アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの社会しゃかい

アメリカ文化ぶんかの象徴しょうちょう、アップルパイ、野球やきゅうおよびアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの国旗こっき

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの社会しゃかい（アメリカがっしゅうこくのしゃかい）は、西洋せいよう文化ぶんかであり、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくが1つの国くにになるかなり前まえから発展はってんしてきており、方言ほうげん、音楽おんがく、芸術げいじゅつ、料理りょうりなど特異とくいな性格せいかくを持もち展開てんかいを遂とげてきた。その歴史れきしを通つうじて大変たいへん多おおくの国くにからの大だい規模きぼな移民いみんを受うけ容いれてきた結果けっか、多様たよう化かし多た文化ぶんかを持もつ国くにとなっている。

その初期しょきにはイギリスやアイルランドの開拓かいたく者しゃから大おおきな影響えいきょうを受うけた。アメリカの植民しょくみん地ちは英語えいごや法体ほうたい系けいなど文化ぶんか的てき継承けいしょうを拡ひろげたイギリスと植民しょくみん地ちとして結むすびついていたためにイギリス文化ぶんかから萌芽ほうが期きの影響えいきょうを受うけた。他ほかにも西にしヨーロッパの国々くにぐにから重要じゅうような影響えいきょうを受うけた。

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくは伝統でんとう的てきに人種じんしゅのるつぼと呼よばれてきたが、最近さいきんの展開てんかいは文化ぶんかの多様たよう性せいや複数ふくすう共存きょうぞんとなる傾向けいこうにあり、人種じんしゅの坩堝るつぼよりもサラダボウルのイメージがある。アメリカ文化ぶんかの拡ひろがりのために、国内こくないには多おおくの統合とうごうされてはいるが特異とくいなサブカルチャーがある。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおける個人こじんの文化ぶんか的てき属性ぞくせいは通常つうじょう、社会しゃかい階級かいきゅう、政治せいじ的てき傾向けいこうおよび先祖せんぞからの伝統でんとうのような多おおくの人口じんこう動態どうたい的てき性格せいかくに依存いぞんしてきた。アメリカ文化ぶんかに最もっとも強つよく影響えいきょうを与あたえたのは北部ほくぶヨーロッパの文化ぶんかであり、著名ちょめいなものはドイツ、アイルランドおよびイギリスの文化ぶんかである。大おおきな地域ちいき的てきまたサブカルチャーの違ちがいもあり、アメリカ文化ぶんかを不ふ均一きんいつなものにしている。

社会しゃかい階級かいきゅうと労働ろうどう

今日きょうのアメリカ人じんの大半たいはんは自分じぶんのことを中流ちゅうりゅう階級かいきゅうとしているが、アメリカ社会しゃかいとその文化ぶんかはかなりの程度ていどに細分さいぶん化かされている。社会しゃかい階級かいきゅうは一般いっぱんに教育きょういくを受うけた程度ていど、収入しゅうにゅうおよび職業しょくぎょう的てき地位ちいの組合くみあわせで表現ひょうげんされており、アメリカでは最大さいだい級きゅうに文化ぶんか的てき影響えいきょうを持もつものである。合衆国がっしゅうこくにおける日常にちじょうの相互そうご作用さようと消費しょうひ者しゃ行動こうどうのほとんど全すべての文化ぶんか的てき側面そくめんが国くにの社会しゃかい構造こうぞうの内側うちがわに占しめる個人こじんの位置いちによって導みちびかれている。

明確めいかくな生活せいかつ様式ようしき、消費しょうひパターンおよび価値かち観かんは異ことなる階級かいきゅうと結むすびつけて考かんがえられている。例たとえば初期しょき社会しゃかい経済けいざい学者がくしゃのソースティン・ヴェブレンは、社会しゃかい階層かいそうの頂点ちょうてんにいる者もの達たちは人目ひとめを引ひくレジャー（衒示余あまり暇ひま）と同様どうように人目ひとめを引ひく消費しょうひ（衒示消費しょうひ）も行おこなっていると述のべた。中ちゅう上流じょうりゅう階級かいきゅうの者ものは通常つうじょう、教育きょういくの程度ていどと価値かち観かんの上位じょういにあるものとしての洗練せんれんされていることとを同一どういつ視しする。この特別とくべつの社会しゃかい階級かいきゅうに属ぞくする者ものは、権威けんい、知識ちしきおよびそれ故ゆえに信頼しんらい性せいを指向しこうする直接的ちょくせつてきな方法ほうほうで話はなしをする傾向けいこうにある。彼等かれらはデザイナーブランド衣料いりょうのようないわゆる贅沢ぜいたく品ひんの消費しょうひに関かかわる傾向けいこうにある。天然てんねん材料ざいりょうや有機ゆうき食品しょくひんに対たいする強つよい指向しこう、および健康けんこう意識いしきが強つよいことが中ちゅう上流じょうりゅう階級かいきゅうの顕著けんちょな特性とくせいになりつつある。中流ちゅうりゅう階級かいきゅうに属ぞくする者ものはより教育きょういくを受うけており、レジャーや旅行りょこうに時間じかんと金かねを使つかうことができることもあって、概がいしてその視野しやの地平ちへいを拡ひろげることに価値かちを見出みいだしている。労働ろうどう者しゃ階級かいきゅうに属ぞくする者ものは「本当ほんとうの仕事しごと」と考かんがえるものを行おこなうことに大おおきな誇ほこりを持もっており、度重たびかさなる経済けいざい的てき不安定ふあんていさに対たいして安全弁あんぜんべんとして働はたらく大変たいへん密みつな一族いちぞくのネットワークを保たもっている。労働ろうどう者しゃ階級かいきゅうのアメリカ人じんは中流ちゅうりゅう階級かいきゅうの多おおくの者ものと同様どうよう、職業しょくぎょう的てき疎外そがい感かんに直面ちょくめんする可能かのう性せいがある。概念がいねんを作つくり、監督かんとくしその考かんがえ方かたを分わけ合あうために雇やとわれる中なか上流じょうりゅう階級かいきゅうの専門せんもん家かとは対照たいしょう的てきに、多おおくのアメリカ人じんは職場しょくばで自主じしゅ性せいや独創どくそう性せいを発揮はっきする可能かのう性せいは低ひくい。その結果けっかホワイトカラーの専門せんもん家かは自分じぶんの仕事しごとに著いちじるしく満足まんぞくする傾向けいこうにある。極ごく最近さいきんでは収入しゅうにゅうの中央ちゅうおう値ち付近ふきんにある階層かいそうが依然いぜんとして中流ちゅうりゅう意識いしきにあるものの、経済けいざい的てき不安定ふあんていさに直面ちょくめんすることが多おおくなってきており、労働ろうどう者しゃ階級かいきゅう多数たすう派はの考かんがえ方かたを支持しじするようになった。

政治せいじ行動こうどうは階級かいきゅうによって影響えいきょうされている。裕福ゆうふくな階級かいきゅうは投票とうひょうに行いく傾向けいこうが強つよく、教育きょういく水準すいじゅんや収入しゅうにゅうによって民主党みんしゅとうと共和党きょうわとうのどちらに投票とうひょうするかを決きめる傾向けいこうがある。収入しゅうにゅうが高たかい者ものは健康けんこう管理かんり施設しせつを多おおく利用りようできるので平均へいきん余命よめいが高たかく、乳児にゅうじ死亡しぼう率りつが低ひくく、健康けんこうを増加ぞうかさせるので、収入しゅうにゅうは健康けんこうにも大おおきな影響えいきょうがある。

各国かっこくの労働ろうどう時間じかん、国際こくさい連合れんごうとCNNの報告ほうこくによる

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくでは職業しょくぎょうが社会しゃかい階級かいきゅうの主しゅ要素ようその一ひとつであり、個人こじんのアイデンティティと密接みっせつに結むすびついている。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくでは常雇じょうやとい被ひ雇用こよう者しゃの週しゅう当あたり平均へいきん労働ろうどう時間じかんは42.9時じ間あいだであり、人口じんこうの30%は週しゅう40時間じかん以上いじょう働はたらいている。しかし、所得しょとくで区分くぶんして上位じょうい40%に入はいる人ひとの多おおくは週しゅう50時間じかん以上いじょう働はたらいていることに注意ちゅういすべきである。2006年ねん第だい1および第だい2四半期しはんきで平均へいきん的てきなアメリカ人じんは時給じきゅう16.64ドルを稼かせいでいた。全体ぜんたい的てきにアメリカ人じんは工業こうぎょう時代じだいの終おわった他ほかの先進せんしん国こくの労働ろうどう者しゃよりも良よく働はたらいている。デンマークの平均へいきん的てき労働ろうどう者しゃは年間ねんかん30日にちの休暇きゅうかを楽たのしむのに対たいし、平均へいきん的てきアメリカ人じんのそれは16日にちに過すぎない。2000年ねんに平均へいきん的てきアメリカ人じんは年間ねんかん1,978時じ間あいだ働はたらいたが、この数字すうじは平均へいきん的てきドイツ人じん労働ろうどう者しゃよりも500時じ間あいだ多おおく、チェコの平均へいきんより100時間じかん少すくない。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの労働ろうどう者しゃは全体ぜんたいとして工業こうぎょう時代じだいの終おわった他ほかの先進せんしん国こく（韓国かんこくを除のぞく）の労働ろうどう者しゃよりも働はたらいているために世界せかいでも最もっとも生産せいさん性せいが高たかい（時間じかん当あたりではなく、全体ぜんたいとした評価ひょうか）。アメリカ人じんは働はたらくことと生産せいさん的てきであることに重おもきを置おいており、忙いそがしいことと縦横じゅうおうに働はたらくことが尊敬そんけいを得える手段しゅだんとしても機能きのうしている可能かのう性せいがある。

人種じんしゅ・民族みんぞく

「 アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの人種じんしゅ構成こうせいと使用しよう言語げんご」も参照さんしょう

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおける人種じんしゅは身体しんたい的てき特徴とくちょうと肌はだの色いろに基もとづいており、国くにとして認知にんちされる以前いぜんからアメリカ社会しゃかいを形作かたちづくる時ときに基本きほん的てきな役割やくわりを演えんじてきた。1950年代ねんだいの公民こうみん権けん運動うんどうの時ときまで、人種じんしゅ的てき少数しょうすう者しゃは差別さべつに遭あい、社会しゃかい的てきにも経済けいざい的てきにも疎外そがいされていた。今日きょう、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく商務省しょうむしょう国勢調査こくせいちょうさ局きょくは先住民せんじゅうみん族ぞくすなわちインディアン、アフリカ系けいアメリカ人じん、アジア系けいアメリカ人じんおよび白人はくじん（ヨーロッパ系けいアメリカ人じん）の4つの人種じんしゅを認みとめている。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく政府せいふに拠よれば、ヒスパニック系けいアメリカ人じんは事実じじつ上じょう人種じんしゅではなく民族みんぞく集団しゅうだんとされている。2000年ねん国勢調査こくせいちょうさで、白人はくじんは人口じんこうの75.1%を占しめ、ヒスパニックあるいはラテン系けいは人口じんこうの12.5%を占しめるを占しめる少数しょうすう民族みんぞくとなっている。アフリカ系けいアメリカ人じんは12.3%、アジア人じんは3.6%、インディアンは0.7%となっている。

1865年ねん12月6日にちにアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく憲法けんぽう修正しゅうせい第だい13条じょうが批准ひじゅんされるまでは奴隷どれい社会しゃかいだった。北部ほくぶ諸しょ州しゅうは18世紀せいき後半こうはんと19世紀せいき前半ぜんはんにその領土りょうど内ないでの奴隷どれい制せいを違法いほう化かしていたが、その工業こうぎょう化か経済けいざいは奴隷どれい労働ろうどうで生産せいさんされる原材料げんざいりょうに頼たよっていた。1870年代ねんだいのレコンストラクション時代じだいに続つづいて、南部なんぶ州しゅうは合法ごうほうの人種じんしゅ差別さべつを定さだめたジム・クロウ法ほうで人種隔離じんしゅかくりを始はじめた。1930年代ねんだいまでアメリカ中ちゅうで私刑しけいが起おこっており、南部なんぶでは公民こうみん権けん運動うんどうの時代じだいまで続つづいた。アジア系けいアメリカ人じんも合衆国がっしゅうこくの歴史れきしの大半たいはんで疎外そがいされていた。1882年ねんから1943年ねんまで、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく政府せいふは中国人ちゅうごくじん排斥はいせき法ほうを定さだめ、中国人ちゅうごくじん移民いみんが国内こくないに入はいることを禁きんじていた。第だい二に次じ世界せかい大戦たいせんの間あいだ、12万まん人にんの日系にっけいアメリカ人じん、その62%はアメリカ市民しみんが日本人にっぽんじん抑留よくりゅうキャンプに収容しゅうようされた。ヒスパニック系けいアメリカ人じんも分離ぶんりなどの差別さべつに直面ちょくめんした。カリフォルニア州しゅうなど多おおくの州しゅうでは白人はくじんと見みなされているが、通常つうじょうは二に番目ばんめの階級かいきゅうに甘あまんじている。

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおける少数しょうすう派は人種じんしゅは法律ほうりつ上じょうあるいは既成きせい事実じじつでいわゆる主流しゅりゅう社会しゃかいから排除はいじょされ疎外そがいされてきた結果けっかとして、独自どくじのサブカルチャーを発展はってんさせてきた。例たとえば1920年代ねんだいにニューヨーク市しのハーレムはいわゆるハーレム・ルネサンスの本場ほんばになった。ジャズ、ブルースとラップ、ロックンロールさらにはブルー・テイル・フライのような数多かずおおいフォークソングといった音楽おんがくがアフリカ系けいアメリカ人じん文化ぶんかの領域りょういき内ないで創つくり出だされた。国くに中ちゅうの多おおくの都市としでチャイナタウンが見みられるようになり、アジア料理りょうりはアメリカでも不可欠ふかけつな要素ようそになった。ヒスパニックの地域ちいき社会しゃかいもアメリカ文化ぶんかに劇的げきてきな変化へんかを与あたえた。今日きょう、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくではカトリック教徒きょうとが最大さいだいの会派かいはになり、南西なんせい部ぶやカリフォルニア州しゅうではプロテスタント会派かいはの教徒きょうと数すうを上回うわまわっている。メキシコのマリアッチや料理りょうりは南西なんせい部ぶでは普通ふつうに見みられるものになり、ブリートやタコスのようなラテン系けい料理りょうりは国くに中ちゅうのどこでもあるものになった。しかし、経済けいざい的てき格差かくさや事実じじつ上じょうの差別さべつが続つづき、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの日常にちじょう生活せいかつでも顕著けんちょな性格せいかくになっている。アジア系けいアメリカ人じんが栄達えいたつして世帯せたい当あたり収入しゅうにゅうの中央ちゅうおう値ちや教育きょういく水準すいじゅんで白人はくじんを遙はるかに上回うわまわるようになったが、他たの少数しょうすう人種じんしゅには同様どうようなことは起おこっていない。アフリカ系けいアメリカ人じん、ヒスパニックおよびインディアンは平均へいきん的てきに白人はくじんよりかなり収入しゅうにゅうが低ひくく、教育きょういく水準すいじゅんも劣おとったままである。2005年ねんの統計とうけいで、白人はくじんの世帯せたい当あたり収入しゅうにゅうの中央ちゅうおう値ちはアフリカ系けいアメリカ人じんのそれより 62.5%高たかく、アフリカ系けいアメリカ人じんの4分ぶんの1近ちかくが貧困ひんこん線せん以下いかの生活せいかつをしていた。さらにアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおける殺人さつじん事件じけんの被害ひがい者しゃでその 46.9%がアフリカ系けいアメリカ人じんであることは、21世紀せいきに入はいってもアフリカ系けいアメリカ人じんや少数しょうすう人種じんしゅが一般いっぱんに直面ちょくめんし続つづけている多おおくの厳きびしい社会しゃかい経済けいざい的てき問題もんだいがあることを示しめしている。

アメリカ文化ぶんかの幾いくつかの側面そくめんは人種じんしゅ差別さべつを成文せいぶん化かしている。例たとえば、メディアの世界せかいで持続じぞくするアメリカ文化ぶんかにおける通常つうじょうの概念がいねんは、黒人こくじんの外観がいかんが白人はくじんの外観がいかんよりも魅力みりょくがない、あるいは望のぞましくないというものだった。黒人こくじんは醜みにくいという概念がいねんはアフリカ系けいアメリカ人じんの心理しんりを著いちじるしく傷きずつけており、内面ないめん的てき人種じんしゅ差別さべつとして現あらわれてきている。「ブラック・イズ・ビューティフル」と呼よばれる文化ぶんか活動かつどうはこの概念がいねんを追おい出だそうとした。

アメリカの人種じんしゅ　2008年ねん
人種じんしゅ	人口じんこう (2008年ねん推計すいけい)	% 割合わりあい
白人はくじん	242,639,242	79.8
ヒスパニックでない白人はくじん	199,491,458	65.6
黒人こくじん	39,058,834	12.8
ヒスパニックでない黒人こくじん	37,171,750	12.2
アジア人じん	13,549,064	4.5
ヒスパニックでないアジア人じん	13,237,698	4.4
北きたアメリカ先住民せんじゅうみん	3,083,434	1.0
ヒスパニックでない北きたアメリカ先住民せんじゅうみん	2,328,982	0.8
太平洋たいへいよう諸島しょとう先住民せんじゅうみん	562,121	0.2
ヒスパニックでない太平洋たいへいよう諸島しょとう先住民せんじゅうみん	434,561	0.1
混血こんけつ	5,167,029	1.7
ヒスパニックでない混血こんけつ	4,451,662	1.5
ヒスパニック	46,943,613	15.4
全ぜん人口じんこう	304,059,724	N/A

アメリカ人じんの先祖せんぞ　2007年ねん
民族みんぞく	人口じんこう (2007年ねん　USセンサス)	% 割合わりあい
ヒスパニック	54,527,240	18.7
ドイツ人じん	50,885,162	16.5
黒人こくじん	38,584,434	14.0
アイルランド人じん	36,494,130	13.1
イングランド人じん	24,515,138	9.0
メキシコ人じん	20,640,711	7.3
アメリカ人じん	20,625,093	7.3
イタリア人じん	17,823,555	6.0
フランス人じん	11,846,018	4.0
ポーランド人じん	9,977,444	3.2
ユダヤ人じん	6,444,000	2.3
スコットランド人じん	4,890,581	1.7
オランダ人じん	4,542,494	1.6
ノルウェー人じん	4,477,725	1.6
スウェーデン人じん	4,418,310	1.6
インディアン	4,119,301	1.5
プエルトリコ人じん	3,406,178	1.2
ロシア人じん	3,152,214	1.0
中国人ちゅうごくじん	2,432,585	0.9
合計ごうけい	281,421,906	N/A

集団しゅうだんへの帰属きぞく

集団しゅうだんのアイデンティティを示しめす「ナイツ・オブ・コロンバス」

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくは非常ひじょうに多様たよう化かした国くにであるので、数多かずおおい組織そしきや社会しゃかい集団しゅうだんがあり、個人こじんは様々さまざまな理由りゆうをもとに集団しゅうだんに帰属きぞくする意識いしきを引ひき出だしている可能かのう性せいがある。特とくにホワイトカラーの専門せんもん職しょくを持もつ多おおくのアメリカ人じんはAPA、ASAあるいはATFLCのような専門せんもん職しょく組織そしきに所属しょぞくしているが、ボウリング・アローンのような書物しょもつは、1950年代ねんだいや1960年代ねんだいよりもその種たねの集団しゅうだんへの帰属きぞく意識いしきが少すくなくなったことを示しめしている。今日きょう、アメリカ人じんは特とくにより高たかく経済けいざい的てき階梯かいていを登のぼり詰つめた個人こじんの間あいだで、その仕事しごとや職業しょくぎょう的てき帰属きぞくを通つうじて多おおくのアイデンティティを引ひき出だしている。近年きんねん、職業しょくぎょう上じょうの同化どうかによって多おおくの事務職じむしょくや低ていレベルの被ひ雇用こよう者しゃはその職業しょくぎょうに新あたらしく尊敬そんけいされるような肩書かたがきを付つけるようになってきた。例たとえば、「清掃せいそう作業さぎょう員いん(Janitor)」の代かわりに「衛生えいせいサービスエンジニア(Sanitation service engineer)」といった具合ぐあいである。また多おおくのアメリカ人じんは非ひ営利えいり団体だんたいや宗教しゅうきょう的てき組織そしきに属ぞくし、そのような組織そしきに対たいするボランティア活動かつどうを行おこなっている。ロータリークラブ、ナイツ・オブ・コロンバスあるいはSPCAもがそのような非ひ営利えいり団体だんたいの例れいであり、大半たいはんはボランティアが組織そしきを運営うんえいしている。民族みんぞくも特とくに最近さいきん移民いみんしてきた者もの達たちの中なかでの集団しゅうだん帰属きぞく意識いしきで別べつの重要じゅうような役割やくわりを演えんじてきている。アメリカの多おおくの都市としには今いまも残のこっているチャイナタウンやリトル・イタリーのような民族みんぞく居留きょりゅう地ちがある。地域ちいき的てき愛国心あいこくしんが集団しゅうだんのアイデンティティを提供ていきょうすることもある。例たとえば、ある人ひとがカリフォルニア州しゅうあるいはニューヨーク市しの出身しゅっしんであることをとくに誇ほこっていたり、地元じもとのスポーツチームのユニフォームを着きたりすることである。AARP（アメリカ引退いんたい者しゃ協会きょうかい）のような政治せいじ団体だんたいは、個人こじんに集団しゅうだん内ないの同盟どうめい意識いしきを提供ていきょうするだけでなく、全国ぜんこく的てき政治せいじの仕組しくみの中なかで政治せいじ的てき発言はつげん力りょくを高たかめてもいる。職業しょくぎょう、民族みんぞく、宗教しゅうきょうなどの集団しゅうだん帰属きぞくが組くみ合あわされると、アメリカ人じんは集団しゅうだんに基もとづくアイデンティティを引ひき出だすことのできる多おおくの選択肢せんたくしを持もつことができるようになった。

技術ぎじゅつ、装置そうちおよび自動車じどうしゃ

「アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの技術ぎじゅつと産業さんぎょうの歴史れきし」を参照さんしょう

アメリカ人じんは多おおかれ少すくなかれ新あたらしい技術ぎじゅつや新あたらしい装置そうちに魅力みりょくを感かんじることが多おおい。技術ぎじゅつを通つうじて社会しゃかい悪あくの多おおくが解決かいけつされるという考かんがえ方かたを共有きょうゆうする者ものが多おおい。現代げんだい世界せかいの新あたらしい技術ぎじゅつ革新かくしんはアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくでまず発明はつめいされたかまたはアメリカ人じんによって広ひろく普及ふきゅうされたものも多おおい。例たとえば、電球でんきゅう、航空機こうくうき、トランジスター、原子力げんしりょく、パソコン、テレビゲームおよびネットショップであり、またインターネットの普及ふきゅうである。しかし日本にっぽんと比較ひかくすると電子でんし装置そうちの極きょく一部いちぶしかアメリカでは発売はつばいされておらず、トイレのような家庭かてい用品ようひんにはアジアの一部いちぶの地域ちいきで見みられるようなリモコンや電子でんしスイッチがついていることも希まれである。

自動車じどうしゃは個人こじんの私的してき日常にちじょう生活せいかつであれ、芸術げいじゅつや娯楽ごらくの領域りょういきであれ、アメリカ文化ぶんかに大おおきな役割やくわりを演えんじている。都市としの郊外こうがいが開発かいはつされ、労働ろうどう者しゃは都会とかいまで通勤つうきんする必要ひつよう性せいが生しょうじたために自動車じどうしゃの普及ふきゅうを促うながした。2001年ねん時点じてんでアメリカ人じんの90%は車くるまで通勤つうきんしている。エネルギーと土地とちのコストが低ひくいことで比較的ひかくてき大型おおがたで強力きょうりょくな車くるまが好このまれた。1950年代ねんだいや1960年代ねんだいの文化ぶんかはモーテルやドライブインレストランなど自動車じどうしゃに関かかわるものが多おおかった。アメリカ人じんは自動車じどうしゃ運転うんてん免許めんきょを取得しゅとくすることを通過つうか儀式ぎしきと見みなす傾向けいこうがある。比較的ひかくてき少数しょうすうの大都市だいとし域いき以外いがいでは、大半たいはんのアメリカ人じんが自動車じどうしゃを所有しょゆうし運転うんてんすることを必要ひつようと考かんがえている。ニューヨーク市しは世帯せたいの半数はんすう以外いがいが車くるまを所有しょゆうしない例外れいがい的てき存在そんざいである。

ドラッグ、酒さけおよび喫煙きつえん

アメリカ人じんのドラッグやアルコール飲料いんりょうに対たいする態度たいどはこの国くにの歴史れきしを通つうじて著いちじるしく変遷へんせんしてきた。19世紀せいきにアルコールが手てに入はいりやすくなって消費しょうひされ、その他たのドラッグ使用しようを規制きせいする法律ほうりつも無なかった。禁酒きんしゅ運動うんどうと呼よばれるアルコール飲料いんりょうを禁止きんしする運動うんどうが19世紀せいき後半こうはんに起おこった。アメリカのプロテスタントに分類ぶんるいされる幾いくつかの会派かいはと女性じょせいクリスチャン禁酒きんしゅ同盟どうめいのような婦人ふじん団体だんたいがこの運動うんどうを支ささえた。1919年ねん、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく憲法けんぽう修正しゅうせい第だい18条じょうが成立せいりつしアルコールの販売はんばいが禁きんじられた。この禁酒きんしゅ法ほう時代じだいに全体ぜんたいとしてアルコールの消費しょうひ量りょうは抑おさえられたが、以前いぜんは合法ごうほうだった蒸留酒じょうりゅうしゅ産業さんぎょうがアルコールを密売みつばいする犯罪はんざい組織そしきに置おき換かえられただけだったので、アルコールを徹底的てっていてきに禁きんじることは機能きのうしないことが分わかった。1931年ねんにはアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく憲法けんぽう修正しゅうせい第だい22条じょうによって禁酒きんしゅ法ほうは撤廃てっぱいされた。州しゅうや地方ちほうによっては「ドライ」（禁酒きんしゅ）を強制きょうせいする権利けんりを保持ほじしており、今日きょうでも一いち握にぎりの郡部ぐんぶはドライのままである。

ベトナム戦争せんそうの時代じだいには禁酒きんしゅとはほど遠とおい方向ほうこうに振ふれた。18歳さいという年齢ねんれいで徴兵ちょうへいされ戦争せんそうに駆かり出だされたが、まだビールを買かうことができなかった。1970年ねんから1975年ねんにかけて50州しゅうのうち28州しゅうが法定ほうてい飲酒いんしゅ年齢ねんれいを18歳さいに引ひき下さげた。引ひき下さげ後ごまもなくして、若者わかものをターゲットとしたユース・バーが流行りゅうこうし、飲酒いんしゅ施設しせつを利用りようする年齢ねんれい層そうが若年じゃくねん化かする現象げんしょうが起おきた。その後ご、多おおくの州しゅうが法定ほうてい飲酒いんしゅ年齢ねんれいを21歳さいに戻もどしたが、その影響えいきょうは残のこり続つづけている。

1980年ねん以降いこうのトレンドはアルコールとドラッグを大おおきく規制きせいする方向ほうこうに向むかった。しかしこの時代じだいの焦点しょうてんは、徹底的てっていてきにアルコールの消費しょうひを禁きんじようとするよりも、アルコールに起因きいんする犯罪はんざい行為こういだった。ニューヨーク州しゅうは1980年ねんに飲酒いんしゅ運転うんてんを厳きびしく取とり締しまる法ほうを制定せいていした最初さいしょの州しゅうになった。この時とき以来いらい他たの全すべての州しゅうがそれに倣ならった。「ジャスト・セイ・ノー・トゥ・ドラッグズ」運動うんどうが1960年代ねんだいのより放縦ほうしょうな精神せいしんに置おき換かわった。

公衆こうしゅうの場ばでの飲酒いんしゅを戒いましめる風潮ふうちょう・施策しさくによって、アメリカ社会しゃかいでの飲酒いんしゅは家いえ飲のみが主流しゅりゅうとなっている。第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん終結しゅうけつ後ごから20世紀せいき末まつにかけてアメリカ全体ぜんたいで消費しょうひされる酒類しゅるいのうち、レストランや飲酒いんしゅ施設しせつで消費しょうひされる割合わりあいは90パーセントから30パーセントに落おち込こみ、飲酒いんしゅ施設しせつの数かずも40パーセント減少げんしょうしている。しかし、アメリカ人じん一いち人にん当あたりの酒さけの消費しょうひ率りつにほとんど変化へんかは無なく、飲酒いんしゅは他たの薬物やくぶつと同様どうように、公衆こうしゅうから隠かくれて楽たのしむプライベートな習慣しゅうかんとなりつつある。

芸術げいじゅつ

20世紀せいきになると、映画えいがや演劇えんげきといった映像えいぞう、舞台ぶたい芸術げいじゅつがヨーロッパだけでなくアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくで花開はなひらいた。映画えいが産業さんぎょうにおいては、カリフォルニア州しゅうのハリウッドが世界せかいを代表だいひょうする映画えいが製作せいさくのメッカとなり、チャールズ・チャップリン（イギリス出身しゅっしん）に代表だいひょうされる著名ちょめいな俳優はいゆうが世界せかい各国かっこくから集つどうようになった。また、ヨーロッパでオペラあるいはオペレッタといった音楽おんがく劇げきが発達はったつしていた演劇えんげき界かいにおいて、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくではミュージカルという音楽おんがく劇げきが発達はったつし、ニューヨークのブロードウェーがそのメッカとして発展はってんした。

音楽おんがくにおいては、19世紀せいき中ちゅうごろにアフリカ大陸たいりくや南米なんべい大陸たいりくよりアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく南部なんぶに移住いじゅうした人々ひとびとによって、彼かれらの出身しゅっしん地ちのリズムから発生はっせいしたブルースと呼よばれる独自どくじの音楽おんがくが生うまれた。ブルースには彼かれらの苦悩くのうや絶望ぜつぼう感かんがこめられており、彼かれらの心しんを乗のせた哀愁あいしゅう漂ただよう歌詞かしや旋律せんりつとともに大衆たいしゅうに広ひろまった。やがて20世紀せいき初頭しょとうにはジャズに発展はってんし、西洋せいよう音楽おんがくとの融合ゆうごうという形かたちで広ひろまり、即興そっきょう演奏えんそうを中心ちゅうしんとするビッグバンドの演奏えんそう形態けいたいによって酒場さかばなどのホールでの演奏えんそうを楽たのしませた。その他たにもリズム・アンド・ブルース（R&B）、ゴスペル、カントリー・ミュージックなど、演奏えんそうの発祥はっしょうとされる民族みんぞくや宗教しゅうきょう、地域ちいきの違ちがいによって生うまれた様々さまざまな音楽おんがくが時ときには融合ゆうごうし合あい、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくポピュラー音楽おんがくは一層いっそう豊ゆたかなものとなっていった。

スポーツ

陸軍りくぐん士官しかん学校がっこう対たい海軍兵学校かいぐんへいがっこうのバスケットボール試合しあい

詳細しょうさいは「アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくのスポーツ」を参照さんしょう

19世紀せいき後半こうはん以来いらい、野球やきゅうが国民こくみんのスポーツと見みなされてきた。アメリカンフットボール、バスケットボールおよびアイスホッケーを合あわせて北米ほくべい4大だいプロスポーツリーグになっている。大学だいがくのフットボールやバスケットボールも多おおくの観衆かんしゅうを惹ひき付つけている。幾いくつかの調査ちょうさによるとアメリカンフットボールはアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくで最もっとも人気にんきのある「見みるスポーツ」になっている。昔むかしはボクシングと競馬けいばが良よく観衆かんしゅうを集あつめたものだったが、ゴルフや自動車じどうしゃレース、特とくにNASCARのレースに凌駕りょうがされてきた。アメリカでのサッカーはまだそれ程ほどのプロスポーツとして育そだっていないが、若者わかものやアマチュアの間あいだでは広ひろく行おこなわれている。テニスなど多おおくの屋外おくがいスポーツも人気にんきがある。

食品しょくひんと衣料いりょう

詳細しょうさいは「アメリカ料理りょうり」を参照さんしょう

ハンバーガーはアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくで有名ゆうめいな食品しょくひんである

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの料理りょうりは、大陸たいりくの広大こうだいさ、比較的ひかくてき多おおい人口じんこう（3億おく人にん）および多おおくの出身しゅっしん国こくの移民いみんの影響えいきょうにより、非常ひじょうに多様たよう化かしている。家庭かていで供きょうされる食品しょくひんは大変たいへん異ことなっており、国内こくないの地域ちいきや家庭かてい自体じたいの文化ぶんか的てき継承けいしょうによっている。近年きんねんの移民いみんは出身しゅっしん国こくの食品しょくひんに類似るいじしたものを食しょくする傾向けいこうにあり、またアメリカ風ふう中華ちゅうか料理りょうりやアメリカ風ふうイタリア料理りょうりのように出身しゅっしん国こくの料理りょうりをアメリカ化かしたものが好このまれている。例たとえばベトナム料理りょうり、朝鮮ちょうせん料理りょうりおよびタイ料理りょうりである。ドイツ料理りょうりに使つかわれるジャガイモ、ヌードル、ロースト、シチューおよびケーキやペイストリーがアメリカとドイツで最もっとも象徴しょうちょう的てきな食材しょくざいであるので、特とくにアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく中西部ちゅうせいぶではアメリカ料理りょうりに豊富ほうふな影響えいきょうを与あたえてきた。ハンバーガー、ポットロースト、ベークトハムおよびホットドッグのような料理りょうりはドイツ料理りょうりから派生はせいしたアメリカ料理りょうりの例れいである。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの様々さまざまな地域ちいきで独自どくじの料理りょうりや調理ちょうり様式ようしきを持もっている。例たとえばルイジアナ州しゅうはそのケイジャンとクレオール料理りょうりで知しられている。ケイジャンとクレオール料理りょうりはそれ自体じたい独創どくそう的てきで特異とくいなものであるが、フランス、アカディアおよびハイチの料理りょうりに影響えいきょうされている。例たとえば、ザリガニのエトフェ、レッドビーンズ・アンド・ライス、シーフードあるいはチキンのガンボ、ジャンバラヤおよびブーダンである。イタリア、ドイツ、ハンガリーおよび中国ちゅうごくの影響えいきょうや、伝統でんとう的てきインディアン、カリブ海かりぶかい、メキシコおよびギリシャの料理りょうりも一般いっぱん的てきなアメリカのレーパートリーに溶とけ込こんできた。中西部ちゅうせいぶ出身しゅっしんの「中産ちゅうさん階級かいきゅう」の家庭かていでは、1週間しゅうかんの夕食ゆうしょくに、例たとえばレストランピザ、家いえ造づくりピザ、エンチラーダス・コンカルネ、チキンパプリカス、ビーフストロガノフ、およびザウアークラウト付つきブラートヴルストを食しょくするのはよくある話はなしである。

仕事しごと上じょうの付つき合あいで着用ちゃくようする衣類いるいは別べつにして、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおける衣料いりょうは柔軟じゅうなんであり圧倒的あっとうてきに形式けいしきに拘かかわらないスタイルである。アメリカの多様たような文化ぶんか的てきルールが衣類いるいにも反映はんえいされており、特とくに近年きんねんの移民いみんのものがそうである。カウボーイハットとブーツおよびバイク用よう皮かわジャケットは特とくにアメリカ様式ようしきの象徴しょうちょう的てきなものになっている。1850年代ねんだいにサンフランシスコに移民いみんしてきたドイツ系けいユダヤ人じんの商人しょうにんリーヴァイ・ストラウスによって、ブルージーンズが労働ろうどう着ぎとして普及ふきゅうされ、1世紀せいき後ごにはアメリカのティーンエージャーが採用さいようした。現在げんざいでは全ぜん世界せかいで年齢ねんれい、階級かいきゅうを問とわず広ひろく着用ちゃくようされている。一般いっぱん的てきな大量たいりょう生産せいさんの普段着ふだんぎと共ともに、ブルージーンズは世界せかいのファッションを変かえたアメリカ文化ぶんかと言いうことができる。アメリカではラルフ・ローレンやカルバン・クラインのような多おおくの世界せかいをリードするデザイナーブランドも生うまれた。アバクロンビー&フィッチやエコーのようなブランドは様々さまざまなニッチ市場いちばに浸透しんとうした。

教育きょういく

詳細しょうさいは「アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの教育きょういく」を参照さんしょう

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおける教育きょういくは主おもに連邦れんぽう政府せいふ、州しゅう政府せいふおよび地方自治体ちほうじちたいという3つの組織そしきからの統制とうせいと予算よさんで行おこなわれている。小学校しょうがっこうと高等こうとう学校がっこうレベルの学校がっこうに入学にゅうがくすることは義務ぎむ化かされほとんど普遍ふへん化かされている。

生徒せいとは公立こうりつ学校がっこうに行いくか、私立しりつ学校がっこうに行いくか、あるいは家庭かてい内ない教育きょういくを受うけるかを選択せんたくできる。大半たいはんの公立こうりつおよび私立しりつ学校がっこうでは小学校しょうがっこう、中学校ちゅうがっこうおよび高校こうこうの3つのレベルに区分くぶんされている。児童じどう・生徒せいとは年齢ねんれいによってグレードに分わけられる。「カレッジ」や「大学だいがく(university)」と呼よばれる高等こうとう教育きょういくは小学校しょうがっこうや高校こうこうとは別べつに管理かんりされている。

2000年ねん時点じてんでアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく国内こくないの幼稚園ようちえんから大学院だいがくいんまで7,660万まん人にんが学まなんでいた。これらのうち12歳さいから17歳さいまでの生徒せいとの72%は、上級じょうきゅうレベルに進学しんがくするものと判断はんだんされた。義務ぎむ教育きょういくの中なかでは、520万まん人にん（10.4%）が私立しりつ学校がっこうに入学にゅうがくしている。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの成人せいじんの中なかで、85%は高校こうこうを卒業そつぎょうしており、27%は学士がくし以上いじょうの学位がくいを持もっている。

言語げんご

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおける公式こうしきではないが主要しゅような言語げんごはアメリカ英語えいごである。2000年ねん国勢調査こくせいちょうさに拠よれば、アメリカ人じんの97%は英語えいごを十分じゅうぶんに話はなすことができ、英語えいごが81%は家庭かてい内ないで話はなす唯一ゆいいつの言語げんごだった。スペイン語ごを母語ぼごとする人口じんこうは3,000万まん人にん近ちかくいた。国内こくないで英語えいご以外いがいの母語ぼごと主張しゅちょうされている言語げんごは300以上いじょうあり、先住民せんじゅうみんが話はなす言語げんご（約やく150言語げんご）や移民いみんがもたらした言語げんごがある。主おもに聾唖ろうあ者しゃが用もちいるアメリカ手話しゅわはアメリカで生うまれたものである。ハワイ語ごもハワイ州しゅう以外いがいでは存在そんざいしないアメリカ生うまれの言語げんごである。スペイン語ごはアメリカで2番目ばんめに多おおく話はなされている言語げんごであり、プエルトリコでは公式こうしき言語げんごの一ひとつになり、最もっとも広ひろく話はなされている。

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくを方言ほうげんで分わければ4つの地域ちいきがある。すなわち北東ほくとう部ぶ、南部なんぶ、内陸ないりく北部ほくぶおよび中西部ちゅうせいぶである。中西部ちゅうせいぶアクセント（アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくでは標準ひょうじゅんと考かんがえられ、他たの英語えいごを話はなす世界せかいでの容認ようにん発音はつおんに似にている）がかつての大西洋たいせいよう岸がん中部ちゅうぶから中西部ちゅうせいぶを経へて太平洋たいへいよう岸がんまで拡ひろがっている。

宗教しゅうきょう

アワー・レディ・オブ・ザ・エンジェルス大だい聖堂せいどう、ローマ・カトリック教会きょうかいロサンゼルス大司教だいしきょう区くの本部ほんぶ

歴史れきし的てきにアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの宗教しゅうきょうの伝統でんとうはプロテスタントのキリスト教きりすときょう徒とが支配しはい的てきだった。今日きょう、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく人口じんこうの4分ぶんの3はキリスト教徒きりすときょうとと言いっており、プロテスタントが多数たすう派は (56%)である。プロテスタントは多数たすうの教派きょうはに分わかれているので、単一たんいつの教派きょうはとしてはローマ・カトリック (27%)が最大さいだいである。 他たにはユダヤ教きょう、ヒンドゥー教きょう、イスラム教いすらむきょう、仏教ぶっきょう、モルモン教きょうおよびその他たの新しん宗教しゅうきょう（最もっとも著名ちょめいなものはウイッカ）が信仰しんこうされている。アメリカ人じんの約やく16%は無む神かみ論ろん、不可知論ふかちろん、あるいは無む宗教しゅうきょうと答こたえている。

政府せいふはいわゆる政教せいきょう分離ぶんり原則げんそくに則のっとり、非ひ宗教しゅうきょう的てきな制度せいどとなっている。

家屋かおく

第だい二に次じ世界せかい大戦たいせんの直後ちょくご、アメリカ人じんは都市とし郊外こうがいの田舎いなかよりは人口じんこう密度みつどがあるが都会とかいほどでもない地域ちいきに住すみ始はじめた。この動うごきは、自動車じどうしゃ、広大こうだいな土地とちが利用りようできること、多おおくのまた長ながい舗装ほそう道路どうろが便利べんりになったこと、都会とかいの中心ちゅうしんでは暴力ぼうりょく行為こういが増ふえたこと、また郊外こうがいでは家屋かおく費ひが安やすくなったことなど多おおくの要因よういんが結むすびついたものだった（ホワイト・フライト）。新あたらしい一戸建いっこだて家屋かおくは通常つうじょう2階かい建だてで単一たんいつの土地とち開発かいはつ会社かいしゃが開発かいはつした大おおきな家屋かおく建設けんせつ契約けいやくの一部いちぶだった。その結果けっか生しょうじた低ひくい人口じんこう密度みつどの状態じょうたいは軽蔑けいべつ的てきに「スプロール現象げんしょう」とも呼よばれた。しかし、これも変化へんかしている。ヤッピー（若わかい都会とかい派はプロフェッショナル）や中ちゅう上流じょうりゅう階層かいそう、エンプティ・ネスト・シンドローム（子供こどもの独立どくりつ後ご、親おやが陥おちいる憂鬱ゆううつ症しょう）のベビーブーマーが都会とかいの通常つうじょうは集合しゅうごう住宅じゅうたくに戻もどり始はじめて、ホワイト・フライト（都市とし部ぶから郊外こうがいへの白人はくじんの移動いどう）の逆行ぎゃっこうが起おこった。ニューヨーク市しマンハッタン区くローワー・イースト・サイドやシカゴのサウスループがその例れいである。その結果けっかは多おおくの貧まずしい都市とし居住きょじゅう者しゃを追おい出だすことになった（ジェントリフィケーション）。住宅じゅうたく価額かがくが全国ぜんこく平均へいきんに近ちかい都市としは、都市とし圏けんの世帯せたい当あたり収入しゅうにゅうで中ちゅう間あいだ値ちの80%から120%に相当そうとうする中なか間あいだ的てき収入しゅうにゅう層そうの地区ちくを失うしなってきた。ここへきて、専門せんもん職しょく層そうとか中ちゅう上流じょうりゅう層そうとも言いわれる中流ちゅうりゅう階層かいそうの裕福ゆうふくな者もの達たちが金かねのかかる郊外こうがいの大おおきな家屋かおく探求たんきゅうを止とめた。この傾向けいこうは中流ちゅうりゅう階級かいきゅうとその中なかでも特権とっけん階級かいきゅうの間あいだに厳きびしい区別くべつを生しょうじさせたいわゆる中流ちゅうりゅう階級かいきゅうスクィズのせいである。しかし、カリフォルニア州しゅうのような土地とち価格かかくの高たかい地域ちいきでは、より裕福ゆうふくな中流ちゅうりゅう階級かいきゅう世帯せたいが実際じっさいの中流ちゅうりゅう階級かいきゅうに置おき換かわり、元もとの中なか中流ちゅうりゅう階級かいきゅう地区ちくを中ちゅう上流じょうりゅう階級かいきゅう地区ちくに転換てんかんする傾向けいこうが起おこっている。

田園でんえん地帯ちたいでは、人々ひとびとが仕事しごとや娯楽ごらくを求もとめて都会とかいに流ながれるにつれて、その人口じんこう減少げんしょうが加速かそくしてきた。田園でんえん部ぶからの大だい脱出だっしゅつは1940年代ねんだいに起おこった。近年きんねんでは全ぜん人口じんこうの2%足たらずしか農場のうじょうに住すんでいない（ただし、田園でんえん部ぶに住すんで通勤つうきんする者ものもいる）。電力でんりょくと電話でんわ、また時ときにはケーブル網もうやインターネットサービスがほとんどどんな遠隔えんかく地ちでも利用りようできるようになった。子供こども達たちは都会とかいと同様どうように高校こうこうまでは学校がっこうに通かよい、農業のうぎょうは夏季かきや放課後ほうかごのみ手伝てつだうようになっている。

オハイオ州しゅうシンシナティに近ちかいケンタッキー州しゅうの大型おおがた住宅じゅうたく開発かいはつ地ち

アメリカ人じんのほぼ半分はんぶんは郊外こうがいと呼よばれる場所ばしょに住すんでいる。郊外こうがいの核かく家族かぞくは「アメリカンドリーム」の一部いちぶ、すなわち結婚けっこんして子供こどもをもうけた夫婦ふうふが郊外こうがいに家いえを持もつこととして認識にんしきされてきた。この元もと型かたはマスメディア、宗教しゅうきょう的てき慣習かんしゅうおよび政府せいふの政策せいさくによって補強ほきょうされ、アングロサクソン文化ぶんかの伝統でんとうに基もとづいている。郊外こうがいに住すむことにおける最もっとも大おおきな違ちがいは家屋かおくが家族かぞくだけで専有せんゆうされることである。郊外こうがいは商業しょうぎょう小売こうり地区ちく、工業こうぎょう地域ちいきおよび時ときとして公立こうりつ学校がっこうとも分離ぶんりされた一戸建いっこだて地域ちいきになっている。しかし、多おおくの郊外こうがいは小規模しょうきぼながら他たの要素ようそを受うけ容いれて、その社会しゃかいに多おおくに人ひとを惹ひき付つけるようになっている。

郊外こうがいや小ちいさな町まちにおけるよりも多おおくのアパートや連れん棟とうの家屋かおくを含ふくむかも知しれない住宅じゅうたくとは別べつに、郊外こうがいに住すむことから来くる大おおきな差異さいは多おおくの異ことなるサブカルチャーの密度みつどや多様たようさであり、また家屋かおくに混まじった商店しょうてんや製造せいぞう用よう建物たてものの存在そんざいである。都会とかいの住人じゅうにんは大量たいりょう交通こうつう手段しゅだんで動うごく傾向けいこうにあり、子供こども達たちは両親りょうしんの運転うんてんする車くるまよりも歩あるいたり自転車じてんしゃを使つかったりする傾向けいこうにある。

両性りょうせいの関係かんけい

交際こうさい、同棲どうせいおよび若年じゃくねんの性せい交渉こうしょう

男女だんじょのカップルは宗教しゅうきょう施設しせつ、職場しょくば、学校がっこうあるいは友人ゆうじん関係かんけいを利用りようして出逢であう。パートナーを見付みつけようという人々ひとびとを支援しえんするよう工夫くふうされた「デート・サービス」はオンラインでもオフラインでも人気にんきがある。過去かこ数すう十じゅう年間ねんかんの傾向けいこうは、結婚けっこんする前ぜんあるいはその代かわりに同棲どうせいを選えらぶカップルが増ふえてきたことである。2000年ねん国勢調査こくせいちょうさに拠よれば、970万まん組くみの異性いせい同士どうしが一緒いっしょに住すんでおり、130万まん組くみの同性どうせいのカップルが同居どうきょしている。これら同棲どうせいは多おおくの法ほうの規制きせい対象たいしょうにはなっていないが、幾いくつかの州しゅうでは結婚けっこんしていないカップルを法的ほうてきに支援しえんするための同棲どうせい法ほうや判例はんれいによる慰謝いしゃ料りょう原則げんそくを持もっている場合ばあいもある。

若年じゃくねんの性せい交渉こうしょうは普通ふつうのことになっている。アメリカ人じんの大半たいはんは10代のうちに最初さいしょの性せい交渉こうしょうを持もっている。最近さいきんのデータではある者ものが18歳さいになるまでに女性じょせいの半分はんぶんを少すこし超こえた者もの、男性だんせいの3分ぶんの2近ちかくが性せい交渉こうしょうを経験けいけんしたことを示唆しさしている。性的せいてきに行動こうどう的てきな10代の半分はんぶん以上いじょうがデートする性せいのパートナーを持もっている。交際こうさいに関かかわるものを含ふくむ危険きけんな性的せいてき行為こういが10代の間あいだで「蔓延まんえん」している。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおける10代の妊娠にんしんは1990年ねんの1,000人にん当あたり117人にんから2000年ねんの同どう84人にんまで28%減少げんしょうした。世界せかい保健ほけん機関きかんに拠よれば、10代の妊娠にんしん率りつにおいて2002年ねんのアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくは170カ国かこく中ちゅう84位いになっている。

結婚けっこんと離婚りこん

詳細しょうさいは「アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおける結婚けっこん」、「アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの同性どうせい結婚けっこん」、および「アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおける異い人種じんしゅ間あいだ結婚けっこん」を参照さんしょう

各州かくしゅうでの15歳さい以上いじょうの婚姻こんいん率りつ。2006年ねん（左ひだり）と2017年ねん（右みぎ）。

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく各地かくちにおける同性どうせい婚こんの法的ほうてき位置いちづけ。濃紺のうこん：合法ごうほう、紫むらさき：容認ようにん、灰はい：否認ひにん。

婚姻こんいん法ほうは各州かくしゅうで制定せいていされている。同性どうせい同士どうしの婚姻こんいんは現在げんざい、カリフォルニア州しゅう、マサチューセッツ州しゅう、アイオワ州しゅう、バーモント州しゅう、メイン州しゅう、ニューハンプシャー州しゅうおよびコネチカット州しゅうで合法ごうほうである。ニュージャージー州しゅう、オレゴン州しゅう、ワシントンD.C.、ワシントン州しゅうおよびネバダ州しゅうでは同性どうせいカップルが同棲どうせいのカップルと共ともに州しゅうレベルの結婚けっこんによる恩恵おんけいを受うけられるようにしている。ハワイ州しゅう、メリーランド州しゅう、およびコロラド州しゅうでは、同棲どうせいカップルに幾いくらかの恩恵おんけいを提供ていきょうしている。ニューヨーク州しゅうは州しゅう外がいから来くる同性どうせい結婚けっこん者しゃを認みとめているが、州しゅう内ないでは認みとめていない。多おおくの州しゅうでは出身しゅっしん州しゅうで違法いほうの場合ばあいに州しゅう境さかいを越こえて結婚けっこんする資格しかくを得えることを違法いほうとしている。典型てんけい的てきな結婚式けっこんしきではカップルが親戚しんせき知人ちじんの前まえで互たがいに献身けんしん的てきであることを宣誓せんせいする。これはその信仰しんこうに従したがって牧師ぼくし、僧侶そうりょあるいはラビなどのような宗教しゅうきょう人じんによって差配さはいされることが多おおい。伝統でんとう的てきなキリスト教徒きりすときょうとの結婚式けっこんしきでは新婦しんぷの父ちちが新婦しんぷを新郎しんろうに手渡てわたす儀式ぎしきがある。宗教しゅうきょうによらない式しきも普通ふつうにあり、判事はんじ、治安ちあん判事はんじあるいは自治体じちたい役人やくにんが差配さはいすることが多おおい。

離婚りこんは州しゅう政府せいふの管轄かんかつ範囲はんいなので離婚りこん法ほうも州しゅう毎ごとに異ことなる。1970年代ねんだいまでは、離婚りこんする片割かたわれはもう一方いっぽうが放棄ほうきや密通みっつうのような犯罪はんざいあるいは罪つみがあることを主張しゅちょうする必要ひつようがあった。双方そうほうが単純たんじゅんにうまくいかない場合ばあい、弁護士べんごし達たちが協議きょうぎ離婚りこんを創つくり出だす必要ひつようがあった。無む過失かしつ離婚りこんという革命かくめいは1969年ねんのカリフォルニア州しゅうで始はじまり、1985年ねんのサウスダコタ州しゅうが最後さいごの州しゅうとなった。「和解わかいし難がたい不和ふわ」に基もとづく無む過失かしつ離婚りこんは現在げんざい全すべての州しゅうで可能かのうである。しかし、多おおくの州しゅうは最近さいきん正式せいしきな離婚りこん判決はんけつの前まえに別居べっきょ期間きかんを求もとめてきた。州法しゅうほうでは子供こどもが関かかわる場合ばあいの子供こども支援しえん法ほうを提供ていきょうし、時ときには児童じどう扶養ふよう手当てあてを定さだめている。結婚けっこんしている成人せいじんは20年ねん前まえの2.5倍ばい、50年ねん前まえの4倍ばいの確かく率りつで離婚りこんしている。新婚しんこんカップルの40ないし60%は離婚りこんに終おわる。結婚けっこんから5年ねん以内いないに終おわる確かく率りつは20%、10年ねん以内いないに終おわる確かく率りつは33%になっている。継父母けいふぼと住すむことになる16歳さい以下いかの子供こどもの確かく率りつはおそらく25%である。結婚けっこん生活せいかつの永続えいぞく期間きかんの中央ちゅうおう値ちは11年間ねんかんであり、離婚りこんの90%は法廷ほうてい外がいで決着けっちゃくしている。

両性りょうせいの役割やくわり

1970年代ねんだい以降いこう、男性だんせいと女性じょせいの伝統でんとう的てきな性せいの役割やくわりが、法的ほうてきにもまた社会しゃかい的てき意味いみにおいても異議いぎを唱となえられるようになった。今日きょう法律ほうりつで一方いっぽうの性せいに限定げんていされるような役割やくわりはほとんどなくなっている。軍隊ぐんたいは著名ちょめいな例外れいがいであり、女性じょせいは直接ちょくせつ戦闘せんとうに投入とうにゅうされることを法律ほうりつで禁きんじられている。しかし、非対称ひたいしょう戦争せんそうでは事実じじつ上じょう女性じょせいを直接ちょくせつ戦闘せんとうにかかわる状況じょうきょうに置おくことがあった。

社会しゃかい的てき役割やくわりの大半たいはんについて法律ほうりつで性せいによる規制きせいをおこなっていないが、特定とくていの役割やくわりを取とり巻まく文化ぶんか的てき抑制よくせいはいまでも存在そんざいする。女性じょせいが職場しょくばに進出しんしゅつするようになって、労働ろうどう力りょくに占しめる比率ひりつは1900年ねんの18.3%から2000年ねんの46.6%にまで増加ぞうかした。

2012年ねんの選挙せんきょで上院じょういん20人にん、下院かいん77人にんの女性じょせいが当選とうせんして過去かこ最高さいこうになった。

しかし、大半たいはんの男性だんせいは伝統でんとう的てきな全日ぜんじつの家事かじ労働ろうどうを行おこなってはおらず、同様どうように伝統でんとう的てきに女性じょせいの仕事しごとだった受付うけつけや看護かんご師しになる男性だんせいは少すくない（看護かんご師しは南北戦争なんぼくせんそうまで男性だんせいの仕事しごとだった）。

葬儀そうぎ

アメリカ人じんは愛あいする者ものの死後しご数すう日間にちかん葬儀そうぎ場じょうで通夜つやを行おこなう習慣しゅうかんがある。棺桶かんおけにのぞき窓まどがある場合ばあい、死者ししゃの体からだは防腐ぼうふ処置しょちを施ほどこされ、きれいな衣類いるいに包つつまれる。伝統でんとう的てきなユダヤ教きょうやイスラム教いすらむきょうの儀式ぎしきでは儀礼ぎれい上じょうの沐浴もくよくがあり防腐ぼうふ処理しょりはない。国内こくないの遠隔えんかく地ちから友人ゆうじん、親戚しんせきおよび知人ちじんが集あつまり、死者ししゃに対たいする「最後さいごの敬意けいい」を払はらう。棺かんには花はなが入いれられ、時ときには弔辞ちょうじ、哀歌あいか、個人こじんの逸話いつわあるいは集団しゅうだんによる祈いのりが添そえられる。さもなければ、出席しゅっせき者しゃが座すわるか立たちあるいは跪ひざまずいて静しずかに瞑想めいそうするか祈いのる。死者ししゃの額がくに接吻せっぷんするのはイタリア系けいアメリカ人じんなどでは習慣しゅうかんになっている。寡婦かふあるいは未亡人みぼうじんおよび近ちかい親戚しんせきに対たいしては哀悼あいとうの言葉ことばが述のべられる。

葬儀そうぎは死しの直後ちょくごあるいは翌日よくじつに行おこなわれる。葬儀そうぎの様式ようしきは宗教しゅうきょうや文化ぶんかによって異ことなる。アメリカのカトリック教徒きょうとは通常つうじょう教会きょうかいで葬送そうそうミサを行おこない、時ときには鎮魂ちんこんミサの形かたちを取とる。ユダヤ系けいアメリカ人じんはシナゴーグで儀式ぎしきを行おこなう。担かつぎ手しゅが死者ししゃの棺かんを担になって霊柩車れいきゅうしゃまで運はこび、最後さいごの休息きゅうそく所しょ通常つうじょうは墓地ぼちまで葬送そうそうを行おこなう。ニューオーリンズの特徴とくちょうあるジャズ葬儀そうぎでは葬列そうれつの間あいだ陽気ようきで騒々そうぞうしい音楽おんがくとダンスが演えんじられる。

いわゆる葬祭そうさい業ぎょうがアメリカで発達はったつし、以前いぜんの形式けいしき的てきな伝統でんとうに置おき換かわってきた。葬儀そうぎ場じょうが使つかわれるようになる前まえは、通夜つやは通常つうじょうの個人こじん宅たくで行おこなわれていた。この目的もくてきで最もっとも優美ゆうびな部屋へやが取とって置おかれることも多おおかった。

庭園ていえん墓地ぼち

1831年ねんに設立せつりつされたマウントオーバーン墓地ぼちは「アメリカで最初さいしょの庭園ていえん墓地ぼち」として知しられている。

アメリカの墓地ぼちはそれ以来いらい公園こうえんのような設定せっていで特徴とくちょうあるものになっている。

墓はかの並ならびは芝生しばふで囲かこわれ、樹木じゅもくや花はなが散在さんざいしている。墓石はかいし、霊廟れいびょう、彫像ちょうぞうあるいは簡単かんたんな銘板めいばんで個々ここの墓はかを識別しきべつできるようにしている。火葬かそうもよく行おこなわれる習慣しゅうかんであるが、幾いくつかの宗教しゅうきょうでは嫌きらわれている。

死者ししゃの灰はいは通常つうじょう骨ほね壺つぼに入いれられ、個人こじんの家いえに置おかれるか、埋葬まいそうされる。灰はいが空中くうちゅうに撒まかれることもある。灰はいの「散骨さんこつ」は非公式ひこうしきな儀式ぎしきの一部いちぶであり、死者ししゃの好このんだ自然しぜん景観けいかんの良よい場所ばしょ（崖がけ、湖みずうみあるいは山やま）で行おこなわれることが多おおい。

家族かぞく構成こうせい

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおける家族かぞく構成こうせいは平均へいきん的てきと考かんがえられる特定とくていのものが無なくなって、より多様たよう化かが進すすんだ

今日きょうアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおける家族かぞく構成こうせいは社会しゃかいの多様たよう化かと動的どうてき性格せいかくを反映はんえいしている。20世紀せいきの比較的ひかくてき短期間たんきかん、大半たいはんの家族かぞくは核かく家族かぞく（結婚けっこんした2人ふたりの成人せいじんと1人ひとりの生物せいぶつ学がく上じょうの子供こども）という概念がいねんに拘かかわった時期じきがあったが、現在げんざいでは一人ひとり親おや家庭かてい、子供こどものいないカップル、および融合ゆうごう家族かぞくがその大半たいはんを占しめるようになった。アメリカ人じんの大半たいはんはその生涯しょうがいで少すくなくとも1回かい結婚けっこんして離婚りこんしている。このために大半たいはんは様々さまざまな家族かぞく構成こうせいの中なかで暮くらしている。一人ひとり親おやで育そだった者ものが結婚けっこんして子供こどものいないカップルとなる、その後ごに離婚りこんして数すう年間ねんかんは独身どくしんで過すごし、再婚さいこんし、子供こどもをもうけて核かく家族かぞくとして暮くらすというパターンがある。

核かく家族かぞくとは多おおくの者ものが家族かぞくについて考かんがえるときに思おもいつく理想りそう化かされた形態けいたいである。家族かぞくとは何なにであるかという古ふるい定義ていぎ、核かく家族かぞくは、多おおくの社会しゃかい科学かがく者しゃに拠よれば、今日きょうある家族かぞく構成こうせいの幅広はばひろい多様たよう化かを適切てきせつにカバーしては居いないように見みえる。かくして一人ひとり親おや世帯せたいや子供こどものいないカップルなど大変たいへん多様たような家族かぞく構成こうせいを表現ひょうげんすることを意図いとした「ポストモダン・ファミリー」という言葉ことばが出でてきた。

アメリカの家族かぞく構成こうせいで別べつの変化へんかと言いえば、ダブルインカム世帯せたいと若者わかものが独立どくりつする年齢ねんれいの高齢こうれい化かである。1950年代ねんだいや1960年代ねんだいの家庭かていは一人ひとりの稼かせぎ手しゅ、大半たいはんは夫おっとにその収入しゅうにゅうを頼たよっていたが、現在げんざいは稼かせぎ手しゅが2人にんいることの方ほうが多おおい。もう一ひとつの変化へんかは子供こどもが両親りょうしんの家いえを離はなれる年齢ねんれいが上あがり続つづけていることである。伝統でんとう的てきに大学だいがく年齢ねんれいを過すぎて両親りょうしんと住すんでいる者ものは否定ひてい的てきに見みられていたが、今日きょうでは30代だい半なかばを過すぎても両親りょうしんと共ともに生活せいかつする子供こども達たちが普通ふつうに見みられる。この傾向けいこうは過去かこ数すう十じゅう年間ねんかんよりも生活せいかつ費ひが遙はるかに高騰こうとうしてきたことが大おおきく寄与きよしている可能かのう性せいがある。かくして多おおくの若わかい成人せいじんが20代だい半なかばを過すぎても両親りょうしんの元もとに留とまるようになった。この話題わだいは2005年ねんのタイム誌しの記事きじでも取とり上あげられた。20代だい半なかばで家いえを離はなれる習慣しゅうかんに対たいする例外れいがいは特とくにイタリア系けいアメリカ人じんやヒスパニック系けいアメリカ人じんの間あいだで、またニューヨーク市しやカリフォルニア州しゅうおよびホノルル市しのような高額こうがくの都市とし不動産ふどうさん市場いちばで起おこっている。これらの地域ちいきでは1ヶ月かげつの賃借ちんしゃく料りょうが1,000ドルを超こえることが多おおい。

年とし	家族かぞく (69.7%)				非ひ家族かぞく (31.2%)
	既婚きこんのカップル (52.5%)		片親かたおや	非ひ血縁けつえんの家族かぞく	単身たんしん (25.5%)		その他たの非ひ家族かぞく
	核かく家族かぞく	子供こどものいないカップル			男性だんせい	女性じょせい
2000	24.1%	28.7%	9.9%	7%	10.7%	14.8%	5.7%
1970	40.3%	30.3%	5.2%	5.5%	5.6%	11.5%	1.7%

一人ひとり親おや世帯せたいは一人ひとりの成人せいじん（大半たいはんは女性じょせい）と1人ひとり以上いじょうの子供こどもで構成こうせいされ、ほとんどゼロに等ひとしい他方たほうの親おやからの支援しえんで子供こどもを育そだてている。この親おやは家族かぞく唯一ゆいいつの「大黒柱だいこくばしら」であり、経済けいざい的てきには特とくに脆弱ぜいじゃくである。貧困ひんこん線せん以下いかである確かく率りつが高たかく、子供こども達たちは教育きょういく機会きかいについて問題もんだいになりやすい。

地域ちいきによる変化へんか

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの地域ちいきによる文化ぶんかの違ちがいは、ニューイングランド、大西洋たいせいよう岸がん中部ちゅうぶ、南部なんぶ、中西部ちゅうせいぶ、南西なんせい部ぶ、西部せいぶおよび太平洋たいへいよう岸がん北西ほくせい部ぶの各かく記事きじで検討けんとうされている。カリフォルニア州しゅう、オレゴン州しゅうおよびワシントン州しゅうで構成こうせいされるアメリカ大陸あめりかたいりくの西海岸にしかいがんは時ときとして残のこされた海岸かいがんとも呼よばれ、政治せいじ的てき指向しこうや傾向けいこうが革新かくしん的てきな基準きじゅん、習俗しゅうぞくおよび価値かち観かんに向むいていることを示しめしている。強つよい文化ぶんか的てき違ちがいは南北戦争なんぼくせんそう以前いぜんの時代じだいにあった南部なんぶの奴隷どれい制せい社会しゃかいが主おもな例れいとして機能きのうする長ながい歴史れきしがある。北部ほくぶ州しゅうと南部なんぶ州しゅうの間あいだの社会しゃかいだけでなく経済けいざい的てき緊張きんちょう関係かんけいが厳いかめしかったので、南部なんぶは独立どくりつ国家こっかであるアメリカ連合れんごう国こくの結成けっせいを宣言せんげんすることになった。かくして南北戦争なんぼくせんそうが起おこった。地域ちいき的てき変化へんかの一いち例れいは性せいに関かんする議論ぎろんに対たいする態度たいどであり、北東ほくとう部ぶではあまり制限せいげんが無ないが、南部なんぶではタブーと見みられる傾向けいこうがある。

参考さんこう文献ぶんけん

• Coffin, Tristam P.; Cohen, Hennig, (editors), Folklore in America; tales, songs, superstitions, proverbs, riddles, games, folk drama and folk festivals, Garden City, N.Y. : Doubleday, 1966. Selections from the Journal of American folklore.
• Marcus, Greil (2007), The Shape of Things to Come: Prophecy and the American Voice, Macmillan, ISBN 0312426429, https://books.google.co.jp/books?id=iALd6WoGtPEC&printsec=frontcover&redir_esc=y&hl=ja 
• Shell, Ellen Ruppel, Cheap: The High Cost of Discount Culture, New York : Penguin Press, 2009. ISBN 9781594202155
• 『家族かぞくという神話しんわ: アメリカン・ファミリーの夢ゆめと現実げんじつ』ステファニー・クーンツ、筑摩書房ちくましょぼう, 1998.3
• レイ・オルデンバーグ 著ちょ、忠平ちゅうへい美幸みゆき 訳やく『サードプレイス』みすず書房しょぼう、2013年ねん。ISBN 9784622077800。 

関連かんれん項目こうもく

• アメリカニゼーション
• アメリカン・ドリーム

外部がいぶリンク

• A Quick Guide for Living in the US
• Customs & Culture in the US
• Social institutions in the United States
• Life in the USA: The Complete Guide for Immigrants and Americans
• Guide to American culture and customs for foreign students (US Army Intelligence)
• CommonCensus Map Project - Identifying geographic spheres of influence