薬 しやく を加 くわ えた試験管 しけんかん に対 たい し数 すう 分間 ふんかん の間 あいだ に50℃〜90℃程度 ていど のレンジで規則 きそく 的 てき に温度 おんど 昇降 しょうこう させればDNAが増 ふ えていくというだけである。但 ただ し、その原理 げんり の理解 りかい や、最適 さいてき 条件 じょうけん や、阻害 そがい 要因 よういん の考察 こうさつ 等 とう をおこなうことは、少 すく なくとも学部 がくぶ 3年 ねん 相当 そうとう の分子生物学 ぶんしせいぶつがく の知識 ちしき が必要 ひつよう で、装置 そうち の設計 せっけい は、熱 ねつ 工学 こうがく 的 てき に極 きわ めて難 むずか しいとされる。
^ 例 たと えば「どの変数 へんすう を増 ふ やせばどの指標 しひょう が増 ふ えるか」、あるいは「現象 げんしょう CはA、B2つの変数 へんすう を同時 どうじ に操作 そうさ せねば起 お こらない現象 げんしょう である」等 とう
^ 2つのパラメータを同時 どうじ に変化 へんか させた時 とき 」に「個々 ここ のパラメータを独立 どくりつ に動 うご かした時 とき 」と大 おお きく異 こと なる結果 けっか が出 で た場合 ばあい 、それはアーチファクトの可能 かのう 性 せい が高 たか い。
^ 但 ただ し、児童 じどう を対象 たいしょう とした殺人 さつじん 事件 じけん だけを取 と っても、数 すう 年 ねん に数 すう 件 けん 〜数 すう 十 じゅう 件 けん 程度 ていど 、児童 じどう ポルノ、児童 じどう ポルノ漫画 まんが に誘発 ゆうはつ されたと裁判 さいばん で認定 にんてい された事件 じけん が存在 そんざい し、交通 こうつう 事故 じこ で死 し ぬ確 かく 率 りつ の1/5000程度 ていど の確 かく 率 りつ では、そのようなことが発生 はっせい すると推定 すいてい することも不可能 ふかのう ではない。[要 よう 出典 しゅってん ]
^ 研究 けんきゅう 目的 もくてき が「鶏肉 とりにく からDNAを効率 こうりつ よく抽出 ちゅうしゅつ する」の場合 ばあい には「効率 こうりつ 面 めん 」を示 しめ せばよいこともある。このように「何 なに を目的 もくてき とするのか」によって明 あき らかにすべきこと(すでに出 だ された研究 けんきゅう に全面 ぜんめん 的 てき に乗 の っかっても場合 ばあい によっては問題 もんだい にならないこと)がある。
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