科学かがくてき方法ほうほう

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科学かがくてき方法ほうほう(かがくてきほうほう、えい: scientific method)は、知識ちしき獲得かくとくするための経験けいけんてき方法ほうほうである。科学かがくてき手法しゅほう科学かがくてき検証けんしょうなどともばれている。

科学かがくてき方法ほうほう意味いみ概略がいりゃく[ソースを編集へんしゅう]

科学かがくてき方法ほうほうとは、断片だんぺんされた散在さんざいしているざつ情報じょうほうあるいは、「あらたに実験じっけん観測かんそくをする必要ひつようがある解明かいめい対象たいしょう」に関連かんれんせい法則ほうそく見出みいだし、立証りっしょうするための体系たいけいてき方法ほうほうである。

科学かがくてき」という言葉ことばについての辞書じしょてき定義ていぎとして、国語こくご辞典じてん(デジタル大辞泉だいじせん)には以下いかのように記載きさいされている[1]

  1. かんがかた行動こうどうのしかたが、論理ろんりてき実証じっしょうてきで、系統けいとうっているさま。
  2. とく自然しぜん科学かがく方法ほうほうっているさま。

「すべてのアメリカじんのための科学かがく」では、調査ちょうさ論証ろんしょう、あるいはそれらの手法しゅほうが、科学かがくてきであるために必要ひつよう要件ようけんとして、証拠しょうこ推論すいろん過程かてい結論けつろんかんするいくつかの特徴とくちょうおよ調査ちょうさ手段しゅだんにおけるいくつかの特徴とくちょう仮説かせつ検証けんしょうがた とう)にかんして、ある程度ていど共通きょうつう理解りかい存在そんざいする、とされた[2]

しかしながら科学かがくてき方法ほうほうかんする具体ぐたいてき指針ししんについては、さまざまな時代じだいの、様々さまざまもの発言はつげんおこなっている。 「発言はつげんしゃ立場たちば」にもとづいて大別たいべつすると、科学かがくしゃ技術ぎじゅつしゃなどの科学かがくサイドの人間にんげんによるものと、哲学てつがくしゃ社会しゃかい学者がくしゃ教育きょういく学者がくしゃひとし社会しゃかいてきサイドの人間にんげんによるものがあり、がいして両者りょうしゃあいだには温度おんどがある[3]

科学かがくたす「一定いってい基準きじゅんとはそもそもなにか」という問題もんだいしょろんがあるが、おおまかにいえば、その推論すいろん過程かていにおいて「適切てきせつ証拠しょうこから、適切てきせつ推論すいろん過程かていによって推論すいろんされていること」[4]、「仮説かせつ検証けんしょうがた[4]調査ちょうさプロセスが要求ようきゅうされる。また、あつか対象たいしょうが、測定そくてい定量ていりょう可能かのうであることがのぞまれることもおおい。

古典こてんてき基本きほん[ソースを編集へんしゅう]

放送大学ほうそうだいがく濱田はまだ嘉昭よしあきによれば、科学かがくてき方法ほうほう古典こてんてき基本きほんは、17世紀せいきデカルトが『方法ほうほう序説じょせつ』でしめした以下いか原則げんそくである[5][6]

明瞭めいりょう判明はんめい規則きそく あきらかに真理しんりみとめられたものだけを判断はんだん基準きじゅんとする。
要素ようそ分解ぶんかい 解決かいけつ可能かのう要素ようそ分解ぶんかいして考察こうさつする。
具体ぐたいから抽象ちゅうしょう 単純たんじゅんなものから複雑ふくざつなものへと順番じゅんばん認識にんしきをすすめる。
総合そうごう 見落みおとしがないことを十分じゅうぶんたしかめて、完全かんぜん列挙れっきょさい構成こうせいにより全体ぜんたいさい構成こうせいする。

これは17世紀せいき提示ていじされたものであるが「現在げんざいでも研究けんきゅう論文ろんぶんきあげる指針ししんとしてじゅう分光ぶんこうはなつものである」という。

現代げんだいにおける科学かがくてき方法ほうほう[ソースを編集へんしゅう]

科学かがくてき方法ほうほう」についての言及げんきゅうは、さまざまなものがある[注釈ちゅうしゃく 1]

2009ねんの『高等こうとう学校がっこう学習がくしゅう指導しどう要領ようりょう解説かいせつ理科りかへん』119ぺーじには、「理科りか課題かだい研究けんきゅう目的もくてき」として、以下いかのような解説かいせつがなされている [7]

科学かがくかんする課題かだい設定せっていし」とあるのは,自然しぜん科学かがく技術ぎじゅつかんして観察かんさつ実験じっけんなどの探究たんきゅうてき活動かつどうつうじて習得しゅうとくした探究たんきゅう方法ほうほうもちいることにより解決かいけつできる課題かだい設定せっていすることをしめしている。
観察かんさつ実験じっけんなどをとおして研究けんきゅうおこない」とあるのは,仮説かせつ設定せってい実験じっけん計画けいかく実験じっけんによる検証けんしょう実験じっけんデータの分析ぶんせき解釈かいしゃく推論すいろんなど探究たんきゅう方法ほうほうにしたがって研究けんきゅうすすめることをしめしている。
科学かがくてき探究たんきゅうする能力のうりょく態度たいどそだてる」とあるのは,探究たんきゅう方法ほうほうもちいて研究けんきゅうおこな過程かていで,設定せっていした課題かだい科学かがくてき解決かいけつする方法ほうほういだす能力のうりょく態度たいど育成いくせいすることをしめしている。
創造そうぞうせい基礎きそつちかう」とあるのは,研究けんきゅう実施じっし報告ほうこくしょ作成さくせいとおして,研究けんきゅうにおいては独自どくじせい重要じゅうようであることに気付きづかせ,創造そうぞうてき思考しこうりょくやしなうことをしめしている。そのためには,文献ぶんけんとう調査ちょうさ研究けんきゅう必要ひつよう器具きぐ装置そうち製作せいさくなどについて,適切てきせつ助言じょげん必要ひつようである。

上記じょうきの「探究たんきゅう方法ほうほう」、「科学かがくてき探究たんきゅうする能力のうりょく態度たいどとう要件ようけん定義ていぎから、科学かがくてき方法ほうほう(「探究たんきゅう」)の特徴とくちょうかんする規定きていがある程度ていどれる。

世界せかい各国かっこく見渡みわたすと[8]ひとつとしてアメリカ科学かがく振興しんこう協会きょうかいが1989ねん提出ていしゅつした報告ほうこくしょ、「すべてのアメリカじん科学かがく[2][注釈ちゅうしゃく 2]がある。

「すべてのアメリカじん科学かがく」(SFAA)は、くさ審査しんさ承認しょうにんかんして、さまざまな領域りょういきから、世界せかいてき権威けんいみとめられたもの多数たすうかかわっているてん特徴とくちょうがある[2]F. James Rutherfordは、(その文書ぶんしょ編纂へんさんたずさわったひとりだが)どう文書ぶんしょについて、「(いろいろありはしたが)結果けっかとしては「おおくの地域ちいき科学かがくしゃたちは、“尊敬そんけいされるメンバーがおこなった表明ひょうめいとして”れてくれた」と主張しゅちょうした[2]。 だが、この文書ぶんしょにはおおくの免責めんせき事項じこうかれている。たとえば、 F. James Rutherfordどう文書ぶんしょの「日本にっぽんけの序文じょぶん」のなかで、以下いかのような免責めんせき事項じこうべている。たとえば、同書どうしょ名前なまえとして『すべてのアメリカじんのための科学かがく』といった、米国べいこく限定げんていであるようなタイトルをついていることについて、「この文書ぶんしょ作成さくせいには、基本きほんてき他国たこく科学かがくしゃ参加さんかしておらず、他国たこく優秀ゆうしゅう科学かがくしゃ見解けんかい反映はんえいされていないことから、これを勝手かってに「すべてのひとのための科学かがく」としてしまっては、他国たこく科学かがくしゃたちがそれぞれの見解けんかい表明ひょうめいするという権限けんげんおかしてしまう可能かのうせいがあり、そうはしなかった」とべている。またラザフォードは、この『すべてのアメリカじんのための科学かがく』も、(そして、のいかなる刊行かんこうぶつも)1さつでは科学かがくてきリテラシーを保証ほしょうするものとはならないとべてこの冊子さっし提示ていじできることがらの限度げんどたい一定いってい理解りかいしめしている。

どう文書ぶんしょなどでは、「科学かがくてき方法ほうほう特徴とくちょうは、論証ろんしょう過程かてい調査ちょうさプロセスに顕著けんちょみとめられる」とした[2][注釈ちゅうしゃく 3]記述きじゅつがみられる。論証ろんしょう過程かていにおいては、以下いかのような記述きじゅつがある。

基本きほんてきなことをえば、様々さまざま科学かがくてき学問がくもんつぎのようなてんでは似通にかよっている。すなわち、証拠しょうこ依拠いきょしていること、仮説かせつ理論りろん使用しようしているということ、またもちいられる論理ろんり種類しゅるい、である[9][10]。とはうものの、科学かがくすべてが同一どういつ特徴とくちょうゆうしているというわけではなく、ことなるてん多々たたある[9][10]。たとえば科学かがくしゃごとに、研究けんきゅうする現象げんしょう活動かつどう姿勢しせい歴史れきしてきデータをもちいるか実験じっけんてき発見はっけんもちいるのか、手法しゅほう定性的ていせいてきなのか定量ていりょうてきなのか、基本きほん原理げんりへの依拠いきょ程度ていど科学かがく所見しょけんをどの程度ていど重視じゅうしするか、などのてんではおおきくことなっている[9][10]

上記じょうき記述きじゅつにおいて、「証拠しょうこ依拠いきょしていること、仮説かせつ理論りろん使用しようしているということ、またもちいられる論理ろんり種類しゅるい共通きょうつうせいがあること」が、科学かがくてき学問がくもんあいだで、とく類似るいじせいたか部分ぶぶんとしている[10]

また、一般いっぱんに、論理ろんり妥当だとうせいかんしては以下いかてん必要ひつようである[4]

  • 適切てきせつ証拠しょうこへの依存いぞん
  • 明確めいかく結論けつろん存在そんざい
  • 証拠しょうこ結論けつろんむす適切てきせつ推論すいろん過程かてい存在そんざい

これらについて、以下いかのような記述きじゅつ本文ほんぶん[10]記載きさいされている(下線かせんほん記事きじ執筆しっぴつしゃによる)。

科学かがく証拠しょうこ要求ようきゅうするおそかれはやかれ,科学かがくてき主張しゅちょう妥当だとうせい現象げんしょう観察かんさつすることで解決かいけつされる。したがって,科学かがくしゃ正確せいかくなデータを収集しゅうしゅうすることに努力どりょくする。

仮説かせつ理論りろん形成けいせいにはあらゆる種類しゅるい想像そうぞうりょく思考しこうりょく利用りようされるが,おそかれはやかれ,どのような科学かがくてき主張しゅちょうであっても論理ろんりてき推論すいろん原則げんそく合致がっちしなければならない。すなわち、 推論すいろん実証じっしょう常識じょうしきかんする一定いってい規準きじゅん適用てきようすることで,主張しゅちょう有効ゆうこうせいためされなければならないのである。科学かがくしゃは,しばしば特定とくてい証拠しょうこ価値かち特定とくてい想定そうてい妥当だとうせいについて見解けんかいことなるため,正当せいとうすべき結論けつろんかんする見解けんかいことなることがある。しかし,証拠しょうこ想定そうてい結論けつろんむすびつけるための論理ろんりてき推論すいろん原則げんそくについては,科学かがくしゃ見解けんかいいち いたする傾向けいこうにある

これにくわえ、以下いかのようなこともべている。

論理ろんり証拠しょうこかんする詳細しょうさい調査ちょうさ必要ひつようなものではあるが,これだけでは科学かがく発展はってんにとって十分じゅうぶんではない。科学かがくてき概念がいねんは,データや実施じっしされたおおくの分析ぶんせきから自動的じどうてき発生はっせいするわけではない。

調査ちょうさプロセスにおいても、いくつかの免責めんせき事項じこうがつくが、以下いかのような記述きじゅつがある。

科学かがくしゃつねしたがっているようなまった一連いちれん手順てじゅんなどというものは[9][10]。また、“あやまることなく科学かがくてき知識ちしきみちびいてくれる単一たんいつ道筋みちすじ”などというものも[9][10]。それでも科学かがくには、探究たんきゅうモデルとしてほかとはことなった性質せいしつをもたらしているような、なんらかの特徴とくちょうがある[9][10]

現代げんだい科学かがくてき方法ほうほうにおいては、ひとつの現象げんしょう説明せつめいする場合ばあいに、"「なぜそうなるのか」という哲学てつがくてき問題もんだい棚上たなあげし、「その現象げんしょうがどのようにふるまうのか」に着眼ちゃくがんする傾向けいこうがある[11]"とファインマンは指摘してきした。 この意味いみで、科学かがくてき方法ほうほうにおいては結論けつろん提示ていじ現実げんじつ物理ぶつり現象げんしょう社会しゃかい現象げんしょうなどを定性的ていせいてき/定量ていりょうてき説明せつめいする具体ぐたいてきなモデル[12]提示ていじするかたちおこなわれる傾向けいこうがある[5]

また、おおくの科学かがくてき理論りろん成否せいひ実験じっけんによって判定はんていされるが、理論りろん成否せいひは「シロ」か「クロ」というような幼稚ようち二元論にげんろん判定はんていされるのではなく、 信頼しんらいせい有意ゆういせいてはまりのよさといった統計とうけいてき尺度しゃくどしを判定はんていされ、そのしはスペクトラムじょう(段階だんかい連続れんぞくてき)にひろがっている。 したがって、現代げんだい科学かがくてき手法しゅほうられた結果けっか結論けつろんたいしては、てはまりのさや有意ゆういせいあらわ数字すうじがつけられることがおおい。また、おな事柄ことがらかんして 複数ふくすう等価とうかでない理論りろん並立へいりつすることもあり、それぞれの理論りろん別々べつべつ結果けっか算出さんしゅつすることもよくある。そして別々べつべつ結果けっかであっても、あてはまりのよさがどう程度ていどであったとした場合ばあいには「どう程度ていどただしい」ことになる。

結論けつろん成否せいひ証拠しょうことなる事実じじつ取得しゅとく方法ほうほう処理しょり方法ほうほう推論すいろん過程かてい適切てきせつさの判断はんだんとなる[4]。しかしながらこの問題もんだい評価ひょうか問題もんだいふくむ。また分野ぶんやあいだ研究けんきゅうしゃあいだによってデータの処理しょり方法ほうほう実験じっけんてき所見しょけん定性的ていせいてきまた定量ていりょうてき手法しゅほうとうことなる[2]。 「適切てきせつさ」の問題もんだいについて、科学かがく哲学てつがくしゃ戸田とださん和久わぐは、[13]は、以下いかのようにべている。

"科学かがくあつかっているのはすべて理論りろんであって、そのなかにより理論りろんと、あまりくない理論りろんがある。科学かがく目的もくてきは、理論りろんをほんのすこしでもよりいものにしていくことだ"([13]P23)

すなわち、不適切ふてきせつくろ)と適切てきせつしろ)のあいだはスパッとふんできるものではなく、スペクトラムじょうひろがっているものだというかんがかたである。 戸田とださんによると、「“より”仮説かせつ理論りろん基準きじゅん」とは、以下いかのようなものとしている([13]P39)。

  1. よりおおくの新奇しんき予言よげんしてそれをてることができる。
  2. アドホック(そのしのぎ)の仮定かてい正体しょうたい不明ふめい原因げんいん不明ふめい要素ようそをなるべくふくまない。
  3. すでにかっているよりおおくのことがらを、できるだけたくさん/できるだけおな仕方しかた説明せつめいしてくれる。

また、戸田とださんは、科学かがくてき理論りろんにはつぎ特徴とくちょうがあるとべている([13]P148)。

  1. みのゆたかである。未知みち現象げんしょうがたくさん予言よげんされ、たってきたなど。
  2. 守備しゅび範囲はんいひろい。予言よげんされたり説明せつめいされたりする現象げんしょう広範囲こうはんいおよぶ。
  3. 一定いってい実績じっせきのあるべつ理論りろん内包ないほうしていること。(ex:量子力学りょうしりきがくは、エーレンフェストの定理ていりひとしにより古典こてん力学りきがくふくむ)
  4. シンプルであること。

さらに、科学かがくてきによくない理論りろんとしては、「反証はんしょう可能かのうせい」という観点かんてんから[注釈ちゅうしゃく 1]以下いかのような特徴とくちょうがあるともしている([13]P140)。

  1. 仮説かせつ曖昧あいまい言葉ことばべる。あるいはほとんど反証はんしょうれいのありえない、いつでもつような仕方しかたあたえることで、反証はんしょう条件じょうけんをはっきりあたえない。
  2. 仮説かせつ反証はんしょう条件じょうけんははっきりあたえられていても、反証はんしょう条件じょうけんたす反証はんしょうれいあらわれたときにアドホックな仮説かせつけたしたりして仮説かせつをいつまでもまもるようなことをおこなう。

ただし、戸田とださん以下いかのようにもべている、

反証はんしょうれいから仮説かせつまもるため、補助ほじょ仮説かせつかれるときに、ちゃんとした科学かがくでは補助ほじょ仮説かせつかた合理ごうりてきで、疑似ぎじ科学かがくはそうでないという特徴とくちょうがある(([13]P148 より引用いんよう))。

さらに、戸田とださんは、「アドホックな仮説かせつすこと」については、とくみのりのおお理論りろんたいして少数しょうすう反証はんしょうれいからひとつの理論りろんぜん否定ひていすることは通常つうじょうはないと指摘してきしていて、 アドホックな仮説かせつすことが結果けっかとしてよかったれい多数たすうあることにも具体ぐたいれいげて言及げんきゅうしている(アドホックな仮説かせつすことが失敗しっぱいわった事例じれいにも言及げんきゅうしている)。

操作そうさ主義しゅぎてき定義ていぎ[ソースを編集へんしゅう]

科学かがく哲学てつがくしゃ戸田とださん和久わぐは、科学かがくしめ用語ようごは、おおきく、以下いかのAぐん,Bぐんの2種類しゅるいけられるとべている[13]操作そうさ主義しゅぎてき定義ていぎ立場たちばつと、科学かがくてき方法ほうほうとは、以下いかのBぐん言葉ことばたちによって特徴とくちょうづけられる方法ほうほうろんうことも出来できる。

  • Aぐん科学かがくあつか現象げんしょう対象たいしょう,知見ちけんそのものをあらわすための言葉ことば
    • れい)DNA,RNA,電磁でんじ誘導ゆうどう,…
  • Bぐん:科学かがくてき方法ほうほうろん特徴とくちょうづけきょうされる言葉ことば
    • れい仮説かせつ,検証けんしょう,推論すいろん過程かてい,アブダクション,…

すなわち、Bぐん特徴とくちょうづけられるような言葉ことば手法しゅほうもちいて、Aぐん特徴とくちょうづけられることについて、「予測よそく」すること、「技術ぎじゅつてき応用おうようあたえること」、そして「説明せつめい」することが科学かがくてき方法ほうほう特徴とくちょうづけとする立場たちばである。「説明せつめい」について、戸田とださんは、([13]P73)以下いかのように分類ぶんるいしている。

  1. 原因げんいん因果いんが関係かんけい)をめること
  2. 一般いっぱんてき普遍ふへんてき仮説かせつ理論りろんから、より特殊とくしゅ仮説かせつ理論りろんみちびくこと
  3. 正体しょうたい(メカニズム)をめること

科学かがく厳密げんみつせい[ソースを編集へんしゅう]

現在げんざい科学かがく再現さいげんせい危機ききひんし、科学かがくかいあらたな方法ほうほうろん模索もさくするなか統計とうけいがく人工じんこう知能ちのう自然しぜん言語げんご処理しょり機械きかい学習がくしゅう技術ぎじゅつわせて、現代げんだいにおける科学かがくてき方法ほうほう厳密げんみつせい評価ひょうかする手法しゅほうされている[14]

対象たいしょう[ソースを編集へんしゅう]

科学かがくてき方法ほうほうあつか対象たいしょうについては、科学かがくしゃあいだでしばしば見解けんかい相違そういられる。一般いっぱんに「科学かがくてき方法ほうほう」の適用てきよう範囲はんいについてはひとによって意見いけんことなり、対象たいしょう限定げんていする議論ぎろんきわめてむずかしい。その理由りゆうは、個々ここ研究けんきゅうしゃあいだ証拠しょうこ妥当だとうせいあつか対象たいしょう価値かち判断はんだんことなるためである[2][5][15]

科学かがくあつか対象たいしょうについて、以下いか論点ろんてんがある

[2][4][16][17][18][19][20][21]

[22][15]

測定そくてい可能かのうせい測定そくてい原理げんり存在そんざい[ソースを編集へんしゅう]

科学かがく研究けんきゅうしゃ岡本おかもと拓司たくじ東京大学とうきょうだいがく)の文章ぶんしょうには「はかれるもののみ科学かがく対象たいしょう」とかれていた[23]。これはポアンカレべた言葉ことば引用いんようおもわれる。 同様どうよう趣旨しゅしで、「はかる」というとがややむずかしくなる社会しゃかい科学かがく領域りょういきでも概念がいねん操作そうさ」 (Operationalization) [26][24][25]という言葉ことばもちいられる。「概念がいねん操作そうさ」とは、リサーチクエスチョン(研究けんきゅうつうじてあきらかにしたいいのこと)を、「実験じっけん」や「調査ちょうさ」をつうじて検証けんしょう可能かのうなレベルにブレイクダウンする過程かていのことである。このように理系りけい文系ぶんけい両方りょうほうにおいて、「測定そくてい原理げんり存在そんざい」/「概念がいねん操作そうさ」が重視じゅうしされていることからわかるよう、科学かがくてき方法ほうほうろんじるうえでオーソドックスなかんがかたであることが想到そうとうされよう。

はかれることを保証ほしょうするためには、適切てきせつ測定そくてい手段しゅだん必要ひつようである[17][24][26]適切てきせつ測定そくてい手段しゅだん実現じつげんには、ただしい測定そくてい原理げんりと、それを実現じつげんする適切てきせつ装置そうち構成こうせい適切てきせつ精度せいど評価ひょうか必要ひつようである[よう出典しゅってん]物理ぶつりがく化学かがくでは、測定そくてい原理げんり妥当だとうせい評価ひょうか比較的ひかくてきおこないやすい対象たいしょう研究けんきゅう対象たいしょうになるが、それでも最先端さいせんたんでは、測定そくてい原理げんり妥当だとうせいや、装置そうち構成こうせい妥当だとうせいたい議論ぎろんしょうじる場合ばあいもある(#証拠しょうこふし参照さんしょうのこと)。

科学かがくには「理論りろん物理ぶつりがく」のような理論りろん分野ぶんや存在そんざいするが、理論りろん分野ぶんやにおいても検証けんしょう手段しゅだんとしての実験じっけん方法ほうほう提示ていじは、きわめて重要じゅうようである[よう出典しゅってん]ただし、検証けんしょう手段しゅだんかならずしも、現在げんざい技術ぎじゅつ実現じつげんできるものである必要ひつようはない。たとえば、量子力学りょうしりきがくにおける確定かくていせい概念がいねんは、ハイゼンベルク提案ていあんした顕微鏡けんびきょうによる電子でんし位置いち運動うんどうりょう測定そくてい実験じっけんのように、思考しこう実験じっけんによる検証けんしょうはしはっする[よう出典しゅってん]。さらに、とく工学こうがくにおいては複素ふくそ電界でんかいのような、「実在じつざいしないりょう」(測定そくていすることが不可能ふかのうりょう)がたりまえのように使つかわれている場合ばあいもある[27]複素ふくそ電界でんかい自体じたい定義ていぎ光学こうがく初歩しょほちゅう初歩しょほであるため専門せんもんしょ解説かいせつゆだねるが、このような実在じつざいしない“物理ぶつりりょうつくることで、ひかり干渉かんしょうひとし一部いちぶ物理ぶつり現象げんしょう数学すうがくてき簡単かんたんあつかえるようになる。このような場合ばあいには、「測定そくていできない」という意味いみ実在じつざいしないりょう科学かがくてき理論りろんとしてみとめられる場合ばあいもある。なお電磁でんじポテンシャルのように、元々もともとは「実在じつざいしないりょう」(数学すうがくてき便宜べんぎのために導入どうにゅうされた“物理ぶつりりょう)とおもわれていたものが、外村とのむらあきらによってアハラノフ=ボーム効果こうか実証じっしょうがなされたことによって「じつ実在じつざいするりょうであった」ことがのち判明はんめいしたというケースもある。

定量ていりょうせい[ソースを編集へんしゅう]

測定そくてい結果けっかは、定量ていりょうてきであるほうがより価値かちたかいとされることがおおい。ただし、キャベンディッシュ実験じっけんクーロンの法則ほうそくかんする)や、ホイートストーンブリッジひとしNull Checkのほうが、価値かちたかい、とされる場合ばあいもある。また、結果けっか定量ていりょうてき予測よそく出来できない理論りろんは、価値かちひくられる傾向けいこうがある。ただし、けい複雑ふくざつ場合ばあいには、短時間たんじかん定性的ていせいてき傾向けいこうがつかめることや、ばい半分はんぶん以上いじょう予測よそくずれ許容きょようされる場合ばあいもある[よう出典しゅってん](シンプルさとのトレードオフが存在そんざいする)。

ここすうじゅうねん医療いりょう食品しょくひん分野ぶんやで、証拠しょうこもとづいていないせつ言説げんせつ不適切ふてきせつ、となされるようになってきている。とくに、医療いりょう医薬品いやくひん効果こうかかんしては、疫学えきがくてき観察かんさつ治療ちりょう結果けっか統計とうけいがくによる比較ひかく根拠こんきょもとめる根拠こんきょもとづく医療いりょう重視じゅうしされるようになってきている。また、食品しょくひん製品せいひん安全あんぜんせいについても、定量ていりょうてきなデータにもとづいた監査かんさ強化きょうかされる傾向けいこうにある[21]FDAひとしのWeb Site[よう文献ぶんけん特定とくてい詳細しょうさい情報じょうほう]参照さんしょうのこと)。このように、定量ていりょうてきなデータにもとづくことを重視じゅうしする立場たちばを、エビデンスベースという。[よう出典しゅってん]ただし、黎明れいめい理論りろんや、あたりをつけるための理論りろんかんしては、実際じっさいのデータとは一致いっちしない仮定かてい多数たすうふくんだとしても予測よそくりょく一定いってい水準すいじゅんあれば、仮説かせつとして一定いってい価値かちることもある。

一方いっぽうで、いくつかの問題もんだいは、定量ていりょうむずかしい場合ばあいもある[注釈ちゅうしゃく 4]。このような問題もんだいかんしても、数字すうじもちいてかんがえるほうが より科学かがくてきだ、とべる人々ひとびともいる。実際じっさい調査ちょうさするのがむずかしいようなとらえどころのないりょうであっても、いくつかの手掛てがかりをもと論理ろんりてき推論すいろんし、概算がいさんすること(フェルミ推定すいてい)は、科学かがくてき思考しこう基本きほんである[28][29][30]われている。

文系ぶんけい問題もんだいには「都市としすすむと治安ちあん悪化あっかするか?」、「結婚けっこんするとしあわせになるか?」のような定量ていりょう困難こんなん問題もんだいおおいとされる [24][25]ただし、「測定そくてい可能かのうせい測定そくてい原理げんり存在そんざい」において紹介しょうかいした概念がいねん操作そうさ」 (Operationalization) [24][25]というかんがかたにより、リサーチクエスチョン(研究けんきゅうつうじてあきらかにしたいいのこと)を、「実験じっけん」や「調査ちょうさ」をつうじて検証けんしょう可能かのうなレベルにブレイクダウンすることができる場合ばあいもある。実際じっさいには政治せいじ経済けいざい司法しほうひとしにおいても、すで存在そんざいする統計とうけいデータ(白書はくしょ売上うりあげデータとう)から、四則しそく演算えんざんおよびならえ・うつしだけの操作そうさで、データを、仮説かせつ検証けんしょうてきしたかたち変更へんこうすることができる問題もんだい多数たすうある[31][32][31][32]。このたね問題もんだい詳細しょうさいは、ほん記事きじ後述こうじゅつの「#日常にちじょう俗説ぞくせつ科学かがくてき方法ほうほう」のふしべる。

再現さいげんせい[ソースを編集へんしゅう]

ろんじる対象たいしょう測定そくていすることが可能かのうであったとして、今度こんどは、再現さいげんせい問題もんだいになる。再現さいげんせいについては、たとえば、物理ぶつり学者がくしゃ中谷なかたに宇吉郎うきちろう(1900-1962)は1958ねん著書ちょしょにおいて「科学かがく再現さいげん可能かのう問題もんだい適用てきよう範囲はんいかぎられる」とべた[16][注釈ちゅうしゃく 5]。19世紀せいき科学かがくでは、文字通もじどおりの「再現さいげんせい」が重視じゅうしされていた。

一方いっぽう筑波大学つくばだいがく教授きょうじゅ宮島みやじまりゅうきょう日本にっぽん教育きょういく工学こうがく振興しんこうかい提言ていげんで、現代げんだいでは(厳密げんみつ意味いみでの)再現さいげんせい定量ていりょうむずかしい対象たいしょう科学かがく対象たいしょうとなってきている[18]、と指摘してきした。この背景はいけいには、(20世紀せいき、なかでも20世紀せいき後半こうはんにおける)推測すいそく統計とうけいがく導入どうにゅうにより従来じゅうらい記述きじゅつ統計とうけいをベースとした統計とうけい処理しょりだけではあつかれなかった対象たいしょう定量ていりょうてき考察こうさつしえるようになったことがある。

たとえば医学いがく薬学やくがく心理しんりがく経済けいざいがくなどは、根本こんぽんてき複雑ふくざつせいふく合性あいしょう内包ないほうしていて、再現さいげんせいにくい生体せいたい社会しゃかいそのものをあつか[19]。(19世紀せいきまでの科学かがく水準すいじゅんではこれをうまくあつかえなかったが)現代げんだい科学かがくにおいてはこれらも、科学かがくてき研究けんきゅう対象たいしょうである。つまり、このような「古典こてんてき意味いみでの再現さいげんせい分野ぶんやについても、統計とうけいがく手法しゅほうもちいて、科学かがくてき方法ほうほう対象たいしょうとする」という立場たちばが、現在げんざい科学かがくてき方法ほうほう主流しゅりゅうである。この論点ろんてんについては、次節じせつにてべる。

統計とうけいてき有意ゆういせい[ソースを編集へんしゅう]

科学かがくてき結論けつろんであるためには、適切てきせつ統計とうけい手法しゅほうもちいて適切てきせつに「有意ゆういちがい」があることをしめさなければならないとよくわれる。 [13], [33], [34] [35], [36], [37], [38]したがって科学かがくてき方法ほうほう対象たいしょうであるためには、適切てきせつ統計とうけい手段しゅだん行使こうし対象たいしょうである必要ひつようがある。

意味いみのある統計とうけい手段しゅだん行使こうしするためには、すくなくとも以下いか必要ひつようである [13],[33],[34],[35],[36],[37],[38]

  • 適切てきせつなグループけの設定せってい
  • 適切てきせつ方法ほうほう実験じっけん条件じょうけんる/キザむこと(所謂いわゆる条件じょうけんし」の問題もんだい
  • 適切てきせつ統計とうけい手法しゅほう/統計とうけい検定けんていりょう採用さいよう
  • 統計とうけいてき有意ゆういるために必要ひつよう実験じっけんれいすう設定せってい
  • 統計とうけいてき相関そうかん差異さい適切てきせつ解釈かいしゃく
  • 実験じっけんデータを適切てきせつ可視かし手段しゅだんにて可視かしされること

また、以下いかたされていることがのぞましいとされる。

  • 適切てきせつ可視かし手段しゅだん

これらについては、後述こうじゅつの「実験じっけんのデザインと統計とうけいがくてき視点してん」のこうにて詳述しょうじゅつする。

論理ろんりてき整合せいごうせい[ソースを編集へんしゅう]

下記かきの「科学かがくてき方法ほうほうにおける論証ろんしょう」も参照さんしょうのこと。)

論理ろんりてき整合せいごうせいとは、[4]

  • 根拠こんきょ証拠しょうこ物件ぶっけん)」
  • 推論すいろん過程かてい」、
  • 結論けつろん

から構成こうせいされた三角さんかくロジックによるフォーメーションをった論理ろんり構成こうせいであり、

  • かりに「根拠こんきょとなる事実じじつ仮定かていふくむ)」が間違まちがっていないとすれば、推論すいろん過程かてい無理むりがないこと
  • 内部ないぶ矛盾むじゅん循環じゅんかん論法ろんぽうすくないこと
  • 根拠こんきょとなる事実じじつ仮定かてい同士どうしあいだ矛盾むじゅんがないか、あるいは矛盾むじゅんがあっても結論けつろん防衛ぼうえいしえる議論ぎろんくしていること

意味いみする[4]

文科ぶんかけいしょ学問がくもんにおいては、検証けんしょう定量ていりょう困難こんなん、あるいは、不可能ふかのう課題かだいむことも多々たたある[15]。また、自然しぜん科学かがくしゃからみれば、予測よそく定量ていりょうせい瑕疵かしがあるとかんがえられる仮説かせつ重要じゅうよう学説がくせつとして鎮座ちんざしている場合ばあいもある[15]たとえば、心理しんりがく教育きょういくがくなどでは、測定そくてい原理げんり妥当だとうせい評価ひょうかきわめてむずかしい対象たいしょうたとえばしんいた知能ちのう学力がくりょくひとしあつか[39]たとえば「しんいたみ」というものが存在そんざいすることを否定ひていするものはきわめて少数しょうすうで、現代げんだいでは組織そしき運営うんえいをするじょうでもきわめて重要じゅうよう概念がいねんであり、ただしい根拠こんきょもとづいた判断はんだん要求ようきゅうされるものであるが、これを定量ていりょうてき測定そくていする測定そくてい原理げんり提案ていあんすることはむずかしい。同様どうようのもので、(存在そんざいするかかがあやしいものも一部いちぶにあるが)おそらく存在そんざいするだろうとかんがえられ、なんらかの重要じゅうよう問題もんだい関係かんけいがあるものであるが、その測定そくてい原理げんりしめがたいものは沢山たくさんある。

このような対象たいしょうたいしては、「論理ろんりてき整合せいごうせい維持いじしながら、適切てきせつ証拠しょうこあつめて議論ぎろんをするならば科学かがくてきである」とするかんがかたもある[20]。このような見解けんかいつと、ハリウッド映画えいが俳優はいゆう共演きょうえん関係かんけいのようなものまで科学かがくてき考察こうさつ対象たいしょうかんがえられることがある[20]。このようなかんがかたも、定量ていりょうむずかしい分野ぶんやにおいては、しかたなくではあるものの、ある程度ていどみとめられたかんがかたである[15]

論理ろんりてき整合せいごうせい」を吟味ぎんみするにあたっては、前提ぜんていとしての科学かがくてき理論りろん合理ごうりせいや、分析ぶんせき方法ほうほう適切てきせつさ、参考さんこうデータの信頼しんらいせい最大限さいだいげん留意りゅういする必要ひつようがある。これらのてんくと、「ありころすのに核兵器かくへいき使つかう」ような議論ぎろん集団しゅうだんヒステリー)、ぎゃく効果こうか発生はっせい、ひいては冤罪えんざいひとし最悪さいあく結末けつまつ発生はっせいさせる可能かのうせいがある[22]

プロセス[ソースを編集へんしゅう]

科学かがくてき方法ほうほうのプロセスには、たとえば、PDCA(plan-do-check-act cycle)や、武谷たけや三男みつお[40][41] の「さん段階だんかいろん」などがある。

PDCA[ソースを編集へんしゅう]

PDCAりゅうかんがえると、科学かがくてき方法ほうほうのプロセスは、おおざっぱにいえば「仮説かせつ構築こうちく」と「その検証けんしょう」の延々えんえんたるかえしとみなせる[15]

仮説かせつをたて、検証けんしょうし、つぎ計画けいかく反映はんえいする」思考しこう様式ようしきひろ一般いっぱんされており、プロジェクトマネジメントにおいては、PDCAサイクルという名前なまえで、一般いっぱんのプロジェクトの管理かんりくわえ、研究けんきゅう開発かいはつくに大型おおがた研究けんきゅうプロジェクトとう大局たいきょくてき管理かんりにおいて基本きほんとなるかんがかたとしてれられている[42]見方みかたえると、科学かがくてき方法ほうほうのプロセスは、多重たじゅう構造こうぞうとなったPDCAサイクルとることもできる[注釈ちゅうしゃく 6]

科学かがくてき方法ほうほうのプロセスを具体ぐたいてきにしたものの、いちれい以下いかしめ[2][5][43][44][26] [45]こまかい説明せつめいは、文献ぶんけんによってことなるが、一般いっぱんろんとしては問題もんだい発見はっけんから結論けつろん公表こうひょうまでのプロセスに以下いかのような要素ようそふくまれるとかんがえてよい。

  1. 先行せんこう研究けんきゅうのリサーチ:なにかっていないのかをあきらかにし、リサーチクエスチョン抽出ちゅうしゅつ仮説かせつ構築こうちくがかりをるために自分じぶんりたいことを解明かいめいするためにおこな文献ぶんけん調査ちょうさのこと。必要ひつようおうじ、有効ゆうこう手法しゅほうや、自分じぶん結果けっか比較ひかく参照さんしょうするじょう有益ゆうえきなデータがないかを調しらべる。
  2. 仮説かせつ構築こうちく先行せんこう研究けんきゅうのリサーチ、場合ばあいによっては以前いぜん予備よび実験じっけん結果けっかとうさい評価ひょうかすことでリサーチクエスチョン明確めいかくし、これを検証けんしょう可能かのう命題めいだい仮説かせつ)にとし
  3. 実験じっけん計画けいかく準備じゅんび仮説かせつ具体ぐたいてき検証けんしょう方法ほうほう検証けんしょう計画けいかく立案りつあんし、実際じっさい実験じっけん準備じゅんびおこなう。
  4. 予備よび実験じっけん基礎きそ検討けんとうおよびその解析かいせきリサーチクエスチョン抽出ちゅうしゅつ仮説かせつ構築こうちく、モデルの構築こうちく、オーダーエスティメーション、実験じっけん問題もんだいてんなどの評価ひょうか最適さいてき条件じょうけん探索たんさくのためにおこな実験じっけんおよび評価ひょうか解析かいせき理論りろんてき検討けんとうとう
  5. 解析かいせき整理せいり実験じっけんのデータを、処理しょり整理せいりすることで、仮説かせつとの論理ろんりてき関係かんけい明確めいかくにする。
  6. 実証じっしょう実験じっけん :仮説かせつがおおむねただしいことがわかった段階だんかいおこなう、仕上しあてき実験じっけん。Nをかせぐことにより信頼しんらいせいげることや、デモンストレーションを前提ぜんていとする。
  7. 論文ろんぶん執筆しっぴつ公表こうひょう :研究けんきゅう結論けつろんを、すでにたデータや、理論りろんてき考察こうさつもとづき論理ろんりてき立証りっしょうしたうえで、その過程かてい公知こうちする。

ここで、リサーチクエスチョンとは、研究けんきゅう全体ぜんたいつらぬく「い」のことである。いいかえれば、「あきらかにしたいこと」そのものである。

大学だいがく教養きょうよう課程かてい未満みまんでは教育きょういく課程かていでは正則せいそくてきなループを想定そうていした課題かだいあたえられることがおおい。つまり(1)-(6)までのループをなんかえしたあと、(7)にいたる、といったきわめてオーソドックスなながれが想定そうていされている。たとえば2007ねん前後ぜんこう出版しゅっぱんされている文部もんぶ科学かがくしょう高等こうとう学校がっこう検定けんてい教科書きょうかしょ課題かだい研究けんきゅうらんや、学部がくぶレベルの学生がくせい実験じっけん教科書きょうかしょ[26]にはおおむね「(1)-(6)までのループをなんかえしたあと、(7)にいたると」ことをすすめる記述きじゅつがある。

プロの研究けんきゅうしゃのレベルにおいても、ひとひとつの行動こうどうは、おおむうえ要素ようそ還元かんげんできる[43]。しかし、プロのレベルは、試行錯誤しこうさくご迷走めいそうする可能かのうせいたかいレベルのたかいテーマをあつかうことがおおいことや、いくつかの仮説かせつ並行へいこうしてテストできるようなスケジュールをむこと、いくつかの項目こうもく同時どうじ並行へいこうてきおこなうがおおいため、変則へんそくてきになってくる。

また、プロの研究けんきゅうしゃのレベルにおいては、論文ろんぶんでは、IMRADかたのように、あたかも「まずさき解答かいとうおもいえがき、それからそれをささえる事実じじつをさがしはじめた」かのように記載きさいするが、現実げんじつには検証けんしょうよりもむしろ仮説かせつ構築こうちく労力ろうりょくいている。たんなる検証けんしょうであれば、学生がくせいやテクニシャンにまかせている場合ばあいおおい。

研究けんきゅうしゃにとっては、仮説かせつ構築こうちくのプロセスこそ重要じゅうようであるが、この部分ぶぶんについては、統一とういつてき見解けんかいはなく、散逸さんいつてき専門せんもんてきかならずしもぜん読者どくしゃ必要ひつようとはかぎらない)であるため、「#現実げんじつ研究けんきゅうプロセス」のふしにおいて後述こうじゅつする。

武谷たけや三男みつおの「さん段階だんかいろん[ソースを編集へんしゅう]

理論りろん物理ぶつり学者がくしゃ武谷たけや三男みつおは、科学かがく理論りろん進展しんてん以下いか現象げんしょうろん実態じったいろん本質ほんしつろんさん段階だんかいるとかんがえた[40][41]

  1. 現象げんしょうろん個々ここ事象じしょう知識ちしきあつめる段階だんかい
  2. 実体じったいろん少数しょうすう実験じっけん結果けっかたいしててはまりのよい理論りろんつく段階だんかい
  3. 本質ほんしつろん統一とういつてき視座しざから物事ものごと説明せつめいする段階だんかい

さん段階だんかいろんは、おも科学かがくひとつの領域りょういき進展しんてん考察こうさつしたものであるが、現象げんしょうろんてき知識ちしき十分じゅうぶんではなくてただちにその原因げんいん思惟しいするとき形而上学けいじじょうがくおちいるというてんにおいてなど、個々ここいち研究けんきゅうひとつの論文ろんぶんレベル)についてもまなぶところがおおかんがかたである。

論証ろんしょう[ソースを編集へんしゅう]

論証ろんしょう科学かがくてきであるためには、すくなくとも論理ろんりてきであることがもとめられる[4]一般いっぱんに、科学かがく領域りょういきにおける「論理ろんりてき」という概念がいねん説明せつめいするモデルとしては三角さんかくロジック論理ろんりさん要素ようそ)[4][46][47]有力ゆうりょくである[46][47]三角さんかくロジックとは、以下いかしめみっつの要素ようそからなる論法ろんぽうである。

  • 主張しゅちょう結論けつろん)」
  • 根拠こんきょとなる事実じじつ証拠しょうこ証拠しょうこ物件ぶっけん)」
  • 根拠こんきょとなる事実じじつから主張しゅちょう演繹えんえき/帰納きのうするための推論すいろん過程かてい論拠ろんきょ)」

三角さんかくロジックは、スティーヴン・トゥールミンによるトゥールミンモデル(en:Stephen Toulmin#The Toulmin Model of Argument)の簡略かんりゃくであるとかんがえられている[46]

これらの言葉ことば意味いみ簡単かんたんれいする。たとえば、推理すいり小説しょうせつにおいては、証拠しょうこ証言しょうげん根拠こんきょにして推理すいりすすみ、そして結論けつろんみちびかれる。「犯人はんにんはAだ」というのが「主張しゅちょう結論けつろん)」である。「根拠こんきょとなる事実じじつ」というのは、たとえば「のついたナイフ」とか「ドアについた指紋しもん」といった、証拠しょうこ物件ぶっけん自体じたいそれぞれや、「なんえきでAをみた」といった証言しょうげん自体じたいそれぞれのことである。推理すいり小説しょうせつでは、証拠しょうこ物件ぶっけん存在そんざい状況じょうきょう証言しょうげんからなんらかの推理すいりおこない、「犯人はんにんはAだ」ということを立証りっしょうするためのろんべるが、これが「推論すいろん過程かてい論拠ろんきょ)」である。

科学かがくてき論証ろんしょうにおいては、上記じょうきさん要素ようそかんして、相応そうおう適切てきせつさがもとめられ、それが適切てきせつであることが科学かがくてき方法ほうほう特徴とくちょうづけている。この意味いみにおいて、科学かがくてき論証ろんしょう顕著けんちょ特徴とくちょうとしては「適切てきせつ証拠しょうこへの依存いぞん」、「明確めいかく結論けつろん存在そんざい」、「証拠しょうこ結論けつろんむす適切てきせつ推論すいろん過程かてい存在そんざい」のみっつがみとめられる[4] [2]

結論けつろん[ソースを編集へんしゅう]

結論けつろんは、明確めいかくでなければならない。たとえば、「あなたは弱気よわき反面はんめん強気つよきすぎるところもあり…」といったように、どんなひと(どんな対象たいしょう)にたいしてもてはまるような結論けつろんのぞましくないとされる[13]結論けつろん明確めいかくさに関連かんれんする概念がいねんとしては、反証はんしょう可能かのうせいがある。

一方いっぽうで、現代げんだい科学かがくとく工学こうがく)では「わせこみ」といわれる手法しゅほうがある。これは、シミュレーションと過去かこ実験じっけんデータを人為じんいてきに〝よく一致いっちさせる”ため にいくつかのパラメータを制御せいぎょする手法しゅほう [48]である。べつ側面そくめんかられば、わせこみは、どのような実験じっけん結果けっかでもめるほどパラメータがおおてん明確めいかくであるが、みじか時間じかん仕様しよう満足まんぞくするモノを開発かいはつしなければいけない分野ぶんや工学こうがく工業こうぎょうとう)では非常ひじょう強力きょうりょく手法しゅほう/かんがかたである。

無論むろん、この手法しゅほうが「基礎きそ科学かがく」にまでひろがってくることについては苦言くげんていするものもいる。たとえば、リース・モーリン博士はかせは、現在げんざい最前線さいぜんせんにおける物理ぶつりがく理論りろんが、「どのような実験じっけん結果けっかでもめるほどパラメータがおおい」ことを指摘してきしたうえで、反証はんしょう可能かのうせい軽視けいししている傾向けいこうを、「物理ぶつりがく迷走めいそう」とだんじている[49]実際じっさい、モーリン博士はかせ指摘してきするように、最近さいきん素粒子そりゅうし物理ぶつり量子りょうし情報じょうほう物性ぶっせい理論りろんとうきわめて数学すうがくちか様相ようそうていしているため反証はんしょう可能かのうせい原則げんそく逸脱いつだつしていることはしばし指摘してきされる[注釈ちゅうしゃく 7]。また、とくに、萌芽ほうがてき理論りろんにおいては、実験じっけんがどんな結果けっかしてもそれをめてしまうほどパラメータがおおく、しかもそのパラメータの物理ぶつりてき意味いみ明確めいかくであることもしばしば指摘してきされる。現在げんざいでも、このことを理由りゆうとして権威けんいある雑誌ざっしへの掲載けいさいこばまれることがあるとされる[50]ただし、この傾向けいこう最近さいきんでは現実げんじつてき方向ほうこうに、つまり反証はんしょう可能かのうせい偏重へんちょうしない方向ほうこうにシフトしつつある[50]

また、結論けつろんはシンプルでなければならない。結論けつろんのシンプルさにかんしては、以下いかの「オッカムの剃刀かみそり」という原則げんそくがある。

  • 必要ひつよう以上いじょうおおくの実体じったい仮定かていするべきでない。
  • 現象げんしょうどう程度ていどうまく説明せつめいする仮説かせつがあるなら、より単純たんじゅんほうえらぶべきである。

オッカムの剃刀かみそりは、「並立へいりつするいくつかの仮説かせつなかから、あるひとつの仮説かせつ選択せんたくする方法ほうほう」のひとつとして現代げんだい科学かがくしゃにおいて、理念りねんてきめんれられているが、あまり教条きょうじょうてきれてしまってはいけない事柄ことがらである。その理由りゆうとしては、

  • 説明せつめい必要ひつようであることは、存在そんざいしないことを含意がんいしない[注釈ちゅうしゃく 8]
  • なに説明せつめい必要ひつようであるかはかならずしも明確めいかくではない。

などの問題もんだいてんがありえるからである。

証拠しょうこ[ソースを編集へんしゅう]

科学かがく証拠しょうことなる事実じじつなまデータ/証拠しょうこ物件ぶっけん)を要求ようきゅうする。科学かがくしゃなんらかの「真偽しんぎ判定はんてい」をおこな場合ばあい「どういった証拠しょうこ結論けつろん支持しじるか」ということをかんがえる[2]。このような思考しこう一般いっぱんに、科学かがく教育きょういくにおいて優先ゆうせんてきけさせるべきこととかんがえられている[2][8]。このさいまず、仮説かせつ支持しじする証拠しょうこ仮説かせつ反証はんしょうとなる証拠しょうこ明確めいかくにする必要ひつようがある[2]。さらに、結論けつろん立証りっしょう、あるいは反証はんしょうするために必要ひつよう実験じっけん計画けいかくする必要ひつようがある。

一般いっぱんに、「仮説かせつ反証はんしょうとなる証拠しょうこ存在そんざい」は、かならずしも反証はんしょうとなる証拠しょうこ提示ていじされた理論りろん否定ひていにはつながらない(後述こうじゅつの「反証はんしょう可能かのうせいについて」を参照さんしょう[2]が、とく実験じっけんは、既存きそん理論りろん反証はんしょうとなりそうな実験じっけんこのんでターゲットにするという傾向けいこうがあり、そのような反証はんしょうれいもとに、理論りろん洗練せんれんさせられていく[51]

証拠しょうことなる事実じじつ取得しゅとく測定そくてい段階だんかいでは、適切てきせつ測定そくてい方法ほうほう存在そんざい重要じゅうようとなる。 適切てきせつ測定そくてい方法ほうほう実現じつげんには、ただしい測定そくてい原理げんりと、それを実現じつげんする適切てきせつ装置そうち構成こうせい適切てきせつ精度せいど評価ひょうか必要ひつようである[17][26]測定そくてい原理げんり妥当だとうせいは、直接ちょくせつ測定そくていたとえば自分じぶん身長しんちょう直接ちょくせつ身長しんちょうけいはか場合ばあい)の場合ばあいにはあまりその重要じゅうようせい意識いしきされないが、間接かんせつ測定そくていたとえば三角さんかく測量そくりょうやまたかさをはか場合ばあい)には、その妥当だとうせい本当ほんとうにその方法ほうほうやまたかさがはかれるのか?)がきわめて重要じゅうようになる。また、「なにあきらかにするためになにをするのか」という研究けんきゅうしゃ意識いしきすべき重要じゅうよう事柄ことがらにも密接みっせつ関係かんけいする。

物理ぶつりがく化学かがくでは、測定そくてい原理げんり妥当だとうせい評価ひょうか比較的ひかくてきおこないやすい対象たいしょう研究けんきゅう対象たいしょうになるが、それでも最先端さいせんたんでは、測定そくてい原理げんり妥当だとうせいや、装置そうち構成こうせい妥当だとうせいたい議論ぎろんしょうじる場合ばあいもある。測定そくてい原理げんり妥当だとうせいや、装置そうち構成こうせい妥当だとうせい精度せいど評価ひょうかはそれぞれの学問がくもんにおけるもっと本質ほんしつてき議題ぎだいひとであり、それぞれの学問がくもん分野ぶんや研究けんきゅうされることである。

測定そくてい原理げんり妥当だとうせいや、装置そうち構成こうせい妥当だとうせいについては、おも大学だいがく学生がくせい実験じっけん重点的じゅうてんてき指導しどうされる[26]ぎゃくにいえば、測定そくてい原理げんり妥当だとうせい装置そうち構成こうせい妥当だとうせいについてまなぶことが学生がくせい実験じっけんひとつの重要じゅうよう意義いぎである[26]典型てんけいてきれいとしては、ボルタ振子ふりこ実験じっけんとうがある。この実験じっけんでは、周期しゅうき重力じゅうりょく加速度かそくど関係かんけい理論りろんてきみちびいたうえで周期しゅうき測定そくていすることで、重力じゅうりょく加速度かそくど間接かんせつてき測定そくていする。

測定そくてい原理げんり装置そうち構成こうせい精度せいど妥当だとうせい評価ひょうかおこなうことを目的もくてきとした論文ろんぶん以外いがい論文ろんぶんでは、博士はかせ論文ろんぶんとうのような大著たいちょ論文ろんぶんのぞき、装置そうち構成こうせい妥当だとうせい装置そうち構成こうせい詳細しょうさい測定そくてい原理げんり妥当だとうせいについては、かるれるにとどめるのが普通ふつうである。このようになった原因げんいんひとつには、知的ちてき財産ざいさんけんかんする戦略せんりゃくや、じゅう投稿とうこう解釈かいしゃくされることへの懸念けねんなどがある。論文ろんぶん実験じっけん方法ほうほうくわしくいた場合ばあいで、すで実験じっけん方法ほうほう妥当だとうせいしめすために提出ていしゅつした論文ろんぶん理論りろん装置そうちかんする論文ろんぶん)や、特許とっきょ存在そんざいした場合ばあいには、じゅう投稿とうこう処断しょだんされる可能かのうせいがある。また、論文ろんぶん実験じっけん装置そうち構成こうせいについてくわしくきすぎると、実験じっけん成功せいこうかんして必須ひっすでない部分ぶぶんかんしても装置そうち構成こうせいかんする新規しんきせい喪失そうしつされることになる場合ばあいがあり、のち特許とっきょとして権利けんりする場合ばあい支障ししょうとなる可能かのうせいてくる。

また、最近さいきんでは実験じっけんツールのキットすすんでおり、間接かんせつ測定そくていであっても、妥当だとうせい測定そくてい精度せいどひとし基礎きそ評価ひょうかは、実験じっけん装置そうち実験じっけんキットのメーカーが保証ほしょうしてくれていて、実験じっけんしゃ意識いしきしなくてもむようになってきつつあるため、測定そくてい原理げんり測定そくてい精度せいどについて、意識いしきひく研究けんきゅうしゃがいることも指摘してきされる[52]

証拠しょうことなる事実じじつ整理せいり解析かいせき、あるいは実証じっしょう実験じっけんのようにしめすべき命題めいだい明確めいかくになり、結論けつろん有意ゆういせい問題もんだい逢着ほうちゃく 段階だんかいにおいては「データの解釈かいしゃく方法ほうほう」「データの記録きろくまたは報告ほうこく」「データのおもみづけ」とう適切てきせつなデータの取得しゅとく適切てきせつなデータの処理しょりかんする問題もんだい重要じゅうようとなる[2]。「適切てきせつ」とは、ここでは、「どのような手順てじゅんでデータを取得しゅとく解析かいせきすればかたよりがすくないとみとめられるか」を[2]。この問題もんだいがいして非常ひじょうむずかしく、有意ゆういせい問題もんだいといわれる。有意ゆういせい判断はんだん先述せんじゅつのように分野ぶんやによってどこまで容認ようにんするかに温度おんどがあるが、この判定はんてい基準きじゅんについては統計とうけいがくとく実験じっけん計画けいかくほう[注釈ちゅうしゃく 9]分野ぶんや研究けんきゅうしゃ研究けんきゅうしている事柄ことがらである。有意ゆういせい判定はんていかんして、実験じっけん計画けいかくほうでは以下いかの3条件じょうけん原則げんそくとしている(実験じっけん計画けいかくほう項目こうもく参照さんしょうのこと)。

  • 局所きょくしょ管理かんり影響えいきょう調しらべる要因よういん以外いがいのすべての要因よういん可能かのうかぎ一定いっていにする。
  • 反復はんぷく実験じっけんごとの偶然ぐうぜんのバラツキ(誤差ごさ)の影響えいきょうのぞくためにどう条件じょうけん反復はんぷくする。
  • 作為さくい(ランダム):以上いじょうでも制御せいぎょできない可能かのうせいのある要因よういん影響えいきょうのぞき、かたよりをちいさくするために条件じょうけん無作為むさくいする。

また、「科学かがくてきであること」の要件ようけんとして必須ひっすであるとまではえないものの「どのようなデータの収得しゅうとく順序じゅんじょ収得しゅうとく方法ほうほう統計とうけい処理しょり方法ほうほうでデータの本性ほんしょうをえぐりだすことができるのか」という問題もんだい重要じゅうようである。この問題もんだい系統けいとうだった研究けんきゅうデータマイニング分野ぶんや研究けんきゅうされている。この問題もんだいたいしてカリフォルニア大学だいがくサンタバーバラこう教授きょうじゅ 中村なかむら修二しゅうじが、「データに文脈ぶんみゃくせいたせることの重要じゅうようせい」をいている[53]。データに文脈ぶんみゃくせいたせ、一見いっけん意味いみのないざつ情報じょうほうえるもののなかから意味いみのある情報じょうほうすためには、セレンディピティーみがかれたセンス場合ばあいによってはうん要求ようきゅうされる問題もんだいでもある。センスをみがくためには実験じっけんノート有機ゆうきてき活用かつようなど、実験じっけんをよくかえることにくわえ、関連かんれんするよい論文ろんぶんとお発見はっけん過程かてい分析ぶんせきする必要ひつようがある。

推論すいろん過程かてい[ソースを編集へんしゅう]

結論けつろんと、実験じっけん事実じじつあいだにはなんらかのギャップがあることが通常つうじょうであり、そのあいだむす考察こうさつ必要ひつようとなる。すなわち、証拠しょうこ結論けつろんむす適切てきせつ推論すいろん過程かてい考察こうさつである。

推論すいろん過程かていを、ひとつの観点かんてんから分類ぶんるいすると、直接ちょくせつ証明しょうめいほう間接かんせつ証明しょうめいほう分類ぶんるいできる。

  • 直接ちょくせつ証明しょうめいほう:証明しょうめいしたい命題めいだい直接的ちょくせつてき立証りっしょうする
  • 間接かんせつ証明しょうめいほう証明しょうめいしたい命題めいだい等価とうか命題めいだいたとえば対偶たいぐう背理法はいりほう)をしめす。

推論すいろん過程かていを、べつ観点かんてんから分類ぶんるいすると、「演繹えんえき」と「演繹えんえきでない推論すいろん」に分類ぶんるいされる([13]PP88-92)。

  • 演繹えんえきとは、一般いっぱんてき原理げんりとして認知にんちされた法則ほうそく、あるいはもっともらしいとしんじられているものにもとづいて、いくつかの仮定かていをおき、具体ぐたいてきなモデルをかんがえ、それにもとづいて現象げんしょう予測よそくする手法しゅほうである。
  • 演繹えんえきでない推論すいろん(演繹えんえきてき推論すいろんには、帰納きのう投射とうしゃ類比るいひ、アブダクションがある。
  1. 帰納きのうは、個別こべつれいから一般いっぱんせいみちびくもの。
  2. 投射とうしゃはこれまでの個別こべつれいではAの性質せいしつだったから、つぎのケースもAだろうという推論すいろん
  3. 類比るいひは、ふたつの事柄ことがらていることから、それ以外いがいてんでもているだろうという推論すいろん
  4. アブダクションは、たとえばいままでかっていたことだけからではすぐに説明せつめいができない場合ばあいに、説明せつめい可能かのうにするようなあたらしい仮説かせついて、その仮説かせつただしいだろうとかんがえるような推論すいろんのこと。

ここで、アブダクションについては、あまりきなれない言葉ことばであるため簡単かんたん補足ほそくしておく。これの基本きほんは「チャールズ・パース仮説かせつ形成けいせいほう」が基本きほんになるとされている[5][54][55]。パースの仮説かせつ形成けいせいほうというのは、 おおまかに以下いかのような過程かていで“推論すいろん”する[5]

  • おどろくべき現象げんしょうFが観察かんさつされている。
  • だが、仮説かせつHがしんであると仮定かていすると、Fは当然とうぜんのことになるだろう。
  • よって、Hはしんであるとかんがえる理由りゆうがある。

いわゆる「現象げんしょうろんまと」とわれる考察こうさつにおいては、このようなかんがかたとくこのんでもちいられる。また、現在げんざいにおいてみとめられている理論りろんのほとんどすべては、「多数たすうのFを説明せつめいできるからHはただしい」といった論拠ろんきょもとづいており、ぎゃくえば、どれだけの(おおさの)Fを説明せつめいできるかがその理論りろん優劣ゆうれつめる[5]。このようなモデルにもとづいた仮説かせつ形成けいせいほうは、「必要ひつよう条件じょうけん十分じゅうぶん条件じょうけん混同こんどう」というてんにおいてデカルトの枠組わくぐみを若干じゃっかん逸脱いつだつしているが、とくに「情報じょうほうりょうえる」[13]こともあり、科学かがくてき論証ろんしょう推論すいろん過程かていにおいてよくもちいられる[54]

演繹えんえきにおいては、「ただしい前提ぜんていもとづけばかならただしい結論けつろんられる」という意味いみ真理しんり保存ほぞんされる一方いっぽう情報じょうほうりょうえない。 一方いっぽう演繹えんえきてき論法ろんぽうは、「蓋然的がいぜんてき」、すなわち、「必然ひつぜんてきではない、結論けつろんかならただしいとはかぎらない」という特徴とくちょうがあり、一方いっぽうで「情報じょうほうりょうえる」ということがある。 科学かがくしゃは、両者りょうしゃしあしを使つかけ、試行錯誤しこうさくご過程かていにおいて、たとえば「少数しょうすう現象げんしょうから、それらを統一とういつてき説明せつめいする仮説かせつ帰納きのうし、その仮説かせつからよりおおくの現象げんしょう予測よそくする」といったように、これらの論法ろんぽうわせる[56]

考察こうさつおこなうにたっては、必要ひつようおうじて、なんらかの理論りろんすで公表こうひょうされたほか実験じっけんデータなどを援用えんようし、証拠しょうこ補完ほかんする必要ひつようがある場合ばあいもある。しかし、ある程度ていど信頼しんらいている理論りろんですら完全かんぜん証拠しょうこ補完ほかんができず、いくつかの推定すいてい根拠こんきょなかざる場合ばあいや、推論すいろん過程かてい自体じたいあら存在そんざいする場合ばあいもある。一般いっぱんに、「どのような推論すいろん過程かてい」が適切てきせつであるのかは、その研究けんきゅうのオリジナリティーにかかわる部分ぶぶんであり、とく研究けんきゅうレベルではきわめてむずかしい。

実際じっさい物理ぶつり重要じゅうよう概念がいねん創造そうぞうした論文ろんぶんは、たいていはすきがある論理ろんり展開てんかいをしていると指摘してきされる[51][50]通常つうじょう学部がくぶレベルで想像そうぞうされる緻密ちみつ理論りろん展開てんかいは、創造そうぞうてき理論りろんけてその内容ないよう精密せいみつしたり整理せいりする過程かていしょうじる[50]

このように科学かがくにおいては論理ろんりせい重視じゅうしする一方いっぽうで、現実げんじつ対象たいしょうあつかっていることによる若干じゃっかん論理ろんり飛躍ひやくみとめざるをない側面そくめんがある。一般いっぱんに、現実げんじつ対象たいしょうあつか学問がくもんでは多少たしょう飛躍ひやくゆるしてでも学問がくもんすすめたほうが、のちになってみてかることがおおしんじられている[57]反面はんめん、この意味いみでは「科学かがくてき方法ほうほうによってられた結論けつろん」であるというだけでは「科学かがくてきただしいかか」「現実げんじつてきただしいかか」「現実げんじつてき役立やくだつかか」はかならずしも一致いっちするとはかぎらない[58]問題もんだいは、「ギャップをみとめつつも推論すいろんすすめ、意味いみのある仮説かせつ提唱ていしょうし、それをひろめ、集団しゅうだん検証けんしょうする」という建設けんせつてき立場たちば重要じゅうようせいにある[59][51][50]

論理ろんり飛躍ひやくとしては、

  • 法則ほうそく適用てきよう範囲はんい勝手かってひろげる
  • 数学すうがくじょう制約せいやく無視むし
  • 実態じったいとはわない近似きんじ
  • 必要ひつよう条件じょうけんじゅうふん条件じょうけん意図いとてき混同こんどう(チャールズ・パースの仮説かせつ形成けいせいほう
  • 強引ごういんなモデル
  • 強引ごういん仮定かていみとめる

などがある[51][50]。それぞれそういうものをみとめざるをない相応そうおう理由りゆうがある。

では、どこまでの飛躍ひやくやあいまいさを容認ようにんするのか。これは非常ひじょうむずかしい問題もんだいであり「真実しんじつへの到達とうたつ」をかんがえるならば安易あんい結論けつろんできない問題もんだいである。だが標語ひょうごてき仮説かせつ失敗しっぱいおそれずに大胆だいたんてろ」といわれるように、一般いっぱん建設けんせつてき立場たちばにおいては「真実しんじつ到達とうたつする」ためには「いろいろな“とるにる”ろん」があったほうがよいとかんがえられている[50][57]

最終さいしゅうてきには「どれだけ沢山たくさん自然しぜん現象げんしょう説明せつめいできるか」が科学かがく理論りろんしをめるため、 裁判さいばんにおける証拠しょうこ鑑定かんていや、法律ほうりつ制定せいてい基礎きそ調査ちょうさとうのような「真実しんじつせい」の重要じゅうようせい圧倒的あっとうてきたかいケースをのぞき、 この問題もんだいは、過度かど深刻しんこくかんがえる必要ひつようせいとぼしい。どこまでの論理ろんり飛躍ひやくみとめるかについては「研究けんきゅうしゃのタイプろん」から説明せつめいされることもある。研究けんきゅうしゃのタイプはしばし(かたべつとして)「先頭せんとう突撃とつげきがた」と「地固じがたがた[50][57]分類ぶんるいされ、前者ぜんしゃ場合ばあい文字もじどおり、多少たしょう乱雑らんざつかもしれない実験じっけん推論すいろんをする反面はんめん重要じゅうよう発見はっけんをする。ぎゃく地固じがたがた過去かこ研究けんきゅうの“あら”の部分ぶぶん補正ほせいする。

この論理ろんり飛躍ひやくかんしては、「論文ろんぶんとして価値かちみとめるかか」にはなし限局げんきょくすれば節度せつど問題もんだいとなっていて、ピア・レビュー過程かていで、前例ぜんれいやその報告ほうこく面白おもしろさなどをまえながらまっていくものである[50]。ピア・レビューで出来できることは、せいぜいその程度ていどのことであり過度かど期待きたいはいけない。この時点じてんにおけるレフェリーとの応酬おうしゅうつためには当然とうぜん過去かこ論文ろんぶんおおみその論法ろんぽうておく必要ひつようがある。またあらがある議論ぎろんがあって、それを部分ぶぶんてきにでも修正しゅうせいすることができるのならば(それを論理ろんりてき立証りっしょうできるかぎり)それは論文ろんぶんくチャンスである。

実験じっけんのデザインと統計とうけいがくてき視点してん[ソースを編集へんしゅう]

科学かがくてき実験じっけんにおいては、実験じっけんのデザインが重要じゅうようである。実験じっけんのデザインというのは、ここでは、

  • どのような測定そくてい手段しゅだんもちいて
  • どのように測定そくてい対象たいしょうをグループけし、

それぞれのグループにおいて、

  • どのような設定せってい/測定そくてい条件じょうけんにおいて(実験じっけん条件じょうけんかた,キザみかたふくむ)
  • どのような順番じゅんばん
  • どのようなすうサンプルすうだけ測定そくていし、

られた結果けっか

  • どのような手段しゅだん可視かし/比較ひかく/統計とうけいてき解析かいせきするか

す。実際じっさい論文ろんぶんにおいて、IMRADかた論文ろんぶんであれば「材料ざいりょう方法ほうほうとうといったタイトルのふしがあるが、「材料ざいりょう方法ほうほうらんに「実験じっけんのデザイン」という項目こうもくもうけられていることがある。調査ちょうさ研究けんきゅう科学かがくてきであるためには、実験じっけんのデザインが妥当だとうであること、実験じっけんのデザインが適切てきせつに(論文ろんぶんちゅうに)開示かいじされていることが重要じゅうようである。

うち、「どのような測定そくてい手段しゅだん」の部分ぶぶんについては、測定そくてい原理げんり概念がいねん操作そうさそれぞれの専門せんもん分野ぶんやかんがえられる分野ぶんや個別こべつてき問題もんだいであり、ほん記事きじのスコープからはずれるため説明せつめい対象たいしょうがいとする。ただし、「おなじ」ものをはか代替だいたい手段しゅだんがいくつか存在そんざいする場合ばあいにはいくつかの測定そくてい手法しゅほう並行へいこうしてもちいることがのぞましいひとしといった基本きほん原則げんそく存在そんざいする[注釈ちゅうしゃく 10]

それ以外いがいは、統計とうけいてき観点かんてん濃厚のうこうふくむ。意味いみのある統計とうけい手段しゅだん行使こうしするためには、すくなくとも以下いか必要ひつようである [13],[33],[34],[35],[36],[37],[38]

  • 適切てきせつなグループけの設定せってい
  • 適切てきせつ方法ほうほう実験じっけん条件じょうけんる/キザむこと(所謂いわゆる条件じょうけんし」の問題もんだい
  • 適切てきせつ統計とうけい手法しゅほう/検定けんてい統計とうけいりょう/検定けんてい手法しゅほう採用さいよう
  • 統計とうけいてき有意ゆういるために必要ひつよう実験じっけんれいすう設定せってい
  • 統計とうけいてき相関そうかん差異さい適切てきせつ解釈かいしゃく
  • 実験じっけんデータを適切てきせつ可視かし手段しゅだんにて可視かしされること

本節ほんぶしでは、まず、「実験じっけんデザインのれい」を例示れいじしたうえで、上記じょうきそれぞれの観点かんてんについて簡単かんたん説明せつめいする。

実験じっけんデザインのれい[ソースを編集へんしゅう]

論文ろんぶんにおいては本来ほんらいこのような実験じっけん条件じょうけんかたキザみかたや、実験じっけんデータの解析かいせき/処理しょり仕方しかたを(せん統計とうけいてき観点かんてんから)が読者どくしゃにわかるように 情報じょうほう提供ていきょうおこなわれなければならない。以下いか、「実験じっけんのデザイン」の典型てんけいてきれいげてれいする。

<<グループあいだ検定けんていれい>>

  • サンプル:「無作為むさくい抽出ちゅうしゅつされた50だい以上いじょう男性だんせい100にんを」
  • グループけ:「さけを1にちに500 mL以上いじょうぐんと,それ以外いがいにグループけし」
  • 比較ひかくするデータ:「体重たいじゅう比較ひかくし」
  • 検定けんていりょう:「2集団しゅうだん平均へいきんがないという仮説かせつを」
  • 検定けんてい方法ほうほう:「t検定けんていによって検定けんていした」

<<1因子いんし実験じっけんれい>>

  • サンプル:文献ぶんけん1に記載きさいのレシピ(タマゴき)について、
  • 制御せいぎょ因子いんしたまご2あたりの砂糖さとうりょう(g)を
  • 条件じょうけんかた(水準すいじゅん設定せってい):10g 〜20g のあいだで2gきざみで
  • 比較ひかくするデータ:100にん被験者ひけんしゃ作為さくい配布はいふし、あじをとてもまずい(1)〜とてもおいしい(5)の5段階だんかい評価ひょうかしてもらい。
  • 統計とうけい処理しょり:それぞれの条件じょうけんたい被験者ひけんしゃがつけた評点ひょうてん平均へいきんと、ばらつきを評価ひょうかする。

また、評価ひょうか順序じゅんじょ(プロトコールという意味いみではない)が重要じゅうようなケース、すなわち、実験じっけんAと実験じっけんBのどちらをさき実施じっししたかが実験じっけん結果けっか影響えいきょうあたえかねない場合ばあいれいとして

<<どちらの実験じっけんさきったかによって実験じっけん結果けっかわり場合ばあいれい>>

たまご2あたりの砂糖さとうりょうが「(a)たまご2あたり12g」 と「(b)たまご2あたり18g」のどちらの場合ばあいがより美味おいしいかを、「くらべによって比較ひかくしてもらう場合ばあい
については、おなじん評価ひょうかするとして「(a)の卵焼たまごやきをさきべた場合ばあい」と「(b)の卵焼たまごやきをさきべた場合ばあい」で評価ひょうかわる可能かのうせい充分じゅうぶんある。このような場合ばあい評価ひょうか順序じゅんじょたいする公平こうへいせい担保たんぽするためにたとえば、
100にん被験者ひけんしゃをランダムにA,B,C,Dの4ぐんけ、
  • Aぐんには(a)の卵焼たまごやきをさきべてもらう
  • Bぐんには(b)の卵焼たまごやきをさきべてもらう
  • Cぐんは2かいとも(a)の卵焼たまごやきをべてもらう
  • Dぐんは2かいとも(b)の卵焼たまごやきをべてもらう
といったように評価ひょうか順番じゅんばん無作為むさくいすることが必要ひつようとなる。

さらにえば、上記じょうき実験じっけんでもC,Dはコントロール(対照たいしょうぐん)がかれているが、「どのような対照たいしょうぐんくのか」という問題もんだい検討けんとうする必要ひつようがある。

適切てきせつなグループけの設定せってい[ソースを編集へんしゅう]

科学かがくてき実験じっけんにおいては、被験者ひけんしゃや、測定そくていサンプルを適切てきせつなグループにグループけし、グループないでのとグループあいだでの差異さい検討けんとうする必要ひつようがある。 [13],[33],[34],[35],[36],[37],[38]おおざっぱにいえば、グループないでの(バラつき)がグループあいだたい充分じゅうぶんおおきければ有意ゆういということであり、 そうでなければ有意ゆういではないということになる。このような実験じっけんれいとしては、対照たいしょう実験じっけんコホート研究けんきゅうがある。

対照たいしょう実験じっけん[ソースを編集へんしゅう]

グループけのもっと簡単かんたんれいは「対照たいしょう実験じっけん」といわれ実験じっけん手法しゅほうであろう。「対照たいしょう実験じっけん」とは、ふたつの状況じょうきょう設定せっていして、ひとつだけ条件じょうけんえ、条件じょうけんおなじにしておくように設定せっていされた実験じっけんのことである[13]条件じょうけんえてないほうを「実験じっけんぐん」といい、えたほうを「対照たいしょうぐん」と[13]すなわち、対照たいしょう実験じっけんとは、

  • 集団しゅうだん/サンプル:均質きんしつ被験者ひけんしゃ集団しゅうだんたとえば「風邪かぜいた人達ひとたち」)や均質きんしつ測定そくていサンプルの集団しゅうだんを、
  • 因子いんしひとつの因子いんしについて(たとえば「風邪かぜやく投与とうよ」)にかんして"のみ"、
  • グループけ(属性ぞくせいA):因子いんしゆうぐん(実験じっけんぐん,ほんれいでは「風邪かぜやく投与とうよしたぐん」)と、因子いんししのぐん対象たいしょうぐん,ほんれいでは「風邪かぜやく投与とうよしなかったぐん」)にけて
  • 比較ひかく属性ぞくせいB):効果こうか比較ひかくする

ような1因子いんし実験じっけんのことである。このような実験じっけんデザインによって、「特定とくていひとつの観点かんてん因子いんしの“有無うむ”が、効果こうか有無うむにつながるかか」が鑑別かんべつ出来できる。 対照たいしょう実験じっけん結果けっか解釈かいしゃくについて、科学かがく哲学てつがくしゃ戸田とださん和久わぐは、「よん分割ぶんかつひょう」(統計とうけいがくでいうところの2×2分割ぶんかつひょう[33]の1しゅ)というひょうもちいて解釈かいしゃくするとわかりやすいとべている。よん分割ぶんかつひょうとは、以下いかひょうのように、たて見出みだれつを「因子いんし有無うむ」(原因げんいん)、よこ見出みだぎょうを「効果こうか有無うむ」(結果けっか)にわけてデータを整理せいりするためのひょうである。このように区分くぶんすることで、ひょうは、以下いか

  • (イ)因子いんしゆう効果こうかゆう
  • (ロ)因子いんしゆう効果こうか
  • (ハ)因子いんし効果こうかゆう
  • (ニ)因子いんし効果こうか

の4つのセグメントにかれる。被験者ひけんしゃ集団しゅうだん測定そくていサンプルの集団しゅうだんのうちそれぞれのセグメントに何人なんにんなにサンプル)がはいるのかから、その因子いんし程度ていどがある程度ていどわかる。 (実際じっさいにはきちんとした検定けんてい必要ひつようであるが、検定けんていをするじょうでもこのようなかんがかたっておくと説明せつめいがしやすい。)なお、「独立どくりつせい検定けんてい」という観点かんてんからは、科学かがく哲学てつがくしゃ戸田とださん和久わぐは「よん分割ぶんかつひょう」を「対照たいしょう実験じっけん」の観点かんてんかぎって説明せつめいしているが、統計とうけいがくにおける2×2分割ぶんかつひょうは、属性ぞくせいA(ほんれいでは、因子いんし有無うむ)、属性ぞくせいB(ほんれいでは効果こうか有無うむ)がそれぞれ2つの階級かいきゅう(水準すいじゅん)(A1,A2,B1,B2)をつというような問題もんだいにおいて、属性ぞくせいAと属性ぞくせいBの独立どくりつせい検定けんていするというより一般いっぱん問題もんだいあつかうことが出来できる(属性ぞくせいAが原因げんいんで、属性ぞくせいBが結果けっかである必要ひつようかならずしもない)[33]。さらに、属性ぞくせいA,Bの階級かいきゅうがそれぞれm,nの場合ばあいにも問題もんだい(m×n分割ぶんかつひょう問題もんだい)は拡張かくちょう可能かのうで、この問題もんだいも「独立どくりつせい検定けんてい」のはなしである[33]

ひょうよん分割ぶんかつひょう

効果こうかゆう 効果こうか
因子いんしゆう (イ) (ロ)
因子いんし (ハ) (ニ)

たとえば以下いか問題もんだい検討けんとうしてみよう。

1000にん風邪かぜひとがあるくすりみ、XXじん回復かいふくしたとしよう。これにたいしてくすり風邪かぜくと結論けつろんけてよいか?

より正確せいかく設定せってい以下いかのとおりである。

  • サンプル:「風邪かぜいたひと2,000にんを」
  • グループけ:「ある風邪かぜやく投与とうよしたぐん1,000にん」と「そうでないぐん1,000にん」とに
  • 効果こうか測定そくてい:「2にち以内いないなおったかかを評価ひょうかする」

結果けっかれい以下いかひょうに4れいげてみる。なお以下いかの(イ)〜(ニ)はよん分割ぶんかつひょうのそれぞれのセグメントである。

(イ) (ロ) (ハ) (ニ) 合計ごうけい
れい1 999 1 1 999 2000
れい2 999 1 999 1 2000
れい3 800 200 600 400 2000
れい4 990 10 999 5 2000
  • れい1は、自然しぜん治癒ちゆしたれい(ニ)は1,000けんちゅう1れいしかなく、くすり投与とうよしてもなおらなかったれいは1,000けんちゅう1れいしかない。圧倒的あっとうてき効果こうかりと推定すいていされよう。
ただし「効果こうか測定そくてい」が「2にち以内いないなおったかかを評価ひょうかする」という手法しゅほうだが、くすりんだぐんのほとんどがぎりぎり2にち以内いないなおっていて、そうでないぐんがぎりぎり2にち以降いこうなおっていたひとしという可能かのうせいもありる。閾値の設定せってい問題もんだい恣意しいてきでないということは前提ぜんていにある。
  • れい2は、くすりんでもまなくても結果けっかおなじであり、「くすりんだひとはほとんどみんななおっている」けれども、「くすり効果こうかい」と推定すいていされよう。
れい1同様どうように閾値や効果こうか測定そくてい設定せってい問題もんだいはある。今回こんかいは「なおるまでの期間きかんはかわらないが、だいぶらくごせた」といった効果こうか効果こうかとはなしていないが、効果こうか測定そくてい観点かんてんをどうするかによって、結論けつろんわる可能かのうせいはある。また、今回こんかいれいではくすりりょう投与とうよするかかの2しかないが、りょう妥当だとうだったかという問題もんだいもある(⇒いち因子いんし実験じっけん)。
  • れい3については、実験じっけんぐんなかでの治癒ちゆりつ((イ)/(イ+ロ))=80% は、対照たいしょうなかでの治癒ちゆりつ((ハ)/(ハ+ニ))=60%にたいしておおきい。このが“優位ゆういではないか”とおもわれるほどおおきい。正確せいかく検定けんてい必要ひつようである。
  • れい4では、実験じっけんぐんなかでの治癒ちゆりつ((イ)/(イ+ロ))と、対照たいしょうなかでの治癒ちゆりつ((ハ)/(ハ+ニ))のがたいしてかわらない。したがって効果こうかがないとおもわれる。
ただし、上記じょうきの閾値や効果こうか測定そくていほう問題もんだいくわえ、「特定とくていじょ関与かんよ」がある場合ばあいかんがえられる。これについては、イレッサれいてみよう。

そうじて、対照たいしょう実験じっけんというのはれい2のようなおかさないじょうでは有効ゆうこうだけれども、「介入かいにゅう有無うむ」、「効果こうか有無うむ」をしていることにより

  • 介入かいにゅうつよさ(くすり投与とうよりょう)は妥当だとうだったのか?(おも効果こうかられなかった場合ばあい
  • 効果こうか判定はんていの閾値設定せってい恣意しいてきでなかったのか?(効果こうかがあった場合ばあいもなかった場合ばあいも)

という問題もんだいがある。そこで、(ひとつの因子いんしたいする)介入かいにゅうつよさと効果こうか判定はんていのそれぞれを段階だんかいにしたいち因子いんし実験じっけんというかんがかたてくる[13]いち因子いんし実験じっけんにおいても、実験じっけん条件じょうけん介入かいにゅうつよさ,よこじく)と効果こうか判定はんてい効果こうかつよさ,たてじく)にり、適切てきせつ象限しょうげんけると、よん分割ぶんかつひょうかんがかたである程度ていど理解りかい可能かのうである[13]

一方いっぽうで、作用さようじょ問題もんだいのこっている。作用さようじょ問題もんだいとは、たとえば以下いかのような事例じれい存在そんざいする[60]

このうち、海外かいがいおこなわれた1つの試験しけん(INTEREST試験しけん)では、イレッサによって、従来じゅうらいがたこうがんざいどう程度ていど延命えんめい効果こうかられることが証明しょうめいされていますが、ほぼおなじデザインでおこなわれた国内こくない試験しけん(V15-32試験しけん)では、延命えんめい効果こうか明確めいかく証明しょうめいすることはできませんでした。また、海外かいがいおこなわれたもう1つの試験しけん(ISEL試験しけん)では、プラセボよりも延命えんめい効果こうかがありそうだったのですが、明確めいかく証明しょうめいにはいたりませんでした。([60]より引用いんよう)

この事例じれい臨床りんしょうやく治験ちけん事例じれいであるため、上記じょうきれい4にくらべ、はるかに高度こうど精密せいみつ条件じょうけん設定せっていがなされているわけだが、 簡単かんたんかんがえれば上記じょうきれい4とたような事例じれいである。イレッサのような分子ぶんし標的ひょうてきやくは、「特定とくていじょでがんになったひとにはよくくが、そうでないひとにはほとん効果こうかがない」 という性質せいしつがある。れい4の場合ばあいでも、「(イ)に相当そうとうする10にん一部いちぶは、このくすりのおかげでなおったかもしれない」という可能かのうせいのこる。こういった場合ばあいには、「くすりいたぐんとそうでないぐん」になんらかのちがいがないかを検討けんとうすることがのぞまれる。

適切てきせつ方法ほうほう実験じっけん条件じょうけんる/キザむこと(条件じょうけんかた条件じょうけんし)[ソースを編集へんしゅう]

科学かがくてき実験じっけんにおいては、適切てきせつ方法ほうほうで「実験じっけん条件じょうけんる」こと「条件じょうけん」をすることが必要ひつようとなる[37][61][13]。このような行為こういは、とく技術ぎじゅつしゃ工学こうがくしゃあいだでは「条件じょうけんる」、「条件じょうけんす」という用語ようご表現ひょうげんされる。これらの用語ようごは、慣用かんようてき使つかわれかたをされることがおおく、意味いみ範囲はんいひろ場合ばあいせま場合ばあいあるため、ほん記事きじでは以下いか意味いみもちいることにする。

  • 条件じょうけん複数ふくすう条件じょうけん実験じっけんしてみること/試作しさくしてみることによって、目的もくてきにかなった実験じっけん/作成さくせい条件じょうけん探索たんさくすること。
  • 条件じょうけん条件じょうけんす):複数ふくすう条件じょうけん実験じっけんしてみること/試作しさくしてみることによって、目的もくてきにかなった実験じっけん/作成さくせい条件じょうけん見出みいだすこと。

たとえば、「大砲たいほう射出しゃしゅつ角度かくどを0から90まで1きざみでキザみ、もっと砲弾ほうだん飛行ひこう距離きょりなが条件じょうけん見出みだしだす」、「培地ばいち組成そせい成分せいぶんとして様々さまざまなものをためし、細胞さいぼうもっともよくそだ組成そせいつける」、「乳牛にゅうぎゅう品種ひんしゅとして、ホルスタイン、ジャージのどちらが沢山たくさん牛乳ぎゅうにゅうすかを調しらべる」といった実験じっけんは「条件じょうけんし」のいちれいである。

条件じょうけんし」には、「実験じっけん条件じょうけん」(因子いんし)と「評価ひょうか観点かんてん」がすくなくともさだめられていなければならない。

実験じっけん条件じょうけん因子いんし):うえれいにおいても「大砲たいほう射出しゃしゅつ角度かくど」、「ほそ培地ばいち組成そせい成分せいぶん」、「乳牛にゅうぎゅう品種ひんしゅ」がこれに相当そうとうする。実験じっけん条件じょうけん探索たんさく仕方しかたとしては、たん因子いんし実験じっけん(「大砲たいほう射出しゃしゅつ角度かくど」のように1つの因子いんし影響えいきょうだけを検討けんとうする)であっても、因子いんし実験じっけん培地ばいち成分せいぶんのうち、グルコース、リジン、ビタミンCの濃度のうどるといったように、複数ふくすう因子いんし影響えいきょう検討けんとうする)であってもよく、かならずしも(実験じっけん計画けいかくほうとうの)理論りろん裏付うらづけられた手法しゅほうもとづけられた探索たんさく手法しゅほうであるとはかぎらない。また、因子いんしとしては、「XXの濃度のうど」、「射出しゃしゅつ角度かくど」のように数字すうじ定量ていりょう可能かのうな「パラメータ」であることもあれば、「材料ざいりょうめい」、「品種ひんしゅ」、「タイムコース」のように数字すうじ定量ていりょう出来できない「種類しゅるい」であることもある。
評価ひょうか観点かんてん:うえれいにおいては、「砲弾ほうだん飛行ひこう距離きょり」、「細胞さいぼうもっともよくそだつ」がこれに相当そうとうする。評価ひょうか観点かんてんは「目標もくひょう」や「評価ひょうか関数かんすう」を設定せっていするかたち定量ていりょうされる。評価ひょうかすなわ実験じっけんデータが基準きじゅんなかはいってはいればよいとする立場たちばもあれば、評価ひょうかをプロットした特性とくせい曲線きょくせんかたちのぞましい形状けいじょうであることと立場たちばもあれば、評価ひょうか変数へんすうとする評価ひょうか関数かんすう最大さいだい最小さいしょう目標もくひょうもっとちかいといったことをもっ目標もくひょう合致がっちしていることを評価ひょうかすることもある。場合ばあいによっては経験けいけんてき識見しきけんもとづいて「不具合ふぐあいなどの有無うむ」を総合そうごうてき判定はんていする場合ばあいもある。評価ひょうか基準きじゅん設定せっていや、評価ひょうか基準きじゅん定量ていりょうは、実験じっけん全体ぜんたい目的もくてき上位じょうい目的もくてき)や、設計せっけい仕様しよう依存いぞんする。

基本きほんてきなレベルにおいては、条件じょうけんかた以下いかのようなかんがかたがなされる[61]

  • 複数ふくすうのパラメータを同時どうじうごかすな(安易あんいに「因子いんし実験じっけん」をするな)
  • 最適さいてき目標もくひょうちかいとおもわれる条件じょうけんではこまかく条件じょうけん

このようなかんがかた根底こんていには、「条件じょうけんし」は、「評価ひょうか実験じっけんデータ)を、実験じっけん条件じょうけんもとづいて比較ひかくする」という基本きほんてきかんがかたがある。因子いんし評価ひょうか基準きじゅん複雑ふくざつかんがえると、「なんなにを、なにもとづいて比較ひかくしているのか」がわかりにくくなる。

しかし、現実げんじつには複数ふくすうのパラメータが因子いんしとなりて、さらにはパラメータあいだ交互こうご作用さようかんがえられる。検討けんとうするパラメータのかずおおくなればおおくなるほど、パラメータのきざかたおおくなればおおくなるほど「わせ爆発ばくはつ」ともいえるよう現象げんしょうこり、評価ひょうかすべき「実験じっけん条件じょうけんわせ」が膨大ぼうだいとなる。このような問題もんだいたいして、タグチメソッドひとし手法しゅほう存在そんざいする。

また、現実げんじつ問題もんだいでは「し」は複数ふくすう種類しゅるいのデータにもとづいて総合そうごうてき判断はんだんせねば評価ひょうかできないこともおおい。たとえば「いえう」という(条件じょうけんしというにはあまりに日常にちじょうてきな)ですら、問題もんだいたいしても評価ひょうか観点かんてんとして、「えきからちかく、閑静かんせいで、値段ねだんやすく、…」というように多数たすうのの観点かんてん存在そんざいする。これらの評価ひょうか観点かんてんには、当然とうぜんトレードオフ存在そんざいする(えきからの距離きょり値段ねだんとは両立りょうりつしないというように)ため、それぞれの評価ひょうか観点かんてん適切てきせつおもみづけをするひとしをしたり、より複雑ふくざつ場合ばあいにはなんらかの評価ひょうか関数かんすう設定せっていするひとしおこなわれる。

条件じょうけんさいには、「実験じっけん条件じょうけんのキザみかた」も問題もんだいになる。「実験じっけん条件じょうけんのキザミかた」というのは、「どの条件じょうけんこまかくるか」といった事柄ことがらしめ概念がいねんで、 初等しょとうてき理解りかいとしては、

  • 実験じっけん結果けっか支配しはいてき影響えいきょうおよぼすパラメータはひろいレンジで条件じょうけんる。
  • 最適さいてき条件じょうけんちかいとおもわれる条件じょうけん付近ふきんではこまかく条件じょうけんる。
  • ひろいレンジで傾向けいこうる(探索たんさく)ときは試行しこう回数かいすうすくなくてもよいが、最適さいてき条件じょうけんちかいとおもわれる条件じょうけんについては充分じゅうぶん試行しこう回数かいすう実験じっけんする(Nをかせぐ)のがのぞましい。

といったことがよくわれる。このようにすることで、より条件じょうけんつかったり、最適さいてき条件じょうけんロバストせい評価ひょうか出来できたり、すくない回数かいすう信頼しんらいせいたか結果けっかがえられたりといったメリットがある。

先述せんじゅつの「大砲たいほう射出しゃしゅつ角度かくど」では、たとえば「まず5間隔かんかくあら条件じょうけんり、飛行ひこう距離きょりながかった条件じょうけん付近ふきんだけ1キザミで条件じょうけんる」といったことをすることですべてのレンジで平等びょうどうに1キザミで条件じょうけんるよりも効率こうりつよく条件じょうけんしができよう[注釈ちゅうしゃく 11]

適切てきせつ統計とうけい手法しゅほう/検定けんていりょう統計とうけい/検定けんてい手法しゅほう採用さいよう[ソースを編集へんしゅう]

科学かがくてき考察こうさつくわえるためには、適切てきせつ統計とうけい手法しゅほう/検定けんてい統計とうけいりょう/検定けんてい手法しゅほう採用さいよう必要ひつようである [33],[34],[35],[36],[38]

検定けんていとは[ソースを編集へんしゅう]

検定けんてい」という言葉ことばは(統計とうけい用語ようごかぎったとしても)以下いかことなる意味いみあいだ使つかわれており、ひとによって用語ようご使つかかたがまちまちのものもある。したがって ほん記事きじなかでの用語ようご以下いかのように統一とういつする。たんに「検定けんてい」といった場合ばあいには、以下いかのどの意味いみっているかがあまり重要じゅうようでない場合ばあい意味いみするものとする。

  • 仮説かせつ検定けんてい仮説かせつがどの程度ていどただしくないかを判定はんていする作業さぎょう(おおくの場合ばあいp算出さんしゅつする作業さぎょう)作業さぎょうそのもの。
  • 検定けんてい目的もくてき:「母集団ぼしゅうだん検定けんてい」,「はは分散ぶんさん検定けんてい」,「平均へいきん検定けんてい」,「とう分散ぶんさん検定けんてい」,「比率ひりつ検定けんてい」,「適合てきごう検定けんてい」,「独立どくりつせい検定けんてい
  • 検定けんてい手段しゅだんこう検定けんてい,z検定けんてい,t検定けんてい,F検定けんてい,カイじょう検定けんていピアソン検定けんてい),U検定けんてい(マンホイットニー検定けんてい),符号ふごう検定けんてい[27],Wilcoxon検定けんてい[28],フィッシャーの直接ちょくせつかくりつ検定けんてい,中央ちゅうおう検定けんていひとしのように検定けんてい手法しゅほう名称めいしょう
  • 検定けんてい統計とうけいりょうそのもの:標本ひょうほんデータから一定いっていのアルゴリズムにしたがって算出さんしゅつされるりょう一般いっぱん統計とうけいりょうという。集団しゅうだんとしてあるかくりつ分布ぶんぷ仮定かてい仮説かせつ)しておけば、それから統計とうけいりょう相当そうとうするかくりつ変数へんすうが、検定けんていもちいられるようなかくりつ分布ぶんぷたとえばカイじょう分布ぶんぷ)にしたがうことになる。このような統計とうけいりょうのことを「検定けんてい統計とうけいりょう」とぶことにする。(通常つうじょうpふく場合ばあいおおいが、p検定けんてい統計とうけいりょうふくまないとする)

仮説かせつ検定けんてい手順てじゅん[ソースを編集へんしゅう]

仮説かせつ検定けんていは、おおくの場合ばあいおおむ以下いか手順てじゅん実施じっしされる[33]p113。

  • ステップ1:仮説かせつ(H0),対立たいりつ仮説かせつ(H1),有意ゆうい水準すいじゅん(αあるふぁ)
  • ステップ2:標本ひょうほんから検定けんてい統計とうけいりょう算出さんしゅつする。
  • ステップ3:上記じょうき検定けんてい統計とうけいりょうたい適切てきせつ統計とうけい手法しゅほう行使こうしし、棄却ききゃくいきはいっているかを判定はんていする。
  • ステップ4:上記じょうき“ステップ3”の結果けっか棄却ききゃくいきっている場合ばあいには、H0棄却ききゃくし、H1採択さいたくする。

おおくの場合ばあいでは、ステップ3ではpといわれる算出さんしゅつする。 pとは、おおざっぱにいえば0から1までのあいだをとるかずであり、仮説かせつただしいかくりつしたがって「対立たいりつ仮説かせつあやまっているかくりつ」)をあらわ指標しひょうのことである。 pが0の場合ばあい仮説かせつは“絶対ぜったいあやまり”であり、pが1の場合ばあいにはかえり仮説かせつは “絶対ぜったいただしい”ので、pちいさければちいさいほど対立たいりつ仮説かせつただしさがすことになる(実際じっさいにpが0や1になることはほぼこらない)。 pは、検定けんてい統計とうけいりょう検定けんてい手法しゅほうまれば一意いちいさだまるが、これがことなるとことなることもある(方法ほうほうによってことなる)。

検定けんてい手段しゅだん種類しゅるい[ソースを編集へんしゅう]

z検定けんてい,t検定けんてい,F検定けんていカイじょう検定けんていピアソン検定けんてい),U検定けんてい(マンホイットニー検定けんてい),符号ふごう検定けんてい[29],Wilcoxon検定けんてい[30],フィッシャーの直接ちょくせつかくりつ検定けんてい,中央ちゅうおう検定けんていひとしのように、様々さまざま検定けんてい手法しゅほう存在そんざいする。

たとえば、z検定けんてい,t検定けんてい,F検定けんてい,カイじょう検定けんていのように、検定けんてい統計とうけいりょうがある特定とくてい分布ぶんぷしたが[注釈ちゅうしゃく 12]ことを前提ぜんていとした検定けんてい手段しゅだんでは、両側りょうがわ検定けんていとするのか、片側かたがわ検定けんていとするのかの分類ぶんるい存在そんざいしえる。ほかにも、検定けんてい手段しゅだん様々さまざま観点かんてんから分類ぶんるいされる。

  • 片側かたがわ/両側りょうがわ区別くべつ:「片側かたがわ検定けんてい」、「両側りょうがわ検定けんていとう
  • パラメトリックであるかか:検定けんてい対象たいしょうとしているサンプルぐん正規せいき分布ぶんぷであると仮定かていしている方法ほうほうが「パラメトリック」,その前提ぜんていかないものが「ノンパラメトリック」検定けんていである。
  • 比較ひかくするぐんかず:3ぐん以上いじょうぐん(れい.Aがた,Bがた,Oがた,ABがた)を比較ひかくする「ぐん検定けんてい[31]と、「それ以外いがい
  • 多重たじゅう比較ひかくをするかか:「多重たじゅう比較ひかく検定けんてい」と、「それ以外いがい

以下いかひょうに、よく使つかわれる検定けんてい手段しゅだんれい例示れいじし、適用てきよう可能かのうとなる前提ぜんてい条件じょうけんと、検出けんしゅつりょく,ロバストネス高低こうていしめ[34]p99。

ひょう.よく使つかわれる検定けんてい手法しゅほうれい[34]

# 検定けんてい手法しゅほう名称めいしょう 前提ぜんてい条件じょうけん 検出けんしゅつりょく・ロバストネス
1 フィッシャーの正確せいかくかくりつ検定けんてい,こう検定けんてい なし こう
2 t検定けんてい,F検定けんてい データの母集団ぼしゅうだん正規せいき分布ぶんぷ こう
3 マン・ホイットニーのU検定けんてい(ウイルコクソンの順位じゅんい検定けんてい) 統計とうけいりょうUが正規せいき分布ぶんぷしたが必要ひつようがある。 なか
4 ウイルコクソンの符号ふごう順位じゅんい検定けんてい 統計とうけい検定けんていりょう正規せいき分布ぶんぷしたが必要ひつようがある。 なか
5 カイじょう検定けんてい,中央ちゅうおう検定けんてい 統計とうけい検定けんていりょうがカイじょう分布ぶんぷしたが必要ひつようがある。 ひく

仮説かせつ検定けんていれい[ソースを編集へんしゅう]

以下いかひょう仮説かせつ検定けんてい典型てんけいれいを、検定けんてい目的もくてきおうじて例示れいじする[33](pp113-127)。それぞれの場合ばあいによくもちいられる検定けんてい統計とうけいりょうや、前提ぜんてい条件じょうけん検定けんてい手段しゅだんとうについても、あわせて例示れいじする[33](pp113-127)。

ひょう.検定けんてい典型てんけいれい[33]

# 検定けんてい目的もくてき 前提ぜんてい*1 仮説かせつ(H0) 検定けんてい手法しゅほう
1 はは平均へいきん検定けんてい標本ひょうほん平均へいきんはは平均へいきんとのあいだがあるかかの検定けんてい 母集団ぼしゅうだん分布ぶんぷがN(μみゅー,σしぐま2)である。 はは平均へいきんμみゅーたい
「H0μみゅー=μみゅー0
  • はは分散ぶんさん既知きち場合ばあい⇒z検定けんてい
  • はは分散ぶんさん未知みち場合ばあい⇒t検定けんてい
2 はは分散ぶんさん検定けんてい標本ひょうほん分散ぶんさんはは分散ぶんさんとのあいだがあるかかの検定けんてい 母集団ぼしゅうだん分布ぶんぷがN(μみゅー,σしぐま2)である。 はは分散ぶんさんσしぐま2たい
「H0σしぐま=σしぐま0
  • はは平均へいきん既知きち場合ばあい⇒カイじょう検定けんてい
  • はは平均へいきん未知みち場合ばあい⇒カイじょう検定けんてい
3 平均へいきん検定けんてい(2つのぐん平均へいきんひとしいかかの検定けんてい Aぐん,Bぐんたがいにディスジョイントであり、Aぐん母集団ぼしゅうだん分布ぶんぷがN1(μみゅー1,σしぐま21)であり、

Bぐん母集団ぼしゅうだん分布ぶんぷが、N2(μみゅー2,σしぐま22)である。

N1,N2たい
「H0μみゅー1=μみゅー2
  • A,Bりょうぐんはは分散ぶんさん既知きち場合ばあい⇒z検定けんてい
  • A,Bりょうぐんはは分散ぶんさん未知みちではあるが、ひとしい(σしぐま21=σしぐま22)⇒⇒t検定けんてい
  • A,Bりょうぐんはは分散ぶんさん未知みちではあり、ひとしくない場合ばあい(σしぐま21σしぐま22)⇒⇒t検定けんてい
4 とう分散ぶんさん検定けんてい(2つのぐん分散ぶんさんひとしいかかの検定けんてい) Aぐん,Bぐんはディスジョイントであり、Aぐん母集団ぼしゅうだん分布ぶんぷがN1(μみゅー1,σしぐま21)にしたがい、Bぐん母集団ぼしゅうだん分布ぶんぷが、N2(μみゅー2,σしぐま22)にしたがう。 母集団ぼしゅうだんN1,N2たい
「H0σしぐま1=σしぐま2
片側かたがわF検定けんてい
5 比率ひりつ検定けんてい[32][33] Bi(n,per0)にしたが 母集団ぼしゅうだんないのあるグループの比率ひりつ(per,はは比率ひりつ)と特定とくていのサブグループない

ある特定とくていのグループの比率ひりつについて
「H0:per=per0

z検定けんてい
6 適合てきごう検定けんてい[34] 理論りろん分布ぶんぷ既知きち 排反はいはんなk階級かいきゅうC1,C2,...,Ckにけられる現象げんしょう観察かんさつしたとき、それぞれの階級かいきゅう度数どすう

X1,X2,...,Xkであったとする。このとき
「H0上記じょうき度数どすう分布ぶんぷは、理論りろん分布ぶんぷしたがっている」

カイじょう検定けんてい
はは平均へいきん検定けんてい[ソースを編集へんしゅう]

れい1-1:はは分散ぶんさん既知きち場合ばあい

ある病気びょうき患者かんじゃ16にん血清けっせいちゅうのカルシウム濃度のうど平均へいきん(μみゅー)は、7.4 mg/dlであった。健常けんじょうしゃ血清けっせいちゅうのカルシウム濃度のうど平均へいきん9.8 mg/dl(μみゅー0) 標準ひょうじゅん偏差へんさは0.5 mg/dlである。このとき、H1:「この病気びょうき感染かんせんすると血清けっせいちゅうのカルシウム濃度のうど低下ていかする」とえるか?

両側りょうがわz検定けんていにおいて、有意ゆうい水準すいじゅんpで仮説かせつ棄却ききゃくすることをかんがえた場合ばあい、p=0.05,p=0.01の場合ばあい仮説かせつ採択さいたく範囲はんい以下いかのようになる。

αあるふぁ=0.05のとき、「=NORMSINV(0.05/2)」の計算けいさん(Excel)は、「-1.959963985」であるため、標準ひょうじゅん正規せいき分布ぶんぷ対称たいしょうせいより-1.96≦Z≦1.96となり、
αあるふぁ=0.01のとき、「=NORMSINV(-0.05/2)」の計算けいさん(Excel)は、「0.005」であるため、標準ひょうじゅん正規せいき分布ぶんぷ対称たいしょうせいより-0.005≦Z≦0.005

標本ひょうほん平均へいきんたいし、検定けんてい統計とうけいりょうとして標準ひょうじゅん変数へんすう(Z)を以下いかのように定義ていぎする。

前提ぜんていよりZは(かくりつ変数へんすうについて)標準ひょうじゅん正規せいき分布ぶんぷN(0,1)にしたがう。実際じっさいほんれい標準ひょうじゅん変数へんすう計算けいさんすると以下いかる。

Z=-19.2

したがって、p=0.05の場合ばあいでも,p=0.01の場合ばあいでも、この場合ばあい標準ひょうじゅん変数へんすう(Z)のは、仮説かせつ採択さいたく範囲はんい採択さいたく範囲はんいそとにあるため、仮説かせつはp=0.05でも、p=0.01でも棄却ききゃくされる。したがって、p=0.05でも、p=0.01でも「この病気びょうき感染かんせんすると血清けっせいちゅうのカルシウム濃度のうど低下ていかする」とえる。

参考さんこうまでに、(両側りょうがわ)Z検定けんていにおいては,pは、標準ひょうじゅん正規せいき分布ぶんぷ累積るいせき分布ぶんぷ関数かんすう(NORM.S.DIST)をもちいて、この場合ばあい(Z=19.2の場合ばあい)は、

=2*(1-NORM.S.DIST(ABS(19.2),TRUE))

にて計算けいさんされるが、Excelにおいては、19.2は標準ひょうじゅん正規せいき分布ぶんぷ標準ひょうじゅん偏差へんさたいはなれすぎているため、けたにて0と算出さんしゅつされてしまう。

れい1-2:はは分散ぶんさん未知みち場合ばあい

Wしゃ勤務きんむする社員しゃいん30めい血圧けつあつ平均へいきんは145 mmHgで、不偏ふへん分散ぶんさん(U2)は900となった。血圧けつあつ全国ぜんこく平均へいきんは140 mmHgである。このときH1:「Wしゃ社員しゃいん血圧けつあつは、全国ぜんこく平均へいきんたいたかい」とえるか?

自由じゆう29の両側りょうがわt検定けんていにおいて、検定けんていにおいて、有意ゆうい水準すいじゅんpで仮説かせつ棄却ききゃくすることをかんがえた場合ばあい、p=0.05,p=0.01の場合ばあい仮説かせつ採択さいたく範囲はんい以下いかのようになる。

p=0.05のとき、「=TINV(0.05,29)」の計算けいさん(Excel)は、「2.045229642」でありt分布ぶんぷ対称たいしょうせいより、-2.05≦T≦2.05
p=0.01のとき、「=TINV(0.01,29)」の計算けいさん(Excel)は、「2.756385904」でありt分布ぶんぷ対称たいしょうせいより、-2.76≦T≦2.76

題意だいいより、標本ひょうほんすうn=30,標本ひょうほん平均へいきんmmHg であり、不偏ふへん分散ぶんさんは、

である。検定けんてい統計とうけいりょうとして以下いかのスチューデント(T)をつぎのように定義ていぎすると、

前提ぜんていより、Tは、自由じゆうn-1のt分布ぶんぷしたがう。実際じっさいほんれいでスチューデント(T)の計算けいさんすると、

T=0.912870929

である。

したがって、p=0.05の場合ばあいでも、p=0.01の場合ばあいでも、上記じょうきのスチューデント(T)のはこの場合ばあい仮説かせつ採択さいたく範囲はんい採択さいたく範囲はんいうちにあるため、仮説かせつはp=0.05でも、p=0.01でも棄却ききゃくされない。したがって、p=0.01でもp=0.05でも、「Wしゃ社員しゃいん血圧けつあつは、全国ぜんこく平均へいきんたいたかい」とはえない。

はは分散ぶんさん検定けんてい[ソースを編集へんしゅう]

れい2-1:はは平均へいきん既知きち場合ばあい

Sしゃ団子だんごつくるアルバイトを多数たすうやとっている。Sしゃのアルバイトのつく団子だんごおもさの平均へいきん(μみゅー0)は74.1g,分散ぶんさんσしぐま0)は1.2 g2であった。あたらしいバイトMさんにためしに5団子だんごつくってもらったところ1個いっこ74.1 g,274.2g, 374.1 g,473.9 g,573.9 gであった。このとき、H1「Mさんがつく団子だんごはSしゃのアルバイトのなかでばらつきがすくない」えるか?

自由じゆう5の上側うわがわカイじょう検定けんていにおいて、有意ゆうい水準すいじゅんpで仮説かせつ棄却ききゃくすることをかんがえた場合ばあい、p=0.05,p=0.01の場合ばあい仮説かせつ採択さいたく範囲はんい以下いかのようになる。

  • p=0.05のとき、「=CHIINV((1-0.05),5)」の計算けいさん(Excel)は「1.145476226」なので1.15≦χかい2かえり仮説かせつ採択さいたく範囲はんい
  • p=0.01のとき、「=CHIINV((1-0.01),5)」の計算けいさん(Excel)は「0.554298077」なので0.55≦χかい2かえり仮説かせつ採択さいたく範囲はんい

題意だいい状況じょうきょうにおいて、検定けんてい統計とうけいりょうとしてカイじょうかんがえると、

これは、自由じゆう5のカイじょう分布ぶんぷしたがう(n=5なので)。カイじょう実際じっさい計算けいさんすると、

である。

したがって、(Mさんがつくった団子だんごおもさの分散ぶんさんは0.0144 g2なので、一見いっけんものすごくバラつきがすくなくなったとえるが、) p=0.05では「バラつきがすくなくなった」といえるが、p=0.01では「バラつきがすくなくなった」とはえない。

れい2-2:はは平均へいきん未知みち場合ばあい Sしゃ団子だんごつくるアルバイトを多数たすうやとっている。Sしゃのアルバイトのつく団子だんごおもさの平均へいきん(μみゅー0)は不明ふめい,分散ぶんさんσしぐま0)は1.2 g2であった。あたらしいバイトMさんにためしに5団子だんごつくってもらったところ1個いっこ74.1 g,274.2g, 374.1 g,473.9 g,573.9 gであった。このとき、H1「Mさんがつく団子だんごはSしゃのアルバイトのなかでばらつきに変化へんかた」とえるか?

自由じゆう4の両側りょうがわtカイじょう検定けんていにおいて、有意ゆうい水準すいじゅんpで仮説かせつ棄却ききゃくすることをかんがえた場合ばあい、p=0.05,p=0.01の場合ばあい仮説かせつ採択さいたく範囲はんい以下いかのようになる。

  • αあるふぁ=0.05のとき、「=CHIINV(0.05/2,4)」の計算けいさん(Excel)は「11.14328678」であり、「=CHIINV((1-0.05/2),4)」の計算けいさん(Excel)は「0.484418557」であるため、仮説かせつ採択さいたく範囲はんいは、0.484418557≦χかい2≦11.14328678
  • αあるふぁ=0.01のとき、「=CHIINV(0.01/2,4)」の計算けいさん(Excel)は「14.860259」であり、「=CHIINV((1-0.01/2),4)」の計算けいさん(Excel)は「0.206989093」であるため、仮説かせつ採択さいたく範囲はんいは、0.206989093≦χかい2≦14.860259

あたらしいバイトMさんがつくった5団子だんごおもさの平均へいきん(μみゅー)は、

μみゅー=74.04 g

題意だいい状況じょうきょうにおいて、検定けんてい統計とうけいりょうとしてカイじょうかんがえると、

これは、自由じゆう4のカイじょう分布ぶんぷしたがう(n=5なので)。カイじょう実際じっさい計算けいさんすると、

χかい2=0.06

したがって、p=0.05でも、p=0.01でも「バラつきに変化へんかがあった」とえる。

平均へいきん検定けんてい(2つのぐん平均へいきんひとしいかかの検定けんてい[ソースを編集へんしゅう]
  • A,Bりょうぐんはは分散ぶんさん既知きち場合ばあい⇒z検定けんてい
  • A,Bりょうぐんはは分散ぶんさん既知きち場合ばあい:W大学だいがくのS学部がくぶで、社会しゃかい科学かがく概論がいろん試験しけん(満点まんてん100てん)を実施じっしした。一般いっぱん入試にゅうし入学にゅうがくした学生がくせい20めい無作為むさくい抽出ちゅうしゅつしたところ平均へいきんてん74てんであった。AO入試にゅうし入学にゅうがくした学生がくせい17めい無作為むさくい抽出ちゅうしゅつしたところ平均へいきんてん65てん3.8であった。それぞれの母集団ぼしゅうだん標準ひょうじゅん偏差へんさは、一般いっぱん入試にゅうしぐみが12てん,AO入試にゅうしぐみは13てんである。このときH1:「一般いっぱん入試にゅうし合格ごうかくした学生がくせいとAO入試にゅうし合格ごうかくした学生がくせい得点とくてんがある」とえるか?
  • A,Bりょうぐんはは分散ぶんさん未知みちではあるがひとしい場合ばあい⇒t検定けんてい
  • A,Bりょうぐんはは分散ぶんさん未知みちではあるがひとしい場合ばあい:W大学だいがくのS学部がくぶで、社会しゃかい科学かがく概論がいろん試験しけん(満点まんてん100てん)を実施じっしした。一般いっぱん入試にゅうし入学にゅうがくした学生がくせい20めい無作為むさくい抽出ちゅうしゅつしたところ平均へいきんてん74てん,あまね分散ぶんさん3.4であった。AO入試にゅうし入学にゅうがくした学生がくせい17めい無作為むさくい抽出ちゅうしゅつしたところ平均へいきんてん65てん,あまね分散ぶんさん3.8であった。一般いっぱん入試にゅうし入学にゅうがくした学生がくせいにおいても、AO入試にゅうし入学にゅうがくした学生がくせいにおいても試験しけん点数てんすう分散ぶんさん差異さいがないとする。このときH1:「一般いっぱん入試にゅうし合格ごうかくした学生がくせいとAO入試にゅうし合格ごうかくした学生がくせい得点とくてんがある」とえるか?
  • A,Bりょうぐんはは分散ぶんさん未知みちではありひとしくない場合ばあい⇒t検定けんてい
  • A,Bりょうぐんはは分散ぶんさん未知みちでありひとしいくない場合ばあい:YさんはTOEICを5かい,TさんはTOEICを4かい受験じゅけんした。Yさんのスコアは480てん,510てん,500てん,450てん,430てん、Tさんのスコアは890てん,880てん,960てん,990てんであった。このときH1:「YさんとTさんのスコアにがある」とえるか?
とう分散ぶんさん検定けんてい(2つのぐん分散ぶんさんひとしいかかの検定けんてい)[ソースを編集へんしゅう]

片側かたがわF検定けんてい ある科目かもく試験しけん結果けっか上位じょうい8にんのスコアはそれぞれ98,95,95,91,88,87,87,82てん 下位かい5にんのスコアは51,48,42,40,33てん。 このとき、「H1:上位じょうい8にん分散ぶんさん下位かい5めい分散ぶんさん差異さいがある」とえるか?

比率ひりつ検定けんてい[ソースを編集へんしゅう]

[35][36] |z検定けんてい

|ラブライブ!の4thライブの観客かんきゃくのうち75%はミルキイホームズのファンでもある。 ラブライブの4thライブの観客かんきゃく母集団ぼしゅうだん)のうち、1stシングル「ぼくらのLIVE くんとのLIFE」を発売はつばいしゅうったひとは103にん(サブグループ)である。この103にんのうち93にんはミルキイホームズのファンでもある。「H1:サブグループないのミルキイホームズのファンの割合わりあい(per0)は、母集団ぼしゅうだんにおけるミルキイホームズのファンの割合わりあいよりもたかい」とえるか?

適合てきごう検定けんてい¬¬[ソースを編集へんしゅう]

[37] カイじょう検定けんてい

  • YさんはTOEICを4かい受験じゅけんした。Yさんのスコアは480てん,510てん,500てん,450てんであった。Yさんのスコアは正規せいき分布ぶんぷしたがっているといえるか?

開園かいえんから閉演までのかく10ふんごとの実際じっさい来客らいきゃくすう調査ちょうさしたときつぎのようになった。 0にん=1かい,1人ひとり=1かい,2人ふたり=4かい,3にん=6かい,4にん=8かい,5にん=7かい,6にん=6かい,7にん=5かい,8にん=3かい,9にん=1かいこのとき、「H1:あまじょうブリリアントパークの平日へいじつ来場らいじょうしゃすうポアッソン分布ぶんぷ[38][39]したがう」とえるか?

統計とうけいてき有意ゆういるために必要ひつよう実験じっけんれいすう設定せってい[ソースを編集へんしゅう]

科学かがくてき考察こうさつくわえるためには、統計とうけいてき有意ゆういるために必要ひつよう実験じっけんれいすう設定せってい [13],[33],[34],[35],[36],[37],[38]

統計とうけいてき相関そうかん差異さい適切てきせつ解釈かいしゃく[ソースを編集へんしゅう]

科学かがくてき考察こうさつくわえるためには、統計とうけいてき相関そうかん差異さい適切てきせつ解釈かいしゃく必要ひつようとなる [13],[33],[34],[35],[36],[37],[38]

実験じっけんデータを適切てきせつ可視かし手段しゅだんにて可視かしされること[ソースを編集へんしゅう]

科学かがくてき考察こうさつくわえるためには、実験じっけんデータを適切てきせつ可視かし手段しゅだんにて可視かしされることが必要ひつようとなる [13],[33],[34],[35],[36],[37],[38]

モデルとあわせこみ[ソースを編集へんしゅう]

数理すうりモデル,モデル (自然しぜん科学かがく)参照さんしょう
とく現代げんだい科学かがくにおいては、「真理しんりとはなにか」といった哲学てつがくてきとらえどころのない問題もんだいくらべ 「どのようなモデル、しき計算けいさんコードがもっと現実げんじつをよく反映はんえいするのか」という問題もんだい圧倒的あっとうてき重要じゅうよう意味いみをもつ[62]

このように、「現実げんじつ対象たいしょうがどのようにうか」に着眼ちゃくがんする現代げんだい科学かがくでは、結論けつろん提示ていじは、現実げんじつ物理ぶつり現象げんしょう社会しゃかい現象げんしょうなどを定性的ていせいてき/定量ていりょうてき説明せつめいする具体ぐたいてきなモデル[12]提示ていじというかたちおこなわれることがおお[2][5][63]モデルしは、明確めいかくであることがもとめられると同時どうじに、あつかいやすさ、どれだけおおくの現実げんじつ説明せつめいできるかにかかっている。

モデルとは、「うしたま仮定かていする」[64][65]という標語ひょうごおしえるように、こっている現象げんしょうから本質ほんしつ無関係むかんけいおもわれる部分ぶぶんをそぎとしたものをつくり、そこになんらかの法則ほうそくをあてはめ、現象げんしょうさい構築こうちくすることである[64]詳細しょうさい数理すうりモデル,モデル (自然しぜん科学かがく)ひとし参照さんしょうのこと。)

モデルの提示ていじ方法ほうほうには、たとえば以下いかのようなものがある

  • 1つのモデルをげ、そのモデルが実験じっけんをよく説明せつめいしていることをしめす。
  • いくつかの対等たいとうなモデルをいくつかげ、それをいくつかの論点ろんてんから比較ひかくもっともよく実験じっけん説明せつめいしているものをえらぶ。
  • 複数ふくすう論点ろんてんげ、それぞれの論点ろんてんについてモデルを1つ / 複数ふくすうげ、妥当だとうせいしめす / 妥当だとうなものを選択せんたくする。

モデルの構築こうちく方法ほうほう典型てんけいてきいちれい以下いかしめす。

  • 直観ちょっかんてきかんがえ、もっともらしい「かりのモデル」を、議論ぎろんたただいにするために提案ていあんする。
  • 現実げんじつ合致がっちするようにモデル、しき計算けいさんコードを調整ちょうせいする(調整ちょうせいされてできたモデルあるいはモデルの調整ちょうせいほうをとりあえずのメカニズムとかんがえる)。
  • そのモデルが、(すくなくともかんがえたなかでは)もっともよく物事ものごと説明せつめいしていることを、統計とうけいがくてき見地けんちから評価ひょうかする。
  • モデルを調整ちょうせいするのにもちいた実験じっけんパラメータの物理ぶつりがくてき意味いみ次元じげん解析かいせきとう参考さんこう解釈かいしゃくする。とく萌芽ほうがてき研究けんきゅうにおいては、「ある程度ていどはばをもった実験じっけん結果けっかでもめるような体系たいけいつくり、実験じっけんでパラメータをし、そと挿によってきんえんけいたいして予測よそくてる」という手法しゅほうがよくられる。

とく萌芽ほうがてき研究けんきゅうにおいては、「ある程度ていどはばをもった実験じっけん結果けっかでもめるような体系たいけいつくり、実験じっけんパラメータ[よう曖昧あいまい回避かいひ]し、そと挿によってきんえんけいたいして予測よそくてる所謂いわゆるわせこみ)」という手法しゅほうがよくとられる。

このような「わせこみ」をベースとした現象げんしょうろんてき現代げんだいてきなモデル形成けいせい手法しゅほうは、とくに「ものができること」を重視じゅうしする応用おうようけい分野ぶんやにおいて顕著けんちょ成果せいかげており、現在げんざいのデータからよりすぐれたものつく指針ししんとして活用かつようされている。素粒子そりゅうしろんなどの基礎きそてき分野ぶんやにおいても、このような手法しゅほう活用かつよう苦言くげんていするものはいるが、すくなくとも論文ろんぶんうえではよくもちいられている指針ししんである。そうじてえば、基礎きそ研究けんきゅう応用おうよう研究けんきゅう両方りょうほうにおいて強力きょうりょく手法しゅほうである。

とく基礎きそ分野ぶんや研究けんきゅうたいする、現代げんだいてきなモデル手法しゅほう積極せっきょくてき導入どうにゅうたいする苦言くげん根拠こんきょとしては、現代げんだいてきなモデルは、モデルを調整ちょうせいするための変数へんすうがあまりにもえてしまうと、そもそも計算けいさん困難こんなんになり、直観ちょっかんによる見通みとおしがかなくなるという弱点じゃくてんがあることがよくわれる[49]とくに、素粒子そりゅうし理論りろんなどでは、現実げんじつ説明せつめいするためにどんどんあたらしい素粒子そりゅうし仮定かていされ、はなしがどんどん複雑ふくざつになっていくということが問題もんだいされている[49]たんに「はなしがどんどん複雑ふくざつになっていく」というだけでは「わるい」とはえないが、一般いっぱん結論けつろんはシンプルであるほうがよいとかんがえられている[49]無論むろん明確めいかく指導原理しどうげんりられないままパラメータが泥縄どろなわてきえていく状況じょうきょうしょうじた場合ばあいには、オッカムの剃刀かみそりという理念りねん再度さいどおもこす必要ひつようがある。

実行じっこうするための素養そよう[ソースを編集へんしゅう]

科学かがくてき方法ほうほう実行じっこうするじょうでは、調しらべるべき対象たいしょうへの知識ちしき、それ以前いぜん基礎きそてき知識ちしきなどが要求ようきゅうされるが、このような知識ちしきめん以外いがいに、「対象たいしょう影響えいきょうあたえるドミナントな支配しはい法則ほうそく をまず考慮こうりょして概略がいりゃく傾向けいこう数値すうちてきつかむこと」「実験じっけんノートをきちんとつけられること」、「一定いってい計算けいさんりょく論理ろんりてき思考しこうりょく」などの知識ちしきめんとはことなる素養そよう具体ぐたいてきにはスキルや評価ひょうか項目こうもく存在そんざいするとかんがえられている[8][66]

研究けんきゅうしゃレベルの人間にんげん必要ひつよう素養そようすべてをきだすことはむずかしいが、教育きょういくレベルでは、ある程度ていど明確めいかくされてきている。一般いっぱんに、教育きょういくレベルでは、以下いか素養そようけることが必要ひつようであるとかんがえられている[8]科学かがくてき方法ほうほう実行じっこうするための素養そようのうち、推論すいろん能力のうりょくかんする評価ひょうか 手法しゅほうとしては、たとえば、科学かがくてき推論すいろん能力のうりょくテスト(Science Reasoning Test, SR-Test)[66]がある。

科学かがくでのかんがかた証拠しょうこたいする理解りかい[ソースを編集へんしゅう]

  1. いかに科学かがくてきかんがかた発表はっぴょうされ評価ひょうかされひろまっていくか(たとえば、出版しゅっぱんぶつ科学かがくしゃのレビューによって)。
  2. 経験けいけんてき証拠しょうこことなって解釈かいしゃくすることからいかに科学かがくてき論争ろんそうこるか(たとえば、ダーウィンの進化しんかろん)。
  3. 科学かがくてき仕事しごとが、それがなされる状況じょうきょうから影響えいきょうけるようたとえば、社会しゃかいてき歴史れきしてき倫理りんりてき精神せいしんてき)と、そうした状況じょうきょうかんがかたれるかいなかにいかに影響えいきょうあたえるか。
  4. 産業さんぎょうてき社会しゃかいてきおよ環境かんきょうてき問題もんだいさい科学かがくちから限界げんかいについて考察こうさつすること。それは、科学かがくこたえられることとこたえられないこと、科学かがくてき知識ちしき不確ふたしかさおよ関連かんれんする審美しんびてきしょ問題もんだいふくむ。

調査ちょうさ能力のうりょく[ソースを編集へんしゅう]

計画けいかくすること」
  1. 科学かがくてき知識ちしき理解りかいもちいて様々さまざまかんがえを調査ちょうさできる形式けいしき変換へんかんし、適切てきせつ方略ほうりゃく計画けいかくすること。
  2. 直接ちょくせつ経験けいけんもとづく証拠しょうこもちいるか、てき情報じょうほうげんからの証拠しょうこもちいるかを決定けっていすること。
  3. 適切てきせつ場面ばめん予備よびてき作業さぎょうおこなって予測よそくてること。
  4. 証拠しょうこ収集しゅうしゅうするさい考慮こうりょすべき主要しゅよう要因よういんについて検討けんとうし、また容易ようい変数へんすうがコントロールできないような状況じょうきょうたとえば、野外やがい作業さぎょう調査ちょうさなど)いかに証拠しょうこ収集しゅうしゅうできるかを検討けんとうすること。
  5. 収集しゅうしゅうしようとするデータの範囲はんい程度ていどたとえば、生物せいぶつ調査ちょうささい適切てきせつ標本ひょうほんりょう)、技法ぎほう装置そうちおよもちいる材料ざいりょう決定けっていすること。 「証拠しょうこることと提示ていじすること」
  6. 幅広はばひろ装置そうち材料ざいりょうもちいてかつ、自身じしん他人たにん安全あんぜん確保かくほする作業さぎょう環境かんきょうたもつこと。
  7. データ収集しゅうしゅうたってICT(情報じょうほう通信つうしん技術ぎじゅつ)を使用しようすることをふくんだ観察かんさつ測定そくていおこなうこと。
  8. 誤差ごさ低減ていげんしたり信頼しんらいせいたか証拠しょうこたりするために十分じゅうぶん観察かんさつ測定そくていおこなうこと。
  9. 観察かんさつ測定そくていにおける不確ふたしかさの程度ていど判断はんだんすること(たとえば分散ぶんさんもちいて測定そくてい平均へいきん正確せいかくさの程度ていど判断はんだんすること)。
  10. ダイアグラムやひょう、チャート、グラフおよびICTをもちいて量的りょうてきデータや質的しつてきデータを表現ひょうげんしたり他人たにんつたえたりすること 「証拠しょうこ考察こうさつすること」
  11. ダイアグラムやひょう、チャート、グラフをもちいて、データにおけるパターンや関連かんれんせいつけたり説明せつめいしたりすること。
  12. 計算けいさん結果けっか適切てきせつ程度ていど正確せいかくさで表現ひょうげんすること。
  13. 観察かんさつ測定そくていそののデータをもちいて結論けつろんみちびくこと。
  14. こうした結論けつろんがどの範囲はんいにおいて予測よそく支持しじするか、およびさらなる予測よそく可能かのうとするかについて説明せつめいすること。
  15. 科学かがくてき知識ちしき理解りかいもちいて観察かんさつ測定そくていそののデータおよ結論けつろん説明せつめいしたり解釈かいしゃくしたりすること。
評価ひょうかすること」

不規則ふきそくなデータについてそれらを却下きゃっかもしくは採用さいようするための理由りゆうについて検討けんとうするとともに、測定そくてい観察かんさつにともなう不確ふたしかさにかんして、データの信頼しんらいせい検討けんとうすること。

  1. 収集しゅうしゅうした証拠しょうこがいかなる結論けつろんやなされる解釈かいしゃく十分じゅうぶん支持しじするかどうかについて検討けんとうすること。
  2. もちいた方法ほうほうたいする改善かいぜんてん示唆しさすること。
  3. さらなる調査ちょうさについて示唆しさすること。

研究けんきゅうしゃレベルの素養そよう[ソースを編集へんしゅう]

研究けんきゅうしゃレベルの素養そようかんしては、天才てんさいせい独創どくそうせい、あるいは奇人きじん変人へんじんであることなどの、さまざまなステレオタイプの議論ぎろんがあるが、 実際じっさいのところは、このような議論ぎろんは、あまただしくない[67][52]研究けんきゅうしゃレベルの素養そようかんしては、一概いちがいえないが、いくつかよくわれること[59][52][67][68][69]列挙れっきょする。下記かきのことができるために必要ひつよう素養そようは、おおむね、上記じょうき素養そよう一致いっちするとかんがえてよい。

  1. 自分じぶん研究けんきゅうテーマをさだめることができるか?[59][68]
  2. 研究けんきゅうテーマを検証けんしょう可能かのう問題もんだいにブレークダウン出来できるか?[59][68][69]
  3. 自分じぶん実験じっけん手順てじゅんさだめることができるか?[59][68]
  4. 自分じぶん実験じっけん結果けっか自信じしんてるか?[52][67]

上記じょうき1-2は、研究けんきゅう戦略せんりゃくのレベルである。3は、戦術せんじゅつのレベルである。一般いっぱんに、研究けんきゅうには、研究けんきゅうテーマ全体ぜんたいつらぬひとつあるいは複数ふくすう疑問ぎもんすなわち、「リサーチクエスチョン」が存在そんざいする[59][68]

リサーチクエスチョンをどのようにつけすかは、一概いちがいにはいえず、個々ここ研究けんきゅう依存いぞんする。ほとんどすべての素人しろうと素朴そぼく疑問ぎもんたとえば「どうすればあたまくなるか」、「どうすれば長生ながいきできるか」、「木星もくせい旅行りょこうするにはどうすればよいのか」、「てつかねえるには」などといった疑問ぎもんは、ほとんどすべて、壮大そうだい研究けんきゅうテーマとなりる。しかし、大半たいはんが、現代げんだい人類じんるい英知えいちすべてを結集けっしゅうしても、がかりすら簡単かんたんにはつかめない夢物語ゆめものがたりでもある。こういったゆめは、たしかにモチベーションの維持いじという観点かんてんでは需要じゅようである。しかし、現実げんじつてきかつ健全けんぜん科学かがくてき課題かだいじょうでは、このようなテーマそのものを正面しょうめんからあつかうのは、「世界せかい征服せいふくをしたい」、「宇宙うちゅう帝王ていおうになりたい」というのとおなじぐらい、不毛ふもうである[59]何故なぜならば、すくなくとも、検証けんしょう可能かのう問題もんだいにブレークダウンして、実験じっけん手順てじゅんさだめることが出来できなければ、実験じっけんすらおこなえず、したがって、部分ぶぶんてき結果けっかすらられないからである[59][68]

実験じっけん手順てじゅんさだめて実験じっけんすることがほぼ不可能ふかのうな、たけわない本質ほんしつろん[40][41]ろんじたがる人間にんげんを「本質ほんしつびょう」と揶揄やゆするいいかたがある[69]学界がっかい俗語ぞくご)。本質ほんしつびょうといういいかたがいつごろからわれるようになったかはさだかではないが、すくなくとも武谷たけや三男みつおしょ著作ちょさくにおいては、本質ほんしつろんばかりやりたがる“エリート”研究けんきゅうしゃへの批判ひはんがいくつかかれている。本質ほんしつびょう脱却だっきゃくできないと、研究けんきゅうしゃとして、研究けんきゅう業績ぎょうせきすことはむずかしい[69]といわれるように、本質ほんしつびょうは、挫折ざせつひとつの原因げんいんである。

そこで、自分じぶん検証けんしょう可能かのう問題もんだい(「なにをどうやって調しらべるか」)にブレークダウン出来できそうな問題もんだいさがすというかんがかた到達とうたつすることができる。ひとつのオーソドックスなやりかたは、「だれかがある方法ほうほうどうについて研究けんきゅうしたのでてつおな方法ほうほうためしてみよう」「だれかが、ある方法ほうほううしについて研究けんきゅうしたのでぶたおな方法ほうほうためしてみよう」 [69]といった具合ぐあい過去かこ研究けんきゅう実験じっけん条件じょうけんひとつをえて、どのように結果けっか変化へんかするかを調しらべる、より一般いっぱんにはけい手段しゅだんえて比較ひかくする」ことで研究けんきゅうテーマをつける方法ほうほうである[69]。このような方法ほうほうは、自嘲じちょうや、軽蔑けいべつめてどうてつ研究けんきゅううしぶた研究けんきゅう、「論文ろんぶん倍増ばいぞう計画けいかくとうといわれることがある。たしかに、「どうてつえて比較ひかくするときになに着目ちゃくもくすべきか」、「何故なぜぶたえらんだのか」といった意識いしきもなくこのような方法ほうほうをとっていては、成長せいちょうはないかもしれないが、どのような研究けんきゅうでも、「けい手段しゅだんえて比較ひかくする」という要素ようそくことはできないため、研究けんきゅうすすかた基礎きそ基本きほん[69]。また、このようなやりかたることで、実験じっけん手法しゅほう実験じっけん手技しゅぎけられるため、きわめて複雑ふくざつ実験じっけん計画けいかくてなければならないある程度ていどおおきな研究けんきゅうテーマにたいしてもめるようになる[69]

べつ側面そくめんからしたがってしんあたらしい装置そうち実験じっけん手法しゅほう発明はつめいするというのは、きわめて大変たいへんなことで、原理げんり装置そうち構成こうせい精度せいど製造せいぞう方法ほうほうなど、ありとあらゆる事柄ことがらたいして、ふか考察こうさつ必要ひつようとなる[注釈ちゅうしゃく 13]。したがってしんあたらしい装置そうち実験じっけん手法しゅほうたいしては、ノーベルしょうあたえられることもよくある(走査そうさがたトンネル顕微鏡けんびきょう、PCRほうとう)。装置そうち手法しゅほう改良かいりょうひとつとっても、きわめて大変たいへん作業さぎょうで、すくなくとも計測けいそくメーカや試薬しやくメーカの技術ぎじゅつしゃ研究けんきゅうしゃ大半たいはんは、この問題もんだいほとんどすべてをつぎんでいるといっても過言かごんではない。計測けいそくメーカや試薬しやくメーカと研究けんきゅう機関きかん分業ぶんぎょうにより、最近さいきんでは、様々さまざま計測けいそく装置そうち試薬しやくキットが、おかねせばえるようになってきているが[67]、それでもひとつの実験じっけんけいてるという行為こうい相当そうとう力量りきりょうと、労力ろうりょくと、資金しきんと、センスが必要ひつようとなる。さらに、装置そうち試薬しやく最適さいてき条件じょうけん適用てきよう範囲はんいとうふか考察こうさつすること(基礎きそ検討けんとう) や、装置そうち試薬しやく構成こうせい成分せいぶん原理げんり理解りかいするだけでも大変たいへん行為こういである[70]。したがって、凡人ぼんじんであれば再現さいげん実験じっけんや、どうてつ研究けんきゅうをある程度ていどやって、実験じっけんけいたいする感覚かんかくをつかんでおかないと、あたらしい測定そくてい原理げんり測定そくてい方法ほうほうしんあたらしい使つかかたどころか、マニュアルどおりの実験じっけんすらままならないのはうまでもない。

注意ちゅういすべきはCell,Nature,Scienceきゅう論文ろんぶんといってもたとえばPCRとブロッティングといったおまりの方法ほうほう以外いがい方法ほうほう使つかっていないなどという論文ろんぶん多数たすうあるという事実じじつである。原理げんりとしてはあたらしくなくても精度せいど飛躍ひやくてきげるなり、調しらべる対象たいしょうが、研究けんきゅう進展しんてん重要じゅうよう意味いみあたえるものであれば研究けんきゅうとしての価値かちきわめてたかいということになる。したがって、ひとによっては、あたらしい手法しゅほう発明はつめいすることなく、「なに調しらべるか」だけで、一流いちりゅう研究けんきゅうができている場合ばあいもある。たとえばあるけい成功せいこうした手法しゅほうを、べつけい適応てきおうした場合ばあい、まったく予想よそうできないようなことがこることがある[67]。こういう場合ばあいに、何故なぜ予想よそうができないことがこったのかを考察こうさつすることでまったくあたらしい学問がくもんてき地平ちへいひらかれることがある[67][70][71]

4は実践じっせんのレベルである。この部分ぶぶん不安ふあん解消かいしょう出来できなければ、大胆だいたん仮説かせつ構築こうちくや、だいテーマの検証けんしょうなどありない[67]したがって、研究けんきゅうしゃとしての技能ぎのう資質ししつかたじょうで、けっしていてはならない部分ぶぶんである。

大学院生だいがくいんせいなど研究けんきゅう不慣ふなれなものは、手技しゅぎ不慣ふなれであることから、実験じっけん結果けっか信頼しんらいせい問題もんだいがある場合ばあい、あるいは実際じっさいには問題もんだいがないにせよ自信じしんてない場合ばあいなどがあり、不安定ふあんてい土台どだいうえんでいるごとく、技術ぎじゅつてきにも自分じぶん自信じしんてないため、どんな結果けっかてもなかなかそれをしんじることができないことがある。実際じっさいかり予想よそうがい結果けっかても、「もしかしたら試薬しやくわすれ、間違まちがいかもれない」ということを毎回まいかいかんがえなければならないとするならば実験じっけん面白おもしろさは半減はんげんするだろうと。このような不安ふあん自信じしんのなさが、セミプロレベルでの研究けんきゅう面白おもしろさをうしなわせるおおきな要因よういんだとおもわれる[52][67]

このような不安ふあんをなくすためには、手技しゅぎてき習熟しゅうじゅくするのは当然とうぜんとして、手技しゅぎ以前いぜんにどのくらいミスやブレをなくすことができるかを徹底的てっていてきかんがえるも大切たいせつである。このような考察こうさつには、抜群ばつぐん想像そうぞうりょく要求ようきゅうされるとかんがえられている。このてんかんして、九州大学きゅうしゅうだいがく中山なかやま敬一けいいち教授きょうじゅは、「チューブのならかたやチップの使つか順番じゅんばん(のようなきわめて簡単かんたんなことまで)まで理屈りくつってめていました。そこにながれている思想しそうってしいとおもいます。」とべている。このように、一流いちりゅう実験じっけんは、実験じっけん装置そうちをどの順番じゅんばん使つかうのがベストであるだとか、どのようなサインが場合ばあいにはなにがどのように影響えいきょうしている場合ばあいがあり、それはどのようにすれば排除はいじょできるのかといったことまで理路りろ整然せいぜん把握はあくしている[52][67]

現実げんじつ研究けんきゅうプロセス[ソースを編集へんしゅう]

本節ほんぶしでは、先述せんじゅつの「科学かがくてき方法ほうほうのプロセス」について、現実げんじつ研究けんきゅう前提ぜんていとした説明せつめいおこなう。

先行せんこう研究けんきゅうのリサーチ[ソースを編集へんしゅう]

過去かこ論文ろんぶんなどを調しらべ、なにかっていないのかを調しらべる。または同時どうじに、自分じぶんりたいことを解明かいめいするにあたり、有効ゆうこう手法しゅほうがないか、比較ひかく参照さんしょうするじょう有益ゆうえきなデータがないかを調しらべる。 一般いっぱんに、研究けんきゅうしゃは、自分じぶんのテーマに関連かんれんする先人せんじんたち業績ぎょうせきである文献ぶんけんをよくみ、そのなかから証明しょうめいすべき事実じじつ演繹えんえきし、実験じっけん仮説かせつ、リサーチクエスチョンを設定せっていする。このときの 仮説かせつしが、その価値かち左右さゆうする。

仮説かせつ構築こうちく[ソースを編集へんしゅう]

仮説かせつとは、推測すいそくではあるが、観察かんさつした現象げんしょう事実じじつ説明せつめいできるものである。具体ぐたいてきには(いくつかの仮定かていふくむ)なんらかのモデルをて、それにもとづいて演繹えんえきてき結果けっか具体ぐたいてきなモデルや、なんらかの周期しゅうきせい規則きそくせいとう)を予想よそうしたものである。(「科学かがくてき方法ほうほうにおける結論けつろん」を参照さんしょうのこと)。

通常つうじょうは、仮説かせつ実験じっけん単純たんじゅんしたモデルをてるかたちおこない、モデルをいくつかてたうえで、そのモデルの定性的ていせいてき傾向けいこうたとえば、入力にゅうりょくするりょうやせば、信号しんごうがどのように変化へんかするかや、モデルを支持しじする結果けっか反証はんしょうする結果けっかがどんなものかを予想よそうしたうえで、おおまかなセットアップを考案こうあんして実験じっけん準備じゅんびをし、だいたいの最適さいてき設定せっていとデータが取得しゅとくされるデータのオーダーを予想よそうする。また、その仮説かせつてたおおまかな理由りゆうもある程度ていど明確めいかくにしておくとよい。箇条書かじょうがきにすると、以下いかのことが重要じゅうようである。

  • 実験じっけん単純たんじゅんしたモデル
  • モデルの定性的ていせいてき傾向けいこう
  • モデルを支持しじする結果けっか反証はんしょうする結果けっかれい
  • そのモデルから予想よそうされる、最適さいてき実験じっけん条件じょうけんのオーダー

実験じっけん計画けいかく[ソースを編集へんしゅう]

研究けんきゅう計画けいかくとはなにあきらかにするために、なにをしたのか(するのか)」さだめることである。先行せんこう研究けんきゅうのリサーチや、それにもとづく仮説かせつ構築こうちく、あるいは先行せんこうしてった予備よび実験じっけんによって、「なにあきらかにするために」の部分ぶぶん明確めいかくになった時点じてんにおいては、実験じっけん計画けいかくとは、なにをどのように測定そくていすれば、仮説かせつがテストできるか、あるいは、問題もんだい方法ほうほう考案こうあんすることと、その測定そくていおこな段取だんどりをたてることである(ロードマップマイルストン参照さんしょうのこと)。

仮説かせつのテスト方法ほうほう、あるいは問題もんだい方法ほうほうかんがえるうえでは、なんなに測定そくていし」、「なになん関係かんけい着目ちゃくもくし」、「どのように解析かいせきすれば」、仮説かせつのテストが可能かのうであるか、問題もんだいけが可能かのうであるか考案こうあんすることが重要じゅうようである。つまり、仮説かせつのテストをおこなうえ重要じゅうようとなる評価ひょうか項目こうもくあきらかにして、その評価ひょうか方法ほうほう測定そくてい方法ほうほう)を適切てきせつ原理げんり方法ほうほう必要ひつよう精度せいど見積みつもって明示めいじする必要ひつようがある(「科学かがくてき方法ほうほうにおける証拠しょうこ項目こうもく」を参照さんしょうのこと)。

仮説かせつのテスト方法ほうほう、あるいは問題もんだい方法ほうほうがある程度ていど明確めいかくになったのちは、「いつ、どこでなにをする」にとし必要ひつようがある。ところが、実際じっさい研究けんきゅう計画けいかくは、理想りそうてきことはこんだとしても個々ここ評価ひょうか項目こうもくとしての実験じっけん結果けっかによってシナリオがぶんえだする。したがって、シナリオのぶんえだによる先行せんこうしたリスク評価ひょうか必要ひつようとなる。軍事ぐんじ開発かいはつだい規模きぼなソフトウェア開発かいはつなどのだい規模きぼ研究けんきゅう開発かいはつプロジェクトでは、 Program Evaluation and Review Technique[72]もとづいた work breakdown structure [73]Precedence Diagram Method[74]Arrow Diagram Method[75]ひとしもちいたシナリオのぶんえだ分析ぶんせき[76]おこなわれる。

シナリオのぶんえだ分析ぶんせきをしておくことで、どの順番じゅんばんおこなうのが手際てぎわがよいのかを見極みきわめることができ、シナリオじょう可能かのうせいたかいルートで必要ひつようとなるものは先行せんこうして準備じゅんび手配てはいすることも可能かのうとなり、また、条件じょうけんぶんえだうえ絶望ぜつぼうてきなルート(ぞく死亡しぼうフラグ)におちいった場合ばあい対処たいしょたとえばどこで見切みきりをつけるか)も考慮こうりょできる。絶望ぜつぼうてきなルートのれいとしては、仮説かせつ立証りっしょうにも反証はんしょうにもならない結果けっかばかりしかられず、時間じかんばかりかかるルートがかんがえられる。さらに、シナリオからおおきくずれた状況じょうきょうおちいったときや、とっさの判断はんだんもとめられた場合ばあい(まったくちがうシナリオに遷移せんいしたほうがよい場合ばあいとう)にも、より適切てきせつ判断はんだん可能かのうとなる。

実際じっさい研究けんきゅうでは、学生がくせい実験じっけんとはちがい、「はじめから予想よそうどおりの結果けっかになる」、あるいは「はじめから予想よそう明確めいかく反証はんしょうする結果けっかられる」ことはきわめてまれである。実際じっさいには、最初さいしょ予想よそうした内容ないよう反証はんしょうしているとも立証りっしょうしているともがた微妙びみょう結果けっかしかられないことがおおいため、実際じっさいには予備よび実験じっけん基礎きそ検討けんとう」と「計画けいかくじき」しのあいだ往復おうふくなんかえおこな必要ひつようがある[52]。また、実際じっさい実験じっけんでは予想よそうした範囲はんいおおきく逸脱いつだつした現象げんしょう視野しやれ、その随時ずいじ予想よそう目的もくてき修正しゅうせいしながら実験じっけんをしていく必要ひつようせいしょうじる。それでも、最初さいしょ段階だんかいでよく計画けいかくてておくと、それ以降いこう計画けいかく見直みなおしがらくになる。

試行錯誤しこうさくごがた研究けんきゅう場合ばあいは、計画けいかく段階だんかいでは目的もくてき明確めいかくにしがた部分ぶぶんがあり、どうしてもマルチエンディングがたのゲームのように、目的もくてき結末けつまつ)が抽象ちゅうしょうてきになる。「目的もくてき明確めいかくにしないことは、タクシーにってさきわないのにひとしい」というたとえはなしおしえるように、計画けいかくしについては、ゴールの明確めいかくさが重要じゅうようといわれる。しかし、研究けんきゅう実験じっけん計画けいかくはそのたとえはなしにはらない。研究けんきゅう計画けいかくを“「きたいところ」にくため”の計画けいかくにたとえたとしても、試行錯誤しこうさくごおおいため、「きたいところ」というのを明確めいかくくだすことはむずかしい。タクシーのたとえはなしにたとえるならば、「外国がいこくじん面白おもしろそうなところにれてってください」、「さくらのきれいなところにれてってください」といったことは明確めいかくであるが、そこがどこなのかはよくわからないといった状況じょうきょうである。実際じっさいにはきたいところ」は、漠然ばくぜんとした状態じょうたいで「けるところ」、「けたところ」が計画けいかく遂行すいこう修正しゅうせいのたびにまってくるといった側面そくめんつよ。ここが実験じっけん計画けいかく研究けんきゅう計画けいかく難点なんてんである。

この意味いみで、試行錯誤しこうさくごがた研究けんきゅうは、探検たんけんている。探検たんけんにおいては、「きたいところ」は「金脈きんみゃく」だったり「肥沃ひよく農地のうち」だったりするが、実際じっさいつかったものは「油田ゆでん」かもしれないし、広大こうだい砂漠さばくしかない場合ばあいもある。このような場合ばあいには、「成果せいかとなりえるもの」の候補こうほと、「それがあらわれる兆候ちょうこう」を試行錯誤しこうさくごなかでよく把握はあくしておく必要ひつようがある。外国がいこくじん面白おもしろそうなところにれてってください」、「さくらのきれいなところにれてってください」というふたつの目的もくてき比較ひかくした場合ばあい前者ぜんしゃのほうがより上位じょういである。実際じっさい前者ぜんしゃ紅葉こうようぶしであっても通用つうようするが、後者こうしゃ通用つうようしない。このように、当面とうめん目標もくひょう以外いがいにも、より上位じょうい目標もくひょう共通きょうつう上位じょうい目標もくひょうべつ代替だいたい目標もくひょう並行へいこうしてかんがえておくことも必要ひつようである

なお実験じっけん計画けいかくについては、実験じっけん計画けいかくほうという分野ぶんやがあるが、これは、QC活動かつどう関連かんれんしたものであり、目的もくてき明確めいかくで、実験じっけん計画けいかく迷走めいそうしないルーチンワークてき実験じっけんたとえば実証じっしょう実験じっけん)や品質ひんしつ保証ほしょうにおける実験じっけん手際てぎわよくおこなうことを想定そうていしており、とく試行錯誤しこうさくごがたのの研究けんきゅうにはあまり関連かんれんしない。

予備よび実験じっけん基礎きそ検討けんとうおよびその解析かいせき[ソースを編集へんしゅう]

予備よび実験じっけん基礎きそ検討けんとうとはリサーチクエスチョンの抽出ちゅうしゅつ仮説かせつ、モデルの構築こうちく、オーダーエスティメーション、実験じっけん問題もんだいてんなどの評価ひょうかけ、最適さいてき条件じょうけん探索たんさくのためにおこな実験じっけん検討けんとうのことである。

実験じっけん計画けいかく」の項目こうもくべたように、実際じっさい研究けんきゅうでは、学生がくせい実験じっけんとはちがい、「はじめから予想よそうどおりの結果けっかになる」、あるいは「はじめから予想よそう明確めいかく反証はんしょうする結果けっかられる」ことはきわめてまれである。実際じっさいには、最初さいしょ予想よそうした内容ないよう反証はんしょうしているとも立証りっしょうしているともがた微妙びみょう結果けっかしかられない。

そのため、大体だいたい場合ばあい研究けんきゅう大雑把おおざっぱ仮説かせつとその根拠こんきょになるプレリミナリーなデータをのようにてていくことで進行しんこうする。つまり、「実験じっけんおおまかな傾向けいこうるための実験じっけん予備よび実験じっけん)をおこないながら、当初とうしょ考案こうあんしたモデルも修正しゅうせいしながら、さらにそのモデルの成否せいひをよく判定はんていする条件じょうけんさぐりながら再度さいど予備よび実験じっけんおこない」というサイクルを実行じっこうする。つまり、上記じょうきの(1)-(4)のあいだのプロセスをなが期間きかん往来おうらいする。このプロセスにより、価値かちある研究けんきゅう課題かだい最適さいてき実験じっけん条件じょうけんつかり、実験じっけん手技しゅぎたかまって安定あんていしていく。

予備よび実験じっけんしは、その実験じっけんのセンスそのものだという学者がくしゃもいる[52]通常つうじょう、どの研究けんきゅうしゃも、まずは初歩しょほてき阻害そがい要因よういん(グランドループによる発振はっしん電源でんげんノイズ、振動しんどう極端きょくたんなコンタミネーション、手技しゅぎ不足ふそく)をあたって、それらがドミナントでない場合ばあいにはだれでもこのレベルの問題もんだい解決かいけつできる。また、条件じょうけんって問題もんだいけをこころみ、なんらかの操作そうさおこない、その応答おうとう[注釈ちゅうしゃく 14]からさえるべきポイントを論理ろんりてき把握はあくることをこころみる。また、複数ふくすう実験じっけんデータをみながら即座そくざにいろいろなモデルをて、そのモデルを考慮こうりょしながら随時ずいじ実験じっけん条件じょうけん最適さいてきはかっていくこと。しかし、最終さいしゅうてき整合せいごうのとれたモデルとデータのくみ到達とうたつできるひと少数しょうすうである。そのようなものは、どうしようもないときにも「このやまはハズレ」との結論けつろん到達とうたつするまでの時間じかんみじかくさらにその決断けつだんただしい(どのような要因よういん邪魔じゃまなのかをそれなりには正確せいかく把握はあくしている)。予備よび実験じっけん段階だんかい注意ちゅういすべきことを箇条書かじょうがきにすると、以下いかのようになる。

  1. 予備よび実験じっけんのデータを桁違けたちがいに変化へんかさせる要因よういん
  2. 傾向けいこう大幅おおはばえる要因よういん発振はっしんまるひとし
  3. 変化へんかさせられるパラメータ
  4. 個々ここのパラメータそれぞれを独立どくりつうごかしたとき測定そくていされる個々ここ測定そくていのそれぞれ変化へんか傾向けいこう[注釈ちゅうしゃく 15]
  5. そのオーダー
  6. それにてはまる実験じっけんしき定性的ていせいてきなモデルなど

実験じっけん勝負しょうぶは、「先行せんこう研究けんきゅうのリサーチ」、「予備よび実験じっけん」の段階だんかい大半たいはんまり、これにしたがい、「リサーチクエスチョンの抽出ちゅうしゅつ」、「仮説かせつ構築こうちく」、「最適さいてき実験じっけん条件じょうけん」が機械きかいてきまり、実証じっしょう実験じっけんいたっては、もはやルーチンワークでしかない[52]。このことから、研究けんきゅうしゃ成長せいちょうにとって、実験じっけん大半たいはん予備よび実験じっけん基礎きそ検討けんとうついやすことが遠回とおまわりなようで、じつはこれが実験じっけん成功せいこうへの近道ちかみちであるばかりか、わか研究けんきゅうしゃ研究けんきゅう能力のうりょくおおきな基盤きばん財産ざいさんになるとかんがえられている[52]

実証じっしょう実験じっけん[ソースを編集へんしゅう]

仮説かせつただしいか、かを、客観きゃっかんてきかたち検証けんしょうするための、デモンストレーションを前提ぜんていとした実験じっけん

実験じっけん再現さいげんせいという観点かんてんからえば、実証じっしょう実験じっけんは、よほどのひとのぞだれでもできる程度ていど完全かんぜんなルーチンワークであることがのぞまれる。

日常にちじょう俗説ぞくせつ科学かがくてき方法ほうほう[ソースを編集へんしゅう]

メディア・リテラシー集団しゅうだんヒステリー参照さんしょうのこと)

マスコミや、一般いっぱん書籍しょせきなどをつうじておこなわれる話題わだいたとえば、「しょく安全あんぜん」、「少年しょうねん犯罪はんざい凶悪きょうあく」、「学力がくりょく低下ていか」、「ゲーム、マンガ害悪がいあくせつ」、「健康けんこうほう」にかんして、

  • 口当くちあたりのいい表現ひょうげん(マジックワード、奇麗きれいごと)
  • 統計とうけいデータの無視むし曲解きょっかい

などをたくみにもちいて、いい加減かげん俗説ぞくせつ扇動せんどうてき議論ぎろんしだながすものがある[31][32]。さらに、いい加減かげん俗説ぞくせつ根拠こんきょ定量ていりょうてき検証けんしょうすることや、あるいは、対案たいあん議論ぎろんするための調査ちょうさ自体じたいが、一種いっしゅのタブーとなっている場合ばあいもある[31][32]

また、このような扇動せんどうてき議論ぎろんが、社会しゃかいてき意味いみち、合意ごうい形成けいせいうえ重要じゅうよう役割やくわりになってしまうことが、現在げんざい過去かこ国内外こくないがいわずある[31][32]

たとえば、窒息ちっそく頻度ひんどが1おくぶんの0.16(参考さんこう:もち いちおくぶんの6.8、あめ いちおくぶんの1.0)のこんにゃくゼリーのみに窒息ちっそく危険きけんせい理由りゆう製造せいぞう中止ちゅうし措置そちられるとう統計とうけいてきなエビデンスとはあまり関係かんけいなく論理ろんりてき整合せいごうせいとぼしい規制きせいがとられることがある。この事例じれいは、「ひとんだ」、「海外かいがいでも規制きせい」というマジックワードが意思いし決定けっていにおいて尊重そんちょうされたれいである。

また、「漫画まんがやアニメ、ゲームの表現ひょうげん規制きせい」などがよくげられる。この問題もんだいかんしては、たとえば「架空かくう青少年せいしょうねん性的せいてき表現ひょうげんふく創作そうさくぶつせい犯罪はんざいとう関係かんけいしめすデータがしめされていない」てんにおいて、科学かがくてきでない議論ぎろんおこなわれているとする意見いけんがある[77]。このれいにおいて、「架空かくう青少年せいしょうねん性的せいてき表現ひょうげんふく創作そうさくぶつは、せい犯罪はんざい増加ぞうかさせる」という主張しゅちょうは、

  • 先行せんこうして規制きせいおこなった諸国しょこくにおける犯罪はんざい件数けんすう推移すいいと、国内こくない犯罪はんざい件数けんすう推移すいい比較ひかく
  • 架空かくう青少年せいしょうねん性的せいてき表現ひょうげんふく創作そうさくぶつ販売はんばい件数けんすう推移すいいと、国内こくない犯罪はんざい件数けんすう推移すいい比較ひかく

などの、既存きそん統計とうけいから成否せいひ判断はんだんできる。このような簡単かんたんなデータを議論ぎろん対象たいしょうとしない(あるいは、調しらべてもいないということは)、すくなくともエビデンスベースとは 対極たいきょくにある姿勢しせいであり、科学かがくてきではない[注釈ちゅうしゃく 16]

また、2000年代ねんだい前半ぜんはんごろから、「ゲームをすると、のう破壊はかいされる(ゲームのう)」とうといったいい加減かげん学説がくせつが、科学かがくてき検証けんしょうけずに流布るふしており[78]一部いちぶ科学かがくてき方法ほうほう理解りかいとぼしい教育きょういくしゃ批判ひはんに、教育きょういく方針ほうしんれている場合ばあいがある。

大昔おおむかし事例じれいとしては、禁酒きんしゅほう魔女まじょなども、口当くちあたりのいい表現ひょうげんもとづいた、科学かがくてき根拠こんきょのない判断はんだんである。

ここまでかりやすい、つまり、当該とうがい分野ぶんや専門せんもんてき知識ちしきがなくても、議論ぎろんのおかしさが大体だいたいわかるれいはそこまでおおくないが、それでも、どのような議論ぎろんでも、エビデンスを無視むしした科学かがくてき方法ほうほうとは対極たいきょくにある判断はんだんふくまれていることは、よくある[31][31][32]

このような事例じれいたいして、ロジカルシンキングクリティカルシンキングひとし手法しゅほうから、解説かいせつした書物しょもつが、近年きんねん相次あいついで出版しゅっぱんされているなど、(たとえば[31][31]一定いってい関心かんしんがはらわれるようになっている。このような関心かんしんこたえる一連いちれん知識ちしき体系たいけいを、メディアリテラシーという。

科学かがくてき」という言葉ことばへの誤解ごかい[ソースを編集へんしゅう]

科学かがくてきという言葉ことばかんするふたつの極端きょくたん立場たちばがある[12]ひとつは、「科学かがくてき証明しょうめいされた」「ただしい理論りろん」という文言もんごんと、それらしい実験じっけんしめしただけで、盲目的もうもくてき信仰しんこうするという立場たちばである。もうひとつは、すべては「たんなる理論りろん」であるということ極端きょくたん強調きょうちょうし、まった信頼しんらいしないという立場たちばである。これらはふたつとも科学かがくてきという言葉ことばたいする初歩しょほてき誤解ごかいである[12]

科学かがくてき証明しょうめいされた」、「ただしい理論りろん」という言葉ことばが、なに意味いみするのかは、非常ひじょうはばひろ意味いみ言葉ことば一般いっぱんにはむずかしい[12]。このような問題もんだい考慮こうりょする場合ばあいには、「研究けんきゅう目的もくてきにたちかえってかんがえること」や、「測定そくていとはどのようなことなのか」、「科学かがくてき論証ろんしょうもちいられる論法ろんぽう」など、「科学かがくてき方法ほうほう」にもとめられるしょ要件ようけんについて理解りかいしておく必要ひつようがある[12]

とくに、科学かがくてき態度たいどにおいては、とく論文ろんぶんなどのように、みずからの知見ちけん場面ばめんにおいては、明確めいかく研究けんきゅう目的もくてき提示ていじおこなうこと、そして、「研究けんきゅう目的もくてき提示ていじした問題もんだいかい」において明快めいかい論理ろんりたしかな証拠しょうこもっ立証りっしょうする義務ぎむしょうじる(詳細しょうさいIMRAD参照さんしょう)。これは、数学すうがく証明しょうめい問題もんだいにおいて「しめすべき命題めいだいなになのかを意識いしきせよ」とわれるのとおなじことである。たとえば「鶏肉とりにくからDNAを抽出ちゅうしゅつする」という研究けんきゅう目的もくてきてた場合ばあいにはすくなくとも「抽出ちゅうしゅつされたものがDNAであることをきちんと立証りっしょうする」必要ひつようがある[注釈ちゅうしゃく 17]。つまり、この研究けんきゅう目的もくてきらして、たとえば「洗剤せんざい鶏肉とりにくれたら、しろ沈殿ちんでんができた」という結果けっかられたとしよう。この場合ばあいこの結果けっかと「そのしろ沈殿ちんでんがDNAである」という結論けつろんあいだもっと真剣しんけん考察こうさつする必要ひつようしょうじる(循環じゅんかん論法ろんぽうこう参照さんしょうのこと)。

本来ほんらい科学かがくてきなものの見方みかたひろめるはずの、啓蒙けいもう活動かつどうが、かえって「科学かがくてき」という言葉ことばたいする誤解ごかいひろめる原因げんいんとなることもある。ふるくから、健康けんこう番組ばんぐみ科学かがく番組ばんぐみなどにおいてえんじしめせ実験じっけんがおこなわれる。また、科学かがく啓蒙けいもうによるえんじしめせ実験じっけんによる啓蒙けいもう活動かつどうがよくおこなわれる。また“インパクト抜群ばつぐんのオモシロ実験じっけん”を自宅じたく簡単かんたんにできるようにコンパクトにまとめたほん多数たすうされ好評こうひょうはくしている。これらのなかには、しっかりとした調査ちょうさうえ科学かがくてき論理ろんりを以って物事ものごとちをしめだい変質へんしつたかいものがある一方いっぽうで、実験じっけんデータの検証けんしょう解釈かいしゃくなどのてん科学かがく研究けんきゅう基礎きそてき要件ようけんをあまりにも無視むししたものが多数たすう見受みうけられる [38]

金澤かなざわ一郎いちろう 日本にっぽん学術がくじゅつ会議かいぎ会長かいちょう昨今さっこん健康けんこう番組ばんぐみ科学かがく番組ばんぐみにおける“科学かがくてき論証ろんしょう”にたいし、

  • 適切てきせつ対照たいしょうぐん設定せってい
  • 統計とうけいてき有意ゆういるために必要ひつよう実験じっけんれいすう設定せってい
  • 実験じっけんデータの検証けんしょう解釈かいしゃく

などのてん科学かがく研究けんきゅう基礎きそてき要件ようけんかならずしもたしていないものが見受みうけられることを指摘してきした[38]

ゆとり教育きょういくにおいては、とく初等しょとう教育きょういく中等ちゅうとう教育きょういくにおいて「体験たいけんがた」をおもんじるあまり、たんなる「じっけんごっこ」にすぎない、「科学かがくてき方法ほうほう」とはかけはなれた行為こういを「実験じっけん」として理科りか教育きょういく課程かていおこなってきてしまった[79]菊池きくちまこと指摘してきした。 わかりやすさを前面ぜんめんすためには、ある程度ていど枝葉えだは末節まっせつてることが重要じゅうようではあるが、科学かがくてき論証ろんしょううえ必要ひつよう手続てつづきを無視むしした議論ぎろんは、結論けつろん成否せいひかかわらず、科学かがくてき態度たいどとは対極たいきょくにある態度たいどである。

一方いっぽうで、科学かがくてきという概念がいねん無駄むだ潔癖けっぺき方法ほうほう誤解ごかいしているものもいる[59]現実げんじつ科学かがくしゃたいして、無駄むだ潔癖けっぺきかんがかたしつけ、ただの誤解ごかいやミスあるいは(マスメディアにられる“科学かがくてき推論すいろん”にくらべればはるかにギャップのすくない)「多少たしょう強引ごういん結論けつろんとう科学かがく進展しんてんうえでは必然ひつぜんてきしょうじてくるような特段とくだんさわぐほどでないものを誇張こちょうして科学かがくにおける不正ふせい行為こういさわてるものがいる[59]。こういった問題もんだい最近さいきんにおいては「芸能人げいのうじん不倫ふりん騒動そうどう」と同列どうれつ大衆たいしゅう興味きょうみてるものである[59]科学かがくしゃにおいては誠意せいいをもった推論すいろん必要ひつようなことはうまでもないが、最近さいきんにおいてはこのような“ゴシップ騒動そうどう”の影響えいきょうで、とくわか世代せだい萎縮いしゅく効果こうかるなどの弊害へいがいがあるてんには注意ちゅうい必要ひつようで、健全けんぜん科学かがく進展しんてんには弊害へいがいがある[59]

歴史れきし哲学てつがく[ソースを編集へんしゅう]

科学かがくてき方法ほうほうとはなにか」という問題もんだいについて、これまでは科学かがくしゃがわあるいはそれにちかがわからの議論ぎろん中心ちゅうしんべてきたが、この問題もんだい科学かがく哲学てつがく重要じゅうよう問題もんだいひとつでもある[80]ただし、反証はんしょう可能かのうせい、オッカムの剃刀かみそりなどにかんするしょ議論ぎろんは、科学かがくしゃにとっての必須ひっす教養きょうようではない。研究けんきゅう開発かいはつ現場げんば乖離かいりしている場合ばあいもある。哲学てつがくとして一定いってい権威けんいゆうしていても、極端きょくたんにそれらかんがえをげるとまったくの出鱈目でたらめちか議論ぎろん成立せいりつすることもあるので注意ちゅういようする。

科学かがくてき方法ほうほうけるうえでは、とく初学しょがくのうちは下手へたさないほうがよい事柄ことがらおおふくまれ、研究けんきゅうしゃとして未熟みじゅく段階だんかいでこの議論ぎろんにとりつかれてしまったがために、この話題わだいだけにはつよくなり、インターネットじょうきょうべんをふるってはいるが、研究けんきゅう業績ぎょうせきはさっぱりという「研究けんきゅうしゃ」もいる。

とくに、哲学てつがく自然しぜん科学かがく分業ぶんぎょうして以降いこう科学かがく哲学てつがくがわがどうしても観念かんねんてきになり、また、科学かがく中途半端ちゅうとはんぱ理解りかいした議論ぎろん野放図のほうずおこなわれる状況じょうきょうである[51]具体ぐたいてきには、「相対そうたいろん実証じっしょうにより、古典こてん力学りきがくただしさは否定ひていされた」とか、「土星どせい模型もけいは、電子でんしうん発見はっけん意味いみをなくした(土星どせい模型もけい説明せつめいのつく問題もんだい土星どせい模型もけいもちいればよく、量子りょうしろんでも、ハミルトニアンは、クーロンポテンシャルをもちいててることがおおい。)」などといった短絡たんらくてき次元じげんひく理解りかいもとづき、論理ろんり飛躍ひやくかえ傾向けいこうなどがある。また、宗教しゅうきょう、オカルトといった、まったく思考しこう様式ようしきことなる問題もんだい科学かがくとの線引せんひきといった、科学かがくしゃにとっては直接的ちょくせつてきには意味いみのない問題もんだい延々えんえんあつか傾向けいこうがある。

また、古典こてんてき科学かがく哲学てつがくしゃ見解けんかいには科学かがく進展しんてん美化びかされた部分ぶぶん高度こうど抽象ちゅうしょうさせすぎるきらいがあることが指摘してきされている。結果けっかとして道徳どうとく次元じげんとしては美談びだんだが、現実げんじつ科学かがく進展しんてん寄与きよしたい人間にんげんにとってはぎゃくへん誤解ごかい萎縮いしゅく効果こうかあたえてしまう危険きけんせいのある理屈りくつがまかりとおり、神話しんわつくるだけで結果けっかとして科学かがくしゃがわにとってはどうでもよい問題もんだい延々えんえん議論ぎろんしているという指摘してきがしばしなされる[51][81]

不幸ふこうなことにこのような古典こてんてき科学かがく哲学てつがく問題もんだいてんは「いまでもそのまま」だと誤解ごかいされているようであるが、これはとんでもないあいだちがいである。現在げんざい科学かがく科学かがく哲学てつがくにおいてはすで実験じっけんノート記録きろくなどから科学かがくてき研究けんきゅうしゃせまるアプローチが主流しゅりゅうであり、従来じゅうらい観念かんねんてき科学かがくろん科学かがく哲学てつがくなかでも重要じゅうようせいうしなっている[81][82][83][84]

観念かんねんてき大昔おおむかし科学かがく科学かがく哲学てつがくによって形成けいせいされた神話しんわてき科学かがくしゃぞう正確せいかくには実用じつようせい見当けんとうちがいな「科学かがくてき方法ほうほうかんあたえる。先述せんじゅつのように、科学かがくてき方法ほうほうにおいては、最終さいしゅうてきにはデータに文脈ぶんみゃくせいたせることが重要じゅうようになるが、データに文脈ぶんみゃくせいたせる能力のうりょくについて「たんなる弁明べんめい能力のうりょくでしかなく、科学かがくすすめる原動力げんどうりょくにはならない」とひともいる[82]。そして、「くちがうまいもの一流いちりゅうとみなされる」となげいてせる[82]。しかし最近さいきん科学かがく研究けんきゅうにおいては、「パスツール」だとか「ファラデー」とかいった比較的ひかくてき神格しんかくされているひとたちもふくめ、どちらかというと「くちがうまい」となげかれる研究けんきゅうしゃちかそういう特質とくしつをもっていたからこそ科学かがく進歩しんぽさせられたのだとみる見方みかた主流しゅりゅうとなっている

反証はんしょう可能かのうせいかんして[ソースを編集へんしゅう]

疑似ぎじ科学かがくたいする批判ひはん活動かつどう科学かがく科学かがく線引せんひ問題もんだい)において、「科学かがくてき」であることの要件ようけんひとつとして、「ポパーの反証はんしょう可能かのうせい原則げんそく」がよくいにされる。[よう出典しゅってん]

SFAAでは、本質ほんしつてき立証りっしょう反証はんしょうおこなえないような対象たいしょうは、原則げんそくろんとしては科学かがく対象たいしょうとはみなされない[2]とされている。

しかし、そうじてえば、反証はんしょう可能かのうせい現実げんじつには、「ポパーの反証はんしょう可能かのうせい原則げんそく」は、われているほど現実げんじつ研究けんきゅうしゃには、れられておらず、むしろ軽視けいしされている[49]ともう。

ラリー・ラウダンらは「(反証はんしょう可能かのうせいは)普通ふつう科学かがくてきとみなされないような理論りろんでも、たすこともあり、これまで成功せいこうしてきたおおくの科学かがく実例じつれいは、反証はんしょう可能かのうせい逸脱いつだつしている」と 指摘してきした[よう出典しゅってん] 。ここで、 「反証はんしょう可能かのうせい逸脱いつだつする」とは、「基本きほん法則ほうそく成否せいひ判定はんていが、すくなくとも現実げんじつには不可能ふかのうで、 補助ほじょ仮説かせつおぎなったり実験じっけん手続てつづきの不備ふびなどを仮定かていするなどの“げ”(小規模しょうきぼ修正しゅうせい)によって理論りろんわっていくこと」を[3]


また、「さんたい問題もんだいは、運動うんどう方程式ほうていしき支配しはい法則ほうそくである」という問題もんだいは、古典こてん力学りきがく問題もんだいで、たい問題もんだい大学だいがく入試にゅうしレベルであることと対照たいしょうてきに、(かい存在そんざいするものの)解析かいせきかい原理げんりてき発見はっけんしえないことが数学すうがくてきかっているうえ、かい不安定ふあんていせい存在そんざいする可能かのうせいもあり、軌道きどう予測よそくしたければなんらかの近似きんじをせざるをないことになる。したがって、なんらかの“反証はんしょう”らしき実験じっけん結果けっかたとしても、不安定ふあんてい平衡へいこうてん存在そんざいによるのか、「近似きんじあらさの問題もんだい」なのか、「そもそもさんたい以上いじょう問題もんだいには運動うんどう方程式ほうていしき適用てきようできない」のか「基礎きそ方程式ほうていしき間違まちがい」なのか、「近似きんじのまずさ」なのか、「実験じっけん問題もんだい」なのかは、きわめてむずかしい問題もんだいとなる[よう出典しゅってん]


さらに、現実げんじつ科学かがくは、現実げんじつ科学かがく研究けんきゅう進展しんてんにおいては、仮説かせつはあいまいなところからはじまり徐々じょじょ明確めいかくになっていく傾向けいこうがあり、論文ろんぶん場合ばあいには簡単かんたんには反証はんしょうされないように細心さいしん注意ちゅういはら傾向けいこうがあると指摘してきされる[59]

通常つうじょう科学かがくしゃは、ある理論りろんたいしていくつかの反証はんしょうとなるれい発見はっけんされた場合ばあいにも、理論りろん自体じたいぜん否定ひていするというかんがかたはしない。通常つうじょうは、アドホックな仮説かせつ積極せっきょくてき投入とうにゅうすることにより、予測よそく精度せいどたかめてより広範こうはんれられるようになんらかの変更へんこうくわえること[2][3]一般いっぱんてきである。場合ばあいによっては、欠点けってん認識にんしきしながら、そのまま修正しゅうせい学説がくせつ使つかつづけることもある。

具体ぐたいてき科学かがく事例じれいにおいては、相対性理論そうたいせいりろん有用ゆうようせいは、古典こてん力学りきがく反証はんしょうによって立証りっしょうされたが、相対性理論そうたいせいりろん構築こうちくは、ニュートン力学りきがく破棄はき否定ひていするかたちをとらず、むしろニュートン力学りきがくがより一般いっぱんてき概念がいねんなか適用てきよう範囲はんい限定げんていされたひとつの近似きんじであるにすぎないことをしめかたちおこなわれた[2]とSFAAでは説明せつめいされた。さらにニュートン力学りきがくもとづいた計算けいさんは、現在げんざいでも修正しゅうせい科学かがく技術ぎじゅつ最先端さいせんたん使つかわれることが多々たたある。この意味いみでも「ニュートン力学りきがく相対そうたいろんによって否定ひていされた」とまでいいきるのは早計そうけいであり、現在げんざい科学かがくしゃ標準ひょうじゅんてきかんがかたとはおおきくことなる[2][3][15]

さらに疑似ぎじ科学かがく科学かがく線引せんひきにかんしても、実際じっさい論点ろんてんとなるのは、個々ここのデータの有意ゆういせい論理ろんりてき整合せいごうせいとうである[85]

現在げんざい研究けんきゅう最前線さいぜんせんにおいて、反証はんしょう可能かのうせい原則げんそくが、実際じっさいにはきわめて軽視けいしされている現状げんじょうたいして危機ききかんをつのらせるひともいる。たとえばリース・モーリン博士はかせは、現在げんざい最前線さいぜんせんにおける物理ぶつりがく理論りろんが、「どのような実験じっけん結果けっかでもめるほどパラメータがおおい」ことを指摘してきしたうえで、反証はんしょう可能かのうせい軽視けいししている傾向けいこうを、「物理ぶつりがく迷走めいそう」とだんじている[49]実際じっさい、モーリン博士はかせ指摘してきするように、最近さいきん素粒子そりゅうし物理ぶつり量子りょうし情報じょうほう物性ぶっせい理論りろんとうきわめて数学すうがくちか様相ようそうていしているため反証はんしょう可能かのうせい原則げんそく逸脱いつだつしていることはしばし指摘してきされる。また、とくに、萌芽ほうがてき理論りろんにおいては、実験じっけんがどんな結果けっかしてもそれをめてしまうほどパラメータがおおく、しかもそのパラメータの物理ぶつりてき意味いみ明確めいかくであることもしばしば指摘してきされる。現在げんざいでも、このことを理由りゆうとして権威けんいある雑誌ざっしへの掲載けいさいこばまれることがあるとされる[50]ただし、この傾向けいこう最近さいきんでは現実げんじつてき方向ほうこうに、つまり反証はんしょう可能かのうせい偏重へんちょうしない方向ほうこうにシフトしつつある[50]


しかし、じつはポパーは、仮説かせつのアドホックな修正しゅうせいについて全面ぜんめんてき禁止きんししてなく、その修正しゅうせいにより反証はんしょう可能かのうせい度合どあいをやす場合ばあいたいし、受容じゅよう可能かのうとしている。 [86]

決定けってい不全ふぜん説明せつめいかえ使つかわれる事例じれいとして、海王星かいおうせい発見はっけんがある。天王星てんのうせい発見はっけんされたとき、その軌道きどうがニュートン力学りきがく予測よそくとずれていることが観察かんさつされた。そのとき天文学てんもんがくしゃたちはニュートン力学りきがく放棄ほうきするという路線ろせんではなく、未知みち惑星わくせいがあって天王星てんのうせい影響えいきょうしているという仮説かせつをたてる路線ろせんえらび、これが海王星かいおうせい発見はっけんにつながった。

この問題もんだいはしばしば反証はんしょう主義しゅぎ難点なんてんとして指摘してきされる。しかし、その条件じょうけんきの修正しゅうせい可能かのう場合ばあい、その仮説かせつ修正しゅうせいは、その条件じょうけんたすのでみとめられる。[87]

脚注きゃくちゅう[ソースを編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[ソースを編集へんしゅう]

  1. ^ a b たとえば、科学かがくてきであること必須ひっす要件ようけんなか反証はんしょう可能かのうせいというのをげるものがいる。たしかに、幽霊ゆうれいインテリジェントデザインひとしといった疑似ぎじ科学かがく処断しょだんするうえでは、反証はんしょう可能かのうせいによる線引せんひきは、それなりの成果せいかをあげているようである(たとえば、伊勢田いせだ哲治てつじ科学かがく哲学てつがくにおける線引せんひ問題もんだい現代げんだいてき展開てんかいめいだい哲学てつがくかい発表はっぴょう(2000)[1]) しかしながら、前記ぜんき科学かがく哲学てつがくしゃ伊勢田いせだ哲治てつじ論文ろんぶんちゅうに、以下いかのような記述きじゅつがある。

    われわれが科学かがくのもっとも成功せいこうしたれいとみなすようなものまで排除はいじょしてしまうようなかたちで 「科学かがく」([()ない引用いんようしゃによるちゅう]反証はんしょう可能かのうせいもちいて定義ていぎされた科学かがく)が定義ていぎされるなら、その定義ていぎそのものが疑問ぎもんされるのもやむをえない。

    とある。また、この問題もんだいてんかんする修正しゅうせいとして、科学かがくしゃ一般いっぱんあいだでコンセンサスのとれた修正しゅうせい存在そんざいするともがたいようである。このような理由りゆうで、反証はんしょう可能かのうせい科学かがくてきであることの必須ひっす要件ようけんにするのは、いちめんてきぎる。

    ほん記事きじでは、以下いかのような記述きじゅつは、記事きじあつかうテーマの趣旨しゅしはんするとかんがえ、記載きさい対象たいしょうから除外じょがいする。ぜんしゃについては疑似ぎじ科学かがくげている。

    • オカルトや、トンデモのように、科学かがくてき思考しこうとはその根本こんぽんてき基盤きばんことなる世界せかいれいばかりをげているもの。
    • 「すべてのカラスがくろいという命題めいだい反証はんしょう可能かのうせいがある」(ぜんしょう命題めいだいのにたものの説明せつめいをしたいらしいようにえるが、数学すうがくでもないかぎぜんしょう命題めいだい全面ぜんめんてきたよるというの現実げんじつてきでない)のような、ありきたりで微妙びみょうれいしかげていないもの。
    • 相対そうたいろんにより力学りきがく反証はんしょうされ古典こてん力学りきがく意味いみうしなった」とうといった、「予測よそく精度せいど」というかんがかたっていればアホラシイとわかるような記述きじゅついたところにちりばめられているもの。すこしでも科学かがく技術ぎじゅつをかじっていれば、現実げんじつ科学かがく技術ぎじゅつ最先端さいせんたんでどれだけ古典こてん力学りきがく有用ゆうようかをおもっているはずである。
  2. ^ この報告ほうこくしょは、すべてのアメリカじんけるべき科学かがくてき素養そようについての指針ししんあたえるために、アメリカ科学かがく振興しんこう協会きょうかい中心ちゅうしんてきなメンバーのくさおこり承認しょうにんのもと発行はっこうされ、日本にっぽんふく世界せかい各国かっこく教育きょういく行政ぎょうせい影響えいきょうあたえている。とくに、科学かがくリテラシーにかんする内容ないよう中心ちゅうしんとなっている。いわゆる学習がくしゅう指導しどう要領ようりょうとはことなり、「小学しょうがく3年生ねんせいでは、なんなにまなびなさいといった」ことをいたものではなく、科学かがく工学こうがく数学すうがくなど、科学かがく関係かんけいする分野ぶんや特徴とくちょうづけにおおくの項目こうもくいたものである。
  3. ^ たようなことは、引用いんよう文献ぶんけんのうち多数たすうに、すくなくとも断片だんぺんてきにはかれているが、とく権威けんいがあり、国際こくさいてき通用つうようする定番ていばん文献ぶんけんとしてこれらの文献ぶんけんげる。
  4. ^ たとえば、すべての問題もんだいなか定量ていりょう可能かのう問題もんだい割合わりあいはどのくらいあるか?
  5. ^ 中谷なかたにう「再現さいげん可能かのうせい」は、「まったおな現象げんしょうなんこる」というもっとせま意味いみよりもすこしゆるやかである。
  6. ^ ただし、PDCAサイクルが日本にっぽんひろまった背景はいけいにはQC活動かつどうがあり、この活動かつどうは、統計とうけい専門せんもんや、品質ひんしつ管理かんり専門せんもん中心ちゅうしんとなってひろめた活動かつどうであるため、ひろわれるところのPDCAサイクルは、根底こんていとなる思想しそうめんでは研究けんきゅう工程こうてい共通きょうつうする部分ぶぶんおおいものの、実際じっさいには意識いしきちがいがある。意識いしきちがいのうちもっとおおきなてんは、QC活動かつどうでは、「データにうように研究けんきゅう目的もくてき変更へんこうすること」はよいこととはされないてん、また、実際じっさい研究けんきゅうレベルでは、大半たいはん成否せいひは、「予備よび実験じっけん基礎きそ検討けんとう」までの段階だんかいまってしまうてんである。
  7. ^ これらの分野ぶんやにおける基礎きそ方程式ほうていしきかいは、大体だいたい場合ばあい存在そんざいすることを数学すうがくてき保証ほしょうできるが、からだ効果こうかわせ効果こうか影響えいきょうくことができない。
  8. ^ よりおおくの現象げんしょう統一とういつてき視座しざから説明せつめいするじょうでは必要ひつよう概念がいねんがあるかもしれない;ぎゃくじょう法則ほうそくているかぎり、電場でんじょう磁場じばのような“余計よけい”な実態じったい仮定かていしない遠隔えんかく作用さようろんがシンプルであるが、電磁でんじ誘導ゆうどう特殊とくしゅ相対性理論そうたいせいりろんまでかんがえると近接きんせつ作用さようのほうが圧倒的あっとうてきにシンプルである。
  9. ^ 実験じっけん計画けいかくほうかんしてもすでにさまざまなレベルの良質りょうしつ文献ぶんけん複数ふくすう刊行かんこうされているが、しめすべき命題めいだい明確めいかくになっている状況じょうきょうを(おも品質ひんしつ保証ほしょうやルーチンてき実験じっけん意識いしきしてかれたものがおおいため、しめすべき命題めいだい混沌こんとんとしているところから、仮説かせつ形成けいせいすることを仕事しごととする研究けんきゅうしゃとのあいだ意識いしきのずれがある場合ばあいもある。
  10. ^ たとえば、「表面ひょうめん凹凸おうとつSTMAFMはか両者りょうしゃ共通きょうつうてん相違そういてんる」、「英語えいごりょくTOEICえいけん両方りょうほう測定そくていしておく」のように。
  11. ^ もちろんれいによっては、こういうやりかたをしたことによって、しん最適さいてきかい見逃みのが可能かのうせいもありる。
  12. ^ たとえばカイじょう検定けんていでは、サンプルとうから計算けいさんされた検定けんてい統計とうけいりょうカイじょう分布ぶんぷしたがうことを前提ぜんていとする。
  13. ^ 装置そうち発明はつめい神格しんかくする意図いとはない。なかにある様々さまざま計測けいそく装置そうちは、原理げんりむずかしいものは多数たすうあるものの装置そうち構成こうせい把握はあくだけならば、高校こうこう物理ぶつり程度ていど知識ちしき理解りかいできるものがほとんどということにも注意ちゅういしたい。たとえば走査そうさがたトンネル顕微鏡けんびきょう(コンスタントハイトモード)は、装置そうち構成こうせいかく部分ぶぶんは、鋭利えいりとがったはりと、前記ぜんきはり試料しりょうたいして水平すいへい走査そうさする機構きこうと、試料しりょう-さがせはりとのあいだ電圧でんあつ印加いんかする機構きこうと、試料しりょう-さがせはりあいだながれる電流でんりゅう測定そくていする機構きこうきる。いずれも、高校こうこう物理ぶつり程度ていど知識ちしき理解りかい可能かのうである。一方いっぽう測定そくてい原理げんりやデータ解釈かいしゃくについては、そこまで簡単かんたんではない。最低限さいていげん測定そくてい原理げんり理解りかいめても、すくなくとも量子力学りょうしりきがく初歩しょほてき知識ちしき必要ひつようとなる。PCRほうも、装置そうち構成こうせい観点かんてんからはそこまでむずかしくない。DNAの溶液ようえきにいくつかの試薬しやくくわえた試験管しけんかんたいすう分間ふんかんあいだに50℃〜90℃程度ていどのレンジで規則きそくてき温度おんど昇降しょうこうさせればDNAがえていくというだけである。ただし、その原理げんり理解りかいや、最適さいてき条件じょうけんや、阻害そがい要因よういん考察こうさつとうをおこなうことは、すくなくとも学部がくぶ3ねん相当そうとう分子生物学ぶんしせいぶつがく知識ちしき必要ひつようで、装置そうち設計せっけいは、ねつ工学こうがくてききわめてむずかしいとされる。
  14. ^ たとえば「どの変数へんすうやせばどの指標しひょうえるか」、あるいは「現象げんしょうCはA、B2つの変数へんすう同時どうじ操作そうさせねばこらない現象げんしょうである」とう
  15. ^ 2つのパラメータを同時どうじ変化へんかさせたとき」に「個々ここのパラメータを独立どくりつうごかしたとき」とおおきくことなる結果けっか場合ばあい、それはアーチファクトの可能かのうせいたかい。
  16. ^ ただし、児童じどう対象たいしょうとした殺人さつじん事件じけんだけをっても、すうねんすうけんすうじゅうけん程度ていど児童じどうポルノ、児童じどうポルノ漫画まんが誘発ゆうはつされたと裁判さいばん認定にんていされた事件じけん存在そんざいし、交通こうつう事故じこかくりつの1/5000程度ていどかくりつでは、そのようなことが発生はっせいすると推定すいていすることも不可能ふかのうではない。[よう出典しゅってん]
  17. ^ 研究けんきゅう目的もくてきが「鶏肉とりにくからDNAを効率こうりつよく抽出ちゅうしゅつする」の場合ばあいには「効率こうりつめん」をしめせばよいこともある。このように「なに目的もくてきとするのか」によってあきらかにすべきこと(すでにされた研究けんきゅう全面ぜんめんてきっかっても場合ばあいによっては問題もんだいにならないこと)がある。

出典しゅってん[ソースを編集へんしゅう]

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参考さんこう文献ぶんけん[ソースを編集へんしゅう]

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関連かんれん項目こうもく[ソースを編集へんしゅう]